JPH10110072A - シーリング剤組成物 - Google Patents

シーリング剤組成物

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JPH10110072A
JPH10110072A JP30953596A JP30953596A JPH10110072A JP H10110072 A JPH10110072 A JP H10110072A JP 30953596 A JP30953596 A JP 30953596A JP 30953596 A JP30953596 A JP 30953596A JP H10110072 A JPH10110072 A JP H10110072A
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JP
Japan
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butyl rubber
weight
crystalline polyolefin
composition
glass
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Pending
Application number
JP30953596A
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English (en)
Inventor
Takashi Shibuya
崇 澁谷
Hideki Nakagawa
秀樹 中川
Shogo Kodera
省吾 小寺
Yoshitaka Matsuyama
祥孝 松山
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複層ガラス1用のシール材の材料として適した
シーリング剤組成物を提供する。 【解決手段】ブチル系ゴム50〜98重量%と結晶性ポ
リオレフィン2〜50重量%からなるか、または両者の
合計100重量部に対してさらに200重量部以下の無
機フィラーを含むシーリング剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に複層ガラスの
端部シール用に適したシーリング剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ブチル系ゴムはその粘着性、高耐候性お
よび低透湿性という面から建材用途などのシーリング剤
として用いられている。しかし、硬度が低くコールドフ
ロー性があるため使用用途によっては、長期耐久性の点
で単独では問題がある。また溶融粘度が高いために、作
業性が悪いという問題もある。硬度を向上させるために
各種フィラーを混合する方法もあるが、フィラーの添加
のみによって高硬度化を行うと、溶融粘度が上昇し作業
性を著しく損なうことに加え、場合によっては、引張り
強度や引き裂き強度が低下するため望ましくない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ブチル系ゴムが複層ガ
ラスの端部シール材として用いられる場合、ブチル系ゴ
ムの硬度が低いことより通常はアルミニウム製などの金
属製のスペーサが用いられ、スペーサとガラスの間にブ
チル系ゴムがシール材として配置されている。ブチル系
ゴムはガラス板とスペーサの間の面をシールし、気密性
を維持する機能を有する。しかし、金属製スペーサを用
いる必要上複層ガラスの製造工程が複雑化しており、製
造工程をより簡略化しうるシーリング剤の開発が望まれ
ている。
【0004】現在の複層ガラスの多くは、図3に示す複
層ガラス1のように、最低2枚のガラス板1a、1bを
金属スペーサ2を介して対向させ、それによって形成さ
れた中空層を、ガラス板1a、1bと乾燥剤を含む金属
スペーサ2との間にブチル系ゴムからなる一次シール材
3を介在させることによって、外気から遮断した後、対
向しているそれらのガラス板の周縁部の内面とスペーサ
外周面とで構成された空隙(凹部)をポリスルフィド系
またはシリコーン系で代表される常温硬化型シーリング
剤からなる二次シール材5で封着する方法で製造されて
いる。
【0005】これまで、複層ガラスの製造工程の簡略化
または自動化については、アルミニウム製スペーサを折
り曲げ方式にしたり、また、常温硬化型シーリング剤に
ついても、その塗布方法を自動化させたりするなどの生
