JPH0974318A - 受信機 - Google Patents

受信機

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JPH0974318A
JPH0974318A JP3758296A JP3758296A JPH0974318A JP H0974318 A JPH0974318 A JP H0974318A JP 3758296 A JP3758296 A JP 3758296A JP 3758296 A JP3758296 A JP 3758296A JP H0974318 A JPH0974318 A JP H0974318A
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circuit
phase shift
signal
resistor
amplifier
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JP3758296A
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Tadataka Oe
忠孝 大江
Tsutomu Nakanishi
努 中西
Akira Okamoto
明 岡本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バリコンやその調整が不要であって製造時の
手間を軽減することができ、しかも集積化に適した受信
機を得ること。 【解決手段】 受信機は、高周波増幅回路1、同調増幅
器2、AM検波回路3、低周波増幅回路4およびスピー
カ5を含んで構成される。同調増幅器2は、縦続接続さ
れた2つの移相回路を備えており、後段の移相回路の出
力を帰還抵抗を介して前段の移相回路の入力側に帰還さ
せている。これにより、各移相回路を合わせた位相シフ
ト量が所定の周波数において360°となり、所定の周
波数で安定した同調動作が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、AM波またはFM
波を受信可能な受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】受信機には種々の周波数の信号が入力さ
れるが、これらの信号の中から希望する放送波を選局し
て受信するには、希望する信号のみを通過させるバンド
パスフィルタを受信機の入力回路に設ければよい。多数
の放送局の中から希望する1局を自由に選局するために
は、バンドパスフィルタの中心周波数を受信帯域内で連
続的に変化できるようにする必要がある。しかし、フィ
ルタの帯域特性を変えずにこれを行うことは非常に難し
いため、スーパーヘテロダイン方式が発明された。スー
パーヘテロダイン方式は、バンドパスフィルタの中心周
波数および帯域特性を変えずに、希望する放送局の周波
数をバンドパスフィルタの中心周波数に変換すること
で、希望する信号のみを取り出すものである(日本放送
協会編「NHKラジオ技術教科書」201頁より引
用)。
【0003】図27は、スーパーヘテロダイン方式のA
Mラジオ受信機の回路構成を示す図である。
【0004】アンテナで受信された様々な周波数の放送
波の中から、同調回路で希望する周波数の信号f1 (例
えば1000kHz)を選択し、高周波増幅回路によっ
て増幅したのち、周波数変換回路に加える。
【0005】周波数変換回路には、局部発振回路から受
信周波数f1よりも高い周波数f2(例えば1455k
Hz)が加えられており、混合回路で受信周波数f1 と
の間にうなり現象(ビート)を起こし、f1 −f2 (4
55kHz)およびf1 +f2 (2455kHz)の周
波数成分を生じる。この信号のいずれか一方(通常はf
1 −f2 )をフィルタによって取り出し、中間周波数増
幅回路に加える(日本放送協会編「NHKラジオ技術教
科書」201,202頁より引用)。
【0006】このようにして中間周波増幅を行った後A
M検波を行い、さらに低周波増幅を行ってスピーカから
希望する放送局の音声を出力することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したス
ーパーヘテロダイン方式を用いた受信機においては、選
択度を向上させるためにアンテナで受信した高周波信号
を同調回路に入力して所定の同調処理を行っており、こ
の同調周波数を局部発振回路の発振周波数に連動して変
化させることにより1つの放送局の電波のみを選択する
ようになっている。そのため、一般の受信機は機械式の
2連バリコンを備えており、この2連バリコンは受信周
波数に応じて所定の静電容量を有するように大きさが決
まっていることから、受信機全体の小型化や集積化が難
しかった。
【0008】また、従来の受信機の局部発振回路や中間
周波増幅回路には局部発振トランスや中間周波トランス
が使用されており(最近では中間周波増幅をセラミック
フィルタを用いて行うものもある)、これらのトランス
は外付け部品であって、この点からも受信機全体の集積
化が難しかった。
【0009】さらに、上述した2連バリコンを用いた従
来の受信機においては同調特性のばらつきが大きいた
め、受信機を組み立てた後に、2連バリコンに備わった
トリマコンデンサの微調整を行っており、製造時に手間
がかかっていた。また、最近では2連バリコンの代わり
に可変容量ダイオードを用いた受信機も出回っている
が、微調整が必要な点は同じであり、製造工程を短縮す
ることはできない。
【0010】本発明は、このような点に鑑みて創作され
たものであり、その目的はバリコンやその調整が不要で
あって製造時の手間を軽減することができ、しかも集積
化に適した受信機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の受信機は、2つの移相回路を縦続接続
して同調増幅器を構成し、後段の移相回路から出力され
る信号を前段の移相回路に帰還させ、いずれかの移相回
路の出力を同調信号として出力する。各移相回路を合わ
せた位相シフト量が所定の周波数において360°とな
るように制御することにより、安定な同調出力が得られ
る。
【0012】また、請求項2〜7に示すように、移相回
路の構成として、その内部にCR回路を含むもの、LR
回路を含むもの、移相回路内の差動増幅器の出力側に分
圧回路を含むもの等があり、これら各種の移相回路を任
意に組み合わせて、同調増幅器を構成できる。
【0013】また、請求項8の受信機は、縦続接続され
た2つの移相回路によって形成される帰還ループの一部
に非反転回路を挿入するため、非反転回路の利得を調整
することで、同調増幅器のループゲインをほぼ1に設定
できる。
【0014】また、請求項9および10の受信機は、2
つの移相回路によって形成される帰還ループの一部に位
相反転回路を挿入するため、位相シフト方向が等しい同
一タイプの移相回路を縦続接続して同調増幅器を構成で
きる。
【0015】また、請求項11の受信機は、前段の移相
回路のさらに前段にトランジスタによるホロワ回路を接
続しており、前段の移相回路の入力部分で生じる損失を
低減することができる。
【0016】また、請求項12の受信機は、縦続接続さ
れた2つの移相回路によって形成される帰還ループの一
部に第3の分圧回路を接続し、分圧前の信号を同調出力
としているため、同調増幅器の利得を1以上に設定する
ことができる。
【0017】また、請求項13の受信機は、アンテナと
同調増幅器との間に高周波増幅回路を挿入するため、同
調処理前に高周波増幅を行うことによりS/N比の改善
等が容易となる。
【0018】また、請求項14の受信機は、アンテナで
受信された信号を正弦波発振回路からの正弦波信号を用
いて中間周波信号に変換した後に同調増幅器で同調を行
う。この場合、正弦波発振信号の周波数と同調周波数と
を連動して可変する必要がないため、従来の受信機のよ
うな2連バリコンが不要となる。
【0019】また、請求項15の受信機は、2つの移相
回路を縦続接続して正弦波発振回路を構成するため、同
調増幅器とほぼ同様な回路構成で安定な発振出力が得ら
れる。
【0020】また、請求項16の受信機は、2つの移相
回路内のCR回路あるいはLR回路を構成する抵抗を可
変抵抗により形成するため、振幅や位相を変えずに同調
周波数のみを変更できる。
【0021】また、請求項17の受信機は、棒状あるい
は紐状の導電性材料によってアンテナを形成する。この
ような簡易な構成のアンテナであっても、従来のような
LC共振回路を必要としないことから、AM波あるいは
FM波を感度よく受信でき、しかも受信機を極めて薄く
かつ小型化できる。
【0022】また、請求項18の受信機は、移相回路内
の差動入力増幅器を演算増幅器で構成するため、同調増
幅器の動作の安定度を増すことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した一実施形
態の受信機について、図面を参照しながら具体的に説明
する。
【0024】〔受信機の第1の実施形態〕図1は、本発
明を適用した第1の実施形態のAM受信機の構成を示す
図である。同図に示すAM受信機は、高周波増幅回路
1、同調増幅器2、AM検波回路3、低周波増幅回路4
およびスピーカ5を含んで構成されている。
【0025】高周波増幅回路1は、アンテナ6によって
受信したAM信号に対して高周波増幅を行うものであ
り、充分なSN比を確保するために設けられている。し
たがって、受信電界が充分強いような場合には、この高
周波増幅回路1を省略して、アンテナ6によって受信し
た信号を直接同調増幅器2に入力するようにしてもよ
い。
【0026】また、高周波増幅回路1の利得を上げすぎ
てノイズ分が飽和しないようにするために、同調増幅器
2とAM検波回路3の間に2段目の高周波増幅回路を設
けて、2つの高周波増幅回路によって増幅動作を分担す
るようにしてもよい。この場合にはSN比をさらに改善
することができる。
【0027】同調増幅器2は、同調周波数がf1 に設定
されており、前段の高周波増幅回路1から入力される信
号の中から周波数がf1 近傍のものだけを選択して出力
する。この同調増幅器2の詳細構成および動作について
は後述する。
