JP2878561B2 - 複層ガラス及びその製造方法 - Google Patents

複層ガラス及びその製造方法

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JP2878561B2 JP5201931A JP20193193A JP2878561B2 JP 2878561 B2 JP2878561 B2 JP 2878561B2 JP 5201931 A JP5201931 A JP 5201931A JP 20193193 A JP20193193 A JP 20193193A JP 2878561 B2 JP2878561 B2 JP 2878561B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一対のガラス単板をス
ペーサーを介して対向配置してなる複層ガラス及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、断熱用、結露防止用、窓際の
冷輻射防止用等のために複層ガラスがしばしば用いられ
ている。この複層ガラスは、例えば図12及び図13に
示されているように、一対のガラス単板1,1を、所定
の空隙2を介して略平行に配置したものであって、上記
両ガラス単板1,1の外周縁部分どうしの間には、吸湿
剤入スペーサー3が介挿されている。この吸湿剤入スペ
ーサー3は、アルミニウム材等からなる横断面略矩形状
の細長中空ケースの内部にシリカゲル等の吸湿剤を収容
したものであり、上記細長中空ケースに設けられた多数
の通気孔を通してガラス内部の乾燥が行われるようにな
っている。また上記吸湿剤入スペーサー3は、前記両ガ
ラス単板1,1に対して接着剤あるいは両面テープで仮
止めされており、その外側には封着材4が充填され熟成
されている。封着材4としては、ブチルシーラント、ポ
リサルファイド(チオコールあるいは多硫化ゴム)、シ
リコン、ホットメルトブチル等の軟質樹脂材が用いられ
ている。
【0003】このような構造の複層ガラスGをサッシ側
に組み付けるにあたっては、まず複層ガラスGの外周縁
部に、横断面略コ字状の枠体を構成するガスケット(グ
レージングチャンネル)5が嵌着され、その枠体付の複
層ガラスGが、本体アルミサッシ6の凹溝6a内に差し
込まれて装着される。上記枠体すなわちガスケット5と
しては、塩化ビニル樹脂(PVC)やCRラバーが用い
られている。一方図14に示されている例では、セッテ
ィングブロック7上に装着された複層ガラスGの側面部
を、ガスケット(ビードチャンネル)8によりシールす
る構造になされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが上述した構造
の従来の複層ガラスでは、吸湿剤入スペーサー3の組込
がガラス単板1の4つの周辺全体にわたって行われてい
るため、組込作業に手間がかかり面倒な作業になってい
る上、封着材4の熟成に長時間を要するために生産性が
悪いという問題がある。
【0005】そこで本発明は、上述した従来の問題点に
鑑み、複層ガラスを能率的に製造することができるよう
にした複層ガラス及びその製造方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した従来の問題点を
解決するため本発明にかかる第1の手段は、所定の空隙
を介して略平行に配置された一対のガラス単板と、この
一対のガラス単板どうしの間に介挿された吸湿剤入スペ
ーサーと、を有する複層ガラスにおいて、上記吸湿剤入
スペーサーは、前記ガラス単板の周辺のうちの少なくと
も一辺に相当する部位に配置されているとともに、上記
吸湿剤入スペーサーが配置されていない他の残りの各辺
に相当する部位には、ガラス単板どうしを固着する接着
層が押出成形された構成を有している。
【0007】また本発明にかかる第2の手段は、上記第
1の手段において、吸湿剤入スペーサーが、細長中空ケ
ースの内部に吸湿剤を収容した構成を有している。
【0008】さらに本発明にかかる第3の手段は、上記
第1の手段において、接着層は、一対のガラス単板どう
しの間に押出成形された所定の樹脂材からなる構成を有
