JP4104093B2 - 自動車の前部車体構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の車体構造に関し、特にトーボードからエンジンルームの両側に沿って前方に延在する左右のフロントフレームを備えた自動車の前部車体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の前部車体構造は、車室とエンジンルームとを区画するトーボードからエンジンルームの左右のホイールエプロン下縁に沿って車体前方向に延在すると共に後端が車室フロア下面に沿って延設されたフロントフレームを有し、左右のフロントフレームの前端がラジエータパネルロアに結合されている。
【0003】
一方、フロントフレームの前部に前方から所定値以上の衝撃荷重が作用した際、フロントフレームは、前端から押しつぶされて変形して衝撃エネルギーを吸収して車室への衝撃を緩和することが要求されている。
【0004】
しかし、一般にフロントフレームは、前方がホイールエプロンの下縁に沿って延在すると共に後端が車室フロア下面に沿って延在することから、トーボードに沿って折曲形成され、更に、該折曲部乃至折曲部近傍部位にタイロッドを挿通するためのタイロッド挿通孔が形成されることから、車体前方からフロントフレームの前端に所定値以上の衝撃荷重が作用した際に、該部に応力が集中してフロントフレームがトーボード近傍で折曲変形する、即ち衝撃エネルギーの吸収が阻害されて車室内への影響が懸念される。
【0005】
この対策として、例えば実開平2−7076号公報によって、補強板の後方に延長部を形成し、補強板の前部をフロントフレームに結合する一方、補強板の上記延長部をトーボードとホイールエプロンとの間に介在させてこれら補強板と、トーボードと、ホイールエプロンとを共に結合してフロントフレームの剛性強度の向上を確保することが提案されている。
【0006】
また、特開平5−124538号公報に開示されるように、フロントフレーム内に車体前後方向に延在するリンフォースを備え、フロントフレームの剛性を確保するものがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記実開平2−7076号公報によると、フロントフレームのトーボード近傍の剛性は確保されるものの、フロントフレームの前部に前方から所定値以上の衝撃荷重が作用した際、フロントフレームの補強板より前方の折曲変形が懸念され、フロントフレームが前部から順次つぶれ変形して衝撃エネルギーを吸収することは困難であり、衝撃荷重による車室への影響を充分に回避するのを困難にしている。
【0008】
一方、特開平5−124538号公報に開示される先行技術によると、フロントフレームがリンフォースによって剛性が確保される。
【0009】
しかし、フロントフレームのトーボード近傍の剛性が充分に確保されず、その結果、フロントフレームの前部に前方から所定値以上の衝撃荷重が作用した際、フロントフレームのトーボード近傍に応力が集中して該部の座屈変形が懸念される。この座屈変形に伴ってフロントフレームの前部からの円滑なつぶれ変形が妨げられて、充分な衝撃エネルギーの吸収が達成できず、車室への影響が懸念される。
【0010】
また、衝撃荷重によってフロントフレームのトーボード近傍に開口するタイロッド挿通孔乃至該タイロッド挿通孔近傍に変形が発生すると、タイロッド挿通孔縁部がタイロッドを押しやりタイロッドの変形或いは移動を誘発して予期せぬ車輪の挙動により車体の安定性に影響を及ぼすことが懸念される。
【0011】
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、フロントフレームの前部に所定値以上の衝撃荷重が作用した際、フロントフレームの円滑なつぶれモードが確保され、車室への影響が回避される安全性に優れた自動車の前部車体構造を提供することにある。
【0024】
