JP2005298279A - 複層ガラス - Google Patents
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Abstract
【課題】 既存の単ガラス板を固定しているガラスサッシにガラスサッシを交換することなく複層ガラスに、同様に、既存の複層ガラスを合せ複層ガラスに入れ替えられる程に薄く、且つ初期露点が極めて低く格別に優れた断熱性能を有する複層ガラスを提供する。
【解決手段】 一対のガラス板が周縁端部に配設されているスペーサーを介して隔置され、一対のガラス板の間に密封された中空層が形成されている複層ガラスにおいて、クリプトンガスを充填してなる中空層の厚みが1.0mm以上、2.5mm以下であり、スペーサーが、エチレン酢酸ビニル共重合体と酢酸ビニル樹脂とゼオライトとを混練させた混練樹脂からなり、該スペーサーがエチレン酢酸ビニル共重合体と酢酸ビニル樹脂とゼオライトを合せた重量に対して、酢酸ビニルの含有率を5.0重量%以上、45.0重量%以下とする混練樹脂であることを特徴とする複層ガラス。
【選択図】 図1
【解決手段】 一対のガラス板が周縁端部に配設されているスペーサーを介して隔置され、一対のガラス板の間に密封された中空層が形成されている複層ガラスにおいて、クリプトンガスを充填してなる中空層の厚みが1.0mm以上、2.5mm以下であり、スペーサーが、エチレン酢酸ビニル共重合体と酢酸ビニル樹脂とゼオライトとを混練させた混練樹脂からなり、該スペーサーがエチレン酢酸ビニル共重合体と酢酸ビニル樹脂とゼオライトを合せた重量に対して、酢酸ビニルの含有率を5.0重量%以上、45.0重量%以下とする混練樹脂であることを特徴とする複層ガラス。
【選択図】 図1
Description
本発明は、住宅等の建築分野の窓ガラスに使用される複層ガラスに関する。
最近、断熱性能に優れ、暖房費、冷房費の節約、省エネルギーの効果があり、快適な住環境をつくるために複層ガラスからなる窓ガラスに広く普及してきた。複層ガラスは、2枚のガラス板の周縁端部にスペーサーを挟んで隔置し、ガラス板とスペーサーとで形成した密閉空間、即ち、中空層によって、優れた断熱性能を有する。
通常、複層ガラス用スペーサーとして、乾燥剤を充填した金属製の筒状中空体が知られており、特許文献1等にて開示されている。図1は、中空の金属スペーサーに乾燥剤を充填してなるスペーサーを用いて作製される複層ガラスの周辺縁部の断面図である。
図1に示すように、金属製スペーサー1は、1次シール2、2´でガラス板G1、G2に接着され、その外側には、主に複層ガラスの形状を保つために2次シール3が用いられている。金属製スペーサー1に用いられる金属の種類としてはアルミニウムが代表的であり、内部に乾燥剤4が充填されている。1次シール2、2´および2次シール3としてポリサルファイド系、シリコーン系、ポリウレタン系およびブチルゴム系樹脂がシール材として用いられ、該シール材により、金属製スペーサー1とガラス板G1、G2とが、強固に接着一体化されている。この方式の複層ガラスは、熱伝達し易い金属製スペーサー1を用いているため、複層ガラスの中央部に比べ、複層ガラスの周辺部の断熱性能が低いという欠点がある。
複層ガラスの周辺部の断熱性能を向上させるものとして、金属製スペーサー1の替わりに乾燥剤を混練した樹脂製スペーサー5を用いた複層ガラスがある。図2は、乾燥剤を混練した樹脂製スペーサーとシールとからなる複層ガラスの周辺縁部の断面図である。図2に示すように、ブチルゴムやポリイソブチレンまたは少なくともポリイソブチレンを一成分とする共重合体を樹脂主成分とする熱可塑性エラストマーに乾燥剤を含有させた樹脂製スペーサー5の外側を、可塑化ポリ塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂をシール材として用い、シール6とした複層ガラスがあり、特許文献2にて開示されている。また、金属製スペーサー1を用いた複層ガラスは使用終了後の解体が容易でないが、樹脂スペーサー5を用いることで、解体が容易となる。
