JPH0967757A - 極薄処理ガラス繊維織物とその織物の製造方法 - Google Patents

極薄処理ガラス繊維織物とその織物の製造方法

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JPH0967757A
JPH0967757A JP8159251A JP15925196A JPH0967757A JP H0967757 A JPH0967757 A JP H0967757A JP 8159251 A JP8159251 A JP 8159251A JP 15925196 A JP15925196 A JP 15925196A JP H0967757 A JPH0967757 A JP H0967757A
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JP
Japan
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yarn
glass fiber
woven fabric
sizing agent
water
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JP8159251A
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English (en)
Inventor
Ryota Koyanagi
亮太 小柳
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Nitto Boseki Co Ltd
Original Assignee
Nitto Boseki Co Ltd
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Publication date
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  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass Fibres Or Filaments (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ソリ・ネジレ特性およびピーリング強度の良
いガラス繊維強化積層板を製造するための、極薄処理ガ
ラス繊維織物およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 1.5〜50texのヤーンに水溶性エ
ポキシ樹脂が付着されてなり;原反が、そのヤーンから
製織されたガラス繊維織物であり;かつ、その原反を水
流加工処理してなる単重6〜30g/m2 の極薄処理ガ
ラス繊維織物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、極薄処理ガラス繊
維織物に関する。さらに詳しくは、ソリ・ネジレ特性お
よびピーリング強度に優れたガラス繊維強化積層板を製
造するための、単重6〜30g/m2 の極薄処理ガラス
繊維織物に関する。さらにまた、ソリ・ネジレ特性、ピ
ーリング強度、電気絶縁性および半田耐熱性に優れたガ
ラス繊維強化積層板を製造するための、単重6〜30g
/m2 の極薄処理ガラス繊維織物に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス繊維強化積層板は、合成樹脂を処
理ガラス繊維織物に含浸させて製造され、電子機器の製
造に用いられる。その処理ガラス繊維織物を製造するた
めの原反は、通常、でんぷん系の一次サイジング剤を施
されたヤーンを用いて製織される。その場合、でんぷん
系サイジング剤は、ガラス織物を構成するガラス繊維と
合成樹脂との接着に悪い影響を与えるため、原反に付着
しているでんぷん系の一次サイジング剤を、加熱により
除去し、次ぎに、開繊処理し、さらに、表面処理して、
処理ガラス繊維織物を製造していた。なお、開繊処理と
しては、マングル等による加圧のほか、バイブロウォシ
ャー、超音波、ウォータージェット等の水流加工による
方法が知られていた。
【0003】一方、電子機器の軽薄短小化、および高機
能化が進むにつれて、ガラス繊維織物の、極薄化の要求
が強くなってきている。しかし、極薄ガラス繊維織物を
用いて、ガラス繊維強化積層板を製造すると、熱応力に
よる積層板のソリ・ネジレを抑えることができないとい
う問題があった。また、そのような積層板をプリント基
板に用いた場合、高温多湿の環境下では、配線に用いら
れている銅が電流により溶け出し、回路間でショートを
起こす要因となるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ソリ
・ネジレ特性およびピーリング強度の良いガラス繊維強
化積層板を製造するための、極薄処理ガラス繊維織物お
よびその製造方法を提供することである。加えて、ソリ
・ネジレ特性、ピーリング強度、電気絶縁性、および半
田耐熱性が十分なガラス繊維強化積層板を製造するため
の、極薄処理ガラス繊維織物およびその製造方法を提供
