JPH0980666A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH0980666A
JPH0980666A JP26364295A JP26364295A JPH0980666A JP H0980666 A JPH0980666 A JP H0980666A JP 26364295 A JP26364295 A JP 26364295A JP 26364295 A JP26364295 A JP 26364295A JP H0980666 A JPH0980666 A JP H0980666A
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silver halide
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water
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JP26364295A
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Seiji Yamashita
清司 山下
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】乾燥速度が速く、迅速処理でも高感度で、スタ
チックマークの発生を改良する。 【解決手段】支持体上に、全投影面積の少なくとも50
%が、アスペクト比2以上の平板状ハロゲン化銀粒子で
あり、かつ該平板状ハロゲン化銀粒子が、Cl含有率2
0モル%以上であるハロゲン化銀乳剤と水溶性ポリマー
を含むことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料(以下、写真感光材料、感材ということあり)に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、写真感光材料の現像工程は高温迅
速処理が急速に普及し、各種感材の自動現像機処理にお
いても、その処理時間は大巾に短縮されてきた。高温迅
速処理が達成されるためには、短時間で十分な感度を実
現するための現像液および現進性に優れ短時間処理でも
残色を残さない感材、そして水洗後短時間で乾燥する感
材が要求される。多くの自動現像機は乾燥ゾーンが内部
に組みこまれており、感材の乾燥性が悪いと、自動現像
機にはより高い乾燥能力が要求されることになり、自動
現像機を大型化せざるをえなくなる。また多くの熱量を
発生する結果として、自動現像機を設置した部屋の温度
が上昇するなどの弊害もおこる。
【0003】このようなことのないよう感材には、でき
るだけ乾燥速度が早くなるような努力がなされる。一般
的に用いられる方法は、感材の塗布工程で、あらかじめ
十分な量の硬膜剤を添加しておき、現像−定着−水洗工
程での乳剤層や表面保護層の膨潤量を小さくすることで
乾燥開始前の感材中の含水量を減少させる方法である。
この方法は硬膜剤を多量に使用すれば、それだけ乾燥速
度を速めることができるが、硬膜を強化することによ
り、現像が遅れ低感化したり、カバーリングパワーを低
下させるし未現像ハロゲン化銀粒子の定着スピードの遅
延、残色の悪化、処理後感材中の残留ハイポの増加等、
さまざまな弊害をまねくという欠点があった。この問題
に対し、処理時に処理液中に溶出できるポリマーを使う
ことで、現像後、定着液の浸透速度を上げ、さらに乾燥
開始前の感材中の含水量を減少させることで、乾燥負荷
を低減することができることは、広く当業界でしられて
いることである。しかしながら、水溶性ポリマーを使っ
た場合、処理時に膜中から抜けてしまうため、膜強度の
低下を招き、超迅速処理での高速のローラー搬送では、
感材の擦り傷黒化やローラーマークと呼ばれるローラー
跡黒化の問題を生じてしまう。従って、このような技術
には、限界があり、現像から、定着、水洗、乾燥までの
工程が、トータル45秒を切るような迅速処理において
は、十分ではなかった。
【0004】このような迅速処理性の付与は、感材に塗
布されている親水性物質−即ちゼラチン、合成高分子、
親水性低分子物質等−を減少させることによってもでき
る。親水性低分子物質は、一般には塗布工程でのハロゲ
ン化銀粒子の乾燥カブリ防止目的で添加されており、こ
れを除去すると感材にカブリを生じてしまう。したがっ
て基本的には、感材に塗布されるバインダー、とくにゼ
ラチン塗布量を低減して、感材を設計することになる。
しかしながら、乳剤層のゼラチン塗布量の低減は、圧力
黒化の増大、処理時の黒斑点(ローラーマーク)の増
大、処理時の膜の強度低下により膜はがれ等の問題を生
じる。これは当業界で一般に言われるピックオフのこと
である。このような問題に対してはゼラチンの減量だけ
では限界があり、例えば、特開平6−43571号に
は、現像液中で良く膨潤し定着、水洗工程でゼラチン膜
を収縮させることで、水洗後の感材の含水量を下げ、乾
燥速度を高めることが、酸ポリマーの併用でできると開
示されている。ここでは、さらに硬膜剤のゼラチンに対
する比率を上げても酸ポリマーを使うことで現像時のみ
膜が良く膨潤し、膜強度を上げる方法が開示されてい
る。
【0005】分子量の高いゼラチンを使うことで膜強度
を上げる技術が、当業界では、古くから開示されてい
る。しかしながら、全処理時間が、45秒以下になるよ
うな超迅速処理においては、これらの膜質技術だけで
は、写真性能と乾燥速度、膜強度を十分なレベルで保持
する事は、困難であった。
【0006】迅速処理に対しては塩化銀含有率の高い平
板乳剤が有利である。塩化銀含量の高い{111}面を
主平面に有する平板状粒子の例としては、例えば、特公
昭64−8326号、同64−8325号、同64−8
324号、特開平1−250943号、特公平3−14
328号、特公平4−81782号、特公平5−402
98号、同5−39459号、同5−12696号や特
開昭63−213836号、同63−218938号、
同63−281149号、特開昭62−218959号
があげられる。又、(100)面を主平面に有する平板
状粒子に関しては、特開平5−204073号、特開昭
51−88017号、特開昭63−24238号等があ
げられる。特に特開平6−059360号には、塩化銀
含有{100}平板に関する記載がある。しかしなが
ら、これらの特許文献に記載されていることからは、こ
のような超迅速処理における問題を解決するには、十分
ではなかった。
【0007】また、感材の帯電調整やスタチックマーク
の発生に対し、ポリアルキレンオキサイド化合物を感材
に添加することは、当業界で広く行われている。この塗
布量を減じると処理時のスタチックや搬送不良を起こ
す。しかしながら、これらの使用は、ローラー自動現像
機での搬送時に発生するローラーマークが、増大してし
まう問題を抱えており、特に高速搬送が、必須となる超
迅速処理においては、解決が困難な問題であった。
【0008】さらに水溶性ポリマー等の減量は、塗布時
の塗布液ハジキや凝集物発生が起こりやすくなるばかり
でなく、同一乾燥速度の場合の現像膨潤を低下させ、カ
バーリングパワーや感度の低下を招いてしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、第1
に十分に速い乾燥速度を有しながら、短時間処理で高感
化を達成する写真感光材料を提供することである。さら
に本発明の目的は、上述の特徴を有しつつ感材取り扱い
時のスタチックマークの発生が無く、かつ擦り黒化やロ
ーラーマークが、発生しない感材を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の手段で達成された。 (1)支持体上に全投影面積の少なくとも50%が、ア
スペクト比2以上の平板状ハロゲン化銀粒子であり、か
つ該平板状ハロゲン化銀粒子が、Cl含有率20モル%
以上であるハロゲン化銀乳剤と水溶性ポリマーを含むこ
とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0011】(2)下記一般式〔I−1〕、〔I−2〕
及び〔I−3〕で表わされる化合物のいずれか1種を含
むことを特徴とする(1)に記載のハロゲン化銀写真感
光材料。
【0012】
【化4】
【0013】
【化5】
【0014】
【化6】
【0015】式中、R1 は炭素数1〜30のアルキル
基、アルケニル基又はアリール基を表わし、Aは−O−
