JPH0980824A - 電子写真式直描型記録媒体およびそれを用いた電子写真式直描型平版印刷版 - Google Patents

電子写真式直描型記録媒体およびそれを用いた電子写真式直描型平版印刷版

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JPH0980824A
JPH0980824A JP7234136A JP23413695A JPH0980824A JP H0980824 A JPH0980824 A JP H0980824A JP 7234136 A JP7234136 A JP 7234136A JP 23413695 A JP23413695 A JP 23413695A JP H0980824 A JPH0980824 A JP H0980824A
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JP
Japan
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electrophotographic
type recording
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Application number
JP7234136A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Abe
和洋 阿部
Juji Konagaya
重次 小長谷
Chikao Morishige
地加男 森重
Yuji Yoshitani
雄司 由谷
Fumito Tani
文都 谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性の湿度依存性がなく安定性に優れ、導
電性の制御が可能であり、従って地汚れおよびトナー飛
びがなく、鮮明な画像を得られるような電子写真式直描
型記録媒体およびそれを用いた電子写真式直描型平版印
刷版を提供する。 【解決手段】 支持体と、支持体の片面上に形成された
導電層と、導電層上に形成された画像受理層とを含む電
子写真式直描型記録媒体であって、導電層が、ポリアニ
リンおよびその誘導体からなる群より選択される少なく
とも1種(A)と、プロトン酸(B)とを含有する導電
性組成物からなることを特徴とする電子写真式直描型記
録媒体、およびこれを用いた電子写真式直描型平版印刷
版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真式直描型
記録媒体およびそれを用いた電子写真式直描型平版印刷
版に関するものであり、さらに詳しくは、地汚れ、トナ
ー飛びがなく、画像の鮮明性等に優れた電子写真式直描
型記録媒体およびそれを用いた電子写真式直描型平版印
刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真式直描型記録媒体と
しては、紙や、プラスチックフィルムや合成紙を基材と
して導電層を介して画像受理層を設けた記録媒体が用い
られている。導電層中の導電剤としては、カチオン系、
アニオン系等の高分子導電剤、カーボン樹脂等の無機導
電剤が知られている。通常、この記録媒体上への記録方
法としては、電子写真複写機(PPC)またはレーザー
ビームプリンター5LBP)によりトナー画像を形成
し、これを記録媒体上に定着させる方法等が採用され、
一般的な記録やラベル等上への記録等、広範囲に利用さ
れている。また、この記録媒体を利用して平版印刷版を
作成するには、記録媒体上に上記方法により画像形成し
た後、これをエッチ液にて処理して非画像部を不感脂化
させる。これを原版として、平版印刷機にて多数枚の印
刷物を作るのに供される。
【0003】上記の記録媒体においては、画像受理層表
面に付着したトナーが定着工程で潰されて非画像部に付
着するいわゆる地汚れや、画像部の周辺にトナーが付着
するいわゆるトナー飛びの問題があり、ハードにおける
多くの改良にもかかわらず、特に支持体としてプラスチ
ックフィルムや合成紙を使用した記録媒体においては、
解決困難な問題であった。また、このような記録媒体を
用いた平版印刷版においては、紙を用いたものは耐水性
および寸法安定性に劣るため印刷時に位置ずれ等の問題
を生じることが多く、一方支持体にプラスチックや合成
紙を用いたものは、地汚れや、トナー飛びが著しく多く
なり、印刷物の品位に影響を及ぼすという問題があっ
た。
【0004】この問題を解決するために、上記導電層の
表面抵抗を導電剤濃度、分散条件、導電層厚み等を選択
することにより制御することが行われていた。しかし、
