JPH09151937A - スラストワッシャ材 - Google Patents
スラストワッシャ材Info
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- JPH09151937A JPH09151937A JP31399595A JP31399595A JPH09151937A JP H09151937 A JPH09151937 A JP H09151937A JP 31399595 A JP31399595 A JP 31399595A JP 31399595 A JP31399595 A JP 31399595A JP H09151937 A JPH09151937 A JP H09151937A
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- JP
- Japan
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- weight
- tetrafluoroethylene
- thrust washer
- resin powder
- based resin
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 低摩擦特性、耐摩耗特性、耐熱性に優れなが
ら応力集中や衝撃に強く、長期にわたって安定性、信頼
性のある、弾性体特性を有するスラストワッシャ材を提
供することである。 【解決手段】 軸方向荷重を受け持つスラスト軸受に用
いられるスラストワッシャ材であって、上記スラストワ
ッシャ材の摺動部の一部又は全部が、第1必須成分であ
るアクリロニトリルブタジエン系ゴム、第2必須成分で
あるテトラフルオロエチレン系樹脂粉末、及び第3必須
成分である球状黒鉛を含有する潤滑性ゴム組成物から形
成される。
ら応力集中や衝撃に強く、長期にわたって安定性、信頼
性のある、弾性体特性を有するスラストワッシャ材を提
供することである。 【解決手段】 軸方向荷重を受け持つスラスト軸受に用
いられるスラストワッシャ材であって、上記スラストワ
ッシャ材の摺動部の一部又は全部が、第1必須成分であ
るアクリロニトリルブタジエン系ゴム、第2必須成分で
あるテトラフルオロエチレン系樹脂粉末、及び第3必須
成分である球状黒鉛を含有する潤滑性ゴム組成物から形
成される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スラストワッシ
ャ材に関し、特に、軸方向荷重を受持つスラストワッシ
ャ材に関する。
ャ材に関し、特に、軸方向荷重を受持つスラストワッシ
ャ材に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、軸方向に荷重が作用する場合、
その軸方向荷重(スラスト荷重)を受持つ部位にスラス
ト軸受が用いられる。このスラスト軸受としては、玉軸
受、ころ軸受、スラストワッシャ等がある。従来、高負
荷、高速の条件下にて使用されるスラスト軸受として、
玉軸受、ころ軸受等の金属製ころがりベアリングが採用
されている。
その軸方向荷重(スラスト荷重)を受持つ部位にスラス
ト軸受が用いられる。このスラスト軸受としては、玉軸
受、ころ軸受、スラストワッシャ等がある。従来、高負
荷、高速の条件下にて使用されるスラスト軸受として、
玉軸受、ころ軸受等の金属製ころがりベアリングが採用
されている。
【0003】しかし、近年、事務機、医療機器、一般家
庭機器、自動車、及び電送関連の低負荷あるいは低速度
条件においては、軽量化を目的として樹脂製軸受(スラ
ストワッシャ)が主流となってきた。このスラストワッ
シャの材料としては、主にベスペル(デュポン社製ポリ
イミド)、トーロン(アモコ社製ポリイミドアミド)、
又はビクトレックスPEEK(アイ・シー・アイ社製ポ
リエーテルエーテルケトン)等のスーパーエンジニアリ
ングプラスチックの無充填品あるいは繊維物などの充填
品があげられる。
庭機器、自動車、及び電送関連の低負荷あるいは低速度
条件においては、軽量化を目的として樹脂製軸受(スラ
ストワッシャ)が主流となってきた。このスラストワッ
シャの材料としては、主にベスペル(デュポン社製ポリ
イミド)、トーロン(アモコ社製ポリイミドアミド)、
又はビクトレックスPEEK(アイ・シー・アイ社製ポ
リエーテルエーテルケトン)等のスーパーエンジニアリ
ングプラスチックの無充填品あるいは繊維物などの充填
品があげられる。
【0004】これらにより、市場の要求がほぼ満足はさ
れているが、いずれもアクシデントによる応力集中時の
クラックなどの破壊及び破損、並びに経時的な衝撃によ
る破壊及び破損が大きな問題となっている。よって、低
摩擦特性、耐摩耗特性、耐熱性に優れながら応力集中や
衝撃に強く、緩衝材ともなり得る弾性体特性を有する材
料が要求されている。
れているが、いずれもアクシデントによる応力集中時の
クラックなどの破壊及び破損、並びに経時的な衝撃によ
る破壊及び破損が大きな問題となっている。よって、低
摩擦特性、耐摩耗特性、耐熱性に優れながら応力集中や
衝撃に強く、緩衝材ともなり得る弾性体特性を有する材
料が要求されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような特性を得る
ため、例えば、ジエン系合成ゴムなどのシート型表面に
テフロンを貼付けたものが考えられたが、長期にわたり
高圧にさらされるため、ゴムの劣化、接着部分の剥離が
生じたり、摺動部であるテフロンの耐熱性が満足されな
いなどの問題点を有していた。また、弾性体材料への低
摩擦性、耐摩耗性の付与として、ジエン系ゴム材にオイ
ルを含浸させたタイプも検討されたが、経時的にオイル
が排出され、次第に摺動抵抗が大きくなり、スティック
スリップなどの発生及び破損発生等を生じた。さらに、
ゴム部材へのテフロンコーティングも試みられたが、ゴ
ム部材の耐熱性の問題もあり、耐摩耗性が十分ではなか
った。
ため、例えば、ジエン系合成ゴムなどのシート型表面に
テフロンを貼付けたものが考えられたが、長期にわたり
高圧にさらされるため、ゴムの劣化、接着部分の剥離が
生じたり、摺動部であるテフロンの耐熱性が満足されな
いなどの問題点を有していた。また、弾性体材料への低
摩擦性、耐摩耗性の付与として、ジエン系ゴム材にオイ
ルを含浸させたタイプも検討されたが、経時的にオイル
が排出され、次第に摺動抵抗が大きくなり、スティック
スリップなどの発生及び破損発生等を生じた。さらに、
ゴム部材へのテフロンコーティングも試みられたが、ゴ
ム部材の耐熱性の問題もあり、耐摩耗性が十分ではなか
った。
【0006】一方、ジエン系ゴムにテフロン系、シリコ
ン系等の固体潤滑剤を添加し、低摩擦特性を付与させた
ものが考案されたが、いずれも添加により高硬度とな
り、弾性が不充分となったり、引張り強度及び引裂き強
度が極端に低下したり、耐摩耗性が従来品より劣ってい
た等の問題があった。また、シリコンゴム、フッ素ゴム
等も検討されたが、上記特性を得られなかった。
ン系等の固体潤滑剤を添加し、低摩擦特性を付与させた
ものが考案されたが、いずれも添加により高硬度とな
り、弾性が不充分となったり、引張り強度及び引裂き強
度が極端に低下したり、耐摩耗性が従来品より劣ってい
た等の問題があった。また、シリコンゴム、フッ素ゴム
等も検討されたが、上記特性を得られなかった。
【0007】また、耐衝撃性材料としてナイロン系材
料、高分子量ポリエチレン系材料に上記と同様にテフロ
ン系、シリコン系等の固形潤滑剤を添加し、低摩擦特
性、耐摩耗性を付与させたものも考えられたが、いずれ
も耐熱性が不十分であり、摺動面が発熱にて溶融してき
た。
料、高分子量ポリエチレン系材料に上記と同様にテフロ
ン系、シリコン系等の固形潤滑剤を添加し、低摩擦特
性、耐摩耗性を付与させたものも考えられたが、いずれ
も耐熱性が不十分であり、摺動面が発熱にて溶融してき
た。
【0008】そこで、この発明の解決しようとする課題
は、低摩擦特性、耐摩耗特性、耐熱性に優れながら応力
集中や衝撃に強く、長期にわたって安定性、信頼性のあ
る、弾性体特性を有するスラストワッシャ材を提供する
ことにある。
は、低摩擦特性、耐摩耗特性、耐熱性に優れながら応力
集中や衝撃に強く、長期にわたって安定性、信頼性のあ
る、弾性体特性を有するスラストワッシャ材を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は、軸方向荷重を受け持つスラスト軸受に
