JPH09214248A - 発振器 - Google Patents

発振器

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JPH09214248A
JPH09214248A JP3758196A JP3758196A JPH09214248A JP H09214248 A JPH09214248 A JP H09214248A JP 3758196 A JP3758196 A JP 3758196A JP 3758196 A JP3758196 A JP 3758196A JP H09214248 A JPH09214248 A JP H09214248A
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phase shift
resistor
circuit
shift circuits
oscillator
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Takeshi Ikeda
毅 池田
Akira Okamoto
明 岡本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 集積回路として形成することが容易であり、
発振周波数を可変することができ、しかも発振周波数を
可変したときに発振出力の振幅変動を抑えた発振器を提
供すること。 【解決手段】 発振器1は、縦続接続された移相回路1
0Cおよび30Cと、位相回路30Cの出力を移相回路
10Cの入力側に帰還させる帰還抵抗70とを含んで構
成される。移相回路10C内の抵抗18と20と、移相
回路30C内の抵抗38と40をそれぞれ等しくするた
め、発振周波数が変化しても発振出力の振幅変動が起き
なくなる。また、各移相回路内のCR回路の時定数を変
更することにより発振周波数を可変できるとともに、位
相シフト量が360°となるような周波数で安定な正弦
波発振出力を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、発振周波数を大
幅に調整することが可能な発振器に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】正弦
波発振器として従来より能動素子およびリアクタンス素
子を使用した各種の発振回路が提案され実用化されてい
る。例えば、正弦波発振器として、図19に示すウィー
ン・ブリッジ型発振器、図20に示すブリッジT型発振
器が従来より知られている。
【0003】図19に示すウィーン・ブリッジ型発振器
においては、周波数を変化させるために、直列回路に含
まれる可変抵抗の抵抗値Rs と、並列回路に含まれる可
変抵抗の抵抗値Rp とを連動して変化させなければなら
ないが、連動誤差が生じると増幅器Aに入力される電圧
が増減するので、その結果、発振出力が変動する。そし
て、発振出力が小さくなれば発振が停止し、大きくなれ
ば発振出力に著しい歪みを生じることになる。
【0004】通常、正弦波発振器の出力変動が少なくす
るように安定化させるのは難しく、その安定化手段は増
幅器の振幅特性に非線形を付加すること、すなわち、出
力の大きさによってその増幅度が変化するような特性を
付加することになる。しかし、このような特性を付加す
ることは増幅器の直線性を悪化させることになり、出力
波形の歪率を悪化させることになるため好ましくない。
このように、出力電圧の安定性と歪率とは二率背反の関
係にあるといえる。
【0005】また、上述した2つの可変抵抗の抵抗値R
s とRp の比を一定に保って変化させることは、回路を
集積化して外部から印加する制御電圧によって各抵抗値
を可変する場合には特に困難である。さらに、ウィーン
・ブリッジ型発振器に限らず、図20に示すブリッジT
型発振器や移相型発振器でも同様のことがいえる。
【0006】このように、従来の発振器は、出力振幅を
安定させながら発振周波数を大幅に変更することは難し
く、特にこのような不都合のない発振器を集積回路によ
って形成することは困難であった。
【0007】本発明は、このような点に鑑みて創作され
たものであり、その目的は、集積回路として形成するこ
とが容易であり、発振周波数を可変することができ、し
かも発振周波数を可変したときに出力振幅の変動を抑え
た発振器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発振器は、反転入力端子に第1の抵
抗の一方端が接続され前記第1の抵抗を介して交流信号
が入力される差動入力増幅器と、前記差動入力増幅器の
出力端子に接続された分圧回路と、前記分圧回路の出力
端と前記差動入力増幅器の反転入力端子との間に接続さ
れた第2の抵抗と、第3の抵抗およびキャパシタで構成
され前記第1の抵抗の他方端に接続されたCR回路とを
含み、前記第3の抵抗および前記キャパシタの接続部を
前記差動入力増幅器の非反転入力端子に接続した2つの
移相回路を縦続接続する。そして、2つの移相回路の後
段の出力を前段の入力側に帰還させる。2つの移相回路
のそれぞれにおいて位相が所定量シフトされるため、各
移相回路の位相シフト量の合計が所定の周波数において
360°になるようにすれば、安定な正弦波発振出力が
得られる。
【0009】また、CR回路の代わりに、第3の抵抗お
よびインダクタで構成され前記第1の抵抗の他方端に接
続されたLR回路を設けてもよい。
【0010】また、前記2つの移相回路内の前記第1お
よび第2の抵抗の抵抗値を同じ値にすれば、発振周波数
が変化しても発振出力の振幅変動が起きなくなる。
【0011】また、前記2つの移相回路の少なくとも一
方に設けられる前記分圧回路の分圧比を1より小さな値
に設定すれば、2つの移相回路を含んで形成される帰還
ループのオープンループゲインを確実に1以上に設定で
きる。
【0012】請求項5の発振器は、反転入力端子に第1
の抵抗の一方端が接続され前記第1の抵抗を介して交流
信号が入力される差動入力増幅器と、前記差動入力増幅
器の反転入力端子と出力端子との間に接続された第2の
抵抗と、一方端が前記差動入力増幅器の反転入力端子に
接続され他方端が接地された第3の抵抗と、第4の抵抗
およびキャパシタで構成され前記第1の抵抗の他方端に
接続されたCR回路とを含み、前記第4の抵抗および前
記キャパシタの接続部を前記差動入力増幅器の非反転入
力端子に接続した2つの移相回路を縦続接続する。そし
て、2つの移相回路の後段の出力を前段の入力側に帰還
させる。
【0013】また、CR回路の代わりに、第4の抵抗お
よびインダクタで構成され前記第1の抵抗の他方端に接
続されたLR回路を設けてもよい。
【0014】また、前記2つの移相回路の少なくとも一
方において、前記第2の抵抗の抵抗値を前記第1の抵抗
の抵抗値より高くすれば、前記2つの移相回路を含んで
形成される帰還ループのオープンループゲインを1以上
に設定できる。
【0015】また、前記CR回路あるいは前記LR回路
の時定数を可変したときに、可変の上限近傍と下限近傍
における前記移相回路の出力振幅がほぼ一定になるよう
に前記第3の抵抗の抵抗値を設定すれば、発振周波数が
変化しても、発振出力の振幅変動が起きなくなる。
【0016】請求項9の発振器は、反転入力端子に第1
の抵抗の一方端が接続され前記第1の抵抗を介して交流
信号が入力される差動入力増幅器と、前記差動入力増幅
器の出力端子に接続された分圧回路と、前記分圧回路の
出力端と前記差動入力増幅器の反転入力端子との間に接
続された第2の抵抗と、第3の抵抗およびキャパシタで
構成され前記第1の抵抗の他方端に接続されたCR回路
とを含み、前記第3の抵抗および前記キャパシタの接続
部を前記差動入力増幅器の非反転入力端子に接続した第
1の移相回路と、反転入力端子に第4の抵抗の一方端が
接続され前記第4の抵抗を介して交流信号が入力される
差動入力増幅器と、前記差動入力増幅器の出力端子に接
続された分圧回路と、前記分圧回路の出力端と前記差動
入力増幅器の反転入力端子との間に接続された第5の抵
抗と、第6の抵抗およびインダクタで構成され前記第4
の抵抗の他方端に接続されたLR回路とを含み、前記第
6の抵抗および前記インダクタの接続部を前記差動入力
増幅器の非反転入力端子に接続した第2の移相回路と、
反転入力端子に第7の抵抗の一方端が接続され前記第7
の抵抗を介して交流信号が入力される差動入力増幅器
と、前記差動入力増幅器の反転入力端子と出力端子との
間に接続された第8の抵抗と、一方端が前記差動入力増
幅器の反転入力端子に接続され他方端が接地された第9
の抵抗と、第10の抵抗およびキャパシタで構成され前
記第7の抵抗の他方端に接続されたCR回路とを含み、
前記第10の抵抗および前記キャパシタの接続部を前記