基、−S−基、−COO−基、−N(R10)−基、−C
O−N(R10)−基又は−SO2 N(R10)−基(ここ
でR10は、水素原子、アルキル基を示す。)を表わす。
2 、R3 、R7 及びR9 はそれぞれ水素原子、アルキ
ル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アシ
ル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイ
ル基又はスルファモイル基を表わす。又、式中、R6
びR8 は、それぞれアルキル基、アリール基、アルコキ
シ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルアミノ基、スル
ホンアミド基、カルバモイル基又はスルファモイル基を
表わす。一般式〔I−3〕でフェニル環の置換基は左右
非対称でもよい。R4 及びR5 はそれぞれ水素原子、ア
ルキル基又はアリール基を表わす。R4とR5 、R6
7 及びR8 とR9 は互いに連結して環を形成してもよ
い。n1、n2 、n3 及びn4 は酸化エチレンの平均重
合度であって2〜50の数を表わす。又、mは平均重合
度であって、2〜50の数を表わす。
【0016】(3)該平板状ハロゲン化銀粒子が、{1
00}面を主平面とする(1)又は(2)に記載のハロ
ゲン化銀写真感光材料。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に詳細に本発明について説明
する。少なくとも分散媒とハロゲン化銀粒子を含む本発
明のハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化銀粒子の全投影面
積の50%以上、好ましくは60%〜100%、より好
ましくは70〜100%が主平面が(100)又は(1
11)面であるアスペクト比(直径/厚さ)2以上の平
板状ハロゲン化銀粒子である。ここに、平板状ハロゲン
化銀粒子とはアスペクト比が1より大きい粒子である。
主平面は平板状粒子の最大外表面を指す。平板状粒子の
厚さは0.35μm 以下であり、0.05〜0.3μm
がより好ましく、0.05〜0.25μm が更に好まし
い。好ましいアスペクト比は2以上、好ましくは3〜3
0、より好ましくは5〜20である。ここで直径とは、
該平板状粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径
を指し、厚さは2つの主平面間の距離を指す。Cl含率
は20モル%以上、好ましくは30モル%〜100%、
より好ましくは40〜100モル%、更に好ましくは5
0〜100モル%である。
【0018】本発明の乳剤のうち(111)面を主平面
とする乳剤の核形成については、特公昭64−8326
号、同64−8325号、同64−8324号、特開平
1−250943号、特公平3−14328号、特公平
4−81782号、特公平5−40298号、同5−3
9459号、同5−12696号や特開昭63−213
836号、同63−218938号、同63−2811
49号、特開昭62−218959号等に詳しく述べら
れており、又、(100)面を主平面に有する乳剤の核
形成については、特開平5−204073号、特開昭5
1−88017号、特開昭63−24238号、特願平
5−264059号等に述べられている。本発明におい
ては、これらの先行技術に記載されている核形成方法を
任意に用いることができる。
【0019】本発明のハロゲン化銀微粒子存在下の物理
熟成(微粒子が溶解し、基板粒子が成長する)により結
晶成長する方法について以下に記述する。微粒子乳剤添
加剤では0.15μm 径以下、好ましくは0.1μm 径
以下、より好ましくは0.06〜0.006μm 径のA
gX微粒子乳剤を添加し、オストワルド熟成により該平
板状粒子を成長させる。該微粒子乳剤は連続的に添加す
ることもできるし、継続的に添加することもできる。該
微粒子乳剤は反応容器の近傍に設けた混合器でAgNO
3 溶液とX- 塩溶液を供給して連続的に調製し、ただち
に反応容器に連続的に添加することもできるし、予め別
の容器のバッチ式に調製した後に連続的もしくは継続的
に添加することもできる。該微粒子乳剤は液状で添加す
ることもできるし、乾燥した粉末として添加することも
できる。該乾燥粉末を添加直前に水と混合し、液状化し
て添加することもできる。添加した微粒子は20分以内
に消失する態様で添加することが好ましく、10秒〜1
0分がより好ましい。消失時間が長くなると、微粒子間
で熟成が生じ、粒子サイズが大きくなる為に好ましくな
い。従って一度に全量を添加しない方が好ましい。該微
粒子は多重双晶粒子を実質的に含まないことが好まし
い。ここで多重双晶粒子とは、1粒子あたり、双晶面を
2枚以上有する粒子を指す。実質的に含まないとは、多
重双晶粒子数比率が5%以下、好ましくは1%以下、よ
り好ましくは0.1%以下を指す。更には1重双晶粒子
をも実質的に含まないことが好ましい。更にはらせん転
位を実質的に含まないことが好ましい。ここで実質的に
含まないとは前記規定に従う。
【0020】該微粒子のハロゲン組成はAgCl、Ag
Br、AgBrl(I- 含率は10モル%以下が好まし
く、5モル%以下がより好ましい)およびそれらの2種
以上の混晶である。この他の詳細は特願平4−2141
09号の記載を参考にすることができる。該微粒子の添
加総量は、全ハロゲン化銀量の20%以上が必要であ
り、好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以
上98%以下である。該微粒子のCl含率は、10%以
上が好ましく、より好ましくは50%以上100%以下
が好ましい。
【0021】核形成時、熟成時および成長時の分散媒と
しては従来公知のAgX乳剤用分散媒を用いることがで
きるが、特にメチオニン含率が好ましくは0〜50μモ
ル/g、より好ましくは0〜30μモル/gのゼラチン
を好ましく用いることができる。該ゼラチンが熟成、成
長時に用いられた場合、直径サイズ分布が揃ったより薄
い平板状粒子が形成され、好ましい。また、特公昭52
−16365号、日本写真学会誌、29巻(1)、1
7、22(1966年)、同30巻(1)、10、19
(1967年)、同30巻(2)、17(1967
年)、同33巻(3)、24(1967年)記載の合成
高分子を分散媒として好ましく用いることができる。微
粒子添加による成長時のpHは、2.0以上が必要であ
るが3以上、10以下が好ましい。さらに好ましくはp
H4以上9以下である。又、pClは1.0以上が必要
であるが、1.6以上が好ましい。さらに好ましくは
2.0以上3.0以下が好ましい。これらの成長条件
は、特に(100)面を主平面とする平板状粒子におい
て特に好ましいものである。ここでpClとは、溶液中
のClイオンの活量〔Cl- 〕に対し pCl=−log〔Cl- 〕 で定義される。T.H.James 著 THE THEORY OF THE REOTO
GRAPHIC PROCESS 第4版、第1章に詳しく述べられてい
る。
【0022】pHが2.0以下になってしまうと、例え
ば(100)面を主平面にもつ平板状粒子の場合、横方
向の成長が抑制され、アスペクト比が下がり、乳剤のカ
バーリングパワーは低くなりがちで、かつ低感化してし
まう。pH2.0以上であると、横方向の成長速度が高
くなり、高アスペクト比でカバーリングパワーも高い乳
剤が得られるが、カブリが高く低感化しやすい。pCl
が1.0以下になると縦方向の成長が促進され、アスペ
クト比が低下し、乳剤のカバーリングパワーが低く、か
つ低感化してしまう。pClが1.6以上になると高ア
スペクト比化してカバーリングパワーが増加するがカブ
リが高く低感化しやすい。このとき、ハロゲン化銀微粒
子により基板粒子を成長させるとpHが6以上及び又は
pClが1.6以上でもカブリが低く、高感でしかもよ
り高アスペクト比で高カバーリングパワーとなる。
【0023】本発明の乳剤の単分散性については、単分
散度について特開昭59−745481号に記載の方法
で定義した変動係数をもとに考えると、30%以下が好
ましく、5%以上25%以下が好ましい。特に硬調な感
材に用いる場合には、5%以上15%以下が好ましい。
本発明で用いることができるハロゲン化銀溶剤として
は、米国特許第3,271,157号、同第3,53
1,289号、同第3,574,628号、特開昭54
−1019号、同54−158917号等に記載された
