JPH08338179A - 窓枠構造体およびその製造方法 - Google Patents

窓枠構造体およびその製造方法

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JPH08338179A
JPH08338179A JP14476495A JP14476495A JPH08338179A JP H08338179 A JPH08338179 A JP H08338179A JP 14476495 A JP14476495 A JP 14476495A JP 14476495 A JP14476495 A JP 14476495A JP H08338179 A JPH08338179 A JP H08338179A
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JP
Japan
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component
window frame
composition
thermoplastic elastomer
rubber
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Withdrawn
Application number
JP14476495A
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English (en)
Inventor
Osamu Ozawa
沢 修 小
Katsumi Hayashida
田 克 己 林
Masamichi Danjo
上 正 通 檀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】住居、オフィス・ビル等の窓枠構造体の製造工
程及び施工の工数を減らし、かつ長期間使用しても性能
が低下することのない接合部を有する窓枠構造体および
その製造方法を提供することを目的とする。 【構成】接合部を介して接合される2以上の窓枠部材よ
りなる窓枠構造体であって、前記接合部が、少なくと
も、軟化温度が100℃以上、かつ溶融温度が200℃
以下である熱可塑性樹脂成分(A)と、少なくとも一部
が加硫されたゴム組成物成分(B)と、溶融温度が10
0℃以上のワックス状組成物成分(C)とを含有し、か
つ、該成分(A)/成分(B)の重量組成比が10/9
0〜90/10、該成分(C)の含有量が成分(A)と
成分(B)との合計100重量部に対して3〜90重量
部であり、さらに、該加硫されたゴム組成物成分(B)
の一部または全部が該熱可塑性樹脂成分(A)に分散さ
れてなる熱可塑性エラストマー組成物によって形成され
る窓枠構造体およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の熱可塑性エラス
トマー組成物からなる接合部を介して接合される2以上
の窓枠部材よりなる窓枠構造体およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】住居、オフィス・ビルなどの窓枠(サッ
シ)には、アルミなどの長尺の部材を、目的とする所定
長さに切断し、枠状に組立てたものが用いられる。住
居、オフィス・ビルなどの窓は、一般的には、これらの
建物の壁面の開口部に嵌め込まれる窓枠框体(サッシ框
体)と、窓枠框体で支持され窓ガラスを挟持する窓枠
(サッシ)で構成され、窓枠および窓枠框体の構造によ
り、建物の壁面に対して水平方向や鉛直方向に摺動して
開閉される窓、水平軸を中心として回転方向に開閉でき
る窓などの他、いわゆる観音開の窓あるいは嵌め殺しの
窓など、種々の窓に用いられている。このような住居、
オフィス・ビルなどの壁面に嵌めこまれるサッシ框体、
およびサッシはいずれも、雨水などの侵入を防止するた
めに良好な密閉性(シール性)を有することが要求され
る。このため、上記のサッシおよびサッシ框体は、それ
ぞれの接合部に緩衝性と密閉性を保持するためのパッキ
ング状部材が配されている。
【0003】このような窓の枠構造体に配されるパッキ
ング状部材は、上記のサッシまたはサッシ框体を構成す
る窓枠部材同士を確実に密着するための良好なゴム弾性
以外に、直射日光の熱(通常80〜100℃程度以上に
なる)によって特性の変化が少ない良好な耐熱性と、長
期の使用の後であっても直射日光の熱によって変化しな
い良好な耐候性をも有することが要求される。従来、こ
のような窓枠部材の接合に際しては、パッキング状部材
として未加硫のブチルゴムのテープが施されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような窓
枠構造体を製造するにあたっては、例えば、アルミ・サ
ッシまたはサッシ框体に用いられる窓枠部材の接合部の
形状に合わせて上記のブチルゴムのテープを切り出し、
あるいは打抜き、上記のアルミ・サッシまたはサッシ框
体の窓枠部材の接合部に手作業で貼り付ける必要があ
り、製造、施工において工数がかかるという欠点があっ
た。さらに、自動化等の生産性向上手段の講じ難い工程
でもあった。さらに、現地での組み立てが必要な場合
に、取扱中に上記アルミ・サッシまたはサッシ框体の窓
枠部材の接合部に貼りつけたブチルゴムのテープが剥が
れる、あるいは使用するブチルゴムが未加硫であるため
に、熱時の物性の変化(軟化等)によって、経年により
形状が崩れるなどという問題があった。上述の問題点を
解決し、接合部を介して接合される2以上の窓枠部材よ
りなる窓枠構造体、特に、上記接合部が耐候性を有する
窓枠構造体を開発すること、およびその製造工程を簡略
化する方法の開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の問題を
解決し、接合部を介して接合される2以上の窓枠部材よ
りなる窓枠構造体、その製造工程および施工における工
数を減らし、かつ長期間使用しても性能が低下すること
のない接合部を有する窓枠構造体を提供することを目的
とする。
【0006】すなわち、本発明は、接合部を介して接合
される2以上の窓枠部材よりなる窓枠構造体であって、
前記接合部が、少なくとも、軟化温度が100℃以上、
かつ溶融温度が200℃以下である熱可塑性樹脂成分
(A)と、少なくとも一部が加硫されたゴム組成物成分
(B)と、溶融温度が100℃以上のワックス状組成物
成分(C)とを含有し、かつ、該成分(A)/成分
(B)の重量組成比が10/90〜90/10、該成分
(C)の含有量が成分(A)と成分(B)との合計10
0重量部に対して3〜90重量部であり、さらに、該加
硫されたゴム組成物成分(B)の一部または全部が該熱
可塑性樹脂成分(A)に分散されてなる熱可塑性エラス
トマー組成物によって形成される窓枠構造体を提供す
る。
【0007】また、接合部を介して接合される2以上の
窓枠部材よりなる窓枠構造体であって、前記接合部が、
少なくとも、軟化温度が100℃以上、かつ溶融温度が
200℃以下である熱可塑性樹脂成分(A)と、少なく
とも一部が加硫されたゴム組成物成分(B)と、溶融温
度が100℃以上のワックス状組成物成分(C)とを含
み、かつ、該成分(A)/成分(B)の重量組成比が1
0/90〜90/10、該成分(C)の含有量が成分
(A)と成分(B)との合計100重量部に対して3〜
90重量部であり、さらに、該加硫されたゴム組成物成
分(B)の一部または全部が該熱可塑性樹脂成分(A)
に分散されてなる熱可塑性エラストマー組成物によって
形成される窓枠構造体を製造する際に、前記接合しよう
とする窓枠部材の一方に、予め成型用型を取り付け、前
記成型用型中に前記熱可塑性エラストマー組成物を溶融
・注入し、前記熱可塑性エラストマー組成物の硬化後、
前記型を取り外し、他方の窓枠部材を硬化後の前記熱可
塑性エラストマー組成物を介して接合する窓枠構造体の
製造方法を提供する。
【0008】そして、成分(A)が、ポリオレフィン系
樹脂材料、成分(B)が、エチレン・プロピレン共重合
ゴム組成物および/またはエチレン・プロピレン・ジエ
ン共重合ゴム組成物、および成分(C)が、低分子量ポ
リオレフィンであるのが好ましい。
【0009】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
は、接合部を介して接合される2以上の窓枠部材よりな
る窓枠構造体である。本発明の窓枠構造体は、基本的に
は、溝部を有する長尺部材を所定の長さに切断して窓枠
部材とし、これらを接合部を介して接合した構造を有し
ており、上述したガラスを挟持する窓枠として、あるい
は何枚かのガラスを組み合わせる場合の桟として使用し
てもよく、また、住居・オフィスビルなどの壁面に固定
し上記窓枠を支持する窓枠框体としても使用してもよ
い。上記窓枠部材が接合部を介して接合される場合、窓
枠部材の形状は種々あり、その接合部の形状も種々ある
ので接合部が複数あってもよい。さらに、本発明の窓枠
