JP4120065B2 - 車両前部の車体構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、フロントサイドフレームの前部にバンパブラケットおよびタイダウンフックを取付けたような車両前部の車体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述例の車両前部の車体構造としては、例えば特開平5−246288号公報に記載の構造がある。
【0003】
すなわち、車体前後方向に延びる左右の各フロントサイドフレームの前部外側面にタイダウンフックをそれぞれ取付ける一方、各フロントサイドフレームの前端部にバンパブラケットを取付けて、これら左右の各バンパブラケットにバンパを張架すべく構成したものである。
【0004】
また上述のタイダウンフックには後方から前端にかけて先細り形状の水平ビートが形成されている。
【0005】
上述のタイダウンフックは車両を牽引する時や船舶に車両を載せた時の固定用に使用されるので強度部材にて構成されている。
【0006】
このようにフロントサイドフレームの片側(外側面)にのみ強度部材としてのタイダウンフックが取付けられているので、次のような問題点が発生する。
【0007】
すなわち車両の正面衝突時にバンパおよびバンパブラケットを介してフロントサイドフレームに衝突荷重が入力されるが、フロントサイドフレームの片側には強度部材としてのタイダウンフックが取付けられているので、フロントサイドフレームのタイダウンフック取付側は強度が大で、非取付側は強度が小であって、上述の衝突荷重入力時にフロントサイドフレームに曲がりが発生する。
【0008】
上述のフロントサイドフレームにおけるタイダウンフックの取付部位よりも後方側には衝撃吸収用のクラッシュゾーンが形成されているが、フロントサイドフレームの曲がりに起因して、良好な衝撃吸収モードが得られない問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この発明(請求項1、2)は、フロントサイドフレーム内部の少なくとも左右に取付けられる補強部材を設け、この補強部材によりタイダウンフックの取付け部の強度をフロントサイドフレームの左右(車外側と車内側)で均一化することにより、衝突時にフロントサイドフレームの曲がりを防止して、有効かつ良好に衝撃吸収することができ、しかも、バンパブラケットには車幅方向または車両後方に延びる側壁を設け、この側壁をその車外側に対して車内側が脆弱(低強度)になように形成することで、車両中央部がその左右よりも前方に位置するバンパおよびバンパレインフォースメントの形状に対して、衝突時にフロントサイドフレームの車内側先端周辺を若干クラッシュさせて、それ以降において左右均等な荷重入力とすることができ、衝撃吸収性の向上を図ることができる車両前部の車体構造の提供を目的とする。
【0010】
この発明の一実施態様、上述の補強部材の少なくとも反タイダウンフック側(車内側)には前方に延出する延出部を形成し、この延出部をバンパブラケット後部とフロントサイドフレーム前部との間に延出して、これら三者を一体的に固定することで、フロントサイドフレームの車内側が延出部とバンパブラケット後部とフロントサイドフレーム前部との三重構造となって、その強度が向上し、これによりフロントサイドフレームの左右(車外側と車内側)の強度がより一層均等化されて、フロントサイドフレームの曲がり防止と、良好な衝撃吸収との両立を図ることができる車両前部の車体構造の提供を目的とする。
【0011】
この発明の一実施態様、上述のタイダウンフックの後部をフロントサイドフレームおよび補強部材に共締め固定することで、タイダウンフックの取付け強度をさらに向上させることができる車両前部の車体構造の提供を目的とする。
【0012】
この発明の一実施態様、上述のバンパブラケットの後部に、補強部材の延出部に対する嵌合部を設けることで、フロントサイドフレームの車内側の強度がより一層確実に向上し、衝突荷重入力時にフロントサイドフレームの曲がりを確実に防止しつつ、良好な衝撃吸収を行なうことができる車両前部の車体構造の提供を目的とする。
【0013】
この発明の一実施態様、タイダウンフックとバンパブラケットとフロントサイドフレームとを固定する固定手段を、ボルトに設定することで、これら各要素をボルトを用いて簡単に固定することができる車両前部の車体構造の提供を目的とする。
【0014】
