JPH0963820A - 永久磁石粉末 - Google Patents
永久磁石粉末Info
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- JPH0963820A JPH0963820A JP7215593A JP21559395A JPH0963820A JP H0963820 A JPH0963820 A JP H0963820A JP 7215593 A JP7215593 A JP 7215593A JP 21559395 A JP21559395 A JP 21559395A JP H0963820 A JPH0963820 A JP H0963820A
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
- H01F1/032—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials
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- H01F1/055—Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 最大磁気エネルギー積が向上された高性能の
永久磁石粉末を提供しようとするものである。 【解決手段】 一般式Rx Ny M100-x-y …(I)
(ただし、RはYを含む希土類元素、Sc、Hfおよび
Zrから選ばれる少なくとも1種の元素、MはFeまた
は原子比で50%以上がFeであるFeおよびCoから
なり、x、yはそれぞれ2≦x≦20、1≦y≦15を
示す)にて表され、かつα−Fe相を50体積%以上含
み、厚さが1nm〜1μmであるα−Fe層が表面に形
成されていることを特徴とする。
永久磁石粉末を提供しようとするものである。 【解決手段】 一般式Rx Ny M100-x-y …(I)
(ただし、RはYを含む希土類元素、Sc、Hfおよび
Zrから選ばれる少なくとも1種の元素、MはFeまた
は原子比で50%以上がFeであるFeおよびCoから
なり、x、yはそれぞれ2≦x≦20、1≦y≦15を
示す)にて表され、かつα−Fe相を50体積%以上含
み、厚さが1nm〜1μmであるα−Fe層が表面に形
成されていることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久磁石粉末に関
する。
する。
【0002】
【従来の技術】従来、高性能希土類永久磁石としては、
Sm−Co系磁石やNd−Fe−B系磁石などが知られ
ている。これらの磁石は、現在、量産化が進めら、非常
に多くの分野で使用されている。前記各磁石は、Feま
たはCoが多量に含まれ、飽和磁束密度(Bs )の増大
に寄与している。また、前記各磁石はSm、Ndなどの
希土類元素が含まれているため、前記希土類元素により
結晶場中における4f電子の挙動に由来する非常に大き
な磁気異方性をもたらす。その結果、保磁力(iHc )
の増大が図られ、高性能な磁石が実現されている。この
ような前記高性能磁石は、主としてスピーカ、モータ、
計測器などの電気機器に使用されている。
Sm−Co系磁石やNd−Fe−B系磁石などが知られ
ている。これらの磁石は、現在、量産化が進めら、非常
に多くの分野で使用されている。前記各磁石は、Feま
たはCoが多量に含まれ、飽和磁束密度(Bs )の増大
に寄与している。また、前記各磁石はSm、Ndなどの
希土類元素が含まれているため、前記希土類元素により
結晶場中における4f電子の挙動に由来する非常に大き
な磁気異方性をもたらす。その結果、保磁力(iHc )
の増大が図られ、高性能な磁石が実現されている。この
ような前記高性能磁石は、主としてスピーカ、モータ、
計測器などの電気機器に使用されている。
【0003】近年、各種電気機器の小形化の要求が高ま
り、それに応えるために前記永久磁石の最大磁気エネル
ギー積[(BH)max ]を向上し、より高性能の永久磁
石が求められている。
り、それに応えるために前記永久磁石の最大磁気エネル
ギー積[(BH)max ]を向上し、より高性能の永久磁
石が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、最大磁気エ
ネルギー積の向上された高性能の永久磁石粉末を提供し
ようとするものである。
ネルギー積の向上された高性能の永久磁石粉末を提供し
ようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる永久磁石
粉末は、一般式 Rx Ny M100-x-y …(I) (ただし、RはYを含む希土類元素、Sc、Hfおよび
Zrから選ばれる少なくとも1種の元素、MはFeまた
は原子比で50%以上がFeであるFeおよびCoから
なり、x、yはそれぞれ2≦x≦20、1≦y≦15を
示す)にて表され、かつα−Fe相を50体積%以上含
み、厚さが1nm〜1μmであるα−Fe層が表面に形
成されていることを特徴とするものである。
粉末は、一般式 Rx Ny M100-x-y …(I) (ただし、RはYを含む希土類元素、Sc、Hfおよび
Zrから選ばれる少なくとも1種の元素、MはFeまた
は原子比で50%以上がFeであるFeおよびCoから
なり、x、yはそれぞれ2≦x≦20、1≦y≦15を
示す)にて表され、かつα−Fe相を50体積%以上含
み、厚さが1nm〜1μmであるα−Fe層が表面に形
成されていることを特徴とするものである。
【0006】以下、前記一般式(I)の磁性材料を構成
する各成分の働きおよび各成分の配合量を規定した理由
ついて詳細に説明する。なお、以下の説明で挙げられる
主相とは化合物中の各結晶相および非晶質相のうちで最
大の体積占有率を有する相を意味するものである。
する各成分の働きおよび各成分の配合量を規定した理由
ついて詳細に説明する。なお、以下の説明で挙げられる
主相とは化合物中の各結晶相および非晶質相のうちで最
大の体積占有率を有する相を意味するものである。
【0007】(1)R元素 R元素である希土類元素としては、La、Ce、Pr、
Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、Yb、Lu、Yが挙げられ、これらは1種または2
種以上の混合物の形態で用いることができる。このよう
なR元素は、前記永久磁石に大きな磁気異方性をもたら
し、高い保磁力を付与する。
Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、Yb、Lu、Yが挙げられ、これらは1種または2
種以上の混合物の形態で用いることができる。このよう
なR元素は、前記永久磁石に大きな磁気異方性をもたら
し、高い保磁力を付与する。
【0008】前記R元素を2原子%未満にすると、保磁
力の低下により磁気特性が劣化する。一方、前記R元素
が20原子%を超えると、後述するFeを初めとするM
元素が相対的に低下して飽和磁束密度が低下する。より
好ましいR元素の量は、4〜12原子%の範囲である。
特に、前記R元素中にSm、Nd、Prが総量で50%
以上占めることが望ましい。また、R元素の一部をS
c、HfおよびZrのうちの少なくとも1種以上の元素
で置換することを許容する。Scのような元素は、Rサ
イトに占有し、希土類サイトの平均原子半径を小さくす
る効果を持ち、単位体積当たりの主相中のM原子の濃度
を高める働きを有する。しかも、前記Scのような元素
は、例えばTbCu7 型結晶構造を有する相、つまり主
相の生成を促進する働きを有する。
力の低下により磁気特性が劣化する。一方、前記R元素
が20原子%を超えると、後述するFeを初めとするM
元素が相対的に低下して飽和磁束密度が低下する。より
好ましいR元素の量は、4〜12原子%の範囲である。
特に、前記R元素中にSm、Nd、Prが総量で50%
以上占めることが望ましい。また、R元素の一部をS
c、HfおよびZrのうちの少なくとも1種以上の元素
で置換することを許容する。Scのような元素は、Rサ
イトに占有し、希土類サイトの平均原子半径を小さくす
る効果を持ち、単位体積当たりの主相中のM原子の濃度
を高める働きを有する。しかも、前記Scのような元素
は、例えばTbCu7 型結晶構造を有する相、つまり主
相の生成を促進する働きを有する。
【0009】RをR1x R2y (R1はYおよび希土類
元素から選ばれる少なくとも1種、R2はSc、Hfお
よびZrから選ばれる少なくとも1種)にて表した時、
x、yは原子比で4≦x+y≦20であり、好ましくは
4≦x+y≦16、4≦x≦16、0.1≦y≦10
(yは1≦y≦3が更に好ましい)である。
元素から選ばれる少なくとも1種、R2はSc、Hfお
よびZrから選ばれる少なくとも1種)にて表した時、
x、yは原子比で4≦x+y≦20であり、好ましくは
4≦x+y≦16、4≦x≦16、0.1≦y≦10
