JPH0986570A - 油性食品用容器 - Google Patents

油性食品用容器

Info

Publication number
JPH0986570A
JPH0986570A JP24334995A JP24334995A JPH0986570A JP H0986570 A JPH0986570 A JP H0986570A JP 24334995 A JP24334995 A JP 24334995A JP 24334995 A JP24334995 A JP 24334995A JP H0986570 A JPH0986570 A JP H0986570A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
layer
ultraviolet absorber
oil
vinyl alcohol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP24334995A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3702503B2 (ja
Inventor
Kozaburo Sakano
弘三郎 坂野
Shigeru Sakai
繁 坂井
Chikako Haruhara
千加子 春原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Seikan Kaisha Ltd filed Critical Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority to JP24334995A priority Critical patent/JP3702503B2/ja
Publication of JPH0986570A publication Critical patent/JPH0986570A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3702503B2 publication Critical patent/JP3702503B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Packages (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Packging For Living Organisms, Food Or Medicinal Products That Are Sensitive To Environmental Conditiond (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 油を充填し且つ光が照射された場合に生じる
接着劣化が有効に防止され、油のカルボニル生成や過酸
化物生成による変質を完全に防止され、これにより油性
食品のシェルフライフを著しく延長させることが可能な
油性食品用容器を提供する。 【解決手段】 紫外線吸収剤を含有するエチレンビニル
アルコール共重合体層を、ポリオレフィンを主体とする
内外層に対して、接着剤樹脂層を介して中間層として設
けた積層体から形成されている油性食品用容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油性食品用容器に関す
るもので、より詳細には、光線による接着劣化が防止さ
れ且つ内容物の保存性も向上した油性食品用容器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来包装容器としては、金属缶、ガラス
ビン、各種プラスチック容器等が使用されているが、軽
量性や耐衝撃性、更にはコストの点からプラスチック容
器が各種の用途に使用されている。
【0003】しかしながら、金属缶やガラスビンでは容
器壁を通しての酸素透過がゼロであるのに対して、プラ
スチック容器の場合には器壁を通しての酸素透過が無視
し得ないオーダーで生じ、内容品の保存性の点で問題と
なっている。
【0004】これを防止するために、プラスチック容器
では容器壁を多層構造とし、その内の少なくとも一層と
して、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の耐酸素
透過性を有する樹脂を用いることが行われている。
【0005】プラスチック容器では、光、特に紫外線に
よる内容物の劣化が問題であり、これを防止するために
容器を構成するプラスチックに紫外線吸収剤を配合する
ことも行われている。
【0006】特開昭63−218049号公報には、透
明の合成樹脂チューブに紫外線遮断性インキ及び/また
は紫外線吸収剤を添加して成る練り香辛料用チューブが
記載されており、具体的には、ポリオレフィン内外層及
び酸素不透過性フィルム中間層から成る多層容器の外層
或いは接着剤層に紫外線遮断性インキ及び/または紫外
線吸収剤を練り込むことが記載されている。
【0007】特開昭64−38230号公報には、容器
本体の外殻が少なくとも3層のプラスチック層により形
成されている多層容器において、中間プラスチック層に
紫外線吸収剤が配合されているプラスチック容器が記載
されており、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等から成る内外層、ポリエチレン、ポリプロピレン、