この発明の一実施態様、上述の側壁を、その車外側の後方延出量が大で、車内側の後方延出量が小となるような傾斜状に構成することで、側壁の形状および構造の簡略化を図ることができる車両前部の車体構造の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明による車両前部の車体構造は、フロントサイドフレームの前部にバンパブラケットおよびタイダウンフックを取付けて成る車両前部の車体構造であって、インナパネルとアウタパネルにより閉断面を構成し車両前後方向に延びるフロントサイドフレームと、上記フロントサイドフレーム内部の少なくとも左右に取付けられる補強部材と、上記フロントサイドフレーム前側の内部において、平断面視でフロントサイドフレームの側壁と補強部材の側壁とともに三層構造となるようその側壁が連結されるバンパブラケットと、上記フロントサイドフレームの外側からバンパブラケットおよび補強部材の少なくとも一方に固定されるタイダウンフックと、上記タイダウンフックの前部とバンパブラケットとフロントサイドフレームとを固定する固定手段とを設け、上記バンパブラケットは車幅方向に延びる側壁を有し、該側壁はその車外側に対して車内側が脆弱に形成されたものである。
【0016】
この発明による車両前部の車体構造は、また、フロントサイドフレームの前部にバンパブラケットおよびタイダウンフックを取付けて成る車両前部の車体構造であって、インナパネルとアウタパネルにより閉断面を構成し車両前後方向に延びるフロントサイドフレームと、上記フロントサイドフレーム内部の少なくとも左右に取付けられる補強部材と、上記フロントサイドフレーム内において補強部材よりも前方に嵌合されるバンパブラケットと、上記フロントサイドフレームの外側からバンパブラケットおよび補強部材の少なくとも一方に固定されるタイダウンフックと、上記タイダウンフックの前部とバンパブラケットとフロントサイドフレームとを固定する固定手段を設け、上記バンパブラケットは車両後方に延びる側壁を有し、上記側壁はその車外側に対して車内側が脆弱に形成されたものである。
【0017】
この発明の一実施態様、上記補強部材の少なくとも反タイダウンフック側には前方に延出する延出部を形成し、該延出部はバンパブラケット後部とフロントサイドフレーム前部との間に延出され、これら三者が一体的に固定されたものである
【0018】
この発明の一実施態様、上記タイダウンフックの後部はフロントサイドフレームおよび補強部材に共締め固定されたものである
【0019】
この発明の一実施態様、上記バンパブラケットの後部には補強部材の上記延出部に対する嵌合部が設けられたものである
【0020】
この発明の一実施態様、上記固定手段をボルトに設定したものである
【0021】
この発明の一実施態様、上記側壁はその車外側の後方延出量が大で、車内側の後方延出量が小となるような傾斜面を有するものである
【0022】
【発明の作用及び効果】
この発明(請求項1、2)によれば、上述のフロントサイドフレームの内部には補強部材が取付けられ、この補強部材より前方においてフロントサイドフレーム内部にバンパブラケットが嵌合され、フロントサイドフレームの外側にはタイダウンフックが取付けられて、このタイダウンフックはバンパブラケットおよび補強部材の少なくとも一方に固定されている。
【0023】
このように、上述の補強部材によりタイダウンフックの取付け部の強度をフロントサイドフレームの左右(車外側と車内側)で均一化することができ、このため、衝突時にフロントサイドフレームの曲がりを防止して、有効かつ良好に衝撃吸収することができる効果がある。
【0024】
しかも、上述のバンパブラケットには車幅方向または車両後方に延びる側壁を設け、この側壁をその車外側に対して車内側が脆弱(低強度)になるように形成したので、次の如き効果がある。
【0025】
すなわち、車両中央部がその左右よりも前方に位置するバンパおよびバンパレインフォースメントの形状に対して、衝突時においてフロントサイドフレームの車内側(側壁が脆弱に形成された側)先端周辺を若干クラッシュさせることで、それ以降においてはフロントサイドフレームへの荷重入力を左右均等と成すことができる。この結果、衝撃吸収性の向上を図ることができる効果がある。
【0026】
この発明の一実施態様によれば、上述の補強部材の少なくとも反タイダウンフック側(車内側)には前方に延出する延出部を設けて、延出部をバンパブラケット後部とフロントサイドフレーム前部との間に延出して、これら三者を一体的に固定している。
