JP2004285266A - 多孔質絶縁膜用組成物、その製造方法、多孔質絶縁膜およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体素子などにおける層間絶縁膜として使用しうる、適当な均一な厚さを有するシリコン系膜が形成可能であり、しかも耐熱性に優れ、クラックが生じ難く、更に誘電率特性、リフロー性に優れた膜形成用組成物、特に多孔質絶縁膜用組成物及びその製造方法等を提供すること。
【解決手段】一般式(1)で示されるケイ素化合物の加水分解物および/または縮合物を含有することを特徴とする多孔質絶縁膜用組成物、および、一般式(1)で示されるケイ素化合物を加水分解および/または縮合する工程を含むことを特徴とする多孔質絶縁膜用組成物の製造方法。
【化1】
(式中、R1およびR2は独立に水素または1価の有機基を示し、nは3〜10の整数を示す。)
【選択図】 なし
【解決手段】一般式(1)で示されるケイ素化合物の加水分解物および/または縮合物を含有することを特徴とする多孔質絶縁膜用組成物、および、一般式(1)で示されるケイ素化合物を加水分解および/または縮合する工程を含むことを特徴とする多孔質絶縁膜用組成物の製造方法。
【化1】
(式中、R1およびR2は独立に水素または1価の有機基を示し、nは3〜10の整数を示す。)
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁膜形成用材料に関し、さらに詳しくは、半導体素子などにおける層間絶縁膜材料として使用するのに適した、適当な均一な厚さを有する塗膜を形成可能であり、しかもクラックが生じ難く、誘電率特性などに優れた絶縁膜形成用材料、特に多孔質絶縁膜を得るに適した絶縁膜形成用組成物に関する。又、本発明は、この組成物を使用して得られる多孔質絶縁膜、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子などにおける層間絶縁膜として、気相成長(CVD)法などの真空プロセスで形成されたシリカ(SiO2)膜が多用されている。そして、近年、より均一な層間絶縁膜を形成することを目的として、SOG(Spin on Glass)膜と呼ばれるテトラアルコキシランの加水分解生成物を主成分とする塗布型の絶縁膜も使用されるようになっている。また、半導体素子などの高集積化に伴い、有機SOGと呼ばれるポリオルガノシロキサンを主成分とする低誘電率の層間絶縁膜が開発されている。
【0003】
しかし、無機材料の膜の中で最も低い誘電率を示すCVD−SiO2膜でも、その誘電率は約4である。また、低誘電率CVD膜として最近検討されているSiOF膜の誘電率は約3.3〜3.5であるが、この膜は吸湿性が高く、使用しているうちに誘電率が上昇するという問題がある。
【0004】
一方、2.5〜3.0と低い値の誘電率を示す有機高分子膜では、ガラス転移温度が200〜350℃と低く、熱膨張率も大きいことから、配線へのダメージが問題となっている。また、有機SOG膜では、多層配線パターン形成時においてレジスト剥離などに用いられている酸素プラズマアッシングにより酸化を受け、クラックを生じるという欠点がある。また、有機SOGを含む有機系樹脂は、配線材料であるアルミニウムおよびアルミニウムを主体とした合金や、銅および銅を主体とした合金に対する密着性が低いため、配線脇にボイド(配線と絶縁材料との間にできる空隙)を生じ、そこへ水分が侵入して配線腐食を招く可能性があり、更にこの配線脇ボイドは多層配線を形成するためのビアホール開口時に位置ずれが生じた際に配線層間でのショートを招き、信頼性を低下させる問題がある。
【0005】
かかる状況下、絶縁性、耐熱性、耐久性に優れた絶縁膜材料として、オルガノポリシロキサンを含有する絶縁膜形成用塗布型組成物が知られている(特許文献1および特許文献2参照)。また、オルガノポリシロキサンを多孔質にして誘電率を下げる方法が知られている。(特許文献3参照)。
【0006】
しかしながら、半導体素子などのさらなる高集積化や多層化に伴い、より優れた導体間の電気絶縁性が要求されており、より低誘電率でかつクラック耐性、耐熱性に優れる層間絶縁膜材料が求められるようになっている。
上記のような公知のポリシロキサンを含有する絶縁膜形成材料では、依然、耐熱性、耐クラック性、誘電率特性が不十分であった。また、上記で示した環状のシロキサン化合物を含むケイ素化合物の加水分解または縮合では、シリカ化合物が高次構造をとる結果、リフロー後容易に平坦化しないという問題点があった。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−354905号公報
【特許文献2】
特開2001−164113号公報
【特許文献3】
特開2002−285086号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明は、上記問題点を解決するための膜形成用組成物、これを用いて形成されたシリコン系膜に関し、さらに詳しくは、半導体素子などにおける層間絶縁膜として使用しうる、適当な均一な厚さを有するシリコン系膜が形成可能であり、しかも耐熱性に優れ、クラックが生じ難く、更に誘電率特性、リフロー性に優れた膜形成用組成物、特に多孔質絶縁膜用組成物、その製造方法、この組成物を用いた多孔質絶縁膜、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、本発明の上記目的が、下記の膜組成物を用いることにより達成されることを見出した。好ましい実施態様と共に列挙する。
<1>一般式(1)で示されるケイ素化合物の加水分解物および/または縮合物を含有することを特徴とする多孔質絶縁膜用組成物。
【化5】
(式中、R1およびR2は独立に水素または1価の有機基を示し、nは3〜10の整数を示す。)
<2>一般式(1)で示される化合物
【化6】
(式中、R1およびR2は独立に水素または1価の有機基を示し、nは3〜10の整数を示す。)並びに下記一般式(2)で表される化合物および下記一般式(3)で表される化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物を含むケイ素化合物の加水分解物および/または縮合物を含有することを特徴とする多孔質絶縁膜用組成物。
Si(OR3)4 ・・・・・(2)
(式中、R3は1価の有機基を示す。)
RaSi(OR4)4−a ・・・・・(3)
(式中、Rは水素原子、フッ素原子または1価の有機基を示し、R4は1価の有機基を示し、aは1または2の整数を示す。)
【0010】
<3>一般式(1)で示されるケイ素化合物を加水分解および/または縮合する工程を含むことを特徴とする多孔質絶縁膜用組成物の製造方法。
【化7】
(式中、R1およびR2は独立に水素または1価の有機基を示し、nは3〜10の整数を示す。)
<4>一般式(1)で示される化合物
【化8】
(式中、R1およびR2は独立に水素または1価の有機基を示し、nは3〜10の整数を示す。)並びに下記一般式(2)で表される化合物および下記一般式(3)で表される化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物を含むケイ素化合物を加水分解および/または縮合する工程を含むことを特徴とする多孔質絶縁膜用組成物の製造方法。
Si(OR3)4 ・・・・・(2)
(式中、R3は1価の有機基を示す。)
RaSi(OR4)4−a ・・・・・(3)
(式中、Rは水素原子、フッ素原子または1価の有機基を示し、R4は1価の有機基を示し、aは1または2の整数を示す。)
<5>加水分解および/または縮合の反応を(B)窒素オニウム塩化合物の存在下で行う<3>または<4>記載の多孔質絶縁膜用組成物の製造方法。
【0011】
<6>(B)窒素オニウム塩化合物として(B−1)窒素含有カチオン性基および(B−2)アニオン性基からなる化合物の存在下で加水分解および/または縮合する<5>に記載の多孔質絶縁膜用組成物の製造方法。
<7>(B)窒素オニウム塩化合物が、下記一般式(4)で表される化合物および(5)で表される化合物よりなる群から選ばれた<5>または<6>記載の多孔質絶縁膜用組成物の製造方法。
【化9】
R10(R11)h ・・・・・・・・・・・(5)
(式中、R5〜R8は同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜16のアリールアルキル基を示し、R9はe価のアニオン性基を示し、eは1〜4の整数を示し、R10は窒素原子を含有するg価の環状カチオン性基を示し、R11はハロゲン原子を含むf価のアニオン性基を示し、hはR10基中のカチオン電荷を中和するために必要なR11の個数を示し、fは1〜4の整数を示し、gは1〜fの整数を示し、g=f*hである。)
<8>(B)窒素オニウム塩化合物使用量が、(A)のケイ素化合物の加水分解後のSi−OH基の総量1モルに対して0.00001〜1モルである、<5>ないし<7>いずれか1つに記載の多孔質絶縁膜用組成物の製造方法。
<9>加水分解時の(A)ケイ素化合物成分の濃度が0.5〜10重量%(完全加水分解縮合物換算)である<8>記載の多孔質絶縁膜用組成物の製造方法。
【0012】
<10>水および沸点100℃以下のアルコール存在下において製造する<3>ないし<9>いずれか1つに記載の多孔質絶縁膜用組成物の製造方法。
<11>水の使用量が、(A)ケイ素化合物成分1モルに対して0.5〜150モルである条件下に製造される<10>記載の多孔質絶縁膜用組成物の製造方法。
<12><3>ないし<11>いずれか1つの製造方法により製造された多孔質絶縁膜用組成物。
<13><1>記載の多孔質絶縁膜用組成物を用いて形成されたことを特徴とする多孔質絶縁膜。
<14><2>記載の多孔質絶縁膜用組成物を用いて形成されたことを特徴とする多孔質絶縁膜。
<15><1>または<2>記載の膜形成組成物に相溶するかまたはこの中に分散しうる、沸点または分解温度が250〜450℃である化合物を含有せしめた多孔質絶縁膜用組成物を基板上に塗布し乾燥する工程、および、その後、前記化合物の沸点または分解温度以上の温度で加熱分解することにより多孔質絶縁膜を形成する工程を含む、多孔質絶縁膜の製造方法。
<16><15>記載の化合物が、ポリアルキレンオキシド構造を有する化合物またはアクリル系重合体である多孔質絶縁膜の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の絶縁膜形成用材料は、上記の通り、一般式(1)で示される環状シラン化合物を用いることにより、縮合の際、開環して縮合反応が進行するため、線状のポリシロキサンユニットが増すために、リフロー時の平坦性が増すという点で優れていることが判った。その上、優れた耐熱性が達成できることが見出された。
【0014】
本発明において、「絶縁膜」とは、ULSIの高集積化に伴う多層配線に起因する配線遅延を防止するために配線間に埋め込まれる膜を言い、具体的には、誘電率が2.5以下、好ましくは2.1以下である膜を言う。
【0015】
本発明のポリオルガノシロキサンをベースポリマーとして含有する組成物を、浸漬またはスピンコート法などにより、シリコンウエハなどの基材に塗布すると、例えば、微細パターン間の溝を充分に埋めることができ、加熱により、有機溶剤の除去と架橋反応を行なうと、ガラス質または巨大高分子、またはその混合物を膜形成することができる。得られる膜は、耐熱性が良好で、低誘電率性、リフロー性に優れ、クラックの発生がない、厚膜の絶縁体を形成することができる。
