JPH0975209A - 炊飯器 - Google Patents

炊飯器

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Publication number
JPH0975209A
JPH0975209A JP23716895A JP23716895A JPH0975209A JP H0975209 A JPH0975209 A JP H0975209A JP 23716895 A JP23716895 A JP 23716895A JP 23716895 A JP23716895 A JP 23716895A JP H0975209 A JPH0975209 A JP H0975209A
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JP
Japan
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temperature
rice
pan
cooking
pot
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JP23716895A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuya Miyake
一也 三宅
Koji Tsurumaki
孝司 弦巻
Noriko Sudo
紀子 須藤
Takuya Watanabe
卓也 渡邊
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Toshiba Home Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Home Technology Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板が万一発火しても、他の部分への延焼を
防ぐ。 【解決手段】 発火の可能性がある電源基板66の半田面
側に、不燃性材料からなる電源基板支え65を設ける。一
方、発火の可能性の少ない表示基板68の半田面側には、
合成樹脂からなる表示基板支え67を設ける。電源基板66
が万一発火しても、電源基板支え65は炭化したり孔が開
いたりしない。このため、電源基板支え65により、外部
への延焼を確実に防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、組立性を向上した
炊飯器に関し、特に本体内部に組み込まれる基板の安全
性を改善した炊飯器に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】この種の炊飯器は、例
えば特開平4−108416号公報などに開示されるよ
うに、リチウム電池を備えた電池基板と、交流電源が入
力される電源基板と、LCD(液晶表示器)や各種スイ
ッチなどを備えた表示基板とを、共通する合成樹脂製の
基板ベースに組込んでユニット化し、この基板ユニット
を本体内部に組込むことで、組立性の改善を図るように
している。
【0003】しかし、上記構成の炊飯器では、万一基板
内の回路が故障し、トラッキング現象などにより基板か
ら火花が飛散すると、合成樹脂製の基板ベースに引火し
発火する虞れがある。このため、特に基板ベースは、U
L規格で94V−0以上の難燃性を有する材料を選定し
ているが、合成樹脂である限り、発火源から火花が飛散
し続けると、最終的には基板ベースが炭化したり孔が開
いたりして、火の勢いを防ぎ他に引火させないバリアー
としての効果が乏しくなる。
【0004】そこで本発明は上記問題点に鑑み、基板の
故障により万一基板が発火源となっても、他の部分への
延焼を防ぐことのできるバリアー機能を持たせた安全性
の高い炊飯器を提供することをその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の炊飯器は、マイ
コン,LCD,LEDなどの直流低電圧回路にて駆動す
る部品を備えた表示基板と、変圧用のトランス,ヒータ
通断電用のリレー,トライアックなどのコンセントから
の交流電源で駆動する部品を備えた電源基板とを備え、
前記表示基板の裏側の半田面側に合成樹脂からなる第1
の基板固定部を設けるとともに、前記電源基板の裏側の
半田面側に不燃性材料からなる第2の基板固定部を設
け、前記第1および第2の基板固定部を一体的に組合わ
せた基板ユニットを本体内部に組み込んだものである。
【0006】上記構成によれば、発火の可能性がある電
源基板の半田面側に、不燃性材料からなる第1の基板固
定部を設けているので、電源基板が万一故障により発火
しても、第1の基板固定部は合成樹脂製の材料と違っ
て、炭化したり孔が開いたりすることがない。したがっ
て、第1の基板固定部による十分なバリアー機能によっ
て、外部への延焼を確実に防止することができる。これ
に対して、第2の基板固定部は合成樹脂製のため、その
形状を任意に形成しやすい。したがって、機能的に操作
パネルに対向して配置される表示基板周辺の設計的な自
由度を拡げることができる。
【0007】
【発明の実施形態】以下、本発明におけるジャー機能兼
用の炊飯器の一実施例を、図面を参照しながら説明す
る。全体断面図を示す図1において、1は本体たる器本
体、2は有底筒状の容器に相当する鍋で、3はこれら器
本体1および鍋2の上面開口を開閉自在に覆う蓋体であ
る。器本体1は、下面を開口した外枠5,外枠5の下面
開口に取り付けられる底板6,容器収納側部たる第1の
内枠7および容器収納底部たる第2の内枠8などにより
構成される。これらの第1の内枠7および第2の内枠8
は、容器2を着脱自在に収納する内枠9として、共に外
枠5内に収納され、器本体1の内周を形成している。ま
た、第1の内枠7の上端は、外枠5に嵌合する。この
際、第1の内枠7は、螺子による固定を行なってもよい
