JPH09252233A - 同調制御方式 - Google Patents

同調制御方式

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JPH09252233A
JPH09252233A JP3758396A JP3758396A JPH09252233A JP H09252233 A JPH09252233 A JP H09252233A JP 3758396 A JP3758396 A JP 3758396A JP 3758396 A JP3758396 A JP 3758396A JP H09252233 A JPH09252233 A JP H09252233A
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tuning
phase shift
resistor
circuit
input
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Takeshi Ikeda
毅 池田
Akira Okamoto
明 岡本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 集積化に適しており、集積化した場合であっ
ても同調周波数の変動を防止することができる同調制御
方式を提供すること。 【解決手段】 この同調制御方式が適用される同調機構
は、制御電圧に応じて同調周波数が変更可能な同調増幅
器1、位相比較器、チャージポンプおよびローパスフィ
ルタを含んだ位相同期ループとなっている。同調増幅器
1は、縦続接続された移相回路10C、30Cおよび分
圧回路60と、帰還抵抗70および入力抵抗74からな
る加算回路とを含んで構成され、2つの移相回路10C
および30Cの全体による位相シフト量が360°とな
る周波数で所定の同調動作を行う。移相回路10Cに含
まれる可変抵抗16の抵抗値をローパスフィルタの出力
電圧に応じて変化させることにより、同調増幅器1の同
調周波数が一定に制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、設定された所定の
周波数信号のみを通過させる同調制御方式に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】同調
増幅器として従来より能動素子およびリアクタンス素子
を使用した各種の増幅回路が提案され実用化されてい
る。
【0003】例えばLC共振を利用した従来の同調増幅
器は、同調周波数を調整するとLC回路に依存するQと
利得が変化し、最大減衰量を調整すると同調周波数や同
調周波数での利得が変化する。
【0004】このように、従来の同調増幅器において
は、同調周波数、同調周波数における利得、最大減衰量
を互いに干渉しあうことなく調整することは極めて困難
であった。また、同調周波数および最大減衰量を調整し
得る同調増幅器を集積回路によって形成することは困難
であった。
【0005】また、同調増幅器に含まれるインダクタ以
外の構成を半導体基板上に形成したとしても、抵抗やキ
ャパシタの各素子定数が製造ロット毎、あるいは使用温
度等によってばらつくため、安定した同調周波数を得る
ことは難しく、実用的でなかった。
【0006】本発明は、このような点に鑑みて創作され
たものであり、その目的は集積化に適しており、集積化
した場合であっても同調周波数の変動を防止することが
できる同調制御方式を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の同調制御方式は、後段の移相回路から
出力された帰還信号と入力信号とを加算して前段の移相
回路に入力する同調増幅器を備え、同調増幅器を含む同
調制御方式全体の構成を、一般的に発振器の周波数制御
に用いられているPLL構成と同様の構成としたため、
同調周波数の変動を防止でき、安定した同調出力が得ら
れる。
【0008】また、請求項2の同調制御方式は、キャパ
シタあるいはインダクタによるリアクタンス素子と第3
の抵抗とで構成される直列回路を同調増幅器の内部に設
けるため、制御電圧に応じて直列回路の時定数を変更す
ることで、同調周波数を変更できる。
【0009】また、請求項3の同調制御方式は、さらに
各移相回路内の差動入力増幅器の出力端子に第1の分圧
回路を接続するため、各移相回路の利得を1より大きく
できる。
【0010】また、請求項4の同調制御方式は、移相回
路内に分圧回路を設ける代わりに、一方端が差動入力増
幅器の反転入力端子に接続され他方端が接地された第3
の抵抗を設ける。第1の抵抗の抵抗値よりも第2の抵抗
の抵抗値を大きくすることにより、分圧回路を設けなく
ても、移相回路の利得を1より大きくできる。
【0011】また、請求項5の同調制御方式は、請求項
2〜4の移相回路を任意に組み合わせて同調増幅器を構
成する。
【0012】また、請求項6、7の同調制御方式は、直
列回路を構成する抵抗およびリアクタンス素子の接続の
仕方を、縦続接続された2つの移相回路において反対あ
るいは同じにするため、双方の移相回路を合わせた位相
シフト量が所定の周波数で360°になる。
【0013】また、請求項8の同調制御方式は、縦続接
続された2つの移相回路によって形成される帰還ループ
の一部に非反転回路を挿入するため、非反転回路の利得
を調整することで、同調増幅器のループゲインをほぼ1
に設定できる。
【0014】また、請求項9、10の同調制御方式は、
2つの移相回路によって形成される帰還ループの一部に
位相反転回路を挿入するため、位相シフト方向が等しい
同一タイプの移相回路を縦続接続して同調増幅器を構成
できる。
【0015】また、請求項11の同調制御方式は、前段
の移相回路のさらに前段にトランジスタによるホロワ回
路を接続しており、前段の移相回路の入力部分で生じる
損失を低減することができる。
【0016】また、請求項12の同調制御方式は、縦続
接続された2つの移相回路によって形成される帰還ルー
プの一部に第3の分圧回路を接続し、分圧前の信号を同
調出力としているため、同調増幅器の利得を1以上に設
定することができる。
【0017】また、請求項13の同調制御方式は、同調
増幅器内に含まれる2つの移相回路内の直列回路を構成
する抵抗の少なくとも一方を、制御電圧により抵抗値を
変更できる可変抵抗により形成するため、同調周波数を
簡易に変更できる。
【0018】また、請求項14の同調制御方式は、移相
回路内の差動入力増幅器を演算増幅器で構成するため、
同調増幅器の動作の安定度を増すことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の同調制御方式を適
用した一実施形態の同調機構について、図面を参照しな
がら具体的に説明する。
【0020】図1は、一実施形態の同調機構の構成を示
す図である。同図に示す同調機構は、同調増幅器1、位
相比較器(PD)2、発振器(OSC)3、チャージポ
ンプ(CP)4およびローパスフィルタ(LPF)5を
含んで構成されている。
【0021】同調増幅器1は、印加される制御電圧に応
じて同調周波数が設定される電圧制御型の回路であり、
入力信号の中から同調周波数近傍のものだけを選択して
出力する。この同調増幅器1の詳細構成および動作につ
いては後述する。
【0022】位相比較器2は、2入力の位相および周波
数比較を行うものであり、一方の入力端Aには同調増幅
器1から出力される所定周波数の信号が、他方の入力端
子Bには発振器3から出力される所定周波数の信号(基
準周波数信号)がそれぞれ入力されている。また、位相
比較器2は、2つの出力端X、Yを有している。
【0023】例えば、位相比較器2の2入力の周波数が
等しい場合には、この2つの出力端X、Yのそれぞれか
らは、入力信号に同期したパルス幅の等しいパルスが交
互に出力される。また、一方の入力端Aに入力される信
号の周波数の方が、他方の入力端Bに入力される発振器
3の出力周波数よりも高い場合には、2つの入力端に入
力される信号の周波数の差に応じて、一方の出力端Xの
出力のパルス幅が他方の出力端Yの出力のパルス幅より
も広くなる。反対に、一方の入力端Aに入力される信号
の周波数の方が、他方の入力端Bに入力される発振器3
の出力周波数よりも低い場合には、2つの入力端に入力
される信号の周波数の差に応じて、一方の出力端Yの出
力のパルス幅が他方の出力端Xの出力のパルス幅よりも
広くなる。
【0024】発振器3は、一定に制御したい同調周波数
と周波数が等しい基準周波数信号を発生する。発振器3
の出力波形は、歪みの少ない正弦波である必要はなく矩
形波あるいは歪んだ正弦波であってもよい。また、同調
周波数の安定化を図る場合には、発振器3の構成を、水
晶振動子を用いたPLL(位相同期ループ)構成とする
ことが好ましい。
【0025】図2は、PLL構成の発振器3の一例を示
す図である。同図に示す発振器3は、安定した周波数の
基準信号frを発生する発振器(OSC)300と、こ
の基準信号frと帰還信号の位相および周波数比較を行
う位相比較器(PD)302と、位相比較器302によ
る比較結果に応じて出力電圧が変化するチャージポンプ
(CP)304と、チャージポンプ304の出力から高
周波成分を除去するローパスフィルタ(LPF)306
と、ローパスフィルタ306の出力電圧に応じて発振周
波数が制御される電圧制御型発振器(VCO)308
と、電圧制御型発振器308の出力に対して任意の分周
比N(Nは整数)の分周動作を行う分周器310とを含
んで構成されている。
【0026】発振器300は、例えば水晶振動子に生じ
る微小振動を増幅して9kHzの基準信号frを発生さ
せている。また、分周器310は、例えば外部からのデ
ータ入力により分周比Nが任意に設定可能なプログラマ