上記目的を達成する請求項1に記載の自動車の前部車体構造の発明は、左右のホイールエプロンの下端縁に沿って車体前後方向に延設され、車室とエンジンルームとを区画するトーボードの前面に結合支持されるフロントフレームを備えた自動車の前部車体構造において、上記フロントフレームは、上記トーボードとラジエータパネルとの間に配設される部分の前端に形成されたフランジによってラジエータパネルに結合され、該フロントフレームのトーボードとラジエータパネルとの間に配設される部分の前部に、上記ラジエータパネルに開口するフロントフレーム貫通孔から前方に突出したフロントリンフォースが設けられていることを特徴とする。
【0025】
請求項の発明によると、フロントフレームのトーボードとラジエータパネルとの間に配設される部分によって、前部がラジエータパネルから前方に突出するフロントリンフォースが支持されることから、フロントリンフォースの変形による衝撃エネルギーの吸収が安定して行われ、かつ衝撃荷重が比較的少ない場合には、変形したフロントリンフォースの交換或いは修理のみで修復することができる。
【0026】
請求項に記載の発明は、請求項の自動車の前部車体構造において、上記フロントリンフォースは、互いに結合して前後方向に延在する略矩形の閉断面を形成するフロントリンフォースインナとフロントリンフォースアウタによって形成され、フロントリンフォースインナとフロントリンフォースアウタが変形を促進させるためのクラッシュビードを有することを特徴とする。
【0027】
請求項の発明によると、フロントリンフォースを略矩形の閉断面を形成するフロントリンフォースインナとフロントリンフォースアウタの板材によって容易に、かつ効率的に形成することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下本発明による自動車の前部車体構造の実施の形態を図1乃至図6によって説明する。
【0047】
図1は、自動車1を車体前方から見た前部要部を示す車体前部の要部斜視図、図2は車体前部を後方から見た要部斜視図、図3は本実施の形態の要部を示す図1のI−I線断面図であり、図中矢印Fは車体前方を示している。
【0048】
図中符号2は車室RとエンジンルームEとを区画するトーボードであり、トーボード2の前面下部には、トーボード2と協働して車幅方向に延在する閉断面形状を形成してトーボード2の剛性を確保するトーボードクロスメンバ3が結合されている。
【0049】
トーボード2の下縁は、車室Rのフロア4が連続形成され、トーボード2の両側にはエンジンルームEの側壁を形成するホイールエプロン5の後端が連続形成され、左右のホイールエプロン5の前端にはラジエータパネル10が架設されている。
【0050】
ラジエータパネル10は、車幅方向に延在する閉断面形状のラジエータパネルロア11と、該ラジエータパネルロア11の上方に離間して平行配置されるラジエータパネルアッパ12と、ラジエータパネルロア11とラジエータパネルアッパ12の両端に内側が連結されて車体側方に移行するに従って後方に移行するすると共に側端がホイールエプロン5の前端に連結されるラジエータパネルサイド13とを備え、ラジエータパネルサイド13の下部分にフロントフレーム貫通孔14は穿設されている。
【0051】
ホイールエプロン5の下端縁5aに沿って延設され、後端がトーボード2の下面に沿ってフロア4の下面に達するフロントフレーム20が車体前後方向に延在している。
【0052】
フロントフレーム20は、図4に分解斜視図を示すように、プレートエプロン21、フレームサイドフロント22、フロントリンフォースインナ24、フロントリンフォースアウタ25、リンフォースタイロッド26、リンフォースフレームインナ27、リンフォースフレームロア28、リンフォーストランバース29及びフレームサイドリヤ30等によって構成され、次にこれらフロントフレーム20の各構成部材について順次説明する。
【0053】