【0027】
このため、フロントサイドフレームの車内側(反タイダウンフック側)が延出部とバンパブラケット後部とフロントサイドフレーム前部との三重構造となって、その強度が向上し、これによりフロントサイドフレームの左右(車外側と車内側)の強度が一層均等化される。
したがって、フロントサイドフレームの曲がりがより一層確実に防止され、良好に衝撃エネルギを吸収することができる効果がある。
【0028】
この発明の一実施態様によれば、上述のタイダウンフックの後部はフロントサイドフレームおよび補強部材に共締め固定されているので、タイダウンフックの取付け強度をさらに向上させることができる効果がある。
【0029】
この発明の一実施態様によれば、上述のバンパブラケットの後部には補強部材の延出部に対する嵌合部を設け、この嵌合部を延出部に嵌合させるので、フロントサイドフレームの車内側の強度がより一層確実に向上し、衝突荷重入力時においてフロントサイドフレームの曲がりを確実に防止しつつ、良好な衝撃吸収を行なうことができる効果がある。
【0030】
この発明の一実施態様によれば、上記請求項1記載の発明の効果と併せて、タイダウンフックとバンパブラケットとフロントサイドフレームとを固定する固定手段を、ボルトに設定したので、これら各要素をボルトを用いて簡単に固定することができる効果がある。
【0031】
この発明の一実施態様によれば、上述の側壁はその車外側の後方延出量が大で、車内側の後方延出量が小となるような傾斜面を有するので、バンパブラケットに設けられる側壁の形状および構造の簡略化を図ることができる効果がある。
【0032】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両前部の車体構造を示し、図1、図2において、上側部材1と下側部材2とで閉断面3を形成し、車幅方向に延びるクロスメンバ4を設ける一方、インナパネル5とアウタパネル6とで閉断面7を形成し車両前後方向に延びるフロントサイドフレーム8を設け、上述のクロスメンバ4の端部とフロントサイドフレーム8の前端部下面とをクロスサイドメンバ9で連結固定している。
【0033】
なお、図面では前部車体構造の片側のみを示すが、他側は図示の構造と略対称に形成されている。また図中Fは車両前方側、Rは車両後方、INは車両内方、OUTは車両外方を示す。
【0034】
上述のクロスサイドメンバ9は図3に示すように第1メンバ10、第2メンバ11、第3メンバ12を方形枠状に組合わせて、その内部に上下方向に延びる閉断面13を形成したものである。
【0035】
上述のフロントサイドフレーム8の前端内部には図4に示すようにバンパブラケット14が嵌合固定され、このバンパブラケット14に設けられる複数たとえば3本のボルト等の取付部材15(図2参照)、ステイフナ(図示せず)およびバンパレインフォースメント16を介してバンパを取付けるように構成している。
【0036】
またフロントサイドフレーム8とクロスサイドメンバ9の車外側の面に跨がるように強度部材としてのタイダウンフック17を設けている。
このタイダウンフック17はフロントサイドフレーム8、クロスサイドメンバ9にボルトアップされるので、このタイダウンフック17の上部には4つのボルト挿通孔18が穿設され、下部には3つのボルト挿通孔19が穿設されている。
【0037】
上述のボルト挿通孔18と対応するように、フロントサイドフレーム8のアウタパネル6には4つのボルト挿通孔20a,20a,20b,20bが形成され、上述のボルト挿通孔19と対応するようにクロスサイドメンバ9の第3メンバ12には3つのボルト挿通孔21が形成されている。
【0038】
ところで、上述のフロントサイドフレーム8の内部においてバンパブラケット14の嵌合位置よりも内奥(後方)には図4、図5に示す如く、補強部材としてのレインフォースメント22が取付けられている。換言すればフロントサイドフレーム8内においてレインフォースメント22よりも前方に上述のバンパブラケット14が嵌合されている。
【0039】
上述のレインフォースメント22は図6に示すように、底壁22a、背壁22b、上壁22c、内壁22d、外壁22e、折曲片22f,22g,22h,22iを有し、内壁22dの上下の折曲片22g,22fを上壁22c下面と底壁22a上面とに接合固定し、外壁22eの上下の折曲片22h,22iを同様に上壁22c下面と底壁22a上面とに接合固定して、その全体形状を略ボックス状に構成したものである。
