JPH096034A - 電子写真式平版印刷版 - Google Patents

電子写真式平版印刷版

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JPH096034A
JPH096034A JP15586995A JP15586995A JPH096034A JP H096034 A JPH096034 A JP H096034A JP 15586995 A JP15586995 A JP 15586995A JP 15586995 A JP15586995 A JP 15586995A JP H096034 A JPH096034 A JP H096034A
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JP
Japan
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group
conductive
lithographic printing
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JP15586995A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Abe
和洋 阿部
Juji Konagaya
重次 小長谷
Chikao Morishige
地加男 森重
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、容易に導電性を制御でき、いかな
る条件下(湿度変化)でも鮮明な画像を得られる電子写
真式平版印刷版を提供することにある。 【構成】 支持体上に導電性中間層を設け、ついで光導
電性物質粉末と増感剤、結着剤樹脂とからなる光導電層
を形成し、さらに支持体の反対面に導電性バックコート
層を設けたことを特徴とする電子写真式平版印刷版にお
いて、該導電性中間層及び該導電性バックコート層の少
なくとも一方が、ポリアニリンおよび/またはその誘導
体(A)、およびプロトン酸(B)をドーパントとして
含む導電性組成物であることを特徴とする電子写真式平
版印刷版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿式平版印刷版に関す
るものであり、さらに詳しくは導電層の湿度依存性がな
く、導電性の制御、安定性に優れるため、優れた画像特
性が得られる、電子写真法によって製版する平版印刷版
に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来より、平版印刷法として、印刷用原版
の表面に電子写真法によりトナー画像を設け、定着後、
非画像部をエッチング処理して印刷版とし、これを平版
印刷機にかけて印刷する方法が広く行われている。一般
にこの方法で用いられる支持体としては紙またはプラス
ティックフィルムが用いられ、その片面に直接あるいは
導電性中間層を設けた後に光導電層を設け、その反対面
に導電性バックコート層を設けることにより製造されて
いる。ここで導電性コート層としては、カチオン系、ア
ニオン系の高分子導電剤、カーボン、金属、金属酸化物
等の無機導電剤が知られている。しかしながら、導電性
コート層として、高分子導電剤を用いた場合には湿度に
より導電性が変化し、また、無機導電剤を用いた場合
は、湿度による変化はないが導電性の制御が困難である
ため、安定した画像特性が得られないという問題が生じ
てしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に着目してなされたものであり、その目的は、導電層
の湿度依存性がなく、導電性の制御、安定性に優れるこ
とにより、安定でかつ画像特性に優れた電子写真式平版
印刷版を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上に導
電性中間層を設け、ついで光導電性物質粉末と増感剤、
結着剤樹脂とからなる光導電層を形成し、さらに支持体
の反対面に導電性バックコート層を設けたことを特徴と
する電子写真式平版印刷版において、該導電性中間層及
び該導電性バックコート層の少なくとも一方が、ポリア
ニリンおよび/またはその誘導体(A)、およびプロト
ン酸(B)をドーパントとして含む導電性組成物である
ことを特徴とする電子写真式平版印刷版に関するもので
ある。
【0005】本発明における支持体とは、紙またはプラ