プレートエプロン21は、その上縁がホイールエプロン5の下端縁5aに沿ってラジエータパネルサイド13から後方に延在して後部が徐々に上方に傾斜し、後縁が上縁の後端からトーボード2及びトーボードクロスメンバ3の前面に沿って下降し、下縁の前部分が上記上縁に沿って延在して徐々に上方に傾斜して下方にアクスルシャフト挿通部21Eを形成し、後部分が前部分の後端から下降してL字状に後方に延在する概ねL字状に湾曲する板状の側面部21Aを有し、前縁に沿ってラジエータパネルサイド13に対向する前端フランジ22cが折曲形成され、後端に沿ってトーボード2及びトーボードクロスメンバ3の前面に対向する後端フランジ21dが折曲形成されている。
【0054】
更にL字状に湾曲する側面部21Aの後部、即ち後端近傍にタイロッド挿通孔形成部21Dが開口している。
【0055】
フレームサイドフロント22は、概ね上記プレートエプロン21の側面部21Aと同形状の側面部22Aを有し、側面部22Aの上縁に沿って車幅外側に折曲形成された上面部22B及び下縁に沿って車幅外側に折曲形成された下面部22Cを備え、車体前後方向に延在する略車幅外側が開放された断面略コ字状であって、上面部22B及び下面部22Cの端縁に沿って上記プレートエプロン21の側面部21Aの上縁及び下縁に対向する上方フランジ22a及び下方フランジ22bが折曲形成され、かつ前縁に沿ってラジエータパネルサイド13に重合可能な前端フランジ22cが形成され、側面部22Aの後端に沿ってトーボード2及びトーボードクロス3の前面に対向する後端フランジ22dが折曲形成されている。
【0056】
更に、側面部22Aの後部には、上記プレートエプロン21の側面部21Aに開口したタイロッド挿通孔形成部21Dに対応してタイロッド挿通孔形成部22Dが開口している。
【0057】
フロントリンフォースインナ24は、側面部24と、該側面部24Aの上縁及び下縁に各々沿って車幅外側に折曲形成された上面部24B及び下面部24Cを有する車体前後方向に延在する断面略コ字状であって、側面部24A、上面部24B、下面部24Cの後部分がフレームサイドフロント22の側面部22A、上面部24B、下面部24Cの前部分に各々重合可能で、側面部24A及び下面部24Cの後部分にフレームサイドフロント22の上方フランジ22a及び下方フランジ22Bに重合可能な上方フランジ24a及び下方フランジ24bが各々折曲形成されている。
【0058】
フロントサイドフロント22の前端より前方に配置される上面部24B及び下面部24の前部分には、各々車幅方向に延在する複数のクラッシュビード24c、24dが形成されている。
【0059】
フロントリンフォースアウタ25は、側面部25Aと、該側面部25Aの上縁及び下縁に各々沿って車幅外側に折曲形成された上面部25Bと下面部25Cを備えた断面略車体前後方向に延在するコ字状であって、上面部25B及び下面部25Cに上記フロントリンフォースインナ24の上面部24B及び下面部24Bに形成されたクラッシュビード24c、24dに対応するクラッシュビード25c、25dが形成されている。
【0060】
そして、フロントリンフォースアウタ25の上面部25B及び下面部25Cを各々、フロントリンフォースインナ24の上面部24Bの下面及び下面部24Cの上面の前部分に各々重合してフロントリンフォースインナ24とフロントリンフォースアウタ25によって前部が閉断面形状のフロントリンフォース23を形成するように構成されている。
【0061】
リンフォースタイロッド26は、プレートエプロン21及びフレームサイドフロント22の側面部21Aと22Aとの間に架設されて各々のタイロッド挿通孔形成部21Dと22Dの外周部間を連結する筒部26Aと、該筒部26Aの内方端縁に延設されてフロントサイドフレーム22の側面部22Aに重合する外周フランジ26aが形成されている。
【0062】
リンフォースフレームインナ27は、上記リンフォースタイロッド26の筒部26Aが嵌入するタイロッド挿通孔形成部27Dが開口してフレームサイドフロント22の側面部22Aに重合する側面部27Aを有し、側面部27Aの上縁はタイロッド挿通孔形成部27Dの外周に沿ってタイロッド挿通孔形成部27Dの後方から上方より前方に延在し、該上縁に沿って車幅外側に折曲形成された上面部27Bが延在すると共に、上面部27Bの端縁に沿ってプレートエプロン21の側面21Aに重合する上方フランジ27aが連続形成されている。