産性改良、ひいてはコストダウンなどが検討され、かつ
提案されてきた。また、図4に示すようにアルミニウム
製スペーサの代わりに乾燥剤を練り込んだ樹脂をスペー
サ4として用いる方法も提案されてきている。
【0006】しかし、こうした常温硬化型シーリング剤
を用いた複層ガラスでは、用いられるスペーサの種類を
問わず、複層ガラス製造後、シーリング剤の硬化のため
に長時間の養生を必要とし、養生終了までは製品を出荷
できない。そのために工場内に養生スペースを設け、あ
る一定期間製品を保管した後に出荷しなければならず、
納期が長期化し、客先の要望に必ずしも応えられなかっ
た。また、将来的に増加する需要に対応するには、これ
まで以上の養生スペースが必要となるため、これを回避
し、充分な複層ガラスの供給量を確保するためには、上
記の養生時間の短縮が必要と考えられている。
【0007】複層ガラスの低コスト化の点からは、乾燥
剤を練り込んだ樹脂からなる成形物をスペーサとして用
い、二次シール材を用いずに複層ガラスを製造する方法
が提案されている(特公昭61−20501)。しか
し、このスペーサ用樹脂はスペーサとしては硬度が不足
し、実際には上記樹脂からなるスペーサ単独では複層ガ
ラスとしての形状の維持が困難であった。
【0008】また、押出し成形可能な硬質樹脂、例え
ば、塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂に乾燥剤を練り
込んだJIS A硬度(HsA)95の硬さを有する材
料をスペーサとして用いる複層ガラスが知られている
(特開平7−17748)。しかし、このHsA95の
硬さを有する材料を、複層ガラスのスペーサまたはシー
ル材として用いた場合には、複層ガラスのシール部また
はガラス板にかかる応力が大きく、シール部の剥離や複
層ガラス自体のガラス割れが生じるなどの難点がある。
【0009】現状では、二次シールを用いずに、複層ガ
ラスとして要求されるスペーサのみで寿命、形状維持
性、成形性などの特性をすべて満足する複層ガラスは知
られていない。本発明の目的は、複層ガラスにおいてこ
のような二次シール材を実質的に必要としないシール材
として特に有用な材料であるシーリング剤組成物を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、高温粘着
性、耐候性、低透湿性などのブチル系ゴムの特性を維持
しながら、できるだけ簡便な方法でブチル系ゴムの高硬
度化を実現する方法について鋭意検討した結果、結晶性
ポリオレフィンを配合することによりこの目的を達成で
きることを見いだした。本発明は、ブチル系ゴムと結晶
性ポリオレフィンを含む下記シーリング剤組成物であ
る。
【0011】ブチル系ゴムと結晶性ポリオレフィンを含
み、両者の合計量に対するブチル系ゴムの割合が50〜
98重量%、結晶性ポリオレフィンの割合が2〜50重
量%であることを特徴とするシーリング剤組成物。
【0012】ブチル系ゴムと結晶性ポリオレフィンと無
機フィラーを含み、ブチル系ゴムと結晶性ポリオレフィ
ンの合計量に対するブチル系ゴムの割合が50〜98重
量%、結晶性ポリオレフィンの割合が2〜50重量%で
あり、ブチル系ゴムと結晶性ポリオレフィンの合計10
0重量部に対する無機フィラーの割合が200重量部以
下であることを特徴とするシーリング剤組成物。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明におけるブチル系ゴムと
は、イソブチレンの単独重合体や他の単量体との共重合
体、およびそれらの変性物をいう。単独重合体として
は、比較的高分子量の単独重合体や比較的低分子量の単
独重合体がある。前者の分子量は通常3万以上、代表的
なもの(市販品など)は5万〜15万である。後者の分
子量は通常3万未満、代表的なもの(市販品など)は1
万〜1.5万である。なお、ここにおける分子量とは粘
度平均分子量(スタウディンガー分子量)をいう。本発
明においてブチル系ゴムとしてイソブチレンの単独重合
体を用いる場合は比較的高分子量の単独重合体が用いら
れる。比較的低分子量の単独重合体は他のブチル系ゴム
と併用して使用でき、通常、粘着付与や可塑化(低粘度
化)の目的で添加剤として使用される。なお、実施例に
おけるポリイソブチレンはこれらのイソブチレン単独重
合体をいう。
【0014】共重合体はイソブチレンと比較的少量の共
重合性モノマーの1種以上を共重合して得られる重合体
