JPH0982698A - 絶縁膜形成用材料及びこれを用いた絶縁膜形成方法 - Google Patents

絶縁膜形成用材料及びこれを用いた絶縁膜形成方法

Info

Publication number
JPH0982698A
JPH0982698A JP23168995A JP23168995A JPH0982698A JP H0982698 A JPH0982698 A JP H0982698A JP 23168995 A JP23168995 A JP 23168995A JP 23168995 A JP23168995 A JP 23168995A JP H0982698 A JPH0982698 A JP H0982698A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insulating film
film
compound
phosphorus
film forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP23168995A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Nakada
義弘 中田
Shunichi Fukuyama
俊一 福山
Tomoko Kobayashi
倫子 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP23168995A priority Critical patent/JPH0982698A/ja
Publication of JPH0982698A publication Critical patent/JPH0982698A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)
  • Formation Of Insulating Films (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体装置や回路基板の製造工程で用いられ
る酸素プラズマ処理により酸化を受けない無機絶縁膜を
形成可能で、且つ従来の有機SOG膜と同等以上の比較
的厚膜で使用可能な絶縁膜形成用材料と、これを用いて
絶縁膜を形成する方法を提供する。 【解決手段】 本発明の絶縁膜形成用材料は、ハイドロ
ジェン基を1又は2個有するクロロシラン化合物とりん
酸との反応で末端にクロロ基を持つシラン−りん酸化合
物を生成し、末端クロロ基をアルコキシ化し、このアル
コキシ化した化合物を加水分解−縮重合させることによ
り得られたりん変性ハイドロジェンシロキサンポリマー
であり、本発明の方法は、この材料を基板へ塗布し、熱
処理してりん変性シリカ系被膜を形成するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置等の製
造に用いられる絶縁膜形成用材料に関し、また、この材
料を用いて絶縁膜を形成する方法に関する。本発明の絶
縁膜形成用材料により得られる絶縁膜は、半導体装置及
び回路基板の製造工程で用いられる酸素プラズマ処理を
行った際でも酸化を受けないため、従来用いられてきた
CVD法により形成した絶縁膜に代わるものあるいはC
VD膜との組み合わせて用いられる絶縁膜として使用可
能である。また、本発明の絶縁膜形成用材料は、テトラ
エトキシシラン(TEOS)により形成された無機SO
G材料に比べて比較的厚膜での使用が可能(0.5μm
以上)であり、下地段差の十分な平坦化が可能である。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体集積回路の集積度の向上に
伴い、素子形成の表面段差が大きくなるとともに、配線
の微細化による配線容量の低下を防ぐために配線を厚く
する必要に迫られ、配線の段差はますます大きくなる傾
向がある。このため、半導体装置等を製造する上で、優
れた平坦性が得られる絶縁膜形成用材料が必要となって
いる。
【0003】この要求に対して、層間絶縁膜を形成する
ための平坦化可能な材料として、4官能シロキサン単位
からなる無機SOG材料や、4官能シロキサン単位と3
官能シロキサン単位からなる有機SOG材料が用いられ
ている。しかし、無機SOG材料は、熱処理によりクラ