【0063】
一方、リンフォースフレームインナ27の下縁は、フレームサイドフロント22の側面部22Cの下縁に沿って形成され、該下縁に沿ってフロントサイドフレーム22の下面部22Cの上面の後部分に重合する下面部27Cが折曲形成され、下面部17Cの前端及び後部分に上記プレートエプロン21の側面部21Aの下縁に重合する前部下方フランジ27b及び後部下方フランジ27cが折曲形成されている。
【0064】
リンフォースフレームインナ27の側面部2Aを、フレームサイドフロント22の側面部22Aに結合して、該側面部22Aのタイロッド挿通孔形成部22Dの周囲を補剛すると共に、特にタイロッド挿通孔形成部22Dの後方から上方を経てタイロッド挿通孔形成部22Dの前方に達する連続する上面部27Bによって剛性を確保する。
【0065】
この上面部27Bの前端は、フレームサイドフロント22の上面部22Bの下面に重合し、かつ上方フランジ27aの前端は上方フランジ22aに重合するように形成されている。
【0066】
リンフォースフレームサイドロア28は、リンフォースフレームサイドインナ27の側面部27Aの下縁の沿って側面部27Aに重合する側面部28Aと、側面部27Aの上縁に沿って車幅外側に折曲形成されリンフォースフレームサイドインナ27に開口するタイロッド挿通孔形成部27Dの下方からタイロッド挿通孔形成部27の前方に達する上面部28Bが形成されている。
【0067】
更にこの上面部28Bの前部にリンフォースサイドインナ27の上方フランジ27a及び後述するリンフォーストランバース29の側面部29Aに重合可能な上部フランジ28aが折曲形成され、上面部28Bの後部にリンフォースフレームサイドインナ27の上方フランジ27aの後端近傍に重合する下部フランジ28bが折曲形成され、かつタイロッド挿通孔形成部27Dに沿ってタイロッド挿通孔形成部27の下方から前方に亘って補剛するように構成されている。
【0068】
リンフォーストランバース29は、プレートエプロン21の側面部21Aの下縁に沿う形状であって、上部がリンフォースフレームサイドロア28の上方フランジ28a及びリンフォースフレームサイドインナ27の上方フランジ27aに重合する側面部29Aと、側面部21Aの下縁前部に連続して車幅内方に折曲形成されてフロントリンフォースフレームインナ24の下面部24Cに重合する下面部29Cと、側面部29Aの上縁後端部に車幅方向に折曲されてリンフォースフレームサイドロア28の上面部28bの下面に重合する上部フランジ29aが形成されている。
【0069】
フレームサイドリヤ30は、上方が開放されて車体前後方向に延在する断面略コ字状で前部分にクラッシュビード31aが形成されたフレーム本体31Aと、フレーム本体31Aの両側縁に沿ってトーボード2からフロア4の下面に重合する上部フランジ31bが折曲形成され、フレームサイドリヤ30とトーボード2及びフロア4によって車体前後方向に延在する閉断面形状を形成してトーボード2及びフロア4の形状を拘束してトーボード2及びフロア4の剛性を確保すると共に、フレーム本体31Aの前端は、上記プレートエプロン21、フレームサイドフロント22、リンフォースフレームサイドインナ27及びリンフォースサイドロア28の各下部後端に結合されるように構成されている。
【0070】
次に、このように形成された各構成部材の結合について説明する。
【0071】
フロントリンフォースアウタ25の上面部25B及び下面部25Cとフロントリンフォースインナ24の上面部24Bの及び下面部24Cをの各々重合して結合しフロントリンフォースインナ24とフロントリンフォースアウタ25によって前部が閉断面形状のフロントリンフォース23を形成し、フロントリンフォース23の前部がフロントサイドフロント22に前端から突出した状態でフロントリンフォースインナ24の側面部24A、上面部24B、下面部24C、上方フランジ24a及び下方フランジ24bを各々、フロントサイドフロント22の側面部22A、上面部22B、下面部22C、上方フランジ22a及び下方フランジ22bの各前部分に重合する。