EVA、ポリアミド等から成る第一及び第三の中間層及
びエチレンビニルアルコール共重合体等から成る第二の
中間層の多層容器の第一及び第三の中間層にいる。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】食用油脂の場合、分
子内に不飽和結合が存在し、酸素の存在によりこれが過
酸化物を形成して、内容物のフレーバー特性を損なうこ
とが知られている。プラスチック容器を多層化して、酸
素バリアー性樹脂を設ける方法は、過酸化物生成による
フレーバー低下を抑制するのにある程度役立つが、実際
には瓶詰め製品を店頭に陳列した段階で既に着臭を生じ
ており、油脂食品のフレーバー保持、保存性向上という
見地からは未だ満足しうるものでない。
【0009】前記従来技術に見られるように、多層容器
の樹脂層に紫外線吸収剤を配合する方法は、容器内容物
に紫外線が透過するのを防止する上で確かに有効である
が、この方法では、未だ光により多層容器の接着劣化が
生じる傾向があり、油のカルボニル生成や過酸化物生成
による変質を完全に防止する上で十分満足しうるもので
はなかった。
【0010】本発明者らは、多層容器のエチレンビニル
アルコール共重合体中に紫外線吸収剤を配合することに
より、油を充填し且つ光が照射された場合に生じる接着
劣化が有効に防止されると共に、紫外線吸収剤の劣化も
少なく少量で有効であり、油のカルボニル生成や過酸化
物生成による変質を完全に防止できることを見いだし
た。
【0011】即ち、本発明の目的は、油を充填し且つ光
が照射された場合に生じる接着劣化が有効に防止され、
油のカルボニル生成や過酸化物生成による変質を完全に
防止され、これにより油性食品のシェルフライフを著し
く延長させることが可能な油性食品用容器を提供するに
ある。
【0012】本発明の他の目的は、紫外線吸収の効果の
持続性及び衛生的特性に優れており、しかも油の変質防
止が、従来の多層容器に比して、エチレンビニルアルコ
ール共重合体層の厚みを小さくして同様に達成される油
性食品用容器を提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、紫外線
吸収剤を含有するエチレンビニルアルコール共重合体層
を、ポリオレフィンを主体とする内外層に対して、接着
剤樹脂層を介して中間層として設けた積層体から形成さ
れていることを特徴とする油性食品用容器が提供され
る。
【0014】紫外線吸収剤としては、2−(3’−t−
ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−
5−クロロベンゾトリアゾール或いは2−(2’−ヒド
ロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾールが、エチレンビニルアルコール共重合体に配
合したとき、熱安定性もあり、また接着劣化防止にも有
効に作用するので特に望ましい。
【0015】紫外線吸収剤を、エチレンビニルアルコー
ル共重合体100重量部当たり0.03乃至0.1重量
部、特に0.05乃至0.08重量部の量で含有させる
ことが好ましい。
【0016】
【作用】本発明の油性食品用容器は、エチレンビニルア
ルコール共重合体から成る中間層と、ポリオレフィンを
主体とする内外層と、これらを接着する接着剤樹脂層と
の積層体から成るが、この積層体のエチレンビニルアル
コール共重合体に紫外線吸収剤を配合したことにより、
油を充填し且つ光が照射された場合に生じる接着劣化を
有効に防止でき、容器製造の際の紫外線吸収剤の劣化も
少なくすることができ、少量の配合で油のカルボニル生
成や過酸化物生成による変質を防止し、シェルフライフ
を著しく延長することができる。
【0017】従来、密封包装容器内の油の酸化劣化は、
器壁を通して透過する酸素によるものと信じられてお
り、例えば、室温及び明所において90日間貯蔵した場
合、ポリオレフィン単層容器においては、30℃80%
RHでの酸素透過度が108cc/m2 ・day・at
mであり、内容物の油の過酸化物価(POV)が21m
eq/kg及びカルボニル価が5.7に達するのに対し
て、ポリオレフィンの内外層間にエチレンビニルアルコ
ール共重合体の中間層を設けた多層容器(詳細は後述す
る例参照)では、酸素透過度が4.8cc/m2 ・da
y・atmであり、過酸化物価(POV)を2.5me
q/kg及びカルボニル価を3.5に減少させることが
できるが、フレーバーテストの結果では、未だ油に若干
の着臭を生じている。
【0018】これに対して、ポリオレフィンの内外層間
にエチレンビニルアルコール共重合体の中間層を設ける
と共にこの中間層に紫外線吸収剤としてのチヌビン 3
26を配合した多層容器(詳細は後述する例参照)で
は、酸素透過度が10cc/m 2 ・day・atmと上
記のものよりも増加しているにもかかわらず、過酸化物
価(POV)が1.0meq/kg及びカルボニル価が
3.0と顕著に減少し、フレーバーテストの結果でも、
油に着臭を生ぜず、フレーバー保持性が向上しているの
である。
【0019】以上の結果によると、密封容器内での油の
変質防止には、器壁を通しての酸素の透過防止も重要で
あるが、酸素透過度の低いレベルでは、紫外線の遮断が
油の酸化防止、フレーバー保持性の向上に重要であると
いう意外な事実が明らかとなる。
【0020】本発明では、紫外線吸収剤をエチレンビニ
ルアルコール共重合体中間層に含有させることも重要で
ある。後述する例に示すとおり、油を充填し且つ光が照
