JP6278281B2 - ミキサ回路 - Google Patents

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Description

本開示は、高周波信号を低周波信号に変換するミキサ回路に関する。
近年、高速伝送の無線通信規格では、変調信号の帯域幅が広帯域化し、1つの通信チャネルにおける無線通信回路の周波数偏差が増大するので、変調精度の特性が劣化し易くなる。このため、高周波信号を例えば中間周波数(IF:Intermediate Frequency)信号に変換するミキサ回路を広帯域な帯域幅にて用いた場合、変換ゲインの周波数偏差を低減することが重要である。
以下、ミキサ回路が出力する差動のIF信号の振幅と、ミキサ回路に入力された高周波信号の振幅との比を、変換ゲインという。
変換ゲインの周波数偏差を低減する先行技術として、例えば図12に示すミキサ回路が知られている(例えば特許文献1参照)。図12は、従来のミキサ回路10の回路構成を示す図である。図12に示すミキサ回路10は、片相整合回路MA11と、増幅回路AP11と、不平衡平衡変換回路DR11を含む差動整合回路MA12と、ミキシング回路MX11とを含む。
図12に示すミキサ回路10では、入力端子RFINに入力されたシングルエンド(片相)の高周波信号は、片相整合回路MA11においてインピーダンスが整合された後、増幅回路AP11のトランジスタM11において増幅される。増幅回路AP11が増幅したシングルエンドの高周波信号は、不平衡平衡変換回路DR11において差動の高周波信号に変換される。差動信号のうち、位相が正相(p側)の出力信号はインダクタL11及び抵抗R11により整合され、位相が逆相(n側)の出力信号はインダクタL12及び抵抗R12により整合され、最大レベルの差動信号がミキシング回路MX11に入力される。
差動整合回路12が出力した差動信号は、ミキシング回路MX11において、p側の入力端子Lop,n側の入力端子Lonから入力された各局部信号とミキシングされてダウンコンバートされる。ダウンコンバートにより生成された差動のIF信号のうち、正相のIF信号はp側の出力端子IFpから出力され、逆相の出力IF信号はn側の出力端子IFnから出力される。
図12に示すミキサ回路10の片相整合回路MA11及び差動整合回路MA12の各整合素子に用いられるインダクタ(例えばインダクタL11,L12)又はコンデンサC11は、周波数偏差特性が大きい。このため、ミキサ回路10における変換ゲインの周波数偏差特性が大きくなる。そこで、ミキサ回路10では、差動整合回路MA12のインダクタL11に直列接続する抵抗R11が追加され、差動整合回路MA12のインダクタL12に直列接続する抵抗R12が追加されている。これにより、ミキサ回路10は、差動整合回路MA12のQ値を下げて、変換ゲインの周波数偏差を低減する。
日本国特開2005−57629号公報
しかし、特許文献1に示すミキサ回路10では(図12参照)、変換ゲインの周波数偏差特性を低減するために、差動整合回路MA12の各出力端に抵抗R11,R12が直列に追加されているので、高周波信号のロス(損失)が発生してしまう。このため、ミキサ回路10の変換ゲインが劣化するという課題があった。変換ゲインが劣化すると、ミキサ回路10の動作周波数の帯域幅が制限されてしまう。
本開示は、上述した従来の課題を解決するために、入力された高周波信号をIF信号に変換するための変換ゲインの周波数偏差を低減し、広帯域において動作するミキサ回路を提供することである。
本開示は、片相の高周波信号を差動信号に変換する不平衡平衡変換回路と、前記高周波信号の中心周波数より低い又は高い周波数にて、最大レベルの前記不平衡平衡変換回路の正相出力信号を出力し、前記高周波信号の中心周波数より高い又は低い周波数にて、最大レベルの前記不平衡平衡変換回路の逆相出力信号を出力する差動整合回路と、前記差動整合回路の正相出力信号及び逆相出力信号を増幅する増幅回路と、前記増幅回路の正相出力信号及び逆相出力信号と、局部発生信号とを用いて、前記増幅回路の正相出力信号及び逆相出力信号を中間周波数信号に変換するミキシング回路と、を備える、ミキサ回路である。
また、本開示は、片相の高周波信号の中心周波数にて最大レベルの前記高周波信号を出力する片相整合回路と、前記片相整合回路の出力片相信号を差動信号に変換する不平衡平衡変換回路と、前記高周波信号の中心周波数より低い周波数にて、最大レベルの前記不平衡平衡変換回路の正相出力信号を出力し、前記高周波信号の中心周波数より高い周波数にて、最大レベルの前記不平衡平衡変換回路の逆相出力信号を出力する、又は、前記高周波信号の中心周波数より高い周波数にて、最大レベルの前記不平衡平衡変換回路の正相出力信号を出力し、前記高周波信号の中心周波数より低い周波数にて、最大レベルの前記不平衡平衡変換回路の逆相出力信号を出力する、差動整合回路と、前記差動整合回路の正相出力信号及び逆相出力信号を増幅する増幅回路と、前記増幅回路の正相出力信号及び逆相出力信号と、局部発生信号とを用いて、前記増幅回路の正相出力信号及び逆相出力信号を中間周波数信号に変換するミキシング回路と、を備え、前記片相整合回路は、前記片相の高周波信号の信号経路とグランドとの間に並列接続された、複数の直列接続されたスイッチ及びコンデンサの組を含む、ミキサ回路である。
本開示によれば、入力された高周波信号をIF信号に変換するための変換ゲインの周波数偏差を低減し、広帯域において動作できる。
第1の実施形態のミキサ回路の回路構成を示す図 (A)従来のミキサ回路の帯域幅と変換ゲインとを示す説明図、(B)本実施形態のミキサ回路の帯域幅と変換ゲインとを示す説明図、(C)共振周波数を低域側又は高域側にシフトした場合の本実施形態のミキサ回路の帯域幅を示す説明図 本実施形態の変形例1のミキサ回路における差動整合回路の回路構成を示す図 本実施形態の変形例2のミキサ回路における差動整合回路の回路構成を示す図 本実施形態の変形例3のミキサ回路における差動整合回路の回路構成を示す図 本実施形態の変形例4のミキサ回路における片相整合回路及び差動整合回路の各回路構成を示す図 (A)従来のミキサ回路の片相整合回路が中心周波数をシフトした場合の帯域幅と変換ゲインとを示す説明図、(B)本実施形態のミキサ回路の片相整合回路が中心周波数をシフトした場合の帯域幅と変換ゲインとを示す説明図 本実施形態の変形例5のミキサ回路における増幅回路の出力負荷の回路構成を示す図 増幅回路が増幅した正相出力信号及び逆相出力信号の各共振周波数と可変インダクタのインダクタンス値との関係を示すグラフ 第2の実施形態のミキサ回路の回路構成を示す図 (A)ゲートバイアス電流値が一定の所定値である場合の変換ゲインを示す説明図、(B)ゲートバイアス電流値が所定値以上である場合の変換ゲインを示す説明図 従来のミキサ回路の回路構成を示す図 従来のダブルバランス型のミキサ回路の回路構成を示す図 本実施形態の変形例5のミキサ回路の回路構成を示す図
(各実施形態の内容に至る経緯)
先ず、本開示に係るミキサ回路の各実施形態を説明する前に、各実施形態の内容に至る経緯について、図13を参照して説明する。図13は、従来のダブルバランス型のミキサ回路20の回路構成を示す図である。
図13に示すミキサ回路20は、片相整合回路MA21と、不平衡平衡変換回路DR21と、増幅回路AP21と、ミキシング回路MX21とを含む。
図13に示すミキサ回路20では、入力端子RFINに入力されたシングルエンド(片相)の高周波信号は、片相整合回路MA21においてインピーダンスが整合されて不平衡平衡変換回路DR21に出力される。
