JPH08143340A - 複層ガラスおよびその製造方法 - Google Patents

複層ガラスおよびその製造方法

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JPH08143340A
JPH08143340A JP6288237A JP28823794A JPH08143340A JP H08143340 A JPH08143340 A JP H08143340A JP 6288237 A JP6288237 A JP 6288237A JP 28823794 A JP28823794 A JP 28823794A JP H08143340 A JPH08143340 A JP H08143340A
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film
glass
resin material
spacer
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Application number
JP6288237A
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English (en)
Inventor
Yoshitaka Matsuyama
祥孝 松山
Nobuyuki Tanaka
信幸 田中
Yasuhiro Shibuya
泰宏 渋谷
Masaki Tsujino
雅紀 辻野
Noriyuki Yoshihara
紀幸 吉原
Hiroyuki Watanabe
広行 渡辺
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】新規な複層ガラスおよびその安価かつ簡便な製
造方法の提供。 【構成】スペーサ1cと2枚の対向ガラス板1a、1b
から構成され、スペーサ1cが中空層1d側から吸湿材
料を含有する熱可塑性樹脂材料からなる内側層2、フィ
ルムからなる中間層4および熱可塑性樹脂材料からなる
外側層3を積層した構造を有する複層ガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複層ガラスおよびその製
造方法に関し、詳しくは特定な積層体をスペーサ等とし
て用いた複層ガラスおよびその安価かつ簡便な製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】複層ガラスは、最低2枚のガラス板をス
ペーサを介して対向させ、そのガラス板とスペーサをブ
チル系シーラントにて密着させて中空層と外気を遮断し
た後、対向しているガラス板の内面とスペーサ外周とで
構成された空隙をポリスルフィド系もしくはシリコン系
で代表される常温硬化型シーリング材で封着する方法で
製造されている。通常、スペーサはアルミニウム製の中
空状であり、予めガラス板の大きさに合わせて切断さ
れ、その中空部に乾燥材を充填した後、各端部をコーナ
ーキーにより接続して枠体に組み立てたもの、あるいは
中空部に乾燥材を充填した後、各コーナー部で曲げ加工
し、端部を接続キーで継ぎ合わせて枠体に組み立てたも
のを用いている。
【0003】また、複層ガラスは、乾燥材を含有する紐
状の可撓性ブチルゴム製スペーサをガラス板に貼り付
け、ガラス板をペアリングした後、対向しているガラス
板の内面とスペーサ外周とで構成された空隙をポリスル
フィド系またはシリコン系で代表される常温硬化型シー
リング材で封着する方法、あるいは特公昭63−505
08号公報開示の剛性のあるスペーサが埋設された乾燥
材を含有するシーラント材をガラス板に貼付し、ガラス
板をペアリングする方法でも製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の複層ガラスの製
造工程では、ペアリング工程とは別にスペーサの切断、
乾燥材充填、スペーサ組立てといった繁雑な工程が多
く、多くの人手を要する。また、封着材のシーリング工