射される条件の元では、エチレンビニルアルコール共重
合体層と接着剤樹脂層との界面での接着劣化を生じる
が、紫外線吸収剤をエチレンビニルアルコール共重合体
に配合することにより、この接着劣化を有効に防止でき
る。また、エチレンビニルアルコール共重合体に紫外線
吸収剤を配合すると、他の樹脂層に紫外線吸収剤を配合
する場合に比して、少ない配合量で十分な効果を得るこ
とができ、更に熱成形時における紫外線吸収剤の劣化も
少なく、効果の持続性、安定性にも優れている。更にま
た、中間層に紫外線吸収剤を配合しているので、紫外線
吸収剤が内容物中に溶出することもなく、衛生的特性に
も優れている。
【0021】上記の作用効果は、多数の実験の結果現象
として見いだされたものであり、その理由は次のように
推測される。即ち、本発明による作用効果は、エチレン
ビニルアルコール共重合体と紫外線吸収剤との組み合わ
せに基づく効果であり、この組み合わせが、紫外線吸収
剤の熱劣化に対しても、エチレンビニルアルコール共重
合体の紫外線劣化に対しても有効に防止作用を行い、更
に油性内容物の劣化防止にも有効に機能していると考え
られる。
【0022】更に、本発明によれば、油性内容物の酸化
防止に必要な酸素透過度が従来のものよりもかなり高い
レベルまで許容できるので、高価なエチレンビニルアル
コール共重合体中間層の厚みを薄くすることができ、コ
ストを低減できるという利点もある。
【0023】
【発明の好適態様】本発明の油性食品用容器の多層構造
の一例を示す図1において、この容器壁1は、紫外線吸
収剤配合エチレンビニルアルコール共重合体の中間層2
と、該中間層2の両側の接着剤樹脂層3a,3bを介し
て設けられたポリオレフィンの内層4及び外層5とから
成っている。
【0024】容器の多層構造の他の例を示す図2におい
て、この容器壁1は、図1と同様の層構成を有するが、
接着剤樹脂層3a,3bと内層4及び外層5との間に、
ポリオレフィンを主体とするスクラップ樹脂(リグライ
ンド)層6a及び6bが設けられている。図2の容器に
おけるポリオレフィンの内層4及び外層5は、バージン
のポリオレフィンで構成されるが、中間層6a及び6b
は、容器製造の際副生するバリや、不良成形品を再利用
するためのものである。
【0025】本発明に用いる紫外線吸収剤としては、従
来この種の用途に使用されている紫外線吸収剤は全て使
用できるが、熱安定性が比較的良好でエチレンビニルア
ルコール共重合体に配合容易であり、特に好適なものと
して、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル[チヌビン 326]及び2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール[チヌビン
P]が挙げられる。
【0026】他に使用可能な紫外線吸収剤として、ベン
ゾトリアゾール系紫外線吸収剤、例えば2−(2’−ヒ
ドロキシ−5’−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(3’、5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロ
キシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’、5’
−ジペンチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(3’、5’−ジ−t−ブチル−2’−
ヒドロキシフェニル)−5−クロロべンゾトリアゾール
等が挙げられる。
【0027】本発明では、上記紫外線吸収剤をエチレン
ビニルアルコール共重合体に配合する。エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体としては、従来ガスバリアー性樹
脂として使用されているものは全て使用できるが、特に
好適には、エチレン含有量が20乃至60モル%、特に
25乃至50モル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合
体を、ケン化度が96モル%以上、特に99モル%以上
となるようにケン化して得られる共重合体ケン化物が使
用される。このエチレンビニルアルコール共重合体ケン
化物は、フイルムを形成し得るに足る分子量を有するべ
きであり、一般に、フエノール:水の重量比で85:1
5の混合溶媒中30℃で測定して0.01 dl/g 以上、特
に0.05 dl/g 以上の粘度を有することが望ましい。
【0028】紫外線吸収剤は、エチレンビニルアルコー
ル共重合体100重量部当たり、0.03乃至0.1重
量部、特に0.05乃至0.08重量部の濃度で用いる
のがよい。紫外線吸収剤の含有量が上記範囲よりも低い
と、油性内容物の酸化劣化を防止することが困難となる
傾向があり、一方上記範囲よりも多いと、経済性やフレ
ーバー保持の点で不都合となる場合がある。
【0029】また、紫外線吸収剤配合エチレンビニルア
ルコール共重合体層は、容器の大きさや、容器内に許容
される酸素量によっても相違するが、一般に3乃至20
μm、特に5乃至10μmの厚みを有することが望まし
い。
【0030】本発明において、これら中間層の両側に設
けるオレフィン系重合体としては、ASTM D 570で測
定した吸水率が0.5 %以下、特に0.1 %以下の低吸水性
オレフィン系重合体が使用され、その代表例として、低