差動入力増幅器の非反転入力端子に接続した第3の移相
回路と、反転入力端子に第11の抵抗の一方端が接続さ
れ前記第11の抵抗を介して交流信号が入力される差動
入力増幅器と、前記差動入力増幅器の反転入力端子と出
力端子との間に接続された第12の抵抗と、一方端が前
記差動入力増幅器の反転入力端子に接続され他方端が接
地された第13の抵抗と、第14の抵抗およびインダク
タで構成され前記第11の抵抗の他方端に接続されたL
R回路とを含み、前記第14の抵抗および前記インダク
タの接続部を前記差動入力増幅器の非反転入力端子に接
続した第4の移相回路とのうち、いずれか2つの移相回
路を縦続接続する。そして、2つの移相回路の後段の出
力を前段の入力側に帰還させる。
【0017】また、縦続接続された前記2つの移相回路
に前記第1および第2の移相回路の少なくとも一方が含
まれる場合に、前記分圧回路の分圧比を1より小さな値
に設定すれば、前記2つの移相回路を含んで形成される
帰還ループのオープンループゲインを1以上に設定でき
る。
【0018】また、縦続接続された前記2つの移相回路
に前記第3および第4の移相回路の少なくとも一方が含
まれる場合に、前記CR回路あるいは前記LR回路の時
定数を可変して、可変の上限近傍と下限近傍における前
記移相回路の出力振幅がほぼ一定になるように前記第3
の抵抗の抵抗値を設定すれば、発振周波数が変化して
も、発振出力の振幅変動が起きなくなる。
【0019】また、前記CR回路を構成する抵抗および
前記キャパシタの接続順序、あるいは前記LR回路を構
成する抵抗および前記インダクタの接続順序を、前記2
つの移相回路のそれぞれで反対にすれば、各移相回路の
位相シフト量の合計を360°に設定しやすくなる。
【0020】また、縦続接続された前記2つの移相回路
内の前記CR回路あるいは前記LR回路のうち、少なく
とも一方の前記CR回路あるいは前記LR回路の時定数
を可変すれば、発振出力の振幅を一定にした状態で発振
周波数を変更できる。特に、時定数は、前記CR回路あ
るいは前記LR回路に含まれる抵抗の抵抗値を可変する
だけで変更できる。
【0021】また、前記CR回路あるいは前記LR回路
に含まれる抵抗を、pチャネル型のFETとnチャネル
型のFETとを並列接続して形成されるFETのチャネ
ル抵抗とすれば、ゲート電圧を可変することでチャネル
抵抗を変更でき、電圧制御型の発振器を構成できる。
【0022】また、前記CR回路に含まれる前記キャパ
シタを、可変容量ダイオード等の可変容量素子により形
成すれば、可変容量素子に印加する電圧を変えること
で、前記時定数を任意に可変できる。
【0023】また、前記2つの移相回路から2相出力を
取り出せば、各出力を合成することで、任意の位相の発
振出力を得ることができる。
【0024】また、前記差動入力増幅器を演算増幅器で
構成すれば、集積化が容易になるため、回路規模を小型
化できる。
【0025】また、縦続接続された前記2つの移相回路
内の前記CR回路あるいはLR回路を構成する抵抗ある
いはキャパシタを、入力電圧に応じて抵抗値や静電容量
が変更可能なFETあるいは可変容量素子に置き換えれ
ば、音声信号等を入力電圧とする簡易な構成のFM変調
装置が得られる。
【0026】また、縦続接続された前記2つの移相回路
に前記CR回路が含まれる場合に、前記CR回路内の前
記キャパシタをコンデンサマイクで構成すれば、簡単な
構成のFMワイヤレスマイクを実現できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、この発明を適用した一実施
形態の発振器について、図面を参照しながら具体的に説
明する。
【0028】〔第1の実施形態〕図1は、本発明を適用
した第1の実施形態の発振器の構成を示す回路図であ
る。同図に示す発振器1は、それぞれが入力される交流
信号の位相を所定量シフトさせることにより所定の周波
数において合計で360°の位相シフトを行う2つの移
相回路10C、30Cと、後段の移相回路30Cの出力
を前段の移相回路10Cの入力側に帰還させる帰還抵抗
70とを含んで構成されている。この抵抗70は、0Ω
から有限の抵抗値を有している。
【0029】図2は、図1に示した前段の移相回路10
Cの構成を抜き出して示したものである。同図に示す前
段の移相回路10Cは、オペアンプ12と、入力端24
に入力された交流信号の位相を所定量シフトさせてオペ
アンプ12の非反転入力端子に入力する抵抗16および
キャパシタ14と、入力端24とオペアンプ12の反転
入力端子との間に挿入された抵抗18と、オペアンプ1
2の出力端子に接続されて分圧回路を構成する抵抗21
および23と、この分圧回路とオペアンプ12の反転入
力端子との間に接続された抵抗20とを含んで構成され
ている。
【0030】このような構成を有する移相回路10Cに
おいて、抵抗18と抵抗20の抵抗値は同じに設定され
ている。
【0031】図2に示す入力端24に所定の交流信号が
入力されると、オペアンプ12の非反転入力端子には、
キャパシタ14の両端に現れる電圧VC1が印加される。
【0032】また、抵抗18、20の両端には、抵抗1
6の両端に現れる電圧VR1と同じ電圧VR1が現れる。し
かも、これら2つの抵抗18、20の各両端に現れる電
圧VR1はベクトル的に同方向を向いており、オペアンプ
12の反転入力端子(電圧VC1)を基準にして考える
と、抵抗18の両端電圧VR1をベクトル的に加算したも
のが入力電圧Ei に、抵抗20の両端電圧VR1をベクト
ル的に減算したものが抵抗21と抵抗23の接続点の電
圧(分圧出力)Eo ′になる。
【0033】また、移相回路10Cの出力端26から
は、上述した抵抗21と抵抗23からなる分圧回路を介
さずに、オペアンプ12の出力端子に現れる電圧がその
まま出力電圧Eo として取り出される。
【0034】図3は、前段の移相回路10Cの入出力電
圧とキャパシタ等に現れる電圧との関係を示すベクトル
図である。
【0035】同図に示すように、キャパシタ14の両端
電圧VC1と抵抗16の両端電圧VR1とは互いに90°位
相がずれており、これらをベクトル的に加算したものが
入力電圧Ei となる。したがって、入力信号の振幅が一
定で周波数のみが変化した場合には、図3に示す半円の
円周に沿ってキャパシタ14の両端電圧VC1と抵抗16
の両端電圧VR1とが変化する。
【0036】また、上述したように電圧VC1から電圧V
R1をベクトル的に減算したものが分圧出力Eo ′とな
る。非反転入力端子に印加される電圧VC1を基準に考え
ると、入力電圧Ei と分圧電圧Eo ′とは電圧VR1を合
成する方向が異なるだけでありその絶対値は等しくな
る。したがって、入力電圧Ei と分圧出力Eo ′の大き
さと位相の関係は、入力電圧Ei および分圧出力Eo ′
を斜辺とし、電圧VR1の2倍を底辺とする二等辺三角形
で表すことができ、分圧出力Eo ′の振幅は周波数に関
係なく入力信号の振幅と同じであって、位相シフト量は
図3に示すφ1 で表されることがわかる。
【0037】また、図3から明らかなように、電圧VC1
と電圧VR1とは円周上で直角に交わるため、理論的には
入力電圧Ei と電圧VC1との位相差は、周波数ωが0か
ら∞まで変化するに従って、入力電圧Eiを基準として
時計回り方向に0°から90°まで変化する。そして、
移相回路10C全体のシフト量φ1 はその2倍であり、
周波数に応じて0°から180°まで変化する。
【0038】また、移相回路10Cの出力端26はオペ
アンプ12の出力端子に接続されているため、抵抗21
の抵抗値をR21、抵抗23の抵抗値をR23とすると、出
力電圧Eo と上述した分圧出力Eo ′との間には、Eo
=(1+R21/R23)Eo ′の関係がある。したがっ
て、R21およびR23の値を調整することにより1より大
きなゲインが得られ、しかも周波数が変化しても出力電
圧Eo の振幅が一定であり、位相のみを所定量シフトす
ることができる。
【0039】図4は、図1に示した後段の移相回路30
Cの構成を抜き出して示したものである。同図に示す移
相回路30Cは、オペアンプ32と、入力端44に入力
された交流信号の位相を所定量シフトさせてオペアンプ
32の非反転入力端子に入力するキャパシタ34および
可変抵抗36と、入力端44とオペアンプ32の反転入
力端子との間に挿入された抵抗38と、オペアンプ32
の出力端子に接続されて分圧回路を構成する抵抗41お
よび43と、この分圧回路とオペアンプ32の反転入力
端子との間に接続された抵抗40とを含んで構成されて
いる。
【0040】このような構成を有する移相回路30Cに
おいて、抵抗38と抵抗40の抵抗値が同じに設定され
ている。
【0041】図4に示す入力端44に所定の交流信号が
入力されると、オペアンプ32の非反転入力端子には、