している。
【0009】さらにまた本発明にかかる第4の手段は、
上記第1の手段において、吸湿剤入スペーサーが、所定
の吸湿剤を練り込んだ熱可塑性の硬質樹脂材からなり、
一対のガラス単板どうしの間に押出成形された構成を有
している。
【0010】一方本発明にかかる第5の手段は、所定の
空隙を介して略平行に配置した一対のガラス単板どうし
の間に、吸湿剤入スペーサーを介挿してなる複層ガラス
の製造方法において、 上記吸湿剤入スペーサーを、前
記ガラス単板の周辺のうちの少なくとも一辺に相当する
部位に配置するスペーサー形成工程と、上記吸湿剤入ス
ペーサーが配置されていない他の残りの各辺に相当する
部位に接着層を設けてガラス単板どうしを固着する接着
層形成工程と、を備えた構成を有している。
【0011】また本発明にかかる第6の手段は、上記第
5の手段において、接着層形成工程は、ダイ装置の押出
成形口を通してガラス単板の周辺に相当する部位に押出
成形を行う工程からなり、上記ダイ装置における押出成
形口の側方開口部から、一対のガラス単板の各外周縁部
を略平行状態にて差し込み、これら一対のガラス単板の
各外周縁部どうしの間に、接着層に対応した開口形状の
押出成形口を配置して接着層を構成する所定の樹脂材を
押出成形しつつ、前記一対のガラス単板を外周縁に沿っ
た直線方向に一定の速度で連続的に移動させることによ
り、ガラス単板側に接着層を接着接合し一体化する構成
を有している。
【0012】さらに本発明にかかる第7の手段は、上記
第5の手段において、スペーサー形成工程は、ダイ装置
の押出成形口を通してガラス単板の周辺に相当する部位
に押出成形を行う工程からなり、まずスペーサーの押出
材料として、所定の乾燥剤を練り込んだ硬質樹脂材を前
記ダイ装置に予め用意しておき、ついで上記ダイ装置に
おける押出成形口の側方開口部から、一対のガラス単板
の各外周縁部を略平行状態にて差し込み、これら一対の
ガラス単板の各外周縁部どうしの間に、吸湿剤入スペー
サーに対応した開口形状の押出成形口を配置して吸湿剤
入スペーサーを構成する所定の樹脂材を押出成形しつ
つ、前記一対のガラス単板を外周縁に沿った直線方向に
一定の速度で連続的に移動させることにより、ガラス単
板側に吸湿剤入スペーサーを接着接合し一体化する構成
を有している。
【0013】さらにまた本発明にかかる第8の手段は、
上記第7の手段において、吸湿剤入スペーサーを構成す
る所定の樹脂材として、所定の吸湿剤を練り込んだ熱可
塑性の硬質樹脂材を用いる構成を有している。
【0014】
【作用】そして上記第1、第2または第5の手段によれ
ば、ガラス単板の周辺のうちの少なくとも一辺に相当す
る部位にのみ吸湿剤入スペーサーが配置されるため、吸
湿剤入スペーサーの組込がより少ない作業で効率的に行
われるようになっている。
【0015】また第3または第6の手段によれば、接着
層が押出成形により効率的に設けられるようになってい
る。
【0016】さらに第4または第8の手段によれば、吸
湿剤入スペーサーが押出成形により効率的に設けられる
とともに、吸湿剤入スペーサーが熱可塑性の硬質樹脂材
により成形されるため、樹脂の熟成時間を要することな
く複層ガラスが得られるようになっている。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
するが、まず本発明にかかる複層ガラスの一実施例を説
明する。図1ないし図4に示されている複層ガラスG
は、一対のガラス単板11,11を、所定の空隙12を
介して略平行に配置したものであり、上記両ガラス単板
11,11の外周縁部分どうしの間には、吸湿剤入のス
ペーサー13及び接着層14が介挿されている。このう
ち吸湿剤入スペーサー13は、特に図2に示されている
ように、アルミニウム材等からなる横断面略矩形状の細
長中空ケース13aの内部にシリカゲル等の吸湿剤13
bを収容したものであり、ガラス単板11の互いに対向
する2辺に相当する部位に、ブチル両面テープ13cに
より接着配置されている。また上記吸湿剤入スペーサー
13の細長中空ケース13aには、多数の通気孔13d
が貫通形成されており、これらの各通気孔13dを通し
