JPH0972076A - 防音床材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 防振，防音効果を高める。 【解決手段】 仕上板１の下面に少なくとも第１緩衝材
２，緩衝板３，第２緩衝材４を積層した防音床材におい
て、緩衝板３としてアスファルト配合発泡樹脂を使用し
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、防音床材に関
し、特に仕上板として硬質な木質系等のものを使用し、
コンクリートスラブ等の床基盤に直貼りされるタイプに
好適な防音床材に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の防音床材としては、特開平５−２
５９１４号公報に記載のものが知られている。これは、
図７に示すように、裏側に複数本の平行な溝１０１が形
成された木質板１００の裏面に、不織布１０２によって
補強された合成樹脂発泡材１０３を貼着したものであ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述の従来例では、主
として発泡材１０３が振動の衝撃を柔らげている。振動
の第一撃は発泡材１０３が縮むことでその衝撃を柔らげ
るが、これは発泡材１０３が備えるバネを外力でチャー
ジすることに他ならず、バネが復帰するとき、すなわち
伸びようとするときにほとんど抵抗がないので、チャー
ジされたエネルギーが熱になって拡散し難い構造であ
り、そのため振動は止まり難く、防振力が弱いものであ
った。この従来例も或る程度のバッファー効果はあって
も、それ以上の防振，防音効果は期待できないものであ
った。

【０００４】そこで、この発明は、さらに防振，防音効
果を高めた防音床材を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、この発明は、仕上板の下面に少なくとも第１緩衝
材，緩衝板，第２緩衝材を積層した防音床材において、
緩衝板としてアスファルト配合発泡樹脂を使用したもの
である。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下に、この発明の好適な実施例
を図面を参照にして説明する。

【０００７】図１に示す実施例は、木質系等の硬質な仕
上板１の下面に第１緩衝材２を設け、この第１緩衝材２
の下面には緩衝板３を設け、この緩衝板３の下面には第
２緩衝材４を設けてある。このような４層構造のものを
コンクリートスラブ等の床基盤５に直貼りしてある。第
１緩衝材２と第２緩衝材４とに挟まれた緩衝板３として
はアスファルト配合発泡樹脂を使用している。第１緩衝
材としては不織布を使用し、第２緩衝材４としては発泡
樹脂シート、例えばポリウレタンシートを使用してい
る。緩衝板３を構成するアスファルト配合発泡樹脂とし
ては、ポリオキシアルキレンポリオールと有機イソシア
ネートとを各々単一成分として又はプレポリマーとして
含むポリウレタンフォーム発泡原料を発泡機の攪拌混合
室内に導入するとともに、予め加熱溶融したアスファル
トを発泡機の攪拌混合室内に導入し、これらポリウレタ
ンフォーム発泡原料と加熱溶融したアスファルトとを混
合したのち、これを発泡させたアスファルト配合ポリウ
レタンフォームのシートが好適に使用できる。このよう
なアスファルト配合ポリウレタンフォームのシートは、
より具体的には次のようにして製造することができる。

【０００８】第１成分としてグリセリンを出発原料とし
てプロピレンオキサイドを付加することによって得られ
た分子量３０００、３官能のポリオール、第２成分とし
てイソシアネート、第３成分として水，アミン触媒，架
橋剤及びシリコーン系界面活性剤、第４成分としてジオ
クチルフォスフェート（ＤＯＰ）で希釈した錫系触媒を
用い、これらを表１に示す配合比で定量的に発泡機の攪
拌混合室に導入するとともに、この発泡機攪拌混合室に
第５成分として上記第１成分と第２成分の総和量と同量
のストレートアスファルト（針入度６０〜８０）を１０
０℃に加熱溶融したものを別ストリームで導入し、これ
ら成分を混合し、吐出した。この吐出した混合液は５秒
後にクリーム状となり、以後発泡し、２分後にこの発泡
が完了してアスファルト配合軟質ポリウレタンフォーム
が生成できた。

