JPH08311350A - 熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法

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JPH08311350A
JPH08311350A JP12370195A JP12370195A JPH08311350A JP H08311350 A JPH08311350 A JP H08311350A JP 12370195 A JP12370195 A JP 12370195A JP 12370195 A JP12370195 A JP 12370195A JP H08311350 A JPH08311350 A JP H08311350A
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composition
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rubber
thermoplastic resin
rubber composition
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JP12370195A
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Osamu Ozawa
沢 修 小
Katsumi Hayashida
田 克 己 林
Takashi Hisanaga
永 孝 久
Kiminori Araki
木 公 範 荒
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】熱可塑性樹脂をマトリックスとして、この中に
少なくとも一部がゴム組成物を分散してなる熱可塑性エ
ラストマー組成物を製造するに際し、溶融された熱可塑
性樹脂中に、ゴム組成物を所定粒径かつ所定速度で安定
して供給することができ、しかも、このゴム組成物を熱
可塑性樹脂中に混合した際には、速やかに微細な所定状
態にゴム組成物を分散することができる熱可塑性エラス
トマー組成物を提供する。 【構成】熱可塑性樹脂を溶融して混練した状態で、ゴム
組成物と溶融温度が50℃以上100℃未満で、かつ結
晶化度が20%以上である結晶性熱可塑性ポリマー組成
物との混合物を添加して混練し、その後、この混合物を
混練しながら、加硫を行うことにより、前記目的を達成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂中に少な
くとも一部が加硫されたゴム組成物を分散してなる熱可
塑性エラストマー組成物、およびその製造方法に関す
る。詳しくは、マトリックスとなる熱可塑性樹脂中に安
定してゴム組成物が供給され、耐熱軟化性等の熱可塑性
エラストマーの特性を損なうことなく、かつゴム組成物
が好適に分散されてなる熱可塑性エラストマー組成物、
およびこの熱可塑性エラストマー組成物の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂をマトリックス(連続相)
として、このマトリックス中に加硫ゴムを分散してなる
熱可塑性エラストマー組成物(以下、エラストマー組成
物とする)が各種知られている。
【0003】例えば、ポリプロピレン樹脂をマトリック
スとして、ポリプロピレン樹脂中に少なくとも一部が加
硫されたエチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)お
よび/またはエチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴム
(EPDM)を微細に分散した構造を有するエラストマ
ー組成物が知られている。このエラストマー組成物は、
良好なゴム弾性を有し、耐熱軟化性に優れ、しかも熱可
塑性を利用した成型加工が可能であるという数々の利点
を有し、この利点を生かして各種の用途に利用されてい
る。
【0004】このようなエラストマー組成物は、一般的
に、マトリックスとなる熱可塑性樹脂を溶融・混練し
て、ここに未加硫のあるいは一部が加硫されたゴム組成
物を混合・混練して分散し、次いで加硫剤や熱的加硫に
よって混練中に加硫すなわち動的にゴム組成物を加硫す
ることによって製造される。
【0005】ところが、このような従来のエラストマー
組成物の製造方法には、下記のような問題点がある。ゴ
ム組成物は、通常は所定の粒径のペレット状に成型され
て、フィーダ等によって、目的に応じて適宜選択される
ゴム組成物と樹脂組成物との混練機に供給されて溶融・
混練され、熱可塑性樹脂に混合される。ここで、マトリ
ックスとなる熱可塑性樹脂へゴム組成物を分散させ、し
かる後、ゴム組成物の加硫剤(架橋剤)を混合して、動
的に加硫(架橋)せしめるために、ゴム組成物は、未加
硫状態でペレット化されて熱可塑性樹脂中に混合され
る。
【0006】ところが、未加硫であるために、ゴム組成
物のペレットが柔らかすぎ、ペレットの貯蔵中にゴム組
成物のペレット同士がゴムポリマーの粘着や流動により
容易にブロッキングを起こしてしまうという問題があ
り、また、ゴム組成物のペレットを供給するフィーダ等
の内部でも、搬送中に発生するペレット同士の摩擦熱等
の粘着増大要因によりブロッキングが発生し、このブロ
ッキングによる摩擦力の変動や増大のため、ペレットの
流れが安定せず、供給速度が安定しない。そのため、熱
可塑性樹脂へのゴム組成物の安定供給ができず、安定し
た組成を有するエラストマー組成物を得ることができな
い。特に、二軸混練押出機等を用い、連続的に熱可塑性
樹脂を溶融し、混練しつつ移送しながらゴム組成物を添
加してエラストマー組成物を製造する場合、つまりバッ
チ式ではなく連続的にエラストマー組成物を製造する場
合には、最終的に得られるエラストマー組成物内でゴム
組成物の含有量が異なってしまうため、大きな問題とな
る。
【0007】さらに、ゴム組成物を多く含むエラストマ
ー組成物では、ゴム組成物のペレットを比較的多量に、
しかも早く供給する必要があるため、フィーダ等からの
供給の変動量も大きくなり、このような傾向が特に顕著
である。そのため、成型品に柔軟性(高いゴム弾性)を
要求されるエラストマー組成物の製造が著しく制限され
ている。
【0008】また、熱可塑性樹脂中に混合された後に
は、逆に、ゴム組成物のペレットはゴムポリマー構造に
起因して明確な融点をもたないため、溶融された熱可塑
性樹脂に比して粘度が高く、熱可塑性樹脂中で所定状態
に分散するのが困難である。
【0009】このような問題の解決策として、ホワイト
カーボンやクレータルク等、あるいは脂肪酸または脂肪
酸金属塩等のいわゆる打粉を用いて、前述のように粘度
の高いゴムペレットを処理して粘着性を低下せしめ、ブ
ロッキングを防止する方法が従来より公知である。しか
しながら、このような無機粉末や有機粉末をベースとし
た打粉では、ゴム組成物の常温時への流動性等の為にフ
ィーダ等によるゴムペレットの供給性の改善効果は低
く、しかも、放置による再ブロッキングを防止すること
ができない。また、比較的効果がある無機粉末を用いた
打粉は、ゴムペレット100重量部に対して5〜20重
量部と多量に使用する必要があるため、ゴムの柔軟性を
最終的に損なうと共に、熱可塑性樹脂に比したゴム組成
物の粘度を向上してしまい、熱可塑性樹脂をマトリック
スとし、ゴム組成物を分散相(ドメイン)とすることが
より困難になってしまう。