用いられるスラストワッシャ材であって、上記スラスト
ワッシャ材の摺動部の一部又は全部が、第1必須成分で
あるアクリロニトリルブタジエン系ゴム、第2必須成分
であるテトラフルオロエチレン系樹脂粉末、及び第3必
須成分である球状黒鉛を含有する潤滑性ゴム組成物から
形成される。
め、この発明は、軸方向荷重を受け持つスラスト軸受に
用いられるスラストワッシャ材であって、上記スラスト
ワッシャ材の摺動部の一部又は全部が、第1必須成分で
あるアクリロニトリルブタジエン系ゴム、第2必須成分
であるテトラフルオロエチレン系樹脂粉末、及び第3必
須成分である球状黒鉛を含有する潤滑性ゴム組成物から
形成される。
【0010】上記潤滑性ゴム組成物を用いてスラストワ
ッシャ材を形成したので、弾性体特性、低摩擦特性、耐
摩耗特性、耐熱性を有して応力集中や衝撃に強く、ま
た、長期にわたって高圧下で用いても劣化が生じない特
性を発揮することができる。
ッシャ材を形成したので、弾性体特性、低摩擦特性、耐
摩耗特性、耐熱性を有して応力集中や衝撃に強く、ま
た、長期にわたって高圧下で用いても劣化が生じない特
性を発揮することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を説
明する。
明する。
【0012】この発明に係るスラストワッシャ材は、そ
の摺動部の一部又は全部が、第1必須成分であるアクリ
ロニトリルブタジエン系ゴム、第2必須成分であるテト
ラフルオロエチレン系樹脂粉末、及び第3必須成分であ
る球状黒鉛を含有する潤滑性ゴム組成物から形成されて
いる。
の摺動部の一部又は全部が、第1必須成分であるアクリ
ロニトリルブタジエン系ゴム、第2必須成分であるテト
ラフルオロエチレン系樹脂粉末、及び第3必須成分であ
る球状黒鉛を含有する潤滑性ゴム組成物から形成されて
いる。
【0013】上記第1必須成分であるアクリロニトリル
ブタジエン系ゴム(以下、NBRと称する。)は、ブタ
ジエンとアクリロニトリルとの共重合体であり、各種有
機合成法にて合成される。この構造としては、下記の
(化1)を主要構造単位とするもの等があげられる。
ブタジエン系ゴム(以下、NBRと称する。)は、ブタ
ジエンとアクリロニトリルとの共重合体であり、各種有
機合成法にて合成される。この構造としては、下記の
(化1)を主要構造単位とするもの等があげられる。
【0014】
【化1】
【0015】(m、nは、整数を示す。) 上記NBRは、室温においてゴム状弾性を有するもので
あれば、どのようなNBRでもよく、特に、NBRの物
性を変化させる場合は、NBR中のアクリロニトリル量
を15〜50重量%の範囲内にすることが好ましい。一
般的に、アクリロニトリル量24重量%未満のNBRを
低ニトリルNBR、アクリロニトリル量24〜30重量
%のNBRを中ニトリルNBR、アクリロニトリル量3
0〜36重量%のNBRを中高ニトリルNBR、アクリ
ロニトリル量36〜42重量%のNBRを高ニトリルN
BR、アクリロニトリル量42重量%超のNBRを極高
ニトリルNBRと分類できる。耐摩耗性、耐老化性、引
張強さを増加させるためには、アクリロニトリル量は多
いほうがよいが、ゴム弾性、耐寒性、低温特性を損なわ
ない程度に止めるためには、アクリロニトリル量を約2
4重量%以上42重量%以下の範囲、又は約24重量%
を越えて42重量%未満の範囲、すなわち、中ニトリル
NBRから高ニトリルNBRに属するNBRを用いるの
が好ましい。
あれば、どのようなNBRでもよく、特に、NBRの物
性を変化させる場合は、NBR中のアクリロニトリル量
を15〜50重量%の範囲内にすることが好ましい。一
般的に、アクリロニトリル量24重量%未満のNBRを
低ニトリルNBR、アクリロニトリル量24〜30重量
%のNBRを中ニトリルNBR、アクリロニトリル量3
0〜36重量%のNBRを中高ニトリルNBR、アクリ
ロニトリル量36〜42重量%のNBRを高ニトリルN
BR、アクリロニトリル量42重量%超のNBRを極高
ニトリルNBRと分類できる。耐摩耗性、耐老化性、引
張強さを増加させるためには、アクリロニトリル量は多
いほうがよいが、ゴム弾性、耐寒性、低温特性を損なわ
ない程度に止めるためには、アクリロニトリル量を約2
4重量%以上42重量%以下の範囲、又は約24重量%
を越えて42重量%未満の範囲、すなわち、中ニトリル
NBRから高ニトリルNBRに属するNBRを用いるの
が好ましい。
【0016】上記NBRの重量平均分子量は、特に限定
されないが、5万以上のものがよく、可及的に高分子量
のものが良好な結果を得られることから、7万以上のも
のが好ましく、10万〜50万のものが特に好ましい。
されないが、5万以上のものがよく、可及的に高分子量
のものが良好な結果を得られることから、7万以上のも
のが好ましく、10万〜50万のものが特に好ましい。
【0017】このようなNBRの例としては、日本合成
ゴム社製:JSR−N、日本ゼオン社製:NIPOL、
グッドイヤー社製:CHEMIGUM等を例示すること
ができる。
ゴム社製:JSR−N、日本ゼオン社製:NIPOL、
グッドイヤー社製:CHEMIGUM等を例示すること
ができる。
【0018】上記の第2必須成分であるテトラフルオロ
エチレン系樹脂粉末とは、例えば以下に示すテトラフル
オロエチレン系樹脂からなる粉末をいう。
エチレン系樹脂粉末とは、例えば以下に示すテトラフル
オロエチレン系樹脂からなる粉末をいう。
【0019】このテトラフルオロエチレン系樹脂として
は、例えばポリテトラフルオロエチレン(以下、PTF
Eと称する。)、テトラフルオロエチレン−パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体(PFAと称す
る。)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体(FEPと称する。)、エチレン−テト
ラフルオロエチレン共重合体(ETFEと称する。)、
テトラフルオロエチレン−フルオロアルキルビニルエー
テル−フルオロオレフィン共重合体(EPEと称す
る。)等が挙げられる。また、これらと合わせて、ポリ
クロロトリフルオロエチレン(PCTFEと称す
る。)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合
体(ECTFEと称する。)、ポリフッ化ビニリデン
(PVDFと称する。)、ポリフッ化ビニル(PVFと
称する。)等のフルオロエチレン系樹脂を混合してもよ
い。これらは、それぞれ単独もしくは、例えば1:10
から10:1の範囲で前記2種以上の共重合体や3元共
重合体等のフッ素化ポリオレフィン等であってもよい。
は、例えばポリテトラフルオロエチレン(以下、PTF
Eと称する。)、テトラフルオロエチレン−パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体(PFAと称す
る。)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体(FEPと称する。)、エチレン−テト
ラフルオロエチレン共重合体(ETFEと称する。)、
テトラフルオロエチレン−フルオロアルキルビニルエー
テル−フルオロオレフィン共重合体(EPEと称す
る。)等が挙げられる。また、これらと合わせて、ポリ
クロロトリフルオロエチレン(PCTFEと称す
る。)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合
体(ECTFEと称する。)、ポリフッ化ビニリデン
(PVDFと称する。)、ポリフッ化ビニル(PVFと
称する。)等のフルオロエチレン系樹脂を混合してもよ
い。これらは、それぞれ単独もしくは、例えば1:10
から10:1の範囲で前記2種以上の共重合体や3元共
重合体等のフッ素化ポリオレフィン等であってもよい。
【0020】このうちPTFEは、四フッ化エチレンの
単独重合体で、融点が約327℃であり、約340〜3
80℃でも溶融粘度が約1011〜1012ポイズと高く、
融点を越えても流動し難く、フッ素樹脂のなかでは最も
耐熱性に優れた樹脂であると考えられている。また、P
TFE誘導体として、アルキルビニルエーテルで変性さ
れたPTFEを用いることもできる。
単独重合体で、融点が約327℃であり、約340〜3
80℃でも溶融粘度が約1011〜1012ポイズと高く、
融点を越えても流動し難く、フッ素樹脂のなかでは最も
耐熱性に優れた樹脂であると考えられている。また、P