また上述の内壁22dは外壁22eよりも車体前方側に延出されており、この内壁22dを延出部に設定している。
【0040】
ここで、上述の外壁22eにはフロントサイドフレーム8におけるアウタパネル6のボルト挿通孔20b,20bに対応する2つのボルト挿通孔23,23が穿設され、その孔縁部には図4に示す如く予めナット24,24が溶接固定されている。
【0041】
また上述の内壁22dつまり延出部にはフロントサイドフレーム8におけるインナパネル5の2つのボルト挿通孔20c,20cに対応する同数のボルト挿通孔25,25が穿設されている。
【0042】
このように構成したレインフォースメント22は図5に示すようにフロントサイドフレーム8内に配置された後に、このレインフォースメント22の各壁22a,22c,22d,22eがフロントサイドフレーム8に対して溶接固定されている。
【0043】
一方、前述のバンパブラケット14は図7に示すように主面部14aの左右から後方に延びる嵌合部14b,14cと、主面部14aの上下から後方に延びる上側壁14dおよび下側壁14eと、車外側に位置する一方の嵌合部14cの上下に折曲げ形成された折曲片14f,14gとを有する。
【0044】
而して、上下の各側壁14d,14eに折曲片14f,14gを接合固定して、その全体形状を略ボックス状に構成したものである。
また上述の主面部14aには図2で示した取付部材15を配設するための孔26…を形成すると共に、バンパブラケット14加工時の位置決め孔27を形成している。
【0045】
さらに一対の嵌合部14b,14cのうちの車内側の嵌合部14bにはフロントサイドフレーム8のインナパネル5の2つのボルト挿通孔20c,20cに対応する同数のボルト挿通孔28,28が穿設され、車外側の嵌合部14cにはフロントサイドフレーム8のアウタパネル6の2つのボルト挿通孔20a,20aに対応する同数のボルト挿通孔29,29が穿設されている。
上述の各ボルト挿通孔28,28,29,29の孔縁部は図4に示す如く予めナット30…が溶接固定されている。
【0046】
しかも、上述の上下の各側壁14d,14eはその車外側の後方延出量が大で、車内側の後方延出量が小となるような傾斜面31を有し、これら上下の側壁14d,14eはその車外側に対して車内側が脆弱(低強度)に形成されている。
【0047】
このように構成したバンパブラケット14を、図4に示すようにその車内側の嵌合部14bがレインフォースメント22の延出部(内壁22d参照)内面に位置するように、また車外側の嵌合部14cがフロントサイドフレーム8のアウタパネル6内面に位置するように、フロントサイドフレーム8の前端開口部から閉断面7内に嵌合する。
【0048】
上述のバンパブラケット14のフロントサイドフレーム8に対する嵌合完了時には、図4に示すようにレインフォースメント22の延出部(内壁22d参照)がバンパブラケット後部の嵌合部14bとフロントサイドフレーム8前部のインナパネル5との間に介設された状態(各要素5,22d,14bの三重状態)となる。
上述のバンパブラケット14の嵌合完了後において各ボルト挿通孔20c,28,25に挿通する2本のボルト32を用いて上述の各要素5,22d,14bの三者を一体的に共締め固定する。
【0049】
またフロントサイドフレーム8およびクロスサイドメンバ9の車外側にタイダウンフック17を配設し、このタイダウンフック17の上側前部を各ボルト挿通孔18,20a,29に挿通する2本のボルト33を用いてフロントサイドフレーム8のアウタパネル6と、バンパブラケット14の嵌合部14cとに共締め固定する。
【0050】
同様に、タイダウンフック17の上側後部を各ボルト挿通孔18,20b,23に挿通する2本のボルト34を用いてフロントサイドフレーム8のアウタパネル6と、レインフォースメント22の外壁22eとに共締め固定する。
またタイダウンフック17の下部は図1に示すように各ボルト挿通孔19,21を利用して3組のボルト、ナット35によりクロスサイドメンバ9およびクロスメンバ4に取付けられる。
【0051】
なお、バンパは左右のバンパブラケット14,14間にステイフナおよびバンパレインフォースメント16を介して張架される。さらに上述のフロントサイドフレーム8におけるレインフォースメント22配置箇所よりも後方には、そのインナパネル5およびアウタパネル6に対して蛇腹状のビードが形成されたクラッシュ部36を構成している。
【0052】
このように構成した車両の前部の車体構造の作用を、以下に詳述する。