【0016】
以下、本発明に用いられる化合物について詳述する。
以後、本発明で使用する各種のケイ素化合物を総称して「(A)成分」とも言い、各種の窒素オニウム塩化合物を総称して「(B)成分」とも言う。
【0017】
本発明において、(A)成分の加水分解縮合物とは、(A)成分を構成する化合物が加水分解の後に発生したシラノール基の縮合生成物をいう。ただし、縮合生成物において、前記のシラノール基がすべて縮合している必要はなく、一部が縮合したもの、縮合の程度が異なっているものの混合物などを包含した概念である。
【0018】
一般式(1)で示される化合物について説明する。一般式(1)で表される化合物を「化合物(1)」ともいう。
【化10】
(式中、R1およびR2は独立に水素または1価の有機基を示し、nは3〜10の整数を示す。)
【0019】
上記一般式(1)において、R1およびR2は独立に水素または1価の有機基を示し、1価の有機基としては、アルキル基、アリール基、またはアルキレン基などを挙げることができる。ここで、アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜5の低級アルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、これらのアルキル基は鎖状でも、分岐していてもよく、さらに水素原子がフッ素原子などにより置換されていてもよい。アリール基としては、好ましくは炭素数6〜12であり、フェニル基、ナフチル基、フルオロフェニル基などを挙げることができ、水素原子がフッ素原子などにより置換されていてもよい。アルキレン基としては、炭素数が2ないし5のアルキレン基が挙げられ、ビニル基およびアリル基が例示できる。
R1およびR2は特に低級アルキル基、フェニル基またはビニル基であることが好ましい。
【0020】
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、1,3,5−トリビニル−1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、トリフェニルトリメチルシクロトリシロキサン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラビニルー1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、テトラエチルシコロテトラシロキサン、フェニルヒドロキクロトリシロキサン、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサン、ペンタメチルペンタメチルシクロペンタシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルヒドロシクロシロキサン、ヘキサフェニルシコロシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘキサエチルシクロトリシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、デカメチルシクロペンンタシロキサンなどが挙げられ、その中でも特に好ましくは1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンである。これらは、1種を単独で使用しても2種以上を同時に使用してもよい。
【0021】
一般式(2)で示される化合物について説明する。なお、一般式(2)で示される化合物を「化合物(2)」ともいう。
Si(OR3)4 ・・・・・(2)
(式中、R3は1価の有機基を示す。)
上記一般式(2)において、R3で表される1価の有機基としては、先の一般式(1)と同義の有機基を挙げることができる。R3としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、(これらのアルキル基は鎖状でも、分岐していてもよく、さらに水素原子がフッ素原子などにより置換されていてもよい。)およびフェニル基が好ましい。
一般式(2)で表される化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラフェノキシシランなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもあるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0022】
一般式(3)で表される化合物について説明する。なお、一般式(3)で表される化合物を「化合物(3)」とも言う。
RaSi(OR4)4−a ・・・・・(3)
(式中、Rは水素原子、フッ素原子または1価の有機基を示し、R4は1価の有機基を示し、aは1または2の整数を示す。)
【0023】
上記一般式(3)において、RおよびR4で示される1価の有機基としては、アルキル基、アリール基、アリル基、グリシジル基などを挙げることができる。ここで、アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜5の低級アルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、これらのアルキル基は鎖状でも、分岐していてもよく、さらに水素原子がフッ素原子などに置換されていてもよい。アリール基としては、好ましくは炭素数6〜12であり、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基などを挙げることができ、水素原子がフッ素原子などにより置換されていてもよい。
Rは低級アルキル基またはフェニル基であることが好ましい。
【0024】
一般式(3)で表される化合物の具体例としては、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類;トリフェノキシシラン等のトリアリールシラン類;フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン等のフッ素原子に置換されたトリアルコキシシラン類;フルオロトリフェノキシシランなど、
【0025】
メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等のアルキルトリメトキシシラン類;メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等のアルキルトリエトキシシラン類;メチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン等のアルキルトリ−n−プロポキシシラン類;メチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン等のアルキルトリ−iso−プロポキシシラン類;メチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン等のアルキルトリ−n−ブトキシシラン類;メチルトリ−sec−ブトキシシラン、エチルトリ−sec−ブトキシシラン等のアルキルトリ−sec−ブトキシシラン類;メチルトリ−tert−ブトキシシラン、エチルトリ−tert−ブトキシシラン等のアルキルトリ−tert−ブトキシシラン類;メチルトリフェノキシシラン、エチルトリフェノキシシラン等のアルキルトリフェノキシシラン類;フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−iso−プロポキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリ−sec−ブトキシシラン、フェニルトリ−tert−ブトキシシラン、フェニルトリフェノキシシラン、ニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−トリフロロプロピルトリエトキシシランなど;
【0026】
ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン等のジアルキルジメトキシシラン類;ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン等のジアルキルジエトキシシラン類;ジメチルジ−n−プロポキシシラン、ジエチルジ−n−プロポキシシラン等のジアルキルジ−n−プロポキシシラン類;ジメチルジ−iso−プロポキシシラン、ジエチルジ−iso−プロポキシシラン等のジアルキルジ−iso−プロポキシシラン類;ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジ−n−ブトキシシラン等のジアルキルジ−n−ブトキシシラン類;ジメチルジ−sec−ブトキシシラン、ジエチルジ−sec−ブトキシシラン等のジアルキルジ−sec−ブトキシシラン類;ジメチルジ−tert−ブトキシシラン、ジエチルジ−tert−ブトキシシラン等のジアルキルジ−tert−ブトキシシラン類;ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン等のジアルキルジフェノキシシラン類;ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニル−ジ−エトキシシラン、ジフェニル−ジ−n−プロポキシシラン、ジフェニル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジフェニル−ジ−n−ブトキシシラン、ジフェニル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン、ジビニルトリメトキシシランなど;を挙げることができる。
【0027】
化合物(3)として好ましい化合物は、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどである。これらは、1種を単独で使用してもあるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0028】
本発明において、(A)成分を構成する化合物(1)〜(3)の組み合わせとしては、上記化合物(1)および(2);(1)および(3);(1)、(2)および(3)を挙げることができる。なお、(A)成分中、各成分を完全加水分解縮合物に換算したときに、化合物(2)は、化合物(1)〜(3)の総量中、5〜75重量%、好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは15〜70重量%である。また、化合物(1)および/または(3)は、化合物(1)〜(3)の総量中、95〜25重量%、好ましくは90〜30重量%、さらに好ましくは85〜30重量%である。化合物(1)が、化合物(1)〜(3)の総量中、5〜75重量%であると、得られる塗膜のリフロー性に優れ、かつ低誘電性に特に優れる。ここで、本発明において、完全加水分解縮合物とは、化合物(1)のSi−O−Si基と(2)〜(3)中のR3O−基、R4O−基が100%加水分解してSiOH基となり、さらに完全に縮合してシロキサン構造となったものをいう。
【0029】