スティックフィルムであり、紙にプラスティックを含浸
したものや塗布したものでも構わない。またプラスティ
ックフィルムとしては、ポリエステルやナイロン、ポリ
プロピレン、ポリエチレン等の単一ポリマーによるも
の、あるいはそれらを混合したもの、積層したものでも
構わない。特に空洞を含有したプラスティックフィルム
は、耐水性、寸法安定性、取扱い性等の点から好適であ
る。
【0006】本発明の導電性中間層または導電性バック
コート層に用いるポリアニリン組成物の一成分であるポ
リアニリン(A)は、下記の一般式(1)で示されるア
ニリンまたはその誘導体を酸化重合して得られる。
【0007】
【化1】
【0008】(式中、Rは同じでも異なっていてもよく
それぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ
基、アルカノイル基、アルキルチオ基、アリールオキシ
基、アルキルチオアルキル基、アリール基、アルキルア
リール基、アリールアルキル基、アルキルスルフィニル
基、アルコキシアルキル基、アルキルスルフォニル基、
アルコキシカルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ
基、ジアルキルアミノ基、アリールチオ基、アリールス
ルフィニル基、アリールスルフィニル基、アリールスル
フォニル基、カルボキシル基、ハロゲン、シアノ基、ハ
ロアルキル基、ニトロアルキル基、あるいはシアノアル
キル基を、およびmは0から5までの整数を示す)
【0009】好ましいRとして、炭素数1〜5のアルキ
ル基、水素、アルコキシ基、アリール基、シアノ基、ハ
ロゲンおよびアリールオキシ基などが挙げられる。
【0010】具体例としては、アニリン、o−トルイジ
ン、m−トルイジン、o−エチルアニリン、m−エチル
アニリン、o−エトキシアニリン、m−ブチルアニリ
ン、m−ヘキシルアニリン、m−オクチルアニリン、
2、3−ジメチルアニリン、2、5−ジメチルアニリ
ン、2、5−ジメトキシアニリン、o−シアノアニリ
ン、2、5−ジクロロアニリン、2−ブロモアニリン、
5−クロロ−2−メトキシアニリン、3−フェノキシア
ニリンなどが挙げられる。
【0011】上記したアニリンまたはアニリン誘導体を
酸化重合する際に使用される酸化剤として、たとえば、
ペルオキソ二硫酸アンモニウム、過酸化水素水、第二塩
化鉄などが挙げられる。しかしこれらに限定されるもの
ではない。好ましく用いられるものとして、ペルオキソ
二硫酸アンモニウムが挙げられる。
【0012】ドープ状態でポリアニリン(A)を水性溶
剤に可溶化させるためには、分子内に少なくとも1つの
スルホン酸基および少なくとも1つのスルホン酸塩部分
を有するプロトン酸(B)がドーパントとして含まれて
いることが好ましい。スルホン酸塩部分の対カチオンと
しては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属イオ
ンやアンモニウムイオンなどのオニウムイオンが適す
る。このようなプロトン酸(B)として、たとえば次に
示す構造の化合物が例示される。
【0013】
【化2】
【0014】(式中、Mはナトリウムイオン、カリウム
イオン、アンモニウムイオンなどのカチオンを示し、X
は置換されていてもよいアルキレン基を示し、Yは水
素、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキ
ルチオ基、アルキルチオアルキル基、アリール基、アル
キルアリール基、アリールアルキル基、アルキルスルフ
ィニル基、アルコキシアルキル基、アルキルスルフォニ
ル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニト
リル基、ヒドロキシ基、ニトロ基またはハロゲンを示
し、複数存在する場合は同じでも異なっていてもよい。
Zは水素、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、
アルキルチオ基、アルキルチオアルキル基、アリール
基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルキ
ルスルフィニル基、アルコキシアルキル基、アルキルス
ルフォニル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル
基、ニトリル基、ヒドロキシ基、ニトロ基またはハロゲ
ンを示し、複数存在する場合は同じでも異なっていても