構造体は、使用する窓枠部材の長さおよび窓枠部材を接
合する角度を調節することにより、長方形、五角形、三
角形などといった様々な形状の窓に用いられる窓枠およ
び窓枠框体としても使用することができる。
【0010】本発明の窓枠構造体に使用する長尺部材
は、アルミ、ステンレスなど、一般的に窓枠部材として
用いられるものであればよく、窓枠構造体の大きさや窓
の開閉の有無、開閉方向などに応じて、長尺部材の材
質、巾、長さ、厚みなどを適宜選択して用いる。本発明
の窓枠構造体は、その接合部に後述する組成の熱可塑性
エラストマー組成物を配した構造を有しており、接合部
の緩衝および密閉性を保持している。
【0011】図1に、本発明の住居、オフィス・ビルな
どに用いられる窓枠構造体の一例を斜視図で示し、これ
を用いて本発明を説明する。図1に示す本発明の窓枠構
造体1は、建物の壁面に対して水平方向に摺動し、開閉
する方形の窓に応用された例であり、具体的には、窓ガ
ラス10を挟持する窓枠12および窓枠框体14として
応用されている。溝部を有するアルミなどの長尺部材を
所定の長さに切断し、窓枠部材12aおよび12bが形
成され、窓枠部材12aはその端面で窓枠部材12bの
端部近傍の側面と接合される。ここで、窓枠部材12a
の端面と窓枠部材12bの側面とにより形成される窓枠
接合部24aおよび24bには、後述する特定組成の組
成物が配されている。
【0012】また、窓枠部材14aおよび14bをアル
ミなどの長尺部材を所定の長さに切断して得る。窓枠1
2は窓枠部材14bの上を水平方向に移動して開閉され
るため、窓枠部材14bには窓枠部材12bとかみあう
軌条となる突起構造を有する長尺部材が切断されて用い
られている。窓枠部材14aはその端面で窓枠部材14
bの端部の側面と接合され、窓枠部材14aの端面と窓
枠部材14bの端部の側面とで形成される窓枠框体接合
部26a、26bおよび26cには、後述する特定組成
の組成物が配されている。このようにして窓枠部材12
aと12b、ならびに14aと14bは、方形の窓枠構
造体とするために、それぞれ窓枠接合部24aおよび2
4b、または窓枠框体接合部26a、26bおよび26
cを介して直角に接合される。方形の窓枠框体14は住
居やオフィス・ビルなどの壁面の開口部に嵌め込まれて
固定され、一方、方形の窓枠12は窓ガラス10を挟持
し、上記窓ガラス10はパッキング22により固定され
る。上記窓ガラス10を挟持する窓枠12はその窓枠框
体14に支持され、窓枠部材12bが有する溝部が、窓
枠部材14bの有する軌条となる突起部分とかみ合っ
て、建物の壁面に対して平行に開閉できる。
【0013】図2に、方形の窓にするために、一方の窓
枠部端面と他方の窓枠部材の端部近傍の側面とを接合部
30を介して直角に接合した窓枠16に応用された窓枠
構造体の接合部を一部破断図で示す。図2では、H型の
窓枠部材16aの端面と、底面の一部に溝部を有する窓
枠部材16bの端部の側面とが、接合部30を介して接
合されている。接合部30は、窓枠部材16bの上面の
端部近傍に密着して設けられ、H型の窓枠部材16aの
H型の端面と密着される。したがって、窓枠部材16a
は窓枠部材16bと隙間なく接合され、接合部30は窓
枠部材16aおよび16bの緩衝材として作用するとと
もに密閉性(気密性)を高めるとともに、雨水や風など
が侵入することを防止する。
【0014】本発明の窓枠構造体は、以下のようにして
製造する。まず、上述した長尺部材を所定の長さに切断
して2以上の窓枠部材とし、これら窓枠部材の一方の端
部の接合しようとする側面に予め成型用型を取り付け
る。ここで使用する成型用型は、筒型または一方の底面
を有する筒型のものであってもよい。上記成型用型で仕
切られる空間の形状は、直方体、楕円柱、円柱など、特
に限定されない。また、上記型の大きさは、取り付けよ
うとする窓枠構造体に用いられている窓枠部材の巾など
に応じて適宜選択して使用する。さらに、上記成型用型
は、一端に大きさ調節用のネジなどを有するものであっ
てもよい。一方の底面を有する筒型の型の場合、後述す
る熱可塑性エラストマー組成物を注入することができる
注入口を、上記型の側面に有するものが好適であり、注
入口の位置は特に限定されない。上記の成型用型は、窓
枠部材の接合部に水平に取り付ける場合には、筒型の型
または一方の底面を有する筒型の型のいずれを用いても
よい。
【0015】接合部30を形成するために使用する後述
する組成の熱可塑性エラストマー組成物は、ペレット
状、粒状、棒状、ひも状、帯状、ブロック状など種々の
形状となし得るが、押出機などのアプリケーターに充填
して施工する。ペレット状の上記熱可塑性エラストマー
組成物を用いる場合は、これらを上記アプリケーターに
充填して加熱して溶融し、上述のように窓枠部材の接合
しようとする側面上に取り付けた成型用型の中に注入す
る。すなわち、成型用型が底面を有しない筒型の場合に
は筒の上部から、また、成型用型が一方の底面を有する
筒型の場合には所定の位置に設けられた注入口から溶融
された上記熱可塑性エラストマー組成物を注入する。一
般的には、注入した熱可塑性エラストマー組成物が半硬
化した後、上記成型用型を取り外し、上記窓枠部材16
bの端部近傍に接合部30を形成する。窓枠部材16b
は、その端部近傍に上述のようにして設けられた接合部
30の位置で窓枠部材16aの端面と直角に接合され、
本発明の窓枠構造体1が形成される。
【0016】本発明の窓枠構造体は、上述のように製造
され、ここで用いる熱可塑性エラストマー組成物は以下
に説明するようにホットメルト接着剤様の性質を有し、
溶融時に流動性と粘着性とを有するので、上記成型用型
が一方の窓枠部材の端部近傍に取り付けられ、この型中
に溶融し注入された上記熱可塑性エラストマー組成物が
半硬化した後、上記成型用型を取り外す際には上記一方
の窓枠部材に接着している。そして、この硬化した熱可
塑性エラストマー組成物が接合部となり、この接合部を
介して他方の窓枠部材をその端面で接合し、本発明の窓
枠構造体1を製造することができるため、接合部の形成
が簡便であり、また、接合部を形成する工数が少ない。
さらに、これらの工程は、従来の未加硫ブチルゴムテー
プを切出し、貼付ける工程に比し、自動化等の生産性向
上手段を講じやすい長所がある。
【0017】本発明の窓枠構造体1は、その接合部30
に用いる組成物に特徴があり、少なくとも、軟化温度が
100℃以上、かつ溶融温度が200℃以下である熱可
塑性樹脂成分(A)と、少なくとも一部が加硫されたゴ
ム組成物成分(B)と、溶融温度が100℃以上のワッ
クス状組成物成分(C)とを含み、かつ、成分(A)/
成分(B)の重量組成比が10/90〜90/10、成
分(C)の含有量が成分(A)と成分(B)との合計1
00重量部に対して3〜90重量部であり、さらに、加
硫されたゴム組成物成分(B)の一部または全部が熱可
塑性樹脂成分(A)に分散されてなる熱可塑性エラスト
マー組成物より形成され、ホットメルト系接着剤様の性
質を有する。本発明の窓枠構造体1においては、このよ
うな良好な溶融流動性および溶融時粘着性を有する熱可
塑性エラストマー組成物よりなる接合部30を、接合し
ようとする一方の窓枠部材の接合しようとする部分に形
成することにより、窓枠構造体1の組み立て工程を大幅
に簡略化したものである。
【0018】以下、このホットメルト様の熱可塑性エラ
ストマー組成物について説明する。本発明に用いる熱可
塑性エラストマー組成物(以下、エラストマー組成物と
する)は、軟化温度が100℃以上、かつ溶融温度が2
00℃以下である熱可塑性樹脂成分[すなわち成分
(A)]と、少なくとも一部が加硫されたゴム組成物成
分[すなわち成分(B)]と、溶融温度が100℃以上
のワックス状組成物成分[すなわち成分(C)]とを含
有し、成分(A)をマトリックスとし、この成分(A)
中に、少なくとも一部が加硫されたゴム組成物(B)の
一部または全部が分散されてなり、かつ、成分(A)/
成分(B)の重量組成比が10/90〜90/10、成
分(C)の含有量が成分(A)と成分(B)との合計1
00重量部に対して3〜90重量部であることをその基
本構成とする。
【0019】前記目的を達成するために、本発明は、下
記成分(A)、(B)および(C) 成分(A): 軟化温度が100℃以上で、かつ溶融温
度が200℃以下の熱可塑性樹脂組成物 成分(B): 少なくとも一部が加硫されたゴム組成物 成分(C): 溶融温度が100℃以上のワックス状組
成物 を含有し、成分(A)/成分(B)の重量組成比が10
/90〜90/10、前記成分(C)の含有量が成分
(A)と成分(B)との合計100重量部に対して3〜
90重量部であり、さらに、成分(B)の一部または全
部が成分(A)に分散されてなる熱可塑性エラストマー
組成物を用いる。
【0020】また、前記成分(A)がポリオレフィン系
樹脂材料、特にポリプロピレン系樹脂材料であり、前記
成分(B)がエチレン・プロピレン共重合ゴム(EP