TFE誘導体として、アルキルビニルエーテルで変性さ
れたPTFEを用いることもできる。
【0021】上記テトラフルオロエチレン系樹脂の中で
も、PTFE、PFA、FEP、EPE等のパーフルオ
ロ系テトラフルオロエチレン系樹脂は、骨格である炭素
原子の周囲を全てフッ素原子又は微量の酸素原子で取り
囲まれた状態であり、C−F間の強固な結合により、フ
ッ素系樹脂のなかでも比較的耐熱温度が高く、また、低
摩擦係数、非粘着性、耐薬品性等の諸特性に優れてい
る。
も、PTFE、PFA、FEP、EPE等のパーフルオ
ロ系テトラフルオロエチレン系樹脂は、骨格である炭素
原子の周囲を全てフッ素原子又は微量の酸素原子で取り
囲まれた状態であり、C−F間の強固な結合により、フ
ッ素系樹脂のなかでも比較的耐熱温度が高く、また、低
摩擦係数、非粘着性、耐薬品性等の諸特性に優れてい
る。
【0022】上記テトラフルオロエチレン系樹脂の粉末
は、懸濁重合法により製造されたモールディングパウダ
ー、乳化重合法により製造されたファインパウダーのい
ずれも使用することができるが、重合後に加圧・加熱処
理して粉砕したもの、重合後に加圧・加熱処理して粉砕
し、γ線照射処理若しくは電子線照射処理したもの、又
は、重合後にγ線照射処理若しくは電子線照射処理した
もののいずれであっても構わない。
は、懸濁重合法により製造されたモールディングパウダ
ー、乳化重合法により製造されたファインパウダーのい
ずれも使用することができるが、重合後に加圧・加熱処
理して粉砕したもの、重合後に加圧・加熱処理して粉砕
し、γ線照射処理若しくは電子線照射処理したもの、又
は、重合後にγ線照射処理若しくは電子線照射処理した
もののいずれであっても構わない。
【0023】上記テトラフルオロエチレン系樹脂粉末の
平均粒径は、特に限定されないが、成形品のゴム弾性及
び表面硬度の点から20μm以内が好ましく、5〜20
μmがより好ましい。平均粒径が20μmを越えると、
ゴム硬度が高くなり、ゴム弾性を失う危険性があり、5
μ未満であると、耐摩耗特性が満足されない。
平均粒径は、特に限定されないが、成形品のゴム弾性及
び表面硬度の点から20μm以内が好ましく、5〜20
μmがより好ましい。平均粒径が20μmを越えると、
ゴム硬度が高くなり、ゴム弾性を失う危険性があり、5
μ未満であると、耐摩耗特性が満足されない。
【0024】このようなテトラフルオロエチレン系樹脂
粉末の例としては、ダイキン社製:ルブロンL10、旭
硝子社製:フルオンG163、フルオンCD1、ルーブ
リカントL169、ルーブリカントL182J、三井デ
ュポンフロロケミカル社製:テフロン7J等を例示する
ことができる。
粉末の例としては、ダイキン社製:ルブロンL10、旭
硝子社製:フルオンG163、フルオンCD1、ルーブ
リカントL169、ルーブリカントL182J、三井デ
ュポンフロロケミカル社製:テフロン7J等を例示する
ことができる。
【0025】また、上記テトラフルオロエチレン系樹脂
粉末の中でも、その表面にカーボン材が突出したテトラ
フルオロエチレン系樹脂粉末がより好ましい。表面にカ
ーボン材が突出したテトラフルオロエチレン系樹脂粉末
とは、図1に示すような構造を有しており、その製造法
としては、例えば、上記ファインパウダー製造における
乳化重合終了時に上記カーボン材を入れて共沈させて、
凝析、洗浄、乾燥することにより、テトラフルオロエチ
レン系樹脂粉末の表面に上記カーボン材が突出した粉末
を得る方法や、上記カーボン材を含有しないテトラフル
オロエチレン系樹脂粉末に上記カーボン材を乾式混合し
て、テトラフルオロエチレン系樹脂粉末の表面に上記カ
ーボン材が突き刺さることにより、テトラフルオロエチ
レン系樹脂粉末の表面に上記カーボン材が突出した粉末
を得る方法がある。
粉末の中でも、その表面にカーボン材が突出したテトラ
フルオロエチレン系樹脂粉末がより好ましい。表面にカ
ーボン材が突出したテトラフルオロエチレン系樹脂粉末
とは、図1に示すような構造を有しており、その製造法
としては、例えば、上記ファインパウダー製造における
乳化重合終了時に上記カーボン材を入れて共沈させて、
凝析、洗浄、乾燥することにより、テトラフルオロエチ
レン系樹脂粉末の表面に上記カーボン材が突出した粉末
を得る方法や、上記カーボン材を含有しないテトラフル
オロエチレン系樹脂粉末に上記カーボン材を乾式混合し
て、テトラフルオロエチレン系樹脂粉末の表面に上記カ
ーボン材が突き刺さることにより、テトラフルオロエチ
レン系樹脂粉末の表面に上記カーボン材が突出した粉末
を得る方法がある。
【0026】上記カーボン材としては、一般的な炭素粉
や黒鉛等の粉末状のものであり、特に黒鉛が好ましく、
また、ゴム材に汎用的に用いられるストラクチュアの大
きいカーボンブラックのHAF、SAF、FEF、又は
MT等であってもよい。
や黒鉛等の粉末状のものであり、特に黒鉛が好ましく、
また、ゴム材に汎用的に用いられるストラクチュアの大
きいカーボンブラックのHAF、SAF、FEF、又は
MT等であってもよい。
【0027】上記の表面にカーボン材が突出したテトラ
フルオロエチレン系樹脂粉末は、図1に示すように、テ
トラフルオロエチレン系樹脂粉末2にカーボン材3が全
方向に突き刺さっているので、上記NBR1内におい
て、カーボン材3による物理的な杭効果が生じ、また、
上記NBR1とカーボン材3との間に親和性が生じる。
このため、単純にNBRとテトラフルオロエチレン系樹
脂粉末とを混練したものより高強度なものが得られると
考えられる。
フルオロエチレン系樹脂粉末は、図1に示すように、テ
トラフルオロエチレン系樹脂粉末2にカーボン材3が全
方向に突き刺さっているので、上記NBR1内におい
て、カーボン材3による物理的な杭効果が生じ、また、
上記NBR1とカーボン材3との間に親和性が生じる。
このため、単純にNBRとテトラフルオロエチレン系樹
脂粉末とを混練したものより高強度なものが得られると
考えられる。
【0028】第3必須成分である球状黒鉛とは、ピッチ
から紡糸する工程にて副生される球状黒鉛又はフェノー
ル系樹脂を触媒下にてパラホルムアルデヒドと反応させ
て球状に重合させたものである。また、さらにその後、
焼成、粉砕した球状黒鉛があげられる。
から紡糸する工程にて副生される球状黒鉛又はフェノー
ル系樹脂を触媒下にてパラホルムアルデヒドと反応させ
て球状に重合させたものである。また、さらにその後、
焼成、粉砕した球状黒鉛があげられる。
【0029】上記球状黒鉛の一次粒径は、1〜200μ
mがよく、1〜40μmが好ましく、より好ましくは、
5〜40μmである。粒径が1μm未満では、上記NB
Rに分散混合して上記球状黒鉛を摺動面に露出させて
も、上記NBRの被圧による弾性変形によって埋没した
状態となってしまい、摺動相手材に接して荷重を支える
ことができないからである。また、200μmを越える
大径では、表面の平滑性が悪くなってしまう。さらに、
球状黒鉛が上記NBRに混練した際、球状黒鉛による耐
摩耗性、耐摩擦特性を維持させるため、混練の際にその
球形状が破壊されず、微細化しない剛性を有することが
必要である。
mがよく、1〜40μmが好ましく、より好ましくは、
5〜40μmである。粒径が1μm未満では、上記NB
Rに分散混合して上記球状黒鉛を摺動面に露出させて
も、上記NBRの被圧による弾性変形によって埋没した
状態となってしまい、摺動相手材に接して荷重を支える
ことができないからである。また、200μmを越える
大径では、表面の平滑性が悪くなってしまう。さらに、
球状黒鉛が上記NBRに混練した際、球状黒鉛による耐
摩耗性、耐摩擦特性を維持させるため、混練の際にその
球形状が破壊されず、微細化しない剛性を有することが
必要である。
【0030】このような球状黒鉛の外形状としては、表
面が平滑な球状ばかりでなく、表面に多少の凹凸がある
ものであってもよい。表面が平滑な球状黒鉛の代表例と
しては、日本カーボン社製:ICB系(黒鉛質、粒径5
〜500μm、比表面積≦1、嵩比重0.80〜0.9
0、真比重1.35〜1.40)があげられる。
面が平滑な球状ばかりでなく、表面に多少の凹凸がある
ものであってもよい。表面が平滑な球状黒鉛の代表例と
しては、日本カーボン社製:ICB系(黒鉛質、粒径5
〜500μm、比表面積≦1、嵩比重0.80〜0.9
0、真比重1.35〜1.40)があげられる。
【0031】表面に微小凹凸を有する球状黒鉛の代表例
としては、日本カーボン社製:MC系(黒鉛質、粒径5
〜30μm、比表面積≦10、嵩比重0.60〜0.8