【0010】他方、このような無機粉末の打粉を用いず
に、ステアリン酸やオレイン酸等の脂肪酸、これらの脂
肪酸の金属塩等の表面離型剤を動的な加硫を阻害しない
範囲で用いる方法も公知である。しかしながら、これら
の表面離型剤は被膜強度が弱く、再ブロッキングによっ
て短時間にブロッキングすると共に、フィーダ等による
ゴム供給中における物理的な摩擦力によっても容易に被
膜が破壊されてブロッキングしてしまい、やはり未加硫
ゴムの安定供給は困難であり、実用に供せるものではな
い。
【0011】すなわち、従来の技術では、熱可塑性樹脂
をマトリックスとしゴム組成物を分散相とするエラスト
マー組成物の製造において、混練中のゴム組成物の柔軟
性を維持しつつ粘度を低下し、かつブロッキングを防止
して、フィーダ等によってゴムペレットを安定供給し
て、熱可塑性樹脂中にゴム組成物を所定状態に安定して
分散することは困難であり、特に、熱可塑性樹脂/ゴム
組成物の組成比(合計100重量部)でゴム組成物が1
0重量部、中でも15重量部以上の、いわゆる高ゴム比
率のエラストマー組成物を安定して製造することは極め
て困難である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題点を解決することにあり、高ゴム比率で
あっても、分散相となるゴム組成物がマトリックスとな
る熱可塑性樹脂中に微細かつ均一に分散されてなる熱可
塑性エラストマー組成物、およびその製造方法であっ
て、溶融された熱可塑性樹脂中に、ゴム組成物を所定粒
径かつ所定速度で安定して供給することができ、しか
も、このゴム組成物を熱可塑性樹脂中に混合した際に
は、速やかに微細な所定状態にゴム組成物を分散するこ
とができる熱可塑性エラストマー組成物の製造方法を提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、下記成分
A、BおよびC 成分A: 熱可塑性樹脂組成物 成分B: 少なくとも一部が加硫(架橋)されたゴム組
成物 成分C: 溶融温度が50℃以上100℃未満であり、
かつ結晶化度が20%以上である結晶性熱可塑性ポリマ
ー組成物 を含有し、かつ前記成分BおよびCの少なくとも一部が
前記成分Aに分散されてなることを特徴とする熱可塑性
エラストマー組成物を提供する。
【0014】また、前記本発明の熱可塑性エラストマー
組成物を製造する本発明の製造方法は、熱可塑性樹脂組
成物(成分A)をマトリックスとし、この熱可塑性樹脂
組成物中に少なくとも一部が加硫されたゴム組成物(成
分B)を分散してなる熱可塑性エラストマー組成物を製
造するに際し、溶融状態の前記成分Aに、前記成分Bと
溶融温度が50℃以上100℃未満で、かつ結晶化度が
20%以上である結晶性熱可塑性ポリマー組成物(成分
C)との混合物を添加して混練し、得られた混合物を混
練しながら、加硫を行うことを特徴とする熱可塑性エラ
ストマー組成物の製造方法を提供する。
【0015】また、前記本発明の熱可塑性エラストマー
組成物および製造方法において、成分Aの熱可塑性樹脂
としては、公知の各種のものが利用可能であるが、特
に、軟化温度が100℃以上で、かつ溶融温度が200
℃以下の熱可塑性樹脂であるのが好ましい。さらに、前
記本発明の熱可塑性エラストマー組成物および製造方法
において、成分Bのゴム組成物としては、目的に応じて
すべてのゴム組成物が使用可能であるが、耐候性、耐熱
性等が要求され、コスト的にも有利な汎用用途に好適で
ある等の点で、エチレン・プロピレン共重合ゴム(EP
M)組成物および/またはエチレン・プロピレン・ジエ
ン共重合ゴム(EPDM)組成物であるのが特に好まし
い。
【0016】また、前記本発明の熱可塑性エラストマー
組成物および製造方法において、前記成分Cの結晶性熱
可塑性ポリマー(以下、結晶性ポリマーとする)として
は、結晶化度が20%以上で、常温領域で固く結晶性を
有し、かつ50℃以上100℃未満で溶融性を示し、さ
らに、好ましくはゴム用の加硫剤でも架橋可能な各種の
ポリマーや、これらを含む組成物が利用可能であるが、
特に、トランス−1,4−ポリイソプレン、ガッタパー
チャ、鎖状もしくはリング状のトランスポリオクテネマ
ーの1種以上が好適に利用される。さらに、前記Cの添
加量が、前記ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対
して、結晶性ポリマー5〜100重量部となるのが好ま
しい。
【0017】以下、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物およびその製造方法について詳細に説明する。本発明
は、熱可塑性樹脂組成物(以下、熱可塑性樹脂とする)
をマトリックスとし、この熱可塑性樹脂中に少なくとも
一部が加硫されたゴム組成物を分散してなる熱可塑性エ
ラストマー組成物(以下、エラストマー組成物とす
る)、およびその製造方法である。
【0018】本発明の製造方法においては、先ず、マト
リックス(連続相)となる熱可塑性樹脂(成分A)を加
熱・溶融し、混練する。混練(混合)方法には特に限定
はなく、スクリュー押出機による混練、二軸混練押出機
による混練、ニーダによる混練、バンバリミキサによる
混練等、各種の公知の方法がいずれも利用可能である。
中でも特に、熱可塑性樹脂と、ゴム組成物(成分B)お
よび/または結晶性ポリマー組成物(成分C)との混
練、ゴム組成物と結晶性ポリマー組成物の動的加硫を考
慮すると、二軸混練押出機を使用するのが好ましい。ま
た、2種類以上の混練機を併用して、順次混練を行って
もよい。
【0019】本発明において、熱可塑性樹脂には特に限
定はなく、各種の公知の熱可塑性樹脂が利用可能である
が、特に、軟化温度が100℃以上で、溶融温度が20
0℃以下の熱可塑性樹脂が好適に利用される。このよう
な熱可塑性樹脂を使用することにより、良好な耐熱軟化
性を有する成型品が得られると共に、本発明のエラスト
マー組成物を用いて各種の製品を形成する際に、押出成
型や射出成型等の溶融成型が容易に利用できる等の点で
より好ましい結果を得ることができる。なお、本発明に
おいて、軟化温度とは、JIS K 7270−198
3に定義される熱変形温度であり、荷重たわみ温度試験
法で測定される熱変形温度であり、4.6kgf/cm2 の一
定荷重下で試験片が変形を開始する温度、すなわち物理
的に熱変形する温度である。また、溶融温度とは、示差
走査熱量計(DSC)を用い、昇温速度10℃/分で測
定した際の、吸熱カーブの結晶融解ピーク温度を示す。
さらに、軟化点とは、JIS K 6220に規定され
る軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が硬化し
た温度を軟化点(℃)とする。
【0020】具体的には、ポリアミド系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ポリニトリル系樹脂、ポリメタクリレート
系樹脂、ポリビニル系樹脂、セルロース系樹脂、フッ素
系樹脂、イミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が好適
に例示される。より具体的には、ポリアミド系樹脂とし
ては、ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、
ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナ
イロン12(N12)、ナイロン610(N610)、
ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合
体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体
(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD
6)、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイ
ロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合
体等が;ポリエステル系樹脂としては、ポリブチレンテ
レフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、
PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、
ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステ
ル、ポリオキシアルキレンジイミド酸/ポリブチレート
テレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル等
が;ポリニトリル系樹脂としては、ポリアクリロニトリ
ル(PNA)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニト
リル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル
/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/
ブタジエン共重合体等が;ポリメタクリレート系樹脂と
しては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメ
タクリル酸エチル等が;ポリビニル系樹脂としては、ポ
リ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニ
ルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩
化ビニリデン(PDVC)、ポリ塩化ビニル(PV
C)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニ
リデン/メチルアクリレート共重合体等が;セルロース
系樹脂としては、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース
等が;フッ素系樹脂としては、ポリフッ化ブニリデン
(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロ
ロフルオロエチレン(PCFE)、テトラフロロエチレ
ン/エチレン共重合体等が;イミド系樹脂としては、芳
香族ポリイミド(PI)等が;ポリオレフィン系樹脂と
しては、オレフィンの単独または共重合体、すなわち、
エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3
−メチル−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル1−ペン
テン、4−メチル1−ペンテン、1−オクテン等の単独
または共重合体、さらに、前記オレフィンの単独または
共重合体と他の熱可塑性樹脂との共重合体等が; それ
ぞれ好適に例示され、1種または2種以上が使用され
る。これらの各種の熱可塑性樹脂のうち、各種のポリオ
レフィン系樹脂で軟化温度が100℃以上で、かつ溶融
温度が200℃以下の熱可塑性樹脂は好適に利用され、
中でもポリプロピレン(PP)系樹脂、その中でも特
に、アイソタクティック、シンジオタクティック、アタ
クティックの立体化学構造を有するポリプロピレン系樹
脂は好適に利用される。
【0021】本発明は、このような熱可塑性樹脂を溶融
混練した状態で、ゴム組成物(成分B)と結晶性ポリマ
ー組成物(成分C)との混合物を添加して混練し、得ら
れた混合物を混練しながら、動的に加硫を行うものであ
り、これにより熱可塑性樹脂の少なくとも一部はマトリ
ックスを成し、ゴム組成物および結晶性ポリマーの少な
くとも一部が分散相(ドメイン)となる分散構造を有す
る、本発明のエラストマー組成物を製造する。このよう
な分散構造を有することにより、マトリックスを成す熱
可塑性樹脂相の溶融特性(軟化特性)を利用し、成型時
における良好な流動性を実現することにより押出成型や
射出成型の制御、特に200℃以下の溶融成型としては
比較的低温域での容易な流動を可能とし、分散相となる
少なくとも一部が加硫されたゴム組成物および/または
ポリマー組成物を有することにより、得られた成形品の
耐熱軟化(軟化温度)の制御に加え、柔軟性と100℃
以上、特に120℃以上の熱時においても良好なゴム弾
性を発現することができる。
【0022】ゴム組成物に利用されるゴム成分として
は、ジエン系ゴムおよびその水素添加物、オレフィン系
ゴム、含ハロゲン系ゴム、シリコンゴム、含イオウゴ
ム、フッ素ゴム、および熱可塑性エラストマーからなる
群より選択される1以上が好適に例示される。具体的に
は、ジエン系ゴムおよびその水素添加物としては、天然
ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天
然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジ
エンゴム(BR 高シスBRおよび低シスBR)、アク
リロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、水素化NB
R、水素化SBR等が;オレフィン系ゴムとしては、エ
チレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン・
プロピレン・ジエン共重合ゴム(EPDM)、マレイン
酸変性エチレン・プロピレン共重合ゴム(M−EP
M)、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビ
ニルあるいはジエン系モノマーの共重合体、アクリルゴ
ム(ACM)、アイオノマー等が;含ハロゲンゴムとし
ては、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、塩素化ブチ
ルゴム(Cl−IIR)、イソブチレン・パラメチルス
チレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロ
プレンゴム(CR)、ヒドリンゴム、クロロスルホン化
ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(C
M)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M−CM)
等が;シリコンゴムとしては、メチルビニルシリコンゴ
ム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルビニルシリ
コンゴム等が;含イオウゴムとしては、ポリスルフィド
ゴム等が;フッ素ゴムとしては、ビニリデンフルオライ
ド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフル
オロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系
ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム等が;熱可塑性エラ
ストマーとしては、スチレン系エラストマー、ポリオレ
フィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、
ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマ
ー等が; それぞれ好適に例示される。
【0023】特に、EPM系ゴムやEPDM系ゴム等の
オレフィン系ゴムが、製造における混練加工時や、本発
明のエラストマー組成物を用いた押出成型や射出成型等
の成型加工時における良好な熱安定性等の理由で好適に
利用される。中でも特に、エチレンおよびプロピレン、
あるいはさらに若干のジシクロペンタジエン、エチリデ
ンノルボーネン、1,4−ヘキサジエン等の若干のジエ
ン成分を有する2元または3元共重合体であるEPMお
よび/またはEPDM、さらに、これらEPMおよび/
またはEPDMを無水マレイン酸等で変性してなるマレ
イン酸変性EPMおよび/またはEPDMは好適に利用
可能である。
【0024】なお、本発明のエラストマー組成物におい
て、ゴム組成物には前記ゴム成分以外に、カーボンブラ
ック、ホワイトカーボン等の補強剤、可塑剤、軟化剤、
老化防止剤、加工助剤等の各種の添加剤を含有してもよ
いのはもちろんであるが、ゴム組成物中におけるゴム成
分の含有量は、25〜99重量%程度、特に、33〜9
8重量%程度とするのが好ましい。
【0025】本発明において、ゴム組成物の配合(含
有)量には特に限定はなく、熱可塑性樹脂およびゴム組
成物の種類に応じて適宜決定すればよいが、通常、成分
A/成分Bの重量比で、成分A/成分B=10/90〜
90/10程度、好ましくは、成分A/成分B=15/
85〜85/15程度である。
【0026】前述のように、熱可塑性樹脂をマトリック
スとして、加硫ゴム組成物を分散してなるエラストマー
組成物においては、動的な加硫を行って熱可塑性樹脂中
におけるゴム組成物の分散状態を良好にするため、ゴム
組成物は、基本的に未加硫の状態でペレット化されて熱
可塑性樹脂中に混合される。しかしながら未加硫である
ためにゴム組成物が柔らかすぎ、ゴム組成物のペレット
同士がブロッキングを起こす; ペレットのフィーダ等
の供給装置内部での挙動が不安定で供給速度が安定しな
い; さらに、ゴム組成物のペレットは溶融された熱可
塑性樹脂に比して粘度が高く、熱可塑性樹脂中で所定状
態に分散するのが困難である; 等の問題点があるのは
前述のとおりである。
【0027】これに対し、本発明においては、ゴム組成
物(成分B)に、結晶性ポリマー組成物(成分C)をあ
らかじめ添加・混合した状態で熱可塑性樹脂(成分A)
に添加することにより、熱可塑性樹脂中にゴム組成物
(混合物)を所定形状で、かつ所定速度で安定して供給
し、分散することができ、この状態でゴム用の加硫剤
(架橋剤)を添加して動的に加硫せしめ、熱可塑性樹脂
中におけるゴム組成物の速やかかつ微細な分散を可能に
する。しかも、添加した結晶性ポリマーは、その種類を
選択することにより、さらに加硫剤によって架橋して結
晶性を失うため、ゴム組成物の柔軟性を低下することな
く、結果的にエラストマー組成物を柔軟に保つことを実
現することも可能である。
【0028】本発明において使用される結晶性ポリマー
は、前述のDSCによる溶融温度が50℃以上100℃
未満であり、かつ、ポリマーを80℃程度で加温した
後、常温で急冷し24時間程度放置した際の加温前後の
密度を比較した結晶化度が20%以上である、好ましく
は架橋可能な結晶性ポリマーおよびその組成物である。
このような結晶性ポリマーとしては、各種の方法で合成
される鎖状もしくは環状のトランスポリオクテネマー、
各種の方法で合成されるトランス−1,4−ポリイソプ
レン、天然ゴムより分別したトランスポリイソプレン成
分を主としたガッタパーチャ等が例示される。
【0029】これらの化合物は、その構造上前述のよう
な結晶性を有するため、架橋前の常温では固く固体状で
あるが、50℃以上で軟化・溶融する熱可塑性樹脂的な
特性を持つと共に、繰り返し単位内に二重結合を有す
る。そのため、あらかじめ未加硫ゴム組成物にこれらの
結晶性ポリマーを添加・混合することによって、冷却後
の未加硫ゴムの強度を著しく向上し、軟化を防止するこ
とができ、ペレットのブロッキング現象を防止して、フ
ィーダ等によるペレットの搬送および熱可塑性樹脂への
供給を安定化することができる。また、結晶性ポリマー
を含有する未加硫ゴム組成物ペレットが、溶融された熱
可塑性樹脂中に混合された際には、結晶性ポリマーは熱
によって速やかに溶融するため、ゴム組成物の粘度を低
下させ、ゴム組成物および結晶性ポリマーの熱可塑性樹
脂への速やかかつ微細な分散を可能とする。しかも、熱
可塑性樹脂に前記ペレットを添加・混合し、さらに加硫
剤を添加した後は、前述のような分子中に二重結合を有
する結晶性ポリマーの場合はゴム用の加硫剤で加硫さ
れ、ゴム組成物と共に少なくとも一部が架橋した構造で
熱可塑性樹脂中に分散固定される上に、加硫物はゴム弾
性を示すので、エラストマー組成物が常温に冷却された
後も結晶性ポリマーが結晶性を発揮することはなく、分
散相の固さは上昇しないため、得られたエラストマー組
成物の物性に悪影響を与えることがなく、柔軟なエラス
トマー組成物を得ることができる。
【0030】成分Cに利用される結晶性ポリマーは、溶
融温度が50℃以上100℃未満であり、かつ、結晶化
度が20%以上のポリマーである。結晶性ポリマーの溶
融温度が50℃未満では、ゴム組成物と結晶性ポリマー
との混合物の前記ブロッキングを完全に防止することが
できず、従って、前記混合物の溶融した熱可塑性樹脂へ
の安定供給を確保することができず、100℃以上で
は、得られるエラストマー組成物の柔軟性が確保できな
い等の点で不都合を生じる。また、結晶化度が20%未
満では、成分Bの軟化防止効果を十分に得ることができ
ず、同様に、混合物の溶融した熱可塑性樹脂への安定供
給を確保することができない。
【0031】前述のように、このような特性を有するポ
リマーとして例示されるトランスポリオクテネマーと
は、1,5−シクロオクタジエンの開環重合物であり、
製法により、下記式[1]のような直鎖状重合体と、下
記式[2]のような環状重合体とがある。
【化1】
【0032】これらは共に、常温では固体状で、50〜
100℃で軟化・溶融する熱可塑性樹脂であり、かつ繰
り返し単位内に二重結合を有するため加硫可能でしかも
加硫物はゴム弾性を示す。結晶性ポリマーとしてトラン
スポリオクテネマーを利用する際には、その分子量には
特に限定はないが、ペレットの硬度向上および熱可塑性
樹脂へのゴム組成物ならびに結晶性ポリマーの分散等の
点で、1万〜50万程度、特に、5万〜20万程度のも
のを用いるのが好ましい。また、溶融温度は50〜80
℃程度、特に51℃前後、結晶化度は15〜40%程
度、特に27%前後のものが好適に用いられる。
【0033】また、トランス−1,4−ポリイソプレン
とは、下記の式3で示されるものである。
【化2】
【0034】上記式に示されるように、トランス−1,
4−ポリイソプレンもその繰り返し単位内に二重結合を
有し、また、常温では固体状で、50〜100℃で軟化
・溶融する熱可塑性樹脂であるので、通常のゴム組成物
の加硫に使用されるイオウ、含イオウ系加硫剤、加硫促
