JPH0986974A - 複層ガラス及びその製造方法 - Google Patents

複層ガラス及びその製造方法

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JPH0986974A
JPH0986974A JP7244783A JP24478395A JPH0986974A JP H0986974 A JPH0986974 A JP H0986974A JP 7244783 A JP7244783 A JP 7244783A JP 24478395 A JP24478395 A JP 24478395A JP H0986974 A JPH0986974 A JP H0986974A
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JP
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rubber
double glazing
glass plate
glazing according
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JP7244783A
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English (en)
Inventor
Toshifumi Tsujino
敏文 辻野
Koichi Maeda
浩一 前田
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 密閉空間内の乾燥空気の膨張収縮に伴う応力
を分散させることができるとともに封止漏れが発生し難
く、また熱貫流抵抗が大きく、しかも断熱性を向上させ
た複層ガラス及びその製造方法を提供する。 【構成】 一対のガラス板を周辺部にスペーサーを介在
させた状態で相互にその厚み方向に離間するように配設
してあり、前記スペーサーとしてJIS Z208に基
づいて測定される透湿度(0.1mm厚み)が100g
/m2・24時間以下の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラス
トマーまたはゴムのうち少なくとも1種からなる材料を
用いたことを特徴とする複層ガラスである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対のガラス板を
その周辺部にスペーサーを介在させた状態で互いに厚み
方向に離間するように配設してある複層ガラス及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の複層ガラスとしては、一
対のガラス板間の周辺部に乾燥剤を封入したアルミスペ
ーサーとブチルゴムからなる一次シーラントと、この一
次シーラントの外周にチオコール、シリコーンまたはホ
ットメルトブチルからなる二次シーラントを配設したデ
ュアルシールタイプのものが最も普及している。
【0003】また、このような複層ガラスをサッシに取
り付けるタイプとしては、複層ガラスの外縁部に軟質塩
化ビニル製の枠体(一般にグレージングチャンネルまた
はグレチャンという)を一体的に接着し、この枠体をサ
ッシの嵌合用溝内に嵌入させて組み込む構造のものが知
られている。
【0004】また、特開平7−17748号公報には複
層ガラスを連続的に製造する方法について記載されてい
る。当該公報には、ダイ装置の押出し成形口の開口部に
一対のガラス単板の各外周縁部を略平行状態にて夫々差
し込み、当該ガラス単板の各外周縁部の間に予め吸湿剤
が練り込まれたスペーサーを押出し成形しつつ、ガラス
単板とダイ装置とをガラス外周縁部に沿った直線方向に
相対的に移動させることで、一対のガラス単板の外周縁
部の内側に吸湿剤入りのスペーサーを接着接合して一体
化し、スペーサーの組み込み作業を効率的に行うように
することが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のデュアルシ
ールタイプの複層ガラスでは、アルミスペーサーとガラ
ス板の間を封止している一次シーラントのブチルゴムが
高粘度を有する粘着体のため、圧着や熱圧着を行っても
小さなピンホールが生じ易く、封止状態が不十分になり
易い。また、実使用においては気温の変化に伴って一対
のガラス板とスペーサーとで形成される密閉空間内の乾
燥空気が膨張収縮することとなるが、ガラス板及びアル
ミスペーサーは弾性体でないため一次シーラントのブチ
ルゴムに全応力が集中し、封止が破れる可能性がある。
また、二次シーラントには透湿性の高い材料が使用され
るため、一次シーラントが破れると複層ガラス内に水分
が流入して結露が発生してしまう。そのため、従来タイ
プの複層ガラスは耐久性が低く寿命が短かかった。
【0006】さらに、前記デュアルシールタイプの複層
ガラスは、一般に受注生産されるためガラス板のサイズ
が種々雑多であり、このため部品点数の減少による製造
工程の簡略化が望まれていた。また、サッシに組み込む
場合には枠体を接着する等の別工程が生じていた。
【0007】また、前記特開平7−17748号公報記
載の方法では、製造工程上ガラス板の角部における処理
が難しく封止状態が不十分なため、複層ガラスとしての
性能信頼性に乏しい。さらに、この方法では樹脂の押し
出し成形とガラス板との一体化を同時に行うため、成形
した樹脂を冷却する工程とガラス板との一体化を確実に