【0028】AM検波回路3は、同調増幅器2によって
選択された周波数f1 近傍の信号に対してAM検波を行
う。最も一般的には、ダイオードを用いて半波整流を行
い、さらにローパスフィルタを通して搬送波成分を取り
除くことにより音声信号の復調を行っている。
【0029】低周波増幅回路4は、AM検波回路3から
出力される信号に対して電圧増幅および電力増幅を行っ
て、スピーカ5から受信音声を出力する。なお、受信音
声をスピーカ5から出力する代わりに、イヤホン等のレ
シーバから出力してもよい。
【0030】〔同調増幅器の第1の構成例〕図2は上述
した同調増幅器2の詳細構成を示す回路図である。
【0031】同図に示す同調増幅器2は、それぞれが入
力される交流信号の位相を所定量シフトさせることによ
り所定の周波数において合計で360°の位相シフトを
行う2つの移相回路10C、30Cと、後段の移相回路
30Cの出力側に設けられた抵抗62および64からな
る分圧回路60と、帰還抵抗70および入力抵抗74
(入力抵抗74は帰還抵抗70の抵抗値のn倍の抵抗値
を有しているものとする)のそれぞれを介することによ
り分圧回路60の分圧出力(帰還信号)と入力端子90
に入力される信号(入力信号)とを所定の割合で加算す
る加算回路とを含んで構成されている。
【0032】図3は、図2に示した前段の移相回路10
Cの構成を抜き出して示したものである。同図に示す移
相回路10Cは、差動入力増幅器の一種であるオペアン
プ12と、入力端24に入力された交流信号の位相を所
定量シフトさせてオペアンプ12の非反転入力端子に入
力する可変抵抗16およびキャパシタ14と、入力端2
4とオペアンプ12の反転入力端子との間に挿入された
抵抗18と、オペアンプ12の出力端子に接続されて分
圧回路を構成する抵抗21および23と、この分圧回路
とオペアンプ12の反転入力端子との間に接続された抵
抗20とを含んで構成されている。
【0033】このような構成を有する移相回路10Cに
おいて、抵抗18と抵抗20の抵抗値が同じに設定され
ている。
【0034】図3に示す入力端24に所定の交流信号が
入力されると、オペアンプ12の非反転入力端子には、
キャパシタ14の両端に現れる電圧VC1が印加される。
また、抵抗18の両端には、可変抵抗16の両端に現れ
る電圧VR1と同じ電圧VR1が現れる。2つの抵抗18、
20には同じ電流Iが流れ、しかも、上述したように抵
抗18と抵抗20の各抵抗値が等しいので、抵抗20の
両端にも電圧VR1が現れる。オペアンプ12の反転入力
端子(電圧VC1)を基準にして考えると、抵抗18の両
端電圧VR1をベクトル的に加算したものが入力電圧Ei
に、抵抗20の両端電圧VR1をベクトル的に減算したも
のが抵抗21と抵抗23の接続点の電圧(分圧出力)E
o ′になる。
【0035】図4は、前段の移相回路10Cの入出力電
圧とキャパシタ等に現れる電圧との関係を示すベクトル
図である。
【0036】上述したように、オペアンプ12の非反転
入力端子に印加される電圧VC1を基準に考えると、入力
電圧Ei と分圧電圧Eo ′とは電圧VR1を合成する方向
が異なるだけでありその絶対値は等しくなる。したがっ
て、入力電圧Ei と分圧出力Eo ′の大きさと位相の関
係は、入力電圧Ei および分圧出力Eo ′を斜辺とし、
電圧VR1の2倍を底辺とする二等辺角形で表すことがで
き、分圧出力Eo ′の振幅は周波数に関係なく入力信号
の振幅と同じであって、位相シフト量は図4に示すφ1
で表されることがわかる。この位相のシフト量φ1 は、
周波数に応じて0°から180°まで変化する。しか
も、可変抵抗16の抵抗値Rを可変することにより、位
相シフト量φ1を変化させることができる。
【0037】また、移相回路10Cの出力端26はオペ
アンプ12の出力端子に接続されているため、抵抗21
の抵抗値をR21、抵抗23の抵抗値をR23とすると、出
力電圧Eo と上述した分圧出力Eo ′との間には、抵抗
20の抵抗値に対してR21、R23が十分小さいときはE
o =(1+R21/R23)Eo ′の関係がある。したがっ
て、R21およびR23の値を調整することにより1より大
きな利得が得られ、しかも図4に示すように周波数が変
化しても出力電圧Eo の振幅が一定であり、位相のみを
所定量シフトすることができる。
【0038】同様に、図5は図1に示した後段の移相回
路30Cの構成を抜き出して示したものである。同図に
示す後段の移相回路30Cは、差動入力増幅器の一種で
あるオペアンプ32と、入力端44に入力された信号の
位相を所定量シフトさせてオペアンプ32の非反転入力
端子に入力するキャパシタ34および可変抵抗36と、
入力端44とオペアンプ32の反転入力端子との間に挿
入された抵抗38と、オペアンプ32の出力端子に接続
されて分圧回路を構成する抵抗41および43と、この
分圧回路とオペアンプ32の反転入力端子との間に接続
された抵抗40とを含んで構成されている。
【0039】このような構成を有する移相回路30Cに
おいて、抵抗38と抵抗40の抵抗値は同じに設定され
ている。
【0040】図5に示した入力端44に所定の交流信号
が入力されると、オペアンプ32の非反転入力端子に
は、可変抵抗36の両端に現れる電圧VR2が印加され
る。また、抵抗38の両端には、キャパシタ34の両端
に現れる電圧VC2と同じ電圧VC2が現れる。2つの抵抗
38、40には同じ電流Iが流れ、しかも、上述したよ
うに抵抗38と抵抗40の各抵抗値が等しいので、抵抗
40の両端にも電圧VC2が現れる。オペアンプ32の反
転入力端子(電圧VR2)を基準にして考えると、抵抗3
8の両端電圧VC2をベクトル的に加算したものが入力電
圧Ei に、抵抗40の両端電圧VC2をベクトル的に減算
したものが抵抗41と抵抗43の接続点の電圧(分圧出
力)Eo ′になる。
【0041】図6は、後段の移相回路30Cの入出力電
圧とキャパシタ等に現れる電圧との関係を示すベクトル
図である。
【0042】上述したように、オペアンプ32の非反転
入力端子に印加される電圧VR2を基準に考えると、入力
電圧Ei と分圧出力Eo ′とは電圧VC2を合成する方向
が異なるだけでありその絶対値は等しくなる。したがっ
て、入力電圧Ei と分圧出力Eo ′の大きさと位相の関
係は、入力電圧Ei および分圧出力Eo ′を斜辺とし、
電圧VC2の2倍を底辺とする二等辺角形で表すことがで
き、分圧出力Eo ′の振幅は周波数に関係なく入力信号
の振幅と同じであって、位相シフト量は図6に示すφ2
で表されることがわかる。この位相シフト量φ2 は、周
波数に応じて、入力電圧Eiを基準として時計回り方向
に180°から360°まで変化する。しかも、可変抵
抗36の抵抗値Rを可変することにより、位相シフト量
φ2 を変化させることができる。
【0043】また、移相回路30Cの出力端46はオペ
アンプ32の出力端子に接続されているため、抵抗41
の抵抗値をR41、抵抗43の抵抗値をR43とすると、出
力電圧Eo と上述した分圧出力Eo ′との間には、抵抗
40の抵抗値に対してR41、R43が十分小さいときはE
o =(1+R41/R43)Eo ′の関係がある。したがっ
て、R41およびR43の値を調整することにより1より大
きな利得が得られ、しかも図6に示すように周波数が変
化しても出力電圧Eo の振幅が一定であり、位相のみを
所定量シフトすることができる。
【0044】このようにして、2つの移相回路10C、
30Cのそれぞれにおいて位相が所定量シフトされ、図
4および図6に示すように、2つの移相回路10C、3
0Cの全体により位相シフト量の合計が360°とな
る。
【0045】また、後段の移相回路30Cの出力は、出
力端子92から同調増幅器2の出力として取り出される
とともに、この移相回路30Cの出力を分圧回路60を
通した信号が帰還抵抗70を介して前段の移相回路10
Cの入力側に帰還されている。そして、この帰還された
信号と入力抵抗74を介して入力される信号とが加算さ
れ、この加算された信号が前段の移相回路10Cに入力
される。
【0046】このように、2つの移相回路10C、30
Cによって所定の周波数における位相シフト量の合計が
360°となり、このとき2つの移相回路10C、30
C、分圧回路60および帰還抵抗70による帰還ループ
のオープンループゲインを1以下に設定することによ
り、上述した所定の周波数成分の信号のみを通過させる
同調動作が行われる。
【0047】また、同調増幅器2の出力端子92から
は、分圧回路60に入力される前の移相回路30Cの出
力が取り出されているため、同調増幅器2自体に利得を
持たせることができ、同調動作と同時に信号振幅の増幅
が可能となる。
【0048】図7は、上述した構成を有する2つの移相
回路10C、30Cおよび分圧回路60の全体を伝達関
数K1 を有する回路に置き換えたシステム図であり、伝
達関数K1 を有する回路と並列に抵抗R0 を有する帰還
抵抗70が、直列に帰還抵抗70のn倍の抵抗値(nR
0 )を有する入力抵抗74が接続されている。
【0049】図8は、図7に示すシステムをミラーの定
理によって変換したシステム図であり、変換後のシステ
ム全体の伝達関数Aは、 A=Vo /Vi =K1 /{n(1−K1 )+1} ・・・(1) で表すことができる。
【0050】前段の移相回路10Cの伝達関数K2 は、
可変抵抗16とキャパシタ14からなるCR回路の時定
数をT1 (可変抵抗16の抵抗値をR、キャパシタ14
の静電容量をCとするとT1 =CR)とすると、 K2 =a1 (1−T1 s)/(1+T1 s) ・・・(2) となる。ここで、s=jωであり、a1 は移相回路10
Cの利得であって、a1=(1+R21/R23)>1であ
る。
【0051】また、後段の移相回路30Cの伝達関数K
3 は、キャパシタ34と可変抵抗36からなるCR回路
の時定数をT2 (キャパシタ34の静電容量をC、可変
抵抗36の抵抗値をRとするとT2 =CR)とすると、 K3 =−a2 (1−T2 s)/(1+T2 s) ・・・(3) となる。ここで、a2 は移相回路30Cの利得であって
2 =(1+R41/R43)>1である。
【0052】分圧回路60を介することによって信号振
幅が1/a1 2 に減衰するものとすると、2つの移相