することである。
【0005】
【課題を解決する為の手段】上記の問題に鑑み、本発明
者らは、良好な極薄処理ガラス繊維織物を開発すること
に、鋭意努力した。その結果、一次サイジング剤として
水溶性エポキシ樹脂を用い、水流加工で脱油・開繊処理
して製造した、ある種の極薄処理ガラス繊維織物が、ソ
リ・ネジレ特性およびピーリング強度に優れたガラス繊
維強化積層板を製造するのに有用であることを見出だし
た。加えて、この場合、二次サイジング剤としてポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテルを用いた極薄処理
ガラス繊維織物から、ソリ・ネジレ特性、ピーリング強
度、半田耐熱性および電気絶縁性に優れたガラス繊維強
化積層板を製造できることを見出だした。本発明は、か
かる知見により達成されたものである。
【0006】本発明は、1.5〜50texのヤーンに
水溶性エポキシ樹脂が付着されてなり;原反が、そのヤ
ーンから製織されたガラス繊維織物であり;かつ、その
原反を水流加工処理してなる単重6〜30g/m2 の極
薄処理ガラス繊維織物である。また、本発明は、好まし
くは、2〜15texのヤーンに一次サイジング剤とし
て水溶性エポキシ樹脂が付着されてなり;原反が、その
ヤーンから二次サイジング剤としてポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテルを用いて製織されたガラス繊維
織物であり;かつ、その原反を水流加工処理してなり、
かつ、全サイジング剤の含有量が0.15%以下の、単
重6〜30g/m2 の極薄処理ガラス繊維織物に関す
る。さらにまた、本発明は、それらの極薄処理ガラス繊
維織物2.5〜5重量部に対し合成樹脂7.5〜5重量
部を含浸させてなる極薄プリプレグに関する。加えて、
極薄プリプレグを少なくとも1つ用いて、複数のプリプ
レグを、積層し加熱下に加圧して製造することを特徴と
するガラス繊維強化積層板の製造方法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の単重6〜30g/m2
極薄処理ガラス繊維織物は、通常、皮膜形成成分として
水溶性エポキシ樹脂を含有する一次サイジング剤を用い
てフィラメント径3〜10μmのガラスフィラメントを
処理することにより1.5〜50texのヤーンを得、
次いで、二次サイジング剤を用いてそのヤーンを処理
し、次いで、その処理したヤーンを経糸および/または
緯糸とし経糸および緯糸のそれぞれの織密度が23〜8
0本/25mmになるように製織して原反を得、次い
で、その原反を全サイジング剤の付着率が0.2%以下
になるまで水流加工処理し、次いで、その水流加工処理
した原反を表面処理剤溶液で処理して製造することがで
きる。
【0008】さらにまた、本発明の単重6〜30g/m
2 の極薄処理ガラス繊維織物は、電気絶縁性および半田
耐熱性をさらに良くするためには;皮膜形成成分として
水溶性エポキシ樹脂を含有する一次サイジング剤を用い
てフィラメント径3〜7μmのガラスフィラメントを処
理することにより2〜15texのヤーンを得、次い
で、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルを含有
する二次サイジング剤を用いてそのヤーンを処理し、次
いで、その処理したヤーンを経糸および/または緯糸と
し経糸および緯糸のそれぞれの織密度が23〜80本/
25mmになるように製織して原反を得、次いで、その
原反を、水溶性エポキシ樹脂とポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテルとの合計付着率が0.15%以下に
なるまで水流加工処理し、次いで、その水流加工処理し
た原反を表面処理剤溶液で処理して得ることが好まし
い。
【0009】そのような方法で製造すると、本発明の極
薄処理ガラス繊維織物は、通常、2〜15texのヤー
ンが、フィラメント径3〜7μmのフィラメントを構成
成分として水溶性エポキシ樹脂を含有する一次サイジン
グ剤により集束本数40〜300本で集束されたもので
あり;そのヤーンから、ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテルを含有する二次サイジング剤により、経糸
および緯糸ともに織密度23〜80本/25mmになる
ように製織されており、かつ、その水溶性エポキシ樹脂
とポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルとの合計
付着率が0.15%以下である、単重6〜30g/m2
の極薄処理ガラス繊維織物となる。
【0010】本発明においては、極薄処理ガラス繊維織
物の単重が6g/m2 未満であると織物の強度が低くハ
ンドリングの低下、すなわち、表面処理工程またはプリ
プレグ製造工程で切断する可能性が高くなる。また、単
重が30g/m2 より大きい場合は、極薄処理ガラス繊
維織物となりにくい。加えて、加熱脱油を行っても、織
物強度を十分大きく保つことができるため、本発明の製
造方法を用いなくとも同等の織物強度の特性を持つガラ