可変抵抗36の両端に現れる電圧VR2が印加される。
【0042】また、抵抗38、40の両端には、キャパ
シタ34の両端に現れる電圧VC2と同じ電圧VC2が現れ
る。しかも、これら2つの抵抗38、40の各両端に現
れる電圧VC2はベクトル的に同方向を向いており、オペ
アンプ32の反転入力端子(電圧VR2)を基準にして考
えると、抵抗38の両端電圧VC2をベクトル的に加算し
たものが入力電圧Ei に、抵抗40の両端電圧VC2をベ
クトル的に減算したものが抵抗41と抵抗43の接続点
の電圧(分圧出力)Eo ′になる。
【0043】また、移相回路30Cの出力端46から
は、上述した抵抗41と抵抗43からなる分圧回路を介
さずに、オペアンプ32の出力端子に現れる電圧がその
まま出力電圧Eo として取り出される。
【0044】図5は、後段の移相回路30Cの入出力電
圧とキャパシタ等に現れる電圧との関係を示すベクトル
図である。
【0045】同図に示すように、可変抵抗36の両端電
圧VR2とキャパシタ34の両端電圧VC2とは互いに90
°位相がずれており、これらをベクトル的に加算したも
のが入力電圧Ei となる。したがって、入力信号の振幅
が一定で周波数のみが変化した場合には、図5に示す半
円の円周に沿って可変抵抗36の両端電圧VR2とキャパ
シタ34の両端電圧VC2とが変化する。
【0046】また、上述したように電圧VR2から電圧V
C2をベクトル的に減算したものが分圧出力Eo ′とな
る。非反転入力端子に印加される電圧VR2を基準に考え
ると、入力電圧Ei と分圧電圧Eo ′とは電圧VC2を合
成する方向が異なるだけでありその絶対値は等しくな
る。したがって、入力電圧Ei と分圧出力Eo ′の大き
さと位相の関係は、入力電圧Ei および分圧出力Eo ′
を斜辺とし、電圧VC2の2倍を底辺とする二等辺三角形
で表すことができる。また、分圧出力Eo ′の振幅は周
波数に関係なく入力信号の振幅と同じであって、位相シ
フト量は図5に示すように、入力電圧Eiを基準として
時計回り方向にφ2 で表される。
【0047】また、図5から明らかなように、電圧VR2
と電圧VC2とは円周上で直角に交わるため、理論的には
入力電圧Ei と電圧VR2との位相差は、周波数ωが0か
ら∞まで変化するに従って、入力電圧Eiを基準として
時計回り方向に270°から360°まで変化する。し
たがって、移相回路30全体のシフト量φ2 は、周波数
に応じて、入力電圧Eiを基準として時計回り方向に1
80°から360°まで変化する。しかも、可変抵抗3
6の抵抗値Rを可変することにより、位相シフト量φ2
を変化させることができる。
【0048】また、移相回路30Cの出力端46はオペ
アンプ32の出力端子に接続されているため、抵抗41
の抵抗値をR41、抵抗43の抵抗値をR43とすると、出
力電圧Eo と上述した分圧出力Eo ′との間には、Eo
=(1+R41/R43)Eo ′の関係がある。したがっ
て、R41およびR43の値を調整することにより1より大
きなゲインが得られ、しかも周波数が変化しても出力電
圧Eo の振幅が一定であり、位相のみを所定量シフトす
ることができる。
【0049】このようにして、2つの移相回路10C、
30Cのそれぞれにおいて位相が所定量シフトされる。
しかも、図3および図5に示すように、各移相回路10
C、30Cを合わせた位相シフト量の合計が、所定の周
波数において360°となる。
【0050】また、後段の移相回路30Cの出力は、帰
還抵抗70を介して前段の移相回路10Cの入力側に帰
還されており、ループゲインを1以上に設定することに
より、一巡したときに位相シフト量が360°となるよ
うな周波数で正弦波発振が行われる。
【0051】ところで、図2に示した移相回路10Cの
伝達関数K2 は、抵抗16とキャパシタ14からなるC
R回路の時定数をT1 (可変抵抗16の抵抗値をR、キ
ャパシタ14の静電容量をCとするとT1 =CR)とす
ると、 K2 =a1 (1−T1 s)/(1+T1 s) ・・・(1) となる。ここで、s=jωであり、a1は移相回路10
Cのゲインである。
【0052】また、後段の移相回路30Cの伝達関数K
3 は、キャパシタ34と可変抵抗36からなるCR回路
の時定数をT2 (キャパシタ34の静電容量をC、可変
抵抗36の抵抗値をRとするとT2 =CR)とすると、 K3 =−a2 (1−T2 s)/(1+T2 s) ・・・(2) となる。ここで、a2 は移相回路30Cのゲインであ
る。したがって、2つの移相回路10C、30Cを縦続
接続した場合の全体の伝達関数K1 は、 K1 =−a1 2 {1+(Ts)2 −2Ts} /{1+(Ts)2 +2Ts} =−a1 2 {(1+T2 2 2 +4T2 2 −4Ts(1+T2 2 )} /{(1+T2 2 2 −4T2 2 }・・・(3) となる。なお、計算を簡単なものとするために、各移相
回路の時定数T1 、T2をともにTとした。この(3)
式において、移相回路10C、30Cを2段接続した全
体の入出力間の位相差が360°となるには、(3)式
の右辺の虚数項が0にならなければならないので、次の
式が成立する。
【0053】 4Tω(1−T2 ω2 )=0 ・・・(4) したがって、ω=0または1−T2 ω2 =0となる。こ
こで、ω=0の場合は入力信号が直流の場合であって位
相差が180°となるので、結局他方の条件(1−T2
ω2 =0)を満たすω=1/T(各移相回路の時定数が
異なる場合には、ω=1/√(T1 2 ))のときに位
相差が360°となる。
【0054】このように、移相回路10C、30Cの全
体による位相シフト量が所定の周波数において360°
となるため、2つの移相回路10C、30Cの各ゲイン
1、a2 を調整して帰還ループのオープンループゲイ
ンを1以上に設定することにより、所定の発振動作が行
われる。
【0055】なお、各移相回路10C、30C内のCR
回路の時定数をT1 、T2 として、図3、図5に示した
φ1 (入力電圧Eiを基準として時計回り方向に0°≦
φ1≦180°)、φ2 (入力電圧Eiを基準として時
計回り方向に180°≦φ2≦360°)を求めると、 φ1 =tan{2ωT1 /(1−ω2 1 2)} ・・・(5) φ2 =tan{2ωT2 /(1−ω2 2 2)} ・・・(6) となる。
【0056】例えばT1 =T2 (=T)の場合には、ω
=1/Tのときに2つの移相回路10C、30Cによる
位相シフト量の合計が360°となって上述した発振動
作が行われ、このときφ1 =90°、φ2 =270°と
なる。
【0057】また、移相回路10C、30Cのそれぞれ
において、抵抗18と抵抗20の各抵抗値が同じ値に設
定され、かつ抵抗38と抵抗40の各抵抗値が同じ値に
設定されているため、各移相回路10C、30Cでは発
振周波数に応じた利得変動がなく、図1に示した発振器
1は発振周波数を可変した場合であっても常に一定の振
幅を有する発振出力を得ることができる。したがって、
周波数によって、発振が停止したり振幅が飽和するとい
ったことはなくなる。
【0058】また、上述した発振器1は、オペアンプ、
キャパシタおよび抵抗を組み合わせて構成しており、ど
の構成素子も半導体基板上に形成することができること
から、発振器1の全体を半導体基板上に形成した集積回
路とすることも容易となる。
【0059】なお、上述した発振器1においては、前段
に移相回路10Cを、後段に移相回路30Cをそれぞれ
配置したが、これらの全体によって入出力信号間の位相
シフト量が360°となればよいことから、これらの前
後を入れ換えて前段に移相回路30Cを、後段に移相回
路10Cをそれぞれ配置して発振器を構成するようにし
てもよい。
【0060】また、上述した発振器1においては、一方
の移相回路30C内の可変抵抗36の抵抗値を可変する
ことにより発振周波数を変化させるようにしたが、他方
の移相回路10C内の抵抗16を可変抵抗に置き換えて
この抵抗値を可変することにより、あるいは他方の移相
回路10C内の抵抗16を可変抵抗に置き換えてこの抵
抗値を可変すると同時に移相回路30C内の可変抵抗3
6の抵抗値を可変して発振周波数を変化させてもよい。
2つの移相回路10C、30Cの位相シフト量を同時に
変化させた場合には、発振周波数の可変量を大きくする
ことができる利点がある。
【0061】〔第2の実施形態〕上述した発振器1にお
いては、CR回路を一部に含ませて各移相回路10C、
30Cを構成したが、CR回路の代わりにLR回路を一
部に含ませて移相回路を構成することもできる。
【0062】図6は、LR回路を含む移相回路の構成を
示す回路図であり、図1に示した発振器1の前段の移相
回路10Cと置き換え可能な構成が示されている。同図
に示す移相回路10Lは、図2に示した移相回路10C