導電層として、高分子導電剤を用いた記録媒体において
は、湿度により導電性が変化し、また、無機導電剤を用
いた記録媒体においては、湿度による変化はないが導電
性の制御が困難であるため、安定した画像特性が得られ
ないという問題が生じてしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を解決しようとするものであり、その目的は、導電性の
湿度依存性がなく安定性に優れ、導電性の制御が可能で
あり、従って地汚れおよびトナー飛びがなく、鮮明な画
像を得られるような電子写真式直描型記録媒体およびそ
れを用いた電子写真式直描型平版印刷版を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体と、支
持体の片面上に形成された導電層と、導電層上に形成さ
れた画像受理層とを含む電子写真式直描型記録媒体であ
って、導電層が、ポリアニリンおよびその誘導体からな
る群より選択される少なくとも1種(A)と、プロトン
酸(B)とを含有する導電性組成物からなることを特徴
とする電子写真式直描型記録媒体である。好適な実施態
様は、上記導電層が、ポリアニリンおよびその誘導体か
らなる群より選択される少なくとも1種(A)と、プロ
トン酸(B)と、水溶性樹脂および水分散性樹脂からな
る群より選択される少なくとも1種(C) とを含有する
導電性組成物からなることであり、より好適には、上記
プロトン酸(B)が、分子内に少なくとも1つのスルホ
ン酸基および少なくとも1つのスルホン酸塩部分を有す
ることである。さらには上記導電層の表面抵抗値が、1
9 〜1014Ω/□である。また好適な実施態様は、上
記支持体が、ポリエステルおよび当該ポリエステルに非
相溶な熱可塑性樹脂を含有するフィルムであって、少な
くとも一軸に延伸された空洞含有ポリエステルフィルム
である。また好適な実施態様は、上記画像受理層が、Z
nO粒子を含有し、そしてその表面に突起を有し、表面
からの高さが2μmの位置にある突起の個数が200〜
1000個/mm2 であり、かつ表面からの高さが6μ
mの位置にある突起の個数が40〜400個/mm2
ある。またまた好適な実施態様は、上記画像受理層上へ
の画像形成方法が、インダイレクト電子写真法を利用す
るレーザープリンターで行われてなる。また本発明は、
電子写真式直描型記録媒体を用いて作成された電子写真
式直描型平版印刷版である。
【0007】次に本発明を詳細に説明する。本発明の電
子写真式直描型記録媒体は、支持体と、支持体の片面上
に形成された導電層と、導電層上に形成された画像受理
層とを含む。支持体は、紙またはプラスティックフィル
ムであり、紙にプラスティックを含浸したものや塗布し
たものでもよく、また単層であっても複層であってもよ
い。このようなプラスティックとしては、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエ
ステル、6−ナイロン等のナイロン、ポリプロピレン、
ポリエチレン等が挙げられ、単一の重合体であっても共
重合体であってもよい。中でも、機械的強度および耐熱
性に優れている点からポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート等のポリエステルが好ましい。
そのポリエステルはテレフタル酸、フタル酸、イソフタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸
またはそのエステルと、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール等のグリコールとを重縮合させて製造される
ポリエステルである。これらのポリエステルは芳香族ジ
カルボン酸とグリコールとを直接反応させる方法、芳香
族ジカルボン酸のアルキルエステルとグリコールとをエ
ステル交換反応させた後に重縮合させる方法、あるいは
芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮合さ
せる方法等によって製造される。かかるポリエステルの
代表例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンブチレンテレフタレートあるいはポリエチレン−
2,6−ナフタレートなどが挙げられる。このポリエス
テルはホモポリマーであってもよく、あるいは第三成分
も含んで重合したものであっても良い。本発明において
は、エチレンテレフタレート単位、ブチレンテレフタレ
ート単位あるいはエチレン−2、6−ナフタレート単位
が70モル%以上、好ましくは80モル%以上、更に好
