JP3427486B2 - 水性溶剤可溶性ポリアニリン組成物、これを用いた導電性薄膜およびその製造方法 - Google Patents
水性溶剤可溶性ポリアニリン組成物、これを用いた導電性薄膜およびその製造方法Info
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Description
トが共存する状態)で水性溶剤に可溶なポリアニリンあ
るいはその誘導体を含む組成物、該組成物から導電性薄
膜を製造する方法、および得られた導電性薄膜に関す
る。本発明のポリアニリン組成物は、ドープ状態で水性
溶剤に可溶なため、該ポリアニリン組成物の水性溶液を
基材に塗布し、乾燥するといった簡便な方法でフィル
ム、シートなどの成形物を製造することができ、また、
得られた薄膜は高い導電性と優れた帯電防止性、透明
性、安定性を有する。
芳香族化合物を化学酸化剤を使用して化学酸化重合する
ことによって、電解質イオンをドーパントとして含む導
電性有機重合体が得られる。しかしながら、一般に導電
性有機重合体は、水性溶媒あるいは有機溶剤に不融、不
溶であるため、成形加工が困難で、応用展開の大きな障
害になっていた。
ニリン(ドーパントが存在しないポリアニリン)がある
種の極性有機溶剤に可溶なことを利用して、成形物に加
工する方法(特開平3−28229号公報)が提案され
ている。しかしこの方法によれば、脱ドープポリアニリ
ンから成形体を得る工程と、得られた成形体にプロトン
酸をドープする工程の2つの工程が必要であり、煩雑で
あった。
るポリアニリン)を可溶化する方法(WO92−229
11号公報)が提案されている。しかしこの方法は、有
害で腐食性の強い溶剤を使用すること、過剰の腐食性プ
ロトン酸をドーパントとして使用することなどの問題が
あった。
を加えた極性有機溶剤にドープポリアニリンを溶解させ
る方法(特開平3−285983号公報)も提案されて
いる。しかしこの方法も、成形後の溶媒除去の時に有害
なアンモニアもしくはアミンガスが発生するという問題
点があった。
合体骨格に直接結合させた自己ドーピング型の水溶性ポ
リアニリン(特開平5−178989号公報)も提案さ
れている。しかしこのポリアニリンは製造工程が煩雑で
コスト面に問題があった。
法として、基材の存在下でアニリンまたはその誘導体を
化学酸化重合させる方法(特開平2−69525号公
報)が提案されている。しかしこの方法は工業的な大規
模生産には不適であった。このように、ポリアニリンを
工業的に利用するには多くの問題点があった。
状態で水性溶剤に可溶で安価なポリアニリン組成物とそ
れから形成される導電性薄膜を開発すべく鋭意研究した
結果、分子内にスルホン酸基とスルホン酸塩部分の両方
を有する構造をもつプロトン酸をポリアニリンのドーパ
ントとして使用することによって、従来の問題点を全て
解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(A)ポリアニリンおよび/またはその誘導体〔以下、
ポリアニリン(A)ともいう〕、および(B)分子内に
少なくとも1つのスルホン酸基および少なくとも1つの
スルホン酸塩部分を有するプロトン酸〔以下プロトン酸
(B)ともいう〕をドーパントとして含み、ドープ状態
で水性溶剤に可溶なことを特徴とする水性溶剤可溶性ポ
リアニリン組成物、(A)ポリアニリンおよび/または
その誘導体、および(B)分子内に少なくとも1つのス
ルホン酸基および少なくとも1つのスルホン酸塩を有す
るプロトン酸をドーパントとして含むことを特徴とする
導電性薄膜、および上記導電性薄膜の製造方法に関す
る。
るポリアニリン(A)は下記の一般式(I)で示される
アニリンまたはその誘導体を酸化重合して得られる。
それぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ
基、アルカノイル基、アルキルチオ基、アリールオキシ
基、アルキルチオアルキル基、アリール基、アルキルア
リール基、アリールアルキル基、アルキルスルフィニル
基、アルコキシアルキル基、アルキルスルホニル基、ア
ルコキシカルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、
ジアルキルアミノ基、アリールチオ基、アリールスルフ
ィニル基、アリールスルホニル基、カルボキシル基、ハ
ロゲン、シアノ基、ハロアルキル基、ニトロアルキル基
あるいはシアノアルキル基を、およびmは0から5まで
の整数示す)
ル基、水素、アルコキシ基、アリール基、シアノ基、ハ
ロゲンおよびアリールオキシ基などが挙げられる。