(a) 有機チオエーテル類、特開昭53−82408号、
同55−77737号、同55−2982号等に記載さ
れた(b) チオ尿素誘導体、特開昭53−144319号
に記載された(c) 酸素または硫黄原子と窒素原子とには
さまれたチオカルボニル基を有するハロゲン化銀溶剤、
特開昭54−100717号に記載された(d) イミダゾ
ール類、(e) 亜硫酸塩、(f) チオシアネート等が挙げら
れる。特に好ましい溶剤としては、チオシアネートおよ
びテトラメチルチオ尿素がある。また用いられる溶剤の
量は種類によっても異なるが、例えばチオシアネートの
場合、好ましい量はハロゲン化銀1モル当り1×10-4
モル以上1×10-2モル以下である。
【0024】本発明のハロゲン化銀乳剤は、化学増感に
おいてイオウ増感および/または金増感を併用すること
によりさらに高感度、低かぶりを達成することができ
る。イオウ増感は、通常、イオウ増感剤を添加して、高
温、好ましくは40℃以上で乳剤を一定時間攪拌するこ
とにより行なわれる。また、金増感は、通常、金増感剤
を添加して、高温、好ましくは40℃以上で乳剤を一定
時間攪拌することにより行なわれる。上記のイオウ増感
には硫黄増感剤として公知のものを用いることができ
る。例えばチオ硫酸塩、チオ尿素類、アリルイソチアシ
アネート、シスチン、p−トルエンチオスルホン酸塩、
ローダニンなどが挙げられる。その他米国特許第1,5
74,944号、同第2,410,689号、同第2,
278,947号、同第2,728,668号、同第
3,501,313号、同第3,656,955号各明
細書、ドイツ特許1,422,869号、特公昭56−
24937号、特開昭55−45016号公報等に記載
されている硫黄増感剤も用いることができる。硫黄増感
剤の添加量は、乳剤の感度を効果的に増大させるのに十
分な量でよい。この量は、pH、温度、ハロゲン化銀粒
子の大きさなどの種々の条件の下で相当の範囲にわたっ
て変化するが、ハロゲン化銀1モル当り1×10-7モル
以上、5×10-4モル以下が好ましい。
【0025】上記の金増感の金増感剤としては金の酸化
数が+1価でも+3価でもよく、金増感剤として通常用
いられる金化合物を用いることができる。代表的な例と
しては塩化金酸塩、カリウムクロロオーレート、オーリ
ックトリクロライド、カリウムオーリックチオシアネー
ト、カリウムヨードオーレート、テトラシアノオーリッ
クアシド、アンモニウムオーロチオシアネート、ピリジ
ルトリクロロゴールドなどが挙げられる。金増感剤の添
加量は種々の条件により異なるが、目安としてはハロゲ
ン化銀1モル当り1×10-7モル以上5×10-4モル以
下が好ましい。化学熟成に際して、ハロゲン化銀溶剤お
よびセレン増感剤またはセレン増感剤と併用することが
できる。イオウ増感剤および/または金増感剤等の添加
の時期および順位については特に制限を設ける必要はな
く、例えば化学熟成の初期(好ましくは)または化学熟
成進行中に上記化合物を同時に、あるいは添加時点を異
にして添加することができる。また添加に際しては、上
記の化合物を水または水と混合し得る有機溶媒、例えば
メタノール、エタノール、アセトン等の単液あるいは混
合液に溶解せしめて添加させればよい。
【0026】セレン増感剤と硫黄増感剤の併用において
添加量はセレンと硫黄の1当量のモル比で1:9〜9:
1が好ましい。特に5:5〜7:3がより好ましい。
【0027】本発明において、英国特許635,841
号、米国特許3,622,318号に記載されているよ
うな、いわゆるハロゲン変換型(コンバージョン型)の
粒子は特に有効に利用しうるものである。ハロゲン変換
量は銀量に対し0.2mol %〜2mol %が好ましく、特
に0.2mol %〜0.6mol %がより好ましい。沃臭化
銀乳剤においては、内部及び/又は表面に高沃度層を有
する構造の粒子が特に好ましい。また本発明において好
ましい平板状ハロゲン化銀粒子の表面を高沃度型にコン
バージョンすることにより、より高感度なハロゲン化銀
乳剤を得ることができる。ハロゲン変換前の粒子表面の
ハロゲン化銀組成としては、沃度含量1モル%以下であ
ることが好ましい。特に0.4mol %以下であることが
好ましい。上記方法でハロゲン変換を行なう際に、ハロ
ゲン化銀溶剤を存在させる方法は特に有効である。好ま
しい溶剤としては、チオエーテル化合物、チオアシン酸
塩、4置換チオ尿素が挙げられる。なかでもチオエーテ
ル化合物とチオシアン酸塩は特に有効であり、チオシア
ン酸塩はハロゲン化銀1モルあたり、0.5g〜5g、
チオエーテルは0.2g〜3gの使用が好ましい。又、
本発明に於いて特開昭61−230135号や特開昭6
3−25653号に記載されているような、現像時に抑
制剤を放出するような化合物を併用してもよい。ハロゲ
ン化銀製造時のハロゲン化銀粒子形成または物理熟成の
過程において、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム
塩、イリジウム塩またはその錯塩、ロジウム塩またはそ
の錯塩、鉄塩または鉄錯塩などを共存させてもよい。
又、粒子形成時にはチオシアン酸塩、チオエーテル化合
物、チアゾリジンエチオン、4置換チオ尿素の如きいわ
ゆるハロゲン化銀溶剤を存在せしめても良い。なかでも
チオシアン酸塩、4置換チオ尿素とチオエーテルは本発
明に好ましい溶剤である。
【0028】次に本発明の水溶性ポリマーについて説明
する。本発明において、水溶性ポリマーとは、20℃に
おける水100gに対し0.05g以上溶解すればよ
く、好ましくは0.1g以上のものである。更に又、本
発明の水溶性ポリマーは現像液や定着液への溶解度が高
い程好ましく、その溶解度が現像液100gに対して、
0.05g以上溶解するものであり、好ましくは0.5
g以上、特に好ましいのは1g以上である。本発明に用
いられる水溶性ポリマーとしては、例えば合成水溶性ポ
リマーと天然水溶性ポリマーが挙げられるが、本発明で
はいずれも好ましく用いることができる。このうち、合
成水溶性ポリマーとしては、分子構造中に例えばノニオ
ン性基を有するもの、アニオン性基を有するもの並びに
ノニオン性基及びアニオン性基を有するものが挙げられ
る。ノニオン性基としては、例えばエーテル基、エチレ
ンオキサイド基、ヒドロキシ基等があげられ、アニオン
性基としては、例えばスルホン酸基あるいはその塩、カ
ルボン酸基あるいはその塩、リン酸塩あるいはその塩、
等が挙げられる。また、天然水溶性ポリマーとしても分
子構造中に、例えばノニオン性基を有するもの、アニオ
ン性基を有するもの並びにノニオン性基及びアニオン性
基を有するものが挙げられる。
【0029】水溶性ポリマーとしては、合成水溶性ポリ
マー、天然水溶性ポリマーのいずれの場合にも、アニオ
ン性基を有するもの並びにノニオン性基及びアニオン性
基を有するものを好ましく用いることができる。
【0030】合成水溶性ポリマーとしては、下記一般式
〔P〕の繰り返し単位をポリマー1分子中10〜100
モル%含むものが挙げられる。一般式〔P〕
【0031】
【化7】
【0032】式中、R1 は水素原子、アルキル基、好ま
しくは炭素原子数1〜4のアルキル基(置換基を有する
ものも含まれる。例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基等)、ハロゲン原子(例えば塩素原子)
または−CH2 COOMを表わし、Lは−CONH−、
−NHCO−、−COO−、−OCO−、−CO−また
は−O−を表わし、Jはアルキレン基、好ましくは炭素
原子数1〜10のアルキレン基(置換基を有するものも
含まれる。例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン
基、トリメチレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等)、
アリーレン基(置換基を有するものも含まれる。例えば
フェニレン基等)、または
【0033】
【化8】
【0034】
【化9】
【0035】を表わす。Mは水素原子またはカチオンを
表わし、R2 は炭素原子数1〜4のアルキル基(例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)を表わ
し、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 およびR8 は炭素原