てガラス内部の乾燥が行われるようになっている。
【0018】また上記吸湿剤入スペーサー13の外周側
には、封着材15が充填され熟成されている。この封着
材15としては、ブチルシーラント、ポリサルファイド
(チオコールあるいは多硫化ゴム)、シリコン、ホット
メルトブチル等の軟質樹脂材が用いられている。なお上
記吸湿剤入スペーサー13は、両ガラス単板11,11
に対して接着剤により固着することができる。
【0019】一方前記接着層14は、特に図3に示され
ているように、所定の硬質樹脂材からなる接着剤を横断
面略矩形状に押出形成したものであって、硬質樹脂材と
しては、JISA硬度95°の熱可塑性樹脂が採用され
ている。
【0020】このような実施例にかかる複層ガラスGに
おいては、ガラス単板11,11の互いに対向する2辺
に相当する部位にのみ吸湿剤入スペーサー13が配置さ
れているため、吸湿剤入スペーサーの組込がより少ない
作業で効率的に行われるようになっている。なおこのよ
うな構造の複層ガラスGの組付は、前述したものと同様
であるので詳細な説明は省略する(図12及び図13参
照)。
【0021】次に上記図3に表した接着層14の構造
を、本発明により製造する場合に用いる装置例を説明す
る。まず図5及び図6に示されている装置例では、接着
剤塗布部21、加温部22、押出部23、分離部24が
順に配列されており、これらの各部の配列方向に沿って
設けられた複数体のベルトコンベア25上に、一対のガ
ラス単板11,11が略平行に重ね合わされた状態で連
続的に載置されている。これらの各ベルトコンベア25
は、ガラス単板11の幅方向における略中央部位を下側
から受けるように配置されており、当該ベルトコンベア
25の搬送力によって、ガラス単板11が図示矢印方向
に向かって連続的に送られるように構成されている。
【0022】また上記ガラス単板11の送り方向途中部
分には、位置決めコロ26が適宜の間隔で配置されてい
る。これらの各位置決めコロ26は、例えば図8に示さ
れているような糸巻状に構成されており、ガラス単板1
1の幅方向に相対向する一対の両側縁部を挟み込むよう
にそれぞれ一対配置されて幅方向に位置規制を行ってい
る。またこの位置決めコロ26の胴部中央には、円盤形
状の分離板26aが鍔状をなすように突設されており、
この分離板26aが、一対のガラス単板11,11どう
しの間部分に介挿されることによって、上記一対のガラ
ス単板11,11が高さ方向に位置規制されるように構
成されている。そしてこれら各位置決めコロ26の幅方
向及び高さ方向の位置規制力により、一対のガラス単板
11,11が常時一定の幅方向位置及び高さ方向位置に
それぞれ維持されながら搬送されるようになっている。
【0023】図5及び図6に戻って、前記接着剤塗布部
21においては、ガラス単板11の幅方向に相対向する
一対の両側縁部に相当する位置に、一対の接着剤ノズル
28,28が両側から対向するように配置されている。
これらの各接着剤ノズル28には、図示を省略した接着
剤供給源から接着剤が送給されており、当該接着剤ノズ
ル28を通してガラス単板11,11の両側縁部の内面
側に接着剤が吐出されるように構成されている。そして
これらの各接着剤ノズル28から吐出された接着剤29
は、ガラス単板11,11の幅方向に相対向する一対の
両側縁部の内面に対して一定幅の帯状をなすように塗布
されるようになっている。
【0024】本実施例における接着剤29としては、ウ
レタン系あるいはエポキシ変成したナイロン系の熱硬化
性のものが用いられており、これにより後述する押出成
形時の温度・圧力に反応して良好な接着状態が得られる
ようになっている。またこの接着剤29の塗布前には、
必要に応じてシランカプリング剤によるプライマー処理
が複層ガラスGの表面に施され、そのプライマー処理部
分に上記接着剤29が塗布される。
【0025】さらに加温部22には、例えば遠赤外線ヒ
ータ31が上記接着剤の塗布領域に対向するように配置
されており、この遠赤外線ヒータ31によってガラス単
板11の表面を50°以上に予備加熱している。これは
上述した接着剤29の硬化反応を促すためであり、上記
遠赤外線ヒータ31は、ガラス単板11の全体を加温す