ン、m−トルイジン、o−エチルアニリン、m−エチル
アニリン、o−エトキシアニリン、m−ブチルアニリ
ン、m−ヘキシルアニリン、m−オクチルアニリン、
2,3−ジメチルアニリン、2,5−ジメチルアニリ
ン、2,5−ジメトキシアニリン、o−シアノアニリ
ン、2,5−ジクロロアニリン、2−ブロモアニリン、
5−クロロ−2−メトキシアニリン、3−フェノキシア
ニリンなどが挙げられる。
酸化重合する際に使用される酸化剤として、たとえば、
ペルオキソ二硫酸アンモニウム、過酸化水素、第二塩化
鉄などが挙げられる。しかしこれらに限定されるもので
はない。好ましく用いられるものとして、ペルオキソ二
硫酸アンモニウムが挙げられる。
剤に可溶化させるためには、分子内に少なくとも1つの
スルホン酸基および少なくとも1つのスルホン酸塩部分
を有するプロトン酸(B)がドーパントとして含まれて
いることが必須である。スルホン酸塩部分の対カチオン
としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属イ
オンやアンモニウムイオンなどのオニウムイオンが適す
る。このようなプロトン酸(B)として、たとえば次に
示す構造の化合物が例示される。
イオン、アンモニウムイオンなどのカチオンを示し、X
は置換されていてもよいアルキレン基を示し、Yは水
素、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキ
ルチオ基、アルキルチオアルキル基、アリール基、アル
キルアリール基、アリールアルキル基、アルキルスルフ
ィニル基、アルコキシアルキル基、アルキルスルホニル
基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニトリ
ル基、ヒドロキシ基、ニトロ基またはハロゲンを示し、
複数存在するばあいは同じでも異なっていてもよい、Z
は水素、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ア
ルキルチオ基、アルキルチオアルキル基、アリール基、
アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルキルス
ルフィニル基、アルコキシアルキル基、アルキルスルホ
ニル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニ
トリル基、ヒドロキシ基、ニトロ基またはハロゲンを示
し、複数存在するばあいは同じでも異なっていてもよ
い、nは1から4の整数、およびpは1から6の整数を
示す) Xの置換基として、たとえば、アルキル基、アルケニル
基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオアル
キル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールア
ルキル基、アルキルスルフィニル基、アルコキシアルキ
ル基、アルキルスルホニル基、アルコキシカルボニル
基、カルボキシル基、ニトリル基、ヒドロキシ基、ニト
ロ基、ハロゲン基などが挙げられる。これらは1種類で
用いても、多種類用いても構わない。
基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。好ま
しいYおよびZとして、それぞれ、水素、アルキル基、
アルコキシ基、アリール基、アルコキシアルキル基、ア
ルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニトリル基、
ヒドロキシル基などが挙げられる。
−スルホン酸ナトリウム、プロパン−3−スルホン酸−
1−スルホン酸ナトリウム、ブタン−4−スルホン酸−
1−スルホン酸ナトリウム、ベンゼン−3−スルホン酸
−1−スルホン酸ナトリウム、ベンゼン−4−スルホン
酸−1−スルホン酸ナトリウム、ナフタレン−2−スル
ホン酸−1−スルホン酸ナトリウム、ナフタレン−3−
スルホン酸−1−スルホン酸ナトリウム、ナフタレン−
4−スルホン酸−1−スルホン酸ナトリウム、ナフタレ
ン−5−スルホン酸−1−スルホン酸ナトリウム、ナフ
タレン−6−スルホン酸−1−スルホン酸ナトリウム、
ナフタレン−7−スルホン酸−1−スルホン酸ナトリウ
ム、ナフタレン−8−スルホン酸−1−スルホン酸ナト
リウム、ナフタレン−1−スルホン酸−2−スルホン酸
ナトリウム、ナフタレン−1−スルホン酸−3−スルホ
ン酸ナトリウム、ナフタレン−1−スルホン酸−6−ス
ルホン酸ナトリウム、ナフタレン−1−スルホン酸−7