行うために濡れ性を良好にすべく樹脂を加熱する工程と
いう相反する製造工程を制御しなければならない。しか
しながら、このような制御を行うことは複層ガラスの製
造工程上非常に困難であり現実性に欠ける。また、この
方法ではガラス板のサイズやスペース間隔に対応する自
由度に欠ける。従って、設備投資の大きさに対して製造
可能な複層ガラスの種類が少なく、設備償却等によるコ
スト高を招かざるを得ない。
【0008】本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑
みなされたものであって、密閉空間内の乾燥空気の膨張
収縮に伴う応力を分散させることができるとともに封止
漏れが発生し難く、また熱貫流抵抗が大きく、しかも断
熱性を向上させた複層ガラス、並びに煩雑な製造工程を
簡略化し、様々なサイズへの対応が可能な複層ガラスの
製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、一対の
ガラス板を周辺部にスペーサーを介在させた状態で互い
にその厚み方向に離間するように配設してあり、前記ス
ペーサーとしてJISZ208に基づいて測定される透
湿度(0.1mm厚み)が100g/m2・24時間以
下の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーまたはゴムの
うち少なくとも1種からなる材料を用いたことを特徴と
する複層ガラスである。
【0010】また本発明の第2は、JIS Z208に
基づいて測定される透湿度(0.1mm厚み)が100
g/m2・24時間以下の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラ
ストマーまたはゴムのうち少なくとも1種からなる材料
を押出し成形法または射出成形法により所定の形状に成
形する第1工程と、前記第1工程により成形された成形
体を所定形状に切断した後、これら成形体の切断面同士
を熱融着または接着してガラス板の外寸法に沿う形状に
成形する第2工程と、前記第2工程により成形された成
形体を一方のガラス板上の周辺部に配設してスペーサー
とし、このスペーサーを前記一方のガラス板と他方のガ
ラス板で圧着挟持する第3工程を具備することを特徴と
する複層ガラスの製造方法である。
【0011】本発明において、前記スペーサーはサッシ
に組み込まれる枠体部と一体化されており、この枠体部
がスペーサーと同一または異なる熱可塑性樹脂、熱可塑
性エラストマーまたはゴムのうち少なくとも1種からな
る材料で形成されていることが好ましい。
【0012】本発明において、前記スペーサーは水蒸気
不透過性物質が内包されていることが好ましく、また乾
燥剤が練り込まれていることが好ましく、さらに中空部
を有し、この中空部に乾燥剤が封入されていることが好
ましい。
【0013】また、前記熱可塑性エラストマーはポリプ
ロピレンまたはポリエチレンを含むポリオレフィンと、
EPDMゴムまたはブチルゴムを含む合成ゴムの共重合
体であることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。
【0015】図1は本発明の一実施例に係る枠体付き複
層ガラスの要部を示す縦断面図、図2は別実施例に係る
複層ガラスの要部を示す縦断面図である。
【0016】図1において、複層ガラス(10)はスペ
ーサー(1)が接着剤(4)を介して2枚のガラス板
(3)、(3)間に挟持されることにより構成されてい
る。(2)はスペーサー(1)の中空部(9)に封入さ
れた乾燥剤、(5)は密閉層、(6)はスペーサー
(1)に内包された水蒸気不透過性物質である。また、
スペーサー(1)を挟持したガラス板(3)、(3)の
外縁部には接着剤(4)を介して枠体部(7)が前記ガ
ラス板(3)、(3)と一体的に接着されている。ま
た、図2においては乾燥剤(2)が予めスペーサー
(1)に練り込まれたものである。スペーサー(1)は
接着剤(4)と(8)を介して2枚のガラス板(3)、
(3)間に挟持されている。
【0017】前記乾燥剤(2)としては、水分を吸着で
きる材料であればいずれも適用可能であるが、中でも合
成結晶質ゼオライト(商品名:モレキュラーシーブ、ユ
ニオンカーバイド社製、以下同様)や、シリカゲル、活
性アルミナ、無水硫酸カルシウムまたは無水塩化カルシ
ウム等が好適である。
【0018】前記乾燥剤(2)はスペーサー(1)の中
空部(9)に封入して使用してもよいが、後述のごとく
スペーサー(1)が材料の段階で混練したものであって
もよい。使用する量は、スペーサー(1)の周囲長さと
2枚のガラス板(3)、(3)間の距離(スペーサー厚
み)に対応して決定されるが、例えばモレキュラーシー
ブ(3A)を使用する場合は、スペーサー厚みが6mm
の複層ガラス1m2中に10g以上500g以下、好ま
しくは30g以上300g以下、さらに好ましくは50
g以上200g以下の範囲で使用する。
【0019】前記材料中に乾燥剤を混練させる方法とし
ては、例えば予め乾燥剤をその粒径が0.1mm以下と
なるように粉砕しておき、ニーダーまたはバンバリーミ
キサーのような混練装置を用いて、熱可塑性エラストマ
ー、熱可塑性樹脂またはゴムと共に加熱溶融しながら原
料の段階で機械的に混合する方法や、スペーサーとなる
成形体を押出し成形または射出成形する際に乾燥剤を金
型に供給する混合方法(スクリュー法)等が挙げられ
る。
【0020】また、乾燥剤(2)をスペーサー(1)中