ス繊維織物を得ることができる。本発明において、ヤー
ンが1.5texより細いと、ヤーンの強度が低いた
め、製織するとき、ヤーンの切断等の問題が発生する。
また、50texより太い場合は、織物の単重を30g
/m2 以下にするため、織密度を粗くしなければならな
い。加えて、その場合、経糸と緯糸の交点が少なくな
り、ハンドリング性の低下、および目ずれと呼ばれる織
物の外観が著しく低下する問題が発生する。極薄ガラス
繊維織物を作るためのヤーンは、強度と織密度のバラン
スから2〜15texのヤーンが好ましい。
【0011】本発明において、1.5〜50texのヤ
ーンは、皮膜形成成分として水溶性エポキシ樹脂を含有
する一次サイジング剤を用いてフィラメント径3〜7μ
mのガラスフィラメントを処理することにより製造でき
る。一次サイジング剤を用いてガラスフィラメントを処
理するときは、中間体に得られるストランドに撚をかけ
て行う。通常、フィラメント径3〜7μmのガラスフィ
ラメントを、水溶性エポキシ樹脂を含む一次サイジング
剤で集束本数40〜200本の条件にて紡糸し;次い
で、得られるストランドを加撚して製造することができ
る。2〜15texのヤーンは、通常、フィラメント径
3〜7μmのガラスフィラメントを、水溶性エポキシ樹
脂を含む一次サイズ剤で集束本数40〜200本の条件
にて紡糸し;次いで、得られるストランドを加撚して製
造することができる。
【0012】水溶性エポキシ樹脂の濃度は一次サイジン
グ剤液に対して1〜2.5重量%とすることが望まし
い。1%より低いと集束力が充分でなく、ガラス繊維に
糊付けした場合、毛羽が発生しやすい。また、2.5%
より高いと一次サイズの脱落の発生、および製織時の飛
走性が低下し、織物の生産性が低下する。
【0013】水溶性エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂を水
溶化することにより、製造することができる。エポキシ
樹脂を水溶化する手段としては、ジエタノールアミン等
のアミンと反応させてエポキシ樹脂にアミンを付加させ
る方法、エチレングリコール、グリセリン、またはポリ
エチレングリコールとエポキシ樹脂とを反応させる方法
等を例示することが出来る。エポキシ樹脂とジエタノー
ルアミンとを反応させて水溶化する場合、エポキシ樹脂
1モルに対してジエタノールアミン0.5〜2モルを反
応させることが望ましい。
【0014】エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA
型、ノボラック型、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエ
ステル型、臭素化エポキシ樹脂等を例示することができ
るが、いずれのエポキシ樹脂でもかまわない。
【0015】一次サイジング剤液には上記必須成分の他
に酸成分、潤滑成分、帯電防止剤等の成分を好適に添加
することができ、本発明の一次サイジング剤の効果を阻
害しなければ、通常、いかなる他の成分をも添加するこ
とができる。酸成分は一次サイジング剤液調合時の溶解
性向上、および安定性向上のため、添加できる。この場
合、一次サイジング剤液に対し酸成分を0.1〜1.0
%添加することが好ましい。酸成分は、例えば、ギ酸ま
たは酢酸を用いることが好ましい。また、潤滑成分、帯
電防止剤の場合、それらを一次サイジング液に対し、
0.1〜1重量%程度添加することが好ましい。潤滑成
分としては、ブチルステアレートが好ましい。
【0016】一次サイジング剤液は、有効成分1〜4重
量%の範囲で水系の調合液として使用されることが好ま
しく、ガラス繊維に対する付着率としては、0.1〜1
重量%が好ましく、0.15〜0.30重量%が特に好
ましい。
【0017】本発明においては、原反は、二次サイジン
グ剤を用いてそのヤーンを処理し、次いで、その処理し
たヤーンを経糸および/または緯糸とし経糸および緯糸
のそれぞれの織密度が23〜80本/25mmになるよ
うにして製織して得ることができる。二次サイジング剤
を用いてそのヤーンを処理するときは、通常、経糸のみ
に二次サイジング剤を付着させる。緯糸としては、通
常、二次サイジング剤処理前のヤーンを用いる。二次サ
イジング剤の原反に対する付着率は、通常、0.3〜
1.0%である。
【0018】経糸または緯糸の織密度は23本/25m
mを越えないと、経糸と緯糸の交点が少なくなり、ハン
ドリングの低下、および目ずれと呼ばれる織物の外観が
著しく低下する問題が発生する。また、80本/25m
mを越えると、製織の際、ヤーンの間隔が狭くなり、織
機のオサとの摩擦が強くなり経糸が切断する可能性があ
る。
【0019】本発明に使用する二次サイジング剤として
は、水流加工処理により適度に除去されるものを用いる
と良い。本発明に使用する二次サイジング剤は、例え
ば、水溶性エポキシ樹脂を含有するもの、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテルを含有するもの等を例示
することができる。そのうち、二次サイジング剤にはポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテルを含有するこ
