JPH0976358A - ポリプロピレン成形体 - Google Patents
ポリプロピレン成形体Info
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- JPH0976358A JPH0976358A JP24178195A JP24178195A JPH0976358A JP H0976358 A JPH0976358 A JP H0976358A JP 24178195 A JP24178195 A JP 24178195A JP 24178195 A JP24178195 A JP 24178195A JP H0976358 A JPH0976358 A JP H0976358A
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- JP
- Japan
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- propylene
- compound
- group
- magnesium
- polymerization
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- Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 剛性および耐熱性に優れたポリプロピレン成
形体を得る。 【解決手段】 メルトフローレートが特定の範囲にあ
り、23℃デカン不溶分の立体規則性が高いプロピレン
系重合体からなる成形体をアニールする。
形体を得る。 【解決手段】 メルトフローレートが特定の範囲にあ
り、23℃デカン不溶分の立体規則性が高いプロピレン
系重合体からなる成形体をアニールする。
Description
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ポリプロピレン成形体に
関し、さらに詳しくは、高い立体規則性を有するプロピ
レン系重合体からなる成形体がアニールされてなるポリ
プロピレン成形体に関するものである。
関し、さらに詳しくは、高い立体規則性を有するプロピ
レン系重合体からなる成形体がアニールされてなるポリ
プロピレン成形体に関するものである。
【0002】
【発明の技術的背景】結晶性ポリプロピレンなどのポリ
オレフィンは、周期律表第IV〜VI族の遷移金属の化合物
と、周期律表第I〜III族の金属の有機金属化合物とか
らなる、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒を用いオレフ
ィンを重合することによって得られることはよく知られ
ている。そしてこのような触媒を用いて、高立体規則性
の結晶性ポリオレフィンを高重合活性で得る方法が研究
されている。
オレフィンは、周期律表第IV〜VI族の遷移金属の化合物
と、周期律表第I〜III族の金属の有機金属化合物とか
らなる、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒を用いオレフ
ィンを重合することによって得られることはよく知られ
ている。そしてこのような触媒を用いて、高立体規則性
の結晶性ポリオレフィンを高重合活性で得る方法が研究
されている。
【0003】たとえば、特開昭61-209207号公報、特開
昭62-104810号公報、特開昭62-104811号公報、特開昭62
-104812号公報、特開昭62-104813号公報、特開平1-3111
06号公報、特開平1-318011号公報、特開平2-166104号公
報などには、チタン、マグネシウム、ハロゲンおよび電
子供与体を含むチタン含有固体触媒成分と、有機アルミ
ニウム化合物および電子供与体から形成される触媒によ
ってオレフィンを重合すると、高い重合活性で高立体規
則性のポリオレフィンが得られることが開示されてい
る。
昭62-104810号公報、特開昭62-104811号公報、特開昭62
-104812号公報、特開昭62-104813号公報、特開平1-3111
06号公報、特開平1-318011号公報、特開平2-166104号公
報などには、チタン、マグネシウム、ハロゲンおよび電
子供与体を含むチタン含有固体触媒成分と、有機アルミ
ニウム化合物および電子供与体から形成される触媒によ
ってオレフィンを重合すると、高い重合活性で高立体規
則性のポリオレフィンが得られることが開示されてい
る。
【0004】ところで結晶性ポリプロピレンは、剛性が
高く、一般に高い熱変形温度、融点、結晶化温度を有す
るため、優れた耐熱性を示し、結晶化速度が速く、透明
性が高いなどの優れた性質を示す。そのため、自動車用
内装材および外装材、家電製品用材料、容器、フィルム
などの種々の用途に好適に用いられている。
高く、一般に高い熱変形温度、融点、結晶化温度を有す
るため、優れた耐熱性を示し、結晶化速度が速く、透明
性が高いなどの優れた性質を示す。そのため、自動車用
内装材および外装材、家電製品用材料、容器、フィルム
などの種々の用途に好適に用いられている。
【0005】また結晶性ポリプロピレンは、結晶化度を
高めると剛性や耐熱性が高まるので、結晶化度の高い結
晶性ポリプロピレンは、より高い剛性および耐熱性が要
求される用途に用いることができる他、従来の用途に用
いる場合には、製品の薄肉化やフィラー添加量を低減さ
せることができるので軽量化を図ることができる。
高めると剛性や耐熱性が高まるので、結晶化度の高い結
晶性ポリプロピレンは、より高い剛性および耐熱性が要
求される用途に用いることができる他、従来の用途に用
いる場合には、製品の薄肉化やフィラー添加量を低減さ
せることができるので軽量化を図ることができる。
【0006】従来からこのような結晶性ポリプロピレン
では、核材を添加するなどの方法で結晶化度を高めてき
たが、剛性および耐熱性などの向上には限界があった。
近年、ポリプロピレン成形体の物性に対する要求は、ま
すます高くなってきており、さらに剛性が高く、耐熱性
に優れたポリプロピレン成形体が求められている。
では、核材を添加するなどの方法で結晶化度を高めてき
たが、剛性および耐熱性などの向上には限界があった。
近年、ポリプロピレン成形体の物性に対する要求は、ま
すます高くなってきており、さらに剛性が高く、耐熱性
に優れたポリプロピレン成形体が求められている。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであって、剛性および耐熱性に優れるポ
リプロピレン成形体を提供することを目的としている。
てなされたものであって、剛性および耐熱性に優れるポ
リプロピレン成形体を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係るポリプロピレン成形体は、
230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレー
トが0.1〜500g/10分の範囲にあり、23℃デカ
ン不溶成分の13C−NMRスペクトルにおけるPmmmm、
Pw、Sαγ、Sαδ+ 、Tδ+ δ+ の吸収強度から下
記式(1)により求められる立体規則性指標[M5 ]の
値が0.955〜0.995の範囲にあるプロピレン系
重合体からなる成形体がアニールされてなることを特徴
としている。
230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレー
トが0.1〜500g/10分の範囲にあり、23℃デカ
ン不溶成分の13C−NMRスペクトルにおけるPmmmm、
Pw、Sαγ、Sαδ+ 、Tδ+ δ+ の吸収強度から下
記式(1)により求められる立体規則性指標[M5 ]の
値が0.955〜0.995の範囲にあるプロピレン系
重合体からなる成形体がアニールされてなることを特徴
としている。
【0009】
【数2】
【0010】(式中、 [Pmmmm]:プロピレン単位が5単位連続してイソタク
チック結合した部位における第3単位目のメチル基に由
来する吸収強度であり、 [Pw] :プロピレン単位のメチル基に由来する吸収
強度であり、 [Sαγ]:主鎖中の2級炭素であって、該2級炭素か
ら最も近い2個の3級炭素のうち、一方がα位にあり、
他方がγ位にあるような2級炭素に由来する吸収強度で
あり、 [Sαδ+ ]:主鎖中の2級炭素であって、該2級炭素
から最も近い2個の3級炭素のうち、一方がα位にあ
り、他方がδ位またはδ位より離れた位置にあるような
2級炭素に由来する吸収強度であり、 [Tδ+ δ+ ]:主鎖中の3級炭素であって、該3級炭
素から最も近い2個の3級炭素のうち、一方がδ位また
はδ位より離れた位置にあり、他方がδ位またはδ位よ
り離れた位置にあるような3級炭素に由来する吸収強度
である。) 本発明では、前記プロピレン系重合体は、下記式(i)
または(ii)で表される化合物から誘導される構成単位
からなる重合体を10〜10000ppmの範囲の量で
含有していることが望ましい。
チック結合した部位における第3単位目のメチル基に由
来する吸収強度であり、 [Pw] :プロピレン単位のメチル基に由来する吸収
強度であり、 [Sαγ]:主鎖中の2級炭素であって、該2級炭素か
ら最も近い2個の3級炭素のうち、一方がα位にあり、
他方がγ位にあるような2級炭素に由来する吸収強度で
あり、 [Sαδ+ ]:主鎖中の2級炭素であって、該2級炭素
から最も近い2個の3級炭素のうち、一方がα位にあ
り、他方がδ位またはδ位より離れた位置にあるような
2級炭素に由来する吸収強度であり、 [Tδ+ δ+ ]:主鎖中の3級炭素であって、該3級炭
素から最も近い2個の3級炭素のうち、一方がδ位また
はδ位より離れた位置にあり、他方がδ位またはδ位よ
り離れた位置にあるような3級炭素に由来する吸収強度
である。) 本発明では、前記プロピレン系重合体は、下記式(i)
または(ii)で表される化合物から誘導される構成単位
からなる重合体を10〜10000ppmの範囲の量で
含有していることが望ましい。
【0011】
【化2】
【0012】本発明では、前記成形体が押出成形体、ブ
ロー成形体、射出成形体またはモールドスタンピング成
形体であることが望ましい。また、前記アニールのアニ
ール温度が100〜180℃の範囲にあり、アニール時
間が1〜24時間の範囲にあること望ましい。
ロー成形体、射出成形体またはモールドスタンピング成
形体であることが望ましい。また、前記アニールのアニ
ール温度が100〜180℃の範囲にあり、アニール時
間が1〜24時間の範囲にあること望ましい。
【0013】本発明に係るポリプロピレン成形体は、剛
性および耐熱性に優れている。
性および耐熱性に優れている。
【0014】
【発明の具体的説明】以下本発明に係るポリプロピレン
成形体について具体的に説明する。本発明に係るポリプ
ロピレン成形体は、メルトフローレートが特定の範囲に
あり、23℃デカン不溶成分の立体規則性が高いプロピ
レン系重合体からなる成形体がアニールされてなる成形
体である。
成形体について具体的に説明する。本発明に係るポリプ
ロピレン成形体は、メルトフローレートが特定の範囲に
あり、23℃デカン不溶成分の立体規則性が高いプロピ
レン系重合体からなる成形体がアニールされてなる成形
体である。
【0015】まず、本発明で用いられるプロピレン系重
合体について説明する。なお本発明において「重合」と
いう語は、単独重合のみならず、共重合を包含した意味
で用いられることがあり、また「重合体」という語は、
単独重合体のみならず、共重合体を包含した意味で用い
られることがある。
合体について説明する。なお本発明において「重合」と
いう語は、単独重合のみならず、共重合を包含した意味
で用いられることがあり、また「重合体」という語は、
単独重合体のみならず、共重合体を包含した意味で用い
られることがある。
【0016】本発明においてプロピレン系重合体とは、
プロピレン重合体(単独重合体)およびプロピレン系ブ
ロック共重合体を意味する。プロピレン重合体は、23
0℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが
0.1〜500g/10分、好ましくは0.2〜300g
/10分の範囲にあることが望ましい。
プロピレン重合体(単独重合体)およびプロピレン系ブ
ロック共重合体を意味する。プロピレン重合体は、23
0℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが
0.1〜500g/10分、好ましくは0.2〜300g
/10分の範囲にあることが望ましい。
【0017】なおメルトフローレート(MFR)は、A
STM D1238-65T に従い230℃、2.16kg荷重
の条件下に測定される。またプロピレン重合体は、23
℃デカン不溶成分の13C−NMRスペクトルにおけるP
mmmm、Pw、Sαγ、Sαδ+ 、Tδ+ δ+ の吸収強度
から下記式(1)により求められる立体規則性指標[M
5 ]の値が0.955〜0.995、好ましくは0.9
75〜0.995、より好ましくは0.980〜0.9
95の範囲にある。立体規則性指標[M5 ]の値が上記
のような範囲にあるプロピレン重合体は、立体規則性が
高い。
STM D1238-65T に従い230℃、2.16kg荷重
の条件下に測定される。またプロピレン重合体は、23
℃デカン不溶成分の13C−NMRスペクトルにおけるP
mmmm、Pw、Sαγ、Sαδ+ 、Tδ+ δ+ の吸収強度
から下記式(1)により求められる立体規則性指標[M
5 ]の値が0.955〜0.995、好ましくは0.9
75〜0.995、より好ましくは0.980〜0.9
95の範囲にある。立体規則性指標[M5 ]の値が上記
のような範囲にあるプロピレン重合体は、立体規則性が
高い。
【0018】
【数3】
【0019】(式中、 [Pmmmm]:プロピレン単位が5単位連続してイソタク
チック結合した部位における第3単位目のメチル基に由
来する吸収強度であり、 [Pw] :プロピレン単位のメチル基に由来する吸収
強度であり、 [Sαγ]:主鎖中の2級炭素であって、該2級炭素か
ら最も近い2個の3級炭素のうち、一方がα位にあり、
他方がγ位にあるような2級炭素に由来する吸収強度で
あり、 [Sαδ+ ]:主鎖中の2級炭素であって、該2級炭素
から最も近い2個の3級炭素のうち、一方がα位にあ
り、他方がδ位またはδ位より離れた位置にあるような
2級炭素に由来する吸収強度であり、 [Tδ+ δ+ ]:主鎖中の3級炭素であって、該3級炭
素から最も近い2個の3級炭素のうち、一方がδ位また
はδ位より離れた位置にあり、他方がδ位またはδ位よ
り離れた位置にあるような3級炭素に由来する吸収強度
である。)。
チック結合した部位における第3単位目のメチル基に由
来する吸収強度であり、 [Pw] :プロピレン単位のメチル基に由来する吸収
強度であり、 [Sαγ]:主鎖中の2級炭素であって、該2級炭素か
ら最も近い2個の3級炭素のうち、一方がα位にあり、
他方がγ位にあるような2級炭素に由来する吸収強度で
あり、 [Sαδ+ ]:主鎖中の2級炭素であって、該2級炭素
から最も近い2個の3級炭素のうち、一方がα位にあ
り、他方がδ位またはδ位より離れた位置にあるような
2級炭素に由来する吸収強度であり、 [Tδ+ δ+ ]:主鎖中の3級炭素であって、該3級炭
素から最も近い2個の3級炭素のうち、一方がδ位また
はδ位より離れた位置にあり、他方がδ位またはδ位よ
り離れた位置にあるような3級炭素に由来する吸収強度
である。)。
【0020】次にプロピレン重合体の23℃デカン不溶
成分の立体規則性の評価に用いられる立体規則性指標
[M5 ]について説明する。プロピレン重合体の23℃
デカン不溶成分がプロピレンの単独重合体である場合、
該不溶成分は、たとえば下記式(A)のように表すこと
ができる。
成分の立体規則性の評価に用いられる立体規則性指標
[M5 ]について説明する。プロピレン重合体の23℃
デカン不溶成分がプロピレンの単独重合体である場合、
該不溶成分は、たとえば下記式(A)のように表すこと
ができる。
【0021】
【化3】
【0022】で表されるプロピレン単位5連鎖中の3単
位目のメチル基(たとえばMe3、Me4)に由来する13C
−NMRスペクトルにおける吸収強度をPmmmmとし、プ
ロピレン単位中の全メチル基(Me1、Me2、Me3…)に
由来する吸収強度をPwとすると、上記式(A)で表さ
れる23℃デカン不溶成分の立体規則性は、PmmmmとP
wとの比、すなわち下記式(1A)から求められる値に
より評価することができる。
位目のメチル基(たとえばMe3、Me4)に由来する13C
−NMRスペクトルにおける吸収強度をPmmmmとし、プ
ロピレン単位中の全メチル基(Me1、Me2、Me3…)に
由来する吸収強度をPwとすると、上記式(A)で表さ
れる23℃デカン不溶成分の立体規則性は、PmmmmとP
wとの比、すなわち下記式(1A)から求められる値に
より評価することができる。
【0023】
【数4】
【0024】また、プロピレン重合体の23℃デカン不
溶成分がプロピレン単位以外の他のオレフィンから誘導
される構成単位、たとえばエチレン単位を少量含む場
合、該不溶成分は、たとえば下記式(B-1)または(B
-2)のように表すことができる。なお式(B-1)は、プ
ロピレン単位連鎖中に1個のエチレン単位が含まれる場
合を示し、式(B-2)は、プロピレン単位連鎖中に、2
個以上のエチレン単位からなるエチレン単位連鎖が含ま
れる場合を示している。
溶成分がプロピレン単位以外の他のオレフィンから誘導
される構成単位、たとえばエチレン単位を少量含む場
合、該不溶成分は、たとえば下記式(B-1)または(B
-2)のように表すことができる。なお式(B-1)は、プ
ロピレン単位連鎖中に1個のエチレン単位が含まれる場
合を示し、式(B-2)は、プロピレン単位連鎖中に、2
個以上のエチレン単位からなるエチレン単位連鎖が含ま
れる場合を示している。
【0025】
【化4】
【0026】このような場合、プロピレン単位5連鎖中
の3単位目のメチル基以外のメチル基(上記式(B-
1)、(B-2)では、Me4、Me5、Me6およびMe7)に
由来する吸収強度は立体規則性を評価する際、原理的に
除外すべきものである。しかしこれらのメチル基の吸収
は他のメチル基の吸収と重なって観測されるため、定量
することは困難である。
の3単位目のメチル基以外のメチル基(上記式(B-
1)、(B-2)では、Me4、Me5、Me6およびMe7)に
由来する吸収強度は立体規則性を評価する際、原理的に
除外すべきものである。しかしこれらのメチル基の吸収
は他のメチル基の吸収と重なって観測されるため、定量
することは困難である。
【0027】そこで、プロピレン重合体の23℃デカン
不溶成分が式(B-1)で示されるような場合には、エチ
レン単位中の2級炭素であって、プロピレン単位中の3
級炭素(Ca )と結合している2級炭素(C1 )に由来
する13C−NMRスペクトルにおける吸収強度(Sα
γ)、およびプロピレン単位中の2級炭素であって、エ
チレン単位中の2級炭素(C2 )と結合している2級炭
素(C3 )に由来する吸収強度(Sαγ)を用いてこれ
を除外する。
不溶成分が式(B-1)で示されるような場合には、エチ
レン単位中の2級炭素であって、プロピレン単位中の3
級炭素(Ca )と結合している2級炭素(C1 )に由来
する13C−NMRスペクトルにおける吸収強度(Sα
γ)、およびプロピレン単位中の2級炭素であって、エ
チレン単位中の2級炭素(C2 )と結合している2級炭
素(C3 )に由来する吸収強度(Sαγ)を用いてこれ
を除外する。
【0028】すなわち、主鎖中の2級炭素であって、該
2級炭素(C1 またはC3 )から最も近い2個の3級炭
素のうち、一方(Ca またはCb )がα位にあり、他方
(C b またはCa )がγ位にあるような2級炭素に由来
する吸収強度(Sαγ)を2倍したものをPwから引く
ことにより、プロピレン単位5連鎖中の3単位目のメチ
ル基以外のメチル基(Me4、Me5、Me6およびMe7)に
由来する吸収強度を除外する。
2級炭素(C1 またはC3 )から最も近い2個の3級炭
素のうち、一方(Ca またはCb )がα位にあり、他方
(C b またはCa )がγ位にあるような2級炭素に由来
する吸収強度(Sαγ)を2倍したものをPwから引く
ことにより、プロピレン単位5連鎖中の3単位目のメチ
ル基以外のメチル基(Me4、Me5、Me6およびMe7)に
由来する吸収強度を除外する。
【0029】また、プロピレン重合体の23℃デカン不
溶成分が式(B-2)で示されるような場合は、2個以上
のエチレン単位からなるエチレン単位連鎖中の2級炭素
であって、プロピレン単位中の3級炭素(Cd )と結合
している2級炭素(C4 )に由来する13C−NMRスペ
クトルにおける吸収強度(Sαδ+ )、およびプロピレ
ン単位中の2級炭素であって、2以上のエチレン単位連
鎖中の2級炭素(C5)と結合している2級炭素
(C6 )に由来する吸収強度(Sαδ+ )を用いてこれ
を除外する。
溶成分が式(B-2)で示されるような場合は、2個以上
のエチレン単位からなるエチレン単位連鎖中の2級炭素
であって、プロピレン単位中の3級炭素(Cd )と結合
している2級炭素(C4 )に由来する13C−NMRスペ
クトルにおける吸収強度(Sαδ+ )、およびプロピレ
ン単位中の2級炭素であって、2以上のエチレン単位連
鎖中の2級炭素(C5)と結合している2級炭素
(C6 )に由来する吸収強度(Sαδ+ )を用いてこれ
を除外する。
【0030】すなわち、主鎖中の2級炭素であって、該
2級炭素(C4 またはC6 )から最も近い2個の3級炭
素のうち、一方(Cd またはCe )がα位にあり、他方
(C e またはCd )がδ位またはδ位より離れた位置に
あるような2級炭素に由来する吸収強度(Sαδ+ )を
2倍したものをPwから引くことにより、プロピレン単
位5連鎖中の3単位目のメチル基以外のメチル基(M
e4、Me5、Me6およびMe7)に由来する吸収強度を除外
する。
2級炭素(C4 またはC6 )から最も近い2個の3級炭
素のうち、一方(Cd またはCe )がα位にあり、他方
(C e またはCd )がδ位またはδ位より離れた位置に
あるような2級炭素に由来する吸収強度(Sαδ+ )を
2倍したものをPwから引くことにより、プロピレン単
位5連鎖中の3単位目のメチル基以外のメチル基(M
e4、Me5、Me6およびMe7)に由来する吸収強度を除外
する。
【0031】したがって、上記式(B-1)、(B-2)で
表されるプロピレン重合体の23℃デカン不溶成分の立
体規則性は、下記式(1B)から求められる値により評
価することができる。
表されるプロピレン重合体の23℃デカン不溶成分の立
体規則性は、下記式(1B)から求められる値により評
価することができる。
【0032】
【数5】
【0033】さらに、プロピレン重合体の23℃デカン
不溶成分が少量のエチレン単位を含み、かつ、エチレン
単位連鎖中に1個のプロピレン単位が含まれる場合に
は、該不溶成分は、たとえば下記式(C)のように表す
ことができる。
不溶成分が少量のエチレン単位を含み、かつ、エチレン
単位連鎖中に1個のプロピレン単位が含まれる場合に
は、該不溶成分は、たとえば下記式(C)のように表す
ことができる。
【0034】
【化5】
【0035】このような場合、上記(1B)式をそのま
ま適用すると、除外すべきメチル基が5個(Me4、M
e5、Me6、Me7およびMe8)であるにもかかわらず、S
αγまたはSαδ+ に該当するメチル基が4個あるた
め、プロピレン単位5連鎖中の中央のメチル基以外のメ
チル基を、3個多く除外することになるため、さらに補
正が必要となる。
ま適用すると、除外すべきメチル基が5個(Me4、M
e5、Me6、Me7およびMe8)であるにもかかわらず、S
αγまたはSαδ+ に該当するメチル基が4個あるた
め、プロピレン単位5連鎖中の中央のメチル基以外のメ
チル基を、3個多く除外することになるため、さらに補
正が必要となる。
【0036】そこでエチレン単位連鎖中に含まれるプロ
ピレン単位中の3級炭素に由来する 13C−NMRスペク
トルにおける吸収強度を用いてこれを補正する。すなわ
ち、主鎖中の3級炭素であって、該3級炭素から最も近
い2個の3級炭素(Cf 、C g )のうち、一方(Cf )
がδ位またはδ位より離れた位置にあり、他方(Cg)
がδ位またはδ位より離れた位置にあるような3級炭素
(C7 )に由来する吸収強度(Tδ+ δ+ )を3倍した
ものをPwに加えることによりこれを補正する。
ピレン単位中の3級炭素に由来する 13C−NMRスペク
トルにおける吸収強度を用いてこれを補正する。すなわ
ち、主鎖中の3級炭素であって、該3級炭素から最も近
い2個の3級炭素(Cf 、C g )のうち、一方(Cf )
がδ位またはδ位より離れた位置にあり、他方(Cg)
がδ位またはδ位より離れた位置にあるような3級炭素
(C7 )に由来する吸収強度(Tδ+ δ+ )を3倍した
ものをPwに加えることによりこれを補正する。
【0037】したがって、プロピレン重合体の23℃デ
カン不溶成分の立体規則性は、下記式(1)により求め
た立体規則性指標[M5 ]の値により評価することがで
きる。
カン不溶成分の立体規則性は、下記式(1)により求め
た立体規則性指標[M5 ]の値により評価することがで
きる。
【0038】
【数6】
【0039】なお、(1A)式および(1B)式は
(1)式と異なるものではなく、(1)式の特殊なケー
スと位置づけられる。また、23℃デカン不溶成分に含
まれるプロピレン単位以外の構成単位単位によっては、
上記の補正が不要となる場合もある。
(1)式と異なるものではなく、(1)式の特殊なケー
スと位置づけられる。また、23℃デカン不溶成分に含
まれるプロピレン単位以外の構成単位単位によっては、
上記の補正が不要となる場合もある。
【0040】後述するプロピレン系ブロック共重合体の
23℃デカン不溶成分の立体規則性も、23℃デカン不
溶成分の13C−NMRスペクトルにおけるPmmmm、P
w、Sαγ、Sαδ+ 、Tδ+ δ+ の吸収強度を測定
し、前記式(1)から立体規則性指標[M5 ]の値を求
めることにより同様に評価することができる。
23℃デカン不溶成分の立体規則性も、23℃デカン不
溶成分の13C−NMRスペクトルにおけるPmmmm、P
w、Sαγ、Sαδ+ 、Tδ+ δ+ の吸収強度を測定
し、前記式(1)から立体規則性指標[M5 ]の値を求
めることにより同様に評価することができる。
【0041】プロピレン重合体は、23℃デカン不溶成
分の13C−NMRスペクトルにおけるPmmmm、Pwの吸
収強度から上記式(1)により求められる立体規則性指
標[M5 ]の値が0.955〜0.995、好ましくは
0.975〜0.995、より好ましくは0.980〜
0.995の範囲にあるとともに、23℃デカン不溶成
分の下記式(2)により求められる立体規則性指標[M
3 ]の値が0.0020〜0.0050の範囲にあるこ
とが望ましい。
分の13C−NMRスペクトルにおけるPmmmm、Pwの吸
収強度から上記式(1)により求められる立体規則性指
標[M5 ]の値が0.955〜0.995、好ましくは
0.975〜0.995、より好ましくは0.980〜
0.995の範囲にあるとともに、23℃デカン不溶成
分の下記式(2)により求められる立体規則性指標[M
3 ]の値が0.0020〜0.0050の範囲にあるこ
とが望ましい。
【0042】
【数7】
【0043】[Pw]、[Sαγ]、[Sαδ+ ]およ
び[Tδ+ δ+ ]は、上記式(1)と同様である。) 上記式(2)中、 [Pmmrm]、[Pmrmr]、[Pmrr
r]、[Prmrr]、[Prmmr]、[Prrrr]は、プロピ
レン単位連鎖中における5個の連続するプロピレン単位
のメチル基のうち、3個が同一方向、2個が反対方向を
向いた構造(以下「M3 構造」ということがある)を有
するプロピレン単位5連鎖中の第3単位目のメチル基に
由来する吸収強度を示している。すなわち上記(2)に
より求められる立体規則性指標[M3 ]の値は、プロピ
レン単位連鎖中におけるM3 構造の割合を示している。
び[Tδ+ δ+ ]は、上記式(1)と同様である。) 上記式(2)中、 [Pmmrm]、[Pmrmr]、[Pmrr
r]、[Prmrr]、[Prmmr]、[Prrrr]は、プロピ
レン単位連鎖中における5個の連続するプロピレン単位
のメチル基のうち、3個が同一方向、2個が反対方向を
向いた構造(以下「M3 構造」ということがある)を有
するプロピレン単位5連鎖中の第3単位目のメチル基に
由来する吸収強度を示している。すなわち上記(2)に
より求められる立体規則性指標[M3 ]の値は、プロピ
レン単位連鎖中におけるM3 構造の割合を示している。
【0044】前記プロピレン重合体は、23℃デカン不
溶成分の上記式(1)により求められる立体規則性指標
[M5 ]の値が0.970〜0.995の範囲にあり、
23℃デカン不溶成分の上記式(2)により求められる
立体規則性指標[M3 ]の値が0.0020〜0.00
50の範囲にあるため極めて長いメソ連鎖(α-メチル
炭素が同一方向に向いているプロピレン単位連鎖)を有
している。
溶成分の上記式(1)により求められる立体規則性指標
[M5 ]の値が0.970〜0.995の範囲にあり、
23℃デカン不溶成分の上記式(2)により求められる
立体規則性指標[M3 ]の値が0.0020〜0.00
50の範囲にあるため極めて長いメソ連鎖(α-メチル
炭素が同一方向に向いているプロピレン単位連鎖)を有
している。
【0045】一般にポリプロピレンは、立体規則性指標
[M3 ]の値が小さい方がメソ連鎖が長い。しかし立体
規則性指標[M5 ]の値が極めて大きく、立体規則性指
標[M3 ]の値が非常に小さい場合には、立体規則性指
標[M5 ]の値がほぼ同じであれば立体規則性指標[M
3 ]の値が大きい方がメソ連鎖が長くなる場合がある。
[M3 ]の値が小さい方がメソ連鎖が長い。しかし立体
規則性指標[M5 ]の値が極めて大きく、立体規則性指
標[M3 ]の値が非常に小さい場合には、立体規則性指
標[M5 ]の値がほぼ同じであれば立体規則性指標[M
3 ]の値が大きい方がメソ連鎖が長くなる場合がある。
【0046】たとえば下記に示すような構造(イ)を有
するポリプロピレンと、構造(ロ)を有するポリプロピ
レンとを比較すると、M3 構造を有する構造(イ)で表
されるポリプロピレンは、M3 構造を有しない構造
(ロ)で表されるポリプロピレンに比べ長いメソ連鎖を
有している。(ただし下記構造(イ)、構造(ロ)は、
いずれも1003単位のプロピレン単位からなるものと
する。)
するポリプロピレンと、構造(ロ)を有するポリプロピ
レンとを比較すると、M3 構造を有する構造(イ)で表
されるポリプロピレンは、M3 構造を有しない構造
(ロ)で表されるポリプロピレンに比べ長いメソ連鎖を
有している。(ただし下記構造(イ)、構造(ロ)は、
いずれも1003単位のプロピレン単位からなるものと
する。)
【0047】
【化6】
【0048】上記構造(イ)で表されるポリプロピレン
の立体規則性指標[M5 ]の値は0.986であり、上
記構造(ロ)で表されるポリプロピレンの立体規則性指
標[M5 ]の値は0.985であり、構造(イ)で表さ
れるポリプロピレンおよび構造(ロ)で表されるポリプ
ロピレンの立体規則性指標[M5 ]の値は、ほぼ等しい
値である。しかしながら、M3 構造を有する構造(イ)
で表されるポリプロピレンでは、メソ連鎖に含まれるプ
ロピレン単位は、平均497単位であり、M3構造を含
有しない構造(ロ)で表されるポリプロピレンでは、メ
ソ連鎖に含まれるプロピレン単位は、平均250単位と
なる。すなわち、立体規則性指標[M5]の値が極めて
大きいポリプロピレンでは、プロピレン単位連鎖中に含
まれるr(racemo)で示される構造の割合が極めて小さ
くなるので、r(racemo)で示される構造が集中して存
在するポリプロピレン(M3 構造を有するポリプロピレ
ン)は、r(racemo)で示される構造が分散して存在す
るポリプロピレン(M3 構造を有しないポリプロピレ
ン)より長いメソ連鎖を有することになる。
の立体規則性指標[M5 ]の値は0.986であり、上
記構造(ロ)で表されるポリプロピレンの立体規則性指
標[M5 ]の値は0.985であり、構造(イ)で表さ
れるポリプロピレンおよび構造(ロ)で表されるポリプ
ロピレンの立体規則性指標[M5 ]の値は、ほぼ等しい
値である。しかしながら、M3 構造を有する構造(イ)
で表されるポリプロピレンでは、メソ連鎖に含まれるプ
ロピレン単位は、平均497単位であり、M3構造を含
有しない構造(ロ)で表されるポリプロピレンでは、メ
ソ連鎖に含まれるプロピレン単位は、平均250単位と
なる。すなわち、立体規則性指標[M5]の値が極めて
大きいポリプロピレンでは、プロピレン単位連鎖中に含
まれるr(racemo)で示される構造の割合が極めて小さ