るように配置されている。
【0026】さらにまた押出部23には、ガラス単板1
1の相対向する一対の両側部分に対応して一対のダイ装
置32,32が配置されている。これらの各ダイ装置3
2は、上述した接着層14を押出成形するものであっ
て、図8に表わされているように、押出成形機321の
先端部には、接着層14の押出樹脂材料を供給するジョ
イントパイプ322を介して、ダイ本体323が取り付
けられている。このダイ本体323の側面には、ガラス
単板11,11の外周縁部の一部を差込み可能とする側
方開口部323aが凹設されているとともに、この側方
開口部323aにおけるガラス単板11,11どうしの
間部分に相当する部位には、スペーサー23の外郭形状
に対応する開口形状の押出成形口323bが突出するよ
うに配置されている。
【0027】この押出成形口323bは、ダイ本体32
3の前面上に溝状に凹設された押出通路323cに連通
されているとともに、この押出通路323cを通してダ
イ本体323内に延出する押出材料供給管323dに上
記押出成形口323bが連通されている。押出材料供給
管323dは、ダイ本体323内を通って前記ジョイン
トパイプ322に接続されており、このジョイントパイ
プ322を介して押出成形機321に接続されている。
すなわち押出成形機321から送給される押出材料は、
ジョイントパイプ322、押出材料供給管323d及び
押出通路323cを通して押出成形口323bから押し
出されていき、接着層14の成形が行われるように構成
されている。このとき接着層14の押出行うにあたって
は、樹脂温度が150°以上に設定されるとともに、口
金内の押出圧力が20Kg/cm2以上に設定される。
【0028】また上記ダイ本体323の前面部には、口
金324が固定ネジ324aにより取り付けられてい
る。この口金324の側面部にも、ガラス単板11,1
1の外周縁部の一部を差込み可能とする側方開口部32
4bが凹設されている。
【0029】上記ガラス単板11の外周縁部とダイ装置
32とは、接着層14の押出成形にあたって相対移動さ
れるが、本実施例においては、固定状態にあるダイ装置
32に対してガラス単板11が上述したベルト搬送機構
によって相対移動されるように構成されている。また両
者の相対移動を行うにあたっては、正確な形状・寸法を
有する基準複層ガラスによる位置合わせが行われる。す
なわちダイ装置32と一定の関係を有するように正確に
位置合わせされた基準ガラスによる移動位置データが、
図示を省略した制御装置に教え込まれて記憶され、その
制御装置からの位置制御信号に基づいて前記位置決めコ
ロ26の位置が調整され、これにより複層ガラスGの搬
送が精度良く行われるようになっている。
【0030】再び図6及び図7に戻って、分離部24に
は、ガラス単板11の側縁部に押出成形された接着層1
4を所定のタイミングで所定の長さにカットするための
回転切断刃33が配置されている。この回転切断刃33
は、回転によるカット機能を備えるものであって、上述
したガラス単板11の移動と同期して移動されるように
構成されている。
【0031】次に、上述のように構成された製造装置の
作用とともに本発明の一実施例にかかる製造方法を説明
する。準備された一対のガラス単板11,11は、その
外周縁部の端縁部が予めプライマ処理されて上記製造装
置のベルトコンベア25上に載置され、接着層押出成形
工程が実行される。
【0032】まず接着剤塗布部21において、ガラス単
板11,11の相対向する一対の幅方向両側縁部の内側
面上に、接着剤29,29が一定幅にわたって帯状に塗
布され、ついで加温部22において、遠赤外線ヒータ3
1によりガラス単板11,11が予備加熱される。
【0033】加温されたガラス単板11,11は、送り
方向前端部分における相対向する一対の両側縁部が、ダ
イ装置32,32の各側方開口部323a,324b内
に略平行状態にて一定量だけ差込まれる。このとき一対
のガラス単板11,11の外周縁の間部分には、接着層
14に対応する押出成形口323bが配置されている。
そしてダイ装置32の材料給送路に上述した接着層押出
材料が溶融状態で供給され、その接着層押出材料が上記
