JP2006082446A - ガスバリアー性及び層間接着性に優れた多層容器 - Google Patents

ガスバリアー性及び層間接着性に優れた多層容器 Download PDF

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Abstract

【課題】 油分と水分とを含む内容物を充填した場合にも層間剥離の発生がなく、酸素バリアー性、水分バリアー性、保香性に顕著に優れた多層容器を提供することである。
【解決手段】 最内層から順に、オレフィン系樹脂から成る層(A)、溶解度パラメータが9.0以上の極性基を有する親水性樹脂から成る層(B)、高防湿性樹脂から成る層(C)、ガスバリアー性樹脂から成る層(D)、オレフィン系樹脂から成る層(E)とを備えて成り、且つ該親水性樹脂から成る層(B)とガスバリアー性樹脂から成る層(D)の厚み比が(B):(D)=1:2乃至1:10の範囲にあることを特徴とするガスバリアー性及び層間接着性に優れた多層容器。
【選択図】 図1

Description

本発明は、油分と水分とを含む内容物を充填するための多層容器に関し、より詳細には、内容物によるガスバリアー性及び層間接着性の低下が有効に防止され、ガスバリアー性、水分バリアー性、保香性、層間接着性に優れた多層容器に関する。
プラスチック多層容器は、乳液、美容液、ファンデーション、パック液、スキンケアクリーム、ハンドクリーム、モイスチャーローション、マッサージクリーム、洗顔料、サンオイル、リップクリーム、ピーリングクリーム等の化粧料、シャンプー、リンス、コンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアクリーム等のヘアケア製品、洗剤、芳香剤、脱臭剤等のトイレタリー製品、鎮痛消炎剤、皮膚用薬等の各種薬品、酸化染毛剤等の頭髪化粧料、練り歯磨き、糊乃至接着剤、マヨネーズ、ケチャップ、ソース、バター、マーガリン、香辛料、流動食等の高粘性調味料乃至食品等の種々の内容物を収容する包装容器として広く使用されている。この多層容器において、成形性や、製造コストの点、内容物保存上要求される種々の特性を満足させるため、種々のプラスチック素材が組み合わせで使用されているが、容器の内外層には、成形性や、衛生的特性、更にはコストの見地から、ポリエチレンやポリプロピレン等の線状のオレフィン系樹脂が使用される場合が多い。
容器壁を通しての酸素の透過を防止するために、酸素バリアー性樹脂を使用することや、また環状オレフィン系共重合体が耐水分透過性に優れていることから、これらを使用して、多層容器を製造することは既に知られている(例えば、特許文献1及び2)。
しかしながら、環状オレフィン系共重合体を中間層、線状のオレフィン系樹脂を内外層とする多層容器に、油成分と水成分、更に界面活性化材成分や薬効成分を含有する内容物を充填・密封して保存すると、油成分がオレフィン層を透過することにより環状オレフィン系共重合体が溶解し、層間剥離(デラミ)が生じたり、また油成分が外表面まで滲出してしまうという問題がある。
このような問題を解決するために本発明者等は、溶解度パラメータが9.0以上の極性基を有する親水性樹脂から成る最内層と、高防湿性樹脂から成る中間層と、オレフィン系樹脂から成る外層と、中間層と最内層及び/又は外層との間に介在させた接着剤層とを備えた多層容器を提案している(特許文献3)。
特公昭57−33223号公報 特開平4−276253号公報 特開2000−85077号公報
上記特許文献3に記載された多層容器においては、最内層が親水性樹脂から成るものであるため、油成分の外部への滲出は有効に抑制できるとしても、内容物の水成分により最内層の酸素バリアー性の低下は抑制することができず、充分なガスバリアー性を確保することが困難であった。また底シールエッジ部において、親水性樹脂はオレフィン系樹脂に比し高融点であることから、十分なヒートシール性を確保するのに選択的に最内層側の親水性樹脂を加熱する必要がある。しかし、親水性樹脂の溶着を確保する温度では、外層オレフィン樹脂層が過剰に加熱され外観不良を起こしたり、溶着時にシールエッジ部の最内層親水性樹脂層が部分的に切れてしまうことが知られていた。この場合、親水性樹脂層が切れた部分から容器内壁方向に油成分が浸透して油分に弱い高防湿性樹脂層で層間剥離が発生してしまうという問題があった。
従って本発明の目的は、油分と水分とを含む内容物を充填した場合にも層間剥離の発生がなく、酸素バリアー性、水分バリアー性、保香性に顕著に優れた多層容器を提供することである。
また、本発明は、油分と水分とを含む内容物を充填した場合にも層間剥離の発生がなく、酸素バリアー性、水分バリアー性、保香性に顕著に優れた、接合部分を有する多層容器を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、油分と水分とを含む内容物を充填した場合にも層間剥離の発生がなく、酸素バリアー性、水分バリアー性、保香性に加え、スクイズ性にも顕著に優れた多層容器を提供することを目的とする。
本発明によれば、油分と水分とを含む内容物を充填するための多層容器であって、最内層から順に、オレフィン系樹脂から成る層(A)、溶解度パラメータが9.0以上の極性基を有する親水性樹脂から成る層(B)、高防湿性樹脂から成る層(C)、ガスバリアー性樹脂から成る層(D)、オレフィン系樹脂から成る層(E)とを備えて成り、且つ該親水性樹脂から成る層(B)とガスバリアー性樹脂から成る層(D)の厚み比が(B):(D)=1:2乃至1:10の範囲にあることを特徴とするガスバリアー性及び層間接着性に優れた多層容器が提供される。