くなるので、r(racemo)で示される構造が集中して存
在するポリプロピレン(M3 構造を有するポリプロピレ
ン)は、r(racemo)で示される構造が分散して存在す
るポリプロピレン(M3 構造を有しないポリプロピレ
ン)より長いメソ連鎖を有することになる。
【0049】プロピレン重合体は、上記構造(イ)で示
されるようなM3 構造を有する高結晶性ポリプロピレン
であり、23℃デカン不溶成分の立体規則性指標
[M5 ]の値が0.970〜0.995の範囲にあり、
23℃デカン不溶成分の立体規則性指標[M3 ]の値が
0.0020〜0.0050の範囲にある。
されるようなM3 構造を有する高結晶性ポリプロピレン
であり、23℃デカン不溶成分の立体規則性指標
[M5 ]の値が0.970〜0.995の範囲にあり、
23℃デカン不溶成分の立体規則性指標[M3 ]の値が
0.0020〜0.0050の範囲にある。
【0050】なお、23℃デカン不溶成分の立体規則性
指標[M3 ]の値が、0.0020〜0.0050の範
囲からはずれると、上記の特性が低下することがある。
ここでプロピレン重合体の23℃デカン不溶成分は、以
下のようにして調製される。すなわち、攪拌装置付1リ
ットルのフラスコに、重合体試料3g、2,6-ジtert-ブ
チル-4-メチルフェノール20mg、n-デカン500ml
を入れ、145℃の油浴上で加熱溶解させる。重合体
試料が溶解した後、約8時間かけて室温まで冷却し、続
いて23℃の水浴上で8時間保持する。析出した重合体
と、溶解ポリマーを含むn-デカン懸濁液とをG-4 (また
はG-2)のグラスフィルターで濾過分離する。得られた
溶液を10mmHg、150℃で、恒量になるまで乾燥
し、その重量を測定して、前記混合溶媒中への重合体の
可溶成分量とし、試料重合体の重量に対する百分率とし
て算出しこれを100より減ずる。プロピレン重合体の
23℃デカン不溶成分量は、通常90重量%以上、好ま
しくは93重量%以上、より好ましくは95重量%以
上、さらに好ましくは98重量%以上、特に好ましくは
98.5重量%以上である。
指標[M3 ]の値が、0.0020〜0.0050の範
囲からはずれると、上記の特性が低下することがある。
ここでプロピレン重合体の23℃デカン不溶成分は、以
下のようにして調製される。すなわち、攪拌装置付1リ
ットルのフラスコに、重合体試料3g、2,6-ジtert-ブ
チル-4-メチルフェノール20mg、n-デカン500ml
を入れ、145℃の油浴上で加熱溶解させる。重合体
試料が溶解した後、約8時間かけて室温まで冷却し、続
いて23℃の水浴上で8時間保持する。析出した重合体
と、溶解ポリマーを含むn-デカン懸濁液とをG-4 (また
はG-2)のグラスフィルターで濾過分離する。得られた
溶液を10mmHg、150℃で、恒量になるまで乾燥
し、その重量を測定して、前記混合溶媒中への重合体の
可溶成分量とし、試料重合体の重量に対する百分率とし
て算出しこれを100より減ずる。プロピレン重合体の
23℃デカン不溶成分量は、通常90重量%以上、好ま
しくは93重量%以上、より好ましくは95重量%以
上、さらに好ましくは98重量%以上、特に好ましくは
98.5重量%以上である。
【0051】なお、プロピレン重合体の23℃デカン不
溶成分のNMR測定は、たとえば次のようにして行われ
る。すなわち、該不溶成分0.35gをヘキサクロロブ
タジエン2.0ml に加熱溶解させる。この溶液をグラ
スフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン
0.5ml を加え、内径10mmのNMRチューブに装
入する。そして日本電子製GX−500型NMR測定装
置を用い、120℃で 13C−NMR測定を行う。積算回
数は、10,000回以上とする。立体規則性指標[M
5 ]および[M3 ]の値は、上記測定によって得られる
各々の構造に基づくピーク強度あるいはピーク強度の総
和とから求めることができる。
溶成分のNMR測定は、たとえば次のようにして行われ
る。すなわち、該不溶成分0.35gをヘキサクロロブ
タジエン2.0ml に加熱溶解させる。この溶液をグラ
スフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン
0.5ml を加え、内径10mmのNMRチューブに装
入する。そして日本電子製GX−500型NMR測定装
置を用い、120℃で 13C−NMR測定を行う。積算回
数は、10,000回以上とする。立体規則性指標[M
5 ]および[M3 ]の値は、上記測定によって得られる
各々の構造に基づくピーク強度あるいはピーク強度の総
和とから求めることができる。
【0052】プロピレン重合体は、下記式(i)または
(ii)で表される化合物から誘導される構成単位からな
る重合体を10〜10000ppm、好ましくは100
〜5000ppmの範囲の量で含有していることが望ま
しい。
(ii)で表される化合物から誘導される構成単位からな
る重合体を10〜10000ppm、好ましくは100
〜5000ppmの範囲の量で含有していることが望ま
しい。
【0053】
【化7】
【0054】上記式(i)において、Xで示されるシク
ロアルキル基しては、シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基、シクロヘプチル基などが挙げられ、アリール基と
しては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル
基などが挙げられる。
ロアルキル基しては、シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基、シクロヘプチル基などが挙げられ、アリール基と
しては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル
基などが挙げられる。
【0055】上記式(i)または(ii)において、
R1 、R2 およびR3 で示される炭化水素基としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアル
キル基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、あ
るいはノルボルニル基などが挙げられる。さらにR1 、
R2 およびR3 で示される炭化水素基には、ケイ素、ハ
ロゲンが含まれていてもよい。
R1 、R2 およびR3 で示される炭化水素基としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアル
キル基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、あ
るいはノルボルニル基などが挙げられる。さらにR1 、
R2 およびR3 で示される炭化水素基には、ケイ素、ハ
ロゲンが含まれていてもよい。
【0056】このような上記式(i)または(ii)で表
される化合物として具体的には、3-メチル-1-ブテン、3
-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-
1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘ
キセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセ
ン、3-エチル-1-ヘキセン、アリルナフタレン、アリル
ノルボルナン、スチレン、ジメチルスチレン類、ビニル
ナフタレン類、アリルトルエン類、アリルベンゼン、ビ
ニルシクロヘキサン、ビニルシクロペンタン、ビニルシ
クロヘプタン、アリルトリアルキルシラン類などが例示
できる。これらの中では3-メチル-1-ブテン、3-メチル-
1-ペンテン、3-エチル-1-ヘキセン、ビニルシクロヘキ
サン、アリルトリメチルシラン、ジメチルスチレンなど
を含有していることが好ましく、3-メチル-1-ブテン、
ビニルシクロヘキサン、アリルトリメチルシランを含有
していることがより好ましく、3-メチル-1-ブテンを含
有していることが特に好ましい。
される化合物として具体的には、3-メチル-1-ブテン、3
-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-
1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘ
キセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセ
ン、3-エチル-1-ヘキセン、アリルナフタレン、アリル
ノルボルナン、スチレン、ジメチルスチレン類、ビニル
ナフタレン類、アリルトルエン類、アリルベンゼン、ビ
ニルシクロヘキサン、ビニルシクロペンタン、ビニルシ
クロヘプタン、アリルトリアルキルシラン類などが例示
できる。これらの中では3-メチル-1-ブテン、3-メチル-
1-ペンテン、3-エチル-1-ヘキセン、ビニルシクロヘキ
サン、アリルトリメチルシラン、ジメチルスチレンなど
を含有していることが好ましく、3-メチル-1-ブテン、
ビニルシクロヘキサン、アリルトリメチルシランを含有
していることがより好ましく、3-メチル-1-ブテンを含
有していることが特に好ましい。
【0057】またプロピレン重合体は、プロピレン以外
の炭素数20以下のオレフィン、あるいは炭素数4〜2
0のジエン化合物から誘導される構成単位を少量含有し
ていてもよい。
の炭素数20以下のオレフィン、あるいは炭素数4〜2
0のジエン化合物から誘導される構成単位を少量含有し
ていてもよい。
【0058】このようにプロピレン重合体が、プロピレ
ン以外のモノマー成分を少量含んでいても、上記立体規
則性指標[M5 ]の値および立体規則性指標[M3 ]の
値に実質的に影響を与えるものではない。
ン以外のモノマー成分を少量含んでいても、上記立体規
則性指標[M5 ]の値および立体規則性指標[M3 ]の
値に実質的に影響を与えるものではない。
【0059】プロピレン重合体では、密度が0.895
〜0.936g/cm3 、好ましくは0.900〜0.
936g/cm3 、好ましくは0.905〜0.936
g/cm3 の範囲にあることが望ましい。
〜0.936g/cm3 、好ましくは0.900〜0.
936g/cm3 、好ましくは0.905〜0.936
g/cm3 の範囲にあることが望ましい。
【0060】プロピレン重合体の135℃のデカリン中
で測定される極限粘度[η]は、通常30〜0.001
dl/g、好ましくは10〜0.01dl/g、特に好
ましくは8〜0.05dl/gの範囲にあることが望ま
しい。
で測定される極限粘度[η]は、通常30〜0.001
dl/g、好ましくは10〜0.01dl/g、特に好
ましくは8〜0.05dl/gの範囲にあることが望ま
しい。
【0061】次に、プロピレン系ブロック共重合体につ
いて説明する。プロピレン系ブロック共重合体は、エチ
レンおよび/または炭素数4〜10のオレフィンから誘
導される構成単位0〜20モル%と、プロピレンから誘
導される構成単位とからなる結晶性ポリプロピレン部
と、炭素数2〜20のオレフィンからから誘導される構
成単位を2種以上含む、低結晶性共重合体部または非晶
性共重合体部とからなるブロック共重合体である。
いて説明する。プロピレン系ブロック共重合体は、エチ
レンおよび/または炭素数4〜10のオレフィンから誘
導される構成単位0〜20モル%と、プロピレンから誘
導される構成単位とからなる結晶性ポリプロピレン部
と、炭素数2〜20のオレフィンからから誘導される構
成単位を2種以上含む、低結晶性共重合体部または非晶
性共重合体部とからなるブロック共重合体である。
【0062】プロピレン系ブロック共重合体は、プロピ
レンから誘導される構成単位が50〜98モル%、好ま
しくは60〜97モル%の量で含有され、エチレンおよ
び/または炭素数4以上のオレフィンから誘導される構
成単位が50〜2モル%、好ましくは40〜3モル%の
量で含有されていることが望ましい。
レンから誘導される構成単位が50〜98モル%、好ま
しくは60〜97モル%の量で含有され、エチレンおよ
び/または炭素数4以上のオレフィンから誘導される構
成単位が50〜2モル%、好ましくは40〜3モル%の
量で含有されていることが望ましい。
【0063】ここで炭素数4〜20のオレフィンとして
具体的には、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メ
チル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、
3-メチル-1-ブテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラ
デセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセ
ン、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、
5-エチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2-
エチル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒ
ドロナフタレンなどが挙げられる。
具体的には、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メ
チル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、
3-メチル-1-ブテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラ
デセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセ
ン、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、
5-エチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2-
エチル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒ
ドロナフタレンなどが挙げられる。
【0064】このプロピレン系ブロック共重合体は、2
30℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート
が0.1〜500g/10分、好ましくは0.2〜300
g/10分の範囲にあることが望ましい。
30℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート
が0.1〜500g/10分、好ましくは0.2〜300
g/10分の範囲にあることが望ましい。
【0065】また、プロピレン系ブロック共重合体は、
前記式(1)から求められる立体規則性指標[M5 ]の
値が0.955〜0.995、好ましくは0.975〜
0.995、より好ましくは0.980〜0.995の
範囲にある。立体規則性指標[M5 ]の値が上記のよう
な範囲にあるプロピレン重合体は、立体規則性が高い。
前記式(1)から求められる立体規則性指標[M5 ]の
値が0.955〜0.995、好ましくは0.975〜
0.995、より好ましくは0.980〜0.995の
範囲にある。立体規則性指標[M5 ]の値が上記のよう
な範囲にあるプロピレン重合体は、立体規則性が高い。
【0066】プロピレン系ブロック共重合体は、前記式
(2)から求められる立体規則性指標[M3 」値が、
0.0020〜0.0050の範囲にあることが望まし
い。プロピレン系ブロック共重合体の結晶性ポリプロピ
レン部は、23℃デカン不溶成分の上記式(1)により
求められる立体規則性指標[M5 ]の値が0.970〜
0.995の範囲にあり、23℃デカン不溶成分の上記
式(2)により求められる立体規則性指標[M3 ]の値
が0.0020〜0.0050の範囲にあるため極めて
長いメソ連鎖(α-メチル炭素が同一方向に向いている
プロピレン単位連鎖)を有している。
(2)から求められる立体規則性指標[M3 」値が、
0.0020〜0.0050の範囲にあることが望まし
い。プロピレン系ブロック共重合体の結晶性ポリプロピ
レン部は、23℃デカン不溶成分の上記式(1)により
求められる立体規則性指標[M5 ]の値が0.970〜
0.995の範囲にあり、23℃デカン不溶成分の上記
式(2)により求められる立体規則性指標[M3 ]の値
が0.0020〜0.0050の範囲にあるため極めて
長いメソ連鎖(α-メチル炭素が同一方向に向いている
プロピレン単位連鎖)を有している。
【0067】このようなプロピレン系ブロック共重合体
の23℃デカン不溶成分量は、通常50〜98重量%、
好ましくは80〜95重量%、より好ましくは85〜9
5重量%、さらに好ましくは87〜95重量%である。
の23℃デカン不溶成分量は、通常50〜98重量%、
好ましくは80〜95重量%、より好ましくは85〜9
5重量%、さらに好ましくは87〜95重量%である。
【0068】上記のデカン可溶成分量および23℃デカ
ン不溶成分量の測定方法は、前記のプロピレン系重合体
での測定方法と同様の方法が用いられる。プロピレン系
ブロック共重合体は、上記式(i)または(ii)で表さ
れる化合物から誘導される構成単位からなる重合体を1
0〜10000ppm、好ましくは100〜5000p
pmの範囲の量で含有していることが望ましい。
ン不溶成分量の測定方法は、前記のプロピレン系重合体
での測定方法と同様の方法が用いられる。プロピレン系
ブロック共重合体は、上記式(i)または(ii)で表さ
れる化合物から誘導される構成単位からなる重合体を1
0〜10000ppm、好ましくは100〜5000p
pmの範囲の量で含有していることが望ましい。
【0069】またプロピレン系ブロック共重合体では、
密度が0.885〜0.936g/cm3 、好ましくは
0.900〜0.933g/cm3 の範囲にあることが
望ましい。
密度が0.885〜0.936g/cm3 、好ましくは
0.900〜0.933g/cm3 の範囲にあることが
望ましい。
【0070】プロピレン系ブロック共重合体の135℃
のデカリン中で測定される極限粘度[η]は、通常30
〜0.001dl/g、好ましくは10〜0.01dl
/g、特に好ましくは8〜0.05dl/gの範囲にあ
ることが望ましい。
のデカリン中で測定される極限粘度[η]は、通常30
〜0.001dl/g、好ましくは10〜0.01dl
/g、特に好ましくは8〜0.05dl/gの範囲にあ
ることが望ましい。
【0071】このようなプロピレン系重合体は、たとえ
ば、[Ia]マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電
子供与体を必須成分として含有する固体状チタン触媒成
分(a)と、[II]有機金属触媒成分(b)と、[II
I]下記式(iii)で示されるケイ素化合物(c)および
/または複数の原子を介して存在する2個以上のエーテ
ル結合を有する化合物(d)と Ra n Si(ORb )4-n … (iii) (式中、nは1、2または3であり、nが1のとき、R
a は2級または3級の炭化水素基であり、nが2または
3のとき、Ra の少なくとも1つは2級または3級の炭
化水素基であり、Ra は同一であっても異なっていても
よく、Rb は炭素数1〜4の炭化水素基であって、4−
nが2または3であるとき、Rb は同一であっても異な
っていてもよい。)から形成されるオレフィン重合触媒
の存在下に、好ましくは[Ib]マグネシウム、チタ
ン、ハロゲンおよび電子供与体を必須成分として含有す
る固体状チタン触媒成分(a)と、有機金属触媒成分
(b)との存在下に、下記式(i)または(ii)で表さ
れるオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィ
ンを予備重合してなる予備重合触媒成分と、
ば、[Ia]マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電
子供与体を必須成分として含有する固体状チタン触媒成
分(a)と、[II]有機金属触媒成分(b)と、[II
I]下記式(iii)で示されるケイ素化合物(c)および
/または複数の原子を介して存在する2個以上のエーテ
ル結合を有する化合物(d)と Ra n Si(ORb )4-n … (iii) (式中、nは1、2または3であり、nが1のとき、R
a は2級または3級の炭化水素基であり、nが2または
3のとき、Ra の少なくとも1つは2級または3級の炭
化水素基であり、Ra は同一であっても異なっていても
よく、Rb は炭素数1〜4の炭化水素基であって、4−
nが2または3であるとき、Rb は同一であっても異な
っていてもよい。)から形成されるオレフィン重合触媒
の存在下に、好ましくは[Ib]マグネシウム、チタ
ン、ハロゲンおよび電子供与体を必須成分として含有す
る固体状チタン触媒成分(a)と、有機金属触媒成分
(b)との存在下に、下記式(i)または(ii)で表さ
れるオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィ
ンを予備重合してなる予備重合触媒成分と、
【0072】
【化8】
【0073】[II]有機金属触媒成分(b)と、[II
I]上記式(iii)で示されるケイ素化合物(c)または
複数の原子を介して存在する2個以上のエーテル結合を
有する化合物(d)とから形成されるオレフィン重合触
媒の存在下に、プロピレンを重合させることにより製造
することができる。
I]上記式(iii)で示されるケイ素化合物(c)または
複数の原子を介して存在する2個以上のエーテル結合を
有する化合物(d)とから形成されるオレフィン重合触
媒の存在下に、プロピレンを重合させることにより製造
することができる。
【0074】以下に前記プロピレン系重合体の製造に使
用されるオレフィン重合触媒を形成する各成分について
具体的に説明する。固体状チタン触媒成分(a)は、下
記のようなマグネシウム化合物、チタン化合物および電
子供与体を接触させることにより調製することができ
る。
用されるオレフィン重合触媒を形成する各成分について
具体的に説明する。固体状チタン触媒成分(a)は、下
記のようなマグネシウム化合物、チタン化合物および電
子供与体を接触させることにより調製することができ
る。
【0075】固体状チタン触媒成分(a)の調製に用い
られるチタン化合物として具体的には、たとえば、次式
で示される4価のチタン化合物を挙げることができる。 Ti(OR)g X4-g (式中、Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であ
り、gは0≦g≦4である。) このようなチタン化合物として、具体的には、TiCl
4 、TiBr4 、TiI4 などのテトラハロゲン化チ
タン;Ti(OCH3 )Cl3 、Ti(OC2 H5 )C
l3 、Ti(On-C4 H9 )Cl3 、Ti(OC
2 H5 )Br3 、Ti(O-iso-C4 H9 )Br3 など
のトリハロゲン化アルコキシチタン;Ti(OCH3 )
2 Cl2 、Ti(OC2 H5 )2 Cl2 、Ti(On-C
4 H 9 )2 Cl2 、Ti(OC2 H5 )2 Br2 など
のジハロゲン化ジアルコキシチタン;Ti(OCH3 )
3 Cl、Ti(OC2 H5 )3 Cl、Ti(On-C4 H
9 ) 3 Cl、Ti(OC2 H5 )3 Br などのモノハ
ロゲン化トリアルコキシチタン;Ti(OCH3 )4 、
Ti(OC2 H5 )4 、Ti(On-C4 H9 )4 、Ti
(O-iso-C4 H9 )4 、Ti(O-2-エチルヘキシル)
4 などのテトラアルコキシチタンなどを例示することが
できる。
られるチタン化合物として具体的には、たとえば、次式
で示される4価のチタン化合物を挙げることができる。 Ti(OR)g X4-g (式中、Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であ
り、gは0≦g≦4である。) このようなチタン化合物として、具体的には、TiCl
4 、TiBr4 、TiI4 などのテトラハロゲン化チ
タン;Ti(OCH3 )Cl3 、Ti(OC2 H5 )C
l3 、Ti(On-C4 H9 )Cl3 、Ti(OC
2 H5 )Br3 、Ti(O-iso-C4 H9 )Br3 など
のトリハロゲン化アルコキシチタン;Ti(OCH3 )
2 Cl2 、Ti(OC2 H5 )2 Cl2 、Ti(On-C
4 H 9 )2 Cl2 、Ti(OC2 H5 )2 Br2 など
のジハロゲン化ジアルコキシチタン;Ti(OCH3 )
3 Cl、Ti(OC2 H5 )3 Cl、Ti(On-C4 H
9 ) 3 Cl、Ti(OC2 H5 )3 Br などのモノハ
ロゲン化トリアルコキシチタン;Ti(OCH3 )4 、
Ti(OC2 H5 )4 、Ti(On-C4 H9 )4 、Ti
(O-iso-C4 H9 )4 、Ti(O-2-エチルヘキシル)
4 などのテトラアルコキシチタンなどを例示することが
できる。
【0076】これらの中ではハロゲン含有チタン化合物
が好ましく、さらにテトラハロゲン化チタンが好まし
く、特に四塩化チタンが好ましい。これらチタン化合物
は単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用
いてもよい。さらにこれらのチタン化合物は、炭化水素
化合物あるいはハロゲン化炭化水素化合物などに希釈さ
れていてもよい。
が好ましく、さらにテトラハロゲン化チタンが好まし
く、特に四塩化チタンが好ましい。これらチタン化合物
は単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用
いてもよい。さらにこれらのチタン化合物は、炭化水素
化合物あるいはハロゲン化炭化水素化合物などに希釈さ
れていてもよい。
【0077】固体状チタン触媒成分(a)の調製に用い
られるマグネシウム化合物としては、還元性を有するマ
グネシウム化合物および還元性を有しないマグネシウム
化合物を挙げることができる。
られるマグネシウム化合物としては、還元性を有するマ
グネシウム化合物および還元性を有しないマグネシウム
化合物を挙げることができる。
【0078】ここで還元性を有するマグネシウム化合物
としては、たとえばマグネシウム−炭素結合あるいはマ
グネシウム−水素結合を有するマグネシウム化合物を挙
げることができる。このような還元性を有するマグネシ
ウム化合物の具体的な例としては、ジメチルマグネシウ
ム、ジエチルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、
ジブチルマグネシウム、ジアミルマグネシウム、ジヘキ
シルマグネシウム、ジデシルマグネシウム、エチル塩化
マグネシウム、プロピル塩化マグネシウム、ブチル塩化
マグネシウム、ヘキシル塩化マグネシウム、アミル塩化
マグネシウム、ブチルエトキシマグネシウム、エチルブ
チルマグネシウム、ブチルマグネシウムハイドライドな
どを挙げることができる。これらマグネシウム化合物
は、単独で用いることもできるし、後述する有機金属化
合物と錯化合物を形成していてもよい。また、これらマ
グネシウム化合物は、液体であってもよく、固体あって
もよいし、金属マグネシウムと対応する化合物とを反応
させることで誘導してもよい。さらに触媒調製中に上記
の方法を用いて金属マグネシウムから誘導することもで
きる。
としては、たとえばマグネシウム−炭素結合あるいはマ
グネシウム−水素結合を有するマグネシウム化合物を挙
げることができる。このような還元性を有するマグネシ
ウム化合物の具体的な例としては、ジメチルマグネシウ
ム、ジエチルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、
ジブチルマグネシウム、ジアミルマグネシウム、ジヘキ
シルマグネシウム、ジデシルマグネシウム、エチル塩化
マグネシウム、プロピル塩化マグネシウム、ブチル塩化
マグネシウム、ヘキシル塩化マグネシウム、アミル塩化
マグネシウム、ブチルエトキシマグネシウム、エチルブ
チルマグネシウム、ブチルマグネシウムハイドライドな
どを挙げることができる。これらマグネシウム化合物
は、単独で用いることもできるし、後述する有機金属化
合物と錯化合物を形成していてもよい。また、これらマ
グネシウム化合物は、液体であってもよく、固体あって
もよいし、金属マグネシウムと対応する化合物とを反応
させることで誘導してもよい。さらに触媒調製中に上記
の方法を用いて金属マグネシウムから誘導することもで
きる。
【0079】還元性を有しないマグネシウム化合物の具
体的な例としては、塩化マグネシウム、臭化マグネシウ
ム、ヨウ化マグネシウム、フッ化マグネシウムのような
ハロゲン化マグネシウム;メトキシ塩化マグネシウム、
エトキシ塩化マグネシウム、イソプロポキシ塩化マグネ
シウム、ブトキシ塩化マグネシウム、オクトキシ塩化マ
グネシウムのようなアルコキシマグネシウムハライド;
フェノキシ塩化マグネシウム、メチルフェノキシ塩化マ
グネシウムのようなアリロキシマグネシウムハライド;
エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、
ブトキシマグネシウム、n-オクトキシマグネシウム、2-
エチルヘキソキシマグネシウムのようなアルコキシマグ
ネシウム;フェノキシマグネシウム、ジメチルフェノキ
シマグネシウムのようなアリロキシマグネシウム;ラウ
リン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムのよう
なマグネシウムのカルボン酸塩などを例示することがで
きる。
体的な例としては、塩化マグネシウム、臭化マグネシウ
ム、ヨウ化マグネシウム、フッ化マグネシウムのような
ハロゲン化マグネシウム;メトキシ塩化マグネシウム、
エトキシ塩化マグネシウム、イソプロポキシ塩化マグネ
シウム、ブトキシ塩化マグネシウム、オクトキシ塩化マ
グネシウムのようなアルコキシマグネシウムハライド;
フェノキシ塩化マグネシウム、メチルフェノキシ塩化マ
グネシウムのようなアリロキシマグネシウムハライド;
エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、
ブトキシマグネシウム、n-オクトキシマグネシウム、2-
エチルヘキソキシマグネシウムのようなアルコキシマグ
ネシウム;フェノキシマグネシウム、ジメチルフェノキ
シマグネシウムのようなアリロキシマグネシウム;ラウ
リン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムのよう
なマグネシウムのカルボン酸塩などを例示することがで
きる。
【0080】これら還元性を有しないマグネシウム化合
物は、上述した還元性を有するマグネシウム化合物から
誘導した化合物あるいは触媒成分の調製時に誘導した化
合物であってもよい。還元性を有しないマグネシウム化
合物を、還元性を有するマグネシウム化合物から誘導す
るには、たとえば、還元性を有するマグネシウム化合物
を、ハロゲン、ポリシロキサン化合物、ハロゲン含有シ
ラン化合物、ハロゲン含有アルミニウム化合物、アルコ
ール、エステル、ケトン、アルデヒドなどの活性な炭素
−酸素結合を有する化合物と接触させればよい。
物は、上述した還元性を有するマグネシウム化合物から
誘導した化合物あるいは触媒成分の調製時に誘導した化
合物であってもよい。還元性を有しないマグネシウム化
合物を、還元性を有するマグネシウム化合物から誘導す
るには、たとえば、還元性を有するマグネシウム化合物
を、ハロゲン、ポリシロキサン化合物、ハロゲン含有シ
ラン化合物、ハロゲン含有アルミニウム化合物、アルコ
ール、エステル、ケトン、アルデヒドなどの活性な炭素
−酸素結合を有する化合物と接触させればよい。
【0081】なお、マグネシウム化合物は、上記の還元
性を有するマグネシウム化合物および還元性を有しない
マグネシウム化合物の外に、上記のマグネシウム化合物
と他の金属との錯化合物、複化合物あるいは他の金属化
合物との混合物であってもよい。さらに、上記の化合物
を2種以上組み合わせて用いてもよい。
性を有するマグネシウム化合物および還元性を有しない
マグネシウム化合物の外に、上記のマグネシウム化合物
と他の金属との錯化合物、複化合物あるいは他の金属化
合物との混合物であってもよい。さらに、上記の化合物
を2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0082】固体状チタン触媒成分(a)の調製に用い
られるマグネシウム化合物としては、上述した以外にも
多くのマグネシウム化合物が使用できるが、最終的に得
られる固体状チタン触媒成分(a)中において、ハロゲ
ン含有マグネシウム化合物の形をとることが好ましく、
従ってハロゲンを含まないマグネシウム化合物を用いる
