JPH0986309A - バンパステー - Google Patents

バンパステー

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JPH0986309A
JPH0986309A JP27494195A JP27494195A JPH0986309A JP H0986309 A JPH0986309 A JP H0986309A JP 27494195 A JP27494195 A JP 27494195A JP 27494195 A JP27494195 A JP 27494195A JP H0986309 A JPH0986309 A JP H0986309A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バンパを車体に取付けるバンパステーにおい
て、バンパステーの車体フレームへの取付部が、衝突時
の車体フレームの座屈を妨げ、有効クラッシュストロー
クが短くなる、という課題があった。 【解決手段】 軽金属の押出し成形にて形成されるバン
パステー1を、箱形の本体部11と、バンパビーム2の
断面内に突出する突出部12と、車体フレーム3を上下
から挟持する挟持部13とからなり、挟持部13と車体
フレーム3の上下面とにボルト4を貫通させ、ナット5
で締付けて固定する構成とし、これにより衝突時にバン
パステー1の突出部12と本体部11とが潰れることで
衝突初期のエネルギ吸収を行ない、ボルト4による取付
部が車体フレーム3の座屈を妨げないので、車体フレー
ム3がバランス良く座屈変形し、有効クラッシュストロ
ークが増大し、衝突エネルギの吸収が効果的に行なわれ
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の前面衝突時
に衝撃荷重を有効に吸収できるバンパステーに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】車両のフロントバンパは、一般に、板金
製のステーを介して車体本体(例えば車体フレーム)に
取付けられるのが普通である。従来このステーは、通常
バンパの支持を主目的とするものであり、衝突時の衝突
エネルギ吸収部材としての機能にはあまり重点が置かれ
ていなかった。
【0003】具体的には、従来のステーは、車体の前側
から箱形断面をなす車体フレームの断面内に挿し込ま
れ、該車体フレームの上面に前後2本のボルトにて接合
固着されるのが一般的である。
【0004】又、上記板金製のステーの代りに、アルミ
合金等の軽合金属の押出し引抜き加工によりステーを構
成することにより、板金製のステーに比べ、プレス加工
や溶接を不要とし、軽量化をはかるようにしたものが従
来より開発され、特公平2−53261号として公告さ
れている。この軽合金属製のステーも、上記板金製のス
テーと同様に、車体フレームの上面に前後2本のボルト
にて接合固着される構造となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、バンパ
ステーを箱形断面をなす車体フレームの上面に前後2本
のボルトにて締付け固着する従来の構造においては、車
両の衝突時、バンパから入力する衝撃荷重がステーを介
して車体フレームの上面に伝達されるだけであるから、
衝撃吸収機能をもった車体フレームに効果的な衝撃荷重
の伝達が行なわれず、又車体フレームの座屈にて衝撃エ
ネルギの吸収が行なわれる場合、ステーの前後2箇所の
固着部が車体フレームの座屈変形を妨げるので、該車体
フレームのクラッシュストロークが短縮され、充分な衝
撃エネルギ吸収効果を得ることが難しい、という課題を
有していた。上記前後2箇所の固着部の間隔を狭めれ
ば、クラッシュストロークをいくらか長くすることがで
きるが、前後の固着部の間隔を狭めるとバンパの支持強
度が不足ぎみになる、という課題が生じる。
【0006】本発明は上記のような従来の課題を解決す
ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、例えばアルミ
合金等の軽合金の押出し(又は引抜き)成形にて形成さ
れるバンパステーの車体フレームへの取付部を、車体フ
レームを上下から挟み付ける挟持部、若しくは車体フレ
ームの断面内に嵌挿され上下の面が車体フレームの上下
面にほぼ接合する四角形断面の嵌挿部で構成し、該挟持
部又は嵌挿部と車体フレームの上下面とを上下に貫通す
るボルトにて、バンパステーを車体フレームに固定する
ようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0009】図1は、本発明の第1の実施形態を示すも
ので、1はバンパステー、2はバンパビーム、3は車体