押出成形口323bを通して押し出されていく。
【0034】この押出成形口323bから接着層押出材
料が押し出されるときには、ベルトコンベア25の搬送
力により、ガラス単板11が常時一定に制御された速度
で搬送されていき、また位置決めコロ26によって、ガ
ラス単板11,11の外周縁が制御された位置に沿って
移動されていく。これによってガラス単板11,11の
外周縁内側に、接着層14が正確に押出成形されてい
く。
【0035】このように各ダイ装置32では、当該ダイ
装置32の側方開口部323a,324b内にガラス単
板11,11の外周縁部が略平行状態にて差し込まれ、
ガラス単板11,11の外周縁部どうしの間部分に配置
される押出成形口323bを通して、接着層押出材料が
溶融状態で押し出されていくとともに、ガラス単板1
1,11と前記ダイ装置32とがガラス単板11,11
の外周縁部に沿って相対的に移動されることで、ガラス
単板11,11の外周縁部の内側に接着層14が一体化
して接着接合される。
【0036】このときの接着層14の接合は、押出形成
と同時に高温・高圧下で行われるため、十分な反応熱及
び反応圧により大きな接着強度になされ、従って複層ガ
ラスが容易かつ良好に製造される。また接着層14が、
熱可塑性の樹脂材により成形されるため、樹脂の熟成時
間を要することなく迅速に複層ガラスが得られる。
【0037】そしてこのように押出部においてガラス単
板11,11の相対向する一対の両側縁部の内側に接着
層14が押出成形された後、ガラス単板11,11は分
離部24に送り込まれ、そこで定尺に切断される。
【0038】また同一構成物を同一の符号で表した図9
の実施例における吸湿剤入スペーサー23は、シリカゲ
ル等からなる果粒状の吸湿剤23aを硬質樹脂材23b
に練り込んで横断面略矩形状に押出形成したものであ
り、硬質樹脂材23bとしては、JISA硬度95°の
熱可塑性樹脂が採用されている。また上記吸湿剤23a
は、硬質樹脂材23b内に50重量部以上が混練により
充填されている。この充填された吸湿剤23aは、樹脂
に対する汎用充填材として機能するものであり、剛性及
び温度に対する製品寸法の安定性に寄与している。
【0039】このような実施例によれば、吸湿剤入スペ
ーサー23が押出成形により効率的に設けられるととも
に、吸湿剤入スペーサー23が熱可塑性の硬質樹脂材に
より成形されるため、樹脂の熟成時間を要することなく
複層ガラスが得られる。
【0040】なおこの実施例における吸湿剤入スペーサ
ー23は、図8に示されたダイ装置32と同様の構成を
有するダイ装置によって同様に押出成形することができ
る。この場合の押出に用いられる樹脂材料(硬質樹脂材
23b)には、図示を省略した練機によって前述したよ
うに予めシリカゲル等の吸湿剤23aが混練されてい
る。
【0041】一方同一構成物を同一の符号で表した図1
0の実施例における接着層24は、所定の硬質樹脂材か
らなる芯材24aを横断面略矩形状に押出形成するとと
もに、その芯材24aの周囲三方を、軟質樹脂材からな
る封着材24bにより覆うように押出成形が行われてい
る。このような実施例によれば、接着層24が押出成形
により効率的に設けられる。
【0042】次に上記図10に表した構造を、本発明に
より製造する場合に用いる装置例を説明する。この場合
の装置全体構造は、前述した図5に表したものと同様で
あるので説明は省略するが、押出部に配置されているダ
イ装置が図11に示された構成を有している。
【0043】すなわち図11に表わされているダイ装置
は、上述した図8に示されているダイ装置32に対応す
る構成物を同一の符号で示している。このダイ装置で
は、ダイ本体323と口金324との間に、中型325
が追加されている。この中型325の側面部には、ガラ
ス単板11,11の外周縁部の一部を差込み可能とする
側方開口部325aが形成されているとともに、この側
方開口部325aの近傍に、押出成形口325bが溝状
に凹設されている。この溝状の押出成形口325bは、
口金324により前面側の一部が閉塞され、残された開
口部分に、上述した封着材24の横断面外郭形状に対応
する押出成形口が、ガラス単板11,11の外側部分に