内のキャパシタ14と抵抗16からなるCR回路を、抵
抗16とインダクタ17からなるLR回路に置き換えた
構成を有している。
【0063】図7は、移相回路10Lの入出力電圧とイ
ンダクタ等に現れる電圧との関係を示すベクトル図であ
る。非反転入力端子に印加される電圧VR3を基準に考え
ると、入力電圧Ei と分圧出力Eo ′とは電圧VL1を合
成する方向が異なるだけでありその絶対値は等しくな
る。したがって、入力電圧Ei と分圧出力Eo ′の大き
さと位相の関係は、入力電圧Ei および分圧出力Eo ′
を斜辺とし、電圧VL1の2倍を底辺とする二等辺三角形
で表すことができ、分圧出力Eo ′の振幅は周波数に関
係なく入力信号の振幅と同じであって、位相シフト量は
図7に示すφ3 で表されることがわかる。
【0064】また、図7から明らかなように、電圧VR3
と電圧VL1とは円周上で直角に交わるため、理論的には
入力電圧Ei と電圧VR3との位相差は、周波数ωが0か
ら∞まで変化するに従って、入力電圧Eiを基準として
時計回り方向に0°から90°まで変化する。そして、
移相回路10L全体のシフト量φ3 はその2倍であり、
周波数に応じて0°から180°まで変化する。
【0065】また、出力電圧Eo と上述した分圧出力E
o ′との間には、Eo =(1+R21/R23)Eo ′の関
係がある。したがって、R21およびR23の値を調整する
ことにより1より大きなゲインが得られ、しかも図7に
示すように周波数が変化しても出力電圧Eo の振幅が一
定であり、位相のみを所定量シフトすることができる。
【0066】ところで、図6に示した移相回路10Lの
伝達関数は、インダクタ17と抵抗16からなるLR回
路の時定数をT1 (インダクタ17のインダクタンスを
L、抵抗16の抵抗値をRとするとT1 =L/R)とす
ると、(1)式に示したK2をそのまま適用することが
できる。したがって、位相シフト量φ3 も時定数T1
用いて表現すると、上述した(5)式に示したφ1 と同
じとなる。
【0067】図8は、LR回路を含む移相回路の他の構
成を示す回路図であり、図1に示した発振器1の後段の
移相回路30Cと置き換え可能な構成が示されている。
同図に示す移相回路30Lは、図4に示した移相回路3
0C内の可変抵抗36とキャパシタ34からなるCR回
路を、インダクタ37と可変抵抗36からなるLR回路
に置き換えた構成を有している。
【0068】図9は、移相回路30Lの入出力電圧とイ
ンダクタ等に現れる電圧との関係を示すベクトル図であ
る。非反転入力端子に印加される電圧VL2を基準に考え
ると、入力電圧Ei と分圧出力Eo ′とは電圧VR4を合
成する方向が異なるだけでありその絶対値は等しくな
る。したがって、入力電圧Ei および分圧出力Eo ′の
大きさと位相の関係は、入力電圧Ei および分圧出力E
o ′を斜辺とし、電圧VR4の2倍を底辺とする二等辺三
角形で表すことができ、分圧出力Eo ′の振幅は周波数
に関係なく入力信号の振幅と同じであって、位相シフト
量は図9に示すように入力電圧Eiを基準として時計回
り方向にφ4 で表される。
【0069】また、図9から明らかなように、電圧VL2
と電圧VR4とは円周上で直角に交わるため、理論的には
入力電圧Ei と電圧VL2との位相差は、周波数ωが0か
ら∞まで変化するに従って、入力電圧Eiを基準として
時計回り方向に270°から360°まで変化する。し
たがって、移相回路30L全体のシフト量φ4 は、周波
数に応じて、入力電圧Eiを基準として時計回り方向に
180°から360°まで変化する。
【0070】また、出力電圧Eo と上述した分圧出力E
o ′との間には、Eo =(1+R41/R43)Eo ′の関
係がある。したがって、R41およびR43の値を調整する
ことにより1より大きなゲインが得られ、しかも図9に
示すように周波数が変化しても出力電圧Eo の振幅が一
定であり、位相のみを所定量シフトすることができる。
【0071】ところで、図8に示した移相回路30Lの
伝達関数は、可変抵抗36とインダクタ37からなるL
R回路の時定数をT2 (可変抵抗36の抵抗値をR、イ
ンダクタ37のインダクタンスをLとするとT2 =L/
R)とすると、(2)式に示したK3 をそのまま適用す
ることができる。したがって、位相シフト量φ4 も時定
数T2 を用いて表現すると、上述した(6)式に示した
φ2 と同じとなる。
【0072】このように、図6に示した移相回路10L
および図8に示した移相回路30Lのそれぞれは、図2
あるいは図4に示した移相回路10C、30Cと等価で
あり、図1に示した発振器1において、前段の移相回路
10Cを図6に示した移相回路10Lに、後段の移相回
路30Cを図8に示した移相回路30Lにそれぞれ置き
換えることが可能である。
【0073】また、上述した2つの移相回路10L、3
0Lのそれぞれは、各移相回路10L、30Lに含まれ
るLR回路の時定数によって発振周波数が決まることに
なるが、各時定数Tは例えばL/Rであって、これら2
つの移相回路10L、30Lを含んで発振器1を構成し
た場合の発振周波数ωは1/T=R/Lに比例する。こ
こで、LR回路を構成するインダクタは、写真触刻法等
により渦巻き形状の導体を半導体基板上に形成すること
により実現できるが、このようにして形成したインダク
タを用いることにより、発振器1の全体を半導体基板上
に集積化することができる。
【0074】但し、この場合にはインダクタが有するイ
ンダクタンスが極めて小さくなるため、発振周波数が高
くなる。別の見方をすれば、発振器1の発振周波数は例
えば各移相回路10L、30L内のLR回路の時定数の
逆数R/Lに比例し、この中でインダクタンスLは集積
化等により小さくすることが容易であるため、2つの移
相回路10L、30Lを含んで構成した発振器1の全体
を集積化することにより発振周波数の高周波化が容易と
なる。
【0075】また、図1に示した発振器1において、移
相回路10C、30Cのいずれか一方を図6あるいは図
8に示した移相回路10L、30Lに置き換えるように
してもよい。特に、このような発振器1の全体を集積化
した場合には、温度変化による発振周波数の変動を防止
する、いわゆる温度補償が可能となる。すなわち、CR
回路の時定数TはCRであり、LR回路の時定数TはL
/Rであって、それぞれにおいて抵抗値Rが分子と分母
に分かれるため、集積化によってCR回路およびLR回
路を構成する抵抗を半導体材料により形成するような場
合には、これら各抵抗の温度変化に対する発振周波数の
変動を抑制する効果がある。
【0076】〔第3の実施形態〕図10は、発振器の第
3の実施形態を示す回路図である。同図に示す発振器1
Aは、それぞれが入力される交流信号の位相を所定量シ
フトさせることにより所定の周波数において合計で36
0°の位相シフトを行う2つの移相回路110C、13
0Cと、後段の移相回路130Cの出力を前段の移相回
路110Cの入力側に帰還させる帰還抵抗70とを含ん
で構成されている。この抵抗70は、0Ωから有限の抵
抗値を有している。
【0077】図2等に示した発振器1においては、前段
の移相回路10C内の抵抗18と抵抗20の各抵抗値を
同じに設定しており、これにより入力される交流信号の
周波数が変わったときの振幅変化を抑えている。また、
オペアンプ12の出力側に抵抗21と23による分圧回
路を接続することにより、移相回路10Cの利得を1よ
り大きな値に設定している。これに対し、図10に示す
発振器1Aに含まれる前段の移相回路110Cは、上述
した抵抗21、23による分圧回路を用いずに、抵抗1
8′の抵抗値よりも抵抗20′の抵抗値を大きく設定す
ることにより、移相回路110Cの利得を1より大きな
値に設定している。
【0078】後段の移相回路130Cについても同様で
あり、抵抗38′の抵抗値よりも抵抗40′の抵抗値を
大きく設定することにより、移相回路130Cの利得を
1より大きな値に設定している。
【0079】このように、図10に示した2つの移相回
路110C、130Cの各利得を1以上に設定すること
により、発振器1Aの帰還ループのオープンループゲイ
ンの損失分を補うことができ、図1に示した発振器1と
同様の発振動作が行われる。
【0080】ところで、各移相回路の利得を1より大き
な値に設定した場合には、入力される信号の周波数に応
じて利得変動が生じる。例えば、前段の移相回路110
Cについて考えると、入力信号の周波数が低い場合には
移相回路110Cはボルテージホロワ回路となるためこ
のときの利得は1倍となるのに対し、周波数が高い場合
には移相回路110Cは反転増幅器となるためこのとき
の利得は−m倍(mは抵抗20′と抵抗18′の抵抗
比)となるため、入力信号の周波数が変化したときに移