M)および/またはエチレン・プロピレン・ジエン共重
合ゴム(EPDM)であり、前記成分(C)が低分子量
ポリオレフィン、特に低分子量ポリプロピレン(ポリプ
ロピレン系ワックス)であるのが、耐熱性等の特性制御
および経済性等の点で好ましい。
【0021】また、前記成分(A)、(B)および
(C)に加え、さらに、前記成分(A)の溶融時に粘接
着性を付与する樹脂組成物および/またはゴム組成物を
成分(D)として含有するのが好ましい。
【0022】また、前記成分(D)が、スチレン・ブタ
ジエン(・スチレン)共重合エラストマーあるいはその
水素添加物、スチレン・イソプレン(・スチレン)共重
合エラストマーあるいはその水素添加物、軟化点が60
〜150℃の樹脂状組成物あるいはその水素添加物、石
油系樹脂あるいはその水素添加物、テルペン系樹脂ある
いはその水素添加物、ロジン系樹脂あるいはその水素添
加物、クマロン・インデン系樹脂あるいはその水素添加
物からなる群より選ばれた一種以上であるのが好まし
い。
【0023】以下、本発明に用いる熱可塑性エラストマ
ー組成物の各成分について詳細に説明する。マトリック
スとなる熱可塑性樹脂成分(A)は、軟化温度が100
℃以上で、かつ溶融温度が200℃以下である熱可塑性
樹脂(以下、熱可塑性樹脂ともいう)である。軟化温度
が100℃未満であると、得られた成型品の耐熱軟化性
が悪く、溶融温度が200℃を超えると、押出成型や射
出成型等の溶融成型性が悪くなってしまう。さらに、窓
枠構造体は、一般に、その施工場所の関係から直射日光
に長期間曝されるため、窓枠構造体自体の表面温度が9
0℃近くまで上がることがある。したがって、90℃前
後で上記接合部30が軟化すると接合部に隙間が生じ、
密閉性、気密性が保持できなくなることから、軟化温度
を100℃以上とした。一方、上記の熱可塑性樹脂成分
(A)を含む熱可塑性エラストマー組成物はホットメル
ト系接着剤と同様の使用方法で用いるため、加工温度で
溶融する必要があることから、溶融温度を200℃以下
とした。成分(A)としては、好ましくは、軟化温度が
110℃以上で、溶融温度が190℃以下、特に180
℃以下の熱可塑性樹脂が好適に利用される。
【0024】本発明において軟化温度とは、温度の上昇
によって弾性率が漸次小さくなり、わずかな応力によっ
て変形するようになる温度をいい、具体的にはJIS
K7270−1983に定義される熱変形温度である。
より具体的には、この熱変形温度は、荷重たわみ温度試
験法で測定される熱変形温度であり、4.6kgf/cm 2
一定荷重下で試験片が変形を開始する温度、すなわち物
理的に熱変形する温度である。また、溶融温度とは、温
度の上昇に伴って実用上変形が大きくなり、外力に耐え
られなくなり流動性を帯びる温度をいい、具体的には、
示差走査熱量計(DSC)を用い、昇温速度10℃/分
で測定した際の、吸熱カーブの結晶融解ピーク温度を示
す。さらに、本発明において軟化点とは、JIS K
6220に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で
測定し、球が落下した時の温度を軟化点(℃)とした。
【0025】さらに、本発明においては、成分(A)と
しては、上記条件を満たした上で、230℃、荷重2.
16kgf/cm2 、1mmφオリフィス使用時のMFI(Melt
Flow Index)が20以上で、JIS K 6310に規
定されるD硬度が80以下の熱可塑性樹脂が好ましく利
用される。
【0026】成分(A)としては、上記特性を有するも
のであれば、各種の熱可塑性樹脂および/またはその組
成物が利用可能である。具体的には、上記特性を有する
ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリニトリル
系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリビニル系樹
脂、セルロース系樹脂、フッ素系樹脂、イミド系樹脂、
ポリオレフィン系樹脂等が好適に例示される。より具体
的には、ポリアミド系樹脂としては、ナイロン6(N
6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N4
6)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N1
2)、ナイロン610(N610)、ナイロン612
(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/6
6)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66
/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン
6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP
共重合体、ナイロン66/PPS共重合体等が;ポリエ
ステル系樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート
(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PE
I共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレン
ナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキ
シアルキレンジイミド酸/ポリブチレートテレフタレー
ト共重合体などの芳香族ポリエステル等が;ポリニトリ
ル系樹脂としては、ポリアクリロニトリル(PNA)、
ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン
共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重
合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重
合体等が;ポリメタクリレート系樹脂としては、ポリメ
タクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチ
ル等が;ポリビニル系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル、
ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/
エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン
(PDVC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル
/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルア
クリレート共重合体等が;セルロース系樹脂としては、
酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース等が;フッ素系樹
脂としては、ポリフッ化ブニリデン(PVDF)、ポリ
フッ化ビニル(PVF)、ポリクロロフルオロエチレン
(PCFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合
体等が;イミド系樹脂としては、芳香族ポリイミド(P
I)等が;ポリオレフィン系樹脂としては、オレフィン
の単独または共重合体、すなわち、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−ブテン、
1−ヘキセン、3−メチル1−ペンテン、4−メチル1
−ペンテン、1−オクテン等の単独または共重合体、さ
らに、前記オレフィンの単独または共重合体と他の熱可
塑性樹脂との共重合体等が; それぞれ好適に例示され
る。特に、ポリオレフィン系樹脂、中でもポリプロピレ
ン(PP)系樹脂、中でも特に、アイソタクティック、
シンジオタクティック、アタクティックの立体化学構造
を有するポリプロピレン系樹脂で、軟化温度が100℃
以上で、かつ溶融温度が200℃以下の条件を満たすも
のが好適に利用される。
【0027】本発明に用いる熱可塑性エラストマー組成
物において、このような成分(A)に分散される成分
(B)は、少なくとも一部が加硫されたゴム組成物(以
下、ゴム組成物ともいう)である。ここで、本発明に用
いる熱可塑性エラストマー組成物は、成分(A)の少な
くとも一部は連続相(いわゆるマトリックス)を成し、
成分(B)の少なくとも一部が分散相(ドメイン)とな
るような分散構造を有する。このような分散構造を有す
ることにより、マトリックスを成す熱可塑性樹脂相の溶
融特性(軟化特性)を利用し、成型時における良好な流
動性を実現することにより押出成型や射出成型の制御、
特に200℃以下の溶融成型としては比較的低温域での