ブルカウンタによって構成されており、分周比Nを1ず
つ連続的に変化させることができる。したがって、この
分周器310の分周比Nを変化させたときに、電圧制御
型発振器308からは9kHz間隔のステップ状の基準
周波数信号が出力される。
【0027】図1に示すチャージポンプ4は、内部にコ
ンデンサを有しており、このコンデンサの充放電を位相
比較器2の2つの出力端X、Yから出力される2種類の
パルス列に応じて行っている。例えば、位相比較器2の
出力端Xからパルスが出力されたときにそのパルス幅に
対応する時間だけ放電が行われ、出力端Yからパルスが
出力されたときにそのパルス幅に対応する時間だけ充電
が行われる。
【0028】すなわち、同調増幅器1の出力信号と発振
器3から出力される信号の周波数が等しい場合には、位
相比較器2の2つの出力端X、Yのそれぞれからは、周
期およびそれぞれのパルス幅が等しいパルス出力が交互
に出力されるため、チャージポンプ4に内蔵されたコン
デンサに対する充電量と放電量が等しくなり、チャージ
ポンプ4の出力電圧の平均レベルは所定の値が維持され
る。これに対し、位相比較器2の2入力の周波数が異な
る場合には、位相比較器2の2つの出力端X、Yのそれ
ぞれから出力されるパルス列のパルス幅に差が生じるた
め、チャージポンプ4に内蔵されたコンデンサに対する
充放電のバランスがくずれ、充電過多あるいは放電過多
の状態となり、チャージポンプ4の出力電圧の平均レベ
ルが一方向に変化する。
【0029】ローパスフィルタ5は、チャージポンプ4
の出力から高周波成分を除去して直流成分のみを取り出
すものであり、この直流成分は同調周波数を設定する制
御電圧として同調増幅器1に印加される。
【0030】上述したように、チャージポンプ4の出力
は位相比較器2の2入力の周波数が異なる間は一方向に
電圧が変化する。したがって、発振器3の出力周波数が
同調増幅器1の同調周波数と異なる場合には、ローパス
フィルタ5の出力電圧が高い方にあるいは低い方に変化
する。同調増幅器1ではこの制御電圧の変化に応じて同
調周波数が変化し、発振器3の出力周波数と一致したと
きにローパスフィルタ5の出力電圧の変化も停止し、以
後一定の同調周波数が維持される。
【0031】〔同調増幅器の第1の構成例〕図3は、上
述した同調増幅器1の詳細構成を示す回路図である。同
図に示す同調増幅器1は、それぞれが入力される交流信
号の位相を所定量シフトさせることにより所定の周波数
において合計で360°の位相シフトを行う2つの移相
回路10C、30Cと、後段の移相回路30Cの出力側
に設けられた抵抗62および64からなる分圧回路60
と、帰還抵抗70および入力抵抗74(入力抵抗74は
帰還抵抗70の抵抗値のn倍の抵抗値を有しているもの
とする)のそれぞれを介することにより分圧回路60の
分圧出力(帰還信号)と入力端子90に入力される信号
(入力信号)とを所定の割合で加算する加算回路とを含
んで構成されている。
【0032】図4は、図3に示した前段の移相回路10
Cの構成を抜き出して示したものである。同図に示す前
段の移相回路10Cは、差動入力増幅器の一種であるオ
ペアンプ12と、入力端24に入力された交流信号の位
相を所定量シフトさせてオペアンプ12の非反転入力端
子に入力する可変抵抗16およびキャパシタ14と、入
力端24とオペアンプ12の反転入力端子との間に挿入
された抵抗18と、オペアンプ12の出力端子に接続さ
れて分圧回路を構成する抵抗21および23と、この分
圧回路とオペアンプ12の反転入力端子との間に接続さ
れた抵抗20とを含んで構成されている。
【0033】このような構成を有する移相回路10Cに
おいて、抵抗18と抵抗20の抵抗値が同じに設定され
ている。また、可変抵抗16は外部からの制御電圧に応
じて抵抗値が変更可能であり、例えば、図3に示すよう
にFETのチャネルを抵抗体として用い、制御端子94
を介して外部から供給される制御電圧をゲートに印加す
ることにより抵抗値が設定されるようになっている。
【0034】図4に示す入力端24に所定の交流信号が
入力されると、オペアンプ12の非反転入力端子には、
キャパシタ14の両端に現れる電圧VC1が印加される。
また、抵抗18の両端には、可変抵抗16の両端に現れ
る電圧VR1と同じ電圧VR1が現れる。2つの抵抗18、
20には同じ電流Iが流れ、しかも、上述したように抵
抗18と抵抗20の各抵抗値が等しいので、抵抗20の
両端にも電圧VR1が現れる。オペアンプ12の反転入力
端子(電圧VC1)を基準にして考えると、抵抗18の両
端電圧VR1をベクトル的に加算したものが入力電圧Ei
に、抵抗20の両端電圧VR1をベクトル的に減算したも
のが抵抗21と抵抗23の接続点の電圧(分圧出力)E
o ′になる。
【0035】図5は、前段の移相回路10Cの入出力電
圧とキャパシタ等に現れる電圧との関係を示すベクトル
図である。
【0036】上述したように、オペアンプ12の非反転
入力端子に印加される電圧VC1を基準に考えると、入力
電圧Ei と分圧電圧Eo ′とは電圧VR1を合成する方向
が異なるだけでありその絶対値は等しくなる。したがっ
て、入力電圧Ei と分圧出力Eo ′の大きさと位相の関
係は、入力電圧Ei および分圧出力Eo ′を斜辺とし、
電圧VR1の2倍を底辺とする二等辺三角形で表すことが
でき、分圧出力Eo ′の振幅は周波数に関係なく入力信
号の振幅と同じであって、位相シフト量は図5に示すφ
1 で表されることがわかる。この位相シフト量φ1 は、
周波数に応じて0°から180°まで変化する。
【0037】また、移相回路10Cの出力端26はオペ
アンプ12の出力端子に接続されているため、抵抗21
の抵抗値をR21、抵抗23の抵抗値をR23とすると、出
力電圧Eo と上述した分圧出力Eo ′との間には、抵抗
20の抵抗値に対してR21、R23が十分小さいときはE
o =(1+R21/R23)Eo ′の関係がある。したがっ
て、R21およびR23の値を調整することにより1より大
きな利得が得られ、しかも図5に示すように周波数が変
化しても出力電圧Eo の振幅が一定であり、位相のみを
所定量シフトすることができる。
【0038】同様に、図6は図3に示した後段の移相回
路30Cの構成を抜き出して示したものである。同図に
示す後段の移相回路30Cは、差動入力増幅器の一種で
あるオペアンプ32と、入力端44に入力された信号の
位相を所定量シフトさせてオペアンプ32の非反転入力
端子に入力するキャパシタ34および抵抗36と、入力
端44とオペアンプ32の反転入力端子との間に挿入さ
れた抵抗38と、オペアンプ32の出力端子に接続され
て分圧回路を構成する抵抗41および43と、この分圧
回路とオペアンプ32の反転入力端子との間に接続され
た抵抗40とを含んで構成されている。
【0039】このような構成を有する移相回路30Cに
おいて、抵抗38と抵抗40の抵抗値が同じに設定され
ている。
【0040】図6に示した入力端44に所定の交流信号
が入力されると、オペアンプ32の非反転入力端子に
は、抵抗36の両端に現れる電圧VR2が印加される。ま
た、抵抗38の両端には、キャパシタ34の両端に現れ
る電圧VC2と同じ電圧VC2が現れる。2つの抵抗38、
40には同じ電流Iが流れ、しかも、上述したように抵
抗38と抵抗40の各抵抗値が等しいので、抵抗40の
両端にも電圧VC2が現れる。オペアンプ32の反転入力
端子(電圧VR2)を基準にして考えると、抵抗38の両
端電圧VC2をベクトル的に加算したものが入力電圧Ei
に、抵抗40の両端電圧VC2をベクトル的に減算したも
のが抵抗41と抵抗43の接続点の電圧(分圧出力)E
o ′になる。
【0041】図7は、後段の移相回路30Cの入出力電
圧とキャパシタ等に現れる電圧との関係を示すベクトル
図である。
【0042】上述したように、オペアンプ32の非反転
入力端子に印加される電圧VR2を基準に考えると、入力
電圧Ei と分圧出力Eo ′とは電圧VC2を合成する方向
が異なるだけでありその絶対値は等しくなる。したがっ
て、入力電圧Ei と分圧出力Eo ′の大きさと位相の関
係は、入力電圧Ei および分圧出力Eo ′を斜辺とし、
電圧VC2の2倍を底辺とする二等辺三角形で表すことが
でき、分圧出力Eo ′の振幅は周波数に関係なく入力信
号の振幅と同じであって、位相シフト量は図7に示すφ
2 で表されることがわかる。この位相シフト量φ2 は、
周波数に応じて180°から360°まで変化する。
【0043】また、移相回路30Cの出力端46はオペ
アンプ32の出力端子に接続されているため、抵抗41
の抵抗値をR41、抵抗43の抵抗値をR43とすると、出
力電圧Eo と上述した分圧出力Eo ′との間には、抵抗
40の抵抗値に対してR41、R43が十分小さいときはE
o =(1+R41/R43)Eo ′の関係がある。したがっ
て、R41およびR43の値を調整することにより1より大
きな利得が得られ、しかも図7に示すように周波数が変
化しても出力電圧Eo の振幅が一定であり、位相のみを
所定量シフトすることができる。
【0044】このようにして、2つの移相回路10C、
30Cのそれぞれにおいて位相が所定量シフトされ、図
5および図7に示すように、同調増幅器1全体での位相
シフト量は所定の周波数において360°となる。
【0045】また、後段の移相回路30Cの出力は、出
力端子92から同調増幅器1の出力として取り出される
とともに、この移相回路30Cの出力を分圧回路60を
通した信号が帰還抵抗70を介して前段の移相回路10
Cの入力側に帰還されている。そして、この帰還された
信号と入力抵抗74を介して入力される信号とが加算さ
れ、この加算された信号が前段の移相回路10Cに入力
される。
【0046】このように、2つの移相回路10C、30
Cによって所定の周波数における位相シフト量の合計が