よい。nは1から4の整数、およびpは1から6の整数
を示す。) Xの置換基として、たとえば、アルキル基、アルケニル
基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオアル
キル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールア
ルキル基、アルキルスルフィニル基、アルコキシアルキ
ル基、アルキルスルフォニル基、アルコキシカルボニル
基、カルボキシル基、ニトリル基、ヒドロキシ基、ニト
ロ基、ハロゲン基などが挙げられる。これらは1種類で
用いても、多種類用いても構わない。
【0015】好ましいXとして、メチレン基、エチレン
基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。好ま
しいYおよびZとして、それぞれ、水素、アルキル基、
アルコキシ基、アリール基、アルコキシアルキル基、ア
ルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニトリル基、
ヒドロキシル基などが挙げられる。
【0016】プロトン酸(B)中の全スルホン酸塩部分
の全スルホン酸基に対するモル比は、好ましくは0.1
〜10、更に好ましくは0.5〜10、最も好ましくは
1〜10である。
【0017】プロトン酸(B)に加えて、必要に応じ
て、酸解離定数pKa値が4.0以下のプロトン酸をド
ーパントとして添加してもよい。このようなドーパント
として、たとえば、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸などの
無機酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸、m−ニトロ安息香酸、トリクロロ酢酸などの有機
酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、
ポリビニル硫酸などのポリマー酸を挙げることができる
が、これらに限定されるものではない。
【0018】ドーパントとして使用する全プロトン酸中
に存在するプロトン酸基の1〜100モル%がプロトン
酸(B)に由来しているのが好ましい。該割合は25〜
100モル%が更に好ましく、最も好ましくは50〜1
00モル%である。
【0019】プロトン酸(B)を含むドーパントの量
は、ポリアニリン(A)に対して当量でもよいし、過剰
に加えてもさしつかえない。好ましくは1〜3当量であ
る。
【0020】本発明のポリアニリン組成物を得る方法と
しては特に限定はない。たとえば、アニリンおよび/ま
たはその誘導体とプロトン酸の溶液または懸濁液の混合
物に、酸化剤およびプロトン酸を含む溶液または酸化剤
を含む溶液を添加、重合反応を行う方法が挙げられる。
プロトン酸(B)を含むドーパントはアニリンおよび/
またはその誘導体の酸化重合時に、添加してもよい。ま
た、上記の方法で得られたドープポリアニリンをアンモ
ニア水などの塩基で処理することにより脱ドープし、該
脱ドープポリアニリンに再び所望のプロトン酸(B)を
含むドーパントを加えて本発明のポリアニリン組成物と
することもできる。アニリンおよび/またはその誘導体
は、通常行われる重合条件で重合される。たとえば、反
応温度は−10℃から40℃の間で、反応時間は30分
から48時間の範囲内で、常圧下、反応混合物を撹はん
させて行う。
【0021】本発明のポリアニリン組成物が溶解する水
性溶剤とは、水、あるいは水と水と混和する有機溶剤の
混合溶剤を意味する。水と有機溶剤の比率は特に限定さ
れない。上記有機溶剤としては、例えば、テトラヒドロ
フラン、ジオキサンなどのエーテル類、メタノール、エ
タノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセ
リン、2−ブトキシエタノール、などのアルコール類、
アセトニトリルなどのニトリル類、アセトンなどのケト
ン類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、などのカルボン酸
類、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシドなどの極性溶剤類を用いることがで
きる。腐食性、毒性の低いものが好ましい。
【0022】本発明の導電性組成物は、上記の成分のみ
でも、塗布性、延展性、表面強度の良いコート層を形成
できるが、溶剤に可溶な高分子化合物及び/または界面
