JPH0986597A - ガソリンスタンドにおける給油システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガソリンスタンドにおいて車両へ給油する際
のハイオクガソリン、レギュラーガソリン、軽油との間
の油種の間違いを皆無とすることを可能としたガソリン
スタンドにおける給油システム及び方法を提供する。 【解決手段】 ガソリンスタンドにおける給油システム
であり、自動車車体の適宜位置に設けられた油種コード
と、該油種コードから油種を読みとる油種読取手段と、
該油種読取手段によって読みとられた油種のみを上記自
動車に給油する給油手段とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ガソリンスタンド
において車両へ給油する際のレギュラーガソリン、ハイ
オクガソリン、軽油との間の油種の間違いを皆無とする
ことを可能としたガソリンスタンドにおける新規な給油
システム及び給油方法に関する。

【０００２】

【関連技術】一般に、ガソリンスタンドにおいて車両に
給油を行う際には、入場してきた車両を、計量機に誘導
してドライバーに給油する油の種類、即ちレギュラーガ
ソリンかハイオクガソリンか軽油か、及び給油量を尋ね
てその指示により給油を行うのが普通である。

【０００３】ガソリン車には、ガソリン（レギュラー又
はハイオク）を給油し、ディーゼル車には、軽油を給油
する必要があることはいうまでもない。油種を間違えて
給油、例えば、ガソリン車に軽油を給油し、又はディー
ゼル車にガソリンを給油した場合には、エンジントラブ
ル等を招来し、オーバーホールが必要となることも多
く、ドライバーにとっても不都合であるし、ガソリンス
タンド側によっても大きな無駄な出費を強いられる事態
となる。

【０００４】なお、レギュラーガソリンとハイオクガソ
リンの油種違いは、エンジントラブル等を招くこともな
いのでそれほど大きな問題とはならないが、やはりでき
る限り解消することが望ましことはいうまでもない。

【０００５】一方、現在の計量機は、単一の油種を給油
する構造のものもあるが、通常使用されるものは三種の
油、即ちレギュラーガソリン、ハイオクガソリン及び軽
油を別々のノズルから給油できる構造となっている。

【０００６】従って、ドライバーの指示が正確で、係員
が指示通りの油種を給油すれば、何らのトラブルも発生
しない。しかし、現実には、ドライバーが自己の車両に
給油する油は、ガソリンか軽油かを認識していない場合
も多く、またガソリンスタンド係員も全てがベテランで
はなく、未熟な係員もかなり働いているため、かなりの
頻度で油種違いによる上記したようなトラブルが発生
し、ドライバーにとっても、ガソリンスタンド側にとっ
ても大きな不都合を被る事態となっている。

【０００７】ＰＬ法の施行を考慮してもこのような油種
間違いを皆無とすることができれば、ガソリンスタンド
の経営上の観点から極めて大きな意味を有するものであ
る。さらに、将来実施が予定されているセルフガソリン
スタンド（ドライバーが自ら給油するシステムのガソリ
ンスタンド）についていえば、この種の油種問題に起因
するトラブルは実現化へのネックと考えられており是非
とも回避されるべき課題である。

【０００８】このような油種間違いを防止するために、
燃料タンクから発生するベーパーを検知し、異種の燃料
を給油できないようにする機構を有する油種間違い防止
装置が知られているが、この装置は高価でありかつ計量
機毎に備える必要があるからさらにコストがかかる。し
かも車種によっては燃料タンクからベーパーがでない構
成の燃料タンクもあり、この装置を用いても油種間違い
が完全に防止されるとはいえない。

【０００９】さらに、この装置はもともとガソリンと軽
油との間の油種間違いを防止するために開発されたもの
で、レギュラーガソリンとハイオクガソリン間の相違を
検知することはできないものである。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来の問題点に鑑みてなされたもので、ガソリンスタンド
において車両へ給油する際のハイオクガソリン、レギュ
ラーガソリン、軽油との間の油種の間違いを皆無とする
ことを可能としたガソリンスタンドにおける給油システ
ム及び給油方法を提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のガソリンスタンドにおける給油システム
は、自動車車体の適宜位置に設けられた油種コードと、
該油種コードから油種を読みとる油種読取手段と、該油
種読取手段によって読みとられた油種のみを上記自動車
に給油する給油手段とを有することを特徴とする。