場合には、調製の途中でハロゲン含有化合物と接触反応
させることが好ましい。
られるマグネシウム化合物としては、上述した以外にも
多くのマグネシウム化合物が使用できるが、最終的に得
られる固体状チタン触媒成分(a)中において、ハロゲ
ン含有マグネシウム化合物の形をとることが好ましく、
従ってハロゲンを含まないマグネシウム化合物を用いる
場合には、調製の途中でハロゲン含有化合物と接触反応
させることが好ましい。
【0083】上述したマグネシウム化合物の中では、還
元性を有しないマグネシウム化合物が好ましく、ハロゲ
ン含有マグネシウム化合物がさらに好ましく、塩化マグ
ネシウム、アルコキシ塩化マグネシウム、アリロキシ塩
化マグネシウムが特に好ましい。
元性を有しないマグネシウム化合物が好ましく、ハロゲ
ン含有マグネシウム化合物がさらに好ましく、塩化マグ
ネシウム、アルコキシ塩化マグネシウム、アリロキシ塩
化マグネシウムが特に好ましい。
【0084】固体状チタン触媒成分(a)は、上記のよ
うなマグネシウム化合物と、前述したようなチタン化合
物および下記電子供与体を接触させることにより形成さ
れる。
うなマグネシウム化合物と、前述したようなチタン化合
物および下記電子供与体を接触させることにより形成さ
れる。
【0085】固体状チタン触媒成分(a)の調製の際に
用いられる電子供与体としては、具体的には下記のよう
な化合物が挙げられる。メチルアミン、エチルアミン、
ジメチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、
テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ト
リブチルアミン、トリベンジルアミンなどのアミン類;
ピロール、メチルピロール、ジメチルピロールなどのピ
ロール類;ピロリン;ピロリジン;インドール;ピリジ
ン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジ
ン、ジメチルピリジン、エチルメチルピリジン、トリメ
チルピリジン、フェニルピリジン、ベンジルピリジン、
塩化ピリジンなどのピリジン類;ピペリジン類、キノリ
ン類、イソキノリン類などの含窒素環状化合物;テトラ
ヒドロフラン、1,4-シネオール、1,8-シネオール、ピノ
ールフラン、メチルフラン、ジメチルフラン、ジフェニ
ルフラン、ベンゾフラン、クマラン、フタラン、テトラ
ヒドロピラン、ピラン、ジテドロピランなどの環状含酸
素化合物;メタノール、エタノール、プロパノール、ペ
ンタノール、ヘキサノール、オクタノール、2-エチルヘ
キサノール、ドデカノール、オクタデシルアルコール、
オレイルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエ
チルアルコール、クミルアルコール、イソプロピルアル
コール、イソプロピルベンジルアルコールなどの炭素数
1〜18のアルコール類;フェノール、クレゾール、キ
シレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、
ノニルフェノール、クミルフェノール、ナフトールなど
の低級アルキル基を有してもよい炭素数6〜20のフェ
ノール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、アセ
チルアセトン、ベンゾキノンなどの炭素数3〜15のケ
トン類;アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オ
クチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒ
ド、ナフトアルデヒドなどの炭素数2〜15のアルデヒ
ド類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニ
ル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシ
ル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エチル、
クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メタクリル酸
メチル、クロトン酸エチル、シクロヘキサンカルボン酸
エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プ
ロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸
シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジ
ル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸
アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、マレ
イン酸n-ブチル、メチルマロン酸ジイソブチル、シクロ
ヘキセンカルボン酸ジn-ヘキシル、ナジック酸ジエチ
ル、テトラヒドロフタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジ
エチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジn-ブチル、
フタル酸ジ2-エチルヘキシル、γ-ブチロラクトン、δ-
バレロラクトン、クマリン、フタリド、炭酸エチルなど
の炭素数2〜30の有機酸エステル;アセチルクロリ
ド、ベンゾイルクロリド、トルイル酸クロリド、アニス
酸クロリドなどの炭素数2〜15の酸ハライド類;メチ
ルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、
ブチルエーテル、アミルエーテル、アニソール、ジフェ
ニルエーテルエポキシ-p-メンタンなどの炭素数2〜2
0のエーテル類;2-イソペンチル-2-イソプロピル-1,3-
ジメトキシプロパン、2,2-イソブチル-1,3-ジメトキシ
プロパン、2,2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパ
ン、2-シクロヘキシルメチル-2-イソプロピル-1,3-ジメ
トキシプロパン、2,2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプ
ロパン、2-イソブチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシ
プロパン、2-シクロヘキシル-2-イソプロピル-1,3-ジメ
トキシプロパン、2-シクロペンチル-2-イソプロピル-1,
3-ジメトキシプロパン、2,2-ジシクロペンチル-1,3-ジ
メトキシプロパン、1,2-ビス-メトキシメチル-ビシクロ
-[2,2,1]-ヘプタン、ジフェニルジメトキシシラン、イ
ソプロピル-t-ブチルジメトキシシラン、2,2-ジイソブ
チル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、2-イソペンチル-
2-イソプロピル-1,3-ジメトキシシクロヘキサンなどの
ジエーテル類;酢酸アミド、安息香酸アミド、トルイル
酸アミドなどの酸アミド類;アセトニトリル、ベンゾニ
トリル、トルニトリルなどのニトリル類;無水酢酸、無
水フタル酸、無水安息香酸などの酸無水物などが用いら
れる。
用いられる電子供与体としては、具体的には下記のよう
な化合物が挙げられる。メチルアミン、エチルアミン、
ジメチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、
テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ト
リブチルアミン、トリベンジルアミンなどのアミン類;
ピロール、メチルピロール、ジメチルピロールなどのピ
ロール類;ピロリン;ピロリジン;インドール;ピリジ
ン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジ
ン、ジメチルピリジン、エチルメチルピリジン、トリメ
チルピリジン、フェニルピリジン、ベンジルピリジン、
塩化ピリジンなどのピリジン類;ピペリジン類、キノリ
ン類、イソキノリン類などの含窒素環状化合物;テトラ
ヒドロフラン、1,4-シネオール、1,8-シネオール、ピノ
ールフラン、メチルフラン、ジメチルフラン、ジフェニ
ルフラン、ベンゾフラン、クマラン、フタラン、テトラ
ヒドロピラン、ピラン、ジテドロピランなどの環状含酸
素化合物;メタノール、エタノール、プロパノール、ペ
ンタノール、ヘキサノール、オクタノール、2-エチルヘ
キサノール、ドデカノール、オクタデシルアルコール、
オレイルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエ
チルアルコール、クミルアルコール、イソプロピルアル
コール、イソプロピルベンジルアルコールなどの炭素数
1〜18のアルコール類;フェノール、クレゾール、キ
シレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、
ノニルフェノール、クミルフェノール、ナフトールなど
の低級アルキル基を有してもよい炭素数6〜20のフェ
ノール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、アセ
チルアセトン、ベンゾキノンなどの炭素数3〜15のケ
トン類;アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オ
クチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒ
ド、ナフトアルデヒドなどの炭素数2〜15のアルデヒ
ド類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニ
ル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシ
ル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エチル、
クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メタクリル酸
メチル、クロトン酸エチル、シクロヘキサンカルボン酸
エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プ
ロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸
シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジ
ル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸
アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、マレ
イン酸n-ブチル、メチルマロン酸ジイソブチル、シクロ
ヘキセンカルボン酸ジn-ヘキシル、ナジック酸ジエチ
ル、テトラヒドロフタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジ
エチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジn-ブチル、
フタル酸ジ2-エチルヘキシル、γ-ブチロラクトン、δ-
バレロラクトン、クマリン、フタリド、炭酸エチルなど
の炭素数2〜30の有機酸エステル;アセチルクロリ
ド、ベンゾイルクロリド、トルイル酸クロリド、アニス
酸クロリドなどの炭素数2〜15の酸ハライド類;メチ
ルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、
ブチルエーテル、アミルエーテル、アニソール、ジフェ
ニルエーテルエポキシ-p-メンタンなどの炭素数2〜2
0のエーテル類;2-イソペンチル-2-イソプロピル-1,3-
ジメトキシプロパン、2,2-イソブチル-1,3-ジメトキシ
プロパン、2,2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパ
ン、2-シクロヘキシルメチル-2-イソプロピル-1,3-ジメ
トキシプロパン、2,2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプ
ロパン、2-イソブチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシ
プロパン、2-シクロヘキシル-2-イソプロピル-1,3-ジメ
トキシプロパン、2-シクロペンチル-2-イソプロピル-1,
3-ジメトキシプロパン、2,2-ジシクロペンチル-1,3-ジ
メトキシプロパン、1,2-ビス-メトキシメチル-ビシクロ
-[2,2,1]-ヘプタン、ジフェニルジメトキシシラン、イ
ソプロピル-t-ブチルジメトキシシラン、2,2-ジイソブ
チル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、2-イソペンチル-
2-イソプロピル-1,3-ジメトキシシクロヘキサンなどの
ジエーテル類;酢酸アミド、安息香酸アミド、トルイル
酸アミドなどの酸アミド類;アセトニトリル、ベンゾニ
トリル、トルニトリルなどのニトリル類;無水酢酸、無
水フタル酸、無水安息香酸などの酸無水物などが用いら
れる。
【0086】また電子供与体として、後述するような一
般式(iii)で示されるケイ素化合物を用いることもで
きる。また上記のようなチタン化合物、マグネシウム化
合物および電子供与体を接触させる際に、下記のような
担体化合物を用い、担体担持型の固体状チタン触媒成分
(a)を調製することもできる。
般式(iii)で示されるケイ素化合物を用いることもで
きる。また上記のようなチタン化合物、マグネシウム化
合物および電子供与体を接触させる際に、下記のような
担体化合物を用い、担体担持型の固体状チタン触媒成分
(a)を調製することもできる。
【0087】このような担体化合物としては、Al2 O
3 、SiO2 、B2 O3 、MgO、CaO、TiO2 、
ZnO、ZnO2 、SnO2 、BaO、ThOおよびス
チレン−ジビニルベンゼン共重合体などの樹脂などを挙
げることができる。これら担体化合物の中でも、好まし
くはSiO2 、Al2 O3 、MgO、ZnO、ZnO 2
などを挙げることができる。
3 、SiO2 、B2 O3 、MgO、CaO、TiO2 、
ZnO、ZnO2 、SnO2 、BaO、ThOおよびス
チレン−ジビニルベンゼン共重合体などの樹脂などを挙
げることができる。これら担体化合物の中でも、好まし
くはSiO2 、Al2 O3 、MgO、ZnO、ZnO 2
などを挙げることができる。
【0088】なお、上記の成分は、たとえばケイ素、リ
ン、アルミニウムなどの他の反応試剤の存在下に接触さ
せてもよい。固体状チタン触媒成分(a)の製造方法
は、上記したようなチタン化合物、マグネシウム化合物
および電子供与体を接触させることなどにより製造する
ことができ、公知の方法を含むあらゆる方法を採用する
ことができる。
ン、アルミニウムなどの他の反応試剤の存在下に接触さ
せてもよい。固体状チタン触媒成分(a)の製造方法
は、上記したようなチタン化合物、マグネシウム化合物
および電子供与体を接触させることなどにより製造する
ことができ、公知の方法を含むあらゆる方法を採用する
ことができる。
【0089】これら固体状チタン触媒成分(a)の具体
的な製造方法を数例挙げて以下に簡単に述べる。 (1) マグネシウム化合物、電子供与体および炭化水素溶
媒からなる溶液を、有機金属化合物と接触反応させて固
体を析出させた後、または析出させながらチタン化合物
と接触反応させる方法。
的な製造方法を数例挙げて以下に簡単に述べる。 (1) マグネシウム化合物、電子供与体および炭化水素溶
媒からなる溶液を、有機金属化合物と接触反応させて固
体を析出させた後、または析出させながらチタン化合物
と接触反応させる方法。
【0090】(2) マグネシウム化合物と電子供与体から
なる錯体を有機金属化合物と接触、反応させた後、チタ
ン化合物を接触反応させる方法。 (3) 無機担体と有機マグネシウム化合物との接触物に、
チタン化合物および好ましくは電子供与体を接触反応さ
せる方法。この際、あらかじめ該接触物をハロゲン含有
化合物および/または有機金属化合物と接触反応させて
もよい。
なる錯体を有機金属化合物と接触、反応させた後、チタ
ン化合物を接触反応させる方法。 (3) 無機担体と有機マグネシウム化合物との接触物に、
チタン化合物および好ましくは電子供与体を接触反応さ
せる方法。この際、あらかじめ該接触物をハロゲン含有
化合物および/または有機金属化合物と接触反応させて
もよい。
【0091】(4) マグネシウム化合物、電子供与体、場
合によっては更に炭化水素溶媒を含む溶液と無機または
有機担体との混合物から、マグネシウム化合物の担持さ
れた無機または有機担体を得、次いでチタン化合物を接
触させる方法。
合によっては更に炭化水素溶媒を含む溶液と無機または
有機担体との混合物から、マグネシウム化合物の担持さ
れた無機または有機担体を得、次いでチタン化合物を接
触させる方法。
【0092】(5) マグネシウム化合物、チタン化合物、
電子供与体、場合によっては更に炭化水素溶媒を含む溶
液と無機または有機担体との接触により、マグネシウ
ム、チタンの担持された固体状チタン触媒成分を得る方
法。
電子供与体、場合によっては更に炭化水素溶媒を含む溶
液と無機または有機担体との接触により、マグネシウ
ム、チタンの担持された固体状チタン触媒成分を得る方
法。
【0093】(6) 液状状態の有機マグネシウム化合物を
ハロゲン含有チタン化合物と接触反応させる方法。この
とき電子供与体を少なくとも1回は用いる。 (7) 液状状態の有機マグネシウム化合物をハロゲン含有
化合物と接触反応後、チタン化合物を接触させる方法。
このとき電子供与体を少なくとも1回は用いる。
ハロゲン含有チタン化合物と接触反応させる方法。この
とき電子供与体を少なくとも1回は用いる。 (7) 液状状態の有機マグネシウム化合物をハロゲン含有
化合物と接触反応後、チタン化合物を接触させる方法。
このとき電子供与体を少なくとも1回は用いる。
【0094】(8) アルコキシ基含有マグネシウム化合物
をハロゲン含有チタン化合物と接触反応する方法。この
とき電子供与体を少なくとも1回は用いる。 (9) アルコキシ基含有マグネシウム化合物および電子供
与体からなる錯体をチタン化合物と接触反応する方法。
をハロゲン含有チタン化合物と接触反応する方法。この
とき電子供与体を少なくとも1回は用いる。 (9) アルコキシ基含有マグネシウム化合物および電子供
与体からなる錯体をチタン化合物と接触反応する方法。
【0095】(10)アルコキシ基含有マグネシウム化合物
および電子供与体からなる錯体を有機金属化合物と接触
後チタン化合物と接触反応させる方法。 (11)マグネシウム化合物と、電子供与体と、チタン化合
物とを任意の順序で接触、反応させる方法。この反応
は、各成分を電子供与体および/または有機金属化合物
やハロゲン含有ケイ素化合物などの反応助剤で予備処理
してもよい。なお、この方法においては、上記電子供与
体を少なくとも一回は用いることが好ましい。
および電子供与体からなる錯体を有機金属化合物と接触
後チタン化合物と接触反応させる方法。 (11)マグネシウム化合物と、電子供与体と、チタン化合
物とを任意の順序で接触、反応させる方法。この反応
は、各成分を電子供与体および/または有機金属化合物
やハロゲン含有ケイ素化合物などの反応助剤で予備処理
してもよい。なお、この方法においては、上記電子供与
体を少なくとも一回は用いることが好ましい。
【0096】(12)還元能を有しない液状のマグネシウム
化合物と液状チタン化合物とを、好ましくは電子供与体
の存在下で反応させて固体状のマグネシウム・チタン複
合体を析出させる方法。
化合物と液状チタン化合物とを、好ましくは電子供与体
の存在下で反応させて固体状のマグネシウム・チタン複
合体を析出させる方法。
【0097】(13)(12)で得られた反応生成物に、チタン
化合物をさらに反応させる方法。 (14)(11)あるいは(12)で得られる反応生成物に、電子供
与体およびチタン化合物をさらに反応させる方法。
化合物をさらに反応させる方法。 (14)(11)あるいは(12)で得られる反応生成物に、電子供
与体およびチタン化合物をさらに反応させる方法。
【0098】(15)マグネシウム化合物と好ましくは電子
供与体と、チタン化合物とを粉砕して得られた固体状物
を、ハロゲン、ハロゲン化合物および芳香族炭化水素の
いずれかで処理する方法。なお、この方法においては、
マグネシウム化合物のみを、あるいはマグネシウム化合
物と電子供与体とからなる錯化合物を、あるいはマグネ
シウム化合物とチタン化合物を粉砕する工程を含んでも
よい。また、粉砕後に反応助剤で予備処理し、次いでハ
ロゲンなどで処理してもよい。反応助剤としては、有機
金属化合物あるいはハロゲン含有ケイ素化合物などが挙
げられる。
供与体と、チタン化合物とを粉砕して得られた固体状物
を、ハロゲン、ハロゲン化合物および芳香族炭化水素の
いずれかで処理する方法。なお、この方法においては、
マグネシウム化合物のみを、あるいはマグネシウム化合
物と電子供与体とからなる錯化合物を、あるいはマグネ
シウム化合物とチタン化合物を粉砕する工程を含んでも
よい。また、粉砕後に反応助剤で予備処理し、次いでハ
ロゲンなどで処理してもよい。反応助剤としては、有機
金属化合物あるいはハロゲン含有ケイ素化合物などが挙
げられる。
【0099】(16)マグネシウム化合物を粉砕した後、チ
タン化合物と接触・反応させる方法。この際、粉砕時お
よび/または接触・反応時に電子供与体や、反応助剤を
用いることが好ましい。
タン化合物と接触・反応させる方法。この際、粉砕時お
よび/または接触・反応時に電子供与体や、反応助剤を
用いることが好ましい。
【0100】(17)上記(11)〜(16)で得られる化合物をハ
ロゲンまたはハロゲン化合物または芳香族炭化水素で処
理する方法。 (18)金属酸化物、有機マグネシウムおよびハロゲン含有
化合物との接触反応物を、好ましくは電子供与体および
チタン化合物と接触させる方法。
ロゲンまたはハロゲン化合物または芳香族炭化水素で処
理する方法。 (18)金属酸化物、有機マグネシウムおよびハロゲン含有
化合物との接触反応物を、好ましくは電子供与体および
チタン化合物と接触させる方法。
【0101】(19)有機酸のマグネシウム塩、アルコキシ
マグネシウム、アリーロキシマグネシウムなどのマグネ
シウム化合物を、チタン化合物および/またはハロゲン
含有炭化水素および好ましくは電子供与体と反応させる
方法。
マグネシウム、アリーロキシマグネシウムなどのマグネ
シウム化合物を、チタン化合物および/またはハロゲン
含有炭化水素および好ましくは電子供与体と反応させる
方法。
【0102】(20)マグネシウム化合物とアルコキシチタ
ンとを少なくとも含む炭化水素溶液と、チタン化合物お
よび/または電子供与体とを接触させる方法。この際ハ
ロゲン含有ケイ素化合物などのハロゲン含有化合物を共
存させることが好ましい。
ンとを少なくとも含む炭化水素溶液と、チタン化合物お
よび/または電子供与体とを接触させる方法。この際ハ
ロゲン含有ケイ素化合物などのハロゲン含有化合物を共
存させることが好ましい。
【0103】(21)還元能を有しない液状状態のマグネシ
ウム化合物と有機金属化合物とを反応させて固体状のマ
グネシウム・金属(アルミニウム)複合体を析出させ、
次いで、電子供与体およびチタン化合物を反応させる方
法。
ウム化合物と有機金属化合物とを反応させて固体状のマ
グネシウム・金属(アルミニウム)複合体を析出させ、
次いで、電子供与体およびチタン化合物を反応させる方
法。
【0104】固体状チタン触媒成分(a)を調製する際
に用いられる上記各成分の使用量は、調製方法によって
異なり一概に規定できないが、たとえばマグネシウム化
合物1モル当り、電子供与体は0.01〜10モル、好
ましくは0.1〜5モルの量で用いられ、チタン化合物
は0.01〜1000モル、好ましくは0.1〜200
モルの量で用いられる。
に用いられる上記各成分の使用量は、調製方法によって
異なり一概に規定できないが、たとえばマグネシウム化
合物1モル当り、電子供与体は0.01〜10モル、好
ましくは0.1〜5モルの量で用いられ、チタン化合物
は0.01〜1000モル、好ましくは0.1〜200
モルの量で用いられる。
【0105】このようにして得られる固体状チタン触媒
成分(a)は、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび
電子供与体を必須成分として含有している。この固体状
チタン触媒成分(a)において、ハロゲン/チタン(原
子比)は約2〜200、好ましくは約4〜100の範囲
にあり、前記電子供与体/チタン(モル比)は約0.0
1〜100、好ましくは約0.02〜10の範囲にあ
り、マグネシウム/チタン(原子比)は約1〜100、
好ましくは約2〜50の範囲にあることが望ましい。
成分(a)は、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび
電子供与体を必須成分として含有している。この固体状
チタン触媒成分(a)において、ハロゲン/チタン(原
子比)は約2〜200、好ましくは約4〜100の範囲
にあり、前記電子供与体/チタン(モル比)は約0.0
1〜100、好ましくは約0.02〜10の範囲にあ
り、マグネシウム/チタン(原子比)は約1〜100、
好ましくは約2〜50の範囲にあることが望ましい。
【0106】このような固体状チタン触媒成分(a)
(触媒成分[Ia])は、該固体状チタン触媒成分
(a)と下記有機金属触媒成分(b)との存在下、オレ
フィンの予備重合を行うことにより得られる[Ib]予
備重合触媒成分として重合に用いることが望ましい。
(触媒成分[Ia])は、該固体状チタン触媒成分
(a)と下記有機金属触媒成分(b)との存在下、オレ
フィンの予備重合を行うことにより得られる[Ib]予
備重合触媒成分として重合に用いることが望ましい。
【0107】[Ib]予備重合触媒成分の調製に用いら
れる有機金属触媒成分(b)としては、周期律表第I族
〜第III族金属の有機金属化合物が用いられ、具体的に
は、下記のような化合物が用いられる。
れる有機金属触媒成分(b)としては、周期律表第I族
〜第III族金属の有機金属化合物が用いられ、具体的に
は、下記のような化合物が用いられる。
【0108】 (b-1) 一般式 R1 m Al(OR2 )n Hp Xq (式中、R1 およびR2 は炭素原子を通常1〜15個、
好ましくは1〜4個含む炭化水素基であり、これらは互
いに同一でも異なってもよい。Xはハロゲン原子を表
し、0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、q
は0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3であ
る。)で表される有機アルミニウム化合物。
好ましくは1〜4個含む炭化水素基であり、これらは互
いに同一でも異なってもよい。Xはハロゲン原子を表
し、0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、q
は0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3であ
る。)で表される有機アルミニウム化合物。
【0109】(b-2) 一般式 M1 AlR1 4 (式中、M1 はLi、Na、Kであり、R1 は前記と同
じである。)で表される第I族金属とアルミニウムとの
錯アルキル化物。
じである。)で表される第I族金属とアルミニウムとの
錯アルキル化物。
【0110】(b-3) 一般式 R1 R2 M2 (式中、R1 およびR2 は上記と同様であり、M2 はM
g、ZnまたはCdである。)で表される第II族または
第III族のジアルキル化合物。
g、ZnまたはCdである。)で表される第II族または
第III族のジアルキル化合物。
【0111】前記の(b-1) に属する有機アルミニウム化
合物としては、次のような化合物を例示できる。 一般式 R1 m Al(OR2 )3-m (式中、R1 およびR2 は前記と同様であり、mは好ま
しくは1.5≦m≦3の数である。)で表される化合
物、 一般式 R1 m AlX3-m (式中、R1 は前記と同様であり、Xはハロゲンであ
り、mは好ましくは0<m<3である。)で表される化
合物、 一般式 R1 m AlH3-m (式中、R1 は前記と同様であり、mは好ましくは2≦
m<3である。)で表される化合物、 一般式 R1 m Al(OR2)n Xq (式中、R1 およびR2 は前記と同様であり、Xはハロ
ゲン、0<m≦3、0≦n<3、0≦q<3であり、か
つm+n+q=3である。)で表される化合物などを挙
げることができる。
合物としては、次のような化合物を例示できる。 一般式 R1 m Al(OR2 )3-m (式中、R1 およびR2 は前記と同様であり、mは好ま
しくは1.5≦m≦3の数である。)で表される化合
物、 一般式 R1 m AlX3-m (式中、R1 は前記と同様であり、Xはハロゲンであ
り、mは好ましくは0<m<3である。)で表される化
合物、 一般式 R1 m AlH3-m (式中、R1 は前記と同様であり、mは好ましくは2≦
m<3である。)で表される化合物、 一般式 R1 m Al(OR2)n Xq (式中、R1 およびR2 は前記と同様であり、Xはハロ
ゲン、0<m≦3、0≦n<3、0≦q<3であり、か
つm+n+q=3である。)で表される化合物などを挙
げることができる。
【0112】(b-1) に属するアルミニウム化合物として
は、より具体的には、トリエチルアルミニウム、トリブ
チルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;ト
リイソプレニルアルミニウムなどのトリアルケニルアル
ミニウム;ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチル
アルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウム
アルコキシド;エチルアルミニウムセスキエトキシド、
ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルア
ルミニウムセスキアルコキシド;R1 2.5 Al(O
R2 )2.5 などで表される平均組成を有する部分的にア
ルコキシ化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアル
ミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジ
エチルアルミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニ
ウムハライド;エチルアルミニウムセスキクロリド、ブ
チルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウム
セスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハラ
イド;エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミ
ニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミドなど
のアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロ
ゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニ
ウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジ
アルキルアルミニウムヒドリド;エチルアルミニウムジ
ヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアル
キルアルミニウムジヒドリドなどその他の部分的に水素
化されたアルキルアルミニウム;エチルアルミニウムエ
トキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリ
ド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的
にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミ
ニウムを挙げることができる。
は、より具体的には、トリエチルアルミニウム、トリブ
チルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;ト
リイソプレニルアルミニウムなどのトリアルケニルアル
ミニウム;ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチル
アルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウム
アルコキシド;エチルアルミニウムセスキエトキシド、
ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルア
ルミニウムセスキアルコキシド;R1 2.5 Al(O
R2 )2.5 などで表される平均組成を有する部分的にア
ルコキシ化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアル
ミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジ
エチルアルミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニ
ウムハライド;エチルアルミニウムセスキクロリド、ブ
チルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウム
セスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハラ
イド;エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミ
ニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミドなど
のアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロ
ゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニ
ウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジ
アルキルアルミニウムヒドリド;エチルアルミニウムジ
ヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアル
キルアルミニウムジヒドリドなどその他の部分的に水素
化されたアルキルアルミニウム;エチルアルミニウムエ
トキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリ
ド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的
にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミ
ニウムを挙げることができる。
【0113】また(b-1) に類似する化合物としては、酸
素原子や窒素原子を介して2以上のアルミニウムが結合
した有機アルミニウム化合物を挙げることができる。こ
のような化合物としては、たとえば、(C2 H5 )2 A
lOAl(C2 H5 )2 、(C4 H9 )2 AlOAl
(C4 H9 )2 、(C2 H5 )2 AlN(C2 H5 )A
l(C2 H5 )2などの他に、メチルアルミノオキサン
などのアルミノオキサン類を挙げることができる。
素原子や窒素原子を介して2以上のアルミニウムが結合
した有機アルミニウム化合物を挙げることができる。こ
のような化合物としては、たとえば、(C2 H5 )2 A
lOAl(C2 H5 )2 、(C4 H9 )2 AlOAl
(C4 H9 )2 、(C2 H5 )2 AlN(C2 H5 )A
l(C2 H5 )2などの他に、メチルアルミノオキサン
などのアルミノオキサン類を挙げることができる。
【0114】前記(b-2) に属する化合物としては、Li
Al(C2 H5 )4 、LiAl(C7 H15)4 などを挙
げることができる。
Al(C2 H5 )4 、LiAl(C7 H15)4 などを挙
げることができる。
【0115】これらの中では有機アルミニウム化合物が
好ましく用いられる。 [Ib]予備重合触媒成分の調製に用いられるオレフィ
ンとしては、上記式(i)または(ii)で表される化合
物が好ましく用いられ、具体的には3-メチル-1-ブテ
ン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メ
チル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル
-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-
ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、アリルナフタレン、
アリルノルボルナン、スチレン、ジメチルスチレン類、
ビニルナフタレン類、アリルトルエン類、アリルベンゼ
ン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロペンタン、ビ
ニルシクロヘプタン、アリルトリアルキルシラン類など
の分岐構造を有するオレフィンが挙げられる。これらの
中では3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エ
チル-1-ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、アリルトリ
メチルシラン、ジメチルスチレンなどが好ましく、3-メ
チル-1-ブテン、ビニルシクロヘキン、アリルトリメチ
ルシランがより好ましく、3-メチル-1-ブテンが特に好
ましい。
好ましく用いられる。 [Ib]予備重合触媒成分の調製に用いられるオレフィ
ンとしては、上記式(i)または(ii)で表される化合
物が好ましく用いられ、具体的には3-メチル-1-ブテ
ン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メ
チル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル
-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-
ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、アリルナフタレン、
アリルノルボルナン、スチレン、ジメチルスチレン類、
ビニルナフタレン類、アリルトルエン類、アリルベンゼ
ン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロペンタン、ビ
ニルシクロヘプタン、アリルトリアルキルシラン類など
の分岐構造を有するオレフィンが挙げられる。これらの
中では3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エ
チル-1-ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、アリルトリ
メチルシラン、ジメチルスチレンなどが好ましく、3-メ
チル-1-ブテン、ビニルシクロヘキン、アリルトリメチ
ルシランがより好ましく、3-メチル-1-ブテンが特に好
ましい。
【0116】これらの他、エチレン、プロピレン、1-ブ
テン、1-オクテン、1-ヘキサデセン、1-エイコセンなど
の直鎖状のオレフィンを併用することができる。予備重
合では、プロピレンの本重合における系内の触媒濃度よ
りもかなり高濃度で触媒を用いることができる。
テン、1-オクテン、1-ヘキサデセン、1-エイコセンなど
の直鎖状のオレフィンを併用することができる。予備重
合では、プロピレンの本重合における系内の触媒濃度よ
りもかなり高濃度で触媒を用いることができる。
【0117】予備重合における固体状チタン触媒成分
(a)の濃度は、後述する不活性炭化水素媒体1リット
ル当り、チタン原子換算で、通常約0.01〜200ミ
リモル、好ましくは約0.05〜100ミリモルの範囲
にあることが望ましい。
(a)の濃度は、後述する不活性炭化水素媒体1リット
ル当り、チタン原子換算で、通常約0.01〜200ミ
リモル、好ましくは約0.05〜100ミリモルの範囲
にあることが望ましい。
【0118】有機金属触媒成分(b)の量は、固体状チ
タン触媒成分(a)1g当り0.1〜1000g、好ま
しくは0.3〜500gの重合体が生成するような量で
あればよく、固体状チタン触媒成分(a)中のチタン原
子1モル当り、通常約0.1〜100ミリモル、好まし
くは約0.5〜50ミリモルの範囲とすることが望まし
い。
タン触媒成分(a)1g当り0.1〜1000g、好ま
しくは0.3〜500gの重合体が生成するような量で
あればよく、固体状チタン触媒成分(a)中のチタン原
子1モル当り、通常約0.1〜100ミリモル、好まし
くは約0.5〜50ミリモルの範囲とすることが望まし
い。
【0119】また予備重合を行う際には、固体状チタン
触媒成分(a)、有機金属触媒成分(b)の他に電子供
与体(e)を用いてもよい。この電子供与体(e)とし
て、具体的には、先に固体状チタン触媒成分(a)を調
製する際に用いた電子供与体、後述する式(iii)で示
されるケイ素化合物(c)および複数の原子を介して存
在する2個以上のエーテル結合を有する化合物(d)、
さらには下記式(c-i)で表される有機ケイ素化合物を
挙げることができる。
触媒成分(a)、有機金属触媒成分(b)の他に電子供
与体(e)を用いてもよい。この電子供与体(e)とし
て、具体的には、先に固体状チタン触媒成分(a)を調
製する際に用いた電子供与体、後述する式(iii)で示
されるケイ素化合物(c)および複数の原子を介して存
在する2個以上のエーテル結合を有する化合物(d)、
さらには下記式(c-i)で表される有機ケイ素化合物を
挙げることができる。
【0120】 Rn Si(OR’)4-n … (c-i) (式中、RおよびR’は炭化水素基であり、0<n<4
である) なお、この式(c-i)で示される有機ケイ素化合物とし
ては、後述する式(iii)で示されるケイ素化合物
(c)は含まれない。
である) なお、この式(c-i)で示される有機ケイ素化合物とし
ては、後述する式(iii)で示されるケイ素化合物
(c)は含まれない。
【0121】このような一般式(c-i)で示される有機
ケイ素化合物としては、具体的には、トリメチルメトキ
シシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジメト
キシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジn-プロピル
ジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシ
ラン、ビスo-トリルジメトキシシラン、ビスm-トリルジ
メトキシシラン、ビスp-トリルジメトキシシラン、ビス
p-トリルジエトキシシラン、ビスエチルフェニルジメト
キシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリ
メトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、デシ
ルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、フ
ェニルトリメトキシシラン、γ-クロルプロピルトリメ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリ
エトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、n-ブチル
トリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ
-アミノプロピルトリエトキシシラン、クロルトリエト
キシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、ビニル
トリブトキシシラン、ケイ酸エチル、ケイ酸ブチル、ト
リメチルフェノキシシラン、メチルトリアリロキシ(all
yloxy)シラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシシ
ラン)、ビニルトリアセトキシシラン、ジメチルテトラ
エトキシジシロキサンなどが挙げられる。
ケイ素化合物としては、具体的には、トリメチルメトキ
シシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジメト
キシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジn-プロピル
ジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシ
ラン、ビスo-トリルジメトキシシラン、ビスm-トリルジ
メトキシシラン、ビスp-トリルジメトキシシラン、ビス
p-トリルジエトキシシラン、ビスエチルフェニルジメト
キシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリ
メトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、デシ
ルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、フ
ェニルトリメトキシシラン、γ-クロルプロピルトリメ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリ
エトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、n-ブチル
トリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ
-アミノプロピルトリエトキシシラン、クロルトリエト
キシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、ビニル
トリブトキシシラン、ケイ酸エチル、ケイ酸ブチル、ト
リメチルフェノキシシラン、メチルトリアリロキシ(all
yloxy)シラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシシ
ラン)、ビニルトリアセトキシシラン、ジメチルテトラ
エトキシジシロキサンなどが挙げられる。
【0122】これらの電子供与体(e)は、単独である
いは2種以上併用して用いることができる。この電子供
与体(e)は、固体状チタン触媒成分(a)中のチタン
原子1モル当り0.1〜50モル、好ましくは0.5〜
30モル、さらに好ましくは1〜10モルの量で用いら
れる。
いは2種以上併用して用いることができる。この電子供
与体(e)は、固体状チタン触媒成分(a)中のチタン
原子1モル当り0.1〜50モル、好ましくは0.5〜
30モル、さらに好ましくは1〜10モルの量で用いら
れる。
【0123】予備重合は、不活性炭化水素媒体に上記式
(i)または(ii)で表されるオレフィンおよび上記触
媒成分を加え、温和な条件下で行うことが好ましい。こ
の際用いられる不活性炭化水素媒体としては、具体的に
は、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭
化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシク
ロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリ
ド、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、あるい
はこれらの接触物などを挙げることができる。これらの
不活性炭化水素媒体のうちでは、特に脂肪族炭化水素を
用いることが好ましい。
(i)または(ii)で表されるオレフィンおよび上記触
媒成分を加え、温和な条件下で行うことが好ましい。こ
の際用いられる不活性炭化水素媒体としては、具体的に
は、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭
化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシク
ロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリ
ド、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、あるい
はこれらの接触物などを挙げることができる。これらの
不活性炭化水素媒体のうちでは、特に脂肪族炭化水素を
用いることが好ましい。
【0124】予備重合の際の反応温度は、生成する予備
重合体は実質的に不活性炭化水素媒体中に溶解しないよ
うな温度であればよく、通常約−20〜+100℃、好
ましくは約−20〜+80℃、さらに好ましくは0〜+
40℃の範囲にあることが望ましい。なお、予備重合に
おいては、水素のような分子量調節剤を用いることもで
きる。
重合体は実質的に不活性炭化水素媒体中に溶解しないよ
うな温度であればよく、通常約−20〜+100℃、好
ましくは約−20〜+80℃、さらに好ましくは0〜+
40℃の範囲にあることが望ましい。なお、予備重合に
おいては、水素のような分子量調節剤を用いることもで
きる。
【0125】予備重合は、上記のような固体状チタン触
媒成分(a)1g当り約0.1〜1000g、好ましく
は約0.3〜500gの重合体が生成するように行うこ
とが望ましい。予備重合量をあまり多くすると、本重合
における(共)重合体の生成効率が低下することがあ
り、得られる(共)重合体からフィルムなどを成形した
場合に、フィッシュアイが発生し易くなることがある。
媒成分(a)1g当り約0.1〜1000g、好ましく
は約0.3〜500gの重合体が生成するように行うこ
とが望ましい。予備重合量をあまり多くすると、本重合
における(共)重合体の生成効率が低下することがあ
り、得られる(共)重合体からフィルムなどを成形した
場合に、フィッシュアイが発生し易くなることがある。
【0126】このような予備重合は回分式や連続式で行
うことができる。プロピレン系重合体の製造に用いられ
るオレフィン重合触媒は、上記[Ia]固体状チタン触
媒成分または[Ib]予備重合触媒成分と、[II]有機
金属触媒成分と、[III]ケイ素化合物(c)および/
または複数の原子を介して存在する2個以上のエーテル
結合を有する化合物(d)とから形成されている。
うことができる。プロピレン系重合体の製造に用いられ
るオレフィン重合触媒は、上記[Ia]固体状チタン触
媒成分または[Ib]予備重合触媒成分と、[II]有機
金属触媒成分と、[III]ケイ素化合物(c)および/
または複数の原子を介して存在する2個以上のエーテル
結合を有する化合物(d)とから形成されている。
【0127】[II]有機金属触媒成分としては、前述し
た[Ib]予備重合触媒成分の調製に用いた(b)有機
金属触媒成分と同様のものを使用することができる。 [III]ケイ素化合物(c)は、下記式(iii)で示され
る化合物である。
た[Ib]予備重合触媒成分の調製に用いた(b)有機
金属触媒成分と同様のものを使用することができる。 [III]ケイ素化合物(c)は、下記式(iii)で示され
る化合物である。
【0128】 Ra n −Si−(ORb )4-n … (iii) (式中、nは1、2または3であり、nが1のとき、R
a は2級または3級の炭化水素基であり、nが2または
3のとき、Ra の少なくとも1つは2級または3級の炭
化水素基であり、Ra は同一であっても異なっていても
よく、Rb は炭素数1〜4の炭化水素基であって、4−
nが2または3であるとき、Rb は同一であっても異な
っていてもよい。) この式(iii)で示されるケイ素化合物(c)におい
て、2級または3級の炭化水素基としては、シクロペン
チル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル
基、置換基を有するこれらの基あるいはSiに隣接する
炭素が2級または3級である炭化水素基が挙げられる。
a は2級または3級の炭化水素基であり、nが2または
3のとき、Ra の少なくとも1つは2級または3級の炭
化水素基であり、Ra は同一であっても異なっていても
よく、Rb は炭素数1〜4の炭化水素基であって、4−
nが2または3であるとき、Rb は同一であっても異な
っていてもよい。) この式(iii)で示されるケイ素化合物(c)におい
て、2級または3級の炭化水素基としては、シクロペン
チル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル
基、置換基を有するこれらの基あるいはSiに隣接する
炭素が2級または3級である炭化水素基が挙げられる。
【0129】より具体的には、置換シクロペンチル基と
しては、2-メチルシクロペンチル基、3-メチルシクロペ
ンチル基、2-エチルシクロペンチル基、2-n-ブチルシク
ロペンチル基、2,3-ジメチルシクロペンチル基、2,4-ジ
メチルシクロペンチル基、2,5-ジメチルシクロペンチル
基、2,3-ジエチルシクロペンチル基、2,3,4-トリメチル
シクロペンチル基、2,3,5-トリメチルシクロペンチル
基、2,3,4-トリエチルシクロペンチル基、テトラメチル
シクロペンチル基、テトラエチルシクロペンチル基など
のアルキル基を有するシクロペンチル基を例示すること
ができる。
しては、2-メチルシクロペンチル基、3-メチルシクロペ
ンチル基、2-エチルシクロペンチル基、2-n-ブチルシク
ロペンチル基、2,3-ジメチルシクロペンチル基、2,4-ジ
メチルシクロペンチル基、2,5-ジメチルシクロペンチル
基、2,3-ジエチルシクロペンチル基、2,3,4-トリメチル
シクロペンチル基、2,3,5-トリメチルシクロペンチル
基、2,3,4-トリエチルシクロペンチル基、テトラメチル
シクロペンチル基、テトラエチルシクロペンチル基など
のアルキル基を有するシクロペンチル基を例示すること
ができる。
【0130】置換シクロペンテニル基としては、2-メチ
ルシクロペンテニル基、3-メチルシクロペンテニル基、
2-エチルシクロペンテニル基、2-n-ブチルシクロペンテ
ニル基、2,3-ジメチルシクロペンテニル基、2,4-ジメチ
ルシクロペンテニル基、2,5-ジメチルシクロペンテニル
基、2,3,4-トリメチルシクロペンテニル基、2,3,5-トリ
メチルシクロペンテニル基、2,3,4-トリエチルシクロペ
ンテニル基、テトラメチルシクロペンテニル基、テトラ
エチルシクロペンテニル基などのアルキル基を有するシ
クロペンテニル基を例示することができる。
ルシクロペンテニル基、3-メチルシクロペンテニル基、
2-エチルシクロペンテニル基、2-n-ブチルシクロペンテ
ニル基、2,3-ジメチルシクロペンテニル基、2,4-ジメチ
ルシクロペンテニル基、2,5-ジメチルシクロペンテニル
基、2,3,4-トリメチルシクロペンテニル基、2,3,5-トリ
メチルシクロペンテニル基、2,3,4-トリエチルシクロペ
ンテニル基、テトラメチルシクロペンテニル基、テトラ
エチルシクロペンテニル基などのアルキル基を有するシ
クロペンテニル基を例示することができる。
【0131】置換シクロペンタジエニル基としては、2-
メチルシクロペンタジエニル基、3-メチルシクロペンタ
ジエニル基、2-エチルシクロペンタジエニル基、2-n-ブ
チルシクロペンテニル基、2,3-ジメチルシクロペンタジ
エニル基、2,4-ジメチルシクロペンタジエニル基、2,5-
ジメチルシクロペンタジエニル基、2,3-ジエチルシクロ
ペンタジエニル基、2,3,4-トリメチルシクロペンタジエ
ニル基、2,3,5-トリメチルシクロペンタジエニル基、2,
3,4-トリエチルシクロペンタジエニル基、2,3,4,5-テト
ラメチルシクロペンタジエニル基、2,3,4,5-テトラエチ
ルシクロペンタジエニル基、1,2,3,4,5-ペンタメチルシ
クロペンタジエニル基、1,2,3,4,5-ペンタエチルシクロ
ペンタジエニル基などのアルキル基を有するシクロペン
タジエニル基をを例示することができる。
メチルシクロペンタジエニル基、3-メチルシクロペンタ
ジエニル基、2-エチルシクロペンタジエニル基、2-n-ブ
チルシクロペンテニル基、2,3-ジメチルシクロペンタジ
エニル基、2,4-ジメチルシクロペンタジエニル基、2,5-
ジメチルシクロペンタジエニル基、2,3-ジエチルシクロ
ペンタジエニル基、2,3,4-トリメチルシクロペンタジエ
ニル基、2,3,5-トリメチルシクロペンタジエニル基、2,
3,4-トリエチルシクロペンタジエニル基、2,3,4,5-テト
ラメチルシクロペンタジエニル基、2,3,4,5-テトラエチ
ルシクロペンタジエニル基、1,2,3,4,5-ペンタメチルシ
クロペンタジエニル基、1,2,3,4,5-ペンタエチルシクロ
ペンタジエニル基などのアルキル基を有するシクロペン
タジエニル基をを例示することができる。
【0132】またSiに隣接する炭素が2級炭素である
炭化水素基としては、i-プロピル基、s-ブチル基、s-ア
ミル基、α-メチルベンジル基などを例示することがで
き、Siに隣接する炭素が3級炭素である炭化水素基と
しては、t-ブチル基、t-アミル基、α,α'-ジメチルベ
ンジル基、アドマンチル基などを例示することができ
る。
炭化水素基としては、i-プロピル基、s-ブチル基、s-ア
ミル基、α-メチルベンジル基などを例示することがで
き、Siに隣接する炭素が3級炭素である炭化水素基と
しては、t-ブチル基、t-アミル基、α,α'-ジメチルベ
ンジル基、アドマンチル基などを例示することができ
る。
【0133】このような式(iii)で示されるケイ素化
合物(c)は、nが1である場合には、シクロペンチル
トリメトキシシラン、2-メチルシクロペンチルトリメト
キシシラン、2,3-ジメチルシクロペンチルトリメトキシ
シラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、iso-ブチ
ルトリエトキシシラン、t-ブチルトリエトキシシラン、
シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルト
リエトキシシラン、2-ノルボルナントリメトキシシラ
ン、2-ノルボルナントリエトキシシランなどのトリアル
コキシシラン類が例示される。
合物(c)は、nが1である場合には、シクロペンチル
トリメトキシシラン、2-メチルシクロペンチルトリメト
キシシラン、2,3-ジメチルシクロペンチルトリメトキシ
シラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、iso-ブチ
ルトリエトキシシラン、t-ブチルトリエトキシシラン、
シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルト
リエトキシシラン、2-ノルボルナントリメトキシシラ
ン、2-ノルボルナントリエトキシシランなどのトリアル
コキシシラン類が例示される。
【0134】nが2である場合には、ジシクロペンチル
ジエトキシシラン、t-ブチルメチルジメトキシシラン、
t-ブチルメチルジエトキシシラン、t-アミルメチルジエ
トキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シ
クロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシル
メチルジエトキシシラン、2-ノルボルナンメチルジメト
キシシランなどのジアルコキシシラン類が例示される。
ジエトキシシラン、t-ブチルメチルジメトキシシラン、
t-ブチルメチルジエトキシシラン、t-アミルメチルジエ
トキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シ
クロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシル
メチルジエトキシシラン、2-ノルボルナンメチルジメト
キシシランなどのジアルコキシシラン類が例示される。
【0135】nが2である場合には、式(iii)で示さ
れるケイ素化合物(c)は、下記式(iv)で示されるジ
メトキシ化合物であることが好ましい。
れるケイ素化合物(c)は、下記式(iv)で示されるジ
メトキシ化合物であることが好ましい。
【0136】
【化9】
【0137】式中、Ra およびRc は、それぞれ独立
に、シクロペンチル基、置換シクロペンチル基、シクロ
ペンテニル基、置換シクロペンテニル基、シクロペンタ
ジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、あるいは、
Siに隣接する炭素が2級炭素または3級炭素である炭
化水素基を示す。
に、シクロペンチル基、置換シクロペンチル基、シクロ
ペンテニル基、置換シクロペンテニル基、シクロペンタ
ジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、あるいは、
Siに隣接する炭素が2級炭素または3級炭素である炭
化水素基を示す。
【0138】このような式(iv)で示されるケイ素化合
物としては、たとえば、ジシクロペンチルジメトキシシ
ラン、ジシクロペンテニルジメトキシシラン、ジシクロ
ペンタジエニルジメトキシシラン、ジt-ブチルジメトキ
シシラン、ジ(2-メチルシクロペンチル)ジメトキシシ
ラン、ジ(3-メチルシクロペンチル)ジメトキシシラ
ン、ジ(2-エチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、
ジ(2,3-ジメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、
ジ(2,4-ジメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、
ジ(2,5-ジメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、
ジ(2,3-ジエチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、
ジ(2,3,4-トリメチルシクロペンチル)ジメトキシシラ
ン、ジ(2,3,5-トリメチルシクロペンチル)ジメトキシ
シラン、ジ(2,3,4-トリエチルシクロペンチル)ジメト
キシシラン、ジ(テトラメチルシクロペンチル)ジメト
キシシラン、ジ(テトラエチルシクロペンチル)ジメト
キシシラン、ジ(2-メチルシクロペンテニル)ジメトキ
シシラン、ジ(3-メチルシクロペンテニル)ジメトキシ
シラン、ジ(2-エチルシクロペンテニル)ジメトキシシ
ラン、ジ(2-n-ブチルシクロペンテニル)ジメトキシシ
ラン、ジ(2,3-ジメチルシクロペンテニル)ジメトキシ
シラン、ジ(2,4-ジメチルシクロペンテニル)ジメトキ
シシラン、ジ(2,5-ジメチルシクロペンテニル)ジメト
キシシラン、ジ(2,3,4-トリメチルシクロペンテニル)
ジメトキシシラン、ジ(2,3,5-トリメチルシクロペンテ
ニル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,4-トリエチルシクロ
ペンテニル)ジメトキシシラン、ジ(テトラメチルシク
ロペンテニル)ジメトキシシラン、ジ(テトラエチルシ
クロペンテニル)ジメトキシシラン、ジ(2-メチルシク
ロペンタジエニル)ジメトキシシラン、ジ(3-メチルシ
クロペンタジエニル)ジメトキシシラン、ジ(2-エチル
シクロペンタジエニル)ジメトキシシラン、ジ(2-n-ブ
チルシクロペンテニル)ジメトキシシラン、ジ(2,3-ジ
メチルシクロペンタジエニル)ジメトキシシラン、ジ
(2,4-ジメチルシクロペンタジエニル)ジメトキシシラ
ン、ジ(2,5-ジメチルシクロペンタジエニル)ジメトキ
シシラン、ジ(2,3-ジエチルシクロペンタジエニル)ジ
メトキシシラン、ジ(2,3,4-トリメチルシクロペンタジ
エニル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,5-トリメチルシク
ロペンタジエニル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,4-トリ
エチルシクロペンタジエニル)ジメトキシシラン、ジ
(2,3,4,5-テトラメチルシクロペンタジエニル)ジメト
キシシラン、ジ(2,3,4,5-テトラエチルシクロペンタジ
エニル)ジメトキシシラン、ジ(1,2,3,4,5-ペンタメチ
ルシクロペンタジエニル)ジメトキシシラン、ジ(1,2,
3,4,5-ペンタエチルシクロペンタジエニル)ジメトキシ
シラン、ジt-アミル-ジメトキシシラン、ジ(α,α'-ジ
メチルベンジル)ジメトキシシラン、ジ(アドマンチ
ル)ジメトキシシラン、アドマンチル-t-ブチルジメト
キシシラン、シクロペンチル-t-ブチルジメトキシシラ