(yは1≦y≦3が更に好ましい)である。
【0010】(2)N元素 N元素は、主として結晶内のインタースティシャル位置
に存在し、磁気異方性の向上に寄与する。N原子の量を
2原子%未満にすると、十分な保磁力を持つ永久磁石も
しくは最大磁気エネルギー積[(BH)max ]の大きな
永久磁石が得られなくなる。一方、N元素の量が15原
子%を越えると、窒素過剰となって分解を起こし易くな
る。より好ましいN元素の量は、5〜15原子%であ
る。なお、N元素の一部をC、Pで置換することを許容
する。このようなC、Pによる置換量が多いと磁気異方
性の低下を招くことから、前記置換量を80%以下にす
ることが好ましい。
に存在し、磁気異方性の向上に寄与する。N原子の量を
2原子%未満にすると、十分な保磁力を持つ永久磁石も
しくは最大磁気エネルギー積[(BH)max ]の大きな
永久磁石が得られなくなる。一方、N元素の量が15原
子%を越えると、窒素過剰となって分解を起こし易くな
る。より好ましいN元素の量は、5〜15原子%であ
る。なお、N元素の一部をC、Pで置換することを許容
する。このようなC、Pによる置換量が多いと磁気異方
性の低下を招くことから、前記置換量を80%以下にす
ることが好ましい。
【0011】(3)M元素 M元素であるFeは、永久磁石の飽和磁束密度を増大さ
せる働きを有する。また、Feの一部をCoで置換する
と、主相中のFeおよびCo濃度を増大させ、飽和磁束
密度をより増大させることが可能になる。その上、Co
は主相の熱的安定性を向上させる働きを有する。ただ
し、CoでFeを過剰に置換すると、かえって飽和磁束
密度の低下を招く。このため、Feに対するCoの置換
量は50原子%未満にすることが好ましい。
せる働きを有する。また、Feの一部をCoで置換する
と、主相中のFeおよびCo濃度を増大させ、飽和磁束
密度をより増大させることが可能になる。その上、Co
は主相の熱的安定性を向上させる働きを有する。ただ
し、CoでFeを過剰に置換すると、かえって飽和磁束
密度の低下を招く。このため、Feに対するCoの置換
量は50原子%未満にすることが好ましい。
【0012】前記M元素の一部をT元素(TはSi、T
i、Cr、V、Mo、W、Mn、Ni、Ga、Al、N
b、Taの群から選ばれる1種以上の元素)で置換する
ことを許容する。前記M元素に対して前記T元素を20
%を越える量で置換すると、磁化の低下を招くことか
ら、その置換量を20%以下にすることが好ましい。
i、Cr、V、Mo、W、Mn、Ni、Ga、Al、N
b、Taの群から選ばれる1種以上の元素)で置換する
ことを許容する。前記M元素に対して前記T元素を20
%を越える量で置換すると、磁化の低下を招くことか
ら、その置換量を20%以下にすることが好ましい。
【0013】また、R2 Fe14B相を生成しない程度に
B(ボロン)を添加することが可能である。前記Bの添
加量は、例えば10原子%以下程度である。前記一般式
(I)の永久磁石中には、酸化物等の不可避的不純物を
含有することを許容する。
B(ボロン)を添加することが可能である。前記Bの添
加量は、例えば10原子%以下程度である。前記一般式
(I)の永久磁石中には、酸化物等の不可避的不純物を
含有することを許容する。
【0014】本発明に係わる永久磁石粉末は、軟磁性相
中のα−Fe相または(Fe,Co)相と主相とが交換
結合されている。この永久磁石は、リコイル透磁率が大
きく、逆磁場に対して不可逆的減磁率が小さい。特に、
等方性磁石の場合には飽和磁束密度(4πMs)に対す
る残留磁束密度(4πMr)の比率(4πMr/4πM
s)が0.5を越えるという特徴を有する。ただし、通
常の等方性磁石は4πMr/4πMs=0.5である。
このため、逆磁場下での永久減磁の心配がなく、かつ残
留磁束密度が大きく、高い最大磁気エネルギー積[(B
H)max ]を有する永久磁石を得ることが可能になる。
このような特性の永久磁石粉末は、表面にα−Fe相を
50体積%以上含み、厚さが1nm〜1μmであるα−
Fe層で覆われていることにより得られる。ここで、α
−Fe層とは、α−Fe相、α−Fe相を50体積%以
上含むα−(Fe,Co)相(Coの一部がTi、V、
Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Nb、Mo、R
u、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Al、Si
