JP3443964B2 - 複層ガラスの製造方法 - Google Patents

複層ガラスの製造方法

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JP3443964B2
JP3443964B2 JP20710994A JP20710994A JP3443964B2 JP 3443964 B2 JP3443964 B2 JP 3443964B2 JP 20710994 A JP20710994 A JP 20710994A JP 20710994 A JP20710994 A JP 20710994A JP 3443964 B2 JP3443964 B2 JP 3443964B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は複層ガラスに関し、詳し
くは複層ガラスの封着材充填を安価に行うとともに、サ
ッシに簡便に迅速に装着できるようにグレージングガス
ケットを形成した複層ガラスの製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、複層ガラスは、まず最低2枚のガ
ラス板をスペーサを介して対向させ、そのガラス板とス
ペーサとをブチル系等のシーラントにて密着させて、内
部空気層と外気とを遮断する。その後、対向しているガ
ラス板の内面とスペーサ外周とで構成された空隙をポリ
サルファイド系又はシリコーン系で代表される常温硬化
型シーリング材で封着する方法で製造されている。 【0003】製造された複層ガラスをサッシ障子に組み
込むに際しては、複層ガラスの周縁部に予め押出成形さ
れたグレージングチャンネルを額縁状に巻き付け、縦框
と横框とからなる框材のサッシ障子のガラス溝部内に装
着し、隣り合う框材相互をねじで留め付けることで連結
し、かつ組み込む方法が一般に採用されている。 【0004】また、特開平6−64945号公報に記載
のように、複層ガラスを配置した型内のキャビティ空間
に樹脂を射出する、いわゆるエンキャップ法によって複
層ガラスと周辺枠体とを一体成形する方法が提案されて
いる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、複層ガラスを
サッシに嵌め込む作業において、押出成形等により予め
成形したグレージングチャンネルを複層ガラスの周縁部
に巻き付けた後、サッシ障子に組み込んだりする従来法
は、次のような問題点を有していた。 【0006】グレージングチャンネルの巻き付けだけで
なく、コーナー部のカットやグレージングチャンネルの
突き合わせ部の切断といった工程が必要となる。障子下
辺に位置する框にグレージングチャンネルを配置する場
合は、水抜きのための通孔を設けておかなければなら
ず、組立て作業時にグレージングチャンネルに通孔を設
ける新たな作業も必要になる等工数が多く、時間がかか
るだけでなく作業が繁雑となり、作業に熟練を要する等
の不都合がある。 【0007】一方、エンキャップ法においては、金属等
の剛直な型内に複層ガラスを挟み込み、その周縁部と型
内面とで構成されるキャビティ空間に樹脂を射出するこ
とから、寸法精度が高いグレージングチャンネル一体の
複層ガラスが成形され、グレージングチャンネルを巻き
付ける工法に比べ作業が簡素化され、組立て精度の良好
なサッシ障子が提供できる。 【0008】しかし、エンキャップ法は、金属等の剛直
な型内に複層ガラスを挟み込み射出成形を行うために、
一種類の複層ガラスの寸法に対して少なくとも一つの型
が必要である。そのために多種多様の寸法の複層ガラス
をエンキャップ法によって成形を行うためには、ガラス
寸法に応じた型を製作する必要があり、膨大な設備費用
と頻繁に型交換作業を行わなければならず、グレージン
グチャンネル一体の複層ガラスをエンキャップ法によっ
て製造することにより大きなコスト増を生じるという点
で問題があった。 【0009】また、特開平6−64945号公報や実開