進剤等で加硫可能であり、前述のトランスポリオクテネ
マーと同様の効果を得ることができる。また、同様に、
天然ゴム(ポリイソプレン)の特定な形態としての、ト
ランス−1,4−ポリイソプレン(いわゆるガッタパー
ジャ)も好適に利用可能であるのはもちろんである。こ
のようなトランス−1,4−ポリイソプレンとしては、
分子量は1万〜100万程度、特に5万〜50万程度、
トランス−1,4結合の割合が90mol%以上、特に98
mol%以上、結晶化度が20〜50%、特に30〜50%
程度、溶融温度は50〜100℃のものが、特に50〜
80℃程度のものが好適に用いられる。
【0035】結晶性ポリマー組成物としては、このよう
な結晶性ポリマーを単体で使用してもよく、複数の結晶
性ポリマーを組み合わせ、あるいは1種または2種以上
の結晶性ポリマーに、他の架橋しない結晶性ポリマー、
また、補強剤、軟化剤、可塑剤、充填剤、加工助剤、滑
剤、老化防止剤、顔料等を添加してなる組成物を使用し
てもよい。また、本発明において、結晶性ポリマー組成
物の配合(含有)量には特に限定はないが、前述の結晶
性ポリマーの添加効果を確実に発現でき、かつ成型品の
耐熱性やゴム弾性等の特性が良好なエラストマー組成物
が得られる等の点で、ゴム組成物100重量部に対し
て、結晶性ポリマーが5〜100重量部となるように、
結晶性ポリマー組成物を配合するのが好ましい。さら
に、結晶性ポリマーの配合量をゴム組成物100重量部
に対して5〜50重量部とすることにより、上記傾向は
より顕著になってより好ましい結果を得ることができ
る。
【0036】このようなゴム組成物と結晶性ポリマー組
成物との混合方法には特に限定はなく、バンバリミキ
サ、ニーダ、ゴム用ロール等を用いた等を用いた公知の
ゴム用組成物の混合方法がいずれも利用可能である。ま
た、必要に応じて、混練可能な温度まで加熱して混合を
行ってもよい。さらに、ゴム組成物と結晶性ポリマー組
成物にも、必要に応じて、カーボンブラック、ホワイト
カーボン等の補強剤、軟化剤、老化防止剤、加工助剤、
滑剤、着色剤等を添加して混合してもよい。
【0037】また、ゴム組成物と結晶性ポリマー組成物
との混合物は、通常は、ペレット化されて溶融・混練さ
れる熱可塑性樹脂に添加される。ゴム組成物と結晶性ポ
リマー組成物との混合物のペレット化の方法には特に限
定はなく、ゴム用ペレタイザ等を用いる公知の方法によ
ればよい。また、熱可塑性樹脂中のゴム組成物および結
晶性ポリマー組成物の分散状態を良好にするため、ペレ
ットのサイズは、長さを1mm〜3mm程度、径を0.5mm
〜3mm程度とするのが好ましい。
【0038】本発明の製造方法においては、前述のよう
に、このようにして作製されたゴム組成物(成分B)と
結晶性ポリマー(成分C)との混合物(通常はペレッ
ト)を、フィーダ等を用いて、溶融・混練されている熱
可塑性樹脂(成分A)に供給・添加し、混練する。この
ようにして、ゴム組成物および結晶性ポリマー組が十分
に熱可塑性樹脂中に分散された状態として、混練しつつ
加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤等を添加し、さらに混練
を継続してゴム組成物、および必要に応じて結晶性ポリ
マーを動的に加硫することにより、本発明のエラストマ
ー組成物を製造する。加硫をこのようにして行うことに
より、ゴム組成物等を熱可塑性樹脂をマトリックスとし
て十分に分散した状態で、しかもゴム組成物が目標とす
る粒径に制御されるか、あるいは十分に微細な状態のま
ま加硫を行い、分散相を固定することにより安定した相
状態を得ることができ、溶融成型性、柔軟性、ゴム弾性
等の各種の特性に優れたエラストマー組成物(成型品)
を得ることができる。
【0039】なお、混練条件や使用する加硫剤や加硫条
件(温度・時間)等は、熱可塑性樹脂、ゴム組成物、に
応じて適宜決定すればよく、特に限定はない。すなわ
ち、混練温度は熱可塑性樹脂が溶融する温度以上であれ
ばよい。混練時の剪断速度は2500〜7500 sec-1
であるのが好ましい。混練全体の時間は30秒から10
分で、加硫系を添加した後の加硫時間は15秒から5分
程度とするのが好ましい。
【0040】加硫剤としては、主にゴム組成物の成分に
応じて、一般的なゴム加硫剤(架橋剤)を用いることが
できる。具体的には、イオウ系加硫剤としては、粉末イ
オウ、沈降イオウ、高分散性イオウ、表面処理イオウ、
不溶性イオウ、ジモルフォリンジサルファイド、アルキ
ルフェノールジサルファイド等が例示され、例えば、
0.5〜4phr(ゴム組成物中のゴム成分と結晶性ポ
リマー組成物中の結晶性ポリマーとの合計100重量部
あたりの重量部)程度を用いればよい。また、有機過酸
化物系の加硫剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、
t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベ
ンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチ
ルヘキサン−2,5−ジ(パーオキシルベンゾエート)
等が例示され、例えば、1〜15phr程度を用いれば
よい。さらに、フェノール樹脂系の加硫剤としては、ア
ルキルフェノール樹脂の臭素化物や、塩化スズ、クロロ
プレン等のハロゲンドナーとアルキルフェノール樹脂と
を含有する混合架橋系等が例示され、例えば、1〜20
phr程度を用いればよい。その他として、亜鉛華(5
phr程度)、酸化マグネシウム(4phr程度)、リ
サージ(10〜20phr程度)、p−キノンジオキシ
ム、p−ジベンゾイルキノンジオキシム、テトラクロロ
−p−ベンゾキノン、ポリ−p−ジニトロソベンゼン
(2〜10phr程度)、メチレンジアニリン(0.2
〜10phr程度)が例示される。
【0041】また、必要に応じて、加硫促進剤を添加し
てもよい。加硫促進剤としては、アルデヒド・アンモニ
ア系、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド
系、チウラム系、ジチオ酸塩系、チオウレア系等の一般
的な加硫促進剤を、例えば0.5〜2phr程度用いれ
ばよい。具体的には、アルデヒド・アンモニア系加硫促
進剤としては、ヘキサメチレンテトラミン等が;グアジ
ニン系加硫促進剤としては、ジフェニルグアジニン等
が;チアゾール系加硫促進剤としては、ジベンゾチアジ
ルジサルファイド(DM)、2−メルカプトベンゾチア
ゾールおよびそのZn塩、シクロヘキシルアミン塩等
が;スルフェンアミド系加硫促進剤としては、シクロヘ
キシルベンゾチアジルスルフェンアマイドCBS)、N
−オキシジエチレンベンゾチアジル−2−スルフェンア
マイド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフ
ェンアマイド、2−(チモルポリニルジチオ)ベンゾチ
アゾール等が;チウラム系加硫促進剤としては、テトラ
メチルチウラムジサルファイド(TMTD)、テトラエ
チルチウラムジサルファイド、テトラメチルチウラムモ
ノサルファイド(TMTM)、ジペンタメチレンチウラ
ムテトラサルファイド等が;ジチオ酸塩系加硫促進剤と
しては、Zn−ジメチルジチオカーバメート、Zn−ジ
エチルジチオカーバメート、Zn−ジ−n−ブチルジチ
オカーバメート、Zn−エチルフェニルジチオカーバメ
ート、Te−ジエチルジチオカーバメート、Cu−ジメ
チルジチオカーバメート、Fe−ジメチルジチオカーバ