子数1〜20のアルキル基(例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、デシル基、ヘ
キサデシル基等)、アルケニル基(例えばビニル基、ア
リール基等)、フェニル基(例えばフェニル基、メトキ
シフェニル基、クロロフェニル基等)、アラルキル基
(例えばベンジル基等)を表わし、Xはアニオンを表わ
し、またpおよびqはそれぞれ0または1を表わす。特
にアクリルアミド又はメタアクリルアミドを含有するポ
リマーが好ましい。次に一般式〔P〕の合成水溶性ポリ
マーの具体例を挙げる。
【0036】
【化10】
【0037】
【化11】
【0038】本発明の合成水溶性ポリマーの分子量は、
1,000〜100,000、好ましくは2,000〜
50,000である。
【0039】天然水溶性ポリマーとしては、グルコース
重合体、及びその誘導体が好ましく、グルコール重合
体、及びその誘導体の中でも、澱粉、グリコーゲン、セ
ルロース、リケニン、デキストラン、ニゲラン等が好ま
しく、特にデキストラン、及びその誘導体が好ましい。
これらの天然水溶性ポリマーの分子量は1000〜10
万が好ましいが、特に好ましいのは2000〜5万であ
る。
【0040】本発明に用いられる合成あるいは天然水溶
性ポリマーは、写真感光材料中に全ゼラチン塗布量の
1.0重量%以上50重量%以下含有され、好ましくは
3重量%以上30重量%以下で含有されれば良い。本発
明で水溶性ポリマーは、基本的にはどの層に添加しても
良い。これは塗布時に膜中を拡散することにより膜中で
均一になる傾向を示すためである。しかしながら、塗布
液の安定性等の観点から乳剤層、保護層又はその他の親
水性コロイド層に限定して添加することもできる。
【0041】次に、一般式〔I−1〕、〔I−2〕及び
〔I−3〕で表わされる化合物(以下、本発明のポリエ
チレンオキサイド化合物という)について詳しく説明す
る。R1 は好ましくは炭素数4〜24のアルキル基、ア
ルケニル基、アルキルアリール基であり、特に好ましく
はヘキシル基、ドデシル基、イソステアリル基、オレイ
ル基、t−ブチルフェニル基、2,4−ジ−t−ブチル
フェニル基、2,4−ジ−t−ペンチルフェニル基、p
−ドデシルフェニル基、m−ペンタデカフェニル基、t
−オクチルフェニル基、2,4−ジノニルフェニル基、
オクチルナフチル基等である。R2 、R3 、R6
7 、R8 及びR9 は好ましくはメチル、エチル、i−
プロピル、t−ブチル、t−アミル、t−ヘキシル、t
−オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、トリクロロメ
チル、トリブロモメチル、1−フェニルエチル、2−フ
ェニル−2−プロピル等の炭素数1〜20の置換又は無
置換のアルキル基、フェニル基、p−クロロフェニル基
等の置換又は無置換のアリール基、−OR11(ここでR
11は炭素数1〜20の置換又は無置換のアルキル基又は
アリール基を表わす。以下同じである)で表わされる置
換又は無置換のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子等の
ハロゲン原子、−COR11で表わされるアシル基、−N
12COR11(ここにR12は水素原子又は炭素数1〜2
0のアルキル基を表わす。以下同じ)で表わされるアミ
ド基、−NR12SO2 11で表わされるスルホンアミド
基、−CON(R12)2で表わされるカルバモイル基、或
いは−SO2 N(R12)2で表わされるスルファモイル基
であり、又R2 、R3 、R7 、R9 は水素原子であって
もよい。これらのうちR6 、R8 は好ましくはアルキル
基又はハロゲン原子であり、特に好ましくはかさ高いt
−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基等の3級ア
ルキル基である。R7 、R9 は特に好ましくは水素原子
である。すなわち、2,4−ジ置換フェノールから合成
される一般式〔I−3〕の化合物が特に好ましい。
【0042】R4 、R5 は、好ましくは水素原子、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n
−ヘプチル基、l−エチルアミル基、n−ウンデシル
基、トリクロロメチル基、トリプロモメチル基等の置換
もしくは無置換のアルキル基、α−フリル基、フェニル
基、ナフチル基、p−クロロフェニル基、p−メトキシ
フェニル基、m−ニトロフェニル基等の置換もしくは無
置換のアリール基である。又R4 とR5 、R6 とR7
びR8 とR9 は互いに連結して置換もくしは無置換の環
を形成しても良く、例えばシクロヘキシル環である。こ
れらのうちR4 とR5 は特に好ましくは水素原子、炭素
数1〜8のアルキル基、フェニル基、フリル基である。
1 、n2 、n3 及びn4 は特に好ましくは5〜30の
数である。n3 とn4 は同じでも異なっても良い。
【0043】本発明のポリアルキレンオキサイド化合物
について以下に具体例を示す。
【0044】
【化12】
【0045】
【化13】
【0046】
【化14】
【0047】
【化15】
【0048】
【化16】
【0049】本発明のポリエチレンオキサイド化合物の
好ましい添加量は、1mg/m2〜100mg/m2である。よ
り好ましくは5mg/m2〜50mg/m2である。添加する層
は特に制限されないが、保護層に添加すると必要な添加
量が少なくなることが多い。
【0050】本発明は、印刷感光材料、マイクロフィル
ム用感光材料、医療用Xレイ感光材料、工業用Xレイ感
光材料、一般ネガ感光材料、一般リバーサル感光材料等
の白黒ハロゲン化銀写真感光材料及び一般カラーネガ感
光材料、一般カラーリバーサル感光材料に適用すること
ができる。好ましくは、医療用Xレイ感光材料である。
【0051】本発明の写真感光材料の製造に用いられる
その他の各種添加剤等については特に制限は無く例え
ば、以下の該当箇所に記載のものを用いる事が出来る。 項 目 該 当 個 所 1)ハロゲン化銀乳剤と 特開平2-68539 号公報第8頁右下欄下から6行目か その製法 ら同第10頁右上欄12行目、同3-24537 号公報第2頁 右下欄10行目ないし第6頁右上欄1行目、同第10頁 左上欄16行目ないし第11頁左下欄19行目、特願平2- 225637号。 2)化学増感方法 特開平2-68539 号公報第10頁右上欄13行目から同左 上欄16行目、特願平3-105035号。 3)カブリ防止剤、安定 特開平2-68539 号公報第10頁左下欄17行目から同第 剤 11頁左上欄7行目及び同第3頁左下欄2行目から同 第4頁左下欄。 4)色調改良剤 特開昭62-276539 号公報第2頁左下欄7行目から同 第10頁左下欄20行目、特開平3-94249 号公報第6頁 左下欄15行目から第11頁右上欄19行目。 5)分光増感色素 特開平2-68539 号公報第4頁右下欄4行目から同第 8頁右下欄。 6)界面活性剤、帯電防 特開平2-68539 号公報第11頁左上欄14行目から同第 止剤 12頁左上欄9行目。 7)滑り剤、可塑剤 特開平2-68539 号公報第12頁左上欄10行目から同右 上欄10行目、同第14頁左下欄10行目から同右下欄1 行目。 8)硬膜剤 特開平2-68539 号公報第12頁左下欄17行目から同第 13頁右上欄6行目。 9)支持体 特開平2-68539 号公報第13頁右上欄7行目から20行 目。 10)クロスオーバーカッ 特開平2-264944号公報第4頁右上欄20行目から同第 ト法 14頁右上欄。 11)染料、媒染剤 特開平2-68539 号公報第13頁左下欄1行目から同第 14頁左下欄9行目。同3-24537 号公報第14頁左下欄 から同第16頁右下欄。 12)ポリヒドロキシベン 特開平3-39948 号公報第11頁左上欄から同第12頁左 ゼン類 下欄、EP特許第452772A 号公報。 13)層構成 特開平3-198041号公報。 14) 現像処理方法 特開平2-103037号公報第16頁右上欄7行目から同第 19頁左下欄15行目、及び特開平2-115837号公報第3 頁右下欄5行目から同第6頁右上欄10行目。
【0052】
【実施例】次に実施例を示し本発明をさらに説明する
が、本発明はこれらに限定されない。 実施例1 本発明の{100}AgCl平板乳剤Aの調製 反応容器にゼラチン水溶液1582ml(ゼラチン−1
(メチオニン含率が約40μモル/gの脱イオン化アル
カリ処理骨ゼラチン)19.5g、HNO3 1N液7.