−、中−或いは高−密度のポリエチレン、線状低密度ポ
リエチレン、アイソタクテイツクポリプロピレン、エチ
レン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン
−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合
体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重
合体(アイオノマー)或いはこれらのブレンド物等のオ
レフイン系樹脂を挙げることができる。
【0031】エチレン−ビニルアルコール共重合体とオ
レフィン系重合体との間には積層に際して十分な接着性
が得られないので、両者の間に接着剤樹脂層を介在させ
る。
【0032】このような接着剤樹脂としては、カルボン
酸、カルボン酸無水物、カルボン酸塩、カルボン酸アミ
ド、カルボン酸エステル等に基づくカルボニル(−CO
−)基を主鎖又は側鎖に、1乃至700ミリイクイバレ
ント(meq)/100g樹脂、特に10乃至500meq /
100g樹脂の濃度で含有する酸変性オレフィン系重合
体が挙げられる。接着剤樹脂の適当な例は、エチレン−
アクリル酸共重合体、イオン架橋オレフイン共重合体、
無水マレイン酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸
グラフトポリプロピレン、アクリル酸グラフトポリオレ
フイン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、共重合ポリエ
ステル、共重合ポリアミド等の1種又は2種以上の組合
せである。これらの樹脂は、同時押出による積層に有用
である。
【0033】本発明の多層構造物において、オレフィン
系重合体の内外層は、一般に150乃至350μm、特
に200乃至300μmで且つ中間層の厚みの15乃至
70倍、特に30乃至60倍の厚みを有するのがよい。
また、内層と外層との厚みは、等しくてもよく、内層又
は外層の何れか一方が他方の層よりも厚さの大きい構造
となっていてもよい。
【0034】既に図2に示したとおり、内外層の表面が
バージンのポリオレフィンで形成されているという条件
下で、容器製造の際副生するバリや、不良成形品をスク
ラップ樹脂中間層として用いることもできる。バージン
のポリオレフィンにたいするスクラップ樹脂の使用量
は、一般に1:1乃至1:1.5の比が適当である。
【0035】本発明の容器は、前述した層構成とする点
を除けば、それ自体公知の方法で製造が可能である。
【0036】多層同時押出に際しては、各樹脂を各樹脂
層に対応する押出機で溶融混練した後、T−ダイ、サー
キュラーダイ等の多層多重ダイスを通して所定の形状に
押出す。押し出されたボトル乃至チューブ形成用パリソ
ンを一対の割型でピンチオフし、その内部に流体を吹込
むことにより容易に容器への成形が行われる。
【0037】
【実施例】本発明を次の例で説明する。 実施例1 エチレン含有量が32モル%、ケン化度が99%及び極
限粘度(フェノール85重量%と水15重量%混合溶
媒、30℃)が0.12リットル/gのエチレン−酢酸
ビニルアルコール共重合体ケン化物100重量部に2−
(3´−t−ブチル−2´−ヒドロキシ−5´−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール〔チヌビン
326〕0.05重量部、低密度ポリエチレン30重量
部及び無水マレイン酸グラフト変性低密度ポリエチレン
10重量部を溶融ブレンドして中間層用ブレンド物を調
製した。このブレンド物を中間層押出機に且つ高密度ポ
リエチレン(密度0.945g/cm3 及びメルトフロ
ーレート0.3g/10min)を内外層押出機に夫々
供給し、2種3層ダイスを通して共押出し、ダイレクト
ブロー成形により、胴部の各層の厚みが内層250μ
m、中間層10μm及び外層200μmで内容積が32
0mlのボトルに成形した。比較のために、上記チヌビ
ン326が添加されていない以外は上記実施例1と同様
のボトル(比較例1)及び上記中間層を省略した以外は
実施例1と同様のボトル(比較例2)をも製造した。こ
れら3種のボトルに窒素置換したサラダ油300mlを
充填し、キャップで密封した。このサラダ油充填ボトル
を1500Luxの蛍光灯で10時間照射し、14時間
暗所に保存する操作を、1ケ月、2ケ月、3ケ月及び6
ケ月反復した。各試験後、ボトルを開封し、油の過酸化
物価(POV,meq/kg)を測定した。結果を下記
表1に示す。
【0038】
【表1】 上記表1の結果は、エチレン−ビニルアルコール共重合
体中に紫外線吸収剤を含有させることが油の変質防止に
有効であることを示している。
【0039】実施例2 上記実施例1において、チヌビン326の代わりに、2
−(2´−ヒドロキシ−5´−メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール〔チヌビン P〕0.1重量部を配合する
以外は実施例1と同様にして、ボトルを製造した。この
ボトルにサラダ油を充填し、実施例1と同様に試験を行
った結果、6ケ月後の過酸化物価は2.2meq/kg
であった。
【0040】実施例3 実施例1のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物10
0重量部にチヌビン326 0.05重量部を配合した
ブレンド物を第1中間層、(実施例1の高密度ポリエチ