不平衡平衡変換回路DR21は、入力したシングルエンドの高周波信号を差動信号に変換して正相及び逆相の各高周波信号を出力する。以下の説明において、差動信号のうち、位相が正相の出力信号を「正相出力信号」と記載し、位相が逆相の出力信号を「逆相出力信号」と記載する。
不平衡平衡変換回路DR21が出力した正相出力信号は、増幅回路AP21のトランジスタM21において増幅され、ミキシング回路MX21の各トランジスタM23,M24に入力される。不平衡平衡変換回路DR21が出力した逆相出力信号は、増幅回路AP21のトランジスタM22において増幅され、ミキシング回路MX21の各トランジスタM25,M26に入力される。
ミキシング回路MX21は、トランジスタM23,M24,M25,M26と、出力負荷R21,R22とを含む。ミキシング回路MX21は、入力端子Lopを介して正相の局部信号をトランジスタM23,M26のゲートに入力し、入力端子Lonを介して逆相の局部信号をトランジスタM24,M25のゲートに入力することで、各トランジスタM23,M24,M25,M26をスイッチング素子として用いる。
ミキシング回路MX21は、各トランジスタM23,M24,M25,M26に入力された正相局部信号及び逆相局部信号と、増幅回路AP21が出力した正相出力信号及び逆相出力信号とをミキシングすることで、増幅回路AP21が出力した正相出力信号及び逆相出力信号を差動のIF信号にダウンコンバートする。
ダウンコンバートされた差動のIF信号は、各トランジスタM23,M24,M25,M26において交互にスイッチングされて、出力負荷R21,R22に出力される。このため、ミキサ回路20の変換ゲインは、IF信号の正相出力信号における変換ゲインとIF信号の逆相出力信号における変換ゲインとの加算結果によって平均化される。IF信号は、出力端子IFp,IFnを介してミキサ回路20の外部に出力される。
図13に示すミキサ回路20を高周波の周波数帯域において用いるためには、広帯域な周波数帯域の帯域幅において、ミキサ回路20の変換ゲインの劣化を抑制した、即ち、ミキサ回路20の変換ゲインの周波数偏差を低減する必要がある。ここで、ミキサ回路20の変換ゲインに周波数偏差を与える回路素子は、ミキシング回路MX21の出力負荷と、増幅回路AP21の入力負荷及び出力負荷である。
ミキシング回路MX21の出力負荷R21,R22に抵抗を用いると、例えば数GHzの帯域のIF信号では、変換ゲインの周波数偏差は少ない。
しかし、増幅回路AP21の入力負荷又は出力負荷に抵抗を用いると高周波信号のロスが増大するので、ノイズ特性の指標であるNF(Noise Figure)特性が劣化する。このため、インピーダンスの周波数偏差は大きいがロスの少ない受動素子(例えばインダクタンス、コンデンサ)を整合素子として用いる必要があった。
また、所定の周波数帯域毎に定められた複数のチャネル間を切り替えるために、局部信号の周波数を可変させる受信システム回路(例えばTVチューナの無線通信回路)に、図12に示すミキサ回路10を用いる場合がある。複数のチャネルに対応した広帯域な周波数帯域においてミキサ回路10の周波数偏差を低減するために、ミキサ回路10の整合回路に抵抗を用いたインピーダンス整合により、整合回路のQ値を低減することが好ましい。しかし、抵抗R11,R12を追加することで高周波信号のロスが増大するので、ミキサ回路10における変換ゲインが劣化するという課題があった。
そこで、以下の各実施形態では、入力された高周波信号をIF信号に変換するための変換ゲインの周波数偏差を低減し、広帯域において動作するミキサ回路の具体的な例を説明する。
(第1の実施形態)
以下、本開示に係る第1の実施形態のミキサ回路1について、図1を参照して説明する。図1は、第1の実施形態のミキサ回路1の回路構成を示す図である。図1に示すミキサ回路1は、片相整合回路MA1と、不平衡平衡変換回路DR1と、差動整合回路MA2と、増幅回路AP1と、ミキシング回路MX1とを含む。
片相整合回路MA1は、入力端子RFINに入力されたシングルエンド(片相)の高周波信号の信号経路(信号線)に直列接続されたコンデンサC0と、高周波信号の信号経路に並列接続されたコンデンサC1とを含む。コンデンサC1の一端はグランドに接続される。片相整合回路MA1は、ミキサ回路1の動作周波数の帯域(例えば予め決められたチャネル)に応じて、インピーダンスを整合することで、最大レベルの高周波信号を不平衡平衡変換回路DR1に出力する。
不平衡平衡変換回路DR1は、例えば1次側インダクタと2次側インダクタとが誘導性結合されたトランスを用いて構成され、片相整合回路MA1が出力したシングルエンドの高周波信号を差動の高周波信号に変換する。不平衡平衡変換回路DR1において生成された差動信号、即ち正相出力信号及び逆相出力信号は、差動整合回路MA2に入力される。
差動整合回路MA2は、不平衡平衡変換回路DR1の正相出力信号の信号経路とグランドとの間に並列接続されたインダクタL1pと可変容量コンデンサCVpとを有し、更に、不平衡平衡変換回路DR1の逆相出力信号の信号経路とグランドとの間に並列接続されたインダクタL1nと可変容量コンデンサCVnとを有する。可変容量コンデンサCVp,CVnは、不図示の制御回路が出力した制御信号に応じて、各容量値を可変する。インダクタL1p,L1nは固定のインダクタンス値を有する。
差動整合回路MA2は、インダクタL1pのインダクタンス値及び可変容量コンデンサCVpの容量値を用いて、整合素子としてのインダクタL1p及び可変容量コンデンサCVpの並列共振により、中心周波数としての共振周波数より低い又は高い周波数ω1(後述参照)において最大レベルとなる不平衡平衡変換回路DR1の正相出力信号を得て増幅回路AP1に出力する。差動整合回路MA2の正相出力信号は、増幅回路AP1のトランジスタM1のゲートに入力される。
差動整合回路MA2は、インダクタL1nのインダクタンス値及び可変容量コンデンサCVnの容量値を用いて、整合素子としてのインダクタL1n及び可変容量コンデンサCVnの並列共振により、中心周波数としての共振周波数より高い又は低い周波数ω2(後述参照)において最大レベルとなる不平衡平衡変換回路DR1の逆相出力信号を得て増幅回路AP1に出力する。差動整合回路MA2の逆相出力信号は、増幅回路AP1のトランジスタM2のゲートに入力される。
ここで、ミキサ回路1の帯域幅及び変換ゲインについて、図2を参照して説明する。図2(A)は、従来のミキサ回路(例えば図12に示すミキサ回路10)の帯域幅と変換ゲインとを示す説明図である。図2(B)は、本実施形態のミキサ回路1の帯域幅と変換ゲインとを示す説明図である。図2(C)は、共振周波数を低域側又は高域側にシフトした場合の本実施形態のミキサ回路1の帯域幅を示す説明図である。
図1に示すミキサ回路1の変換ゲインに周波数偏差を与える回路素子は、ミキシング回路MX1の出力負荷R1,R2と、増幅回路AP1の入力負荷及び出力負荷である。ミキシング回路MX1の出力負荷R1,R2に抵抗を用いると、例えば数GHzの帯域のIF信号の周波数偏差は少ない。以下、増幅回路AP1の入出力負荷における周波数偏差を低減する方法を考察する。
例えば図12に示す従来のミキサ回路10では、増幅回路の出力負荷としての差動整合回路MA12の出力端に直列に追加された抵抗R11,R12により、差動整合回路MA12のQ値が下がり、差動整合回路MA12の周波数偏差が低減する。図2(A)では、抵抗R11,R12が追加されていない場合のミキサ回路10の変換ゲインの周波数特性と抵抗R11,R12が追加されている場合のミキサ回路10の変換ゲインの周波数特性とが示されている。