であり、共重合性モノマーとしては、例えば、イソプレ
ン、1−ブテン、ジビニルベンゼン、p−メチルスチレ
ンなどがある。共重合体としては特にイソプレンと共重
合して得られる共重合体(通常ブチルゴムと呼ばれてい
るもの)が好ましい。変性物としてはブチルゴムの塩素
化物や臭素化物などのハロゲン化ブチルゴムやブチルゴ
ムなどを部分加硫して得られる部分加硫ブチルゴムなど
がある。本発明において特に好ましいブチル系ゴムは、
比較的高分子量のイソブチレン単独重合体、通常ブチル
ゴムと呼ばれているイソブチレンとイソプレンとの共重
合体、および部分加硫ブチルゴムである。
【0015】本発明における結晶性ポリオレフィンは、
エチレンやプロピレンなどのオレフィンの単独重合体や
他の単量体との共重合体、およびそれらの変性物であっ
て、結晶性を有しているものをいう。重合体の構造はシ
ンジオタクチック構造やアイソタクチック構造であるこ
とが好ましいが、他の構造を含んでいてもよい。オレフ
ィンとしては特にエチレンとプロピレンが好ましい。
【0016】共重合体としては2種以上のオレフィンの
共重合体やオレフィンと他の単量体との共重合体があ
り、エチレンやプロピレンと結晶性を阻害しない他の単
量体との共重合体が適当である。また共重合体として
は、交互共重合体やランダム共重合体よりもブロック共
重合体が適当である。変性物としては酸無水物基、カル
ボキシル基、エポキシ基などの官能基を導入した結晶性
ポリオレフィンがある。
【0017】本発明において特に好ましい結晶性ポリオ
レフィンは、実質的な単独重合体であるポリエチレンと
ポリプロピレンである。例えば、ポリエチレンとして低
密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレンなどを使用できる。結晶性ポリオレフィンの結晶
化度は30%以上が好ましく、特に50%以上が好まし
い。例えば、通常の結晶性ポリオレフィンにおける代表
的な結晶化度の値は、低密度ポリエチレンで50〜60
%、高密度ポリエチレンで75〜90%、ポリプロピレ
ンで55〜65%である。分子量は特に限定されない
が、数平均分子量でポリエチレンでは約20万〜80
万、ポリプロピレンでは約10万〜40万のものが適当
である。
【0018】このようにポリエチレンやポリプロピレン
は高い結晶性を有するためブチル系ゴムより低透湿性で
あり、なかでもより低い溶融粘度を示すものは、ブチル
系ゴム単独の場合に比較して、組成物の溶融粘度が低下
し成形加工性が向上する。したがってまた、種々の無機
フィラーを配合することが可能となってより高硬度のシ
ーリング剤を実現させ、また経済性の観点からも特にこ
れらが好ましい。
【0019】本発明のシーリング剤組成物においてブチ
ル系ゴムと結晶性ポリオレフィンの合計量に対する結晶
性ポリオレフィンの割合は2〜50重量%であり、好ま
しくは5〜40重量%である。結晶性ポリオレフィンの
割合が2重量%未満ではブチル系ゴムの高硬度化が難し
く、50重量%超では結晶性ポリオレフィンの性質が主
体となりブチル系ゴムの特性が発現し難くなる。
【0020】無機フィラーが配合される場合、ブチル系
ゴムと結晶性ポリオレフィンの合計量に対する結晶性ポ
リオレフィンの割合は少なくてすむ。例えば、ブチル系
ゴムと結晶性ポリオレフィンの合計100重量部に対し
て約50重量部以上の無機フィラーが配合される場合に
は、ブチル系ゴムと結晶性ポリオレフィンの合計量に対
する結晶性ポリオレフィンの割合は2〜20重量%で充
分目的の効果が発揮される。
【0021】ブチル系ゴムと結晶性ポリオレフィンを含
む本発明のシーリング剤組成物に実質的に有効量の無機
フィラーを配合できる。実質的に有効量とは、ブチル系
ゴムと結晶性ポリオレフィンの合計100重量部に対し
て1重量部以上をいう。あまりに多量の無機フィラーを
配合することは組成物の溶融粘度が上昇し、また、引張
り強度や引き裂き強度が低下するため、配合量の上限は
200重量部であり、好ましくは150重量部である。
無機フィラー配合の場合の配合量の好ましい下限は10
重量部である。
【0022】無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、
タルク、マイカ、カーボンブラックなど、通常無機フィ
ラーとして用いられているものを、単独でまたは2種以
上併用して使用できる。
【0023】本発明のシーリング剤組成物が少なくとも