程においては、封着材が常温硬化型であることより、ラ
インおよびシール装置を未硬化のシーリング材で汚し、
製品の歩留まりを低下させている。さらには、封着材が
硬化するまで出荷できず、広大な養生場所を要する。ま
た、スペーサにアルミニウムを用いる場合が多いが、ア
ルミニウム製スペーサとガラス板が接している部分が熱
伝導点となり、複層ガラスの断熱性を低下させるといっ
た問題もある。
【0005】また、乾燥材を含有する可撓性の紐状のブ
チルゴム製のスペーサを用いた複層ガラスにおいては、
プレス工程でのプレス圧力のばらつきが製品の厚みのば
らつきとなる問題がある。そのうえ、このスペーサには
乾燥材が含有されてはいるが、ペアリングにより密封さ
れた空気層内の水分が吸着され難く、露点が降下し難い
問題もある。
【0006】特公昭63−50508号公報開示の剛性
のあるスペーサが埋設された乾燥材を含有するシーラン
ト材をガラス板に貼付し、ガラス板をペアリングする方
法では、シーラント材が1種類に限定されることから、
例えば、イソブチレン系シーラント材を用いるとガラス
板とシーラント材は粘着しているだけで、接着していな
いために外力や熱によりガラス板ずれが発生する。ポリ
スルフィド系またはシリコン系で代表される常温硬化型
シーラント材を用いるた場合には、これらのシーラント
材は水分透過性が高く、複層ガラスの空気層内面結露が
早期に発生するといった問題が生ずる。
【0007】したがって本発明の目的は、複層ガラスの
製造における従来技術の問題を解決し、断熱性、結露防
止性等の各種特性に優れた複層ガラス板を安価にかつ簡
便に提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。すなわち、少なくとも2枚のガラ
ス板を中空層が形成されるようにその周縁部にスペーサ
を介して所定の間隔で対向させてなる複層ガラスであっ
て、前記スペーサは、中空層側から吸湿材料を含有する
熱可塑性樹脂材料からなる内側層、フィルムからなる中
間層および熱可塑性樹脂材料からなる外側層をこの順に
積層した構造を有するものであることを特徴とする複層
ガラス、およびその製造方法である。
【0009】
【作用】本発明によれば、スペーサ貼り付け工程、ガラ
ス板のプレス工程等が省略でき、大幅な設備の低減、作
業スペースの縮小、作業の省人化、作業時間の短縮が可
能となり、低コスト化も可能となる。また、外側層形成
用材料として安価な熱可塑性樹脂材料の使用により低コ
スト化が図れる。
【0010】さらに、このような熱可塑性樹脂材料の熱
溶融性から、単に熱を加えるだけで容易に材料を押出成
形グレードとすることができ、押出成形後の材料の冷却
固化時間が短いので、単に放置、放熱によって、すぐに
材料が固化する。これにより、複層ガラス製造工程で養
生時間が不要となり、養生スペースが不要となり、短期
納入に対応可能で、さらにハンドリングが容易になる。
また、従来のアルミニウムスペーサの代わりに熱可塑性
樹脂材料をスペーサの主成分とすることで、断熱性能を
向上できる。
【0011】
【実施例】以下に本発明の一実施例を示す図面にしたが
って本発明をさらに詳細に説明する。
【0012】図1は本発明による複層ガラスの構成断面
図であり、複層ガラス1は所定の間隔で対向して保持さ
れた少なくとも2枚のガラス板1a、1bの対向面側の
周縁部に、吸湿材料を混入した熱可塑性樹脂材料からな
る内側層2を配し、熱可塑性樹脂材料からなる外側層3
を配し、その中間にフィルムからなる中間層4を配した
積層構造を有するスペーサ1cを介して、中空層1dが
形成されるように、ガラス板(1a、1b)は所定の間
隔に保たれるとともに、周縁部は封着(シール)されて
いる。ここで、内側層とはスペーサと対向ガラス板面と
から構成される空気等の気体が封じ込められた中空層側
を指す。
【0013】上記スペーサは、複層ガラスの対向するガ
ラス板間を所定の間隔に保つ機能、気体を封じ込め、周
縁部を封着するシール機能および耐透湿機能等をそれぞ
れ有する各層からなる積層体である。この積層体を構成