また、従来のガラス板単板を用いた窓ガラスを複層ガラスに交換する際、既存のサッシ枠を交換することなく複層ガラスを適用するには、複層ガラスは薄いほうが好ましい。中空層内を空気とした通常の複層ガラスは結露防止効果等の断熱性能を持たせるため、中空層の厚みが6mmであり、板厚3mmの一対のガラスと合せた場合、総厚12mmが必要である。既存のサッシ枠が単ガラス板サッシ窓用で細い場合、特に引き違い戸において既存サッシを利用することが困難である。
一方、中空層に空気より断熱効果に優れるクリプトンガスを充填し、中空層を薄くした複層ガラスが、特許文献3、特許文献4、特許文献5、および特許文献6にて知られている。
複層ガラスの中空層にクリプトンガスを充填し、中空層を薄くした複層ガラスを作製する際に、中空層が薄いため、アルミニウム製などの金属スペーサーは、乾燥剤の充填、コーナーキーの勘合等の製造工程が煩雑となり適さない。
また、乾燥剤を含有させたブチルゴムやポリイソブチレンをスペーサーとして用いると、ブチルゴムやポリイソブチレンは透湿性が高いので、初期露点性能が優れず、格別に優れた断熱性能を得るまでには至らない。
特開昭59−45149号公報
特開平9−77536号公報
実用新案登録第3073130号
実用新案登録第3074335号
実用新案登録第3087372号
実用新案登録第3096372号
本発明は、既存のガラス板単板を固定しているガラスサッシにガラスサッシを交換することなく断熱効果の高い複層ガラスに入れ替えられる、あるいは、既存の複層ガラスを固定しているガラスサッシにガラスサッシを交換することなく防犯、防音機能のある合せガラスを用いた複層ガラスに入れ替えられる程に薄く、且つ初期露点が極めて低く格別に優れた断熱性能を有する複層ガラスを提供することを目的とする。
本発明の複層ガラスにおいて、従来の中空層内が空気からなる複層ガラスに比べ、中空層の厚みを薄くしつつ同等以上の断熱性能を得るために、中空層内に空気より断熱性能に優れたクリプトンガスを封入し、且つ、初期露点を低くするためにスペーサーにエチレン酢酸ビニル共重合体系、言い換えれば、エチレン酢酸ビニル樹脂系の乾燥剤混練樹脂を用いる。
エチレン酢酸ビニル樹脂系の乾燥剤混練樹脂は熱伝達係数が小さいので、スペーサーに用いた際、複層ガラス周縁部に優れた断熱効果を与える、且つ、内部空間を封止し複層ガラスとした際の優れた初期露点性能、即ち、低い初期露点を与え優れた断熱性が得られる。
即ち、本発明は、一対のガラス板が周縁端部に配設されているスペーサーを介して隔置され、一対のガラス板の間に密封された中空層が形成されている複層ガラスにおいて、クリプトンガスを充填してなる中空層の厚みが1.0mm以上、2.5mm以下であり、スペーサーが、エチレン酢酸ビニル共重合体と酢酸ビニル樹脂とゼオライトとを混練させてなり、エチレン酢酸ビニル共重合体と酢酸ビニル樹脂とゼオライトを合せた重量に対して、酢酸ビニル樹脂の含有率を5.0重量%以上、45.0重量%以下とする混練樹脂であることを特徴とする複層ガラスである。
更に、本発明は、前記スペーサーを、エチレン酢酸ビニル共重合体と酢酸ビニル樹脂とゼオライトとを合せた重量に対して、ゼオライトの含有率が10.0重量%以上、40.0重量%以下とした混練樹脂とすることを特徴とする上記の複層ガラスである。
更に、本発明は、前記スペーサーの外周部が、ホットメルトタイプあるいは反応型ホットメルトタイプのブチルゴム系シール材でシールされてなることを特徴とする上記の複層ガラスである。