相回路110Cの利得も変化して出力信号の振幅変動が
生じる。
【0081】このような振幅変動は、オペアンプ12の
反転入力端子に抵抗22を接続して、入力信号の周波数
が低い場合と高い場合の利得を一致させることにより抑
えることができる。移相回路130Cについても同様で
あり、オペアンプ32の反転入力端子に所定の抵抗値を
有する抵抗42を接続することにより、出力信号の振幅
変動を抑えることができる。
【0082】次に、この抵抗22(あるいは抵抗42)
の抵抗値をどのような値に設定すればよいかを検討す
る。図11は、上述した移相回路110Cおよび130
Cを一般化した図であり、各移相回路に含まれるCR回
路をインピーダンスz1 、z2を有する素子に置き換え
た構成が示されている。同図に示すように、オペアンプ
の入力抵抗の抵抗値をr、帰還抵抗の抵抗値をmr、オ
ペアンプの反転入力端子に接続された抵抗(抵抗22あ
るいは42)の抵抗値をR、オペアンプの反転入力端子
の電位をVとする。
【0083】入力電圧Ei と電圧Vとの間には、 r(Ia +Ib )+V=Ei ・・・(7) の関係がある。また、電圧Vを図11に示した各種の定
数を用いて表すと、 V=Ib R ・・・(8) V=Eo +mr・Ia ・・・(9) V={z2 /(z1 +z2 )}Ei =kEi ・・・(10) となる。(10)式において、インピーダンスz1 、z
2 を有する2つの素子による分圧比をkとした。
【0084】(9)式からIa を、(8)式からIb を
それぞれ求め、これらを(7)式に代入し、さらにその
代入した結果に(10)式を代入してVを消去すると、 Eo =(Rk+Rmk+mrk−Rm)Ei /R ・・・(11) となる。
【0085】ところで、図11に示した移相回路が反転
増幅器として動作する場合とは、インピーダンスz2 が
0Ωであってk=0の場合であり、このとき(11)式
から、 Eo =−mEi ・・・(12) となる。また、図11に示した移相回路がホロワ回路と
して動作する場合とは、インピーダンスz1 が0Ωであ
ってk=1の場合であり、このとき(11)式から、 Eo =(R+mr)Ei /R ・・・(13) となる。移相回路110Cあるいは130Cが反転増幅
器およびホロワ回路として動作するときの利得変動がな
い場合とは、(12)式で求めたEo の絶対値と(1
3)式で求めたEo の絶対値が等しい場合であり、 m=(R+mr)/R ・・・(14) となる。Rについて解くと、 R=mr/(m−1) ・・・(15) となる。したがって、移相回路110C内の抵抗22の
抵抗値R、あるいは移相回路130C内の抵抗42の抵
抗値Rを(15)式に従って設定することにより、発振
周波数を低周波から高周波まで変化させたときに生じる
利得変動を抑えることができる。
【0086】〔第4の実施形態〕図10に示した発振器
1Aは、各移相回路110C、130CをCR回路を含
んで構成したが、CR回路を抵抗とインダクタからなる
LR回路に置き換えた移相回路を用いて発振器を構成す
ることもできる。
【0087】図12は、LR回路を含む移相回路の構成
を示す回路図であり、図10に示した発振器1Aの前段
の移相回路110Cと置き換え可能な構成が示されてい
る。同図に示す移相回路110Lは、図10に示した前
段の移相回路110C内のキャパシタ14と抵抗16か
らなるCR回路を、抵抗16とインダクタ17からなる
LR回路に置き換えた構成を有している。
【0088】上述した移相回路110Lの伝達関数は、
インダクタ17と抵抗16からなるLR回路の時定数を
1 (インダクタ17のインダクタンスをL、抵抗16
の抵抗値をRとするとT1 =L/R)とすると、上述し
た移相回路110Cと同じであって(1)式に示したK
2 をそのまま適用することができる。したがって、位相
シフト量も時定数T1 を用いて表現すると、上述した
(5)式に示したφ1 と同じとなる。
【0089】また、図13はLR回路を含む移相回路の
他の構成を示す回路図であり、図10に示した発振器1
Aの後段の移相回路130Cと置き換え可能な構成が示
されている。同図に示す移相回路130Lは、図10に
示した後段の移相回路130C内の可変抵抗36とキャ
パシタ34からなるCR回路を、インダクタ37と可変
抵抗36からなるLR回路に置き換えた構成を有してい
る。
【0090】上述した移相回路130Lの伝達関数は、
可変抵抗36とインダクタ37からなるLR回路の時定
数をT2 (可変抵抗36の抵抗値をR、インダクタ37
のインダクタンスをLとするとT2 =L/R)とする
と、上述した移相回路130Cと同じであって(2)式
に示したK3 をそのまま適用することができる。したが
って、位相シフト量も時定数T2 を用いて表現すると、
上述した(6)式に示したφ2 と同じとなる。
【0091】このように、図12に示した移相回路11
0Lおよび図13に示した移相回路130Lのそれぞれ
は、図10に示した移相回路110Cあるいは130C
と等価であり、図10に示した発振器1Aにおいて、前
段の移相回路110Cを図12に示した移相回路110
Lに、後段の移相回路130Cを図13に示した移相回
路130Lにそれぞれ置き換えることが可能である。2
つの移相回路110C、130Cのそれぞれを移相回路
110L、130Lに置き換えた場合には、発振器全体
を集積化することにより発振周波数の高周波化が容易と
なる。
【0092】また、2つの移相回路110C、130C
のいずれか一方を移相回路110Lあるいは130Lに
置き換えるようにしてもよい。この場合には、温度変化
に対する発振周波数の変動を抑制する効果がある。
【0093】ところで、図10に示した発振器1Aは、
2つの移相回路110C、130Cのそれぞれに抵抗2
2あるいは42を接続することにより、発振周波数を可
変したときの振幅変動を防止したが、周波数の可変範囲
が狭い場合には振幅変動も少なくなるため上述した抵抗
22、42を取り除いて発振器を構成することもでき
る。あるいは、一方の抵抗22あるいは42のみを取り
除いて発振器を構成することもできる。
【0094】〔第5の実施形態〕上述した各実施形態の
発振器1等では、2つの移相回路10C、30C等の両
方のゲインを1より大きく設定したが、いずれか一方の
ゲインのみを1より大きく設定し、他方のゲインを1に
設定するようにしてもよい。
【0095】図14は、図1に示した発振器1におい
て、後段の移相回路のゲインを1に設定した発振器1B
の構成を示す回路図である。図1に示した発振器1の後
段の移相回路30Cをゲインが1の移相回路30C′に
置き換えた構成を有している。
【0096】移相回路30C′は、図4に構成を示した
移相回路30Cに含まれる抵抗41と43からなる分圧
回路を省略したものであり、それ以外の構成は移相回路
30Cと共通している。別の見方をすれば、抵抗41と
43からなる分圧回路を省略するということは、この分
圧回路による分圧比を1に設定したことと等価であり、
このように考えると移相回路30C′も移相回路30C
の一態様であるといえる。なお、分圧比を1に設定した
場合とは、一方の抵抗41の抵抗値を0にした場合であ
り、この場合には他方の抵抗43は残しておいても取り
除いてもよい。取り除いた場合には図14に示した移相
回路30C′そのものとなる。
【0097】このように、一方の移相回路30C′のゲ
インを1に設定した場合には、他方の移相回路10Cの
ゲインを1より大きな値に設定することにより、発振器
1Bの帰還ループのオープンループゲインを1以上に設
定でき、図1に示した発振器1と同様の発振動作が行わ
れる。
【0098】図15は、図10に示した発振器1Aにお
いて、後段の移相回路のゲインを1に設定した発振器1
Cの構成を示す回路図である。図10に示した発振器1
Aの後段の移相回路130Cをゲインが1の移相回路3
0C′に置き換えた構成を有している。
【0099】移相回路30C′は、図14に示した発振
器1Bの後段に用いたものと同じであり、図10に構成
を示した移相回路130C内の抵抗42を省略するとと
もに、抵抗38と抵抗40の各抵抗値を同じ値に設定し
たものであって、それ以外の構成は移相回路130Cと
共通している。このように、2つの抵抗38、40の各
抵抗値が同じであるため、周波数を可変した際のゲイン
が全域において1であり、抵抗42は不要となる。
【0100】別の見方をすれば、抵抗42を省略すると
いうことは、抵抗42の抵抗値を非常に大きく、正確に
は無限大まで大きくすることと等価であり、このように
考えると移相回路30C′も移相回路130Cの一態様
であるといえる。
【0101】このように、一方の移相回路30C′のゲ
インを1に設定した場合には、他方の移相回路110C
のゲインを1より大きな値に設定することにより、発振