本発明において(B)窒素オニウム塩化合物の存在下に加水分解することにより、塗膜の誘電率の温度依存性が少ないシリカ系膜を得ることができる。本発明で使用することのできる窒素オニウム塩化合物は、(B−1)窒素含有カチオン性基と(B−2)アニオン性基から形成される塩である。本発明において、アニオン性基としては、ハロゲンイオン、水酸基、硝酸基、カーボネート基、カルボキシル基、スルホニル基、ホスホニル基、カルボニル基およびフェノキシ基である。(B)成分としては、下記一般式(4)で表される化合物および一般式(5)で表される化合物を挙げることができる。
【化11】
R10(R11)h ・・・・・・・・・・(5)
(式中、R5〜R8は同一でも異なっても良く、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜16のアリールアルキル基を示し、R9はe価のアニオン性基を示し、eは1〜4の整数を示し、R10は窒素原子を含有するg価の環状カチオン性基を示し、R11はハロゲン原子を含むf価のアニオン性基を示し、hはR10基中のカチオン電荷を中和するために必要なR11の個数を示し、fは1〜4の整数を示し、gは1〜fの整数を示し、g=f*hである。)
【0030】
一般式(4)又は(5)において、炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などを例示でき、炭素数6〜12のアリール基としては、フェニル基、トリル基などを例示でき、炭素数7〜16のアリールアルキル基としては、ベンジル基などを例示でき、ハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子などが例示できる。1〜4価のアニオン性基とは、1〜4個のアニオン性基を有する化合物に由来する基であり、窒素原子を含有するg価の環状カチオン性基とは、g個の窒素原子を有する芳香族化合物、g個の窒素原子を有する複素環化合物、g個の窒素原子を有する脂肪族環化合物に由来する基である。
【0031】
一般式(4)で表される化合物としては、例えば、水酸化アンモニウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム等のアンモニウム塩類;水酸化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、硝酸テトラメチルアンモニウム、硫酸テトラメチルアンモニウム、硫酸水素テトラメチルアンモニウム、リン酸テトラメチルアンモニウム、炭酸テトラメチルアンモニウム、フェノールテトラメチルアンモニウム、酢酸テトラメチルアンモニウム、安息香酸テトラメチルアンモニウム、硫酸テトラメチルアンモニウム、フタル酸テトラメチルアンモニウム、サリチル酸テトラメチルアンモニウム、コハク酸テトラメチルアンモニウム、マレイン酸テトラメチルアンモニウム、プロピオン酸テトラメチルアンモニウム等のテトラメチルアンモニウム塩類が例示できる。
【0032】
一般式(5)で表される化合物としては、水酸化ピリジニウム、塩化ピリジニウム、マレイン酸ピリジニウム等のピリジニウム塩類;ジアザビシクロオクタン塩酸塩、ジアザビシクロオクタン硝酸塩、ジアザビシクロオクタン酢酸塩等のジアザビシクロオクタン塩類;ジアザビシクロノナン塩酸塩、ジアザビシクロノナン硝酸塩、ジアザビシクロノナン酢酸塩等のジアザビシクロノナン塩類;ジアザビシクロウンデセン塩酸塩、ジアザビシクロウンデセン硝酸塩、ジアザビシクロウンデセン硫酸塩、ジアザビシクロウンデセン酢酸塩、ジアザビシクロウンデセンマレイン酸塩等のジアザビシクロウンデセン塩類などを挙げることができる。これらの中で、水酸化窒素オニウム塩化合物とカルボン酸窒素オニウム塩化合物を好ましい例として挙げることができ、水酸化アンモニウム化合物とカルボン酸アンモニウム塩化合物が特に好ましい。これらの(B)成分は、1種を単独で使用してもあるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0033】
上記(B)成分の使用量は、化合物(1)〜(3)の加水分解で発生するSiOH基の総量1モルに対して、通常、0.00001〜1モル、好ましくは0.00005〜0.5モルである。(B)分の使用量が上記範囲内であれば、反応中のポリマーの析出やゲル化の恐れが少ない。なお、上記(A)成分を加水分解、縮合させる際に、(A)成分1モル当たり0.5〜150モルの(C)水を用いることが好ましく、0.5〜130モルの水を加えることが特に好ましい。添加する水の量が0.5モル未満であると塗膜の耐クラック性が劣る場合があり、150モルを越えると加水分解および縮合反応中のポリマーの析出やゲル化が生じる場合がある。本発明の(A)成分の加水分解時に使用する(D)沸点100℃以下のアルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールを挙げることができる。沸点100℃以下のアルコールの使用量は、(A)成分1モルに対して通常3〜100モル、好ましくは5〜80モルである。(A)成分を加水分解する際の濃度としては0.5〜10%(完全加水分解縮合物換算)であり、より好ましくは1〜8%である。また、この際の反応温度としては、通常、0〜100℃、好ましくは15〜90℃である。
【0034】
〔(A)成分の加水分解方法〕
(A)成分を加水分解するに際しては、溶媒中に(A)成分を連続的または断続的に添加して、加水分解し、縮合すればよく、特に限定されないが、(D)成分、水および(B)成分からなる混合物に、所定量の(A)成分を加えて加水分解・縮合反応を行う方法がある。また、特開2002−20689記載の方法も同様に用いることができる。
【0035】
さらに、(A)成分を加水分解、縮合した後、膜形成用組成物のpHを7以下に調整することが好ましい。pHを調整する方法としては、pH調整剤を添加する方法、組成物中より(B)成分を留去する方法が挙げられる。これらの方法は、それぞれ、組み合わせて用いてもよい。
【0036】
ここで、上記pH調整剤としては、無機酸や有機酸が挙げられる。無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などを挙げることができる。また、有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、リンゴ酸、グルタル酸の加水分解物、無水マレイン酸の加水分解物、無水フタル酸の加水分解物などを挙げることができる。これら化合物は、1種を単独で使用してもあるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0037】
上記pH調整剤による組成物のpHは、7以下、好ましくは1〜6に調整される。上記範囲内にpHを調整することにより、得られる組成物の貯蔵安定性が向上するという効果が得られる。pH調整剤の使用量は、適宜選択される。
【0038】
本発明の膜形成組成物は、以下の溶剤に溶かして支持体上に塗布する。使用できる溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ジメチルイミダゾリジノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、イソプロパノール、エチレンカーボネート、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が好ましく、これらの溶剤を単独あるいは混合して使用する。
上記の中でも、好ましい溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレンカーボネート、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、キシレン、メシチレン、ジイソプロピルベンゼンを挙げることができる。
【0039】
このようにして得られる本発明の組成物の全固形分濃度は、好ましくは、2〜30質量%であり、使用目的に応じて適宜調整される。組成物の全固形分濃度が2〜30質量%であると、塗膜の膜厚が適当な範囲となり、保存安定性もより優れるものである。
【0040】
このようにして得られる本発明の絶縁膜形成用材料を、シリコンウエハ、SiO2 ウエハ、SiNウエハなどの基材に塗布する際には、スピンコート、浸漬法、ロールコート法、スプレー法などの塗装手段が用いられる。
【0041】
この際の膜厚は、乾燥膜厚として、1回塗りで厚さ0.05〜1.5μm程度、2回塗りでは厚さ0.1〜3μm程度の塗膜を形成することができる。その後、常温で乾燥するか、あるいは80〜600℃程度の温度で、通常、5〜240分程度加熱して乾燥することにより、ガラス質または巨大高分子、またはその混合物の絶縁膜を形成することができる。この際の加熱方法としては、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用することが出来、加熱雰囲気としては、大気下、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空下、酸素濃度をコントロールした減圧下などで行うことができる。
【0042】
より具体的には、本発明の絶縁膜形成材料を、例えばスピンコート法により、基板(通常は金属配線を有する基板)上に塗布し、300℃以下の温度で第一の熱処理を行うことにより溶媒を乾燥させるとともに、膜形成組成物に含まれるシロキサンを架橋させ、次いで300℃より高く450℃以下の温度で第二の熱処理(アニール)を行うことにより低誘電率の絶縁膜を形成できる。第一の熱処理を300℃以下とするのは、架橋が過度に進行しないようにして架橋の度合いを調節しやすくするためであり、第二の熱処理を300℃より高く450以下の温度とするのは、この温度範囲がアニールにとって一般に都合がよいからである。
第一の熱処理によるシロキサンの架橋は、酸化によるSi−O−Si結合の形成によって進行するため、この第一の熱処理は大気中で有利に行うことができる。また、形成した絶縁膜の示す誘電率を調節するために架橋の度合いを調整してもよく、この架橋度合いの調整は熱処理温度と時間を調整することで行うことができる。
【0043】
更に本発明では、絶縁膜形成時に空孔率を制御することにより多孔質化を行うことを特徴とする。
なお、本発明において「多孔質」とは、空隙率で10vol%以上、好ましくは20vol%以上80vol%以下、より好ましくは30vol%以上70vol%以下であることを言う。
この多孔質化により、更に誘電率の低い絶縁膜、すなわち、誘電率が2.5以下、好ましくは2.1以下の多孔質膜を得ることができる。多孔質化の方法としては、湿潤状態でゲル骨格を形成し、溶媒などの液相除去時にゲル骨格を破壊しないような工夫を行うことにより多孔質材料(キセロゲル)を得る方法、熱分解性またはガス反応性物質を混合し、母体の硬化後反応性物質を除去して多孔質材料(パイロゲル)を得る方法が挙げられる。
【0044】
より具体的には、例えば、絶縁膜形成用材料に相溶または分散し、沸点または分解温度が250℃〜450℃である化合物を含有させ、基板上に塗布した後、該化合物の沸点または分解温度未満の温度で加熱して、本発明の多孔絶縁膜形成組成物の一部硬化させ、ついで、該多孔化化合物の沸点または分解温度以上の温度で加熱して硬化する、すなわち、沸点または分解によりガスを発生して同時に硬化することにより、多孔化する方法が挙げられる。
【0045】