容易な流動を可能とし、分散相となる少なくとも一部が
加硫されたゴム組成物を有することにより、得られた成
形品の耐熱軟化(軟化温度)の制御に加え、柔軟性と熱
時においても良好なゴム弾性を発現することができる。
【0028】成分(B)として利用されるゴム組成物と
しては、ジエン系ゴムおよびその水素添加物、オレフィ
ン系ゴム、含ハロゲン系ゴム、シリコンゴム、含イオウ
ゴム、フッ素ゴム、および熱可塑性エラストマーからな
る群より選択される1以上が好適に例示される。具体的
には、ジエン系ゴムおよびその水素添加物としては、天
然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化
天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタ
ジエンゴム(BR 高シスBRおよび低シスBR)、ア
クリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、水素化N
BR、水素化SBR等が;オレフィン系ゴムとしては、
エチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン
・プロピレン・ジエン共重合ゴム(EPDM)、マレイ
ン酸変性エチレン・プロピレン共重合ゴム(M−EP
M)、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビ
ニルあるいはジエン系モノマーの共重合体、アクリルゴ
ム(ACM)、アイオノマー等が;含ハロゲンゴムとし
ては、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、塩素化ブチ
ルゴム(Cl−IIR)、イソブチレン・パラメチルス
チレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロ
プレンゴム(CR)、ヒドリンゴム、クロロスルホン化
ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(C
M)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M−CM)
等が;シリコンゴムとしては、メチルビニルシリコンゴ
ム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルビニルシリ
コンゴム等が;含イオウゴムとしては、ポリスルフィド
ゴム等が;フッ素ゴムとしては、ビニリデンフルオライ
ド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフル
オロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系
ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム等が;熱可塑性エラ
ストマーとしては、スチレン系エラストマー、ポリオレ
フィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、
ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマ
ー等が; それぞれ好適に例示される。
【0029】特に、EPM系ゴムやEPDM系ゴム(あ
るいはこれらを含むゴム組成物)等のオレフィン系ゴム
(組成物)が、後述する熱可塑性エラストマー組成物の
製造方法による混練加工時や、熱可塑性エラストマー組
成物を用いた押出成型や射出成型等の成型加工時におけ
る良好な熱安定性等の理由で好適に利用される。中でも
特に、エチレンおよびプロピレン、あるいはさらに若干
のジシクロペンタジエン、エチリデンノルボーネン、
1,4−ヘキサジエン等の若干のジエン成分を有する2
元または3元共重合体であるEPMおよび/またはEP
DM、さらにこれらEPMおよび/またはEPDMを無
水マレイン酸等で変性してなるマレイン酸変性EPMお
よび/またはEPDMは好適に利用可能である。
【0030】なお、本発明に用いる熱可塑性エラストマ
ー組成物において、成分(B)には前記ゴム成分以外
に、カーボンブラックや可塑剤、軟化剤、老化防止剤、
加工助剤等の各種の添加剤を含有してもよいのはもちろ
んであるが、成分(B)中におけるゴム成分の含有量
は、25〜99重量%程度、特に33〜98重量%程度
とするのが好ましい。
【0031】前述のように、本発明に用いるエラストマ
ー組成物は、成分(A)をマトリックスとし、成分
(B)の少なくとも一部が分散相(ドメイン)として分
散し、かつ、成分(B)の少なくとも一部が加硫された
構成を有する。このような構成は、あらかじめ成分
(A)を構成する熱可塑性樹脂と、成分(B)を構成す
るゴム組成物(基本的に加硫剤は含まない)とを、2軸
混練押出機等で溶融混練し、連続相を形成する熱可塑性
樹脂中にゴム組成物を分散させ、この状態(混練下)で
引き続き加硫剤を添加し、ゴム組成物を混練中にすなわ
ち動的に加硫させることにより形成することができる。
また熱可塑性樹脂やゴム成分に各種の配合剤(加硫剤を
除く)を添加する際には、この混練中に添加してもよい
が、混練の前にあらかじめ添加しておくのが好ましい。
【0032】なお、加硫剤の種類や動的な加硫条件(温
度、時間)等は、添加する成分(B)に応じて適宜決定
すればよく、特に限定はない。加硫剤としては、一般的
なゴム加硫剤(架橋剤)を用いることができる。具体的
には、イオウ系加硫剤としては粉末イオウ、沈降性イオ
ウ、高分散性イオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ、
ジモルフォリンジサルファイド、アルキルフェノールジ
サルファイド等が例示され、例えば、0.5〜4phr
(成分B中のゴム成分(ポリマー)100重量部あたり
の重量部)程度を用いればよい。また、有機過酸化物系
の加硫剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブ
チルヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチルヘキ
サン−2,5−ジ(パーオキシルベンゾエート)等が例
示され、例えば、1〜15phr程度を用いればよい。
さらに、フェノール樹脂系の加硫剤としては、アルキル
フェノール樹脂の臭素化物や、塩化スズ、クロロプレン
等のハロゲンドナーとアルキルフェノール樹脂とを含有
する混合架橋系等が例示され、例えば1〜20phr程
度を用いればよい。その他の加硫剤として、亜鉛華(5
phr程度)、酸化マグネシウム(4phr程度)、リ
サージ(10〜20phr程度)、p−キノンジオキシ
ム、p−ジベンゾイルキノンジオキシム、テトラクロロ
−p−ベンゾキノン、ポリ−p−ジニトロソベンゼン
(2〜10phr程度)、メチレンジアニリン(0.2
〜10phr程度)が例示される。
【0033】また、必要に応じて、加硫促進剤を添加し
てもよい。加硫促進剤としては、アルデヒド・アンモニ
ア系、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド
系、チウラム系、ジチオ酸塩系、チオウレア系等の一般
的な加硫促進剤を、例えば0.5〜2phr程度用いれ
ばよい。具体的には、アルデヒド・アンモニア系加硫促
進剤としては、ヘキサメチレンテトラミン等が;グアジ
ニン系加硫促進剤としては、ジフェニルグアジニン等
が;チアゾール系加硫促進剤としては、ジベンゾチアジ
ルジサルファイド(DM)、2−メルカプトベンゾチア
ゾールおよびそのZn塩、シクロヘキシルアミン塩等
が;スルフェンアミド系加硫促進剤としては、シクロヘ
キシルベンゾチアジルスルフェンアマイドCBS)、N
−オキシジエチレンベンゾチアジル−2−スルフェンア
マイド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフ
ェンアマイド、2−(チモルポリニルジチオ)ベンゾチ
アゾール等が;チウラム系加硫促進剤としては、テトラ
メチルチウラムジサルファイド(TMTD)、テトラエ
チルチウラムジサルファイド、テトラメチルチウラムモ
ノサルファイド(TMTM)、ジペンタメチレンチウラ
ムテトラサルファイド等が;ジチオ酸塩系加硫促進剤と
しては、Zn−ジメチルジチオカーバメート、Zn−ジ
エチルジチオカーバメート、Zn−ジ−n−ブチルジチ
オカーバメート、Zn−エチルフェニルジチオカーバメ
ート、Te−ジエチルジチオカーバメート、Cu−ジメ
チルジチオカーバメート、Fe−ジメチルジチオカーバ
メート、ピペコリンピペコリルジチオカーバメート等
が;チオウレア系加硫促進剤としては、エチレンチオウ
レア、ジエチルチオウレア等が;それぞれ開示される。
【0034】また、加硫促進助剤としては、一般的なゴ
ム用助剤を併せて用いることができ、例えば、亜鉛華
(5phr程度)、ステアリン酸やオレイン酸およびこ
