JPH10292067A - 流動性を改良した熱可塑性エラストマー組成物とその製造方法 - Google Patents

流動性を改良した熱可塑性エラストマー組成物とその製造方法

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JPH10292067A
JPH10292067A JP10019097A JP10019097A JPH10292067A JP H10292067 A JPH10292067 A JP H10292067A JP 10019097 A JP10019097 A JP 10019097A JP 10019097 A JP10019097 A JP 10019097A JP H10292067 A JPH10292067 A JP H10292067A
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thermoplastic elastomer
rubber
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elastomer composition
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JP10019097A
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Naoya Adachi
立 直 也 足
Katsuhiro Igawa
川 勝 弘 井
Jiro Watanabe
邊 次 郎 渡
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加工成形時の流動性を改良した熱可塑性エラス
トマー組成物の提供。 【解決手段】ポリプロピレン成分およびプロピレン・エ
チレンランダム共重合体成分を含むブロック共重合体、
または、該ブロック共重合体とポリプロピレンからなる
JIS A硬度が95以下の混合物であるマトリックス
樹脂100重量部に対し、120〜260℃の温度下
で、剪断中に過酸化物を1 〜10重量部加え、および/
または、軟化剤/可塑剤を5〜40重量部加え、次いで
マトリックス樹脂組成物ポリマー分/ゴム組成物ポリマ
ー分が20/80〜80/20(重量比)になるように
未加硫ゴム組成物を加え動的加硫する、少なくとも1部
が架橋した加硫ゴム組成物が分散した熱可塑性エラスト
マー樹脂組成物の製造方法、該熱可塑性エラストマー組
成物、パッキング材、および該パッキング材を使用する
ランプ構造部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は加工成形時の流動性
を改良した熱可塑性エラストマー組成物およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン樹脂をマトリックスと
し、その中に加硫ゴム粒子がドメインとして細かく分散
した熱可塑性エラストマー組成物は公知であり、加硫工
程が不要で、通常の熱可塑性樹脂と同様に成形できるた
め、自動車部品、家電部品をはじめとする様々な分野で
利用されている。しかし、これら材料は柔軟性向上の目
的からゴム分が多いため、加工時の流動性が低下し、こ
のため、簡易押出機などによる加工が困難で、加工のた
めに大型射出成形機等の高価な設備を必要とした。簡易
単軸押出機などの低圧加工機による加工を可能にするた
めには、マトリックス樹脂を分解して低分子量化す
る、軟化剤や可塑剤を大量に配合し熱可塑性エラスト
マー組成物の流動性を改善する、などの手法が考えられ
るが、通常用いられるポリプロピレン樹脂(例えば、ポ
リプロピレンホモポリマー)をマトリックスとするエラ
ストマーでは、の手法を採ると、強度が著しく低下し
てしまう。一方、通常用いられるポリプロピレン樹脂
(例えば、ポリプロピレンホモポリマー)に、大量の軟
化剤/可塑剤を配合することが困難でを手法を採るこ
とが難しい。
【0003】特開平7−3091号公報には、パーオキ
サイド分解型オレフィン系プラスチックを有機パーオキ
サイドの存在下、または熱および剪断力下で分解し、パ
ーオキサイド架橋型オレフィン系共重合体ゴムを添加し
有機パーオキサイド存在下で架橋反応を行い、熱可塑性
エラストマー組成物を得ることが開示されている。しか
し、パーオキサイド分解型オレフィン系プラスチックを
有機パーオキサイドの存在下で分解すると、該プラスチ
ックの分子量の低下を制御するのが難しく、流動性が高
くなり過ぎ、ゴムとの均一な混合が難しくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は加工成形時の
流動性を改良しつつ、その強度を保持することが可能な
熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法を提供
しようとする。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者等は上記課題に鑑
み、特定のプロピレン系樹脂をマトリックス樹脂として
用いることにより、軟化剤/可塑剤の大量配合、または
低分子量化に伴う強度低下の防止に成功し、本発明の完
成に至った。すなわち、ポリプロピレン成分およびプロ
ピレン・エチレンランダム共重合体成分を含むブロック
共重合体、および/または、該ブロック共重合体とポリ
プロピレンからなるJIS A硬度が95以下の混合物