昭57−21185号公報には、複層ガラスのいわゆる
封着層とグレージングガスケット部もしくは周辺枠体を
同質材料で一体形状として成形する方法が示されてい
る。本来、複層ガラスの封着層の特性はガラスとの接着
性を有し、外環境の変化による複層ガラスの空気層の体
積変化に追随できる可撓性を発現する硬度と伸度を有さ
なければならない。 【0010】一方、グレージングガスケットや周辺枠体
の特性としては、ガラスがガラスの自重やサッシの開閉
時の衝撃、風雨等で嵌め込まれたサッシから脱落しない
程度の硬度及び引っ張り強度等が必要とされる。前述の
方法ではこれら目的用途が異なる部位への対応を考慮し
ていない点で問題があり、本発明はこれら問題点を解決
しようとするものである。 【0011】したがって本発明の目的は、上記従来技術
の種々の問題点を解決し、複層ガラスの封着材充填を安
価に行うとともに、サッシに簡便に迅速に装着できるよ
うにグレージングガスケットを形成した複層ガラスの製
造方法を提供することである。 【0012】 【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。すなわち、本発明は、スペーサを
介して内部空間を有する少なくとも2枚のガラス板で構
成されたガラスユニットに対し、ガラスユニットの周辺
端部を挿入できる空間を有し、かつ複数の樹脂吐出口を
持つ成形ダイを用い、ガラスユニットの対向しているガ
ラス板の内面とスペーサ外周とダイ内面で構成された空
隙に、ダイに設けた1箇所あるいは複数箇所の吐出口か
ら樹脂を押出成形して複層ガラスの封着層を形成し、ガ
ラスユニットを複層ガラスとせしめるとともに、これと
は異なる1箇所あるいは複数箇所の吐出口より、前記樹
脂と同質又は異質の樹脂をガラスユニットの周縁表出部
に押出成形して建築用グレージングガスケット部材を形
成し、複層ガラスのコーナー部では、グレージングガス
ケット用樹脂の押出量を小さく、封着層用樹脂の押出量
を大きくすることを特徴とする複層ガラスの製造方法で
ある。 【0013】 【作用】上記本発明によれば、上記構成によって、複層
ガラスの製造工程を増やすことなく、グレージングガス
ケットが成形でき、さらにこれをサッシ障子へ組込む工
程で従来のグレージングチャンネル巻き付け工程が省略
できるとともに、グレージングガスケットがガラス板に
接着されていることから、組立作業そのものも容易とな
り大幅な工程時間の短縮ができる。 【0014】 【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例を説明す
る。図1は、固定ダイをガラスユニット端部に噛み込ま
せ、ガラスユニットの対向しているガラス板の内面とス
ペーサ外周とダイ内部とで構成された空隙にいわゆる封
着層を成形するとともに、ガラスユニット周縁部に沿っ
てグレージングチャンネル材を所定の形状で押出しなが
らガラスユニットと一体化させる装置の構成の例を示
す。 【0015】この装置は主としてグレージングガスケッ
ト7用樹脂を供給する押出装置1、封着層8用樹脂を供
給する押出装置2、グレージングガスケット7及び封着
層8を所定の形状に成形するためのダイ3、ガラスユニ
ット5を保持しガラスユニット5の端部をダイ3に噛み
込ませた状態でガラスユニット5を移動させるための駆
動装置4からなっている。 【0016】図2はその部分拡大図であり、ダイ3の封
着層吐出口9より封着層8をガラスユニット5において
互いに対向している2枚のガラス板11の内面とスペー
サ6の外周とダイ内面とで構成された空隙に成形すると
ともに、グレージングガスケット吐出口10よりグレー
ジングガスケット7を所定の形状でガラスユニット5の
周縁表出部に押出しているところを示す。封着層8及び
グレージングガスケット7を反応硬化あるいは冷却固化
してガラス板11と一体化させることで、封着層8及び
グレージングガスケット7が固着された複層ガラスを製