【0072】
更に、フレームサイドフロント22のタイロッド挿通孔形成部22Dとリンフォースタイロッド26の筒部26Aの相対位置決めをして、側面22Aと外周フランジ26aを重合し、更にリンフォースフレームサイドインナ27のタイロッド挿通孔形成部27をリンフォースタイロッド26の外周フランジ26aを嵌合して外周フランジ26aを介在してフレームサイドフロント22の側面部22Aとリンフォースフレームサイドインナ27の側面部27Aを重合すると共に、互いの下面部27Cと22Cを重合し、更に上方フランジ27aの前端を上方フランジ22aに重合して、互いに重合する側面部22Aと、外周フランジ26aと側面部27Aを共に結合すると共に、下面部22Cと27Cとを結合する。
【0073】
次に、リンフォースフレームサイドインナ27の側面部27Aとリンフォースフレームロア28の側面部28Aを重合し、かつ上方フランジ27aと下部フランジ28bを重合して結合する。
【0074】
少なくともこのリンフォースフレームサイドインナ27の前部下部とフロントリンフォースフレームインナ24の後端下部との間は互いに離間して、該部に比較的脆弱なエネルギー吸収領域を形成している。
【0075】
リンフォーストランスバース29の側面部29上部をリンフォースフレームサイドロア28の上部フランジ28aに重合して結合すると共に、下面29Bをフロントリンフォースフレームインナ24の下面部24Cを介してフレームサイドフロント22の下面に重合して互いに重合するフレームサイドフロント22、フロントリンフォースフレームインナ24、リンフォーストランスバース29の各下面部22C、24C、29Cを共に結合し、かつ上方フランジ29aとリンフォースフレームサイドロア28の上面部28Aとを結合する。
【0076】
更に、リンフォーストランスバース29の側面部29Aの上端をリンフォースフレームサイドインナ27の上方フランジ27aの前端と共にフロントサイドフロント22の上方フランジ22aに結合する。
【0077】
そして、フロントサイドフロント22の上方フランジ22a及び下方フランジ22bとプレートエプロン21の上縁及び下縁を重合して結合すると共に、リンフォースタイロッド26の筒部26Aの端部とプレートエプロン21の側面部21Aに開口するタイロッド挿通孔形成部21Dの周縁を結合し、かつリンフォースフレームサイドロア28の下部フランジ28bとプレートエプロン21の側面部21Aの結合を図る。
【0078】
更に、フレームサイドフロント21の上方フランジ22aと、パネルエプロン21の側面部21Aの上縁とを、フロントリンフォースフレームインナ24の上方フランジ24a及びリンフォースフレームインナ27の上方フランジ27aの前端を介在して共に結合し、かつフレームサイドフロント21の下方フランジ22bとパネルエプロン21の側面部21Aの下縁とを、フロントリンフォースフレームインナ24の下方フランジ24b、リンフォースフレームサイドインナ27の前部下方フランジ27c及び後部下方フランジ27bを介在して共に結合してフレームサイドリヤ30と共に車体前後方向に延在する閉断面形状のフロントフレーム20を形成する。
【0079】
このように形成されたフロントフレーム20は、前端が図1に斜視図を示し、図5に分解斜視図を示すように、ラジエータパネルサイド13に開口するフロントフレーム貫通孔14からフロントリンフォースフレームインナ24とフロントリンフォースフレームインナ25によって形成されるフロントリンフォース23の前部分が突出し、プレートエプロン21及びフレームサイドフロント22の前端に形成された前端フランジ21c、22cがラジエータパネルサイド13に当接して結合され、かつフレームサイドフロント22の前端がガゼット35によってラジエータパネルロア11に結合されている。
【0080】