360°となり、このとき2つの移相回路10C、30
C、分圧回路60および帰還抵抗70による帰還ループ
のオープンループゲインを1以下に設定することによ
り、上述した所定の周波数成分の信号のみを通過させる
同調動作が行われる。
【0047】また、同調増幅器1の出力端子92から
は、分圧回路60に入力される前の移相回路30Cの出
力が取り出されているため、同調増幅器1自体に利得を
持たせることができ、同調動作と同時に信号振幅の増幅
が可能となる。
【0048】図8は、上述した構成を有する2つの移相
回路10C、30Cおよび分圧回路60の全体を伝達関
数K1 を有する回路に置き換えたシステム図であり、伝
達関数K1 を有する回路と並列に抵抗R0 を有する帰還
抵抗70が、直列に帰還抵抗70のn倍の抵抗値(nR
0 )を有する入力抵抗74が接続されている。図9は、
図8に示すシステムをミラーの定理によって変換したシ
ステム図であり、変換後のシステム全体の伝達関数A
は、 A=Vo /Vi =K1 /{n(1−K1 )+1} ・・・(1) で表すことができる。
【0049】前段の移相回路10Cの伝達関数K2 は、
可変抵抗16とキャパシタ14からなるCR回路の時定
数をT1 (可変抵抗16の抵抗値をR、キャパシタ14
の静電容量をCとするとT1 =CR)とすると、 K2 =a1 (1−T1 s)/(1+T1 s) ・・・(2) となる。ここで、s=jωであり、a1 は移相回路10
Cの利得であってa1 =(1+R21/R23)>1であ
る。
【0050】また、後段の移相回路30Cの伝達関数K
3 は、キャパシタ34と抵抗36からなるCR回路の時
定数をT2 (キャパシタ34の静電容量をC、抵抗36
の抵抗値をRとするとT2 =CR)とすると、 K3 =−a2 (1−T2 s)/(1+T2 s) ・・・(3) となる。ここで、a2 は移相回路30Cの利得であって
2 =(1+R41/R43)>1である。
【0051】分圧回路60を介することによって信号振
幅が1/a1 2 に減衰するものとすると、2つの移相
回路10C、30Cと分圧回路60を縦続接続した場合
の全体の伝達関数K1 は、 K1 =−{1+(Ts)2 −2Ts}/{1+(Ts)2 +2Ts} ・・・(4) となる。なお、上述した(4)式においては、計算を簡
単なものとするために、各移相回路の時定数T1 、T2
をともにTとした。この(4)式を上述した(1)式に
代入すると、 A=−{1+(Ts)2 −2Ts} /〔(2n+1){1+(Ts)2 }+2Ts〕 =−{1/(2n+1)}〔{1+(Ts)2 −2Ts} /{1+(Ts)2 +2Ts/(2n+1)}〕 ・・・(5) となる。
【0052】この(5)式によれば、ω=0(直流の領
域)のときにA=−1/(2n+1)となって、最大減
衰量を与えることがわかる。また、ω=∞のときにもA
=−1/(2n+1)となって、最大減衰量を与えるこ
とがわかる。さらに、ω=1/Tの同調点(各移相回路
の時定数が異なる場合には、ω=1/√(T1 ・T2
の同調点)においてはA=1であって帰還抵抗70と入
力抵抗74の抵抗比nに無関係であることがわかる。換
言すれば、図10に示すように、nの値を変化させても
同調点がずれることなく、かつ同調点の減衰量も変化し
ない。
【0053】しかも、前段の移相回路10C内の可変抵
抗16の抵抗値を変えることにより、移相回路10Cに
含まれるCR回路の時定数を変化させることができ、同
調周波数ωをある範囲で任意に変化させることができ
る。
【0054】ところで、上述した図8において、伝達関
数K1 で示される全域通過回路が入力インピーダンスを
有する場合、帰還抵抗70とこの全域通過回路の入力イ
ンピーダンスによる分圧回路が形成されるため、全域通
過回路を含む帰還ループのオープンループゲインは伝達
関数K1 の絶対値より小さくなる。全域通過回路の入力
インピーダンスとは、前段の移相回路10Cの入力イン
ピーダンスであり、オペアンプ12の入力抵抗18に可
変抵抗16とキャパシタ14からなるCR回路の直列イ
ンピーダンスが並列に接続されて形成される入力インピ
ーダンスに他ならない。したがって、全域通過回路の入
力インピーダンスによる帰還ループのオープンループゲ
インの損失を補償するには、全域通過回路自体の利得を
1以上に設定することが必要である。
【0055】例えば、移相回路10Cに含まれる抵抗2
1、23による分圧回路を無視して考える(分圧比が1
の場合であって、上述した(2)式におけるa1 が1の
場合を考える)と、移相回路10Cは、(2)式によれ
ば、入力された周波数に応じて利得が1倍のホロワ回路
から利得が−1倍の反転増幅器としての範囲で動作しな
ければならないので、抵抗18と20の抵抗比を1以外
にすることは好ましくない。なぜなら、抵抗18、20
の各抵抗値をR18、R20とすると、移相回路10Cが反
転増幅器として動作するときの利得は−R20/R18であ
るが、ホロワ回路として動作する場合の利得は抵抗18
と抵抗20の抵抗比にかかわらず常に1であるから、抵
抗18と抵抗20の抵抗比が1でない場合には、移相回
路10Cが動作する全領域において、その入出力間の位
相だけが変化し、出力振幅が変化しない理想条件が満足
できなくなるからである。
【0056】移相回路10Cの出力側に抵抗21と抵抗
23からなる分圧回路を付加し、この分圧回路を介して
オペアンプ12の反転入力端子への帰還を施すことによ
り、抵抗18と抵抗20の抵抗比を1に保持したまま移
相回路10Cの利得を1以上に設定することが可能とな
る。同様に、移相回路30Cの出力側に抵抗41と抵抗
43からなる分圧回路を付加し、この分圧回路を介して
オペアンプ32の反転入力端子への帰還を施すことによ
り、抵抗38と抵抗40の抵抗比を1に保持したまま移
相回路30Cの利得を1以上に設定することが可能とな
る。
【0057】なお、(2)式あるいは(3)式から図
5、図7に示したφ1 (入力電圧Eiを基準として時計
回り方向に0°≦φ1 ≦180°)、φ2 (入力電圧E
i を基準として時計回り方向に180°≦φ2 ≦360
°)を求めると、 φ1 =tan{2ωT1 /(1−ω2 1 2)} ・・・(6) φ2 =tan{2ωT2 /(1−ω2 2 2)} ・・・(7) となる。
【0058】例えばT1 =T2 (=T)の場合には、ω
=1/Tのときに2つの移相回路10C、30Cによる
位相シフト量の合計が360°となって上述した同調動
作が行われ、このときφ1 =90°、φ2 =270°と
なる。
【0059】このように、上述した同調増幅器1によれ
ば、入力抵抗74の抵抗値を可変して帰還抵抗70と入
力抵抗74の抵抗比nを変えても同調周波数および同調
時の利得が一定であり、最大減衰量のみを変化させるこ
とができる。なお、帰還抵抗70と入力抵抗74の抵抗
比を変えるには、少なくとも一方を可変抵抗によって形
成すればよい。
【0060】また、移相回路10C内のCR回路を構成
する可変抵抗の抵抗値を変えることにより、このCR回
路の時定数を変化させることができるため、1/√(T
1 2 )によって算出される同調周波数ωもある範囲で
可変することができる。
【0061】また、最大減衰量は、帰還抵抗70と入力
抵抗74の抵抗比nによって決定されるため、移相回路
10C内のCR回路を構成する可変抵抗16の抵抗値を
変えて同調周波数を変えた場合であっても、この最大減
衰量に影響を与えることはなく、同調周波数や最大減衰
量を互いに干渉しあうことなく調整することができる。
【0062】また、移相回路10C内の抵抗18と抵抗
20の抵抗値を同じ値に設定するとともに移相回路30
C内の抵抗38と抵抗40の抵抗値を同じ値に設定して
いるため、同調周波数を変えた際の振幅変動を防止で
き、ほぼ一定の振幅を有する同調出力を得ることができ
る。
【0063】特に、同調出力の振幅変動を抑えたことに
より、上述した抵抗比nを大きくして同調増幅器1のQ
の値を大きくすることができる。すなわち、オープンル
ープゲインに周波数依存性があると、利得の低い周波数
では抵抗比nを大きくしてもQが上がらず、利得の高い
周波数ではオープンループゲインが1を越えて発振する
ことがある。したがって、振幅変動が大きい場合には、
このような発振を防止するために抵抗比nをあまり大き
な値に設定することができず、同調増幅器1のQの値も
小さくなる。反対に、移相回路10C、30C内に分圧
回路を接続して同調増幅器1の同調出力の振幅変動を抑
えることにより、抵抗比nを大きく設定することができ
るため、同調増幅器1のQの値を大きくすることができ
る。
【0064】また、移相回路30Cの後段に分圧回路6
0を接続して、この分圧回路60による分圧出力を帰還
信号として用いるとともに分圧前の信号を同調増幅器1
の出力として取り出すことにより、同調動作と同時に信
号の増幅を行うことができる。
【0065】また、上述した同調増幅器1は、オペアン
プ、キャパシタ、抵抗等を組み合わせて構成しており、
どの構成素子も半導体基板上に形成することができるこ
とから、同調周波数および最大減衰量を調整し得る同調
増幅器1の全体を半導体基板上に形成して集積回路とす
ることも容易である。
【0066】このように、上述した同調機構に含まれる
同調増幅器1は、外部からの制御電圧に応じて同調周波
数が設定可能であって、同調周波数を変化させた場合で
あっても出力振幅を一定にできる。また、同調増幅器1
を含む同調機構全体を、一般的に発振器の周波数制御に
用いられているPLL構成とほぼ同等の位相同期ループ
構成としたため、同調周波数の変動を確実に防止でき、
周波数の安定した同調出力を得ることができる。
【0067】また、発振器3で発生する基準信号の周波
数を変えることにより、この基準信号の周波数に追随し