造する。 【0017】図3は、ガラスユニット5を固定し、その
周縁部に沿ってダイ3を移動させる場合の装置の構成の
例である。該装置は主としてガラスユニット5を固定す
る保持台12、樹脂を成形するためのダイ3、ダイ3を
ガラスユニット5の周縁方向に沿って移動させるための
駆動装置13、封着層用樹脂をダイ3に供給する供給装
置14、グレージングガスケット用樹脂をダイ3に供給
する供給装置15、ダイ3と供給装置14及び15を継
ぐフレキシブルホス16からなっており、ホース16
は用いる樹脂材料の種類によっては保温タイプ又は加熱
タイプのものも使用される。 【0018】図4〜6には本発明の方法によって成形さ
れた封着層8及び本発明の方法によって成形されたグレ
ージングガスケット部材18〜20が固着された複層ガ
ラス17の部分断面の例を示す。図4においてはビード
形状のグレージングガスケット部材18を複層ガラス1
7の両ガラス表面の周辺部に左右対称に分割して成形し
た例を、図5においてはガラスエッジを包括するビード
形状のグレージングガスケット部材19を複層ガラス1
7の両ガラス表面周辺及びガラス端部周辺に左右対称に
分割して成形した例を、図6においてはチャンネル形状
のグレージングガスケット部材20を複層ガラス17の
表出周辺部全体に成形した例を示す。なお、符号23は
乾燥剤を、24はホットメルトブチル樹脂等からなる1
次シーラントを示す。 【0019】本発明におけるガラスユニット5として
は、少なくとも2枚のガラス板の間にスペーサ機能と防
湿機能を持つ層を有し、ガラス板を実質的に平行に保っ
たガラスユニットが用いられる。上記層は、封着層を成
形する空隙を確保するためにガラス板の外周端よりやや
内側に形成されている。このような層の構成としては、
従来用いられているように内部に乾燥材を充填したアル
ミニウムや樹脂製のスペーサ6の両側をホットメルトブ
チル樹脂からなる1次シーラント24でガラスに接着さ
せた構成や、予め棒状に成形した乾燥剤23を含有する
ホットメルトブチル樹脂シーラントをガラス板の間に挿
入した構成のものを採用できる。 【0020】また、本発明による複層ガラスに用いられ
る封着層用の樹脂特性としてはガラスとの接着性を有
し、使用環境の変化による複層ガラスの空気層の体積変
化に追随できることが必要であり、適正な硬度、強度と
伸度を持つ可撓性樹脂が用いられる。樹脂硬度として
は、ショアA硬度で25〜85度の範囲であり、35〜
70度であることが特に好ましい。硬度が上記範囲より
低い場合には、高温時に空気層の膨脹によりガラス間の
距離が過大となって内側の防湿層を破損し、一方、硬度
が上記範囲より高い場合にはガラス板に対する応力が過
大となってガラスを破損するために、いずれも好ましく
ない。 【0021】樹脂の引張強度と伸度としては、引張強度
が50kg/cm2 以上で伸度が50%以上が好まし
く、さらには引張強度が100kg/cm2 以上で伸度
が100%以上であることが特に好ましい。これらの特
性が上記より低い場合には、特に複層ガラスの耐久性能
が低下することから好ましくない。 【0022】これらの特性を有する封着層用の樹脂とし
ては、反応硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を用いることがで
きる。反応硬化性樹脂としては、一液反応性樹脂、二液
反応性樹脂が考えられ、具体的にはポリサルファイド樹
脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等が例示されるが、
本発明はこれらの樹脂に限定されない。熱可塑性樹脂と
しては上記特性を満足するものならばいずれも基本的に
使用でき、そのなかでもポリ塩化ビニル樹脂や塩化ビニ
ルを主体とする変性樹脂、ホットメルトブチル樹脂等が
好適に用いられる。 【0023】これらの熱可塑性樹脂は反応性硬化樹脂の
ように、反応硬化のための養生時間が不要で短時間に冷