であるマトリックス樹脂100重量部に対し、120〜
260℃の温度下で、剪断中に過酸化物を1 〜10重量
部加え、および/または、軟化剤/可塑剤を5〜40重
量部加え、次いでマトリックス樹脂組成物ポリマー分/
ゴム組成物ポリマー分が20/80〜80/20(重量
比)になるように未加硫ゴム組成物を加え動的加硫す
る、少なくとも1部が架橋した加硫ゴム組成物が分散し
た熱可塑性エラストマー樹脂組成物の製造方法を提供す
る。さらに上記方法を用いて得られる熱可塑性エラスト
マー組成物のうち、MIが5〜150(g/10分)
で、JIS−A硬度が40〜70である熱可塑性エラス
トマー組成物を提供する。また、本発明は、上記の熱可
塑性エラストマー組成物からなるパッキング材、および
該パッキング材を使用したランプ構造部材を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明においてマトリックス樹脂
として用いられるポリプロピレン成分及びプロピレン・
エチレンランダム共重合体成分を含むブロック共重合体
とは、ポリプロピレン成分が0.1〜30重量%であ
り、プロピレン・エチレンランダム共重合体成分が9
9.9〜70重量%であって、ポリプロピレン成分とラ
ンダム共重合体成分とがブロック共重合体を形成する。
また、プロピレン・エチレンランダム共重合体中エチレ
ンに基づく単量体単位は15〜80モル%で、プロピレ
ンに基づく単量体単位を85〜20モル%含む。また、
他のポリブテン成分なども必要に応じて5重量%以下で
含まれていて良い。従来、ポリオレフィン系樹脂よりな
る軟質材料は、バナジウム系触媒を用いて製造された非
晶質エチレン−プロピレンゴム(EPR)等をポリプロ
ピレンに混在することによって製造されている。これに
対して、本発明で用いるプロピレン系樹脂は好ましく
は、PERと略称されるもので、柔軟化を目的とし、ポ
リプロピレンとプロピレン・エチレンランダム共重合体
のエラストマー成分を一つの重合槽で、チタン化合物及
び有機アルミニウム化合物などを用い、同時に重合し、
エチレン分を増した、いわゆるリアクタータイプの共重
合体が好ましい。このようなプロピレン系樹脂としては
特にトクヤマ社製のPERが好ましい。また、上記プロ
ピレン系樹脂とポリプロピレンの混合物のうち、JIS
A硬度が95以下のものも本発明のマトリックス樹脂
として用いることができ、JIS A硬度70〜90の
ものが好適に用いることができる。
【0007】ホモポリプロピレンを高温剪断下、過酸化
物で低分子化すると、流動性が高くなり過ぎゴム組成物
との混練が困難になるとともに、得られたエラストマー
組成物の強度が著しく低下することになるが、本発明で
は、ポリプロピレン成分およびプロピレン・エチレンラ
ンダム共重合体成分を含むブロック共重合体、または該
ブロック共重合体とポリプロピレンの混合物を用いるこ
とにより、高温剪断下に過酸化物を加えると、ポリプロ
ピレン部分の分解とエチレン部分の架橋が同時に進行す
る。このように低分子化と架橋が同時に起こることによ
り、適度な流動性を付与しつつ強度の低下を防ぐことが
できる。
【0008】また、ホモポリプロピレンをマトリックス
樹脂とするエラストマーには可塑剤/軟化剤を大量に配
合することは困難であるが、本発明はこのような特定の
プロピレン系樹脂を用いることにより、軟化剤および/
または可塑剤の分散性が改善され、大量に配合すること
ができるので、得られた熱可塑性エラストマー組成物の
成形加工時の流動性を向上させることができ、簡易押出
機等の低圧加工機による加工を可能とする。
【0009】本発明で用いる過酸化物としては、有機過
酸化物が好ましく、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブ
チルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−
(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル
−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−
3,1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル
−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート、
ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオ
キシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、t
−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキ
シイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシ
ド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオ
キシド等が挙げられる。過酸化物はマトリックス樹脂1
00重量部に対して1〜10重量部加え、好ましくは3
〜7重量部加える。
【0010】軟化剤/可塑剤は、通常プロセス油もしく
はエクステンダー油と呼ばれる石油系軟化剤、可塑剤で
ある。石油系軟化剤は、使用するポリマーの加工時の粘
度低減、架橋後又は、加工後製品の硬度低減もしくは、