レンを内外層、無水マレイン酸グラフト高密度ポリエチ
レンを接着剤層、及びボトルのバリ等を粉砕して得られ
るスクラップ(組成は上記各樹脂のブレンド)を第2中
間層として、4種6層のボトルを実施例1と同様に製造
した。胴部の各層の構成は、内層250μm、接着剤層
3μm、第1中間層5μm、接着剤層3μm、第2中間
層5μm及び外層200μmであり、内容積は320m
lであった。このボトルにサラダ油を充填し、実施例1
と同様に試験したところ、6ケ月後の過酸化物価は1.
0meq/kgであった。また、本実施例3のボトルと
前記比較例2のボトルとについて、保存後の油の色調を
ロビンボンド法で測定したところ、下記表2の結果が得
られた。
【0041】
【表2】
【0042】実施例4 上記各ボトルに充填、保存したサラダ油について、20
名のパネラーを用いて、10段階評点法で、対照品とし
て暗所冷蔵保存品を用いて評価した。結果は下記表3の
通りであった。
【0043】
【表3】
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、多層容器のエチレンビ
ニルアルコール共重合体中に紫外線吸収剤を配合するこ
とにより、油を充填し且つ光が照射された場合に生じる
接着劣化を有効に防止できると共に、油のカルボニル生
成や過酸化物生成による変質をほぼ完全に防止でき、こ
れにより油性食品のシェルフライフを著しく延長させる
ことが可能である。また、本発明による油性食品用容器
は、紫外線吸収の効果の持続性及び衛生的特性に優れて
おり、しかも油の変質防止が、従来の多層容器に比し
て、エチレンビニルアルコール共重合体層の厚みを小さ
くして同様に達成でき、コストの点でも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油性食品用容器の多層構造の一例を示
す断面図である。
【図2】本発明の油性食品用容器の多層構造の他の例を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 容器壁 2 紫外線吸収剤配合エチレンビニルアルコール共重合
体の中間層 3a及び3b 接着剤樹脂層 4 ポリオレフィンの内層 5 ポリオレフィンの外層 6a及び6b ポリオレフィンを主体とするスクラップ
樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/32 B32B 27/32 C B65D 1/09 B65D 85/50 A // B65D 85/50 1/00 B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線吸収剤を含有するエチレンビニル
    アルコール共重合体層を、ポリオレフィンを主体とする
    内外層に対して、接着剤樹脂層を介して中間層として設
    けた積層体から形成されていることを特徴とする油性食
    品用容器。
  2. 【請求項2】 紫外線吸収剤が2−(3’−t−ブチル
    −2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−ク
    ロロベンゾトリアゾールである請求項1記載の油性食品
    用容器。
  3. 【請求項3】 紫外線吸収剤が2−(2’−ヒドロキシ
    −5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
    ールである請求項1記載の油性食品用容器。
  4. 【請求項4】 紫外線吸収剤がエチレンビニルアルコー
    ル共重合体100重量部当たり0.03乃至0.1重量
    部の量で含有されている請求項1乃至3の何れかに記載
    の油性食品用容器。
  5. 【請求項5】 接着剤樹脂層が酸変性オレフィン系重合
    体である請求項1乃至4の何れかに記載の油性食品用容
    器。
  6. 【請求項6】 ポリオレフィンから成る内層、酸変性オ
    レフィン系重合体から成る接着剤樹脂層、紫外線吸収剤
    を配合したエチレンビニルアルコール共重合体から成る
    中間層、酸変性オレフィン系重合体から成る接着剤樹脂
    層、及びポリオレフィンから成る外層を備え且つ内層及
    び外層の少なくとも一方と接着剤樹脂層との間にポリオ
    レフィンを主体とするスクラップ樹脂から成る中間層を
    設けた積層体から成る請求項1乃至4の何れかに記載の
    油性食品用容器。
JP24334995A 1995-09-21 1995-09-21 油性食品用容器 Expired - Fee Related JP3702503B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24334995A JP3702503B2 (ja) 1995-09-21 1995-09-21 油性食品用容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24334995A JP3702503B2 (ja) 1995-09-21 1995-09-21 油性食品用容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0986570A true JPH0986570A (ja) 1997-03-31
JP3702503B2 JP3702503B2 (ja) 2005-10-05

