JPH0980304A - 対物レンズ - Google Patents
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Abstract
で、画角が80°以上の広角で諸収差が良好に補正され
た広い画角の対物レンズを提供することにある。 【構成】 本発明の対物レンズは、負の第1レンズと
正の第2レンズとからなり、少なくとも一つのレンズを
半径方向に屈折率分布を持つラジアル型屈折率分布レン
ズとして上記目的を達成するようにした。
Description
分布レンズを用いた対物レンズに関するものである。
られる比較的広画角で、高性能なレンズ系の従来例とし
て例えば図43に示す特公昭60−46410号公報に
記載されたようなレンズ系が多く知られている。この図
43に示す従来例は、物体側より順に負の屈折力を持つ
前群と、絞りと、正の屈折力を持つ後群で構成された、
いわゆるレトロフォーカスタイプのレンズ系である。こ
のレンズ系において、前群は画角を広くするとともに、
レンズ全系のペッツバール和を小さくし像面湾曲を補正
する作用を持ち、又後群は3枚の正レンズと1枚の接合
レンズを用いて各レンズにパワーを分散することによっ
て球面収差やコマ収差の発生を押え、また接合レンズを
用いることにより特に広画角なレンズ系で問題になる倍
率の色収差を補正している。しかし、この従来例は諸収
差を良好に補正しているもののレンズ枚数が6枚と多い
ため製作性が悪くコストが高くなる点で問題がある。
て少ない枚数で、製作性に優れたレトロフォーカスタイ
プの内視鏡対物レンズの実現が望まれている。しかし、
例えば均質球面レンズ2枚で諸収差を良好に補正し高性
能なレンズ系を達成することは困難である。
航空機のエンジン内部、配管内部等の暗部を観察、撮影
するのに用いることが多いため、多くは観察部を照明す
る機構を備えている。このことに加え、被写界深度を深
くするため、一般に内視鏡対物レンズのNAはさほど大
きくない。このため軸上の収差はあまり問題にならず、
むしろ、画角が広く、図43に示すような負、正の非対
称な構成をとるために軸外収差の補正が困難である。特
に対物レンズを負レンズと正レンズの2枚で構成しよう
とすると、前記従来例の特公昭60−46410号公報
に記載されている対物レンズのように接合レンズを用い
ることができないため、倍率の色収差の補正が難しく、
軸外の結像性能が著しく悪化してしまい、均質レンズ2
枚では軸外収差を良好に補正して軸外の結像性能を良く
することは困難である。
差の補正に優れた特徴を持つラジアル型屈折率分布レン
ズを用いることが考えられる。ラジアル型屈折率分布レ
ンズを用いて、2枚のレンズにて構成した内視鏡対物レ
ンズの従来例として、特公昭52−29238号公報に
記載されているレンズ系が知られている。しかし、この
従来例は画角が約72°と狭く内視鏡対物レンズとして
は不十分である。
ンズ系を達成した対物レンズの従来例として、例えば特
開平5−107471号公報に記載されているレンズ系
が知られている。しかし、この例ではラジアル型屈折率
分布レンズを用いているにもかかわらず、ラジアル型屈
折率分布レンズの色収差補正能力を効果的に利用してお
らず、特に、広い画角のレンズ系で問題となる倍率の色
収差が十分に補正されていない。
2枚程度、画角が80°以上で諸収差が良好に補正され
た広い画角の対物レンズを提供するものである。
物体側より順に、負の屈折力を持つ第1レンズと正の屈
折力を持つ第2レンズからなり、少なくとも前記第1レ
ンズが光軸から半径方向に屈折率分布を持つ以下の式
(a)で表わされるラジアル型屈折率分布レンズであ
り、下記の条件(1)、条件(2)を満足することを特
徴としている。
rの点での屈折率、Ni0は2i次の屈折率分布係数、V
i0はラジアル型屈折率分布レンズの分散を表し下記の式
(b)、(c)で与えられる値、φ1mは第1レンズに用
いたラジアル型屈折率分布レンズの媒質の屈折力、φは
レンズ全系の屈折力である。
(i=0) (c) Vi0=Ni0d /(Ni0F −Ni0C ) (i=
1,2,3・・) ここで、N00d ,NooF ,N00C はそれぞれd線,F
線,C線の光軸上の屈折率、Ni0d ,NioF ,Ni0C は
それぞれd線,F線,C線の2i次の屈折率分布係数で
ある。
の広い対物レンズは、画角を広くするために物体側より
順に負レンズ群と正レンズ群とで構成したいわゆるレト
ロフォーカスタイプとすることが望ましい。
に挿入して内部の状態の観察等を行うため、対物レンズ
のレンズ径は小さいことが望まれる。そこで、本発明の
レンズ系を内視鏡対物レンズとして用いる場合は、レン
ズの径を小さくするため、絞りを負レンズ群と正レンズ
群との間に配置することが望ましい。この様な構成にす
れば、第1レンズ群、あるいは第2レンズ群を通る軸外
光束の光線高を低くし、レンズの径を小さくすることが
可能である。しかし、絞りを挟んで正レンズ群、負レン
ズ群の非対称な構成とすると、レンズ全系で軸外収差の
発生量が大きくなる傾向になり、特に倍率の色収差を良
好に補正することが困難になる。そこで、これを良好に
補正するには均質レンズに比べ色収差の補正に優れた特
徴を持つ、ラジアル型屈折率分布レンズを用いることが
望ましい。
肉における倍率の色収差LTCは下記の式(d)で表わ
されることが知られている。
し、Kは軸外光線の光線高および最終近軸光線角度に依
存する定数、φ s ,φm はそれぞれラジアル型屈折率分布レンズの面と
媒質の屈折力であり、媒質の屈折力は下記式(e)で近
似されることが知られている。
である。
2項のV10を変化させることにより色収差の発生量を所
望の値にすることが可能である。
デルの様に絞りSを挟んで物体側より順に負レンズ群L
1と正レンズ群L2の非対称な構成となっているため、軸
上光線RAとは異なり、軸外からの光線ROはいずれの
レンズにおいても入射光束を同じ方向(図では下側)に
屈折させる。このため、レンズ全系で発生する倍率の色
収差は非常に大きな値となり、本発明のレンズ系を物体
側より順に負レンズ、正レンズの均質レンズ2枚で構成
することは困難である。
屈折率分布レンズを用いて倍率の色収差を良好に補正す
るには、ラジアル型屈折率分布レンズを負の第1レンズ
に用いる場合と正の第2レンズに用いる場合とが考えら
れる。
にラジアル型屈折率分布レンズを用いる場合を説明す
る。
収差を同じ屈折力の均質レンズよりも小さくするには、
式(d)より、下記の式に示す関係を満足する必要があ
る。
のアッベ数はラジアル型屈折率分布レンズの光軸上のア
ッベ数V00と等しいと仮定している。
レンズと均質レンズを比較しているので、下記の式のよ
うになる。
倍率の色収差を良好に補正するには条件(1)を満足す
るラジアル型屈折率分布レンズを負の屈折力を持つ第1
レンズに用いることが望ましい。この条件(1)は、同
じ屈折力の均質レンズに比較してラジアル型屈折率分布
レンズで発生する色収差を小さくするための必要条件で
ある。もし、条件(1)を満足しないと、同じ屈折力の
均質レンズに比較して倍率の色収差を良好に補正するこ
とができなくなる。
て倍率の色収差を補正する場合、式(d)より明らかな
ように、V10の値に加えて面と媒質の屈折力を十分に考
慮する必要がある。本発明のレンズ系で第1レンズで発
生する倍率の色収差を小さくすることを考えると、式
(d)より、下記の式を満足することが望ましい。
m )を上記の式に代入し展開すると下記の式が導出でき
る。
数V00は通常30〜80程度の値を持ち、第1レンズが
負の屈折力を持つことから、色収差を補正するための必
