JP4363616B2 - 複層ガラス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、断熱性能を有する複層ガラスで、住宅・非住宅などの建築分野、自動車・車両・船舶・航空機などの輸送分野、冷凍庫・冷凍ショーケース・恒温恒湿槽などの設備機器分野などの省エネルギーを要求される開口部に適用される。
【0002】
【0003】
【従来の技術】
最近、省エネルギーに優れ、快適で健康な住環境をつくるため、複層ガラスの使用頻度が高まり、急速に普及している。複層ガラスは、2枚のガラス板をスペーサーを用いて隔置し、ガラス板とスペーサーとで密閉空間を形成せしめた構成であり、高い断熱性能を有する。この複層ガラスとして、種々のものが提案されている。
【0004】
例えば、複層ガラス用スペーサーとして、図3に示すような、乾燥剤を充填した金属製の筒状中空体などが知られている(特許文献1)。金属製スペーサー8に用いられる金属としてはアルミニウムが代表的である。金属スペーサー8は、1次シール材10でガラス板に接着され、その外側には、主に複層ガラスの形状を保つために2次シーリング材9が用いられている。1次シーリング材10および2次シーリング材9としてポリサルファイド系、シリコーン系、ポリウレタン系およびブチルゴム系樹脂が用いられ、シーリング材により、金属スペーサー8とガラス板1とが、強固に接着一体化されている。
【0005】
この方式の複層ガラスは、金属スペーサーを用いているため、複層ガラスの中央部に比べ、複層ガラスの周辺部の断熱性能が低いという欠点がある。
【0006】
複層ガラスの周辺部の断熱性能を向上させるものとして、図2に示すような、ブチルゴムやポリイソブチレンまたは少なくともポリイソブチレンを一成分とする共重合体を樹脂主成分とする熱可塑性エラストマーに乾燥剤を含有させた樹脂スペーサー5と、可塑化ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂6とを用いた複層ガラスがある(特許文献2)。
【0007】
【特許文献1】
特開昭59−45149号公報
【特許文献2】
特開平9−77536号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
アルミニウムなどの金属スペーサーでは、乾燥剤の充填、コーナーキーの勘合等の製造工程が煩雑であり、曲面に曲げ加工されたガラスを対向配置させる複層ガラスの作製は困難である。また、乾燥剤を含有させたブチルゴムやポリイソブチレンは、耐透湿性が高いため、十分な初期露点性能(−35℃程度)を満足させることは困難である。
【0009】
本発明の複層ガラスは、このような従来技術による複層ガラスの欠点を克服するためになされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の複層ガラスは、2枚以上の板ガラスが周縁端部に配設されているスペーサーを介して隔置され、板ガラスの間に密封された中空層が形成されている複層ガラスにおいて、スペーサーが、ゼオライトを含有させた、酢酸ビニルの含有率を5〜45重量%とするEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)系の乾燥剤混練樹脂でなり、乾燥剤混練樹脂のゼオライトの含有率が、10〜40重量%であり、該スペーサーと板ガラスとがブチル系の接着剤で接着され、スペーサーの外周部が、ホットメルトタイプあるいは反応型ホットメルトタイプのブチルゴム系シーリング材でシーリングされていることを特徴とする複層ガラスである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明による複層ガラスに用いる板ガラスとは、フロート法による板ガラス、熱線吸収板ガラス、板ガラスの表面に薄膜が形成されている熱線反射板ガラスなど、板状の板ガラスおよびそれらの加工品、また、樹脂をコートした板ガラスや樹脂フィルムを積層した板ガラス等を用いることができる。さらに、板ガラスの代わりに透明な板状の樹脂を用いてもよい。
【0013】
板ガラスは、スペーサーを用いて2枚以上を対向させて配置する。スペーサーは、ゼオライトを含有させたEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)系の乾燥剤混練樹脂を用いる。
【0014】
酢酸ビニルの含有率は、5重量%未満では、スペーサーの吸湿性が低くなって初期露点性能を満たせなくなり、また、45重量%を越えると、複層ガラスの空隙部間隔の維持や成形に必要な硬度が不足するので、酢酸ビニルの含有率は5〜45重量%の範囲であることが好ましい。
【0015】
また、乾燥剤混練樹脂のゼオライトの含有率は、10重量%より少ない場合は、初期露点性能を満たすことが困難となり、40重量%を越えるとスペーサーとして必要な弾性性能が不十分となるため、10〜40重量%であることが好ましい。