本発明の多層容器においては、
1.親水性樹脂から成る層(B)とガスバリアー性樹脂からなる層(D)の厚みの合計が120μm以下であること、
2.オレフィン系樹脂から成る最内層(A)の厚みが50μm以上300μm未満であること、
3.溶解度パラメータが9.0以上の極性基を有する親水性樹脂が、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂の何れかであること、
4.高防湿性樹脂が環状オレフィン系樹脂であること、
5.ガスバリアー性樹脂が、エチレン含有量が27〜55モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体であること、
6.(A)層及び(E)層を構成するオレフィン系樹脂が、密度0.880〜0.930g/ccの低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンであること、
7.各層間が変性オレフィン系樹脂から成る接着剤により接着されていること、
8.チューブ状容器であること、
が好適である。
本発明によればまた、上記多層容器に油分及び水分を含有する内容物を充填した容器入りの油分及び水分含有製品が提供される。
本発明の多層容器においては、上記層構成を有することにより油成分及び水成分を含有する内容物を充填した場合にも、高防湿性樹脂から成る層(C)への油成分の浸透が親水性樹脂層(B)により有効に防止されるため、油成分による高防湿性樹脂の溶解に起因する層間剥離を有効に防止できるため、高防湿性樹脂から成る層(C)による水分バリアー性及び保香性を充分に発現することが可能となるのである。また外層側にはガスバリアー性樹脂から成る層(D)が形成されていることから、ガスバリアー性にも優れているため、内容物の保存性にも優れている。
上記層構成において、最内層にオレフィン系樹脂から成る層(A)を設けることにより、親水性樹脂(B)切れを起こすことなく、ボトル容器のピンチオフ強度やチューブ容器の底シール強度等の接合強度が達成され、高防湿性樹脂から成る層(C)への油成分の浸透が親水性樹脂層(B)により有効に防止されるため、油成分による高防湿性樹脂の溶解に起因する層間剥離を有効に防止できる。
また、比較的剛性を有する親水性樹脂から成る層(B)及びガスバリアー性樹脂から成る層(D)の厚みが所定の関係を満足することにより、多層容器のスクイズ性を確保しながら充分なガスバリアー性を発現することも可能となる。
本発明の多層容器は、図1にその断面構造の一例を示すように、最内層から順に、オレフィン系樹脂から成る層(A)、溶解度パラメータが9.0以上の極性基を有する親水性樹脂から成る層(B)、高防湿性樹脂から成る層(C)、ガスバリアー性樹脂から成る層(D)、オレフィン系樹脂から成る層(E)から成る層構成を有することが第一の特徴である。
本発明の多層容器においては、油成分及び水成分を含有する内容物を充填するため、オレフィン系樹脂から成る層に加え、内層側に溶解度パラメータが9.0以上の極性基を有する親水性樹脂から成る層を位置させることにより、高防湿性樹脂から成る層(C)への油成分の浸透を防止して、油成分による高防湿性樹脂の溶解による層間剥離を防止できると共に、高防湿性樹脂から成る層(C)による水分バリアー性及び保香性を充分に発現することが可能となるのである。また外層側にはガスバリアー性樹脂から成る層(D)が形成されていることから、ガスバリアー性にも優れている。
本発明の多層容器は、図1の断面構成を有する容器であれば良く、積層シートから絞り成形するカップ、多層ブロー成形によるボトルおよび多層チューブ容器等に適用できる
本発明において上記層構成を有することが重要であることは、後述する実施例の結果からも明らかである。すなわち、高防湿性樹脂層(C)のない比較例1及び6では、水分バリアー性及び保香性に劣っており、また親水性樹脂層(B)のない比較例3及び4では高防湿性樹脂層(C)において層間剥離が生じており、更に外層側にガスバリアー性樹脂層(D)のない比較例3及び5では、酸素透過度におけるオーダーが本発明のものに比して一桁以上大きく、満足するガスバリアー性が得られていない。これに対して、実施例1乃至3は、上記比較例1,3乃至6に比して全ての評価において顕著に優れていることが明らかである。
本発明の多層容器においては、親水性樹脂から成る層(B)とガスバリアー性樹脂から成る層(D)の厚み比が(B):(D)=1:2乃至1:10の範囲にあることが第二の特徴である。
本発明に用いる溶解度パラメータが9.0以上の極性基を有する親水性樹脂は、親水性であるがゆえに内容物成分の例えば染料等によって染色されやすく、親水性樹脂層(B)が厚いと変色し外観特性が低下するという問題がある。また、たとえ内容物成分により染色性が抑制されても、親水性樹脂を厚くすることにより樹脂コストが高くなり、実用上で制約を受ける。このため、親水性樹脂層(B)は内容物成分(特に油成分)の透過に伴う層間剥離現象を効果的に防止することが可能な必要最小限の厚みにすることが必要である。その一方親水性樹脂は、エチレン−ビニルアルコール共重合体に代表されるようにガスバリアー性にも優れることから、ガスバリアー性樹脂層として使用される場合もあり、ガスバリアー性樹脂層(D)との関係において上記範囲にあることが充分なガスバリアー性、スクイズ性を確保すると共に、外観特性を損なうことが有効に防止されるのである。