ックを生じやすいため、0.5μm以下の薄膜でしか使
用できない。また、有機SOG材料は、レジスト剥離等
に用いられる酸素プラズマによるアッシング処理により
酸化されてクラックを生じるため、これを防ぐためにエ
ッチバック工程を用いたCVD膜との組み合わせでサン
ドイッチ構造として使用されている。
【0004】上記のように、従来の無機SOGは材料
0.5μm以下の薄膜でしか使用できないため、下地段
差に対する十分な平坦性が得られない。一方、有機SO
G材料は0.5μm以上の比較的厚膜で使用した場合で
も熱処理によるクラックの発生が見られないが、半導体
装置及び回路基板製造工程で用いられる酸素プラズマに
よって酸化クラックが発生するため、スルーホール側面
にSOG膜が露出しないように工夫した使用方法(段差
のある配線パターンを覆って形成したCVD絶縁膜上に
有機SOG膜を形成した後、全面をエッチバックするこ
とにより、配線パターン間の部分にのみSOG膜を残
し、配線パターン上には残らないようにする、すなわち
上述のサンドイッチ構造を形成する)で用いられてい
る。
【0005】無機あるいは有機SOG材料を使用するこ
とにつきまとうこれらの問題を解決するために、ポリシ
ラザンを熱処理し、シリコンオキシナイトライド膜とし
て使用する方法(特開昭62−88327号公報)、ま
た、ポリシラザンを水蒸気雰囲気下で熱処理してシリコ
ン酸化膜に変えて使用する方法が提案されている。とは
言うものの、シリコンオキシナイトライド膜は、再加熱
によりアミン系ガスを放出して、配線材料を腐食すると
いう問題がある。一方、ポリシラザンを水蒸気雰囲気で
熱処理する方法では、配線材料に用いられるアルミニウ
ムが水蒸気、あるいはポリシラザンから発生するアミン
系ガスにより、やはり腐食するという問題がある。その
ため、ポリシラザンを絶縁膜形成用材料として使用する
場合には、ECRプラズマCVD装置などの高価な装置
を使用して形成した耐水性の高い保護膜を用いなければ
ならない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、これ
らの問題を解消することにあり、半導体装置及び回路基
板の製造工程で用いられる酸素プラズマ処理により酸化
を受けることのない無機膜を形成可能で、且つ従来の有
機SOG膜と同等以上の比較的厚膜で使用可能な絶縁膜
形成用材料を提供することにある。また、CVD膜等と
併用した場合でも、配線導体の充分なカバレッジを得る
ために用いるスルーホールへのテーパー形成を可能にす
るため、フッ素プラズマに対してCVD膜と同等のエッ
チングレートを有するシリカ系被膜を与える絶縁膜形成
用材料を提供することも、本発明の目的である。この新
しい材料を利用して平坦な絶縁膜を形成する方法を提供
することもまた、本発明の目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の絶縁膜形成用材
料は、ケイ素原子1個に対しハイドロジェン基を1又は
2個有するクロロシラン化合物とりん酸との反応によ
り、末端にクロロ基を持つシラン−りん酸化合物を生成
し、この化合物の末端クロロ基をアルコキシ化し、次い
でこのアルコキシ化した化合物を加水分解−縮重合させ
ることにより得られたりん変性ハイドロジェンシロキサ
ンポリマーである。
【0008】また、本発明の絶縁膜形成方法は、被処理
基板上に本発明の絶縁膜形成用材料を塗布して塗膜を形
成し、続いてこの塗膜を熱処理してりん変性シリカ系被
膜を形成するものである。なお、ここで言う「基板」に
は、半導体装置や回路基板等の製造において使用され
る、表面に段差又は凹凸構造を有し、後の工程のために
その表面を平坦化することが求められるあらゆる基板が
包含されるのはもちろんであるが、このほかにも、表面
が平らな基板も含まれるものである。
【0009】本発明の絶縁膜形成用材料においては、り
ん原子は3官能であるため、この材料から熱処理により
絶縁膜を形成した際の架橋密度低下により低ストレス化
に寄与する。また、絶縁膜形成のための熱処理時におけ
るハイドロジェン基の酸化は直接酸化であるため、すな
わちSi−OH原子団どうしの反応で架橋する際にはH
2 Oが脱離してSi−O−Si結合を形成するのに対
し、本発明の絶縁膜形成用材料が架橋する際にはSi−