最終的な用途に使用される前において、それに含まれる
ブチル系ゴムと結晶性ポリオレフィンが高温下で混合さ
れていることがきわめて有効である。この混合における
高温とは結晶性ポリオレフィンの結晶融点以上の温度を
いう。この混合温度はブチル系ゴムの分解点以下である
必要があり、通常のブチル系ゴムの分解点である約30
0℃以下が好ましい。特に生産性などの面から200℃
以下が好ましい。したがってまた結晶性ポリオレフィン
の結晶融点も200℃以下が好ましい。
【0024】シーリング剤はその使用温度範囲において
はできるだけ硬度変化の少ないことがより好ましい。こ
うした要件を満足するためには結晶性ポリオレフィンと
しては、通常の使用上限温度以上に結晶融点を有するも
のが好ましい。シーリング剤の通常の使用上限温度は約
80℃である。
【0025】本発明においては結晶性ポリオレフィンが
結晶相による凝集力で拘束されているために、ガラス転
移温度を超えた温度領域でも非晶性樹脂に見られる急激
な硬度低下や流動状態は結晶融点以下では起こらない。
逆に、結晶融点を境に溶融粘度の著しい低下が見られ、
ブチル系ゴムとの混練性を良好にならしめる効果が期待
できる。
【0026】本発明のシーリング剤組成物には一般的に
シーリング剤に配合されうる添加剤を配合できる。この
ような添加剤としては、例えば、乾燥剤、滑剤、顔料、
帯電防止剤、粘着付与剤、可塑剤、老化防止剤、熱安定
剤、酸化防止剤、シランカップリング剤などの加水分解
性シリル基含有化合物、発泡剤、前記無機フィラー以外
の充填材、などがある。特にゼオライト、シリカゲル、
アルミナなどの乾燥剤、粘着付与剤、可塑剤、シランカ
ップリング剤、各種安定剤の配合が好ましい。
【0027】添加剤のうちでも、特にゼオライトなどの
乾燥剤をシーリング剤組成物中に5〜30重量%配合す
ることが好ましい。また、粘着付与効果と可塑化効果を
与える添加剤として前記した比較的低分子量のポリイソ
ブチレンを、ブチル系ゴム100重量部に対し200重
量部以下、特には5〜150重量部添加することも好ま
しい。
【0028】本発明のシーリング剤組成物は、前記のよ
うに少なくともブチル系ゴムと結晶性ポリオレフィンを
結晶性ポリオレフィンの結晶融点以上ブチル系ゴムの分
解点以下の温度で混合して製造されることが好ましい。
この混合温度は100〜280℃、特に120〜250
℃、が好ましい。他の配合物や添加剤は同時に混合して
もよく、その混合前または後に混合してもよい。本発明
の組成物は実質的に熱可塑性の組成物であり、通常の溶
融混合押出し機やニーダーなどの混合機で混合できる。
【0029】上記のように本発明の組成物は実質的に熱
可塑性の組成物であることより、上記混合操作と連続し
て成形を行うこともできる。また、組成物を製造してペ
レット状などの成形材料とし、その後成形を行うことも
できる。成形法としては押出し成形法や射出成形法など
の溶融成形法を使用できる。また成形操作と連続して成
形物を、2枚以上のガラス板が対向配置された複層ガラ
ス材料の端部に配置して複層ガラスを製造できる。この
場合成形機から出た高温の組成物を用いることにより、
ガラス板との高い接着性が得られる。また、アプリケー
タなどの装置を用いて組成物の温度低下を抑制しなが
ら、複層ガラス材料に適用することもできる。この装置
としては加熱可能なものが好ましい。
【0030】最終的なシーリング用途に使用された本発
明のシーリング剤組成物の物性としては、JIS K7
149による水蒸気透過係数が4.0×10-7[cm3
・cm/(cm2 ・sec・cmHg)]以下、特に
7.0×10-8[cm3 ・cm/(cm2 ・sec・c
mHg)]以下であることが好ましい。また、25℃に
おけるJIS A硬度(HsA)は5以上、特に20以
上であることが複層ガラスの形状維持性の面より好まし
い。またあまり硬すぎるものは複層ガラスのシール部や
ガラス板にかかる応力が大きくなるおそれがあるので、
硬度の上限は90程度が好ましい。
【0031】本発明のシーリング剤組成物は特に複層ガ
ラスの端部をシールするためのものとして特に優れる。
この複層ガラスとしては、前記のように金属製などの硬
いスペーサを用いずシール材の硬さによってガラス板間
を保持する構造の複層ガラスであることが好ましい。本
発明のシーリング剤組成物は結晶性ポリオレフィンや無
機フィラーの配合量を変えて適当な硬さのシール材とな
しうることより、このスペーサを用いない構造の複層ガ