て同調周波数を変化させることができるため、複数の受
信周波数を有するラジオ受信機等に上述した同調制御方
式を適用することもできる。この場合には、同調周波数
を任意に、しかも正確に変化させることができるため、
従来の受信機の多くが採用しているスーパーヘテロダイ
ン方式を用いずに受信機を構成できる。
【0068】また、図1に示した同調機構のほとんどは
半導体基板上に形成することが可能であり、半導体基板
上に形成した各素子の素子定数が製造ロットあるいは使
用温度等によって変化した場合であっても、同調増幅器
1の同調周波数を正確に所定の周波数に合わせることが
できる。
【0069】また、上述した図4の移相回路10Cと図
6の移相回路30Cを縦続接続する場合に、各移相回路
内のオペアンプ12あるいは32の出力端に接続された
分圧回路のうち、いずれか一方の分圧回路を省略しても
よい。あるいは、双方の分圧回路を省略し、抵抗18お
よび20の抵抗比と、抵抗38および40の抵抗比とを
調整することにより、同調増幅器1全体での利得が1以
上になるようにしてもよい。
【0070】〔同調増幅器の第2の構成例〕図1に示し
た同調機構に含まれる同調増幅器1は各移相回路10
C、30CをCR回路を含んで構成したが、CR回路を
抵抗とインダクタからなるLR回路に置き換えた移相回
路を用いて同調増幅器を構成することもできる。
【0071】図11は、LR回路を含む移相回路の他の
構成を示す回路図であり、図3に示した同調増幅器1の
前段の移相回路10Cと置き換え可能な構成が示されて
いる。同図に示す移相回路10Lは、図4に示した移相
回路10C内のキャパシタ14と可変抵抗16からなる
CR回路を、可変抵抗16とインダクタ17からなるL
R回路に置き換えた構成を有しており、抵抗18と抵抗
20の各抵抗値が同じ値に設定されている。
【0072】したがって、上述した移相回路10Lの入
出力電圧等の関係は、図12のベクトル図に示すよう
に、図5に示した電圧VC1を可変抵抗16の両端電圧V
R3に、図5に示した電圧VR1をインダクタ17の両端電
圧VL1にそれぞれ置き換えて考えることができる。
【0073】また、図11に示した移相回路10Lの伝
達関数は、インダクタ17と可変抵抗16からなるLR
回路の時定数をT1 (インダクタ17のインダクタンス
をL、可変抵抗16の抵抗値をRとするとT1 =L/
R)とすると、(2)式に示したK2 をそのまま適用で
き、図12に示す位相シフト量φ3 も上述した(6)式
に示したφ1 と同じになる。
【0074】このように、図11に示す移相回路10L
は、図4に示した移相回路10Cと位相シフト量φ3 お
よび位相のシフト方向が同じであるため、移相回路10
Cを移相回路10Lに置き換えることも可能である。
【0075】ところで、移相回路10Cを含んで同調増
幅器1を構成したときに、図3に示す制御端子94に印
加する制御電圧を低くして可変抵抗16の抵抗値を大き
くした場合には、電圧VR1が大きくなることから、図5
から明らかなように位相シフト量φ1 が増大する。この
ため、同調増幅器1においては、2つの移相回路を合わ
せた位相シフト量が360°になるように、同調周波数
が低くなる。一方、移相回路10Lを含んで同調増幅器
1を構成したときに、上述した制御電圧を低くして可変
抵抗16の抵抗値を大きくした場合には、電圧VR3が大
きくなることから、図12から明らかなように位相シフ
ト量φ3 が減少する。このため、同調増幅器1において
は、2つの位相回路を合わせた位相シフト量φ3 が36
0°になるように、同調周波数が高くなる。
【0076】このように、同調増幅器1の内部に、移相
回路10Cを含む場合と、移相回路10Lを含む場合で
は、同調周波数の制御方向が反対になるため、図1に示
す同調機構において単に移相回路10Cを移相回路10
Lに置き換えただけでは、同調周波数は安定しない。し
たがって、移相回路10Cを移相回路10Lに置き換え
る場合には、図1に示す位相比較器2の入力端A、Bと
同調増幅器1および発振器3との接続を逆にするか、あ
るいは位相比較器2の出力端X、Yとチャージポンプ4
との接続とを逆にする必要がある。
【0077】このように、図3に示す移相回路10C
は、位相比較器2の入力端子A、Bあるいは出力端子
X、Yの接続を一部変更することにより、移相回路10
Lに置き換えが可能である。また、図11に示した抵抗
18と20の各抵抗値は同じ値に設定されているため、
同調周波数を可変した際の振幅変動がなく、ほぼ一定の
同調出力を得ることができる。
【0078】図13は、LR回路を含む移相回路の他の
構成を示す回路図であり、図3に示した同調増幅器1の
後段の移相回路30Cと置き換え可能な構成が示されて
いる。同図に示す移相回路30Lは、図6に示した後段
の移相回路30C内のキャパシタ34と可変抵抗36か
らなるCR回路を、抵抗36とインダクタ37からなる
LR回路に置き換えた構成を有しており、抵抗38と抵
抗40の各抵抗値は同じ値に設定されている。
【0079】したがって、上述した移相回路30Lの入
出力電圧等の関係は、図14のベクトル図に示すよう
に、図7に示した電圧VR2をインダクタ37の両端電圧
VL2に、図7に示した電圧VC2を抵抗36の両端電圧V
R4にそれぞれ置き換えて考えることができる。
【0080】また、図13に示す移相回路30Lの伝達
関数は、抵抗36とインダクタ37からなるLR回路の
時定数をT2 (抵抗36の抵抗値をR、インダクタ37
のインダクタンスをLとするとT2 =L/R)とする
と、(3)式に示したK3 をそのまま適用でき、図14
に示す位相シフト量φ4 も上述した(7)式に示したφ
2 と同じになる。
【0081】このように、図13に示す移相回路30L
は、図6に示した移相回路30Cと基本的に等価であ
り、図6に示した移相回路30Cから図13に示した移
相回路30Lへの置き換えが可能であることがわかる。
また、図13に示した抵抗38と40の各抵抗値は同じ
値に設定されているため、同調周波数を可変した際の振
幅変動がなく、ほぼ一定の同調出力を得ることができ
る。
【0082】また、図3に示した2つの移相回路10C
および30Cのいずれか一方、あるいは両方を図10、
12に示した移相回路10L、30Lに置き換えてもよ
い。2つの移相回路10C、30Cの両方を移相回路1
0L、30Lに置き換えた場合には、同調増幅器全体を
集積化することにより同調周波数の高周波化が容易とな
る。
【0083】また、2つの移相回路10C、30Cのい
ずれか一方のみを移相回路10Lあるいは30Lに置き
換えた場合であって、LR回路を構成するインダクタを
含めて、あるいはこのインダクタを除く同調回路全体を
集積化した場合には、温度変化による同調周波数の変動
を防止する、いわゆる温度補償が可能となる。
【0084】上述した図11の移相回路10Lと図13
の移相回路30Lを縦続接続する場合に、各移相回路内
のオペアンプ12あるいは32の出力端に接続された分
圧回路のうち、いずれか一方の分圧回路を省略してもよ
い。あるいは、双方の分圧回路を省略し、抵抗18およ
び20の抵抗比と、抵抗38および40の抵抗比とを調
整することにより、同調増幅器1全体での利得が1以上
になるようにしてもよい。
【0085】〔同調増幅器の第3の構成例〕図15は、
同調増幅器の第3の構成例を示す回路図である。同図に
示す同調増幅器1Aは、それぞれが入力される交流信号
の位相を所定量シフトさせることにより所定の周波数に
おいて合計で360°の位相シフトを行う2つの移相回
路110C、130Cと、帰還抵抗70および入力抵抗
74(入力抵抗74は帰還抵抗70の抵抗値のn倍の抵
抗値を有しているものとする)のそれぞれを介すること
により後段の移相回路130Cの出力(帰還信号)と入
力端子90に入力される信号(入力信号)とを所定の割
合で加算する加算回路とを含んで構成されている。
【0086】図2に示した同調増幅器1においては、前
段の移相回路10C内の抵抗18と抵抗20の各抵抗値
を同じに設定することで、入力される交流信号の周波数
が変わったときの振幅変化を抑え、オペアンプ12の出
力側に抵抗21と23による分圧回路を接続すること
で、移相回路10Cの利得を1より大きな値に設定して
いる。これに対し、図15に示す同調増幅器1Aに含ま
れる前段の移相回路110Cは、上述した抵抗21、2
3による分圧回路を用いずに、抵抗18′の抵抗値より
も抵抗20′の抵抗値を大きく設定することにより、移
相回路110Cの利得を1より大きな値に設定してい
る。
【0087】後段の移相回路130Cについても同様で
あり、抵抗38′の抵抗値よりも抵抗40′の抵抗値を
大きく設定することで、移相回路130Cの利得を1よ
り大きな値に設定している。また、移相回路130Cの
出力端子には、帰還抵抗70、出力端子92および抵抗
78が接続されている。
【0088】なお、図15に示す同調増幅器1Aにおい
ては、後段の移相回路130Cのさらに後段に分圧回路
を接続し、その分圧出力を帰還抵抗70を介して帰還さ
せるようにしてもよい。
【0089】ところで、上述したように、各抵抗の値を
設定して移相回路の利得を1より大きな値にすると、入
力される信号の周波数に応じて利得変動が生じる。例え
ば、前段の移相回路110Cについて考えると、入力信
号の周波数が低い場合には移相回路110Cはボルテー
ジホロワ回路となるためこのときの利得は1倍となるの
に対し、周波数が高い場合には移相回路110Cは反転
増幅器となるためこのときの利得は−m倍(mは抵抗2
0′と抵抗18′の抵抗比)となり、入力信号の周波数
が変化したときに移相回路110Cの利得も変化して出
力信号の振幅変動が生じる。
【0090】このような振幅変動は、オペアンプ12の
反転入力端子に抵抗22を接続して、入力信号の周波数