車両の正面衝突時にはバンパ(例えば樹脂バンパ)の略中央部位に衝突荷重(初期荷重)が入力し、バンパレインフォースメント16は図4に示すノーマルな状態から図8に示すようにその後面車内側が後方へ変位する。
【0053】
この時、バンパブラケット14における上下の側壁14d,14eをその車外側に対して車内側が脆弱となるように形成しているので、フロントサイドフレーム8の車内側先端部周辺は図8に示す如く若干クラッシュされて、それ以降におけるフロントサイドフレーム8への荷重入力を正面方向からの入力に矯正する。
【0054】
しかも、上述のフロントサイドフレーム8の内部に取付けたレインフォースメント22により、タイダウンフック17の取付け部の強度をフロントサイドフレーム8の左右(車外側と車内側)で均一化しているので、図8に示すバンパレインフォースメント16の変形後にあっては、タイダウンフック17後部のフロントサイドフレーム8の左右に対してバンパ荷重を左右均等に伝達される。
【0055】
このため、衝突時にフロントサイドフレーム8の曲がりを防止して、フロントサイドフレーム8のクラッシュゾーン(クラッシュ部36参照)において衝撃エネルギを有効かつ良好に吸収することができる。
【0056】
このように上記構成の車両前部の構造によれば、上述のフロントサイドフレーム8の内部には補強部材(レインフォースメント22参照)が取付けられ、この補強部材(レインフォースメント22参照)より前方においてフロントサイドフレーム8の内部にバンパブラケット14が嵌合され、フロントサイドフレーム8の外側にはタイダウンフック17が取付けられて、このタイダウンフック17はバンパブラケット14および補強部材(レインフォースメント22参照)の少なくとも一方に固定されている。
【0057】
このように、上述の補強部材(レインフォースメント22参照)によりタイダウンフック17の取付け部の強度をフロントサイドフレーム8の左右(車外側と車内側)で均一化することができ、このため、衝突時にフロントサイドフレーム8の曲がりを防止して、有効かつ良好に衝撃吸収することができる効果がある。
【0058】
また、上述の補強部材(レインフォースメント22参照)の少なくとも反タイダウンフック側(車内側)には前方に延出する延出部(内壁22d参照)を設けて、延出部(内壁22d参照)をバンパブラケット14の後部(嵌合部14b参照)とフロントサイドフレーム8前部との間に延出して、これら三者22d,14b,8を一体的に固定している。
【0059】
このため、フロントサイドフレーム8の車内側(反タイダウンフック側)が延出部(内壁22d参照)とバンパブラケット14の後部(嵌合部14b参照)とフロントサイドフレーム8前部との三重構造となって、その強度が向上し、これによりフロントサイドフレーム8の左右(車外側と車内側)の強度が一層均等化される。
したがって、フロントサイドフレーム8の曲がりがより一層確実に防止され、良好に衝撃エネルギを吸収することができる効果がある。
【0060】
さらに、上述のタイダウンフック17の後部は固定手段としてのボルト34を用いてフロントサイドフレーム8および補強部材(レインフォースメント22参照)に共締め固定されているので、タイダウンフック17の取付け強度をさらに向上させることができる効果がある。
【0061】
加えて、上述のバンパブラケット14の後部には補強部材(レインフォースメント22参照)の延出部(内壁22d参照)に対する嵌合部14bを設け、この嵌合部14bを延出部(内壁22d参照)の内面に嵌合させるので、フロントサイドフレーム8の車内側の強度がより一層確実に向上し、衝突荷重入力時においてフロントサイドフレーム8の曲がりを確実に防止しつつ、良好な衝撃吸収を行なうことができる効果がある。
【0062】
また、タイダウンフック17とバンパブラケット14とフロントサイドフレーム8とを固定する固定手段を、ボルト32,33,34に設定したので、これら各要素17,14,8をボルト32,33,34を用いて簡単に固定することができる効果がある。
【0063】
さらに、上述のバンパブラケット14には車両後方に延出する側壁(上側壁14d、下側壁14e参照)を設け、この側壁14d,14eをその車外側に対して車内側が脆弱(低強度)になるように形成したので、次の如き効果がある。
【0064】