要条件(1)より、下記の式のようになる。
ことがわかる。このことに加え、レンズ全系で倍率の色
収差を良好に補正することを考えると、本発明のレンズ
系の第1レンズにラジアル型屈折率分布レンズを用いる
場合、媒質の屈折力φ1mは前記の条件(2)を満足する
ことが望ましい。
力が条件(2)を満足すれば、レンズ全系で倍率の色収
差を良好に補正することが可能である。もし、条件
(2)の上限値の−0.02を越えてしまうとラジアル
型屈折率分布レンズの媒質の屈折力が弱くなり、レンズ
全系で倍率の色収差を良好に補正することが困難になる
ため好ましくない。また、下限値の−0.5を超えてし
まうと、媒質の屈折力が大きくなりすぎ、倍率の色収差
が補正過剰となるため好ましくない。
を持つ第1レンズと正の屈折力を持つ第2レンズからな
り、正の屈折力の第2レンズにラジアル型屈折率分布レ
ンズを用いた対物レンズで、前記第2レンズであるラジ
アル型屈折率分布レンズが前記の式(a)で表わされ前
記の条件(1)および下記の条件(3)を満足するもの
である。
質の屈折力、φはレンズ全体の屈折力である。
系で発生する倍率の色収差は非常に大きな値となってお
り、例えば、物体側より順に負レンズと正レンズの均質
レンズ2枚で構成することは困難である。そこで、これ
を解決するために正の第2レンズにラジアル型屈折率分
布レンズを用いて倍率の色収差を良好に補正する場合、
前述のように、条件(1)を満足することが望ましい。
ンズに比べてラジアル型屈折率分布レンズで発生する色
収差を小さくするための必要条件となる。
折力を持つ均質レンズと比較して倍率の色収差を良好に
補正することができなくなる。
て倍率の色収差を補正する場合、前述のように、V10の
値に加えて面と媒質の屈折力を考慮する必要がある。本
発明のレンズ系で第2レンズで発生する倍率の色収差を
小さくすることを考えると、前述の第1レンズにラジア
ル型屈折率分布レンズを用いた場合と同様、式(d)よ
り、下記の式が導出できる。
は正の値を持つことが望ましい。さらに、レンズ全系で
の倍率の色収差を良好に補正することを考えると、第2
レンズ群にラジアル型屈折率分布レンズを用いる場合、
媒質の屈折力φ2mは前記の条件(3)を満足することが
望ましい。
力が条件(3)を満足すれば、レンズ全体で倍率の色収
差を良好に補正することが可能である。
えてしまうとラジアル型屈折率分布レンズの媒質の屈折
力が弱くなり、レンズ全体で倍率の色収差を良好に補正
することが困難になり好ましくない。また、上限値の
1.0を超えてしまうと、媒質の屈折力が大きくなりす
ぎ、倍率の色収差が補正過剰となるため好ましくない。
加えて、これ以外の収差をも良好に補正するための条件
である。
ズ全系で正のペッツバール和が発生し、像面が物体側に
倒れてくる傾向にある。そこで、これを良好に補正する
には正のペッツバール和が大きい第2レンズにラジアル
型屈折率分布レンズを用いてこれを良好に補正すること
が望ましい。
ッツバール和PTZは下記の式(f)で表される。
るため、同じ屈折力の均質レンズと比較してペッツバー
ル和を小さくすることが可能である。
バール和を小さくすることを考えると、式(f)より、
下記の式を満足することが望ましい。
m )を上記の式に代入し展開すると下記の式が導出でき
る。
N00は通常1以上で1.45〜1.85程度の値を持つ
ことから、正の屈折力の第2レンズにラジアル型屈折率
分布レンズを用いる場合、ペッツバール和を良好に補正
するには媒質の屈折力は正の値を持つことが望ましい。
もし、媒質で負の屈折力を持つラジアル型屈折率分布レ
ンズを第2レンズに用いると、正のペッツバール和がさ
らに大きくなり像面が物体側に倒れてくるため好ましく
ない。
バール和の補正を考えると、式(f)より媒質の屈折力
はある程度大きいことが好ましく、媒質の屈折力φ2mは
条件(3)を満足することが望ましい。
力が条件(3)を満足すれば、レンズ全系でペッツバー
ル和を良好に補正することが可能である。もし、条件
(3)の下限値の0.05を超えると、媒質の屈折力が
弱くなり、レンズ全系でペッツバール和を良好に補正す
ることが困難になる。また、上限値の1.0を超える
と、媒質の屈折力が大きくなりすぎ、ペッツバール和が
補正過剰となり像面が物体側から遠ざかる方向に倒れて
くるため好ましくない。
のレンズ系(第2の構成のレンズ系)において、倍率の
色収差と同時にペッツバール和をも良好に補正するため
の条件である。
CCD等の固体撮像素子を配置するか又は光ファイバー
束からなるいわゆるイメージガイドの端面を像面位置に
配置して用いることが多い。一般に、銀塩写真フィルム
等を用いる場合と異なり、固体撮像素子やイメージガイ
ドを用いる場合は、集光効率を良くするため像面への入
射光はできるだけテレセントリックに近いことが望まれ
る。本発明のレンズ系においてもこれを満足させるため
に正の屈折力の第2レンズは、物体側の面と比較して像
側の面に強い正の屈折力を持たせる様な構成になる。し
かし、画角が広い本発明のレンズ系において軸外光線の
光線高が比較的高い第2レンズの像側の面の正の屈折力
を強めると、この面で発生するコマ収差が大になり、均
質球面レンズでは良好に補正することが困難である。
用いたラジアル型屈折率分布レンズによりコマ収差を良
好に補正することを考えた。この収差補正のためには、
ラジアル型屈折率分布レンズが、光軸から周辺に行くに
従って屈折率が順次小さくなる様な屈折率分布をもつこ
とが望ましい。この様な屈折率分布を持てば、第2レン
ズ群の像側の面でのコマ収差の発生量を小さくすること
が可能になる。このことから、条件(3)は倍率の色収
差を良好に補正することに加えて、コマ収差を良好に補
正するための条件をも兼ねている。条件(3)を満足す
ればラジアル型屈折率分布レンズの屈折率分布は、光軸
から周辺に行くに従い屈折率が順次小さくなり、コマ収
差を良好に補正することが可能になる。もし、条件
(3)の下限値の0.05を超えてしまうとラジアル型
屈折率分布レンズによりコマ収差を良好に補正すること
が困難となる。また、上限値の1.0を超えてしまうと
コマ収差が補正過剰となるため好ましくない。
物体側より順に負、正の非対称な構成であるため、樽型
のディストーションが大きく発生する傾向にあり、均質
球面レンズ2枚でこれを良好に補正することは困難であ
る。本発明のレンズ系において樽型のディストーション
を良好に補正するためには、光軸から周辺に行くに従っ
て屈折率が順次小さくなるような分布を持つラジアル型
屈折率分布レンズを正の屈折力の第2レンズに用いるこ
とが望ましい。この様な屈折率分布を持てば、第2レン
ズで発生するディストーションを小さくすることが可能
になる。このことから、条件(3)は倍率の色収差を良
好に補正することに加えて、ディストーションをも良好
に補正するための条件をも兼ねている。条件(3)を満
足すれば屈折率が光軸から周辺にいくに従い順次小さく
なり、ディストーションを良好に補正することが可能で
ある。もし、条件(3)の下限値の0.05を超えてし
まうとラジアル型屈折率分布レンズによりディストーシ
ョンを良好に補正することが困難となる。また、上限値
の1.0を超えてしまうと前述のディストーション以外
の収差が補正過剰になるため好ましくない。
順に、負の屈折力を持つ第1レンズと正の屈折力を持つ
第2レンズからなり、少なくとも1枚のレンズが光軸か
ら半径方向に屈折率分布を持つ式(a)で表されるラジ
アル型屈折率分布レンズであり、このラジアル型屈折率
分布レンズも含めて、レンズ系を構成するレンズの少な
くとも1枚の少なくとも1面が非球面形状であり、この