高温、低温特性などの物理特性の制御に使用される。ま
た、石油系軟化剤は、重質油の精製によって得られ、含
有する成分の違いにより、アルキルアロマチック系油、
アルキルナフテニック系油、パラフィン系油に大別さ
れ、使用するポリマーとの相溶性の関係で適宜マトリッ
クス樹脂の種類によりこれら又はこれらの混合物で適す
るものを使用すればよい。また、軟化剤/可塑剤の一態
様として、一般に、ゴム及び熱可塑性樹脂に使用されて
いる可塑剤として高沸点のエステル類又は化学構造が使
用するマトリックスポリマーと類似する液状化合物が好
適に使用され得る。これらの可塑剤は、ジオクチルフタ
レート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジ
イソデシルフタレート(DIDP)、ジイソノニルフタ
レート(DINP)、ジトリデシルフタレート(DTD
P)等のいわゆるフタール酸エステル系可塑剤が、また
エポキシ化大豆油、エポキシ化脂肪酸エステル等のエポ
キシ系の可塑剤が、また、塩素化脂肪酸エステル、塩素
化パラフィン等の塩素化系可塑剤が、また、トリクレジ
ルフォスフェート(TCP)、トリーβークロロエチル
ホスフェート(TCEP)等のリン酸系可塑剤、ジオク
チルアジペート(DOA)、ジデシルアジペート(DD
A)等のアジピン酸系可塑剤、ジブチルセバケート(D
BS)等のセバチン酸系可塑剤、ジオクチルアゼレート
(DOZ)等のアゼライン酸系可塑剤、トリエチル・シ
トレート(TEC)等のクエン酸系可塑剤、ポリプロピ
レン・アジペート(PPA)等のポリエステル系可塑剤
が各々または、ブレンドされた状態で、好適に使用でき
る。耐熱性を有する可塑剤、軟化剤であれば特に限定さ
れないが、好ましくはJIS K6220に示す、加熱
減量が100℃×3時間で1%以下の低揮発性可塑剤、
軟化剤が良好な熱時特性を示すものとして好ましい。か
かる特性を示す、軟化剤、可塑剤としては、上記軟化
剤、可塑剤の組成で、前記加熱減量の範囲を満足するも
のであればいずれでも良いが、特に好ましくは、高沸点
アロマ系軟化剤(可塑剤)、パラフィン系軟化剤、ナフ
テン系軟化剤および、DIDP、DTDP等のフタル酸
系可塑剤、エポキシ化大豆油等のエポキシ系可塑剤及び
TCEP等のリン酸系可塑剤が好適に使用し得る。
【0011】本発明の組成物において、軟化剤/可塑剤
の配合量はマトリックス樹脂100重量部に対して5〜
40重量部であり、好ましくは15〜35重量部であ
る。軟化剤/可塑剤の配合量をこの範囲とすると後に加
硫ゴム組成物を加え動的加硫する際に均一な混合を可能
とする柔軟性が得られる。
【0012】本発明のエラストマー組成物に配合される
ゴム組成物を構成するゴム成分としては、ジエン系ゴム
およびその水素添加物、オレフィン系ゴム、含ハロゲン
系ゴム、シリコンゴム、含イオウゴム、フッ素ゴム、お
よび熱可塑性エラストマーからなる群より選択される1
以上が好適に例示される。
【0013】具体的には、ジエン系ゴムおよびその水素
添加物としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム
(IR)、エポキシ化天然ゴム、スチレン・ブタジエン
ゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR 高シスBRお
よび低シスBR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム
(NBR)、水素化NBR、水素化SBR等が;オレフ
ィン系ゴムとしては、エチレン・プロピレン共重合ゴム
(EPM)、エチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴム
(EPDM)、マレイン酸変性エチレン・プロピレン共
重合ゴム(M−EPM)、ブチルゴム(IIR)、イソ
ブチレンと芳香族ビニルあるいはジエン系モノマーの共
重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー等が;
含ハロゲンゴムとしては、臭素化ブチルゴム(Br−I
IR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、イソブチ
レン・パラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−
IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム
(CHR、CHC)、クロロスルホン化ポリエチレン
(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸
変性塩素化ポリエチレン(M−CM)等が;シリコンゴ
ムとしては、メチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリ
コンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム等が;含
イオウゴムとしては、ポリスルフィドゴム等が;フッ素
ゴムとしては、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ
素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プ
ロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホ
スファゼン系ゴム等が;熱可塑性エラストマーとして
は、スチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラス
トマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系
エラストマー、ポリアミド系エラストマー等が;それぞ
れ好適に例示される。
【0014】特に、EPM系ゴムやEPDM系ゴム(あ
るいはこれらを含むゴム組成物)等のオレフィン系ゴム
(組成物)が、後述する本発明の熱可塑性エラストマー
組成物の製造方法による混練加工時や、本発明の熱可塑
性エラストマー組成物を用いた押出成形や射出成形等の
成形加工時における良好な熱安定性等の理由で好適に利
用される。中でも特に、エチレンおよびプロピレン、あ
るいはさらに若干のジシクロペンタジエン、エチリデン
ノルボーネン、1,4−ヘキサジエン等の若干のジエン
成分を有する2元または3元共重合体であるEPMおよ
び/またはEPDM、さらにこれらEPMおよび/また
はEPDMを無水マレイン酸等で変性してなるマレイン
酸変性EPMおよび/またはEPDMは好適に利用可能
である。具体的には、三井石油化学社製の三井EPT4
021等の市販品を用いることができる。未加硫ゴム組
成物を構成するゴム成分(基本的に架橋剤は除いた成
分)とマトリックス樹脂を、2軸混練押出機等で溶融混
練し、マトリックスを形成するプロピレン系樹脂中に未
加硫ゴム組成物を分散させ、この状態(混練下)で引き
続き架橋剤を添加し、未加硫ゴム組成物を混練中に、す
なわち動的に架橋させることにより、少なくとも1部が
架橋されたゴム組成物を形成することができる。
【0015】用いる架橋剤の種類や動的な架橋条件(温
度、時間)等は、添加するゴム組成物に応じて適宜決定
すればよく、特に限定はない。架橋剤としては、一般的
なゴム架橋剤を用いることができる。具体的には、イオ
ウ系架橋剤としては粉末イオウ、沈降性イオウ、高分散
性イオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ、ジモルフォ
リンジサルファイド、アルキルフェノールジサルファイ
ド等が例示され、例えば、0.5〜4phr(ゴム組成
物中のポリマー100重量部あたりの重量部)程度を用
いればよい。また、有機過酸化物系の架橋剤としては、
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキ
サイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ
(パーオキシルベンゾエート)等が例示され、例えば、
1〜15phr程度を用いればよい。さらに、フェノー
ル樹脂系の架橋剤としては、アルキルフェノール樹脂の
臭素化物や、塩化スズ、クロロプレン等のハロゲンドナ
ーとアルキルフェノール樹脂とを含有する混合架橋系等
が例示され、例えば1〜20phr程度を用いればよ
い。その他として、亜鉛華(5phr程度)、酸化マグ
ネシウム(4phr程度)、リサージ(10〜20ph
r程度)、p−キノンジオキシム、p−ジベンゾイルキ
ノンジオキシム、テトラクロロ−p−ベンゾキノン、ポ
リ−p−ジニトロソベンゼン(2〜10phr程度)、
メチレンジアニリン(0.2〜10phr程度)が例示
される。
【0016】また、必要に応じて、架橋促進剤を添加し
てもよい。架橋促進剤としては、アルデヒド・アンモニ
ア系、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド
系、チウラム系、ジチオ酸塩系、チオウレア系等の一般
的な架橋促進剤を、例えば0.5〜2phr程度用いれ
ばよい。
【0017】また、架橋促進助剤としては、一般的なゴ
ム用助剤を併せて用いることができ、例えば、亜鉛華
(5phr程度)、ステアリン酸やオレイン酸およびこ
れらのZn塩(2〜4phr程度)等を用いればよい。
【0018】ゴム組成物には、これ以外にも、老化防止
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料や染料等の着色
剤、カーボンブラックやシリカ等の補強剤が必要に応じ
て含まれていてもよい。
【0019】本発明の製造方法で得られるエラストマー
組成物は、特定のプロピレン系樹脂をマトリックスと
し、ゴム組成物が分散相(ドメイン)として分散し、か
つ、ゴム組成物の少なくとも一部が架橋された構成を有
するが、該エラストマー組成物は、マトリックス樹脂の
ポリマー分とゴム組成物のポリマー分の重量和100重
量%に対して、マトリックス樹脂のポリマー分が20〜
80重量%であり、さらに40〜60重量%であるのが
好ましい。ゴム組成物のポリマー分が20重量%未満で
あると得られたエラストマー組成物の柔軟性が不十分
で、マトリックス樹脂のポリマー分が20重量%未満で
あると得られたエラストマー組成物の流動性に劣るから
である。
【0020】本発明においてマトリックス樹脂の低分子
化を図るためには、高温下での剪断中に過酸化物を加え
て分解し、および/または、軟化剤/可塑剤を加える。
【0021】さらに本発明の熱可塑性エラストマー組成
物には、本発明の特性を損なわない範囲で、他のポリマ
ーを混合することができる。他のポリマーを混合するこ
とによって、相溶性の改善、成形加工性の改良、耐熱性
の向上、コストダウンなどを図ることが出来る。これら