すなわち、車両中央部がその左右よりも前方に位置するバンパおよびバンパレインフォースメント16の形状に対して、衝突時においてフロントサイドフレーム8の車内側(側壁が脆弱に形成された側)先端周辺を若干クラッシュ(図8参照)させることで、それ以降においてはフロントサイドフレーム8への荷重入力を左右均等と成すことができる。この結果、衝撃吸収性の向上を図ることができる効果がある。
【0065】
そのうえ、上述の側壁14d,14eはその車外側の後方延出量が大で、車内側の後方延出量が小となるような傾斜面31を有するので、バンパブラケット14に設けられる側壁14d,14eの形状および構造の簡略化を図ることができる効果がある。
【0066】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の補強部材は、実施例のボックス状に形成されたレインフォースメント22に対応し、
以下同様に、
固定手段は、ボルト33に対応し、
延出部は、内壁22dに対応し、
嵌合部は、車内側に位置する嵌合部14bに対応し、
側壁は、上側壁14d、下側壁14eに対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の車両前部の車体構造を示す断面図。
【図2】 図1の分解斜視図。
【図3】 図1のA−A線矢視断面図。
【図4】 図1のB−B線矢視断面図。
【図5】 図4のC−C線矢視断面図。
【図6】 補強部材の斜視図。
【図7】 バンパブラケットの斜視図。
【図8】 衝突初期の変形状態を示す平面図。
【符号の説明】
5…インナパネル
6…アウタパネル
7…閉断面
8…フロントサイドフレーム
14…バンパブラケット
14b…嵌合部
14d,14e…側壁
17…タイダウンフック
22…レインフォースメント(補強部材)
22d…内壁(延出部)
31…傾斜面
32〜34…ボルト

Claims (7)

  1. フロントサイドフレームの前部にバンパブラケットおよびタイダウンフックを取付けて成る車両前部の車体構造であって、
    インナパネルとアウタパネルにより閉断面を構成し車両前後方向に延びるフロントサイドフレームと、
    上記フロントサイドフレーム前側の内部において、平断面視でフロントサイドフレームの側壁と補強部材の側壁とともに三層構造となるようその側壁が連結されるバンパブラケットと、
    上記フロントサイドフレームの外側からバンパブラケットおよび補強部材の少なくとも一方に固定されるタイダウンフックと、
    上記タイダウンフックの前部とバンパブラケットとフロントサイドフレームとを固定する固定手段を設け
    上記バンパブラケットは車幅方向に延びる側壁を有し、該側壁はその車外側に対して車内側が脆弱に形成された
    車両前部の車体構造。
  2. フロントサイドフレームの前部にバンパブラケットおよびタイダウンフックを取付けて成る車両前部の車体構造であって、
    インナパネルとアウタパネルにより閉断面を構成し車両前後方向に延びるフロントサイドフレームと、
    上記フロントサイドフレーム内部の少なくとも左右に取付けられる補強部材と、
    上記フロントサイドフレーム内において補強部材よりも前方に嵌合されるバンパブラケットと、
    上記フロントサイドフレームの外側からバンパブラケットおよび補強部材の少なくとも一方に固定されるタイダウンフックと、
    上記タイダウンフックの前部とバンパブラケットとフロントサイドフレームとを固定する固定手段を設け、
    上記バンパブラケットは車両後方に延びる側壁を有し、
    上記側壁はその車外側に対して車内側が脆弱に形成された
    車両前部の車体構造。
  3. 上記補強部材の少なくとも反タイダウンフック側には前方に延出する延出部を形成し、該延出部はバンパブラケット後部とフロントサイドフレーム前部との間に延出され、これら三者が一体的に固定された
    請求項1記載の車両前部の車体構造。
  4. 上記タイダウンフックの後部はフロントサイドフレームおよび補強部材に共締め固定された
    請求項記載の車両前部の車体構造。
  5. 上記バンパブラケットの後部には補強部材の上記延出部に対する嵌合部が設けられた
    請求項1記載の車両前部の車体構造。
  6. 上記固定手段をボルトに設定した
    請求項1記載の車両前部の車体構造。
  7. 上記側壁はその車外側の後方延出量が大で、車内側の後方延出量が小となるような傾斜面を有する
    請求項1または 2記載の車両前部の車体構造。
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