0、真比重1.37〜1.39)があげられる。
としては、日本カーボン社製:MC系(黒鉛質、粒径5
〜30μm、比表面積≦10、嵩比重0.60〜0.8
0、真比重1.37〜1.39)があげられる。
【0032】このような球状黒鉛の製法は、特に限定さ
れるものではないが、所定の一次粒子径ものを得るため
には、いわゆる液層炭化法または固層炭化法を用いるこ
とができる。製造例として、下記(1)〜(3)があげ
られる。
れるものではないが、所定の一次粒子径ものを得るため
には、いわゆる液層炭化法または固層炭化法を用いるこ
とができる。製造例として、下記(1)〜(3)があげ
られる。
【0033】(1)フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、
フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、
スチレン−ジビニルベンゼン重合体のうち少なくとも一
種を出発原料とし、これらの原料から公知のエマルジョ
ン重合法によって球状粒子を調製し、更にこの球状粒子
を窒素ガス、アルゴンガス等の不活性雰囲気下または真
空下で焼成することによって炭素化・黒鉛化する。
フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、
スチレン−ジビニルベンゼン重合体のうち少なくとも一
種を出発原料とし、これらの原料から公知のエマルジョ
ン重合法によって球状粒子を調製し、更にこの球状粒子
を窒素ガス、アルゴンガス等の不活性雰囲気下または真
空下で焼成することによって炭素化・黒鉛化する。
【0034】(2)フェノール類にホルマリン発生化合
物を用いて製造されたノボラック型またはレゾール型の
フェノール樹脂に、必要に応じて公知の充填材を含有さ
せ、そのまま、或いはヘキサメチレンテトラミン等の架
橋材を加えて加熱し硬化物とした後、粉砕して所定の粒
子径を得る。
物を用いて製造されたノボラック型またはレゾール型の
フェノール樹脂に、必要に応じて公知の充填材を含有さ
せ、そのまま、或いはヘキサメチレンテトラミン等の架
橋材を加えて加熱し硬化物とした後、粉砕して所定の粒
子径を得る。
【0035】(3)コールタール又はコールタールピッ
チを350〜500℃に加熱して、低分子物が重合反応
して生成した球状グラファイトを分離生成する。
チを350〜500℃に加熱して、低分子物が重合反応
して生成した球状グラファイトを分離生成する。
【0036】このような球状黒鉛としては、上記の日本
カーボン社製:カーボンマイクロビーズ ICB、MC
の他にも、鐘紡社製:ベルパール C−2000、大阪
ガスケミカル社製:メソカーボンビーズ、ユニチカ社
製:ユニベックス等をあげることができる。
カーボン社製:カーボンマイクロビーズ ICB、MC
の他にも、鐘紡社製:ベルパール C−2000、大阪
ガスケミカル社製:メソカーボンビーズ、ユニチカ社
製:ユニベックス等をあげることができる。
【0037】この発明におけるNBRとテトラフルオロ
エチレン系樹脂の重量比は、NBR100重量部に対
し、テトラフルオロエチレン系樹脂10重量部以上10
0重量部未満が好ましい。テトラフルオロエチレン系樹
脂が10重量部未満だと、上記弾性ゴム組成物に充分な
摩擦特性を付与できず、100重量部を越えるとゴム硬
度が高くなり、ゴム特性がなくなる。また、機械的強度
が極端に低下して実際の使用に耐えられない。
エチレン系樹脂の重量比は、NBR100重量部に対
し、テトラフルオロエチレン系樹脂10重量部以上10
0重量部未満が好ましい。テトラフルオロエチレン系樹
脂が10重量部未満だと、上記弾性ゴム組成物に充分な
摩擦特性を付与できず、100重量部を越えるとゴム硬
度が高くなり、ゴム特性がなくなる。また、機械的強度
が極端に低下して実際の使用に耐えられない。
【0038】また、この発明におけるNBR100重量
部に対する球状黒鉛の充填重量比は、5重量部以上80
重量部未満が好ましい。球状黒鉛が5重量部未満だと、
上記弾性ゴム組成物に充分な耐摩耗特性を付与できず、
80重量部を越えるとゴム硬度が高くなり、ゴム特性が
なくなる。また、機械的強度が極端に低下して実際の使
用に耐えられない。
部に対する球状黒鉛の充填重量比は、5重量部以上80
重量部未満が好ましい。球状黒鉛が5重量部未満だと、
上記弾性ゴム組成物に充分な耐摩耗特性を付与できず、
80重量部を越えるとゴム硬度が高くなり、ゴム特性が
なくなる。また、機械的強度が極端に低下して実際の使
用に耐えられない。
【0039】なお、この発明の目的を損なわない範囲で
次のようなゴム用の配合剤及び公知の添加剤を配合する
ことができる。補強剤として、カーボンブラック、シリ
カ、クレー、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水
酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、タルク、マイ
カ、カオリン、ベントナイト、シラス、ウォラストナイ
ト、炭化ケイ素、ガラス粉末、カーボン粉末、ボロン繊
維、アラミド繊維等があげられる。加硫助剤として、亜
鉛華、脂肪酸等があげられる。加硫促進剤として、グア
ニジン類、イオウ類、アルデヒド−アミン類、亜鉛類等
があげられる。可塑剤として、ジメチルフタレート、ジ
オクチルフタレート等があげられる。また、老化防止剤
として、アミン類、フェノール類があげられる。その
他、一般に用いられている酸化防止剤、紫外線吸収剤、
難燃剤、着色剤等を用いることができる。
次のようなゴム用の配合剤及び公知の添加剤を配合する
ことができる。補強剤として、カーボンブラック、シリ
カ、クレー、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水
酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、タルク、マイ
カ、カオリン、ベントナイト、シラス、ウォラストナイ
ト、炭化ケイ素、ガラス粉末、カーボン粉末、ボロン繊
維、アラミド繊維等があげられる。加硫助剤として、亜
鉛華、脂肪酸等があげられる。加硫促進剤として、グア
ニジン類、イオウ類、アルデヒド−アミン類、亜鉛類等
があげられる。可塑剤として、ジメチルフタレート、ジ
オクチルフタレート等があげられる。また、老化防止剤
として、アミン類、フェノール類があげられる。その
他、一般に用いられている酸化防止剤、紫外線吸収剤、
難燃剤、着色剤等を用いることができる。
【0040】さらに、成形時の離型性及び表面の非粘着
性を得る目的で、オイル、ワックス、グリース類を添加
してもよい。その配合量は、成形品の機械的強度に影響
を及ぼさない、NBR100重量部に対し、2〜20重
量部、好ましくは5〜10重量部配合することが望まし
い。
性を得る目的で、オイル、ワックス、グリース類を添加
してもよい。その配合量は、成形品の機械的強度に影響
を及ぼさない、NBR100重量部に対し、2〜20重
量部、好ましくは5〜10重量部配合することが望まし
い。
【0041】さらにまた、固体潤滑剤として、上記テト
ラフルオロエチレン系樹脂として用いた樹脂以外のフッ
素系樹脂、例えば、上記テトラフルオロエチレン系樹脂
としてPTFEを用いた場合は、ETFE、PFA、F
EP等を添加することができる。
ラフルオロエチレン系樹脂として用いた樹脂以外のフッ
素系樹脂、例えば、上記テトラフルオロエチレン系樹脂
としてPTFEを用いた場合は、ETFE、PFA、F
EP等を添加することができる。
【0042】上記の各種原材料を混練する方法は、特に
限定するものではなく、通常広く用いられている方法、
例えば、主原料となるNBR、その他の原材料を個別に
あるいは同時にロール混合機、プロペラ混合機、ニーダ
混合機、その他混合機にて混合すればよい。また、この
とき摩擦による発熱を防止する意味で温調器を設置する
ことが好ましい。また、ロール混合器を使用する場合、
仕上げ混合として、ロール間隔を3mm以下として薄通
しすることが好ましい。
限定するものではなく、通常広く用いられている方法、
例えば、主原料となるNBR、その他の原材料を個別に
あるいは同時にロール混合機、プロペラ混合機、ニーダ
混合機、その他混合機にて混合すればよい。また、この
とき摩擦による発熱を防止する意味で温調器を設置する
ことが好ましい。また、ロール混合器を使用する場合、
仕上げ混合として、ロール間隔を3mm以下として薄通