し、行なわなくてもよい。なお、鍋2は、アルミニウム
の溶湯を鍛造により形成して得られるが、アルミニウム
部材をプレスして形成したものでもよい。また、内枠9
は、赤外線の反射率が高いアルミ部材で形成される。
【0008】11は、シーズヒータを一重または二重のリ
ング状あるいはサークル状に加工した輻射加熱式の加熱
手段たる炊飯ヒータである。この炊飯ヒータ11は、鍋2
を加熱するために内枠9の内底部に備えてあり、第2の
内枠8上に設けられた磁器部材からなる碍子12により、
第2の内枠8と離れた状態で取付け固定される。また、
13は炊飯ヒータ11と隔離した状態で、炊飯ヒータ11の上
方を覆うようにして設けられたヒータプレートであり、
これは熱伝導性に優れたアルミ板を円形状にプレス成形
した後にアルマイト処理を施し、さらに酸化ニッケルな
どの耐熱向上成分を含んだ処理液にて二次アルマイトを
行なって、黒色に着色した耐熱性に優れた表面コーティ
ングを施して形成される。そして、鍋2を内枠9内に収
容すると、線状でかつ円周状に形成された鍋2の底面最
下部が、ヒータプレート13の上面に接触した状態で載置
され、炊飯ヒータ11により加熱されたヒータプレート13
の熱は、ヒータプレート13と鍋2との円周状に形成され
た接触部により、鍋2の底部に伝導される。また、ヒー
タプレート13の外周と内枠9の内側面との間には、炊飯
ヒータ11からの輻射熱を鍋2の側部に供給する加熱空間
14が形成される。
【0009】一方、第2の内枠8の下方には、鋼板製の
遮熱板たる支え板16が空間を形成しつつ設けてある。こ
の支え板16は、第2の内枠8の下側の略全体を覆うよう
にして設けられており、炊飯ヒータ11からの熱を遮断す
る遮熱機能の他に、強度的に比較的弱い第2の内枠8の
アルミ材の補強効果も同時に得る構成となっている。ま
た、支え板16の中心部には、鍋2の外面温度を検出する
ための負特性サーミスタからなる温度検出手段としての
温度センサ17が備えてあり、温度センサ17を強度的に強
い感熱板18の内部に設けることにより、安定して鍋2の
温度を検出できるようになっている。感熱板18の下方に
は、鍋スイッチ19の接点を切り換えるスイッチレバー20
が設けられており、これら感熱板18およびスイッチレバ
ー20は、スプリング21を介して上下動自在にかつ上方へ
付勢して設けられる。そして、鍋2を器本体1内に収容
すると、感熱板18およびスイッチレバー20がスプリング
21の付勢に抗して下方に押圧され、感熱板18と鍋2の底
面が接触状態になるとともに、鍋スイッチ19の接点が切
り換わって、鍋2の有無を検出するようになっている。
【0010】22は、加熱板であるヒータプレート13を常
に鍋2側の上方へ付勢するコイルスプリングである。こ
のコイルスプリング22は、鍋2を器本体1内に収容した
ときに、ヒータプレート13の上方への弾性力により、常
時ヒータプレート13を鍋2に押し当てる構成になってい
る。ヒータプレート13の組み立ては、第2の内枠8の上
側から、ヒータプレート13の下方に突出する支持部材23
を、第2の内枠8および支え板16に共通して設けられる
抜孔24,25に挿通し、第2の内枠8の下方側から、コイ
ルスプリング22およびサポート部材26を支持部材23に装
着して行なわれる。そして、底板6を外枠5の下面開口
に装着した後、螺子27によってサポート部材26を底板6
の底部より取付け固定するようになっている。なお、28
は底板6の後側下部に設けられるコードリールである。
【0011】29は、内枠9の全周を覆うようにして外枠
5と内枠9の間に設けたアルミニウム製の横遮熱板であ
る。この横遮熱板29の上部は外枠5に嵌合しており、横
遮熱板29と内枠9との間の下部には、図2に示すよう
に、底板6の上部に対向した開口部30が形成される。一
方、底板6の両側下面には、器本体1を手で持ち上げる
ことができる取手31が形成されており、取手31の上部に
位置する横遮熱板29の下方には、開口部30を部分的に塞
ぐ折曲げ部32が内枠9側に折曲げ形成される。
【0012】再度図1に戻って説明すると、前記蓋体3
は、蓋体上面を形成する外蓋35と、この外蓋35の下方に
空間を形成しつつ設けられた外蓋カバー36と、この外蓋
カバー36の下方に設けられた蓋体下面を形成する放熱板
37とにより構成され、さらに、放熱板37の下方には、鍋
2の上面開口を塞ぐ内蓋38が着脱自在に設けられる。外
蓋35および外蓋カバー36は、いずれもポリプロピレンに
て成形されるとともに、放熱板37はアルミ板の表面をア
ルマイト処理して成形される。また、放熱板37の下方に
はスタッド39が加締め固定され、このスタッド39に内蓋
38の中心部に設けた弾性を有する内蓋押え40を装着する
ことで、放熱板37がスタッド39に吊設状態で支持され
る。41は、内蓋38の適所に形成された複数の蒸気通路で
ある。また、42は外蓋カバー36と放熱板37との間に挾ん
で保持された円環状の蓋パッキンであり、蓋体3の閉塞
時に、蓋パッキン42の下端が鍋2の上端部に密着して、
鍋2と放熱板37との隙間を塞ぐようになっている。蓋体
3は、左右方向のヒンジシャフト43により外枠5の上部
後側に回動自在に支持されるとともに、ヒンジシャフト
43に設けられたヒンジばね43aにより開く方向へ付勢さ
れている。このヒンジばね43aに抗して、蓋体3はクラ
ンプボタン44により閉じた状態に保持される。
【0013】蓋体3の後部には、鍋2内で発生する蒸気
を外部に放出させるための蒸気口45が設けられる。蒸気
口45は、外蓋35の上面とほぼ同じ高さで外蓋カバー36に
取付けられたプラスチック樹脂製の蒸気口キャップ46
と、放熱板37に着脱自在に嵌合する蒸気口ゴム47とによ
り構成される。蒸気口ゴム47には、蒸気通路孔48を形成
する蒸気筒49が、垂直に上へ立てて一体に形成される。
また、蒸気口キャップ46の上面には、複数の蒸気通路孔