とが好ましい。用いるポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテルは、固形タイプで水溶性のものが好ましい。
そのようなものとして、花王(株)のエマルゲン98
5,エマルゲン950,エマルゲン935,エマルゲン
931、旭電化のプルロニックF88,プルロニックF
108等を例示することができる。
【0020】本発明において、二次サイジング剤として
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルを用いる場
合、得られる極薄処理ガラス繊維織物からガラス繊維強
化積層板を製造すると、そのガラス繊維強化積層板は半
田耐熱性および電気絶縁性が極めて良好となるからであ
る。これは、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ルは、界面活性剤の性質があるので、水流加工処理によ
り、それが除去しやすく、そのため、前記のような好ま
しい特徴を有するガラス繊維強化積層板を製造すること
ができると考えられる。
【0021】本発明の単重6〜30g/m2 の極薄処理
ガラス繊維織物は、その原反を全サイジング剤の付着率
が0.2%以下になるまで水流加工処理し、次いで、そ
の水流加工処理した原反を表面処理剤溶液で処理して得
ることができる。その原反を水流加工処理するときの温
度は、5〜60℃で行なうことができるが、操作上、室
温が好ましい。また、この水流加工処理により、原反の
ガラス繊維の開繊処理、および脱油処理が同時に行え
る。
【0022】原反を水流加工処理する方法としては、バ
イブロウォッシャーまたはウォータージェットを用いる
方法を例示できる。バイブロウォッシャーとは、水槽中
にあるドラムが高速回転することにより水流を作りだ
し、その水流中をガラス繊維織物が通過することにより
開繊加工を行う装置である。また、ウォータージェット
とは、コンプレッサーにより加圧された水をノズルを通
してガラス繊維織物に当てることにより、開繊加工を行
う装置である。
【0023】原反を水流加工処理するときは、全サイジ
ング剤の付着率が0.2%以下となるまで行う。二次サ
イジング剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテルを含ませると、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテルは界面活性剤としての性質を有するため、水
流加工処理するとき、洗浄率が向上するので好ましく、
全サイジング剤の付着率が0.15%以下とすることが
できる。
【0024】本発明の極薄処理ガラス繊維織物は、水流
加工の後、表面処理剤溶液で処理を行ったものが好まし
い。表面処理剤溶液としては、シランカップリング剤を
含むものが好ましい。ガラス繊維と合成樹脂との接着を
向上させるためである。このようなシランカップリング
剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドオキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−メタアクロキシプロピルトリメトキシ
シラン、ビニルトリス−β−メトキシエトキシシラン、
N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニ
ルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン塩酸塩、γ−クロロプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2
−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ンから選ばれる1種または2種以上を使用することがで
きる。極薄処理ガラス繊維織物に対するシランカップリ
ング剤の付着率は、通常、0.2%以下が好ましい。ま
た、極薄処理ガラス繊維織物に対する全サイジング剤付
着率は、0.2%以下が好ましい。
【0025】本発明の極薄処理ガラス繊維織物2.5〜
5重量部に対し、合成樹脂7.5〜5重量部を含浸させ
ることにより極薄プリプレグを製造することができる。
含浸させるときは、乾燥機で加熱し半硬化させることに
より実施することができる。
【0026】極薄プリプレグを製造するための合成樹脂
としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フ
ェノール樹脂等を例示できる。その極薄プリプレグから
ファインパターンまたは高多層のプリント基板を製造す
る場合、極薄プリプレグを製造するための合成樹脂とし
ては、エポキシ樹脂を使用することが好ましい。エポキ
シ樹脂としてプリント基板用G−10、FR−4等と呼
ばれるワニスも使用することができる。これらのプリン
ト基板は、高い耐熱性、寸法安定性および機械的強度が
求められるからである。
【0027】その極薄プリプレグを少なくとも1つ用い