しすることが好ましい。
【0043】成形品は、この発明の潤滑性ゴム組成物単
独でも何ら問題はないが、部品の設計仕様などから金属
材料あるいは高分子材料との複合成形品となってもよ
い。特に高分子材料が自己潤滑性を有する複合材料であ
れば、更に効果が発揮される。
独でも何ら問題はないが、部品の設計仕様などから金属
材料あるいは高分子材料との複合成形品となってもよ
い。特に高分子材料が自己潤滑性を有する複合材料であ
れば、更に効果が発揮される。
【0044】なお、この発明において、アルコール性水
酸基等の水酸基、アミノ基、カルボキシル基、グリシジ
ル基、及びメルカプト基等から選ばれる少なくとも1つ
の基を含むオルガノポリシロキサンを上記潤滑性ゴム組
成物中に分散保持させてもよい。このようなオルガノポ
リシロキサンは、ジメチルシロキサン、メチルフェニル
シロキサン、トリメチルフルオロプロピルシロキサン等
の単独重合体、または2種類以上の共重合体に上記官能
基を導入したものであってもよい。
酸基等の水酸基、アミノ基、カルボキシル基、グリシジ
ル基、及びメルカプト基等から選ばれる少なくとも1つ
の基を含むオルガノポリシロキサンを上記潤滑性ゴム組
成物中に分散保持させてもよい。このようなオルガノポ
リシロキサンは、ジメチルシロキサン、メチルフェニル
シロキサン、トリメチルフルオロプロピルシロキサン等
の単独重合体、または2種類以上の共重合体に上記官能
基を導入したものであってもよい。
【0045】このようなオルガノポリシロキサンは、例
えば、化2
えば、化2
【0046】
【化2】
【0047】(Pは1〜10000の整数を示す。)を
主要構造単位内に含むもの等があげられる。
主要構造単位内に含むもの等があげられる。
【0048】また、アルコール性水酸基等の水酸基、ア
ミノ基、カルボキシル基、エステル基、イソシアネート
基、スルフォン基、エポキシ基、及びメルカプト基等か
ら選ばれる少なくとも1つの基を含む含フッ素重合体を
上記潤滑性ゴム組成物中に分散保持させてもよい。この
ような含フッ素重合体は、ポリフルオロアルキル基含有
化合物又はポリフルオロエーテル等があり、上記官能基
のうち少なくとも1つを導入したものであればよい。
ミノ基、カルボキシル基、エステル基、イソシアネート
基、スルフォン基、エポキシ基、及びメルカプト基等か
ら選ばれる少なくとも1つの基を含む含フッ素重合体を
上記潤滑性ゴム組成物中に分散保持させてもよい。この
ような含フッ素重合体は、ポリフルオロアルキル基含有
化合物又はポリフルオロエーテル等があり、上記官能基
のうち少なくとも1つを導入したものであればよい。
【0049】このような含フッ素重合体は、例えば、化
3
3
【0050】
【化3】
【0051】(Xは、1〜4の整数を示す。)を主要構
造単位内に含むもの等があげられる。具体的には、モン
テカチーニ社製:FOMBLIN Z DISOCのよ
うな、化4
造単位内に含むもの等があげられる。具体的には、モン
テカチーニ社製:FOMBLIN Z DISOCのよ
うな、化4
【0052】
【化4】
【0053】(m、nは、整数を示す。)のものがあげ
られる。
られる。
【0054】上記官能基を含むオルガノポリシロキサン
や上記官能基を含む含フッ素重合体の数平均分子量は、
約300〜10000程度、好ましくは、約1000〜
5000程度のものであればよい。
や上記官能基を含む含フッ素重合体の数平均分子量は、
約300〜10000程度、好ましくは、約1000〜
5000程度のものであればよい。
【0055】このようなスラストワッシャを使用する例
として、ハウジングに固定した含油樹脂製軸受や焼結含
油軸受等の平軸受に軸を回転自在に挿通し、上記軸と共
に回転するスラスト受けを、上記含有樹脂製軸受や焼結
含油軸受等の平軸受のスラスト受け面に摺接させてなる
軸受装置があげられ、VTR等のキャプスタンモータ等
が具体例としてあげられる。
として、ハウジングに固定した含油樹脂製軸受や焼結含
油軸受等の平軸受に軸を回転自在に挿通し、上記軸と共
に回転するスラスト受けを、上記含有樹脂製軸受や焼結
含油軸受等の平軸受のスラスト受け面に摺接させてなる
軸受装置があげられ、VTR等のキャプスタンモータ等
が具体例としてあげられる。
【0056】次に、具体的に説明する。図2に示す軸受
装置は、基板4に軸受ハウジング5を固定すると共に、
そのまわりにステータ6を設け、上記軸受ハウジング5
の内径面の上下に焼結含油軸受7、7’を取付け、軸受
7、7’の内孔に主軸8を回転自在に支持する。また、
主軸8の基部にプーリ10を取り付け、その上面にロー
タケーシング9を設ける。そのロータケーシング9に上
記ステータ6と対向したロータ11が設けられる。スラ
スト受け16は、上記ロータケーシング9上で主軸8の
まわりに嵌合固定した保持部材17と、その保持部材1
7に保持されたティルティングパッド形式の3枚のスラ
ストワッシャ18とにより構成される。
装置は、基板4に軸受ハウジング5を固定すると共に、
そのまわりにステータ6を設け、上記軸受ハウジング5
の内径面の上下に焼結含油軸受7、7’を取付け、軸受
7、7’の内孔に主軸8を回転自在に支持する。また、
主軸8の基部にプーリ10を取り付け、その上面にロー
タケーシング9を設ける。そのロータケーシング9に上
記ステータ6と対向したロータ11が設けられる。スラ
スト受け16は、上記ロータケーシング9上で主軸8の
まわりに嵌合固定した保持部材17と、その保持部材1
7に保持されたティルティングパッド形式の3枚のスラ
ストワッシャ18とにより構成される。
【0057】保持部材17は図3に示すように、主軸8
を挿通する中心孔19を有し、軸受7’側の端面に、上
記中心孔19のまわりの3等分位置に扇形の保持凹所2
1が形成され、その保持凹所21の中央部に半球状の小
突起22が設けられている。
を挿通する中心孔19を有し、軸受7’側の端面に、上
記中心孔19のまわりの3等分位置に扇形の保持凹所2
1が形成され、その保持凹所21の中央部に半球状の小
突起22が設けられている。
【0058】3枚のスラストワッシャ18は、上記の保
持凹所21に余裕をもって嵌合される扇形をなし、その
裏面の中央部に前記の小突起22が嵌る小凹所23(図
4参照)が設けられている。
持凹所21に余裕をもって嵌合される扇形をなし、その
裏面の中央部に前記の小突起22が嵌る小凹所23(図
4参照)が設けられている。
【0059】上記の各スラストワッシャ18は、モータ
が停止しているときは軸受端面24と平行に対面した状
態に保持されているが、ロータ11が回転すると、主軸
8及びこれと一体の保持部材17及び各スラストワッシ
ャ18が回転する(図4の矢印a参照)。これにより、
各スラストワッシャ18が小突起22をピボットとして
回転方向(矢印a参照)に隙間が狭くなるように傾斜す
る。この傾斜角は、ティルティングパッド軸受の軸受理
論から知られているように、常に負荷と釣り合うよう自
動的に定まる。
が停止しているときは軸受端面24と平行に対面した状
態に保持されているが、ロータ11が回転すると、主軸
8及びこれと一体の保持部材17及び各スラストワッシ
ャ18が回転する(図4の矢印a参照)。これにより、
各スラストワッシャ18が小突起22をピボットとして
回転方向(矢印a参照)に隙間が狭くなるように傾斜す
る。この傾斜角は、ティルティングパッド軸受の軸受理
論から知られているように、常に負荷と釣り合うよう自
動的に定まる。
【0060】なお、各スラストワッシャ18は上記潤滑
性ゴム組成物を成形してできたものである。また、平軸
受7、7’の材料としては、摺動性の良い合成樹脂、例
えば高分子量ポリスチレン系、ポリアミド系、ポリエー
テルエーテルケトン系、ポリイミド系、ポリエーテルニ
トリル系、ポリフェニレンサルファイド系、ポリアミド
イミド系等を用いることができる。また焼結含油軸受で
構成することもできる。
性ゴム組成物を成形してできたものである。また、平軸
受7、7’の材料としては、摺動性の良い合成樹脂、例
えば高分子量ポリスチレン系、ポリアミド系、ポリエー
テルエーテルケトン系、ポリイミド系、ポリエーテルニ
トリル系、ポリフェニレンサルファイド系、ポリアミド
イミド系等を用いることができる。また焼結含油軸受で
構成することもできる。
【0061】また、上記の含油樹脂製軸受や焼結含油軸
受等の平軸受7’の軸受端面24を、ラッピング等の手
段によって他の部分より孔の閉める比重面積を小さくし
た構成とすることができる。