却固化することから、成形後のハンドリングが容易であ
り、また、短時間での製品出荷ができるという利点があ
る。そのうち、特にポリ塩化ビニル樹脂は安価で耐候性
も良く、さらに成形後に短時間で冷却固化した後は表面
のタックもないことから好適に用いられる。 【0024】次にガラス板と樹脂との接着強度としては
1kg/cm以上が好ましく、さらには10kg/c
以上であることが、耐久性能を向上させる観点から
特に好ましい。一般に反応硬化性樹脂の場合には樹脂と
ガラス板との接着力は高く、熱可塑性樹脂では接着力が
低い場合が多いが、ガラス板と樹脂との間にプライマー
や接着剤を用いることによって接着強度を充分に高める
こともできる。 【0025】グレージングガスケット材料の特性として
は、ガラス板がガラス板の自重やサッシの開閉時の衝撃
あるいは風雨等で、嵌め込まれたサッシから脱落しない
程度の硬度及び引張強度等が必要とされることより、本
発明に用いられるグレージングガスケット材料として
は、JIS A5756建築用ガスケットに規定された
品質を有する軟質ポリ塩化ビニル系樹脂が好ましい。 【0026】グレージングガスケット材料とガラス板と
の接着力は1kg/cm2 以上、特には10kg/cm
2 以上であることが好ましく、グレージングガスケット
材料とガラス板との接着力を発現させるためにプライマ
あるいは接着剤または両者を用いてもよい。 【0027】本発明に用いられる成形方法のうちで、図
1に示した如く、ダイを固定し、ガラスユニットを移動
させる場合では、固定されたダイの内部にガラスユニッ
ト周辺端部を挿入し、所定の位置に保ちながら、ガラス
ユニット外周部を精度よく移動させること、及びガラス
ユニットの移動速度に合わせて封着層用材料及びグレー
ジングガスケット用材料の押出量を精密に制御すること
が、封着層用材料及びグレージングガスケット用材料を
均一に充填成形し、かつ外観が良く寸法精度の高い封着
層及びグレージングガスケット材を成形するうえで重要
である。 【0028】このような高精度のガラスユニットの駆動
方式としては、一般的には多軸ロボットや、回転機構を
取り付けたXYテーブル等により、予め入力したガラス
ユニット形状に沿った軌跡にしたがって複層ガラスを動
かすことにより達成できるが、ガラスユニットに寸法誤
差がある場合やガラス合わせの精度が不足している場合
には充分ではなく、その軌跡を補正する必要がある。 【0029】本発明においてはこのような機構として、
ダイの部分にセンサーを設けてガラスユニット端部の正
確な位置を検出し、その信号を元に予め入力したガラス
ユニットの軌跡や角度を補正する方法を用いている。ガ
ラスユニットの寸法誤差が小さい場合には、ロボットの
先端や、XYテーブルにバネやガス圧を利用したクッシ
ョン機構を介してガラスユニットを取り付け、さらにダ
イにガイドを設けてこのガイドにガラスユニット端部を
沿わせながら移動させることにより、クッション機構の
働きによってガラスユニットの寸法誤差を吸収させるこ
ともできる。 【0030】また、図3に示すように、ガラスユニット
を固定しダイを移動させる場合でも、ダイをガラスユニ
ット周縁部に沿って精度よく移動させること、及び材料
の押出量を精密に制御することが重要であるために、ダ
イの駆動方式としては多軸ロボットを使用している。ま
た、ガラスユニットの寸法誤差による軌跡の補正にも、
ダイに設けたセンサーでガラスユニットの軌跡や角度を
補正する方法を用いている。また、ガラスユニットの誤
差が小さい場合には、バネやガス圧を利用したクッショ
ン機構を設けた保持台を介してガラスユニットを取り付
け、その誤差を吸収させている。 【0031】以上のように、ダイを固定し、ガラスユニ
ットを移動させて成形する場合、もしくはガラスユニッ
トを固定しダイを移動させて成形する場合において、そ
の移動速度は基本的に一定であることが望まれる。しか
し、ガラスユニットに用いるガラス形状は一般的にほと