かかる多孔化化合物としては、(a)ポリアルキレンオキサイド構造を有する化合物、(b)糖鎖構造を有する化合物、(c)ビニルアミド系重合体、(d)(メタ)アクリレート系重合体、(e)芳香族ビニル系重合体、(f)デンドリマー、(g)親油性化合物と分散剤、(h)超微粒子などを挙げることができる。本発明において、沸点および分解温度は1気圧下の温度を示す。
【0046】
(a)ポリアルキレンオキサイド構造を有する化合物
ここで、ポリアルキレンオキサイド構造としてはポリエチレンオキサイド構造、ポリプロピレンオキサイド構造、ポリテトラメチレンオキサイド構造、ポリブチレンオキシド構造などが挙げられる。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのエーテル型化合物、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩などのエーテルエステル型化合物、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエーテルエステル型化合物などを挙げることができる。
【0047】
(b)糖鎖構造を有する化合物
糖鎖構造を有する化合物としてはシクロデキストリン、デンプン、ショ糖エステル、オリゴ糖、グルコース、フルクトース、マンニット、デンプン糖、D−ソルビット、デキストラン、ザンサンガム、カードラン、プルラン、シクロアミロース、異性化糖、マルチトール、酢酸セルロース、セルロース、カルボキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キチン、キトサンを挙げることができる。
【0048】
本発明で使用する糖鎖構造を有する化合物は、その水酸基、またはアミノ基の一部または全部を変性することが好ましい。水酸基の化学変性としては、エーテル化、エステル化、トリアルキルシリル結合、ウレタン結合を含む変性が挙げられる。また、アミノ基の化学変性としては、アミド結合、尿素結合、イミド結合の導入が挙げられる。糖鎖構造を有する化合物のうち、分解後の孔径が小さくその制御も可能となるのでシクロデキストリンが好ましく、さらに化学変性としてはトリアルキルシリル変性やウレタン化が好ましく、特にトリメチルシリル変性が好ましい。糖鎖構造を有する化合物をトリメチルシル基で変性するには、糖鎖構造を有する化合物にトリメチルクロロシランやトリメチルクロロシリルアセトアミドなどのトリメチルシリル化剤を反応させればよく、通常、糖鎖構造を有する化合物の水酸基の5〜100%を置換すればよい。糖鎖構造を有する化合物をトリメチルシル基で変性するには、糖構造を有する化合物にトリメチルクロロシランを反応させればよく、通常、糖鎖構造を有する化合物の水酸基の5〜100%を置換すればよい。糖鎖構造を有する化合物をウレタン基で結合するには、糖鎖構造を有する化合物にフェニルイソシアナートやヘキシルイソシアナートなどのウレタン化剤を反応させればよく、通常、シクロデキストリンの水酸基の5〜100%反応させればよい。
【0049】
(c)ビニルアミド系重合体
ビニルアミド重合体としては、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルピロリドン、ポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)、ポリ(N、N−ジメチルアクリルアミド)などが挙げられる。
【0050】
(d)(メタ)アクリレート系重合体
(メタ)アクリレート系重合体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステルを主成分としたラジカル重合性モノマーの重合体を挙げることができる。
【0051】
(e)芳香族ビニル系重合体
芳香族ビニル系重合体としては、ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリα−メチルスチレンなどが挙げられる。
(f)デンドリマー
デンドリマーとしては、ベンジルエーテル系、フェニルアセチレン、ポリアミン系、ポリアミド系が挙げられるが、熱分解性の観点からポリアミン系が好ましい。
【0052】
(g)親水性化合物と分散剤
多孔化のために、親油性化合物と分散剤を含有させてもよい。親油化合物のみでは本発明のオルガノポリシロキサンと広い組成範囲で相溶しないが、分散剤と共存することによって、本発明のオルガノポリシロキサンと広い組成範囲で相溶することができる。親油性化合物としては、ポリカルボン酸エステル、例えばジデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジドデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、トリス(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリデシルトリメリテート、トリドデシルトリメリテート、テトラブチルピロメリテート、テトラヘキシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテート、ビス(2−エチルヘキシル)ドデカンジオエート、ビスデシルドデカンジオエートなどを挙げることができる。これらの親油性化合物を相溶させる分散剤としては、オクタノール、ラウリルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコールなどの高級アルコールを挙げることができる。分散剤としての高級アルコールの使用量は親油性化合物に対し0.1〜10倍量(重量)の範囲で使用できる。
【0053】
(h)超微粒子
超微粒子は、粒径100nm以下の重合体粒子であって、通常の乳化重合で、乳化剤の種類、乳化剤濃度、攪拌速度などで粒径を制御されたものであって、芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリレート化合物の単量体から、粒径制御のために架橋性単量体を使用して調製されるものである。
【0054】
これらの多孔質絶縁膜を得るために用いられる多孔化化合物の使用量は、本発明の式(I)の構造を有する低分子化合物または樹脂に対して通常、5〜75質量%である。この範囲内において、機械的強度の低下を招くことなく、有効な誘電率向上効果が期待できる。
【0055】
更に、他の多孔化方法として、中空微粒子を含有させる方法、ウェットゲル膜を非収縮乾燥させる方法、界面活性剤を鋳型として高規則性シリカ膜を形成する方法、超臨界乾燥法によるエアロゾル法等が挙げられる。
【0056】
このようにして得られる層間絶縁膜は、絶縁性に優れ、塗布膜の均一性、誘電率特性、塗膜の耐クラック性、塗膜の表面硬度に優れることから、LSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAMなどの半導体素子用層間絶縁膜、半導体素子の表面コート膜などの保護膜、多層配線基板の層間絶縁膜、液晶表示素子用の保護膜や絶縁防止膜などの用途に有用である。
【0057】
【実施例】
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中の部および%は、特記しない限り、それぞれ質量部および質量%であることを示している。また、実施例中における膜形成用組成物の評価は、次のようにして測定したものである。
【0058】
〔誘電率〕
6インチシリコンウエハ上に、スピンコート法を用いて組成物試料を塗布し、ホットプレート上で80℃で5分間、200℃で5分間基板を乾燥し、さらに450℃の窒素雰囲気のオーブン中で60分基板を焼成した。得られた基板上にアルミニウムを蒸着し、誘電率評価用基板を作製した。誘電率は、横川・ヒューレットパッカード(株)製のHP16451B電極およびHP4284AプレシジョンLCRメーター用いて、10kHzにおける容量値から算出した。
〔リフロー性〕
5μ間隔で形成した0.5μm厚のパターンを有するSi基板上に1μm厚に絶縁膜形成材料を塗布した。窒素存在下、250℃、5分加熱して、断面をSEMにより観察して、絶縁膜形成材料の凹部と凸部の高低差を測定した。
(評価基準)
0.01μm未満:○
0.01μm以上:×
【0059】
(合成例1)
石英製セパラブルフラスコに、エタノール471g、イオン交換水237gと25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液17.2gを入れ、均一に攪拌した。この溶液にオクタメチルシクロテトラシロキサン20g、メチルトリメトキシシラン34.9gとテトラエトキシシラン58.6gの混合物を添加した。溶液を55℃に保ったまま2時間反応を行った。この溶液に20%マレイン酸水溶液28gとプロピレングリコーモノプロピルエーテル440gを加え、その後、50℃のエバポレーターを用いて溶液を10%(完全加水分解縮合物換算)となるまで濃縮した。この溶液に酢酸エチル300gとイオン交換水300gを添加し、液々抽出を行った。上層の溶液を取り出し、50℃のエバポレーターを用いて溶液を10%(完全加水分解縮合物換算)となるまで濃縮し、反応液1を得た。
【0060】
【実施例】
(実施例1)
合成例1で得られた反応液1の(A)成分100重量部に対して、ポリエチレンオキシドブロックーポリプロピレンオキシドブロックーポリエチレンオキシドブロック共重合体(PE−61,三洋化成社製ニュポールPE61)120重量部添加した。その溶液を0.2μm孔径のテフロン(登録商標)製フィルターでろ過を行い本発明の膜形成用組成物を得た。得られた組成物をスピンコート法でシリコンウエハ上に塗布後焼成することで塗膜を得た。本塗膜の評価結果を後掲の表1に示す。
【0061】
(実施例2)
合成例1において、25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液の代わりに25%マレイン酸テトラメチルアンモニウム水溶液を使用した以外は合成例1と同様にして、反応液を得た。この溶液を実施例1と同様にして評価行った。本塗膜の評価結果を後掲の表1に示す。
【0062】
(実施例3)
合成例1において、25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液の代わりに25%ジアザビシクロウンデセン酢酸塩水溶液を使用し、PE−61の添加量を55重量部にした以外は合成例1と同様にして、反応液を得た。この溶液を実施例1と同様にして評価行った。本塗膜の評価結果を後掲の表1に示す。
【0063】
(実施例4)
合成例1において、25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液の代わりに25%塩化テトラメチルアンモニウム水溶液を使用し、PE−61の添加量を150重量部にした以外は合成例1と同様にして、反応液を得た。この溶液を実施例1と同様にして評価行った。本塗膜の評価結果を表1に示す。
なお、実施例1〜4において生成した膜を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察したところ、いずれも多孔質膜であることが確認できた。
【0064】
(比較例1)
合成例1において、オクタメチルシクロテトラシロキサン20gを使用しなかった以外は合成例1と同様にして、反応液を得た。この溶液を実施例1と同様にして評価行った。本塗膜の評価結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【発明の効果】