メート、ピペコリンピペコリルジチオカーバメート等
が;チオウレア系加硫促進剤としては、エチレンチオウ
レア、ジエチルチオウレア等が; それぞれ例示され
る。
【0042】また、加硫促進助剤としては、一般的なゴ
ム用助剤を併せて用いることができ、例えば、亜鉛華
(5phr程度)、ステアリン酸やオレイン酸およびこ
れらのZn塩(2〜4phr程度)を用いればよい。
【0043】本発明において、例えば、ゴム成分として
EPM系ゴムやそのマレイン酸変性物を用いる場合に
は、好ましい加硫剤として、メチレンジアニリン(MD
A)が例示される。なお、量比はエラストマー組成物の
用途等によっても異なるが、通常、0.2〜10phr
程度、好ましくは0.5〜5phr程度である。また、
必要に応じて加硫助剤を併用してもよく、好ましい加硫
助剤として、ステアリン酸、亜鉛華、ステアリン酸亜鉛
等が利用される。また、好ましい加硫剤の別の態様とし
て、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキサン等の有機過酸化物が例示され、通常、1
〜10phr程度、好ましくは1.5〜5phr程度が
使用される。ゴム成分としてEPM系ゴム等を用いる場
合には、加硫時における混練の温度(エラストマー組成
物の製造温度)を180〜350℃程度とすればよい。
【0044】あるいは、ゴム組成物としてEPDM系ゴ
ムやそのマレイン酸変性物を利用する場合には、好まし
い加硫剤および加硫促進剤(加硫系)として、粉末イオ
ウ、スルフェンアミド系、チウラム系、チアゾール系の
各種の加硫剤(加硫促進剤)の単独または2種以上を組
み合わせた加硫系が例示される。好ましい一例として、
粉末イオウ/CBS/TMTD/DMの加硫系が例示さ
れる。なお、量比は加硫剤(系)によっても異なるが、
通常、合計量で0.5〜10phr、好ましくは0.8
〜5phr程度である。また、必要に応じて加硫助剤を
併用してもよく、好ましい加硫助剤として、ステアリン
酸等の脂肪酸類やステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類
(これらの併用)が例示される。また、好ましい架橋剤
の別の態様として、臭素化アルキルフェノール樹脂を用
いた樹脂架橋系が例示され、通常、1〜20phr程
度、好ましくは3〜10phr程度が使用される。ゴム
成分としてEPDM系等ゴムを用いる場合には、加硫時
における混練温度は、前述のEPM系ゴムと同様でよ
い。
【0045】本発明のエラストマー組成物は、基本的に
上記組成ならびに構成を有するものであるが、これ以外
にも、加硫促進剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、顔料や染料等の着色剤、充填剤、軟化剤、可塑
剤、カーボンブラッックやシリカ等の補強剤を必要に応
じて添加・混練してもよい。さらに、好ましい態様とし
て、加硫および添加剤の添加・混練を終了した後に、あ
るいは、これらの添加前に、さらにワックス状組成物や
粘着性付与剤(もちろん両者でもよい)を添加して混練
してエラストマー組成物としてもよい。
【0046】エラストマー組成物にワックス状組成物を
添加することにより、エラストマー組成物の加熱溶融時
により良好な流動性を付与することができ、得られたエ
ラストマー組成物が優れた溶融流動性すなわち溶融成型
性を発現して、押出成型や射出成型等の溶融成型によ
る、簡易な製品製造や微細な形状加工等をより容易かつ
好適に行うことが可能になる。
【0047】ワックス状組成物としては、溶融温度が1
00℃以上のワックス状組成物が好ましく利用され、主
に熱可塑性樹脂(成分A)との相溶性を考慮して各種選
択可能である。より好ましくは、得られたエラストマー
組成物を溶融成型する温度前後において、B型粘度計に
よる10rpmの粘度が300〜10000cps程
度、より好ましくは500〜5000cps程度の粘度
を持つワックス状組成物が利用される。このようなワッ
クス状組成物を用いることにより、本発明のエラストマ
ー組成物は、200℃以下の加温下におけるより良好な
溶融流動性を発揮することができ、より良好な加工性を
実現することができる。具体的には、ポリプロピレン系
ワックスやポリエチレン系ワックス等のワックス状の低
分子量ポリオレフィン等が好適に例示される。特に、熱
可塑性樹脂としてポリプロピレン系樹脂を用いた場合に
は、相溶性等の点で低分子量ポリプロピレン系ワックス
が好適に利用される。
【0048】ワックス状組成物の含有量は、熱可塑性樹
脂+ゴム組成物+結晶性ポリマー組成物の合計100重
量部に対して1〜90重量部、より好ましくは5〜80
重量部程度である。ワックス状組成物の含有量を上記範
囲とすることにより、エラストマー組成物から得られる
目的とする成型物のゴム弾性や耐熱特性を低下させるこ
となく、より良好な溶融流動性を得ることができる。
【0049】一方、エラストマー組成物に粘着性付与剤
を含有することにより、得られたエラストマー組成物の
成型品が粘接着性を発現することができる。そのため、
成型品をより複雑な形状を有する衝撃緩衝材等のように
各種の部材に貼着して使用する際に、目的形状の型を用
い直接成型することにより、成型品やこれに接触する部
材の貼着を行うことが可能となり、製品の組み立て工程
を大幅に簡略化することができる。
【0050】粘着性付与剤として利用可能な樹脂組成物
および/またはゴム組成物には特に限定はなく、本発明
のエラストマー組成物、特に熱可塑性樹脂に粘接着性を
付与でき、かつエラストマー組成物(成型品)の溶融成
型性、耐熱軟化性、ゴム弾性等の特性を低下させること
がない全ての組成物が利用可能であるが、好ましくは、
スチレン・ブタジエン(・スチレン)共重合エラストマ
ーあるいはその水素添加物、スチレン・イソプレン(・
スチレン)共重合エラストマーあるいはその水素添加
物、軟化温度が60〜150℃の樹脂状組成物あるいは
その水素添加物、石油系樹脂あるいはその水素添加物、
テルペン系樹脂あるいはその水素添加物、ロジン系樹脂
あるいはその水素添加物、クマロン・インデン系樹脂あ
るいはその水素添加物の1種または2種以上が好適に使
用される。
【0051】中でも特に、スチレン・ブタジエン・スチ
レン共重合エラストマーの水素添加物(SEBS)、ス
チレン・イソプレン・スチレン共重合エラストマー(S
IS)およびその水素添加物等が好適に利用される。
【0052】これらの粘着性付与剤は、特に記載がない
場合でも軟化点(もしくは軟化温度)が60〜150℃
のものを使用するのが好ましい。粘着性付与剤として軟
化点が60℃未満のものを用いると、熱可塑性エラスト
マー組成物が過度に熱軟化し易くなってしまう可能性が
高く、逆に150℃を超えるものを使用すると、200
℃以下の温度における溶融流動性が低くなる可能性が高
く、成型性に問題を生じる場合がある。
【0053】本発明のエラストマー組成物において、こ
れらの粘着性付与剤を添加する際における添加量は特に
限定はないが、通常、好ましくは熱可塑性樹脂+ゴム組
成物+結晶性ポリマー組成物の合計100重量部に対し
て1〜100重量部程度、より好ましくは5〜80重量
部程度である。粘着性付与剤の含有量を上記範囲とする
ことにより、エラストマー組成物(成型品)のゴム弾
性、耐熱軟化特性、溶融流動性等を低下させることな
く、良好な粘接着性を実現できる。
【0054】このような本発明の熱可塑性エラストマー
組成物の製造方法においては、バッチ式の製造方法を利