器1Cの帰還ループのオープンループゲインを1以上に
設定でき、発振器1Cによって図1に示した発振器1と
同様の発振動作が行われる。
【0102】なお、図14あるいは図15に示した発振
器1B、1Cは、後段の移相回路30C′のゲインを1
にしたが、前段の移相回路のゲインを1にするとともに
後段の移相回路のゲインを1より大きくしてもよい。す
なわち、図1に示す発振器1において、後段の移相回路
30Cはそのままに、前段の移相回路10Cを、抵抗2
1と23からなる分圧回路を省略した移相回路に置き換
えるようにしてもよい。また、図10に示す発振器1A
において、後段の移相回路130Cはそのままに、前段
の移相回路110Cを、抵抗18′と抵抗20′の各抵
抗値を同じにするとともに抵抗22の抵抗値を非常に大
きな値に設定、あるいは抵抗22を省略した移相回路に
置き換えるようにしてもよい。
【0103】また、図14あるいは図15に示した発振
器1B、1Cにおいて、前後の移相回路10C、30
C′あるいは移相回路110C、30C′の順番を入れ
換えるようにしてもよい。あるいは、図10に示した発
振器1Aの前段の移相回路110Cをゲインが1の移相
回路110C′に置き換えるとともに前後の移相回路の
順番を入れ換えたり、図10に示した発振器1Aの前段
の移相回路110Cをゲインが1の移相回路110C′
に置き換えるとともに前後の移相回路の順番を入れ換え
るようにしてもよい。
【0104】また、図1、図10、図14、図15に示
した発振器1、1A、1B、1Cに含まれるいずれか一
方、あるいは両方の移相回路を図6、8、12、13に
示した移相回路10L、30L、110L、130Lの
いずれかと置き換えて発振器を構成する場合には、この
発振器に含まれる一方の移相回路のゲインを1に設定
し、他方の移相回路のゲインを1より大きな値に設定す
ることにより、この発振器の帰還ループのオープンルー
プゲインを1以上に設定することができ、図1に示した
発振器1等と同様の発振動作を行うことが可能となる。
【0105】〔第6の実施形態〕また、図1に示した発
振器1と図10に示した発振器1Aの各移相回路を相互
に組み合わせて発振器を構成することもできる。
【0106】図16は前段に図2に示した移相回路10
Cを、後段に図10に示した移相回路130Cを用いた
発振器1Dの構成を示す回路図である。上述した第1お
よび第3の実施形態で説明したように、図2に示した移
相回路10Cと図10に示した移相回路130Cは、と
もにゲインが1以上であって所定の位相シフトを行う点
で等価であり、図16に示した発振器1Dは図1に示し
た発振器1等と同様の発振動作を行うことができる。
【0107】同様に、図17は、前段に図10に示した
移相回路110Cを、後段に図4に示した移相回路30
Cを用いた発振器1Eの構成を示す回路図である。上述
した第1および第3の実施形態で説明したように、図2
に示した移相回路30Cと図10に示した移相回路11
0Cは、ともにゲインが1以上であって所定の位相シフ
トを行う点で等価であり、図17に示した発振器1Eは
図1に示した発振器1等と同様の発振動作を行うことが
できる。
【0108】また、図16あるいは図17に示した発振
器1D、1Eに含まれるいずれか一方、あるいは両方の
移相回路を図6、8、12、13に示した移相回路10
L、30L、110L、130Lのいずれかと置き換え
て発振器を構成することもできる。
【0109】〔その他の実施形態〕なお、本発明は上述
した各種の実施形態に限定されるものではなく、この発
明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0110】例えば、上述した移相回路30C、30
L、130C、130Lに含まれる可変抵抗36を半導
体基板上に集積化した場合、あるいは移相回路10C、
10L、110C、110Lに含まれる抵抗16を可変
抵抗に置き換え、この可変抵抗を半導体基板上に集積化
した場合には、具体的には接合型あるいはMOS型のF
ETのチャネルを抵抗体として用いて実現することがで
きる。このようにFETによって可変抵抗を形成した場
合には、ゲート電圧を可変することによりソース・ドレ
イン間の抵抗が変わるため、電圧制御型の発振器を構成
することができる。
【0111】また、pチャネルのFETとnチャネルの
FETとを並列接続して可変抵抗を構成してもよい。こ
のように、2つのFETを組み合わせて可変抵抗を構成
することにより、FETの非線形領域の改善を行うこと
ができるため、発振出力の歪みを少なくすることができ
る。
【0112】また、各移相回路内のCR回路を構成する
抵抗の抵抗値を変化させるのではなく、キャパシタの静
電容量を変えることによりCR回路の時定数を変化さ
せ、これにより移相回路の位相シフト量、すなわち発振
器の発振周波数を変化させるようにしてもよい。
【0113】具体的には、図2に示した移相回路10C
あるいは図10に示した移相回路110Cに含まれるキ
ャパシタ14、または図4に示した移相回路30Cある
いは図10に示した移相回路130Cに含まれるキャパ
シタ34を、可変容量ダイオードと直流電流阻止用のキ
ャパシタに置き換える。可変容量ダイオードは、印加す
る逆バイアス電圧を変えることによりアノード・カソー
ド間の静電容量が変化するものである。このような可変
容量ダイオードと抵抗とを直列接続してCR回路を構成
することにより、印加する逆バイアス電圧を変えてこの
CR回路の時定数を変えることができ、移相回路による
位相シフト量を変化させることができる。
【0114】また、この可変容量ダイオードの代わり
に、ゲートに印加する制御電圧に応じてそのゲート容量
がある範囲で変更可能なFETを可変容量素子として用
いるようにしてもよい。
【0115】また、上述したように可変抵抗や可変容量
素子を用いる場合の他、素子定数が異なる複数の抵抗、
キャパシタあるいはインダクタを用意しておいて、スイ
ッチを切り換えることにより、これら複数の素子の中か
ら1つあるいは複数を選ぶようにしてもよい。この場合
にはスイッチ切り換えにより接続する素子の個数および
接続方法(直列接続、並列接続あるいはこれらの組み合
わせ)によって、素子定数を不連続に切り換えることが
できる。
【0116】例えば、可変抵抗の代わりに抵抗値がR、
2R、4R、…といった2のn乗の系列の複数の抵抗を
用意しておいて、1つあるいは任意の複数を選択して直
列接続することにより、等間隔の抵抗値の切り換えをよ
り少ない素子で容易に実現することができる。同様に、
キャパシタの代わりに静電容量がC、2C、4C、…と
いった2のn乗の系列の複数のキャパシタを用意してお
いて、1つあるいは任意の複数を選択して並列接続する
ことにより、等間隔の静電容量の切り換えをより少ない
素子で容易に実現することができる。
【0117】また、上述した各種の実施形態において
は、オペアンプを用いた移相回路10C、30C等を用
いて発振器を構成することにより高い安定度を実現する
ことができるが、本実施形態の移相回路10C、30C
等のような使い方をする場合にはオフセット電圧や電圧
利得はそれほど高性能なものが要求されないため所定の
増幅度を有する差動入力増幅器を各移相回路内のオペア
ンプの代わりに使用するようにしてもよい。
【0118】図18は、オペアンプの構成の中で移相回
路の動作に必要な部分を抽出した回路図であり、全体が
所定の増幅度を有する差動入力増幅器として動作する。
同図に示す差動入力増幅器は、FETにより構成された
差動入力段100と、この差動入力段100に定電流を
与える定電流回路102と、定電流回路102に所定の
バイアス電圧を与えるバイアス回路104と、差動入力
段100に接続された出力アンプ106とによって構成
されている。同図に示すように、実際のオペアンプに含
まれている電圧利得を稼ぐための多段増幅回路を省略し
て、差動入力増幅器の構成を簡略化し、広帯域化を図る
ことができる。このように、回路の簡略化を行うことに
より、動作周波数の上限を高くすることができるため、
その分この差動入力増幅器を用いて構成した発振回路の
発振周波数の上限を高くすることができる。
【0119】また、上述した各実施形態の発振器は、後
段の移相回路30C等の出力端46を発振器の出力端子
92に接続して発振出力を取り出したが、前段の移相回
路10C等から発振出力を取り出すようにしてもよい。
また、後段の移相回路30C等の前後から、あるいは前
段の移相回路10C等の前後から互いに所定の位相差を
有する2相出力を取り出すようにしてもよい。2相出力
を取り出して各出力を合成すれば、任意の位相の発振出
力を得ることができる。
【0120】また、上述した各種の実施形態で示した発
振器において、いずれか一方の移相回路内のCR回路を