本発明の複層ガラスを用いることで、既存サッシを交換することなく、断熱性の高い複層ガラス、更に防犯・防音機能のある合せガラスを用いた複層ガラスへの交換が容易な薄型の複層ガラスに、格別な断熱効果を与える。
図3は、本発明による複層ガラスの周辺縁部の断面図である。
以下に、本発明の実施の形態を、図を参照して具体的に説明する。
図3に示すように、本発明の複層ガラスは、一対のガラス板G1、G2が周縁端部に配設されているスペーサー7を介して隔置され、一対のガラス板G1、G2の間にクリプトンガスを充填してなる密封された中空層8が形成され、中空層8の厚みが1.0mm以上、2.5mm以下であり、スペーサー7が、エチレン酢酸ビニル共重合体と酢酸ビニル樹脂とゼオライトとを混練させてなり、エチレン酢酸ビニル共重合体と酢酸ビニル樹脂とゼオライトを合せた重量に対して、酢酸ビニルの含有率を5.0重量%以上、45.0重量%以下とする混練樹脂であることを特徴とする。
更に、本発明の複層ガラスは、前記スペーサー7を、エチレン酢酸ビニル共重合体と酢酸ビニル樹脂とゼオライトとを合せた重量に対して、ゼオライトの含有率が10.0重量%以上、40.0重量%以下とした混練樹脂としたことを特徴とする。
更に、本発明の複層ガラスは、前記スペーサー7の外周部が、ホットメルトタイプあるいは反応型ホットメルトタイプのブチルゴム系シール材で二次シール4されてなることを特徴とする。
本発明の複層ガラスを作製する際は、図3に示すように、一対のガラス板G1、G2を、スペーサー7を挟んで対向させて配置する。中空層8内のクリプトンガスを高純度に保つために、スペーサー7には、エチレン酢酸ビニル共重合体と酢酸ビニル樹脂とゼオライトを混練した混練樹脂を用いる。
前記混練樹脂において、エチレン酢酸ビニル共重合体と酢酸ビニル樹脂とゼオライトをあわせた重量に対する酢酸ビニル樹脂の含有率は、5.0重量%以上、45.0重量%以下とすることが好ましい。酢酸ビニル樹脂の含有率が5.0重量%未満では、スペーサー7の吸湿性が低くなって、得られる複層ガラスが初期露点性能を満たせなくなり、一方、45.0重量%を越えると、スペーサー7の硬度が低下し、複層ガラスの中空層8の間隔維持に必要な剛性が不足する。
また、スペーサー7に使用する混練樹脂において、ゼオライトを乾燥剤として混練する。エチレン酢酸ビニル共重合体と酢酸ビニル樹脂とゼオライトをあわせた重量に対するゼオライトの含有率は、10.0重量%以上、40.0重量%以下であることが好ましい。ゼオライトの含有率が10.0重量%より少ない場合は、得られる複層ガラスの初期露点性能が劣化し、40.0重量%を越えると、スペーサー7として必要な剛性が不十分となる。尚、ゼオライトは、合成ゼオライト系吸着剤が、例えば、東ソー株式会社より、商品名、ゼオラムとして市販されており、本発明の複層ガラスに使用される。
本発明の、本発明は複層ガラスにおいて、クリプトンガスを充填してなる中空層8の厚みが1.0mm以上、2.5mm以下であり、スペーサー7が、エチレン酢酸ビニル共重合体と酢酸ビニル樹脂とゼオライトとを混練させた混練樹脂からなり、該スペーサーをエチレン酢酸ビニル共重合体と酢酸ビニル樹脂とゼオライトを合せた重量に対して、酢酸ビニルの含有率を5.0重量%以上、45.0重量%以下とした混練樹脂とした際には、極めて優れた初期露点性能、初期露点−60℃以下、少なくとも−50℃以下が得られ、得られた複層ガラスは、格別の断熱性能を有し、JIS R3209(1998)「複層ガラス」で要求される複層ガラスの露点は−35℃より低いことなので、JIS R3209(1998)「複層ガラス」の要求値に余裕を持って合格する断熱性能を有する。