本発明によれば、半導体素子などにおける層間絶縁膜として使用できる、適当で均一な厚さを有する絶縁膜が形成可能であり、しかも耐熱性に優れ、クラックが生じ難く、更に誘電率特性、リフロー性に優れた多孔性シリコン系膜を形成することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁膜形成用材料に関し、さらに詳しくは、半導体素子などにおける層間絶縁膜材料として使用するのに適した、適当な均一な厚さを有する塗膜を形成可能であり、しかもクラックが生じ難く、誘電率特性などに優れた絶縁膜形成用材料、特に多孔質絶縁膜を得るに適した絶縁膜形成用組成物に関する。又、本発明は、この組成物を使用して得られる多孔質絶縁膜、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子などにおける層間絶縁膜として、気相成長(CVD)法などの真空プロセスで形成されたシリカ(SiO2)膜が多用されている。そして、近年、より均一な層間絶縁膜を形成することを目的として、SOG(Spin on Glass)膜と呼ばれるテトラアルコキシランの加水分解生成物を主成分とする塗布型の絶縁膜も使用されるようになっている。また、半導体素子などの高集積化に伴い、有機SOGと呼ばれるポリオルガノシロキサンを主成分とする低誘電率の層間絶縁膜が開発されている。
【0003】
しかし、無機材料の膜の中で最も低い誘電率を示すCVD−SiO2膜でも、その誘電率は約4である。また、低誘電率CVD膜として最近検討されているSiOF膜の誘電率は約3.3〜3.5であるが、この膜は吸湿性が高く、使用しているうちに誘電率が上昇するという問題がある。
【0004】
一方、2.5〜3.0と低い値の誘電率を示す有機高分子膜では、ガラス転移温度が200〜350℃と低く、熱膨張率も大きいことから、配線へのダメージが問題となっている。また、有機SOG膜では、多層配線パターン形成時においてレジスト剥離などに用いられている酸素プラズマアッシングにより酸化を受け、クラックを生じるという欠点がある。また、有機SOGを含む有機系樹脂は、配線材料であるアルミニウムおよびアルミニウムを主体とした合金や、銅および銅を主体とした合金に対する密着性が低いため、配線脇にボイド(配線と絶縁材料との間にできる空隙)を生じ、そこへ水分が侵入して配線腐食を招く可能性があり、更にこの配線脇ボイドは多層配線を形成するためのビアホール開口時に位置ずれが生じた際に配線層間でのショートを招き、信頼性を低下させる問題がある。
【0005】
かかる状況下、絶縁性、耐熱性、耐久性に優れた絶縁膜材料として、オルガノポリシロキサンを含有する絶縁膜形成用塗布型組成物が知られている(特許文献1および特許文献2参照)。また、オルガノポリシロキサンを多孔質にして誘電率を下げる方法が知られている。(特許文献3参照)。
【0006】
しかしながら、半導体素子などのさらなる高集積化や多層化に伴い、より優れた導体間の電気絶縁性が要求されており、より低誘電率でかつクラック耐性、耐熱性に優れる層間絶縁膜材料が求められるようになっている。
上記のような公知のポリシロキサンを含有する絶縁膜形成材料では、依然、耐熱性、耐クラック性、誘電率特性が不十分であった。また、上記で示した環状のシロキサン化合物を含むケイ素化合物の加水分解または縮合では、シリカ化合物が高次構造をとる結果、リフロー後容易に平坦化しないという問題点があった。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−354905号公報
【特許文献2】
特開2001−164113号公報
【特許文献3】
特開2002−285086号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明は、上記問題点を解決するための膜形成用組成物、これを用いて形成されたシリコン系膜に関し、さらに詳しくは、半導体素子などにおける層間絶縁膜として使用しうる、適当な均一な厚さを有するシリコン系膜が形成可能であり、しかも耐熱性に優れ、クラックが生じ難く、更に誘電率特性、リフロー性に優れた膜形成用組成物、特に多孔質絶縁膜用組成物、その製造方法、この組成物を用いた多孔質絶縁膜、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、本発明の上記目的が、下記の膜組成物を用いることにより達成されることを見出した。好ましい実施態様と共に列挙する。
<1>一般式(1)で示されるケイ素化合物の加水分解物および/または縮合物を含有することを特徴とする多孔質絶縁膜用組成物。
【化5】
(式中、R1およびR2は独立に水素または1価の有機基を示し、nは3〜10の整数を示す。)
<2>一般式(1)で示される化合物
【化6】
(式中、R1およびR2は独立に水素または1価の有機基を示し、nは3〜10の整数を示す。)並びに下記一般式(2)で表される化合物および下記一般式(3)で表される化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物を含むケイ素化合物の加水分解物および/または縮合物を含有することを特徴とする多孔質絶縁膜用組成物。
Si(OR3)4 ・・・・・(2)
(式中、R3は1価の有機基を示す。)
RaSi(OR4)4−a ・・・・・(3)
(式中、Rは水素原子、フッ素原子または1価の有機基を示し、R4は1価の有機基を示し、aは1または2の整数を示す。)
【0010】
<3>一般式(1)で示されるケイ素化合物を加水分解および/または縮合する工程を含むことを特徴とする多孔質絶縁膜用組成物の製造方法。
【化7】
(式中、R1およびR2は独立に水素または1価の有機基を示し、nは3〜10の整数を示す。)
<4>一般式(1)で示される化合物
【化8】
(式中、R1およびR2は独立に水素または1価の有機基を示し、nは3〜10の整数を示す。)並びに下記一般式(2)で表される化合物および下記一般式(3)で表される化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物を含むケイ素化合物を加水分解および/または縮合する工程を含むことを特徴とする多孔質絶縁膜用組成物の製造方法。
Si(OR3)4 ・・・・・(2)
(式中、R3は1価の有機基を示す。)
RaSi(OR4)4−a ・・・・・(3)
(式中、Rは水素原子、フッ素原子または1価の有機基を示し、R4は1価の有機基を示し、aは1または2の整数を示す。)
<5>加水分解および/または縮合の反応を(B)窒素オニウム塩化合物の存在下で行う<3>または<4>記載の多孔質絶縁膜用組成物の製造方法。
【0011】
<6>(B)窒素オニウム塩化合物として(B−1)窒素含有カチオン性基および(B−2)アニオン性基からなる化合物の存在下で加水分解および/または縮合する<5>に記載の多孔質絶縁膜用組成物の製造方法。
<7>(B)窒素オニウム塩化合物が、下記一般式(4)で表される化合物および(5)で表される化合物よりなる群から選ばれた<5>または<6>記載の多孔質絶縁膜用組成物の製造方法。
【化9】
R10(R11)h ・・・・・・・・・・・(5)
(式中、R5〜R8は同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜16のアリールアルキル基を示し、R9はe価のアニオン性基を示し、eは1〜4の整数を示し、R10は窒素原子を含有するg価の環状カチオン性基を示し、R11はハロゲン原子を含むf価のアニオン性基を示し、hはR10基中のカチオン電荷を中和するために必要なR11の個数を示し、fは1〜4の整数を示し、gは1〜fの整数を示し、g=f*hである。)
<8>(B)窒素オニウム塩化合物使用量が、(A)のケイ素化合物の加水分解後のSi−OH基の総量1モルに対して0.00001〜1モルである、<5>ないし<7>いずれか1つに記載の多孔質絶縁膜用組成物の製造方法。
<9>加水分解時の(A)ケイ素化合物成分の濃度が0.5〜10重量%(完全加水分解縮合物換算)である<8>記載の多孔質絶縁膜用組成物の製造方法。
【0012】
<10>水および沸点100℃以下のアルコール存在下において製造する<3>ないし<9>いずれか1つに記載の多孔質絶縁膜用組成物の製造方法。
<11>水の使用量が、(A)ケイ素化合物成分1モルに対して0.5〜150モルである条件下に製造される<10>記載の多孔質絶縁膜用組成物の製造方法。
<12><3>ないし<11>いずれか1つの製造方法により製造された多孔質絶縁膜用組成物。
<13><1>記載の多孔質絶縁膜用組成物を用いて形成されたことを特徴とする多孔質絶縁膜。
<14><2>記載の多孔質絶縁膜用組成物を用いて形成されたことを特徴とする多孔質絶縁膜。
<15><1>または<2>記載の膜形成組成物に相溶するかまたはこの中に分散しうる、沸点または分解温度が250〜450℃である化合物を含有せしめた多孔質絶縁膜用組成物を基板上に塗布し乾燥する工程、および、その後、前記化合物の沸点または分解温度以上の温度で加熱分解することにより多孔質絶縁膜を形成する工程を含む、多孔質絶縁膜の製造方法。
<16><15>記載の化合物が、ポリアルキレンオキシド構造を有する化合物またはアクリル系重合体である多孔質絶縁膜の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の絶縁膜形成用材料は、上記の通り、一般式(1)で示される環状シラン化合物を用いることにより、縮合の際、開環して縮合反応が進行するため、線状のポリシロキサンユニットが増すために、リフロー時の平坦性が増すという点で優れていることが判った。その上、優れた耐熱性が達成できることが見出された。
【0014】
本発明において、「絶縁膜」とは、ULSIの高集積化に伴う多層配線に起因する配線遅延を防止するために配線間に埋め込まれる膜を言い、具体的には、誘電率が2.5以下、好ましくは2.1以下である膜を言う。
【0015】
本発明のポリオルガノシロキサンをベースポリマーとして含有する組成物を、浸漬またはスピンコート法などにより、シリコンウエハなどの基材に塗布すると、例えば、微細パターン間の溝を充分に埋めることができ、加熱により、有機溶剤の除去と架橋反応を行なうと、ガラス質または巨大高分子、またはその混合物を膜形成することができる。得られる膜は、耐熱性が良好で、低誘電率性、リフロー性に優れ、クラックの発生がない、厚膜の絶縁体を形成することができる。
【0016】
以下、本発明に用いられる化合物について詳述する。
以後、本発明で使用する各種のケイ素化合物を総称して「(A)成分」とも言い、各種の窒素オニウム塩化合物を総称して「(B)成分」とも言う。
【0017】
本発明において、(A)成分の加水分解縮合物とは、(A)成分を構成する化合物が加水分解の後に発生したシラノール基の縮合生成物をいう。ただし、縮合生成物において、前記のシラノール基がすべて縮合している必要はなく、一部が縮合したもの、縮合の程度が異なっているものの混合物などを包含した概念である。
【0018】
一般式(1)で示される化合物について説明する。一般式(1)で表される化合物を「化合物(1)」ともいう。
【化10】
(式中、R1およびR2は独立に水素または1価の有機基を示し、nは3〜10の整数を示す。)
【0019】