−スルホン酸ナトリウム、ビフェニル−2’−スルホン
酸−2−スルホン酸ナトリウム、ビフェニル−3’−ス
ルホン酸−3−スルホン酸ナトリウム、ビフェニル−
4’−スルホン酸−4−スルホン酸ナトリウム、フェニ
ル−2’−スルホン酸−フェニル−2−スルホン酸ナト
リウム−メタン、フェニル−3’−スルホン酸−フェニ
ル−3−スルホン酸ナトリウム−メタン、フェニル−
4’−スルホン酸−フェニル−4−スルホン酸ナトリウ
ム−メタン、フェニル−2’−スルホン酸−フェニル−
2−スルホン酸ナトリウム−スルホン、フェニル−3’
−スルホン酸−フェニル−3−スルホン酸ナトリウム−
スルホン、フェニル−4’−スルホン酸−フェニル−4
−スルホン酸ナトリウム−スルホン、フェニル−2’−
スルホン酸−フェニル−2−スルホン酸ナトリウム−エ
ーテル、フェニル−3’−スルホン酸−フェニル−3−
スルホン酸ナトリウム−エーテル、フェニル−4’−ス
ルホン酸−フェニル−4−スルホン酸ナトリウム−エー
テル、ナフチ−1’−イル−2’−スルホン酸−ナフチ
−1−イル−2−スルホン酸ナトリウム−メタン、ナフ
チ−1’−イル−3’−スルホン酸−ナフチ−1−イル
−3−スルホン酸ナトリウム−メタン、ナフチ−1’−
イル−4’−スルホン酸−ナフチ−1−イル−4−スル
ホン酸ナトリウム−メタン、ナフチ−1’−イル−5’
−スルホン酸−ナフチ−1−イル−5−スルホン酸ナト
リウム−メタン、ナフチ−1’−イル−6’−スルホン
酸−ナフチ−1−イル−6−スルホン酸ナトリウム−メ
タン、ナフチ−1’−イル−7’−スルホン酸−ナフチ
−1−イル−7−スルホン酸ナトリウム−メタン、ナフ
チ−1’−イル−8’−スルホン酸−ナフチ−1−イル
−8−スルホン酸ナトリウム−メタン、ナフチ−2’−
イル−1’−スルホン酸−ナフチ−2−イル−1−スル
ホン酸ナトリウム−メタン、ナフチ−2’−イル−3’
−スルホン酸−ナフチ−2−イル−3−スルホン酸ナト
リウム−メタン、ナフチ−2’−イル−4’−スルホン
酸−ナフチ−2−イル−4−スルホン酸ナトリウム−メ
タン、ナフチ−2’−イル−5’−スルホン酸−ナフチ
−2−イル−5−スルホン酸ナトリウム−メタン、ナフ
チ−2’−イル−6’−スルホン酸−ナフチ−2−イル
−6−スルホン酸ナトリウム−メタン、ナフチ−2’−
イル−7’−スルホン酸−ナフチ−2−イル−7−スル
ホン酸ナトリウム−メタン、ナフチ−2’−イル−8’
−スルホン酸−ナフチ−2−イル−8−スルホン酸ナト
リウム−メタンなどが挙げられるが、これらに限定され
るものではない。
の全スルホン酸基に対するモル比は、好ましくは0.1
〜10、更に好ましくは0.5〜10、最も好ましくは
1〜10である。
て、酸解離定数pKa値が4.0以下のプロトン酸をド
ーパントとして添加してもよい。このようなドーパント
として、たとえば、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸などの
無機酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸、m−ニトロ安息香酸、トリクロロ酢酸などの有機
酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、
ポリビニル硫酸などのポリマー酸を挙げることができる
が、これらに限定されるものではない。
に存在するプロトン酸基の1〜100モル%がプロトン
酸(B)に由来しているのが好ましい。該割合は25〜
100モル%が更に好ましく、最も好ましくは50〜1
00モル%である。
は、ポリアニリン(A)に対して当量でもよいし、過剰
に加えてもさしつかえない。好ましくは1〜3当量であ
る。
しては特に限定はない。たとえば、アニリンおよび/ま
たはその誘導体とプロトン酸の溶液または懸濁液の混合
物に、酸化剤およびプロトン酸を含む溶液または酸化剤
を含む溶液を添加、重合反応を行なう方法が挙げられ
る。プロトン酸(B)を含むドーパントはアニリンおよ
び/またはその誘導体の酸化重合時に、添加してドープ
してもよい。また、上記の方法で得られたドープポリア
ニオンを、アンモニア水などの塩基で処理することによ
り脱ドープし、該脱ドープポリアニリンに再び所望のプ
ロトン酸(B)を含むドーパントを加えて本発明のポリ
アニリン組成物とすることもできる。アニリンおよび/
またはその誘導体は、通常行われる重合条件で重合され
る。たとえば、反応温度は−10℃から40℃の間で、
反応時間は30分から48時間の範囲内で、常圧下、反
応混合物を攪拌させて行なう。
水性溶剤とは、水、あるいは水と水と混和する有機溶剤