Family

ID=17102514

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24334995A Expired - Fee Related JP3702503B2 (ja) 1995-09-21 1995-09-21 油性食品用容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3702503B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002255249A (ja) * 2001-02-28 2002-09-11 Ajinomoto Co Inc ボトル入りマヨネーズ様食品
WO2008102822A1 (ja) 2007-02-20 2008-08-28 Fujifilm Corporation 紫外線吸収剤を含む高分子材料
JP2008230112A (ja) * 2007-03-22 2008-10-02 Toppan Printing Co Ltd 積層材料および包装体
WO2008123504A1 (ja) 2007-03-30 2008-10-16 Fujifilm Corporation 紫外線吸収剤組成物
WO2009022736A1 (ja) 2007-08-16 2009-02-19 Fujifilm Corporation ヘテロ環化合物、紫外線吸収剤及びこれを含む組成物
WO2009113177A1 (ja) 2008-03-14 2009-09-17 株式会社大塚製薬工場 プラスチックアンプルおよび着色プラスチック容器
WO2009123142A1 (ja) 2008-03-31 2009-10-08 富士フイルム株式会社 紫外線吸収剤組成物
WO2009123141A1 (ja) 2008-03-31 2009-10-08 富士フイルム株式会社 紫外線吸収剤組成物
WO2009136624A1 (ja) 2008-05-09 2009-11-12 富士フイルム株式会社 紫外線吸収剤組成物
JP2010280403A (ja) * 2009-06-03 2010-12-16 Toppan Printing Co Ltd 積層包装袋
JP2012162323A (ja) * 2012-03-09 2012-08-30 Ajinomoto Co Inc ボトル入りマヨネーズ様食品
JP2015123351A (ja) * 2013-12-27 2015-07-06 コダマ樹脂工業株式会社 耐薬品性吹込み成形積層容器