H原子団どうしの反応で直接Si−O−Si結合を形成
し、H2 Oが脱離しないのでその分の重量減少がないた
め、これもやはり架橋時のストレス低下に寄与する。更
に、本発明の絶縁膜形成用材料により得られた絶縁膜
は、比較的厚膜で使用可能な無機膜であるため、酸素プ
ラズマにより酸化を受けず、また、段差の凹凸を平坦化
することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係わる絶縁膜形成用材料
は、ケイ素原子1個に対しハイドロジェン基を1又は2
個有するクロロシラン化合物とりん酸とを反応させて末
端にクロロ基を持つシラン−りん酸化合物を生成した
後、末端クロロ基をアルコキシ化し、そしてこのアルコ
キシ化した化合物を加水分解−縮重合させることにより
生成されたりん変性ハイドロジェンシロキサンポリマー
である。
【0011】クロロシラン化合物としては、ケイ素原子
1個に対しハイドロジェン基を1個有するトリクロロシ
ラン、ケイ素原子1個に対しハイドロジェン基を2個有
するジクロロシランを使用することができる。この反応
は、一般に30〜80℃の温度で行うことができる。ま
た、この反応により得られる生成物は、例えば下記の式
で例示されるような、末端にクロロ基を持つシラン−り
ん酸化合物である。
【0012】
【化1】
【0013】次に、こうして生成した化合物の末端クロ
ロ基を、適当なアルコールを使用してアルコキシ化す
る。使用可能なアルコールとしては、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノールなどを挙げることが
できる。このときの反応は、30〜100℃で行うのが
好ましい。例えば、上記の式で表されるシラン−りん酸
化合物をアルコキシ化したものは、次式で表される。
【0014】
【化2】
【0015】このアルキキシ化の際には、触媒を使用し
ても差し支えない。適当な触媒としては、例えば、ピリ
ジン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
【0016】アルコキシ化した化合物の加水分解−縮重
合は、好ましくは、反応触媒として硝酸、塩酸、硫酸、
トルエンスルホン酸などの酸触媒を使用して、30〜8
0℃の温度で行う。この反応により生成されるポリマー
は、一般式で表すのが難しいが、例えば下記の式(1)
で示されるようなシロキサン単位と、式(2)で示され
るようなりん酸由来の単位とを含み、末端にアルコキシ
基を有する。
【0017】
【化3】
【0018】このように、本発明の絶縁膜形成用材料の
ポリマーは、アルコキシ化したシラン−りん酸化合物に
おいてクロロ基が結合していた部分で架橋した構造を持
つものであり、且つ、ケイ素に結合したハイドロジェン
基(H)を有するとともに、Si−O−P結合で結合し
たりんを含むものである。このりん変性ハイドロジェン
シロキサンポリマーの分子量は、2,000〜100,
000であるのが好ましい。分子量が2,000未満で
は、本発明の絶縁膜形成用材料を被処理基板に塗布して
加熱する際に蒸発してしまい、形成した絶縁膜の収縮を
引き起こす可能性がある。また、分子量が100,00
0を超えると、基板への塗布時の粘度が高くなり、平坦
化した絶縁膜を形成するのが困難になる。
【0019】本発明の絶縁膜形成用材料を得るのには、
反応溶媒を使用してもよい。反応溶媒としては、ポリマ
ーに対する溶解性が高ければ特に限定されず、例えば、
アセトン、メトルイソブチルケトン,メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールメチルエ
ーテルなどが挙げられる。反応溶媒を使用して得られた
本発明の絶縁膜形成用材料は、その溶媒溶液の形態で使
用することができる。
【0020】ケイ素に結合したハイドロジェン基(H)
を有する本発明のポリマーは、保存中における反応性が
低く、ゲル化することがないため、保存安定性に非常に
優れた材料であるといる。例えば、4官能モノマーだけ
を使って得られたポリマーでは、保存中にゲル化するこ
とがあるが、本発明においてはそのような問題が回避さ
れる。
【0021】本発明においては、被処理基板上に本発明
の絶縁膜形成用材料を塗布して塗膜を形成し、続いてこ
の塗膜を熱処理してりん変性シリカ系被膜を形成するこ