て、複数のプリプレグを、積層し加熱下に加圧して製造
することにより、良好な特性を有するガラス繊維強化積
層板を製造することができる。
【0028】その極薄プリプレグからガラス繊維強化積
層板を製造するときは、例えば、少なくとも1つの極薄
プリプレグを含む複数のプリプレグを積層し、積層した
プリプレグを、熱板を持つプレス機で加熱・加圧を行い
脱泡させ、その後、硬化させて製造することができる。
脱泡させるための加熱は、通常、樹脂が架橋硬化する温
度以上の条件で行なうが、加熱温度は、130〜180
℃が好ましい。脱泡させるための加圧は5〜40kg/
cm2 が、実用上好ましい。また、積層または単独の極
薄プリプレグの上下に、銅箔をさらに積層し、得られる
積層プリプレグを、加熱下に、加圧することにより良好
な特性を有する銅張積層板を製造することができる。
【0029】また、極薄プリプレグから多層配線板も製
造することができる。その多層配線板を製造するために
用いる内層材用銅張積層板としては、単重が大きいガラ
ス繊維織物、例えば、単重が30〜100g/m2 のガ
ラス繊維織物に、合成樹脂を含浸させてプリプレグを
得、そのプリプレグの上下に銅箔を重ねてプレスするこ
とにより、内層材用銅張積層板を製造することができ
る。その単重が大きいガラス繊維織物としては、一次サ
イジンング剤として、澱粉系サイジング剤または水溶性
エポキシ樹脂を用いて製造したガラス繊維織物を用いる
ことができる。極薄プリプレグから多層配線板を製造す
るときは、まず、内層材用銅張積層板を成形して内層回
路を形成し、内層銅張表面処理を行なう。ついで、その
表面処理した内層材用銅張積層板を中央の層とし、その
層の上下の両方に本発明の極薄プリプレグ、ついで、銅
箔の順に積層し、さらに、二次プレスして、多層積層板
を成形する。この積層板に外形加工、及びスルーホール
穴開けを行ない、メッキ、レジスト工程を経て外層回路
形成を行なうことができる。その後、ソルダーレジス
ト、フラックス処理を行ない多層配線板とすることがで
きる。
【0030】この多層配線板は、複数の極薄プリプレグ
層と上下層の銅箔とを加熱・加圧して製造した両面銅張
積層板とソリ・ネジレ及びピーリング強度において、同
様な良好な特性を有する。また、この多層配線板は、陽
極と陰極スルーホール間で発生するCAFに対しても良
好な特性を有する。
【0031】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳細に説
明する。
【0032】実施例1 一次サイジング剤としては、次のものを用いた。まず、
水溶性エポキシ樹脂は、エピコート828(成分:ビス
フェノールAジグリシジルエーテル100%,油化シェ
ル化学製)1モルに2,2’’−イミノジエタノール
(和光純薬工業製)1モルを40℃にて付加して合成し
た。この合成品2.0重量%、潤滑成分としてブチルス
テアレート(松本油脂製,商品名E−4B)0.5重量
%および氷酢酸(純分99%)0.3重量%を添加し、
水を加えて100重量%として、一次サイジング剤とし
た。
【0033】二次サイジング剤としては、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル(エマルゲン985,花
王(株)製,有効成分100%)1.5重量部を水に溶
かして100重量部にしたものを用いた。
【0034】ガラス繊維の紡糸は、一次サイジング剤を
ガラスフィラメントに付着させて行った。即ち電気炉で
溶融したガラス(Eガラス)をプラチナノズルから引き
出し、タッチローラー方式により水溶性エポキシ樹脂系
一次サイジング剤をガラスフィラメントに付着させ、ス
トランド(フィラメント経5μm、集束本数100本)
を製造した。一次サイジング剤付着率は0.25%であ
った。
【0035】そのストランドを通常の方法で加撚して
5.6texのヤーン(ECD9001/0 1Z)を
製造した。そのヤーンから、二次サイジング剤としてポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテルを用い経糸を
処理し、経糸56本/25mm、緯糸56本/25mm
の糸密度の原反のガラス繊維織物を得た。二次サイジン
グ剤の付着率は0.45%(経糸付着率0.7%)であ
った。
【0036】この原反を酢酸濃度0.5%の溶液中でバ
イブロウォッシャーにより水流加工処理を行なった。続
いて、シランカップリング剤としてのアミノプロピルメ
トキシシラン(商品名:SZ6032、東レ・ダウコー
ニング・シリコーン社製)1重量%を酢酸濃度0.1%
の溶液中に溶解した処理液に原反を浸漬し、その後乾燥
した。以上の様にして単重25g/m2 の極薄処理ガラ
ス繊維織物(水溶性エポキシ樹脂とポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテルとの合計付着率0.08%,シ
ランカップリング剤付着率0.12%)を得た。
【0037】実施例2 実施例1において、緯糸をD1800(フィラメント径
5μm、集束本数50本)に置き換えた以外は、実施例
1と同様にして操作した。一次サイジング剤付着率0.