ン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジs-ブチルジメ
トキシシラン、ジs-アミルジメトキシシラン、イソプロ
ピル-s-ブチルジメトキシシランなどが挙げられる。
物としては、たとえば、ジシクロペンチルジメトキシシ
ラン、ジシクロペンテニルジメトキシシラン、ジシクロ
ペンタジエニルジメトキシシラン、ジt-ブチルジメトキ
シシラン、ジ(2-メチルシクロペンチル)ジメトキシシ
ラン、ジ(3-メチルシクロペンチル)ジメトキシシラ
ン、ジ(2-エチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、
ジ(2,3-ジメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、
ジ(2,4-ジメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、
ジ(2,5-ジメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、
ジ(2,3-ジエチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、
ジ(2,3,4-トリメチルシクロペンチル)ジメトキシシラ
ン、ジ(2,3,5-トリメチルシクロペンチル)ジメトキシ
シラン、ジ(2,3,4-トリエチルシクロペンチル)ジメト
キシシラン、ジ(テトラメチルシクロペンチル)ジメト
キシシラン、ジ(テトラエチルシクロペンチル)ジメト
キシシラン、ジ(2-メチルシクロペンテニル)ジメトキ
シシラン、ジ(3-メチルシクロペンテニル)ジメトキシ
シラン、ジ(2-エチルシクロペンテニル)ジメトキシシ
ラン、ジ(2-n-ブチルシクロペンテニル)ジメトキシシ
ラン、ジ(2,3-ジメチルシクロペンテニル)ジメトキシ
シラン、ジ(2,4-ジメチルシクロペンテニル)ジメトキ
シシラン、ジ(2,5-ジメチルシクロペンテニル)ジメト
キシシラン、ジ(2,3,4-トリメチルシクロペンテニル)
ジメトキシシラン、ジ(2,3,5-トリメチルシクロペンテ
ニル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,4-トリエチルシクロ
ペンテニル)ジメトキシシラン、ジ(テトラメチルシク
ロペンテニル)ジメトキシシラン、ジ(テトラエチルシ
クロペンテニル)ジメトキシシラン、ジ(2-メチルシク
ロペンタジエニル)ジメトキシシラン、ジ(3-メチルシ
クロペンタジエニル)ジメトキシシラン、ジ(2-エチル
シクロペンタジエニル)ジメトキシシラン、ジ(2-n-ブ
チルシクロペンテニル)ジメトキシシラン、ジ(2,3-ジ
メチルシクロペンタジエニル)ジメトキシシラン、ジ
(2,4-ジメチルシクロペンタジエニル)ジメトキシシラ
ン、ジ(2,5-ジメチルシクロペンタジエニル)ジメトキ
シシラン、ジ(2,3-ジエチルシクロペンタジエニル)ジ
メトキシシラン、ジ(2,3,4-トリメチルシクロペンタジ
エニル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,5-トリメチルシク
ロペンタジエニル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,4-トリ
エチルシクロペンタジエニル)ジメトキシシラン、ジ
(2,3,4,5-テトラメチルシクロペンタジエニル)ジメト
キシシラン、ジ(2,3,4,5-テトラエチルシクロペンタジ
エニル)ジメトキシシラン、ジ(1,2,3,4,5-ペンタメチ
ルシクロペンタジエニル)ジメトキシシラン、ジ(1,2,
3,4,5-ペンタエチルシクロペンタジエニル)ジメトキシ
シラン、ジt-アミル-ジメトキシシラン、ジ(α,α'-ジ
メチルベンジル)ジメトキシシラン、ジ(アドマンチ
ル)ジメトキシシラン、アドマンチル-t-ブチルジメト
キシシラン、シクロペンチル-t-ブチルジメトキシシラ
ン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジs-ブチルジメ
トキシシラン、ジs-アミルジメトキシシラン、イソプロ
ピル-s-ブチルジメトキシシランなどが挙げられる。
【0139】nが3である場合には、トリシクロペンチ
ルメトキシシラン、トリシクロペンチルエトキシシラ
ン、ジシクロペンチルメチルメトキシシラン、ジシクロ
ペンチルエチルメトキシシラン、ジシクロペンチルメチ
ルエトキシシラン、シクロペンチルジメチルメトキシシ
ラン、シクロペンチルジエチルメトキシシラン、シクロ
ペンチルジメチルエトキシシランなどのモノアルコキシ
シラン類などが挙げられる。
ルメトキシシラン、トリシクロペンチルエトキシシラ
ン、ジシクロペンチルメチルメトキシシラン、ジシクロ
ペンチルエチルメトキシシラン、ジシクロペンチルメチ
ルエトキシシラン、シクロペンチルジメチルメトキシシ
ラン、シクロペンチルジエチルメトキシシラン、シクロ
ペンチルジメチルエトキシシランなどのモノアルコキシ
シラン類などが挙げられる。
【0140】これらのうち、ジメトキシシラン類特に式
(iv)で示されるジメトキシシラン類が好ましく、具体
的に、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジ-t-ブチ
ルジメトキシシラン、ジ(2-メチルシクロペンチル)ジ
メトキシシラン、ジ(3-メチルシクロペンチル)ジメト
キシシラン、ジ-t-アミルジメトキシシランが好まし
い。
(iv)で示されるジメトキシシラン類が好ましく、具体
的に、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジ-t-ブチ
ルジメトキシシラン、ジ(2-メチルシクロペンチル)ジ
メトキシシラン、ジ(3-メチルシクロペンチル)ジメト
キシシラン、ジ-t-アミルジメトキシシランが好まし
い。
【0141】これらケイ素化合物(c)は、2種以上併
用して用いることができる。複数の原子を介して存在す
る2個以上のエーテル結合を有する化合物(d)(以下
ポリエーテル化合物ということもある)では、これらエ
ーテル結合間に存在する原子は、炭素、ケイ素、酸素、
硫黄、リン、ホウ素からなる群から選択される1種以上
であり、原子数は2以上である。これらのうちエーテル
結合間の原子に比較的嵩高い置換基、具体的には炭素数
2以上であり、好ましくは3以上で直鎖状、分岐状、環
状構造を有する置換基、より好ましくは分岐状または環
状構造を有する置換基が結合しているものが望ましい。
また2個以上のエーテル結合間に存在する原子に、複数
の、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜10、特
に好ましくは3〜7の炭素原子が含まれた化合物が好ま
しい。
用して用いることができる。複数の原子を介して存在す
る2個以上のエーテル結合を有する化合物(d)(以下
ポリエーテル化合物ということもある)では、これらエ
ーテル結合間に存在する原子は、炭素、ケイ素、酸素、
硫黄、リン、ホウ素からなる群から選択される1種以上
であり、原子数は2以上である。これらのうちエーテル
結合間の原子に比較的嵩高い置換基、具体的には炭素数
2以上であり、好ましくは3以上で直鎖状、分岐状、環
状構造を有する置換基、より好ましくは分岐状または環
状構造を有する置換基が結合しているものが望ましい。
また2個以上のエーテル結合間に存在する原子に、複数
の、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜10、特
に好ましくは3〜7の炭素原子が含まれた化合物が好ま
しい。
【0142】このようなポリエーテル化合物としては、
たとえば下記式で示される化合物を挙げることができ
る。
たとえば下記式で示される化合物を挙げることができ
る。
【0143】
【化10】
【0144】式中、nは2≦n≦10の整数であり、R
1 〜R26は炭素、水素、酸素、ハロゲン、窒素、硫黄、
リン、ホウ素およびケイ素から選択される少なくとも1
種の元素を有する置換基であり、任意のR1 〜R26、好
ましくはR1 〜R2nは共同してベンゼン環以外の環を形
成していてもよく、主鎖中に炭素以外の原子が含まれて
いてもよい。
1 〜R26は炭素、水素、酸素、ハロゲン、窒素、硫黄、
リン、ホウ素およびケイ素から選択される少なくとも1
種の元素を有する置換基であり、任意のR1 〜R26、好
ましくはR1 〜R2nは共同してベンゼン環以外の環を形
成していてもよく、主鎖中に炭素以外の原子が含まれて
いてもよい。
【0145】上記のようなポリエーテル化合物として、
具体的には、2-(2-エチルヘキシル)-1,3-ジメトキシ
プロパン、2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2
-ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-s-ブチル-1,3-ジ
メトキシプロパン、2-シクロヘキシル-1,3-ジメトキシ
プロパン、2-フェニル-1,3-ジメトキシプロパン、2-ク
ミル-1,3-ジメトキシプロパン、2-(2-フェニルエチ
ル)-1,3-ジメトキシプロパン、2-(2-シクロヘキシル
エチル)-1,3-ジメトキシプロパン、2-(p-クロロフェ
ニル)-1,3-ジメトキシプロパン、2-(ジフェニルメチ
ル)-1,3-ジメトキシプロパン、2-(1-ナフチル)-1,3-
ジメトキシプロパン、2-(2-フルオロフェニル)-1,3-
ジメトキシプロパン、2-(1-デカヒドロナフチル)-1,3
-ジメトキシプロパン、2-(p-t-ブチルフェニル)-1,3-
ジメトキシプロパン、2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメ
トキシプロパン、2,2-ジシクロペンチル-1,3-ジメトキ
シプロパン、2,2-ジエチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジイソ
プロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジブチル-1,3-
ジメトキシプロパン、2-メチル-2-プロピル-1,3-ジメト
キシプロパン、2-メチル-2-ベンジル-1,3-ジメトキシプ
ロパン、2-メチル-2-エチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2-
メチル-2-フェニル-1,3-ジメトキシプロパン、2-メチル
-2-シクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ビス
(p-クロロフェニル)-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-
ビス(2-シクロヘキシルエチル)-1,3-ジメトキシプロ
パン、2-メチル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパ
ン、2-メチル-2-(2-エチルヘキシル)-1,3-ジメトキシ
プロパン、2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパ
ン、2,2-ジフェニル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジ
ベンジル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ビス(シクロ
ヘキシルメチル)-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジイ
ソブチル-1,3-ジエトキシプロパン、2,2-ジイソブチル-
1,3-ジブトキシプロパン、2-イソブチル-2-イソプロピ
ル-1,3-ジメトキシプロパン、2-(1-メチルブチル)-2-
イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2-(1-メチル
ブチル)-2-s-ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジ
-s- ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジ-t- ブチ
ル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジネオペンチル-1,3-
ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-イソペンチル-
1,3-ジメトキシプロパン、2-フェニル-2-イソプロピル-
1,3-ジメトキシプロパン、2-フェニル-2-s-ブチル-1,3-
ジメトキシプロパン、2-ベンジル-2-イソプロピル-1,3-
ジメトキシプロパン、2-ベンジル-2-s-ブチル-1,3-ジメ
トキシプロパン、2-フェニル-2-ベンジル-1,3-ジメトキ
シプロパン、2-シクロペンチル-2-イソプロピル-1,3-ジ
メトキシプロパン、2-シクロペンチル-2-s-ブチル-1,3-
ジメトキシプロパン、2-シクロヘキシル-2-イソプロピ
ル-1,3-ジメトキシプロパン、2-シクロヘキシル-2-s-ブ
チル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-s-ブ
チル-1,3-ジメトキシプロパン、2-シクロヘキシル-2-シ
クロヘキシルメチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,3-ジ
フェニル-1,4-ジエトキシブタン、2,3-ジシクロヘキシ
ル-1,4-ジエトキシブタン、2,2-ジベンジル-1,4-ジエト
キシブタン、2,3-ジシクロヘキシル-1,4-ジエトキシブ
タン、2,3-ジイソプロピル-1,4-ジエトキシブタン、2,2
-ビス(p-メチルフェニル)-1,4-ジメトキシブタン、2,
3-ビス(p-クロロフェニル)-1,4-ジメトキシブタン、
2,3-ビス(p-フルオロフェニル)-1,4-ジメトキシブタ
ン、2,4-ジフェニル-1,5-ジメトキシペンタン、2,5-ジ
フェニル-1,5-ジメトキシヘキサン、2,4-ジイソプロピ
ル-1,5-ジメトキシペンタン、2,4-ジイソブチル-1,5-ジ
メトキシペンタン、2,4-ジイソアミル-1,5-ジメトキシ
ペンタン、3-メトキシメチルテトラヒドロフラン、3-メ
トキシメチルジオキサン、1,3-ジイソブトキシプロパ
ン、1,2-ジイソブトキシプロパン、1,2-ジイソブトキシ
エタン、1,3-ジイソアミロキシプロパン、1,3-ジイソネ
オペンチロキシエタン、1,3-ジネオペンチロキシプロパ
ン、2,2-テトラメチレン-1,3-ジメトキシプロパン、2,2
-ペンタメチレン-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ヘキサ
メチレン-1,3-ジメトキシプロパン、1,2-ビス(メトキ
シメチル)シクロヘキサン、2,8-ジオキサスピロ[5,
5]ウンデカン、3,7-ジオキサビシクロ[3,3,1]ノナ
ン、3,7-ジオキサビシクロ[3,3,0]オクタン、3,3-ジ
イソブチル-1,5-オキソノナン、6,6-ジイソブチルジオ
キシヘプタン、1,1-ジメトキシメチルシクロペンタン、
1,1-ビス(ジメトキシメチル)シクロヘキサン、1,1-ビ
ス(メトキシメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、1,1
-ジメトキシメチルシクロペンタン、2-メチル-2-メトキ
シメチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-シクロヘキシル-
2-エトキシメチル-1,3-ジエトキシプロパン、2-シクロ
ヘキシル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、2-
イソプロピル-2-イソアミル-1,3-ジメトキシシクロヘキ
サン、2-シクロヘキシル-2-メトキシメチル-1,3-ジメト
キシシクロヘキサン、2-イソプロピル-2-メトキシメチ
ル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、2-イソブチル-2-メ
トキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、2-シク
ロヘキシル-2-エトキシメチル-1,3-ジエトキシシクロヘ
キサン、2-シクロヘキシル-2-エトキシメチル-1,3-ジメ
トキシシクロヘキサン、2-イソプロピル-2-エトキシメ
チル-1,3-ジエトキシシクロヘキサン、2-イソプロピル-
2-エトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、2-
イソブチル-2-エトキシメチル-1,3-ジエトキシシクロヘ
キサン、2-イソブチル-2-エトキシメチル-1,3-ジメトキ
シシクロヘキサン、トリス(p-メトキシフェニル)ホス
フィン、メチルフェニルビス(メトキシメチル)シラ
ン、ジフェニルビス(メトキシメチル)シラン、メチル
シクロヘキシルビス(メトキシメチル)シラン、ジ-t-
ブチルビス(メトキシメチル)シラン、シクロヘキシル
-t-ブチルビス(メトキシメチル)シラン、i-プロピル-
t-ブチルビス(メトキシメチル)シランなどが挙げられ
る。
具体的には、2-(2-エチルヘキシル)-1,3-ジメトキシ
プロパン、2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2
-ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-s-ブチル-1,3-ジ
メトキシプロパン、2-シクロヘキシル-1,3-ジメトキシ
プロパン、2-フェニル-1,3-ジメトキシプロパン、2-ク
ミル-1,3-ジメトキシプロパン、2-(2-フェニルエチ
ル)-1,3-ジメトキシプロパン、2-(2-シクロヘキシル
エチル)-1,3-ジメトキシプロパン、2-(p-クロロフェ
ニル)-1,3-ジメトキシプロパン、2-(ジフェニルメチ
ル)-1,3-ジメトキシプロパン、2-(1-ナフチル)-1,3-
ジメトキシプロパン、2-(2-フルオロフェニル)-1,3-
ジメトキシプロパン、2-(1-デカヒドロナフチル)-1,3
-ジメトキシプロパン、2-(p-t-ブチルフェニル)-1,3-
ジメトキシプロパン、2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメ
トキシプロパン、2,2-ジシクロペンチル-1,3-ジメトキ
シプロパン、2,2-ジエチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジイソ
プロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジブチル-1,3-
ジメトキシプロパン、2-メチル-2-プロピル-1,3-ジメト
キシプロパン、2-メチル-2-ベンジル-1,3-ジメトキシプ
ロパン、2-メチル-2-エチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2-
メチル-2-フェニル-1,3-ジメトキシプロパン、2-メチル
-2-シクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ビス
(p-クロロフェニル)-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-
ビス(2-シクロヘキシルエチル)-1,3-ジメトキシプロ
パン、2-メチル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパ
ン、2-メチル-2-(2-エチルヘキシル)-1,3-ジメトキシ
プロパン、2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパ
ン、2,2-ジフェニル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジ
ベンジル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ビス(シクロ
ヘキシルメチル)-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジイ
ソブチル-1,3-ジエトキシプロパン、2,2-ジイソブチル-
1,3-ジブトキシプロパン、2-イソブチル-2-イソプロピ
ル-1,3-ジメトキシプロパン、2-(1-メチルブチル)-2-
イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2-(1-メチル
ブチル)-2-s-ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジ
-s- ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジ-t- ブチ
ル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジネオペンチル-1,3-
ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-イソペンチル-
1,3-ジメトキシプロパン、2-フェニル-2-イソプロピル-
1,3-ジメトキシプロパン、2-フェニル-2-s-ブチル-1,3-
ジメトキシプロパン、2-ベンジル-2-イソプロピル-1,3-
ジメトキシプロパン、2-ベンジル-2-s-ブチル-1,3-ジメ
トキシプロパン、2-フェニル-2-ベンジル-1,3-ジメトキ
シプロパン、2-シクロペンチル-2-イソプロピル-1,3-ジ
メトキシプロパン、2-シクロペンチル-2-s-ブチル-1,3-
ジメトキシプロパン、2-シクロヘキシル-2-イソプロピ
ル-1,3-ジメトキシプロパン、2-シクロヘキシル-2-s-ブ
チル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-s-ブ
チル-1,3-ジメトキシプロパン、2-シクロヘキシル-2-シ
クロヘキシルメチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,3-ジ
フェニル-1,4-ジエトキシブタン、2,3-ジシクロヘキシ
ル-1,4-ジエトキシブタン、2,2-ジベンジル-1,4-ジエト
キシブタン、2,3-ジシクロヘキシル-1,4-ジエトキシブ
タン、2,3-ジイソプロピル-1,4-ジエトキシブタン、2,2
-ビス(p-メチルフェニル)-1,4-ジメトキシブタン、2,
3-ビス(p-クロロフェニル)-1,4-ジメトキシブタン、
2,3-ビス(p-フルオロフェニル)-1,4-ジメトキシブタ
ン、2,4-ジフェニル-1,5-ジメトキシペンタン、2,5-ジ
フェニル-1,5-ジメトキシヘキサン、2,4-ジイソプロピ
ル-1,5-ジメトキシペンタン、2,4-ジイソブチル-1,5-ジ
メトキシペンタン、2,4-ジイソアミル-1,5-ジメトキシ
ペンタン、3-メトキシメチルテトラヒドロフラン、3-メ
トキシメチルジオキサン、1,3-ジイソブトキシプロパ
ン、1,2-ジイソブトキシプロパン、1,2-ジイソブトキシ
エタン、1,3-ジイソアミロキシプロパン、1,3-ジイソネ
オペンチロキシエタン、1,3-ジネオペンチロキシプロパ
ン、2,2-テトラメチレン-1,3-ジメトキシプロパン、2,2
-ペンタメチレン-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ヘキサ
メチレン-1,3-ジメトキシプロパン、1,2-ビス(メトキ
シメチル)シクロヘキサン、2,8-ジオキサスピロ[5,
5]ウンデカン、3,7-ジオキサビシクロ[3,3,1]ノナ
ン、3,7-ジオキサビシクロ[3,3,0]オクタン、3,3-ジ
イソブチル-1,5-オキソノナン、6,6-ジイソブチルジオ
キシヘプタン、1,1-ジメトキシメチルシクロペンタン、
1,1-ビス(ジメトキシメチル)シクロヘキサン、1,1-ビ
ス(メトキシメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、1,1
-ジメトキシメチルシクロペンタン、2-メチル-2-メトキ
シメチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-シクロヘキシル-
2-エトキシメチル-1,3-ジエトキシプロパン、2-シクロ
ヘキシル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、2-
イソプロピル-2-イソアミル-1,3-ジメトキシシクロヘキ
サン、2-シクロヘキシル-2-メトキシメチル-1,3-ジメト
キシシクロヘキサン、2-イソプロピル-2-メトキシメチ
ル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、2-イソブチル-2-メ
トキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、2-シク
ロヘキシル-2-エトキシメチル-1,3-ジエトキシシクロヘ
キサン、2-シクロヘキシル-2-エトキシメチル-1,3-ジメ
トキシシクロヘキサン、2-イソプロピル-2-エトキシメ
チル-1,3-ジエトキシシクロヘキサン、2-イソプロピル-
2-エトキシメチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、2-
イソブチル-2-エトキシメチル-1,3-ジエトキシシクロヘ
キサン、2-イソブチル-2-エトキシメチル-1,3-ジメトキ
シシクロヘキサン、トリス(p-メトキシフェニル)ホス
フィン、メチルフェニルビス(メトキシメチル)シラ
ン、ジフェニルビス(メトキシメチル)シラン、メチル
シクロヘキシルビス(メトキシメチル)シラン、ジ-t-
ブチルビス(メトキシメチル)シラン、シクロヘキシル
-t-ブチルビス(メトキシメチル)シラン、i-プロピル-
t-ブチルビス(メトキシメチル)シランなどが挙げられ
る。
【0146】これらのうち、1,3-ジエーテル類が好まし
く用いられ、特に、2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシ
プロパン、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメト
キシプロパン、2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメトキシ
プロパン、2,2-ビス(シクロヘキシルメチル)-1,3-ジ
メトキシプロパンが好ましく用いられる。
く用いられ、特に、2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシ
プロパン、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメト
キシプロパン、2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメトキシ
プロパン、2,2-ビス(シクロヘキシルメチル)-1,3-ジ
メトキシプロパンが好ましく用いられる。
【0147】これらポリエーテル化合物(d)は、2種
以上併用して用いることができる。次にプロピレン系重
合体の製造方法について説明する。プロピレン重合体
は、前記[Ia]固体状チタン触媒成分と、[II]有機
金属触媒成分と、[III]上記式(iii)で示されるケイ
素化合物(c)および/またはポリエーテル化合物
(d)とから形成されるオレフィン重合触媒の存在下、
好ましくは、前記[Ib]予備重合触媒成分と、[II]
有機金属触媒成分と、[III]上記式(iii)で示される
ケイ素化合物(c)および/またはポリエーテル化合物
(d)とから形成されるオレフィン重合触媒の存在下
に、プロピレンの重合(本重合)を行うことにより得る
ことができる。
以上併用して用いることができる。次にプロピレン系重
合体の製造方法について説明する。プロピレン重合体
は、前記[Ia]固体状チタン触媒成分と、[II]有機
金属触媒成分と、[III]上記式(iii)で示されるケイ
素化合物(c)および/またはポリエーテル化合物
(d)とから形成されるオレフィン重合触媒の存在下、
好ましくは、前記[Ib]予備重合触媒成分と、[II]
有機金属触媒成分と、[III]上記式(iii)で示される
ケイ素化合物(c)および/またはポリエーテル化合物
(d)とから形成されるオレフィン重合触媒の存在下
に、プロピレンの重合(本重合)を行うことにより得る
ことができる。
【0148】なお、プロピレンの重合を行う際に、プロ
ピレンに加えて、少量のプロピレン以外の他のオレフィ
ンあるいは少量のジエン化合物を重合系内に共存させる
こともできる。
ピレンに加えて、少量のプロピレン以外の他のオレフィ
ンあるいは少量のジエン化合物を重合系内に共存させる
こともできる。
【0149】このようなプロピレン以外の他のオレフィ
ンとしては、エチレンおよび1-ブテン、1-ペンテン、1-
ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテ
ン、1-オクテン、3-メチル-1-ブテンなどの炭素数3〜
8のオレフィンが挙げられる。
ンとしては、エチレンおよび1-ブテン、1-ペンテン、1-
ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテ
ン、1-オクテン、3-メチル-1-ブテンなどの炭素数3〜
8のオレフィンが挙げられる。
【0150】ジエン化合物としては、1,3-ブタジエン、
1,3-ペンタジエン、1,4-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエ
ン、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、4-メチル-
1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、6-メ
チル-1,6-オクタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、
6-エチル-1,6-オクタジエン、6-プロピル-1,6-オクタジ
エン、6-ブチル-1,6-オクタジエン、6-メチル-1,6-ノナ
ジエン、7-メチル-1,6-ノナジエン、6-エチル-1,6-ノナ
ジエン、7-エチル-1,6-ノナジエン、6-メチル-1,6-デカ
ジエン、7-メチル-1,6-デカジエン、6-メチル-1,6-ウン
デカジエン、1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン、イソ
プレン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン
およびジシクロペンタジエンなどの炭素数4〜20のジ
エン化合物を挙げることができる。
1,3-ペンタジエン、1,4-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエ
ン、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、4-メチル-
1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、6-メ
チル-1,6-オクタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、
6-エチル-1,6-オクタジエン、6-プロピル-1,6-オクタジ
エン、6-ブチル-1,6-オクタジエン、6-メチル-1,6-ノナ
ジエン、7-メチル-1,6-ノナジエン、6-エチル-1,6-ノナ
ジエン、7-エチル-1,6-ノナジエン、6-メチル-1,6-デカ
ジエン、7-メチル-1,6-デカジエン、6-メチル-1,6-ウン
デカジエン、1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン、イソ
プレン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン
およびジシクロペンタジエンなどの炭素数4〜20のジ
エン化合物を挙げることができる。
【0151】プロピレンの重合は、通常、気相あるいは
液相で行われる。重合がスラリー重合または溶解重合の
反応形態を採る場合、反応溶媒として、上述の[Ib]
予備重合触媒成分の調製に用いられる不活性炭化水素と
同様の不活性炭化水素を用いることができる。
液相で行われる。重合がスラリー重合または溶解重合の
反応形態を採る場合、反応溶媒として、上述の[Ib]
予備重合触媒成分の調製に用いられる不活性炭化水素と