れらのZn塩(2〜4phr程度)を用いればよい。
【0035】本発明のエラストマー組成物において、例
えば、成分(B)としてEPM系ゴムやそのマレイン酸
変性物を用いる場合には、好ましい加硫剤として、メチ
レンジアニリン(MDA)が例示される。なお、量比は
エラストマー組成物の用途等によっても異なるが、通
常、0.2〜10phr、好ましくは0.5〜5phr
程度である。また、必要に応じて加硫助剤を併用しても
よく、好ましい加硫助剤として、ステアリン酸、亜鉛
華、ステアリン酸亜鉛等が利用される。また、好ましい
架橋剤の別の態様として、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等の有機過酸化物
が例示され、通常、1〜10phr、好ましくは1.5
〜5phr程度が使用される。さらに、成分(B)とし
てEPM系ゴム等を用いて動的な熱処理による加硫を行
う場合には、加硫時における成分(A)と成分(B)と
の混練の温度(本発明のエラストマー組成物の製造温
度)を180〜300℃程度とすればよい。
【0036】あるいは、成分(B)としてEPDM系ゴ
ムやそのマレイン酸変性物を利用する場合には、好まし
い加硫剤および加硫促進剤(加硫系)として、粉末イオ
ウ、スルフェンアミド系、チウラム系、チアゾール系の
各種の加硫剤(加硫促進剤)の単独または2種以上を組
み合わせた加硫系が例示される。好ましい一例として、
粉末イオウ/CBS/TMTD/DMの加硫系が例示さ
れる。なお、量比は加硫剤(系)によっても異なるが、
通常、合計量で0.5〜10phr、好ましくは0.8
〜5phrである。また、必要に応じて加硫助剤を併用
してもよく、好ましい加硫助剤として、ステアリン酸等
の脂肪酸類やステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類(こ
れらの併用)が例示される。また、好ましい架橋剤の別
の態様として、臭素化アルキルフェノール樹脂を用いた
樹脂架橋系が例示され、通常、1〜20phr、好まし
くは3〜10phr程度が使用される。さらに成分
(B)としてEPDM系ゴムを用いて動的な熱処理によ
る加硫を行う場合には、加硫時における成分(A)と成
分(B)との混練の温度(本発明のエラストマー組成物
の製造温度)は、前述のEPM系ゴムと同様でよい。
【0037】本発明のエラストマー組成物において、成
分(A)および成分(B)の含有量や組成比は、成分
(A)および(B)の種類に応じて適宜決定すればよい
が、成分(A)/成分(B)の重量比で、成分(A)/
成分(B)=10/90〜90/10、好ましくは、成
分(A)/成分(B)=15/85〜85/15程度で
ある。両成分の組成比を上記範囲とすることにより、得
られた熱可塑性エラストマー組成物(あるいはその成型
品)の溶融成型性、耐熱軟化性、ゴム弾性等の各種の特
性のバランスを前述の如く良好なものとすることができ
る。
【0038】より具体的には、例えば、好ましい組み合
わせである、成分(A)がポリプロピレン系樹脂で、成
分(B)がEPM系ゴムおよび/またはEPDM系ゴム
である場合には、両成分の組成比は、好ましくは成分
(A)/成分(B)=10/90〜90/10程度、よ
り好ましくは成分(A)/成分(B)=15/85〜8
0/20程度である。
【0039】本発明に用いる熱可塑性エラストマー組成
物においては、成分(C)すなわち溶融温度が100℃
以上のワックス状組成物(以下、ワックス状組成物とも
いう)が含有される。この成分(C)は、本発明に用い
る熱可塑性エラストマー組成物が溶融した際に、成分
(A)および成分(B)、特に成分(A)に流動性を付
与するものであり、本発明に用いる熱可塑性エラストマ
ー組成物は、この成分(C)を有することによって、1
00℃以上、好ましくは120℃以上での耐熱軟化性を
保持しながら、溶融成型としては比較的低温の200℃
以下での優れた溶融流動性すなわち溶融成型性を発現す
ることができ、押出成形や射出成型等の溶融成型による
微細な形状加工等を好適に行うことが可能になる。
【0040】成分(C)としては、溶融温度が100℃
以上のワックス状組成物が各種利用可能であり、主に成
分(A)との相溶性を考慮して各種選択可能である。好
ましくは、得られた本発明に用いる熱可塑性エラストマ
ー組成物を溶融成型する温度前後において、B型粘度計
による10rpmの粘度が300〜10000cps程
度、より好ましくは500〜5000cps程度の粘度
を持つワックス状組成物が利用される。このようなワッ
クス状組成物を用いることにより、本発明に用いる熱可
塑性エラストマー組成物は、200℃以下の加温下にお
けるより良好な溶融流動性を発揮することができ、より
良好な加工性を実現することができる。具体的には、ポ
リプロピレン系ワックスやポリエチレン系ワックス等の
ワックス状の低分子量ポリオレフィン等が好適に例示さ
れる。特に、成分(A)としてポリプロピレン系樹脂を
用いた場合には、相溶性等の点で低分子量ポリプロピレ
ン系ワックスが好適に利用される。
【0041】成分(C)の含有量は、成分(A)および
成分(B)の合計量の100重量部に対して3〜90重
量部、より好ましくは5〜80重量部程度である。成分
(C)の含有量を上記範囲とすることにより、熱可塑性
エラストマー組成物から得られる目的とする成型物のゴ
ム弾性や耐熱特性を低下させることなく、良好な溶融流
動性を得ることができる。
【0042】より具体的には、例えば、好ましい組み合
わせとして例示される、成分(A)としてポリプロピレ
ン系樹脂、成分(B)としてEPM系ゴムおよび/また
はEPDM系ゴム、そして成分(C)としてポリプロピ
レン系ワックスを用いた際には、成分(C)の添加量
は、好ましくは成分(A)および成分(B)の合計量の
100重量部に対して3〜85重量部程度、より好まし
くは5〜80重量部程度である。
【0043】ここで、前述のように、本発明に用いる熱
可塑性エラストマー組成物は、成分(A)をマトリック
スとし、成分(B)の少なくとも一部が分散相(ドメイ
ン)として分散してなる構成を有するものであり、成分
(B)を混練下に加硫(動的に加硫)することにより製
造することができる。
【0044】本発明に用いる熱可塑性エラストマー組成
物には、上記特性を損なわない範囲で、このような成分
(A)、(B)および(C)に加え、さらに、溶融時に
粘接着性を付与する樹脂組成物および/またはゴム組成
物を成分(D)(以下、粘着性付与剤ともいう)として
含有してもよい。この成分(D)を含有することより、
本発明に用いる熱可塑性エラストマー組成物は溶融成型
時に粘接着性を発現することができる。そのため、本発
明のエラストマー組成物の成型品を、パッキング用シー
ト、複雑な形状を有する衝撃緩衝材等のように各種の部
材に貼着して使用する際に、成型時に目的形状の簡易な
型を用い直接成型することにより成型品の貼着を行うこ
とが可能となり、製品の組み立て工程を大幅に簡略化す
ることができる。
【0045】成分(D)として利用可能な樹脂組成物お
よび/またはゴム組成物には特に限定はなく、本発明に
用いる熱可塑性エラストマー組成物、特に成分(A)に
粘接着性を付与でき、かつエラストマー組成物(成型
品)の溶融成型性、耐熱軟化性、ゴム弾性等の特性を低
下させることがない全ての組成物が利用可能であるが、
好ましくは、スチレン・ブタジエン(・スチレン)共重
合エラストマーあるいはその水素添加物、スチレン・イ
ソプレン(・スチレン)共重合エラストマーあるいはそ
の水素添加物、軟化点が60〜150℃の樹脂状組成物
あるいはその水素添加物、石油系樹脂あるいはその水素
添加物、テルペン系樹脂あるいはその水素添加物、ロジ
ン系樹脂あるいはその水素添加物、クマロン・インデン
系樹脂あるいはその水素添加物の1種または2種以上が
好適に使用される。
【0046】中でも特に、スチレン・ブタジエン・スチ
レン共重合エラストマーの水素添加物(SEBS)、ス
チレン・イソプレン・スチレン共重合エラストマー(S
IS)およびその水素添加物等が好適に利用される。
【0047】これらの成分(D)は、特に記載がない場
合でも軟化点(あるいは軟化温度)が60〜150℃の
ものを使用するのが好ましい。成分(D)として軟化点
が60℃未満のものを用いると、熱可塑性エラストマー
組成物が過度に熱軟化し易くなってしまう場合があり、
逆に150℃を超えるものを使用すると、200℃以下
の温度における溶融流動性が低くなる可能性が高く、成
型性に問題を生じる場合がある。
【0048】本発明に用いる熱可塑性エラストマー組成
物において、これらの成分(D)を添加する際における
添加量は特に限定はないが、通常、好ましくは成分
(A)および成分(B)の合計量の100重量部に対し
て1〜100重量部程度、より好ましくは5〜80重量
部程度である。成分(D)の含有量を上記範囲とするこ
とにより、熱可塑性エラストマー組成物(成型品)のゴ