が低い場合と高い場合の利得を一致させることにより抑
えることができる。具体的には、抵抗18′の抵抗値を
r、抵抗20′の抵抗値をmrとすると、抵抗22の抵
抗値をmr/(m−1)に設定することにより、入力信
号の周波数が0と無限大のときの移相回路110Cの各
利得を一致させることができる。同様に、移相回路13
0Cについてもオペアンプ32の反転入力端子に所定の
抵抗値を有する抵抗42を接続することにより、出力信
号の振幅変動を抑えることができる。なお、抵抗22お
よび抵抗42の一方端はグランドレベル以外の固定電位
に接続してもよい。
【0091】このように、同調増幅器1Aを分圧回路を
有しない2つの移相回路110C、130Cを用いて構
成することもでき、また、同調増幅器1を含む同調機構
全体を、一般的に発振器の周波数制御に用いられている
PLL構成とほぼ同等の位相同期ループ構成としたた
め、同調周波数の変動を確実に防止でき、周波数の安定
した同調出力を得ることができる。具体的には、このよ
うな同調機構によって容易に同調周波数の変動を防止で
き、周波数が安定した同調出力を得ることができる。ス
ーパーヘテロダイン方式を用いることなく受信機を構成
することができる。また、半導体基板上に形成した各素
子の素子定数が製造ロットあるいは使用温度等によって
変化した場合であっても同調周波数を正確に所定の周波
数に合わせることができる。
【0092】〔同調増幅器の第4の構成例〕図15に示
す同調増幅器1Aでは、移相回路110Cおよび130
C内にCR回路を含む例を説明したが、CR回路の代わ
りにLR回路を含む場合にも、同様の移相回路を構成で
きる。
【0093】図16は、LR回路を含む移相回路の構成
を示す回路図であり、図15に示した同調増幅器1Aの
前段の移相回路110Cと置き換え可能な構成が示され
ている。同図に示す移相回路110Lは、図15に示し
た前段の移相回路110C内のキャパシタ14と可変抵
抗16からなるCR回路を、可変抵抗16とインダクタ
17からなるLR回路に置き換えた構成を有している。
【0094】なお、前述したように、移相回路110C
と移相回路110Lでは、可変抵抗16の制御電圧を変
更したときの位相シフト方向が反対であるため、単に図
15に示す同調増幅器1A内の移相回路110Cを移相
回路110Lに置き換えただけでは、同調周波数は安定
せず、図1に示す位相比較器2の入力端A、Bと同調増
幅器1および発振器3との接続を逆にするか、あるいは
位相比較器2の出力端X、Yとチャージポンプ4との接
続とを逆にする必要がある。
【0095】また、図17はLR回路を含む移相回路の
他の構成を示す回路図であり、図15に示した同調増幅
器1Aの後段の移相回路130Cと置き換え可能な構成
が示されている。同図に示す移相回路130Lは、図1
5に示した後段の移相回路130C内の抵抗36とキャ
パシタ34からなるCR回路を、インダクタ37と抵抗
36からなるLR回路に置き換えた構成を有している。
【0096】図16に示した移相回路110Lおよび図
17に示した移相回路130Lのそれぞれは、図15に
示した移相回路110Cおよび130Cと等価であり、
図15に示した同調増幅器1Aにおいて、前段の移相回
路110Cを図16に示した移相回路110Lに、後段
の移相回路130Cを図17に示した移相回路130L
にそれぞれ置き換えることが可能である。2つの移相回
路110C、130Cのそれぞれを移相回路110L、
130Lに置き換えた場合には、同調増幅器全体を集積
化することにより同調周波数の高周波化が容易となる。
また、2つの移相回路110C、130Cのいずれか一
方、あるいは両方を移相回路110Lあるいは130L
に置き換えるようにしてもよい。この場合には、温度変
化に対する同調周波数の変動を抑制する効果がある。
【0097】ところで、図15に示した同調増幅器1A
は、2つの移相回路110C、130Cのそれぞれに抵
抗22あるいは42を接続することにより、同調周波数
を可変したときの振幅変動を防止したが、周波数の可変
範囲が狭い場合には振幅変動も少なくなるため上述した
抵抗22、42を取り除いて同調増幅器を構成すること
もできる。あるいは、一方の抵抗22あるいは42のみ
を取り除いて同調増幅器を構成することもできる。
【0098】上述した同調増幅器の第1〜第4の構成例
において、2つの移相回路10Cおよび30C等を含む
全域通過回路と帰還抵抗70からなる帰還ループのオー
プンループゲインの損失は、前段の移相回路10C等の
入力インピーダンスに起因するものであるから、この入
力インピーダンスに起因する損失の発生を抑えるため
に、前段の移相回路10C等のさらに前段にトランジス
タによるホロワ回路を挿入し、帰還される信号をこのホ
ロワ回路を介して前段の移相回路10C等に入力するよ
うにしてもよい。
【0099】このように、前段の移相回路10C等のさ
らに前段にトランジスタによるホロワ回路を縦続接続す
れば、図2等に示した同調増幅器1等と比較して、帰還
抵抗70および入力抵抗74の抵抗値を高く設定するこ
とができる。特に、同調増幅器1等を半導体基板上に集
積化するような場合には、帰還抵抗70等の抵抗値を小
さくしようとすると素子の占有面積を大きくしなければ
ならないため、ある程度抵抗値が大きい方が好ましく、
ホロワ回路を接続する意義がある。
【0100】〔同調増幅器の第5の構成例〕図2に示し
た同調増幅器1では、2つの移相回路10Cと30Cを
合わせた位相シフト量を360°としているが、縦続接
続された移相回路10Cと30Cに、位相をシフトさせ
ない非反転回路を接続して同調増幅器を構成してもよ
い。
【0101】図18は、2つの移相回路の前段に非反転
回路50を接続した同調増幅器1Bの構成を示す回路図
である。同図に示すように、同調増幅器1Bは、図4に
示した移相回路10Cから抵抗21および23を省いた
構成を有する移相回路210Cと、図6に示した移相回
路30Cから抵抗41および43を省いた構成を有する
移相回路230Cと、移相回路210Cの前段に接続さ
れた非反転回路50と、抵抗62および64からなる分
圧回路60と、帰還抵抗70および入力抵抗74からな
る加算回路とで構成される。
【0102】このように、各移相回路210C、230
Cは、オペアンプ12あるいは32の出力端子に接続さ
れた分圧回路を省いた以外は図3に示した各移相回路1
0C、30Cと同様であり、入出力電圧の関係や位相シ
フト量については、上述した図5あるいは図7をそのま
ま適用することができる。
【0103】非反転回路50は、反転入力端子が抵抗5
4を介して接地されているとともに、この反転入力端子
と出力端子との間に抵抗56が接続されたオペアンプ5
2により構成されており、2つの抵抗54、56の抵抗
比によって定まる所定の増幅度を有する。
【0104】移相回路210Cは、抵抗18および20
の各抵抗値が同じであるため、利得が1となる。同様
に、移相回路230Cも抵抗38および40の各抵抗値
が同じであるため、利得が1となる。したがって、上述
した同調増幅器1Bでは、各移相回路で利得を稼ぐ代わ
りに、上述した非反転回路50の利得を1より大きな値
に設定している。
【0105】このような構成を有する非反転回路50
は、入力信号の位相を変えずに出力しており、この増幅
度を調整することにより、分圧回路60による信号振幅
の減衰や帰還ループで生じる損失を補うことが容易とな
る。また、非反転回路50は、上述したトランジスタに
よるホロワ回路と同様に、前段の移相回路210Cのさ
らに前段に接続されたバッファとしても機能する。
【0106】なお、図18に示す非反転回路50は、図
3や図15に示した同調増幅器1、1Aの前段等に接続
してもよい。
【0107】〔同調増幅器の第6の構成例〕上述した各
同調増幅器1、1A、1Bは、2つの移相回路による位
相シフト量の合計が360°となる周波数で所定の同調
動作を行っていたが、基本的に同じ動作を行う2つの移
相回路を組み合わせて同調増幅器を構成することによ
り、2つの移相回路による位相シフト量の合計が180
°となる周波数で所定の同調動作を行うようにしてもよ
い。
【0108】図19は同調増幅器の第6の構成例を示す
回路図であって、図18の後段の移相回路230Cの代
わりに移相回路210C′を接続し、非反転回路50の
代わりに位相反転回路80を接続したものである。後段
の移相回路210C′は、可変抵抗16の代わりに抵抗
値が固定の抵抗15が接続されている他は、前段の移相
回路210Cと同じ構成を有している。
【0109】位相反転回路80は、入力される交流信号
が抵抗84を介して反転入力端子に入力されるとともに
非反転入力端子が接地されたオペアンプ82と、このオ
ペアンプ82の反転入力端子と出力端子との間に接続さ
れた抵抗86とにより構成されている。抵抗84を介し
てオペアンプ82の反転入力端子に交流信号が入力され
ると、オペアンプ82の出力端子からは位相が反転した
逆相の信号が出力され、この逆相の信号が前段の移相回
路210Cに入力される。また、この位相反転回路80
は、2つの抵抗84、86の抵抗比によって定まる所定
の増幅度を有しており、抵抗84の抵抗値より抵抗86
の抵抗値を大きくすることにより1より大きな利得が得
られる。
【0110】ところで、上述したように、2つの移相回
路210Cおよび210C′のそれぞれは、入力信号の
周波数ωが0から∞まで変化するに従って、入力電圧E
i を基準として時計回り方向に0°から180°まで位
相がシフトする。例えば、2つの移相回路210Cおよ
び210C′内のCR回路の時定数が同じであると仮定
し、これをTとおくと、ω=1/Tの周波数では2つの
移相回路210Cおよび210C′のそれぞれにおける
位相シフト量が90°となる。したがって、2つの移相
回路210Cおよび210C′の全体によって位相が1