の他のポリマーとしては、ポリエチレン(PE)、ポリ
プロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS、
SBS、ポリカーボネート(PC)等が挙げられる。
【0022】さらに、本発明により得られる熱可塑性エ
ラストマー組成物を発泡体として使用する場合は、炭酸
水素ナトリウム等の化学発泡剤、液状炭化水素等の低沸
点炭化水素、クロロフルオロカーボン、水素化クロロフ
ルオロカーボン、または蒸留水等の水等を発泡剤として
加えても良い。本発明の熱可塑性エラストマー組成物は
良好な流動性を有するため、均一な発泡に優れる。
【0023】本発明により得られる熱可塑性エラストマ
ー組成物は、これ以外にも、加硫促進剤、老化防止剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料や染料等の着色剤、可
塑剤、カーボンブラックやシリカ等の補強剤及び加工助
剤を必要に応じて添加・混練してもよい。
【0024】本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製
造方法は、高温剪断下でマトリックス樹脂に過酸化物を
加え、および/または、特定量の軟化剤/可塑剤を加え
ることを特徴とする。
【0025】高温剪断下に過酸化物を加える場合、マト
リックス樹脂ペレットを2軸混練押出機等に投下し、1
20〜260℃で、好ましくは180〜220℃で溶融
する。この温度範囲ではマトリクッス樹脂が十分溶融し
て過酸化物による分解・架橋が均等に行えるからであ
る。次いで第2の投入口から過酸化物を投入するし、混
練、剪断する。剪断速度は2500〜7500sec-1
であるのが好ましく、処理時間は30秒〜10分である
のが好ましい。軟化剤/可塑剤を配合する場合は、同様
にしてマトリックス樹脂を溶融させ、軟化剤/可塑剤と
マトリックス樹脂が均一になるまで混練する。さらに、
過酸化物の添加と、特定量の軟化剤/可塑剤の配合を併
用してもよい。過酸化物を添加する場合は、過酸化物の
添加前または後に、軟化剤/可塑剤を配合する。
【0026】本発明はマトリックス樹脂として、ポリプ
ロピレン成分およびプロピレン・エチレンランダム共重
合体成分を含むブロック共重合体、または該ブロック共
重合体とポリプロピレンの混合物を用いることにより、
高温剪断下に過酸化物を加えると、ポリプロピレン部分
の分解とエチレン部分の架橋が同時に進行する。このよ
うに低分子化と架橋が同時に起こることにより、流動性
を改良しつつ強度の低下を防ぐことができる。また、本
発明では上記のように特定のプロピレン系ブロック共重
合体をマトリックス樹脂として用いることにより、軟化
剤/可塑剤の大量配合が可能になり、これによっても流
動性を改善することができる。
【0027】この熱可塑性エラストマー組成物の製造に
おいて、マトリックス樹脂、およびゴム組成物の混練に
使用する機械には特に限定はないが、スクリュー押出
機、ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練押出機等が例
示される。なかでもマトリックス樹脂とゴム組成物の混
練およびゴム組成物の動的加硫を考慮すると、2軸混練
押出機を使用するのが好ましい。さらに、2種類以上の
混練機を使用し、順次混練してもよい。また、混練温度
はマトリックス樹脂が溶融する温度以上であればよいが
120〜260℃が好ましい。混練時の剪断速度は25
00〜7500sec-1であるのが好ましい。混練全体
の時間は30秒から10分で、加硫系を添加した後の加
硫時間は15秒から5分程度とするのが好ましい。
【0028】本発明において、ゴム組成物を動的に加硫
する方法としては公知の熱可塑性樹脂組成物の製造方法
が利用可能であるが、バッチ式の製造方法を用いてもよ
く、あるいは、連続的に熱可塑性樹脂を供給・溶融し、
混練しつつ移送しながら順次ゴム組成物や加硫剤等を添
加・混練してエラストマー組成物を製造する、2軸混練
押出機等を使用した連続的な製造方法を利用してもよ
い。
【0029】以下、通常行われる2軸混練機による混練
に基づいて、製造方法の一例をより具体的に例示する。
まず、2軸混練機の第1の投入口より、ペレット状に成
形したマトリックス樹脂を投入し、2軸スクリューによ
って混合して溶融・加熱する。ここに混練しながら過酸
化物を加える。さらに軟化剤/可塑剤を加えてもよい。
【0030】一方、ゴム組成物はバンバリミキサー等の
ゴム用混練機を用い、ゴム成分に必要に応じて補強剤、
老化防止剤、加工助剤等を添加して混練した後、加硫系
を含まない、いわゆるマスターバッチとして、ゴム用ロ
ール等で厚さ2〜2.5mmのシート状に成形し、さら
に、このシートをゴム用ペレタイザーでペレット化して
調製しておく。前述のように、マトリックス樹脂を2軸
混練機で溶融・加熱し、剪断下で過酸化物と反応させた
後、あらかじめペレット化した未加硫ゴム組成物を2軸
混練機の第2の投入口より投入し、マトリックス樹脂中
に未加硫ゴム組成物を分散させる。なお、ゴム組成物の
添加時には、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ワック
スのような加工助剤を併用してもよい。この場合には、
ゴム組成物とステアリン酸等とをバンバリミキサー等に
よって混合した後、前述のようにペレット状にして2軸
混練機成分に投入すればよい。
【0031】この後、2軸混練機の第3の投入口より加