対応する位置に形成されるようになっている。
【0044】また上記中型325の押出成形口325b
は、ダイ本体323内に延出する押出材料供給管323
e及びジョイントパイプ326を介して押出成形機32
7に接続されている。そしてこの押出成形機327から
送給される軟質樹脂材料からなる押出材料が、封着材2
4bとして上記押出成形口325bから押し出されるよ
うに構成されている。
【0045】一方ダイ本体323に設けられた押出成形
口323bは、前述した芯材24aに対応する横断面形
状に形成されており、押出成形機321からは、芯材2
4aを形成するための硬質樹脂材料が、ジョイントパイ
プ322、押出材料供給管323d及び押出通路323
cを通して押出成形口323bに供給され、押出成形口
323bから芯材24aが押出成形されるように構成さ
れている。
【0046】このダイ装置では、側方開口部323b,
325a,324b内にガラス単板11,11の外周縁
部が略平行状態にて差し込まれ、ガラス単板11,11
の外周縁部どうしの間部分に配置される押出成形口32
3bを通して、硬質樹脂材からなる芯材が溶融状態で押
し出されていくとともに、ガラス単板11,11の外側
に配置される押出成形口325bを通して、軟質樹脂材
からなる封着材が溶融状態で押し出されていく。そして
ガラス単板11,11とダイ装置とがガラス単板11,
11の外周縁部に沿って相対的に移動されることで、ガ
ラス単板11,11の外周縁部の内側に芯材24aが接
合されると同時に、この芯材24aの外側に封着材24
bが同時に一体化して接着接合され、接着層24が効率
的に形成されるようになっている。
【0047】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能であるというのはいうまでもない。例えば
吸湿剤入スペーサーは、上述した実施例のように対向す
る2辺に設けるものに限定されることはなく、ガラス単
板の周辺のうちの少なくとも一辺に相当する部位に配置
されていれば良い。
【0048】
【発明の効果】以上述べたように本発明にかかる複層ガ
ラス及びその製造方法は、ガラス単板の外周縁部の一部
のみに吸湿剤入スペーサーを配置するものであるから、
スペーサーの組込作業を効率化することができ、複層ガ
ラスを容易かつ良好に得て生産性を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における複層ガラスを表した
部分外観斜視面説明図である。
【図2】図1中のII−II線に沿う横断面説明図である。
【図3】図1中の III−III 線に沿う横断面説明図であ
る。
【図4】図1に表された複層ガラスにおける片側のガラ
ス単板を表した正面説明図である。
【図5】本発明の製造方法を実施するための製造ライン
の概要を表した側面説明図である。
【図6】図5に表した製造ラインの平面説明図である。
【図7】図5及び図6の製造ラインに用いられている位
置決めコロを表した部分拡大側面図である。
【図8】図3に表した複層ガラス構造を製造するのに用
いられるダイ装置の分解斜視説明図である。
【図9】本発明の他の実施例における複層ガラスを表し
た図2相当の横断面説明図である。
【図10】本発明のさらに他の実施例における複層ガラ
スを表した図3相当の横断面説明図である。
【図11】図10に表した複層ガラス構造を製造するの
に用いられるダイ装置の分解斜視説明図である。
【図12】従来構造の複層ガラスの一例の組付け状態を
表した横断面説明図である。
【図13】図12に示された複層ガラスの分解説明図で
ある。
【符号の説明】
G 複層ガラス 11 ガラス単板 12 空隙 13,23 吸湿剤入スペーサー 14,24 接着剤 15 封着材 32 ダイ装置 323 ダイ本体 323a,324b,325a 側方開口部 323b,325b 押出形成口

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の空隙を介して略平行に配置された
    一対のガラス単板と、この一対のガラス単板どうしの間
    に介挿された吸湿剤入スペーサーと、を有する複層ガラ