んどが直角四辺形であり、コーナ部は直角となってい
る。そのため、このコーナ部ではガラスユニットまたは
ダイの移動速度を調整する必要がある。 【0032】具体的には、コーナ部で移動速度を小さく
した場合、押出量を変化させないと、この部分に過剰に
樹脂が供給されてしまう。そこで、駆動するロボット機
構もしくはXYテーブルと樹脂を押し出す押出機とを連
動させて、移動速度と連動するように樹脂の押出量を制
御することにより、移動速度に対応した押出量で樹脂を
ガラスユニットに対して供給できる。 【0033】また、コーナ部をガラスユニットもしくは
ダイが移動する際、その回転により移動方向が変化する
過程においてコーナ部の内側を移動する距離とコーナ部
の外側を移動する距離が異なるために、コーナ部内側と
コーナ部外側とでグレージングガスケット部材及び封着
層を所定の形状に保つために必要な樹脂量が異なる。そ
こで、上記した移動速度と押出量の制御に、コーナ部の
内側の押出量を小さく、外側量の押出量を大きくする制
御を組み合わせることもできる。 【0034】すなわち、コーナ部では、ダイを固定しガ
ラスユニットを移動させて成形する場合でもその逆で
も、あるいは両者をともに移動させる場合でも、ガラス
ユニットとダイとの相対速度は内側が小さく外側が大き
い。そこで、ある時点で相対速度の小さくなる部位では
押出量も小さくなるように、逆に相対速度の大きくなる
部位では押出量も大きくなるように、ガラスユニットと
ダイとの相対速度と、樹脂の押出量とを連動させて制御
することによってグレージングガスケット部材や封着層
の形状を所定の形状とすることができる。 【0035】また、場合によっては、積極的に樹脂の押
出量を小さくしたいことや、逆に大きくしたいことがあ
る。このような場合には、樹脂の押出量が一定であって
も、上記の相対速度を変えることによってガラス板に供
給される樹脂の量を変化させることができる。 【0036】図7に、コーナ部でのグレージングガスケ
ット用材料の流量制御を行わずにグレージングガスケッ
ト7を成形した例を示す。グレージングガスケット7の
サッシとの噛み込み部はコーナ部ではいわゆるピン角で
あることが好ましいために、グレージングガスケット7
のサッシとの噛み込みコーナ部をグレージングガスケッ
ト成形でのコーナ回転中心21とする。この回転中心2
1での移動距離は、グレージングガスケット外周での移
動距離に比べて短く、ほとんどないに等しいためにコー
ナ部を直線部と同一の樹脂押出流量で成形した場合、回
転中心部では樹脂が過剰に供給されグレージングガスケ
ット形状は盛上がり、サッシに組み込めない形状とな
る。 【0037】図8に、コーナ部での成形材料の流量制御
を行ったグレージングガスケット7の成形例を示す。コ
ーナ回転に合わせて成形材料の流量制御を行うことで、
具体的にはコーナ回転に合わせて流量を減少させること
で、グレージングガスケットのサッシとの噛み込みコー
ナ部をピン角とした。コーナ回転に合わせて流量を減少
させる方法としては駆動装置の挙動に合わせて押出機の
回転数を遅くする方法、もしくは駆動装置の挙動に合わ
せて樹脂吐出流路への流量を減少させる方法がある。 【0038】図9に、コーナ部での封着層用樹脂の流量
制御を行わずに封着層8を成形した例を示す。コーナ部
を直線部と同等の流量制御で成形した場合、直線部での
封着層成形部の断面積より、ガラスエッジ部22の断面
積が大きいために、ガラスエッジ先端まで封着層用樹脂
が充填されない。ガラスエッジ部が露出されると、複層
ガラスの運搬時の角欠けの原因となる。 【0039】図10に、コーナ部での樹脂の流量制御を
行って封着層8を成形した例を示す。コーナ回転に合わ
せて樹脂の流量制御を行うことで、具体的にはコーナ回
転に合わせて流量を増大させることで、ガラスエッジ部
22先端まで樹脂8を充填させることができる。コーナ
回転に合わせて流量を増大させる方法としては、駆動装