非球面形状が光軸から周辺に行くに従って非球面を用い
たレンズの屈折力を小さくするような形状であることを
特徴とする対物レンズである。
え、物体側より順に負レンズと正レンズの非対称な構成
となっているため、倍率の色収差に加え特に樽型のディ
ストーションが大きく発生する傾向がある。前述の様に
本発明のレンズ系の第2レンズにラジアル型屈折率分布
レンズを用いることによりディストーションをある程度
補正することが出来るが、これをさらに良好に補正する
ためには、本発明のレンズ系の少なくとも1枚のレンズ
の少なくとも1面を非球面とし、この非球面の形状を光
軸から周辺に行くに従い非球面を用いたレンズの屈折力
が弱くなるような形状にすることが望ましい。本発明の
レンズ系は、負の屈折力の第1レンズおよび正の屈折力
の第2レンズのいずれにおいても樽型のディストーショ
ンが発生する。そこでレンズ系に非球面を用いる場合
は、いずれのレンズに用いる場合も、非球面形状を光軸
から周辺に行くに従って非球面を用いたレンズの屈折力
が小さくなるような形状とすることが望ましい。例え
ば、第2レンズにラジアル型屈折率分布レンズが用いら
れている場合、非球面を負の屈折力の第1レンズに用
い、その形状を光軸から周辺に行くに従って負の屈折力
が弱くなるような非球面にすることが望ましい。前述の
ように、第2レンズにラジアル型屈折率分布レンズを用
いて第2レンズで発生するディストーションをある程度
補正することが可能であるが、第1レンズに非球面を適
用すればさらに良好にディストーションを補正すること
が可能である。
レンズが用いられている場合は、非球面を正の屈折力の
第2レンズに用いその形状を光軸から周辺に行くに従っ
て正の屈折力が弱くなるような非球面にすることが望ま
しい。
に従い非球面を用いた群の屈折力を強くするような形状
とすると、レンズ全系で発生する樽型のディストーショ
ンをさらに大きくすることになるため好ましくない。
面とすることによっても前述とほぼ同様の効果を得るこ
とが出来ることは言うまでもない。
において、倍率の色収差を良好に補正するにはラジアル
型屈折率分布レンズが条件(1)を満足することが望ま
しい。もし、条件(1)を満足しないと本発明のレンズ
系で発生する倍率の色収差がさらに大になるため好まし
くない。
ズと正レンズの2枚のレンズで構成する場合、両レンズ
にラジアル型屈折率分布レンズを用いれば、倍率の色収
差をさらに良好に補正できることは言うまでもない。
の2枚のレンズで構成する場合、両レンズ共に非球面を
用いれば、ディストーションをさらに良好に補正できる
ことは言うまでもない。
順に負の屈折力の第1レンズ群と正の屈折力の第2レン
ズ群よりなり、第2レンズ群中に少なくとも1枚、光軸
から半径方向に屈折率分布を持つ式(a)で表されるラ
ジアル型屈折率分布レンズを用い、このラジアル型屈折
率分布レンズが光軸から周辺にいくに従い順次屈折率が
小さくなるような屈折率分布を持ち、ラジアル型屈折率
分布レンズの面形状が正レンズの形状であり、条件
(1)を満足することを特徴とする対物レンズである。
ズを用いる場合、前述のように、倍率の色収差の補正
上、条件(1)を満足することが望ましく、また、ペッ
ツバール和あるいはコマ収差あるいはディストーション
の補正上、光軸から周辺にいくに従い順次屈折率が小さ
くなるような屈折率分布を持つことが望ましい。また、
諸収差の補正に加えて、さらに、ラジアル型屈折率分布
レンズの製作性をも考慮すると、ラジアル型屈折率分布
レンズの面形状は正レンズの形状であることが望まし
い。
レンズ群は強い正の屈折力を持つ必要がある。そのため
ラジアル型屈折率分布レンズを第2レンズ群に用いる場
合、ラジアル型屈折率分布レンズも強い正の屈折力を持
つことが望ましい。しかし、ラジアル型屈折率分布レン
ズの媒質で極端に強い正の屈折力を持たせることは次の
理由で好ましくない。式(e)より明らかなように、ラ
ジアル型屈折率分布レンズの媒質の屈折力を強くするた
めには2次の屈折率分布係数N10の絶対値を大きくする
か、ラジアル型屈折率分布レンズのレンズ厚dG を厚く
すればよいが、2次の屈折率分布係数の絶対値を大きく
するためには素材の作製上ある程度限界があり、また、
レンズ厚dG を厚くするとレンズ系をコンパクトにする
ことが困難になり、例えばより小型化が望まれる内視鏡
の対物レンズとして使用できなくなるため好ましくな
い。そのため、媒質に極端に強い正の屈折力を持たせ
ず、面と媒質の双方に屈折力を持たせることが好まし
く、ラジアル型屈折率分布レンズの面形状は正レンズの
形状であることが望ましい。
順に、負の屈折力の第1レンズ群と正の屈折力の第2レ
ンズ群よりなり、少なくとも1枚のレンズが、光軸から
半径方向に屈折率分布を持つ式(a)にて表わされるラ
ジアル型屈折率分布レンズであり、ラジアル型屈折率分
布レンズを含むレンズあるいはレンズ系中に配置した光
学素子の中の少なくとも1枚が、特定の波長成分を遮断
する機能を持つことを特徴とする対物レンズである。
により、特に色収差を良好に補正し高い結像性能を持つ
対物レンズを達成することが可能である。ここで、例え
ばCCD等の固体撮像素子を用いた内視鏡対物レンズ
は、通常、固体撮像素子が赤外波長域で高い感度を持つ
ため、赤外領域の光線をカットするための赤外カットフ
ィルターを用いる場合がある。また、モアレによるノイ
ズ成分を除去するため、例えば、水晶等で作製されたロ
ーパスフィルタを用いる場合がある。さらに、内視鏡は
人体内部を観察することを目的とする他に、特定の波長
で患部を焼き切るレーザーメスを用いる場合があるため
に、対物レンズを透過する特定の波長成分をカットする
ためのバンドカットフィルターを用いることがある。そ
こで、本発明の対物レンズを例えばCCD等の固体撮像
素子を用いた内視鏡光学系に用いて高い結像性能を達成
するには、ラジアル型屈折率分布レンズを用いることに
加え、上記各種フィルターを用いることが望ましい。
光軸に対して略平行に近くなる、最も像側のレンズと像
面の間に配置することが望ましい。このような配置にす
れば、軸上から軸外までの各光束の光路長を略等しくす
ることが可能となり、撮像画面全域に渡って均一なフィ
ルター効果を得ることが可能である。
め、小型であることが要求され、光学系においても一層
の小型化が望まれる。そこで、前述の各種フィルターを
第1レンズ群と第2レンズ群の間に配置することも、性
能よりも小型化を重視する場合には有効な手段である。
また、小型化に加え低コスト化をも達成する場合には、
各種フィルター機能をラジアル型屈折率分布レンズも含
めた少なくとも1枚のレンズに持たせることが有効であ
る。
物体側より順に、負の屈折力の第1レンズ群と正の屈折
力の第2レンズ群よりなり、少なくとも1枚のレンズ
が、光軸から半径方向に屈折率分布を持つ式(a)にて
表されるラジアル型屈折率分布レンズであり、第2レン
ズ群よりも像側で少なくとも1回反射する反射面を用い
たことを特徴としている。
視鏡光学系において高解像力化を達成するためには、固
体撮像素子の1画素のサイズを小さくして高密度化し、
画素数を増やす方法がある。しかし1画素のサイズを小
さくするには作製上の限界があり、そのため撮像画面サ
イズを大きくして高解像力を達成することが考えられ
る。しかし、内視鏡は人体内部に挿入することがあるた
め直径はより小さいことが望ましく、単に撮像画面サイ
ズを大きくすることは、直径を大きくすることになるた
め好ましくない。
を大きくせずに撮像画面サイズの大きい固体撮像素子を
用いるため、第2レンズ群よりも像側で少なくとも1回
反射する反射面を用い、固体撮像素子を内視鏡の径方向