硫剤あるいはさらに加硫助剤を投入し、混練下に、マト
リックス樹脂存在下でゴム組成物を加硫(動的に加硫)
させる。加硫をこのようにして行うことにより、ゴム組
成物をマトリックス樹脂に十分に分散した状態で、しか
もゴム組成物が十分に微細な状態のまま加硫を行い、連
続相(マトリックス)をなすマトリックス樹脂中に、分
散相(ドメイン)として少なくとも一部が加硫されたゴ
ム組成物が安定に分散してなる本発明の熱可塑性エラス
トマー組成物を好適に製造することができ、得られた熱
可塑性エラストマー組成物(成形品)の溶融流動性、ゴ
ム弾性等の点で好ましい結果を得ることができる。
【0032】本発明により得られる熱可塑性エラストマ
ー組成物は、2軸混練押出機でストランド状に押し出
し、樹脂用ペレタイザーでペレット化する。本発明によ
り得られる熱可塑性エラストマー組成物は流動性に優れ
るため、このペレットを溶融押出機構を有する押出機ま
たは簡易型押出機などの簡易な装置を使用して成形する
ことが可能である。
【0033】このように得られた熱可塑性エラストマー
組成物のなかでも、硬度がJIS−Aで40〜70で、
230℃で2.16kgfの荷重下のMI値が5〜15
0(g/10分)のものが好ましい。この範囲の物性を
有するものが流動性、加工性のバランスが好ましいから
である。特に好ましくは、硬度がJIS−Aで40〜6
0、230℃で2.16kgfの荷重下のMI値が10
〜70(g/10分)である熱可塑性エラストマー組成
物が好ましい。
【0034】本発明の熱可塑性エラストマー組成物はマ
トリックス樹脂として特定のプロピレン系ブロック共重
合樹脂を用いることにより、過酸化物の添加により強度
を低下させることなく流動性を改善することができ、ま
た、可塑剤/軟化剤を大量に配合することができるの
で、流動性が改良し、その結果良好な成形加工性を有す
ることができる。このため、本発明の熱可塑性エラスト
マー組成物を用いて種々のパッキング材を提供すること
ができる。ここで主たる用途の例としてはランプ(例え
ば自動車用)、家電製品、複層ガラス用シール材等が挙
げられる。
【0035】本発明のパッキング材について、ランプ構
造部材として使用した例を挙げて説明する。図1に、ラ
ンプ構造体の一例の概略断面図が示される。図1に示さ
れる本発明のパッキング材を用いたランプ構造体1は、
基本的に、ランプの光源2と、ハウジング(リフレク
タ)3と、レンズ4と、成形パッキング6とが、ランプ
構造体1の取付対象部材、例えば自動車のボディ9等と
一体的に組み立てられて構成される。
【0036】図示例においては、ハウジング3は平面部
が開放する中空半球状の形状(すなわち略スリバチ状の
内面形状)を有し、その底部分に光源2が公知の手段で
保持される。ハウジング3の内表面は反射鏡となってお
り、光源2の光を開放口側(前方)に反射する。ハウジ
ング3の開放口周辺には外方向に突出するフランジ部7
が形成され、このフランジ部7の前方側面には全周に渡
って溝部8が形成される。
【0037】一方、レンズ4は、光源2およびハウジン
グ3からの光を集光すると共に、ハウジング3の開放面
を閉塞するもので、図示例においては、フランジ部7と
ほぼ同径の開放端を有する蓋状の形状を有し、開放側の
周端面には全周に渡って凸部5が形成される。つまり、
図示例のランプ構造体においては、この溝部8にホット
メルト系接着剤等を充填して、レンズ4の凸部5をここ
に挿入することにより、レンズ4がハウジング3に固定
される。
【0038】フランジ部7の後方側面には、パッキング
材6が当接して配置され、必要に応じて粘着あるいは接
着されている。このランプ構造体1は、このパッキング
材6を自動車等のボディ9等の取付対象部材の接合部分
に当接・密着して、図示しないビスやボルトとナット等
によって固定されることにより、ボディ9の所定位置に
固定される。すなわち、パッキング材6は、自動車のボ
ディ9等の取付対象部材の所定位置に当接・密着してボ
ディ9とランプ構造体1との間を密に保持すると共に、
ビスやボルトとナット等によってランプ構造体1をボデ
ィ9に固定した際の力や、ランプ構造体使用中の温度変
化や自動車走行時の振動等により発生する力等を吸収
し、ハウジング3やボディ9の歪や損傷を防止するため
の接合部材である。
【0039】パッキング材6は、このランプ構造体1の
特徴的な部材であって、本発明の熱可塑性エラストマー
組成物を簡易押出機等を用いて成形加工することにより
得ることができ、加工に高価な設備を要さない。しか
し、射出成形等、従来使用されてきたホットメルト材料
の成形に通常使用される方法でも成形加工が可能である
ことはいうまでもない。また、本発明の製造方法により
得られる熱可塑性エラストマー組成物をあらかじめ成形
加工せず溶融した状態で、ポリプロピレン基材などに直
接塗布することにより、パッキング材としてもよく、こ
のときポリプロピレン基材等にはあらかじめプライマー
が塗布されていても、いなくてもいずれであってもよ
い。本発明の熱可塑性エラストマー組成物が良好な流動
性を有するため、このような方法も可能となる。また、
本発明のエラストマー組成物に発泡剤を添加した組成物
を発泡させた発泡体もパッキング材6として用いること
ができる。
【0040】本発明のエラストマー組成物は流動性が非
常に高く、現状の大型射出成形機以外に、低圧加工機、
例えば簡易単軸押出成形機での加工が可能となり、パッ
キング材等の加工コストが大幅に低減できる。