    スにおいて、 上記吸湿剤入スペーサーは、前記ガラス単板の周辺のう
    ちの少なくとも一辺に相当する部位に配置されていると
    ともに、 上記吸湿剤入スペーサーが配置されていない他の残りの
    各辺に相当する部位には、ガラス単板どうしを固着する
    接着層が押出成形されていることを特徴とする複層ガラ
    ス。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の複層ガラスにおいて、 吸湿剤入スペーサーが、細長中空ケースの内部に吸湿剤
    を収容してなることを特徴とする複層ガラス。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の複層ガラスにおいて、 接着層は、一対のガラス単板どうしの間に押出成形され
    た所定の樹脂材からなることを特徴とする複層ガラス。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の複層ガラスにおいて、 吸湿剤入スペーサーが、所定の吸湿剤を練り込んだ熱可
    塑性の硬質樹脂材からなり、一対のガラス単板どうしの
    間に押出成形されていることを特徴とする複層ガラス。
  5. 【請求項5】 所定の空隙を介して略平行に配置した一
    対のガラス単板どうしの間に、吸湿剤入スペーサーを介
    挿してなる複層ガラスの製造方法において、 上記吸湿剤入スペーサーを、前記ガラス単板の周辺のう
    ちの少なくとも一辺に相当する部位に配置するスペーサ
    ー形成工程と、 上記吸湿剤入スペーサーが配置されていない他の残りの
    各辺に相当する部位に接着層を設けてガラス単板どうし
    を固着する接着層形成工程と、を備えていることを特徴
    とする複層ガラスの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の複層ガラスの製造方法に
    おいて、 接着層形成工程は、ダイ装置の押出成形口を通してガラ
    ス単板の周辺に相当する部位に押出成形を行う工程から
    なり、 上記ダイ装置における押出成形口の側方開口部から、一
    対のガラス単板の各外周縁部を略平行状態にて差し込
    み、 これら一対のガラス単板の各外周縁部どうしの間に、接
    着層に対応した開口形状の押出成形口を配置して接着層
    を構成する所定の樹脂材を押出成形しつつ、 前記一対のガラス単板を外周縁に沿った直線方向に一定
    の速度で連続的に移動させることにより、ガラス単板側
    に接着層を接着接合し一体化することを特徴とする複層
    ガラスの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の複層ガラスの製造方法
    において、 スペーサー形成工程は、ダイ装置の押出成形口を通して
    ガラス単板の周辺に相当する部位に押出成形を行う工程
    からなり、 まずスペーサーの押出材料として、所定の乾燥剤を練り
    込んだ硬質樹脂材を前記ダイ装置に予め用意しておき、 ついで上記ダイ装置における押出成形口の側方開口部か
    ら、一対のガラス単板の各外周縁部を略平行状態にて差
    し込み、 これら一対のガラス単板の各外周縁部どうしの間に、吸
    湿剤入スペーサーに対応した開口形状の押出成形口を配
    置して吸湿剤入スペーサーを構成する所定の樹脂材を押
    出成形しつつ、 前記一対のガラス単板を外周縁に沿った直線方向に一定
    の速度で連続的に移動させることにより、ガラス単板側
    に吸湿剤入スペーサーを接着接合し一体化することを特
    徴とする複層ガラスの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の複層ガラスの製造方法
    において、 吸湿剤入スペーサーを構成する所定の樹脂材として、所
    定の吸湿剤を練り込んだ熱可塑性の硬質樹脂材を用いる
    ことを特徴とする複層ガラスの製造方法。
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