8mlを含み、pH4.3)、NaCl−1液(100ml
中にNaCl 10gを含む)を13ml入れ、温度を4
0℃に保ちながら、Ag−1液(100ml中にAgNO
3 20gを含む)とX−1液(100ml中にNaCl
7.05gを含む)を62.4ml/分で15.6mlずつ
同時混合添加した。3分間攪拌した後、Ag−2液(1
00ml中にAgNO3 2gを含む)とX−2液(100
ml中にKBr 1.4gを含む)を80.6ml/分で2
8.2mlずつ同時混合した。3分間攪拌した後、Ag−
1液とX−1液を62.4ml/分で46.8mlずつ同時
混合添加した。2分間攪拌した後、ゼラチン水溶液20
3ml(酸化処理ゼラチン11.3g、NaCl 1.3
g、pHを5.5に調整するためにNaOH1N液を含
む)を加え、pClを1.8とした後、温度を75℃に
昇温し、pClを1.8とした後10分間熟成した。そ
の後、ジスルフィド化合物Aをハロゲン化銀1モルあた
り1×10-4モル添加し、さらにAgCl微粒子乳剤
(平均粒子直径0.1μm )を2.68×10-2モル/
分のAgClの添加速度で20分添加した。添加後10
分間熟成した後、沈降剤を加え、温度を35℃に下げ、
沈降水洗した。ゼラチン水溶液を加え、60℃でpH
6.0に調節した。
【0053】
【化17】
【0054】該粒子のレプリカの透過型電子顕微鏡写真
像(以下TEMと記す)を観察した。得られた乳剤は、
銀を基準としてAgBrを0.44モル%含む高塩化銀
{100}平板粒子であった。該粒子の形状特性値は下
記のようであった。 (アスペクト比2より大の平板状粒子の全投影面積/全
AgX粒子の投影面積和)×100=a1 =90% (平板状粒子の平均アスペクト比(平均直径/平均厚
さ))=a2 =9.3 (平板状粒子の平均直径)=a3 =1.21μm (平均厚さ)=a4 =0.13μm
【0055】TEM写真を図1に示す。写真中の球状ラ
テックスは、直径0.20μm である。 (111)AgCl平板乳剤Bの調製 塩化銀平板粒子を以下のように調製した。
【0056】
【化18】
【0057】
【0058】35℃に保った溶液(1)に、攪拌しなが
ら溶液(2)と溶液(3)を1分間かけて一定添加速度
で同時に加え、溶液の温度を15分間かけて70℃に上
昇させた。この時点で全銀量の約5.7%に相当する粒
子が形成された。次に、溶液(4)と溶液(5)を24
分間かけて一定添加速度で同時に加え、さらに溶液
(6)液と溶液(7)を40分間かけてpClが1.0
になるよう硝酸銀溶液の添加速度を一定にし、コントロ
ールダブルジェット法にて成長をおこない、塩化銀平板
乳剤が得られた。粒子形成後直ちにチオスルフォン酸化
合物−Iをハロゲン化銀1モルあたり1×10-4モル添
加した。
【0059】
【化19】
【0060】乳剤を沈降法により水洗・脱塩した後ゼラ
チン30gとH2 Oを加え、さらにフェノキシエタノー
ル2.0g及び増粘剤としてポリスチレンスルホン酸ナ
トリウム0.8gを添加し、苛性ソーダでpH6.0に
なるように再分散した。こうして得られた乳剤は、a1
=90%、a3 =1.55μm 、a4 =0.18μm 、
2 =8.6、円相当投影面積径の変動係数19%の
(111)面を主平面とした塩化銀平板乳剤である。
【0061】TEM写真を図2に示す。図中の球状ラテ
ックスは、直径0.50μm である。 {111}AgBr平板乳剤Cの調製 水1リットル中に臭化カリウム6.0g、平均分子量1
万5千の低分子量ゼラチン7.0g、を添加し55℃に
保った容器中へ攪拌しながら硝酸銀水溶液37cc(硝酸
銀4.00g)と臭化カリウム5.9gを含む水溶液3
8ccをダブルジェット法により37秒間で添加した。つ
ぎにゼラチン18.6gを添加した後70℃に昇温して
硝酸銀水溶液89cc(硝酸銀9.80g)を22分間か
けて添加した。ここで25%のアンモニア水溶液7ccを
添加、そのままの温度で10分間物理熟成したのち10
0%酢酸溶液を6.5cc添加した。引き続いて硝酸銀1
53gの水溶液と臭化カリウムの水溶液をpAg8.5
に保ちながらコントロールダブルジェット法で35分か
けて添加した。次に2Nのチオシアン酸カリウム溶液1
5ccを添加した。5分間そのままの温度で物理熟成した
のち35℃に温度を下げた。a1 =95%、平均投影面
積直径a3 =1.50μm 、厚みa4 =0.185μm
、平均アスペクト比a2 =8.1、直径の変動係数1
8.5%の単分散純臭化銀平板状粒子を得た。この後、
沈降法により可溶性塩類を除去した。再び40℃に昇温
してゼラチン30gとフェノキシエタノール2.35g
および増粘剤としてポリスチレンスルホン酸ナトリウム
0.8gを添加し、苛性ソーダと硝酸銀溶液でpH5.
90、pAg8.00に調整した。
【0062】{100}AgBrCl平板乳剤Dの調製 反応容器にゼラチン水溶液1582ml(ゼラチン−1
(メチオニン含率が約40μモル/gの脱イオン化アル
カリ処理骨ゼラチン)19.5g、HNO3 1N液7.
8mlを含み、pH4.3)、NaCl−1液(100ml
中にNaCl 10gを含む)を13ml入れ、温度を4
0℃に保ちながら、Ag−1液(100ml中にAgNO
3 20gを含む)とX−1液(100ml中にNaCl
7.05gを含む)を62.4ml/分で15.6mlずつ
同時混合添加した。3分間攪拌した後、Ag−2液(1
00ml中にAgNO3 2gを含む)とX−2液(100
ml中にKBr 1.4gを含む)を80.6ml/分で2
8.2mlずつ同時混合した。3分間攪拌した後、Ag−
1液とX−1液を62.4ml/分で46.8mlずつ同時
混合添加した。2分間攪拌した後、ゼラチン水溶液20
3ml(ゼラチン11.3g、NaCl 1.3g、pH
を5.5に調整するためにNaOH1N液を含む)を加
え、温度を75℃に昇温し、pClを1.8とした後1
0分間熟成した。この後、Ag−3液(100ml中にA
gNO3 25g)、X−3液(100ml中にKBr8.
55g、NaCl 4.21g)をコントロールダブル
ジェット法でpClを一定にしてAg−3液18.22
cc/分で20分間添加した。添加後10分間熟成した
後、沈降剤を加え、温度を35℃に下げ、沈降水洗し
た。ゼラチン水溶液を加え、60℃でpH6.0に調節
した。該粒子のレプリカの透過型電子顕微鏡写真像(以
下TEMと記す)を観察した。得られた乳剤は、銀を基
準としてAgBrを50モル%含む高塩化銀{100}
平板粒子であった。該粒子の形状特性値は下記のようで
あった。 (アスペクト比1より大の平板状粒子の全投影面積/全
AgX粒子の投影面積和)×100=a1 =90% (平板状粒子の平均アスペクト比(平均直径/平均厚
さ))=a2 =9.3 (平板状粒子の平均直径)=a3 =1.67μm (平均厚さ)=a4 =0.18μm
【0063】TEM写真を図3に示す。図中の球状ラテ
ックスは直径0.50μm である。
【0064】{111}AgBrCl平板乳剤の調整 平板状粒子Cの調整において、pAgを8.5に保ちな
がらコントロールダブルジェット法で成長を行なう際に
臭化カリウム溶液を臭化カリウムと塩化カリウムの混合
溶液とし、アスペクト比、粒子サイズ等の粒子形状が平
板状粒子Cとほど同じになる様にして塩化銀含率が17
%と24%になる(111)面を主平面とする塩臭化銀
平板乳剤E、Fを作製した。このとき成長中にジスルフ
ィド化合物−Bをハロゲン化銀1モルあたり、1×10
-4モル添加した。
【0065】
【化20】
【0066】他の条件は、平板状粒子Cの作製と同一条
件にした。乳剤EのTEM写真を図4に示す。
【0067】図のTEM写真撮影時の傾斜角は15度で
ある。 単分散立方体ハロゲン化銀乳剤Gの調製 水1リットルにゼラチン32gを溶解し、53℃に加温
された容器に臭化カリウム0.3g、塩化ナトリウム5
gおよび化合物〔I〕
【0068】
【化21】
【0069】46mgを入れた後、80gの硝酸銀を含む
水溶液444mlと臭化カリウム45g及び塩化ナトリウ
ム5.5gを含む水溶液452mlをダブルジェット法に
より約20分間かけて添加し、その後80gの硝酸銀を
含む水溶液400mlと臭化カリウム46.4g、塩化ナ
トリウム5.7g及びヘキサクロロイリジウム(III) 酸
カリウム(10-7モル/モル銀)を含む水溶液415ml
とをダブルジェット法により約25分間かけて添加し
て、平均粒子サイズ(投影面積直径)0.34μmの立
方体単分散塩臭化銀粒子(投影面積直径の変動係数10
%)を作製した。
【0070】この乳剤を凝集法により脱塩処理後、ゼラ
チン62g、フェノキシエタノール1.75gを加え、
pH6.5、pAg8.5に合わせた。
【0071】化学増感 以上の如く調製した粒子を攪拌しながら60℃に保った
状態で化学増感を施した。まず、前述のチオスルフォン
酸化合物−1をハロゲン化銀1モルあたり10-4モル添
加し、つぎに直径0.10μm のAgBr微粒子を全銀
量に対して1.0モル%添加し、5分後1%のKI溶液
をハロゲン化銀1モルあたり10-3モル添加しさらに3