【０００９】

【表１】

【００１０】上述のようにした得られたアスファルト配
合軟質ポリウレタンフォームの一般物性は表２に示す通
りである。

【００１１】

【表２】

【００１２】図２は仕上板１を貼付する前の第１及び第
２緩衝材２，４と緩衝板３を示す斜視図である。第１緩
衝材２としては上述した不織布の他に繊維板或は弾性板
も使用できる。弾性板としてはゴム板や弾性力を有する
合成樹脂の板、例えば発泡させたもの等が好適に使用で
き、また合成樹脂繊維が立体状にからみ合った表裏に凹
凸のある繊維板も使用可能である。

【００１３】図３は仕上板１に従来と同様の溝１１を設
けたものを示し、このような溝１１が存在することによ
りより一層防音効果を高めることができる。

【００１４】図４は第２緩衝材４を示し、１２mmの厚さ
のシートにポリウレタンフォームを形成し、このポリウ
レタンフォームシートを圧縮成型して表裏に凹凸をつけ
ることにより制振効果を増すようにしたものである。圧
縮成型後のポリウレタンフォームシートの厚みｔは３mm
となる。なお、第１緩衝材２と第２緩衝材４とが同一材
料であっても勿論差し支えない。

【００１５】仕上板１として木質板を用い、この仕上板
１の下面に図２に示す積層物を設けた。このとき第１緩
衝材２としては不織布を、緩衝板３としてはアスファル
ト配合ポリウレタンフォームのシートを用い、第２緩衝
材４としては図４に示す圧縮成型されたポリウレタンフ
ォームのシートを用い、これを厚さ１５０mmのコンクリ
ートスラブの上に直貼りし、ＪＩＳ Ａ１４１８に規定
される試験方法による床衝撃音のテストをした。その結
果は図５に示すようにＬ−４５の遮音等級を示した。同
様の構造の防音床材を厚さ２１０mmのスラブ上に直貼り
した結果は図６に示す通りであり、遮音等級Ｌ−４５を
示した。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、より一層の防振，防音効果を奏することができる。
また、第１，第２緩衝材の間に存在するアスファルト配
合発泡樹脂が、防音床材に外力が加えられて縮むときに
は速やかに縮み、外力が取り除かれて元に復帰する場合
には遅れ時間を持って復元することができる。すなわ
ち、復元するときには蓄積されているエネルギーが熱変
換して制動がかかるという、振動の吸収に非常によい特
性を有することとなる。すなわち、アスファルト配合発
泡樹脂の特性を失うことなく、かつ従来の防音床材と同
様の取扱い易さが得られるものである。さらにまた、こ
の発明は上述の如き構成であるためにコストアップには
つながらない。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の好適な実施例を示す断面図。

【図２】第１緩衝材と第２緩衝材との間に緩衝板を挟ん
だ斜視図。

【図３】仕上板の変形例を示す断面図。

【図４】第２緩衝材の一例を示す断面図。

【図５】コンクリートスラブ１５０mm厚に直貼りしたと
きの床衝撃音テストの結果を示すグラフ。

【図６】コンクリートスラブ２１０mm厚に直貼りしたと
きの床衝撃音テストの結果を示すグラフ。

【図７】従来例を示す断面図。

【符号の説明】

１ 仕上板 ２ 第１緩衝材 ３ 緩衝板 ４ 第２緩衝材

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 仕上板の下面に少なくとも第１緩衝材，
   緩衝板，第２緩衝材を積層した防音床材において、 緩衝板としてアスファルト配合発泡樹脂を使用したこと
   を特徴とする防音床材。
2. 【請求項２】 第１緩衝材として不織布，繊維板，弾性
   板のいずれかを、第２緩衝材として発泡樹脂シートを使
   用したことを特徴とする請求項１に記載の防音床材。
3. 【請求項３】 アスファルト配合発泡樹脂がポリウレタ
   ンフォームシートにアスファルトを含浸又は浸透させた
   ものであることを特徴とする請求項１又は２に記載の防
   音床材。
4. 【請求項４】 第２緩衝材として発泡樹脂シートを圧縮
   成型して表裏に凹凸をつけたものを使用することを特徴
   とする請求項１ないし３のいずれか１項に記載の防音床
   材。