このことは後述する実施例の結果からも明らかである。すなわち、上述したように本発明で規定する層構成を有する多層容器においては、優れた水分バリアー性、保香性、耐層間剥離性を有することが明らかであるが、かかる層構成を有するとしても親水性樹脂層(B)とガスバリアー性樹脂層(D)の比が上記範囲内にない比較例2では、本発明の多層容器に比してガスバリアー性が劣っていることが明らかである。
また親水性樹脂から成る層(B)とガスバリアー性樹脂からなる層(D)の厚みの合計は120μm以下であることが好ましい。上述したように親水性樹脂層(B)及びガスバリアー性樹脂層(D)は同一の樹脂が使用される場合があり、エチレン−ビニルアルコール共重合体のように剛性の高い樹脂を用いる場合には、親水性樹脂層(B)とガスバリアー性樹脂層(D)の厚みの合計が120μmよりも大きいと多層容器全体の剛性が大きくなりすぎ、チューブ容器等のように容器を絞って内容物の取出を行う容器においてはスクイズ性に劣るため好ましくない。
(親水性樹脂)
本発明の多層容器に用いる親水性樹脂から成る層(B)に用いる親水性樹脂は、溶解度パラメータが9.0以上の極性基を有するものであり、具体的にはエチレン−ビニルアルコール共重合体(溶解度パラメータ:11.2〜12.5)、ナイロン6(12.7)、ナイロン6,6(13.6)、ナイロン12(9.5)等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(10.7)ポリエステル樹脂から選ばれた1種又は複数種の樹脂や、これらの樹脂の任意のブレンド物が挙げられる。
エチレン−ビニルアルコール共重合体はエチレン含有量が27〜55モル%範囲にあるものを好適に用いることができる。エチレン含有量が55モル%を超えると、エチレン−ビニルアルコール共重合体の耐油性が低下し、エチレン含有量が27モル%未満では、耐衝撃性、耐落下強度、耐環境ストレスクラッキング性等が低下したり、融点の上昇に伴い成形加工が困難となってくる。
(高防湿性樹脂)
中間層となる高防湿性樹脂から成る層(C)を構成する高防湿性樹脂としては、環状オレフィン系重合体(COP)又は環状オレフィンとオレフィンとの非晶質乃至低結晶性共重合体(COC)を挙げることができる。
環状オレフィンとしては、基本的には、エチレン系不飽和結合とノルボルネン環、もしくはビシクロ環とを有する脂環族炭化水素化合物,特にビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン骨格を有する炭化水素化合物であり、具体的にはノルボルナン構造を有する繰り返し単位を有するものやノルボルナン構造を持たない脂環構造を含有する繰り返し単位を有するものが挙げられるが、勿論これに限定されるものではない。
ノルボルナン構造を有する繰り返し単位の具体例としてはこれに限定されるものではないが、8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.1.2,5.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトテラシクロ[4.4.0.1.2,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−メチル−テトテラシクロ[4.4.0.1.2,5.17,10]−ドデカ−3−エンおよびテトテラシクロ[4.4.0.1.2,5.17,10]−ドデカ−3−エンなどに由来する繰り返し単位等が挙げられる。
また、ノルボルナン構造をもたない脂環構造を含有する繰り返し単位の具体例としてはこれに限定されるものではないが、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、テトラシクロ[7.4.0.02,7.110,13]−テトラデカ−11−エン、テトラシクロ[7.4.0.02,7.110,13]−トリデカ−2,4,6,11−テトラエンなどに由来する単位等が挙げられる。
環状オレフィンとオレフィンとの非晶質乃至低結晶性共重合体(COC)が誘導されるオレフィンとしては、エチレンが好適であるが、他にプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、3−メチル1−ペンテン、1−デセン等の炭素数3乃至20のα−オレフィンが、単独或いはエチレンとの組み合わせで使用される。
本発明においては高防湿性樹脂として、エチレン含有量が5乃至50モル%、特に10乃至45モル%のエチレン−環状オレフィン共重合体を好適に使用できる。エチレン−環状オレフィン共重合体中のエチレン含有量が50モル%を超えると、耐湿性が低下し、エチレン含有量が5モル%未満では、成形加工性、耐衝撃性等が低下する。
環状オレフィン系重合体又は共重合体としては、特開平4−276253号公報、特開平3−726号公報、特開平2−196832号公報等に記載されている環状オレフィン重合体及びその共重合体が使用できる。
(ガスバリアー性樹脂)