とができる。
【0022】基板へ塗布するのには、絶縁膜形成用材料
の適当な濃度の溶液を使用することができ、またスピン
コート法のような適当な方法を使用することができる。
本発明によれば、ゾル−ゲル法の手法を利用して、絶縁
膜形成用材料の溶液を基板へ塗布後に、溶媒を除去し
て、容易に塗膜を形成することが可能である。形成した
塗膜は、次の(1)と(2)のいずれかのやり方で熱処
理することができる。(1)酸素を20%以上含む雰囲
気下で300℃以上の温度に加熱する。(2)水蒸気雰
囲気下で250℃以上の温度に加熱する。
【0023】上述ように、本発明による絶縁膜形成用材
料は、3官能のりんで変性したハイドロジェンシロキサ
ンポリマーであって、その分子末端にアルコキシ基を持
っている。すなわち、このポリマーは、Si−OH結合
を有する通常のシロキサン材料と違って、分子中にSi
−H結合を持つ。そのため、基板上に塗布した、Si−
OH結合を有するシロキサン材料が架橋時にH2 Oを脱
離して収縮を被るのに対して、本発明のSi−H結合を
持つシロキサン材料は酸素雰囲気下での架橋時に直接の
酸化によりSi−O−Si結合を形成するため、重量減
少を生じず、従って収縮を被らず、形成した絶縁膜の低
ストレス化を実現でき、すなわち膜にクラックが発生す
るのを抑制することができる。
【0024】また、本発明のポリマーのアルコキシ化さ
れた末端は、架橋時に架橋結合を形成しないため、形成
した絶縁膜における架橋密度の低下に寄与し、これによ
りやはり絶縁膜の低ストレス化をもたらす。更に、本発
明のポリマー中には3官能のりんが含まれるため、形成
した絶縁膜において架橋密度を低下させることができ、
これによっても、形成した絶縁膜の低ストレス化を図る
ことができる。
【0025】このように、本発明により形成した絶縁膜
は、りん変性されたシリカ系の無機膜であるが、従来の
4官能シロキサン単位からなる無機SOG膜とは違って
架橋密度が抑制されて低ストレス化(耐クラック性の向
上)が図られているため、下地段差を平坦化する目的に
とって有効な0.5μm以上の比較的厚膜で使用可能で
ある。
【0026】また、本発明により形成された無機絶縁膜
は、従来の4官能シロキサン単位と3官能シロキサン単
位からなる有機SOG材料から形成した膜と違ってレジ
スト剥離等で用いられる酸素プラズマによる酸化を受け
ないため、エッチバック等の複雑なプロセスを用いるこ
となく使用することが可能である。
【0027】更に、本発明による絶縁膜は、従来から用
いられているCVD−SiO2 膜、CVD−PSG膜と
組み合わせて絶縁膜を形成した場合においても、エッチ
ングレートがこれらの膜と同等であり、上下層の導通を
図るためのスルーホール形成においてテーパー形状を形
成可能なため、スルーホール部の配線材料の優れたカバ
レッジが得られる。
【0028】このように、本発明による絶縁膜形成用材
料を用いることにより、下地段差の平坦化が可能な絶縁
膜が得られ、信頼性の高い半導体装置及び回路基板を得
ることができる。従って、本発明は、上述の本発明の方
法で形成した絶縁膜を含むことを特徴とする半導体装置
及び回路基板を提供する。
【0029】クロロシランから作られたポリマーを絶縁
膜として使用することは、例えば特開昭62−2901
51号公報に記載されている。ところが、この場合に
は、クロロシランの反応により作られたポリマーの末端
にはクロロ基がそのまま残留していて、このポリマーを
半導体装置等の絶縁膜の形成に使用すると、塩素による
配線材料の腐食が発生しかねない。それに対して、本発
明のポリマーの場合には、クロロシランとりん酸との反
応後に反応生成物のクロロ基をアルコキシ基で置換して
いるため、このような問題に悩まされることがなくな
る。
【0030】3官能の無機物としてのりん酸を使って、
シロキサンポリマー分子中に3官能のりんを取り入れる
ことで、架橋密度を低下させた絶縁膜を形成し、その膜
の低ストレス化を図る(クラックの発生を抑制する)こ
とは、例えば特開平1−204431号公報、特開平2
−35729号公報に記載されている。しかし、前者に
記載のポリマーは、りん変性された上に、シロキサン主
鎖中にホウ素と炭素をも含む、ポリ(オルガノカルボシ
ロキサン)である点で、明らかに本発明のポリマーとは