に対して平行に配置せずに傾けて配置するようにした。
図40は、本発明の第6の構成である反射面を用いた本
発明のレンズ系概念図を示す。この図40においてL1
は負レンズ群、L2は正レンズ群、RAは軸上光線、R
Oは軸外光線、Rは反射面、10は撮像面に配置した固
体撮像素子である。正レンズ群L2よりも像面側に反射
面Rを配置したことにより、撮像画面サイズの大きい固
体撮像素子10を光軸とほぼ平行に配置することを可能
にした。図40は一回反射するシステムを示しているが
更に反射面を増やし複数回反射させても、同様の効果を
得ることが出来ることは言うまでもない。
いると、レンズ系の像高を高くすることが可能となり、
より広い画角のレンズ系になし得る。しかし、レンズ系
は画面中心から周辺に渡ってより諸収差が良好に補正さ
れていることが望まれる。特に広い画角のレンズ系で
は、倍率の色収差を良好に補正することが望まれる。そ
こで、特に色収差の高い補正能力を持つラジアル型屈折
率分布レンズを用いれば、軸上から軸外に渡って結像性
能の高いレンズ系を達成することが可能である。ラジア
ル型屈折率分布レンズを用いた対物レンズと撮像画面を
大きくできる図40に示す反射系とを組み合わせれば、
より高性能な対物レンズを達成することが可能である。
の構成)において、第2レンズ群にラジアル型屈折率分
布レンズを用いた場合には、倍率の色収差、コマ収差、
ディストーションをさらに良好に補正することを考える
と下記条件(4)を満足することが望ましい。
ンズを用いた場合の2次の屈折率分布係数、fはレンズ
全系の焦点距離である。
率分布レンズの媒質の屈折力は十分に大きな値になり、
倍率の色収差を良好に補正することが可能になる。さら
に、光軸から周辺へ行くに従い屈折率が順次小さくな
り、光軸と周辺部での屈折率差(Δn)が大きくなるた
め、特に第2レンズの像側の面で発生するコマ収差やレ
ンズ全系で問題となる樽型のディストーションを良好に
補正することが可能になる。
超えてしまうとラジアル型屈折率分布レンズの媒質の屈
折力が弱くなり、レンズ全系で倍率の色収差を良好に補
正することが困難となり、また、光軸と周辺部の屈折率
差が小さくなり、コマ収差、ディストーションを補正す
ることが困難になる。また、下限値の−0.5を超えて
しまうと、ラジアル型屈折率分布レンズの屈折率差Δn
が大きくなりラジアル型屈折率分布レンズ素材の製作が
困難となるため好ましくない。
レンズ群にラジアル型屈折率分布レンズを用いた場合
に、倍率の色収差をさらに良好に補正することを考える
と下記の条件(5)を満足することが望ましい。
ンズを用いた場合の2次の屈折率分布係数、fはレンズ
全系の焦点距離である。
率分布レンズの媒質の屈折力は十分に大きな値になり、
倍率の色収差を良好に補正することが可能になる。
えてしまうとラジアル型屈折率分布レンズの媒質の屈折
力が弱くなり、レンズ全系で倍率の色収差を良好に補正
することが困難になる。また、上限値の0.6を超える
と、ラジアル型屈折率分布レンズの屈折率差Δnが大き
くなりラジアル型屈折率分布レンズ素材の製作が困難と
なるため好ましくない。
らに良好に倍率の色収差に補正するには、下記の条件
(6)満足することが望ましい。
り、倍率の色収差を良好に補正することが可能である。
さらに、前述したようにラジアル型屈折率分布レンズの
光軸上のアッベ数はほぼ30〜80程度の値であること
から、式(d)より、ラジアル型屈折率分布レンズで十
分な色収差補正効果を得るには条件(6)を満足するこ
とが望ましい。もし、条件(6)を満足しない場合倍率
の色収差を十分に補正することができなくなるため好ま
しくない。
レンズ群にラジアル型屈折率分布レンズを用いた場合さ
らに良好に倍率の色収差を補正するには、下記の条件
(7)を満足することが望ましい。
布レンズのレンズ厚、fGnは第1レンズに用いたラジア
ル型屈折率分布レンズの焦点距離である。
ズは、媒質の屈折力φm がある程度大きな値を持つこと
で、色収差の補正効果を発揮することが可能になる。式
(e)より、例えばラジアル型屈折率分布レンズのレン
ズ厚が極端に小になると、媒質の屈折力φm が小さくな
り、色収差を良好に補正することが困難になる。そこ
で、本発明のレンズ系は、第1レンズにラジアル型屈折
率分布レンズを用いた場合には、条件(7)を満足する
ことが好ましい。
えると、媒質の屈折力が小さくなり倍率の色収差を良好
に補正することが困難になるため好ましくない。また、
もし、上限値の1.2を超えると、ラジアル型屈折率分
布レンズのレンズ厚が厚くなり、レンズ全長が大きくな
るため好ましくない。
レンズにラジアル型屈折率分布レンズを用いた場合に倍
率の色収差を更に良好に補正するためには、下記の条件
(8)を満足することが望ましい。
布レンズのレンズ厚、fGpは第2レンズに用いたラジア
ル型屈折率分布レンズの焦点距離である。
布レンズのレンズ厚が極端に小さいと、媒質の屈折力φ
m が小さくなり、色収差を良好に補正することが困難と
なる。そこで、本発明のレンズ系では第2レンズにラジ
アル型屈折率分布レンズを用いた場合は条件(8)を満
足する様にした。
ると、媒質の屈折力が小さくなり倍率の色収差を良好に
補正することが困難になるため好ましくない。また、も
し、上限値の4.0を超えると、ラジアル型屈折率分布
レンズのレンズ厚が厚くなり、レンズ系が大きくなるた
め好ましくない。
1レンズ群を負レンズ1枚で構成する場合、諸収差を良
好に補正するには下記条件(9)を満足することが望ま
しい。
像側の面の曲率半径である。
ると第1レンズの像側の面の負の屈折力が弱くなるた
め、軸外光線の光線高の比較的高い第1レンズの物体側
の面の負の屈折力を強くする必要が生じ、物体側の面で
発生するディストーション、非点収差等が悪化するため
好ましくない。また、上限値の1.7を超えると、第1
レンズの像側の面の負の屈折力が強くなり、レンズ全系
で球面収差が補正過剰となるため望ましくない。
第2レンズ群を正レンズ1枚で構成する場合、諸収差を
良好に補正するためには、下記条件(10)を満足する
ことが望ましい。
物体側の面の曲率半径である。
超えると、第2レンズの物体側の面の負の屈折力が強く
なり、レンズ全系で球面収差が補正過剰となるため好ま
しくない。また、もし、上限値の0.8を超えると、こ
の面で発生する球面収差等が悪化するため望ましくな
い。
第2レンズ群を正レンズ1枚で構成する場合、諸収差を
良好に補正するには下記の条件(11)を満足すること
が望ましい。
像側の面の曲率半径である。
超えると、第2レンズの像側の面の正の屈折力が強くな
り、レンズ全系で非点収差、ディストーションが悪化す
るため好ましくない。また、もし、上限値の−0.1を
超えると、第2レンズの物体側の面の正の屈折力を強く
する必要が生じ、物体側の面で発生する非点収差、ディ
ストーション等が悪化するため望ましくない。
ンズ群にラジアル型屈折率分布レンズを用いた場合、さ
らに良好に倍率の色収差を補正するには下記の条件(1
2)を満足することが望ましい。
布レンズの焦点距離である。
率分布レンズトータルの屈折力に対して媒質の屈折力が
十分に大きな値を持つことになり、倍率の色収差を良好
に補正することが可能になる。もし、条件(12)の下
限値の0.05を超えると媒質の屈折力が弱くなり、ラ
ジアル型屈折率分布レンズで倍率の色収差を良好に補正
することが困難となるため好ましくない。また、上限値
の1.2を超えると屈折率差Δnが大になりラジアル型
屈折率分布レンズ素材の作製が困難となるため好ましく
ない。
ンズ群にラジアル型屈折率分布レンズを用いた場合、さ
らに良好に倍率の色収差あるいはペッツバール和あるい