分後、二酸化チオ尿素を1×10-6モル/モルAg添加
し、22分間そのまま保持して還元増感を施した。つぎ
に4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テ
トラアザインデンを3×10-4モル/モルAgと増感色
素−I、IIをそれぞれ添加した。さらに塩化カルシウム
を添加した。さらに塩化金酸1×10-5モル/モルAg
およびチオシアン酸カリウム3.0×10-3モル/モル
Agを添加し、引き続きチオ硫酸ナトリウム(6×10
-6モル/モルAg)及びセレン化合物−I(4×10-6
モル/モルAg)を添加した。さらに3分後に核酸
(0.5g/モルAg)を添加した。40分後に水溶性
メルカプト化合物−1を添加し35℃に冷却した。こう
して乳剤の調製(化学熟成)を終了した。
【0072】
【化22】
【0073】塗布試料の調製 ハロゲン化銀1モルあたり下記の薬品を添加して塗布液
とした塗布試料を作製した。 ・ゼラチン(乳剤中のGelも含め) 108g ・トリメチロールプロパン 9g ・デキストラン(平均分子量3.9万) 18.5g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 1.8g ・硬膜剤 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 膨潤率が230%の値になるように添加量を調整
【0074】
【化23】
【0075】表面保護層は各成分が下記の塗布量となる
ように調製準備した。 表面保護層の内容 塗布量 ・ゼラチン 0.900g/m2 ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 0.023g/m2 ・4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7− テトラザインデン 0.015g/m2
【0076】
【化24】
【0077】 ・プロキセル(NaOHでpH7.4に調整) 0.0005g/m2
【0078】
【化25】
【0079】ここで支持体は、以下の様に調整した。
【0080】支持体の調製 (1)下塗層用染料D−1の調製 下記の染料を特開昭63−197943号に記載の方法
でボールミル処理した。
【0081】
【化26】
【0082】水434mlおよび Triton X−200界面
活性剤(TX−200)の6.7%水溶液791mlとを
2リットルのボールミルに入れた。染料20gをこの溶
液に添加した。酸化ジルコニウム(ZrO2)のビーズ4
00ml(2mm径)を添加し内容物を4日間粉砕した。こ
の後、12.5%ゼラチン160gを添加した。脱泡し
たのち、濾過によりZrO2 ビーズを除去した。得られ
た染料分散物を観察したところ、粉砕された染料の粒径
は直径0.05〜1.15μm にかけての広い分野を有
していて、平均粒径は0.37μm であった。さらに、
遠心分離操作をおこなうことで0.9μm 以上の大きさ
の染料粒子を除去した。こうして染料分散物D−1を得
た。 (2)支持体の調製 二軸延伸された厚さ183 μm のポリエチレンテレフタレ
ートフィルム上にコロナ放電処理をおこない、下記の組
成より成る第1下塗液を塗布量が5.1 cc/m2となるよう
にワイヤーバーコーターにより塗布し、175℃にて1
分間乾燥した。次に反対面にも同様にして第1下塗層を
設けた。使用したポリエチレンテレフタレートには下記
構造の染料が0.04wt%含有されているものを用い
た。
【0083】
【化27】
【0084】 ブタジエン−スチレン共重合体ラテックス溶液 (固型分40%ブタジエン/スチレン重量比=31/69) 79cc 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩 4%溶液 20.5cc 蒸留水 900.5cc
【0085】
【化28】
【0086】上記の両面の第1下塗層上に下記の組成か
らなる第2の下塗層を塗布量が下記に記載の量となるよ
うに片側ずつ、両面にワイヤー・バーコーター方式によ
り150℃で塗布・乾燥した。 ・ゼラチン 160mg/m2 ・染料分散物D−1(染料固型分として26mg/m2
【0087】
【化29】
【0088】 ・マット剤 平均粒径2.5μm のポリメチルメタクリレート 2.5mg/m2
【0089】写真材料の調整 準備した支持体上に先の乳剤層と表面保護層を同時押し
出し法により両面に塗布した。片面当りの塗布銀量は
1.40g/m2とした。塗布ゼラチン量と液体窒素によ
る凍結乾燥法によりもとめる膨潤率は乳剤層に添加する
ゼラチンと硬膜剤量とで調整し、190%とした。この
とき表面保護層と乳剤層に表1のごとく本発明の化合物
並びに水溶性ポリマーを添加した。
【0090】
【表1】
【0091】(写真性能の評価)写真材料を富士写真フ
イルム(株)社製のXレイオルソスクリーンHGMを使
用して両側から0.05秒の露光を与えた。露光後、以
下の自動現像機と処理液を用いて感度の評価を行った。
感度はカブリ+0.1の濃度を与えるに要する露光量の
逆数の対数で表わし乳剤Aの感度を100として他を相
対値で表わした。
【0092】(処理) 自動現像機・・富士写真フイルム(株)社製CEPRO
S−30 現像液処方 PartA 水酸化カリウム 18.0g 亜硫酸カリウム 30.0g 炭酸ナトリウム 30.0g ジエチレングリコール 10.0g ジエチレントリアミン五酢酸 2.0g 1−(N,N−ジエチルアミノ)エチル−5−メルカプト テトラゾール 0.1g L−アスコルビン酸 43.2g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−3− ピラゾリドン 2.0g 水を加えて 300ml
【0093】 PartB トリエチレングリコール 45.0g 3,3′−ジチオビスヒドロ桂皮酸 0.2g 氷酢酸 5.0g 5−ニトロインダゾール 0.3g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 3.5g 水を加えて 60ml
【0094】 PartC グルタールアルデヒド(50%) 10.0g 臭化カリウム 4.0g メタ重亜硫酸カリウム 10.0g 水を加えて 50ml PartA300mlとPartB60mlとPartC50mlに水を加
えて1リットルとしてpH10.50に合わせる。Part
A4.50リットル、PartB0.90リットル、PartC
0.75リットルを富士フイルム(株)社製CE−DF
1ボトルに使用液1.5リットル用として充填して使用
した。 現像開始液 前記現像補充液に酢酸を添加してpH=9.80にした
ものを現像開始液とした。
【0095】定着液としては富士写真フイルム(株)社
製CE−F1を使用した。 現像温度………35℃ 定着温度………35℃ 乾燥温度………55℃ 補充量(現像液、定着液ともに)25ml/10×21イ
ンチ(325ml/m2)各試料10×12インチサイズフ
ィルムを600枚ランニング処理を行い良好な性能が得
られた。本発明の感材と現像液の組み合わせはスタート
時とランニング液の感度変化がなく、かつ乾燥性もよ
く、スターチックマークの発生も無く、黒斑点も無く、
良好であることが判った。
【0096】実施例2 還元剤(現像主薬)及び発色カプラー内蔵塗布 (補助現像主薬塗布層の調製) ・補助現像主薬ETA−1(メタノール溶液) ・補助現像主薬ETA−2(固体微粒子分散物) をそれぞれハロゲン化銀1モル当たり1×10-2モル塗
布される様にして塗布した。この様なゼラチン塗布量が
0.5g/m2となる様にした。
【0097】
【化30】
【0098】(乳剤塗布層の調製)化学増感を施した乳
剤に対してハロゲン化銀1モル当たり下記の薬品と表2
の乳化物を添加して乳剤塗布液とした。 ・ゼラチン(乳剤中のゼラチンも含めて) 111g ・デキストラン(平均分子量3.9万) 21.5g ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 5.1g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 1.2g ・硬膜剤 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 膨潤率が230%の値になるように添加量を調整 ・化合物−I 42.1mg ・化合物−II 10.3g ・化合物−III 0.11g ・化合物−IV 8.5mg ・化合物−V 0.43g ・化合物−VI 0.004g ・化合物−VII 0.1g ・化合物−VIII 0.1g ・水溶性ポリマーP−3(本発明) 0.25g NaOHでpH6.1に調整
【0099】
【化31】
【0100】
【化32】
【0101】上記塗布液に対し、紫外線吸収染料−I〜
III が各々片面当たり5mg/m2となるように染料乳化物
Sを添加した試料を作成した。
【0102】
【化33】
【0103】(染料乳化物Sの調製)上記染料−I〜II
I を各々20gおよび下記高沸点有機溶媒−Iを62.