本発明の複層ガラスに使用する混練樹脂からなるスペーサー7は、押し出し成型、引き抜き成型あるいは型成型によって製造し、ガラス板G1、G2とスペーサー7とを、両面が接着性を有する両面接着テープを1次シール材2、2´として接着する。該テープには、耐透湿性に優れているブチルゴム系の両面接着テープを用いることが好ましい。
本発明の複層ガラスにおいて、スペーサー7とガラス板G1、G2周辺端部で形成されるコ字状の部分は、ホットメルトタイプあるいは反応型ホットメルトタイプのブチルゴム系シール材で二次シール3することが望ましい。該二次シール3は、複層ガラスの中空層7への透湿を防ぐばかりでなく、ガラス板G1、G2を強固に一体化する効果を有するとともに、ガラス板G1、G2の端部を保護する効果がある。ホットメルトタイプのブチルゴム系シール材として、横浜ゴム株式会社製、品番、M155およびM144、米国Delchem株式会社製、品番、D−2000、米国PRC−Desoto株式会社製、品番、PRC−595、米国BOSTIK株式会社製、品番BOSTIK9190等が挙げられ、本発明の複層ガラスに使用される。
本発明による複層ガラスに用いるガラス板G1、G2には、フロート法によるガラス板、該ガラス板の表面に金属膜または金属薄膜を単層または積層させて被覆した熱線反射ガラス、銀薄膜または酸化亜鉛等の金属酸化物薄膜を積層して形成されてなるLow−E膜つきガラス板、ポリビニルブチラール等の透明樹脂を中間膜としてガラス板を積層一体化させた合せガラス、透明樹脂からなる有機ガラス板等が挙げられる。
本発明の複層ガラスの断熱性能を、更に、向上させるためには、複層ガラスに前記熱線反射ガラス板、Low−E膜付きガラス板を使用することが好ましい。尚、熱線反射ガラスとしては、セントラル硝子株式会社製、商品名、スカイクール、スカイレックス等が使用される。
本発明の複層ガラスの防音機能を、更に向上させるため、および防犯機能を付与するためには、ガラス板が割れたとしても破れ難い中間膜としての透明樹脂層を有する合せガラスを用いた合せガラスを用いた複層ガラスを使用することが好ましい。
本発明の複層ガラスの中空層8に空気よりも断熱性の高いクリプトンガスを封入する。その際、クリプトンガスの純度は容積比で少なくとも80.0%以上とし、できる限り純度を高めることが好ましい。通常、クリプトンは空気を液化した後、沸点の違いによって分離濃縮して得られ、空気成分が不純物として残り断熱性能を劣化させる。高純度クリプトンガスは、東京ガスケミカル株式会社等から市販されている。
また、本発明の複層ガラスにおいて、クリプトンガスを充填してなる中空層8の厚みを1.0mm以上、2.5mm以下とすることが好ましい。
クリプトンガスを中空層8内に充填したとしても、中空層8の厚みが1.0mmより薄いと所望の断熱性能が得られない。
通常、複層ガラスとして市販されているなかで一番薄いものは、板厚3mmの一対のガラス板を使用し、空気による中空層6mmの厚みを加え、総厚12mmである。特別に板厚2.5mmの一対のガラス板で複層ガラスを作製したとしても、総厚は11mmであり、従来の単板ガラスと交換する際に、単板ガラスで使用される幅9mmのサッシ枠をそのまま用いることは甚だ困難である。
サッシ枠が単板ガラスで使用される9mmサイズでも交換されるように、本発明の複層ガラスにおいて、クリプトンガスによる中空層8の厚みは2.5mm以下とし、板厚3mmの一対のガラス板G1、G2を加え総厚8.5mmとする。板厚3mmの替わりに、板厚2.5mmのガラス板G1、G2を使用すると、本発明の複層ガラスの総厚は7.5mmとなる。サッシ枠をそのまま用いて従来の単板ガラスと交換するためには、本発明の複層ガラスにおいて、総厚8.5mm以下であることが好ましい。