ラス用のシーリング剤組成物として適する。この用途に
使用される本発明のシーリング剤組成物の25℃におけ
るJIS A硬度(HsA)は40〜90であることが
特に好ましい。
【0032】図1は、上記構造の複層ガラスの1例を示
す構成断面図であり、複層ガラス1は、2枚のガラス板
1aおよび1bを、本発明のシーリング剤組成物からな
るシール材2のみによって所定の間隔に保持されてい
る。なお、上記の「シール材2のみによる」の意味は、
他に二次シール材や金属製のスペーサなどを不要とする
ことを指すものであり、必要に応じて適用されるプライ
マー処理などを除外するものではない。
【0033】上記の複層ガラスは、必要に応じてスペー
サが当接するガラス面に溶剤に溶解した接着剤を塗布し
風乾しておき、図2に示すように2枚のガラス板1a、
1bを所定間隔(例えば6mm、12mm)に保持し、
次に、押出し成形機を用い、前記本発明のシーリング剤
組成物を、例えば150〜200℃の温度で溶融させ、
適当な先端形状をもつダイから押出しながら、2枚のガ
ラス板間に介在させて冷却することによって形成され
る。この複層化の方法は一例であって、複層ガラスの製
造方法自体は上記方法に限定されず、例えば、前記シー
リング剤組成物からあらかじめ所望形状のシール材を成
形しておき、これを例えば2枚のガラス板で熱圧着させ
て形成してもよい。
【0034】複層ガラスの構成に使用するガラス板は、
通常、建材、車両などに広く使用されている窓、ドアな
どのガラス板、強化ガラス、合わせガラス、金属網入り
ガラス、熱線吸収ガラス、さらには、熱線反射ガラス、
低反射率ガラスなどのように、内面に金属や他の無機物
を薄くコーティングしたガラス板、有機ガラスと呼ばれ
るアクリル樹脂板、ポリカーボネート板などであり、特
に限定されない。
【0035】また、複層ガラスは2枚のガラス板から構
成されるものでもよく、3枚またはそれ以上のガラス板
から構成されるものでもよい。
【0036】本発明のシーリング剤組成物は上記図1に
示す構造の複層ガラス用のシーリング剤に限定されな
い。例えば、シール材よりも硬い材料(例えば金属製や
硬質合成樹脂製)のスペーサとシール材を組み合わせて
端部をシールした構造の複層ガラスにおいて、シール材
の材料として本発明のシーリング剤組成物を使用でき
る。また、複層ガラス以外の建材用途などのシーリング
剤として本発明のシーリング剤組成物を使用できる。
【0037】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されない。下記例1
〜6および例12は実施例であり、例7〜11は比較例
である。
【0038】[例1]ブチル系ゴムとしてムーニー粘度
47 ML(1+8)100℃であるブチルゴムを用
い、結晶性ポリオレフィンとしてメルトインデックス2
0、結晶融点130℃、結晶化度約80%である高密度
ポリエチレン(HDPE)を用いた。
【0039】ブチルゴムとHDPEをラボプラストミル
を用いて160℃、20rpmで30分間溶融混合を行
った。硬度(HsA)についてはJIS K6301に
準じて測定した。溶融粘度は160℃でキャピログラフ
により測定を行い、せん断速度91sec-1の値を示し
た。水蒸気透過係数については、60℃で薄膜の片側に
20mmHg程度の水蒸気圧をかけ、もう一方を真空に
し、薄膜を透過してくる水蒸気の速度から求めた。16
0℃における粘着性(高温タック)については、必要充
分なタックが発現している場合を○とし、タックが不充
分な場合を×とし、その中間の場合を△とした。
【0040】上記の材料と方法を用い、ブチルゴム70
重量%とHDPE30重量%からなる組成物について評
価した。結果を表1に示す。なお、表1、表2および表
3において、材料の組成の数値は重量%を表し、溶融粘
度は104 ポイズを単位とし、水蒸気透過係数は10-9
cm3 ・cm/(cm2 ・sec・cmHg)を単位と
する。
【0041】[例2]例1と同じ材料と方法を用い、ブ
チルゴム80重量%とHDPE20重量%からなる組成
物について例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0042】[例3]例1と同じブチルゴムおよびHD
PEを用い、さらに無機フィラーとしてタルクとHAF
型カーボンブラックを用いて、例1と同じ方法で試験を
行った。ブチルゴム47. 5重量%、HDPE2. 5重
量%、タルク30重量%、カーボンブラック20重量%