する各層の機能あるいは要求特性は以下の通りである。
【0014】吸湿材を含有した熱可塑性樹脂材料からな
る内側層2に要求される特性は、ガラス板1aと1bの
対向面と内側層2とによって構成されている中空層の水
分を吸収し、かつ外側層3および中間層4もしくはガラ
ス板1a、1bと中間層4との界面を通過して侵入して
きた水分を吸収し、水分が中空層内へ浸透するのを遮蔽
する性能を有し、かつガラス板との粘着性を有し、使用
環境の変化による複層ガラスの中空層の体積変化に追随
できることである。
【0015】したがって、内側層を形成する熱可塑性樹
脂材料(以下では単に樹脂材料と称する)としては、高
吸湿性、低水分透過性を有し、適正な硬度と伸度を持つ
可撓性重合体が単独で、あるいはこのような重合体に充
填剤、補強剤、可塑剤あるいはプロセス油等の配合剤添
加した重合体コンパウンドとして用いられる。
【0016】内側層形成用樹脂材料に要求される水分透
過性は0.1g・cm/m2 /日以下が好ましく、特に
0.01g・cm/m2 /日以下であることが好まし
い。0.1g・cm/m2 /日を超える水分透過性で
は、中間フィルム層4もしくはガラス板1a、1bと中
間層4の界面を通過して侵入してきた水分を遮蔽しきれ
ず、複層ガラスの中空層内面結露の早期発生を引き起こ
す。
【0017】内側層が気体の体積変化に追随できるため
には、内側層の硬度はショアA硬度で通常25〜85度
の範囲、好ましくは35〜70度の範囲であり、かつ、
外側層の硬度より低い硬度であることが特に好ましい。
また、内側層の伸度は50%以上が好ましく、伸度が1
00%以上であり、かつ外側層用重合体材料の伸度より
高い伸度であることが特に好ましい。これらの特性が上
記条件から外れた場合には、中空層の体積変化に追随し
難く、内側層2の破断が発生しやすくなり、複層ガラス
の耐久性能が低下する傾向がある。
【0018】これらの特性を有する内側層2形成用の樹
脂材料としては、上記特性を満足する可撓性の熱可塑性
樹脂材料であれば基本的に使用でき、なかでもイソブチ
レンやイソブチレンを主体とするブチルゴム、臭素化ブ
チルゴム等のブチル系ゴム等が特に適する。
【0019】吸湿材としては、例えばゼオライト、アル
ミナ、シリカゲル等の、通常複層ガラスに用いられるも
のが用いられる。
【0020】外側層3に要求される特性としては、対向
するガラス板間隔を一定に保つスペーサ機能を有し、か
つガラス板との接着性を有し、使用環境の変化による複
層ガラスの中空層の体積変化に追随できることを要す
る。この層を形成する熱可塑性樹脂材料としては適正な
硬度、強度と伸度を持つ可撓性重合体が単独で、あるい
はこのような重合体に充填剤、補強剤、可塑剤あるいは
プロセス油等の配合剤を添加した重合体コンパウンドと
して用いられる。
【0021】外側層の硬度は、ショアA硬度で通常25
〜85度の範囲であり、好ましくは35〜70度の範囲
である。硬度が25度未満では、中空層内の温度が高く
なった場合、気体の膨脹によりガラス板間の距離が広が
ろうとするとき、外側層は気体の膨脹に追従して伸びる
ため、ガラス板間距離は大きくなる。また、ガラス板外
面に圧力がかかったとき、外側層は圧縮され、ガラス板
間距離は小さくなり、スペーサとしての機能を有しなく
なる。一方、硬度が85度を超えると、中空層内温度が
高くなった場合、気体の膨脹によりガラス板間の距離が
広がろうとするとき、外側層は気体の膨脹に追従せず、
伸びないためにガラス板に対する応力が過大となる。
【0022】外側層の引張強度と伸度は、引張強度が5
0kg/cm2 以上、伸度が50%以上が好ましく、さ
らには引張強度が100kg/cm2 以上、伸度が10
0%以上であることが特に好ましい。これらの特性が上
記値より低い場合には、外側層は中空層の体積変化に追
随し難く、破断が発生しやすくなる。
【0023】これらの特性を有する外側層3用の樹脂材
料としては、上記特性を満足する熱可塑性樹脂材料であ
れば基本的に使用でき、なかでも塩化ビニル樹脂や塩化
ビニルを主体とする共重合樹脂等の塩化ビニル系樹脂が