50が形成される。鍋2内に発生した蒸気は、内蓋38の蒸
気通路41から蒸気口ゴム47の蒸気筒49に侵入し、蒸気口
キャップ46の蒸気通路孔50から外部に排出される。な
お、51は蒸気口45に溜まったおねばや水を排出するおね
ば戻し孔である。
【0014】ここで、蒸気口キャップ46の詳細な構成
を、図3および図4に基づき説明すると、前記蒸気通路
孔50は、蒸気口キャップ46のほぼ中心部に位置してスリ
ット状に複数形成された第1の孔52と、この第1の孔52
の外周に形成された第2の孔53とにより構成される。第
1の孔52の側部端面は、ほぼ垂直に形成される垂直面52
aと、この垂直面52aの下端よりテーパー状に傾斜形成
される傾斜面52bとを有し、隣り合う第1の孔52の間に
は、傾斜面52bの下端に位置して、蒸気口カバー46側す
なわち下側に向けて突出した頂部54が形成される。な
お、頂部54はR状の曲面に形成してもよいし、傾斜面52
bは第1の孔52の片側のみに形成してもよい。また、図
5に示すように、傾斜面52bだけで第1の孔52の側部端
面を形成してもよい。要は、蓋体3に設けられた孔たる
蒸気通路孔50の側部端面が、下方に向かって拡がるよう
に傾斜形成してあればよい。
【0015】再度図1において、55は、放熱板37の裏側
つまり上面側に備えた蓋ヒータである。この蓋ヒータ55
は放熱板37に付着した露を蒸発させるための蓋加熱手段
に相当し、両面粘着テープ(図示せず)で接着されるア
ルミ箔56と放熱板37との間にコード状の発熱体を介在さ
せて構成される。また、蓋ヒータ55の上側空間57には、
前記蒸気口45の近傍に配置したグラスウール製の断熱材
58が設けられる。61は、保温用のコードヒータなどから
なる胴ヒータであり、これは、保温時に鍋2を加熱する
ために設けられ、前記蓋ヒータ55と並列回路を構成して
いる。胴ヒータ61は、接着されたアルミ箔62により、第
1の内枠7の外側面に取付け固定される。なお、63は、
第1の内枠7の上部に設けられた安全装置たる温度ヒュ
ーズ、64は第1の内枠7の上端に設けられる弾性体から
なるブレーキブッシュである。温度ヒューズ63は本実施
例のように直列に2個接続してもよいし、単独の構成で
あってもよい。
【0016】次に、図1および図6〜図8に基づき、器
本体1の前側の構成を詳述すると、外枠5と横遮熱板29
との間には、第2の基板固定部である電源基板支え65に
支持された電源基板66と、第1の基板固定部である表示
基板支え67に支持された表示基板68が各々設けられる。
表示基板68は、炊飯または保温の開始や、タイマーの設
定時刻などを行なうワンチップのマイコン(マイクロコ
ンピュータ)69の他に、これらの入力用の操作手段とし
ての各種スイッチ70と、時計の時刻やタイマー時間を表
示するLCD71と、炊飯や保温の行程を表示するLED
(発光表示素子)72などを部品面に実装したプリント基
板からなり、回路電流が直流であってDC5V程度の低
電圧を出力する直流低電圧回路73を備えている。そし
て、図8に示すように、前記マイコン69や、表示手段た
るLCD71およびLED72などは、いずれも直流低電圧
回路73からの直流電圧によって駆動するように構成して
いる。つまり、この表示基板68には、直流低電圧回路73
によって駆動する部品が備えてある。
【0017】一方、電源基板66は、コンセント74を介し
て供給される交流電源75を低電圧に変換して表示基板68
の直流低電圧回路73に出力する変圧用のトランス76の他
に、図8にのみ図示される炊飯ヒータ11の通断電用に設
けられたリレー77と、蓋ヒータ55および胴ヒータ61の並
列回路を同時に通断電する共通のトライアック(二方向
性三端子サイリスタ)78などを部品面に実装したプリン
ト基板から構成される。そして、これらのトランス76,
リレー77およびトライアック78は、いずれも交流電源75
からのコンセント直電源であるAC100VまたはAC
200Vの高電圧で駆動するようになっている。つま
り、この電源基板66には、交流電源75からの電源電圧に
よって直接駆動する部品が備えてある。なお、コンセン
ト74からの交流電源75で直接駆動する部品として、例え
ばトライアック78の代わりにSCRなどのスイッチング
素子を用いることも勿論可能である。
【0018】そして、表示基板68のマイコン69は、温度
センサ17からの温度データと、スイッチ70からの各種入
力信号に基づき、予め記憶装置(図示せず)内に設定し
た制御シーケンスに従って、リレー77およびトライアッ
ク78を通断電しながら、炊飯ヒータ11,蓋ヒータ55およ
び胴ヒータ61などを制御したり、LCD71やLED72の
表示形態を適宜変えるようにしている。
【0019】前記器本体1の前側開口部には、表示基板
68の部品面に対向して操作パネル81が設けられる。この
操作パネル81の表面には、部分的に透光性を有する表面
シート(図示せず)が設けられるとともに、LCD71に
対向して窓孔82が形成される。また、操作パネル81の裏
側には、表示基板支え67の嵌合孔83に嵌合する突起84が
形成される。表示基板68の裏側の半田面側には、7mm
以上好ましくは10mm程度の所定の距離を隔てて、表
示基板支え67が設けられているが、この表示基板支え67
は、燃焼性がUL規格で94V−0以上難燃性を有する
ガラス繊維入りPET樹脂などの合成樹脂から形成され
ている。
【0020】一方、表示基板68の下方に設けられる電源
基板66の裏側の半田面側には、7mm以上好ましくは1
0mm程度の所定の距離を隔てて、電源基板支え65が設
けられる。この電源基板支え65は、不燃性材料である鉄
板,マイカ粉末の集合体,またはセラミックスなどの部
材より構成される。電源基板支え65には、表示基板支え
67の裏面に設けられた螺子孔85に対向して孔86が形成さ
れており、電源基板66を電源基板支え65に取付けるとと