の群から選ばれる1種以上の元素で置換されることを許
容する)からなるものである。前記α−Fe層の厚さを
1nm未満にすると、残留飽和密度を増大させることが
できなくなる。一方、前記α−Fe層の厚さが1μmを
越えると主相との交換結合状態が弱くなり、かえって残
留磁束密度の低下を招く。より好ましい前記α−Fe層
の厚さは、20〜250nmである。
中のα−Fe相または(Fe,Co)相と主相とが交換
結合されている。この永久磁石は、リコイル透磁率が大
きく、逆磁場に対して不可逆的減磁率が小さい。特に、
等方性磁石の場合には飽和磁束密度(4πMs)に対す
る残留磁束密度(4πMr)の比率(4πMr/4πM
s)が0.5を越えるという特徴を有する。ただし、通
常の等方性磁石は4πMr/4πMs=0.5である。
このため、逆磁場下での永久減磁の心配がなく、かつ残
留磁束密度が大きく、高い最大磁気エネルギー積[(B
H)max ]を有する永久磁石を得ることが可能になる。
このような特性の永久磁石粉末は、表面にα−Fe相を
50体積%以上含み、厚さが1nm〜1μmであるα−
Fe層で覆われていることにより得られる。ここで、α
−Fe層とは、α−Fe相、α−Fe相を50体積%以
上含むα−(Fe,Co)相(Coの一部がTi、V、
Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Nb、Mo、R
u、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Al、Si
の群から選ばれる1種以上の元素で置換されることを許
容する)からなるものである。前記α−Fe層の厚さを
1nm未満にすると、残留飽和密度を増大させることが
できなくなる。一方、前記α−Fe層の厚さが1μmを
越えると主相との交換結合状態が弱くなり、かえって残
留磁束密度の低下を招く。より好ましい前記α−Fe層
の厚さは、20〜250nmである。
【0015】前記一般式(I)の永久磁石は、例えば次
のような方法により製造される。まず、所定量のR、
M、窒素以外のN元素の各元素および必要に応じて前記
M元素の一部を置換するT元素の粉末を混合し、アーク
溶解または高周波溶解により合金を調製する。つづい
て、前記合金を溶湯とし、高速で回転する単ロールまた
は双ロールに噴射することにより急冷する。この急冷工
程は溶湯が酸化により磁気特性の劣化を防止する観点か
ら、Ar、Heなどの不活性ガス雰囲気で行うことが好
ましい。ひきつづき、得られた急冷材を適当な粒径に粉
砕し、300〜1000℃、Ar、Heなどの不活性ガ
スまたは真空中で熱処理した後、窒素ガス等の雰囲気中
で熱処理(窒化処理)することにより、前述した表面に
α−Fe相を50体積%以上含み、厚さが1nm〜1μ
mであるα−Fe層で覆われた永久磁石粉末を製造す
る。
のような方法により製造される。まず、所定量のR、
M、窒素以外のN元素の各元素および必要に応じて前記
M元素の一部を置換するT元素の粉末を混合し、アーク
溶解または高周波溶解により合金を調製する。つづい
て、前記合金を溶湯とし、高速で回転する単ロールまた
は双ロールに噴射することにより急冷する。この急冷工
程は溶湯が酸化により磁気特性の劣化を防止する観点か
ら、Ar、Heなどの不活性ガス雰囲気で行うことが好
ましい。ひきつづき、得られた急冷材を適当な粒径に粉
砕し、300〜1000℃、Ar、Heなどの不活性ガ
スまたは真空中で熱処理した後、窒素ガス等の雰囲気中
で熱処理(窒化処理)することにより、前述した表面に
α−Fe相を50体積%以上含み、厚さが1nm〜1μ
mであるα−Fe層で覆われた永久磁石粉末を製造す
る。
【0016】前記窒化処理は、窒素ガスの代わりにアン
モニアを用いてもよい。また、前記窒化処理は当初、最
適窒化温度より2〜100℃高い温度で1〜120分間
処理し、その後通常の窒化処理を行ってもよい。
モニアを用いてもよい。また、前記窒化処理は当初、最
適窒化温度より2〜100℃高い温度で1〜120分間
処理し、その後通常の窒化処理を行ってもよい。
【0017】このような方法において、不活性ガスまた
は真空中で熱処理と窒化処理の温度および時間を調節す
るにより、前述したα−Fe層の生成および膜厚を制御
することができる。
は真空中で熱処理と窒化処理の温度および時間を調節す
るにより、前述したα−Fe層の生成および膜厚を制御
することができる。
【0018】このような方法により得られた永久磁石粉