3%で、かつ、2.8texのヤーンから、織密度が経
糸56本/25mm及び緯糸56本/25mm、かつ、
二次サイジング剤付着率0.4%の原反を得た。その原
反を水流加工処理し、ついで、表面処理剤溶液で処理
し、水溶性エポキシ樹脂とポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテルとの合計付着率0.08%、シランカッ
プリング剤の付着率0.12%、かつ、単重19g/m
2 の極薄処理ガラス繊維織物を得た。
【0038】実施例3 実施例1において、二次サイジング剤として、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテルの代わりに、実施例
1の一次サイジング剤(水溶性エポキシ樹脂)を用いた
以外は実施例1と同様に処理した。一次サイジング剤付
着率0.25%で、かつ、5.6texのヤーンから、
織密度が経糸56本/25mm及び緯糸56本/25m
m、かつ、二次サイジング剤付着率0.4%の原反を得
た。その原反を水流加工処理し、ついで、表面処理剤溶
液で処理し、水溶性エポキシ樹脂の付着率0.1%、シ
ランカップリング剤の付着率0.1%、かつ、単重25
g/m2 の極薄処理ガラス繊維織物を得た。
【0039】比較例1 デンプン系一次サイジング剤およびデンプン系二次サイ
ジング剤を用いて紡糸されたガラス繊維により製織し加
熱脱油して、単重25g/m2 の極薄処理ガラス繊維織
物(WEA106;日東紡績(株)製)を製造した。
【0040】比較例2 比較例1において、緯糸をD1800に置き換えた以外
は比較例1と同様に処理し、単重19g/m2 の極薄処
理ガラス繊維織物(WEA104;日東紡績製)を製造
した。
【0041】実施例4,5および比較例3,4 実施例1,2および比較例1,2から選ばれる処理織物
に、合成樹脂としてエポキシ樹脂ワニス(FR−4組
成)を樹脂重量60%となるように充填して160℃で
乾燥しプリプレグを得、得られたプリプレグ8枚を重ね
合わせ、その上下に18μmの銅箔を重ね、温度175
℃、かつ、圧力30Kg/cm2 で90分間保持し、そ
れぞれ、実施例4,5および比較例3,4の銅張積層板
を得た。その銅張積層板の厚さは、実施例4及び比較例
3の場合、0.32mm、実施例5及び比較例4の場
合、0.24mmであった。
【0042】実施例6,7および比較例5 実施例1,3および比較例1から選ばれる極薄処理ガラ
ス繊維織物に、合成樹脂としてエポキシ樹脂ワニス(F
R−4組成)を樹脂重量60%となるように充填して1
60℃で乾燥しプリプレグを得、得られたプリプレグ1
6枚を重ね合わせ、その上下に18μmの銅箔を重ね、
温度175℃、かつ、圧力30Kg/cm2 で90分間
保持し、それぞれ、実施例6,7および比較例5の厚さ
0.64mmの銅張積層板を得た。
【0043】参考例1 積層板の電気特性の測定 実施例4,5,比較例3,4から選ばれる積層板を煮沸
水中に浸漬して、2時間後および4時間後の、積層板の
絶縁抵抗値を測定した。評価方法はJISC6481
5.11絶縁抵抗値を用いた。その結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】参考例2 実施例6,7および比較例5から選ばれる積層板を煮沸
水中に浸漬して、4時間後、8時間後、16時間後、2
4時間後の、積層板の絶縁抵抗値を測定した。評価方法
はJISC6481 5.11絶縁抵抗値を用いた。そ
の結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】参考例3 積層板のソリ、ネジレ特性 実施例4および比較例3から選ばれる積層板のソリ、ネ
ジレ特性を、JISC 6481 5.5の方法により
測定した。また、それらの積層板の接着強度を、JIS
C 6481 5.7記載のピーリング強度を指標と
して測定した。それらの結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】参考例4 実施例6,7および比較例5から選ばれる積層板を、J
ISC6481 5.5の方法により、PC条件133
℃、半田温度260℃で半田耐熱性を測定した。その結
果を表4に示す。
【0050】
【表4】
【0051】
【発明の効果】本発明の極薄処理ガラス繊維織物を用い
て前記した方法により積層板を製造すると、その積層板
は、以下の効果を有する。 1)ソリ・ネジレが極めて小さい。 2)ピーリング強度に優れている。
【0052】加えて、二次サイジング剤としてポリエチ
レンオキシドを用いると、 1)電気絶縁性が極めて良好である。 2)半田耐熱性が極めて良好である。 従って、軽薄短小の電子機器を製造するために、本発明
の極薄処理ガラス繊維織物は、極めて適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 1/03 610 7511−4E H05K 1/03 610T