好適に用いられる。塩化ビニル系樹脂は、通常可塑剤等
で可塑化された軟質塩化ビニル系樹脂コンパウンドとし
て使用される。
【0024】本発明で使用される上記の熱可塑性樹脂材
料は、反応性硬化樹脂のように反応硬化させる必要がな
く、したがって反応硬化のためのいわゆる養生時間が不
要である。また、成形時には軟化溶融するが、成形後短
時間で冷却固化するので、成形後のハンドリングが容易
であり、また、短時間で出荷できるという利点がある。
なかでも、特に塩化ビニル樹脂は安価で耐候性も良く、
さらに成形後に短時間で冷却固化した後は表面のタック
もないので好適に用いられる。
【0025】次に、ガラス板と内側層および外側層用の
樹脂材料の接着強度は、1kg/cm2 以上が好まし
く、さらには10kg/cm2 以上であることが耐久性
能を向上させるうえから特に好ましい。一般に、樹脂材
料が熱可塑性重合体では、ガラス板との接着力は低い場
合が多いが、ガラス板と熱可塑性重合体の間にプライマ
ーや接着剤を用いることにより、接着強度を十分に高め
うるので問題はない。
【0026】中間層4に用いられるフィルムに要求され
る性能としては、外部環境からの水分の侵入を防止する
機能を有し、かつ対向するガラス板間隔を一定に保つ間
隔保持機能を有することを要し、このようなフィルムと
しては低い透湿性能と好適な剛性を有するフィルムが好
ましい。水分透過性は0.01g・cm/m2 /日以下
が好ましく、0.005g・cm/m2 /日以下が特に
好ましい。フィルムの水分透過性が0.01g・cm/
2 /日を超えると、内側層2と同等の性能となりフィ
ルム中間層を用いる意味がない。
【0027】また、フィルムの厚みとしては10〜30
0μmの範囲が好ましく、特に40〜200μmが好ま
しい。フィルムの厚みが10μm未満ではフィルムにピ
ンホール等の欠陥が生じやすく、水分遮蔽性に悪影響を
もたらし、フィルムの厚みが300μmを超えると、フ
ィルムの剛性が高くなりすぎ、フィルムの屈曲性が低下
しがちとなり、複層ガラスのエッジ、コーナー部でのフ
ィルム曲げ曲率に制限が生じてくる。
【0028】フィルムの材質としては、水分透過性がほ
とんど0g・cm/m2 /日である金属フィルム、特に
加工性、挿入成形性、耐久性、価格等より、アルミニウ
ム、ステンレス、クロム、ニッケルまたは銅のフィルム
が好ましく、樹脂フィルムとしては、水分透過性の低い
塩化ビニリデンやPET等からなるフィルムが好ましい
が、これに限定されない。また、樹脂フィルム上に金属
層をコーティングにより形成された積層フィルムも使用
できる。
【0029】本発明の複層ガラスは、以上に説明したス
ペーサの各層を形成する材料を、所定の間隔で保持され
た少なくとも2枚以上のガラス板の対向面の周縁空間に
押出機を用いて押出すことによって製造される。
【0030】本発明の積層ガラス板の製造方法の特徴
は、スペーサの各層を形成する材料を対向するガラス板
間の周縁の空間にダイ先端から同時に押出して積層する
か、ダイ先端内で予め各材料を一体化(積層)してから
押出す点である。
【0031】具体的には、複数枚のガラス板を所定の間
隔で保持し、その対向するガラス板間で構成される空間
にダイ先端部を配し、内側層および外側層形成樹脂材料
をダイ先端部の各々の材料の吐出口から、そして中間層
であるフィルムをダイ先端の内側層用と外側層用の材料
の吐出口の間に設けたスリットより、対向するガラス板
の内面周縁部に沿って同時に押出成形するか、またはダ
イ内部で内側層形成材料と中間層であるフィルムおよび
外側層形成材料とを合流させ、ダイ先端部の吐出口より
対向するガラス板の内面周縁部に沿って一体で同時に押
出成形する。
【0032】図2は、本発明方法において、ダイを固定
し、ガラス板をダイに沿って移動させる成形方法に関す
る成形装置の全体図であり、本発明方法で用いる成形装
置の構成例を示す。
【0033】この成形装置は、主として内側層2と中間
層4と外側層3とを同時に一体で成形するダイ5、内側