ガスバリアー性樹脂の代表的なものは、エチレン−ビニルアルコール共重合体であり、例えば、エチレン含有量が20乃至60モル%、特に25乃至50モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96%以上、特に99モル%以上となるようにケン化して得られる共重合体ケン化物が好適である。このエチレン−ビニルアルコール共重合体(エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物)は、フィルムを形成し得るに足る分子量を有するべきであり、一般に、フェノール/水の重量比が85/15の混合溶媒中、30℃で測定して0.01dl/g以上、特に0.05dl/g以上の固有粘度を有することが望ましい。
また、エチレン−ビニルアルコール共重合体以外のガスバリアー性樹脂の例としては、例えば、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6/6・6共重合体、メタキシリレンジアジパミド(MXD6)、ナイロン6・10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン13等のポリアミドや、これらの樹脂の任意のブレンド物が挙げられる。
(オレフィン系樹脂)
内外層に用いられるオレフィン系樹脂としては、例えば低−、中−或いは高−密度のポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
中でも密度0.880〜0.930g/ccの低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンが柔軟性、スクイズ性、シール性等の面から好ましく、メタロセン触媒を用いて重合された低密度ポリエチレン又は線状低密度ポリエチレンが有効に使用できる。
密度が0.930g/ccを超えると柔軟性や透明性が低下し、密度が0.880g/cc未満では成形加工性が低下する。ここで、線状低密度ポリエチレンはエチレンと少量のα−オレフィンとの共重合体であり、α−オレフィンに基づく短い側鎖を有し、その重合体構造が線状になっている。共重合体中に含有されるα−オレフィンとしては、炭素数が4以上のα−オレフィンが好適であり、例えば、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1等が挙げられる。
ポリエチレンとしては、メルトインデックス(ASTM
D1238、190℃)が0.001乃至4g/10分のものが好適に使用される。
内層のオレフィン系樹脂と外層のオレフィン系樹脂とは、通常の場合同一であるが、容器の用途によっては、内層オレフィン系樹脂と外層オレフィン系樹脂とは種類の異なったものであってもよく、例えば、外層樹脂として、光沢性に優れたものや逆に艶消し性を有するものを使用し、内層樹脂として成形性に優れたものを使用することができる。
上記オレフィン系樹脂には、それ自体公知の配合剤、例えば顔料、充填剤、酸化防止剤、滑剤、安定剤、紫外線吸収剤等をそれ自体公知の処方に従って配合しうる。
(接着剤樹脂層)
本発明では、各層間が変性オレフィン系樹脂から成る接着剤により接着されていることが望ましく、特に(i)ポリエチレンの酸変性物、又は(ii)エチレンと樹脂当たり4乃至20モル%、特に10乃至20モル%のα−オレフィンとを共重合させて得られるエチレンα−オレフィン共重合体の酸変性物から成り、密度が0.880g/cmより大きく0.940g/cmより小さいものを用いることが好ましい。
α−オレフィンとしては、炭素数4乃至8のα−オレフィン、例えばブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1等が好適に使用される。共重合体の具体的なものとして、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ペンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体等が挙げられ、これらは単独でも或いは2種以上のブレンド物でも使用される。
全体としてのα−オレフィンの共重合比率及び密度が上記範囲内に入るという条件下では、線状低密度ポリエチレンに通常の線状の中−、高−密度ポリエチレンをブレンドして使用することもできる。
本発明では、上記ポリエチレン又はエチレン・α−オレフィン共重合体に不飽和カルボン酸乃至その無水物をグラフトしたグラフト共重合体を使用することが特に好ましい。この酸変性物は、環状オレフィン系重合体又は環状オレフィンとオレフィンとの共重合体とエチレン−ビニルアルコール共重合体との接着に有効であるばかりではなく、線状のオレフィン系樹脂と環状オレフィン系重合体又は環状オレフィンとオレフィンとの共重合体との接着にも有効に作用するからである。
不飽和カルボン酸乃至その無水物としては、アクリル酸、メタクリル酸のようなモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸のような多価カルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物のような多価カルボン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソブチルのような多価カルボン酸のモノエステルがある。これらの中では無水マレイン酸が好ましい。
不飽和カルボン酸乃至その無水物のグラフト量は、樹脂当たり0.1乃至0.6モル%の範囲にあるのがよい。上記範囲を上回ると、接着強度が低下する傾向がある。