に封入させる場合は、例えば6mm厚みのスペーサー
(1)内部に4mm径の中空部(9)を形成し、この中
空部(9)に粒状または粉末状の乾燥剤(2)を封入す
ればよい。なお、前記中空部(9)は複層ガラス(1
0)内に形成された密閉層(5)中の水分を吸収する乾
燥剤(2)を収納するための空間であるから、スペーサ
ー(1)の密閉層(5)寄りに形成されることが好まし
い。
【0021】密閉層(5)中の水分を速やかに乾燥剤
(2)に吸収させるため、スペーサー(1)の中空部
(9)と密閉層(5)の境界部分に1個ないし複数個の
微小径孔(不図示)を孔設するのが好ましい。なお、前
記微小径孔はスペーサー(1)の成形時に孔設してもよ
いが、成形後の別工程で行うこともできる。また、図1
においては中空部(9)の断面形状を円形としたが、こ
れに限定されるものではなく、要するに乾燥剤(2)を
封入できればどのような形状であってもよい。また、ス
ペーサー(1)の中空部(9)と密閉層(5)の境界部
分に微少径孔を設ける手間を省くために、スペーサー
(1)の密閉層(5)と接する辺に凹部(13)を設
け、この凹部(13)に乾燥剤(2)を保持することも
できる。
【0022】前記熱可塑性エラストマー(TPE)とし
ては、ポリスチレンの硬質相とブタジエンゴムまたはイ
ソプレンゴムの軟質相からなるスチレン系(SBC)、
ポリエチレンまたはポリプロピレンの硬質相とブチルゴ
ムまたはエチレン−プロピレンゴムの軟質相からなるオ
レフィン系(TPO)、結晶ポリ塩化ビニルの硬質相と
非結晶ポリ塩化ビニルの軟質相からなる塩ビ系(TPV
C)、ウレタンの硬質相とポリエステルまたはポリエー
テルの軟質相からなるウレタン系(TPU)、ポリエス
テルの軟質相とポリエーテルまたはポリエステル硬質相
からなるエステル系(TPEE)、ポリアミドの硬質相
とポリエーテルまたはポリエステルの軟質相からなるア
ミド系(TPAE)、シンジオクタック1、2ポリブタ
ジエンゴムの硬質相と非結晶ブタジエンゴムの軟質相か
らなるTPE、トランス−1.4−ポリイソプレン(P
IP)の軟質相と結晶PIPの硬質相からなるTPE、
金属カルボキシレートイオンクラスターの硬質相と非結
晶ポリエチレンの硬質相からなるTPE、結晶ポリエチ
レンの硬質相とエチレン−酢酸ビニル共重合体またはエ
チレン−エチルアクリレート共重合体の軟質相からなる
TPE、結晶ポリエチレンの硬質相と塩素化ポリエチレ
ンの軟質相からなるTPE、またはフッ素化樹脂の硬質
相とフッ素ゴムの軟質相からなるTPE等が適用可能で
ある。
【0023】前記熱可塑性エラストマーのうち、スチレ
ン系としてはクラトン(シェルケミカル社製)、オレフ
ィン系としてはトレフシンやサントプレーン(いずれも
AES社製)、塩ビ系としてはアルクリン(デュポン社
製)等が挙げられる。
【0024】前記熱可塑性樹脂としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリカーボネート樹
脂、PET樹脂、ナイロン等が挙げられる。
【0025】前記ゴムとしては、天然ゴム、イソプレン
ゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、
スチレンーブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリ
ルゴム、ブチルゴム、エチレンープロピレンゴム、クロ
ロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロル
ヒドリンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素化
ゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。
【0026】また、上記した熱可塑性樹脂、熱可塑性エ
ラストマーまたはゴムは、従来より公知の種々の着色剤
を加えることにより、着色されたスペーサーとすること
が可能である。
【0027】前記スペーサー(1)は、複層ガラス(1
0)の密閉層(5)中に水分が浸入して結露が発生する
のを防止するため透湿度は小さいほど好ましく、JIS
Z208に基づいて測定される透湿度(0.1mm厚
み)は100g/m2・24時間以下である。なお、好
ましくは50g/m2・24時間以下であり、特に20
g/m2・24時間以下が望ましい。
【0028】ここで、JIS Z208による透湿度と
は、一定時間に単位面積のスペーサーを通過する水蒸気
の量をいい、温度40℃(条件B)において測定される
スペーサーを境界面とし、一方側の空気を相対湿度90
%、他方側の空気を吸湿剤によって乾燥状態に保ったと
き、24時間にこの境界面を通過する水蒸気の質量
(g)を、その材料の面積を1m2当たり及びその材料
の厚みを0.1mm当たりに換算した値を示す。
【0029】複層ガラス(10)に介挿されるスペーサ
ー(1)の幅(図1における上下方向)は、小さいほど
窓としての開口部を大きくすることができるので望まし
い。しかし、幅が小さ過ぎると透湿量が大きくなるため
水蒸気が密閉層(5)に流入して結露が発生したり、2
枚のガラス板(3)、(3)を保持する接着面積が減少
するため、構造体としての信頼性が損なわれる。従っ
て、スペーサー(1)の幅はこれらの関係から決定され
るのが好ましく、3mm以上15mm以下、より好まし
くは5mm以上10mm以下である。
【0030】前記枠体部(7)に使用される材料の硬度