活性剤をさらに併用混合して用いると濡れ性の悪い基体
へのコートも可能となる。この目的に適した高分子化合
物としては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリビニル
ピロリドンなどの水溶性樹脂、水酸基またはカルボン酸
基を含んだ水溶性または水分散性共重合ポリエステル、
ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸などのアクリル酸樹
脂、ポリアクリル酸エステルポリメタクリル酸エステル
などのアクリル酸エステル樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、などのエステル
樹脂、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリ
クロロメチルスチレン、ポリスチレンスルホン酸、ポリ
ビニルフェノールなどのスチレン樹脂、ポリビニルメチ
ルエーテル、ポリビニルエチルエーテルなどのビニルエ
ーテル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマ
ール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルコー
ル類、ノボラック、レゾールなどのフェノール樹脂など
の高分子化合物が用いられる。なかでもポリエステル等
の支持体との接着性の点から水酸基またはカルボン酸基
を含んだ水溶性または水分散性共重合ポリエステルが好
ましい。
【0023】本発明の導電性組成物への濡れ性の向上を
目的として、界面活性剤、例えば、アルキルスルホン
酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルカルボン酸
等の陰イオン界面活性剤、アルキルアミン、アルキル4
級アミンなどの陽イオン界面活性剤、カルボキシベンダ
イン、アミノカルボン酸などの両性界面活性剤、ポリエ
キシエチレンアルキルエーテルポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤及びフ
ルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカル
ボン酸、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸、パ
ーフルオロアルキル4級アンモニウム、パーフルオロア
ルキルポリオキシエチレンエタノールなどのフッ素系界
面活性剤が用いられる。ポリエステル基体への濡れ性の
向上の点からはフッ素系界面活性剤が好ましい。前記高
分子化合物と界面活性剤全量は前記溶媒100重量部に
対して、0−200重量部、好ましくは0−50重量部
である。前記高分子化合物と界面活性剤の全量の割合が
200重量部を越えると塗布性は向上するが平坦性が低
下したり、平坦性は向上するが導電性は劣るなどの現象
が生じる。
【0024】塗布方法としては、グラビアロールコーテ
ィング法、リバースロールコーティング法、ナイフコー
タ法、ディップコート法、スピンコート法などがある
が、導電性組成物に適したコート法は特に制限はない。
フィルムへの塗布を製膜工程内で同時に行うインライン
コート法と製膜ロール製造後独立して行うオフラインコ
ート法があるが、用途に応じて好ましい方法を選ぶこと
が可能で、特に制限はない。本発明のポリアニリンは2
50℃以上の高温では不安定であるが、200℃で約3
分間も熱安定性が良好であるので、共存する高分子化合
物及び添加剤の種類にもよるが、通常短時間の200℃
加熱ならば導電性に悪影響を与えない。むしろ、コート
面の導電性の向上の点では、200℃付近で30秒以内
加熱することが好ましい。
【0025】導電性中間層または導電性バックコート層
のいずれかに、ポリアニリン組成物以外の導電層を設け
る場合、その導電層としては、金属、金属酸化物、特に
亜鉛、マグネシウム、錫、カリウム、バリウム、インジ
ウム、モリブデン、アルミニウム、チタン、珪素等から
選ばれた金属の酸化物、好ましくは結晶性酸化物または
その複合酸化物の微粒子、またはカーボンブラックを高
分子バインダー、例えばセルロース系樹脂、アセタール
系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂等に混合し、
有機溶剤、水系溶媒に分散、溶解したもの、あるいはカ
チオン系、アニオン系等のイオン伝導性の界面活性剤、