もに、表示基板68を表示基板支え67に取付けた状態で、
螺子87を孔86側から挿通して螺子孔85に螺着すると、電
源基板支え65と表示基板支え67とを単一の基板ユニット
88として、一体的に組み合わせることができる。したが
って、製造時には、予め基板ユニット88を組立てて動作
確認などを行なった後、表示基板支え67の嵌合孔83に操
作パネル81の突起84を嵌合させながら、基板ユニット88
を器本体1の内部に組み込むようにしている。なお前記
電源基板支え65と表示基板支え67は、本実施例のような
螺子87を用いたねじ止めだけでなく、加締め固定やイン
サート成型などにより、双方を一体化することも可能で
ある。
【0021】次に、マイコン69の炊飯時における機能構
成を図9に基づき説明する。91はマイコン69の制御シー
ケンスに組み込まれた炊飯制御手段であり、これは、ひ
たし炊きからむらしに至る一連の制御を処理実行するも
のである。すなわち、炊飯制御手段91は、米の吸水を促
進するためのひたし炊き制御手段92と、リレー77を通電
して炊飯ヒータ11により鍋2内の被炊飯物を強加熱する
沸騰加熱制御手段93と、炊飯中に温度センサ17で検出し
た鍋2の温度が所定の温度勾配αになったとき、また
は、沸騰温度より高い所定温度になったとき、または、
加熱開始から所定時間が経過したときに、炊飯ヒータ11
による鍋2の加熱量を低減する加熱量低減手段に相当す
る沸騰継続加熱制御手段94と、炊き上げ検知後に所定時
間のむらしを行なうむらし制御手段95とを備えている。
【0022】96は鍋2内の炊飯量を判定する炊飯量判定
手段であり、本実施例では、ひたし炊き制御手段92によ
るひたし炊き中における鍋2の温度の変化量により、炊
飯量を大,中,小の三段階に判定している。なお、炊飯
量の判定は、この他にも、重量センサなどを用いる方法
がある。また、97は、炊飯量判定手段96で得られた炊飯
量などに基づき、沸騰加熱制御手段93による沸騰加熱の
終了を判定する沸騰加熱終了判定手段である。この沸騰
加熱終了判定手段97が沸騰状態の終了を判断すると、次
の沸騰継続加熱制御手段94による沸騰継続加熱を開始す
るように炊飯制御手段91を構成している。
【0023】沸騰継続加熱を開始する時点における鍋2
の温度T1は、基準鍋温度設定手段98に一旦記憶され
る。この基準鍋温度設定手段98は、前記鍋2の温度T1
と、所定時間すなわち本実施例では4分経過した時点に
おける鍋2の温度T2とを比較し、どちらか低い温度を
基準鍋温度STとして設定するものである。99は、炊飯
量判定手段96で得られた炊飯量と、基準鍋温度設定手段
98で設定した基準鍋温度STとに基づき、沸騰継続加熱
終了の炊き上げ温度Pを設定する炊き上げ温度設定手段
99である。ここでいう炊き上げ温度Pとは、基準鍋温度
STに対してどれだけ鍋2の温度が上昇したら炊き上げ
を検知するのかという温度に相当するものであり、炊飯
制御手段91は、沸騰加熱継続中に鍋2の温度が基準鍋温
度STよりもさらに炊き上げ温度Pだけ上昇したら、む
らし制御手段95によるむらしを開始するように構成され
ている。
【0024】次に、本実施例における炊飯器の動作を、
図10のグラフおよび図11,図12のフローチャート
に基づき説明する。なお、図10のグラフの上段は、温
度センサ17により検出される鍋2の温度変化を示し、ま
た、下段は、炊飯ヒータ11の通電タイミングおよび通電
率を棒状に示している。
【0025】スイッチ70の炊飯スイッチを操作するなど
して、炊飯制御手段91の動作が開始すると、先ず図11
のステップS1において、ひたし炊き制御手段92による
ひたし炊きが行なわれる。ひたし炊きは鍋2内の炊飯量
に拘らず所定時間行なわれ、米の吸水を促進するため
に、所定時間炊飯ヒータ11を通電した後、炊飯ヒータ11
を断電する。また、このひたし炊きでは、炊飯ヒータ11
を断電している間に、温度センサ17で検出される鍋2の
温度の変化量に基づき、炊飯量判定手段96による炊飯量
の判定が行なわれる(ステップS2)。
【0026】こうして所定時間のひたし炊きが終了する
と、次のステップS3に移行して、沸騰加熱制御手段91
による沸騰加熱が行なわれる。このステップS3の沸騰
加熱では、炊飯ヒータ11を100%の通電率で通電して
鍋2を強加熱する。そして、沸騰加熱終了判定手段97に
より、ステップS4にて沸騰加熱開始後30分経過する
か、ステップS5にて鍋2の温度が沸騰温度よりも高い
120℃に達するか、あるいは、ステップS6にて鍋2
の温度が炊飯量によって各々設置された温度勾配α(炊
飯量を少ない量と判定した場合→60秒で5℃以下、炊
飯量を中間量と判定した場合→225秒で5℃以下、炊
飯量を多い量と判定した場合→255秒で5℃以下)に
なったら、沸騰加熱制御手段93による沸騰加熱を終了す
る。なお、図10のグラフは、鍋2の温度が所定の温度
勾配αに達した場合の状態を示している。
【0027】沸騰加熱が終了すると、次の図12のフロ
ーチャートにおける沸騰継続加熱が沸騰継続加熱制御手
段95により行なわれる(ステップS11)。この沸騰継
続加熱では、炊飯量によって各々設定された加熱量で、
炊飯ヒータ11を通断電制御する。例えば、炊飯量を少な
い量と判定した場合には、炊飯ヒータ11を通電せずに2
40秒間断電する一方、炊飯量を中間量と判定した場合
には、炊飯ヒータを30秒通電/30秒断電し、さら
に、炊飯量を多い量と判定した場合には、炊飯ヒータ11
を40秒通電/20秒断電する。また、ステップS12
では、沸騰継続加熱を開始する時点の鍋2の温度T1
を、基準鍋温度設定手段98に記憶する。その後、ステッ
プS13にて沸騰継続加熱が4分経過すると、基準鍋温
度設定手段98はこの時点における鍋2の温度T2を記憶
する(ステップS14)。
【0028】基準鍋温度設定手段98は、鍋2の温度T
1,T2を記憶すると、ステップS15にて炊き上げ検