異なるものである。また、後者に記載のりん変性したシ
ロキサンポリマーは、ケイ素に有機基が結合しているオ
ルガノシロキサンであって、これはシロキサンのケイ素
に水素が結合している本発明のりん変性ハイドロジェン
シロキサンと明らかに異なるものである。
【0031】
【実施例】次に、以下の実施例により本発明を更に説明
する。言うまでもなく、本発明はこれらの例によりいさ
さかでも限定されるものではない。
【0032】〔実施例1〕トリクロロシラン26g
(0.2モル)とメチルイソブチルケトン(MIBK)
100gを300mlのフラスコに仕込み、窒素をバブ
リングしながらピリジン47.4g(0.6モル)を滴
下した。常温において30分放置後、りん酸6.9g
(0.07モル)を1時間で滴下してから、フラスコ内
容物を3時間攪拌した。続いて、メタノール12.4g
(0.4モル)を1時間で滴下してから、70℃におい
て2時間攪拌した。この反応により副生成として生成し
たピリジン塩酸塩をろ過し、末端にメトキシ基を持つシ
ロキサン−りん酸化合物(以下「末端メトキシシロキサ
ンりん酸化合物」とする)(MIBK中20%含有)を
得た。
【0033】次に、得られた末端メトキシシロキサンり
ん酸化合物125g(MIBK中23%含有)を300
mlのフラスコに仕込み、200ppmの硝酸を含有し
ている水7.6g(H2 Oとして0.42モル)を20
℃において滴下した。この反応液を20℃に保持したま
ま4時間反応させて、本発明のりん変性ハイドロジェン
シロキサンポリマーを合成した。このりん変性ハイドロ
ジェンシロキサンポリマーの分子量をゲル浸透クロマト
グラフィー(GPC)により測定したところ、重量平均
分子量(Mw)=8600(ポリスチレン換算)であっ
た。
【0034】〔実施例2〕トリクロロシラン26g
(0.2モル)とメチルイソブチルケトン(MIBK)
100gを300mlのフラスコに仕込み、窒素をバブ
リングしながらピリジン47.4g(0.6モル)を滴
下した。常温において30分放置後、りん酸6.9g
(0.07モル)を1時間で滴下した後、3時間攪拌し
た。続いて、エタノール18.4g(0.4mol )を1
時間で滴下してから、70℃において2時間攪拌した。
この反応により副生成として生成したピリジン塩酸塩を
ろ過し、末端メトキシシロキサンりん酸化合物(MIB
K中23%含有)を得た。
【0035】次に、得られた末端メトキシシランりん酸
化合物130g(MIBK中23%含有)を300ml
のフラスコに仕込み、200ppmの硝酸を含有してい
る水7.6g(H2 Oとして0.42モル)を20℃に
おいて滴下した。この反応液を20℃に保持したまま4
時間反応させて、りん変性ハイドロジェンシロキサンポ
リマーを合成した。このポリマーの分子量をGPCで測
定したところ、Mw=5400(ポリスチレン換算)で
あった。
【0036】〔実施例3〕直径4インチ(約10c
m)、厚さ540μmのシリコン平板上に、実施例1に
より得られたりん変性ハイドロジェンシロキサンポリマ
ー溶液を塗布し、250℃で3分の熱処理を行って溶剤
を蒸発させ、いろいろな厚さの塗布膜を形成した。次
に、これらの塗布膜を酸素雰囲気下において450℃、
30分の条件で熱処理した。熱処理後の各膜について耐
クラック性を評価したところ、厚さ1.6μmの膜まで
クラックは発生しなかった。
【0037】次に、アルミニウム配線(配線厚1μm、
1μmラインアンドスペース)を施したシリコン基板上
に、実施例1により得られたりん変性ハイドロジェンシ
ロキサンポリマー溶液をスピンコート法により3000
rpm、30秒の条件(シリコン平板上で0.5μm厚
に塗布可能な条件)で塗布し、250℃で3分の熱処理
を行った。続いて、こうして形成した塗布膜を酸素雰囲
気下において450℃、30分の条件で熱処理した。こ
れによって、配線上とスペース部の段差は0.1μm以
下まで平坦化された。
【0038】〔実施例4〕直径4インチ、厚さ540μ
mのシリコン平板上に実施例2で得られたりん変性ハイ
ドロジェンシロキサンポリマー溶液を塗布し、250℃
で3分の熱処理を行っていろいろな厚さの塗布膜を形成
した。次に、これらの膜を酸素雰囲気下において450
℃、30分の条件で熱処理した。熱処理した各膜につい