回路10C、30Cと分圧回路60を縦続接続した場合
の全体の伝達関数K1 は、 K1 =−{1+(Ts)2 −2Ts}/{1+(Ts)2 +2Ts} ・・・(4) となる。なお、上述した(4)式においては、計算を簡
単なものとするために、各移相回路の時定数T1 、T2
をともにTとした。この(4)式を上述した(1)式に
代入すると、 A=−{1+(Ts)2 −2Ts} /〔(2n+1){1+(Ts)2 }+2Ts〕 =−{1/(2n+1)}〔{1+(Ts)2 −2Ts} /{1+(Ts)2 +2Ts/(2n+1)}〕 ・・・(5) となる。
【0053】この(5)式によれば、ω=0(直流の領
域)のときにA=−1/(2n+1)となって、最大減
衰量を与えることがわかる。また、ω=∞のときにもA
=−1/(2n+1)となって、最大減衰量を与えるこ
とがわかる。さらに、ω=1/Tの同調点(各移相回路
の時定数が異なる場合には、ω=1/√(T1 ・T2
の同調点)においてはA=1であって帰還抵抗70と入
力抵抗74の抵抗比nに無関係であることがわかる。換
言すれば、図9に示すように、nの値を変化させても同
調点がずれることなく、かつ同調点の減衰量も変化しな
い。
【0054】ところで、上述した図7において、伝達関
数K1 で示される全域通過回路が入力インピーダンスを
有する場合、帰還抵抗70とこの全域通過回路の入力イ
ンピーダンスによる分圧回路が形成されるため、全域通
過回路を含む帰還ループのオープンループゲインは伝達
関数K1 の絶対値より小さくなる。全域通過回路の入力
インピーダンスとは、前段の移相回路10Cの入力イン
ピーダンスであり、オペアンプ12の入力抵抗18に可
変抵抗16とキャパシタ14からなるCR回路の直列イ
ンピーダンスが並列に接続されて形成される入力インピ
ーダンスに他ならない。したがって、全域通過回路の入
力インピーダンスによる帰還ループのオープンループゲ
インの損失を補償するには、全域通過回路自体の利得を
1以上に設定することが必要である。
【0055】例えば、移相回路10Cに含まれる抵抗2
1、23による分圧回路を無視して考える(分圧比が1
の場合であって、上述した(2)式におけるa1 が1の
場合を考える)と、移相回路10Cは、(2)式によれ
ば、入力された周波数に応じて利得が1倍のホロワ回路
から利得が−1倍の反転増幅器としての範囲で動作しな
ければならないので、抵抗18と20の抵抗比を1以外
にすることは好ましくない。なぜなら、抵抗18、20
の各抵抗値をR18、R20とすると、移相回路10Cが反
転増幅器として動作するときの利得は−R20/R18であ
るが、ホロワ回路として動作する場合の利得は抵抗18
と抵抗20の抵抗比にかかわらず常に1であるから、抵
抗18と抵抗20の抵抗比が1でない場合には、移相回
路10Cが動作する全領域において、その入出力間の位
相だけが変化し、出力振幅が変化しない理想条件が満足
できなくなるからである。
【0056】移相回路10Cの出力側に抵抗21と抵抗
23からなる分圧回路を付加し、この分圧回路を介して
オペアンプ12の反転入力端子への帰還を施すことによ
り、抵抗18と抵抗20の抵抗比を1に保持したまま移
相回路10Cの利得を1以上に設定することが可能とな
る。同様に、移相回路30Cの出力側に抵抗41と抵抗
43からなる分圧回路を付加し、この分圧回路を介して
オペアンプ32の反転入力端子への帰還を施すことによ
り、抵抗38と抵抗40の抵抗比を1に保持したまま移
相回路30Cの利得を1以上に設定することが可能とな
る。
【0057】なお、上述したように、移相回路10C内
の可変抵抗16と移相回路30C内の可変抵抗36の抵
抗値を変えることにより、キャパシタ14および可変抵
抗16からなるCR回路の時定数T1 と、キャパシタ3
4および可変抵抗36からなるCR回路の時定数T2
を変化させることができるため、1/√(T1 2 )に
よって算出される同調周波数ωもある範囲で可変するこ
とができる。
【0058】また、(2)式あるいは(3)式から図
4、図6に示したφ1 、φ2 を求めると、 φ1 =tan{2ωT1 /(1−ω2 1 2)} ・・・(6) φ2 =tan{2ωT2 /(1−ω2 2 2)} ・・・(7) となる。なお、(6)、(7)式のφ1 およびφ2 は、
図4および図6に示す入力電圧Eiを基準として時計回
り方向を正方向としたものである。
【0059】例えばT1 =T2 (=T)の場合には、ω
=1/Tのときに2つの移相回路10C、30Cによる
位相シフト量の合計が360°となって上述した同調動
作が行われ、このときφ1 =90°、φ2 =270°と
なる。
【0060】このように、本実施形態の受信機は、帰還
抵抗70と入力抵抗74の抵抗比nを変えても同調周波
数および同調時の利得が一定で、かつ最大減衰量および
同調帯域幅を変えることができる同調増幅器2を用いて
同調動作を行っているため、混信が生じる場合には上述
した抵抗比nを大きく設定して同調帯域幅を狭くして混
信を防ぎ、反対に混信が少ない場合には上述した抵抗比
nを小さく設定して同調帯域幅を広げて受信信号を忠実
に再現するといった調整が容易であり、混信状態に応じ
て最適なAM受信機の設計が可能となる。なお、上述し
た第1の実施形態では、帰還抵抗70と入力抵抗74の
抵抗値を固定にしているが、少なくともいずれか一方の
抵抗を可変できるようにして、上述した抵抗比nを任意
に変更可能としてもよい。
【0061】また、本実施形態の受信機は、移相回路1
0C内の抵抗18と抵抗20の抵抗値を同じ値に設定す
るとともに移相回路30C内の抵抗38と抵抗40の抵
抗値を同じ値に設定するため、同調周波数を変えても振
幅が変動することはなく、ほぼ一定の振幅を有する同調
出力を得ることができる。
【0062】特に、同調出力の振幅変動を抑えたことに
より、上述した抵抗比nを大きくして同調増幅器2のQ
の値を大きくすることができる。すなわち、オープンル
ープゲインに周波数依存性があると、利得の低い周波数
では抵抗比nを大きくしてもQが上がらず、利得の高い
周波数ではオープンループゲインが1を越えて発振する
ことがある。したがって、振幅変動が大きい場合には、
このような発振を防止するために抵抗比nをあまり大き
な値に設定することができず、同調増幅器2のQの値も
小さくなる。これに対して、上述した第1の実施形態で
は、移相回路10C、30C内にそれぞれ分圧回路を設
け、かつ抵抗18と20、抵抗38と40の抵抗値をそ
れぞれ同じ値に設定することにより、同調増幅器2の同
調出力の振幅変動を抑えるため、抵抗比nを大きく設定
することができ、同調増幅器2のQの値を大きくするこ
とができる。
【0063】また、分圧回路60を介して減衰した信号
を帰還信号として用いるとともに、分圧回路60に入力
する前の信号を同調増幅器2の出力として取り出すこと
により、入力信号の中から所定の周波数成分のみを抽出
する同調動作とともに、この抽出された信号に対して所
定の増幅を行うことができる。しかも、このときの利得
は、分圧回路60の分圧比を変えることにより任意に設
定することができる。
【0064】また、最大減衰量は、帰還抵抗70と入力
抵抗74の抵抗比nによって決定され、同調周波数は可
変抵抗16または36の抵抗値によって決定されるた
め、同調周波数や最大減衰量を互いに干渉しあうことな
く調整することができる。なお、可変抵抗16,36の
いずれか一方を抵抗値が固定の抵抗に置き換えてもよ
い。
【0065】さらに、上述した同調増幅器2は、オペア
ンプ、キャパシタおよび抵抗を組み合わせて構成してお
り、どの構成素子も半導体基板上に形成することができ
ることから、同調増幅器2を含めた受信機の主要部分を
半導体基板上に形成して集積回路とすることも容易であ
る。また、可変抵抗16、36の少なくとも一方の抵抗
値を連続的に変えることにより、同調周波数を連続的に
変更でき、従来必要不可欠であったバリコンを省くこと
ができ、受信機全体の回路規模を大幅に小型化すること
ができ、製造時に微調整を行う必要もなくなることか
ら、製造工程を大幅に簡略化できる。
【0066】また、上述した同調増幅器2は、同調周波
数を可変する場合であっても安定した特性を有してお
り、このような同調増幅器2を周波数可変型のフィルタ
として用いれば、一旦中間周波信号に変換して同調をと
る必要がないため、局部発振コイルを用いた局発振回路
や中間周波トランスやセラミックフィルタを用いた中間
周波増幅回路が不要であり、大きな外付け部品を極力減
らすことができる。
【0067】また、本実施形態のAM受信機は、アンテ
ナ6からの入力部分にバリコンとバーアンテナによるL
C回路を用いていないため、入力部分の設計が容易とな
る。このため、アンテナ6を短い棒状あるいは紐状の導
電性材料で形成することができ、AM波を効率よく受信
することができる。具体的には、カーラジオ等に使用さ
れるロッドアンテナによってアンテナ6を形成したり、
イヤホンのリード部分をアンテナ6として使用するだけ
で、所望のAM波を感度よく受信することができ、従来
不可欠であったバーアンテナも省略できる。
【0068】なお、上述した図3の移相回路10Cと図
5の移相回路30Cを縦続接続する場合には、各移相回
路内のオペアンプ12あるいは32の出力端に接続され
た分圧回路のうち、いずれか一方の分圧回路を省略して
もよい。あるいは、双方の分圧回路を省略し、抵抗18
および20の抵抗比と、抵抗38および40の抵抗比と
を調整することにより、同調増幅器2全体での利得が1
以上になるようにしてもよい。
【0069】また、移相回路30Cの後段の分圧回路6
0を省略し、移相回路30Cの出力を直接前段側に帰還
してもよい。あるいは分圧回路60内の抵抗62を取り
除いて抵抗64だけにしてもよい。
【0070】〔同調増幅器の第2の構成例〕上述した同
調増幅器2においては、CR回路を一部に含むように各
移相回路10C、30Cを構成したが、CR回路の代わ
りにLR回路を一部に含むように移相回路を構成するこ
ともできる。
【0071】図10は、LR回路を含む移相回路の構成
を示す回路図であり、図2に示した同調増幅器2の前段
の移相回路10Cと置き換え可能な構成が示されてい
る。同図に示す移相回路10Lは、図2に示した前段の