末をエポキシ樹脂、ナイロン系などの樹脂と混合した
後、成形することによりボンド磁石を製造する。また、
得られた永久磁石粉末を焼結磁石を製造できる。さら
に、得られた永久磁石粉末をホットプレスまたは熱間静
水圧プレス(HIP)により高密度の永久磁石を製造す
ることができる。前記加圧時に磁場を印加して結晶方位
を揃えることにより高磁束密度を有する永久磁石を製造
することも可能である。
末をエポキシ樹脂、ナイロン系などの樹脂と混合した
後、成形することによりボンド磁石を製造する。また、
得られた永久磁石粉末を焼結磁石を製造できる。さら
に、得られた永久磁石粉末をホットプレスまたは熱間静
水圧プレス(HIP)により高密度の永久磁石を製造す
ることができる。前記加圧時に磁場を印加して結晶方位
を揃えることにより高磁束密度を有する永久磁石を製造
することも可能である。
【0019】以上説明した本発明によれば、一般式Rx
Ny M100-x-y にて表され、かつα−Fe相を50体積
%以上含み、厚さが1nm〜1μmであるα−Fe層を
表面に形成することによって、交換結合が有効に導入さ
れ、前記α−Fe層が存在しない場合に比べて最大磁気
エネルギー積[(BH)max ]が向上された大きな磁気
特性を有する永久磁石粉末を得ることができる。
Ny M100-x-y にて表され、かつα−Fe相を50体積
%以上含み、厚さが1nm〜1μmであるα−Fe層を
表面に形成することによって、交換結合が有効に導入さ
れ、前記α−Fe層が存在しない場合に比べて最大磁気
エネルギー積[(BH)max ]が向上された大きな磁気
特性を有する永久磁石粉末を得ることができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。 実施例1 まず、高純度のSm、Zr、Feの粉末を下記表1に示
す組成に調合し、Ar雰囲気中でアーク溶解し、インゴ
ットを調製した。つづいて、インゴットを溶融し、単ロ
ール法によりリボン状合金を作製した。さらに、リボン
状合金を700℃、20分間真空処理した後、粉砕して
合金粉末とした。この合金粉末の結晶構造をX線回折法
により測定した。その結果、TbCu7 型結晶構造が主
相であることを確認した。
す組成に調合し、Ar雰囲気中でアーク溶解し、インゴ
ットを調製した。つづいて、インゴットを溶融し、単ロ
ール法によりリボン状合金を作製した。さらに、リボン
状合金を700℃、20分間真空処理した後、粉砕して
合金粉末とした。この合金粉末の結晶構造をX線回折法
により測定した。その結果、TbCu7 型結晶構造が主
相であることを確認した。
【0021】次いで、前記合金粉末を480℃で20分
間窒化処理し、さらに460℃で12時間窒化処理を行
った。得られた合金粉末にエポキシ樹脂を2重量%添加
し、混合した後、8トン/cm2 の圧力で圧縮成形し、
150℃の温度で2.5時間キュア処理を行うことによ
りボンド磁石を製造した。
間窒化処理し、さらに460℃で12時間窒化処理を行
った。得られた合金粉末にエポキシ樹脂を2重量%添加
し、混合した後、8トン/cm2 の圧力で圧縮成形し、
150℃の温度で2.5時間キュア処理を行うことによ
りボンド磁石を製造した。
【0022】(比較例1)実施例1と同様なリボン状合
金を700℃、15分間真空処理し、粉砕した後、46
0℃で12時間窒化処理を行なうことにより得られた合
金粉末を用い、以下実施例1と同様な方法によリボンド
磁石を製造した。
金を700℃、15分間真空処理し、粉砕した後、46
0℃で12時間窒化処理を行なうことにより得られた合
金粉末を用い、以下実施例1と同様な方法によリボンド
磁石を製造した。
【0023】(比較例2)実施例1と同様にリボン状合
金を真空処理し、粉砕した後、2段階の窒化処理を施
し、さらに0.3規定の塩酸で表面を15〜30分間酸
洗することにより得られた合金粉末を用いた以外、実施
例1と同様な方法によリボンド磁石を製造した。
金を真空処理し、粉砕した後、2段階の窒化処理を施
し、さらに0.3規定の塩酸で表面を15〜30分間酸
洗することにより得られた合金粉末を用いた以外、実施
例1と同様な方法によリボンド磁石を製造した。
【0024】(比較例3)実施例1と同様なリボン状合
金を900℃、20分間真空処理し、粉砕した後、47
0℃で10分間窒化処理し、さらに460℃で12時間
窒化処理を行なうことにより得られた合金粉末を用いた
以外、実施例1と同様な方法によリボンド磁石を製造し