【0041】以上、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物、その製造方法、およびパッキング材について詳細に
説明したが、本発明は上記構成に限定されず、本発明の
要旨を逸脱しない範囲において各種の改良および変更を
行ってもよいのはもちろんである。
【0042】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明の製造方法、熱
可塑性エラストマー組成物およびパッキング材について
さらに詳細に説明する。本発明はその趣旨を逸脱しない
限り、これら実施例により、何ら限定されるものではな
い。 (実施例1)200℃条件下、2軸混練機により、マト
リックス樹脂:PER100重量部に対し30重量部の
軟化剤をあらかじめ加え、組成1の樹脂組成物を作製し
た。その後、2軸混練機にて、未加硫ゴム組成物と臭素
化フェノール樹脂を加えて動的加硫し、目的の熱可塑性
エラストマー組成物を得た。得られた組成物の初期物
性、パッキング材としての特性評価結果を表3に示す。 (実施例2)200℃条件下、2軸混練機により、マト
リックス樹脂:PER100重量部に対し有機過酸化物
を2重量部加え、あらかじめ分解/架橋を行い、組成2
の樹脂組成物2を作製した。その後、2軸混練機にて、
未加硫ゴム組成物と臭素化フェノール樹脂を加えて動的
加硫し、目的の熱可塑性エラストマー組成物を得た。得
られた組成物の初期物性、パッキング材としての特性評
価結果を表3に示す。 (実施例3)マトリックス樹脂/ゴムのポリマー比率を
30/70とした以外は、実施例1と同様の方法で目的
の熱可塑性エラストマー組成物を得た。得られた組成物
の初期物性、パッキング材としての特性評価結果を表3
に示す。 (実施例4)マトリックス樹脂/ゴムのポリマー比率を
70/30とした以外は実施例1と同様の方法で、目的
の熱可塑性エラストマー組成物を得た。得られた組成物
の初期物性、パッキング材としての特性評価結果を表3
に示す。 (実施例5)200℃条件下、2軸混練機によりマトリ
ックス樹脂:PER100重量部に対し、軟化剤30重
量部と有機過酸化物2重量部を加え、組成3の樹脂組成
物を作製した。その後、2軸混練機にて、未加硫ゴム組
成物を臭素化フェノール樹脂を加えて動的加硫し、目的
の熱可塑性エラストマー組成物を得た。得られた組成物
の初期物性、パッキング材としての特性評価結果を表3
に示す。 (実施例6)200℃条件下、2軸混練機によりマトリ
ックス樹脂PER/PP=90/10 計100重量部
に対し、軟化剤10重量部と有機過酸化物2重量部を加
え、組成4の樹脂組成物を作製した。その後2軸混練機
にて未加硫ゴム組成物と臭素化フェノール樹脂を加えて
動的加硫し、目的の熱可塑性エラストマー組成物を得
た。得られた組成物の初期物性、パッキング材としての
特性評価結果を表3に示す。 (比較1および比較2)表1における比較1に無処理の
PERの初期物性を示す。比較2にはマトリックス樹脂
PER100重量部に100重量部の軟化剤を2軸混練
機で加えた例を示す。比較2の樹脂組成物は製造不可能
であった。 (比較例1)マトリックス樹脂を無処理のPPとし、そ
れ以外は実施例1と同様の方法で目的の熱可塑性エラス
トマー組成物を得た。得られた組成物の初期物性、パッ
キング材としての特性評価結果を表3に示す。得られた
組成物は固く、また流動性がないため、パッキング材と
しては使用不可能であった。 (比較例2)マトリックス樹脂を無処理のPERとし、
それ以外は実施例1と同様の方法で目的の熱可塑性エラ
ストマー組成物を得た。得られた組成物の初期物性、パ
ッキング材としての特性評価結果を表3に示す。得られ
た組成物は柔軟性はあるが、流動性がないため、パッキ
ング材としては使用不可能であった。 (比較例3)マトリックス樹脂/ゴムのポリマー比率を
90/10とし、実施例4よりマトリックス樹脂比率を
上げ、それ以外は実施例4と同様の方法で目的の熱可塑
性エラストマー組成物を得た。得られた組成物の初期物
性、パッキング材としての特性評価結果を表3に示す。
得られた組成物は、流動性はあるが、硬く、パッキング
材としては使用不可能であった。 (比較例4)マトリックス樹脂/ゴムのポリマー比率を
10/90とし、実施例3よりゴムポリマー比率を上
げ、それ以外は実施例3と同様の方法で熱可塑性エラス
トマー組成物を得ようとしたが、ゴム分が多過ぎ混練自
体が不可能であった。
【0043】熱可塑性エラストマー組成物の製造 まず、マトリックス樹脂を2軸混練押出機で溶融・混練
し、必要に応じて過酸化物処理、および/または軟化剤
を添加をして、ペレットを形成した。次いで、未加硫ゴ
ム組成物を構成する各配合剤のうち、架橋剤以外の成分
を、密閉式のゴム用バンバリミキサーに投入して混練
し、次いで、ゴム用ロールを用いて厚さ2.5mmのゴム
シート状に成形して、マスターバッチを作製した。この
マスターバッチのシートをゴム用ペレタイザーでペレッ
ト化し、ゴム組成物のペレットを作製した。上述のとお
りあらかじめ流動性を改良処理を施したマトリックス樹
脂を、2軸混練押出機の第1の投入口に投入して、20
0℃で溶解して、200rpmで剪断、混練し、次にゴ
ム組成物のペレットを第2の投入口から投入した。その
後第3の投入口から加硫系を添加して、混練することに
よって、マトリックス樹脂中にドメインとして分散され
るゴム組成物を動的に加硫した。得られた各熱可塑性エ