移相回路10C内のキャパシタ14と可変抵抗16から
なるCR回路を、可変抵抗16とインダクタ17からな
るLR回路に置き換えた構成を有しており、抵抗18と
抵抗20の各抵抗値が同じ値に設定されている。
【0072】したがって、上述した移相回路10Lの入
出力電圧等の関係は、図11のベクトル図に示すよう
に、図4に示した電圧VC1を可変抵抗16の両端電圧V
R3に、図4に示した電圧VR1をインダクタ17の両端電
圧VL1にそれぞれ置き換えて考えることができる。
【0073】また、図10に示した移相回路10Lの伝
達関数は、インダクタ17と可変抵抗16からなるLR
回路の時定数をT1 (インダクタ17のインダクタンス
をL、可変抵抗16の抵抗値をRとするとT1 =L/
R)とすると、(2)式に示したK2 をそのまま適用で
き、図11に示す位相シフト量φ3 も上述した(6)式
に示したφ1 と同じになる。
【0074】このように、図10に示す移相回路10L
は、図3に示した移相回路10Cと基本的に等価であ
り、図2に示した移相回路10Cから図10に示した移
相回路10Lへの置き換えが可能であることがわかる。
また、図10に示した抵抗18と20の各抵抗値は同じ
値に設定されているため、同調周波数を可変した際の振
幅変動がなく、ほぼ一定の同調出力を得ることができ
る。
【0075】図12は、LR回路を含む移相回路の他の
構成を示す回路図であり、図2に示した同調増幅器2の
後段の移相回路30Cと置き換え可能な構成が示されて
いる。同図に示す移相回路30Lは、図5に示した後段
の移相回路30C内のキャパシタ34と可変抵抗36か
らなるCR回路を、可変抵抗36とインダクタ37から
なるLR回路に置き換えた構成を有しており、抵抗38
と抵抗40の各抵抗値は同じ値に設定されている。
【0076】したがって、上述した移相回路30Lの入
出力電圧等の関係は、図13のベクトル図に示すよう
に、図6に示した電圧VR2をインダクタ37の両端電圧
VL2に、図6に示した電圧VC2を可変抵抗36の両端電
圧VR4にそれぞれ置き換えて考えることができる。
【0077】ところで、図12に示した移相回路30L
の伝達関数は、可変抵抗36とインダクタ37からなる
LR回路の時定数をT2 (可変抵抗36の抵抗値をR、
インダクタ37のインダクタンスをLとするとT2 =L
/R)とすると、(3)式に示したK3 をそのまま適用
でき、図13に示す位相シフト量φ4 も上述した(7)
式に示したφ2 と同じになる。
【0078】このように、図12に示す移相回路30L
は、図5に示した移相回路30Cと基本的に等価であ
り、図5に示した移相回路30Cから図12に示した移
相回路30Lへの置き換えが可能であることがわかる。
また、図12に示した抵抗38と40の各抵抗値は同じ
値に設定されているため、同調周波数を可変した際の振
幅変動がなく、ほぼ一定の同調出力を得ることができ
る。
【0079】また、図2に示した2つの移相回路10C
および30Cのいずれか一方、あるいは両方を図10、
12に示した移相回路10L、30Lに置き換えてもよ
い。2つの移相回路10C、30Cの両方を移相回路1
0L、30Lに置き換えた場合には、同調増幅器全体を
集積化することにより同調周波数の高周波化が容易とな
る。
【0080】また、2つの移相回路10C、30Cのい
ずれか一方のみを移相回路10Lあるいは30Lに置き
換えた場合であって、LR回路を構成するインダクタを
含めて、あるいはこのインダクタを除く同調回路全体を
集積化した場合には、温度変化による同調周波数の変動
を防止する、いわゆる温度補償が可能となる。
【0081】また、上述した図10の移相回路10Lと
図12の移相回路30Lを縦続接続する場合には、各移
相回路内のオペアンプ12あるいは32の出力端に接続
された分圧回路のうち、いずれか一方の分圧回路を省略
してもよい。あるいは、双方の分圧回路を省略し、抵抗
18および20の抵抗比と、抵抗38および40の抵抗
比とを調整することにより、同調増幅器2全体での利得
が1以上になるようにしてもよい。
【0082】〔同調増幅器の第3の構成例〕図14は、
同調増幅器の第3の構成例を示す回路図である。同図に
示す同調増幅器2Aは、それぞれが入力される交流信号
の位相を所定量シフトさせることにより所定の周波数に
おいて合計で360°の位相シフトを行う2つの移相回
路110C、130Cと、帰還抵抗70および入力抵抗
74(入力抵抗74は帰還抵抗70の抵抗値のn倍の抵
抗値を有しているものとする)のそれぞれを介すること
により後段の移相回路130Cの出力(帰還信号)と入
力端子90に入力される信号(入力信号)とを所定の割
合で加算する加算回路とを含んで構成されている。
【0083】図2に示した同調増幅器2においては、前
段の移相回路10C内の抵抗18と抵抗20の各抵抗値
を同じに設定することで、入力される交流信号の周波数
が変わったときの振幅変化を抑え、オペアンプ12の出
力側に抵抗21と23による分圧回路を接続すること
で、移相回路10Cの利得を1より大きな値に設定して
いる。これに対し、図14に示す同調増幅器2Aに含ま
れる前段の移相回路110Cは、上述した抵抗21、2
3による分圧回路を用いずに、抵抗18′の抵抗値より
も抵抗20′の抵抗値を大きく設定することにより、移
相回路110Cの利得を1より大きな値に設定してい
る。
【0084】後段の移相回路130Cについても同様で
あり、抵抗38′の抵抗値よりも抵抗40′の抵抗値を
大きく設定することで、移相回路130Cの利得を1よ
り大きな値に設定している。また、移相回路130Cの
出力端子には、帰還抵抗70、出力端子92および抵抗
78が接続されている。
【0085】なお、図14に示す同調増幅器2Aにおい
ては、後段の移相回路130Cのさらに後段に分圧回路
を接続し、その分圧出力を帰還抵抗70を介して帰還さ
せるようにしてもよい。
【0086】ところで、上述したように、各抵抗の値を
設定して移相回路の利得を1より大きな値にすると、入
力される信号の周波数に応じて利得変動が生じる。例え
ば、前段の移相回路110Cについて考えると、入力信
号の周波数が低い場合には移相回路110Cはボルテー
ジホロワ回路となるためこのときの利得は1倍となるの
に対し、周波数が高い場合には移相回路110Cは反転
増幅器となるためこのときの利得は−m倍(mは抵抗2
0′と抵抗18′の抵抗比)となり、入力信号の周波数
が変化したときに移相回路110Cの利得も変化して出
力信号の振幅変動が生じる。
【0087】このような振幅変動は、オペアンプ12の
反転入力端子に抵抗22を接続して、入力信号の周波数
が低い場合と高い場合の利得を一致させることにより抑
えることができる。具体的には、抵抗18′の抵抗値を
r、抵抗20′の抵抗値をmrとすると、抵抗22の抵
抗値をmr/(m−1)に設定することにより、入力信
号の周波数が0と無限大のときの移相回路110Cの各
利得を一致させることができる。同様に、移相回路13
0Cについてもオペアンプ32の反転入力端子に所定の
抵抗値を有する抵抗42を接続することにより、出力信
号の振幅変動を抑えることができる。なお、抵抗22お
よび抵抗42の一方端はグランドレベル以外の固定電位
に接続してもよい。
【0088】〔同調増幅器の第4の構成例〕図14に示
す同調増幅器2Aでは、移相回路110Cおよび130
C内にCR回路を含む例を説明したが、CR回路の代わ
りにLR回路を含む場合にも、同様の移相回路を構成で
きる。
【0089】図15は、LR回路を含む移相回路の構成
を示す回路図であり、図14に示した同調増幅器2Aの
前段の移相回路110Cと置き換え可能な構成が示され
ている。同図に示す移相回路110Lは、図14に示し
た前段の移相回路110C内のキャパシタ14と可変抵
抗16からなるCR回路を、可変抵抗16とインダクタ
17からなるLR回路に置き換えた構成を有している。
【0090】また、図16はLR回路を含む移相回路の
他の構成を示す回路図であり、図14に示した同調増幅
器2Aの後段の移相回路130Cと置き換え可能な構成
が示されている。同図に示す移相回路130Lは、図1
4に示した後段の移相回路130C内の可変抵抗36と
キャパシタ34からなるCR回路を、インダクタ37と
可変抵抗36からなるLR回路に置き換えた構成を有し
ている。
【0091】図15に示した移相回路110Lおよび図
16に示した移相回路130Lのそれぞれは、図14に
示した移相回路110Cおよび130Cと等価であり、
図14に示した同調増幅器2Aにおいて、前段の移相回
路110Cを図15に示した移相回路110Lに、後段
の移相回路130Cを図16に示した移相回路130L
にそれぞれ置き換えることが可能である。2つの移相回
路110C、130Cのそれぞれを移相回路110L、
130Lに置き換えた場合には、同調増幅器全体を集積
化することにより同調周波数の高周波化が容易となる。
また、2つの移相回路110C、130Cのいずれか一
方、あるいは両方を移相回路110Lあるいは130L
に置き換えるようにしてもよい。この場合には、温度変
化に対する同調周波数の変動を抑制する効果がある。
【0092】ところで、図14に示した同調増幅器2A
は、2つの移相回路110C、130Cのそれぞれに抵
抗22あるいは42を接続することにより、同調周波数
を可変したときの振幅変動を防止したが、周波数の可変
範囲が狭い場合には振幅変動も少なくなるため上述した
抵抗22、42を取り除いて同調増幅器を構成すること
もできる。あるいは、一方の抵抗22あるいは42のみ
を取り除いて同調増幅器を構成することもできる。
【0093】上述した同調増幅器の第1〜第4の構成例
において、2つの移相回路10Cおよび30C等を含む
全域通過回路と帰還抵抗70からなる帰還ループのオー
プンループゲインの損失は、前段の移相回路10C等の
入力インピーダンスに起因するものであるから、この入
力インピーダンスに起因する損失の発生を抑えるため
に、前段の移相回路10C等のさらに前段にトランジス
タによるホロワ回路を挿入し、帰還される信号をこのホ
ロワ回路を介して前段の移相回路10C等に入力するよ
うにしてもよい。
【0094】このように、前段の移相回路10C等のさ