受等の平軸受7’の軸受端面24を、ラッピング等の手
段によって他の部分より孔の閉める比重面積を小さくし
た構成とすることができる。
【0062】上記保持部材17の保持凹所21の底面に
設ける小突起22として、図4(a)に示す軸受用ボー
ル25を部分的に露出させたもの、あるいは軸受用ニー
ドルを部分的に露出させた構成とすることができる。
設ける小突起22として、図4(a)に示す軸受用ボー
ル25を部分的に露出させたもの、あるいは軸受用ニー
ドルを部分的に露出させた構成とすることができる。
【0063】また、図4(b)図に示すように、コイル
バネ26を各凹所21の底面に埋め、その上端でスラス
トワッシャ18を支持するようにしてもよい。このコイ
ルばねにかえて、バネ性のある薄板27((c)図)、
バネ性のある丸棒28((d)図)あるいはゴム性のあ
る丸棒((e)図)を用いてもよい。
バネ26を各凹所21の底面に埋め、その上端でスラス
トワッシャ18を支持するようにしてもよい。このコイ
ルばねにかえて、バネ性のある薄板27((c)図)、
バネ性のある丸棒28((d)図)あるいはゴム性のあ
る丸棒((e)図)を用いてもよい。
【0064】さらに、(f)図に示したものは、保持部
材17を弾力性のあるゴムや合成樹脂により形成し、そ
の凹所21の中央部に突起30を設け、その突起30の
上端面を平坦な支持面31に形成し、スラストワッシャ
18をその支持面31で支持するようにしたものであ
る。(f)図の場合、モータの停止時は一点鎖線で示す
ようにスラストワッシャ18は軸受端面24と若干の間
隙をおいて平行に対向しているが、回転すると突起30
が弾性変形し、スラストワッシャ18を傾斜させる。
材17を弾力性のあるゴムや合成樹脂により形成し、そ
の凹所21の中央部に突起30を設け、その突起30の
上端面を平坦な支持面31に形成し、スラストワッシャ
18をその支持面31で支持するようにしたものであ
る。(f)図の場合、モータの停止時は一点鎖線で示す
ようにスラストワッシャ18は軸受端面24と若干の間
隙をおいて平行に対向しているが、回転すると突起30
が弾性変形し、スラストワッシャ18を傾斜させる。
【0065】上記のように、スラストワッシャ18がテ
ィルティングパッド形式のときは、軸が回転(あるいは
軸が固定でハウジングが回転)すると、ティルティング
形スラストワッシャが負荷と釣り合う油膜形状を自動的
に保つように傾斜し、軸受端面とスラストワッシャとの
間のくさび状すきまに生じる動圧によりスラスト力が支
持され、流体潤滑が実現する。これにより、摺接部が非
接触となり、トルクが安定し、摺動部での温度上昇が低
減されて油の熱劣化が抑制され、摩耗粉の発生が抑制さ
れ、負荷容量が大きくなり、長期間の使用が可能とな
る。特に、突起を凹所底面に一端を支持せしめた弾性体
で形成すると、スラストワッシャを弾性体で支持するよ
うになり、上記の効果に合わせて、内径面と端面の直角
度や、軸受端面とスラストワッシャ間の平行度に関する
ミスアライメントを修正することができ、さらに油膜形
成能力が向上し、片当たりを防止でき、経時的に性能変
化を防止できる。
ィルティングパッド形式のときは、軸が回転(あるいは
軸が固定でハウジングが回転)すると、ティルティング
形スラストワッシャが負荷と釣り合う油膜形状を自動的
に保つように傾斜し、軸受端面とスラストワッシャとの
間のくさび状すきまに生じる動圧によりスラスト力が支
持され、流体潤滑が実現する。これにより、摺接部が非
接触となり、トルクが安定し、摺動部での温度上昇が低
減されて油の熱劣化が抑制され、摩耗粉の発生が抑制さ
れ、負荷容量が大きくなり、長期間の使用が可能とな
る。特に、突起を凹所底面に一端を支持せしめた弾性体
で形成すると、スラストワッシャを弾性体で支持するよ
うになり、上記の効果に合わせて、内径面と端面の直角
度や、軸受端面とスラストワッシャ間の平行度に関する
ミスアライメントを修正することができ、さらに油膜形
成能力が向上し、片当たりを防止でき、経時的に性能変
化を防止できる。
【0066】スラストワシャを用いたもう1つの例とし
て、図5に示す他の型のキャプスタインドライブ用モー
タについて説明する。
て、図5に示す他の型のキャプスタインドライブ用モー
タについて説明する。
【0067】図5(a)に示すように、基板49に軸受
ハウジング47を固定し、上記軸受ハウジング47の内
径面の上下に軸受48を取り付け、軸受48の内孔に主
軸41を回転自在に支持する。また、主軸41の基部に
プーリ43を取り付け、そこにロータケーシング42を
設ける。そのロータケーシング42にロータ45が設け
られ、ロータ45と突極するようにロータケーシング4
2の内周面にロータマグネット44が設けられる。軸受
ハウジング47の外周にはつば部47aが一体成形さ
れ、例えば制御、駆動回路を構成した回路基板等からな
る基板49を取り付けられる。また、ボス43の外周に
は凹溝43aが刻設され、この凹溝43aにリール台等
を回転駆動するためのベルトを設けることができる。
ハウジング47を固定し、上記軸受ハウジング47の内
径面の上下に軸受48を取り付け、軸受48の内孔に主
軸41を回転自在に支持する。また、主軸41の基部に
プーリ43を取り付け、そこにロータケーシング42を
設ける。そのロータケーシング42にロータ45が設け
られ、ロータ45と突極するようにロータケーシング4
2の内周面にロータマグネット44が設けられる。軸受
ハウジング47の外周にはつば部47aが一体成形さ
れ、例えば制御、駆動回路を構成した回路基板等からな
る基板49を取り付けられる。また、ボス43の外周に
は凹溝43aが刻設され、この凹溝43aにリール台等
を回転駆動するためのベルトを設けることができる。
【0068】また、シャフト41には掛止具としてのE
リング50が嵌合されている。そして、Eリング50と
一方の軸受48の上端面との間には、一対のスラスト受
け51とスラストワッシャ52が介在している。Eリン
グ50側に配置されるスラスト受け51は、例えば上記
潤滑性ゴム組成物、ナイロンやテフロンあるいはその他
の摩擦や摩耗の比較的少ない樹脂、または、低摩擦用の
樹脂をコーティングした金属体からなり、図5(b)の
ように、一端面から突起51aが一体に突設されてい
る。
リング50が嵌合されている。そして、Eリング50と
一方の軸受48の上端面との間には、一対のスラスト受
け51とスラストワッシャ52が介在している。Eリン
グ50側に配置されるスラスト受け51は、例えば上記
潤滑性ゴム組成物、ナイロンやテフロンあるいはその他
の摩擦や摩耗の比較的少ない樹脂、または、低摩擦用の
樹脂をコーティングした金属体からなり、図5(b)の
ように、一端面から突起51aが一体に突設されてい
る。
【0069】Eリング50は、円形E型状のリングであ
り、上記突起51aは、スラストワッシャ50の挿入用
の切り欠き部に入り込み、Eリング50及びシャフト4
1と一体回転されるようにしている。一方、スラストワ
ッシャ52は、上記潤滑性ゴム組成物により略ドーナツ
状に成形され、軸受48の上端面に当接すると共に、外
周縁が軸受ホルダ47の端面内側に当接している。そし
て、回転するスラストワッシャ50と固定した軸受48
との間に一対のスラスト受け51及びスラストワッシャ
52を介在させることにより、シャフト1側のスラスト
受け51と軸受48側のスラストワッシャ52とが互い
に接合すると共に摺動し、シャフト41の図示下方への
移動が阻止される。なお、掛止具としては、Cリングや
ビス止め円筒リンク等シャフトの軸方向への移動が阻止
されるものであれば他に変更可能である。
り、上記突起51aは、スラストワッシャ50の挿入用
の切り欠き部に入り込み、Eリング50及びシャフト4
1と一体回転されるようにしている。一方、スラストワ
ッシャ52は、上記潤滑性ゴム組成物により略ドーナツ
状に成形され、軸受48の上端面に当接すると共に、外
周縁が軸受ホルダ47の端面内側に当接している。そし
て、回転するスラストワッシャ50と固定した軸受48
との間に一対のスラスト受け51及びスラストワッシャ
52を介在させることにより、シャフト1側のスラスト
受け51と軸受48側のスラストワッシャ52とが互い
に接合すると共に摺動し、シャフト41の図示下方への
移動が阻止される。なお、掛止具としては、Cリングや
ビス止め円筒リンク等シャフトの軸方向への移動が阻止
されるものであれば他に変更可能である。
【0070】
【実施例】まず、実施例及び比較例に用いた潤滑性ゴム