置の挙動に合わせて押出機の回転数を速くする方法、も
しくは駆動装置の挙動に合わせて樹脂吐出流路への流量
を増加させる方法がある。 【0040】上記図8、図10のような成形は、片や押
出量を小さくするものであり、もう一方は押出量を大き
くするものである。そのため、単純な制御ではグレージ
ングガスケットの形状と封着層の形状とは両立しない。
外観を良好とするためにグレージングガスケットの形状
を優先させる場合には、封着層の形状が許容レベルであ
れば、コーナ部の移動速度の減少にあわせて押出量を小
さくする単純な制御で充分である。 【0041】両者とも高い水準で良好な形状が要求され
る場合には、コーナ部では、グレージングガスケット用
樹脂の押出量を小さく、封着層用樹脂の押出量を大きく
すればよい。この制御に、上記したように外側に押出さ
れる量を大きくすることによって、さらに良好な形状で
グレージングガスケットや封着層を形成できる。 【0042】本発明で使用するガラス板の材料として
は、通常の無機ガラス以外にも、例えば、ポリカーボネ
ートやアクリル樹脂のような透明材料あるいはこれらに
表面処理をしたいわゆる有機ガラスも用いることができ
る。さらにガラスの周縁部にいわゆる黒セラミックと呼
ばれる隠蔽用のコーティングが施されている場合におい
ても、その上に樹脂を押出すこともできる。 【0043】以下に、上記の方法によって複層ガラスを
製造した例を示す。空気層を6mmとし、厚さ3mmの
ガラス板2枚をゼオライトを充填したアルミニウムスペ
ーサを介して対向させ、そのガラス板とスペーサとをホ
ットメルトブチル樹脂シーラントにて密着させて内部空
気層と外気を遮断して構成したガラスユニット5を、吸
盤を介してロボットに取り付けた。次いで、封着層8と
図4に示すビード断面形状のグレージングガスケット1
8を形成するダイ3にガラスユニット5の周端部を挿入
した。 【0044】このガラスユニット5をダイ3に沿って4
m/分の速度で移動させながら、ショアA硬度40度、
伸度200%及び引張強度100kg/cm2 の軟質ポ
リ塩化ビニル樹脂(理研ビニル社製)を封着層用樹脂と
して用い、ガラスユニットの対向しているガラス板の内
面とスペーサ外周とダイ内面とで構成された空隙に押出
すと同時に、JIS A5756建築用ガスケットの規
定に沿った品質の軟質ポリ塩化ビニル樹脂(理研ビニル
社製)をガラスユニット5の周縁表出部に押出した。こ
うして、図4に示す断面形状のグレージングガスケット
を成形し、ガラスユニットとグレージングガスケット部
材が一体となった複層ガラスを得た。 【0045】本発明によって製造された複層ガラスをJ
IS R3209複層ガラスに規定された複層ガラスの
耐久性試験にて評価したところ、露点は−60℃以下で
あり良好な結果を得た。また、本発明によって製造され
た複層ガラスを複層ガラス用サッシに嵌め込み、窓の開
閉試験を行ったところ、開閉10万回を繰り返しても複
層ガラスのずれ、脱落等の不具合がなく、非常に良好な
結果を得た。 【0046】 【発明の効果】本発明による複層ガラスは、グレージン
グガスケットがガラスの周縁部に一体接着されているこ
とから、サッシ障子の組立て工程において、従来のよう
に手作業でグレージングチャンネルを巻き付ける作業が
省略でき、さらにサッシへの嵌込み作業でも接着によっ
て位置ずれを起こさないことから作業効率が向上し、工
程に必要な時間の大幅な短縮ができる。グレージングガ
スケットの成形は複層ガラスの製造の中で封着層成形と
同時に行えることから、その製造工程の増加はなく、結
果的に複層ガラス製造からサッシ障子への組み込みの全
工程での作業時間の大幅な短縮が可能であり、低コスト
化が図れる。 【0047】また、封着層用樹脂として安価な熱可塑性
樹脂を用いることもでき、低コスト化に寄与すると同時
に、この場合には、冷却固化時間が短いことから複層ガ
ラス製造工程で養生時間が不要となり、工程短縮、養生
スペース不要、短期納入対応及びハンドリング容易とい