知の条件となる基準鍋温度STを設定する。すなわち、
双方の温度T1,T2を比較し、どちらか低い温度(本
実施例ではT1<T2とする。)T1を基準鍋温度ST
として設定する。また、次のステップS16において、
炊き上げ温度設定手段99は、炊飯量と基準鍋温度STと
に基づき炊き上げ温度Pを設定する。なお、本実施例で
は、この炊き上げ温度Pを次の表1に基づいて設定す
る。
【0029】
【表1】
【0030】この表によれば、例えば、炊飯量を中間量
と判定した場合、基準鍋温度STが109℃未満のとき
には、炊き上げ温度Pを12℃に設定して、鍋2の温度
がST+12℃になったら炊き上げを検知する。また、
基準鍋温度STが109℃以上118℃未満のときに
は、炊き上げ温度Pを3℃に設定して、鍋2の温度がS
T+3℃になったら炊き上げを検知する。さらに、基準
鍋温度STが118℃以上のときには、炊き上げ温度P
を4℃に設定して、鍋2の温度がST+4℃になったら
炊き上げを検知する。
【0031】このようにして、個々に設定された温度に
鍋2の温度が達すると、沸騰継続加熱制御手段94は炊き
上げを検知して(ステップう17)、次のステップS1
8のむらしに移行する。このむらしはむらし制御手段95
にて所定時間行なわれ、その後、一連の炊飯動作は終了
する。炊飯後は、鍋2内のご飯を所定温度に維持する保
温が行なわれる。
【0032】一方、基板ユニット88周辺の構造に関し言
及すると、表示基板68に実装する部品は、同じく表示電
源68に組み込まれた直流低電圧回路73によって低電圧で
駆動するために、万一故障を起こしてもこの表示基板68
が発火源となる虞れはない。一方、故障によるトラッキ
ング現象などにより発火の可能性があるのは、交流電源
75からの電源電圧で直接駆動する電源基板66である。そ
こで本実施例ではこの点に着目し、電源基板66の回路配
線側である半田面側の全体を覆うようにして、不燃性材
料からなる電源基板支え65を設けているので、電源基板
66が万一故障により発火しても、電源基板支え65は合成
樹脂製の材料と違って、炭化したり孔が開いたりするこ
とがない。したがって、電源基板支え65による十分なバ
リアー機能によって、外部への延焼を確実に防止するこ
とができる。この際、表示基板支え67も同一の不燃性材
料を用いることも一応考えられるが、表示基板68は表示
用のLCD71やLED72などが設けられている関係上、
操作パネル81の所定の位置に対向して取付け固定する必
要があり、実際には、表示基板支え67を合成樹脂で構成
した方が、金型により任意の形状に形成しやすく有利で
ある。したがって、例えば、表示を見やすくするために
操作パネル81を斜設する場合にも、表示基板支え67は合
成樹脂製で任意の形状に形成できるので、設計的な自由
度が拡がるという利点がある。
【0033】また、電源基板支え65と表示基板支え67を
組み合わせて、複数の電源基板66と表示基板68を、予め
一つの基板ユニット88として一体化しているので、器本
体1への組み込み前に、動作確認などを基板ユニット88
毎に行なうことができ、組立て時における作業性を向上
させることができる。
【0034】つまり、直流低電圧回路73にて駆動する部
品を備えた表示基板68と、コンセント74からの交流電源
で駆動する部品を備えた電源基板66とを備え、表示基板
68の裏側の半田面側に合成樹脂からなる表示基板支え67
を設けるとともに、電源基板66の裏側の半田面側に不燃
性材料からなる電源基板支え65を設け、これらの電源基
板支え65および表示基板支え67を一体的に組合わせた基
板ユニット88を器本体1の内部に組み込んだことで、基
板の故障により万一基板が発火源となっても、他の部分
への延焼を防ぐことのできるバリアー機能を持たせた安
全性の高い炊飯器を提供できる。また、表示基板68周辺
の設計的な自由度を拡げることが可能となり、組立て時
における作業性も向上する。
【0035】また、上記構成では、電源基板66と電源基
板支え65、および表示基板68と表示基板支え67との各隙
間を、いずれも従来の3〜5mm程度よりも広い少なく
とも7mm以上確保してある。したがって、万一電源基
板66や表示基板68が発火源となって火花が飛散しても、
電源基板支え65または表示基板支え67にも引火しにくく
なり、前記不燃性材料で電源基板支え65を構成した効果
と相俟って、一層安全性の高い炊飯器を提供できる。ま
た、仮に電源基板支え65を鉄板などの導電性部材で形成
しても、電源基板支え65と電源基板66との間の埃による
短絡を防止することができる。
【0036】ところで、従来の炊飯器は、沸騰加熱中に
加熱手段である炊飯ヒータを常時通電しているため、鍋
の温度を検出する温度検出手段は常に炊飯ヒータの熱的
な影響を受けて、実際の鍋の温度よりも高い温度を検出
する。しかも、この炊飯ヒータの熱的な影響は、電源電
圧の高低や、炊飯量の大小によっても左右される。した
がって、仮に120℃程度の固定された設定温度を基準
として、温度検出手段がこの設定温度に達したら、鍋内
の炊き上げを検知してむらしに移行するように構成する
と、炊飯ヒータの熱影響が強い場合には、実際には鍋の
温度が低いのにも拘らず高めの温度を検出して、鍋内が
完全な炊き上げ状態に至らないままむらしに移行する早
切れを生じる。また、逆に炊飯ヒータの熱影響が弱い場
合には、実際の鍋の温度は温度検出手段の検出温度にほ
ぼ一致するにも拘らず、炊飯ヒータの熱的な影響をある
程度考慮して設定した120℃の設定温度が高すぎて、
焦げが強くなる懸念を生じる。
【0037】そこで、鍋を強加熱する沸騰加熱時におい
て、鍋に当接する温度検出手段が検出する鍋の温度が所
定の温度勾配になった場合、または、沸騰温度よりも高
い設定温度に達した場合、または、沸騰加熱の開始から
所定時間が経過した場合に、この時点における鍋の温度
を基準鍋温度(ST)として設定し、その後の沸騰継続