た。
金を900℃、20分間真空処理し、粉砕した後、47
0℃で10分間窒化処理し、さらに460℃で12時間
窒化処理を行なうことにより得られた合金粉末を用いた
以外、実施例1と同様な方法によリボンド磁石を製造し
た。
【0025】実施例1および比較例1〜3のボンド磁石
について残留磁束密度、飽和磁束密度および最大磁気エ
ネルギー積を測定した。また、残留磁束密度および飽和
磁束密度からBr/Bsを値を得た。さらに、前記実施
例1および比較例1〜3の各合金粉末をTEM分析を行
うことにより表面のα−Fe層の厚さを測定した。これ
らの結果を下記表1に併記した。
について残留磁束密度、飽和磁束密度および最大磁気エ
ネルギー積を測定した。また、残留磁束密度および飽和
磁束密度からBr/Bsを値を得た。さらに、前記実施
例1および比較例1〜3の各合金粉末をTEM分析を行
うことにより表面のα−Fe層の厚さを測定した。これ
らの結果を下記表1に併記した。
【0026】
【表1】
【0027】前記表1から明らかなように本実施例1の
ボンド磁石は、比較例1〜3に比べてBr/Bs、残留
磁束密度および最大磁気エネルギー積がいずれも大き
く、優れた磁気特性を有することがわかる。
ボンド磁石は、比較例1〜3に比べてBr/Bs、残留
磁束密度および最大磁気エネルギー積がいずれも大き
く、優れた磁気特性を有することがわかる。
【0028】(実施例2)まず、高純度のSm、Zr、
Mo、Fe、Coの粉末を下記表2に示す組成に調合
し、Ar雰囲気中でアーク溶解し、インゴットを調製し
た。つづいて、インゴットを溶融し、単ロール法により
リボン状合金を作製した。さらに、リボン状合金を70
0℃、20分間真空処理した後、粉砕して合金粉末とし
た。この合金粉末の結晶構造をX線回折法により測定し
た。その結果、TbCu7 型結晶構造が主相であること
を確認した。
Mo、Fe、Coの粉末を下記表2に示す組成に調合
し、Ar雰囲気中でアーク溶解し、インゴットを調製し
た。つづいて、インゴットを溶融し、単ロール法により
リボン状合金を作製した。さらに、リボン状合金を70
0℃、20分間真空処理した後、粉砕して合金粉末とし
た。この合金粉末の結晶構造をX線回折法により測定し
た。その結果、TbCu7 型結晶構造が主相であること
を確認した。
【0029】次いで、前記合金粉末を420℃で20分
間窒化処理し、さらに400℃で40時間窒化処理を行
った。得られた合金粉末にエポキシ樹脂を2重量%添加
し、混合した後、8トン/cm2 の圧力で圧縮成形し、
150℃の温度で2.5時間キュア処理を行うことによ
りボンド磁石を製造した。
間窒化処理し、さらに400℃で40時間窒化処理を行
った。得られた合金粉末にエポキシ樹脂を2重量%添加
し、混合した後、8トン/cm2 の圧力で圧縮成形し、
150℃の温度で2.5時間キュア処理を行うことによ
りボンド磁石を製造した。
【0030】(比較例4)実施例2と同様なリボン状合
金を700℃、15分間真空処理し、粉砕した後、40
0℃で40時間窒化処理を行なうことにより得られた合
金粉末を用いた以外、実施例2と同様な方法によリボン
ド磁石を製造した。
金を700℃、15分間真空処理し、粉砕した後、40
0℃で40時間窒化処理を行なうことにより得られた合
金粉末を用いた以外、実施例2と同様な方法によリボン
ド磁石を製造した。
【0031】(比較例5)実施例2と同様にリボン状合
金を真空処理し、粉砕した後、2段階の窒化処理を施
し、さらに0.3規定の塩酸で表面を15〜30分間酸
洗することにより得られた合金粉末を用いた以外、実施
例2と同様な方法によリボンド磁石を製造した。
金を真空処理し、粉砕した後、2段階の窒化処理を施
し、さらに0.3規定の塩酸で表面を15〜30分間酸
洗することにより得られた合金粉末を用いた以外、実施
例2と同様な方法によリボンド磁石を製造した。
【0032】(比較例6)実施例2と同様なリボン状合
金を900℃、20分間真空処理し、粉砕した後、42
0℃で20分間窒化処理し、さらに400℃で40時間
窒化処理を行なうことにより得られた合金粉末を用いた
以外、実施例2と同様な方法によリボンド磁石を製造し
た。
金を900℃、20分間真空処理し、粉砕した後、42
0℃で20分間窒化処理し、さらに400℃で40時間
窒化処理を行なうことにより得られた合金粉末を用いた
以外、実施例2と同様な方法によリボンド磁石を製造し
た。
【0033】実施例2および比較例4〜6のボンド磁石
