JPH08151865A - フィルム入り複層ガラスおよびその製造方法 - Google Patents

フィルム入り複層ガラスおよびその製造方法

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JPH08151865A
JPH08151865A JP6294995A JP29499594A JPH08151865A JP H08151865 A JPH08151865 A JP H08151865A JP 6294995 A JP6294995 A JP 6294995A JP 29499594 A JP29499594 A JP 29499594A JP H08151865 A JPH08151865 A JP H08151865A
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glass
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moisture
glass plates
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Nobuyoshi Yamamoto
信義 山本
Shigetoshi Hasegawa
重俊 長谷川
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】熱線反射フィルム3を両面接着テープ7、7’
を介して2個のスペーサ部材4’、4”で挟み、これを
2枚のガラス板1、1’の間に両面接着テープ6、6’
を介して重ね、ガラス板1、1’間の中間層2にフィル
ムを備え、さらにスペーサ部材4’、4”の外側にシー
ル材8を充填し、シール材8の外側に、2枚のガラス板
1、1’に接着する防湿層9を形成したフィルム入り複
層ガラス。 【効果】フィルム入り複層ガラスの中間層内に長期間水
分が侵入せず、結露防止性に優れたフィルム入り複層ガ
ラスが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は断熱性に優れるフィルム
入り複層ガラスおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】単板ガラスよりも断熱性に優れる複層ガ
ラスの断熱性をさらに高める技術として、複層ガラスの
2枚のガラス板の間に熱線反射フィルムを宙吊りにし、
三層構造の熱線反射フィルム入り複層ガラスとする方法
がある。この熱線反射フィルム入り複層ガラスを製造す
るには、熱線反射フィルムにしわが生じないように特開
昭61−38084号公報、あるいは特開昭61−87
089号公報記載の方法が採用されている。
【0003】すなわち、熱線反射フィルムを両面接着テ
ープを介して2個のスペーサで挟んで固定し、これを2
枚のガラス板の間に両面接着テープを介して固定した
後、場合によっては硬化性材料で熱線反射フィルムをス
ペーサに固定し、さらにスペーサの外側にポリウレタン
系、ポリサルファイド系、シリコーン系などのシール材
を充填して2枚のガラス板を接着した後、80℃〜12
0℃で30分〜60分加熱して熱線反射フィルムを収縮
させることによって、このフィルムのしわの発生を防止
するという方法である。
【0004】一般に複層ガラスは、スペーサとガラス板
との間に、1次シール材としてブチル系シーラントやポ
リイソブチレン系シーラント等を介在させて両者を接着
し、複層ガラスの中間層への湿気の侵入を防止してい
る。しかしながら、この一般的な1次シール材を用いて
熱線反射フィルムを中間層に備えた場合、フィルムのし
わ防止のための加熱の際に1次シールが溶融し、1次シ
ール材としての原形をとどめなくなったり、ガラス板や
スペーサを汚染してしまうものであった。
【0005】上記の方法は、この一般的な1次シールの
代わりに両面接着テープを用いている。このため、1次
シールの溶融が生じることがなく、フィルムのしわの発
生を防止できるという優れた点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に開示された
技術の場合には、短期的には熱線反射フィルム入り複層
ガラスの中間層内を乾燥状態に保ち、結露を防止するこ