はコマ収差あるいはディストーションを補正するには下
記の条件(13)を満足することが望ましい。
布レンズの焦点距離である。
折率分布レンズトータルの屈折力に対して媒質の屈折力
が十分に大きな値を持つことになり、倍率の色収差を良
好に補正することが可能になる。もし、条件(13)の
上限値の−0.05を超えると媒質の屈折力が弱くな
り、ラジアル型屈折率分布レンズレンズで倍率の色収差
を良好に補正することが困難になるため好ましくない。
また。下限値の−0.8を超えると屈折率差Δnが大と
なりラジアル型屈折率分布レンズ素材の作製が困難とな
るため好ましくない。
ル型屈折率分布レンズを第2レンズ群に用いる場合、倍
率の色収差の補正に加えて、素材の製作性をも考慮する
と下記条件(14)を満足することが望ましい。
の媒質の屈折力が大きくなり、倍率の色収差を良好に補
正することが可能になる。もし、条件(14)の下限値
の0.1を超えるとラジアル型屈折率分布レンズの媒質
の屈折率が弱くなり、レンズ全系で倍率の色収差を良好
に補正することが困難となり、また、屈折率分布レンズ
の光軸と周辺部の屈折率差が小さくなり、コマ収差、デ
ィストーションを補正することが困難となる。また、上
限値の0.8を超えると、ラジアル型屈折率分布レンズ
の屈折率差Δnが大きくなるか、レンズ厚が大となり、
前者の場合ラジアル型屈折率分布レンズ素材の製作が困
難となり、又後者の場合コスト増やレンズ全長の増大を
引き起こすため好ましくない。
ル型屈折率分布レンズを第1レンズ群に用いる場合、倍
率の色収差の補正に加えてラジアル型屈折率分布レンズ
の製作性をも考慮すると下記条件(15)を満足するこ
とが望ましい。
の媒質の屈折力が大きくなり、倍率の色収差を良好に補
正することが可能となる。もし、条件(15)の上限値
の−0.05を超えるとラジアル型屈折率分布レンズの
媒質の屈折力が弱くなり、倍率の色収差を良好に補正す
ることが困難になり好ましくない。また、下限値の−
0.25を超えると、ラジアル型屈折率分布レンズの屈
折率差Δnが大きくなり製作が困難になるかレンズ厚が
大となりコスト増となるため好ましくない。
レンズ群にラジアル型屈折率分布レンズを用いた場合
に、倍率の色収差の補正に加えラジアル型屈折率分布レ
ンズの製作性をも考慮すると、下記の条件(16)を満
足することが望ましい。
ズの媒質の屈折力は十分に大きな値となり、倍率の色収
差を良好に補正することが可能である。
超えるとラジアル型屈折率分布レンズの媒質の屈折力が
弱くなり、レンズ全系で倍率の色収差を良好に補正する
ことが困難になる。また、上限値の0.4を超えるとラ
ジアル型屈折率分布レンズの屈折率差Δnが大になり、
素材作製が困難になるため好ましくない。
レンズ群にラジアル型屈折率分布レンズを用いた場合
に、倍率の色収差の補正に加えラジアル型屈折率分布レ
ンズの製作性をも考えると下記条件(17)を満足する
ことが望ましい。
ズの媒質の屈折力は十分に大きな値になり、倍率の色収
差を良好に補正することが可能である。
を超えるとラジアル型屈折率分布レンズの媒質の屈折力
が弱くなり、レンズ全系で倍率の色収差を良好に補正す
ることが困難となる。また、下限値の−0.25を超え
るとラジアル型屈折率分布レンズの屈折率差Δnが大と
なり、素材作製が困難となるため好ましくない。
らに倍率の色収差を良好に補正するには、ラジアル型屈
折率分布レンズが下記の条件(18)を満足することが
望ましい。
で発生する色収差は同じ屈折力の均質レンズで発生する
色収差とは逆方向に発生する。つまり、本発明のレンズ
系の第1レンズあるいは第2レンズに用いたラジアル型
屈折率分布レンズが条件(18)を満足すれば、ラジア
ル型屈折率分布レンズ単体では倍率の色収差が補正過剰
となるが、この補正過剰の色収差がもう一方のレンズで
発生する倍率の色収差を打ち消すため、レンズ全系では
良好に補正することが可能となる。
レンズ群にラジアル型屈折率分布レンズを用いた場合
に、倍率の色収差の補正に加えラジアル型屈折率分布レ
ンズの製作性をも考えると下記条件(19)を満足する
ことが望ましい。
の屈折力が小さくなり倍率の色収差を良好に補正するこ
とが困難となるため好ましくない。また、もし、上限値
の0.9を超えると、ラジアル型屈折率分布レンズのレ
ンズ厚が厚くなり、レンズ系の作製コストが増すため好
ましくない。
レンズ群にラジアル型屈折率分布レンズを用いた場合
に、倍率の色収差の補正に加えラジアル型屈折率分布レ
ンズの製作性をも考えると下記条件(20)を満足する
ことが望ましい。
レンズ厚が極端に小さいと、媒質の屈折力φm が小さく
なり、色収差を良好に補正することが困難となる。そこ
で、本発明のレンズ系では第2レンズにラジアル型屈折
率分布レンズを用いた場合は条件(20)を満足するこ
とが望ましい。
えると、媒質の屈折力が小さくなり倍率の色収差を良好
に補正することが困難となるため好ましくない。また、
もし、上限値の2.8を超えると、ラジアル型屈折率分
布レンズのレンズ厚が厚くなり、レンズ系の作製コスト
が高くなるため好ましくない。
1レンズ群を負レンズ1枚で構成する場合、さらに諸収
差を良好に補正するには下記条件(21)を満足するこ
とが望ましい。
レンズの像側の面の負の屈折力が弱くなるため、軸外光
線の光線高の比較的高い第1レンズの物体側の面の負の
屈折力を強くする必要が生じ、物体側の面で発生するデ
ィストーション、非点収差等が悪化するため好ましくな
い。また、上限値の1.4を超えると第1レンズの像側
の面の負の屈折力が強くなり、レンズ全系の球面収差が
補正過剰となるため望ましくない。
2レンズ群を正レンズ1枚で構成する場合、諸収差を良
好に補正するには下記条件(22)を満足することが望
ましい。
レンズの物体側の面の負の屈折力が強くなり、レンズ全
系で球面収差が補正過剰となるため好ましくない。ま
た、もし、上限値の0.6を超えるとこの面で発生する
非点収差、ディストーション等が悪化するため望ましく
ない。
2レンズ群を正レンズ1枚で構成する場合、諸収差を良
好に補正するには下記条件(23)を満足することが望
ましい。
2レンズの像側の面の負の屈折力が強くなり、レンズ全
系で非点収差、ディストーションが悪化するため好まし
くない。また、もし、上限値の−0.2を超えると第2
レンズの物体側の面の正の屈折力を強くする必要が生
じ、物体側の面で発生する球面収差等が悪化するため望
ましくない。
ンズ群にラジアル型屈折率分布レンズを用いた場合、倍
率の色収差に加えラジアル型屈折率分布レンズの製作性
をも考慮すると下記の条件(24)を満足することが望
ましい。
ズトータルの屈折力に対して媒質の屈折力が十分に大き
な値を持つことになり、倍率の色収差を良好に補正する
ことが可能である。もし、条件(24)の下限値の0.
1を超えると媒質の屈折力が弱くなり、ラジアル型屈折
率分布レンズで倍率の色収差を良好に補正することが困
難となるため好ましくない。また、上限値の0.85を
超えると屈折率差Δnが大となりラジアル型屈折率分布
レンズ素材の作製が困難となるため好ましくない。
ンズ群にラジアル型屈折率分布レンズを用いた場合、倍
率の色収差に加えラジアル型屈折率分布レンズの製作性
をも考慮すると下記の条件(25)を満足することが望
ましい。
ズトータルの屈折力に対して媒質の屈折力が十分に大き
な値を持つことになり、倍率の色収差を良好に補正する
ことが可能である。もし、条件(25)の上限値の−
0.1を超えると媒質の屈折力が弱くなり、ラジアル型
屈折率分布レンズで倍率の色収差を良好に補正すること
が困難となるため好ましくない。また、下限値の−0.