構成するキャパシタをコンデンサマイクに置き換えるこ
とにより、このコンデンサマイクで拾う音声の音圧レベ
ルに応じた直接的なFM変調が可能となる。したがっ
て、コンデンサマイクを含んでFM変調装置を構成する
ことができ、この出力を直接あるいは電力増幅を行った
後にアンテナを介して空中に放出することにより、簡易
な構成のFMワイヤレスマイクを実現することができ
る。あるいは、上述したFM変調装置から出力されるF
M変調がかかった信号を回線等の伝送線に送出してもよ
い。
【0121】また、上述した各種の実施形態で示した発
振器において、いずれか一方の移相回路内のCR回路あ
るいはLR回路を構成する抵抗(発振周波数設定用の可
変抵抗を除く)あるいはキャパシタを、外部から印加さ
れる入力電圧に応じて抵抗値や静電容量が変更可能なF
ETあるいは可変容量素子に置き換えることにより、音
声信号等を入力電圧とした直接的なFM変調が可能とな
る。この場合には、上述したコンデンサマイクを使用し
たFM変調装置と同様に、その出力をアンテナを介して
空中に放出し、あるいは回線等の伝送線に送出すること
ができる。
【0122】
【発明の効果】以上の各実施形態に基づく説明から明ら
かなように、2つの移相回路を縦続接続し、これら縦続
接続された2つの移相回路の後段の出力を前段の入力側
に帰還させるため、移相回路全体による位相シフト量を
所定の周波数において360°にすることができ、安定
な正弦波発振出力を得ることができる。
【0123】また、移相回路に含まれるCR回路あるい
はLR回路の時定数を変化させることにより発振周波数
を可変することができ、しかも発振周波数を可変して
も、発振周波数の下限近傍から上限近傍までの広範囲に
わたって振幅変動が起きることがなく、ほぼ一定の振幅
を有する発振出力を得ることができる。したがって、発
振周波数によって、発振が停止したり振幅が飽和したり
するおそれがなくなる。
【0124】さらに、発振器内の2つの移相回路をCR
回路を含んで構成した場合には、発振器全体を容易に集
積化することができる。同様に、2つの移相回路をLR
回路を含んで構成した場合には、集積化によって小さな
インダクタを形成することにより容易に発振周波数の高
周波化が可能となる。特に、一方の移相回路をCR回路
を含んで、他方の移相回路をLR回路を含んで構成した
場合には、温度等による特性の変動を防止できることか
ら、特性が安定化する。
【0125】また、縦続接続された2つの移相回路内の
CR回路あるいはLR回路を構成する抵抗あるいはキャ
パシタを、入力電圧に応じて抵抗値や静電容量が変更可
能なFETあるいは可変容量素子に置き換えれば、音声
信号等を入力電圧とした簡易な構成のFM変調装置を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1の実施形態の発振器の構
成を示す回路図である。
【図2】図1に示した前段の移相回路の構成を抜き出し
て示した回路図である。
【図3】前段の移相回路の入出力電圧とキャパシタ等に
現れる電圧との関係を示すベクトル図である。
【図4】図1に示した後段の移相回路の構成を抜き出し
て示した回路図である。
【図5】後段の移相回路の入出力電圧とキャパシタ等に
現れる電圧との関係を示すベクトル図である。
【図6】LR回路を含む移相回路の構成を示す回路図で
あり、図1に示した発振器の前段の移相回路と置き換え
可能な構成を示す図である。
【図7】図6に示す移相回路の入出力電圧とインダクタ
等に現れる電圧との関係を示すベクトル図である。
【図8】LR回路を含む移相回路の他の構成を示す回路
図であり、図1に示した発振器の後段の移相回路と置き
換え可能な構成を示す図である。
【図9】図8に示す移相回路の入出力電圧とインダクタ
等に現れる電圧との関係を示すベクトル図である。
【図10】発振器の第3の実施形態を示す回路図であ
る。
【図11】図10に示す各移相回路を一般化した図であ
る。
【図12】LR回路を含む移相回路の構成を示す回路図
であり、図10に示した発振器の前段の移相回路と置き
換え可能な構成を示す図である。
【図13】LR回路を含む移相回路の他の構成を示す回
路図であり、図10に示した発振器の後段の移相回路と
置き換え可能な構成を示す図である。
【図14】図1に示した発振器において、後段の移相回
路のゲインを1に設定した発振器の構成を示す回路図で
ある。
【図15】図10に示した発振器において、後段の移相
回路のゲインを1に設定した発振器の構成を示す回路図
である。
【図16】前段に図2に示した移相回路10Cを、後段
に図10に示した移相回路130Cを用いた発振器の構
成を示す回路図である。
【図17】前段に図10に示した移相回路110Cを、
後段に図4に示した移相回路30Cを用いた発振器の構
成を示す回路図である。
【図18】オペアンプの構成の中で移相回路の動作に必
要な部分を抽出した回路図である。
【図19】従来の正弦波発振器の一例を示す回路図であ
る。
【図20】従来の正弦波発振器の一例を示す回路図であ
る。
【符号の説明】
1、1A、1B、1C、1D、1E 発振器 10C、30C、110C、130C、10L、30
L、110L、130L移相回路 12、32 オペアンプ 14、34 キャパシタ 17、37 インダクタ 16、18、20、22、38、40、42 抵抗 36 可変抵抗 70 帰還抵抗 92 出力端子

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反転入力端子に第1の抵抗の一方端が接
    続され前記第1の抵抗を介して交流信号が入力される差
    動入力増幅器と、前記差動入力増幅器の出力端子に接続
    された分圧回路と、前記分圧回路の出力端と前記差動入
    力増幅器の反転入力端子との間に接続された第2の抵抗
    と、第3の抵抗およびキャパシタで構成され前記第1の
    抵抗の他方端に接続されたCR回路とを含み、前記第3
    の抵抗および前記キャパシタの接続部を前記差動入力増
    幅器の非反転入力端子に接続した2つの移相回路を備
    え、前記2つの移相回路を縦続接続し、これら縦続接続
    された2つの移相回路の後段の出力を前段の入力側に帰
    還させるとともに、前記2つの移相回路のいずれかから
    正弦波発振出力を取り出すことを特徴とする発振器。
  2. 【請求項2】 反転入力端子に第1の抵抗の一方端が接
    続され前記第1の抵抗を介して交流信号が入力される差
    動入力増幅器と、前記差動入力増幅器の出力端子に接続
    された分圧回路と、前記分圧回路の出力端と前記差動入
    力増幅器の反転入力端子との間に接続された第2の抵抗
    と、第3の抵抗およびインダクタで構成され前記第1の
    抵抗の他方端に接続されたLR回路とを含み、前記第3
    の抵抗および前記インダクタの接続部を前記差動入力増
    幅器の非反転入力端子に接続した2つの移相回路を備
    え、前記2つの移相回路を縦続接続し、これら縦続接続
    された2つの移相回路の後段の出力を前段の入力側に帰
    還させるとともに、前記2つの移相回路のいずれかから
    正弦波発振出力を取り出すことを特徴とする発振器。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記2つの移相回路内の前記第1および第2の抵抗の抵
    抗値を同じ値に設定することを特徴とする発振器。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記2つの移相回路を含んで形成される帰還ループのオ
    ープンループゲインが1以上となるように、前記2つの
    移相回路の少なくとも一方において、前記分圧回路の分
    圧比を1より小さな値に設定することを特徴とする発振
    器。
  5. 【請求項5】 反転入力端子に第1の抵抗の一方端が接
    続され前記第1の抵抗を介して交流信号が入力される差
    動入力増幅器と、前記差動入力増幅器の反転入力端子と
    出力端子との間に接続された第2の抵抗と、一方端が前
    記差動入力増幅器の反転入力端子に接続され他方端が接
    地された第3の抵抗と、第4の抵抗およびキャパシタで
    構成され前記第1の抵抗の他方端に接続されたCR回路
    とを含み、前記第4の抵抗および前記キャパシタの接続
    部を前記差動入力増幅器の非反転入力端子に接続した2
    つの移相回路を備え、前記2つの移相回路を縦続接続
    し、これら縦続接続された2つの移相回路の後段の出力
    を前段の入力側に帰還させるとともに、前記2つの移相
    回路のいずれかから正弦波発振出力を取り出すことを特
    徴とする発振器。