層2用樹脂材料を供給する押出装置6、外側層3用樹脂
材料を供給する押出装置7、中間層4用フィルムの供給
装置8、複数枚のガラス板を駆動させるガラス板駆動装
置9a、9b、複数枚のガラス板間に乾燥空気やいわゆ
る断熱ガス等の気体を乾燥状態で供給する装置13から
構成されている。
【0034】図3は上記成形装置のダイ先端部の拡大図
であり、内側層2用樹脂材料の吐出口10より内側層2
用樹脂材料を、外側層3用樹脂材料の吐出口11より外
側層3用樹脂材料を、吐出口10と11との間に設けら
れた中間層4フィルム用スリット12より中間層4用フ
ィルムを、対向するガラス板1a、1bの内面周縁部2
0に沿って同時に一体で押出成形している状態を示す。
また、乾燥気体吹込口14より、対向するガラス板1
a、1bの対向面間に乾燥空気等の気体またはいわゆる
断熱ガスを乾燥状態で吹き込んでいる状態を示す。
【0035】本発明において、対向するガラス板間の周
縁空間部にスペーサを成形する方法としては、例えば、
(1)ガラス板を固定してダイを移動させる方法、
(2)図2のガラス板を固定してダイを移動させる方法
等が挙げられ、これらの方法で複数枚のガラス板を所定
の間隔で保持する方法が相違する。
【0036】本発明で用いられる複数枚のガラス板を所
定の間隔で保持する方法としては、(1)の場合では、
例えば、ガラス板間に所定の厚みの別部材を少なくとも
1つ、好ましくはガラス板各辺に1つ以上挟み、もしく
は固定することで、対向するガラス板間を所定の間隔で
保持し、成形に合わせて別部材を除去していく方法や、
所定の間隔を持って対向するガラス板保持具にガラス板
を保持させることで所定の間隔を保持する方法が好まし
く挙げられるが、これに限定されない。
【0037】(2)の場合では、例えば、図4に示すよ
うに、対向させたガラス板保持具15a、15bをガラ
ス板間隔保持用アーム16で連結し、このガラス板保持
具15a、15bにガラス板1a、1bを保持させるこ
とで所定の間隔を保持し、一方のガラス板保持具15a
をガラス板駆動装置9aと連結することでガラス板を移
動させる方法や、図2に示すように、所定の間隔を保持
したガラス板駆動装置9a、9bにガラス板を保持させ
ることで所定の間隔を保持し、ガラス板駆動装置9a、
9bを同調動作させることで複数枚のガラス板に同じ挙
動をさせながらガラス板を移動させる方法が好ましく挙
げられるが、これに限定されない。
【0038】上記(1)の方法を用いる場合には、ガラ
ス板特に周縁部を精度よく移動させるとともにガラス板
の移動速度に合わせて各材料の押出量を精密に制御する
ことによって、また、上記の(2)の方法を用いる場合
には、ダイをガラス板周縁部に沿って精度よく移動させ
るとともに、各材料の押出量を精密に制御することによ
って、各材料およびフィルムを均一に成形積層できる。
本発明においてはこれらの制御の方法は特に限定されな
い。
【0039】本発明においては、上記のように成形と同
時に対向するガラス板間の中空層に乾燥空気や断熱ガス
等の乾燥気体を吹き込むことができる。
【0040】乾燥気体の吹き込み方法としては、乾燥ガ
ス供給装置13より供給ホース等を通して成形ダイ5先
端に配した乾燥ガス吹込口14より所定の流量の乾燥気
体をガラス板間に吹き込みながら一体成形する方法が挙
げられる。このようにすることによって、ガラス板間の
空気を乾燥気体で置換し、複層ガラスに封じ込められた
気体中の湿分を低減でき、結露が防止される。乾燥気体
として乾燥状態の空気よりも熱伝導率の低いガス、いわ
ゆる断熱ガスを使用することにより複層ガラスの断熱性
を高めうる。断熱ガスとしては、アルゴンガス、クリプ
トンガス、六フッ化硫黄ガス等が好適であるが、これに
限定されない。
【0041】本発明で用いられるガラス板材料として
は、通常の無機ガラス板以外にも例えばポリカーボネー
トやアクリル樹脂のような透明材料あるいはこれらに表
面処理をしたいわゆる有機ガラス板も使用できる。さら
にガラス板の周縁部にいわゆる暗色セラミックカラーと
呼ばれる隠蔽用のコーティングや熱線反射機能等の各種