図2(A)では、抵抗R11,R12の追加の有無に拘わらずに差動整合回路MA12の共振周波数は変化しないが、差動整合回路MA12のQ値は高周波信号のロスに反比例するので、抵抗R11,R12が追加された場合には、高周波信号のロスが増大してミキサ回路10の変換ゲインが劣化する。
また、例えば周波数偏差が許容される帯域幅を、変換ゲインがx[dB]劣化した幅とすると、抵抗R11,R12の追加によりミキサ回路10の帯域幅は、BW1からBW2に広帯域化する。しかし、帯域幅を更に広帯域化するためには、抵抗R11,R12の抵抗値を更に大きくすることになり、ミキサ回路10の変換ゲインが更に劣化する。なお、ミキサ回路10の片相整合回路MA1における回路定数(例えばインダクタンス値、容量値)を仮に可変すると、高周波信号の共振周波数はシフトするが、ミキサ回路10の帯域幅は広帯域化しない。
一方、本実施形態では、増幅回路AP1の入力負荷としての差動整合回路MA2は、差動整合回路MA2のQ値の劣化を抑制し、インダクタと可変容量コンデンサとの並列共振により、最大レベルの正相出力信号及び逆相出力信号を得るための各共振周波数ω1,ω2を異なる値にするために、インピーダンスを整合する(図2(B)参照)。
具体的には、差動整合回路MA2は、インダクタL1pと可変容量コンデンサCVpとの並列共振により、不平衡平衡変換回路DR1の最大レベルの正相出力信号の共振周波数ω1を得るためのインピーダンスを整合する。同時に、差動整合回路MA2は、インダクタL1nと可変容量コンデンサCVnとの並列共振により、不平衡平衡変換回路DR1の最大レベルの逆相出力信号の共振周波数ω2を得るためのインピーダンスを整合する。
例えば、インダクタL1p,L1nの各インダクタンス値と可変容量コンデンサCVp,CVnの容量値とがそれぞれ等しい場合には、不平衡平衡変換回路DR1の正相出力信号の共振周波数ω1と、不平衡平衡変換回路DR1の逆相出力信号の共振周波数ω2とが同一となる(ω1=ω2)。この場合、増幅回路AP1における正相出力信号及び逆相出力信号の各変換ゲインの加算平均値に応じて、ミキサ回路1の変換ゲインが決まる。
本実施形態では、ミキサ回路1の周波数偏差を低減して帯域幅を広帯域化するために、差動整合回路MA2は、不平衡平衡変換回路DR1の正相出力信号及び逆相出力信号の各共振周波数ω1,ω2が高周波信号の共振周波数(中心周波数)より低域側と高域側とにシフトする(ω1<ω2)。ω1は例えば正相出力信号の共振周波数であり、ω2は逆相出力信号の共振周波数である。
この場合、差動整合回路MA2のQ値の劣化は抑制されているので、増幅回路AP1が入力する正相出力信号及び逆相出力信号の各変換ゲインも劣化は抑制される。従って、本実施形態のミキサ回路1の変換ゲインは、周波数偏差のx[dB]の劣化が許容される帯域幅において、BW2からBW3に改善できる(図2(B)参照)。
また、差動整合回路MA2は、ミキサ回路1の動作周波数の帯域(例えば予め決められたチャネル)に応じて、差動整合回路MA2の容量値を可変することで、高周波信号の動作周波数を高域側又は低域側に変更できる(図2(C)参照)。これにより、本実施形態のミキサ回路1は、複数のチャネルに応じて、ミキサ回路1の帯域幅BW3(図2(B)参照)を、帯域幅BW4又は帯域幅BW5に変更できる(図2(C)参照)。
増幅回路AP1は、増幅素子としてのトランジスタM1,M2と、整合素子としてのインダクタL2p,L2nとを含む。トランジスタM1,M2の各ゲートは差動整合回路MA2の正相出力信号,逆相出力信号の各信号経路と接続され、トランジスタM1,M2の各ソースはグランドに接続され、トランジスタM1,M2の各ドレインはインダクタL2p,L2nに直列接続されている。
トランジスタM1は、差動整合回路MA2の正相出力信号の信号レベルを増幅し、増幅された正相出力信号を、インダクタL2pを介してミキシング回路MX1のトランジスタM3,M4に出力する。トランジスタM2は、差動整合回路MA2の逆相出力信号の信号レベルを増幅し、増幅された逆相出力信号を、インダクタL2nを介してミキシング回路MX1のトランジスタM5,M6に出力する。
ここで、高周波信号が入力されるミキサ回路1では、増幅回路AP1のトランジスタM1,M2の各出力端(ドレイン側)とミキシング回路MX1のトランジスタM3,M4の各入力端(ソース側)との間には、グランドに接続される各寄生容量(不図示)が生じる。このため、各寄生容量の直列合成容量の増加分に応じて、差動の高周波信号が通過する信号経路(信号線)のインピーダンスが低下する。
本実施形態のミキサ回路1では、増幅回路AP1のトランジスタM1の出力端(ドレイン側)とミキシング回路MX1のトランジスタM3,M4の入力端(ソース側)との間には、整合素子としてのインダクタL2pが設けられている。同様に、増幅回路AP1のトランジスタM2の出力端(ドレイン側)とミキシング回路MX1のトランジスタM5,M6の入力端(ソース側)との間には、整合素子としてのインダクタL2nが設けられている。
これにより、増幅回路AP1は、寄生容量(不図示)とインダクタL2p,L2nとの並列共振により、ミキサ回路1の動作周波数の帯域において、増幅回路AP1のインピーダンスの低下を回避でき、最大レベルの正相出力信号及び逆相出力信号をミキシング回路MX1に出力できる。
ミキシング回路MX1は、トランジスタM3,M4,M5,M6と、電源電圧Vccが供給される出力負荷R1,R2とを含む。ミキシング回路MX1は、トランジスタM3,M4,M5,M6の各ソースにおいて、増幅回路AP1の差動出力信号(正相出力信号及び逆相出力信号)を入力する。
ミキシング回路MX1は、入力端子Lopを介して正相局部信号をトランジスタM3,M6のゲートに入力し、入力端子Lonを介して逆相局部信号をトランジスタM4,M5のゲートに入力することで、各トランジスタM3,M4,M5,M6をスイッチング素子として用いる。
ミキシング回路MX1では、各トランジスタM3,M4,M5,M6は、正相局部信号又は逆相局部信号の各周期に従ってON又はOFFするスイッチング素子として動作し、増幅回路AP1が出力した高周波の正相出力信号及び逆相出力信号を差動のIF信号にダウンコンバートする。各トランジスタM3,M4,M5,M6は、ダウンコンバートにより生成された中間周波数(IF)の正相信号又は逆相信号を交互に出力負荷R1,R2に出力する。
従って、ミキサ回路1は、ミキシング回路MX1が出力端子IFp,IFnから出力する差動のIF信号間の信号レベルを平均化できるので、ミキサ回路1における変換ゲインを一様に設定でき、周波数偏差を低減できる。
以上により、本実施形態のミキサ回路1は、不平衡平衡変換回路DR1に入力される高周波信号の共振周波数を、差動整合回路MA2において低域側の共振周波数と高域側の共振周波数にシフトし、低域側の共振周波数を有する最大レベルの正相出力信号と、高域側の共振周波数を有する最大レベルの逆相出力信号とを出力する。
増幅回路AP1が増幅した正相出力信号及び逆相出力信号は、ミキシング回路MX1において交互にIF信号に変換されるので、ミキサ回路1の変換ゲインが平均化される。これにより、ミキサ回路1は、ミキサ回路1の変換ゲインの周波数偏差を改善でき、ミキサ回路1の帯域幅を広帯域化できる。また、ミキサ回路1は、差動整合回路MA2のQ値を劣化させないので、差動整合回路MA2における差動の高周波信号の減衰に伴う変換ゲインの劣化を低減できる。