とができる。しかしながら、長期的にはフィルム入り複
層ガラスにおけるスペーサ、両面接着テープ、スペーサ
と熱線反射フィルム間の隙間、熱線反射フィルムをスペ
ーサに固定する硬化性材料、ガラス板間を密閉するシー
ル材が少なからず水分を透過させ、また、経時的なシー
ル材等の劣化により、熱線反射フィルム入り複層ガラス
の中間層内に水分が侵入して、乾燥剤が飽和し、数年後
には、熱線反射フィルム入り複層ガラスの両側の温度差
によって、熱線反射フィルム入り複層ガラス内のガラス
板面に結露が生じ、その透光性を妨げたり、美観を損ね
るという問題が発生する。
【0007】本発明の目的は、フィルム入り複層ガラス
の中間層内に長期間水分が侵入せず、結露防止性に優
れ、結露によるガラス板の不透明化の問題を解決したフ
ィルム入り複層ガラスおよびその製造方法を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべくなされたものであり、少なくとも2枚のガラ
ス板の周縁部に複数のスペーサ部材からなるスペーサが
両面接着テープを介して前記ガラス板に固定されて、前
記ガラス板が中間層を形成するように所定の間隔をおい
て隔置され、前記スペーサ部材間にその周縁部を挟持さ
れたフィルムが前記中間層に備えられていて、前記スペ
ーサの外周側がシール材にてシールされてなる複層ガラ
スにおいて、前記フィルムはその端部がスペーサ部材間
から外周側に突出して前記シール材によって包含されて
おり、前記シール材の外周側には、2枚のガラス板に接
着する防湿層が形成されていることを特徴とするフィル
ム入り複層ガラスを提供するものである。
【0009】また、本発明は、少なくとも2枚のガラス
板の周縁部に複数のスペーサ部材からなるスペーサを両
面接着テープを介して前記ガラス板に固定して、前記ガ
ラス板を中間層が形成されるように所定の間隔をおいて
隔置し、前記スペーサ部材間にはその周縁部が挟持され
た熱線反射フィルムを前記中間層に備え、前記スペーサ
とガラス板の内面外周縁とで形成された凹部に、シール
材を充填してフィルム入り複層ガラスを製造する方法に
おいて、前記熱線反射フィルムの周縁部をスペーサ部材
に挟持する際に、その端部をスペーサ部材間から外周側
に突出するように挟持して、端部を含むようにシール材
を充填し、次いで、この複層ガラスを加熱した後に、前
記シール材とガラス板の内面外周縁とで形成された凹部
の残りに、2枚のガラス板に接着する防湿層を形成する
ことを特徴とするフィルム入り複層ガラスの製造方法を
提供するものである。
【0010】
【作用】複層ガラスの中間層に備えられる熱線反射性能
等を有する機能フィルムは、中間層に備えた後に加熱す
ることによって、そのしわの発生を防止することができ
る。ところが、複層ガラスに必要な中間層内の乾燥状態
を維持するために用いられるブチル系シーラントやポリ
イソブチレン系シーラント等は、加熱によって溶融しや
すいものであった。一方で、フィルム自身を加熱時に十
分固定していないと、しわ防止のための加熱による収縮
によって、フィルムが中空層内に保持されなくなってし
まう。
【0011】そのためには、加熱によっても溶融しにく
いシール材で、中間層内にフィルムをしっかりと固定す
る必要がある。そこで用いられるポリウレタン系、ポリ
サルファイド系、シリコーン系などのシール材では、中
間層の乾燥状態を充分に保つことができなかった。
【0012】本発明によれば、上記のシール材よりも外
周側に、ブチルゴム系シーラントやポリイソブチレン系
シーラント等の防湿層を設けているので、フィルム入り
複層ガラスの中間層内に長期間水分が侵入せず、ガラス
板の結露を防止できる。
【0013】
【実施例】以下に、図面に基づいて本発明の実施例を説
明する。
【0014】本発明におけるフィルム入り複層ガラスの
構造は、例えば、図1に図解的に示すように、熱線反射
性能を有するフィルム3を両面接着テープ7、7’を介
して2個のスペーサ部材4’、4”で挟み、これを2枚
のガラス板1、1’の間に両面接着テープ6、6’を介
して重ね、ガラス板1、1’の間に形成された所定の間
隔の中間層2(空気または他の気体が存在する)に熱線
反射性能を有するフィルム3を備え、さらにスペーサ4
の外周側とガラス板1、1’の内面周縁部とで形成され