【００１２】上記した本発明の給油システムに、さらに
自動車車体から取り外された給油キャップの載置の有無
を検知する検知手段を設けた給油キャップ置場を設け、
前記油種コード読み取り手段によって油種を読みとると
ともに給油キャップ置場にキャップが置かれたことを検
知して自動車への給油を開始し、自動車への給油が完了
し、給油キャップがキャップ置場から取り去られたこと
を検知した後、給油伝票を発行する構成とすれば、給油
後のキャップの戻し忘れを完全に防止できる。

【００１３】前記油種読取手段によって読みとられた油
種のみを給油する態様としては、前記給油手段のポンプ
のロックのみを解除し、残りの油種の前記給油手段のポ
ンプはロック状態とすればよい。給油ポンプ及びそのポ
ンプのロック手段はいずれも既存の給油手段には備えら
れているものであり、それらのポンプ及びロック手段を
適用すればよいものである。

【００１４】また、本発明のガソリンスタンドにおける
給油方法の第１の態様は、自動車車体に設けられた油種
コードを油種コード読取手段によって読みとる工程と、
該読みとった油種のみを当該自動車に給油する工程と、
給油完了後給油伝票を発行する工程とからなることを特
徴とする。

【００１５】本発明のガソリンスタンドにおける給油方
法の第２の態様は、自動車車体に設けられた油種コード
読取手段によって油種を読みとる工程と、給油キャップ
置場にキャップが置かれたことを検知し、上記読みとら
れた油種の上記自動車への給油を開始する工程と、上記
自動車への給油が完了し、給油キャップがキャップ置場
から取り去られたことを検知した後、給油伝票を発行す
る工程とからなることを特徴とする。

【００１６】前記油種コードを自動車車体の給油キャッ
プ面に設けておけば、給油の際には自動車の燃料タンク
の給油キャップを必ず外すので、この外した給油キャッ
プを油種読取手段に近接することにより油種を容易に読
みとることができる利点がある。

【００１７】前記油種コードとしては油種コード読取手
段によって読みとり可能あればよく、特別の限定はな
い。この油種コードとしてバーコードを用いれば既存の
バーコードリーダーが適用でき、有利である。

【００１８】自動車への給油完了後、給油伝票を発行す
ることは従来の給油システムにおいても行なわれている
が、本発明においては給油した油種は油種コード読取手
段からの情報により伝票発行手段に給油した油種を事前
に入力しておくことが可能であるから、伝票発行作業が
容易に行なえる便利さがある。

【００１９】

【発明の実施の形態】本発明の１つの実施の形態を添付
図面とともに説明する。

【００２０】図１は本発明のガソリンスタンドにおける
給油システム２の１例を示すブロック図である。該給油
システム２は、給油手段４を有している。該給油手段４
は、例えばレギュラーガソリン、ハイオクガソリン、軽
油をそれぞれ自動車に給油するための、例えばＮｏ．
１、Ｎｏ．２、Ｎｏ．３の３つのロック機能付給油ポン
プ６，８，１０を具備している。

【００２１】該給油ポンプ６，８，１０にはそれぞれＮ
ｏ．１、Ｎｏ．２、Ｎｏ．３の給油ノズル１２，１４，
１６が接続されている。該給油ノズル１２，１４，１６
は不使用時にはそれぞれのノズル取出口（図示せず）に
載置係止されている。１８は、給油完了後に領収書等の
伝票を発行する伝票発行手段である。

【００２２】上記した給油手段４の構成は、現行の給油
手段に具備されているもので、公知の構成である。図１
において、２０は油種コード読取手段であり、本発明特
有の新規な構成である。該油種コード読取手段２０は、
給油すべき自動車の車体の適宜位置に付与された油種コ
ードを読取るための手段であり、例えば油種コードをバ
ーコードで表示した場合にはバーコード読取機を用いれ
ばよい。

【００２３】上記油種コードは、自動車に給油すべき油
種、例えば前記したように、レギュラーガソリン、ハイ
オクガソリン、軽油の３種を区別するためのコード、例
えばバーコードを意味するものである。この油種コード
は、油種コード読取手段２０によって、読取られる位置
であれば特に制限は無いが、例えば給油口のキャップ面
に油種コードを付与しておけば、給油の際には必ず給油
口からキャップを取外すので、油種コード読取手段２０
にキャップ面の油種コードを読取らせればよく、簡単な
操作でその読取りを行うことが出来る利点がある。