フレームである。
【0010】バンパステー1は、前面部11aと上面部
11bと上面部11cと下面部11dとからなる箱形の
本体部11と、本体部11の前面部11aの中央部より
前方へ突出する前面部12aと上面部12bと下面部1
2cとからなり本体部11の前面部11aとで箱形をな
す突出部12と、本体部11の後面部11bの上方部及
び下方部から後方へ突出する上下一対の挟持部13,1
3とをもった形状に、アルミ合金の押出し(又は引抜
き)成形にて一体に形成される。上記箱形をなす本体部
11はその内部を仕切壁11e,11eにて上下方向に
区画され、該仕切壁11e,11eの前端は突出部12
の上面部12b及び下面部12cの後端にそれぞれつな
がった形状となっている。上下一対の挟持部13,13
は車体フレーム3の上下面に接合して固定される互いに
平行な接合面13a,13aと、該接合面13a,13
aの後端と本体部11の後面部11bの上下端部とをそ
れぞれつなぐ傾斜面13b,13bとからなり、上下の
接合面13a,13aにて車体フレーム3の前端部分を
上下から挟み付けるようになっている。上下の接合面1
3a,13aにはボルト挿通穴13cがそれぞれ形成さ
れ、傾斜面13b,13bには作業穴13eがそれぞれ
形成されている。上記本体部11の前面部11aの上下
部には肉厚のバンパビーム取付部11f,11fが設け
られ、該バンパビーム取付部11f,11fには車体前
面側からネジ切りされた取付穴が設けられる。
【0011】上記のように構成されたバンパステー1
は、その前面部11aをバンパビーム2の後端フランジ
部2aに接合し、上下のバンパビーム取付部11f,1
1fにおいてボルトにて締付け固定する。そして後部の
挟持部13,13を車体フレーム3の前端部分に比較的
タイトに嵌め込み、該挟持部13,13にて車体フレー
ム3を上下から挟み付けた状態とし、上側の接合面13
aのボルト挿通穴13cから車体フレーム3の上下面及
び下側の接合面13aのボルト挿通穴13cにかけてボ
ルト4を上下に貫通させ、下側からナット5で締めつけ
て固定する。
【0012】このように、挟持部13,13が車体フレ
ーム3に比較的タイトに嵌め込まれることにより、バン
パステー1とその前面部11aに取付けられたバンパと
は車体フレーム3に位置決めされた状態で保持されるの
で、艤装工程でバンパを車体フレーム3に取付ける作業
が非常に容易となり、作業能率の向上をはかることがで
きる。又、バンパステー1の挟持部13,13にて車体
フレーム3を上下からしっかりと挟持した状態で取付け
られるので、1本のボルト4を上下に貫通させナット5
で締めつけるだけで、バンパの取付強度は充分に確保で
きる。
【0013】上記構成において、車両の前面衝突時は、
衝撃荷重がバンパビーム2の上下の後端フランジ部2a
よりバンパステー1の本体部11の上面部11c及び下
面部11d,挟持部13,13の傾斜面13b,13b
を通ってボルト4を介して車体フレーム3の上下両面へ
平均的に伝達されると共に、仕切壁11e,11eを通
って車体フレーム3の前端部分の全面に入力される。
【0014】又、バンパビーム2が潰れはじめると、該
バンパビーム2の断面内に位置するバンパステー1の突
出部12が衝突荷重を受け、該突出部12から本体部1
1の仕切壁11e,11eを通って車体フレーム3の前
端部分へと伝達され、該突出部12及び本体部11が衝
撃荷重を吸収しながら潰れることにより、衝突初期の安
定した抗力を得ることができ、軽衝突時には該バンパス
テー1の圧潰にて衝突エネルギを吸収し、車体本体のダ
メージを最小限に抑えることができる。
【0015】バンパステー1の突出部12及び本体部1
1等が潰れ、衝撃荷重が車体フレーム3に入ると、車体
フレーム3がその前端部分から座屈変形して衝突エネル
ギを吸収するが、この場合バンパステー1の取付部が1
本のボルト4による1箇所のみであり、該バンパステー
取付部が車体フレーム3の座屈を妨げることがないの
で、車体フレーム3はバランスよく座屈変形し、安定し
た衝突エネルギ吸収機能を果たす。又、上記のように、
バンパステー取付部が車体フレーム3の座屈を妨げない
ことと、バンパステー1の潰れで衝突初期のエネルギ吸
収が行なわれることとにより、従来構造に比し、有効ク
ラッシュストロークが大幅に増大し、衝突エネルギ吸収
効果の著しい向上をはかることができる。
【0016】更に、衝突時の衝突エネルギの吸収性能の
チューニングを、例えばバンパステー1の板厚を部分的
に変えるとか仕切壁11eの構造(配置や数等)を変え
るといったバンパステー1の比較的簡単な設計変更だけ
によって、自由に行なうことができる。
【0017】図2は本発明の第2の実施の形態を示すも