ましくは90モル%以上であるポリエステルが好まし
い。
【0008】このポリエステルフィルムは、クッション
性および軽量性に優れることから、空洞含有ポリエステ
ルフィルムであることが好ましい。空洞含有ポリエステ
ルフィルムは、微細な空洞が多数均一に分散されたポリ
エステルフィルムであり、好ましくはフィルム全体の平
均空洞率が10〜40体積%である。
【0009】このような空洞含有ポリエステルフィルム
の特性は、見かけ比重により表され、その見かけ比重
は、好ましくは0.6〜1.3、より好ましくは0.9
〜1.2である。見かけ比重が0.6未満の場合、機械
的強度、耐熱性および腰の強さが劣り、逆に1.3を超
える場合、柔軟性および軽量性が劣るため好ましくな
い。
【0010】このような空洞含有ポリエステルフィルム
は、ポリエステルおよびポリエステルに非相溶な熱可塑
性樹脂を含有する。このポリエステルに非相溶な熱可塑
性樹脂は、ポリエステル中に混合されてフィルムに形成
された後、延伸工程にて少なくとも一軸に延伸され、ポ
リエステルとの界面で剥離が生じて空洞を形成するもの
である。ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂として
は、具体的には、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン
系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、ポリビニル系樹脂等が挙げられる。特にポリ
スチレン系樹脂や、ポリメチルペンテン、ポリプロピレ
ン、環状ポリオレフィン系等のポリオレフィン系樹脂が
好ましい。またこれらの樹脂は2種類以上併用してもよ
い。ポリエステルに混合されるポリエステルに非相溶な
熱可塑性樹脂の量は、目的とする空洞の含有量によって
異なってくるが、樹脂組成物全体に対して3〜40重量
%が好ましく、特に5〜20重量%が好ましい。この樹
脂の量が3重量%未満の場合、空洞の含有量が不足し
て、得られる空洞含有ポリエステルフィルムの柔軟性お
よび軽量性が不十分となるので好ましくない。逆に、当
該熱可塑性樹脂の量が40重量%を超える場合、得られ
る空洞含有ポリエステルフィルムの耐熱性、機械的強度
および腰の強さが損なわれるので好ましくない。
【0011】このような空洞含有ポリエステルフィルム
は、以下のように製造される。まずポリエステル樹脂
と、該ポリエステル樹脂に非相溶な樹脂を含む樹脂混合
物を溶融、押出し、次いで冷却固化して未延伸フィルム
を得る。溶融、押出し、冷却固化方法は、例えば、ポリ
エステルとポリエステルに非相溶な樹脂チップおよび/
または粒子を混合し、押出機内で溶融混線した後、押出
して固化する方法や、あらかじめ混線機によって両樹脂
を混練したものを更に押出機より溶融押出して固化する
方法や、ポリエステルの重合工程においてポリエステル
に非相溶な樹脂を添加し、攪拌分散して得たチップを溶
融押出して固化する方法等が採用される。得られた未延
伸シートは通常、無配向もしくは弱い配向状態にある。
またポリエステルに非相溶な樹脂は、この時、ポリエス
テル中に球状、楕円球状、もしくは糸状など様々な形状
で分散した形態をとって存在する。
【0012】次いでこの未延伸フィルムを縦方向に1段
もしくは多段で、好ましくは3.0倍以上に延伸した
後、縦方向に好ましくは3%以上の緩和熱処理を施す。
次いで好ましくは緩和処理後の縦延伸倍率以上の倍率で
横方向に延伸する。この時ポリエステル樹脂に分散され
たポリエステル樹脂に非相溶な樹脂は、ポリエステル樹
脂との界面で剥離が起こり多数の空洞で生ずる。以下に
延伸および緩和条件を詳しく説明する。
【0013】縦方向延伸工程においては、風速の異なる
2本あるいは多本数のロール間でフィルムの走行方向に
縦延伸が行われる。この時の加熱手段としては、加熱ロ
ールを使用する方法、あるいはロール等に非接触状態で
熱風や輻射熱等によって加熱する方法などを採用するこ
とができる。但し、この縦延伸工程で前記のポリエステ
ル樹脂に非相溶な樹脂の界面で効率よく多数の空洞を発
現させるには、延伸温度を好ましくはポリエステル樹脂
の2次転位温度Tg+10℃〜Tg+50℃の温度範囲
に設定し、延伸倍率を好ましくは3.0倍以上、より好
ましくは3.25〜5.0倍の範囲で縦延伸を行うのが
よい。この延伸倍率が3.0倍未満では、フィルム内部
に微細な空洞を十分に発現させることができず、フィル
ムの見かけ比重を1.3以下とすることが実質的に困難
になるので好ましくない。また延伸温度がTg+10℃
未満の場合、フィルムを製膜することができず、逆にT