は、その作業性やサッシに嵌め込んだ際の気密性を考慮
して決定されるが、ショアーA硬度が90以下であるこ
とが好ましい。また、前記枠体部(7)はスペーサー
(1)と同一の材料で形成してもよいが、両者に必要な
材料特性を夫々考慮すれば、異なる材料または異なる硬
度を有する材料で形成するのが好ましい。この点、スペ
ーサー(1)としては枠体部(7)に比較してより透湿
性の小さい材料や、より硬度の大きい材料を選択するこ
とが好ましい。また、スペーサー(1)には乾燥剤
(2)を練り混んだ材料を使用し、枠体部(7)には乾
燥剤(2)を練り混んでいない材料を使用してもよい。
【0031】また、前記枠体部(7)は、雨水や光等に
曝される環境下で使用されるため、スペーサー(1)に
比較して耐候性に優れた材料を用いることが好ましい。
具体的な組み合わせ(「スペーサー/枠体部」として表
示)として、両者を異なる材料で形成する場合は、例え
ばブチルゴム/EPDMとポリプロピレンの共重合体
(AES社製のサントプレーン)、ブチルゴム/アルク
リン、ブチルゴムとポリプロピレンの共重合体(AES
社製のトレフシン等)/塩ビ、ブチルゴムとポリプロピ
レンの共重合体/EPDMとポリプロピレンの共重合体
(AES社製のサントプレーン等)が挙げられ、また両
者を異なる硬度の材料で形成する場合は、例えばショア
ーA硬度70のブチルゴム/ショアーA硬度50のブチ
ルゴム、ショアーD硬度40のサントプレーン(AES
社製)/ショアーA硬度55のサントプレーン(AES
社製)が挙げられる。なお、両者を異なる材料で、か
つ、異なる硬度を有する組み合わせとすることもでき
る。さらに、材料コストの観点から、スペーサー(1)
を複数種の材料で作製することもできる。
【0032】スペーサー(1)に内包される水蒸気不透
過性物質(6)としては、水蒸気を透過しない材料であ
ればいかなるものも適用可能であるが、特にアルミニウ
ム、ステンレスまたは鉄等の金属製であってテープ状の
ものが好適である。複層ガラスとした場合の熱貫流抵抗
やスペーサーを構成する熱可塑性エラストマーとの同時
押出し成形を考慮すればその厚みは薄いほど好ましく、
例えば0.5mm以下、より好ましくは0.1mm以下
である。また、前記水蒸気不透過物質(6)は、ガラス
板(3)、(3)間の距離を一定に維持するような強度
は要しないが、例えばテープ状の水蒸気不透過性物質
(6)をスペーサー(1)に内包させる場合は、テープ
の幅方向がスペーサー(1)の厚み方向(図1における
左右方向)になるように内包させ、スペーサー(1)を
介して密封層(5)に水蒸気が流入するのをできるだけ
妨げるようにする。
【0033】前記接着剤(4)としては、ガラス板
(3)とスペーサー(1)を一体化できるものであっ
て、ガラス板(3)と接着剤(4)の引張り接着強度及
びスペーサー(1)と接着剤(4)の引張り接着強度が
いずれも1kg/cm2以上、好ましくは3kg/cm2
以上を有する材料であれば適用可能である。なお、スペ
ーサー(1)とガラス板(3)の熱膨張係数が異なるこ
とを考慮すれば、接着剤(4)としてはゴム弾性を有す
る材料であることが望まれる。
【0034】使用される接着剤(4)の厚みは、1mm
以下、好ましくは0.5mm以下、さらに好ましくは
0.2mm以下の範囲である。前記接着剤(4)の厚み
は、接着剤(4)の透湿度と複層ガラス(10)の耐久
性を考慮して決定される。また、接着剤(4)に予め乾
燥剤を練り混んだものを使用することもできる。
【0035】前記接着剤(4)として、具体的にはポリ
イソブチレンをベースとしたシーラント用ブチル、ホッ
トメルトブチル、チオコール、ゴムのり、ウレタン系、
エポキシ系、シリコーン系、アクリル系、ポリエステル
系、EVA系、変性ポリオレフィン系、ポリアミド等が
挙げられる。
【0036】このような前記接着剤(4)としては、ホ
ットメルト系接着剤であれば養生する必要がないため好
適である。また、硬化タイプの接着剤を使用する場合
は、生産性を考慮すれば養生時間の短いものが望まし
い。養生時間としては、好ましくは24時間以下、より
好ましくは6時間以下であり、また養生時間を短くする
ために加熱することも可能である。
【0037】また、前記接着剤(4)は単独で使用して
もよいが、2種以上の接着剤を併用しても良い。例えば
2種の接着剤を併用する場合には、密閉層(5)と接す
る接着剤(4)は接着剤(8)に比して粘性が高く、し
かも粘着性を有する材料を選択することが好ましい。さ
らに、必要であれば2種以上の接着剤を混合して使用し
ても構わない。
【0038】次に、本発明の一実施例に係る製造方法に
ついて説明する。上記熱可塑性樹脂、熱可塑性エラスト
マーまたはゴムは、押出し成形法または射出成形法によ
り図3のように水蒸気不透過性物質(6)を内包させた
所定形状の成形体(11)成形される。なお、ゴムを
用いて成形する場合には、押出し成形後に架硫操作が必
要である。
【0039】次に、製造する複層ガラスの大きさに応じ
て前記成形体(11)を図4のように所定箇所でその端
面が45度となるように切断する。そして、切断された
成形体(11)の切断面(12)を流動可能な温度まで
加熱し、図5のように切断面(12)同士を突き合わせ
て熱融着し、成形体(11)を図6に示すように枠形状
に成形してスペーサー(1)とする。なお、前記熱融着
に代えて接着剤(不図示)を用いて切断面(12)同士
を接合することも可能である。
【0040】次に、一方のガラス板(3)上に前記を配