8g、−IIを62.8g及び酢酸エチル333gを60
℃で溶解した。つぎにドデシルスルホン酸ナトリウムの
5%水溶液65ccとゼラチン94g、水581ccを添加
し、ディゾルバーにて60℃、30分間乳化分散した。
つぎに下記化合物−VIを2gおよび水6リットルを加
え、40℃に降温した。つぎに旭化成製限外濾過ラボモ
ジュールACP1050を用いて、全量が2kgとなるま
で濃縮し、前記化合物−VIを1g加えて染料乳化物Sと
した。
【0104】
【化34】
【0105】発色用カプラーと発色用還元剤を表2の様
に酢酸エチル73ccおよび溶媒Solv-1 52gに溶解
し、この溶液を10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウムおよびクエン酸を含む12%ゼラチン水溶液42
0ccに乳化分散させて表2のごとき乳化物を作成した。
【0106】
【化35】
【0107】
【表2】
【0108】(表面保護層塗布液の調製)表面保護層塗
布液を、各成分が下記の塗布量となるように調製した。 ・ゼラチン 0.780g/m2 ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 0.035 〃 ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万)0.0012〃 ・ポリメチルメタクリレート(平均粒径3.7μm ) 0.072 〃 ・塗布助剤−I 0.020 〃 ・塗布助剤−II(本発明の化合物) 0.037 〃 ・塗布助剤−III 0.0080〃 ・塗布助剤−IV 0.0032〃 ・塗布助剤−V 0.0025〃 ・化合物−VII 0.0022〃 ・プロキセル 0.0010〃 (NaOHでpH6.8に調整)
【0109】
【化36】
【0110】(支持体の調製) (1)下塗層用染料分散物Bの調製 下記の染料−IIを特開昭63−197943号に記載の
方法でボールミル処理した。
【0111】
【化37】
【0112】水434ccおよび Triton X200(登録商
標)界面活性剤(TX−200(登録商標)の6.7%
水溶液791ccとを2リットルのボールミルに入れた。
染料20gをこの溶液に添加した。酸化ジルコニウム
(ZrO2)のビーズ400ml(2mm径)を添加し、内容
物を4日間粉砕した。この後、12.5%ゼラチン16
0gを添加した。脱泡した後、濾過によりZrO2 ビー
ズを除去した。得られた染料分散物を観察したところ、
粉砕された染料の粒径0.05〜1.15μm にかけて
の広い分野を有していて、平均粒径は0.37μm であ
った。さらに、遠心分離操作を行うことで0.9μm 以
上の大きさの染料粒子を除去した。こうして染料分散物
Bを得た。
【0113】(2)支持体の調製 二軸延伸された厚さ175μm のポリエチレンテレフタ
レートフィルム上にコロナ放電を行い、下記の組成より
成る第1下塗液を塗布量が4.9cc/m2と成るようにワ
イヤーコンバーターにより塗布し、185℃にて1分間
乾燥した。つぎに反対面にも同様にして第1下塗層を設
けた。使用したポリエチレンテレフタレートには染料−
IVが0.06wt%、染料−Vが0.06wt%含有さ
れているものを用いた。
【0114】
【化38】
【0115】 ・ブタジエン−スチレン共重合体ラテックス溶液 (固型分40%ブタジエン/スチレン重量比=31/69) 158cc ・2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩 4%溶液 41cc ・蒸留水 801cc ※ラテックス溶液中には、乳化分散剤として下記化合物をラテックス固形分に 対し0.4wt%含有
【0116】
【化39】
【0117】(3)下塗層の塗布 上記の両面の第1下塗層上に下記の組成からなる第2の
下塗層を塗布量が下記に記載の量となるように片側ず
つ、両面にワイヤー・バーコーダー方式により塗布し、
155℃で乾燥した。 ・ゼラチン 80mg/m2 ・染料分散物B(染料固型分として) 8mg/m2 ・塗布助剤−VI 1.8mg/m2 ・化合物−VIII 0.27mg/m2 ・マット剤 平均粒径2.5μm のポリメチルメタクリレート 2.5mg/m2
【0118】
【化40】
【0119】(写真材料の調製)前述のごとく準備した
支持体上に先の補助現像主薬層と乳剤層と表面保護層と
を組み合わせ同時押し出し法により両面に塗布した。片
面当りの塗布銀量は0.80g/m2とした。この様にし
て表3の様に試料を作製した。
【0120】
【表3】
【0121】(写真性能の評価)富士写真フイルム
(株)製のHR−4スクリーンを使用して、両側に密着
させ、両面から0.05秒の露光を与え、X線センシト
メトリーをおこなった。露光量の調整は、X線管球とカ
ッセテとの距離を変化させることにより行った。露光
後、下記現像液と定着液にて自動現像機処理を行った。
【0122】(処理) 自動現像機・・富士写真フイルム(株)社製CEPRO
S−30を改造して定着層と水洗層の間にリンス層を作
製した。
【0123】 現像液−1 タンク液 補充液 水 800ml 800ml リン酸三カリウム 30g 39g 5−ニトロベンゾトリアゾール 0.1g 0.25g ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナートエチル) ヒドロキシルアミン 3.3g 6.6g 塩化カリウム 10g − ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 (30%溶液) 4ml 4ml 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル −3−ピラゾリドン 1.5g 1.5g 水を加えて1リットル pH12.0 pH12.20
【0124】現像液−2(アルカリ活性化液) 上記現像液から補助現像主薬(1−フェニル−4−メチ
ル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン)を除い
た液を用いた。
【0125】 <定着液>(タンク液、補充液に同じ) チオ硫酸アンモニウム(70wt%/vol %) 3000ml エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム・二水塩 0.45g 亜硫酸ナトリウム 225g ホウ酸 60g 1−(N,N−ジエチルアミン)−エチル−5−メルカプト テトラゾール 15g 酒石酸 48g 氷酢酸 675g 水酸化ナトリウム 225g 硫酸(36N) 58.5g 硫酸アルミニウム 150g 水を加えて 6000ml pH 4.68
【0126】 (リンス液) K3 CO3 30g テトラブチアンモニウム・ブロマイド 8g 酢酸 6.8g 水を加えて 1リットル pH 10.00 水洗槽には水道水を満たした。
【0127】また、水あか防止剤として、放線菌を平均
粒径100μm 、平均孔径3μm のパーライトに担持さ
せたもの0.4gをポリエチレン製のビン(ビン開口部
を300メッシュのナイロン布で覆い、この布より水お
よび菌の流通が可能)に充填したものを3個用意し、そ
のちうの2個を水洗槽の底部に、1個を水洗水のストッ
クタンク(液量0.2リットル)の底部にそれぞれ沈め
た。 処理スピード及び処理温度 現 像 40℃ 10秒 定 着 30℃ 7.7秒 リンス 17℃ 5.0秒 水 洗 17℃ 5.0秒 スクイズ 3.3秒 乾 燥 58℃ 9.0秒 トータル 40秒 補充量 現像液 12ml/10×12インチ 定着液 12ml/10×12インチ センシトメトリーの評価において本発明の感材は、写真
性能、乾燥性等に良好な結果を示した。
【0128】実施例3 白黒現像主薬内蔵感材 実施例2とまったく同様にして、ただし発色用カプラー
と発色用還元剤の代わりに、下記現像主薬分散物Dを塗
布して塗布試料を作成した。現像主薬化合物の塗布量
は、銀1モルあたり0.5モルとした。
【0129】(現像主薬分散物Dの調製)現像主薬化合
物−1 3.1gをトリクレジルホスフェート4.8
g、ジブチルフタレート2gおよび酢酸エチル20ccに
溶解させ、ゼラチン水溶液85gと65℃で混合し、ホ
モジナイザーで高速攪拌した。高速攪拌終了後、エバポ
レーターを用いて60℃で減圧処理し、酢酸エチルを9
0wt%除去した。これにより平均粒径0.2μm の現像
主薬分散物D2 を得た。
【0130】
【化41】
【0131】(写真材料の評価)写真材料を25℃、6
0%RHの温湿度に保って7日間放置後、目的の試験に
供した。Du Pont 社製のウルトラビジョンファーストデ
ィテール(UV)を使用して、両側に密着させ、両側から
0.05秒の露光を与え、X線センシトメトリーをおこ
なった。露光量の調整は、X線管球とカセッテとの距離
を変化させることにより行った。露光後、下記現像液と
定着液にて自動現像機処理を行った。
【0132】<現像処理> 自動現像機……富士写真フイルム(株)社製CEPRO
S−30の現像槽に、下記現像液1を用い、定着槽には