て耐クラック性を評価したところ、厚さ1.4μmの膜
までクラックは発生しなかった。
【0039】次に、Al配線(配線厚1μm、1μmラ
インアンドスペース)を施したシリコン基板上に、実施
例2により得られたりん変性ハイドロジェンシロキサン
ポリマーをスピンコート法により3000rpm、30
秒の条件(シリコン平板上で0.5μm厚に塗布可能な
条件)で塗布し、250℃で3分の熱処理を行った。続
いて、このように形成した膜を酸素雰囲気下において4
50℃、30分の条件で熱処理した。この時の配線上と
スペース部の段差は0.1μm以下まで平坦化された。
【0040】〔比較例〕直径4インチ、厚さ540μm
のシリコン平板上に、テトラエトキシシランから合成し
た市販のシリカ系被膜形成用材料を使ってシリカ系絶縁
膜を形成したときの耐クラック性を評価したところ、熱
処理によるクラックを生じずに形成することができた最
高の膜厚は0.4μmであった。
【0041】次に、Al配線(配線厚1μm,1μmラ
インアンドスペース)を施したシリコン基板上に、上記
の市販シリカ系被膜形成用材料をスピンコート法により
3000rpm、30秒の条件(シリコン平板上で0.
5μm厚に塗布可能な条件)で塗布し、250℃で3分
の熱処理を行った。続いて、酸素雰囲気下において45
0℃、30分の条件で熱処理した。こうして形成した膜
には、配線よりクラックが生じた。また、配線上とスペ
ース部の段差は0.7μmであって、十分に平坦化され
ていなかった。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の絶縁膜形
成用材料は、熱処理によりクラックを生じにくい無機絶
縁膜を与える材料であることから、下地段差の平坦化に
対して有効な0.5μm以上の厚膜を容易に形成可能で
ある。また、本発明の絶縁膜形成用材料は、CVD−S
iO2 膜等と併用した場合でも、配線導体の充分なカバ
レッジを得るために用いるスルーホールへのテーパー形
成を可能にするため用いられるフッ素プラズマに対して
CVD膜等と同等のエッチングレートを有するシリカ系
被膜を与える。これらのことから、本発明によれば、信
頼性の高い半導体装置及び回路基板を提供することがで
きる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケイ素原子1個に対しハイドロジェン基
    を1又は2個有するクロロシラン化合物とりん酸との反
    応により、末端にクロロ基を持つシラン−りん酸化合物
    を生成し、この化合物の末端クロロ基をアルコキシ化
    し、次いでこのアルコキシ化した化合物を加水分解−縮
    重合させることにより得られたりん変性ハイドロジェン
    シロキサンポリマーであることを特徴とする絶縁膜形成
    用材料。
  2. 【請求項2】 被処理基板上に請求項1記載の絶縁膜形
    成用材料を塗布して塗膜を形成し、続いてこの塗膜を熱
    処理してりん変性シリカ系被膜を形成することを特徴と
    する絶縁膜形成方法。
  3. 【請求項3】 前記絶縁膜形成用材料を溶媒溶液として
    スピンコート法により被処理基板上へ塗布する、請求項
    2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記熱処理を、酸素を20%以上含む雰
    囲気下で300℃以上の温度に加熱することにより行
    う、請求項2又は3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記熱処理を、水蒸気雰囲気下で250
    ℃以上の温度に加熱することにより行う、請求項2又は
    3記載の方法。
  6. 【請求項6】 請求項2から5までのいずれか一つに記
    載の方法で形成した絶縁膜を含むことを特徴とする半導
    体装置。
  7. 【請求項7】 請求項2から5までのいずれか一つに記
    載の方法で形成した絶縁膜を含むことを特徴とする回路
    基板。