らに前段にトランジスタによるホロワ回路を縦続接続す
れば、図2等に示した同調増幅器2等と比較して、帰還
抵抗70および入力抵抗74の抵抗値を高く設定するこ
とができる。特に、同調増幅器2等を半導体基板上に集
積化するような場合には、帰還抵抗70等の抵抗値を小
さくしようとすると素子の占有面積を大きくしなければ
ならないため、ある程度抵抗値が大きい方が好ましく、
ホロワ回路を接続する意義がある。
【0095】〔同調増幅器の第5の構成例〕図2に示し
た同調増幅器2では、2つの移相回路10Cと30Cを
合わせた位相シフト量を360°としているが、縦続接
続された移相回路10Cと30Cに、位相をシフトさせ
ない非反転回路を接続して同調増幅器を構成してもよ
い。
【0096】図17は、2つの移相回路の前段に非反転
回路50を接続した同調増幅器2Bの構成を示す回路図
である。同図に示すように、同調増幅器2Bは、図3に
示した移相回路10Cから抵抗21および23を省いた
構成を有する移相回路210Cと、図5に示した移相回
路30Cから抵抗41および43を省いた構成を有する
移相回路230Cと、移相回路210Cの前段に接続さ
れた非反転回路50と、抵抗62および64からなる分
圧回路60と、帰還抵抗70および入力抵抗74からな
る加算回路とで構成される。
【0097】このように、各移相回路はオペアンプ12
あるいは32の出力端子に接続された分圧回路を省いた
ものであり、入出力電圧の関係や位相シフト量について
は、上述した図4あるいは図6をそのまま適用すること
ができる。
【0098】非反転回路50は、反転入力端子が抵抗5
4を介して接地されているとともに、この反転入力端子
と出力端子との間に抵抗56が接続されたオペアンプ5
2により構成されており、2つの抵抗54、56の抵抗
比によって定まる所定の増幅度を有する。
【0099】移相回路210Cは、抵抗18および20
の各抵抗値が同じであるため、利得が1となる。同様
に、移相回路230Cも抵抗38および40の各抵抗値
が同じであるため、利得が1となる。したがって、上述
した同調増幅器2Bでは、各移相回路で利得を稼ぐ代わ
りに、上述した非反転回路50の利得を1より大きな値
に設定している。
【0100】このような構成を有する非反転回路50
は、入力信号の位相を変えずに出力しており、この増幅
度を調整することにより、分圧回路60による信号振幅
の減衰や帰還ループで生じる損失を補うことが容易とな
る。また、非反転回路50は、上述したトランジスタに
よるホロワ回路と同様に、前段の移相回路210Cのさ
らに前段に接続されたバッファとしても機能する。
【0101】なお、図17に示す非反転回路50は、図
2や14に示した同調増幅器2、2Aの前段等に接続し
てもよい。
【0102】〔同調増幅器の第6の構成例〕上述した各
同調増幅器2、2A、2Bは、2つの移相回路による位
相シフト量の合計が360°となる周波数で所定の同調
動作を行っていたが、基本的に同じ動作を行う2つの移
相回路を組み合わせて同調増幅器を構成することによ
り、2つの移相回路による位相シフト量の合計が180
°となる周波数で所定の同調動作を行うようにしてもよ
い。
【0103】図18は同調増幅器の第6の構成例を示す
回路図であって、図17における後段の移相回路230
Cの代わりに移相回路210Cを接続し、非反転回路5
0の代わりに位相反転回路80を接続したものである。
【0104】位相反転回路80は、入力される交流信号
が抵抗84を介して反転入力端子に入力されるとともに
非反転入力端子が接地されたオペアンプ82と、このオ
ペアンプ82の反転入力端子と出力端子との間に接続さ
れた抵抗86とにより構成されている。抵抗84を介し
てオペアンプ82の反転入力端子に交流信号が入力され
ると、オペアンプ82の出力端子からは位相が反転した
逆相の信号が出力され、この逆相の信号が前段の移相回
路210Cに入力される。また、この位相反転回路80
は、2つの抵抗84、86の抵抗比によって定まる所定
の増幅度を有しており、抵抗84の抵抗値より抵抗86
の抵抗値を大きくすることにより1より大きな利得が得
られる。
【0105】ところで、上述したように、2つの移相回
路210Cのそれぞれは、入力信号の周波数ωが0から
∞まで変化するに従って、入力電圧Eiを基準として時
計回り方向に0°から180°まで位相がシフトする。
例えば、2つの移相回路210C内のCR回路の時定数
が同じであると仮定し、これをTとおくと、ω=1/T
の周波数では2つの移相回路210Cのそれぞれにおけ
る位相シフト量が90°となる。したがって、2つの移
相回路210Cの全体によって位相が180°シフトさ
れ、しかも2つの移相回路201Cの前段に接続された
位相反転回路80によって位相が反転されるため、全体
として、位相が一巡して位相シフト量が360°となる
信号が後段の移相回路210Cから出力される。
【0106】また、上述した同調増幅器2Cでは、各移
相回路で利得を稼ぐ代わりに、上述した位相反転回路8
0の利得を1より大きな値に設定しており、分圧回路6
0による信号振幅の減衰や帰還ループで生じる損失を補
うことが容易となる。
【0107】〔同調増幅器の第7の構成例〕図18に示
した同調増幅器2Cは、移相回路210Cを縦続接続す
る例を示したが、図17に示した移相回路230Cを縦
続接続した場合も同調動作を行わせることができる。
【0108】図19は、同調増幅器の第7の構成例を示
す回路図であって、図18の移相回路210Cの代わり
に、移相回路230Cを縦続接続したものである。
【0109】図19の各移相回路230Cは、図6に示
したように、入力信号の周波数ωが0から∞まで変化す
るに従って、入力電圧Eiを基準として時計回り方向に
180°から360°まで位相がシフトする。例えば、
2つの移相回路230C内のCR回路の時定数が同じで
あると仮定し、これをTとおくと、ω=1/Tの周波数
では、2つの移相回路230Cのそれぞれにおける位相
シフト量が270°となる。したがって、2つの移相回
路210Cの全体によって位相が180°シフトされ、
しかも2つの移相回路230Cの前段に接続された位相
反転回路80によって位相が反転されるため、全体とし
て、位相が一巡して位相シフト量が360°となる信号
が後段の移相回路230Cから出力される。
【0110】また、図18に示した同調増幅器2Cと同
様に、図19に示す同調増幅器2Dでは、各移相回路で
利得を稼ぐ代わりに、上述した位相反転回路80の利得
を1より大きな値に設定しており、分圧回路60による
信号振幅の減衰や帰還ループで生じる損失を補うことが
容易となる。
【0111】また、図17〜19に示した同調増幅器2
B、2C、2Dは、いずれも2つの移相回路をCR回路
を含んで構成したが、LR回路を含んで構成するように
してもよい。具体的には、図17に示した同調増幅器2
Bにおいて、前段の移相回路210Cを図15に示した
移相回路110Lから抵抗22を省略した移相回路に置
き換えるか、あるいは後段の移相回路230Cを図16
に示した移相回路130Lから抵抗42を省略した移相
回路に置き換えてもよい。同様に、図18に示した同調
増幅器2Cにおいて、前段の移相回路210Cを図15
に示した移相回路110Lから抵抗22を省略した移相
回路に置き換えるか、あるいは後段の移相回路230C
を図15に示した移相回路110Lから抵抗22を省略
した移相回路に置き換えてもよい。同様に、図19に示
した同調増幅器2Dにおいて、前段の移相回路230C
を図16に示した移相回路130Lから抵抗42を省略
した移相回路に置き換えるか、あるいは後段の移相回路
230Cを図16に示した移相回路130Lから抵抗4
2を省略した移相回路に置き換えてもよい。
【0112】なお、図18〜20に示した同調増幅器2
B、2C、2Dにおいて、信号振幅の増幅を行わずに同
調動作のみを行わせたい場合には、分圧回路60を省略
すればよい。また、2つの移相回路内のオペアンプの少
なくとも一方の出力端に分圧回路を接続してもよい。例
えば、図17の同調増幅器2Bにおいて、前段の移相回
路210C内のオペアンプ12の出力端と、後段の移相
回路230C内のオペアンプ32の出力端にそれぞれ分
圧回路を接続すれば、図2に示した同調増幅器2内の前
段の移相回路10Cのさらに前段に非反転回路50を接
続した構成と同じになる。
【0113】また、上述したホロワ回路、非反転回路お
よび位相反転回路の接続位置は、縦続接続された移相回
路のさらに前段側とは限らず、各移相回路の間、あるい
は後段の移相回路のさらに後段側に接続してもよい。
【0114】なお、移相回路10Cや30C等を縦続接
続する場合には、各移相回路に含まれる可変抵抗16お
よび36のうち、いずれか一方を抵抗値が固定の抵抗に
してもよい。
【0115】〔受信機の第2の実施形態〕図1に示した
第1の実施形態のAM受信機では、受信信号を中間周波
数信号に変換することなく同調を行う例を説明したが、
いったん中間周波数信号に変換した後に同調を行う場合
にも、本発明は同様に適用できる。
【0116】図20は第2の実施形態のAM受信機の構
成を示す図である。図20に示すAM受信機は、高周波
増幅回路1、混合回路7、局部発振回路8、同調増幅器
2、AM検波回路3、低周波増幅回路4およびスピーカ
5を含んで構成されている。
【0117】混合回路7は、高周波増幅回路1から出力
されるAM信号と局部発振回路8から出力される正弦波
信号とを混合して、中間周波数信号を出力する。AM信
号の周波数をf1、局部発振回路8から出力される正弦
波信号の周波数をf2とすると、周波数f2+f1を有
する中間周波数信号が出力される。例えば、正弦波信号
の周波数f2を2MHz とし、AM信号の周波数f1を現
在国内のAM放送で使われている周波数である550kH
z 〜1.66MHz 程度と考えると、中間周波数信号の周
波数は2.55〜3.66MHz 程度となる。
【0118】図20に示す同調増幅器は同調周波数がf
3に設定されており、前段の混合回路7から入力される
中間周波数信号の中から周波数がf3近傍の信号だけを
選択して出力する。この同調増幅器は、図2、14、1
7〜19に示した同調増幅器2、2A、2B、2C、2
Dのいずれかの構成を有する。