上記一般式(1)において、R1およびR2は独立に水素または1価の有機基を示し、1価の有機基としては、アルキル基、アリール基、またはアルキレン基などを挙げることができる。ここで、アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜5の低級アルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、これらのアルキル基は鎖状でも、分岐していてもよく、さらに水素原子がフッ素原子などにより置換されていてもよい。アリール基としては、好ましくは炭素数6〜12であり、フェニル基、ナフチル基、フルオロフェニル基などを挙げることができ、水素原子がフッ素原子などにより置換されていてもよい。アルキレン基としては、炭素数が2ないし5のアルキレン基が挙げられ、ビニル基およびアリル基が例示できる。
R1およびR2は特に低級アルキル基、フェニル基またはビニル基であることが好ましい。
【0020】
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、1,3,5−トリビニル−1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、トリフェニルトリメチルシクロトリシロキサン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラビニルー1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、テトラエチルシコロテトラシロキサン、フェニルヒドロキクロトリシロキサン、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサン、ペンタメチルペンタメチルシクロペンタシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルヒドロシクロシロキサン、ヘキサフェニルシコロシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘキサエチルシクロトリシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、デカメチルシクロペンンタシロキサンなどが挙げられ、その中でも特に好ましくは1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンである。これらは、1種を単独で使用しても2種以上を同時に使用してもよい。
【0021】
一般式(2)で示される化合物について説明する。なお、一般式(2)で示される化合物を「化合物(2)」ともいう。
Si(OR3)4 ・・・・・(2)
(式中、R3は1価の有機基を示す。)
上記一般式(2)において、R3で表される1価の有機基としては、先の一般式(1)と同義の有機基を挙げることができる。R3としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、(これらのアルキル基は鎖状でも、分岐していてもよく、さらに水素原子がフッ素原子などにより置換されていてもよい。)およびフェニル基が好ましい。
一般式(2)で表される化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラフェノキシシランなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもあるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0022】
一般式(3)で表される化合物について説明する。なお、一般式(3)で表される化合物を「化合物(3)」とも言う。
RaSi(OR4)4−a ・・・・・(3)
(式中、Rは水素原子、フッ素原子または1価の有機基を示し、R4は1価の有機基を示し、aは1または2の整数を示す。)
【0023】
上記一般式(3)において、RおよびR4で示される1価の有機基としては、アルキル基、アリール基、アリル基、グリシジル基などを挙げることができる。ここで、アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜5の低級アルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、これらのアルキル基は鎖状でも、分岐していてもよく、さらに水素原子がフッ素原子などに置換されていてもよい。アリール基としては、好ましくは炭素数6〜12であり、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基などを挙げることができ、水素原子がフッ素原子などにより置換されていてもよい。
Rは低級アルキル基またはフェニル基であることが好ましい。
【0024】
一般式(3)で表される化合物の具体例としては、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類;トリフェノキシシラン等のトリアリールシラン類;フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン等のフッ素原子に置換されたトリアルコキシシラン類;フルオロトリフェノキシシランなど、
【0025】
メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等のアルキルトリメトキシシラン類;メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等のアルキルトリエトキシシラン類;メチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン等のアルキルトリ−n−プロポキシシラン類;メチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン等のアルキルトリ−iso−プロポキシシラン類;メチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン等のアルキルトリ−n−ブトキシシラン類;メチルトリ−sec−ブトキシシラン、エチルトリ−sec−ブトキシシラン等のアルキルトリ−sec−ブトキシシラン類;メチルトリ−tert−ブトキシシラン、エチルトリ−tert−ブトキシシラン等のアルキルトリ−tert−ブトキシシラン類;メチルトリフェノキシシラン、エチルトリフェノキシシラン等のアルキルトリフェノキシシラン類;フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−iso−プロポキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリ−sec−ブトキシシラン、フェニルトリ−tert−ブトキシシラン、フェニルトリフェノキシシラン、ニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−トリフロロプロピルトリエトキシシランなど;
【0026】
ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン等のジアルキルジメトキシシラン類;ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン等のジアルキルジエトキシシラン類;ジメチルジ−n−プロポキシシラン、ジエチルジ−n−プロポキシシラン等のジアルキルジ−n−プロポキシシラン類;ジメチルジ−iso−プロポキシシラン、ジエチルジ−iso−プロポキシシラン等のジアルキルジ−iso−プロポキシシラン類;ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジ−n−ブトキシシラン等のジアルキルジ−n−ブトキシシラン類;ジメチルジ−sec−ブトキシシラン、ジエチルジ−sec−ブトキシシラン等のジアルキルジ−sec−ブトキシシラン類;ジメチルジ−tert−ブトキシシラン、ジエチルジ−tert−ブトキシシラン等のジアルキルジ−tert−ブトキシシラン類;ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン等のジアルキルジフェノキシシラン類;ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニル−ジ−エトキシシラン、ジフェニル−ジ−n−プロポキシシラン、ジフェニル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジフェニル−ジ−n−ブトキシシラン、ジフェニル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン、ジビニルトリメトキシシランなど;を挙げることができる。
【0027】
化合物(3)として好ましい化合物は、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどである。これらは、1種を単独で使用してもあるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0028】
本発明において、(A)成分を構成する化合物(1)〜(3)の組み合わせとしては、上記化合物(1)および(2);(1)および(3);(1)、(2)および(3)を挙げることができる。なお、(A)成分中、各成分を完全加水分解縮合物に換算したときに、化合物(2)は、化合物(1)〜(3)の総量中、5〜75重量%、好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは15〜70重量%である。また、化合物(1)および/または(3)は、化合物(1)〜(3)の総量中、95〜25重量%、好ましくは90〜30重量%、さらに好ましくは85〜30重量%である。化合物(1)が、化合物(1)〜(3)の総量中、5〜75重量%であると、得られる塗膜のリフロー性に優れ、かつ低誘電性に特に優れる。ここで、本発明において、完全加水分解縮合物とは、化合物(1)のSi−O−Si基と(2)〜(3)中のR3O−基、R4O−基が100%加水分解してSiOH基となり、さらに完全に縮合してシロキサン構造となったものをいう。
【0029】
本発明において(B)窒素オニウム塩化合物の存在下に加水分解することにより、塗膜の誘電率の温度依存性が少ないシリカ系膜を得ることができる。本発明で使用することのできる窒素オニウム塩化合物は、(B−1)窒素含有カチオン性基と(B−2)アニオン性基から形成される塩である。本発明において、アニオン性基としては、ハロゲンイオン、水酸基、硝酸基、カーボネート基、カルボキシル基、スルホニル基、ホスホニル基、カルボニル基およびフェノキシ基である。(B)成分としては、下記一般式(4)で表される化合物および一般式(5)で表される化合物を挙げることができる。
【化11】
R10(R11)h ・・・・・・・・・・(5)
(式中、R5〜R8は同一でも異なっても良く、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜16のアリールアルキル基を示し、R9はe価のアニオン性基を示し、eは1〜4の整数を示し、R10は窒素原子を含有するg価の環状カチオン性基を示し、R11はハロゲン原子を含むf価のアニオン性基を示し、hはR10基中のカチオン電荷を中和するために必要なR11の個数を示し、fは1〜4の整数を示し、gは1〜fの整数を示し、g=f*hである。)