3を超えると屈折率差Δnが大となりラジアル型屈折率
分布レンズ素材の作製が困難となるため好ましくない。
率の色収差をさらに良好に補正するには、条件(18)
を満足することが望ましいが、1/V10の値が負の大き
な値となり過ぎると、倍率の色収差が補正過剰となって
しまう。そこで、さらに下記条件(26)を満足するこ
とが望ましい。
ることが可能である。もし、条件(26)の上限値の0
を超えると倍率の色収差が補正不足となるため好ましく
ない。また、下限値の−0.5を超えると倍率の色収差
が補正過剰となるため好ましくない。
を安くする点に着目すると、ラジアル型屈折率分布レン
ズは片面平面、あるいは両平面形状であることが望まし
い。
形態を、各実施例をもとに述べる。
各実施例を示す。 実施例1 焦点距離 1.07mm,物点距離 11.8mm,像高 0.97mm,NA 0.0115 2ω=113.1 ° r1 =∞ d1 =0.3000 n1 =1.48749 ν1 =70.21 r2 =1.2764 d2 =1.2646 r3 =∞(絞り) d3 =0.5196 r4 =-11.2580 d4 =1.8811 n2 ラジアル型屈折率分布レンズ r5 =-1.6678 ラジアル型屈折率分布レンズ N00 N10 N20 N30 d線 1.72000 ,-0.87464×10-1,0.44719 ×10-2,0.37403 ×10-2 C線 1.71540 ,-0.88776×10-1,0.45390 ×10-2,0.37964 ×10-2 F線 1.73072 ,-0.84403×10-1,0.43154 ×10-2,0.36094 ×10-2 1/V10=-0.050,1/V00=0.021 ,φ2m/φ=0.353 N10p ・f2 =-0.100,IH/r2 =0.799 ,IH/r3 =-0.091 IH/r4 =-0.612,N10p ・fG 2=-0.213,dGp/fG =1.207
1 ,d2 ,・・・ は各レンズの肉厚および空気間隔、n
1 ,n2 は各レンズのd線の屈折率、ν1 ,ν2は各レ
ンズのアッベ数である。
る。つまり、物体側より順に負レンズの第1レンズと絞
りと正レンズの第2レンズのレンズ2枚の構成で正の屈
折力の第2レンズがラジアル型屈折率分布レンズとなっ
ている。また、第1レンズは物体側の面は平面形状であ
り、像側の面は凹面形状の均質球面レンズで、第2レン
ズは凹面を物体側に向けたメニスカス形状のラジアル型
屈折率分布レンズとなっている。
差を良好に補正することが困難であるが、この実施例の
レンズ系ではラジアル型屈折率分布レンズを第2レンズ
に用いることによりこれを良好に補正することを可能と
している。
率分布レンズが光軸から周辺に行くに従い屈折率が順次
小さくなるような分布を持つことで、第2レンズで発生
するディストーション、コマ収差を良好に補正してい
る。
用いたラジアル型屈折率分布レンズの1/V10の値が条
件(18)を満足することで、特に、倍率の色収差を良
好に補正している。
であることにより、レンズ研磨に必要とするコストを下
げる点で有効である。
す通りである。図21から、レンズ枚数が2枚であるに
もかかわらず諸収差が良好に補正され、この実施例1が
高い光学性能を達成していることが分かる。
の対物レンズである。つまり、物体側より順に負レンズ
の第1レンズと絞りと正レンズの第2レンズとのレンズ
2枚の構成で正の屈折力の第2レンズがラジアル型屈折
率分布レンズである。
ズ全長の短縮化を図った例である。この実施例2におい
ても、ラジアル型屈折率分布レンズを第2レンズに用い
ることにより、特に倍率の色収差を良好に補正してい
る。
を物体側に向けたメニスカス形状となっている。このよ
うにラジアル型屈折率分布レンズがメニスカス形状であ
る場合は、例えば、屈折力の等しい両凸形状のものと比
較して面の屈折力が小さくなり媒質の屈折力は大きくな
る。媒質の屈折力が大きくなると、式(d)より、ラジ
アル型屈折率分布レンズの色収差補正効果を有効に利用
することができる。この実施例はラジアル型屈折率分布
レンズの色収差補正効果を有効に利用するため、ラジア
ル型屈折率分布レンズをメニスカス形状にした。また、
凹面を物体側に向けたメニスカス形状にしたことにより
特に、軸外収差を悪化させない点で効果的である。
ズの有効径よりも外周部の部位1を略平面とし、部位1
の部分で両レンズを接着あるいは密着している。このよ
うに両レンズを接着すれば2枚のレンズを1部品とし、
鏡枠構成の簡素化、組立の簡便化を達成している。
通りである。図22から、レンズ枚数が2枚であるにも
かかわらず本実施例が高い光学性能を達成していること
が分かる。
である。つまり、物体側より順に負レンズの第1レンズ
と絞りと正レンズの第2レンズのレンズ2枚の構成で正
の屈折力の第2レンズがラジアル型屈折率分布レンズと
なっている。また、第1レンズは両凹形状の均質球面レ
ンズで、第2レンズは凹面を物体側に向けたメニスカス
形状のラジアル型屈折率分布レンズとなっている。
差を良好に補正することが困難であるが、本発明のレン
ズ系ではラジアル型屈折率分布レンズを第2レンズに用
いることによってこれを良好に補正することを可能とし
ている。
状とすることで、このレンズのパワーを両面に分散し第
1レンズで発生する収差を小さくした例である。
V10の値は正の値を持っているが、条件(1)を満足す
ることで倍率の色収差を良好に補正している。
通りである。図23から、レンズ枚数が2枚であるにも
かかわらず本実施例が高い光学性能を達成していること
が分かる。
ズ系である。つまり、物体側より順に負レンズの第1レ
ンズと絞りと正レンズの第2レンズのレンズ2枚の構成
で、正の屈折力の第2レンズがラジアル型屈折率分布レ
ンズである。また、第1レンズは物体側の面が平面形状
で像側の面が凹面形状であり、このレンズの像側の面に
光軸から周辺に行くに従って負の屈折力が弱くなる様な
非球面を用い、第2レンズは両凸形状のラジアル型屈折
率分布レンズである。
の式で表されるものである。
y軸を光軸と直角方向にとったもので、rは光軸上の曲
率半径、pは円錐定数、A2iは非球面係数である。
いて主としてレンズ全系で発生する樽型のディストーシ
ョンを良好に補正することを可能としている。
としているが、この面に非球面を用いても同様の効果が
得られる。
状のラジアル型屈折率分布レンズとしたことで、媒質の
屈折力を弱くし面の屈折力を強くした例である。このた
め、媒質の屈折力に寄与するラジアル型屈折率分布レン
ズの屈折率差Δnを小さくすることが可能となり、ラジ
アル型屈折率分布レンズ素材作製時の屈折率分布付与時
間の短縮等、製作性が向上した例である。
す通りである。図24から、レンズ枚数が2枚であるに
もかかわらずこの実施例が高い光学性能を達成している
ことが分かる。
に、光軸方向に屈折率が連続的に変化するアキシャル型
屈折率分布レンズを用いてほぼ同様の効果を得ることも
可能である。
のレンズ系である。つまり、物体側より順に負レンズの
第1レンズと絞りと正レンズの第2レンズのレンズ2枚
の構成で正の屈折力の第2レンズがラジアル型屈折率分
布レンズである。また、第1レンズは物体側の面が平面
形状で像側の面が凹面形状であり、この像側の面に光軸
から周辺に行くに従って負の屈折力が弱くなる様な非球
面を用い、第2レンズは両凸形状のラジアル型屈折率分
布レンズである。第1レンズに非球面を用いたことで、
実施例4同様、主にレンズ全系で発生する樽型のディス
トーションを良好に補正することを可能としている。
系に適用する場合に、対物レンズを配置する内視鏡先端
部を小型化するため、実施例5では第2レンズに用いた
ラジアル型屈折率分布レンズの物体側のレンズ外周部分
を図に示す様に除去加工した例である。この除去部分2
に例えば、斜線部分3のように鏡枠等を配置することが
できるので、対物レンズ先端部を小型化することが可能
である。
らに全長の短縮化を達成した例である。この実施例の収
差補正状況は図25に示す通りである。図25から、レ
ンズ枚数が2枚であるにもかかわらず本実施例が高い光
学性能を達成していることが分かる。
る。つまり、物体側より順に負レンズの第1レンズと絞
りと正レンズの第2レンズのレンズ2枚の構成で、負の
屈折力の第1レンズがラジアル型屈折率分布レンズであ
る。また、第1レンズは物体側の面が平面形状で、像側
の面が凹面のラジアル型屈折率分布レンズ、第2レンズ
は両凸形状の均質球面である。
ジアル型屈折率分布レンズを第1レンズに用いて、本発
明のレンズ系で特に問題となる倍率の色収差を良好に補
正した例である。
とすることでレンズ研磨に要するコストを下げることを