機能コーティングが施されているガラス板材料等を使用
できる。
【0042】以下に具体例を挙げてさらに詳しく説明す
る。厚さ3mmの2枚のガラス板1a、1bを6mmの
間隔でガラス板保持具15a、15bを介して対向させ
てロボットに保持させ、内側層2と外側層3と中間層4
とを同時に一体で成形するダイ5を2枚のガラス板1
a、1bの間に挿入した。
【0043】このガラス板1a、1bをダイ5に沿っ
て、4m/minの速度で同調移動させながら、水分透
過性0.01g・cm/m2 /日、ショアA硬度35
度、伸度300%であるブチルゴムを内側層2形成用樹
脂材料としてダイ吐出口10より、ショアA硬度40
度、伸度200%、引張強度100kg/cm2 の軟質
ポリ塩化ビニル樹脂を外側層3形成用樹脂材料としてダ
イ吐出口11より、厚さ40μm、幅6mmのリボン状
アルミニウムを中間層としてスリット12より、2枚の
対向ガラス板の内面で構成された空隙に同時に一体で成
形するとともに、乾燥気体吹込口14より乾燥空気を吹
き込みながら、対向ガラス板間の周辺部を封着すること
で、6mmの中空層を有する複層ガラスを得た。
【0044】本発明方法によって製造された複層ガラス
をJIS R3209に規定された複層ガラスの耐久性
試験にて評価したところ、露点は−60℃以下であり良
好な結果を得た。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、一定間隔に保持した少
なくとも2枚のガラス板の対向面周辺部に、吸湿剤含有
樹脂材料からなる内側層(複層ガラスの中空層側)と中
間フィルム層と熱可塑性かつ可撓性の樹脂材料からなる
外側層とを同時に一体で成形積層して複層ガラスを製造
することにより、従来の工程からスペーサの組立て工
程、乾燥材充填工程、スペーサ貼り付け工程、ガラス板
のプレス工程等が省略でき、大幅な設備の低減、作業ス
ペースの縮小、作業の省人化、作業時間の短縮が可能と
なり、複層ガラスが低コストで提供されるという顕著な
効果が奏される。
【0046】また、外側層形成用樹脂材料として安価な
軟質ポリ塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂を用いること
により低コスト化が図れる。さらに、このような熱可塑
性樹脂材料の熱溶融性から、単に熱を加えるだけで容易
に材料を押出成形グレードとすることができ、押出成形
後の材料の冷却固化時間が短いことから、単に放置、放
熱によって、すぐに材料が固化する。これにより、複層
ガラス製造工程で養生時間が不要となり、養生スペース
不要、短期納入対応、ハンドリング容易という効果も奏
される。
【0047】さらに、成形時にガラス板を所定の間隔に
保持して成形し、その保持機構の精度が高いこと、プレ
ス工程が無いことから複層ガラスの厚みのばらつきを小
さくすることができ、厚み寸法精度の高い複層ガラスが
提供されるという効果も得られる。
【0048】また、成形時にガラス板の中空層に乾燥気
体を吹き込むことで、成形後の複層ガラスの露点降下時
間を短縮でき、また、空気よりも熱伝導率の低い断熱ガ
スを乾燥状態で吹き込むことにより、複層ガラスの露点
降下時間を短縮するだけでなく、より断熱性を向上させ
ることもできる。また、従来のアルミスペーサに代えて
熱可塑性樹脂をスペーサの主体とすることで、より断熱
性能を向上させる効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複層ガラスの構成の一例を示す断面図
【図2】本発明で使用する装置の一例を示す全体斜視図
【図3】図2における材料押出部の部分拡大図
【図4】ガラス板の間隔保持方法の一例を示す全体斜視
【符号の説明】