g+50℃を超える場合、得られるフィルムに厚みムラ
が生じる。
【0014】縦延伸を行った後、縦方向に好ましくは3
%以上、より好ましくは5%以上の緩和処理を施す。こ
のときの緩和率は、緩和に先立って行われた縦延伸の倍
率によっても変わってくるが、緩和処理後の延伸倍率が
好ましくは2.8〜3.5倍となるように設定すること
が好ましい。
【0015】この緩和処理方法としては、一旦フィルム
を冷却した後、オーブンなどの加熱装置中で80〜15
0℃程度に再加熱する方法、あるいは60〜100℃に
加熱した駆動ロール群あるいはフリーロール群の間で緩
和処理を施す方法、更にはこれらの方法を適宜組み合わ
せて実施する方法などを採用することができる。中でも
好ましいのは、縦延伸の直後に冷却することなく張力を
暖めて緩和処理を施す方法であり、この方法では、より
均一な緩和処理をより効率よく遂行することができる。
【0016】緩和処理後、フィルムをテンターへ導入し
緩和処理後における縦延伸倍率以上の倍率で横延伸・熱
処理を行う。このときの好ましい延伸温度は、好ましく
は縦延伸・緩和処理の最高温度以上でかつポリエステル
の融点Tm−10℃以下の温度であり、より好ましくは
Tm−50℃以下の温度である。
【0017】かくして得られる2軸延伸された空洞含有
ポリエステルフィルムには、その後必要により熱固定の
ための熱処理が施される。この熱処理はテンター内で行
うのがよく、その温度はポリエステルの融点Tm−50
℃〜Tm℃の範囲が好ましい。この熱処理と平行して若
干の再延伸や横方向緩和を行うことも可能である。この
ような製造方法により、内部に微細な空洞を有する空洞
含有フィルムを得ることができる。
【0018】上記の支持体上に導電層が形成されてい
る。導電層の表面抵抗値は、好ましくは109 〜1014
Ω/□、より好ましくは109 〜1012Ω/□である。
この表面抵抗値が109 Ω/□、満の場合、得られる記
録媒体を用いた印刷物の画像濃度が薄くなることがあ
り、1014Ω/□を超える場合、印刷物にトナー飛びが
生じることがあるので好ましくない。導電層の表面抵抗
値は、ポリアニリンおよびその誘導体からなる群より選
択される少なくとも1種(A)の導電層中の含有量およ
び導電層の厚みを適宜選択することにより制御できる。
【0019】このような導電層は、ポリアニリンおよび
その誘導体からなる群より選択される少なくとも1種
(A)と、プロトン酸(B)とを含有する導電性組成物
からなる。ポリアニリンまたはその誘導体は、アニリン
またはその誘導体の重合体であり、好ましくは、下記の
一般式(1)で示されるアニリンまたはその誘導体を酸
化重合して得られるものである。
【0020】
【化1】
【0021】(式中、Rは同一または異なって、それぞ
れ独立して水素、アルキル基、アルケニル基、アルコキ
シ基、アルカノイル基、アルキルチオ基、アリールオキ
シ基、アルキルチオアルキル基、アリール基、アルキル
アリール基、アリールアルキル基、アルキルスルフィニ
ル基、アルコキシアルキル基、アルキルスルフォニル
基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アルキルアミ
ノ基、ジアルキルアミノ基、アリールチオ基、アリール
スルフィニル基、アリールスルフォニル基、カルボキシ
ル基、ハロゲン、シアノ基、ハロアルキル基、ニトロア
ルキル基、あるいはシアノアルキル基を示し、mは0〜
5の整数を示す)
【0022】具体例としては、アニリン、o−トルイジ
ン、m−トルイジン、o−エチルアニリン、m−エチル
アニリン、o−エトキシアニリン、m−ブチルアニリ
ン、m−へキシルアニリン、m−オクチルアニリン、
2,3−ジメチルアニリン、2,5−ジメチルアニリ
ン、2,5−ジメトキシアニリン、o−シアノアニリ
ン、2,5−ジクロロアニリン、2−ブロモアニリン、
5−クロロ−2−メトキシアニリン、3−フェノキシア
ニリンなどが挙げられ、中でも特にアニリンが好まし
い。
【0023】上記したアニリンまたはアニリン誘導体を
酸化重合する際に使用される酸化剤は特に限定されない
が、例えば、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、過酸化水
素水、第二塩化鉄なとが挙げられ、中でもペルオキソ二
硫酸アンモニウムが好ましい。
【0024】アニリン及び/またはその誘導体の酸化重
合の条件は、通常の条件が採用され、例えば、反応温度
は−10℃から40℃の間で、反応時間は30分から4
8時間の範囲内で、常圧下、反応混合物を攪拌させて行
われる。このようにして製造されたポリアニリン及び/