のであり、図1ではバンパステー1の挟持部13,13
で車体フレーム3を上下より挟持して取付ける構造とに
ているのに対し、図2では、該挟持部13,13の代り
に、四角形断面形状をなし該四角形の上下面を対角線状
にむすぶ一対の仕切壁14aをもった筐部14と、四角
形断面形状をなし上下面を対角線状にむすぶ一対の仕切
壁15a及び該仕切壁15aの交点近くで上下面を連結
するボス部15bをもった取付部15とからなる後方突
出部16を、本体部11の後面部11bから後方へ一体
に突出形成したものであり、その他の構成は図1のもの
と同じであり、図2において図1と同一の符号は図1と
同じ部分を表している。この図2のバンパステー1もア
ルミ合金にて押出し(又は引抜き)成形にて形成され
る。
【0018】この図2のバンパステーは、後方突出部1
6を車体フレーム3の断面内に嵌挿し、取付部15のボ
ス部15bに形成したボルト挿通穴15c及び車体フレ
ーム3の上下面を貫通して1本のボルト4を挿し込みナ
ット5にて締付けることにより、車体フレーム3に固定
される。バンパステー1へのバンパビーム2の取付けは
図1の場合と同じである。
【0019】この構成のものも、図1の場合と同様に、
艤装工程でのバンパ取付作業性の向上をはかることがで
き、衝突時の衝撃吸収機能についても図1の場合とほぼ
同じ作用,効果を奏し得るものである。尚、衝突時の衝
撃荷重によって、車体フレーム3の前端部分が座屈する
とき、該車体フレーム3の断面内に位置する後方突出部
16も座屈して衝突エネルギの吸収を行なう点が、図1
の場合と異なる。
【0020】図3は本発明の第3の実施の形態を示すも
ので、上記図1,図2に示すバンパステー1は押出し
(又は引抜き)方向が車幅方向の成形品で構成されてい
るのに対し、図3では押出し(又は引抜き)方向が前後
方向の成形品にてバンパステーを構成した例を示してい
る。
【0021】図3において、バンパステー1は、上面部
1aと下面部1bと両側面部1c,1cとからなるほぼ
四角形断面形状をなし、内部が縦方向の仕切壁1dにて
左右方向に区画され、四角形の四隅部にはバンパビーム
取付穴1e′を有する肉厚のボス部1eが形成され、上
面部,下面部及び両側面部の各外面には前後方向の複数
の補強用のリブ1fが突設された形状に、アルミ合金の
押出し(又は引抜き)成形にて形成される。
【0022】このバンパステー1のバンパビーム取付穴
1e′の前端部分はネジ切りされ、バンパビーム2の後
端フランジ部2aをボルトのねじ込みにて取付けるよう
に構成され、バンパステー1の後端近傍にて上面部1a
と下面部1bとを上下に貫通するボルト挿通穴1gが設
けられている。
【0023】そして、前端部にバンパビーム2を取付け
たバンパステー1の後方部分を車体フレーム3の断面内
に嵌挿し、車体フレーム3の上下面とボルト挿通穴1g
とを貫通して1本のボルト4を挿通し、ナット5にて締
付けることにより、バンパを取付けたバンパステー1の
後部が車体フレーム3に取付けられる。
【0024】この取付状態にて、バンパステー1の車体
フレーム3の前端部から前方へ突出した部分が図1,図
2の本体部11に相当し、車体フレーム3の断面内に嵌
挿されている部分が図2の筐部14及び取付部15に相
当する。
【0025】この図3のものも、図1及び図2のものと
同様に、艤装工程でのバンパ取付作業性の向上をはかる
ことができる。
【0026】又、車両の前面衝突時は、バンパビーム2
が潰れた後、バンパステー1自体が座屈変形して衝突初
期のエネルギ吸収が行なわれ、車体フレーム3の前端部
分が座屈しはじまるとバンパステー1の後方部分も一緒
に座屈して衝突エネルギ吸収を行なう。この場合も、バ
ンパステー1の取付部が車体フレーム3の座屈を妨げる
ようなことはなく、安定した座屈が行なわれ、有効クラ
ッシュストロークが増大して、衝突エネルギ吸収機能の
向上をはかることができるものである。
【0027】上記図1,図2及び図3の各実施の形態に
おいては、バンパステー1の素材をアルミ合金としてい
るが、アルミ合金に限らず、その他の任意の軽合金の押
出し(又は引抜き)成形品としてもよく、又バンパース
テー1の素材として合成樹脂を用いても良い。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、車両の衝
突時、バンパステー自体の安定した潰れ変形にて衝突初
期のエネルギ吸収を行ない、バンパステーの車体フレー
ムへの取付部が車体フレームの座屈を妨げない構造であ
ることにより、車体フレームのバランスのよい座屈変形
と有効クラッシュストロークの増大とがはかられ、衝突
エネルギ吸収効果を著しく向上させることができると共
に、車体全体の衝突エネルギ吸収性能のチューニングを
バンパステーの簡単な設計変更にて容易に行なうことが