加熱において、鍋の温度が基準鍋温度よりも所定温度
(例えば5℃)上昇したら、炊き上げを検知してむらし
に移行する制御方法が従来から知られている。
【0038】ところが、洗米後鍋の外面に水を付着させ
たまま炊飯を行なうと、この付着している水が加熱によ
り蒸発して、沸騰加熱時における温度検出手段の検出温
度の上昇が横ばい傾向になり、鍋内が実際には沸騰して
いないのに、検出温度が所定の温度勾配になって、沸騰
を誤検知する。また、鍋の外面に付着した水が蒸発して
なくなると、今度は急激に鍋が温度上昇し、鍋内に水が
残っているのに炊き上げを誤検知して、早切れになる虞
れがある。しかも、こうした誤検知による早切れを防止
するために、炊き上げを検知する設定温度を高くする
と、正常な炊飯動作において、焦げが強くなる問題点が
あった。
【0039】そこで、本実施例では、鍋の外面に水が付
着した場合などにおいても、適正な炊き上げ温度により
早切れを防止し、しかも、正常時にも好ましい状態でご
飯を炊き上げることを目的としている。
【0040】こうした目的を達成するために、本実施例
では、米と水とを収容する鍋2と、鍋2を加熱する加熱
手段としての炊飯ヒータ11と、鍋2の温度を検出する温
度検出手段としての温度センサ17と、炊飯ヒータ11を通
断電する駆動手段としてのリレー77と、炊飯を開始する
とリレー77を通電して鍋2を加熱し、炊飯中に温度セン
サ17で検出した鍋2の温度が所定の温度勾配αになった
とき、または、沸騰温度より高い所定温度になったと
き、または、加熱開始から所定時間が経過したときに、
炊飯ヒータ11による鍋2の加熱量を低減する加熱量低減
手段に相当する沸騰継続加熱制御手段94と、この沸騰継
続加熱制御手段94で鍋2の加熱量を低減した時点におけ
る鍋2の温度T1と、所定時間が経過した後の鍋2の温
度T2を比較し、どちらか低い温度を基準鍋温度STと
して設定する基準鍋温度設定手段98と、この基準鍋温度
設定手段98で設定した基準鍋温度STに基づき、鍋2の
温度が何度上昇したら炊き上げを検知してむらしに移行
するかを可変する炊き上げ温度設定手段99を備えてい
る。
【0041】つまり、鍋2の外面に水が付着した場合に
は、鍋2の加熱量を低減した時点における鍋2の温度T
1が、正常の炊飯時よりも低くなる。したがって、基準
鍋温度設定手段98で設定される基準鍋温度STも低めの
傾向となるので、基準鍋温度STが低い場合には、炊き
上げ温度設定手段99で炊き上げ温度Pを高く設定すれ
ば、適正な炊き上げ温度により早切れを防止することが
できる。例えば、前述の表1において、炊飯量が中間量
および多い量の場合に、基準鍋温度STが109℃未満
になると、炊き上げ温度Pが極端に高く(12℃)設定
されているのは、こうした理由による。
【0042】一方、正常の炊飯時には、鍋2の加熱量を
低減した時点における鍋2の温度T1が前述の場合より
も高くなり、基準鍋温度設定手段98で設定される基準鍋
温度STは適正な温度範囲内になる。したがって、この
温度範囲内では、鍋2内のご飯が焦げない程度に炊き上
げ温度Pを比較的低く設定すればよい。前記表1では、
基準鍋温度STが109℃以上118℃未満のときに、
炊飯量に応じて炊き上げ温度Pを0℃または3℃に設定
してある。
【0043】さらに、本実施例では、温度センサ17と鍋
2との間にご飯粒などの異物が挟まった場合も考慮して
ある。この場合には、鍋2の温度検出精度が悪化し、温
度センサ17は実際の鍋2の温度よりも高い温度を検出す
るので、従来は鍋2内が沸騰していないのに、沸騰を誤
検知して早切れを起こしてしまう。そこで、本実施例で
は、基準鍋温度STが正常の炊飯時における適正な温度
範囲内を超えて高めに設定されたら、炊き上げ温度Pを
正常時よりも若干高く設定して、早切れを防止するよう
にしている。前記表1において、基準鍋温度STが11
8℃以上になると、炊飯量に応じて炊き上げ温度Pを4
℃〜12℃に設定してあるのは、こうした理由による。
【0044】このように、基準鍋温度設定手段98で設定
した基準鍋温度STに応じて、炊き上げを検知する温度
を可変すれば、鍋2の外面に水が付着したり、温度セン
サ17と鍋2の間に異物が挟まった場合などにおいても、
適正な炊き上げ温度に設定して、早切れを防止すること
ができ、しかも、正常時には好ましい状態でご飯を炊き
上げることが可能となる。なお、基準鍋温度STの判定
条件や、炊き上げ温度Pの設定は、各炊飯器の仕様に応
じて適宜設定すればよい。
【0045】また、本実施例では、炊飯量判定手段96で
判定された炊飯量と、基準鍋温度STとに応じて、炊き
上げ温度設定手段99が炊き上げを検知する温度を可変し
ているので、一層好ましい状態にご飯を炊き上げること
が可能である。この場合、炊飯量の判定は、大,中,小
の三段階に限られるものではない。
【0046】次に、蒸気口45に関する作用,効果につい
て詳述する。従来、この種の炊飯器などの調理器は、調
理中に蓋体に設けた蒸気通路孔周辺の蓋体上部に、多量
の露が付着して、見た目の印象を悪くしていた。しか
も、調理後に蓋体を開閉すると、蓋体上部に付着した露
が流れ落ち、テーブルなどの台上にまで達する不具合も
あった。また、仮に露が台上にまで達しなくても、蓋体
上部には大量の露が残っているので、蓋体を閉じたとき
に、ヒンジスプリングなどの弾性力が作用して、露が周
辺に飛び散る清掃性の問題もある。さらに、調理中に
は、蒸気通路孔の周辺の蓋体上部に多量の露が付着して
いるので、本体内部から吹き上がる蒸気によって、蓋体
上部の露が周辺に飛び散り、製品の印象を悪化させるだ
けでなく、清掃性も悪くなる欠点があった。
【0047】具体的な例として、図13に従来の蒸気通
路孔の断面構造を示す。同図において、46は蓋体3の上
部に設けられる蒸気口45の蒸気口キャップ、50はこの蒸
気口キャップ46に開口形成される蒸気通路孔であり、蒸
気通路孔50の側部端面は、ほぼ垂直な垂直面52aが形成