る凹部にシール材8を充填してガラス板1、1’を接着
固定した構造を主構造としている。
【0015】さらに、シール材8の外周側とガラス板
1、1’の内面周縁部には凹部が形成されていて、この
凹部には防湿層9が形成されている。なお、スペーサ4
の外周側とガラス板1、1’の内面周縁部とで形成され
る凹部は、シール材8によってすべて満たされても、凹
部の内周側が満たされてもよい。前者の場合は、防湿層
9がシール材8とガラス板1、1’の端面に形成され
る。後者の場合は、上記のようにさらに形成された凹部
に防湿層が形成される。この場合の方が、防湿層9が強
固に固定されるので、防湿機能を充分に備えることがで
き、好ましい。
【0016】これらの構造において、上記ガラス板1、
1’は通常、建材、車両等に広く使用されている窓、ド
ア等のガラス板、強化ガラス、金属網入りガラス、更に
は、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、低放射率ガラス
等の如く、表面に金属や他の無機物からなる薄膜を形成
したガラス板等であり、特に限定されない。
【0017】上記フィルム3は熱線反射性能を有するよ
うに、透明なプラスチックフィルムの表面に金属材料や
金属酸化物、その他の無機材料、有機材料等からなる薄
膜を形成したものである。この他に、フィルム3として
は透明なプラスチックフィルムの表面に金属材料、無機
材料、有機材料からなる薄膜を形成して熱線を吸収する
機能を有するもの、あるいは透明なプラスチックフィル
ムの内部に熱線を反射あるいは吸収する機能を有する金
属材料、無機材料、有機材料を混練したもの等、熱線を
透過させない機能を有するものが用いられる。さらに、
種々の薄膜コーティングを透明プラスチックフィルムに
施して、低放射性能を有する機能性フィルムを用いても
よい。またフィルム3の付加機能として、遠赤外線を透
過させない機能、紫外線を透過させない機能等を併せて
有することもできる。
【0018】上記ガラス板1、1’間に中間層2を形成
するためのスペーサ4は、2つのスペーサ部材4、4’
を備えたものであって、金属製、ある程度の剛性を有す
るプラスチック製、ゴム製等の所定の厚みを有する棒
状、板状あるいは紐状の連続体であり、従来の複層ガラ
スに使用されているスペーサを2つ合わせたものであ
る。例えば、従来のシングルシールタイプ、デュアルシ
ールタイプ等のスペーサがいずれも使用可能であり、特
に限定されない。
【0019】図1〜図6に示した例におけるスペーサ部
材4’、4”は、複層ガラスの内周側に面する側に通気
口5、5’を有する金属製の矩形筒体構造のもので、そ
の筒体内部には、シリカゲル、ゼオライト、無水硫酸ナ
トリウム、塩化カルシウム、酸化カルシウム等の乾燥剤
あるいは吸湿剤が保持されている。
【0020】上記ガラス板1、1’とスペーサ部材
4’、4”との間、フィルム3とスペーサ部材4’、
4”との間には、両者を接着固定および密封するために
両面接着テープ6、6’が、また上記熱線反射フィルム
3とスペーサ部材4’、4”との間には、両者を接着固
定および密封するために両面接着テープ7、7’が使用
される。両面接着テープの基材および粘着剤の材質につ
いては特に限定されない。
【0021】上記スペーサ部材4’、4”の外周側に充
填され、ガラス板1、1’、フィルム3およびスペーサ
部材4’、4”を固定するシール材8自体も公知の材料
でよく、例えば、シリコーン系シーラント、ポリサルフ
ァイド系シーラント、ポリウレタン系シーラント、アク
リル樹脂系シーラント等が使用可能であり、特に限定さ
れない。場合によっては、硬化性材料によってフィルム
をスペーサに固定した後に、上記シーラントを充填して
もよい。
【0022】本発明の特徴は、上記の如き従来のフィル
ム入り複層ガラスにおける結露の問題を、ブチルゴム系
シーラントあるいはポリイソブチレン系シーラントから
なり、2枚のガラス板1、1’に接着する防湿層を形成
することによって解決した点である。
【0023】本発明で使用するブチルゴム系シーラント
あるいはポリイソブチレン系シーラントとしては、基材
ゴムとして、防湿性に優れる未加硫ブチルゴム、部分加
硫ブチルゴム、ポリイソブチレン等が使用可能である。
【0024】シーラントを構成するためには上記基材ゴ