設する。このとき、スペーサー(1)の外周が夫々ガラ
ス板(3)の外周縁と略一致するように調整し、他方の
ガラス板(3)を前記スペーサー(1)上に配設して、
両ガラス板(3)、(3)間でスペーサー(1)を圧着
挟持する。さらに、ガラス板(3)、(3)の外縁部に
接着剤(4)を介して枠体部(7)をガラス板(3)と
一体化する。
【0041】なお、ガラス板(3)とスペーサー(1)
及び枠体部(7)を一体化するには、両ガラス板
(3)、(3)間にスペーサー(1)を挟持し、かつ両
ガラス板(3)、(3)の外縁部に枠体部(7)が略一
致するように調整して配設し、これらを熱可塑性樹脂や
熱可塑性エラストマーが流動可能となる温度以上に加熱
した後冷却することにより、両ガラス板(3)、(3)
に熱融着することが好ましい。また、スペーサー(1)
としてゴム或いはガラス板(3)との熱融着が不十分な
熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーを使用する場合
は、接着剤(4)を介してガラス板(3)とスペーサー
(1)または枠体部(7)を一体化することも可能であ
る。これまで枠形状に成形したスペーサー(1)をガラ
ス板(3)と一体化する方法について記載したが、この
順序は逆でもよいし同時に行ってもよい。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらによって限定されるものでは
ない。
【0043】(実施例1)合成結晶質ゼオライトとして
モレキュラーシーブ(3A)(商品名)が20WT%と
なるように、予めポリプロピレンとエチレン−プロピレ
ンゴム(EPDM)の共重合体である熱可塑性エラスト
マー(商品名:サントプレーン、AES社製、ショアー
A硬度80)とモレキュラーシーブ(3A)(商品名)
を混練した。この混練物を押出し成形法により成形して
成形体(11)を得た。この成形体(11)を、端面が
45度となるように必要な長さに切断した後、切断面
(12)同士を熱融着して枠形状を有するスペーサー
(1)を得た。なお、前記スペーサー(1)の厚みは
5.8mmであった。
【0044】次に、このスペーサー(1)と3mm厚み
の一方のガラス板(3)をエポキシ樹脂と変性シリコー
ンの混合物からなる接着剤(4)(商品名:EP−00
1、セメダイン社製、以下同様)を介して接着するとと
もに、スペーサー(1)と他方のガラス板(3)の間も
前記と同様の接着剤(4)を介して接着し、縦500m
m、横350mmの複層ガラス(10)を作製した(図
7参照)。なお、接着剤(4)の厚みはいずれも0.1
mmであった。
【0045】この複層ガラス(10)について、JIS
R3209に従って性能試験を行った。その結果、熱
貫流率は2.80であり、耐湿、耐光試験42日と冷熱
繰り返し試験72サイクル後における露点温度は−45
℃であり、良好な耐久性を有していた。
【0046】(実施例2)モレキュラーシーブ(4A)
(商品名)が15WT%となるように、予めポリプロピ
レンとブチルゴムの共重合体である熱可塑性エラストマ
ー(商品名:トレフシン、AES社製、ショアーA硬度
50)とモレキュラーシーブ(4A)(商品名)を混練
した。この混練物を押出し成形法により成形して成形体
(11)を得た。この成形体(11)を端面が45度と
なるように必要な長さに切断した後、この切断面(1
2)同士を熱融着して枠形状を有するスペーサー(1)
を得た。なお、前記スペーサー(1)の厚みは5.6m
mであった。
【0047】次に、このスペーサー(1)と3mm厚み
の一方のガラス板(3)をシリコーン系接着剤(4)
(商品名:Super−X、セメダイン社製、以下同
様)を介して接着すると共に、スペーサー(1)と他方
のガラス板(3)の間も前記と同様の接着剤(4)を介
して接着し、縦500mm、横350mmの複層ガラス
(10)を作製した(図7参照)。なお、接着剤(4)
の厚みはいずれも0.2mmであった。
【0048】この複層ガラス(10)について、JIS
R3209に従って性能試験を行った。その結果、熱
貫流率は2.75であり、耐湿、耐光試験42日と冷熱
繰り返し試験72サイクル後における露点温度は−50
℃であり、良好な耐久性を有していた。
【0049】(実施例3)ポリプロピレンとエチレン−
プロピレンゴム(EPDM)の共重合体である熱可塑性
エラストマーとしてサントプレーン(商品名、ショアー
D硬度40)を押出し成形法により成形し、4mm径の
中空部(9)を有する成形体(11)を得た。この成形
体(11)を、端面が45度となるように必要な長さに
切断した後、密閉層(5)に封入される空気が中空部
(9)と通じるように、成形体(11)の密閉層(5)
側となる辺表面に約0.2mm径の孔を2cm間隔で孔
設した。そして、中空部(9)に乾燥剤(2)(商品
名:モレキュラーシーブ(3A))を封入した後、切断
面(12)同士を熱融着してスペーサー(1)を得た。
なお、前記スペーサー(1)の厚みは5.4mmであっ
た。
【0050】次に、このスペーサー(1)と3mm厚み
の一方のガラス板(3)をホットメルトブチル系接着剤
(4)(EVODE社製)を介して接着するとともに、
スペーサー(1)と他方のガラス板(3)の間も前記と
同様の接着剤(4)を介して接着し、縦500mm、横
350mmの複層ガラス(10)を作製した(図8参
照)。なお、接着剤(4)の厚みはいずれも0.3mm
であり、モレキュラーシーブ(3A)(商品名)の使用