の混合溶剤を意味する。水と有機溶剤の比率はとくに限
定されない。上記有機溶剤としては、たとえば、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、
グリセリン、2−ブトキシエタノールなどのアルコール
類、アセトニトリルなどのニトリル類、アセトンなどの
ケトン類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸
類、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシドなどの極性溶剤類を用いることがで
きる。腐食性、毒性の低いものが好ましい。
ム、シートなどの成形物を製造する場合、他のマトリッ
クス高分子化合物と混合することができる。このような
マトリックス高分子化合物として、ポリエステル、ポリ
スチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン共重合体、
ポリブタジエン、ポリシロキサン、ポリカーボネート、
ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、A
BS樹脂などが挙げられる。
物がポリエステルのときは、ドーパントの側鎖にエステ
ル結合を多く含有させることによって、ドープポリアニ
リンのマトリックス高分子化合物に対する相溶性を高め
ることができる。また、ドープ状態ポリアニリンもしく
はその誘導体とマトリックス高分子化合物との混合比
は、後述するように薄膜化後の導電率が10-12 S/c
m以上であれば特に限定されるものではない。
物と混合する方法に特別な限定はないが、溶液状態で混
合するのが好ましい。たとえば、本発明の組成物の水性
溶液と高分子化合物の溶液を混合する方法、あるいは各
々を一度に水性溶剤に加え溶解させる方法などが挙げら
れる。
布し、乾燥させることによって導電性薄膜が得られる。
使用される基材に特別の限定はない。たとえば、ポリエ
ステル、ポリエチレンなどの高分子化合物、金、白金な
どの金属やガラスなどが使用される。基材の厚さも特に
限定はなく、使用目的によって適宜選択される。
-12 S/cm以上であるのが好ましい。さらに好ましい
導電率は10-9S/cm以上である。薄膜の膜厚も特に
限定はなく使用目的によって適宜選択される。一般に
は、10μm〜10-4μmが好ましい。
ニリン(A)のドーパントとして分子内にスルホン酸基
とスルホン酸塩部分を両方有するプロトン酸(B)を使
用することにある。すなち、プロトン酸(B)中のスル
ホン酸基によって中性のポリアニリン(A)がプロトン
化、ドーピングされ導電性を発現し、かつスルホン酸塩
部分によってポリアニリン(A)を水をはじめとする水
性溶剤に可溶となる特性を与えることができるようにな
る。この特殊なドーパントを使用することによってはじ
めて、水性溶剤に溶解しうる導電性のポリアニリン組成
物を提供することができ、良好な導電性をもつ薄膜が容
易に製造できることになる。
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
ナトリウム塩1gを蒸留水30mlに溶かし、イオン交
換樹脂(アンバーライトIR−120B)30gを加え
て、室温で15分間攪拌した。ガラスフィルターで濾別
後、イオン交換樹脂を蒸留水30mlで2回洗浄し、濾
液とあわせた。0.02規定の水酸化ナトリウム水溶液
で滴定し、定量的にスルホナトリウム基がスルホン酸基
に変換されていることを確かめた。その水溶液に2,
2’−ジナフチルメタン−6,6’−ジスルホン酸ナト
リウム塩3gを加えて溶かし、30分間室温で攪拌し、
ドーパント溶液とした。
に参考例1のドーパント溶液70mlとアニリン0.3
gを入れ、0℃に冷却した。重合酸化剤であるペルオキ
ソ二硫酸アンモニウム0.6gの水溶液10mlをあら
かじめ0℃に冷却しておき、10分間で滴下した。反応
混合物は、0℃に保ち20時間攪拌した。生成したドー
プポリアニリンは溶解しているが、アセトン/メチルエ
チルケトン(1:1,v/v)の混合溶剤に入れて析出
させ、遠心分離で上澄み液と分離した。室温で1日減圧
乾燥して、0.48gを得た。得られたポリアニリンを
ペレットに圧縮成形し、四端子法で測定すると、導電率
σ=2.2×10-5(S/cm)であった。水6mlと
2−ブトキシエタノール3mlの混合液にポリアニリン
0.2gを加え、超音波照射すると、均一な濃緑色の溶
液が得られた。この溶液をG4ガラスフィルターで濾過
すると、フィルター上に残存した不溶物は極めて少量で