同様の不活性炭化水素を用いることができる。
【0152】重合系内においては、前記[Ia]固体状
チタン触媒成分または[Ib]予備重合触媒成分は、重
合容積1リットル当り[Ia]固体状チタン触媒成分中
のチタン原子または[Ib]予備重合触媒成分中のチタ
ン原子に換算して、通常は約0.0001〜50ミリモ
ル、好ましくは約0.001〜10ミリモルの量で用い
られる。また、[II]有機金属触媒成分は、重合系中の
チタン原子1モルに対し、[II]有機金属触媒成分に含
まれる金属原子が、通常約1〜2000モル、好ましく
は約2〜500モルとなるような量で用いられる。さら
に[III]ケイ素化合物(c)および/またはポリエー
テル化合物(d)は、[II]有機金属触媒成分中の金属
原子1モル当り、通常約0.001〜50モル、好まし
くは約0.01〜20モルとなるような量で用いられ
る。
チタン触媒成分または[Ib]予備重合触媒成分は、重
合容積1リットル当り[Ia]固体状チタン触媒成分中
のチタン原子または[Ib]予備重合触媒成分中のチタ
ン原子に換算して、通常は約0.0001〜50ミリモ
ル、好ましくは約0.001〜10ミリモルの量で用い
られる。また、[II]有機金属触媒成分は、重合系中の
チタン原子1モルに対し、[II]有機金属触媒成分に含
まれる金属原子が、通常約1〜2000モル、好ましく
は約2〜500モルとなるような量で用いられる。さら
に[III]ケイ素化合物(c)および/またはポリエー
テル化合物(d)は、[II]有機金属触媒成分中の金属
原子1モル当り、通常約0.001〜50モル、好まし
くは約0.01〜20モルとなるような量で用いられ
る。
【0153】重合時に水素を用いると、メルトフローレ
ートの大きいプロピレン系重合体が得られ、水素添加量
によって得られるプロピレン系重合体の分子量を調節す
ることができる。この場合においても、本発明において
は得られるプロピレン系重合体の結晶化度や立体規則性
指数が低下したりすることがなく、また触媒活性が低下
することもない。
ートの大きいプロピレン系重合体が得られ、水素添加量
によって得られるプロピレン系重合体の分子量を調節す
ることができる。この場合においても、本発明において
は得られるプロピレン系重合体の結晶化度や立体規則性
指数が低下したりすることがなく、また触媒活性が低下
することもない。
【0154】プロピレンの重合温度は、通常、約−50
〜200℃、好ましくは約20〜100℃であり、圧力
は、通常、常圧〜100kg/cm2 、好ましくは約2
〜50kg/cm2 に設定される。重合は回分式、半連
続式、連続式の何れの方法においても行うことができ
る。
〜200℃、好ましくは約20〜100℃であり、圧力
は、通常、常圧〜100kg/cm2 、好ましくは約2
〜50kg/cm2 に設定される。重合は回分式、半連
続式、連続式の何れの方法においても行うことができ
る。
【0155】このようにしてプロピレン重合体を製造す
ると、固体触媒成分単位量当りのプロピレン重合体の収
率を高くすることができるため、プロピレン重合体中の
触媒残渣、特にハロゲン含量を相対的に低減させること
ができる。したがって、プロピレン重合体中の触媒を除
去する操作を省略できるとともに、得られたプロピレン
重合体を用いて成形体を成形する際に、金型の発錆を防
止し易くなる。
ると、固体触媒成分単位量当りのプロピレン重合体の収
率を高くすることができるため、プロピレン重合体中の
触媒残渣、特にハロゲン含量を相対的に低減させること
ができる。したがって、プロピレン重合体中の触媒を除
去する操作を省略できるとともに、得られたプロピレン
重合体を用いて成形体を成形する際に、金型の発錆を防
止し易くなる。
【0156】また、このようなプロピレン重合体は、ア
モルファス成分が極めて少なく、したがって炭化水素可
溶成分が少なく、このプロピレン重合体から成形したフ
ィルムは、その表面粘着性が低い。
モルファス成分が極めて少なく、したがって炭化水素可
溶成分が少なく、このプロピレン重合体から成形したフ
ィルムは、その表面粘着性が低い。
【0157】プロピレン重合体の製造は、反応条件を変
えて2段以上に分けて行うこともできる。この場合は、
2〜10器の重合器を用いて、気相あるいは液相で行わ
れる。
えて2段以上に分けて行うこともできる。この場合は、
2〜10器の重合器を用いて、気相あるいは液相で行わ
れる。
【0158】重合がスラリー重合または溶解重合の反応
形態を採る場合、反応溶媒として、上述の[Ib]予備
重合触媒成分の調製に用いられる不活性炭化水素と同様
の不活性炭化水素を用いることができる。
形態を採る場合、反応溶媒として、上述の[Ib]予備
重合触媒成分の調製に用いられる不活性炭化水素と同様
の不活性炭化水素を用いることができる。
【0159】このような重合方法においては、前記2器
以上の重合器の内、少なくとも1器以上の重合器におい
て、プロピレンを重合し(該重合において、以下「A重
合」ということがある)、極限粘度[η]が、3〜40
dl/g、好ましくは5〜30dl/g、特に好ましく
は7〜25dl/gの重合体を製造する。
以上の重合器の内、少なくとも1器以上の重合器におい
て、プロピレンを重合し(該重合において、以下「A重
合」ということがある)、極限粘度[η]が、3〜40
dl/g、好ましくは5〜30dl/g、特に好ましく
は7〜25dl/gの重合体を製造する。
【0160】このA重合で得られる重合体の23℃デカ
ン不溶成分のNMR測定で決定されるアイソタクチック
ペンタッド値([M5 ])は、0.955〜0.99
5、好ましくは0.955〜0.995、より好ましく
は0.975〜0.995、さらに好ましくは0.98
0〜0.995であることが望ましい。
ン不溶成分のNMR測定で決定されるアイソタクチック
ペンタッド値([M5 ])は、0.955〜0.99
5、好ましくは0.955〜0.995、より好ましく
は0.975〜0.995、さらに好ましくは0.98
0〜0.995であることが望ましい。
【0161】また前記重合体の23℃デカン不溶成分量
は、90%以上、好ましくは93%以上、より好ましく
は95%以上、さらに好ましくは98%以上、特に好ま
しくは98.5%以上であることが望ましい。
は、90%以上、好ましくは93%以上、より好ましく
は95%以上、さらに好ましくは98%以上、特に好ま
しくは98.5%以上であることが望ましい。
【0162】このような該A重合で得られる重合体は、
最終的に得られるプロピレン系重合体中で0.1〜55
%、好ましくは2〜35%、特に好ましくは5〜30%
の割合で存在するように製造されることが望ましい。
最終的に得られるプロピレン系重合体中で0.1〜55
%、好ましくは2〜35%、特に好ましくは5〜30%
の割合で存在するように製造されることが望ましい。
【0163】プロピレン重合体を2器以上の重合器を用
いて製造する場合には、前記2器以上の重合器の内、残
りの重合器でもプロピレンの重合を行い(以下「B重
合」ということがある)、最終製品として、メルトフロ
ーレートが0.1〜500g/10分のプロピレン重合体
を得る。
いて製造する場合には、前記2器以上の重合器の内、残
りの重合器でもプロピレンの重合を行い(以下「B重
合」ということがある)、最終製品として、メルトフロ
ーレートが0.1〜500g/10分のプロピレン重合体
を得る。
【0164】該A重合およびB重合の重合系内において
は、前記[Ia]固体状チタン触媒成分または[Ib]
予備重合触媒成分は、重合容積1リットル当り[Ia]
固体状チタン触媒成分中のチタン原子または[Ib]予
備重合触媒成分中のチタン原子に換算して、通常は約
0.0001〜50ミリモル、好ましくは約0.001
〜10ミリモルの量で用いられる。また、[II]有機金
属触媒成分は、重合系中のチタン原子1モルに対し、
[II]有機金属触媒成分に含まれる金属原子が、通常約
1〜2000モル、好ましくは約2〜500モルとなる
ような量で用いられる。さらに[III]ケイ素化合物
(c)および/またはポリエーテル化合物(d)は、
[II]有機金属触媒成分中の金属原子1モル当り、通常
約0.001〜50モル、好ましくは約0.01〜20
モルとなるような量で用いられる。
は、前記[Ia]固体状チタン触媒成分または[Ib]
予備重合触媒成分は、重合容積1リットル当り[Ia]
固体状チタン触媒成分中のチタン原子または[Ib]予
備重合触媒成分中のチタン原子に換算して、通常は約
0.0001〜50ミリモル、好ましくは約0.001
〜10ミリモルの量で用いられる。また、[II]有機金
属触媒成分は、重合系中のチタン原子1モルに対し、
[II]有機金属触媒成分に含まれる金属原子が、通常約
1〜2000モル、好ましくは約2〜500モルとなる
ような量で用いられる。さらに[III]ケイ素化合物
(c)および/またはポリエーテル化合物(d)は、
[II]有機金属触媒成分中の金属原子1モル当り、通常
約0.001〜50モル、好ましくは約0.01〜20
モルとなるような量で用いられる。
【0165】また、必要に応じて、いずれの重合器にお
いても[Ia]固体状チタン触媒成分または[Ib]予
備重合触媒成分、[II]有機金属触媒成分、[III]ケ
イ素化合物(c)および/またはポリエーテル化合物
(d)を供給してもよい。さらに、いずれの重合器にお
いても固体状チタン触媒成分(a)を調製する際に用い
た電子供与体および/または上記式(c-i)で表される
有機ケイ素化合物を供給してもよい。
いても[Ia]固体状チタン触媒成分または[Ib]予
備重合触媒成分、[II]有機金属触媒成分、[III]ケ
イ素化合物(c)および/またはポリエーテル化合物
(d)を供給してもよい。さらに、いずれの重合器にお
いても固体状チタン触媒成分(a)を調製する際に用い
た電子供与体および/または上記式(c-i)で表される
有機ケイ素化合物を供給してもよい。
【0166】また、該A重合およびB重合いずれにおい
ても、水素を供給もしくは排除することにより得られる
重合体の分子量を容易に調整することができる。この場
合に、本発明においては、得られるプロピレン重合体の
結晶化度や立体規則性指数が低下したりすることがな
く、また触媒活性が低下することもない。水素の供給量
は、諸条件によって異なるが、最終的に得られるポリマ
ーのメルトフローレートが0.1〜500g/10分の範
囲となるような量であれば良い。
ても、水素を供給もしくは排除することにより得られる
重合体の分子量を容易に調整することができる。この場
合に、本発明においては、得られるプロピレン重合体の
結晶化度や立体規則性指数が低下したりすることがな
く、また触媒活性が低下することもない。水素の供給量
は、諸条件によって異なるが、最終的に得られるポリマ
ーのメルトフローレートが0.1〜500g/10分の範
囲となるような量であれば良い。
【0167】また、23℃デカン不溶成分の[M5 ]の
値は、0.955〜0.995、好ましくは0.975
0〜0.995、より好ましくは0.980〜0.99
5の範囲にある。23℃デカン不溶成分の[M3 ]の値
は、0.0020〜0.0050、好ましくは0.00
23〜0.0045、より好ましくは0.0025〜
0.0040の範囲にあることが望ましい。
値は、0.955〜0.995、好ましくは0.975
0〜0.995、より好ましくは0.980〜0.99
5の範囲にある。23℃デカン不溶成分の[M3 ]の値
は、0.0020〜0.0050、好ましくは0.00
23〜0.0045、より好ましくは0.0025〜
0.0040の範囲にあることが望ましい。
【0168】該A重合およびB重合におけるプロピレン
の重合温度は、いずれも通常約−50〜200℃、好ま
しくは20〜100℃であり、圧力は、通常常圧〜10
0kg/cm2 、好ましくは2〜50kg/cm2 に設
定される。重合は回分式、半連続式、連続式のいずれの
方法においても行うことができる。
の重合温度は、いずれも通常約−50〜200℃、好ま
しくは20〜100℃であり、圧力は、通常常圧〜10
0kg/cm2 、好ましくは2〜50kg/cm2 に設
定される。重合は回分式、半連続式、連続式のいずれの
方法においても行うことができる。
【0169】プロピレン系ブロック共重合体は、上記の
プロピレン重合体を製造する前および/または後に、好
ましくはプロピレン重合体を製造した後に炭素数2〜2
0のオレフィンから選ばれる2種以上の単量体の共重合
を行うことにより得られる。
プロピレン重合体を製造する前および/または後に、好
ましくはプロピレン重合体を製造した後に炭素数2〜2
0のオレフィンから選ばれる2種以上の単量体の共重合
を行うことにより得られる。
【0170】プロピレン系ブロック共重合体の製造にお
いては、たとえば前記プロピレン重合体を製造する重合
工程に続いて、該重合工程において得られた重合体の存
在下、炭素数2〜20のオレフィンから選ばれる2種以
上の単量体を共重合してオレフィンランダム共重合体を
製造する共重合工程を行う方法がある。
いては、たとえば前記プロピレン重合体を製造する重合
工程に続いて、該重合工程において得られた重合体の存
在下、炭素数2〜20のオレフィンから選ばれる2種以
上の単量体を共重合してオレフィンランダム共重合体を
製造する共重合工程を行う方法がある。
【0171】ここで炭素数2〜20のオレフィンとして
は、エチレン、プロピレンおよび前記と同様の炭素数4
〜20のオレフィンなどが挙げられ、このうち炭素数2
〜12のオレフィンから選ばれる2種以上のオレフィン
を用いることが好ましい。
は、エチレン、プロピレンおよび前記と同様の炭素数4
〜20のオレフィンなどが挙げられ、このうち炭素数2
〜12のオレフィンから選ばれる2種以上のオレフィン
を用いることが好ましい。
【0172】上記の共重合工程は、通常、気相あるいは
液相で行われる。重合がスラリー重合または溶解重合の
反応形態を採る場合、反応溶媒として、上述の[Ib]
予備重合触媒成分の調製に用いられる不活性炭化水素と
同様の不活性炭化水素を用いることができる。
液相で行われる。重合がスラリー重合または溶解重合の
反応形態を採る場合、反応溶媒として、上述の[Ib]
予備重合触媒成分の調製に用いられる不活性炭化水素と
同様の不活性炭化水素を用いることができる。
【0173】該共重合系内においては、必要に応じて
[Ia]固体状チタン触媒成分または[Ib]予備重合
触媒成分、[II]有機金属触媒成分、[III]ケイ素化
合物(c)および/またはポリエーテル化合物(d)を
加えることができ、[Ia]固体状チタン触媒成分また
は[Ib]予備重合触媒成分は、重合容積1リットル当
り[Ia]固体状チタン触媒成分中のチタン原子または
[Ib]予備重合触媒成分中のチタン原子に換算して、
通常は約0.0001〜50ミリモル、好ましくは約
0.001〜10ミリモルの量を加えることができる。
また、[II]有機金属触媒成分は、重合系中に加えたチ
タン原子1モルに対し、[II]有機金属触媒成分に含ま
れる金属原子が、通常約1〜2000モル、好ましくは
約2〜500モルとなるような量を加えることができ
る。さらに[III]ケイ素化合物(c)および/または
ポリエーテル化合物(d)は、加えた[II]有機金属触
媒成分中の金属原子1モル当り、通常約0.001〜5
0モル、好ましくは約0.01〜20モルとなるような
量で用いることができる。
[Ia]固体状チタン触媒成分または[Ib]予備重合
触媒成分、[II]有機金属触媒成分、[III]ケイ素化
合物(c)および/またはポリエーテル化合物(d)を
加えることができ、[Ia]固体状チタン触媒成分また
は[Ib]予備重合触媒成分は、重合容積1リットル当
り[Ia]固体状チタン触媒成分中のチタン原子または
[Ib]予備重合触媒成分中のチタン原子に換算して、
通常は約0.0001〜50ミリモル、好ましくは約
0.001〜10ミリモルの量を加えることができる。
また、[II]有機金属触媒成分は、重合系中に加えたチ
タン原子1モルに対し、[II]有機金属触媒成分に含ま
れる金属原子が、通常約1〜2000モル、好ましくは
約2〜500モルとなるような量を加えることができ
る。さらに[III]ケイ素化合物(c)および/または
ポリエーテル化合物(d)は、加えた[II]有機金属触
媒成分中の金属原子1モル当り、通常約0.001〜5
0モル、好ましくは約0.01〜20モルとなるような
量で用いることができる。
【0174】該共重合系内に水素を用いると、水素添加
量によって得られる低結晶性共重合体部または非晶性共
重合体部の分子量を調節することができる。該共重合工
程において、重合温度は、通常、約−50〜200℃、
好ましくは約20〜100℃であり、圧力は、通常、常
圧〜100kg/cm2 、好ましくは約2〜50kg/
cm2 に設定される。重合は回分式、半連続式、連続式
の何れの方法においても行うことができる。
量によって得られる低結晶性共重合体部または非晶性共
重合体部の分子量を調節することができる。該共重合工
程において、重合温度は、通常、約−50〜200℃、
好ましくは約20〜100℃であり、圧力は、通常、常
圧〜100kg/cm2 、好ましくは約2〜50kg/
cm2 に設定される。重合は回分式、半連続式、連続式
の何れの方法においても行うことができる。
【0175】なお、該共重合工程においても、前述した
プロピレン重合工程と同様、少量のジエン化合物を反応
系内に導入してもよい。また、重合工程および共重合工
程のいずれの工程においても固体状チタン触媒成分
(a)を調製する際に用いた電子供与体および/または
上記式(c-i)で表される有機ケイ素化合物を供給して
もよい。
プロピレン重合工程と同様、少量のジエン化合物を反応
系内に導入してもよい。また、重合工程および共重合工
程のいずれの工程においても固体状チタン触媒成分
(a)を調製する際に用いた電子供与体および/または
上記式(c-i)で表される有機ケイ素化合物を供給して
もよい。
【0176】このようにしてプロピレン系ブロック共重
合体を製造すると、固体触媒成分単位量当りのプロピレ
ン系ブロック共重合体の収率を高くすることができるた
め、プロピレン系ブロック共重合体中の触媒残渣、特に
ハロゲン含量を相対的に低減させることができる。した
がって、プロピレン系ブロック共重合体中の触媒を除去
する操作を省略できるとともに、得られたプロピレン系
ブロック共重合体を用いて成形体を成形する際に、金型
の発錆を防止し易くなる。
合体を製造すると、固体触媒成分単位量当りのプロピレ
ン系ブロック共重合体の収率を高くすることができるた
め、プロピレン系ブロック共重合体中の触媒残渣、特に
ハロゲン含量を相対的に低減させることができる。した
がって、プロピレン系ブロック共重合体中の触媒を除去
する操作を省略できるとともに、得られたプロピレン系
ブロック共重合体を用いて成形体を成形する際に、金型
の発錆を防止し易くなる。
【0177】上記のような製法により得られるプロピレ
ン系ブロック共重合体中において、プロピレン単位の含
有率は50〜98モル%であり、好ましくは60〜97
モル%である。
ン系ブロック共重合体中において、プロピレン単位の含
有率は50〜98モル%であり、好ましくは60〜97
モル%である。
【0178】プロピレン系ブロック共重合体のデカン可
溶成分量は、50%以下であるが、このデカン可溶成分
には、主に共重合工程で得られた共重合体が含まれてい
る。この共重合体の組成は、用いるオレフィンの種類に
よって異なるため一概に規定できないが、たとえばエチ
レンとプロピレンとの共重合を行った場合、プロピレン
単位は20〜80モル%、好ましくは25〜75モル
%、特に好ましくは30〜70モル%であることが望ま
しい。また上記デカン可溶成分の135℃デカリン中で
測定される極限粘度は、0.5〜20dl/g、好まし
くは1〜15dl/g、より好ましくは2〜12dl/
g、特に好ましくは2.5〜10dl/gであることが
望ましい。また、プロピレン系ブロック共重合体のMF
Rは、0.1〜500g/10分、好ましくは0.2〜3
00g/10分であり、重合工程および共重合工程で添加
する水素の量や重合温度などの条件によって自由に調節
できる。
溶成分量は、50%以下であるが、このデカン可溶成分
には、主に共重合工程で得られた共重合体が含まれてい
る。この共重合体の組成は、用いるオレフィンの種類に
よって異なるため一概に規定できないが、たとえばエチ
レンとプロピレンとの共重合を行った場合、プロピレン
単位は20〜80モル%、好ましくは25〜75モル
%、特に好ましくは30〜70モル%であることが望ま
しい。また上記デカン可溶成分の135℃デカリン中で
測定される極限粘度は、0.5〜20dl/g、好まし
くは1〜15dl/g、より好ましくは2〜12dl/
g、特に好ましくは2.5〜10dl/gであることが
望ましい。また、プロピレン系ブロック共重合体のMF
Rは、0.1〜500g/10分、好ましくは0.2〜3
00g/10分であり、重合工程および共重合工程で添加
する水素の量や重合温度などの条件によって自由に調節
できる。
【0179】本発明ではプロピレン系重合体は、後述す
るような核剤が配合されていてもよい。プロピレン系重
合体に核剤を配合することによって、結晶粒子の微細化
が図れるとともに、結晶化速度の向上し、高速成形が可
能になる。
るような核剤が配合されていてもよい。プロピレン系重
合体に核剤を配合することによって、結晶粒子の微細化
が図れるとともに、結晶化速度の向上し、高速成形が可
能になる。
【0180】核剤としては、従来知られている種々の核
剤が特に制限されることなく用いられる。中でも、好ま
しい核剤としては、下記に挙げる核剤を例示することが
できる。
剤が特に制限されることなく用いられる。中でも、好ま
しい核剤としては、下記に挙げる核剤を例示することが
できる。
【0181】
【化11】
【0182】(式中、R1 は酸素、硫黄または炭素数1
〜10の炭化水素基を示し、R2 、R 3 は水素または炭
素数1〜10の炭化水素基を示し、R2 、R3 は同種で
あっても異種であってもよく、R2 同士、R3 同士また
はR2 とR3 が結合して環状となっていてもよく、M
は、1〜3価の金属原子またはアンモニウムであり、n
は1〜3の整数である。) 具体的には、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-
t-ブチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-
エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフ
ェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス-(4,6-ジ-t-ブ
チルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-エチリ
デン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェー
ト、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4-i-プロピル-
6-t-ブチルフェニル) フォスフェート、リチウム-2,2'-
メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル) フォス
フェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-6-
t-ブチルフェニル) フォスフェート、カルシウム-ビス
[2,2'-チオビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル) フォ
スフェート] 、カルシウム-ビス[2,2'-チオビス(4-エ
チル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、カルシ
ウム-ビス[2,2'-チオビス-(4,6-ジ-t-ブチルフェニ
ル) フォスフェート] 、マグネシウム-ビス[2,2'-チオ
ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、
マグネシウム-ビス[2,2'-チオビス-(4-t-オクチルフ
ェニル) フォスフェート] 、ナトリウム-2,2'-ブチリデ
ン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル) フォスフェート、ナ
トリウム-2,2'-ブチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェ
ニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-t-オクチルメ
チレン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル) フォスフェー
ト、ナトリウム-2,2'-t-オクチルメチレン-ビス(4,6-
ジ-t- ブチルフェニル) フォスフェート、カルシウム-
ビス-(2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニ
ル)フォスフェート) 、マグネシウム-ビス[2,2'-メチ
レン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェー
ト] 、バリウム-ビス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-
ブチルフェニル) フォスフェート] 、ナトリウム-2,2'-
メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル) フォス
フェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-
6-t-ブチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム(4,
4'-ジメチル-5,6'-ジ-t-ブチル-2,2'-ビフェニル) フォ
スフェート、カルシウム-ビス[(4,4'-ジメチル-6,6'-
ジ-t-ブチル-2,2'-ビフェニル) フォスフェート] 、ナ
トリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4-m-ブチル-6-t-ブチ
ルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレ
ン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル) フォスフェート、ナ
トリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-エチルフェニ
ル) フォスフェート、カリウム-2,2'-エチリデン-ビス
(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート、カルシ
ウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフ
ェニル) フオスフェート] 、マグネシウム-ビス[2,2'-
エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフ
ェート] 、バリウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6
-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、アルミニウ
ム-トリス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェ
ル)フォスフェート] およびアルミニウム-トリス[2,
2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォ
スフェート] およびこれらのアンモニウム塩を例示でき
る。またこれら金属塩および/またはアンモニウム塩の
2個以上の混合物を例示することもできる。これらのな
かでは、特にナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-
t-ブチルフェニル)フォスフェートが好ましい。
〜10の炭化水素基を示し、R2 、R 3 は水素または炭
素数1〜10の炭化水素基を示し、R2 、R3 は同種で
あっても異種であってもよく、R2 同士、R3 同士また
はR2 とR3 が結合して環状となっていてもよく、M
は、1〜3価の金属原子またはアンモニウムであり、n
は1〜3の整数である。) 具体的には、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-
t-ブチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-
エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフ
ェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス-(4,6-ジ-t-ブ
チルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-エチリ
デン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェー
ト、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4-i-プロピル-
6-t-ブチルフェニル) フォスフェート、リチウム-2,2'-
メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル) フォス
フェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-6-
t-ブチルフェニル) フォスフェート、カルシウム-ビス
[2,2'-チオビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル) フォ
スフェート] 、カルシウム-ビス[2,2'-チオビス(4-エ
チル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、カルシ
ウム-ビス[2,2'-チオビス-(4,6-ジ-t-ブチルフェニ
ル) フォスフェート] 、マグネシウム-ビス[2,2'-チオ
ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、
マグネシウム-ビス[2,2'-チオビス-(4-t-オクチルフ
ェニル) フォスフェート] 、ナトリウム-2,2'-ブチリデ
ン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル) フォスフェート、ナ
トリウム-2,2'-ブチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェ
ニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-t-オクチルメ
チレン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル) フォスフェー
ト、ナトリウム-2,2'-t-オクチルメチレン-ビス(4,6-
ジ-t- ブチルフェニル) フォスフェート、カルシウム-
ビス-(2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニ
ル)フォスフェート) 、マグネシウム-ビス[2,2'-メチ
レン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェー
ト] 、バリウム-ビス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-
ブチルフェニル) フォスフェート] 、ナトリウム-2,2'-
メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル) フォス
フェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-
6-t-ブチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム(4,
4'-ジメチル-5,6'-ジ-t-ブチル-2,2'-ビフェニル) フォ
スフェート、カルシウム-ビス[(4,4'-ジメチル-6,6'-
ジ-t-ブチル-2,2'-ビフェニル) フォスフェート] 、ナ
トリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4-m-ブチル-6-t-ブチ
ルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレ
ン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル) フォスフェート、ナ
トリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-エチルフェニ
ル) フォスフェート、カリウム-2,2'-エチリデン-ビス
(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート、カルシ
ウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフ
ェニル) フオスフェート] 、マグネシウム-ビス[2,2'-
エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフ
ェート] 、バリウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6
-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、アルミニウ
ム-トリス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェ
ル)フォスフェート] およびアルミニウム-トリス[2,
2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォ
スフェート] およびこれらのアンモニウム塩を例示でき
る。またこれら金属塩および/またはアンモニウム塩の
2個以上の混合物を例示することもできる。これらのな
かでは、特にナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-
t-ブチルフェニル)フォスフェートが好ましい。
【0183】
【化12】
【0184】(式中、R4 は水素または炭素数1〜10
の炭化水素基を示し、Mは、1〜3価の金属原子または
アンモニウムを示し、nは1〜3の整数である。) 具体的には、ナトリウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)
フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-メチルフェニ
ル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-エチルフェ
ニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-i-プロピ
ルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-t-
オクチルフェニル)フォスフェート、カリウム-ビス(4
-t-ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム-ビス
(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、マグネシウム
-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウ
ム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、アル
ミニウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート
およびこれらのアンモニウム塩を例示できる。またこれ
ら金属塩および/またはアンモニウム塩の2個以上の混
合物を例示することもできる。これらのなかでは、特に
ナトリウム-ビス(4-t-ブチルフェニル) フォスフェー
トが好ましい。
の炭化水素基を示し、Mは、1〜3価の金属原子または
アンモニウムを示し、nは1〜3の整数である。) 具体的には、ナトリウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)
フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-メチルフェニ
ル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-エチルフェ
ニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-i-プロピ
ルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-t-
オクチルフェニル)フォスフェート、カリウム-ビス(4
-t-ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム-ビス
(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、マグネシウム
-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウ
ム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、アル
ミニウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート
およびこれらのアンモニウム塩を例示できる。またこれ
ら金属塩および/またはアンモニウム塩の2個以上の混
合物を例示することもできる。これらのなかでは、特に
ナトリウム-ビス(4-t-ブチルフェニル) フォスフェー
トが好ましい。
【0185】
【化13】
【0186】(式中、R5 は水素または炭素数1〜10
の炭化水素基を示す。) 具体的には、1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトール、1,
3-ベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトー
ル、1,3-ベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソル
ビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-ベンジリデ
ンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-ベン
ジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4
-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベ
ンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、
1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソルビトール、1,
3,2,4-ジ(p-エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,
2,4-ジ(p-n-プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,
3,2,4-ジ(p-i-プロピルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4-ジ(p-n-ブチルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4-ジ(p-s-ブチルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4-ジ(p-t-ブチルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4-ジ(2',4'-ジメチルベンジリデン)ソルビトー
ル、1,3,2,4-ジ(p-メトキシベンジリデン)ソルビトー
ル、1,3,2,4-ジ(p-エトキシベンジリデン)ソルビトー
ル、1,3-ベンジリデン-2-4-p-クロルベンジリデンソル
ビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-ベンジリデ
ンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-メ
チルベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリ
デン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-
メチルベンジリデン-2,4-p-クロルベンジリデンソルビ
トール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-p-クロルベン
ジリデンソルビトールおよび1,3,2,4-ジ(p-クロルベン
ジリデン)ソルビトールおよびこれらの2個以上の混合
物を例示でき、特に1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトー
ル、1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソルビトー
ル、1,3,2,4-ジ(p-エチルベンジリデン)ソルビトー
ル、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリ
デンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-クロルベンジリデ
ン)ソルビトールおよびそれらの2種以上の混合物が好
ましい。
の炭化水素基を示す。) 具体的には、1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトール、1,
3-ベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトー
ル、1,3-ベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソル
ビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-ベンジリデ
ンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-ベン
ジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4
-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベ
ンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、
1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソルビトール、1,
3,2,4-ジ(p-エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,
2,4-ジ(p-n-プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,
3,2,4-ジ(p-i-プロピルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4-ジ(p-n-ブチルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4-ジ(p-s-ブチルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4-ジ(p-t-ブチルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4-ジ(2',4'-ジメチルベンジリデン)ソルビトー
ル、1,3,2,4-ジ(p-メトキシベンジリデン)ソルビトー
ル、1,3,2,4-ジ(p-エトキシベンジリデン)ソルビトー
ル、1,3-ベンジリデン-2-4-p-クロルベンジリデンソル
ビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-ベンジリデ
ンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-メ
チルベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリ
デン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-
メチルベンジリデン-2,4-p-クロルベンジリデンソルビ
トール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-p-クロルベン
ジリデンソルビトールおよび1,3,2,4-ジ(p-クロルベン
ジリデン)ソルビトールおよびこれらの2個以上の混合
物を例示でき、特に1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトー
ル、1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソルビトー
ル、1,3,2,4-ジ(p-エチルベンジリデン)ソルビトー
ル、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリ
デンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-クロルベンジリデ
ン)ソルビトールおよびそれらの2種以上の混合物が好
ましい。
【0187】その他の核剤としては、芳香族カルボン酸
や脂肪族カルボン酸の金属塩を例示でき、具体的には、
安息香酸アルミニウム塩、p-t-ブチル安息香酸アルミニ
ウム塩やアジピン酸ナトリウム、チオフェネカルボン酸
ナトリウム、ピローレカルボン酸ナトリウムなどを挙げ
られる。
や脂肪族カルボン酸の金属塩を例示でき、具体的には、
安息香酸アルミニウム塩、p-t-ブチル安息香酸アルミニ
ウム塩やアジピン酸ナトリウム、チオフェネカルボン酸
ナトリウム、ピローレカルボン酸ナトリウムなどを挙げ
られる。
【0188】また、後述するタルクのような無機化合物
も例示することもできる。本発明では上記核剤は前記プ
ロピレン系重合体100重量部に対して、0.001〜
10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、特に好ま
しくは0.1〜3重量部の割合で配合されることが望ま
しい。
も例示することもできる。本発明では上記核剤は前記プ
ロピレン系重合体100重量部に対して、0.001〜
10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、特に好ま
しくは0.1〜3重量部の割合で配合されることが望ま
しい。
【0189】核剤を上記の量でプロピレン系重合体に配
合することにより、プロピレン系重合体が本来有する優
れた特性が損なわれることなく、結晶粒子が微細で結晶
化度が向上したプロピレン系重合体が得られる。
合することにより、プロピレン系重合体が本来有する優
れた特性が損なわれることなく、結晶粒子が微細で結晶
化度が向上したプロピレン系重合体が得られる。
【0190】プロピレン系重合体は、衝撃強度を向上さ
せるためのゴム成分を配合したり、耐熱安定剤、耐候安
定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング
剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワッ
クスなどを配合することができ、その配合割合は適宜量
である。ゴム成分としては、オレフィン系重合体エラス
トマーが好ましい。
せるためのゴム成分を配合したり、耐熱安定剤、耐候安
定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング
剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワッ
クスなどを配合することができ、その配合割合は適宜量
である。ゴム成分としては、オレフィン系重合体エラス
トマーが好ましい。
【0191】また本発明の目的を損なわない範囲で、プ
ロピレン系重合体にシリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化
チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バルーン、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マ
グネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カ
リウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、硫
酸マグネシウム、クレー、マイカ、アスベスト、ガラス
繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウ
ム、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイト、
アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロン繊維、炭化ケ
イ素繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポ
リエステル繊維、ポリアミド繊維などの充填剤を配合し
てもよい。
ロピレン系重合体にシリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化
チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バルーン、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マ
グネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カ
リウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、硫
酸マグネシウム、クレー、マイカ、アスベスト、ガラス
繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウ
ム、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイト、
アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロン繊維、炭化ケ
イ素繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポ
リエステル繊維、ポリアミド繊維などの充填剤を配合し
てもよい。
【0192】このようなプロピレン系重合体は、用途に
応じて成形を行った後アニールすることでその剛性、耐
熱性等の性能を飛躍的に高めることが出来る。本発明に
係るポリプロピレン成形体は、上記プロピレン系重合体
を成形した後アニールすることによって得られる。この
際、アニール温度は100〜180℃、好ましくは12
0〜160℃、より好ましくは130〜150℃であ
る。アニール時間は1〜24時間、好ましくは2〜12
時間、より好ましくは3〜8時間である。
応じて成形を行った後アニールすることでその剛性、耐
熱性等の性能を飛躍的に高めることが出来る。本発明に
係るポリプロピレン成形体は、上記プロピレン系重合体
を成形した後アニールすることによって得られる。この
際、アニール温度は100〜180℃、好ましくは12
0〜160℃、より好ましくは130〜150℃であ
る。アニール時間は1〜24時間、好ましくは2〜12
時間、より好ましくは3〜8時間である。
【0193】このようにして得られたポリプロピレン成
形体の結晶化度は、プロピレン系重合体がプロピレン重
合体である場合には、60%以上、好ましくは65%以
上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは75%
以上である。また、プロピレン系重合体がプロピレン系
ブロック共重合体である場合には、その結晶化度は、そ
の組成によって異なるので一概には規定できないが、5
0%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは65
%以上であることが望ましい。
形体の結晶化度は、プロピレン系重合体がプロピレン重
合体である場合には、60%以上、好ましくは65%以
上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは75%
以上である。また、プロピレン系重合体がプロピレン系
ブロック共重合体である場合には、その結晶化度は、そ
の組成によって異なるので一概には規定できないが、5
0%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは65
%以上であることが望ましい。
【0194】結晶化度は、次のようにして測定される。
すなわち、プロピレン系重合体100重量部に対し、テ
トラキス(メチレン(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ)
ヒドロシンナメート)メタン0.05重量部、トリス
(ミクストモノ&ジノニルフェニルフォスファイト)
0.05重量部、ステアリン酸カルシウム0.1重量部
を混合し、該混合物を250℃にてスクリュー口径20
ミリメートルのサーモプラスチック社製押出造粒機を用
いて造粒する。次いで、該造粒物を200℃にて東芝機
械製射出成形機を用いて作成した試験片(ASTM規
格:FM用12.7mm×12.7mm×3.0mm)
を所定の条件でアニールした後、理学電機(株)製ロー
ターフレックス RU300測定装置を用いて測定する
ことにより決定される(出力50kV、250mA)。
この際の測定法としては、透過法を用い、またサンプル
を回転させながら測定を行う。
すなわち、プロピレン系重合体100重量部に対し、テ
トラキス(メチレン(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ)
ヒドロシンナメート)メタン0.05重量部、トリス
(ミクストモノ&ジノニルフェニルフォスファイト)
0.05重量部、ステアリン酸カルシウム0.1重量部
を混合し、該混合物を250℃にてスクリュー口径20
ミリメートルのサーモプラスチック社製押出造粒機を用
いて造粒する。次いで、該造粒物を200℃にて東芝機
械製射出成形機を用いて作成した試験片(ASTM規
格:FM用12.7mm×12.7mm×3.0mm)
を所定の条件でアニールした後、理学電機(株)製ロー
ターフレックス RU300測定装置を用いて測定する
ことにより決定される(出力50kV、250mA)。
この際の測定法としては、透過法を用い、またサンプル
を回転させながら測定を行う。
【0195】本発明のポリプロピレン成形体としては、
特に限定されないが、押出シート、未延伸フィルム、延
伸フィルム、フィラメント、射出成形体、ブロー成形体
などであることが好ましい。
特に限定されないが、押出シート、未延伸フィルム、延
伸フィルム、フィラメント、射出成形体、ブロー成形体
などであることが好ましい。
【0196】プロピレン系重合体からシート、フィルム
(未延伸フィルム)などの押出成形する際には、従来公
知の押出装置を用いることができる。たとえば、単軸ス
クリュー押出機、混練押出機、ラム押出機、ギヤ押出機
などを用い、溶融したプロピレン系重合体をTダイなど
から押出すことにより製造することができる。また成形
条件も、従来公知の条件を採用することができる。
(未延伸フィルム)などの押出成形する際には、従来公
知の押出装置を用いることができる。たとえば、単軸ス
クリュー押出機、混練押出機、ラム押出機、ギヤ押出機
などを用い、溶融したプロピレン系重合体をTダイなど
から押出すことにより製造することができる。また成形
条件も、従来公知の条件を採用することができる。
【0197】このような押出シート、フィルム(未延伸
フィルム)を上記のような条件でアニールすることによ
って、剛性および耐熱性に優れるポリプロピレン成形体
(シート、フィルム)を得ることができる。
フィルム)を上記のような条件でアニールすることによ
って、剛性および耐熱性に優れるポリプロピレン成形体
(シート、フィルム)を得ることができる。
【0198】延伸フィルムは、上記のようなプロピレン
系重合体からなるシートあるいはフィルムを用いて従来
公知の延伸装置により製造することができる。たとえ
ば、テンター法(縦横延伸、横縦延伸)、同時二軸延伸
法、一軸延伸法などが挙げられる。延伸フィルムの延伸
倍率は、二軸延伸フィルムの場合には、通常20〜70
倍であることが望ましく、一軸延伸フィルムの場合には
通常は2〜10倍であることが望ましい。また延伸フィ
ルムの厚さは、通常5〜200μmであることが望まし
い。
系重合体からなるシートあるいはフィルムを用いて従来
公知の延伸装置により製造することができる。たとえ
ば、テンター法(縦横延伸、横縦延伸)、同時二軸延伸
法、一軸延伸法などが挙げられる。延伸フィルムの延伸
倍率は、二軸延伸フィルムの場合には、通常20〜70
倍であることが望ましく、一軸延伸フィルムの場合には
通常は2〜10倍であることが望ましい。また延伸フィ
ルムの厚さは、通常5〜200μmであることが望まし
い。
【0199】このような延伸フィルムを上記のような条
件でアニールすることによって、剛性および耐熱性に優
れると共に、防湿性に優れるポリプロピレン成形体(延
伸フィルム)を得ることができる。
件でアニールすることによって、剛性および耐熱性に優
れると共に、防湿性に優れるポリプロピレン成形体(延
伸フィルム)を得ることができる。
【0200】上記のプロピレン系重合体からなるシー
ト、未延伸フィルム、延伸フィルムをアニールしたもの
は、剛性および耐熱性に優れるとともに、透明性、透視
性、光沢、防湿性、ガズバリヤ性などに優れているた
め、包装用フィルムなどに幅広く用いることができる。
特に防湿性に優れるため、薬品の錠剤、カプセルなどの
包装に用いられるプレススルーパック(press through
pack)用として好適である。
ト、未延伸フィルム、延伸フィルムをアニールしたもの
は、剛性および耐熱性に優れるとともに、透明性、透視
性、光沢、防湿性、ガズバリヤ性などに優れているた
め、包装用フィルムなどに幅広く用いることができる。
特に防湿性に優れるため、薬品の錠剤、カプセルなどの
包装に用いられるプレススルーパック(press through
pack)用として好適である。
【0201】フィラメントは、たとえば、溶融したプロ
ピレン系重合体を、紡糸口金を通して押出すことにより
製造することができる。このようにして得られたフィラ
メントは、さらに延伸処理してもよい。この延伸の程度
は、プロピレン系重合体に少なくとも一軸方向の分子配
向が有効に付与される程度に行えばよく、延伸倍率は、
通常5〜10倍であることが望ましい。
ピレン系重合体を、紡糸口金を通して押出すことにより
製造することができる。このようにして得られたフィラ
メントは、さらに延伸処理してもよい。この延伸の程度
は、プロピレン系重合体に少なくとも一軸方向の分子配
向が有効に付与される程度に行えばよく、延伸倍率は、
通常5〜10倍であることが望ましい。
【0202】このようなフィラメントを上記のような条
件でアニールすることによって、剛性および耐熱性に優
れるポリプロピレン成形体(フィラメント)を得ること
ができる。
件でアニールすることによって、剛性および耐熱性に優
れるポリプロピレン成形体(フィラメント)を得ること
ができる。
【0203】射出成形体を製造する際には、従来公知の
射出成形装置および成形条件を採用することができる。
このようなアニールした射出成形体は、剛性、耐熱性、
耐衝撃性、表面光沢、耐薬品性、耐磨耗性などに優れて
おり、自動車内装用トリム材、自動車用外装材、家電製
品のハウジング、容器など幅広く用いることができる。
射出成形装置および成形条件を採用することができる。
このようなアニールした射出成形体は、剛性、耐熱性、
耐衝撃性、表面光沢、耐薬品性、耐磨耗性などに優れて
おり、自動車内装用トリム材、自動車用外装材、家電製
品のハウジング、容器など幅広く用いることができる。
【0204】ブロー成形体を製造する際には、従来公知
のブロー成形装置および従来公知の条件を採用すること
ができる。たとえば押出ブロー成形の場合には、樹脂温
度100〜300℃でダイより上記プロピレン系重合体
を溶融状態でチューブ状パリソンを押出し、次いで付与
すべき形状の金型中にパリソンを保持した後、空気を吹
き込み樹脂温度130〜300℃で金型に着装し、中空
成形品を得る。延伸倍率は、横方向に1.5〜5倍であ
ることが望ましい。
のブロー成形装置および従来公知の条件を採用すること
ができる。たとえば押出ブロー成形の場合には、樹脂温
度100〜300℃でダイより上記プロピレン系重合体
を溶融状態でチューブ状パリソンを押出し、次いで付与
すべき形状の金型中にパリソンを保持した後、空気を吹
き込み樹脂温度130〜300℃で金型に着装し、中空
成形品を得る。延伸倍率は、横方向に1.5〜5倍であ
ることが望ましい。
【0205】射出ブロー成形の場合には、樹脂温度10
0℃〜300℃で上記プロピレン系重合体を金型に射出
してパリソンを成形し、次いで付与すべき形状の金型中
にパリソンを保持した後空気を吹き込み、樹脂温度12
0℃〜300℃で金型に着装し、中空成形品を得る。延
伸倍率は、縦方向に1.1〜1.8倍であることが望ま
しく、横方向に1.3〜2.5倍であることが望まし
い。
0℃〜300℃で上記プロピレン系重合体を金型に射出
してパリソンを成形し、次いで付与すべき形状の金型中
にパリソンを保持した後空気を吹き込み、樹脂温度12
0℃〜300℃で金型に着装し、中空成形品を得る。延
伸倍率は、縦方向に1.1〜1.8倍であることが望ま
しく、横方向に1.3〜2.5倍であることが望まし
い。
【0206】このようにブロー成形した後上記のような
条件でアニールすることによって、剛性および耐熱性の
他、防湿性に優れたポリプロピレン成形体(ブロー成形
体)を得ることができる。
条件でアニールすることによって、剛性および耐熱性の
他、防湿性に優れたポリプロピレン成形体(ブロー成形
体)を得ることができる。
【0207】本発明のポリプロピレン成形体は、表皮材
材料と基材材料とを同時にプレス成形することにより、
表皮材と基材とが複合一体化した成形体を製造する方法
(モールドスタンピング成形)における基材として用い
ることができる。この成形方法により得られたモールド
スタンピング成形体をアニールすることにより、剛性お
よび耐熱性に優れたポリプロピレン成形体(モールドス
タンピング成形体)を得ることができる。モールドスタ
ンピング成形体は、ドアートリム、リアーパッケージト
リム、シートバックガーニッシュ、インストルメントパ
ネルなどの自動車用内装材に用いられる。
材料と基材材料とを同時にプレス成形することにより、
表皮材と基材とが複合一体化した成形体を製造する方法
(モールドスタンピング成形)における基材として用い
ることができる。この成形方法により得られたモールド
スタンピング成形体をアニールすることにより、剛性お
よび耐熱性に優れたポリプロピレン成形体(モールドス
タンピング成形体)を得ることができる。モールドスタ
ンピング成形体は、ドアートリム、リアーパッケージト
リム、シートバックガーニッシュ、インストルメントパ
ネルなどの自動車用内装材に用いられる。
【0208】
【発明の効果】本発明に係るポリプロピレン成形体は、
23℃デカン不溶成分が高立体規則性を有し、かつアニ
ール操作を加えているので、剛性および耐熱性等に極め
て優れている。
23℃デカン不溶成分が高立体規則性を有し、かつアニ
ール操作を加えているので、剛性および耐熱性等に極め
て優れている。
【0209】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0210】
【実施例1】 [固体状チタン触媒成分[A]の調製]4.5m3 の反
応器に無水塩化マグネシウム240kg、デカン1,1
00リットルおよび2-エチルヘキシルアルコール990
kgを装入し130℃で加熱反応を行なって均一溶液と
した後、この溶液中に無水フタル酸54kgを添加し、
さらに、130℃にて攪拌し、無水フタル酸を溶解させ
た。このようにして得られた均一溶液を室温に冷却した
後、−25℃に保持した四塩化チタン6.7m3中に攪
拌しながらこの全均一溶液を滴下装入した。装入終了後
の温度は約−20℃であった。この混合液の温度を4時
間かけて110℃に昇温し、110℃に達したところで
フタル酸ジイソブチル(DIBP)13kgを添加し、
これより2時間同温度にて攪拌保持した。2時間の反応
終了後、熱濾過にて固体部を採取し、この固体部を7.