可能としている。
で、第2レンズのパワーを両面に分散し収差の発生を小
さくしている。
像側の面の屈折力を強くしたことで、軸外光線をテレセ
ントリックに近い角度で像面に入射させている。
通りである。図26から、レンズ枚数が2枚であるにも
かかわらず本実施例が高い光学性能を達成していること
が分かる。
である。つまり、物体側より順に負レンズの第1レンズ
と絞りと正レンズの第2レンズのレンズ2枚の構成で、
負の屈折力の第1レンズがラジアル型屈折率分布レンズ
である。また、第1レンズは物体側の面が平面形状で、
像側の面が凹面形状のラジアル型屈折率分布レンズであ
り、第2レンズは両凸形状の均質球面レンズである。
通りである。図27から、レンズ枚数が2枚であるにも
かかわらず本実施例が高い光学性能を達成していること
が分かる。
ズ系である。つまり、物体側より順に負レンズの第1レ
ンズと絞りと正レンズの第2レンズのレンズ2枚の構成
で、負の屈折力の第1レンズがラジアル型屈折率分布レ
ンズである。また、第1レンズは凹面を像側に向けたメ
ニスカス形状のラジアル型屈折率分布レンズであり、第
2レンズは両凸形状の均質球面レンズである。
ニスカス形状としたことで、特に、軸外収差の補正に有
利な構成となっている。
通りである。図28から、レンズ枚数が2枚であるにも
かかわらず本実施例が高い光学性能を達成していること
が分かる。
ズ系である。つまり、物体側より順に負レンズの第1レ
ンズと絞りと正レンズの第2レンズとのレンズ2枚の構
成で、負の屈折力の第1レンズがラジアル型屈折率分布
レンズである。また、第1レンズは物体側の面が平面形
状で、像側の面が凹面形状であるラジアル型屈折率分布
レンズで、第2レンズの両側の面が非球面形状である。
い第2レンズの像側の面を、光軸から周辺に行くに従い
正の屈折力が弱くなるような形状の非球面としたこと
で、レンズ全系で発生する樽型のディストーションを良
好に補正している。
非球面としているが片面のみを非球面としてもほぼ同様
の効果が得られる。
通りである。図29から、レンズ枚数が2枚であるにも
かかわらず本実施例が高い光学性能を達成していること
が分かる。
に、光軸方向に屈折率が連続的に変化するアキシャル型
屈折率分布レンズを用いても同様の効果が得られる。
レンズ系である。つまり、物体側より順に負レンズの第
1レンズと絞りと正レンズの第2レンズのレンズ2枚の
構成で、負の屈折力の第1レンズおよび正の屈折力の第
2レンズがラジアル型屈折率分布レンズである。また、
第1レンズは物体側の面が平面形状で像側の面が凹面形
状のラジアル型屈折率分布レンズであり、第2レンズは
両凸形状のラジアル型屈折率分布レンズである。
ズにもラジアル型屈折率分布レンズを用いたことで、レ
ンズ全系で発生する倍率の色収差を良好に補正した例で
ある。つまり、第1レンズに用いたラジアル型屈折率分
布レンズは条件(1)、条件(2)を満足し、第2レン
ズに用いたラジアル型屈折率分布レンズは条件(1)、
条件(3)を満足することで倍率の色収差を良好に補正
している。
通りである。図30から、レンズ枚数が2枚であるにも
かかわらず本実施例が高い光学性能を達成していること
が分かる。
レンズ系である。つまり、物体側より順に負レンズの第
1レンズと絞りと正レンズの第2レンズのレンズ2枚の
レンズと前記正レンズの像側に各種フィルターFを配置
したものである。また、第1レンズは物体側の面が平面
形状であり、像側の面が凹面形状の均質球面レンズであ
り、第2レンズは物体側の面が弱い正の屈折力を持つ両
凸形状のラジアル型屈折率分布レンズである。
子を用いたビデオスコープ等に用いる場合は、例えば、
水晶や回折格子からなるローパスフィルターや赤外カッ
トフィルターを例えば、図11に示す様に像面の物体側
に配置する場合がある。実施例11はこのようなフィル
ターを配置した例である。また、本発明のレンズ系にお
いて、上記各フィルターは負レンズと正レンズの間に用
いることも可能である。この実施例の収差補正状況は図
31に示す通りである。
レンズ系である。つまり、実施例11同様、物体側より
順に負レンズの第1レンズと絞りと正レンズの第2レン
ズの2枚のレンズと前記正レンズの像側に各種フィルタ
ーFを配置したものである。また、第1レンズは物体側
の面が平面形状であり、像側の面が凹面形状の均質球面
レンズであり、第2レンズは両凸形状のラジアル型屈折
率分布レンズである。この実施例の収差補正状況は図3
2に示す通りである。
で、(A)は全体の断面図、(B)はBの部分の拡大図
である。この実施例は、物体側より順に負レンズの第1
レンズと絞りと正レンズの第2レンズで構成され、第2
レンズにラジアル型屈折率分布レンズを用いている。ま
た、第1レンズは物体側の面が平面形状であり、像側の
面が凹面形状であり、第2レンズは物体側の面が平面形
状であり、像側の面が凸面形状となっている。
レンズを用いて諸収差を良好に補正するのに加え平面を
多用することで、レンズ研磨に要するコストを下げるこ
とを可能とした例で、第1レンズの物体側の面と第2レ
ンズの物体側の面が平面形状となっている。
る、偏心、特に光軸と垂直方向へのレンズの偏心を防止
するため、ラジアル型屈折率分布レンズを用いた第2レ
ンズの外周部4を図13(B)に示す様に斜めに面取り
し、鏡枠5の部位6で、第2レンズの面取り部4を押え
るようにしている。特にラジアル型屈折率分布レンズは
均質球面レンズと比較して媒質に屈折力を持つ分作製公
差が厳しいため、本実施例の組み立て方法は有効であ
る。また、負の屈折力の第1レンズを同様の方法で組み
立てても、ほぼ同様の効果を得られることは言うまでも
ない。
通りである。図33から、平面を多用しているにもかか
わらず本実施例が高い光学性能を達成していることが分
かる。
レンズ系である。つまり、物体側より順に負レンズの第
1レンズと絞りと正レンズの第2レンズとで構成され、
第2レンズにラジアル型屈折率分布レンズを用いてい
る。また、第1レンズは物体側の面が平面形状であり、
像側の面が凹面形状であり、第2レンズは物体側に凹面
を向けたメニスカス形状となっている。
レンズを用いた場合は、球面収差等の諸収差を補正する
ため屈折率分布の4次の項N20は正の値を持つことが望
ましい。
通りである。
ある。つまり、物体側より順に負レンズの第1レンズと
正レンズの第2レンズと反射光学素子で構成され、第2
レンズにラジアル型屈折率分布レンズを用いている。本
実施例では、例えばミラーやプリズムから成る反射光学
素子Pの反射面7で第2レンズからの光束を反射させ、
光軸と略平行に配置した固体撮像素子10へ結像させて
いる。反射面を用いた構成としたことで、例えばCCD
等の固体撮像素子をレンズの径方向に対して平行に置か
ずに傾けて配置することを可能としている。また、本実
施例では固体撮像素子10は光軸と略平行に配置されて
いるが、反射面7の光軸に対する傾き角を適当な値とす
ることでさらに傾けて配置することも可能である。ま
た、本実施例は1回反射の構成としているが、さらに反
射面を増やすことで2回、3回・・・と複数回反射させ
ることも可能である。この実施例の収差補正状況は図3
5に示す通りである。
レンズ系である。つまり、物体側より順に負レンズの第
1レンズと正レンズの第2レンズと固体撮像素子で構成
され第2レンズにラジアル型屈折率分布レンズを用いて
いる。本実施例ではラジアル型屈折率分布レンズの像面
側の面を略平面とし、この面にCCD等の固体撮像素子
10を接着あるいは密着させている。また、第2レンズ
の外周から光軸に向けてレンズ内部を透過する光束の遮
断部を設け、レンズ系の明るさ絞りとしている。光束の
遮断部としては、例えば図41に示されるように、レン
ズの外周部から光軸の方向に切り込み8を入れる方法が
ある。また、切り込み部分でのフレアーを防止するため
には切り込み部分8を着色してしまうことが望ましい。
また、図42に示されるように第2レンズを点線部9で
示される部分で前部Laと後部Lbに切断し、前部La
の切断面に絞りSを付け、再び接着あるいは密着させる
ことも可能である。このとき、前部Laの代わりに後部
Lbに絞りSを付けてもほぼ同様の効果が得られる。ま
た、絞りを付ける手段としては蒸着、印刷、絞り板を貼
る等が考えられる。また、前述のこれらの方法は、明る
さ絞りを作製する場合だけでなく、フレアー絞りを作製
する場合でも利用できる。
の物体側の面から像面側1mmの所に位置している。
りあるいはフレアー絞り等を、上述の方法での作製が可
能であることは言うまでもない。
通りである。
ある。つまり、物体側より順に負レンズの第1レンズと