80°シフトされ、しかも2つの移相回路210Cおよ
び210C′の前段に接続された位相反転回路80によ
って位相が反転されるため、全体として、位相が一巡し
て位相シフト量が360°となる信号が後段の移相回路
210C′から出力される。
【0111】また、上述した同調増幅器1Cでは、各移
相回路で利得を稼ぐ代わりに、上述した位相反転回路8
0の利得を1より大きな値に設定しており、分圧回路6
0による信号振幅の減衰や帰還ループで生じる損失を補
うことが容易となる。
【0112】〔同調増幅器の第7の構成例〕図19に示
した同調増幅器1Cは、移相回路210Cおよび210
C′を縦続接続する例を示したが、図18に示した移相
回路230Cおよび230C′を縦続接続した場合も同
調動作を行わせることができる。
【0113】図20は、同調増幅器の第7の構成例を示
す回路図であって、図19の移相回路210Cおよび2
10C′の代わりに、移相回路230C′および230
Cを縦続接続したものである。前段の移相回路230
C′は、抵抗36の代わりに可変抵抗35が接続されて
いる他は、後段の移相回路230Cと同じ構成を有して
いる。
【0114】図20の各移相回路230Cおよび230
C′は、図7に示したように、入力信号の周波数ωが0
から∞まで変化するに従って、入力電圧Ei を基準とし
て時計回り方向に180°から360°まで位相がシフ
トする。例えば、2つの移相回路230C′および23
0C内のCR回路の時定数が同じであると仮定し、これ
をTとおくと、ω=1/Tの周波数では、2つの移相回
路230C′および230Cのそれぞれにおける位相シ
フト量が270°となる。したがって、2つの移相回路
210C′および210Cの全体によって位相が180
°シフトされ、しかも2つの移相回路230C′および
230Cの前段に接続された位相反転回路80によって
位相が反転されるため、全体として、位相が一巡して位
相シフト量が360°となる信号が後段の移相回路23
0Cから出力される。
【0115】また、図19に示した同調増幅器1Cと同
様に、上述した同調増幅器1Dでは、各移相回路で利得
を稼ぐ代わりに、上述した位相反転回路80の利得を1
より大きな値に設定しており、分圧回路60による信号
振幅の減衰や帰還ループで生じる損失を補うことが容易
となる。
【0116】また、図18〜20に示した同調増幅器1
B、1C、1Dは、いずれも2つの移相回路をCR回路
を含んで構成したが、LR回路を含んで構成するように
してもよい。具体的には、図18に示した同調増幅器1
Bにおいて、前段の移相回路210Cを図16に示した
移相回路110Lから抵抗22を省略した移相回路に置
き換えるか、あるいは後段の移相回路230Cを図17
に示した移相回路130Lから抵抗42を省略した移相
回路に置き換えてもよい。同様に、図19に示した同調
増幅器1Cにおいて、前段の移相回路210Cを図16
に示した移相回路110Lから抵抗22を省略した移相
回路に置き換えるか、あるいは後段の移相回路230C
を図16に示した移相回路110Lから抵抗22を省略
した移相回路に置き換えて可変抵抗16を抵抗値が固定
の抵抗とした移相回路に置き換えてもよい。同様に、図
20に示した同調増幅器1Dにおいて、前段の移相回路
230C′を図17に示した移相回路130Lから抵抗
42を省略して抵抗36を可変抵抗とした移相回路に置
き換えるか、あるいは後段の移相回路230Cを図17
に示した移相回路130Lから抵抗42を省略した移相
回路に置き換えてもよい。
【0117】なお、図18〜20に示した同調増幅器1
B、1C、1Dにおいて、信号振幅の増幅を行わずに同
調動作のみを行わせたい場合には、分圧回路60を省略
すればよい。また、2つの移相回路内のオペアンプの少
なくとも一方の出力端に分圧回路を接続してもよい。例
えば、図18の同調増幅器1Bにおいて、前段の移相回
路210C内のオペアンプ12の出力端と、後段の移相
回路230C内のオペアンプ32の出力端にそれぞれ分
圧回路を接続すれば、図3に示した同調増幅器1内の前
段の移相回路10Cのさらに前段に非反転回路50を接
続した構成と同じになる。
【0118】また、上述したホロワ回路、非反転回路お
よび位相反転回路の接続位置は、縦続接続された移相回
路のさらに前段側とは限らず、各移相回路の間、あるい
は後段の移相回路のさらに後段側に接続してもよい。
【0119】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施
が可能である。
【0120】例えば、上述した同調増幅器1等や局部発
振回路8等では、前段に移相回路10Cや110Cや2
10Cを、後段に30Cや130Cや230Cをそれぞ
れ配置したが、2つの移相回路全体で入出力信号間の位
相シフト量が360°となればよいことから、前後を入
れ替えて前段に移相回路30Cや130Cや230C
を、後段に移相回路10Cや110Cや210Cをそれ
ぞれ配置して同調増幅器や局部発振回路を構成してもよ
い。すなわち、図4、図6、図11、図13、図16お
よび図17に示す各移相回路、あるいは図4、図6、図
11および図13に示す各移相回路から分圧回路を省略
した移相回路、あるいは図16および図17に示す各移
相回路から抵抗22、42を省略した移相回路のうち、
いずれか2つの移相回路を縦続接続して同調増幅器を構
成してもよい。
【0121】また、上述した同調増幅器1等に含まれる
移相回路10C等には可変抵抗16が含まれている。こ
の可変抵抗16はさらに具体的には接合型あるいはMO
S型の電界効果トランジスタ(FET)のチャネル抵抗
を利用して実現することができる。FETのソース・ド
レイン間に形成されるチャネルを抵抗体として利用して
可変抵抗16の代わりに使用すると、ゲート電圧を可変
に制御してこのチャネル抵抗をある範囲で任意に変化さ
せて各移相回路における位相シフト量を変えることがで
きる。
【0122】また、可変抵抗を1つのFET、すなわち
pチャネルあるいはnチャネルのFETによって構成す
る代わりに、pチャネルのFETとnチャネルのFET
とを並列接続して1つの可変抵抗を構成し、各FETの
ゲートとサブストレート間に大きさが等しく極性が異な
るゲート電圧を印加して抵抗値を可変してもよい。2つ
のFETを組み合わせて可変抵抗を構成すれば、FET
の非線形領域の改善を行うことができるため、同調信号
の歪みを軽減できる。
【0123】また、上述した各実施形態において示した
移相回路10C等は、キャパシタ14等と直列に接続さ
れた可変抵抗16等の抵抗値を変化させて位相シフト量
を変化させることにより全体の同調周波数を変えるよう
にしたが、キャパシタ14等の静電容量を変化させるこ
とにより全体の同調周波数を変えるようにしてもよい。
【0124】例えば、2つの移相回路の中の少なくとも
一方に含まれるキャパシタ14等を可変容量素子に置き
換えてこの静電容量を可変することにより、各移相回路
による移相シフト量を変化させて同調周波数を変えるこ
とができる。さらに具体的には、上述した可変容量素子
をアノード・カソード間に印加する逆バイアス電圧が変
更可能な可変容量ダイオードによって、あるいはゲート
電圧によってゲート容量が変更可能なFETによって形
成することができる。
【0125】なお、上述した可変容量素子に印加する逆
バイアス電圧を可変するには、この可変容量素子と直列
に直流電流阻止用のキャパシタを接続すればよい。
【0126】また、上述した同調増幅器1等では、帰還
インピーダンス素子として抵抗値が固定の帰還抵抗70
を用い、入力インピーダンス素子として抵抗値が固定の
入力抵抗74を用いるようにしたが、少なくとも一方の
抵抗を可変抵抗により構成して、同調増幅器1等におけ
る同調帯域幅を可変するようにしてもよい。
【0127】また、上述した各実施形態においては、オ
ペアンプを用いて移相回路10C、30C等を構成する
ことにより安定度の高い回路を構成することができる
が、上述した各実施形態のような使い方をする場合には
オフセット電圧や電圧利得はそれほど高性能なものが要
求されないため、所定の増幅度を有する差動入力増幅器
を各移相回路内のオペアンプの代わりに使用するように
してもよい。
【0128】図21は、オペアンプの構成の中で各実施
形態の移相回路の動作に必要な部分を抽出した回路図で
あり、全体が所定の増幅度を有する差動入力増幅器とし
て動作する。同図に示す差動入力増幅器は、FETによ
り構成された差動入力段100と、この差動入力段10
0に定電流を与える定電流回路102と、定電流回路1
02に所定のバイアス電圧を与えるバイアス回路104
と、差動入力段100に接続された出力アンプ106と
によって構成されている。同図に示すように、実際のオ
ペアンプに含まれている電圧利得を稼ぐための多段増幅
回路を省略して、差動入力増幅器の構成を簡略化し、広
帯域化を図ることができる。このように、回路の簡略化
を行うことにより、動作周波数の上限を高くすることが
できるため、その分この差動入力増幅器を用いて構成し
た同調増幅器の同調周波数の上限を高くすることができ
る。
【0129】
【発明の効果】以上の実施形態に基づく説明から明らか
なように、この発明の同調制御方式は、外部からの制御
電圧に応じて同調周波数が設定可能であって、同調周波
数を変化させた場合であっても出力振幅が一定な同調増
幅器を用い、同調増幅器を含めた同調制御方式全体の構
成を、一般的に発振器の周波数制御に用いられているP
LL構成と同様の構成としたため、同調周波数の変動を
確実に防止でき、周波数が安定した同調出力を得ること
ができる。
【0130】また、基準周波数信号の周波数を変えるこ
とにより、この周波数に追随して同調周波数を変化させ
ることができるため、複数の受信周波数を有するラジオ