される。容器たる鍋(図示せず)から吹き上げられる蒸
気は、蒸気通路孔50を下方から上方に通過して、外部に
放出される。
【0048】このような蓋体3の断面形状では、鍋内と
外気との温度差により、蒸気通路孔50の側面、つまり垂
直面52aに結露が発生するが、この垂直面52aは蓋体3
の上面に向かってほぼ直線状に伸びているので、垂直面
52に付着した露がそのまま蓋体3の上面に押し上げら
れ、結果として多量の露が蒸気通路孔50の上部周辺に付
着,飛散することになる。
【0049】そこで、本実施例では、蓋体に設けた蒸気
通路孔の上部周辺に露が付着しない調理器を得ることを
目的としている。
【0050】こうした目的を達成するために、本実施例
では、容器としての鍋2と、この鍋2を加熱する加熱手
段としての炊飯ヒータ11と、鍋2を着脱自在に収納する
器本体1と、鍋2の上方を覆い鍋2からの蒸気を外部に
放出する蒸気通路孔50を有する蓋体3を備えた調理器に
おいて、蒸気通路孔50の側部端面を下方に向かって拡が
るように傾斜形成している。
【0051】その具体的な構成は、図4および図5にも
示してある。図4に基づき、その作用,効果を説明する
と、鍋2から発生する蒸気は、蒸気通路孔50の下方から
上方を通過して外部に放出されるので、露は蒸気通路孔
50の傾斜面52bおよび下端の頂部54に付着し、垂直面52
aより上方には付着しにくくなる。また、傾斜面52bは
下方に向かって拡がっているので、鍋2から蒸気が吹き
上げられても、傾斜面52bに付着した蒸気は垂直面52a
に押し上げられることはなく、そのまま頂部54から下方
に落下する。したがって、蒸気通路孔50の上部周辺には
露が付着しなくなり、従来の問題点を一層することが可
能となる。
【0052】また、図5における変形例でも、同様の作
用,効果を奏する。すなわち、蒸気通路孔50の側部端面
には、下方に向かって拡がる傾斜面52bが形成されてい
るので、露はこの傾斜面52bおよび頂部54に付着して、
蒸気通路孔50の上部には付着しにくくなる。また、鍋2
から蒸気が吹き上げられても、傾斜面52bに付着した蒸
気は、そのまま頂部54から下方に落下する。したがっ
て、蒸気通路孔50の上部周辺には露が付着しない。
【0053】なお、上記傾斜面52bを形成したことによ
る作用,効果は、炊飯器に限らず少なくとも蒸気通路孔
を有するあらゆる調理器に適用できる。また、蒸気通路
孔50の開口形状,個数なども、この実施例に限定される
ものではない。
【0054】続いて、本実施例の横遮熱板29に関し、そ
の作用,効果を説明する。従来、内枠と外枠との間に遮
熱板を設けた調理器は、例えば、特開平2−92313
号公報などに、その構造が開示されている。この公報で
は、内枠と外枠の側部に設けられた横遮熱板のみなら
ず、内枠の底部にも底遮熱板が設けられているので、遮
熱板自体の構造が複雑でコスト高を招き、また組立て時
の工数が増加するなどの問題がある。
【0055】一方、このような組立て性の問題に対処す
るために、底遮熱板を廃止することも考えられる。しか
し、この場合には、内枠と横遮熱板との間の下部開口部
から、加熱手段の輻射熱が内枠を介して放出するので、
下部開口部に対向して外枠の底部に設けられた取手が熱
くなり、調理器を持ち運べないという不具合が発生す
る。また、加熱手段の輻射熱は、取手周辺のみならず、
外枠の内部にも放散されるため、この加熱手段を通断電
制御する制御基板や、行程や時刻などを表示する表示基
板なども温度上昇を起こして、基板としての寿命を縮め
る虞れもある。また、内枠と横遮熱板との間に取り付け
られた温度ヒューズや胴ヒータなどの電装部品が何等か
の原因で外れると、この電装部品が下部開口部から落下
して、内枠より外方に突出した加熱手段の端部などに接
触する可能性もあり、安全面での問題がある。さらに、
横遮熱板は内枠の外面に沿って円筒状に形成されるが、
横遮熱板の材厚は薄いものが一般的であるため変形しや
すく、器本体内に組み込みにくいという問題もある。
【0056】そこで、本実施例では、組立て性を悪化さ
せることなく、加熱手段から外枠内に放散される輻射熱
を抑制し、しかも、安全面でも考慮がなされた調理器を
得ることを目的としている。
【0057】こうした目的を達成するために、本実施例
では、容器としての鍋2と、この鍋2を加熱する加熱手
段としての炊飯ヒータ11と、鍋2を着脱自在に収納し、
炊飯ヒータ11を備えた内枠としての第1の内枠7および
第2の内枠8と、第1の内枠7および第2の内枠8を収
納し、器本体1の外殻を形成する外枠5および底板6
と、第1の内枠7と外枠5との間に、第1の内枠7を覆
う横遮熱板29を設けた調理器において、図2に示すよう
に、横遮熱板29の下部に折曲げ部32を形成している。
【0058】この場合、横遮熱板29の下部に折曲げ部32
を形成するだけで、炊飯ヒータ11から第1の内枠7を介
して輻射される熱が、横遮熱板29から外枠5および底板
6側に流れ出すことを抑制でき、従来のような底遮熱板
を別部材として設けなくても、外枠5および底板6内の
雰囲気温度を低減することができる。また、外枠5およ
び底板6内に収納された電源基板66や表示基板68の温度
上昇を、望ましい規格値以内に抑制することができるこ
とから、基板ひいては製品の寿命を縮めることなく、信
頼性を向上させることができる。さらに、胴ヒータ61や
温度ヒューズ63が何等かの原因で落下しても、横遮熱板
29の折曲げ部32に引掛かるかまたは載り上がるため、第
2の内枠8から下方に突出した炊飯ヒータ11の端部に接
触しなくなり、製品としての安全性を向上させることが
できる。しかも、折曲げ部32を形成することにより、円
筒状の薄板からなる横遮熱板29の加工強度が増し、変形
しにくくなるため、外枠5の上部に横遮熱板29を容易に
嵌合することができ、組み立て性も向上する。さらに、
従来の底遮熱板は、横遮熱板から内枠の底部全体を覆う