組成物の基本組成を以下に示す。なお、各成分の配合割
合はすべて重量%であるが、NBR100重量部に対し
ての配合比率である。
組成物の基本組成を以下に示す。なお、各成分の配合割
合はすべて重量%であるが、NBR100重量部に対し
ての配合比率である。
【0071】 (1)NBR ・基礎配合A NBR 高ニトリルタイプ(ニトリル量36〜42%) 日本合成ゴム社製:JSR 220S 100重量部 ステアリン酸ナトリウム 一般工業材 1重量部 カーボンブラック FEF 30重量部 加硫促進剤(1) 大内新興化学工業(株)社製:TT 2重量部 加硫促進剤(2) 大内新興化学工業(株)社製:M 2重量部 加硫助剤 酸化亜鉛 活性亜鉛華 10重量部 加硫剤 イオウ 1重量部 老化防止剤 アミノ系 3.5重量部 ・基礎配合B NBR 中ニトリルタイプ(ニトリル量25〜30%) 日本合成ゴム社製:JSR 240S 100重量部 ステアリン酸ナトリウム 一般工業材 1重量部 カーボンブラック FEF 30重量部 加硫促進剤(1) 大内新興化学工業(株)社製:TT 2重量部 加硫促進剤(2) 大内新興化学工業(株)社製:M 2重量部 加硫助剤 酸化亜鉛 活性亜鉛華 10重量部 加硫剤 イオウ 1重量部 老化防止剤 アミノ系 3.5重量部 (2)テトラフルオロエチレン系樹脂粉末 黒鉛共沈PTFE(以下、PTFE−1と称する。) 乳化重合にて重合完了後に平均粒径6μmの黒鉛と7:
3の重量比で共沈させ凝析、洗浄して得た。
3の重量比で共沈させ凝析、洗浄して得た。
【0072】黒鉛とのドライブレンドPTFE(以
下、PTFE−2と称する。) 旭硝子社製:PTFE ルーブリカントL182Jを平
均粒径6μmの黒鉛と7:3の重量比にてヘンシェルミ
キサーでドライブレンドした。
下、PTFE−2と称する。) 旭硝子社製:PTFE ルーブリカントL182Jを平
均粒径6μmの黒鉛と7:3の重量比にてヘンシェルミ
キサーでドライブレンドした。
【0073】PTFE(以下、PTFE−3と称す
る。) 旭硝子社製:PTFE ルーブリカントL182J ETFE 旭硝子社製:アフロンCOP Z8820 (3)球状黒鉛 鐘紡社製:ベルパールC2000 (4)その他 シリコーンオイル 信越シリコーン社製:KF96−3
00。
る。) 旭硝子社製:PTFE ルーブリカントL182J ETFE 旭硝子社製:アフロンCOP Z8820 (3)球状黒鉛 鐘紡社製:ベルパールC2000 (4)その他 シリコーンオイル 信越シリコーン社製:KF96−3
00。
【0074】〔実施例1〜9、比較例1〜6〕まず、ロ
ール間隔5〜10mm程度に調整したロール混合機にN
BR(220Sあるいは240S)を巻き付け、基礎配
合A、Bに示した割合で無機充填剤等として老化防止
剤、カーボンブラック、加硫剤、加硫促進剤を順次混合
し、最後に表1又は2に示す割合にてテトラフルオロエ
チレン系樹脂粉末、球状黒鉛及びその他充填剤を混練し
た。その後、ロール間隔を1mmに調整し、薄通しを1
0回行った。なお、このときの摩擦熱を防止する目的
で、常時、ロール内に冷却水を通し、ロール温度を60
℃以下に保った。次に、冷却水を止めロール内にスチー
ムを通し、NBR材温度が70℃以上90℃以内になる
ように調整し、その後、ロール間隔を1mmに狭めて薄
通しを10回行い、それぞれ10kgのコンパウンドを
得た。
ール間隔5〜10mm程度に調整したロール混合機にN
BR(220Sあるいは240S)を巻き付け、基礎配
合A、Bに示した割合で無機充填剤等として老化防止
剤、カーボンブラック、加硫剤、加硫促進剤を順次混合
し、最後に表1又は2に示す割合にてテトラフルオロエ
チレン系樹脂粉末、球状黒鉛及びその他充填剤を混練し
た。その後、ロール間隔を1mmに調整し、薄通しを1
0回行った。なお、このときの摩擦熱を防止する目的
で、常時、ロール内に冷却水を通し、ロール温度を60
℃以下に保った。次に、冷却水を止めロール内にスチー
ムを通し、NBR材温度が70℃以上90℃以内になる
ように調整し、その後、ロール間隔を1mmに狭めて薄
通しを10回行い、それぞれ10kgのコンパウンドを
得た。
【0075】また、比較例6においては、PTFE系コ
ーティングを行った。これは、スプレー式で行い、ゴム
シートの供試面に対して約15μmの膜厚を塗布し、8
0℃にて2時間の焼成を行い、試験片を得た。
ーティングを行った。これは、スプレー式で行い、ゴム
シートの供試面に対して約15μmの膜厚を塗布し、8
0℃にて2時間の焼成を行い、試験片を得た。
【0076】各コンパウンドに対して、縦300mm、
横300mm、厚さ1mmの金型を用いプレス成形に
て、1次加硫(160℃、10分間、プレス圧120k
gf/cm2 )及び2次加硫(フリー加熱、150℃、
4時間)を行い、加硫が終わった各シートについて摩
擦、摩耗特性、弾性体特性を求めた。各試験方法は、以
下のとおりである。
横300mm、厚さ1mmの金型を用いプレス成形に
て、1次加硫(160℃、10分間、プレス圧120k
gf/cm2 )及び2次加硫(フリー加熱、150℃、
4時間)を行い、加硫が終わった各シートについて摩
擦、摩耗特性、弾性体特性を求めた。各試験方法は、以
下のとおりである。
【0077】摩擦、摩耗試験 得られたシートをφ17×φ21(mm)のリングに打
ち抜き、φ17×φ21×10(mm)のアルミ合金製
リングに接着し摩擦試験片とした。相手材は軸受鋼(S
UJ2)研磨品とし、スラスト型摩擦摩耗試験にて評価
した。試験条件は周速1.0m/min、面圧3.0k
gf/cm2 、時間100hである。得られた結果を表
3及び4に示す。
ち抜き、φ17×φ21×10(mm)のアルミ合金製
リングに接着し摩擦試験片とした。相手材は軸受鋼(S
UJ2)研磨品とし、スラスト型摩擦摩耗試験にて評価
した。試験条件は周速1.0m/min、面圧3.0k
gf/cm2 、時間100hである。得られた結果を表
3及び4に示す。
【0078】機械的特性 得られた試験片に対してJIS−6301に準拠し、引
張り強度、伸び、硬度(JIS−A)を、ASTM−D
256に準拠してアイゾット衝撃強度を調査した。結果
を表3及び4に示す。
張り強度、伸び、硬度(JIS−A)を、ASTM−D
256に準拠してアイゾット衝撃強度を調査した。結果
を表3及び4に示す。
【0079】実機試験 得られたシートを、φ17×φ21(mm)のリングに
打ち抜き、それを、扇状にカットした。これを図2に記
載のVTR用キャプスターモーターのスラストワッシャ
として用い、稼働試験を行った。
打ち抜き、それを、扇状にカットした。これを図2に記
載のVTR用キャプスターモーターのスラストワッシャ
として用い、稼働試験を行った。
【0080】なお、1000時間後のスラストワッシャ
の摩耗度を観察し、続けて使用可能な場合は○で、続け
て使用不可能な場合は×で示した。
の摩耗度を観察し、続けて使用可能な場合は○で、続け
て使用不可能な場合は×で示した。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
【表4】
【0085】表3、4より明らかなように、一般的なN
BRの配合物だけの比較例1では摩擦係数は高く、摩耗
量が大きい。また、NBRにテトラフルオロエチレン系
樹脂粉末を添加した比較例2、3は、いずれも摩擦係数
がNBR材に比較して若干低くなっているが、摩耗特性
が充分ではない。また、球状黒鉛を配合した比較例4で
は、耐摩耗性が改善されているが、摩擦係数が大きく、
長時間使用できない。シリコーンオイルを配合した比較
例5は、機械的強度、特に引張強度が著しく低下してお
り、それに伴い、摩耗特性も極めて悪かった。表面にP
TFE系のコーティングをした場合、機械的特性は有す
るものの、摩擦係数が高く、摩耗特性も極めて悪かっ
た。
BRの配合物だけの比較例1では摩擦係数は高く、摩耗
量が大きい。また、NBRにテトラフルオロエチレン系
樹脂粉末を添加した比較例2、3は、いずれも摩擦係数
がNBR材に比較して若干低くなっているが、摩耗特性
が充分ではない。また、球状黒鉛を配合した比較例4で
は、耐摩耗性が改善されているが、摩擦係数が大きく、
長時間使用できない。シリコーンオイルを配合した比較
例5は、機械的強度、特に引張強度が著しく低下してお
り、それに伴い、摩耗特性も極めて悪かった。表面にP
TFE系のコーティングをした場合、機械的特性は有す
るものの、摩擦係数が高く、摩耗特性も極めて悪かっ
た。
【0086】しかし、表面にカーボン材が突き刺さった