なお、図1に示す差動整合回路MA2では、インダクタL1p,L1nの各インダクタンス値が固定であって、可変容量コンデンサCVp,CVnの各容量値は可変であるとして説明したが、インダクタンス値が可変であって、各容量値が固定でも良い。この場合には、インダクタL1p,L1nには、不図示の制御回路から各インダクタンス値の制御信号が入力される。
(ミキサ回路の変形例1)
次に、本実施形態の変形例1のミキサ回路1aについて、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態の変形例1のミキサ回路1aにおける差動整合回路MA2aの回路構成を示す図である。図3に示すミキサ回路1aでは、図1に示すミキサ回路1と同一の回路構成の図示及び説明は省略又は簡略化し、異なる内容について説明する。
第1の実施形態では、ミキサ回路1の変換ゲインの周波数偏差を低減するために、増幅回路AP1の入力負荷としての差動整合回路MA2において、差動整合回路MA2の正相出力信号及び逆相出力信号の各共振周波数ω1,ω2を異なる値にシフトする方法を説明した。
本変形例1では、ミキサ回路1aの変換ゲインの周波数偏差を低減するために、増幅回路AP1の入力負荷としての差動整合回路MA2aにおいて、第1の実施形態とは異なる方法にて、差動整合回路MA2aの正相出力信号及び逆相出力信号の各共振周波数ω1,ω2を異なる値にシフトする方法を説明する。
図3に示す差動整合回路MA2aは、不平衡平衡変換回路DR1を含む。差動整合回路MA2aでは、不平衡平衡変換回路DR1の正相出力信号の信号経路とグランドとの間に、インダクタL1pと、コンデンサC1p〜CNpとが、N個並列に接続される。なお、コンデンサC1p〜CNpには、それぞれ、スイッチSW1p〜SWNpが直列接続される。各コンデンサC1p〜CNp,C1n〜CNnの容量値は異なる。Nは1以上の整数である。
また、差動整合回路MA2aでは、不平衡平衡変換回路DR1の逆相出力信号の信号経路とグランドとの間に、インダクタL1nとコンデンサC1n〜CNnとが、N個並列に接続される。なお、コンデンサC1n〜CNnには、それぞれ、スイッチSW1n〜SWNnが直列接続される。
差動整合回路MA2aでは、N個のスイッチSW1p〜SWNpのうち少なくとも1つのスイッチとN個のスイッチSW1n〜SWNnのうち少なくとも1つのスイッチとが、不図示の制御回路が出力した制御信号に応じて同時にONする。N個のスイッチSW1p〜SWNpのうち制御信号により選択されたスイッチ数と、N個のスイッチSW1n〜SWNnのうち制御信号により選択されたスイッチ数とは異なる。
例えば、差動整合回路MA2aにおいて、スイッチSWのうち、コンデンサC1pに直列接続するスイッチSW1pがONした場合、最大レベルの差動整合回路MA2aの正相出力信号を得るための共振周波数fcpは、インダクタL1pのインダクタンス値L1plとコンデンサC1pの容量値C1pcとにより定まる(数式(1)参照)。
Figure 0006278281
以上により、本変形例1のミキサ回路1aでは、差動整合回路MA2aは、各容量値が異なるN個のコンデンサC1p〜CNnに対し、複数のN個のスイッチSW1p〜SWNpのうち少なくとも1つのスイッチをONすることで、最大レベルの差動整合回路MA2aの正相出力信号を得るための共振周波数ω1を、共振周波数ω2と異なる値にシフトできる。
また、差動整合回路MA2aは、各容量値が異なるN個のコンデンサC1n〜CNnに対し、複数のN個のスイッチSW1n〜SWNnのうち少なくとも1つのスイッチをONすることで、最大レベルの差動整合回路MA2aの逆相出力信号を得るための共振周波数ω2を、共振周波数ω1と異なる値にシフトできる。
また、本変形例1のミキサ回路1aは、ミキシング回路MX1に入力される局部信号の中心周波数が予め設定された周波数間隔にて切り替えられた場合には、差動整合回路MA2aにおけるスイッチSW1p〜SWNp,SW1n〜SWNnを同時に制御してコンデンサの容量値を可変する。
これにより、ミキサ回路1aは、局部信号の中心周波数からのシフト量と同じ周波数の分、不平衡平衡変換回路DR1の正相出力信号及び逆相出力信号の共振周波数ω1,ω2をシフトできる。即ち、ミキサ回路1aは、局部信号の周波数の切り替えの有無に拘わらず、周波数偏差が改善された差動のIF信号を出力できる。
また、不平衡平衡変換回路DR1がトランスを用いて構成されている場合、図3に示す差動整合回路MA2aのインダクタとして、不平衡平衡変換回路DR1の2次側インダクタを用いることができる。この場合、図3に示す差動整合回路MA2aのインダクタL1p,L1nを省略できる。
(ミキサ回路の変形例2)
次に、本実施形態の変形例2のミキサ回路1bについて、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態の変形例2のミキサ回路1bにおける差動整合回路MA2bの回路構成を示す図である。図4に示すミキサ回路1bでは、図1に示すミキサ回路1と同一の回路構成の図示及び説明は省略又は簡略化し、異なる内容について説明する。
第1の実施形態では、ミキサ回路1の変換ゲインの周波数偏差を低減するために、増幅回路AP1の入力負荷としての差動整合回路MA2において、差動整合回路MA2の正相出力信号及び逆相出力信号の各共振周波数ω1,ω2を異なる値にシフトする方法を説明した。
本変形例2では、ミキサ回路1bの変換ゲインの周波数偏差を低減するために、増幅回路AP1の入力負荷としての差動整合回路MA2bにおいて、第1の実施形態とは異なる方法にて、差動整合回路MA2bの正相出力信号及び逆相出力信号の各共振周波数ω1,ω2を異なる値にシフトする方法を説明する。
図4に示す差動整合回路MA2bは、不平衡平衡変換回路DR1を含む。差動整合回路MA2bでは、不平衡平衡変換回路DR1の正相出力信号及び逆相出力信号の各信号経路間に、N個のコンデンサC1〜CNが直列に接続される。各コンデンサC1〜CNの容量値は、全て同一でなければ、同じ容量値でも良いし、異なる容量値でも良い。
また、差動整合回路MA2bでは、不平衡平衡変換回路DR1の正相出力信号及び逆相出力信号の各信号経路とグランドとの間に、1対のインダクタL1p,L1nが直列に接続される。
更に、差動整合回路MA2bでは、各コンデンサC1〜CNの間は、合計N−1個の各スイッチSW1〜SWN−1を介してグランドに接続されている。即ち、コンデンサC1とコンデンサC2との間はスイッチSW1を介してグランドに接続され、以下同様にして、コンデンサCN−1とコンデンサCNとの間はスイッチSWN−1を介してグランドに接続されている。
差動整合回路MA2bでは、N−1個のスイッチSW1〜SWN−1のうち1つのスイッチが、不図示の制御回路が出力した制御信号に応じてONする。これにより、差動整合回路MA2bでは、不平衡平衡変換回路DR1の正相出力信号の信号経路からONされたスイッチまでに直列接続されたコンデンサの数と、不平衡平衡変換回路DR1の逆相出力信号の信号経路からONされたスイッチまでに直列接続されたコンデンサの数とが異なる。
例えば、スイッチSWN−2がONした場合には、不平衡平衡変換回路DR1の最大レベルの正相出力信号を得るための共振周波数ω1は、コンデンサC1〜CN−2(不図示)の直列合成容量に応じて決められ、不平衡平衡変換回路DR1の最大レベルの逆相出力信号を得るための共振周波数ω2は、コンデンサCN−1,CNの直列合成容量に応じて決められる。
これにより、本変形例2のミキサ回路1bでは、差動整合回路MA2bは、N個のコンデンサC1〜CNに対し、N−1個のスイッチSW1〜SWN−1のうち1つのスイッチをONすることで、最大レベルの差動整合回路MA2bの正相出力信号を得るための共振周波数ω1を、共振周波数ω2と異なる値にシフトできる。
また、本変形例2のミキサ回路1bでは、差動整合回路MA2bは、N個のコンデンサC1〜CNに対し、N−1個のスイッチSW1〜SWN−1のうち1つのスイッチをONすることで、最大レベルの差動整合回路MA2bの逆相出力信号を得るための共振周波数ω2を、共振周波数ω1と異なる値にシフトできる。
また、本変形例2のミキサ回路1bでは、差動整合回路MA2bは、不平衡平衡変換回路DR1の正相出力信号及び逆相出力信号の各信号経路間にN個のコンデンサC1〜CNを直列接続したので、図3に示す差動整合回路MA2aに比べてコンデンサ及びスイッチの数を削減でき、ミキサ回路1bを簡素化できる。
更に、ミキサ回路1bでは、不平衡平衡変換回路DR1の正相出力信号及び逆相出力信号の各信号経路(信号線)に接続するコンデンサ結線が合計2箇所のため、高周波信号の配線容量が増大しない。このため、差動整合回路MA2bは、複数のスイッチを並列接続した差動整合回路MA2aに比べて、差動整合回路MA2bのQ値の劣化を低減できる。従って、ミキサ回路1bは、変換ゲインの劣化を回避できる。
また、本変形例2のミキサ回路1bは、ミキシング回路MX1に入力される局部信号の中心周波数が予め設定された周波数間隔にて切り替えられた場合には、差動整合回路MA2bにおけるスイッチSW1〜SWN−1のうちいずれかのスイッチを同時にONしてコンデンサの容量値を可変する。
これにより、ミキサ回路1bは、局部信号の中心周波数からのシフト量と同じ周波数の分、不平衡平衡変換回路DR1の正相出力信号及び逆相出力信号の共振周波数ω1,ω2をシフトできる。即ち、ミキサ回路1bは、局部信号の周波数の切り替えの有無に拘わらず、周波数偏差が改善された差動のIF信号を出力できる。
(ミキサ回路の変形例3)
次に、本実施形態の変形例3のミキサ回路1cについて、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態の変形例3のミキサ回路1cにおける差動整合回路MA2cの回路構成を示す図である。図5に示すミキサ回路1cでは、図1に示すミキサ回路1と同一の回路構成の図示及び説明は省略又は簡略化し、異なる内容について説明する。
第1の実施形態では、ミキサ回路1の変換ゲインの周波数偏差を低減するために、増幅回路AP1の入力負荷としての差動整合回路MA2において、差動整合回路MA2の正相出力信号及び逆相出力信号の各共振周波数ω1,ω2を異なる値にシフトする方法を説明した。
本変形例3では、ミキサ回路1cの変換ゲインの周波数偏差を低減するために、増幅回路AP1の入力負荷としての差動整合回路MA2cにおいて、第1の実施形態とは異なる方法にて、差動整合回路MA2cの正相出力信号及び逆相出力信号の各共振周波数ω1,ω2を異なる値にシフトする方法を説明する。
図5に示す差動整合回路2cは、不平衡平衡変換回路DR1cを含む。不平衡平衡変換回路DR1cは、例えば1次側インダクタと2次側インダクタとが誘導性結合されたトランスを用いて構成されている。1次側インダクタの一方は片相整合回路MA1の出力信号の信号経路に接続され、1次側インダクタの他方はグランドに接続される。
2次側インダクタは、不平衡平衡変換回路DR1cの正相出力信号及び逆相出力信号の各信号経路間にN個のインダクタL1,L2〜LNが直列接続された構成である。各インダクタL1〜LNのインダクタンス値は異なる。2次側インダクタでは、差動の正相出力信号及び逆相出力信号を出力するために、各インダクタの間がグランドに接続されている。
差動整合回路2cでは、各インダクタの間は、スイッチを介してグランドに接続されている。例えば、インダクタL1とインダクタL2との間は、スイッチSW1を介してグランドに接続されている。
また、差動整合回路2cでは、不平衡平衡変換回路DR1cの正相出力信号及び逆相出力信号の各信号経路間に、1対のコンデンサC1p,C1nが直列接続されている。コンデンサC1pとコンデンサC1nとの間は、グランドに接続されている。
差動整合回路2cでは、N−1個のスイッチSW1,SW2〜SWN−1のうち1つのスイッチが、不図示の制御回路が出力した制御信号に応じてONする。これにより、差動整合回路2cでは、不平衡平衡変換回路DR1cの2次側インダクタのうち、不平衡平衡変換回路DR1cの正相出力信号の信号経路からONしたスイッチまでに直列接続されたインダクタの数と、不平衡平衡変換回路DR1cの逆相出力信号の信号経路からONしたスイッチまでに直列接続されたインダクタの数とが異なる。
例えば、スイッチSW2がONした場合には、不平衡平衡変換回路DR1の最大レベルの正相出力信号を得るための共振周波数ω1は、インダクタL1〜L2の直列合成容量に応じて決められ、不平衡平衡変換回路DR1の最大レベルの逆相出力信号を得るための共振周波数ω2は、インダクタL3(不図示)〜LNの直列合成容量に応じて決められる。
これにより、本変形例3のミキサ回路1cでは、差動整合回路MA2cは、不平衡平衡変換回路DR1cの2次側インダクタとしてのN個のインダクタL1〜LNに対し、N−1個のスイッチSW1〜SWN−1のうち1つのスイッチをONすることで、最大レベルの差動整合回路MA2cの正相出力信号を得るための共振周波数ω1を、共振周波数ω2と異なる値にシフトできる。
また、本変形例3のミキサ回路1cでは、差動整合回路MA2cは、不平衡平衡変換回路DR1cの2次側インダクタとしてのN個のインダクタL1〜LNに対し、N−1個のスイッチSW1〜SWN−1のうち1つのスイッチをONすることで、最大レベルの差動整合回路MA2cの逆相出力信号を得るための共振周波数ω2を、共振周波数ω1と異なる値にシフトできる。
また、本変形例3の不平衡平衡変換回路DR1cの2次側インダクタでは、N個のインダクタL1〜LNが直列接続されている。このため、不平衡平衡変換回路DR1cは、各インダクタの間にグランドに接続するためのスイッチSW1〜SWN−1のうち、いずれかのスイッチをONすることで、不平衡平衡変換回路DR1cの差動出力の正相側及び逆相側のインダクタンス値を、グランドからONしているスイッチまでの直列接続されたインダクタの直列合成値として簡易に設定できる。
即ち、不平衡平衡変換回路DR1cは、スイッチSW1からスイッチSWN−1までのうち、いずれかのスイッチをONすることで、不平衡平衡変換回路DR1cの差動出力の正相側及び逆相側の各インダクタンス値を、インダクタL1のインダクタンス値とインダクタL2〜LNの直列合成インダクタンス値から、インダクタL1〜LN−1の直列合成インダクタンス値からインダクタLNのインダクタンス値までシフトできる。
従って、本変形例3のミキサ回路1cは、1つのスイッチを用いて不平衡平衡変換回路DR1cの差動出力の正相側及び逆相側のインダクタンス値を簡易にシフトできるので、スイッチ数を低減できて差動整合回路MA2cを簡素化できる。
また、インダクタとコンデンサとが並列共振する共振周波数は、数式(1)により示されるが、差動整合回路MA2cのインピーダンスZ_LCは数式(2)により示される。即ち、共振周波数fcpを低くするためにコンデンサの容量値を大きくするより、インダクタのインダクタンス値を大きくして共振周波数を設定する方がインピーダンスZ_LCを大きくできる。
Figure 0006278281
これにより、ミキサ回路1cは、差動整合回路MA2cの共振周波数fcpを低い周波数にシフトする場合、コンデンサの容量値を大きくするよりインダクタンス値を大きくする方が差動整合回路MA2cのインピーダンスを大きくできるため、低い周波数帯域における変換ゲインの劣化を低減できる。
また、本変形例3のミキサ回路1cは、ミキシング回路MX1に入力される局部信号の中心周波数が予め設定された周波数間隔にて切り替えられた場合には、差動整合回路MA2cにおけるスイッチSW1〜SWN−1のうちいずれかのスイッチを同時にONして、インダクタのインダクタンス値を可変する。
これにより、ミキサ回路1cは、局部信号の中心周波数からのシフト量と同じ周波数の分、不平衡平衡変換回路DR1cの正相出力信号及び逆相出力信号の共振周波数ω1,ω2をシフトできる。即ち、ミキサ回路1cは、局部信号の周波数の切り替えの有無に拘わらず、周波数偏差が改善された差動のIF信号を出力できる。
(ミキサ回路の変形例4)
次に、本実施形態の変形例4のミキサ回路1dについて、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態の変形例4のミキサ回路1dにおける片相整合回路MA1d及び差動整合回路MA2dの各回路構成を示す図である。図6に示すミキサ回路1dでは、図1に示すミキサ回路1と同一の回路構成の図示及び説明は省略又は簡略化し、異なる内容について説明する。
本変形例4では、差動整合回路MA2dによりミキサ回路1dの変換ゲインの周波数偏差を低減し、更に片相整合回路MA1dを用いて、ミキサ回路1dの動作周波数の帯域をシフトする方法を説明する。
図6に示す片相整合回路MA1dは、入力端子RFINに入力されたシングルエンド(片相)の高周波信号の信号経路に直列接続されたコンデンサC0と、高周波信号の信号経路とグランドとの間に並列接続された複数のコンデンサC1〜CNとを含む。各コンデンサC1〜CNの一端は高周波信号の信号経路に接続され、他端はスイッチSW1〜SWNを介してグランドに接続される。各コンデンサC1〜CNに接続されたスイッチSW1〜SWNは、不図示の制御回路が出力した制御信号に応じてONする。
片相整合回路MA1dは、スイッチSW1〜SWNのうち少なくとも1つのスイッチがONすることで、高周波信号の動作周波数(中心周波数)をシフトする。例えば、ミキサ回路1dがマルチチャネルに対応した無線通信装置に用いられる場合、ミキサ回路1dは、通信用のチャネルに応じて、片相整合回路MA1dを用いて高周波信号の動作周波数(中心周波数)をシフトする。片相整合回路MA1dは、通信用のチャネルに応じたインピーダンスに整合することで、最大レベルの高周波信号を不平衡平衡変換回路DR1に出力する。
差動整合回路MA2dは、不平衡平衡変換回路DR1の正相出力信号の信号経路とグランドとの間に並列接続されたインダクタL1pとコンデンサC1pとを有し、不平衡平衡変換回路DR1の逆相出力信号の信号経路とグランドとの間に並列接続されたインダクタL1nとコンデンサC1nとを有する。インダクタL1p,L1nの各インダクタンス値は固定であり、コンデンサC1p,C1nの各容量値は固定である。このため、差動整合回路MA2dのQ値は劣化しない。
図7(A)は、従来のミキサ回路(例えば図12に示すミキサ回路10)の片相整合回路MA11が中心周波数をシフトした場合の帯域幅と変換ゲインとを示す説明図である。図7(B)は、本実施形態のミキサ回路1dの片相整合回路MA1dが中心周波数をシフトした場合の帯域幅と変換ゲインとを示す説明図である。
従来のミキサ回路10でも本変形例4のミキサ回路1dでも、片相整合回路において高周波信号の中心周波数をシフトしても、各ミキサ回路の帯域幅は変わらない。このため、図7(A)及び図7(B)に示す変換ゲインは、ミキサ回路に入力される高周波信号の中心周波数をシフトしても一定に保持できる。
しかし、従来のミキサ回路10では、差動整合回路MA12における高周波信号の正相出力信号及び逆相出力信号の各中心周波数は同じであるため、ミキサ回路10に入力される高周波信号の入力周波数範囲を広くできても、IF信号の帯域内偏差は改善が困難となる(図7(A)参照)。
一方、本変形例4のミキサ回路1dでは、差動整合回路MA2dの各インダクタL1p,L1nのインダクタンス値及び各コンデンサC1p,C1nの容量値は、高周波信号の正相出力信号及び逆相出力信号の各中心周波数が低域側及び高域側にシフトする値に設定されている。
以上により、本変形例4のミキサ回路1dは、片相整合回路MA1dにおいて、高周波信号の中心周波数をシフトすることで、ミキシング回路MX1に用いられる局部信号をマルチチャネル化してシフトできる。更に、ミキサ回路1dは、差動整合回路MA2dにおいて最大レベルの正相出力信号及び逆相出力信号を出力できるので、IF信号を広帯域化した変換ゲインを得ることができる。
また、ミキサ回路1dは、差動整合回路MA2dでは中心周波数をシフトすることなく、片相整合回路MA1dにおいてシングルエンドの高周波信号の中心周波数をシフトするので、差動整合回路MA2dのQ値の劣化を抑制し、回路構成を簡素化できる。
(ミキサ回路の変形例5)
次に、本実施形態の変形例5のミキサ回路1eについて、図8を参照して説明する。図8は、本実施形態の変形例5のミキサ回路1eにおける増幅回路AP1eの出力負荷の回路構成を示す図である。図8に示すミキサ回路1eでは、図1に示すミキサ回路1と同一の回路構成の図示及び説明は省略又は簡略化し、異なる内容について説明する。
上述した各実施形態又は変形例では、ミキサ回路の変換ゲインの周波数偏差を低減するために、増幅回路の入力負荷の差動整合回路において、差動整合回路の正相出力信号,逆相出力信号の各共振周波数ω1,ω2を異なる値にシフトする方法を説明した。
ところが、増幅回路の出力負荷においけるインピーダンスの整合によっては、増幅回路の正相出力信号及び逆相出力信号の周波数偏差の改善が不十分となる場合がある。このため、増幅回路の入力負荷としての差動整合回路に限らず、増幅回路の出力負荷においてもインピーダンスを整合することが好ましい。
そこで、本変形例5では、ミキサ回路1aの変換ゲインの周波数偏差を低減するために、増幅回路AP1eの出力負荷におけるインピーダンスを整合することで、増幅回路AP1eの正相出力信号及び逆相出力信号の各共振周波数ω1,ω2を異なる値にシフトしてミキサ回路1eの変換ゲインの劣化を低減する方法を説明する。
図8に示す増幅回路AP1eでは、増幅回路AP1eの正相出力信号の信号経路に対して並列に寄生容量CP1pが生じ、増幅回路AP1eの逆相出力信号の信号経路に対して並列に寄生容量CP1nが生じる。また、ミキシング回路MX1の各トランジスタM3,M4の入力端に寄生容量CP2pが生じ、ミキシング回路MX1の各トランジスタM5,M6の入力端に寄生容量CP2nが生じる。
寄生容量CP1p,CP2pは直列に生じてグランドに接続され、寄生容量CP1n,CP2nは直列に生じてグランドに接続される。このため、増幅回路AP1eの出力負荷として寄生容量CP1p,CP2p,CP1n,CP2nが生じるので、増幅回路AP1eの出力負荷のインピーダンスが低下する(数式(1)参照)。
本変形例5では、増幅回路AP1eのトランジスタM1の出力端とミキシング回路MX1の各トランジスタM3,M4の入力端との間にインダクタンス値を可変する可変インダクタLPKpが追加されている。更に、増幅回路AP1eのトランジスタM2の出力端とミキシング回路MX1の各トランジスタM5,M6の入力端との間にインダクタンス値を可変する可変インダクタLPKnが追加されている。