JP23168995A 1995-09-08 1995-09-08 絶縁膜形成用材料及びこれを用いた絶縁膜形成方法 Withdrawn JPH0982698A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23168995A JPH0982698A (ja) 1995-09-08 1995-09-08 絶縁膜形成用材料及びこれを用いた絶縁膜形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23168995A JPH0982698A (ja) 1995-09-08 1995-09-08 絶縁膜形成用材料及びこれを用いた絶縁膜形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0982698A true JPH0982698A (ja) 1997-03-28

Family

ID=16927461

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23168995A Withdrawn JPH0982698A (ja) 1995-09-08 1995-09-08 絶縁膜形成用材料及びこれを用いた絶縁膜形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0982698A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1564269A1 (en) Composition for porous film formation, porous film, process for producing the same, interlayer insulation film and semiconductor device
JPWO2003066750A1 (ja) 絶縁薄膜製造用塗布組成物
JP2008511711A (ja) 新規ポリオルガノシロキサン誘電体
JPWO2008029834A1 (ja) シリカ質膜形成用組成物およびそれを用いたシリカ質膜の製造法
WO2003059990A1 (en) Thin films and methods for the preparation thereof
JP2014508709A (ja) ポリシランシロキサンコポリマー、及び二酸化ケイ素に変換する方法
WO2001048806A1 (fr) Procede de production d'un film a faible constante dielectrique et substrat semi-conducteur pourvu de ce film a faible constante dielectrique
JP2001098218A (ja) シリカ系被膜、シリカ系被膜の形成方法及びシリカ系被膜を有する電子部品
JPH0832855B2 (ja) セラミック塗料及びその塗膜形成方法
JP3015104B2 (ja) 半導体装置およびその製造方法
US7744946B2 (en) Organic siloxane resins and insulating film using the same
JP2001287910A (ja) 多孔質ケイ素酸化物塗膜の製造方法
JP2000340651A (ja) 低誘電率膜の製造法
JP3229419B2 (ja) 酸化ケイ素膜の形成方法
JPH07242747A (ja) 有機珪素重合体及び半導体装置
JPH0982698A (ja) 絶縁膜形成用材料及びこれを用いた絶縁膜形成方法
JP4642949B2 (ja) シリカ系被膜形成用塗布液、その製造法、シリカ系被膜及び半導体装置
JP2005314711A (ja) 多孔質膜、物品及び複合材
JP2004285266A (ja) 多孔質絶縁膜用組成物、その製造方法、多孔質絶縁膜およびその製造方法
JPH0570119A (ja) 半導体装置の製造方法
JP3227359B2 (ja) 半導体装置
JP2000021872A (ja) 低誘電率樹脂組成物、低誘電率絶縁膜形成方法および半導体装置の製造方法
JP4324786B2 (ja) 積層体およびその製造方法ならびに絶縁膜および半導体装置
JP2000049154A (ja) シリカ系被膜の製造法及び半導体装置の製造法
JPH04359056A (ja) 樹脂組成物と層間絶縁膜の形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20021203