受信機等に上述した同調制御方式を適用することもで
き、同調周波数を任意かつ正確に変化させることができ
る。
【0131】また、本発明の同調増幅器では、帰還イン
ピーダンス素子と入力インピーダンス素子のインピーダ
ンス比を可変することにより、同調周波数や同調時の利
得に影響を与えることなく、最大減衰量のみを変化させ
ることができる。
【0132】また、同調制御方式を適用した回路のほと
んどを半導体基板上に形成することが可能であり、半導
体基板上に形成した各素子の素子定数が製造ロットある
いは使用温度等によって変化した場合であっても、同調
増幅器の同調周波数を正確に所定の周波数に合わせるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の同調制御方式を適用した一の実施形態
である同調機構の構成を示す図である。
【図2】図1に示す同調機構に含まれる発振器の具体的
構成を示す図である。
【図3】図1に示した同調増幅器の詳細構成を示す回路
図である。
【図4】図3に示した前段の移相回路の構成を抜き出し
て示した図である。
【図5】前段の移相回路の入出力電圧とキャパシタ等に
現れる電圧との関係を示すベクトル図である。
【図6】図3に示した後段の移相回路の構成を抜き出し
て示した図である。
【図7】後段の移相回路の入出力電圧とキャパシタ等に
現れる電圧との関係を示すベクトル図である。
【図8】図3に示した2つの移相回路および分圧回路の
全体を伝達関数を有する回路に置き換えたシステム図で
ある。
【図9】図8に示すシステムをミラーの定理によって変
換したシステム図である。
【図10】図3に示した同調増幅器の同調特性を示す図
である。
【図11】LR回路を含む移相回路の構成を示す回路図
である。
【図12】移相回路の入出力電圧とインダクタ等に現れ
る電圧との関係を示すベクトル図である。
【図13】LR回路を含む移相回路の他の構成を示す回
路図である。
【図14】移相回路の入出力電圧とインダクタ等に現れ
る電圧との関係を示すベクトル図である。
【図15】同調増幅器の第3の構成例を示す回路図であ
る。
【図16】LR回路を含む移相回路の構成を示す回路図
である。
【図17】LR回路を含む移相回路の他の構成を示す回
路図である。
【図18】2つの移相回路の前段に非反転回路を接続し
た同調増幅器の構成を示す回路図である。
【図19】同調増幅器の第6の構成例を示す回路図であ
る。
【図20】同調増幅器の第7の構成例を示す回路図であ
る。
【図21】オペアンプの構成の中で各実施形態の移相回
路の動作に必要な部分を抽出した回路図である。
【符号の説明】
1 同調増幅器 2 位相比較器(PD) 3 発振器(OSC) 4 チャージポンプ(CP) 5 ローパスフィルタ(LPF) 10C、30C 移相回路 60 分圧回路 70 帰還抵抗 74 入力抵抗 90 入力端子 92 出力端子

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号の中から制御電圧に応じて設定
    される同調周波数近傍の信号を選択して出力する同調増
    幅器と、所定の基準周波数信号と前記同調増幅器から出
    力された同調信号との周波数比較を行う位相比較器と、
    前記位相比較器による比較結果に応じた電圧を出力する
    チャージポンプと、前記チャージポンプの出力から高周
    波成分を除去して前記制御電圧として前記同調増幅器に
    印加するローパスフィルタとを有する同調制御方式であ
    って、 前記同調増幅器は、出力が入力側に帰還された差動入力
    増幅器を含む2つの移相回路を縦続接続して構成され、
    後段の前記移相回路から出力された帰還信号と前記入力
    信号とを加算して前段の前記移相回路に入力し、前記2
    つの移相回路のいずれかの出力を前記同調信号として出
    力することを特徴とする同調制御方式。
  2. 【請求項2】 入力信号の中から制御電圧に応じて設定
    される同調周波数近傍の信号を選択して出力する同調増
    幅器と、所定の基準周波数信号と前記同調増幅器から出
    力された同調信号との周波数比較を行う位相比較器と、
    前記位相比較器による比較結果に応じた電圧を出力する
    チャージポンプと、前記チャージポンプの出力から高周
    波成分を除去して前記制御電圧として前記同調増幅器に
    印加するローパスフィルタとを有する同調制御方式にお
    いて、 前記同調増幅器は、 前記入力信号が一方端に入力される入力インピーダンス
    素子と、帰還信号が一方端に入力される帰還インピーダ
    ンス素子とを含んでおり、前記入力信号と前記帰還信号
    とを加算する加算回路と、 反転入力端子に第1の抵抗の一方端が接続され前記第1
    の抵抗を介して交流信号が入力される差動入力増幅器
    と、前記差動入力増幅器の反転入力端子および出力端子
    の間に接続された第2の抵抗と、キャパシタあるいはイ
    ンダクタによるリアクタンス素子と第3の抵抗とで構成
    され前記制御電圧によって時定数が変更可能であって前
    記第1の抵抗の他方端に接続された直列回路とを含み、
    前記第3の抵抗および前記リアクタンス素子の接続部を
    前記差動入力増幅器の非反転入力端子に接続した2つの
    移相回路と、 を備え、前記2つの移相回路のそれぞれを縦続接続し、
    これら縦続接続された2つの移相回路のうち前段の前記
    移相回路に対して前記加算回路によって加算された信号
    を入力するとともに、後段の前記移相回路から出力され
    た信号を前記帰還信号として前記帰還インピーダンス素
    子の一方端に入力し、これら2つの移相回路のいずれか
    の出力を前記同調信号として出力することを特徴とする
    同調制御方式。
  3. 【請求項3】 入力信号の中から制御電圧に応じて設定
    される同調周波数近傍の信号を選択して出力する同調増
    幅器と、所定の基準周波数信号と前記同調増幅器から出
    力された同調信号との周波数比較を行う位相比較器と、
    前記位相比較器による比較結果に応じた電圧を出力する
    チャージポンプと、前記チャージポンプの出力から高周
    波成分を除去して前記制御電圧として前記同調増幅器に
    印加するローパスフィルタとを有する同調制御方式にお
    いて、 前記同調増幅器は、 前記入力信号が一方端に入力される入力インピーダンス
    素子と、帰還信号が一方端に入力される帰還インピーダ
    ンス素子とを含んでおり、前記入力信号と前記帰還信号
    とを加算する加算回路と、 反転入力端子に第1の抵抗の一方端が接続され前記第1
    の抵抗を介して交流信号が入力される差動入力増幅器
    と、前記差動入力増幅器の出力端子に接続された第1の
    分圧回路と、前記第1の分圧回路の出力端と前記差動入
    力増幅器の反転入力端子との間に接続された第2の抵抗
    と、キャパシタあるいはインダクタによるリアクタンス
    素子と第3の抵抗とで構成され前記制御電圧によって時
    定数が変更可能であって前記第1の抵抗の他方端に接続
    された直列回路とを含み、前記第3の抵抗および前記リ
    アクタンス素子の接続部を前記差動入力増幅器の非反転
    入力端子に接続した2つの移相回路と、 を備え、前記2つの移相回路のそれぞれを縦続接続し、
    これら縦続接続された2つの移相回路のうち前段の前記
    移相回路に対して前記加算回路によって加算された信号
    を入力するとともに、後段の前記移相回路から出力され
    た信号を前記帰還信号として前記帰還インピーダンス素
    子の一方端に入力し、これら2つの移相回路のいずれか
    の出力を前記同調信号として出力することを特徴とする
    同調制御方式。
  4. 【請求項4】 入力信号の中から制御電圧に応じて設定
    される同調周波数近傍の信号を選択して出力する同調増
    幅器と、所定の基準周波数信号と前記同調増幅器から出
    力された同調信号との周波数比較を行う位相比較器と、
    前記位相比較器による比較結果に応じた電圧を出力する
    チャージポンプと、前記チャージポンプの出力から高周
    波成分を除去して前記制御電圧として前記同調増幅器に
    印加するローパスフィルタとを有する同調制御方式にお
    いて、 前記同調増幅器は、 前記入力信号が一方端に入力される入力インピーダンス
    素子と、帰還信号が一方端に入力される帰還インピーダ
    ンス素子とを含んでおり、前記入力信号と前記帰還信号
    とを加算する加算回路と、 反転入力端子に第1の抵抗の一方端が接続され前記第1
    の抵抗を介して交流信号が入力される差動入力増幅器
    と、前記差動入力増幅器の反転入力端子と出力端子との
    間に接続された第2の抵抗と、一方端が前記差動入力増
    幅器の反転入力端子に接続され他方端が接地された第3
    の抵抗と、キャパシタあるいはインダクタによるリアク
    タンス素子と第4の抵抗とで構成され前記制御電圧によ
    って時定数が変更可能であって前記第1の抵抗の他方端
    に接続された直列回路とを含み、前記第4の抵抗および
    前記リアクタンス素子の接続部を前記差動入力増幅器の
    非反転入力端子に接続した2つの移相回路と、 を備え、前記2つの移相回路のそれぞれを縦続接続し、
    これら縦続接続された2つの移相回路のうち前段の前記
    移相回路に対して前記加算回路によって加算された信号
    を入力するとともに、後段の前記移相回路から出力され
    た信号を前記帰還信号として前記帰還インピーダンス素