ム弾性、耐熱軟化特性、溶融流動性等を低下させること
なく、良好な粘接着性を実現できる。
【0049】本発明に用いる熱可塑性エラストマー組成
物は、基本的に上記の各組成より構成されるが、これ以
外にも、本発明の趣旨を損なわない範囲で、加硫促進
剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料や染
料等の着色剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、カーボンブラ
ックやシリカ等の補強剤等を添加してもよい。
【0050】このような本発明に用いる熱可塑性エラス
トマー組成物は、公知の熱可塑性樹脂組成物の製造方法
によって製造可能であるが、以下に好ましい製造方法の
一例を示す。
【0051】本発明に用いる熱可塑性エラストマー組成
物の製造において、成分(A)、(B)、(C)あるい
はさらに(D)の混練に使用する機械には特に限定はな
いが、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、
2軸混練押出機等が例示される。なかでも成分(A)
(熱可塑性樹脂)と成分(B)(ゴム組成物)の混練お
よび成分(B)の動的加硫を考慮すると、2軸混練押出
機を使用するのが好ましい。さらに、2種類以上の混練
機を使用し、順次混練してもよい。また、混練温度は成
分(A)が溶融する温度以上であればよい。混練時の剪
断速度は2500〜7500 sec-1であるのが好まし
い。混練全体の時間は30秒から10分で、加硫系を添
加した後の加硫時間は15秒から5分程度とするのが好
ましい。
【0052】以下、通常行われる2軸混練機による混練
に基づいて、製造方法の一例をより具体的に例示する。
まず、2軸混練機の第1の投入口より、ペレット状に成
形した成分(A)を投入し、2軸スクリューによって混
合して溶融・加熱する。
【0053】一方、成分(B)は、バンバリミキサー等
のゴム用混練機を用い、ゴム成分に必要に応じて補強
剤、軟化剤、老化防止剤等を添加して混練した後、加硫
系を含まない、いわゆるマスターバッチとして、ゴム用
ロール等で厚さ2〜2.5mmのシート状に成形し、さ
らに、このシートをゴム用ペレタイザーでペレット化し
て調製しておく。前述のように、成分(A)を2軸混練
機で溶融・加熱した後、このようにあらかじめペレット
化した成分(B)を2軸混練機の第2の投入口より投入
し、成分(A)中に成分(B)を分散させる。なお、成
分(B)の添加時には、ステアリン酸等の加工助剤を併
用してもよい。この場合には、成分(B)とステアリン
酸等とをバンバリミキサ等によって混合した後、前述の
ようにペレット状にして2軸混練機成分に投入すればよ
い。
【0054】この後、2軸混練機の第3の投入口より加
硫剤あるいはさらに加硫助剤を投入し、混練下に、成分
(B)を加硫(動的加硫)させる。加硫をこのようにし
て行うことにより、成分(B)を成分(A)に十分に分
散した状態で、しかも成分(B)が十分に微細な状態の
まま加硫を行い、連続相(マトリックス)をなす成分
(A)中に、分散相(ドメイン)として少なくとも一部
が加硫された成分(B)が安定して分散してなる、本発
明のエラストマー組成物を好適に製造することができ、
得られたエラストマー組成物(成型品)の溶融流動性、
ゴム弾性等の点で好ましい結果を得ることができる。
【0055】さらに、2軸混練機の第4の投入口以降よ
り、老化防止剤等の添加剤を必要に応じて添加混練し、
さらに成分(C)(ワックス状組成物)を添加混練し、
また用途等に対応して成分(D)(粘着性付与剤)を添
加して混練して、本発明のエラストマー組成物を得るこ
とができる。なお、成分(C)および/または成分
(D)の添加時期は上述の工程最後に限定はされず、成
分(A)の溶融時や成分(B)の添加時等でもよい。
【0056】このようにして得られた本発明に用いる熱
可塑性エラストマー組成物は、2軸混練押出機でストラ
ンド状に押し出し、樹脂用ペレタイザーでペレット化
し、このペレットを使用して溶融押し出し機構を有する
押出機または簡易型押出機、一般の樹脂用射出成型機や
簡易型射出成型機を使用して、シーティング形状の押出
や種々の形状をしたモールドに押出または射出成型する
ことが可能である。すなわち、本発明に用いる熱可塑性
エラストマー組成物は、従来使用されてきたホットメル
ト材料の成型に通常使用される方法で成型加工が可能で
ある。しかも得られた成型品は、良好な耐熱溶融性およ
びゴム弾性を有するのは、前述のとおりである。溶融条
件は、熱可塑性エラストマー組成物の特性および成形品
の形状等に応じて適宜決定すればよいが、通常溶融温度
は、150〜250℃程度、好ましくは、160〜20
0℃程度である。
【0057】以上、本発明に用いる熱可塑性エラストマ
ー組成物について詳細に説明したが、本発明は上記構成
に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんで
ある。
【0058】本発明の窓枠構造体1においては、以上の
ようにして得られる熱可塑性エラストマー組成物を用い
て、接合部30を形成する。上記熱可塑性エラストマー
組成物は、溶融成型時には流動性、粘着性を有している
ため、押出機などの各種アプリケータを用いて窓枠12
および窓枠框体14に予め取り付けられた成型用型中に
簡単に注入することができ、注入された後はホットメル
ト系接着剤と同様の機能を発揮して、窓枠12および窓
枠框体14の施工面とよく接着させることが可能であ
る。したがって、本発明の窓枠構造体においては、従来
のブチル系未加硫ゴムを用いる場合に必要とされたよう
な窓枠の構造に合わせてテープを一々切り出す、あるい
は貼り付けるという手間を省くことができ、上述したよ
うに簡便な装置で施工できることから、従来工数の関係
から行われることが難しかった工場における窓枠構造体
の組立てが可能となり、また、施工現場においても容易
に組み立てることができるようになり、施工の自由度が
広がった。
【0059】さらに、この熱可塑性エラストマー組成物
は冷却硬化すると、接合部30として優れたゴム弾性、
耐候性および耐熱軟化性を有するため、住居やオフィス
・ビルの壁面にはめ込まれた窓枠構造体1の一方の窓枠
部材の端面と他方の窓枠部材の接合部30を形成した側
面とを上記接合部30を介して隙間なく密着させるの
で、長期間使用においても密閉性および気密性を十分に
保つことができる。
【0060】なお、上記接合部30は、基本的には窓枠
12または窓枠框体14の接合しようとする側面に予め
成型用型を取り付け、上記型中に上記熱可塑性エラスト
マー組成物を注入し、この熱可塑性エラストマー組成物
が半硬化した後にこの型をとり外す。しかし、このよう
な型を使用せずに、上記熱可塑性エラストマー組成物を
アプリケーターを用いて接合しようとする窓枠部材上の
位置に施工し、冷却硬化させることによって形成するこ
とも可能である。また、上記熱可塑性エラストマー組成
物のアプリケーターは公知のものであればよく、特に限
定されるものではない。
【0061】
【実施例】以下に、本発明を実施例をもってより詳細に
説明するが、本発明は何等これらに限定されるものでは
ない。
【0062】(実施例)下記に示される、成分(A)、
成分(B)、成分(C)および成分(D)、ならびに加
硫系を構成する各配合剤を用い、以下のようにして、下
記表1に示される各種のエラストマー組成物を作製し
た。まず、成分B(ゴム組成物)を構成する各配合剤
を、密閉式のゴム用バンバリミキサに投入して混練し、
次いで、ゴム用ロールを用いて厚さ2.5mmのゴムシ
ート状に成形して、マスターバッチを作製した。このマ
スターバッチのシートをゴム用ペレタイザーでペレット
化し、成分Bのペレットを作製した。一方で、成分
(A)(熱可塑性樹脂)および成分(C)(ワックス)
を2軸混練押出機に投入して、成分(A)および成分
(C)を溶解して混練し、次いで、先にペレット化した
成分(B)を投入、混練した後、次いで加硫系および老
化防止剤(ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロ
ピオネート; イルガノックス1010 日本チバガイ
ギー社製 添加量0.1重量部)を添加して、混練する
ことによって、成分(A)のマトリックス中にドメイン
として分散される成分(B)を動的に加硫した。なお、
成分(D)を含有する例においては、成分(B)と共に
成分(D)を2軸混練押出機に投入した。なお、表1に
示される各成分の配合量は重量部である。このようにし
て混合したエラストマー組成物を2軸混練機からストラ
ンド状に押出、さらに樹脂用ペレタイザーでペレット
(直径3mmで長さ3mmの円筒状)化した。
【0063】(参考例)従来、窓のアルミ窓枠などの接
合部に施工されてきた未加硫のブチルゴムのテープを、
参考例1として評価した。本発明の熱可塑性エラストマ
ー組成物を用いた窓枠構造体の製造では、未加硫ブチル