高分子を該支持体に塗布または他の方法で積層したもの
が挙げられる。しかし、上記両導電層にポリアニリン組
成物を用いる方がより好ましい。
【0026】本発明の導電性中間層は、表面抵抗値が1
2 Ω/□以上、108 Ω/□以下である必要があり、
さらには、104 Ω/□以上、107 Ω/□以下である
ことが好ましい。表面抵抗値が108 Ω/□以上である
と電荷の流れを阻害し、かぶりが発生してしまう。逆に
102 Ω/□以下であるとピンホールが発生してしま
う。
【0027】本発明の導電性バックコート層とは、導電
性中間層と同様な材料を用いて、表面抵抗値が、102
Ω/□以上、1012Ω/□以下である必要があり、さら
には、105 Ω/□以上、109 Ω/□以下であること
が好ましい。表面抵抗値が、1012Ω/□以上である
と、電荷の流れを阻害し、ピンホールが発生してしま
う。逆に102 Ω/□以下であると、鮮明な画像が得ら
れない。
【0028】本発明の光導電層とは、酸化亜鉛、酸化チ
タン等の光導電性粉末と絶縁性合成樹脂結着剤とを有機
溶剤中に分散し、さらに増感剤などを添加した混合液を
導電性中間層上に塗布、乾燥することによって形成させ
ることができる。
【0029】該化合物または化合物を含む組成物を支持
体表面に積層する方法としては、特に限定はないが、溶
液あるいは分散液を支持体表面に塗布するコーティング
法が特に好適である。すなわち支持体に塗布した後、乾
燥熱処理をする方法が好ましい。コーティング法として
は、グラビアやリバースなどのロールコーティング法、
ドクターナイフ法やエアーナイフ、ノズルコーティング
法などの通常の方法を用いることができる。またスプレ
ー法で塗布する方法を用いてもよい。
【0030】該塗布は、製造終了後のフィルムの表面に
行ってもよいし、あるいは、フィルム製造過程すなわち
キャスト原反あるいは一軸延伸後に塗布し、その後延伸
処理を行うほうが好ましい。このような方法で積層され
る各層の厚みは、特に限定されるものではないが、支持
体としては、75〜200μm、導電性中間層として
は、0.1〜5μm、導電性バックコート層としては、
0.1〜5μm、光導電層としては、5〜20μmが好
ましい。
【0031】(作用及び効果)本発明のポリアニリンを
含んだ導電層を用いた湿式電子写真式平版印刷版を用い
ることにより、低湿度下でも、高湿度下でも鮮明な画像
の印刷物を得ることができ、また、煩雑な分散工程も不
要であり、インラインコートも可能なため、製造工程の
簡略化、コストの削減に効果がある。
【0032】実施例 次に本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明はこれ
に限定されない。また本発明に用いる評価法を以下に示
す。 1)表面抵抗値 25℃で、15、50、95%RHの3条件下で測定を
おこなった。
【0033】2)印刷物の鮮明性 25℃で、15、50、95%RHの3条件下に24時
間放置した印刷版をシナノ精機(株)TEXEL AR
010型オフセット印刷機を用いて1万枚印刷し以下の
様に判定した。 (白黒印刷の場合) ○:150線10%の網点が版、印刷物とも完全に再現
している。 △:上記網点が一部欠落している。 ×:上記網点が多数欠落している。 (4色カラー印刷の場合) ○:色ずれがない。 △:やや色ずれが認められるが実用上特に問題なし。 ×:かなり色ずれが認められ実用上問題あり。
【0034】(合成例1)2,2’−ジナフチルメタン
−6,6’−ジスルホン酸ナトリウム塩1gを蒸留水3
0mlに溶かし、イオン交換樹脂(アンバーライトIR
−120B)30gを加えて、室温で15分間撹はんし
た。ガラスフィルターで濾別後、イオン交換樹脂を蒸留
水30mlで2回洗浄し、濾液とあわせた。0.02規
定の水酸化ナトリウム水溶液で滴定し、定量的にスルホ
ナトリウム基がスルホン酸基に変換されていることを確
かめた。その水溶液に2,2’−ジナフチルメタン−
6,6’−ジスルホン酸ナトリウム塩3gを加えて溶か
し、30分間室温で撹はんし、ドーパント溶液とした。
【0035】(合成例2)撹はん器及び温度計を備えた
3つ口フラスコ300mlに参考例1のドーパント溶液
70mlとアニリン0.3gを入れ、0℃に冷却した。
重合酸化剤であるペルオキソ二硫酸アンモニウム0.6
gの水溶液10mlをあらかじめ0℃に冷却しておき、
10分間で滴下した。反応混合物は、0℃に保ち20時
間撹はんした。生成したドープポリアニリンは溶解して