    子の一方端に入力し、これら2つの移相回路のいずれか
    の出力を前記同調信号として出力することを特徴とする
    同調制御方式。
  5. 【請求項5】 入力信号の中から制御電圧に応じて設定
    された同調周波数近傍の信号を選択して出力する同調増
    幅器と、所定の基準周波数信号と前記同調増幅器から出
    力された同調信号との周波数比較を行う位相比較器と、
    前記位相比較器による比較結果に応じた電圧を出力する
    チャージポンプと、前記チャージポンプの出力から高周
    波成分を除去して前記制御電圧として前記同調増幅器に
    印加するローパスフィルタとを有する同調制御方式にお
    いて、 前記同調増幅器は、 前記入力信号が一方端に入力される入力インピーダンス
    素子と、帰還信号が一方端に入力される帰還インピーダ
    ンス素子とを含んでおり、前記入力信号と前記帰還信号
    とを加算する加算回路と、 反転入力端子に第1の抵抗の一方端が接続され前記第1
    の抵抗を介して交流信号が入力される差動入力増幅器
    と、前記差動入力増幅器の反転入力端子および出力端子
    の間に接続された第2の抵抗と、第3の抵抗およびキャ
    パシタで構成され前記制御電圧によって時定数が変更可
    能であって前記第1の抵抗の他方端に接続された直列回
    路とを含み、前記第3の抵抗および前記キャパシタの接
    続部を前記差動入力増幅器の非反転入力端子に接続した
    第1の移相回路と、 反転入力端子に第4の抵抗の一方端が接続され前記第4
    の抵抗を介して交流信号が入力される差動入力増幅器
    と、前記差動入力増幅器の出力端子に接続された第1の
    分圧回路と、前記第1の分圧回路の出力端と前記差動入
    力増幅器の反転入力端子との間に接続された第5の抵抗
    と、第6の抵抗およびキャパシタで構成され前記制御電
    圧によって時定数が変更可能であって前記第4の抵抗の
    他方端に接続された直列回路とを含み、前記第6の抵抗
    および前記キャパシタの接続部を前記差動入力増幅器の
    非反転入力端子に接続した第2の移相回路と、 反転入力端子に第7の抵抗の一方端が接続され前記第7
    の抵抗を介して交流信号が入力される差動入力増幅器
    と、前記差動入力増幅器の反転入力端子と出力端子との
    間に接続された第8の抵抗と、一方端が前記差動入力増
    幅器の反転入力端子に接続され他方端が接地された第9
    の抵抗と、第10の抵抗およびキャパシタで構成され前
    記制御電圧によって時定数が変更可能であって前記第7
    の抵抗の他方端に接続された直列回路とを含み、前記第
    10の抵抗および前記キャパシタの接続部を前記差動入
    力増幅器の非反転入力端子に接続した第3の移相回路
    と、 反転入力端子に第11の抵抗の一方端が接続され前記第
    11の抵抗を介して交流信号が入力される差動入力増幅
    器と、前記差動入力増幅器の反転入力端子および出力端
    子の間に接続された第12の抵抗と、第13の抵抗およ
    びインダクタで構成され前記制御電圧によって時定数が
    変更可能であって前記第11の抵抗の他方端に接続され
    た直列回路とを含み、前記第13の抵抗および前記キャ
    パシタの接続部を前記差動入力増幅器の非反転入力端子
    に接続した第4の移相回路と、 反転入力端子に第14の抵抗の一方端が接続され前記第
    14の抵抗を介して交流信号が入力される差動入力増幅
    器と、前記差動入力増幅器の出力端子に接続された第2
    の分圧回路と、前記第2の分圧回路の出力端と前記差動
    入力増幅器の反転入力端子との間に接続された第15の
    抵抗と、第16の抵抗およびインダクタで構成され前記
    制御電圧によって時定数が変更可能であって前記第14
    の抵抗の他方端に接続された直列回路とを含み、前記第
    16の抵抗および前記インダクタの接続部を前記差動入
    力増幅器の非反転入力端子に接続した第5の移相回路
    と、 反転入力端子に第17の抵抗の一方端が接続され前記第
    17の抵抗を介して交流信号が入力される差動入力増幅
    器と、前記差動入力増幅器の反転入力端子と出力端子と
    の間に接続された第18の抵抗と、一方端が前記差動入
    力増幅器の反転入力端子に接続され他方端が接地された
    第19の抵抗と、第20の抵抗およびインダクタで構成
    され前記制御電圧によって時定数が変更可能であって前
    記第17の抵抗の他方端に接続された直列回路とを含
    み、前記第20の抵抗および前記インダクタの接続部を
    前記差動入力増幅器の非反転入力端子に接続した第6の
    移相回路とのうち、いずれか2つの移相回路とを備え、
    これら2つの移相回路を縦続接続し、これら縦続接続さ
    れた2つの移相回路のうち前段の前記移相回路に対して
    前記加算回路によって加算された信号を入力するととも
    に、後段の前記移相回路から出力された信号を前記帰還
    信号として前記帰還インピーダンス素子の一方端に入力
    し、これら2つの移相回路のいずれかの出力を前記同調
    信号として出力することを特徴とする同調制御方式。
  6. 【請求項6】 請求項2〜5のいずれかにおいて、 前記縦続接続された2つの移相回路内の双方の前記直列
    回路に前記リアクタンス素子として前記キャパシタが含
    まれている場合、あるいは双方の前記直列回路に前記リ
    アクタンス素子として前記インダクタが含まれている場
    合には、前記直列回路を構成する抵抗および前記リアク
    タンス素子の接続の仕方を前記2つの移相回路において
    反対にしたことを特徴とする同調制御方式。
  7. 【請求項7】 請求項2〜5のいずれかにおいて、 前記縦続接続された2つの移相回路内の一方の前記直列
    回路に前記リアクタンス素子として前記キャパシタが含
    まれ、他方の前記直列回路に前記リアクタンス素子とし
    て前記インダクタが含まれている場合には、前記直列回
    路を構成する抵抗および前記リアクタンス素子の接続の
    仕方を前記2つの移相回路において同じにしたことを特
    徴とする同調制御方式。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかにおいて、 前記縦続接続された2つの移相回路によって形成される
    帰還ループの一部に、入力される交流信号の位相を変え
    ずに出力する非反転回路を挿入することを特徴とする同
    調制御方式。
  9. 【請求項9】 請求項2〜5のいずれかにおいて、 前記縦続接続された2つの移相回路によって形成される
    帰還ループの一部に、入力される交流信号の位相を反転
    して出力する位相反転回路を挿入し、 前記縦続接続された2つの移相回路内の双方の前記直列
    回路に前記キャパシタが含まれている場合には、前記直
    列回路を構成する抵抗および前記キャパシタの接続の仕
    方を前記2つの移相回路において同じにし、双方の前記
    直列回路に前記インダクタが含まれている場合には、前
    記直列回路を構成する抵抗および前記インダクタの接続
    の仕方を前記2つの移相回路において同じにしたことを
    特徴とする同調制御方式。
  10. 【請求項10】 請求項2〜5において、 前記縦続接続された2つの移相回路によって形成される
    帰還ループの一部に、入力される交流信号の位相を反転
    して出力する位相反転回路を挿入し、 前記縦続接続された2つの移相回路内の一方の前記直列
    回路に前記リアクタンス素子として前記キャパシタが含
    まれ、他方の前記直列回路に前記リアクタンス素子とし
    て前記インダクタが含まれている場合には、前記直列回
    路を構成する抵抗および前記リアクタンス素子の接続の
    仕方を前記2つの移相回路において反対にしたことを特
    徴とする同調制御方式。
  11. 【請求項11】 請求項1〜7のいずれかにおいて、 前記2つの移相回路の前段にトランジスタによるホロワ
    回路を接続することを特徴とする同調制御方式。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかにおいて、 前記縦続接続された2つの移相回路によって形成される
    帰還ループの一部に第3の分圧回路を接続し、 前記同調増幅器は、前記第3の分圧回路による分圧出力
    に基づいて前記帰還信号を生成し、前記第3の分圧回路
    に入力される交流信号を前記同調信号として出力するこ
    とを特徴とする同調制御方式。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかにおいて、 前記縦続接続された2つの移相回路内の前記直列回路を
    構成する抵抗の少なくとも一方を可変抵抗により形成
    し、前記可変抵抗の抵抗値を前記制御電圧に応じて変え
    ることで同調周波数を可変することを特徴とする同調制
    御方式。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかにおいて、 前記差動入力増幅器は演算増幅器であることを特徴とす
    る同調制御方式。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれかにおいて、 構成部品を半導体基板上に一体形成したことを特徴とす
    る同調制御方式。
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