ゴムテープを用いた製造方法に比し、テープの切断作
業、貼付け準備作業が削減できるので、例えば、ブチル
ゴムテープ使用の場合の工数を100とすると、本発明
の熱可塑性エラストマー組成物を使用した場合の工数は
40となり、製造工数が60%削減できる。
【0064】なお、表1に示される各成分の軟化温度お
よび溶融温度は、下記のようにして測定した。 [軟化温度]JIS K 7270−1983に定義さ
れる荷重たわみ温度試験法で、4.6kgf/cm2 の一定荷
重下で試験片が変形を開始する温度、すなわち物理的に
熱変形する温度を軟化温度(℃)とした。 [溶融温度]示差走査熱量計(DSC)を用い、昇温速
度10℃/分で測定した際の、吸熱カーブの結晶融解ピ
ーク温度を、溶融温度(℃)とした。
【0065】また、表1に示される各成分は、以下のと
おりである。 [成分(A)関連] PP; ポリプロポレン樹脂 MA710 昭和電工社製 EVA; エチレン・酢酸ビニル樹脂 MB−080 日本ユニカー社製 N6; ナイロン6 CM1041 東レ社製
【0066】 [成分(B)関連] EPM−g−MAH; 無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合ゴム タフマーMP0610 三井石油化学社製 EPDM; エチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴム 三井EPT4070 三井石油化学社製 オイル; パラフィン系オイル サンパー2280 日本サン石油社製 CB; GPF級カーボンブラック シーストV 東海カーボン社製
【0067】 [成分(C)関連] ワックス; パラフィンワックス サンタイトR 精工化学社製 PEワックス; ポリエチレンワックス HI WAX 100P 三井石油化学社製 PPワックス; ポリプロピレンワックス HI WAX NP055 三井石油化学社製
【0068】 [成分(D)関連] SEBS; スチレン・エチレンブチレン・スチレン共重合体 タフテックP−073 旭化成社製 SEPS; スチレン・エチレンプロピレン・スチレン共重合体 セプトン2002 クラレ社製 石油樹脂; 水素添加石油樹脂 エスコレッツ5320 トーネックス社製 テルペン樹脂; 水素添加テルペン樹脂 クリアロンP−125 ヤスハラケミカル社製 クマロン・インデン樹脂; 水素添加クロマン・インデン樹脂 エスクリスタルA−120S 新日鉄化学 なお、上記成分D関連品の内、石油樹脂、テルペン樹
脂、およびクマロン・インデン樹脂の軟化点は、JIS
K 6220に規定される軟化点を環球式軟化点測定
装置で測定し、球が降下した時の温度を軟化点(℃)と
した。SEBSおよびSEPSの軟化温度は、他の成分
と同様である。
【0069】 [加硫系] 加硫系1; ステアリン酸/MDA=1.0/0.6(=1.6) 加硫系2; ZnO/ステアリン酸/S/PZ/TRA/TT/CZ=5.0/ 1.0/0.5/1.0/0.5/0.5/1.0(=9.5) なお、上記加硫系において、 ステアリン酸; ビーズステアリン酸 日本油脂社製 MDA; メチレンジアニリン スミキュアーM 住友化学社製 ZnO; 亜鉛華 亜鉛華3号 正同化学社製 S; イオウ 軽井沢精練所製 PZ; Zn−ジメチルジチオカーバメイト ノクセラーPZ 大内新興化学社製 TRA; ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド サンセラーTRA 三新化学工業社製 TT; テトラメチルチウラムジスルフィド ノクセラーTT 大内新興化学社製 CZ; N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾルスルフェンアミド ノクセラーCZ−G 大内新興化学社製
【0070】前述のようにして得られたエラストマー組
成物のペレットを用い、下記の各種の測定を行った。 [D硬度]前述のようにして得られたエラストマー組成
物のペレットを、プレス成形機を用いて温度200℃、
圧力10kgf/cm2 で2mm厚さに10分間加圧成形し、
D硬度測定用のサンプルを作製した。このサンプルを用
い、JIS K 6301に準拠して硬度(タイプD)
を測定した。なお、柔らかくてD硬度が測定できないサ
ンプル(D硬度が0、すなわち、針がサンプルを貫通す
るもの)に関しては、硬度(タイプA)を測定し、参考
とした(この場合には、表1で「*」を付記する)。
【0071】[軟化温度]D硬度測定用と同様の測定サ
ンプルを用い、JIS K 7210−1983に準拠
して、4.6kgf/cm2 の荷重で熱変形し始める温度
(℃)を測定した。
【0072】[圧縮永久歪]JIS K 6301に準
拠して、D硬度測定サンプルと同様の成型条件で所定形
状のサンプルを作製し、100℃で70時間処理を行
い、25%圧縮時の圧縮永久歪(%)を測定した。
【0073】[溶融流動性試験]前述のようにして得ら
れたエラストマー組成物のペレットを50g計り取り、
100mlのステンレス製容器に入れた。このステンレ
ス製容器を200℃のオーブン中に2時間放置して、放
置後の容器中のペレットの状態を観察し、溶融流動性を
評価した。評価基準は下記のとおりである。 ○; 溶融状態となり、容器の形状に変形しているもの △; 変形しているが、ペレットが判別可能な状態にあ
るもの ×; 変形せず、ペレットが形状を維持しているもの
【0074】また、成分Dを添加したサンプル(および
実施例8)では、以下に示す粘着性の試験も行った。 [粘着性試験]前述のようにして得られたエラストマー
組成物のペレットを50g、200℃で2時間処理した
後、10cm×10cm×2mmのポリプロピレン製
(前記MA710を使用)の板に流下し、その上にセロ
ハン紙を介して鉄板をのせ、2kgf/cm2 の圧力で鉄板を
押圧し、放置して室温まで冷却した。冷却後、鉄板を外
し、得られたサンプルをエラストマー組成物を中心とし
て25mm幅に切断し、剥離用サンプルとした。JIS
K 6301に準拠して、引張試験機を用いて、剥離
用サンプルのポリプロピレン板からエラストマー組成物
を25mm/分の速度で剥離して、剥離力を算出し、粘
着性を評価した。評価基準は下記のとおりである。 ○; 剥離力2kgf/25mm以上 △; 剥離力0.5〜2kgf/25mm ×; 剥離力0.5kgf/25mm未満 以上の結果を、下記表1に併記する。
【0075】〔製造の可否評価〕各実施例および比較例
の熱可塑性エラストマー組成物を、所定の長さに切断し
た窓枠構造体として汎用されるアルミ製の長尺成型材料
に以下のようにして施工し、製造の可否を評価した。ま
ず、上述した長尺部材を切断し、一端に予め成型用型を
取り付け、アプリケータに充填した実施例、比較例の各
熱可塑性エラストマー組成物を溶融して成型用型中に注
入し、半硬化した後に型をとり外して接合部を形成し、
その状態を目視で観察した。所定形状に成形できたもの
を○、所定形状に成形できなかったものを×として評価
した。なお、本評価で製造可(○)であった実施例、比
較例の熱可塑性エラストマー組成物についてさらに以下
の評価を行った。
【0076】〔変形性の評価〕巾5cm×長さ10cm
×厚さ2mmのアルミ板上に、巾4cm×長さ6cm×
厚さ1mmの形状に各実施例、比較例の熱可塑性エラス
トマー組成物を成形し、窓枠構造体として、汎用される
アルミ製の部材(長さ10cm)の断面がアルミ板上に
成形した熱可塑性エラストマー組成物に当たるようにし
て所定の治具を用いて5kgf/cm2 の圧力で圧着
し、その変形状態を目視で観察し、変形性を評価した。
断面形状に追従し、変形するものを○とし、断面形状に
追従せず、隙間等の見られるものを×とした。
【0077】〔回復性の評価〕さらに上記のサンプル
(試験片)を室温(23℃)で24時間放置後、治具お
よび窓枠部材を取り外し、30分間放置後、変形部分の
最大深さを計測し、回復性を評価した。変形部分の最大
深さが0.8mm未満のものを○とし、変形部分の最大
深さが0.8mm以上のものを×とした。
【0078】〔密着力の評価〕成分Dを配合した実施例
について、前記の変形性の評価と同様に、巾5cm×長
さ10cm×厚さ2mmのアルミ板上に、巾4cm×長
さ10cm×厚さ1mmの形状に各実施例、比較例の熱
可塑性エラストマー組成物を成形した。この時、後の剥
離試験で「つかみしろ」とするべき部分は、セロハン紙
を介入させ密着しないようにした。この試験片を24時
間室温で放置した後、JIS K 6301に記載の引
張試験機で剥離試験を行ない、密着力を評価した。剥離
力3kgf/25mm以上を○とし、剥離力3kgf/25mm未満を×
とした。尚、変形性、回復性、密着力の評価は、参考例
である未加硫ブチルゴムについても評価を行った。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】〔比較例1〜5、実施例1〜3:成分