【0119】図21は、図20に示した局部発振回路8
の内部構成を示す回路図である。図21に示す局部発振
回路8は、図3および図5に示した移相回路10Cと移
相回路30Cを縦続接続し、後段の移相回路30の出力
を帰還抵抗70を介して前段の移相回路10Cに入力し
たものである。
【0120】図21の2つの移相回路10C、30Cの
それぞれにおいて位相が所定量シフトし、各移相回路1
0C、30Cを合わせた位相シフト量の合計が、所定の
周波数において360°となるため、このときのループ
ゲインを1以上に設定することにより、所定の周波数で
安定に発振する。
【0121】このように、図2に示した同調増幅器2と
ほぼ同様の構成で局部発振回路8を構成できるため、同
調増幅器2とともに半導体基板上に形成することによ
り、受信機全体を小型化できる。
【0122】図22は局部発振回路の第2の構成例を示
す回路図であり、図14に示した同調増幅器2Aから抵
抗78および入力抵抗74を省いた構成を有する。この
場合も、ループゲインを1以上に設定することにより、
各移相回路10C、30Cを合わせた位相シフト量の合
計が360°となるような周波数で正弦波発振が行われ
る。
【0123】同様に、図23〜25はそれぞれ局部発振
回路の第3〜第5の構成例を示す回路図であり、それぞ
れ図17〜19に示した同調増幅器2B〜2Dから分圧
回路および入力抵抗74を省き、ループゲインを1以上
に設定した構成を有する。
【0124】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施
が可能である。
【0125】例えば、上述した同調増幅器2等や局部発
振回路8等では、前段に移相回路10Cや110Cや2
10Cを、後段に30Cや130Cや230Cをそれぞ
れ配置したが、2つの移相回路全体で入出力信号間の位
相シフト量が360°となればよいことから、前後を入
れ替えて前段に移相回路30Cや130Cや230C
を、後段に移相回路10Cや110Cや210Cをそれ
ぞれ配置して同調増幅器や局部発振回路を構成してもよ
い。すなわち、図3、図5、図10、図12、図15お
よび図16に示す各移相回路、あるいは図3、図5、図
10および図12に示す各移相回路から分圧回路を省略
した移相回路、あるいは図15および図16に示す各移
相回路から抵抗22、42を省略した移相回路のうち、
いずれか2つの移相回路を縦続接続して同調増幅器を構
成してもよい。
【0126】また、上述した同調増幅器2等に含まれる
移相回路10C、30C等には可変抵抗16、36が含
まれている。この可変抵抗16、36はさらに具体的に
は接合型あるいはMOS型の電界効果トランジスタ(F
ET)のチャネル抵抗を利用して実現することができ
る。FETのソース・ドレイン間に形成されるチャネル
を抵抗体として利用して可変抵抗16等の代わりに使用
すると、ゲート電圧を可変に制御してこのチャネル抵抗
をある範囲で任意に変化させて各移相回路における位相
シフト量を変えることができる。
【0127】また、可変抵抗を1つのFET、すなわち
pチャネルあるいはnチャネルのFETによって構成す
る代わりに、pチャネルのFETとnチャネルのFET
とを並列接続して1つの可変抵抗を構成し、各FETの
ゲートとサブストレート間に大きさが等しく極性が異な
るゲート電圧を印加して抵抗値を可変してもよい。2つ
のFETを組み合わせて可変抵抗を構成すれば、FET
の非線形領域の改善を行うことができるため、同調信号
の歪みを軽減できる。
【0128】また、上述した各実施形態において示した
移相回路10C等は、キャパシタ14等と直列に接続さ
れた可変抵抗16等の抵抗値を変化させて位相シフト量
を変化させることにより全体の同調周波数を変えるよう
にしたが、キャパシタ14等の静電容量を変化させるこ
とにより全体の同調周波数を変えるようにしてもよい。
【0129】例えば、2つの移相回路の中の少なくとも
一方に含まれるキャパシタ14等を可変容量素子に置き
換えてこの静電容量を可変することにより、各移相回路
による移相シフト量を変化させて同調周波数を変えるこ
とができる。さらに具体的には、上述した可変容量素子
をアノード・カソード間に印加する逆バイアス電圧が変
更可能な可変容量ダイオードによって、あるいはゲート
電圧によってゲート容量が変更可能なFETによって形
成することができる。
【0130】なお、上述した可変容量素子に印加する逆
バイアス電圧を可変するには、この可変容量素子と直列
に直流電流阻止用のキャパシタを接続すればよい。
【0131】また、上述したような可変抵抗や可変容量
素子を用いる場合の他、素子定数が異なる複数の抵抗あ
るいはキャパシタを用意しておいて、スイッチを切り換
えることにより、これら複数の素子の中から1つあるい
は複数を選ぶようにしてもよい。この場合にはスイッチ
切り換えにより接続する素子の個数および接続方法(直
列接続、並列接続あるいはこれらの組み合わせ)によっ
て、素子定数を不連続に切り換えることができる。この
ため、複数の放送局から1局を選局して受信するような
用途に適している。
【0132】例えば、可変抵抗の代わりに抵抗値がR,
2R,4R,…といった2のn乗の系列の複数の抵抗を
用意しておいて、1つあるいは任意の複数を選択して直
列接続することにより、等間隔の抵抗値の切替えをより
少ない素子で容易に実現することができる。同様に、キ
ャパシタの代わりに静電容量がC,2C,4C,…とい
った2のn乗の系列の複数のキャパシタを用意しておい
て、1つあるいは任意の複数を選択して並列接続するこ
とにより、等間隔の静電容量の切替えをより少ない素子
で容易に実現することができる。
【0133】また、上述した同調増幅器2等では、帰還
インピーダンス素子として抵抗値が固定の帰還抵抗70
を用い、入力インピーダンス素子として抵抗値が固定の
入力抵抗74を用いるようにしたが、少なくとも一方の
抵抗を可変抵抗により構成して、同調増幅器2等におけ
る同調帯域幅を可変するようにしてもよい。また、この
可変抵抗をFETのチャネル抵抗を利用して形成するこ
とができることはいうまでもない。特に、pチャネルの
FETとnチャネルのFETとを並列接続して1つの可
変抵抗を構成し、各FETのベースとサブストレート間
に大きさが等しく極性が異なるゲート電圧を印加した場
合には、FETの非線形領域の改善を行うことができる
ため、同調信号の歪みを少なくすることができる。
【0134】このように、同調帯域幅をAM受信機を完
成させた後に変えることができれば、混信が生じる場合
においては上述した抵抗比n(インピーダンス素子がキ
ャパシタの場合には静電容量比)を連続的に大きい方向
に変化させて同調帯域幅を狭くして混信を防ぎ、反対に
混信が少ない場合においては上述した抵抗比nを連続的
に小さい方向に変化させて同調帯域幅を広げて受信信号
を忠実に再現するといった外部からの調整が容易であ
り、電界強度に応じた最適な状態で受信機を動作させる
ことができる。
【0135】また、上述したように帰還インピーダンス
素子あるいは入力インピーダンス素子として可変抵抗や
可変容量素子を用いる場合の他、素子定数が異なる複数
の抵抗あるいはキャパシタを用意しておいて、スイッチ
を切り換えることにより、これら複数の素子の中から1
つあるいは複数を選ぶようにしてもよい。この場合には
スイッチ切り換えにより接続する素子の個数および接続
方法(直列接続、並列接続あるいはこれらの組み合わ
せ)によって、素子定数を不連続に切り換えることがで
きる。このため、混信の度合いに応じて何段階かの切替
えを行う用途に適している。
【0136】また、上述した各実施形態においては、オ
ペアンプを用いて移相回路10C、30C等を構成する
ことにより安定度の高い回路を構成することができる
が、上述した各実施形態のような使い方をする場合には
オフセット電圧や電圧利得はそれほど高性能なものが要
求されないため、所定の増幅度を有する差動入力増幅器
を各移相回路内のオペアンプの代わりに使用するように
してもよい。
【0137】図26は、オペアンプの構成の中で各実施
形態の移相回路の動作に必要な部分を抽出した回路図で
あり、全体が所定の増幅度を有する差動入力増幅器とし
て動作する。同図に示す差動入力増幅器は、FETによ
り構成された差動入力段100と、この差動入力段10
0に定電流を与える定電流回路102と、定電流回路1
02に所定のバイアス電圧を与えるバイアス回路104
と、差動入力段100に接続された出力アンプ106と
によって構成されている。同図に示すように、実際のオ
ペアンプに含まれている電圧利得を稼ぐための多段増幅
回路を省略して、差動入力増幅器の構成を簡略化し、広
帯域化を図ることができる。このように、回路の簡略化
を行うことにより、動作周波数の上限を高くすることが
できるため、その分この差動入力増幅器を用いて構成し
た同調増幅器の同調周波数の上限を高くすることができ
る。
【0138】上述した第1および第2の実施形態では、
AM放送を受信するAM受信機について説明したが、図
1に示したAM検波回路の代わりにFM検波回路を接続
し、同調増幅器での同調周波数をFM放送を受信可能な
周波数に設定すれば、FM受信機として利用することも
可能である。
【0139】
【発明の効果】以上の各実施形態に基づく説明から明ら
かなように、受信機内部の同調増幅器を、2つの移相回
路を縦続接続して構成し、これら縦続接続された2つの
移相回路の後段の出力を前段の入力側に帰還させること
により、移相回路全体による位相シフト量を所定の周波
数において360°にすることができ、振幅変動がない
安定した同調出力を得ることができる。
【0140】また、本発明の受信機内部の同調増幅器で
は、帰還インピーダンス素子と入力インピーダンス素子
のインピーダンス比を可変することにより、同調周波数
や同調時の利得に影響を与えることなく、最大減衰量の
みを変化させることができる。すなわち、混信が生じる
場合には上述したインピーダンス比nを大きく設定して
同調帯域幅を狭くして混信を防ぎ、反対に混信が少ない
場合には抵抗比nを小さく設定して同調帯域幅を拡げて
受信信号を忠実に再現するといった調整が容易であり、
混信状態に応じて最適な受信条件を簡易に設定できる。