いるが、アセトン/メチルエチルケトン(1:1,v/
v)の混合溶剤に入れて析出させ、遠心分離で上澄み液
と分離した。室温で1日減圧乾燥して、0.48gを得
た。得られたポリアニリンをペレットに圧縮成形し、四
端子法で測定すると、導電率σ=2.7×10-5(S/
cm)であった。水6mlと2−ブトキシエタノール3m
lの混合液にポリアニリン0.2gを加え、超音波照射
すると、均一な濃緑色の溶液が得られた。この溶液をG
4ガラスフィルターで濾過すると、フィルター上に残存
した不溶物は極めて少量であった。このポリアニリン
0.1gを3%アンモニア水10mlで室温で2時間処
理し、濾別、水洗、乾燥して、脱ドープポリアニリンを
得た。脱ドープポリアニリンをNMPに溶解させ、GP
Cを行うとポリスチレン換算で数平均分子量は1200
0、重量平均分子量は23000であった。
【0036】(実施例1)支持体として125μm厚の
空洞含有白色ポリエステルフィルムを使用した。この空
洞含有白色ポリエステルフィルム上に合成例1及び2で
調整した液と東洋紡績製バイロン樹脂RV−280の水
/2−ブトキシエタノール(2:1、v/v)溶液を固
形分濃度で3/7の割合で混合した液を塗布し、導電性
中間層を形成した。さらにこの上に、光導電性酸化亜鉛
(堺化学社製、#4000)とアクリル樹脂LR333
(三菱レーヨン社製)及びアクリリック44−179
(大日本インキ社製)を63/7/3の割合で混合し、
さらにローズベンガル(増感剤)を0.1部、トルエン
を90部加え、ボールミルで約一時間半分散したものを
ワイヤーバー(#20)で塗布し、160℃で1分乾燥
し、固形分厚み約13μmの光導電層を形成した。さら
に支持体の反対面に、導電性中間層を形成したのと同じ
液を塗布し、導電性バックコート層を形成した。この様
にして電子写真式平版印刷版を作製した。
【0037】(実施例2)実施例1で調整した液をさら
にボールミルで1時間分散した以外は実施例1と同様に
して電子写真式平版印刷版を作製成した。
【0038】(実施例3)支持体の反対面に、チタン酸
カリウムのウィスカー(大塚化学社製、TISTAT−
PHS)、共重合ポリエステル樹脂(東洋紡績社製:M
D16)、水、イソプロピルアルコールを30/30/
33/8の割合で混合したものをワイヤーバー(#1
0)で塗布し、160℃で1分乾燥し、固形分厚み2μ
mの導電性バックコート層を形成した以外は実施例1と
同様にして電子写真式平版印刷版を作製した。
【0039】(実施例4)支持体に、ボールミルで1時
間分散したカーボンブラック含有アクリル樹脂を塗布
し、導電性中間層を形成した以外は実施例1と同様にし
て電子写真式平版印刷版を作製した。
【0040】(比較例1)支持体の片面上に、ポールミ
ルで1時間分散したカーボンブラック含有アクリル樹脂
を塗布し、導電性中間層を形成し、さらに支持体の他面
上に、チタン酸カリウムのウィスカー(大塚化学
(株)、TISTAT−PHS)、共重合ポリエステル
樹脂(東洋紡績(株)製:MD16)、水、イソプロピ
ルアルコールを30/30/33/8の割合で混合し、
さらにボールミルで1時間分散したものをワイヤーバー
(#10)で塗布し、160℃で1分乾燥し、固形分厚
み2μmの導電性バックコート層を形成した以外は実施
例1と同様にして電子写真式平版印刷版を作製した。
【0041】(比較例2)支持体の片面上に、カーボン
ブラック含有アクリル樹脂(ボールミルでの分散無し)
を塗布し、導電性中間層を形成し、さらに支持体の他面
上に、チタン酸カリウムのウィスカー(大塚化学
(株)、TISTAT−PHS)、共重合ポリエステル
樹脂(東洋紡績(株)製:MD16)、水、イソプロピ
ルアルコールを30/30/33/8の割合で混合した
ものをワイヤーバー(#10)で塗布し、160℃で1
分乾燥し、固形分厚み2μmの導電性バックコート層を
形成した以外は実施例1と同様にして電子写真式平版印
刷版を作製した。
【0042】(比較例3)支持体片面上に、アニオン系
高分子液を塗布して、導電性中間層を形成し、さらに支
持体の他面上に、チタン酸カリウムのウィスカー(大塚
化学(株)、TISTAT−PHS)、共重合ポリエス
テル樹脂(東洋紡績(株)製:MD16)、水、イソプ
ロピルアルコールを30/30/33/8の割合で混合
したものをワイヤーバー(#10)で塗布し、160℃
で1分乾燥し、固形分厚み2μmの導電性バックコート
層を形成した以外は実施例1と同様にして電子写真式平
版印刷版を作製した。