パネルエプロン21がホイールエプロン5の下端縁5aに沿って結合され、プレートエプロン21の後端フランジ21d及びフレームサイドフロント22の後端フランジ22dがトーボード2及びトーボードクロス3の前面に結合され、かつパネルエプロン21及びフレームサイドフロント22の後端下部が、トーボード2の近傍においてフレームサイドリヤ30の前端に結合されている。
【0081】
なお、パネルエプロン21の前端近傍にタイダウンフック36或いは牽引フックが取り付けられ、フレームサイドフロント22の下面部22Cの前後方向略中央部にスタビライザー取付ブラケットが取り付けられている。また必要に応じてプレートエプロン21の側面部21Aの後部下部にフロントフレーム20の剛性を調整するパッチエプロン33が張設される。
【0082】
このように構成された車体前部構造によると、ラジエータパネルサイド13に開口するサイドフレーム貫通孔14からフロントリンフォース23の前部分が突出して比較的脆弱な第1のエネルギー吸収領域Aが形成され、フロントフレーム20のラジエータパネル10より後方部分は、所定範囲に亘ってフロントリンフォースフレームインナ24及びフロントリンフォースアウタ25によって剛性が確保されて前部剛性領域Bが形成される。
【0083】
フロントフレーム20の湾曲形成されたフロントフレーム20のタイロッド挿通孔32の周囲、即ちパネルプレート21の側面部21A、リンフォースフレームインナ27の側面部27A、フレームサイドフロント22の側面部22Aに形成されたタイロッド挿通孔形成部21D、22D、28D及リンフォースタイロッド26によって形成されるタイロッド挿通孔32の周囲が、リンフォースフレームサイド27によって補剛され、特にリンフォースサイドインナ27の上面部27Bによってタイロッド挿通孔32の後方から上方を経てタイロッド挿通孔32の前方に亘って補剛され、タイロッド挿通孔32の後方下部から下方を経てタイロッド挿通孔32の前方に亘ってリンフォースフレームサイドロア28及びリンフォーストランバース29によって補剛され、タイロッド挿通孔32を取り囲むように補剛されてフロントフレーム20のトーボード2の前方部分の剛性が確保されて後部剛性領域Dが形成される。
【0084】
更に、フロントリンフォースフレーム24の後端下部とリンフォースフレーム27サイドインナ27の前端下部との間を離間させることによって該部に比較的剛性向上が抑制され、かつ下部にアクスルシャフト挿通部によって凹部が形成されて該部の剛性が比較的低く形成されて比較的変形可能で脆弱な第2のエネルギー吸収領域Cが形成される。
【0085】
また、リンフォーストランバース29によってフロントフレーム20の下面部を補強して、フロントフレーム20の前方に衝撃荷重が作用した際、フロントフレーム20の折曲変形を抑制すると共にタイダウンフック36やスタビライザー取付部の補強を図っている。
【0086】
このように構成されたフロントフレーム20の前端に所定値以上の衝撃荷重が作用した際、車室内に及ぼす加速度と衝撃時間経過の関係を示す加速度−衝撃時間経過データを示す図6を参照して説明する。なお図中領域A、B、C、Dは主な変形領域が上記領域A、B、C、Dであることを示している。
【0087】
フロントフレーム20の前端に所定値以上の衝撃荷重が前方から作用すると、タイロッド挿通孔32及びその近傍の変形が抑制され、かつ比較的脆弱で変形容易な第1のエネルギー吸収部A、剛性を有する前部剛性領域B、比較的脆弱で変形容易な第2のエネルギー吸収領域C、剛性を有する後部剛性領域Dが直列に配列され、かつフロントフレーム20の折曲変形が抑制されることから、トーボード5等に確実に伝達支持される。
【0088】
従って、比較的衝撃荷重が小さい場合には、ラジエータパネル10から前方に突出形成されたクラッシュビード24c、25dが形成されたフロントリンフォース23の前部分によって形成される第1のエネルギー吸収領域Aが前方からつぶれ変形して衝撃エネルギーを吸収して衝撃を充分緩和する。
【0089】