下記定着液を用いて処理を行なった。 <現像液1> 水酸化カリウム 18g 亜硫酸ナトリウム 35g ジエチレントリアミン五酢酸 1g ホウ酸 9g 5−メチルベンツトリアゾール 0.05g 臭化カリウム 0.25g 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3− ピラゾリドン 1.3g 水を加えて 1リットル 水酸化ナトリウムでpH=10.20に調整する。
【0133】 <定着液> チオ硫酸アンモニウム(70wt%/vol %) 3000ml エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム・二水塩 0.45g 亜硫酸ナトリウム 225g ホウ酸 60g 1−(N,N−ジエチルアミン)−エチル−5−メルカプト テトラゾール 15g 酒石酸 48g 氷酢酸 675g 水酸化ナトリウム 225g 硫酸(36N) 58.5g 硫酸アルミニウム 150g 水を加えて 6000ml pH 4.68
【0134】水洗槽には水道水を満たした。
【0135】また、水あか防止剤として、放線菌を平均
粒径100μm 、平均孔径3μm のパーライトに担持さ
せたもの0.4gをポリエチレン製のビン(ビン開口部
を300メッシュのナイロン布で覆い、この布より水お
よび菌の流通が可能)に充填したものを3個用意し、そ
のうちの2個を水洗槽の底部に、1個を水洗水のストッ
クタンク(液量0.2リットル)の底部にそれぞれ沈め
た。 処理スピード及び処理温度 現 像 35℃ 8.8秒 定 着 32℃ 7.7秒 水 洗 17℃ 3.8秒 スクイズ 4.4秒 乾 燥 58℃ 5.3秒 トータル 30秒 補充量 現像液 8ml/10×12インチ 定着液 8ml/10×12インチ センシトメトリーの評価において本発明の感材は、良好
な結果を示した。
【0136】(写真性能の評価2)写真材料を富士写真
フイルム(株)社製のXレイオルソスクリーンHR−4
を使用して両側から0.05秒の露光を与えた。露光
後、以下の処理液を用いて感度の評価を行なった。感度
はカブリ+0.1の濃度を与えるに要する露光量の逆数
の対数で表わし、乳剤Cの感度を100として他を相対
値で表わした。自動現像機は、実施例1と同様のものを
用いた。このXレイスクリーンは、蛍光体がGd2O2S:Tb
から成り、546nm付近に発光の最大ピーク波長があ
る。
【0137】 <現像液2> 水酸化カリウム 18g 亜硫酸ナトリウム 35g ジエチレントリアミン五酢酸 1g ホウ酸 9g ハイドロキノン 24g 5−メチルベンツトリアゾール 0.05g 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3− ピラゾリドン 1.3g 臭化カリウム 0.25g ジエチレングリコール 10g 5−ニトロインダゾール 0.13g トリエチレングリコール 7g グルタールアルデヒド(50%) 6.5g 水を加えて 1リットル 水酸化ナトリウムでpH=10.20に調整する。
【0138】本発明の写真材料は、現像主薬のない低公
害化した現像液2でも写真感度を有しており、本発明が
有効であることがわかる。
【0139】〔自動現像機処理2〕自動現像機は富士写
真フイルム(株)製の「富士XレイプロセサーCEPR
OS−S」を使用した。乾燥吹出温度は55℃に設定し
た。 現像液処方 PartA 水酸化カリウム 18.0g 亜硫酸カリウム 30.0g 炭酸ナトリウム 30.0g ジエチレングリコール 10.0g ジエチレントリアミン五酢酸 2.0g 1−(N,N−ジエチルアミノ)エチル−5−メルカプト テトラゾール 0.1g L−アスコルビン酸 43.2g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−3− ピラゾリドン 2.0g 水を加えて 300ml
【0140】 PartB トリエチレングリコール 45.0g 3,3′−ジチオビスヒドロ桂皮酸 0.2g 氷酢酸 5.0g 5−ニトロインダゾール 0.3g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 3.5g 水を加えて 60ml
【0141】 PartC グルタールアルデヒド(50%) 10.0g 臭化カリウム 4.0g メタ重亜硫酸カリウム 10.0g 水を加えて 50ml PartA300mlとPartB60mlとPartC50mlに水を加
えて1リットルとしてpH10.90に合わせる。Part
A4.50リットル、PartB0.90リットル、PartC
0.75リットルを富士フイルム(株)社製CE−DF
1ボトルに使用液1.5リットル用として充填して使用
した。 現像開始液 前記現像補充液に酢酸を添加してpH=9.5にしたも
のを現像開始液とした。
【0142】定着液としては富士写真フイルム(株)社
製CE−F1を使用した。 現像温度………35℃ 定着温度………35℃ 乾燥温度………55℃ 補充量(現像液、定着液ともに)10ml/10×21イ
ンチ(130ml/m2)各試料10×12インチサイズフ
ィルムを600枚ランニング処理を行い良好な性能が得
られた。本発明の感材はスタート時とランニング液の感
度変化がなく、かつ充分な乾燥速度を有し良好であるこ
とが判った。
【0143】実施例4 実施例1〜3の本発明塗布試料において表面保護層に添
加した本発明のポリエチレンオキサイド化合物を同量の
塗布量になる様に乳剤層に添加し、又、乳剤層に添加し
た水溶性ポリマー化合物を同量の塗布量になる様に保護
層に添加する以外は、まったく同様にして塗布試料を作
成し、実施例1〜3とまったく同様の評価を行なったと
ころ、実施例1〜3の本発明試料同様の良好な性能を示
した。
【0144】
【発明の効果】本発明によれば、スタート時とランニン
グ液で感度変化がなく、乾燥性も良く、スターチックマ
ークの発生もなく、黒斑点もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】{100}AgCl平板乳剤Aの透過型電子顕
微鏡写真である。
【図2】{111}AgCl平板乳剤Bの透過型電子顕
微鏡写真である。
【図3】{100}AgBrCl平板乳剤Dの透過型電
子顕微鏡写真である。
【図4】{111}AgBrCl平板乳剤Eの透過型電
子顕微鏡写真である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、全投影面積の少なくとも5
    0%が、アスペクト比2以上の平板状ハロゲン化銀粒子
    であり、かつ該平板状ハロゲン化銀粒子が、Cl含有率
    20モル%以上であるハロゲン化銀乳剤と水溶性ポリマ
    ーを含むことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 下記一般式〔I−1〕、〔I−2〕及び
    〔I−3〕で表わされる化合物のいずれか1種を含むこ
    とを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀写真感光
    材料。 【化1】 【化2】 【化3】 式中、R1 は炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル
    基又はアリール基を表わし、Aは−O−基、−S−基、
    −COO−基、−N(R10)−基、−CO−N(R10
    −基又は−SO2 N(R10)−基(ここでR10は、水素
    原子又はアルキル基を示す。)を表わす。R2 、R3
    7 及びR9 はそれぞれ水素原子、アルキル基、アリー
    ル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシル
    アミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基又はスル
    ファモイル基を表わす。R6 及びR8 は、それぞれアル
    キル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ア
    シル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモ
    イル基又はスルファモイル基を表わす。尚、一般式〔I
    −3〕でフェニル環の置換基は左右非対称でもよい。R
    4 及びR5 は、それぞれ水素原子、アルキル基又はアリ
    ール基を表わす。R4 とR5 、R6 とR7 及びR8 とR
    9 は互いに連結して環を形成してもよい。n1 、n2
    3 及びn4 は酸化エチレンの平均重合度であって2〜
    50の数を表わす。mは平均重合度であって、2〜50
    の数を表わす。
  3. 【請求項3】 該平板状ハロゲン化銀粒子が、{10
    0}面を主平面とする請求項1又は2に記載のハロゲン
    化銀写真感光材料。
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