量は30gであった。
【0051】この複層ガラス(10)について、JIS
R3209に従って性能試験を行った。その結果、熱
貫流率は2.77であり、耐湿、耐光試験42日と冷熱
繰り返し試験72サイクル後における露点温度は−50
℃であり、良好な耐久性を有していた。
【0052】(実施例4)モレキュラーシーブ(4A)
(商品名)が15WT%となるように、予めポリプロピ
レンとブチルゴムの共重合体である熱可塑性エラストマ
ーとしてトレフシン(商品名、ショアーA硬度70)を
混練した。次に、この混練物と熱可塑性エラストマーと
してサントプレーン(商品名、ショアーA硬度55)を
同時押出し成形法により成形して、スペーサー(1)と
なる部分をトレフシン(商品名)、枠体部(7)となる
部分をサントプレーン(商品名)により成形した。さら
に、この成形体(11)を端面が45度となるように必
要な長さに切断し、切断面(12)同士を熱融着して枠
体部(7)を有するスペーサー(1)を得た。なお、前
記スペーサー(1)の厚みは5.6mmであった。
【0053】次に、このスペーサー(1)と3mm厚み
の一方のガラス板(3)をシリコーン接着剤(4)(商
品名:EP−001)を介して接着するとともに、スペ
ーサー(1)と他方のガラス板(3)の間も前記と同様
の接着剤(4)を介して接着し、縦500mm、横35
0mmの複層ガラス(10)を作製した。さらに、複層
ガラス(10)の外縁部に接着剤(4)を介して枠体部
(7)をガラス板(3)と一体的に接着し、枠体部
(7)付き複層ガラス(10)を得た(図9参照)。な
お、ガラス板(3)とスペーサー(1)を接着している
前記接着剤(4)の厚みは0.2mmであった。
【0054】この複層ガラス(10)について、JIS
R3209に従って性能試験を行った。その結果、熱
貫流率は2.75であり、耐湿、耐光試験42日と冷熱
繰り返し試験72サイクル後における露点温度は−50
℃であり、良好な耐久性を有していた。
【0055】(実施例5)ポリプロピレンとエチレン−
プロピレンゴム(EPDM)の共重合体である熱可塑性
エラストマーとしてサントプレーン(商品名、ショアー
D硬度40)を押し出し成形法により成形し、6mm径
の中空部(9)を有する成形体(11)を得た。この成
形体(11)を、端面が45度となるように必要な長さ
に切断した後、この成形体(11)の中空部(9)に乾
燥剤(2)としてモレキュラーシーブ(3A)(商品
名)を封入した。そして、切断面(12)同士を熱融着
してスペーサー(1)を得た。なお、前記スペーサー
(1)の厚みは11.6mmであった。
【0056】次に、このスペーサー(1)と3mm厚み
の一方のガラス板(3)をシーラントブチル接着剤
(4)(商品名:JS−780、トレムコ社製)及びシ
リコーン接着剤(8)(商品名:Super−X)を介
して接着するとともに、スペーサー(1)と他方のガラ
ス板(3)の間も前記と同様の接着剤(4)及び接着剤
(8)を介して接着し、縦500mm、横350mmの
複層ガラス(10)を作製した(図10参照)。なお、
前記2種類の接着剤(4)、(8)の厚みはいずれも
0.2mmであり、モレキュラーシーブ(商品名)の使
用量は45gであった。
【0057】この複層ガラス(10)について、JIS
R3209に従って性能試験を行った。その結果、熱
貫流率は2.47であり、耐湿、耐光試験42日と冷熱
繰り返し試験72サイクル後における露点温度は−55
℃であり、良好な耐久性を有していた。
【0058】(実施例6)モレキュラーシーブ(3A)
(商品名)が20WT%となるように、予めポリプロピ
レンとエチレン−プロピレンゴム(EPDM)の共重合
体である熱可塑性エラストマーとしてサントプレーン
(商品名、ショアーA硬度80)とモレキュラーシーブ
(商品名)を混練した。この混練物と、サントプレーン
(商品名、ショアーA硬度55)と、0.08mm厚み
で5.4mm幅のアルミテープ(6)を同時押出し成形
法により、混練物とアルミテープ(6)でスペーサー
(1)となる部分を、サントプレーン(商品名、ショア
ーA硬度55)で枠体部(7)となる部分を成形した。
この成形体(11)を、端面が45度となるように必要
な長さに切断した後、切断面(12)同士を熱融着して
スペーサー(1)を得た。なお、前記スペーサー(1)
の厚みは5.6mmであった。
【0059】次に、スペーサー(1)と3mm厚みの一
方のガラス板(3)を、シーラント用ブチル樹脂(4)
(商品名:JS−780、トレムコ社製)と、エポキシ
樹脂と変性シリコーンの混合物からなる接着剤(8)
(商品名:EP−001)を介して接着するとともに、
スペーサー(1)と他方のガラス板(3)の間も前記と
同様の接着剤(4)及び接着剤(8)を介して接着し、
縦500mm、横350mmの複層ガラス(10)を作
製した。さらに、複層ガラス(10)の外縁部に接着剤
(8)を介して枠体部(7)をガラス板(3)と一体的
に接着し、枠体部(7)付き複層ガラス(10)を得た
(図11参照)。なお、ガラス(3)とッスペーサー
(1)を接着している前記接着剤(4)、(8)の厚み
はいずれも0.2mmであった。
【0060】この複層ガラス(10)について、JIS
R3209に従って性能試験を行った。その結果、熱
貫流率は2.85であり、耐湿、耐光試験42日と冷熱
繰り返し試験72サイクル後における露点温度は−55
℃であり、良好な耐久性を有していた。
【0061】(実施例7)スペーサー(1)の材料とし