この衝撃荷重による変形は車体前部のみであり、車体本体に影響することが回避され、この衝撃エネルギーの吸収量の制御は、フロントリンフォース23を形成するフロントリンフォースフレームインナ24及びフロントリンフォースフレームアウタ25の板厚、クラッシュビード24c、25c等の形状を変更することによって容易に実施することができる。
【0090】
更に、衝撃荷重が大きく、第1のエネルギー吸収領域Aのみでは吸収できない場合には、第1のエネルギー吸収領域Aで吸収しきれない残余の衝撃エネルギーは、主にフロントリンフォースフレーム24の後端近傍からリンフォースフレーム27及ぶリンフォースフレームサイド28の前端近傍に間に亘って比較的脆弱に形成された第2のエネルギー吸収領域Cの変形によって吸収されて車室への衝撃が緩和される。
【0091】
更に、衝撃荷重が大きく、第1のエネルギー吸収領域A及び第2のエネルギー吸収領域Cにおいても充分な衝撃エネルギーの吸収が得られない場合には、プレートエプロン21及ぶフレームサイドフロント22の後端下部に連結されたフレームサイドロア30の前端にフレームサイドロア30に結合されたフロア4に伝達され、フロア4に結合されたサードレール等から車体全体に分散伝達されて車室内への影響が軽減される。
【0092】
また、タイロッドを挿通するタイロッド挿通孔32及びタイロッド挿通孔32の周囲はリンフォースフレームサイドインナ27、リンフォースフレームサイドロア28及びリンフォースタイロッド26等によって強固に形成され、衝撃荷重等によって該部の変形が防止され、タイロッド挿通孔32の縁部とタイロッドとの当接が防止され、タイロッドの変形或いは変動が回避されて車輪の挙動が未然に防止されて車体の安定性が確保され、エアバッグやシートベルトの機能が確実に確保される。
【0093】
更に、タイダンフック等をプレートエプロン21に設けることから、ラジエータパネル10から前方に突出形成されたフロントリンフォース23の前部分、換言すると第1のエネルギー吸収領域Aの変形は、タイダンフック等によって影響されることなく、第1のエネルギー吸収領域Aの機能が確保され、かつタイダンフック等の取付位置及び形状の自由度が確保される。
【0094】
また、左右のフレームサイドフロント22の下面部22Cとリンフォースフレームサイドインナ27の下面部27Cとの結合によって剛性が充分に確保された部分間にクロスメンバ(図示せず)を架設することによって、クロスメンバによって左右のフロントフレーム20が強固に結合され、剛性が更に確保される。
【0095】
なお、各構成部材の形状等を車体形状等によって種々変形することが可能であり、本発明は上記実施の形態に限定されることなく発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形可能である。
【0096】
【発明の効果】
以上説明した本発明の車体前部構造によると、左右のホイールエプロンの下端縁に沿って延設され、車室とエンジンルームとを区画するトーボードの前面に結合支持されるフロントフレームを備えた自動車の前部車体構造において、フロントフレームを、比較的脆弱なエネルギー吸収領域と、比較的剛性を有する剛性領域とをが車体前後方向に直列に配置することから、前方からの衝撃荷重が作用した際に後方の部材、例えばトーボードによってフロントフレームが安定した状態で受け止められてエネルギー吸収領域による衝撃エネルギーの吸収効率が確保されて、その結果車室への影響が回避乃至軽減される。
【0097】
また、フロントフレームを、ホイールエプロンの下端縁に沿って延在し、かつ前端が上記左右のホイールエプロンの前端間に架設されたラジエータパネルに結合すると共に後端がトーボードに結合されたプレートエプロンと、該プレートエプロンと協働して前後方向に延在する閉断面を形成し、かつ前端が上記ラジエータパネルに結合すると共に後端がトーボードに結合された断面略コ字状のフレームサイドフロントと、後部が上記閉断面内に嵌合してプレートエプロン及びフレームサイドフロントに結合されると共に、前部が上記ラジエータパネルに開口するフロントフレーム貫通孔から前方に突出してエネルギー吸収領域を形成するフロントリンフォースとを備えることから、エネルギー吸収領域となる前部がラジエータパネルから前方に突出するフロントリンフォースがプレートフレーム及びフレームサイドフロントに支持され、フロントリンフォースの変形による衝撃エネルギーの吸収が安定して行われる。