【0016】
乾燥剤混練樹脂のスペーサーは、押し出し成形によって、複層ガラスを形成する2枚の板ガラスの1枚に、あるいは2枚の板ガラスを所定の間隔に隔置した状態で、板ガラスの面に成形することができる。また、押し出し成形、引き抜き成形あるいは型成形でスペーサーを製造し、板ガラスとスペーサーとを、両面が接着性を有するテープを用いて一体化してもよい。該テープには、耐透湿性に優れているブチル系の接着剤を用いることが好ましい。
【0017】
スペーサーと板ガラス周辺端部で形成されるコ字状の部分は、ホットメルトタイプあるいは反応型ホットメルトタイプのブチルゴム系シーリング材でシーリングされることが望ましい。該シーリングは、複層ガラスに形成されている中空層への透湿を防ぐばかりでなく、複層ガラスが強固に一体化されると共に、板ガラスの端部の保護に対して重要である。
【0018】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を、図を参照して具体的に説明する。
【0019】
実施例1
図1は、本発明による複層ガラスの、周辺部の断面図である。
【0020】
EVA(酢酸ビニルの含有率26重量%)に、ゼオライトを20重量%混入し、幅12mm、厚み5mmの乾燥剤混練樹脂スペーサー3を押し出し成形した。この乾燥剤混練樹脂スペーサー3の厚み5mmの面に、1次シーリング材(ブチル系の接着テープ)2を貼り、該ブチル系テープで、板ガラス(350×500×3mmのフロートガラス)1の周辺部に、板ガラス1の端面から内側6mmの位置に、乾燥剤混練樹脂スペーサー3の面がくるように、乾燥剤混練樹脂スペーサー3を板ガラス1に固定した。
【0021】
次いで、乾燥剤混練樹脂スペーサー3のもう一つの厚み5mmの面に、1次シーリング材(ブチル系の接着テープ)2‘を貼り、もう1枚の板ガラス(350×500×3mmのフロートガラス)1’を重ねて、2枚の板ガラス1,1‘と乾燥剤混練樹脂スペーサー3とにより密閉空間12を形成した。さらに、板ガラス1,1’と乾燥剤混練樹脂スペーサー3とで形成される、板ガラス周辺部のコ字状の空間を、2次シーリング材(反応型ホットメルトタイプのブチル系シーリング材)4でシーリングし、複層ガラスとした。
【0022】
初期露点性能(製造1日後)をJIS R 3209に基づき確認したところ、−43℃であり、良好な初期露点性能であることを確認した。
【0023】
比較例1
ゼオライトを18重量%含有させた乾燥剤含有ブチル5を、実施例1の乾燥剤混練スペーサーと同様の寸法で、板ガラス(350×500×3mmのフロートガラス)1の外周部(板ガラス1の端面から6mm内側)に形成し、さらに、もう1枚の板ガラス(350×500×3mmのフロートガラス)1‘を重ねて、乾燥剤含有ブチル5と板ガラス1,1’との間に密閉空間12を形成した。さらに実施例1と同様にして、コ字状の空間に2次シーリング材6を充填した。
【0024】
実施例1と同様に初期露点性能を確認したところ、初期露点性能(製造1日後)は0℃以上であり、25日後の露点性能も−29℃で、−35℃の露点性能を満たさなかった。
【0025】
【発明の効果】
本発明の複層ガラスは、周辺部の断熱性が優れた複層ガラスを、従来よりも簡略化し製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明による複層ガラスの周辺部の断面図。
【図2】乾燥剤を混練したシール材と2次シールからなる複層ガラスの周辺部断面図。
【図3】中空の金属スペーサーに乾燥剤を充填してなるスペーサーを用いて作製される複層ガラスの周辺部の断面図。
【符号の説明】
1、1‘ 板ガラス
2、2‘ 1次シール材
3 乾燥剤混練樹脂スペーサー
4 2次シール材
5 乾燥剤混練シール材
6 2次シール材
8 中空金属スペーサー
9 2次シール材
10 1次シール材
11 乾燥剤
12 密閉空間
Claims (1)
- 2枚以上の板ガラスが周縁端部に配設されているスペーサーを介して隔置され、板ガラスの間に密封された中空層が形成されている複層ガラスにおいて、スペーサーが、ゼオライトを含有させた、酢酸ビニルの含有率を5〜45重量%とするEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)系の乾燥剤混練樹脂でなり、乾燥剤混練樹脂のゼオライトの含有率が、10〜40重量%であり、該スペーサーと板ガラスとがブチル系の接着剤で接着され、スペーサーの外周部が、ホットメルトタイプあるいは反応型ホットメルトタイプのブチルゴム系シーリング材でシーリングされていることを特徴とする複層ガラス。
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