【0043】(比較例4)支持体に、カーボンブラック
含有アクリル樹脂(ボールミルでの分散無し)を塗布し
て導電性中間層を形成し、さらに支持体の反対面にアニ
オン系高分子液を塗布して導電性バックコート層を形成
した以外は実施例1と同様にして電子写真式平版印刷版
を作製した。
【0044】以上の結果を表1に示した。表1に示す様
に、実施例の電子写真式平版印刷版は何れも、いかなる
湿度にもかかわらず鮮明な画像を示している。一方、比
較例1、2は湿度依存性はないものの、表面抵抗値が実
施例と異なり、鮮明な画像を得ることができなかった。
比較例3、4は、湿度により表面抵抗値が異なり、1
5、95%RHでは鮮明な画像を得ることができなかっ
た。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明かな様に本発明による
電子写真式平版印刷版は、他の組成物による導電層を形
成したものに比べて、湿度依存性がほとんどなく、分散
条件等による表面抵抗値の変化がほとんどないため、導
電性の制御が容易である。この様に、あらゆる条件下で
も鮮明な画像が得られるため、電子写真式平版印刷版と
して極めて有用である。
【0046】
【表1】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に導電性中間層を設け、ついで
    光導電性物質粉末と増感剤、結着剤樹脂とからなる光導
    電層を形成し、さらに支持体の反対面に導電性バックコ
    ート層を設けたことを特徴とする電子写真式平版印刷版
    において、該導電性中間層及び該導電性バックコート層
    の少なくとも一方が、ポリアニリンおよび/またはその
    誘導体(A)、およびプロトン酸(B)をドーパントと
    して含む導電性組成物であることを特徴とする電子写真
    式平版印刷版。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の導電性中間層及び該導電
    性バックコート層の少なくとも一方が、ポリアニリンお
    よび/またはその誘導体(A)、およびプロトン酸
    (B)をドーパントとして、および水溶性または水分散
    性樹脂(C)を含む導電性組成物であることを特徴とす
    る電子写真式平版印刷版。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のプロトン酸(B)が分子
    内に少なくとも1つのスルホン酸基および少なくとも1
    つのスルホン酸塩部分を含むことを特徴とする電子写真
    式平版印刷版。
  4. 【請求項4】 導電性中間層の表面抵抗値が102 Ω/
    □以上、108 Ω/□以下であることを特徴とする請求
    項1〜3のうちの1項の電子写真式平版印刷版。
  5. 【請求項5】 導電性バックコート層の表面抵抗値が、
    102 Ω/□以上、1012Ω/□以下であることを特徴
    とする請求項1〜4のうちの1項に記載の電子写真式平
    版印刷版。
  6. 【請求項6】 請求項1の支持体がポリエステル及び該
    ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂を混合し、得られ
    たシート状物を少なくとも一軸に延伸することにより得
    られる空洞含有ポリエステルフィルムであることを特徴
    とする請求項1〜5のうちの1項に記載の電子写真式平
    版印刷版。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008257143A (ja) * 2007-04-09 2008-10-23 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008257143A (ja) * 2007-04-09 2008-10-23 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
US8110328B2 (en) 2007-04-09 2012-02-07 Fuji Xerox Co., Ltd. Electrophotographic photoreceptor, process cartridge and image forming apparatus

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