てアルクリン 2070NC(商品名、デュポン社製、
ショアーA硬度68)と、枠体部(7)の材料として軟
質塩ビ(ショアーA硬度45)と、スペーサー(1)に
内包させる水蒸気不透過物質(6)として0.3mm厚
みのアルミテープを同時押出し成形法により成形し、6
mm径の中空部(9)を有する成形体(11)を得た。
この成形体(11)を、端面が45度となるように必要
な長さに切断した後、成形体(11)の中空部(9)に
モレキュラーシーブ(5A)(商品名)からなる乾燥剤
(2)を封入した。そして、切断面(12)同士をシリ
コーン接着剤(4)(商品名:Super−X)を介し
て接着して、スペーサー(1)を得た。なお、前記スペ
ーサー(1)の厚みは5.6mmであった。
【0062】次に、このスペーサー(1)と3mm厚み
の一方のガラス板(3)を一次シーラントブチル接着剤
(4)(トレムコ社製)及びシリコーン接着剤(8)
(商品名:Super−X)を介して接着し、またスペ
ーサー(1)と他方のガラス板(3)の間も前記と同様
の接着剤(4)及び接着剤(8)を介して接着した。
【0063】さらに、枠体部(7)をシリコーン接着剤
(8)(商品名:Super−X)を介してガラス板
(3)、(3)と接着して、縦500mm、横350m
mの枠体部(7)付き複層ガラス(10)を作製した
(図12参照)。なお、ガラス板(3)とスペーサー
(1)を接着している前記接着剤(4)の厚みは0.2
mmであり、モレキュラーシーブ(商品名)の使用量は
35gであった。
【0064】この複層ガラス(10)について、JIS
R3209に従って性能試験を行った。その結果、熱
貫流率は2.85であり、耐湿、耐光試験42日と冷熱
繰り返し試験72サイクル後における露点温度は−45
℃であり、良好な耐久性を有していた。
【0065】(実施例8)実施例1で使用したサントプ
レーン(商品名、ショアーA硬度80)の代わりにポリ
プロピレン(ショアーD硬度50)を使用した以外は、
実施例1と同様に複層ガラス(10)を作製した(図
7)。
【0066】この複層ガラス(10)について、JIS
R3209に従って性能試験を行った。その結果、熱
貫流率は2.79であり、耐湿、耐光試験42日と冷熱
繰り返し試験72サイクル後における露点温度は−45
℃であり、良好な耐久性を有していた。
【0067】(実施例9)重量部で表して、ブチルゴム
(商品名:JSR Butyl 065、日本合成ゴム社
製)100部、酸化亜鉛 5部、ステアリン酸 3部、
ステアリン酸亜鉛5部、HAFブラック 3部、焼成ク
レー 70部、タルク 90部、黒サブ5部、パラフィ
ンワックス 5部、ミクロリスタリンワックス 3部、
鉛丹10部、P,P’−ジベンゾイルキノンジオキシム
5部、モレキュラーシーブ(4A)(商品名) 76
部を、ニーダーを用いて混練した。これらの混練物を押
出し成形法により成形し、この成形物をさらに加硫して
ショアーA硬度73の成形体(11)を得た。この成形
体(11)を、端面が45度となるように必要な長さに
切断した後、切断面(12)同士をゴム接着剤(商品
名:ケムロック402、LORD FAR EAST I
NC.社製)を介して接着し、スペーサー(1)を得
た。なお、前記スペーサー(1)の厚みは5.8mmで
あった。
【0068】次に、スペーサー(1)と3mm厚みの一
方のガラス板(3)を、エポキシ樹脂と変性シリコーン
の混合物からなる接着剤(4)(商品名:EP−00
1)を介して接着し、またスペーサー(1)と他方のガ
ラス板(3)の間も前記と同様の接着剤(4)を介して
接着し、縦500mm、横350mmの複層ガラス(1
0)を作製した(図7参照)。なお、前記接着剤(4)
の厚みは0.1mmであった。
【0069】この複層ガラス(10)について、JIS
R3209に従って性能試験を行った。その結果、熱
貫流率は2.81であり、耐湿、耐光試験42日と冷熱
繰り返し試験72サイクル後における露点温度は−50
℃であり、良好な耐久性を有していた。
【0070】(実施例10)前記実施例5において、中
空部(9)に代えて密閉層(5)側に凹部(13)を形
成し、この凹部(13)の空間にモレキュラーシーブ3
A(商品名)を封入したスティック状の紙袋を入れてス
ペーサー(1)と紙袋を粘着剤で接着して乾燥剤(2)
とした以外は、実施例5と同様に複層ガラス(10)を
作製した(図13参照)。
【0071】この複層ガラス(10)について、JIS
R3209に従って性能試験を行った。その結果、熱
貫流率は2.47であり、耐湿、耐光試験42日と冷熱
繰り返し試験72サイクル後における露点温度は−55
℃であり、良好な耐久性を有していた。
【0072】
【発明の効果】以上詳述したように、従来の複層ガラス
では一次シーラントである高粘度のブチルゴムは、アル
ミスペーサーとガラス板とのシーリングにおいてピンホ
ールが発生しやすいのに対し、本発明によれば熱融着ま
たはより低粘度の接着剤によりガラス板とスペーサーを
接着するので、封止漏れが生じ難く製品の信頼性が向上
する。
【0073】また、熱伝導率の大きいアルミスペーサー
を使用した従来の複層ガラスに比べ、熱貫流率が向上す
る。
【0074】さらに、スペーサー全体が弾性体であるか
ら、応力が分散されてシール漏れが発生し難くく、複層
ガラスの信頼性が向上する。なお、スペーサーを様々な
色に着色することができるため、消費者の多様なニーズ