図4は、本発明による合せガラスを用いた複層ガラスの周辺縁部の断面図である。図4に示すように、板厚3mmのガラス板G1と、板厚3っmのガラス板G2、G3を層厚0.76mmの中間膜9を介し接着一体化させてなる合せガラスを用い、クリプトンガスを封入した中空層8の厚みを2.5mmとした、ガラス板G1/中空層8/前記合わせガラスの積層からなる合せガラスを用いた本発明の複層ガラスは総厚12.26mmであり、通常、市販されている中空層8内を空気とした総厚12mmの複層ガラスと交換され、窓ガラスが断熱性能は同等以上で、防音、防犯性能に優れた合せガラスを用いた複層ガラスとなる。板厚3mmの替わりに、板厚2.5mmのガラス板を使用すると、合せガラスを用いた本発明の複層ガラスの総厚は11.76mmとなり、通常、市販されている中空層内を空気とした合せガラスを用いていない総厚12mmの複層ガラスと容易に交換され、窓ガラスは断熱性能は同等以上で、防音、防犯性能に優れたものとなる。
実施例1
本発明による複層ガラスを作製した。図3を用いて説明する。
本発明による複層ガラスを作製した。図3を用いて説明する。
エチレン酢酸ビニル共重合体が54.0重量%、酢酸ビニルが26.0重量%、ゼオライトが20.0重量%となるようにして混練した後、厚み2.0mm、高さ5.0mmのスペーサー7となるように押し出し成型した。このスペーサー7の高さ5.0mmの片面に、ブチルゴム系の両面接着テープを貼り、スペーサー7がガラス板G1端面から内側に6.0mmの位置にくるように、両面接着テープによりガラス板G1に固定し、両面接着テープによる1次シール2を形成した。尚、ゼオライトには、東ソー株式会社製、ゼオラムA−4を用いた。
次いで、スペーサー7の高さ5.0mmのもう一方の面に、ブチルゴム系の両面接着テープを貼り、板厚3mm、大きさ、350mm×500mmのフロート法により作製したガラス板G1、G2の周辺部に、端面から内側に6.0mmの位置にくるように両面接着テープにより、スペーサー7をガラス板G2に固定し、両面接着テープによる1次シール2´を形成した中空層8のある、厚み8.5mmの複層ガラス構成とした。尚、中空層8の厚みは、スペーサー7の厚み2.0mmに、1次シール2、2´の厚みを合せた0.5mmを加え2.5mmとなる。
次いで、図5に示すように、スペーサー7に中空層8に貫通するように径1.0mmの金属製の管である注射針10、10´を2つのコーナーに挿入した。図5は、クリプトンガスの封入の手順を説明するための複層ガラスの側面図である。
複層ガラスを立てた状態で、図5に示すように、中空層8の容積の3倍量のクリプトンガスを用い、下側の注射針10より、中空層8内の空気と置換しつつ、中空層8内にクリプトンガスを充填した。クリプトンガスは空気より重く、下側の注射針10からクリプトンガスを注入すると、上側の注射針10´から空気が排出される。図5の矢印はクリプトンガスの流れを表す。充填後、該注射針10、10´を抜き、残った孔をブチルゴムで覆い中空層8を密閉した。
その後、図3に示すように、ガラス板G1、G2とスペーサー7とで形成される、ガラス板G1、G2間の周辺部コ字状の空間を、ホットメルトタイプのブチルゴム系シール材でシールし2次シール3とし、本発明の複層ガラスを完成させた。ブチルゴムシール材には、横浜ゴム株式会社製、品番、M155を用いた。
製造1日後の露点性能、即ち、初期露点性能をJIS R 3209(1998)に準じ確認したところ、初期露点は−65℃であり、格別に優れた初期露点性能であることを確認した。JIS R3209(1998)「複層ガラス」で要求される複層ガラスの露点は−35℃より低いことなので、JIS R3209(1998)「複層ガラス」の要求値に余裕を持って合格する性能を有していた。
実施例2