ようにして設けられていたが、本実施例における折曲げ
部32は、横遮熱板29から第2の内枠8の外周部にかけて
のみ形成されているので、コストの低減を図れるという
効果もある。
【0059】また、本実施例では、折曲げ部32を底板6
の底部に形成した取手31に対向して設けた点が着目され
る。つまり、このような構成では、調理器たる炊飯器を
持ち運ぶのに必要な取手31の温度上昇を、折曲げ部32に
よって確実に抑制することができる。
【0060】なお、上記作用,効果は、第1の内枠7お
よび第2の内枠8を一体にした構造であっても、全く同
様に得られる。また、本実施例では、外枠5および底板
6により、器本体1の外殻を形成しているが、外枠5と
底板6とを一体化させたり、あるいは、器本体1のほぼ
中間で二分割させた構造でも構わない。要は、内枠を収
納し、底部に取手31を形成した外枠が、器本体1の外殻
として設けられていればよい。
【0061】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実
施が可能である。例えば、電源基板支え65は、不燃性を
有するものであれば、その材質は特に限定されない。ま
た、表示基板68に実装するマイコン69,LCD71および
LED72などの各部品はあくまでも一例であり、直流定
電圧回路73で駆動する部品を備えていればよい。同様
に、電源基板66に実装される部品も、トランス76,リレ
ー77,トライアック78に限定されるものではなく、交流
電源75からの電源電圧で直接駆動するあらゆる部品を備
えることが可能である。
【0062】
【発明の効果】本発明の炊飯器は、マイコン,LCD,
LEDなどの直流低電圧回路にて駆動する部品を備えた
表示基板と、変圧用のトランス,ヒータ通断電用のリレ
ー,トライアックなどのコンセントからの交流電源で駆
動する部品を備えた電源基板とを備え、前記表示基板の
裏側の半田面側に合成樹脂からなる第1の基板固定部を
設けるとともに、前記電源基板の裏側の半田面側に不燃
性材料からなる第2の基板固定部を設け、前記第1およ
び第2の基板固定部を一体的に組合わせた基板ユニット
を本体内部に組み込んだものであり、基板の故障により
万一基板が発火源となっても、他の部分への延焼を防ぐ
ことのできるバリアー機能を持たせた安全性の高い炊飯
器を提供できる。また、表示基板周辺の設計的な自由度
を拡げることが可能となり、組立て時における作業性も
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す炊飯器の全体断面図で
ある。
【図2】同上図1の炊飯器を底面からみた概略図であ
る。
【図3】同上蒸気口の拡大斜視図である。
【図4】同上蒸気口キャップの拡大断面図である。
【図5】同上他の変形例を示す蒸気口キャップの拡大断
面図である。
【図6】同上要部の分解斜視図である。
【図7】同上要部の分解斜視図である。
【図8】同上電気的構成を示すブロック図である。
【図9】同上マイコンの機能構成を示すブロック図であ
る。
【図10】同上炊飯時における鍋の温度と炊飯ヒータの
動作状態を示すグラフである。
【図11】同上炊飯動作の手順を示すフローチャートで
ある。
【図12】同上炊飯動作の手順を示すフローチャートで
ある。
【図13】従来の蒸気通路孔周辺の構成を示す要部の断
面図である。
【符号の説明】
1 器本体(本体) 65 電源基板支え(第2の基板固定部) 66 電源基板 67 表示基板支え(第1の基板固定部) 68 表示基板 69 マイコン 71 LCD 72 LED 73 直流低電圧回路 74 コンセント 75 交流電源 76 トランス 77 リレー 78 トライアック 88 基板ユニット
フロントページの続き (72)発明者 渡邊 卓也 新潟県加茂市大字後須田2570番地1 東芝 ホームテクノ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイコン,LCD,LEDなどの直流低
    電圧回路にて駆動する部品を備えた表示基板と、変圧用
    のトランス,ヒータ通断電用のリレー,トライアックな
    どのコンセントからの交流電源で駆動する部品を備えた
    電源基板とを備え、前記表示基板の裏側の半田面側に合
    成樹脂からなる第1の基板固定部を設けるとともに、前
    記電源基板の裏側の半田面側に不燃性材料からなる第2
    の基板固定部を設け、前記第1および第2の基板固定部
    を一体的に組合わせた基板ユニットを本体内部に組み込
    んだことを特徴とする炊飯器。
JP23716895A 1995-09-14 1995-09-14 炊飯器 Pending JPH0975209A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001182943A (ja) * 1999-12-28 2001-07-06 Toshiba Corp 加熱調理器
JP2011216631A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Mitsubishi Electric Corp 電気製品
JP2014050440A (ja) * 2012-09-05 2014-03-20 Sharp Corp 電気機器
JP2020058705A (ja) * 2018-10-12 2020-04-16 タイガー魔法瓶株式会社 加熱調理器
US11277049B2 (en) 2019-01-29 2022-03-15 Ricoh Company, Ltd. Fire-spread prevention member, electrical device, and image forming apparatus

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