ラストマー組成物は、2軸混練押出機により、吐出速度
20kg/hでストランド状に押し出し、樹脂用ペレタ
イザーでペレット化した。
【0044】ランプ構造体の製造 さらに簡易押出機により各熱可塑性エラストマー組成物
からなるパッキング材を成形し、図1に示すような自動
車用ランプ構造体を作成した;まず、この構造体本体
(ハウジング3、レンズ4およびランプ2の組立体)と
ランプ構造体1とをあらかじめ所定位置に位置決めし、
両者の間に1カ所の注入口を有する成形用型を配置し
た。次いで前述のように作製した熱可塑性エラストマー
組成物のペレットを樹脂用小型押出機に充填し、前述の
注入口から成形用型内に注入した。熱可塑性エラストマ
ー組成物が十分に冷却した後、成形用型を取り外し、図
1に示すようなランプ構造体を得た。
【0045】処理後マトリックス樹脂の物性、エラスト
マー組成物の初期物性およびパッキング材の評価を以下
のとおり行った。硬度 :JIS−A硬度計を使用して25℃で測定した。MI(M.F.R.) :230℃で2.16kgfの荷
重下で測定した。混練可否 :作業工程上、混練が不可能で中断した場合を
×と評価した。締結性 :接触面積あたりの応力が3kg/cm2 となる
ように所定の治具を用いて、パッキング材を間にはさん
で構造体本体と取付対象体を圧着した際、構造体本体と
取付部材との平均距離が、パッキング材の初期の厚さの
80%を超える場合を×と評価した。成形性 :テストモールド(20mm×50mm×3mm
の空隙を有し、その外壁に2mm直径の穴を開けた金
型)をランプハウジングに装着し、所定の吐出機にてポ
リプロピレン製ランプハウジングに設けられた溝に溶融
した熱可塑性エラストマー組成物を30kg/cm2
圧で充填し、完全に充填が行えた場合を○、それ以外を
×とした。ただし、完全に充填が行えたものでも、30
分後にハウジングを逆さにし、落下した場合は×と評価
した。
【0046】以下の表中の数値は、特に記載のない場合
は重量部を表す。
【0047】
【0048】表1中の記載は以下のとおりである。 PER:M352E((株)トクヤマ社製) PP:MH493((株)トクヤマ社製) 軟化剤:サンバ−2280(パラフィン系オイル、日本
サン石油(株)製) 過酸化物:パ−カドックス14/40(化薬アケゾ
(株)製)
【0049】
【表1】
【0050】表2の記載は以下のとおりである。 PP:MH493((株)トクヤマ社製) PER:M352E((株)トクヤマ社製) EPDM:三井EPT4021(三井石油化学(株)
製) カ−ボン:FEF級カ−ボン 亜鉛華:銀嶺亜鉛華R(東邦亜鉛製) ステアリン酸:ビ−ズステアリン酸(日本油脂(株)
製) オイル:ダイアナプロセスオイルAH−58(アロマ系
オイル、出光興産(株)製) 臭素化フェノ−ル樹脂:タッキロ−ル250(田岡化学
工業(株)製)
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】本発明により材料の流動性が非常に高
く、現在使用されている大型射出成形機に加えて、低圧
加工機、例えば簡易単軸押出成形機での加工が可能とな
り、パッキング材等の加工コストを大幅に低下すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のパッキング材を使用したランプ構造
体の一例の概略断面図である。
【符号の説明】
1 ランプ構造体 2 ランプの光源 3 ハウジング(リフレクタ) 4 レンズ 5 凸部 6 パッキング材 7 フランジ部 8 溝部 9 自動車のボディ等

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン成分およびプロピレン・エ
    チレンランダム共重合体成分を含むブロック共重合体、
    および/または、該ブロック共重合体とポリプロピレン
    からなるJIS A硬度が95以下の混合物であるマト
    リックス樹脂100重量部に対し、120〜260℃の
    温度下で、剪断中に過酸化物を1 〜10重量部加え、お
    よび/または、軟化剤/可塑剤を5〜40重量部加え、
    次いでマトリックス樹脂組成物ポリマー分/ゴム組成物
    ポリマー分が20/80〜80/20(重量比)になる
    ように未加硫ゴム組成物を加え動的加硫する、少なくと
    も1部が架橋した加硫ゴム組成物が分散した熱可塑性エ
    ラストマー樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】MIが5〜150(g/10分)で、JI
    S−A硬度が40〜70である請求項1に記載の方法に
    より製造される熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の熱可塑性エラストマー組
    成物からなるパッキング材。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のパッキング材を使用した
    ランプ構造部材。
JP10019097A 1997-04-17 1997-04-17 流動性を改良した熱可塑性エラストマー組成物とその製造方法 Withdrawn JPH10292067A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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