実施例1に次いで、本発明による合せガラスを用いた複層ガラスを作製した。図4に示すように、板厚3mm、大きさ、350mm×500mmのフロート法による一対のガラス板G2、G3を中間膜9としてポリビニルブチラールを介して接着一体化させてなる合せガラスを用いる。尚、中間膜9の厚みは0.76mmである。
実施例2
実施例1に次いで、本発明による合せガラスを用いた複層ガラスを作製した。図4に示すように、板厚3mm、大きさ、350mm×500mmのフロート法による一対のガラス板G2、G3を中間膜9としてポリビニルブチラールを介して接着一体化させてなる合せガラスを用いる。尚、中間膜9の厚みは0.76mmである。
実施例1で用いたのと同様のスペーサー7を用い、高さ5.0mmの片面に、ブチルゴム系の両面接着テープを貼り、複層ガラス周辺部に、端面から内側に6.0mmの位置にくるように、両面接着テープによりスペーサー7を合せガラスに固定し両面接着テープによる1次シール2´を形成した。
次いで、スペーサー7の高さ5.0mmのもう一方の面に、ブチルゴム系の両面接着テープを貼り、板厚3mm、大きさ、350mm×500mmのフロート法によるガラス板周辺部に、端面から内側に6.0mmの位置にくるように、スペーサー7を両面接着テープによりガラス板G1に固定し、両面接着テープによる1次シール2を形成した中空層8のある、厚み12.26mmの合せガラスを用いた複層ガラスを作製し、実施例1と同様の手順でクリプトンガスを中空層8に封入した。尚、前記ガラス板G1には、中空層側に金属薄膜からなる熱線反射膜11をスパッタリング法にて形成してあるセントラル硝子株式会社製、商品名、スカイクール、品種名、SS-8を用いた。
その後、ガラス板G1、G2とスペーサー7とで形成される、ガラス板G1、G2周辺部間のコ字状の空間を、反応型ホットメルトタイプのブチルゴム系シール材でシールし2次シール3とし、本発明の合せガラスを用いた複層ガラスを完成させた。
G1、G2、G3 ガラス板
1 金属スペーサー
2、2´ 一次シール
3 二次シール
4 乾燥剤
5 樹脂スペーサー
6 シール
7 スペーサー
8 中空層
9 中間膜
10、10´ 注射針
11 熱線反射膜
1 金属スペーサー
2、2´ 一次シール
3 二次シール
4 乾燥剤
5 樹脂スペーサー
6 シール
7 スペーサー
8 中空層
9 中間膜
10、10´ 注射針
11 熱線反射膜
Claims (3)
- 一対のガラス板が周縁端部に配設されているスペーサーを介して隔置され、一対のガラス板の間に密封された中空層が形成されている複層ガラスにおいて、クリプトンガスを充填してなる中空層の厚みが1.0mm以上、2.5mm以下であり、スペーサーが、エチレン酢酸ビニル共重合体と酢酸ビニル樹脂とゼオライトとを混練させた混練樹脂からなり、該スペーサーがエチレン酢酸ビニル共重合体と酢酸ビニル樹脂とゼオライトを合せた重量に対して、酢酸ビニル樹脂の含有率を5.0重量%以上、45.0重量%以下とする混練樹脂であることを特徴とする複層ガラス。
- 前記スペーサーを、エチレン酢酸ビニル共重合体と酢酸ビニル樹脂とゼオライトとを合せた重量に対して、ゼオライトの含有率が10.0重量%以上、40.0重量%以下とした混練樹脂とすることを特徴とする請求項1に記載の複層ガラス。
- 前記スペーサーの外周部が、ホットメルトタイプあるいは反応型ホットメルトタイプのブチルゴム系シール材でシールされてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の複層ガラス。
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RD01 | Notification of change of attorney |
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