正のレンズの第2レンズと光学フィルターF、固体撮像
素子10で構成され、第2レンズにラジアル型屈折率分
布レンズを用いている。本実施例では、研磨コストを下
げるため第2レンズを両平面形状としている。さらに、
第2レンズと光学フィルターFを接着し鏡枠構造の簡素
化、組立の簡略化を達成した例である。また、光学フィ
ルターFと固体撮像素子10も接着あるいは密着してい
る。また、第1レンズと第2レンズもレンズの有効径よ
りも外周部で接着あるいは密着させている。
の物体側の面から像面側1mmの所に位置している。
通りである。
ものである。つまり、物体側より順に負レンズの第1レ
ンズと反射光学素子と正レンズの第2レンズで構成さ
れ、最も像側の正レンズの第2レンズにラジアル型屈折
率分布レンズを用いている。内視鏡においては光軸と傾
いた方向を観察するいわゆる斜視仕様のものがある。そ
こで、本発明の対物レンズを斜視用内視鏡に適用する場
合は、図18に示すように、第1レンズと第2レンズの
間に、ミラーやプリズムから成る反射光学素子Pを設
け、第1レンズからの光束を、反射光学素子の反射面7
で反射させ第2レンズへ導いている。
通りである。
る例のような形状でもよい。つまり図19、図20は、
撮像素子の形状に合わせてレンズの外径を除去加工し、
対物レンズの小型化を達成した例である。図19はレン
ズ形状を加工する前の本発明の実施例1乃至18の第2
レンズの概略を表しており、図19(A)は物体方向か
らの断面図、図19(B)は光軸と平行な方向からの断
面図、図19(C)はレンズ系の撮像範囲(イメージサ
ークル)11と撮像素子の撮像面12を表している。ま
た、図20は図19で表されたレンズ形状を加工した後
の概略図である。
は長方形のものがあるが、レンズ形状は通常、図19
(A)に示すように円形であるため、図19(C)の斜
線部で表される物体の像が結像しているが使用されない
領域が生じてしまう。また、内視鏡対物レンズではより
小型化が望まれていることから、レンズ系の未使用部分
を削除することが考えられる。そこで、本実施例は未使
用部分つまり、固体撮像素子の撮像領域以外に集光する
光束だけが透過するレンズ部分を、例えば、図20
(A)、図20(B)で表されるように除去加工し、図
20(C)で表されるようにレンズ系の撮像範囲と固体
撮像素子の撮像領域をほぼ一致させた例である。本実施
例の様にレンズの省スペース化を図ることで内視鏡対物
レンズの一層の小型化を達成することが可能である。
であるが、これ以外のレンズあるいは光学素子、例え
ば、第1レンズや反射光学素子を加工しても同様の効果
を得られることは言うまでもない。
鏡対物レンズは、レンズ枚数が2枚程度であるにもかか
わらず、諸収差、特に倍率の色収差を良好に補正された
高い光学性能を有するレンズ系である。
工前の形状を示す図
工後の形状を示す図
せしめた時の概略図
Claims (6)
- 【請求項1】物体側より順に、負の屈折力を持つ第1レ
ンズと正の屈折力を持つ第2レンズからなり、少なくと
も前記第1レンズが光軸から半径方向に屈折率分布を持
つ以下の式(a)で表されるラジアル型屈折率分布レン
ズであり、下記条件(1),条件(2)を満足すること
を特徴とした対物レンズ。 (a) N(r) =N00+N10r2 +N20r4 ・・・ (1) 1/V10<1/V00 (2) −0.5<φ1m/φ<−0.02 ただし、rは光軸から半径方向への距離、N(r) は距離
rの点での屈折率分布、Ni0は2i次の屈折率分布係
数、Vi0はラジアル型屈折率分布レンズの分散を表し以
下の式(b),(c)で与えられる値、φ1mは第1レン
ズに用いたラジアル型屈折率分布レンズの媒質の屈折
力、φはレンズ全系の屈折力である。 (b) V00=(N00d −1)/(N00F −N00C )
(i=0) (c) Vi0=Ni0d /(Ni0F −Ni0C ) (i
=1,2,3 ・・) ここで、N00d ,N00F ,N00C はそれぞれd線,F
線,C線の光軸上の屈折率、Ni0d,Ni0F ,Ni0C は
それぞれd線,F線,C線の2i次の屈折率分布係数で
ある。 - 【請求項2】物体側より順に、負の屈折力を持つ第1レ
ンズと正の屈折力を持つ第2レンズからなり、少なくと
も前記第2レンズが光軸から半径方向に屈折率分布を持
つ以下の式(a)で表されるラジアル型屈折率分布レン
ズであり、下記条件(1),条件(3)を満足すること
を特徴とした対物レンズ。 (a) N(r) =N00+N10r2 +N20r4 ・・・ (1) 1/V10<1/V00 (3) 0.05<φ2m/φ<1.0 ただし、rは光軸から半径方向への距離、N(r) は距離
rの点での屈折率分布、Ni0は2i次の屈折率分布係
数、Vi0はラジアル型屈折率分布レンズの分散を表し以
下の式(b),(c)で与えられる値、φ2mは第2レン
ズに用いたラジアル型屈折率分布レンズの媒質の屈折
力、φはレンズ全系の屈折力を表す。 (b) V00=(N00d −1)/(N00F −N00C )
(i=0) (c) Vi0=Ni0d /(Ni0F −Ni0C ) (i
=1,2,3 ・・) ここで、N00d ,N00F ,N00C はそれぞれd線,F
線,C線の光軸上の屈折率、Ni0d,Ni0F ,Ni0C は
それぞれd線,F線,C線の2i次の屈折率分布係数で
ある。 - 【請求項3】物体側より順に、負の屈折力を持つ第1レ
ンズと正の屈折力をを持つ第2レンズからなり、少なく
とも1枚のレンズが光軸から半径方向に屈折率分布を持
つ下記式(a)で表されるラジアル型屈折率分布レンズ
であり、該ラジアル型屈折率分布レンズも含めて、レン
ズ系を構成するレンズの少なくとも1枚の少なくとも1
面が非球面形状であり、該非球面形状が光軸から周辺に
行くに従って非球面を用いたレンズの屈折力を小さくす
るような形状であることを特徴とした対物レンズ。 (a) N(r) =N00+N10r2 +N20r4 ・・・ ただし、rは光軸から半径方向への距離、N(r) は距離
rの点での屈折率分布、Ni0は2i次の屈折率分布係数
である。 - 【請求項4】物体側より順に負の屈折力の第1レンズ群
と正の屈折力の第2レンズ群よりなり、第2レンズ群中
に少なくとも1枚光軸から半径方向に屈折率分布を持つ
式(a)で表されるラジアル型屈折率分布レンズを用
い、該ラジアル型屈折率分布レンズは光軸から周辺にい
くに従い順次屈折率が小さくなるような屈折率分布を持
ち、ラジアル型屈折率分布レンズの面形状は正レンズの
形状であり、条件(1)を満足することを特徴とした対
物レンズ。 (a) N(r)=N00+N10r2+N20r4・・・ (1) 1/V10<1/V00 ただし、rは光軸から半径方向への距離、N(r) は距離
rの点での屈折率分布、Ni0は2i次の屈折率分布係
数、Vi0はラジアル型屈折率分布レンズの分散を表し以
下の式(b),(c)で与えられる。 (b) V00=(N00d −1)/(N00F −N00C )
(i=0) (c) Vi0=Ni0d /(Ni0F −Ni0C ) (i
=1,2,3 ・・) ここで、N00d ,N00F ,N00C はそれぞれd線,F
線,C線の光軸上の屈折率、Ni0d,Ni0F ,Ni0C は
それぞれd線,F線,C線の2i次の屈折率分布係数で
ある。 - 【請求項5】物体側より順に、負の屈折力の第1レンズ
群と正の屈折力の第2レンズ群よりなり、少なくとも1
枚のレンズが、光軸から半径方向に屈折率分布を持つ下
記式(a)にて表されるラジアル型屈折率分布レンズで
あり、ラジアル型屈折率分布レンズを含むレンズあるい
はレンズ系中に配置した光学素子の中の少なくとも1枚
が、特定の波長成分を遮断する機能を持つことを特徴と
する対物レンズ。 (a) N(r) =N00+N10r2 +N20r4 ・・・ ただし、rは光軸から半径方向への距離、N(r) は距離
rの点での屈折率分布、Ni0は2i次の屈折率分布係数
である。 - 【請求項6】物体側より順に、負の屈折力の第1レンズ
群と正の屈折力の第2レンズ群よりなり、少なくとも1
枚のレンズが、光軸から半径方向に屈折率分布を持つ下
記式(a)にて表されるラジアル型屈折率分布レンズで
あり、第2レンズ群よりも像側で少なくとも1回反射す
る反射面を用いたことを特徴とする対物レンズ。 (a) N(r) =N00+N10r2 +N20r4 ・・・ ただし、rは光軸から半径方向への距離、N(r) は距離
rの点での屈折率分布、Ni0は2i次の屈折率分布係数
である。
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