【0030】
一般式(4)又は(5)において、炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などを例示でき、炭素数6〜12のアリール基としては、フェニル基、トリル基などを例示でき、炭素数7〜16のアリールアルキル基としては、ベンジル基などを例示でき、ハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子などが例示できる。1〜4価のアニオン性基とは、1〜4個のアニオン性基を有する化合物に由来する基であり、窒素原子を含有するg価の環状カチオン性基とは、g個の窒素原子を有する芳香族化合物、g個の窒素原子を有する複素環化合物、g個の窒素原子を有する脂肪族環化合物に由来する基である。
【0031】
一般式(4)で表される化合物としては、例えば、水酸化アンモニウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム等のアンモニウム塩類;水酸化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、硝酸テトラメチルアンモニウム、硫酸テトラメチルアンモニウム、硫酸水素テトラメチルアンモニウム、リン酸テトラメチルアンモニウム、炭酸テトラメチルアンモニウム、フェノールテトラメチルアンモニウム、酢酸テトラメチルアンモニウム、安息香酸テトラメチルアンモニウム、硫酸テトラメチルアンモニウム、フタル酸テトラメチルアンモニウム、サリチル酸テトラメチルアンモニウム、コハク酸テトラメチルアンモニウム、マレイン酸テトラメチルアンモニウム、プロピオン酸テトラメチルアンモニウム等のテトラメチルアンモニウム塩類が例示できる。
【0032】
一般式(5)で表される化合物としては、水酸化ピリジニウム、塩化ピリジニウム、マレイン酸ピリジニウム等のピリジニウム塩類;ジアザビシクロオクタン塩酸塩、ジアザビシクロオクタン硝酸塩、ジアザビシクロオクタン酢酸塩等のジアザビシクロオクタン塩類;ジアザビシクロノナン塩酸塩、ジアザビシクロノナン硝酸塩、ジアザビシクロノナン酢酸塩等のジアザビシクロノナン塩類;ジアザビシクロウンデセン塩酸塩、ジアザビシクロウンデセン硝酸塩、ジアザビシクロウンデセン硫酸塩、ジアザビシクロウンデセン酢酸塩、ジアザビシクロウンデセンマレイン酸塩等のジアザビシクロウンデセン塩類などを挙げることができる。これらの中で、水酸化窒素オニウム塩化合物とカルボン酸窒素オニウム塩化合物を好ましい例として挙げることができ、水酸化アンモニウム化合物とカルボン酸アンモニウム塩化合物が特に好ましい。これらの(B)成分は、1種を単独で使用してもあるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0033】
上記(B)成分の使用量は、化合物(1)〜(3)の加水分解で発生するSiOH基の総量1モルに対して、通常、0.00001〜1モル、好ましくは0.00005〜0.5モルである。(B)分の使用量が上記範囲内であれば、反応中のポリマーの析出やゲル化の恐れが少ない。なお、上記(A)成分を加水分解、縮合させる際に、(A)成分1モル当たり0.5〜150モルの(C)水を用いることが好ましく、0.5〜130モルの水を加えることが特に好ましい。添加する水の量が0.5モル未満であると塗膜の耐クラック性が劣る場合があり、150モルを越えると加水分解および縮合反応中のポリマーの析出やゲル化が生じる場合がある。本発明の(A)成分の加水分解時に使用する(D)沸点100℃以下のアルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールを挙げることができる。沸点100℃以下のアルコールの使用量は、(A)成分1モルに対して通常3〜100モル、好ましくは5〜80モルである。(A)成分を加水分解する際の濃度としては0.5〜10%(完全加水分解縮合物換算)であり、より好ましくは1〜8%である。また、この際の反応温度としては、通常、0〜100℃、好ましくは15〜90℃である。
【0034】
〔(A)成分の加水分解方法〕
(A)成分を加水分解するに際しては、溶媒中に(A)成分を連続的または断続的に添加して、加水分解し、縮合すればよく、特に限定されないが、(D)成分、水および(B)成分からなる混合物に、所定量の(A)成分を加えて加水分解・縮合反応を行う方法がある。また、特開2002−20689記載の方法も同様に用いることができる。
【0035】
さらに、(A)成分を加水分解、縮合した後、膜形成用組成物のpHを7以下に調整することが好ましい。pHを調整する方法としては、pH調整剤を添加する方法、組成物中より(B)成分を留去する方法が挙げられる。これらの方法は、それぞれ、組み合わせて用いてもよい。
【0036】
ここで、上記pH調整剤としては、無機酸や有機酸が挙げられる。無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などを挙げることができる。また、有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、リンゴ酸、グルタル酸の加水分解物、無水マレイン酸の加水分解物、無水フタル酸の加水分解物などを挙げることができる。これら化合物は、1種を単独で使用してもあるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0037】
上記pH調整剤による組成物のpHは、7以下、好ましくは1〜6に調整される。上記範囲内にpHを調整することにより、得られる組成物の貯蔵安定性が向上するという効果が得られる。pH調整剤の使用量は、適宜選択される。
【0038】
本発明の膜形成組成物は、以下の溶剤に溶かして支持体上に塗布する。使用できる溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ジメチルイミダゾリジノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、イソプロパノール、エチレンカーボネート、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が好ましく、これらの溶剤を単独あるいは混合して使用する。
上記の中でも、好ましい溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレンカーボネート、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、キシレン、メシチレン、ジイソプロピルベンゼンを挙げることができる。
【0039】
このようにして得られる本発明の組成物の全固形分濃度は、好ましくは、2〜30質量%であり、使用目的に応じて適宜調整される。組成物の全固形分濃度が2〜30質量%であると、塗膜の膜厚が適当な範囲となり、保存安定性もより優れるものである。
【0040】
このようにして得られる本発明の絶縁膜形成用材料を、シリコンウエハ、SiO2 ウエハ、SiNウエハなどの基材に塗布する際には、スピンコート、浸漬法、ロールコート法、スプレー法などの塗装手段が用いられる。
【0041】
この際の膜厚は、乾燥膜厚として、1回塗りで厚さ0.05〜1.5μm程度、2回塗りでは厚さ0.1〜3μm程度の塗膜を形成することができる。その後、常温で乾燥するか、あるいは80〜600℃程度の温度で、通常、5〜240分程度加熱して乾燥することにより、ガラス質または巨大高分子、またはその混合物の絶縁膜を形成することができる。この際の加熱方法としては、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用することが出来、加熱雰囲気としては、大気下、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空下、酸素濃度をコントロールした減圧下などで行うことができる。
【0042】
より具体的には、本発明の絶縁膜形成材料を、例えばスピンコート法により、基板(通常は金属配線を有する基板)上に塗布し、300℃以下の温度で第一の熱処理を行うことにより溶媒を乾燥させるとともに、膜形成組成物に含まれるシロキサンを架橋させ、次いで300℃より高く450℃以下の温度で第二の熱処理(アニール)を行うことにより低誘電率の絶縁膜を形成できる。第一の熱処理を300℃以下とするのは、架橋が過度に進行しないようにして架橋の度合いを調節しやすくするためであり、第二の熱処理を300℃より高く450以下の温度とするのは、この温度範囲がアニールにとって一般に都合がよいからである。
第一の熱処理によるシロキサンの架橋は、酸化によるSi−O−Si結合の形成によって進行するため、この第一の熱処理は大気中で有利に行うことができる。また、形成した絶縁膜の示す誘電率を調節するために架橋の度合いを調整してもよく、この架橋度合いの調整は熱処理温度と時間を調整することで行うことができる。
【0043】
更に本発明では、絶縁膜形成時に空孔率を制御することにより多孔質化を行うことを特徴とする。
なお、本発明において「多孔質」とは、空隙率で10vol%以上、好ましくは20vol%以上80vol%以下、より好ましくは30vol%以上70vol%以下であることを言う。
この多孔質化により、更に誘電率の低い絶縁膜、すなわち、誘電率が2.5以下、好ましくは2.1以下の多孔質膜を得ることができる。多孔質化の方法としては、湿潤状態でゲル骨格を形成し、溶媒などの液相除去時にゲル骨格を破壊しないような工夫を行うことにより多孔質材料(キセロゲル)を得る方法、熱分解性またはガス反応性物質を混合し、母体の硬化後反応性物質を除去して多孔質材料(パイロゲル)を得る方法が挙げられる。
【0044】
より具体的には、例えば、絶縁膜形成用材料に相溶または分散し、沸点または分解温度が250℃〜450℃である化合物を含有させ、基板上に塗布した後、該化合物の沸点または分解温度未満の温度で加熱して、本発明の多孔絶縁膜形成組成物の一部硬化させ、ついで、該多孔化化合物の沸点または分解温度以上の温度で加熱して硬化する、すなわち、沸点または分解によりガスを発生して同時に硬化することにより、多孔化する方法が挙げられる。
【0045】
かかる多孔化化合物としては、(a)ポリアルキレンオキサイド構造を有する化合物、(b)糖鎖構造を有する化合物、(c)ビニルアミド系重合体、(d)(メタ)アクリレート系重合体、(e)芳香族ビニル系重合体、(f)デンドリマー、(g)親油性化合物と分散剤、(h)超微粒子などを挙げることができる。本発明において、沸点および分解温度は1気圧下の温度を示す。
【0046】
(a)ポリアルキレンオキサイド構造を有する化合物
ここで、ポリアルキレンオキサイド構造としてはポリエチレンオキサイド構造、ポリプロピレンオキサイド構造、ポリテトラメチレンオキサイド構造、ポリブチレンオキシド構造などが挙げられる。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのエーテル型化合物、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩などのエーテルエステル型化合物、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエーテルエステル型化合物などを挙げることができる。