に対応可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る複層ガラスの要部を示
す縦断面図
【図2】本発明の別実施例に係る複層ガラスの要部を示
す縦断面図
【図3】成形体の形状を示す斜視図
【図4】成形体の切断方法を説明するための斜視図
【図5】切断した成形体を一体化する方法を示す平面図
【図6】切断した成形体を一体化してなるスペーサーを
示す平面図
【図7】実施例1、2、8及び9に係る複層ガラスの要
部を示す縦断面図
【図8】実施例3に係る複層ガラスの要部を示す縦断面
【図9】実施例4に係る複層ガラスの要部を示す縦断面
【図10】実施例5に係る複層ガラスの要部を示す縦断
面図
【図11】実施例6に係る複層ガラスの要部を示す縦断
面図
【図12】実施例7に係る複層ガラスの要部を示す縦断
面図
【図13】実施例10に係る複層ガラスの要部を示す縦
断面図
【符号の説明】
1 スペーサー 2 乾燥剤 3 ガラス板 4 接着剤 5 密閉層 6 水蒸気不透過性物質 7 枠体部 8 接着剤 9 中空部 10 複層ガラス 11 成形体 12 切断面 13 凹部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のガラス板をその周辺部にスペーサ
    ーを介在させた状態で互いに厚み方向に離間するように
    配設してある複層ガラスにおいて、前記スペーサーとし
    て、JIS Z208に基づいて測定される透湿度が1
    00g/m2・24時間以下(0.1mm厚み)の熱可
    塑性樹脂、熱可塑性エラストマーまたはゴムのうち少な
    くとも1種からなる材料を用いたことを特徴とする複層
    ガラス。
  2. 【請求項2】 前記スペーサーはサッシに組み込まれる
    枠体部と一体化されており、この枠体部がスペーサーと
    同一または異なる熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー
    またはゴムのうち少なくとも1種からなる材料で形成さ
    れている請求項1に記載の複層ガラス。
  3. 【請求項3】 前記スペーサーは水蒸気不透過性物質が
    内包されている請求項1または2に記載の複層ガラス。
  4. 【請求項4】 前記スペーサーは乾燥剤が練り込まれて
    いる請求項1ないし3のいずれかに記載の複層ガラス。
  5. 【請求項5】 前記スペーサーは中空部を有しており、
    この中空部に乾燥剤が封入されている請求項1ないし3
    のいずれかに記載の複層ガラス。
  6. 【請求項6】 前記熱可塑性エラストマーが、ポリプロ
    ピレンまたはポリエチレンを含むポリオレフィンと、E
    PDMゴムまたはブチルゴムを含む合成ゴムの共重合体
    である請求項1または2に記載の複層ガラス。
  7. 【請求項7】 JIS Z208に基づいて測定される
    透湿度が100g/m2・24時間以下(0.1mm厚
    み)の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーまたはゴム
    のうち少なくとも1種からなる材料を押出し成形法また
    は射出成形法により所定の形状に成形する第1工程と、 前記第1工程により成形された成形体を所定の形状に切
    断した後、これら成形体の切断面同士を熱融着または接
    着してガラス板の外寸法に沿う形状に成形する第2工程
    と、 前記第2工程により成形された成形体を一方のガラス板
    上の周辺部に配設してスペーサーとし、このスペーサー
    を前記一方のガラス板と他方のガラス板との間で圧着挟
    持する第3工程、を具備することを特徴とする複層ガラ
    スの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記スペーサーはサッシに組み込まれる
    枠体部と一体化されており、この枠体部がスペーサーと
    同一または異なる熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー
    またはゴムのうち少なくとも1種からなる材料で形成さ
    れている請求項7に記載の複層ガラスの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記スペーサーは水蒸気不透過性物質が
    内包されている請求項7または8に記載の複層ガラスの
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記スペーサーは予め乾燥剤が練り込
    まれている請求項7ないし9のいずれかに記載の複層ガ
    ラスの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記スペーサーは中空部を有してお
    り、この中空部に乾燥剤が充填されている請求項7ない
    し9のいずれかに記載の複層ガラスの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記熱可塑性エラストマーが、ポリプ
    ロピレンまたはポリエチレンを含むポリオレフィンと、
    EPDMゴムまたはブチルゴムを含む合成ゴムの共重合
    体である請求項7または8に記載の複層ガラスの製造方
    法。
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