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1.5〜50texのヤーンに水溶性エ
    ポキシ樹脂が付着されてなり;原反が、そのヤーンから
    製織されたガラス繊維織物であり;かつ、その原反を水
    流加工処理してなる単重6〜30g/m2 の極薄処理ガ
    ラス繊維織物。
  2. 【請求項2】 2〜15texのヤーンに一次サイジン
    グ剤として水溶性エポキシ樹脂が付着されてなり;原反
    が、そのヤーンから二次サイジング剤としてポリオキシ
    エチレンノニルフェニルエーテルを用いて製織されたガ
    ラス繊維織物であり;かつ、その原反を水流加工処理し
    てなり、かつ、全サイジング剤の含有量が0.15%以
    下の、単重6〜30g/m2 の極薄処理ガラス繊維織
    物。
  3. 【請求項3】 皮膜形成成分として水溶性エポキシ樹脂
    を含有する一次サイジング剤を用いてフィラメント径3
    〜10μmのガラスフィラメントを処理することにより
    1.5〜50texのヤーンを得、次いで、二次サイジ
    ング剤を用いてそのヤーンを処理し、次いで、その処理
    したヤーンを経糸および/または緯糸とし経糸および緯
    糸のそれぞれの織密度が23〜80本/25mmになる
    ように製織して原反を得、次いで、その原反を全サイジ
    ング剤の付着率が0.2%以下になるまで水流加工処理
    し、次いで、その水流加工処理した原反を表面処理剤溶
    液で処理して得ることを特徴とする単重6〜30g/m
    2 の極薄処理ガラス繊維織物の製造方法。
  4. 【請求項4】 皮膜形成成分として水溶性エポキシ樹脂
    を含有する一次サイジング剤を用いてフィラメント径3
    〜7μmのガラスフィラメントを処理することにより2
    〜15texのヤーンを得、次いで、ポリオキシエチレ
    ンノニルフェニルエーテルを含有する二次サイジング剤
    を用いてそのヤーンを処理し、次いで、その処理したヤ
    ーンを経糸および/または緯糸とし経糸および緯糸のそ
    れぞれの織密度が23〜80本/25mmになるように
    製織して原反を得、次いで、その原反を、水溶性エポキ
    シ樹脂とポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルと
    の合計付着率が0.15%以下になるまで水流加工処理
    し、次いで、その水流加工処理した原反を表面処理剤溶
    液で処理して得ることを特徴とする単重6〜30g/m
    2 の極薄処理ガラス繊維織物の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2記載のいずれか
    の極薄処理ガラス繊維織物2.5〜5重量部に対し、合
    成樹脂7.5〜5重量部を含浸させてなる極薄プリプレ
    グ。
  6. 【請求項6】 請求項3または請求項4記載のいずれか
    の方法により製造された極薄処理ガラス繊維織物2.5
    〜5重量部に対し、合成樹脂7.5〜5重量部を含浸さ
    せて製造することを特徴とする極薄プリプレグの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の方法により製造した極薄
    プリプレグを少なくとも1つ用いて、複数のプリプレグ
    を、積層し加熱下に加圧して製造することを特徴とする
    ガラス繊維強化積層板の製造方法。
  8. 【請求項8】 2〜15texのヤーンが、フィラメン
    ト径3〜7μmのフィラメントを構成成分として水溶性
    エポキシ樹脂を含有する一次サイジング剤により集束本
    数40〜200本で集束されたものであり;そのヤーン
    から、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルを含
    有する二次サイジング剤により、経糸および緯糸ともに
    織密度23〜80本/25mmになるように製織されて
    おり、かつ、その水溶性エポキシ樹脂とポリオキシエチ
    レンノニルフェニルエーテルとの合計付着率が0.15
    %以下である、単重6〜30g/m2 の極薄処理ガラス
    繊維織物。
JP8159251A 1995-06-23 1996-05-31 極薄処理ガラス繊維織物とその織物の製造方法 Pending JPH0967757A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109694256A (zh) * 2019-01-23 2019-04-30 中山大学 用纤维辅助成形制造超薄玻璃、超薄陶瓷的方法及其制成品和应用

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