【００２４】図１において、２２はキャップ有無検知手
段であり、上記油種コード読取手段２０と共に本発明特
有の新規な構成である。該キャップ有無検知手段２２
は、給油の際に自動車の給油口からはずされたキャップ
が載置されるキャップ置場に設置されるもので、給油中
及び給油完了後のキャップ置場のキャップの有無を検知
することによって、キャップの給油完了後の給油口への
戻し忘れ、又は閉め忘れを防止するために設置される。

【００２５】上記したガソリンスタンドにおける給油シ
ステム２が、作動するためには、上記した如く、給油す
べき自動車車体の適宜位置に、給油すべき油種、例えば
レギュラーガソリン、ハイオクガソリン又は軽油の種別
を示す油種コードを付与することが必要である。

【００２６】この油種コードは、当該自動車の運転者が
その好みに応じて、又は車種に応じて予め決定し、例え
ば自動車購入時に給油油種を決めて油種コードを車体に
付与するとか、又はガソリンスタンドにおける給油時に
給油すべき油種を決めて油種コードを示すシール等を付
与することにより、事前に車体に油種コードを付与する
ようにする。自動車運転者の要望など、必要に応じてこ
の油種コードを適宜変更して給油油種の変更を行えるこ
とは勿論である。

【００２７】上記の構成により、給油キャップに油種コ
ードを付与した自動車への給油について図２によって説
明する。まずガソリンスタンドの給油位置に停車した自
動車の給油口から給油キャップを取外す（１０１）。取
外した給油キャップの油種コード、例えばレギュラーガ
ソリンを油種コード読取手段２０で読取る（１０２）。

【００２８】この油種コード読取手段２０からの読取ら
れた油種に基づく信号により、読取られた油種、例えば
レギュラーガソリンの給油手段４のレギュラーガソリン
用給油ポンプ、図１の例ではＮｏ．２給油ポンプ８のロ
ックのみを解除し（１０３）、残りのＮｏ．１、Ｎｏ．
３の給油ポンプ６，１０は、ロックしたままの状態とさ
れている。

【００２９】ガソリンスタンドの作業員は、上記油種コ
ード読取手段２０から読取られた油種に基づく信号によ
り、表示された油種表示、例えば所定の油種の給油ポン
プの点灯ランプ表示又は所定の油種の文字表示等によ
り、給油油種を確認し、当該油種の給油ノズル、例えば
レギュラーガソリンのＮｏ．２給油ノズル１４をノズル
取出口から取出して、給油口に差し込み給油を行う（１
０４）。

【００３０】給油完了後、給油ノズル１４をノズル取出
口に戻す。所定の伝票発行作業、例えば伝票発行スイッ
チを押圧又は前記給油ノズルのノズル取出口への戻し動
作に連動すること等により、給油伝票を発行する（１０
５）。

【００３１】このように、給油作業を行うことにより、
油種コード読取手段２０によって読みとられた油種（上
記の例では、レギュラーガソリン）以外の油種（上記の
例では、ハイオクガソリン、軽油）の給油ポンプはロッ
クされたままとなっているので、ガソリンスタンドにお
ける給油の際の油種間違いは完全に防止される。

【００３２】次で、キャップ有無検知手段２２を上記油
種コード読取手段２０と併用する場合について説明す
る。この実施の形態においても同様に、ガソリンスタン
ドの給油位置に停車した自動車の給油口から給油キャッ
プを取外し（１０１）、取外した給油キャップの油種コ
ード、例えばレギュラーガソリンを油種コード読取手段
２０で読取る（１０２）。

【００３３】そして、取外した給油キャップを給油置場
に置く（１１１）。キャップ置場のキャップの存在を、
キャップ有無検知手段２２によって検知する（１１
２）。前記油種コード読取手段２０からの読取られた油
種に基づく信号により、同様に読取られた油種の給油ポ
ンプのロックのみを解除する（１０３）。

【００３４】ガソリンスタンドの作業員は、同様に給油
油種を確認し、給油を行う（１０４）。給油完了後、給
油ノズルを給油取出口に戻す。給油キャップをキャップ
置場より取り、給油口に戻す（１１３）。キャップ置場
のキャップの不存在をキャップ有無検知手段２２で検知
する（１１４）。

【００３５】所定の伝票発行作業により、同様に給油伝
票を発行する（１０５）。この例のように、給油作業を
行えば、ガソリンスタンドにおける給油の際の油種間違
いが完全に防止される上、給油キャップの閉め忘れも完
全に防止されるという利点がある。

【００３６】

【発明の効果】以上述べた如く、本発明によれば、ガソ
リンスタンドにおいて、車両へ給油する際のハイオクガ
ソリン、レギュラーガソリン、軽油との間の油種の間違
いを皆無とし、更に給油キャップの閉め忘れを完全に防
止することができるという大きな効果が達成される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のガソリンスタンドにおける給油システ
ムの一つの実施の形態を示すブロック図である。

【図２】本発明のガソリンスタンドにおける給油方法の
一つの実施の形態を示すフローチャートである。

【図３】本発明のガソリンスタンドにおける給油方法の
他の実施の形態を示すフローチャートである。

【符号の説明】

２ 給油システム ４ 給油手段 ６，８，１０ ロック機能付給油ポンプ １２，１４，１６ 給油ノズル １８ 伝票発行手段 ２０ 油種コード読取手段 ２２ キャップ有無検知手段

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車車体の適宜位置に設けられた油種
   コードと、該油種コードから油種を読みとる油種読取手
   段と、該油種読取手段によって読みとられた油種のみを
   上記自動車に給油する給油手段とを有することを特徴と
   するガソリンスタンドにおける給油システム。
2. 【請求項２】 前記油種コードが自動車車体の給油キャ
   ップ面に設けられていることを特徴とする請求項１記載
   のガソリンスタンドにおける給油システム。
3. 【請求項３】 前記油種コードがバーコードで表示され
   ていることを特徴とする請求項１又は２記載のガソリン
   スタンドにおける給油システム。
4. 【請求項４】 自動車への給油完了後、給油伝票を発行
   するようにしたことを特徴とする請求項１〜３のいずれ
   か１項記載のガソリンスタンドにおける給油システム。
5. 【請求項５】 自動車車体から取り外された給油キャッ
   プの載置の有無を検知する検知手段を設けた給油キャッ
   プ置場を有し、前記油種コード読み取り手段によって油
   種を読みとるとともに給油キャップ置場にキャップが置
   かれたことを検知して自動車への給油を開始し、自動車
   への給油が完了し、給油キャップがキャップ置場から取
   り去られたことを検知した後、給油伝票を発行するよう
   にしたことを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項記
   載のガソリンスタンドにおける給油システム。
6. 【請求項６】 前記油種読取手段によって読みとられた
   油種の前記給油手段のポンプのロックのみを解除し、残
   りの油種の前記給油手段のポンプはロック状態として前
   記自動車への給油を行なうことを特徴とする請求項１〜
   ５のいずれか１項記載のガソリンスタンドにおける給油
   システム。
7. 【請求項７】 自動車車体に設けられた油種コードを油
   種コード読取手段によって読みとる工程と、該読みとっ
   た油種のみを当該自動車に給油する工程と、給油完了後
   給油伝票を発行する工程とからなることを特徴とするガ
   ソリンスタンドにおける給油方法。
8. 【請求項８】 自動車車体に設けられた油種コード読取
   手段によって油種を読みとる工程と、給油キャップ置場
   にキャップが置かれたことを検知した後、上記読みとら
   れた油種のみを上記自動車に給油する工程と、上記自動
   車への給油が完了し、給油キャップがキャップ置場から
   取り去られたことを検知した後、給油伝票を発行する工
   程とからなることを特徴とするガソリンスタンドにおけ
   る給油方法。
9. 【請求項９】 前記油種コードが自動車車体の給油キャ
   ップ面に設けられていることを特徴とする請求項７又は
   ８記載のガソリンスタンドにおける給油方法。
10. 【請求項１０】 前記油種コードがバーコードで表示さ
    れていることを特徴とする請求項７〜９のいずれか１項
    記載のガソリンスタンドにおける給油方法。