できるもので、艤装工程でのバンパの取付作業性の向上
をはかることができること及びコストが低廉なること等
と相俟って、実用上多大の効果をもたらし得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すもので、
(A)は側面図、(B)は斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示すもので、
(A)は側面図、(B)は斜視図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態を示すもので、
(A)は側面図、(B)は斜視図である。
【符号の説明】
1 バンパステー 1a 上面部 1b 下面部 1c 側面部 1d 仕切壁 1g ボルト挿通穴 2 バンパビーム 3 車体フレーム 4 ボルト 5 ナット 11 本体部 11d 仕切壁 12 突出部 13 挟持部 13a 接合面 13b 傾斜面 13c ボルト挿通穴 14 筐部 15 取付部 15c ボルト挿通穴 16 後方突出部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体の前後方向に延びる車体フレームの
    前端部に固定されバンパビームを車体に取付けるバンパ
    ステーにおいて、該バンパステーを、前部にバンパビー
    ム取付部をもった本体部と、該本体部の後部に突出形成
    され少なくとも車体フレームの上面及び下面にそれぞれ
    接合し上下方向に貫通するボルトにて該車体フレームに
    固定される上下の接合面をもった取付部とを有する構造
    に構成したことを特徴とするバンパステー。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のバンパステーにおい
    て、本体部はほぼ箱形断面形状をなし、内部が前後方向
    の仕切壁にて複数の空間に区画されていることを特徴と
    するバンパステー
  3. 【請求項3】 車体の前後方向に延びる車体フレームの
    前端部に固定されバンパビームを車体に取付けるバンパ
    ステーにおいて、ほぼ箱形断面形状をなし内部が前後方
    向の仕切壁にて上下に複数の空間に区画され且つ前面部
    の上下部にバンパビーム取付部を有する本体部と、該本
    体部の前面部より前方へ突出しバンパビームの断面内に
    位置する突出部と、本体部の後面部より後方へ突出し車
    体フレームを上下方向で挟持する挟持部とからなり、該
    挟持部にてボルトを上下方向に貫通させて車体フレーム
    に固定するようになっていることを特徴とするバンパー
    ビーム。
  4. 【請求項4】 車体の前後方向に延びる車体フレームの
    前端部に固定されバンパビームを車体に取付けるバンパ
    ステーにおいて、ほぼ箱形断面形状をなし内部が前後方
    向の仕切壁にて上下に複数の空間に区画され且つ前面部
    の上下部にバンパビーム取付部を有する本体部と、該本
    体部の前面部より前方へ突出しバンパビームの断面内に
    位置する突出部と、本体部の後面部より後方へ突出し車
    体フレームの断面内に嵌挿される後方突出部とからな
    り、該後方突出部が、ほぼ四角形断面をなす筐部と、そ
    の後方に連なり上下方向に貫通するボルト挿通穴をもっ
    た取付部とで構成され、車体フレームの上下面と該取付
    部のボルト挿通穴とを上下に貫通するボルトにて車体フ
    レームに固定されるようになっていることを特徴とする
    バンパビーム。
  5. 【請求項5】 車体の前後方向に延びる車体フレームの
    前端部に固定されバンパビームを車体に取付けるバンパ
    ステーにおいて、車体フレームの内周面形状にほぼ合致
    する四角形断面形状をなし、上面部と下面部とつなぐ上
    下方向の仕切壁にて内部が左右方向の複数の空間に区画
    され、前端部にはバンパビーム取付穴が設けられ、後方
    部分には上下に貫通するボルト挿通穴が設けられ、該後
    方部分を車体フレームの断面内に嵌挿し、該車体フレー
    ムの上下面と上記ボルト挿通穴とを上下に貫通するボル
    トにて車体フレームに固定されるようになっていること
    を特徴とするバンパステー。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の
    バンパステーは、軽合金の押出し又は引抜き成形にて一
    体に形成されることを特徴とするバンパステー。
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