【0098】
更に、プレートエプロン及びフレームサイドフロントに穿設されたタイロッド挿通孔形成部と、リンフォースタイロッドによって形成されたタイロッド挿通孔が、該タイロッド挿通孔を囲むように延在する上方フランジ及び下方フランジを有するリンフォースフレームサイドインナによってタイロッド挿通孔を含むフロントフレームの後部が補剛することから、衝撃荷重によるフロントフレームのタイロッド挿通孔近傍の変形が防止されて、タイロッド挿通孔縁部によってタイロッドが押しやられたり、タイロッドが変形することが未然に防止され、車輪の予期せぬ挙動が回避されて車体の安定性に影響を及ぼすこと回避される。またフロントフレームの後端がトーボードに剛性をもって結合されてフロントフレームに変形による衝撃エネルギーの吸収が確保され等本発明は自動車の安全性の向上に貢献すること大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動車の前部車体構造の実施の形態の概要を示す自動車を車体前方から見た車体前部の要部斜視図である。
【図2】同じく、概要を示す車体前部を後方から見た要部斜視図である。
【図3】同じく、要部を示す図1のI−I線断面図である。
【図4】同じく、要部を示す分解斜視図である。
【図5】同じく、要部を示す分解斜視図である。
【図6】フロントフレームに衝撃荷重が作用した際の車室内に及ぼす加速度と衝撃時間経過の関係を示す加速度−衝撃時間経過データを示す図である。
【符号の説明】
1 自動車
2 トーボード
4 フロア
5 ホイールエプロン
5a 下端縁
10 ラジエータパネル
14 フロントフレーム貫通孔
20 フロントフレーム
21 プレートエプロン
21D タイロッド挿通孔形成部
22 フレームサイドフロント
22B 上面
22C 下面
22D タイロッド挿通孔形成部
24 フロントリンフォースインナ
25 フロントリンフォースアウタ
26 リンフォースタイロッド
27 リンフォースフレームインナ
27B 上面部
27C 下面部
28 リンフォースフレームロア
29 リンフォーストランバース
30 フレームサイドリヤ
32 タイロッド挿通孔
36 タイダウンフック
A 第1のエネルギー吸収領域
B 前部剛性領域
C 第2のエネルギー吸収領域
D 後部剛性領域

Claims (2)

  1. 左右のホイールエプロン(5)の下端縁に沿って車体前後方向に延設され、車室(R)とエンジンルーム(E)とを区画するトーボード(2)の前面に結合支持されるフロントフレーム(20)を備えた自動車の前部車体構造において、
    上記フロントフレーム(20)は、
    上記トーボード(2)とラジエータパネル(10)との間に配設される部分(21、22)の前端に形成されたフランジ(21c、22c)によってラジエータパネル(10)に結合され、
    該フロントフレーム(20)のトーボード(2)とラジエータパネル(10)との間に配設される部分(21、22)の前部に、上記ラジエータパネル(10)に開口するフロントフレーム貫通孔(14)から前方に突出したフロントリンフォース(23)が設けられている
    ことを特徴とする自動車の前部車体構造。
  2. 上記フロントリンフォース(23)は、
    互いに結合して前後方向に延在する略矩形の閉断面を形成するフロントリンフォースインナ(24)とフロントリンフォースアウタ(25)によって形成され、フロントリンフォースインナ(24)とフロントリンフォースアウタ(25)が変形を促進させるためのクラッシュビード(24c、25c)を有することを特徴とする請求項に記載の自動車の前部車体構造。
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