接着剤樹脂は、メルトインデックス(ASTM D1238、190℃)が0.4乃至30g/10分、特に1乃至20g/10分の範囲にあることが望ましい。
(層構成)
本発明の多層容器においては、最内層から順に、オレフィン系樹脂から成る層(A)、溶解度パラメータが9.0以上の極性基を有する親水性樹脂から成る層(B)、高防湿性樹脂から成る層(C)、ガスバリアー性樹脂から成る層(D)、オレフィン系樹脂から成る層(E)から成る層構成を有すると共に、前述した通り、各層の厚みの関係において、
親水性樹脂から成る層(B)とガスバリアー性樹脂から成る層(D)の厚み比が(B):(D)=1:2乃至1:10の範囲にあることがガスバリアー性、スクイズ性、外観特性の点から重要であり、また親水性樹脂から成る層(B)とガスバリアー性樹脂からなる層(D)の厚みの合計が120μm以下であることがスクイズ性の点から好ましい。
上記各層の厚みの関係を満足することを前提として、各層の厚みは一般に以下の範囲内にあることが望ましい。
オレフィン系樹脂から成る最内層(A)の厚みは50μm以上300μm未満、特に70乃至200μmの範囲にあることが好ましい。上記範囲よりも薄いと容器の形状がボトル形状では底部のピンチオフ強度が低下し、またチューブ形状では底シール強度を十分に確保できない傾向があり、一方上記範囲よりも厚い場合には、内容物成分を吸着して内容物保存性が低下するおそれがある。
高防湿性樹脂から成る層(C)は水分バリアー性を所定のレベルに確保する観点から、その厚みが20μm以上、好ましくは30μm以上であることが重要である。
本発明の多層容器の全体の厚みは、水分バリアー性、ガスバリアー性、保香性、耐層間剥離性等の観点から、100乃至1000μm、特に200乃至900μmの範囲にあることが好ましい。またオレフィン系樹脂から成る内層(A)と、外層(E)とは、互いに等しい厚さで設けることもできるが、内容物の保香性の点では、環状オレフィン系共重合体から成る中間層を内面側に偏らせて設けるのがよく、この場合、外層/内層の厚みの比が、1.5:1乃至10:1の範囲にあるのがよい。
また、接着剤層は、3乃至40μm、特に5乃至30μmの厚みを有するのが好ましい。
(多層容器)
本発明の多層容器は、上記層構成及び厚みの関係を有する限り、種々の形態を採用することができ、内外層用オレフィン系樹脂、溶解度パラメータが9.0以上の極性基を有する親水性樹脂、高防湿性樹脂、ガスバリアー性樹脂、更には接着剤樹脂をそれぞれ対応する押出機で溶融し、オレフィン系樹脂最内層(A)/接着剤層/親水性樹脂層(B)/接着剤層/高防湿性樹脂層(C)/接着剤層/ガスバリアー性樹脂層(D)/オレフィン系樹脂外層(E)の層構成となるようにダイヘッド内で合流させ、この積層体を共押出することにより製造することができる。
積層体を、リングダイを通して押出して溶融パリソンとし、これをブロー成形することにより、ボトルやチューブ容器が製造される。またチューブ容器にはノズル部に従来公知の逆止弁を設けることもできる。
本発明の多層容器は、カップ状容器や、パウチ等でもよく、カップ状容器の場合には、Tダイ等を通して押出することにより、一旦シートに成形し、このシートを加熱溶融した後、真空成形、圧空成形、或いはプラグアシスト成形することによりカップ状容器を製造することができる。
図2は、本発明の多層容器の一例の側断面を示す図であり、この多層容器は、チューブ状容器1と蓋2とから成っており、チューブ状容器1は、パリソンの中空成形により一体に成形されたネジ付きノズル3、これに連なる円錐状肩部4、及び細い筒状の胴部5を有している。この筒状胴部5は、切断された端縁部6を有し、この端縁部から内容物を充填した後、胴部の対向する内面同士を融着して、密封底部を形成する。このチューブ状容器においては、ノズル3に逆止弁7が形成されており、内容物排出の際に外気が容器内に流入することが防止され、内容物の酸素による変質を抑制することが可能となる。
また図3は、本発明の多層容器の他の例を示す図であり、この多層容器は、ボトル状容器10と蓋2とからなっており、このボトル状容器10は、パリソンの中空成形により一体に成形されたネジ付き口部8、これに連なる円錐状肩部4、筒状の胴部5及びパリソンのピンチオフにより形成された密閉底部9を有している。この容器では、口部8から内容物を充填し、充填後蓋2を締結して密封を行う。
本発明の多層容器は、油成分による高防湿性樹脂層の層間剥離が有効に防止されていると共に、優れた水分バリアー性、ガスバリアー性、保香性を有するものであるため、特に油成分と水成分と、必要に応じて界面活性剤成分とを含む乳化状またはクリーム状で、油成分及び界面活性剤成分の周りを水成分が覆っているオイル イン ウォーター系形態(O/W)、水成分及び界面活性剤成分の周りを油成分が覆っているウォーター イン オイル系形態(W/O)の乳化系物品又は油成分と水成分とがランダムに混じり合っている混合系形態(O+W)の物品を充填するための容器として有用である。
《測定方法》
(1)油分含有量及び水分含有量の測定
乳化系製品及び混合系製品の水分含有量はカールフィッシャー法その重量分率を求め、油分含有量は石油エーテルに分離後、蒸留水を添えて分液ロートにて液−液分離後、石油エーテル分画成分のみ蒸発皿にて乾燥後、その重量分率を求めた。
(2)水分透過量