ム以外に、粘着性付与剤、補強剤、補強性充填剤、非補
強性充填剤、形状保持剤、柔軟性コントロール剤、フロ
ー性改良剤、乾燥剤、その他必要に応じて各種成分が添
加される。
【0025】例えば、粘着性付与剤としては、不飽和炭
化水素系樹脂、クマロン樹脂、テルペン系樹脂、ロジン
誘導体等が、また補強性充填剤としては、ホワイトカー
ボン、カーボンブラック等が、また非補強性充填剤とし
ては、炭酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミ
ニウム等が、柔軟性コントロール剤としては、ポリブテ
ン、ポリブタジエン等が適当である。
【0026】図1に示す例は、前記フィルム入り複層ガ
ラスにおけるシール材8の外側に、上記の如きブチルゴ
ム系シーラントあるいはポリイソブチレン系シーラント
からなり、2枚のガラス板1、1’に接着する防湿層9
を形成した例である。このように防湿層9を形成するこ
とによって、外気中の水分が上記シール材8、両面接着
テープ6、6’、スペーサ部材4’、4”、両面接着テ
ープ7、7’を浸透通過して、ガラス板1、1’間の中
間層2、2’に侵入するのを抑制することができる。
【0027】このような防湿層9は、一例として、前記
ブチルゴム系シーラントあるいはポリイソブチレン系シ
ーラントを加熱溶融して前記フィルム入り複層ガラスに
おけるシール材7の外側に塗布し、冷却固化することに
よって形成することができ、その厚みは任意であるが、
例えば、3〜7mm程度で充分な効果を発揮する。
【0028】また防湿層9は、予め前記ブチルゴム系シ
ーラントあるいはポリイソブチレン系シーラントを紐状
に成形し、前記フィルム入り複層ガラスにおけるシール
材8の外側に巻き付ける方法によっても形成できる。
【0029】図2に示す例は、前記フィルム入り複層ガ
ラスにおけるシール材8の外側に、上記の如きブチルゴ
ム系シーラントあるいはポリイソブチレン系シーラント
からなり、2枚のガラス板1、1’に接着する防湿層9
を形成し、さらに防湿層9の外側に2枚のガラス板1、
1’に接着するシール材層8’を設けた例である。防湿
層9をシール材層8’で被覆することにより、防湿層9
の劣化を抑制し、長期間、外気中の水分が上記シール材
8、両面接着テープ6、6’、スペーサ部材4’、
4”、両面接着テープ7、7’を浸透通過して、ガラス
板1、1’間の中間層2、2’に侵入するのを抑制する
ことができる。
【0030】シール材8’は公知の材料でよく、例え
ば、シリコーン系シーラント、ポリサルファイド系シー
ラント、ポリウレタン系シーラント、アクリル樹脂系シ
ーラント等が使用可能であり、特に限定されない。
【0031】図3に示す例は、前記フィルム入り複層ガ
ラスにおけるシール材8の外側に、2枚のガラス板に接
触する金属リボン層10を形成し、さらに金属リボン層
10の外側に、上記の如きブチルゴム系シーラントある
いはポリイソブチレン系シーラントからなり、2枚のガ
ラス板1、1’に接着する防湿層9を形成した例であ
る。
【0032】金属リボン層10を設けることにより、外
気中の水分がガラス板1、1’間の中間層2、2’に侵
入するのを防止することができる。金属リボンの材料は
公知の材料でよく、例えば、アルミニウム、ステンレ
ス、銅等が使用可能であり、特に限定されない。また金
属リボンの厚さも特に限定されない。
【0033】図4に示す例は、図1に示すフィルム入り
複層ガラスにおける防湿層9の外側に、2枚のガラス板
に接触する金属リボン層10を形成した例である。
【0034】図5に示す例は、図3に示すフィルム入り
複層ガラスにおける防湿層9の外側に、2枚のガラス板
1、1’に接着するシール材層8’を設けた例である。
【0035】図6に示す例は、図4に示すフィルム入り
複層ガラスにおける金属リボン層10の外側に、2枚の
ガラス板1、1’に接着するシール材層8’を設けた例
である。
【0036】以上、2枚のガラス板間に1枚のフィルム
を備えた複層ガラスに関する例を示したが、3枚あるい
はそれ以上のガラス板を隔置して、形成される中間層の
数だけ、あるいはそれより少ない枚数のフィルムを、得
ようとする機能に応じて適宜備えることができる。さら
に、1つの中間層に複数のフィルムを備えることも、必