について残留磁束密度、飽和磁束密度および最大磁気エ
ネルギー積を測定した。また、残留磁束密度および飽和
磁束密度からBr/Bsを値を得た。さらに、前記実施
例2および比較例4〜6の各合金粉末をTEM分析を行
うことにより表面のα−Fe層の厚さを測定した。これ
らの結果を下記表2に併記した。
について残留磁束密度、飽和磁束密度および最大磁気エ
ネルギー積を測定した。また、残留磁束密度および飽和
磁束密度からBr/Bsを値を得た。さらに、前記実施
例2および比較例4〜6の各合金粉末をTEM分析を行
うことにより表面のα−Fe層の厚さを測定した。これ
らの結果を下記表2に併記した。
【0034】
【表2】
【0035】前記表2から明らかなように本実施例2の
ボンド磁石は、比較例4〜6に比べてBr/Bs、残留
磁束密度および最大磁気エネルギー積がいずれも大き
く、優れた磁気特性を有することがわかる。
ボンド磁石は、比較例4〜6に比べてBr/Bs、残留
磁束密度および最大磁気エネルギー積がいずれも大き
く、優れた磁気特性を有することがわかる。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば最
大磁気エネルギー積が向上されたボンド磁石等に有用な
高性能の永久磁石粉末を提供できる。
大磁気エネルギー積が向上されたボンド磁石等に有用な
高性能の永久磁石粉末を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津田井 昭彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 佐橋 政司 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式 Rx Ny M100-x-y …(I) (ただし、RはYを含む希土類元素、Sc、Hfおよび
Zrから選ばれる少なくとも1種の元素、MはFeまた
は原子比で50%以上がFeであるFeおよびCoから
なり、x、yはそれぞれ2≦x≦20、1≦y≦15を
示す)にて表され、かつα−Fe相を50体積%以上含
み、厚さが1nm〜1μmであるα−Fe層が表面に形
成されていることを特徴とする永久磁石粉末。 - 【請求項2】 主相は、TbCu7 型結晶構造を有する
ことを特徴とする請求項1記載の永久磁石粉末。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7215593A JPH0963820A (ja) | 1995-08-24 | 1995-08-24 | 永久磁石粉末 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7215593A JPH0963820A (ja) | 1995-08-24 | 1995-08-24 | 永久磁石粉末 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0963820A true JPH0963820A (ja) | 1997-03-07 |
Family
ID=16675006
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7215593A Pending JPH0963820A (ja) | 1995-08-24 | 1995-08-24 | 永久磁石粉末 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0963820A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002057017A (ja) * | 2000-05-29 | 2002-02-22 | Daido Steel Co Ltd | 等方性の粉末磁石材料、その製造方法およびボンド磁石 |
-
1995
- 1995-08-24 JP JP7215593A patent/JPH0963820A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002057017A (ja) * | 2000-05-29 | 2002-02-22 | Daido Steel Co Ltd | 等方性の粉末磁石材料、その製造方法およびボンド磁石 |
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