容器の入れ目線まで水と油と界面活性剤との混合液を充填して口部及び底部を密封し、温度40℃、湿度30%RHの条件下で6時間保存して調温調湿した後、容器の重量を測定する。引き続きこの容器を同一条件下で6ヶ月間保存した後、容器の重量測定をして、水分の減少量を測定する。水分透過量が3%を超えると内容物の保水性が悪くなる。
(3)保香性
内容物100gを充填密封した包装体をガラス容器内に密封し、37℃で4週間保存した後、ガラス容器中のガスを採取してガスクロマトグラフィー用試料(1mg)とした。
この試料中のL−menthol濃度から容器1本当たりのL−menthol透過量を換算し、保香性を判定した。
L−menthol透過量が30μg/本を超える(評点:×)と保香性が悪くなり、30μg/本以下(評点:○)、特に5μg/本以下(評点:◎)にするのが好ましい。
(4)酸素透過度
容器に水を1cc充填し窒素置換後、口部及び底部を密封し温度40℃、湿度75%RHの環境下に保存してガスクロマトグラフィーを使用し、酸素透過度(cc/day・atm・m)を測定した。
透過量が10ccを超えると内容物の変色、酸化劣化が生じる。
(実施例1)
基材層としてメルトフローレートが1g/10分で密度が0.92g/cmの低密度ポリエチレン(以下「LDPE」ということがある)を第1押出機に供給し、ガスバリアー性樹脂としてエチレン含有量32モル%、融点が183℃のエチレン−ビニルアルコール共重合体(以下「EVOH」ということがある)を第2押出機に供給し、防湿性樹脂として環状オレフィン含有量18.6モル%のエチレン−環状オレフィン共重合体(以下「COC」ということがある)を第3押出機に接着層(以下「Ad」ということがある)としてメルトフローレートが3g/10分、密度が0.900g/cmの無水マレイン酸変性ポリエチレン(変性度1.0重量%)を第4押出機にそれぞれ供給して、LDPE/Ad/EVOH/Ad/COC/Ad/EVOH/Ad/LDPEからなる9層構造の多層パリソンを押出成形し、この多層パリソンを金型内で溶融ブロー成形して多層ボトルを得た。
得られた多層ボトルの胴部における各層の厚みは外層低密度ポリエチレンが185μm、外層側EVOHが90μm、防湿性樹脂層が40μm、内層側EVOHが15μm、内層低密度ポリエチレンが100μm、接着層がいずれも5μmであった。この多層ボトルの底部末端を切断し、内容量が50mlである逆止弁付き多層チューブ容器とした。
この逆止弁付き多層チューブ容器の口部をキャップやシール材等により密封し、底部より表1に示す内容物を充填した後、底部をシールし多層チューブ包装体を得た。その評価結果を表1に示す。
(実施例2)
基材層としてメルトフローレートが1g/10分で密度が0.92g/cmの低密度ポリエチレンを第1押出機に供給し、ガスバリアー性樹脂としてエチレン含有量32モル%、融点が183℃のエチレン−ビニルアルコール共重合体を第2押出機に供給し、防湿性樹脂として環状オレフィン含有量18.6モル%のエチレン−環状オレフィン共重合体を第3押出機に接着層としてメルトフローレートが3g/10分、密度が0.900g/cmの無水マレイン酸変性ポリエチレン(変性度1.0重量%)を第4押出機にそれぞれ供給して、LDPE/Ad/EVOH/Ad/COC/Ad/EVOH/Ad/LDPEからなる9層構造の多層パリソンを押出成形し、この多層パリソンを金型内で溶融ブロー成形して多層ボトルを得た。
得られた多層ボトルの胴部における各層の厚みは外層低密度ポリエチレンが260μm、外層側EVOHが20μm、防湿性樹脂層が40μm、内層側EVOHが10μm、内層低密度ポリエチレンが100μm、接着層がいずれも5μmであった。この多層ボトルの底部末端を切断し、内容量が50mlである逆止弁付き多層チューブ容器とした。
この逆止弁付き多層チューブ容器の口部をキャップやシール材等により密封し、底部より表1に示す内容物を充填した後、底部をシールし多層チューブ包装体を得た。その評価結果を表1に示す。
(実施例3)
基材層としてメルトフローレートが1g/10分で密度が0.92g/cmの低密度ポリエチレンを第1押出機に供給し、ガスバリアー性樹脂としてエチレン含有量32モル%、融点が183℃のエチレン−ビニルアルコール共重合体を第2押出機に供給し、防湿性樹脂として環状オレフィン重合体を第3押出機に接着層としてメルトフローレートが3g/10分、密度が0.900g/cmの無水マレイン酸変性ポリエチレン(変性度1.0重量%)を第4押出機に親水性樹脂としてナイロン12(以下「Ny12」ということがある)を第5押出機にそれぞれ供給して、LDPE/Ad/EVOH/Ad/COC/Ad/Ny12/Ad/LDPEからなる9層構造に押し出し成形して多層パリソンを成形し、この多層パリソンを金型内で溶融ブロー成形して多層ボトルを得た。
得られた多層ボトルの胴部における各層の厚みは外層低密度ポリエチレンが185μm、外層側EVOHが90μm、防湿性樹脂層が40μm、Ny12層が15μm、内層低密度ポリエチレンが100μm、接着層がいずれも5μmであった。この多層ボトルの底部末端を切断し、内容量が50mlである逆止弁付き多層チューブ容器とした。
この逆止弁付き多層チューブ容器の口部をキャップやシール材等により密封し、底部より表1に示す内容物を充填した後、底部をシールし多層チューブ包装体を得た。その評価結果を表1に示す。
(比較例1)
基材層としてメルトフローレートが1g/10分で密度が0.92g/cmの低密度ポリエチレンを第1押出機に供給し、ガスバリアー性樹脂としてエチレン含有量32モル%、融点が183℃のエチレン−ビニルアルコール共重合体を第2押出機に供給し、接着層としてメルトフローレートが3g/10分、密度が0.900g/cmの無水マレイン酸変性ポリエチレン(変性度1.0重量%)を第3押出機にそれぞれ供給して、LDPE/Ad/EVOH/Ad/LDPEからなる5層構造の多層パリソンを押出成形し、この多層パリソンを金型内で溶融ブロー成形して多層ボトルを得た。
得られた多層ボトルの胴部における各層の厚みは外層低密度ポリエチレンが250μm、ガスバリアー性樹脂層が90μm、内層低密度ポリエチレンが100μm、接着層がいずれも5μmであった。この多層ボトルの底部末端を切断し、内容量が50mlである逆止弁付き多層チューブ容器とした。
この逆止弁付き多層チューブ容器の口部をキャップやシール材等により密封し、底部より表1に示す内容物を充填した後、底部をシールし多層チューブ包装体を得た。その評価結果を表1に示す。
(比較例2)
基材層としてメルトフローレートが1g/10分で密度が0.92g/cmの低密度ポリエチレンを第1押出機に供給し、ガスバリアー性樹脂としてエチレン含有量32モル%、融点が183℃のエチレン−ビニルアルコール共重合体を第2押出機に供給し、防湿性樹脂として環状オレフィン含有量18.6モル%のエチレン−環状オレフィン共重合体を第3押出機に接着層としてメルトフローレートが3g/10分、密度が0.900g/cmの無水マレイン酸変性ポリエチレン(変性度1.0重量%)を第4押出機にそれぞれ供給して、LDPE/Ad/EVOH/Ad/COC/Ad/EVOH/Ad/LDPEからなる9層構造の多層パリソンを押出成形し、この多層パリソンを金型内で溶融ブロー成形して多層ボトルを得た。
得られた多層ボトルの胴部における各層の厚みは外層低密度ポリエチレンが265μm、外層側EVOHが10μm、防湿性樹脂層が40μm、内層側EVOHが15μm、内層低密度ポリエチレンが100μm、接着層がいずれも5μmであった。この多層ボトルの底部末端を切断し、内容量が50mlである逆止弁付き多層チューブ容器とした。
この逆止弁付き多層チューブ容器の口部をキャップやシール材等により密封し、底部より表1に示す内容物を充填した後、底部をシールし多層チューブ包装体を得た。その評価結果を表1に示す。
(比較例3)
基材層としてメルトフローレートが1g/10分で密度が0.92g/cmの低密度ポリエチレンを第1押出機に供給し、防湿性樹脂として環状オレフィン含有量18.6モル%のエチレン−環状オレフィン共重合体を第2押出機に供給し、接着層としてメルトフローレートが3g/10分、密度が0.900g/cmの無水マレイン酸変性ポリエチレン(変性度1.0重量%)を第3押出機にそれぞれ供給して、LDPE/Ad/COC/Ad/LDPEからなる5層構造の多層パリソンを押出成形した。この多層パリソンを金型内で溶融ブロー成形して多層ボトルを得た。
得られた多層ボトルの胴部における各層の厚みは外層低密度ポリエチレンが300μm、防湿性樹脂層が40μm、内層低密度ポリエチレンが100μm、接着層がいずれも5μmであった。この多層ボトルの底部末端を切断し、内容量が50mlである逆止弁付き多層チューブ容器とした。
この逆止弁付き多層チューブ容器の口部をキャップやシール材等により密封し、底部より表1に示す内容物を充填した後、底部をシールし多層チューブ包装体を得た。その評価結果を表1に示す。
防湿性樹脂層が存在するので、保香性は有していたが、層間剥離が発生した。
(比較例4)
基材層及び中間層としてメルトフローレートが1g/10分で密度が0.92g/cmの低密度ポリエチレンを第1押出機に供給し、ガスバリアー性樹脂としてエチレン含有量32モル%、融点が183℃のエチレン−ビニルアルコール共重合体を第2押出機に供給し、防湿性樹脂として環状オレフィン含有量18.6モル%のエチレン−環状オレフィン共重合体を第3押出機に接着層としてメルトフローレートが3g/10分、密度が0.900g/cmの無水マレイン酸変性ポリエチレン(変性度1.0重量%)を第4押出機にそれぞれ供給して、LDPE/Ad/EVOH/Ad/COC/Ad/LDPEからなる7層構造の多層パリソンを押出成形し、この多層パリソンを金型内で溶融ブロー成形して多層ボトルを得た。
得られた多層ボトルの胴部における各層の厚みは外層低密度ポリエチレンが205μm、ガスバリアー性樹脂層がそれぞれ90μm、防湿性樹脂層が40μm、内層低密度ポリエチレンが100μm、接着層がいずれも5μmであった。この多層ボトルの底部末端を切断し、内容量が50mlである逆止弁付き多層チューブ容器とした。
この逆止弁付き多層チューブ容器の口部をキャップやシール材等により密封し、底部より表1に示す内容物を充填した後、底部をシールし多層チューブ包装体を得た。その評価結果を表1に示す。
(比較例5)
基材層としてメルトフローレートが1g/10分で密度が0.92g/cmの低密度ポリエチレンを第1押出機に供給し、親水性樹脂としてエチレン含有量32モル%、融点が183℃のエチレン−ビニルアルコール共重合体を第2押出機に供給し、防湿性樹脂として環状オレフィン含有量18.6モル%のエチレン−環状オレフィン共重合体を第3押出機に接着層としてメルトフローレートが3g/10分、密度が0.900g/cmの無水マレイン酸変性ポリエチレン(変性度1.0重量%)を第4押出機にそれぞれ供給して、LDPE/Ad/COC/Ad/EVOHからなる5層構造の多層パリソンを押出成形し、この多層パリソンを金型内で溶融ブロー成形して多層ボトルを得た。
得られた多層ボトルの胴部における各層の厚みは外層低密度ポリエチレンが385μm、防湿性樹脂層が40μm、最内層EVOHが15μm、接着層がいずれも5μmであった。この多層ボトルの底部末端を切断し、内容量が50mlである逆止弁付き多層チューブ容器とした。
この逆止弁付き多層チューブ容器の口部をキャップやシール材等により密封し、底部より表1に示す内容物を充填した後、底部をシールし多層チューブ包装体を得た。その評価結果を表1に示す。
(比較例6)
基材層及び中間層としてメルトフローレートが1g/10分で密度が0.92g/cmの低密度ポリエチレンを第1押出機に供給し、ガスバリアー性樹脂としてエチレン含有量44モル%、融点が165℃のエチレン−ビニルアルコール共重合体を第2押出機に供給し、接着層としてメルトフローレートが3g/10分、密度が0.900g/cmの無水マレイン酸変性ポリエチレン(変性度1.0重量%)を第3押出機に親水性樹脂としてエチレン含有量29モル%、融点が188℃のエチレン−ビニルアルコール共重合体を第4押出機にそれぞれ供給して、LDPE/Ad/EVOH/Ad/LDPE/Ad/EVOH/Ad/LDPEからなる9層構造の多層パリソンを押出成形し、この多層パリソンを金型内で溶融ブロー成形して多層ボトルを得た。
得られた多層ボトルの胴部における各層の厚みは外層低密度ポリエチレンが140μm、外層側EVOHが25μm、中間層低密度ポリエチレンが40μm、内層側EVOHが25μm、内層低密度ポリエチレンが140μm、接着層がいずれも20μmであった。この多層ボトルの底部末端を切断し、内容量が50mlである逆止弁付き多層チューブ容器とした。
この逆止弁付き多層チューブ容器の口部をキャップやシール材等により密封し、底部より表1に示す内容物を充填した後、底部をシールし多層チューブ包装体を得た。その評価結果を表1に示す。
Figure 2006082446
※1 水成分と油成分以外は界面活性剤及びその他の添加物で、合計量が100
である。
※2 O+Wは水成分と油成分の単に混ざり合っている混合系形態、O/Wは水
成分の周りを油成分が覆っているオイル イン ウォーター系形態、W/
Oは油成分の周りを水成分が覆っているウォーター イン オイル系形態
を表す。
※3 COC又はCOP層界面の剥離状態を示し、「テラミ」とはCOC又はC
OP層が油成分に溶けて層間接着強度が殆どない状態である。
本発明の多層容器の断面構造の一例を示す図である。 本発明の多層容器の一例の側断面図を示す図である。 本発明の多層容器の他の一例の側断面図を示す図である。
符号の説明
1 チューブ状容器
2 蓋
3 ネジ付きノズル
4 円錐状型部
5 胴部
6 端縁部
7 逆止弁
8 ネジ付き口
9 密閉底部
10 ボトル状容器

Claims (10)

  1. 油分と水分とを含む内容物を充填するための多層容器であって、最内層から順に、オレフィン系樹脂から成る層(A)、溶解度パラメータが9.0以上の極性基を有する親水性樹脂から成る層(B)、高防湿性樹脂から成る層(C)、ガスバリアー性樹脂から成る層(D)、オレフィン系樹脂から成る層(E)とを備えて成り、且つ該親水性樹脂から成る層(B)とガスバリアー性樹脂から成る層(D)の厚み比が(B):(D)=1:2乃至1:10の範囲にあることを特徴とするガスバリアー性及び層間接着性に優れた多層容器。
  2. 前記親水性樹脂から成る層(B)とガスバリアー性樹脂からなる層(D)の厚みの合計が120μm以下である請求項1記載の多層容器。
  3. 前記オレフィン系樹脂から成る最内層(A)の厚みが50μm以上300μm未満である請求項1又は2記載の多層容器。
  4. 前記溶解度パラメータが9.0以上の極性基を有する親水性樹脂が、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂の何れかである請求項1乃至3の何れかに記載の多層容器。
  5. 前記高防湿性樹脂が環状オレフィン系樹脂である請求項1乃至4の何れかに記載の多層容器。
  6. 前記ガスバリアー性樹脂が、エチレン含有量が27〜55モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体である請求項1乃至5の何れかに記載の多層容器。
  7. 前記(A)層及び(E)層を構成するオレフィン系樹脂が、密度0.880〜0.930g/ccの低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンである請求項1乃至4の何れかに記載の多層容器。
  8. 各層間が変性オレフィン系樹脂から成る接着剤により接着されている請求項1乃至7の何れかに記載の多層容器。
  9. チューブ状容器であることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の多層容器。
  10. 請求項1乃至9の多層容器に油分及び水分を含する内容物を充填した、容器入りの油分及び水分含有製品。
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