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002255249A (ja) * 2001-02-28 2002-09-11 Ajinomoto Co Inc ボトル入りマヨネーズ様食品
WO2008102822A1 (ja) 2007-02-20 2008-08-28 Fujifilm Corporation 紫外線吸収剤を含む高分子材料
JP2008230112A (ja) * 2007-03-22 2008-10-02 Toppan Printing Co Ltd 積層材料および包装体
WO2008123504A1 (ja) 2007-03-30 2008-10-16 Fujifilm Corporation 紫外線吸収剤組成物
WO2009022736A1 (ja) 2007-08-16 2009-02-19 Fujifilm Corporation ヘテロ環化合物、紫外線吸収剤及びこれを含む組成物
US8486501B2 (en) 2008-03-14 2013-07-16 Otsuka Pharmaceutical Factory, Inc. Plastic ampule and colored plastic container
WO2009113177A1 (ja) 2008-03-14 2009-09-17 株式会社大塚製薬工場 プラスチックアンプルおよび着色プラスチック容器
WO2009123142A1 (ja) 2008-03-31 2009-10-08 富士フイルム株式会社 紫外線吸収剤組成物
WO2009123141A1 (ja) 2008-03-31 2009-10-08 富士フイルム株式会社 紫外線吸収剤組成物
WO2009136624A1 (ja) 2008-05-09 2009-11-12 富士フイルム株式会社 紫外線吸収剤組成物
JP2010280403A (ja) * 2009-06-03 2010-12-16 Toppan Printing Co Ltd 積層包装袋
JP2012162323A (ja) * 2012-03-09 2012-08-30 Ajinomoto Co Inc ボトル入りマヨネーズ様食品
JP2015123351A (ja) * 2013-12-27 2015-07-06 コダマ樹脂工業株式会社 耐薬品性吹込み成形積層容器

Also Published As

Publication number Publication date
JP3702503B2 (ja) 2005-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3932692A (en) Resinious laminates having improved gas permeation and delamination resistance
US8592522B2 (en) Oxygen-absorbing resin composition and laminate
JP2001039475A (ja) 樹脂組成物、積層体、容器及び容器蓋
JP3702503B2 (ja) 油性食品用容器
JP6897881B2 (ja) 耐熱性多層容器及びその製造方法
JP2023036850A (ja) スクイズ容器
JP5707260B2 (ja) プラスチックフィルム及び輸液バッグ
JP3777888B2 (ja) 樹脂組成物、積層体、容器及び容器蓋
JPH1059344A (ja) 保香性プラスチック多層容器
JP2018135133A (ja) 多層容器
JPH02215529A (ja) 表面光沢性に優れた多層プラスチック容器
JP2003267431A (ja) 多層スクイーズ容器またはボトル
JP2004237647A (ja) 酸化染毛剤用プラスチック多層容器
JP4731038B2 (ja) 積層包装材
JP4052617B2 (ja) 樹脂組成物
JPH01139347A (ja) 紋り出しチューブ容器
JPWO2019230929A1 (ja) エチレン・ビニルアルコール共重合体を含む多層プラスチック容器
JP2001079999A (ja) 積層包装材
JP2001080002A (ja) 積層包装材
JP2003266619A (ja) 酸素バリヤー性に優れた多層構造物
JP2006082446A (ja) ガスバリアー性及び層間接着性に優れた多層容器
JP4186609B2 (ja) ガスバリヤー材及びそれを用いた積層構造体
JP2001150605A (ja) 多層構造体
JP2011025964A (ja) 内容物による着色が抑制されたプラスチック容器
JP2000085077A (ja) 積層包装体

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050329

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050526

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050628

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050711

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080729

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090729

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090729

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100729

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100729

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110729

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees