JPH09214287A - 同調回路 - Google Patents

同調回路

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JPH09214287A
JPH09214287A JP3887996A JP3887996A JPH09214287A JP H09214287 A JPH09214287 A JP H09214287A JP 3887996 A JP3887996 A JP 3887996A JP 3887996 A JP3887996 A JP 3887996A JP H09214287 A JPH09214287 A JP H09214287A
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circuit
resistor
phase shift
tuning
voltage
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Tadataka Oe
忠孝 大江
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バリコンが不要であって集積化に適した同調
回路を提供すること。 【解決手段】 同調回路1は、それぞれが交流信号の位
相を所定量シフトさせることにより所定の周波数におい
て合計で360°の位相シフトを行う2つの移相回路1
0Lおよび30Cと、後段の移相回路30Cの出力側に
設けられた抵抗62および64からなる分圧回路60
と、分圧回路60の出力を前段の移相回路10Lの入力
側に帰還させる帰還抵抗70と、帰還抵抗70を介して
帰還させた信号の一部を分岐させるために設けられた可
変抵抗74とを含んで構成されている。前段の移相回路
10Lにはアンテナコイルを利用したインダクタ17が
含まれており、アンテナで受信した電波が取り込まれ
る。後段の移相回路30Cには可変抵抗36が含まれて
おり、この抵抗値を可変することにより同調周波数が可
変される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラジオ受信機等に
用いられる同調回路に関する。
【0002】
【従来の技術】AMラジオ等の各種の受信機には種々の
周波数の信号が入力されるが、これらの信号の中から所
望の信号を選局して受信するには、入力回路にバンドパ
スフィルタの特性を持たせればよい。また、AMラジオ
のように広範囲に渡って分布する複数の放送波の中の1
つを選局するには、このバンドパスフィルタの中心周波
数を任意に変化させればよいが、このようなバンドパス
フィルタがなかったため、スーパーヘテロダイン方式が
採用されている。このスーパーヘテロダイン方式は、バ
ンドパスフィルタの中心周波数を変えずに、放送局の周
波数をバンドパスフィルタの中心周波数に変換すること
で、所望の信号のみを取り出すものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の受信機においては、入力回路をバーアンテナとバリ
コンによるLC共振回路によって形成しており、バリコ
ンが不可欠の構成要素となっていた。また、スーパーヘ
テロダイン方式を用いた受信機においては、選択度を向
上させるために、この入力回路による同調周波数と局部
発振回路の発振周波数とを連動させる同調機構を有し、
この連動を2連バリコンによって行っていた。上述した
バリコンや2連バリコンは受信周波数に応じて所定の静
電容量を有するように作られていて大きさが決まってい
ることから、同調機構全体の小型化や集積化が難しかっ
た。また、上述した2連バリコンは、構造上静電容量の
可変幅や静電容量そのものの値が小さいため、これと組
み合わせるバーアンテナのインダクタンスを大きくする
必要があった。
【0004】また、スーパーヘテロダイン方式を用いた
従来の受信機の局部発振回路や中間周波増幅回路には局
部発振トランスや中間周波トランスが使用されており
(最近では中間周波増幅をセラミックフィルタを用いて
行うものもある)、これらのトランスは外付け部品であ
って、この点からも同調機構全体の集積化が難しかっ
た。
【0005】本発明は、このような点に鑑みて創作され
たものであり、その目的はバリコンが不要であって集積
化に適した同調回路を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の同調回路は、一方がCR回路を含み、
他方がLR回路を含む全域通過型の2つの移相回路を備
え、2つの移相回路による全体の位相シフト量の合計が
360°となるような周波数で所定の同調動作を行うよ
うに構成されている。特に、一方の移相回路に含まれる
LR回路を構成するインダクタはアンテナコイルが用い
られており、このアンテナコイルに到達する各種周波数
の電波の中から、上述した位相シフト量の合計が360
°となる周波数のものだけが選択され、出力される。し
たがって、同調機構を構成する際に、従来の受信機のよ
うにアンテナコイルとバリコンによるLC共振回路を構
成する必要がない。また、本発明の同調回路は、全域通
過型の移相回路を用いているため、この同調回路を用い
ることにより、同調周波数を変えたときの振幅変化がな
く安定した出力を得ることができ、かならずしもスーパ
ーヘテロダイン方式を採用しなくとも受信機を構成する
ことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の同調回路を適用し
た一の実施形態について、図面を参照しながら具体的に
説明する。
【0008】〔第1の実施形態〕図1は、第1の実施形
態の同調回路1の詳細な構成を示す回路図である。図1
に示す同調回路1は、それぞれが交流信号の位相を所定
量シフトさせることにより所定の周波数において合計で
360°の位相シフトを行う2つの移相回路10Lおよ
び30Cと、後段の移相回路30Cの出力側に設けられ
た抵抗62および64からなる分圧回路60と、分圧回
路60の出力を前段の移相回路10Lの入力側に帰還さ
せる帰還抵抗70と、帰還抵抗70を介して帰還させた
信号の一部を分岐するために設けられた可変抵抗74と
を含んで構成されている。
【0009】図2は、図1に示した前段の移相回路10
Lの構成を抜き出して示したものである。同図に示す前
段の移相回路10Lは、差動入力増幅器の一種であるオ
ペアンプ12と、直列接続された一方端が仮想的な入力
端22に接続されたインダクタ17および抵抗16と、
入力端22とオペアンプ12の反転入力端子との間に挿
入された抵抗18と、オペアンプ12の出力端子に接続
された分圧回路を構成する抵抗21および23と、この
分圧回路とオペアンプ12の反転入力端子との間に挿入
された抵抗20とを含んで構成されている。
【0010】このような構成を有する移相回路10Lに
おいて、抵抗18と抵抗20の抵抗値が同じに設定され
ている。また、インダクタ17は、アンテナコイルが使
用されている。
【0011】図3は、移相回路10Lの動作を説明する
ための図である。上述したように図2に示すインダクタ
17はアンテナコイルが用いられているため、放送波等
がこのアンテナコイルに到達すると、インダクタ17の
両端には所定の交流電圧VL1が発生し、図3(A)に示
すように等価的にはインダクタ17に直列に電圧源が接
続されていると考えることができる。この電圧源によっ
てインダクタ17および抵抗16とアース間に形成され
る閉ループに電流が流れ、抵抗16の両端には電圧VR1
が現れる。
【0012】また、等価的にはこの電圧源を上述した閉
ループに沿って移動させることができ、図3(B)に示
すように、移相回路10Lの入力端の外部に上述した電
圧源を移動させて移相回路10Lの動作を考えることが
できる。
【0013】このように、インダクタ17を形成するア
ンテナコイルに放送波等の電波が到達すると、インダク
タ17と抵抗16のそれぞれに所定の電圧が発生するた
め、図2に示す仮想的な入力端22には、それぞれの両
端電圧VR1、VL1を加算した電圧Ei が現れる。別の見
方をすれば、外部に接続された電圧源から仮想的な入力
端22に対して、仮想的な入力電圧Eiが印加され、こ
れにより、インダクタ17と抵抗16のそれぞれの両端
に所定の電圧が現れると考えることができる。
【0014】また、オペアンプ12の2入力間には電位
差が生じないので、反転入力端子の電位とインダクタ1
7および抵抗16の接続点の電位とは等しくなる。した
がって、抵抗18の両端には、インダクタ17の両端に
現れる電圧VL1と同じ電圧VL1が現れる。
【0015】2つの抵抗18、20には同じ電流Iが流
れ、しかも、上述したように抵抗18と抵抗20の各抵
抗値が等しいので、抵抗20の両端にも電圧VL1が現れ
る。これら2つの抵抗18、20の各両端に現れる電圧
VL1はベクトル的に同方向を向いており、オペアンプ1
2の反転入力端子(電圧VR1)を基準にして考えると、
抵抗18の両端電圧VL1をベクトル的に加算したものが
仮想的な入力電圧Eiに、抵抗20の両端電圧VL1をベ
クトル的に減算したものが抵抗21と抵抗23の接続点
の電圧(分圧出力)Eo ′になる。
【0016】また、移相回路10Lの出力端24から
は、上述した抵抗21と抵抗23からなる分圧回路を介
さずに、オペアンプ12の出力端子に現れる電圧がその
まま出力電圧Eo として取り出される。
【0017】図4は、前段の移相回路10Lの入出力電
圧とインダクタ等に現れる電圧との関係を示すベクトル
図である。
【0018】同図に示すように、抵抗16の両端電圧V
R1とインダクタ17の両端電圧VL1とは互いに90°位
相がずれており、これらをベクトル的に加算したものが
端子22に現れる仮想的な入力電圧Ei となる。
【0019】また、上述したように電圧VR1から電圧V
L1をベクトル的に減算したものが分圧出力Eo ′とな
る。オペアンプ12の非反転入力端子に印加される電圧
VR1を基準に考えると、仮想的な入力電圧Ei と分圧出
力Eo ′とは電圧VL1を合成する方向が異なるだけであ
りその絶対値は等しくなる。したがって、仮想的な入力
電圧Ei と分圧出力Eo ′の大きさと位相の関係は、仮
想的な入力電圧Ei および分圧出力Eo ′を斜辺とし、
電圧VL1の2倍を底辺とする二等辺三角形で表すことが
でき、分圧出力Eo ′の振幅は周波数に関係なく仮想的
な入力電圧の振幅と同じであって、移相回路10Lによ
る位相シフト量は図4に示すφ1 で表されることがわか
る。
【0020】また、電圧VR1と電圧VL1とは円周上で直
角に交わるため、仮想的な入力電圧Ei と電圧VR1との
位相差は、インダクタ17の両端に発生する電圧の周波
数ωが0から∞まで変化するに従って0°から90°ま
で変化する。そして、移相回路10L全体のシフト量φ
1 はその2倍であり、上述した周波数ωに応じて0°か
ら180°まで変化する。
【0021】また、移相回路10Lの出力端24はオペ
アンプ12の出力端子に接続されているため、抵抗21
の抵抗値をR21、抵抗23の抵抗値をR23とすると、出
力電圧Eo と上述した分圧出力Eo ′との間には、抵抗
20の抵抗値に対してR21、R23が十分小さいときはE
o =(1+R21/R23)Eo ′の関係がある。したがっ
て、R21およびR23の値を調整することにより1より大
きなゲインが得られ、しかも図4に示すように周波数が
変化しても出力電圧Eo の振幅が一定であり、位相のみ
を所定量シフトすることができる。
【0022】同様に、図5は図1に示した後段の移相回
路30Cの構成を抜き出して示したものである。同図に
示す後段の移相回路30Cは、差動入力増幅器の一種で
あるオペアンプ32と、入力端42に入力された信号の
位相を所定量シフトさせてオペアンプ32の非反転入力
端子に入力するキャパシタ34および可変抵抗36と、
入力端42とオペアンプ32の反転入力端子との間に挿
入された抵抗38と、オペアンプ32の出力端子に接続
されて分圧回路を構成する抵抗41および43と、この
分圧回路とオペアンプ32の反転入力端子との間に挿入
された抵抗40とを含んで構成されている。
【0023】このような構成を有する移相回路30Cに
おいて、抵抗38と抵抗40の抵抗値が同じに設定され
ている。
【0024】図5に示した入力端42に所定の交流信号
が入力されると、オペアンプ32の非反転入力端子に
は、可変抵抗36の両端に現れる電圧VR2が印加され
る。また、オペアンプ32の2入力間には電位差が生じ
ないので、反転入力端子の電位とキャパシタ34および
可変抵抗36の接続点の電位とは等しくなる。したがっ
て、抵抗38の両端には、キャパシタ34の両端に現れ
る電圧VC1と同じ電圧VC1が現れる。
【0025】ここで、2つの抵抗38、40には同じ電
流Iが流れ、しかも、上述したように抵抗38と抵抗4
0の各抵抗値が等しいので、抵抗40の両端にも電圧V
C1が現れる。これら2つの抵抗38、40の各両端に現
れる電圧VC1はベクトル的に同方向を向いており、オペ
アンプ32の反転入力端子(電圧VR2)を基準にして考
えると、抵抗38の両端電圧VC1をベクトル的に加算し
たものが入力電圧Eiに、抵抗40の両端電圧C1をベク
トル的に減算したものが抵抗41と抵抗43の接続点の
電圧(分圧出力)Eo ′になる。
【0026】また、移相回路30Cの出力端44から
は、上述した抵抗41と抵抗43からなる分圧回路を介
さずに、オペアンプ32の出力端子に現れる電圧がその
まま出力電圧Eo として取り出される。
【0027】図6は、後段の移相回路30Lの入出力電
圧とキャパシタ等に現れる電圧との関係を示すベクトル
図である。
【0028】同図に示すように、可変抵抗36の両端に
現れる電圧VR2とキャパシタ34の両端に現れる電圧V
C1とは互いに90°位相がずれており、これらをベクト
ル的に加算したものが入力電圧Ei となる。したがっ
て、入力信号の振幅が一定で周波数のみが変化した場合
には、図6に示す半円の円周に沿って可変抵抗36の両
端電圧VR2とキャパシタ34の両端電圧VC1とが変化す
る。
【0029】また、上述したように電圧VR2から電圧V
C1をベクトル的に減算したものが分圧出力Eo ′とな
る。オペアンプ32の非反転入力端子に印加される電圧
VR2を基準に考えると、入力電圧Ei と分圧出力Eo ′
とは電圧VC1を合成する方向が異なるだけでありその絶
対値は等しくなる。したがって、入力電圧Ei と分圧出
力Eo ′の大きさと位相の関係は、入力電圧Ei および
分圧出力Eo ′を斜辺とし、電圧VC1の2倍を底辺とす
る二等辺三角形で表すことができ、分圧出力Eo′の振
幅は周波数に関係なく入力信号の振幅と同じであって、
位相シフト量は図6に示すφ2 で表されることがわか
る。
【0030】また、図6から明らかなように、電圧VR2
と電圧VC1とは円周上で直角に交わるため、理論的には
入力電圧Ei と電圧VR2との位相差は、周波数ωが0か
ら∞まで変化するに従って90°から0°まで変化す
る。そして、移相回路30C全体のシフト量φ2 はその
2倍であり、周波数に応じて180°から0°まで変化
する。
【0031】また、移相回路30Cの出力端44はオペ
アンプ32の出力端子に接続されているため、抵抗41
の抵抗値をR41、抵抗43の抵抗値をR43とすると、出
力電圧Eo と上述した分圧出力Eo ′との間には、抵抗
40の抵抗値に対してR41、R43が十分小さいときはE
o =(1+R41/R43)Eo ′の関係がある。したがっ
て、R41およびR43の値を調整することにより1より大
きなゲインが得られ、しかも図6に示すように周波数が
変化しても出力電圧Eo の振幅が一定であり、位相のみ
を所定量シフトすることができる。
【0032】このようにして、2つの移相回路10L、
30Cのそれぞれにおいて位相が所定量シフトされる。
しかも、図4および図6に示すように、移相回路10
L、30Cのそれぞれにおける入出力電圧の相対的な位
相関係は反対方向であって、所定の周波数において2つ
の移相回路10L、30Cの全体により位相シフト量の
合計が360°となる信号が出力される。
【0033】後段の移相回路30Cの出力は、出力端子
92から同調回路1の出力として取り出されるととも
に、この移相回路30Cの出力を分圧回路60を通した
信号が帰還抵抗70を介して前段の移相回路10Lの入
力側に帰還される。
【0034】また、上述したように前段の移相回路10
Lに含まれるインダクタ17はアンテナコイルが用いら
れているため、このバーアンテナを放送波が届く位置に
置いたときにアンテナコイルに起電力(交流信号)が生
じる。このように、インダクタ17は、所定のインダク
タンスを有するとインダクタとして機能すると同時に、
所定の交流信号を発生する信号源としての機能も有して
いる。
【0035】ところで、インダクタ17の両端に所定の
交流信号が発生すると、この交流信号は同調回路1の閉
ループを流れる信号に重畳されるが、上述したように、
等価的にはこの所定の交流信号を閉ループの外部から与
えて閉ループ内の信号に重畳してもよい。
【0036】図7は、図1に示した同調回路に対応した
等価回路を示す図である。図2を用いて説明したよう
に、移相回路10Lに含まれるインダクタ17には、ア
ンテナコイルで放送波等を受信することにより所定の電
圧が発生するため、等価的にはこの発生した電圧が外部
から印加されたものと考えることができる。この電圧源
に相当する信号源76が移相回路10Lの入力側に設け
られており、この信号源76によって発生した所定の交
流信号が可変抵抗74を介して移相回路10Lに入力さ
れると考えることができる。
【0037】このように、2つの移相回路10L、30
Cによって所定の周波数における位相シフト量の合計が
360°となり、このとき2つの移相回路10L、30
C、分圧回路60および帰還抵抗70により形成される
帰還ループのオープンループゲインを1以下に設定する
ことにより、上述した所定の周波数成分の信号のみを通
過させる同調動作が行われる。
【0038】図8は、上述した構成を有する2つの移相
回路10L、30Cおよび分圧回路60の全体を伝達関
数K1 を有する回路に置き換えたシステム図であり、伝
達関数K1 を有する回路と並列に抵抗R0 を有する帰還
抵抗70が、直列に抵抗74(抵抗74の抵抗値を抵抗
70の抵抗値R0 のn倍とする)が接続されている。図
9は、図8に示すシステムをミラーの定理によって変換
したシステム図であり、変換後のシステム全体の伝達関
数Aは、 A=Vo /Vi =K1 /{n(1−K1 )+1} ・・・(1) で表すことができる。
【0039】ところで、前段の移相回路10Lの伝達関
数K2 は、インダクタ17と抵抗16からなるLR回路
の時定数をT1 (インダクタ17のインダクタンスを
L、抵抗16の抵抗値をRとするとT1 =L/R)とす
ると、 K2 =a1 (1−T1 s)/(1+T1 s) ・・・(2) となる。ここで、s=jωであり、a1 は移相回路10
Lのゲインであってa1=(1+R21/R23)>1であ
る。
【0040】また、後段の移相回路30Cの伝達関数K
3 は、キャパシタ34と可変抵抗36からなるCR回路
の時定数をT2 (キャパシタ34の静電容量をC、可変
抵抗36の抵抗値をRとするとT2 =CR)とすると、 K3 =−a2 (1−T2 s)/(1+T2 s) ・・・(3) となる。ここで、a2 は移相回路30Cのゲインであっ
てa2 =(1+R41/R43)>1である。
【0041】分圧回路60を介することによって信号振
幅が1/a1 2 に減衰するものとすると、2つの移相
回路10L、30Cと分圧回路60を縦続接続した場合
の全体の伝達関数K1 は、 K1 =−{1+(Ts)2 −2Ts}/{1+(Ts)2 +2Ts} ・・・(4) となる。なお、上述した(4)式においては、計算を簡
単なものとするために、各移相回路の時定数T1 、T2
をともにTとした。この(4)式を上述した(1)式に
代入すると、 A=−{1+(Ts)2 −2Ts} /〔(2n+1){1+(Ts)2 }+2Ts〕 =−{1/(2n+1)}〔{1+(Ts)2 −2Ts} /{1+(Ts)2 +2Ts/(2n+1)}〕 ・・・(5) となる。
【0042】この(5)式によれば、ω=0(直流の領
域)のときにA=−1/(2n+1)となって、最大減
衰量を与えることがわかる。また、ω=∞のときにもA
=−1/(2n+1)となって、最大減衰量を与えるこ
とがわかる。さらに、ω=1/Tの同調点(一般には各
移相回路の時定数が異なるので、ω=1/√(T1 ・T
2 )の同調点)においてはA=1であって帰還抵抗70
と入力抵抗74の抵抗比nに無関係であって、図10に
示すように、同調帯域幅(すなわちQ)と最大減衰量が
任意に設定可能なバンドパスフィルタとして動作するこ
とがわかる。
【0043】また、上述した同調回路1は、前段の移相
回路10Lに含まれるインダクタ17をアンテナコイル
によって形成しているため、放送波等の各種の受信信号
を直接同調回路1に取り込むことかでき、従来不可欠で
あったバリコンが不要となる。このため、アンテナコイ
ルを除く同調回路1全体を半導体基板上に形成すること
ができ、集積化に適している。
【0044】また、例えば従来のAM受信機のようにL
C共振回路によって同調を行う場合には、使用するバリ
コンの静電容量や可変範囲の制約から、大きなインダク
タンスを有するアンテナコイルが必要であった。これに
対し、本実施形態の同調回路1では、アンテナコイルを
用いたインダクタ17を抵抗16と組み合わせているた
め、インダクタ17のインダクタンスをある程度自由に
設定することができるようになった。したがって、アン
テナコイルとしてはアンテナ感度だけを考慮すればよ
く、従来より小さなアンテナコイルを使用でき、受信機
全体の小型化を図ることも可能となった。
【0045】また、同調回路1の後段の移相回路10C
に含まれる可変抵抗15の抵抗値を可変することによ
り、閉ループを一巡したときに移相量の合計が360°
となる周波数を変えることができる。したがって、同調
回路1の中心周波数(同調周波数)を任意に変えること
ができ、必ずしも従来のようにスーパーヘテロダイン方
式を用いなくとも受信機を構成することが可能となっ
た。このため、スーパーヘテロダイン方式の受信機では
不可欠であった中間周波トランスや局部発振トランス等
が不要となり、同調機構全体、さらには受信機のほとん
どを半導体基板上に一体形成することも可能となった。
【0046】また、前段の移相回路10Lの入力側に接
続された可変抵抗74の抵抗値を変えることにより同調
帯域幅、すなわちバンドパスフィルタのQを可変するこ
とができる。これにより、同調回路1を用いて構成した
受信機において、混信が生じる場合には可変抵抗74の
抵抗値を調整することにより同調帯域幅を狭くして混信
を防ぎ、反対に混信が少ない場合においては可変抵抗7
4の抵抗値を調整することにより同調帯域幅を広げて受
信信号を忠実に再現するといったことが可能であり、混
信状態に応じて最適な受信機の設計が可能となる。
【0047】図11は、第1の実施形態の他の構成を示
す回路図であり、図1に示した同調回路1に対して、前
段および後段の移相回路10L、30Cをそれぞれ移相
回路30L、10Cに置き換えた構成を有している。
【0048】図11に示した前段の移相回路30Lは、
図5に構成を示した移相回路30C内のキャパシタ34
と可変抵抗36によるCR回路を、抵抗35とインダク
タ37からなるLR回路に置き換えたものであり、この
インダクタ37はアンテナコイルによって形成されてい
る。この移相回路30Lの仮想的な入力電圧と出力電圧
の関係は移相回路30Cの入出力電圧間の関係と同じで
あって、図6に示したベクトル図において、電圧VR2を
インダクタ37の両端に発生する電圧VL2に、電圧VC1
を抵抗35の両端電圧VR3にそれぞれ置き換えるだけで
よい。
【0049】同様に、図11に示した後段の移相回路1
0Cは、図2に構成を示した移相回路10L内のインダ
クタ17と抵抗16によるLR回路を、可変抵抗15と
キャパシタ14からなるCR回路に置き換えたものであ
る。この移相回路10Cの入出力電圧の関係は移相回路
10Lの仮想的な入力電圧と出力電圧との関係と同じで
あって、図4に示したベクトル図において、電圧VR1を
キャパシタ14の両端電圧VC2に、電圧VL1を可変抵抗
15の両端電圧VR4にそれぞれ置き換えるだけでよい。
【0050】このように、同調回路1Aを構成する2つ
の移相回路30L、10Cは、図1に示した同調回路1
を構成する2つの移相回路10L、30Cと等価であ
り、前段の移相回路30Lにアンテナコイルによって形
成されたインダクタ37を含むことも同じであるから、
図1に示した同調回路1と同様に、任意に同調周波数を
変えることができ、バリコンが不要であって集積化に適
しているという特長を有している。
【0051】〔第2の実施形態〕図12は、第2の実施
形態の同調回路1Bの詳細な構成を示す回路図である。
同図に示す同調回路1Bは、それぞれが入力される交流
信号の位相を所定量シフトさせることにより所定の周波
数において合計で360°の位相シフトを行う2つの移
相回路110Lおよび130Cと、後段の移相回路13
0Cの出力を前段の移相回路110Lの入力側に帰還さ
せる帰還抵抗70と、帰還抵抗70を介して帰還させた
信号の一部を分岐するために設けられた可変抵抗74と
を含んで構成されている。
【0052】図1に示した同調回路1では、前段の移相
回路10L内の抵抗18と抵抗20の各抵抗値を同じに
設定しており、これにより振幅変化を抑えている。ま
た、オペアンプ12の出力側に抵抗21と23による分
圧回路を接続することにより、移相回路10Lの利得を
1より大きな値に設定している。後段の移相回路30C
についても同様のことがいえる。これに対し、図12に
示す同調回路1Bに含まれる前段の移相回路110L
は、抵抗18′の抵抗値よりも抵抗20′の抵抗値を大
きく設定することにより、移相回路110Lの利得を1
より大きな値に設定している。
【0053】このように、図12に示した2つの移相回
路110L、130Cの各利得を1以上に設定すること
により、抵抗70と可変抵抗74の接続部で生じる損失
を補うことができ、図1に示した同調回路1等と同様の
同調動作が行われる。
【0054】ところで、各移相回路の利得を1より大き
な値に設定した場合には、入力される信号の周波数に応
じて利得変動が生じる。例えば、前段の移相回路110
Lについて考えると、仮想的な入力電圧(すなわちイン
ダクタ17の両端に発生する電圧と抵抗16の両端電圧
とを加算した電圧)の周波数が低い場合には移相回路1
10Lはボルテージホロワ回路となるため、このときの
利得は1倍となるのに対し、周波数が高い場合には移相
回路110Lは反転増幅器となるためこのときの利得は
−m倍(mは抵抗20′と抵抗18′の抵抗比)となる
ため、周波数が変化したときに移相回路110Lの利得
も変化して出力信号の振幅変動が生じる。
【0055】このような振幅変動は、オペアンプ12の
反転入力端子に抵抗19を接続して、仮想的な入力電圧
の周波数が低い場合と高い場合の利得を一致させること
により抑えることができる。具体的には、抵抗18′の
抵抗値をr、抵抗20′の抵抗値をmrとすると、抵抗
19の抵抗値をmr/(m−1)に設定することによ
り、仮想的な入力電圧の周波数が0と無限大のときの移
相回路110Lの各利得を一致させることができる。同
様に、移相回路130Cについてもオペアンプ32の反
転入力端子に所定の抵抗値を有する抵抗39を接続する
ことにより、出力信号の振幅変動を抑えることができ
る。
【0056】このように、同調回路1Bを分圧回路を有
しない2つの移相回路110L、130Cを用いて構成
することもでき、しかも前段の移相回路110Lにはア
ンテナコイルによって形成されたインダクタ17が含ま
れるため、図1に示した同調回路1と同様に、任意に同
調周波数を変えることができ、バリコンが不要であって
集積化に適しているという特長を有している。
【0057】図13は、第2の実施形態の他の構成を示
す回路図であり、図12に示した同調回路1Bに対し
て、前段および後段の移相回路110L、130Cをそ
れぞれ移相回路130L、110Cに置き換えた構成を
有している。
【0058】図13に示した前段の移相回路130L
は、図12に示した後段の移相回路130C内のキャパ
シタ34と可変抵抗36によるCR回路を、抵抗35と
インダクタ37からなるLR回路に置き換えたものであ
り、このインダクタ37はアンテナコイルによって形成
されている。移相回路130Lの仮想的な入力電圧と出
力信号の関係は移相回路130Cの入出力電圧間の関係
と同じである。
【0059】同様に、図13に示した後段の移相回路1
10Cは、図12に示した前段の移相回路110L内の
インダクタ17と抵抗16によるLR回路を、可変抵抗
15とキャパシタ14からなるCR回路に置き換えたも
のである。移相回路110Cの入出力信号間の関係は移
相回路110Lの仮想的な入力電圧と出力電圧の関係と
同じである。
【0060】このように、同調回路1Cを構成する2つ
の移相回路130L、110Cは、図12に示した同調
回路1Bを構成する2つの移相回路110L、130C
と等価であり、前段の移相回路130Lにアンテナコイ
ルによって形成されたインダクタ37を含むことも同じ
であるから、図12に示した同調回路1Bと同様に、任
意に同調周波数を変えることができ、バリコンが不要で
あって集積化に適しているという特長を有している。
【0061】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施
が可能である。
【0062】例えば、上述した各種の同調回路1等にお
いては、アンテナコイルを利用したインダクタを前段の
移相回路に含ませたが、前段と後段の移相回路の配置を
入れ換えて、後段の移相回路にインダクタを含ませるよ
うにしてもよい。
【0063】また、上述した同調回路1等においては、
一方の移相回路に可変抵抗を含ませたが、両方の移相回
路に可変抵抗を含むようにしてもよい。例えば、図1に
示した同調回路1において、前段の移相回路10L内の
抵抗16を可変抵抗15に置き換える。このように、各
移相回路に可変抵抗を含ませた場合には、2つの移相回
路による移相量の合計が大きくなるため、同調回路全体
の同調周波数の可変範囲を大きく設定することができ
る。
【0064】また、図1あるいは図11に示した同調回
路1、1Aは、後段の移相回路のさらに後段に分圧回路
60を接続したが、この分圧回路60の分圧比を1に設
定し、あるいはこの分圧回路60を省略して、後段の移
相回路30Cの出力を抵抗70を介して直接帰還させる
ようにしてもよい。
【0065】また、上述した分圧回路60は、後段の移
相回路のさらに後段に接続したが、2つの移相回路と分
圧回路60をどのように接続するかは任意であり、その
順番を適当に決めることができる。但し、分圧回路60
を最終段以外に接続した場合には、分圧回路60の前段
の回路の出力端を出力端子92に接続し、分圧前の信号
を同調回路の出力として取り出すようにする。
【0066】また、図12あるいは図13に示した同調
回路1B、1Cは、振幅変化が生じないように各オペア
ンプ12、32の反転入力端子に抵抗19あるいは抵抗
39を接続したが、同調周波数の可変範囲が小さい場合
には振幅変化も少ないことから、これらの抵抗19、3
9を省略して同調回路を構成することもできる。
【0067】また、上述した第1の実施形態の同調回路
1、1Aは、2つの移相回路の両方に分圧回路(抵抗2
1、23により構成される分圧回路と抵抗41、43に
より構成される分圧回路)を含んだが、いずれか一方の
分圧回路を省略して、対応する移相回路の利得を1に設
定してもよい。この場合には、省略しようとする分圧回
路の分圧比を1に設定したことに相当し、このように考
えると分圧回路がない移相回路を用いた同調回路も上述
した同調回路1、1Aに含まれると考えられる。
【0068】また、上述した第2の実施形態の同調回路
1B、1Cは、2つの移相回路の両方に振幅変化を抑え
るための抵抗19あるいは39を接続したが、一方の移
相回路の利得を1に設定した場合(例えば図12におい
て、抵抗18′と抵抗20′の各抵抗値を同じにした場
合あるいは抵抗38′と抵抗40′の各抵抗値を同じに
した場合)には、対応する抵抗19あるいは39を接続
する必要がなくなるため、利得を1に設定した移相回路
に含まれる抵抗19あるいは39を省略してもよい。こ
の場合には、省略しようとする抵抗19あるいは39の
抵抗値を非常に大きくしたことに相当し、このように考
えると抵抗19あるいは39がない移相回路を用いた同
調回路も上述した同調回路1B、1Cに含まれると考え
ることができる。
【0069】また、上述した各同調回路は、2つの移相
回路内のLR回路あるいはCR回路に含まれる可変抵抗
の抵抗値を変えることにより同調周波数を変えるように
したが、CR回路に含まれるキャパシタの静電容量を変
えることによりこのCR回路の時定数を変えて同調周波
数を変化させるようにしてもよい。具体的には、このキ
ャパシタを逆バイアス電圧可変によって静電容量が変更
可能な可変容量ダイオードや、ゲート電圧可変によって
ゲート容量が変更可能なFETに置き換えればよい。
【0070】また、2つの移相回路内のLR回路あるい
はCR回路の時定数を変えるには、上述したような可変
素子ばかりでなく、抵抗値が固定の複数の抵抗あるいは
静電容量が固定の複数のキャパシタを用意しておいて、
スイッチ切り換えにより、択一的に選択してあるいは接
続状態を切り換えることにより、LR回路あるいはCR
回路の時定数を不連続的に変化させるようにしてもよ
い。
【0071】また、上述した各種の同調回路1等におい
ては、可変抵抗74の抵抗値を変えることにより同調帯
域幅を変えるようにしたが、反対にこの可変抵抗74を
抵抗値が固定の抵抗に置き換えるとともに抵抗70を可
変抵抗に置き換えて、この可変抵抗の抵抗値を変えるよ
うにしてもよい。
【0072】また、上述した実施形態においては、オペ
アンプを用いた移相回路10L等を用いて同調回路を構
成することにより高い安定度を実現することができる
が、本実施形態の移相回路10L、30Cのような使い
方をする場合にはオフセット電圧や電圧利得はそれほど
高性能なものが要求されないため所定の増幅度を有する
差動入力増幅器を各移相回路内のオペアンプの代わりに
使用するようにしてもよい。
【0073】図14は、オペアンプの構成の中で移相回
路の動作に必要な部分を抽出した回路図であり、全体が
所定の増幅度を有する差動入力増幅器として動作する。
同図に示す差動入力増幅器は、FETにより構成された
差動入力段100と、この差動入力段100に定電流を
与える定電流回路102と、定電流回路102に所定の
バイアス電圧を与えるバイアス回路104と、差動入力
段100に接続された出力アンプ106とによって構成
されている。同図に示すように、実際のオペアンプに含
まれている電圧利得を稼ぐための多段増幅回路を省略し
て、差動入力増幅器の構成を簡略化し、広帯域化を図る
ことができる。このように、回路の簡略化を行うことに
より、動作周波数の上限を高くすることができるため、
その分この差動入力増幅器を用いて構成した同調回路の
同調周波数の上限を高くすることができる。
【0074】
【発明の効果】上述したように本発明の同調回路は、所
定の同調周波数を有するバンドパスフィルタとして動作
し、しかも一方の移相回路に含まれるインダクタをアン
テナコイルによって形成しているため、放送波等の各種
の受信信号を直接同調回路に取り込むことかでき、従来
不可欠であったバリコンが不要となる。このため、イン
ダクタを除く同調回路全体を半導体基板上に形成するこ
とができ、集積化に適している。
【0075】また、少なくとも一方の移相回路に含まれ
る可変抵抗の抵抗値を可変することにより、同調回路の
閉ループを一巡したときに移相量の合計が360°とな
る周波数を変えることができるため、同調周波数を任意
に変えることができ、必ずしも従来のようにスーパーヘ
テロダイン方式を用いなくとも受信機を構成することが
可能となる。このため、スーパーヘテロダイン方式の受
信機では不可欠であった中間周波トランスや局部発振ト
ランス等が不要となり、同調機構全体、さらには受信機
のほとんどを半導体基板上に一体形成することも可能と
なる。
【0076】また、前段の移相回路の入力側に接続され
た抵抗あるいは帰還抵抗の少なくとも一方の抵抗値を変
えることにより同調帯域幅、すなわちバンドパスフィル
タのQを可変することができるため、例えば同調回路を
用いて構成した受信機において、混信が生じる場合には
同調帯域幅を狭くして混信を防ぎ、反対に混信が少ない
場合においては同調帯域幅を広げて受信信号を忠実に再
現するといったことが可能であり、混信状態に応じて最
適な受信機の設計が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の同調回路の構成を示す回路図
である。
【図2】図1に示した前段の移相回路の構成を示す回路
図である。
【図3】図2に示した移相回路の動作を説明する等価回
路図である。
【図4】図2に示した移相回路の入出力電圧とインダク
タ等に現れる電圧の関係を示すベクトル図である。
【図5】図1に示す後段の移相回路の構成を示す回路図
である。
【図6】図5に示した移相回路の入出力電圧とキャパシ
タ等に現れる電圧の関係を示すベクトル図である。
【図7】図1に示した同調回路に対応した等価回路を示
す図である。
【図8】同調回路内の2つの移相回路および分圧回路の
全体を所定の伝達関数を有する回路に置き換えた図であ
る。
【図9】図8に示す回路をミラーの定理によって変換し
た図である。
【図10】図1に示す同調回路の特性図である。
【図11】第1の実施形態の同調回路の他の例を示す回
路図である。
【図12】第2の実施形態の同調回路の構成を示す回路
図である。
【図13】第2の実施形態の同調回路の他の例を示す回
路図である。
【図14】オペアンプの構成の中で移相回路の動作に必
要な部分を抽出した回路図である。
【符号の説明】
1 同調回路 10L、30C 移相回路 12、32 オペアンプ 16、18、20、38、40 抵抗 17 インダクタ 34 キャパシタ 36、74 可変抵抗 60 分圧回路 70 帰還抵抗 92 出力端子

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 いずれか一方が差動入力増幅器とCR回
    路とを含み、いずれか他方が差動入力増幅器とLR回路
    とを含む全域通過型の2つの移相回路を備え、後段の前
    記移相回路の出力を前段の前記移相回路の入力側に帰還
    させるとともに、前記LR回路に含まれるインダクタと
    してアンテナコイルを用いることを特徴とする同調回
    路。
  2. 【請求項2】 反転入力端子に第1の抵抗の一方端が接
    続されており、前記第1の抵抗を介して交流信号が入力
    される差動入力増幅器と、前記差動入力増幅器の出力端
    子に接続された第1の分圧回路と、前記第1の分圧回路
    の出力端と前記差動入力増幅器の反転入力端子との間に
    接続された第2の抵抗と、キャパシタおよび第3の抵抗
    からなっており、前記第1の抵抗の他方端に接続された
    CR回路とを含み、前記第3の抵抗および前記キャパシ
    タの接続部を前記差動入力増幅器の非反転入力端子に接
    続した第1の移相回路と、 反転入力端子に第1の抵抗の一方端が接続された差動入
    力増幅器と、前記差動入力増幅器の出力端子に接続され
    た第2の分圧回路と、前記第2の分圧回路の出力端と前
    記差動入力増幅器の反転入力端子との間に接続された第
    2の抵抗と、アンテナコイルを用いて形成されたインダ
    クタおよび第3の抵抗からなっており、前記第1の抵抗
    の他方端に接続されたLR回路とを含み、前記第3の抵
    抗および前記インダクタの接続部を前記差動入力増幅器
    の非反転入力端子に接続した第2の移相回路と、 を備え、前記第1および第2の移相回路を縦続接続し、
    この中の後段の出力を前段の入力側に帰還させることを
    特徴とする同調回路。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記2つの移相回路内の第1の抵抗と第2の抵抗の抵抗
    値を同じ値に設定することを特徴とする同調回路。
  4. 【請求項4】 反転入力端子に第1の抵抗の一方端が接
    続されており、前記第1の抵抗を介して交流信号が入力
    される差動入力増幅器と、前記差動入力増幅器の反転入
    力端子と出力端子との間に接続された第2の抵抗と、キ
    ャパシタおよび第3の抵抗からなっており、前記第1の
    抵抗の他方端に接続されたCR回路と、一方端が前記差
    動入力増幅器の反転入力端子に接続され他方端が接地さ
    れた第4の抵抗とを含み、前記第3の抵抗および前記キ
    ャパシタの接続部を前記差動入力増幅器の非反転入力端
    子に接続した第1の移相回路と、 反転入力端子に第1の抵抗の一方端が接続された差動入
    力増幅器と、前記差動入力増幅器の反転入力端子と出力
    端子との間に接続された第2の抵抗と、アンテナコイル
    を用いて形成されたインダクタおよび第3の抵抗からな
    っており、前記第1の抵抗の他方端に接続されたLR回
    路と、一方端が前記差動入力増幅器の反転入力端子に接
    続され他方端が接地された第4の抵抗とを含み、前記第
    3の抵抗および前記インダクタの接続部を前記差動入力
    増幅器の非反転入力端子に接続した第2の移相回路と、 を備え、前記第1および第2の移相回路を縦続接続し、
    この中の後段の出力を前段の入力側に帰還させることを
    特徴とする同調回路。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記2つの移相回路内の第2の抵抗の抵抗値を第1の抵
    抗の抵抗値より大きな値に設定することを特徴とする同
    調回路。
  6. 【請求項6】 請求項2〜5のいずれかにおいて、 前記キャパシタあるいは前記インダクタからなるリアク
    タンス素子と前記第3の抵抗の接続の仕方を前記2つの
    移相回路において同じにしたことを特徴とする同調回
    路。
  7. 【請求項7】 請求項2〜6のいずれかにおいて、 前記CR回路あるいは前記LR回路の少なくとも一方の
    時定数を可変することにより、同調周波数を変化させる
    ことを特徴とする同調回路。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 前記CR回路あるいは前記LR回路の少なくとも一方に
    含まれる前記第3の抵抗の抵抗値を可変することによ
    り、前記時定数を変化させることを特徴とする同調回
    路。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかにおいて、 前記2つの移相回路を含んで形成される閉ループの一部
    に第3の分圧回路を挿入し、前記第3の分圧回路に入力
    される交流信号を同調出力として取り出すことを特徴と
    する同調回路。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかにおいて、 前記2つの移相回路を含んで形成される閉ループの一部
    に挿入された第5の抵抗と、前記閉ループを流れる交流
    信号の一部を分岐するために設けられた第6の抵抗とを
    さらに備えており、前記第5および第6の抵抗の抵抗比
    を可変することにより、同調帯域幅を変化させることを
    特徴とする同調回路。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかにおいて、 前記インダクタを除く構成部品を半導体基板上に一体形
    成したことを特徴とする同調回路。
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