【0141】また、移相回路内のCR回路等の時定数を
可変することにより、同調周波数を簡易に変更できた
め、従来の受信機で不可欠であったバリコンを省くこと
ができ、受信機全体の回路構成を簡略化できる。
【0142】また、アンテナで受信された信号をいった
ん中間周波信号に変換してから同調する場合も、アンテ
ナからの入力部分における同調周波数と局部発振の周波
数とを連動させて可変する必要がなく、受信機の組立後
の調整が不要となるため、製造工程を大幅に簡略化でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1の実施形態のAM受信機
の構成を示す図である。
【図2】図1に示した同調増幅器の詳細構成を示す回路
図である。
【図3】図2に示した前段の移相回路の構成を抜き出し
て示した図である。
【図4】前段の移相回路の入出力電圧とキャパシタ等に
現れる電圧との関係を示すベクトル図である。
【図5】図2に示した後段の移相回路の構成を抜き出し
て示した図である。
【図6】後段の移相回路の入出力電圧とキャパシタ等に
現れる電圧との関係を示すベクトル図である。
【図7】上述した構成を有する2つの移相回路および分
圧回路の全体を伝達関数を有する回路に置き換えたシス
テム図である。
【図8】図7に示すシステムをミラーの定理によって変
換したシステム図である。
【図9】図2に示した同調増幅器の同調特性を示す図で
ある。
【図10】LR回路を含む移相回路の構成を示す回路図
である。
【図11】移相回路の入出力電圧とインダクタ等に現れ
る電圧との関係を示すベクトル図である。
【図12】LR回路を含む移相回路の他の構成を示す回
路図である。
【図13】移相回路の入出力電圧とインダクタ等に現れ
る電圧との関係を示すベクトル図である。
【図14】同調増幅器の第3の構成例を示す回路図であ
る。
【図15】LR回路を含む移相回路の構成を示す回路図
である。
【図16】LR回路を含む移相回路の他の構成を示す回
路図である。
【図17】2つの移相回路の前段に非反転回路を接続し
た同調増幅器の構成を示す回路図である。
【図18】同調増幅器の第6の構成例を示す回路図であ
る。
【図19】同調増幅器の第7の構成例を示す回路図であ
る。
【図20】第2の実施形態のAM受信機の構成を示す図
である。
【図21】図20に示した局部発振回路の内部構成を示
す回路図である。
【図22】局部発振回路の第2の構成例を示す回路図で
ある。
【図23】局部発振回路の第3の構成例を示す回路図で
ある。
【図24】局部発振回路の第4の構成例を示す回路図で
ある。
【図25】局部発振回路の第5の構成例を示す回路図で
ある。
【図26】オペアンプの構成の中で各実施形態の移相回
路の動作に必要な部分を抽出した回路図である。
【図27】スーパーヘテロダイン方式のAMラジオ受信
機の回路構成を示す図である。
【符号の説明】
1 高周波増幅回路 2、2A、2B、2C、2D 同調増幅器 3 AM検波回路 4 低周波増幅回路 5 スピーカ 6 アンテナ 7 混合回路 8 局部発振回路 10C、30C 移相回路 50 非反転回路 70 帰還抵抗 74 入力抵抗 80 位相反転回路 90 入力端子 92 出力端子

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンテナで受信した信号の中から所定の
    周波数近傍の信号を選択する同調増幅器と、前記同調増
    幅器によって選択した同調信号に対して検波処理を行う
    検波回路と、前記検波回路によって検波された信号を増
    幅する低周波増幅回路と、前記低周波増幅回路によって
    増幅された信号を音声に変換して出力する出力手段とを
    有する受信機であって、 前記同調増幅器は、出力が入力側に帰還された差動入力
    増幅器を含む2つの移相回路を縦続接続して構成され、
    後段の前記移相回路から出力された帰還信号と前記入力
    信号とを加算して前段の前記移相回路に入力し、前記2
    つの移相回路のいずれかの出力を前記同調信号として出
    力することを特徴とする受信機。
  2. 【請求項2】 アンテナで受信した信号の中から所定の
    周波数近傍の信号を選択する同調増幅器と、前記同調増
    幅器によって選択した同調信号に対して検波処理を行う
    検波回路と、前記検波回路によって検波された信号を増
    幅する低周波増幅回路と、前記低周波増幅回路によって
    増幅された信号を音声に変換して出力する出力手段とを
    有する受信機において、 前記同調増幅器は、 入力信号が一方端に入力される入力インピーダンス素子
    と、帰還信号が一方端に入力される帰還インピーダンス
    素子とを含んでおり、前記入力信号と前記帰還信号とを
    加算する加算回路と、 反転入力端子に第1の抵抗の一方端が接続され前記第1
    の抵抗を介して交流信号が入力される差動入力増幅器
    と、前記差動入力増幅器の反転入力端子および出力端子
    の間に接続された第2の抵抗と、キャパシタあるいはイ
    ンダクタによるリアクタンス素子と第3の抵抗とで構成
    され前記制御電圧によって時定数が変更可能であって前
    記第1の抵抗の他方端に接続された直列回路とを含み、
    前記第3の抵抗および前記リアクタンス素子の接続部を
    前記差動入力増幅器の非反転入力端子に接続した2つの
    移相回路と、 を備え、前記2つの移相回路のそれぞれを縦続接続し、
    これら縦続接続された2つの移相回路のうち前段の前記
    移相回路に対して前記加算回路によって加算された信号
    を入力するとともに、後段の前記移相回路から出力され
    た信号を前記帰還信号として前記帰還インピーダンス素
    子の一方端に入力し、これら2つの移相回路のいずれか
    の出力を前記同調信号として出力することを特徴とする
    受信機。
  3. 【請求項3】 アンテナで受信した信号の中から所定の
    周波数近傍の信号を選択する同調増幅器と、前記同調増
    幅器によって選択した同調信号に対して検波処理を行う
    検波回路と、前記検波回路によって検波された信号を増
    幅する低周波増幅回路と、前記低周波増幅回路によって
    増幅された信号を音声に変換して出力する出力手段とを
    有する受信機において、 前記同調増幅器は、 入力信号が一方端に入力される入力インピーダンス素子
    と、帰還信号が一方端に入力される帰還インピーダンス
    素子とを含んでおり、前記入力信号と前記帰還信号とを
    加算する加算回路と、 反転入力端子に第1の抵抗の一方端が接続され前記第1
    の抵抗を介して交流信号が入力される差動入力増幅器
    と、前記差動入力増幅器の出力端子に接続された第1の
    分圧回路と、前記第1の分圧回路の出力端と前記差動入
    力増幅器の反転入力端子との間に接続された第2の抵抗
    と、キャパシタあるいはインダクタによるリアクタンス
    素子と第3の抵抗とで構成され前記制御電圧によって時
    定数が変更可能であって前記第1の抵抗の他方端に接続
    された直列回路とを含み、前記第3の抵抗および前記リ
    アクタンス素子の接続部を前記差動入力増幅器の非反転
    入力端子に接続した2つの移相回路と、 を備え、前記2つの移相回路のそれぞれを縦続接続し、
    これら縦続接続された2つの移相回路のうち前段の前記
    移相回路に対して前記加算回路によって加算された信号
    を入力するとともに、後段の前記移相回路から出力され
    た信号を前記帰還信号として前記帰還インピーダンス素
    子の一方端に入力し、これら2つの移相回路のいずれか
    の出力を前記同調信号として出力することを特徴とする
    受信機。
  4. 【請求項4】 アンテナで受信した信号の中から所定の
    周波数近傍の信号を選択する同調増幅器と、前記同調増
    幅器によって選択した同調信号に対して検波処理を行う
    検波回路と、前記検波回路によって検波された信号を増
    幅する低周波増幅回路と、前記低周波増幅回路によって
    増幅された信号を音声に変換して出力する出力手段とを
    有する受信機において、 前記同調増幅器は、 入力信号が一方端に入力される入力インピーダンス素子
    と、帰還信号が一方端に入力される帰還インピーダンス
    素子とを含んでおり、前記入力信号と前記帰還信号とを
    加算する加算回路と、 反転入力端子に第1の抵抗の一方端が接続され前記第1
    の抵抗を介して交流信号が入力される差動入力増幅器
    と、前記差動入力増幅器の反転入力端子と出力端子との
    間に接続された第2の抵抗と、一方端が前記差動入力増
    幅器の反転入力端子に接続され他方端が接地された第3
    の抵抗と、キャパシタあるいはインダクタによるリアク
    タンス素子と第4の抵抗とで構成され前記制御電圧によ
    って時定数が変更可能であって前記第1の抵抗の他方端
    に接続された直列回路とを含み、前記第4の抵抗および
    前記リアクタンス素子の接続部を前記差動入力増幅器の
    非反転入力端子に接続した2つの移相回路と、 を備え、前記2つの移相回路のそれぞれを縦続接続し、
    これら縦続接続された2つの移相回路のうち前段の前記
    移相回路に対して前記加算回路によって加算された信号
    を入力するとともに、後段の前記移相回路から出力され
    た信号を前記帰還信号として前記帰還インピーダンス素
    子の一方端に入力し、これら2つの移相回路のいずれか
    の出力を前記同調信号として出力することを特徴とする
    受信機。
  5. 【請求項5】 アンテナで受信した信号の中から所定の
    周波数近傍の信号を選択する同調増幅器と、前記同調増
    幅器によって選択した同調信号に対して検波処理を行う
    検波回路と、前記検波回路によって検波された信号を増
    幅する低周波増幅回路と、前記低周波増幅回路によって
    増幅された信号を音声に変換して出力する出力手段とを
    有する受信機において、 前記同調増幅器は、 前記入力信号が一方端に入力される入力インピーダンス