1a、1b:ガラス板 2:内側層 3:外側層 4:中間フィルム層 5:ダイ 6:内側層用押出装置 7:外側層用押出装置 8:フィルム供給装置 9a、9b:ガラス板駆動装置 10:内側層用樹脂材料吐出口 11:外側層用樹脂材料吐出口 12:スリット 13:乾燥気体供給装置 14:乾燥気体吹込口 15a、15b:ガラス板保持具 16:ガラス板間隔保持用アーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻野 雅紀 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 吉原 紀幸 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 渡辺 広行 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2枚のガラス板を中空層が形成
    されるようにその周縁部にスペーサを介して所定の間隔
    で対向させてなる複層ガラスであって、前記スペーサ
    は、中空層側から吸湿材料を含有する熱可塑性樹脂材料
    からなる内側層、フィルムからなる中間層および熱可塑
    性樹脂材料からなる外側層をこの順に積層した構造を有
    するものであることを特徴とする複層ガラス。
  2. 【請求項2】内側層は、水分透過性が0.1g・cm/
    2 /日以下の可撓性樹脂材料からなる請求項1の複層
    ガラス。
  3. 【請求項3】外側層は、可塑化されたポリ塩化ビニル系
    樹脂材料からなる請求項1または2の複層ガラス。
  4. 【請求項4】中間層は、水分透過性が0.01g・cm
    /m2 /日以下の材料からなるフィルムである請求項1
    〜3のいずれかの複層ガラス。
  5. 【請求項5】中間層は、剛性を有するフィルムからなる
    請求項1〜4のいずれかの複層ガラス。
  6. 【請求項6】中間層は、金属フィルム、樹脂フィルム、
    または樹脂フィルム表面に金属をコーティングしたフィ
    ルムである請求項1〜5のいずれかの複層ガラス。
  7. 【請求項7】少なくとも2枚のガラス板を中空層が形成
    されるようにその周縁部に中空層側から内側層、中間
    層、外側層をこの順に積層した構造を有するスペーサを
    介して所定の間隔に対向させた複層ガラスの製造方法に
    おいて、前記2枚のガラス板を所定の間隔で保持し、そ
    の対向するガラス板間の周縁にダイ先端部を配し、内側
    層形成用熱可塑性樹脂材料および外側層形成用熱可塑性
    樹脂材料をダイ先端部の各々の材料の吐出口から、そし
    て中間層形成用フィルムをダイ先端の内側層形成用樹脂
    材料と外側層形成用樹脂材料の吐出口の間に設けたスリ
    ットより、対向するガラス板の内面周縁部に沿って同時
    に押出成形するか、もしくはダイ内部で内側層形成用樹
    脂材料と中間層形成用フィルムと外側層形成用樹脂材料
    とを合流させ、ダイ先端部の吐出口より対向するガラス
    の内面周縁部に沿って一体で同時に押出成形して、2枚
    のガラス板間に内側層、中間層および外側層を形成する
    ことを特徴とする複層ガラスの製造方法。
  8. 【請求項8】ダイ先端部に乾燥気体の吹出口を設け、前
    記各熱可塑性樹脂材料およびフィルムを押出成形すると
    同時に、乾燥気体をガラス板間に吹き込む請求項7の複
    層ガラスの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005075552A1 (ja) * 2004-02-06 2005-08-18 The Yokohama Rubber Co., Ltd. 熱可塑性樹脂組成物およびそれを用いる複層ガラス
KR100707480B1 (ko) * 2005-05-16 2007-04-16 한국에너지기술연구원 보강재가 결합된 유연한 스페이서를 이용한 슈퍼창과 그제조 방법
KR100707478B1 (ko) * 2005-05-16 2007-04-23 한국에너지기술연구원 보강재가 결합된 슈퍼창용 스페이서

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