からなる組成物についての評価結果を表2に示す。
【0043】[例4]例3と同じ材料を用いたブチルゴ
ム45重量%、HDPE5重量%、タルク30重量%、
カーボンブラック20重量%からなる組成物について、
例3と同じように評価した結果を表2に示す。
【0044】[例5]ブチル系ゴムとしてムーニー粘度
45 ML(1+3)121℃である部分架橋ブチルゴ
ムを用い、結晶性ポリオレフィンとして例1と同じHD
PEを用い、部分架橋ブチルゴム80重量%とHDPE
20重量%からなる組成物について、例1と同様に評価
した結果を表3に示す。
【0045】[例6]例5と同じ部分架橋ブチルゴムと
HDPE、および粘度平均分子量12000のポリイソ
ブチレン(以下、PIB−Aという)を用い、部分架橋
ブチルゴム67.5重量%、HDPE22.5重量%お
よびPIB−A 10重量%からなる組成物について、
例1と同様に評価した結果を表3に示す。
【0046】[例7]例1に用いたものと同じHDPE
単独について例1と同様に評価した結果を表1に示す。
なお硬度についてはこの例のみHsDで測定した。
【0047】[例8]例1と同じ材料と方法を用い、ブ
チルゴム40重量%とHDPE60重量%からなる組成
物を評価した結果を表1に示す。
【0048】[例9]例1に用いたものと同じブチルゴ
ム単独について例1と同様に評価した結果を表1に示
す。
【0049】[例10]例3と同じ材料を用いたブチル
ゴム50重量%、タルク30重量%、カーボンブラック
20重量%からなる組成物について、例3と同様に評価
した結果を表2に示す。
【0050】[例11]例3と同じ材料を用いたブチル
ゴム45重量%、タルク35重量%、カーボンブラック
20重量%からなる組成物について、例3と同様に評価
した結果を表2に示す。
【0051】[例12]ブチル系ゴムとして粘度平均分
子量72000のポリイソブチレン(以下、PIB−B
という)67.5重量%、PIB−A 10重量%およ
び例1と同じHDPE22.5重量%からなる組成物に
ついて、例1と同様に評価した結果を表4に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【発明の効果】表1に示すようにポリエチレンを添加す
ることによって、ブチルゴムの特性である水蒸気透過
性、タックを損なうことなく高硬度化し、また、表2に
示すように無機フィラーを加えることにより、少量ポリ
エチレンを添加するだけでも高硬度化が実現できた。さ
らに、表3に示すようにブチルゴムの代わりに部分架橋
ブチルゴムを使用でき、またポリイソブチレンを配合す
ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複層ガラスの構成の一例を示す断面図。
【図2】複層化する前の複層ガラスの構成を示す断面
図。
【図3】複層ガラスの構成の一例を示す断面図。
【図4】複層ガラスの構成の一例を示す断面図。
【符号の説明】 1a、1b:ガラス板、 1:複層ガラス、 2:スペーサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松山 祥孝 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブチル系ゴムと結晶性ポリオレフィンを含
    み、両者の合計量に対するブチル系ゴムの割合が50〜
    98重量%、結晶性ポリオレフィンの割合が2〜50重
    量%であることを特徴とするシーリング剤組成物。
  2. 【請求項2】ブチル系ゴムと結晶性ポリオレフィンと無
    機フィラーを含み、ブチル系ゴムと結晶性ポリオレフィ
    ンの合計量に対するブチル系ゴムの割合が50〜98重
    量%、結晶性ポリオレフィンの割合が2〜50重量%で
    あり、ブチル系ゴムと結晶性ポリオレフィンの合計10
    0重量部に対する無機フィラーの割合が200重量部以
    下であることを特徴とするシーリング剤組成物。
  3. 【請求項3】結晶性ポリオレフィンがポリエチレン、ポ
    リプロピレンまたはそれらの変性体から選ばれる1種以
    上の重合体からなる、請求項1または2のシーリング剤
    組成物。
  4. 【請求項4】複層ガラスの端部シール用の請求項1、2
    または3のシーリング剤組成物。
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