可変インダクタLPKpは、不図示の制御信号が出力した制御信号に応じて、インダクタンス値を可変する。可変インダクタLPKnは、不図示の制御信号が出力した制御信号に応じて、インダクタンス値を可変する。可変インダクタLPKp,LPKnに入力される制御信号は、差動整合回路MA2(図1参照)の可変容量コンデンサCVp,CVnに入力される制御信号と同時に、制御回路から出力されている。
増幅回路AP1eは、可変インダクタLPKp,LPKnと寄生容量CP1p,CP2p,CP1n,CP2nとの並列共振により、ミキサ回路1eの動作周波数の帯域において、インピーダンスの低下を抑制し、適切に整合できる。
例えば、可変インダクタLPKpのインダクタンス値LPKplは、数式(3)により示される。数式(3)において、CPpは寄生容量CP1p,CP2pが直列接続した場合の合成容量であり、fpは共振周波数である。なお、共振周波数fpは、数式(4)により示される。
同様に、可変インダクタLPKnのインダクタンス値LPKnlは、数式(5)により示される。数式(4)において、CPnは寄生容量CP1n,CP2nが直列接続した場合の合成容量であり、fnは共振周波数である。なお、共振周波数fnは、数式(6)により示される。
Figure 0006278281
Figure 0006278281
Figure 0006278281
Figure 0006278281
図9は、増幅回路AP1eにおいて増幅された正相出力信号及び逆相出力信号の各共振周波数fp,fnと可変インダクタLPKp,LPKnのインダクタンス値LPKpl,LPKnlとの関係を示すグラフである。
例えば増幅回路AP1eの逆相出力信号の共振周波数fnを、増幅回路AP1eの正相出力信号の共振周波数fpより低く設定した場合には(図9参照)、可変インダクタLPKnのインダクタンス値LPKnlを、可変インダクタLPKpのインダクタンス値LPKplより高く設定する。
これにより、ミキサ回路1eは、増幅回路AP1eの正相出力信号及び逆相出力信号の共振周波数を適切に設定でき、増幅回路AP1eの出力負荷におけるインピーダンスの低下を回避でき、IF信号の変換ゲインの劣化を改善できる。
また、図1に示すミキサ回路1において、増幅回路AP1を片相整合回路MA1の前段に移動したミキサ回路1gの構成としても良い(図14参照)。図14は、本実施形態の変形例5のミキサ回路1gの回路構成を示す図である。片相整合回路MA1の前段に増幅回路AP0に対応する増幅回路が接続されることで、例えば予め高周波信号を増幅する受信回路では、ミキサ回路1gの変換ゲインを低く設定できる。
これにより、図14に示すミキサ回路1gは、図1に示す増幅回路AP1の構成を省略し、受動素子を用いて構成される整合回路MA2の出力信号を直接、ミキシング回路MX1に入力することができる。図14に示すミキサ回路1gでは、図1に示すミキサ回路1の回路構成を簡素化でき、整合回路MA2によるQ値の劣化を抑制し、帯域幅を広く設定できる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態のミキサ回路1fについて、図10及び図11を参照して説明する。図10は、第2の実施形態のミキサ回路1fの回路構成を示す図である。図11(A)は、ゲートバイアス電流値が一定の所定値である場合の変換ゲインを示す図である。図11(B)は、ゲートバイアス電流値が所定値以上である場合の変換ゲインを示す図である。図10に示すミキサ回路1fでは、図1に示すミキサ回路1と同一の回路構成の説明は省略又は簡略化し、異なる内容について説明する。
第1の実施形態では、ミキサ回路1の変換ゲインの周波数偏差を低減するために、増幅回路AP1の入力負荷としての差動整合回路MA2において、差動整合回路MA2の出力として最大レベルの正相出力信号及び逆相出力信号を得るための各共振周波数ω1,ω2を異なる値にシフトする方法を説明した。これにより、正相出力信号及び逆相出力信号の各変換ゲインが平均化されてミキサ回路1の帯域幅は広帯域となるが、ミキサ回路1の変換ゲインの最大値は、ω1=ω2である場合のミキサ回路の変換ゲインより低くなる(図11(A)参照)。
本実施形態では、ミキサ回路1fの変換ゲインの周波数偏差を低減し、更に、ω1=ω2である場合の変換ゲインの最大値と同じ程度の変換ゲインを得るために、増幅回路AP1のゲートバイアス電圧を、上述した実施形態又は変形例の増幅回路のゲートバイアス電圧より高くする。
図10に示すミキサ回路1fでは、増幅回路AP1fのトランジスタM1の入力端にDC阻止用のコンデンサCgpが直列接続され、トランジスタM1のゲートに一定の所定値以上のゲートバイアス電圧Vgpに応じたゲートバイアス電流が入力される。ゲートバイアス電流は、ゲートバイアス電圧Vgp/抵抗Rgpの抵抗値である。
また、トランジスタM2の入力端にDC阻止用のコンデンサCgnが直列接続され、トランジスタM2のゲートに一定の所定値以上のゲートバイアス電圧Vgnに応じたゲートバイアス電流が入力される。ゲートバイアス電流は、ゲートバイアス電圧Vgnの電圧値/抵抗Rgnの抵抗値である。
ミキサ回路1fは、差動整合回路MA2における最大レベルの正相出力信号及び逆相出力信号を得るためのインピーダンス整合と同時に、増幅回路AP1fのゲートに入力されるゲートバイアス電流値を一定の所定値より高い値にシフトする。
ここで、差動信号を増幅する増幅回路のゲインは、正相信号及び逆相信号の各ゲインを加算した値となる。このため、本実施形態において、例えば差動整合回路MA2が正相出力信号及び逆相出力信号の共振周波数を低域側の共振周波数(ω1)及び高域側の共振周波数(ω2)にシフトした場合(ω1<ω2)、正相出力信号及び逆相出力信号の変換ゲインは広帯域となるが、正相出力信号及び逆相出力信号の変換ゲインの最大値がω1=ω2における変換ゲインの最大値より低くなる。
本実施形態では、増幅回路AP1fのトランジスタM1,M2のゲートバイアス電流を所定値よりも高いので、トランジスタM1,M2における消費電流が増大し、変換ゲインが大きくなる(図11(B)参照)。所定値は、例えば上述した各実施形態又は変形例の増幅回路の各トランジスタのゲートバイアス電流値である。
以上により、本実施形態のミキサ回路1fは、差動整合回路MA2における共振周波数のシフトと同時に、増幅回路AP1fのトランジスタM1,M2の各ゲートバイアス電流を所定値よりも高くすることで、差動整合回路MA2が共振周波数をシフトした場合でも、ミキサ回路1fの変換ゲインの最大値を一定に保持できる。
なお、差動整合回路MA2が異なる共振周波数ω1、ω2に整合した正相出力信号及び逆相出力信号の各変換ゲインは、実際には同じではなく周波数特性を持ち、変換ゲインの最大値が同じにはならない。このため、ミキサ回路1fは、差動整合回路MA2の正相出力信号及び逆相出力信号毎に、増幅回路AP1fのゲートバイアス電流を異なる値に切り替えて変換ゲインを調整すると良い。これにより、ミキサ回路1fは、動作周波数を広帯域化でき、更に、変換ゲインの周波数偏差を改善できる。
なお、第2の実施形態におけるミキサ回路1fも、図14に示すミキサ回路1gのように、増幅回路AP1fを片相整合回路MA1の前段に移動する構成を用いることができる。片相整合回路MA1の前段に増幅回路AP1fに対応する増幅回路が接続されることで、例えば予め高周波信号を増幅する受信回路では、ミキサ回路1gの変換ゲインを低く設定できる。