用してもよく、あるいは、連続的に熱可塑性樹脂を供給
・溶融し、混練しつつ移送しながら順次ゴム組成物や加
硫剤等を添加・混練してエラストマー組成物を製造す
る、2軸混練押出機等を使用した連続的な製造方法に利
用してもよい。
【0055】以上、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物およびその製造方法について詳細に説明したが、本発
明は上記構成に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲において各種の改良および変更を行ってもよいの
はもちろんである。
【0056】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明
の熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法につ
いてより詳細に説明する。
【0057】下記に示される、成分A(熱可塑性樹
脂)、成分B(ゴム組成物)および成分C(結晶性ポリ
マー組成物)、ならびに加硫系を構成する各配合剤を用
い、以下のようにして、下記表1に示される各種のエラ
ストマー組成物を作製した。先に、成分Bあるいはさら
に成分Cを構成する各配合剤を、密閉式のゴム用バンバ
リミキサに投入して混練し、次いで、ゴム用ロールを用
いて厚さ2.5mmのゴムシート状に成形して、マスター
バッチを作製した。このマスターバッチのシートをゴム
用ペレタイザーでペレット化し、成分Bと成分Cの混合
ペレットを作製した。まず、成分Aを2軸混練押出機の
第1の投入口に投入して、成分Aを溶解して混練し、次
いで、先に作製した混合物ペレットを第2の投入口から
投入し、成分A中に成分Bおよび成分Cを添加・混練し
た。その後、第3の投入口から加硫系および老化防止剤
(ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネー
ト イルガノックス1010日本チバガイギー社製 添
加量0.1重量部)を添加して、混練することによっ
て、成分Aのマトリックス中にドメインとして分散され
る成分Bおよび成分Cを動的に加硫した。このようにし
て混合したエラストマー組成物を2軸混練機からストラ
ンド状に押し出し、さらに樹脂用ペレタイザーでペレッ
ト(直径3mmで長さ3mmの円筒状)化した。
【0058】なお、以上のエラストマー組成物の製造
は、連続的に成分Aを供給・溶融し、混練しつつ移送し
ながら順次混合ペレットや加硫系を添加・混練する、い
わゆる連続的な製造によって行った。なお、混練は、混
練回転数を150〜250rpm、吐出量を10〜20
kg/hとし、成分A混練の際の樹脂温度が190〜2
20℃、混合ペレットを投入した後の混練の樹脂温度が
220〜240℃、加硫系を投入した後の混練の樹脂温
度が200〜220℃、の条件で行った。
【0059】また、表1に示される各成分の軟化温度お
よび溶融温度、ならびに結晶化度は、下記のようにして
測定した。 [軟化温度]JIS K 7270−1983に定義さ
れる荷重たわみ温度試験法で、4.6kgf/cm2 の一定荷
重下で試験片が変形を開始する温度、すなわち物理的に
熱変形する温度を軟化温度(℃)とした。 [溶融温度]示差走査熱量計(DSC)を用い、昇温速
度10℃/分で測定した際の、吸熱カーブの結晶融解ピ
ーク温度を、溶融温度(℃)とした。 [結晶化度]結晶性ポリマーを90℃で溶融させた後、
23℃に急冷して、24時間放置した。 上記工程において、溶融品の密度と24時間放置後の密
度とを測定し、その比率から結晶化度(%)を算出し
た。
【0060】表1に示される各成分は、以下のとおりで
ある。 [成分A関連] PP; ポリプロポレン樹脂 MA710 昭和電工社製 N11; ナイロン11 BESNO TL 東レ社製
【0061】 [成分B関連] EPM−g−MAH; 無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合ゴム タフマーMPO610 三井石油化学社製 EPDM; エチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴム 三井EPT4070 三井石油化学社製 軟化剤; パラフィン系オイル サンバー2280 日本サン石油社製
【0062】 [成分C関連] TPO−1; トランスポリオクテネマー VESTENAMAER 8012 ヒュルス社製 TPO−2; トランスポリオクテネマー VESTENAMAER 6213 ヒュルス社製 TPI; トランス−1,4−ポリイソプレン クラレTP−301 クラレ社製 打粉; ホワイトカーボン ニプシルVN3 日本シリカ社製
【0063】 [加硫系] 加硫系1; ステアリン酸/MDA=1.0/0.6(=1.6) 加硫系2; ZnO/ステアリン酸/S/PZ/TRA/TT/CZ=5.0/ 1.0/0.5/1.0/0.5/0.5/1.0(=9.5) なお、上記加硫系において、 ステアリン酸; ビーズステアリン酸 日本油脂社製 MDA; メチレンジアニリン スミキュアーM 住友化学社製 ZnO; 亜鉛華 亜鉛華3号 正同化学社製 S; イオウ 軽井沢精練所製 PZ; Zn−ジメチルジチオカーバメイト ノクセラーPZ 大内新興化学社製 TRA; ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド サンセラーTRA 三新化学工業社製 TT; テトラメチルチウラムジスルフィド ノクセラーTT 大内新興化学社製 CZ; N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾルスルフェンアミド ノクセラーCZ−G 大内新興化学社製
【0064】前述のようにして得られたエラストマー組
成物のペレット、および成分Bと成分Cから作製した混
合ペレットを用い、下記の各種の測定を行った。 [耐ブロッキング性]前述のように作製した成分Bと成
分Cの混合ペレットを常温で48時間放置した後、手で
十分に撹拌して、目視観察し、ブロック塊が認められる
ものを(ブロッキング)有、認められないものを無と判
定した。 [耐ブロッキング性の安定性]前述のように作製した成
分Bと成分Cの混合ペレットを常温で20〜24時間放
置した後、二軸混練押出機に供給して混練して組成物を
得た。この組成物の初期のD硬度と1時間放置後のD硬
度とを測定し、両者の差からフィーダ等による機械的歪
断に対する耐ブロッキング性と供給安定性とを調査し
た。初期および1時間後のD硬度の差が小さいもの程、
両特性共に優れていると評価することができる。なお、
D硬度の測定方法は、得られた組成物を、プレス成形機
を用いて温度200℃、圧力10kgf/cm2 で2mm厚さに
10分間加圧成形してD硬度測定用のサンプルとし、こ
のサンプルを用い、JIS K 6301に準拠して硬
度(タイプD)を測定した。
【0065】[軟化温度]得られたエラストマー組成物
のペレットを用いて、前記D硬度測定用と同様の測定サ
ンプルを作製し、JIS K 7210−1983に準
拠して、4.6kgf/cm2 の荷重で熱変形し始める温度
(℃)を測定した。
【0066】[圧縮永久歪]JIS K 6301に準
拠して、D硬度測定サンプルと同様の成型条件でエラス
トマー組成物を用いた所定形状のサンプルを作製し、1
00℃で70時間処理を行い、25%圧縮時の圧縮永久
歪(%)を測定した。