PTFE及び球状黒鉛を添加した実施例では、機械的強
度の低下が少なく、低摩擦係数及び耐摩耗性が得られ、
低摩擦、低摩耗特性が確認できた。
PTFE及び球状黒鉛を添加した実施例では、機械的強
度の低下が少なく、低摩擦係数及び耐摩耗性が得られ、
低摩擦、低摩耗特性が確認できた。
【0087】なお、上記各表や前記に示される数値の下
限値以上で上限値以下、または下限値を越えて上限値未
満の範囲の各配合、各特性値等で、その使用に最も適し
たスラストワッシャ材を提供するように適宜選択するこ
とができる。
限値以上で上限値以下、または下限値を越えて上限値未
満の範囲の各配合、各特性値等で、その使用に最も適し
たスラストワッシャ材を提供するように適宜選択するこ
とができる。
【0088】
【発明の効果】この発明によれば、上記潤滑性ゴム組成
物を用いてスラストワッシャ材を形成したので、このス
ラストワッシャ材は、弾性体特性、低摩擦特性、耐摩耗
特性、耐熱性を有して応力集中や衝撃に強い特性を有す
る。また、長期にわたって高圧下で用いても劣化が生じ
ないので、長期間使用する場合、安定性及び信頼性の高
いスラストワッシャ材を提供することができる。
物を用いてスラストワッシャ材を形成したので、このス
ラストワッシャ材は、弾性体特性、低摩擦特性、耐摩耗
特性、耐熱性を有して応力集中や衝撃に強い特性を有す
る。また、長期にわたって高圧下で用いても劣化が生じ
ないので、長期間使用する場合、安定性及び信頼性の高
いスラストワッシャ材を提供することができる。
【図1】NBR材中のテトラフルオロエチレン樹脂を示
す模式図
す模式図
【図2】この発明に係るスラストワッシャをVTRのキ
ャプスタンモータに用いるときの1つの実施の形態を示
す正面図
ャプスタンモータに用いるときの1つの実施の形態を示
す正面図
【図3】(a)同上の軸受装置の分解斜視図 (b)同上の一部拡大断面図
【図4】(a)図2の他の実施形態の一部拡大断面図 (b)図2の他の実施形態の一部拡大断面図 (c)弾性体の変形例の斜視図 (d)弾性体の変形例の斜視図(e)弾性体の変形例の
斜視図 (f)図2の他の実施形態の一部拡大断面図
斜視図 (f)図2の他の実施形態の一部拡大断面図
【図5】(a)この発明に係るスラストワッシャをVT
Rのキャプスタンモータに用いるときの他の実施の形態
を示す正面図 (b)同上の一部拡大平面断面図
Rのキャプスタンモータに用いるときの他の実施の形態
を示す正面図 (b)同上の一部拡大平面断面図
1 NBR 2 テトラフルオロエチレン系樹脂粉末 3 カーボン材 4 基板 5 軸受ハウジング 6 ステータ 7、7’ 焼結含油軸受 8 主軸 9 ロータケーシリング 10 プーリ 11 ロータ 14 ピンチローラ 15 油切りワッシャ 16 スラスト受け 17 保持部材 18 ワッシャスラスト 19 中心孔 21 保持凹所 22 小突起 23 小凹所 24 軸受端面 25 軸受用ボール 26 コイルバネ 27 薄板 28、29 丸棒 31 支持面 41 主軸 42 ロータケーシング 43 プーリ 44 ロータマグネット 45 ロータ 47 軸受ハウジング 48 軸受 49 基板 50 Eリング 51 スラスト受け 52 スラストワッシャ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 507:04
Claims (5)
- 【請求項1】 軸方向荷重を受け持つスラスト軸受に用
いられるスラストワッシャ材であって、上記スラストワ
ッシャ材の摺動部の一部又は全部が、第1必須成分であ
るアクリロニトリルブタジエン系ゴム、第2必須成分で
あるテトラフルオロエチレン系樹脂粉末、及び第3必須
成分である球状黒鉛を含有する潤滑性ゴム組成物から形
成されることを特徴とするスラストワッシャ材。 - 【請求項2】 第2必須成分であるテトラフルオロエチ
レン系樹脂粉末が、乳化重合終了後にカーボン材と共沈
させて得られる表面にカーボン材が突出したテトラフル
オロエチレン系樹脂粉末である請求項1に記載のスラス
トワッシャ材。 - 【請求項3】 第2必須成分であるテトラフルオロエチ
レン系樹脂粉末が、前記粉末にカーボン材と乾式混合に
て混合させて得られる表面にカーボン材が突出したテト
ラフルオロエチレン系樹脂粉末である請求項1に記載の
スラストワッシャ材。 - 【請求項4】 第1必須成分であるアクリトニトリルブ
タジエン系ゴム100重量部に対し、第2必須成分であ
るテトラフルオロエチレン系樹脂粉末を10重量部以上
100重量部未満含有し、第3必須成分である球状黒鉛
を5重量部以上80重量部未満含有してなる請求項1に
記載のスラストワッシャ材。 - 【請求項5】 上記スラストワッシャ材が潤滑性ゴム組
成物と金属あるいは高分子材料との複合となっているこ
とを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のス
ラストワッシャ材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31399595A JPH09151937A (ja) | 1995-12-01 | 1995-12-01 | スラストワッシャ材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31399595A JPH09151937A (ja) | 1995-12-01 | 1995-12-01 | スラストワッシャ材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09151937A true JPH09151937A (ja) | 1997-06-10 |
Family
ID=18047965
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31399595A Pending JPH09151937A (ja) | 1995-12-01 | 1995-12-01 | スラストワッシャ材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09151937A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4079307B2 (ja) * | 2000-05-19 | 2008-04-23 | 日立建機株式会社 | 軸受装置 |
JP2013083301A (ja) * | 2011-10-07 | 2013-05-09 | Taiho Kogyo Co Ltd | 遊星歯車機構のピニオンギヤ用黒鉛添加樹脂系すべり軸受 |
JP2013083302A (ja) * | 2011-10-07 | 2013-05-09 | Taiho Kogyo Co Ltd | オートマティックトランスミッション用黒鉛添加樹脂系すべり軸受 |
JP2014101906A (ja) * | 2012-11-16 | 2014-06-05 | Miyasaka Polymer Co Ltd | 軸受 |
-
1995
- 1995-12-01 JP JP31399595A patent/JPH09151937A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4079307B2 (ja) * | 2000-05-19 | 2008-04-23 | 日立建機株式会社 | 軸受装置 |
JP2013083301A (ja) * | 2011-10-07 | 2013-05-09 | Taiho Kogyo Co Ltd | 遊星歯車機構のピニオンギヤ用黒鉛添加樹脂系すべり軸受 |
JP2013083302A (ja) * | 2011-10-07 | 2013-05-09 | Taiho Kogyo Co Ltd | オートマティックトランスミッション用黒鉛添加樹脂系すべり軸受 |
JP2014101906A (ja) * | 2012-11-16 | 2014-06-05 | Miyasaka Polymer Co Ltd | 軸受 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040712 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040727 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20041130 |