う効果がある。 【0048】さらに、成形時に用いる駆動系の位置ずれ
補正機構やコーナ部での成形用樹脂の流量制御を行って
いることから、グレージングガスケットの位置精度が高
いために商品外観が向上する。従来、長期使用時におい
てコーナ部でグレージングチャンネルが収縮してサッシ
障子からはみ出てくるという不良が発生しているが、本
発明ではグレージングガスケットがガラス面に接着され
ていることから、このような不良の発生も防止できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に使用する装置の一例を示す全体図 【図2】図1における材料押出部の部分拡大図 【図3】本発明に使用する装置の一例を示す全体図 【図4】本発明に関わるグレージングガスケット一体複
層ガラスの一例を示す部分断面図 【図5】本発明に関わるグレージングガスケット一体複
層ガラスの一例を示す部分断面図 【図6】本発明に関わるグレージングガスケット一体複
層ガラスの一例を示す部分断面図 【図7】コーナ部での流量無制御でのグレージングガス
ケットを成形した例の図 【図8】コーナ部での流量制御有でのグレージングガス
ケットを成形した例の図 【図9】コーナ部での流量無制御での封着層を成形した
例の図 【図10】コーナ部での流量制御有の封着層を成形した
例の図 【符号の説明】 1:グレージングガスケット用樹脂押出装置 2:封着層用樹脂押出装置 3:ダイ 4:ガラス駆動装置 5:ガラスユニット 6:スペーサ 7:グレージングガスケット 8:封着層 9:封着層用樹脂吐出口 10:グレージングガスケット部材用樹脂吐出口 11:ガラス 12:ガラスユニット保持台 13:駆動装置 14:封着層用樹脂供給装置 15:グレージングガスケット部材用樹脂供給装置 16:フレキシブルホース 17:複層ガラス 18:グレージングガスケット部材 19:グレージングガスケット部材 20:グレージングガスケット部材 21:コーナ回転中心 22:ガラスエッジ部 23:乾燥剤 24:1次シーラント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉原 紀幸 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 平4−261822(JP,A) 特開 平5−438(JP,A) 特開 平4−151225(JP,A) 特開 平4−275955(JP,A) 特開 平4−275953(JP,A) 特開 平3−232748(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 27/00 - 29/00 B29C 47/00 - 49/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】スペーサを介して内部空間を有する少なく
    とも2枚のガラス板で構成されたガラスユニットに対
    し、ガラスユニットの周辺端部を挿入できる空間を有
    し、かつ複数の樹脂吐出口を持つ成形ダイを用い、ガラ
    スユニットの対向しているガラス板の内面とスペーサ外
    周とダイ内面で構成された空隙に、ダイに設けた1箇所
    あるいは複数箇所の吐出口から樹脂を押出成形して複層
    ガラスの封着層を形成し、ガラスユニットを複層ガラス
    とせしめるとともに、これとは異なる1箇所あるいは複
    数箇所の吐出口より、前記樹脂と同質又は異質の樹脂を
    ガラスユニットの周縁表出部に押出成形して建築用グレ
    ージングガスケット部材を形成し、複層ガラスのコーナ
    ー部では、グレージングガスケット用樹脂の押出量を小
    さく、封着層用樹脂の押出量を大きくすることを特徴と
    する複層ガラスの製造方法
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