これにより、第2の実施形態におけるミキサ回路1fは、第1の実施形態の変形例5のミキサ回路1gと同様に、図10に示す増幅回路AP1fの構成を省略し、受動素子を用いて構成される整合回路MA2の出力信号を直接、ミキシング回路MX1に入力することができる。図10に示す増幅回路AP1fが片相整合回路MA1の前段に移動したミキサ回路では、図10に示すミキサ回路1fの回路構成を簡素化でき、整合回路MA2によるQ値の劣化を抑制し、帯域幅を広く設定できる。
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上述した各実施形態又は変形例におけるトランジスタは、ユニポーラ型でもバイポーラ型でも良い。
なお、本出願は、2013年3月5日出願の日本特許出願(特願2013−043495)に基づくものであり、その内容は本出願の中に参照として援用される。
本開示は、広帯域において、入力された高周波信号に対する変換ゲインの周波数偏差を低減するミキサ回路として有用である。
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f ミキサ回路
AP1 増幅回路
C1p コンデンサ
DR1 不平衡平衡変換回路
L1p インダクタ
MA1 片相整合回路
MA2、MA2a、MA2b、MA2c、MA2d 差動整合回路
MX1 ミキシング回路

Claims (9)

  1. 片相の高周波信号を差動信号に変換する不平衡平衡変換回路と、
    前記高周波信号の中心周波数より低い周波数にて、最大レベルの前記不平衡平衡変換回路の正相出力信号を出力し、前記高周波信号の中心周波数より高い周波数にて、最大レベルの前記不平衡平衡変換回路の逆相出力信号を出力する、又は、
    前記高周波信号の中心周波数より高い周波数にて、最大レベルの前記不平衡平衡変換回路の正相出力信号を出力し、前記高周波信号の中心周波数より低い周波数にて、最大レベルの前記不平衡平衡変換回路の逆相出力信号を出力する、差動整合回路と、
    前記差動整合回路の正相出力信号及び逆相出力信号を増幅する増幅回路と、
    前記増幅回路の正相出力信号及び逆相出力信号と、局部発生信号とを用いて、前記増幅回路の正相出力信号及び逆相出力信号を中間周波数信号に変換するミキシング回路と、を備える、
    ミキサ回路。
  2. 請求項1に記載のミキサ回路であって、
    前記差動整合回路は、
    前記不平衡平衡変換回路の正相出力信号の信号経路とグランドとの間に、並列接続された第1のインダクタと第1の少なくとも1つ以上の可変容量コンデンサとを有し、
    前記不平衡平衡変換回路の逆相出力信号の信号経路とグランドとの間に、並列接続された第2のインダクタと第2の少なくとも1つ以上の可変容量コンデンサとを有する、
    ミキサ回路。
  3. 請求項1に記載のミキサ回路であって、
    前記差動整合回路は、
    前記不平衡平衡変換回路の正相出力信号の信号経路とグランドとの間に、並列接続された第3のインダクタと、複数の直列接続されたスイッチ及びコンデンサの組とを有し
    前記不平衡平衡変換回路の逆相出力信号の信号経路とグランドとの間に、並列接続された第4のインダクタと、複数の直列接続されたスイッチ及びコンデンサの組とを有する、
    ミキサ回路。
  4. 請求項1に記載のミキサ回路であって、
    前記差動整合回路は、
    前記不平衡平衡変換回路の正相出力信号、逆相出力信号の各信号経路間に、直列接続された複数のコンデンサを有し、
    前記不平衡平衡変換回路の正相出力信号、逆相出力信号の各信号経路とグランドとの間に、1対のインダクタを有し、
    各々の前記コンデンサの間は、スイッチを介してグランドに接続される、
    ミキサ回路。
  5. 請求項1に記載のミキサ回路であって、
    前記不平衡平衡変換回路は、
    グランドに接続された1次側インダクタと、正相出力信号及び逆相出力信号の各信号経路間に直列接続された複数の2次側インダクタとが誘導性結合したトランスであり、
    前記差動整合回路は、
    前記不平衡平衡変換回路の正相出力信号及び逆相出力信号の各信号経路とグランドとの間に、1対のコンデンサを有し、
    各々の前記2次側インダクタの間は、スイッチを介してグランドに接続される、
    ミキサ回路。
  6. 片相の高周波信号の中心周波数にて最大レベルの前記高周波信号を出力する片相整合回路と、
    前記片相整合回路の出力片相信号を差動信号に変換する不平衡平衡変換回路と、
    前記高周波信号の中心周波数より低い周波数にて、最大レベルの前記不平衡平衡変換回路の正相出力信号を出力し、前記高周波信号の中心周波数より高い周波数にて、最大レベルの前記不平衡平衡変換回路の逆相出力信号を出力する、又は、
    前記高周波信号の中心周波数より高い周波数にて、最大レベルの前記不平衡平衡変換回路の正相出力信号を出力し、前記高周波信号の中心周波数より低い周波数にて、最大レベルの前記不平衡平衡変換回路の逆相出力信号を出力する、差動整合回路と、
    前記差動整合回路の正相出力信号及び逆相出力信号を増幅する増幅回路と、
    前記増幅回路の正相出力信号及び逆相出力信号と、局部発生信号とを用いて、前記増幅回路の正相出力信号及び逆相出力信号を中間周波数信号に変換するミキシング回路と、を備え、
    前記片相整合回路は、
    前記片相の高周波信号の信号経路とグランドとの間に並列接続された、複数の直列接続されたスイッチ及びコンデンサの組を含む、
    ミキサ回路。
  7. 請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のミキサ回路であって、
    前記増幅回路と前記ミキシング回路との間に、前記増幅回路の正相出力信号の信号経路に直列接続される第1のインダクタと、前記増幅回路の逆相出力信号の信号経路に直列接続される第2のインダクタとを含むインダクタ回路と、を更に備える、
    ミキサ回路。
  8. 請求項1に記載のミキサ回路であって、
    前記差動整合回路は、
    正相出力信号の周波数成分を調整するための、第1の容量可変インダクタ又は第1の可変容量コンデンサと、
    逆相出力信号の周波数成分を調整するための、第2の容量可変インダクタ又は第2の可変容量コンデンサと、を含み、
    前記増幅回路は、
    正相出力信号の周波数成分を調整するための第1のインダクタと、
    逆相出力信号の周波数成分を調整するための第2のインダクタと、を含み、
    第1の容量可変インダクタ又は第1の可変容量コンデンサと前記第1のインダクタとを用いて、前記増幅回路より出力される正相出力信号の周波数成分を調整し、
    第2の容量可変インダクタ又は第2の可変容量コンデンサと前記第2のインダクタとを用いて、前記増幅回路より出力される逆相出力信号の周波数成分を調整する、
    ミキサ回路。
  9. 請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のミキサ回路であって、
    前記増幅回路は、
    前記差動整合回路の正相出力信号を増幅する第1の増幅素子と、
    前記差動整合回路の逆相出力信号を増幅する第2の増幅素子と、を含み、
    前記第1、第2の各増幅素子は、
    前記差動整合回路における前記高周波信号の中心周波数を切り替える制御信号に同期して供給された第1、第2の各ゲートバイアス電圧に応じて、前記差動整合回路の正相出力信号、逆相出力信号を増幅する、
    ミキサ回路。
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