要に応じて可能である。これらの場合、容易されるスペ
ーサ部材の数も、備えるフィルムに応じて、適宜決定さ
れるものである。
【0037】このようにして、複数枚のフィルムを、各
々異なる機能を有するフィルムとすることによって、多
機能の複層ガラスを得ることができ、また、同様の機能
を有するフィルムを複数枚備えることによって、より高
い機能の複層ガラスとすることができる。
【0038】図1に示すフィルム入り複層ガラスは、以
下のように作成した。熱線反射フィルム3を両面接着テ
ープ7、7’を介してゼオライト系乾燥剤を充填した2
個の金属スペーサ部材4’、4”で挟み、これを2枚の
フロートガラス板1、1’の間に両面接着テープ6、
6’を介して重ねた。次いで、スペーサ部材4’、4”
の外周側とガラス板1、1’の内面周縁部とで形成され
る凹部の内周側に、ウレタン系シーラントからなるシー
ル材8を凹部の外周側が残るように充填して複層化した
後に、100℃のオーブン中に30分間入れ、フィルム
3のしわを伸ばした。
【0039】さらに、シール材8の外周側とガラス板
1、1’の内面周縁部とで形成される凹部に、部分加硫
ブチルゴム(トーネックス製、エスコラント10)10
0重量部、ポリブテン(日本石油化学製、HV−30
0)120重量部、カーボンブラック(東海電極製、H
AFシースト3)50重量部、ホワイトカーボン(日本
シリカ製、Nipsil VN−3)40重量部、炭酸
カルシウム120重量部、粘着付与材(トーネックス
製、エスコレッツ1102B)20重量部の混合物から
なる紐状成形体を巻き付け、防湿層9とした。
【0040】なお、上記工程において、フィルム3の備
え方としては、上記例の他に、一方のガラス板1の所定
位置に、順次両面接着テープ6、スペーサ部材4”、両
面接着テープ7、フィルム3、両面接着テープ7’、ス
ペーサ部材4’、両面接着テープ6’、ガラス板1’を
積層することも可能であり、各部材の位置ずれ等が生じ
ないような適宜の方法で、これらの構成体が得られれ
ば、特に順序、方法に制限はない。
【0041】上記のようにして得られた本発明のフィル
ム入り複層ガラスについて、その結露防止効果を、防湿
層9を形成しなかった以外は同じフィルム入り複層ガラ
スとの比較によって示す。両者の、温度60℃、湿度9
5%の高温多湿環境下に45日間曝露後の、露点温度を
測定して行ったところ、本発明のフィルム入り複層ガラ
スは、露点温度が−60℃以下で、結露防止効果を維持
していたのに対し、防湿層9を形成しなかったフィルム
入り複層ガラスの露点温度は、0℃以上であり、結露し
やすくなっていた。
【0042】図4における複層ガラスにおいて、防湿層
9の外周側に備えた金属リボン層10として80μmの
厚さのアルミニウムを用いた以外は、図1と同様のフィ
ルム入り複層ガラスについても、曝露試験を行った。温
度60℃、湿度95%の高温多湿環境下に150日間曝
露後、露点温度を測定して行ったところ、露点温度が−
60℃以下で、結露防止効果を維持していた。
【0043】
【発明の効果】以上の如き本発明によれば、中間層に備
えられるフィルムを保持するシール材よりも外周側に、
ブチルゴム系シーラントやポリイソブチレン系シーラン
ト等の防湿層を設けているので、フィルム入り複層ガラ
スの中間層内に長期間水分が侵入せず、ガラス板の結露
を防止できる。
【0044】しかも、上記のシール材によってフィルム
は中間層に充分保持されているので、フィルムのしわを
防止するための加熱時にも、フィルムの収縮によるフィ
ルムのずれ等を防止することができる。
【0045】こうして、スペーサの外周側に設けられる
シーラントを、少なくとも2種類のシーラントの機能の
観点から分離し、各々の役割を分けたので、湿気遮断効
果に優れているが加熱に弱い材料を、上記のフィルム収
縮のための加熱の後に設けることができる。
【0046】すなわち、単にフィルムを保持するシール
材を備えただけでなく、本発明のように、加熱に耐え得
るシール材によってフィルムを保持し、その外周側に湿
気遮断効果に優れた防湿層を備えることがあいまって、
機能フィルムを有していて、しかもその結露防止を可能
とした複層ガラスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における複層ガラスの一例を示す部分断