【0067】[溶融流動性試験]前述のようにして得ら
れたエラストマー組成物のペレットを50g計り取り、
100mlのステンレス製容器に入れた。このステンレ
ス製容器を200℃のオーブン中に2時間放置して、放
置後の容器中のペレットの状態を観察し、溶融流動性を
評価した。評価基準は下記のとおりである。 ○; 溶融状態となり、容器の形状に変形しているもの △; 変形しているが、ペレットが判別可能な状態にあ
るもの ×; 変形せず、ペレットが形状を維持しているもの 以上の結果を下記表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】上記表1に示されるように、成分Bのみで
成分C(結晶性ポリマー)を含有しないペレットを用い
た比較例1では、ペレット作製後48時間たった後にも
ブロッキングが認められると共に、作製後24時間たっ
た後のペレットを用いて混練して組成物を作製した場合
に、初期の柔軟性(D硬度)は良好であるが、1時間後
は柔軟性が低くなってしまっている。従って、このペレ
ットを用いてエラストマー組成物を調製しても、ペレッ
トを供給するフィーダ内における機械的歪断および発熱
でペレットがブロッキングを起こしてしまい、供給量が
低下するためエラストマー組成物は樹脂過剰になってし
まい、所定の製品を安定生産ができないことがわかる。
さらに、ゴム成分をEPMからEPDMに変更した比較
例4、および熱可塑性樹脂をPPからナイロンに変更し
た比較例5でも、成分Cを含有しない例では、やはり同
様の結果が得られている。
【0070】これに対し、成分Bのみならず、結晶化度
20%以上で溶融温度50℃以上100℃未満の結晶性
ポリマーの成分Cを混合したペレットを用いた実施例1
(トランスポリオクテネマー)および実施例2(トラン
ス−1,4−ポリイソプレン)では、耐ブロッキング性
および安定性が共に高く、フィーダ等による安定供給が
可能であり、また、得られたエラストマー組成物も、溶
融流動性および圧縮永久歪(42%および40%)と、
物性にも優れている。しかしながら、結晶化度および溶
融温度が共に低い成分Cを用いた比較例2、および成分
Cとして従来から利用されている打粉を用いた比較例3
は、共に比較例1と同様に耐ブロッキング性および安定
性が共に悪い。
【0071】さらに、結晶化度20%以上で溶融温度5
0℃以上100℃未満の結晶性ポリマーの成分Cを混合
した本発明品は、成分Bのゴム成分をEPMからEPD
Mに変更しても(実施例3〜6)、成分Aの熱可塑性樹
脂をナイロンに変更しても(実施例7〜9)、いずれも
耐ブロッキング性および安定性が共に高く、フィーダ等
による安定供給が可能であり、また、得られたエラスト
マー組成物も、溶融流動性および圧縮永久歪(40〜4
4%)と、物性にも優れている。以上の結果より、本発
明の効果は明らかである。
【0072】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の熱
可塑性エラストマー組成物およびその製造方法によれ
ば、溶融された熱可塑性樹脂中に、ゴム組成物を所定粒
径かつ所定速度で安定して供給することができ、しか
も、このゴム組成物を熱可塑性樹脂中に混合した際に
は、速やかに所定の微細な粒径でゴム組成物を分散する
ことができるので、所定の特性を有する熱可塑性エラス
トマー組成物を安定して得ることができる。このような
本発明の熱可塑性エラストマーは、自動車用ランプと自
動車ボディーとの接合部の間に用いられるパッキング、
住宅等の建造物の窓枠用パッキング等として好適に利用
可能である。本発明によれば、これらのパッキングは、
使用部位へ簡易押出成形機を利用した圧入成形やいわゆ
る射出成形法等により、直接一体的に装着でき、しかも
成形後の加硫工程も不要とできるので、従来の加硫ゴム
等からなる成形パッキングを装着するのに比べ、工程数
を大幅に簡略化することが可能となる。また、本発明の
熱可塑性エラストマーは、このようなパッキング以外に
も、一般的な構造部材、日用品、玩具等、加硫ゴム製品
が用いられている分野で加硫ゴムに置き換えて用いるこ
とが可能であり、前述のパッキング同様、加硫工程およ
びそのための装置等を不要にし、かつ直接に一体的な装
着を可能とできるので、大幅な工程の簡略化を可能と
し、かつリサイクル可能な部材を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 47/00 LKK C08L 47/00 LKK (72)発明者 荒 木 公 範 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記成分A、BおよびC 成分A: 熱可塑性樹脂組成物 成分B: 少なくとも一部が加硫されたゴム組成物 成分C: 溶融温度が50℃以上100℃未満であり、
    かつ結晶化度が20%以上である結晶性熱可塑性ポリマ
    ー組成物 を含有し、かつ前記成分BおよびCの少なくとも一部が
    前記成分Aに分散されてなることを特徴とする熱可塑性
    エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】前記成分A中の熱可塑性樹脂が、軟化温度
    が100℃以上で、かつ溶融温度が200℃以下の熱可
    塑性樹脂である請求項1に記載の熱可塑性エラストマー
    組成物。
  3. 【請求項3】前記成分C中の結晶性熱可塑性ポリマー
    が、トランスポリオクテネマーおよび/またはトランス
    −1,4−ポリイソプレンである請求項1または2に記
    載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】前記成分Bが、エチレン・プロピレン共重
    合ゴム組成物および/またはエチレン・プロピレン・ジ
    エン共重合ゴム組成物である請求項1〜3のいずれかに
    記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 【請求項5】熱可塑性樹脂組成物(成分A)をマトリッ
    クスとし、この熱可塑性樹脂組成物中に少なくとも一部
    が加硫されたゴム組成物(成分B)を分散してなる熱可
    塑性エラストマー組成物を製造するに際し、 溶融状態の前記成分Aに、前記成分Bと溶融温度が50
    ℃以上100℃未満で、かつ結晶化度が20%以上であ
    る結晶性熱可塑性ポリマー組成物(成分C)との混合物
    を添加して混練し、得られた混合物を混練しながら、加
    硫を行うことを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物
    の製造方法。
  6. 【請求項6】前記成分A中の熱可塑性樹脂が、軟化温度
    が100℃以上で、かつ溶融温度が200℃以下の物で
    あり、前記成分Bが、エチレン・プロピレン共重合ゴム
    組成物および/またはエチレン・プロピレン・ジエン共
    重合ゴム組成物である請求項5に記載の熱可塑性エラス
    トマー組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】前記成分Cの配合量が、前記成分B中のゴ
    ム成分100重量部に対して5〜100重量部である請
    求項5または6に記載の熱可塑性エラストマー組成物の
    製造方法。
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