  6. 【請求項6】 反転入力端子に第1の抵抗の一方端が接
    続され前記第1の抵抗を介して交流信号が入力される差
    動入力増幅器と、前記差動入力増幅器の反転入力端子と
    出力端子との間に接続された第2の抵抗と、一方端が前
    記差動入力増幅器の反転入力端子に接続され他方端が接
    地された第3の抵抗と、第4の抵抗およびインダクタで
    構成され前記第1の抵抗の他方端に接続されたLR回路
    とを含み、前記第4の抵抗および前記インダクタの接続
    部を前記差動入力増幅器の非反転入力端子に接続した2
    つの移相回路を備え、前記2つの移相回路を縦続接続
    し、これら縦続接続された2つの移相回路の後段の出力
    を前段の入力側に帰還させるとともに、前記2つの移相
    回路のいずれかから正弦波発振出力を取り出すことを特
    徴とする発振器。
  7. 【請求項7】 請求項5または6において、 前記2つの移相回路を含んで形成される帰還ループのオ
    ープンループゲインが1以上となるように、前記2つの
    移相回路の少なくとも一方において、前記第2の抵抗の
    抵抗値を前記第1の抵抗の抵抗値より高くすることを特
    徴とする発振器。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7のいずれかにおいて、 前記CR回路あるいは前記LR回路の時定数を可変した
    ときに、可変の上限近傍と下限近傍における前記移相回
    路の出力振幅がほぼ一定となるように前記第3の抵抗の
    抵抗値を設定することを特徴とする発振器。
  9. 【請求項9】 反転入力端子に第1の抵抗の一方端が接
    続され前記第1の抵抗を介して交流信号が入力される差
    動入力増幅器と、前記差動入力増幅器の出力端子に接続
    された分圧回路と、前記分圧回路の出力端と前記差動入
    力増幅器の反転入力端子との間に接続された第2の抵抗
    と、第3の抵抗およびキャパシタで構成され前記第1の
    抵抗の他方端に接続されたCR回路とを含み、前記第3
    の抵抗および前記キャパシタの接続部を前記差動入力増
    幅器の非反転入力端子に接続した第1の移相回路と、 反転入力端子に第4の抵抗の一方端が接続され前記第4
    の抵抗を介して交流信号が入力される差動入力増幅器
    と、前記差動入力増幅器の出力端子に接続された分圧回
    路と、前記分圧回路の出力端と前記差動入力増幅器の反
    転入力端子との間に接続された第5の抵抗と、第6の抵
    抗およびインダクタで構成され前記第4の抵抗の他方端
    に接続されたLR回路とを含み、前記第6の抵抗および
    前記インダクタの接続部を前記差動入力増幅器の非反転
    入力端子に接続した第2の移相回路と、 反転入力端子に第7の抵抗の一方端が接続され前記第7
    の抵抗を介して交流信号が入力される差動入力増幅器
    と、前記差動入力増幅器の反転入力端子と出力端子との
    間に接続された第8の抵抗と、一方端が前記差動入力増
    幅器の反転入力端子に接続され他方端が接地された第9
    の抵抗と、第10の抵抗およびキャパシタで構成され前
    記第7の抵抗の他方端に接続されたCR回路とを含み、
    前記第10の抵抗および前記キャパシタの接続部を前記
    差動入力増幅器の非反転入力端子に接続した第3の移相
    回路と、 反転入力端子に第11の抵抗の一方端が接続され前記第
    11の抵抗を介して交流信号が入力される差動入力増幅
    器と、前記差動入力増幅器の反転入力端子と出力端子と
    の間に接続された第12の抵抗と、一方端が前記差動入
    力増幅器の反転入力端子に接続され他方端が接地された
    第13の抵抗と、第14の抵抗およびインダクタで構成
    され前記第11の抵抗の他方端に接続されたLR回路と
    を含み、前記第14の抵抗および前記インダクタの接続
    部を前記差動入力増幅器の非反転入力端子に接続した第
    4の移相回路とのうち、いずれか2つの移相回路を備
    え、これら2つの移相回路を縦続接続して後段の出力を
    前段の入力側に帰還させるとともに、前記2つの移相回
    路のいずれかから正弦波発振出力を取り出すことを特徴
    とする発振器。
  10. 【請求項10】 請求項9において、 縦続接続された前記2つの移相回路に前記第1および第
    2の移相回路の少なくとも一方が含まれる場合には、前
    記2つの移相回路を含んで形成される帰還ループのオー
    プンループゲインが1以上となるように、前記2つの移
    相回路の少なくとも一方において、前記分圧回路の分圧
    比を1より小さな値に設定することを特徴とする発振
    器。
  11. 【請求項11】 請求項9または10において、 縦続接続された前記2つの移相回路に前記第3および第
    4の移相回路の少なくとも一方が含まれる場合には、前
    記CR回路あるいは前記LR回路の時定数を可変して、
    可変の上限近傍と下限近傍における前記移相回路の出力
    振幅がほぼ一定となるように前記第9あるいは第13の
    抵抗の抵抗値を設定することを特徴とする発振器。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11において、 縦続接続された前記2つの移相回路の双方に前記CR回
    路あるいは前記LR回路が含まれている場合には、前記
    CR回路を構成する抵抗および前記キャパシタの接続順
    序、あるいは前記LR回路を構成する抵抗および前記イ
    ンダクタの接続順序を、前記2つの移相回路において反
    対にし、前記2つの移相回路のいずれか一方に前記CR
    回路が含まれ、他方に前記LR回路が含まれている場合
    には、前記キャパシタあるいは前記インダクタと前記抵
    抗との接続順序を前記2つの移相回路において同じにし
    たことを特徴とする発振器。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかにおいて、 縦続接続された前記2つの移相回路内の前記CR回路あ
    るいは前記LR回路のうち、少なくとも一方の前記CR
    回路あるいは前記LR回路の時定数を可変することによ
    り、発振周波数を変化させることを特徴とする発振器。
  14. 【請求項14】 請求項13において、 前記CR回路あるいは前記LR回路に含まれる抵抗の抵
    抗値を可変することにより、前記時定数を変化させるこ
    とを特徴とする発振器。
  15. 【請求項15】 請求項14において、 前記CR回路あるいは前記LR回路に含まれる抵抗をp
    チャネル型のFETとnチャネル型のFETとを並列接
    続することにより形成し、各FETのゲート電圧の大き
    さを変えてチャネル抵抗を変えることを特徴とする発振
    器。
  16. 【請求項16】 請求項13において、 前記CR回路に含まれる前記キャパシタを可変容量素子
    により形成し、この可変容量素子の静電容量を変えるこ
    とにより、前記時定数を変化させることを特徴とする発
    振器。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16において、 前記2つの移相回路から2相出力を取り出すことを特徴
    とする発振器。
  18. 【請求項18】 請求項1〜17のいずれかにおいて、 前記差動入力増幅器は演算増幅器であることを特徴とす
    る発振器。
  19. 【請求項19】 請求項1〜18のいずれかにおいて、 外部から印加される入力電圧がFM変調されるように、
    縦続接続された前記2つの移相回路内の前記CR回路あ
    るいはLR回路を構成する抵抗あるいはキャパシタを、
    前記入力電圧に応じて抵抗値や静電容量が変更可能なF
    ETあるいは可変容量素子で構成することを特徴とする
    発振器。
  20. 【請求項20】 請求項19において、 縦続接続された前記2つの移相回路に前記CR回路が含
    まれる場合に、前記CR回路内の前記キャパシタをコン
    デンサマイクで構成することを特徴とする発振器。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009302615A (ja) * 2008-06-10 2009-12-24 Sharp Corp 負荷変調回路、集積回路、及び、icカード

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