    素子と、帰還信号が一方端に入力される帰還インピーダ
    ンス素子とを含んでおり、前記入力信号と前記帰還信号
    とを加算する加算回路と、 反転入力端子に第1の抵抗の一方端が接続され前記第1
    の抵抗を介して交流信号が入力される差動入力増幅器
    と、前記差動入力増幅器の反転入力端子および出力端子
    の間に接続された第2の抵抗と、第3の抵抗およびキャ
    パシタで構成され前記制御電圧によって時定数が変更可
    能であって前記第1の抵抗の他方端に接続された直列回
    路とを含み、前記第3の抵抗および前記キャパシタの接
    続部を前記差動入力増幅器の非反転入力端子に接続した
    第1の移相回路と、 反転入力端子に第4の抵抗の一方端が接続され前記第4
    の抵抗を介して交流信号が入力される差動入力増幅器
    と、前記差動入力増幅器の出力端子に接続された第1の
    分圧回路と、前記第1の分圧回路の出力端と前記差動入
    力増幅器の反転入力端子との間に接続された第5の抵抗
    と、第6の抵抗およびキャパシタで構成され前記制御電
    圧によって時定数が変更可能であって前記第4の抵抗の
    他方端に接続された直列回路とを含み、前記第6の抵抗
    および前記キャパシタの接続部を前記差動入力増幅器の
    非反転入力端子に接続した第2の移相回路と、 反転入力端子に第7の抵抗の一方端が接続され前記第7
    の抵抗を介して交流信号が入力される差動入力増幅器
    と、前記差動入力増幅器の反転入力端子と出力端子との
    間に接続された第8の抵抗と、一方端が前記差動入力増
    幅器の反転入力端子に接続され他方端が接地された第9
    の抵抗と、第10の抵抗およびキャパシタで構成され前
    記制御電圧によって時定数が変更可能であって前記第7
    の抵抗の他方端に接続された直列回路とを含み、前記第
    10の抵抗および前記キャパシタの接続部を前記差動入
    力増幅器の非反転入力端子に接続した第3の移相回路
    と、 反転入力端子に第11の抵抗の一方端が接続され前記第
    11の抵抗を介して交流信号が入力される差動入力増幅
    器と、前記差動入力増幅器の反転入力端子および出力端
    子の間に接続された第12の抵抗と、第13の抵抗およ
    びインダクタで構成され前記制御電圧によって時定数が
    変更可能であって前記第11の抵抗の他方端に接続され
    た直列回路とを含み、前記第13の抵抗および前記キャ
    パシタの接続部を前記差動入力増幅器の非反転入力端子
    に接続した第4の移相回路と、 反転入力端子に第14の抵抗の一方端が接続され前記第
    14の抵抗を介して交流信号が入力される差動入力増幅
    器と、前記差動入力増幅器の出力端子に接続された第2
    の分圧回路と、前記第2の分圧回路の出力端と前記差動
    入力増幅器の反転入力端子との間に接続された第15の
    抵抗と、第16の抵抗およびインダクタで構成され前記
    制御電圧によって時定数が変更可能であって前記第14
    の抵抗の他方端に接続された直列回路とを含み、前記第
    16の抵抗および前記インダクタの接続部を前記差動入
    力増幅器の非反転入力端子に接続した第5の移相回路
    と、 反転入力端子に第17の抵抗の一方端が接続され前記第
    17の抵抗を介して交流信号が入力される差動入力増幅
    器と、前記差動入力増幅器の反転入力端子と出力端子と
    の間に接続された第18の抵抗と、一方端が前記差動入
    力増幅器の反転入力端子に接続され他方端が接地された
    第19の抵抗と、第20の抵抗およびインダクタで構成
    され前記制御電圧によって時定数が変更可能であって前
    記第17の抵抗の他方端に接続された直列回路とを含
    み、前記第20の抵抗および前記インダクタの接続部を
    前記差動入力増幅器の非反転入力端子に接続した第6の
    移相回路とのうち、いずれか2つの移相回路とを備え、
    これら2つの移相回路を縦続接続し、これら縦続接続さ
    れた2つの移相回路のうち前段の前記移相回路に対して
    前記加算回路によって加算された信号を入力するととも
    に、後段の前記移相回路から出力された信号を前記帰還
    信号として前記帰還インピーダンス素子の一方端に入力
    し、これら2つの移相回路のいずれかの出力を前記同調
    信号として出力することを特徴とする受信機。
  6. 【請求項6】 請求項2〜5のいずれかにおいて、 前記縦続接続された2つの移相回路内の双方の前記直列
    回路に前記リアクタンス素子として前記キャパシタが含
    まれている場合、あるいは双方の前記直列回路に前記リ
    アクタンス素子として前記インダクタが含まれている場
    合には、前記直列回路を構成する抵抗および前記リアク
    タンス素子の接続の仕方を前記2つの移相回路において
    反対にしたことを特徴とする受信機。
  7. 【請求項7】 請求項2〜5のいずれかにおいて、 前記縦続接続された2つの移相回路内の一方の前記直列
    回路に前記リアクタンス素子として前記キャパシタが含
    まれ、他方の前記直列回路に前記リアクタンス素子とし
    て前記インダクタが含まれている場合には、前記直列回
    路を構成する抵抗および前記リアクタンス素子の接続の
    仕方を前記2つの移相回路において同じにしたことを特
    徴とする受信機。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかにおいて、 前記縦続接続された2つの移相回路によって形成される
    帰還ループの一部に、入力される交流信号の位相を変え
    ずに出力する非反転回路を挿入することを特徴とする受
    信機。
  9. 【請求項9】 請求項2〜5のいずれかにおいて、 前記縦続接続された2つの移相回路によって形成される
    帰還ループの一部に、入力される交流信号の位相を反転
    して出力する位相反転回路を挿入し、 前記縦続接続された2つの移相回路内の双方の前記直列
    回路に前記キャパシタが含まれている場合には、前記直
    列回路を構成する抵抗および前記キャパシタの接続の仕
    方を前記2つの移相回路において同じにし、双方の前記
    直列回路に前記インダクタが含まれている場合には、前
    記直列回路を構成する抵抗および前記インダクタの接続
    の仕方を前記2つの移相回路において同じにしたことを
    特徴とする受信機。
  10. 【請求項10】 請求項2〜5のいずれかにおいて、 前記縦続接続された2つの移相回路によって形成される
    帰還ループの一部に、入力される交流信号の位相を反転
    して出力する位相反転回路を挿入し、 前記縦続接続された2つの移相回路のいずれか一方の移
    相回路内の前記直列回路に前記リアクタンス素子として
    前記キャパシタが含まれ、他方の移相回路内の前記直列
    回路に前記リアクタンス素子として前記インダクタが含
    まれている場合には、前記直列回路を構成する抵抗およ
    び前記リアクタンス素子の接続の仕方を前記2つの移相
    回路において反対にしたことを特徴とする受信機。
  11. 【請求項11】 請求項1〜7のいずれかにおいて、 前記2つの移相回路の前段にトランジスタによるホロワ
    回路を接続することを特徴とする受信機。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかにおいて、 前記縦続接続された2つの移相回路によって形成される
    帰還ループの一部に第3の分圧回路を接続し、 前記同調増幅器は、前記第3の分圧回路による分圧出力
    に基づいて前記帰還信号を生成し、前記第3の分圧回路
    に入力される交流信号を前記同調信号として出力するこ
    とを特徴とする受信機。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかにおいて、 前記アンテナと前記同調増幅器との間に高周波増幅回路
    を挿入することを特徴とする受信機。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかにおいて、 固定周波数の正弦波信号を出力する正弦波発振回路と、 前記正弦波発振回路の出力信号とアンテナで受信した受
    信信号とを混合することにより前記受信信号をこれより
    高周波の中間周波信号に変換する混合回路と、を備え、 前記同調増幅器は、前記混合回路から出力される中間周
    波信号の中から所定の周波数近傍のものを選択すること
    を特徴とする受信機。
  15. 【請求項15】 請求項14において、 前記正弦波発振回路は、縦続接続された2つの移相回路
    を備え、後段の前記移相回路の出力を前段の前記移相回
    路に帰還させ、前記2つの移相回路のいずれかから前記
    正弦波信号を出力することを特徴とする受信機。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれかにおいて、 前記同調増幅器内に含まれる2つの移相回路内の前記直
    列回路を構成する抵抗の少なくともいずれか一つを可変
    抵抗により形成し、前記可変抵抗の抵抗値を変えること
    で同調周波数を可変することを特徴とする受信機。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16のいずれかにおいて、 前記アンテナを棒状あるいは紐状の導電性材料により形
    成することを特徴とする受信機。
  18. 【請求項18】 請求項1〜17のいずれかにおいて、 前記差動入力増幅器は演算増幅器であることを特徴とす
    る受信機。
  19. 【請求項19】 請求項1〜18のいずれかにおいて、 構成部品を半導体基板上に一体形成したことを特徴とす
    る受信機。
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