(A)、成分(C)の効果〕比較例1は、成分(A)
(熱可塑性樹脂)の軟化温度が84℃と低いため、熱可
塑性エラストマーの軟化温度も86℃と低く、また、圧
縮永久歪が100%と悪いため、窓枠構造体として製造
は可能であるが、回復性が悪く実用に供し得ない。比較
例2は、成分(A)の溶融温度が235℃と高いため、
十分な溶融流動性が得られず、窓枠構造体として製造で
きなかった。比較例3および4は、成分(A)は本発明
の主旨を満足するが、成分(C)を配合しないため、溶
融流動性が悪く、窓枠構造体として製造できなかった。
比較例5は、成分(C)の溶融温度が60℃と低く、ま
た、圧縮永久歪が98%と悪いため、窓枠構造体として
製造は可能であるが、回復性が悪く実用に供し得ない。
実施例1〜3は、成分(A)および成分(C)とも本発
明の主旨を満足するため、圧縮永久歪、溶融流動性に優
れ、窓枠構造体としての変形性、回復性を満足する。
【0082】〔比較例6および7、実施例4〜6:成分
(A)/成分(B)組成比の効果〕比較例6は、成分
(A)が過多であるため、成分(B)のゴム弾性への寄
与が少なく、成型品の硬度(D)が70と高く、十分な
柔軟性を示さない。窓枠構造体として製造可能である
が、変形性が悪く、シール性が劣り、実用に供し得な
い。すなわち、成分(A)/成分(B)組成比が95/
5では不適であることが判る。比較例7は、成分(B)
が過多であるため、成分(A)がマトリックス、成分
(B)がドメインとなるような混練が不可能であった。
したがって、窓枠構造体としての評価に供し得なかっ
た。すなわち、成分(A)/成分(B)の組成比が5/
90では、製造し得ないことが判る。実施例4〜6は、
成分(A)/成分(B)組成比が適正であるため、窓枠
構造体としての特性を満足する。
【0083】〔比較例8および9、実施例7および8:
成分(B),成分(C)の効果〕成分(B)のポリマー
はEPDMとして、成分(C)の効果を確認したもので
あるが、比較例8は、成分(C)を含有しないので窓枠
構造体を製造し得ない。また比較例9は、成分(C)の
溶融温度が60℃と低いので窓枠構造体を製造すること
はできたが、回復性が悪い。これに対して、実施例7お
よび8は、成分(C)の溶融温度、含有量等の本発明を
満たしているので窓枠構造体としての特性は満足するも
のであった。したがって、実施例7および8と、比較例
8および9を比べると、本発明の主旨を満足する熱可塑
性エラストマー組成物を用いたもののみが、窓枠構造体
として実用に供し得ることが判る。
【0084】〔比較例10および11、実施例9〜1
1:成分(C)の効果〕比較例10は、成分(A)と成
分(B)の合計量100重量部に対して成分(C)が1
重量部と過少であるため、溶融流動性の改善効果を示さ
ず、窓枠構造体の製造ができなかった。比較例11は、
成分(A)と成分(B)の合計量100重量部に対して
成分(C)が120重量部と過多であるため、溶融流動
性は優れるものの、硬度(D)が60と高く、また、圧
縮永久歪も悪く、窓枠構造体の製造は可能であるが、変
形性、回復性ともに悪く、実用に供し得ない。実施例9
〜11は、成分(C)の配合量が適正であるため、窓枠
構造体として実用に供し得る。
【0085】〔実施例12〜13:成分(B)の効果〕
実施例12および13は、成分(B)のゴム組成物とし
て、カーボンブラックを配合した例であり、本発明の主
旨を満足しているので、窓枠構造体として実用に供し得
る。
【0086】〔実施例14〜18:成分(D)の効果〕
実施例14〜18に含有される成分(D)を含有させた
場合、さらに好ましい窓枠構造体が得られる例である。
本発明の主旨を満足し、さらに成分(D)を含有するた
め、窓枠構造体として実用に供し得るのみならず、アル
ミニウムに対する接着性が良好であるので、工程での密
着が安定化し、さらに好ましい結果を与える。
【0087】
【発明の効果】本発明の住居などの窓枠構造体の製造方
法によれば、上記熱可塑性エラストマー組成物はホット
メルト様の接着性を有するため、窓枠構造体の接合部と
して窓枠部材上に直接形成することができ、従来の未加
硫のブチルゴムなどを用いた構造体に比べて、窓枠構造
体の製造工程および施工における工数を減らすことがで
きる。また、上記熱可塑性エラストマー組成物を簡単な
装置で窓枠構造体の接合部に施工することができるの
で、工数の低減とあいまって工場で効率よく組み立てる
ことも可能となり、従来どおり現場において行われてい
る組立てに加えて、施工の自由度が大きくなる。さら
に、本発明の窓枠構造体の接合部を形成する熱可塑性エ
ラストマー組成物は、上記窓の枠構造に用いる窓枠に接
着性を示すので、施工時の信頼性が高い。また、上記熱
可塑性エラストマー組成物は、成型後にゴム状弾性を示
し、本発明の窓枠構造体が通常使用される温度では熱軟
化性を示さないため、経年による性能の低下が少ない緩
衝性と密閉性に優れる窓枠構造体を製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 窓枠および窓枠框体の構造の一例を示す斜視
図である。
【図2】 窓枠構造体の接合部の一例を示す一部破断図
である。
【符号の説明】
1 窓枠構造体 10 窓ガラス 12 窓枠 12a 窓枠部材 12b 窓枠部材 14 窓枠框体 14a 窓枠部材 14b 窓枠部材 16 窓枠 16a 窓枠部材 16b 窓枠部材 22 パッキング 24a 窓枠接合部 24b 窓枠接合部 26a 窓枠框体接合部 26b 窓枠框体接合部 26c 窓枠框体接合部 30 接合部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】接合部を介して接合される2以上の窓枠部
    材よりなる窓枠構造体であって、前記接合部が、少なく
    とも、軟化温度が100℃以上、かつ溶融温度が200
    ℃以下である熱可塑性樹脂成分(A)と、少なくとも一
    部が加硫されたゴム組成物成分(B)と、溶融温度が1
    00℃以上のワックス状組成物成分(C)とを含有し、
    かつ、該成分(A)/成分(B)の重量組成比が10/
    90〜90/10、該成分(C)の含有量が成分(A)
    と成分(B)との合計100重量部に対して3〜90重
    量部であり、さらに、該加硫されたゴム組成物成分
    (B)の一部または全部が該熱可塑性樹脂成分(A)に
    分散されてなる熱可塑性エラストマー組成物によって形
    成されることを特徴とする窓枠構造体。
  2. 【請求項2】前記成分(A)が、ポリオレフィン系樹脂
    材料、前記成分(B)が、エチレン・プロピレン共重合
    ゴム組成物および/またはエチレン・プロピレン・ジエ
    ン共重合ゴム組成物、および前記成分(C)が、低分子
    量ポリオレフィンである請求項1に記載の窓枠構造体。
  3. 【請求項3】接合部を介して接合される2以上の窓枠部
    材よりなる窓枠構造体であって、前記接合部が、少なく
    とも、軟化温度が100℃以上、かつ溶融温度が200
    ℃以下である熱可塑性樹脂成分(A)と、少なくとも一
    部が加硫されたゴム組成物成分(B)と、溶融温度が1
    00℃以上のワックス状組成物成分(C)とを含有し、
    かつ、該成分(A)/成分(B)の重量組成比が10/
    90〜90/10、該成分(C)の含有量が成分(A)
    と成分(B)との合計100重量部に対して3〜90重
    量部であり、さらに、該加硫されたゴム組成物成分
    (B)の一部または全部が該熱可塑性樹脂成分(A)に
    分散されてなる熱可塑性エラストマー組成物によって形
    成される窓枠構造体を製造する際に、該接合しようとす
    る窓枠部材の一方に、予め成型用型を取り付け、該成型
    用型中に該熱可塑性エラストマー組成物を溶融・注入
    し、該熱可塑性エラストマー組成物の硬化後、前記型を
    取り外し、他方の窓枠部材を硬化後の該熱可塑性エラス
    トマー組成物を介して接合することを特徴とする窓枠構
    造体の製造方法。
  4. 【請求項4】前記成分(A)が、ポリオレフィン系樹脂
    材料、前記成分(B)が、エチレン・プロピレン共重合
    ゴム組成物および/またはエチレン・プロピレン・ジエ
    ン共重合ゴム組成物、および前記成分(C)が、低分子
    量ポリオレフィンである請求項3に記載の窓枠構造体の
    製造方法。
JP14476495A 1995-06-12 1995-06-12 窓枠構造体およびその製造方法 Withdrawn JPH08338179A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016050475A (ja) * 2015-02-24 2016-04-11 三協立山株式会社 サッシ

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