あった。このポリアニリン0.1gを3%アンモニア水
10mlで室温で2時間処理し、濾別、水洗、乾燥し
て、脱ドープポリアニリンを得た。脱ドープポリアニリ
ンをNMPに溶解させ、GPCを行うとポリスチレン換
算で数平均分子量は12000、重量平均分子量は23
000であった。
バイロン樹脂RV−280の水/2−ブトキシエタノー
ル(2:1、v/v)溶液をいろいろな割合で混合し、
ポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布、薄膜化
(膜厚1μm)させ、導電率を測定した。結果を図1に
示す。得られた薄膜を光学顕微鏡(400倍)で観察す
ると、いずれの割合に於いても相分離は見られなかっ
た。ドープポリアニリンの割合が10、20、30、5
0wt%の全てのばあいにおける薄膜の密着性は100
%で、鉛筆硬度は2Hであった。これらの試験方法は以
下のとおりである。
盤目を刻み、セロハンテープを貼った後、剥離して、枡
目100個のうち残存した個数を数えた。
て、鉛筆引き掻き試験材を用い、荷重200gでの傷の
有無で試験した。
可溶性なので、これを水性溶液とし、該水性溶液を直接
基材上に塗布し、溶剤を除去して、フィルム化・薄膜化
することができる。このように本発明の組成物を使用す
ると、容易に導電性のポリアニチンフィルムが得られ、
例えば、帯電防止材料、透明導電性フィルムに好適に用
いられる。さらに溶液中で他の高分子材料と混合した後
にフィルム化・薄膜化することも可能である。
中の重量比率に対する導電率の変化を示すグラフであ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 ポリアニリンおよび/またはその誘導体
(A)、および分子内に少なくとも1つのスルホン酸基
および少なくとも1つのスルホン酸塩部分を有するプロ
トン酸(B)(但しエタンジスルホン酸、プロパンジス
ルホン酸、ブタンジスルホン酸、ヘキサンジスルホン
酸、ノナンジスルホン酸およびデカンジスルホン酸のう
ち少なくとも1つのスルホン酸塩部分を有するものを除
く)をドーパントとして含み、ドープ状態で水性溶剤に
可溶なことを特徴とする水性溶剤可溶性ポリアニリン組
成物。 - 【請求項2】 ポリアニリンおよび/またはその誘導体
(A)、および分子内に少なくとも1つのスルホン酸基
および少なくとも1つのスルホン酸塩部分を有するプロ
トン酸(B)(但しエタンジスルホン酸、プロパンジス
ルホン酸、ブタンジスルホン酸、ヘキサンジスルホン
酸、ノナンジスルホン酸およびデカンジスルホン酸のう
ち少なくとも1つのスルホン酸塩部分を有するものを除
く)をドーパントとして含むことを特徴とする導電性薄
膜。 - 【請求項3】 ポリアニリンおよび/またはその誘導体
(A)およびプロトン酸(B)を含む水性溶液を基材に
塗布し、乾燥させて得られることを特徴とする請求項2
記載の導電性薄膜。 - 【請求項4】 導電率が10-12 S/cm以上である請
求項2記載の導電性薄膜。 - 【請求項5】 ポリアニリンおよび/またはその誘導体
(A)、および分子内に少なくとも1つのスルホン酸基
および少なくとも1つのスルホン酸塩部分を有するプロ
トン酸(B)を含む水性溶液を基材に塗布し、乾燥させ
て得られることを特徴とする請求項2記載の導電性薄膜
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12905094A JP3427486B2 (ja) | 1994-06-10 | 1994-06-10 | 水性溶剤可溶性ポリアニリン組成物、これを用いた導電性薄膜およびその製造方法 |
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Publications (2)
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JPH07330901A JPH07330901A (ja) | 1995-12-19 |
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1994
- 1994-06-10 JP JP12905094A patent/JP3427486B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07330901A (ja) | 1995-12-19 |
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