面図
【図2】本発明における複層ガラスの一例を示す部分断
面図
【図3】本発明における複層ガラスの一例を示す部分断
面図
【図4】本発明における複層ガラスの一例を示す部分断
面図
【図5】本発明における複層ガラスの一例を示す部分断
面図
【図6】本発明における複層ガラスの一例を示す部分断
面図
【符号の説明】 1、1’:ガラス板 2:中間層 3:フィルム 4:スペーサ 4’、4”:スペーサ部材 5、5’:通気口 6、6’、7、7’:両面接着テープ 8、8’:シール材 9:防湿層 10:金属リボン層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2枚のガラス板の周縁部に複数
    のスペーサ部材からなるスペーサが両面接着テープを介
    して前記ガラス板に固定されて、前記ガラス板が中間層
    を形成するように所定の間隔をおいて隔置され、前記ス
    ペーサ部材間にその周縁部を挟持されたフィルムが前記
    中間層に備えられていて、前記スペーサの外周側がシー
    ル材にてシールされてなる複層ガラスにおいて、前記フ
    ィルムはその端部がスペーサ部材間から外周側に突出し
    て前記シール材によって包含されており、前記シール材
    の外周側には、2枚のガラス板に接着する防湿層が形成
    されていることを特徴とするフィルム入り複層ガラス。
  2. 【請求項2】前記防湿層は、ブチルゴム系シーラントあ
    るいはポリイソブチレン系シーラントのうちの少なくと
    も一方から選ばれた材料からなることを特徴とする請求
    項1のフィルム入り複層ガラス。
  3. 【請求項3】前記防湿層の外周側には、2枚のガラス板
    に接着する第2のシール材が設けられていることを特徴
    とする請求項1または2のフィルム入り複層ガラス。
  4. 【請求項4】前記防湿層の内周側と外周側との少なくと
    も一方には、2枚のガラス板に接触する金属リボン層が
    備えられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かのフィルム入り複層ガラス。
  5. 【請求項5】少なくとも2枚のガラス板の周縁部に複数
    のスペーサ部材からなるスペーサを両面接着テープを介
    して前記ガラス板に固定して、前記ガラス板を中間層が
    形成されるように所定の間隔をおいて隔置し、前記スペ
    ーサ部材間にその周縁部が挟持された熱線反射フィルム
    を前記中間層に備え、前記スペーサとガラス板の内面外
    周縁とで形成された凹部に、シール材を充填してフィル
    ム入り複層ガラスを製造する方法において、前記熱線反
    射フィルムの周縁部をスペーサ部材に挟持する際に、そ
    の端部をスペーサ部材間から外周側に突出するように挟
    持して、端部を含むようにシール材を充填し、次いで、
    この複層ガラスを加熱した後に、前記シール材とガラス
    板の内面外周縁とで形成された凹部の残りに、2枚のガ
    ラス板に接着する防湿層を形成することを特徴とするフ
    ィルム入り複層ガラスの製造方法。
  6. 【請求項6】前記防湿層を、ブチルゴム系シーラントあ
    るいはポリイソブチレン系シーラントのうちの少なくと
    も一方から選ばれた材料から形成することを特徴とする
    請求項5のフィルム入り複層ガラスの製造方法。
  7. 【請求項7】前記防湿層の外周側に、防湿層とガラス板
    とで形成された凹部に、2枚のガラス板に接着する第2
    のシール材を設けることを特徴とする請求項5または6
    のフィルム入り複層ガラスの製造方法。
  8. 【請求項8】前記防湿層の内周側と外周側との少なくと
    も一方に、2枚のガラス板に接触する金属リボン層を介
    在させることを特徴とする請求項5〜7のいずれかのフ
    ィルム入り複層ガラスの製造方法。
JP6294995A 1994-11-29 1994-11-29 フィルム入り複層ガラスおよびその製造方法 Pending JPH08151865A (ja)

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