3m3 の四塩化チタンに再懸濁させた後、再び110℃
で2時間、加熱反応を行なった。反応終了後、再び熱濾
過にて固体部を採取し、110℃のデカンおよびヘキサ
ンにて溶液中に遊離のチタン化合物が検出されなくなる
まで充分洗浄した。以上の操作によって調製した固体状
チタン触媒成分(A)を得た。このようにして得られた
固体状チタン触媒成分(A)の組成は、チタン2.3重
量%、塩素61重量%、マグネシウム19重量%、DI
BP12.6重量%であった。
応器に無水塩化マグネシウム240kg、デカン1,1
00リットルおよび2-エチルヘキシルアルコール990
kgを装入し130℃で加熱反応を行なって均一溶液と
した後、この溶液中に無水フタル酸54kgを添加し、
さらに、130℃にて攪拌し、無水フタル酸を溶解させ
た。このようにして得られた均一溶液を室温に冷却した
後、−25℃に保持した四塩化チタン6.7m3中に攪
拌しながらこの全均一溶液を滴下装入した。装入終了後
の温度は約−20℃であった。この混合液の温度を4時
間かけて110℃に昇温し、110℃に達したところで
フタル酸ジイソブチル(DIBP)13kgを添加し、
これより2時間同温度にて攪拌保持した。2時間の反応
終了後、熱濾過にて固体部を採取し、この固体部を7.
3m3 の四塩化チタンに再懸濁させた後、再び110℃
で2時間、加熱反応を行なった。反応終了後、再び熱濾
過にて固体部を採取し、110℃のデカンおよびヘキサ
ンにて溶液中に遊離のチタン化合物が検出されなくなる
まで充分洗浄した。以上の操作によって調製した固体状
チタン触媒成分(A)を得た。このようにして得られた
固体状チタン触媒成分(A)の組成は、チタン2.3重
量%、塩素61重量%、マグネシウム19重量%、DI
BP12.6重量%であった。
【0211】[固体状チタン触媒成分(A)の予備重
合]2リットルの攪拌機付オートクレーブに窒素雰囲気
下精製ヘキサン500ml、3-メチル-1-ブテン57.
5g、トリエチルアルミニウム50ミリモル、トリメチ
ルメトキシシラン50ミリモルおよび上記固体状チタン
触媒成分(A)をチタン原子換算で5.0ミリモル添加
した後、2時間反応を行った。重合温度は20℃に保っ
た。
合]2リットルの攪拌機付オートクレーブに窒素雰囲気
下精製ヘキサン500ml、3-メチル-1-ブテン57.
5g、トリエチルアルミニウム50ミリモル、トリメチ
ルメトキシシラン50ミリモルおよび上記固体状チタン
触媒成分(A)をチタン原子換算で5.0ミリモル添加
した後、2時間反応を行った。重合温度は20℃に保っ
た。
【0212】反応終了後、反応器内を窒素で置換し、上
澄液の除去および精製ヘキサンの添加からなる洗浄操作
を3回行った後、精製ヘキサンで再懸濁して触媒瓶に全
量移液して予備重合触媒(B)を得た。固体状チタン触
媒成分(A)1g当たり、5.7gのポリ3-メチル-1-
ブテンが生成していた。
澄液の除去および精製ヘキサンの添加からなる洗浄操作
を3回行った後、精製ヘキサンで再懸濁して触媒瓶に全
量移液して予備重合触媒(B)を得た。固体状チタン触
媒成分(A)1g当たり、5.7gのポリ3-メチル-1-
ブテンが生成していた。
【0213】[重合]内容積17リットルのオートクレ
ーブにプロピレン4kg、水素13N-リットルを装入
し、60℃にてトリエチルアルミニウム5ミリモル、ジ
シクロペンチルジメトキシシラン(DCPMS)5ミリ
モル及び予備重合触媒(B)をチタン原子換算で0.0
5ミリモルTi添加した。
ーブにプロピレン4kg、水素13N-リットルを装入
し、60℃にてトリエチルアルミニウム5ミリモル、ジ
シクロペンチルジメトキシシラン(DCPMS)5ミリ
モル及び予備重合触媒(B)をチタン原子換算で0.0
5ミリモルTi添加した。
【0214】70℃に昇温した後これを25分保持した
後、更に水素を150N-リットル供給し20分保持して
プロピレン重合を行った。少量のエタノールを反応器に
添加することで重合を終了させ、室温に冷却かつ未反応
のプロピレンを脱圧した後、生成した白色粉末を減圧乾
燥した。乾燥後の白色粉末の重量は1,430gであっ
た。
後、更に水素を150N-リットル供給し20分保持して
プロピレン重合を行った。少量のエタノールを反応器に
添加することで重合を終了させ、室温に冷却かつ未反応
のプロピレンを脱圧した後、生成した白色粉末を減圧乾
燥した。乾燥後の白色粉末の重量は1,430gであっ
た。
【0215】[重合体の低立体規則性成分の除去]得ら
れた重合体1kg、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノー
ル1グラムを25リットルのデカンに加えた後、これを
145℃に加熱し重合体を溶解させた。次に、8時間か
けて室温まで冷却し重合体を析出させた。これを濾別、
減圧乾燥した後全量沸騰オクタンで6時間ソックスレー
抽出した。得られた重合体は770グラムでポリ3-メチ
ル-1-ブテンの含有率は700ppmであった。
れた重合体1kg、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノー
ル1グラムを25リットルのデカンに加えた後、これを
145℃に加熱し重合体を溶解させた。次に、8時間か
けて室温まで冷却し重合体を析出させた。これを濾別、
減圧乾燥した後全量沸騰オクタンで6時間ソックスレー
抽出した。得られた重合体は770グラムでポリ3-メチ
ル-1-ブテンの含有率は700ppmであった。
【0216】[曲げ弾性率(FM)および熱変形温度
(HDT)の測定]上記の重合体100重量部に対し、
テトラキス(メチレン(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキ
シ)ヒドロシンナメート)メタン0.05重量部、トリ
ス(ミクストモノ&ジノニルフェニルフォスファイト)
0.05重量部、ステアリン酸カルシウム0.1重量部
を混合し、該混合物を250℃にてスクリュー口径20
ミリメートルのサーモプラスチック社製押出造粒機を用
いて造粒した。次いで、該造粒物を200℃にて東芝機
械製射出成形機IS-50EPNを用いて各種試験片を作成し、
140℃で24時間試験片をアニールした後、ASTM
規格の測定法に従い曲げ弾性率(ASTM-D790)
および熱変形温度(ASTM-D648)の測定した。
結果を表1に示した。
(HDT)の測定]上記の重合体100重量部に対し、
テトラキス(メチレン(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキ
シ)ヒドロシンナメート)メタン0.05重量部、トリ
ス(ミクストモノ&ジノニルフェニルフォスファイト)
0.05重量部、ステアリン酸カルシウム0.1重量部
を混合し、該混合物を250℃にてスクリュー口径20
ミリメートルのサーモプラスチック社製押出造粒機を用
いて造粒した。次いで、該造粒物を200℃にて東芝機
械製射出成形機IS-50EPNを用いて各種試験片を作成し、
140℃で24時間試験片をアニールした後、ASTM
規格の測定法に従い曲げ弾性率(ASTM-D790)
および熱変形温度(ASTM-D648)の測定した。
結果を表1に示した。
【0217】
【比較例1】実施例1で製造した重合体を用い、アニー
ルを行わなかった以外は実施例1と同様にして曲げ弾性
率および熱変形温度を測定した。結果を表1に示した。
ルを行わなかった以外は実施例1と同様にして曲げ弾性
率および熱変形温度を測定した。結果を表1に示した。
【0218】
【実施例2】 [重合]内容積17リットルのオートクレーブにプロピ
レン4kg、水素45N-リットルを装入し、60℃にて
トリエチルアルミニウム5ミリモル、ジシクロペンチル
ジメトキシシラン(DCPMS)5ミリモル及び予備重
合触媒(B)をチタン原子換算で0.05ミリモルTi
添加した。
レン4kg、水素45N-リットルを装入し、60℃にて
トリエチルアルミニウム5ミリモル、ジシクロペンチル
ジメトキシシラン(DCPMS)5ミリモル及び予備重
合触媒(B)をチタン原子換算で0.05ミリモルTi
添加した。
【0219】70℃に昇温した後これを45分保持して
プロピレン重合を行った。少量のエタノールを反応器に
添加することで重合を終了させ、室温に冷却かつ未反応
のプロピレンを脱圧した後、生成した白色粉末を減圧乾
燥した。乾燥後の白色粉末の重量は1,500gであ
り、実施例1と同様にして求めたポリ3-メチル-1-ブテ
ンの含有率は560ppmであった。
プロピレン重合を行った。少量のエタノールを反応器に
添加することで重合を終了させ、室温に冷却かつ未反応
のプロピレンを脱圧した後、生成した白色粉末を減圧乾
燥した。乾燥後の白色粉末の重量は1,500gであ
り、実施例1と同様にして求めたポリ3-メチル-1-ブテ
ンの含有率は560ppmであった。
【0220】上記で製造した重合体を用いた以外は実施
例1と同様にして曲げ弾性率および熱変形温度を測定し
た。結果を表1に示した。
例1と同様にして曲げ弾性率および熱変形温度を測定し
た。結果を表1に示した。
【0221】
【比較例2】実施例2で製造した重合体を用い、アニー
ルを行わなかった以外は実施例1と同様にして曲げ弾性
率および熱変形温度を測定した。結果を表1に示した。
ルを行わなかった以外は実施例1と同様にして曲げ弾性
率および熱変形温度を測定した。結果を表1に示した。
【0222】
【実施例3】 [重合]内容積17リットルのオートクレーブにプロピ
レン4kg、水素53N-リットルを装入し、50℃にて
トリエチルアルミニウム5ミリモル、ジシクロペンチル
ジメトキシシラン(DCPMS)5ミリモル及び予備重
合触媒(B)をチタン原子換算で0.05ミリモルTi
添加した。
レン4kg、水素53N-リットルを装入し、50℃にて
トリエチルアルミニウム5ミリモル、ジシクロペンチル
ジメトキシシラン(DCPMS)5ミリモル及び予備重
合触媒(B)をチタン原子換算で0.05ミリモルTi
添加した。
【0223】60℃に昇温した後これを60分保持して
プロピレン重合を行った。少量のエタノールを反応器に
添加することで重合を終了させ、室温に冷却かつ未反応
のプロピレンを脱圧した後、生成した白色粉末を減圧乾
燥した。乾燥後の白色粉末の重量は1,380gであ
り、実施例1と同様にして求めたポリ3-メチル-1-ブテ
ンの含有率は620ppmであった。
プロピレン重合を行った。少量のエタノールを反応器に
添加することで重合を終了させ、室温に冷却かつ未反応
のプロピレンを脱圧した後、生成した白色粉末を減圧乾
燥した。乾燥後の白色粉末の重量は1,380gであ
り、実施例1と同様にして求めたポリ3-メチル-1-ブテ
ンの含有率は620ppmであった。
【0224】上記で製造した重合体を用いた以外は実施
例1と同様にして曲げ弾性率および熱変形温度を測定し
た。結果を表1に示した。
例1と同様にして曲げ弾性率および熱変形温度を測定し
た。結果を表1に示した。
【0225】
【比較例3】実施例3で製造した重合体を用い、アニー
ルを行わなかった以外は実施例1と同様にして曲げ弾性
率および熱変形温度を測定した。結果を表1に示した。
ルを行わなかった以外は実施例1と同様にして曲げ弾性
率および熱変形温度を測定した。結果を表1に示した。
【0226】
【比較例4】 「固体状チタン触媒成分(A)の予備重合」400ミリ
リットルの攪拌機付き四ツ口ガラス製反応器に窒素雰囲
気下精製ヘキサン100ミリリットル、トリエチルアル
ミニウム3.0ミリモルおよび上記固体状チタン触媒成
分(A)をチタン原子換算で1.0ミリモル添加した
後、3.2リットル/時間の速度でプロピレンを1時間
この反応器に供給した。重合温度は20℃に保った。
リットルの攪拌機付き四ツ口ガラス製反応器に窒素雰囲
気下精製ヘキサン100ミリリットル、トリエチルアル
ミニウム3.0ミリモルおよび上記固体状チタン触媒成
分(A)をチタン原子換算で1.0ミリモル添加した
後、3.2リットル/時間の速度でプロピレンを1時間
この反応器に供給した。重合温度は20℃に保った。
【0227】プロピレンの供給が終了したところで反応
器内を窒素で置換し、上澄液の除去および精製ヘキサン
の添加からなる洗浄操作を2回行なった後、精製ヘキサ
ンで再懸濁して触媒瓶に全量移液して予備重合触媒
(C)を得た。
器内を窒素で置換し、上澄液の除去および精製ヘキサン
の添加からなる洗浄操作を2回行なった後、精製ヘキサ
ンで再懸濁して触媒瓶に全量移液して予備重合触媒
(C)を得た。
【0228】[重合]予備重合触媒(C)を用いた以外
は実施例1と同様にしてプロピレンの重合を行った。
は実施例1と同様にしてプロピレンの重合を行った。
【0229】上記の重合で製造した重合体を用い、アニ
ールを行わなかった以外は実施例1と同様にして曲げ弾
性率および熱変形温度を測定した。結果を表1に示し
た。
ールを行わなかった以外は実施例1と同様にして曲げ弾
性率および熱変形温度を測定した。結果を表1に示し
た。
【0230】
【比較例5】 [重合]予備重合触媒(C)を用いた以外は実施例2と
同様にしてプロピレンの重合を行った。
同様にしてプロピレンの重合を行った。
【0231】上記の重合で製造した重合体を用い、アニ
ールを行わなかった以外は実施例1と同様にして曲げ弾
性率および熱変形温度を測定した。結果を表1に示し
た。
ールを行わなかった以外は実施例1と同様にして曲げ弾
性率および熱変形温度を測定した。結果を表1に示し
た。
【0232】
【比較例6】 [重合]予備重合触媒(C)を用いた以外は実施例3と
同様にしてプロピレンの重合を行った。
同様にしてプロピレンの重合を行った。
【0233】上記の重合で製造した重合体を用い、アニ
ールを行わなかった以外は実施例1と同様にして曲げ弾
性率および熱変形温度を測定した。結果を表1に示し
た。
ールを行わなかった以外は実施例1と同様にして曲げ弾
性率および熱変形温度を測定した。結果を表1に示し
た。
【0234】
【比較例7】 [重合]実施例2の「重合」においてジシクロペンチル
ジメトキシシランに代えて、シクロヘキシルメチルジメ
トキシシランを0.5ミリモル用い、水素を17N-リッ
トル用いた以外は実施例2と同様にしてプロピレンの重
合を行った。
ジメトキシシランに代えて、シクロヘキシルメチルジメ
トキシシランを0.5ミリモル用い、水素を17N-リッ
トル用いた以外は実施例2と同様にしてプロピレンの重
合を行った。
【0235】上記で製造した重合体を用いた以外は実施
例1と同様にして曲げ弾性率および熱変形温度を測定し
た。結果を表1に示した。
例1と同様にして曲げ弾性率および熱変形温度を測定し
た。結果を表1に示した。
【0236】
【比較例8】上記比較例7で製造した重合体を用い、ア
ニールを行わなかった以外は実施例1と同様にして曲げ
弾性率および熱変形温度を測定した。結果を表1に示し
た。
ニールを行わなかった以外は実施例1と同様にして曲げ
弾性率および熱変形温度を測定した。結果を表1に示し
た。
【0237】
【比較例9】 [重合]実施例2の「重合」において予備重合触媒
(B)に代えて、予備重合触媒(C)を用い、ジシクロ
ペンチルジメトキシシランに代えて、シクロヘキシルメ
チルジメトキシシランを0.5ミリモル用い、水素を1
7N-リットル用いた以外は実施例2と同様にしてプロピ
レンの重合を行った。
(B)に代えて、予備重合触媒(C)を用い、ジシクロ
ペンチルジメトキシシランに代えて、シクロヘキシルメ
チルジメトキシシランを0.5ミリモル用い、水素を1
7N-リットル用いた以外は実施例2と同様にしてプロピ
レンの重合を行った。
【0238】上記で製造した重合体を用い、アニールを
行わなかった以外は実施例1と同様にして曲げ弾性率お
よび熱変形温度を測定した。結果を表1に示した。
行わなかった以外は実施例1と同様にして曲げ弾性率お
よび熱変形温度を測定した。結果を表1に示した。
【0239】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤 堂 昭 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 230℃、2.16kg荷重におけるメ
ルトフローレートが0.1〜500g/10分の範囲にあ
り、 23℃デカン不溶成分の13C−NMRスペクトルにおけ
るPmmmm、Pw、Sαγ、Sαδ+ 、Tδ+ δ+ の吸収
強度から下記式(1)により求められる立体規則性指標
[M5 ]の値が0.955〜0.995の範囲にあるプ
ロピレン系重合体からなる成形体がアニールされてなる
ことを特徴とするポリプロピレン成形体; 【数1】 (式中、 [Pmmmm]:プロピレン単位が5単位連続してイソタク
チック結合した部位における第3単位目のメチル基に由
来する吸収強度であり、 [Pw] :プロピレン単位のメチル基に由来する吸収
強度であり、 [Sαγ]:主鎖中の2級炭素であって、該2級炭素か
ら最も近い2個の3級炭素のうち、一方がα位にあり、
他方がγ位にあるような2級炭素に由来する吸収強度で
あり、 [Sαδ+ ]:主鎖中の2級炭素であって、該2級炭素
から最も近い2個の3級炭素のうち、一方がα位にあ
り、他方がδ位またはδ位より離れた位置にあるような
2級炭素に由来する吸収強度であり、 [Tδ+ δ+ ]:主鎖中の3級炭素であって、該3級炭
素から最も近い2個の3級炭素のうち、一方がδ位また
はδ位より離れた位置にあり、他方がδ位またはδ位よ
り離れた位置にあるような3級炭素に由来する吸収強度
である。) - 【請求項2】 前記プロピレン系重合体は、下記式
(i)または(ii)で表される化合物から誘導される構
成単位からなる重合体を10〜10000ppmの範囲
の量で含有する請求項1に記載のポリプロピレン成形
体; 【化1】 - 【請求項3】 前記成形体が押出成形体、ブロー成形
体、射出成形体またはモールドスタンピング成形体であ
る請求項1または2に記載のポリプロピレン成形体。 - 【請求項4】 前記アニールのアニール温度が100〜
180℃の範囲にあり、アニール時間が1〜24時間の
範囲にある請求項1〜3のいずれかに記載のポリプロピ
レン成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24178195A JPH0976358A (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | ポリプロピレン成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24178195A JPH0976358A (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | ポリプロピレン成形体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0976358A true JPH0976358A (ja) | 1997-03-25 |
Family
ID=17079430
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24178195A Pending JPH0976358A (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | ポリプロピレン成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0976358A (ja) |
-
1995
- 1995-09-20 JP JP24178195A patent/JPH0976358A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040715 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20050525 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050725 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061220 |