【0047】
(b)糖鎖構造を有する化合物
糖鎖構造を有する化合物としてはシクロデキストリン、デンプン、ショ糖エステル、オリゴ糖、グルコース、フルクトース、マンニット、デンプン糖、D−ソルビット、デキストラン、ザンサンガム、カードラン、プルラン、シクロアミロース、異性化糖、マルチトール、酢酸セルロース、セルロース、カルボキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キチン、キトサンを挙げることができる。
【0048】
本発明で使用する糖鎖構造を有する化合物は、その水酸基、またはアミノ基の一部または全部を変性することが好ましい。水酸基の化学変性としては、エーテル化、エステル化、トリアルキルシリル結合、ウレタン結合を含む変性が挙げられる。また、アミノ基の化学変性としては、アミド結合、尿素結合、イミド結合の導入が挙げられる。糖鎖構造を有する化合物のうち、分解後の孔径が小さくその制御も可能となるのでシクロデキストリンが好ましく、さらに化学変性としてはトリアルキルシリル変性やウレタン化が好ましく、特にトリメチルシリル変性が好ましい。糖鎖構造を有する化合物をトリメチルシル基で変性するには、糖鎖構造を有する化合物にトリメチルクロロシランやトリメチルクロロシリルアセトアミドなどのトリメチルシリル化剤を反応させればよく、通常、糖鎖構造を有する化合物の水酸基の5〜100%を置換すればよい。糖鎖構造を有する化合物をトリメチルシル基で変性するには、糖構造を有する化合物にトリメチルクロロシランを反応させればよく、通常、糖鎖構造を有する化合物の水酸基の5〜100%を置換すればよい。糖鎖構造を有する化合物をウレタン基で結合するには、糖鎖構造を有する化合物にフェニルイソシアナートやヘキシルイソシアナートなどのウレタン化剤を反応させればよく、通常、シクロデキストリンの水酸基の5〜100%反応させればよい。
【0049】
(c)ビニルアミド系重合体
ビニルアミド重合体としては、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルピロリドン、ポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)、ポリ(N、N−ジメチルアクリルアミド)などが挙げられる。
【0050】
(d)(メタ)アクリレート系重合体
(メタ)アクリレート系重合体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステルを主成分としたラジカル重合性モノマーの重合体を挙げることができる。
【0051】
(e)芳香族ビニル系重合体
芳香族ビニル系重合体としては、ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリα−メチルスチレンなどが挙げられる。
(f)デンドリマー
デンドリマーとしては、ベンジルエーテル系、フェニルアセチレン、ポリアミン系、ポリアミド系が挙げられるが、熱分解性の観点からポリアミン系が好ましい。
【0052】
(g)親水性化合物と分散剤
多孔化のために、親油性化合物と分散剤を含有させてもよい。親油化合物のみでは本発明のオルガノポリシロキサンと広い組成範囲で相溶しないが、分散剤と共存することによって、本発明のオルガノポリシロキサンと広い組成範囲で相溶することができる。親油性化合物としては、ポリカルボン酸エステル、例えばジデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジドデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、トリス(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリデシルトリメリテート、トリドデシルトリメリテート、テトラブチルピロメリテート、テトラヘキシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテート、ビス(2−エチルヘキシル)ドデカンジオエート、ビスデシルドデカンジオエートなどを挙げることができる。これらの親油性化合物を相溶させる分散剤としては、オクタノール、ラウリルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコールなどの高級アルコールを挙げることができる。分散剤としての高級アルコールの使用量は親油性化合物に対し0.1〜10倍量(重量)の範囲で使用できる。
【0053】
(h)超微粒子
超微粒子は、粒径100nm以下の重合体粒子であって、通常の乳化重合で、乳化剤の種類、乳化剤濃度、攪拌速度などで粒径を制御されたものであって、芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリレート化合物の単量体から、粒径制御のために架橋性単量体を使用して調製されるものである。
【0054】
これらの多孔質絶縁膜を得るために用いられる多孔化化合物の使用量は、本発明の式(I)の構造を有する低分子化合物または樹脂に対して通常、5〜75質量%である。この範囲内において、機械的強度の低下を招くことなく、有効な誘電率向上効果が期待できる。
【0055】
更に、他の多孔化方法として、中空微粒子を含有させる方法、ウェットゲル膜を非収縮乾燥させる方法、界面活性剤を鋳型として高規則性シリカ膜を形成する方法、超臨界乾燥法によるエアロゾル法等が挙げられる。
【0056】
このようにして得られる層間絶縁膜は、絶縁性に優れ、塗布膜の均一性、誘電率特性、塗膜の耐クラック性、塗膜の表面硬度に優れることから、LSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAMなどの半導体素子用層間絶縁膜、半導体素子の表面コート膜などの保護膜、多層配線基板の層間絶縁膜、液晶表示素子用の保護膜や絶縁防止膜などの用途に有用である。
【0057】
【実施例】
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中の部および%は、特記しない限り、それぞれ質量部および質量%であることを示している。また、実施例中における膜形成用組成物の評価は、次のようにして測定したものである。
【0058】
〔誘電率〕
6インチシリコンウエハ上に、スピンコート法を用いて組成物試料を塗布し、ホットプレート上で80℃で5分間、200℃で5分間基板を乾燥し、さらに450℃の窒素雰囲気のオーブン中で60分基板を焼成した。得られた基板上にアルミニウムを蒸着し、誘電率評価用基板を作製した。誘電率は、横川・ヒューレットパッカード(株)製のHP16451B電極およびHP4284AプレシジョンLCRメーター用いて、10kHzにおける容量値から算出した。
〔リフロー性〕
5μ間隔で形成した0.5μm厚のパターンを有するSi基板上に1μm厚に絶縁膜形成材料を塗布した。窒素存在下、250℃、5分加熱して、断面をSEMにより観察して、絶縁膜形成材料の凹部と凸部の高低差を測定した。
(評価基準)
0.01μm未満:○
0.01μm以上:×
【0059】
(合成例1)
石英製セパラブルフラスコに、エタノール471g、イオン交換水237gと25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液17.2gを入れ、均一に攪拌した。この溶液にオクタメチルシクロテトラシロキサン20g、メチルトリメトキシシラン34.9gとテトラエトキシシラン58.6gの混合物を添加した。溶液を55℃に保ったまま2時間反応を行った。この溶液に20%マレイン酸水溶液28gとプロピレングリコーモノプロピルエーテル440gを加え、その後、50℃のエバポレーターを用いて溶液を10%(完全加水分解縮合物換算)となるまで濃縮した。この溶液に酢酸エチル300gとイオン交換水300gを添加し、液々抽出を行った。上層の溶液を取り出し、50℃のエバポレーターを用いて溶液を10%(完全加水分解縮合物換算)となるまで濃縮し、反応液1を得た。
【0060】
【実施例】
(実施例1)
合成例1で得られた反応液1の(A)成分100重量部に対して、ポリエチレンオキシドブロックーポリプロピレンオキシドブロックーポリエチレンオキシドブロック共重合体(PE−61,三洋化成社製ニュポールPE61)120重量部添加した。その溶液を0.2μm孔径のテフロン(登録商標)製フィルターでろ過を行い本発明の膜形成用組成物を得た。得られた組成物をスピンコート法でシリコンウエハ上に塗布後焼成することで塗膜を得た。本塗膜の評価結果を後掲の表1に示す。
【0061】
(実施例2)
合成例1において、25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液の代わりに25%マレイン酸テトラメチルアンモニウム水溶液を使用した以外は合成例1と同様にして、反応液を得た。この溶液を実施例1と同様にして評価行った。本塗膜の評価結果を後掲の表1に示す。
【0062】
(実施例3)
合成例1において、25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液の代わりに25%ジアザビシクロウンデセン酢酸塩水溶液を使用し、PE−61の添加量を55重量部にした以外は合成例1と同様にして、反応液を得た。この溶液を実施例1と同様にして評価行った。本塗膜の評価結果を後掲の表1に示す。
【0063】
(実施例4)
合成例1において、25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液の代わりに25%塩化テトラメチルアンモニウム水溶液を使用し、PE−61の添加量を150重量部にした以外は合成例1と同様にして、反応液を得た。この溶液を実施例1と同様にして評価行った。本塗膜の評価結果を表1に示す。
なお、実施例1〜4において生成した膜を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察したところ、いずれも多孔質膜であることが確認できた。
【0064】
(比較例1)
合成例1において、オクタメチルシクロテトラシロキサン20gを使用しなかった以外は合成例1と同様にして、反応液を得た。この溶液を実施例1と同様にして評価行った。本塗膜の評価結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【発明の効果】
本発明によれば、半導体素子などにおける層間絶縁膜として使用できる、適当で均一な厚さを有する絶縁膜が形成可能であり、しかも耐熱性に優れ、クラックが生じ難く、更に誘電率特性、リフロー性に優れた多孔性シリコン系膜を形成することができる。
Claims (7)
- 請求項1記載の多孔質絶縁膜用組成物を用いて形成されたことを特徴とする多孔質絶縁膜。
- 請求項2記載の多孔質絶縁膜用組成物を用いて形成されたことを特徴とする多孔質絶縁膜。
- 請求項5または6記載の膜形成組成物に相溶するかまたはこの中に分散しうる、沸点または分解温度が250〜450℃である化合物を含有せしめた多孔質絶縁膜用組成物を基板上に塗布し乾燥する工程、および、その後、前記化合物の沸点または分解温度以上の温度で加熱分解することにより多孔質絶縁膜を形成する工程を含む、多孔質絶縁膜の製造方法。
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