またはその誘導体の分子量は、好ましくは300〜50
0000、より好ましくは1000〜400000であ
る。
【0025】上記のポリアニリンおよび/またはその誘
導体(A)は、導電性組成物中、好ましくは10〜50
重量%、より好ましくは20〜40重量%、特に好まし
くは25〜35重量%含有される。この含有量が10重
量%未満の場合、印刷物にトナー飛びが発生しやすく、
逆に50重量%を超える場合、印刷物の画像濃度が薄く
なって好ましくない。
【0026】プロトン酸(B)はドーパントとして導電
性組成物に含有され、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、過塩
素酸等の無機酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンス
ルホン酸、m−ニトロ安息香酸、トリクロロ酢酸やさら
にポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポ
リビニル硫酸等のポリマー酸等が挙げられるが、導電性
組成物を水性溶剤に可溶化させることができ、環境衛生
面で好ましい点で、分子内に少なくとも1つのスルホン
酸基および少なくとも1つのスルホン酸塩部分を有する
プロトン酸が好ましい。このようなプロトン酸として、
例えば次に示す構造の化合物が例示される。
【0027】
【化2】
【0028】(式中、Mはナトリウムイオン、カリウム
イオン、アンモニウムイオンなどのカチオンを示し、X
は置換されていてもよいアルキレン基を示し、Yは水
素、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキ
ルチオ基、アルキルチオアルキル基、アリール基、アル
キルアリール基、アリールアルキル基、アルキルスルフ
ィニル基、アルコキシアルキル基、アルキルスルフィニ
ル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニト
リル基、ヒドロキシ基、ニトロ基またはハロゲンを示
し、複数存在する場合は同じでも異なっていてもよい。
Zは水素、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、
アルキルチオ基、アルキルチオアルキル基、アリール
基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルキ
ルスルフィニル基、アルコキシアルキル基、アルキルス
ルフォニル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル
基、ニトリル基、ヒドロキシ基、ニトロ基またはハロゲ
ンを示し、複数存在する場合は同じでも異なっていても
よい。nは1から4の整数、及びpは1から6の整数を
示す)。
【0029】Xの置換基として、例えば、アルキル基、
アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキ
ルチオアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、
アリールアルキル基、アルキルスルフィニル基、アルコ
キシアルキル基、アルキルスルフォニル基、アルコキシ
カルボニル基、カルボキシル基、ニトリル基、ヒドロキ
シ基、ニトロ基、ハロゲン基などが挙げられる。これら
は1種類で用いても、多種類用いても構わない。
【0030】好ましいXとして、メチレン基、エチレン
基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられ、特に好
ましいXとして、メチレン基、エチレン基が挙げられ
る。好ましいYとして、水素、アルキル基、アルコキシ
基、アリール基、アルコキシアルキル基、アルコキシカ
ルボニル基、カルボキシル基、ニトリル基、ヒドロキシ
ル基などが挙げられる。好ましいZとして、水素、アル
キル基、アルコキシ基、アリール基、アルコキシアルキ
ル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニト
リル基、ヒドロキシル基などが挙げられる。
【0031】このようなプロトン酸の具体例としては、
エタン−2−スルホン酸−1−スルホン酸ナトリウム、
ベンゼン−3−スルホン酸−1−スルホン酸ナトリウム
等が挙げられる。
【0032】上記プロトン酸中の全スルホン酸塩部分の
全スルホン酸基に対するモル比は、好ましくは0.1〜
10、最も好ましくは1〜10である。このモル比が
0.1未満の場合、導電性組成物が親水性が低下して水
溶化しにくくなり、逆にこのモル比が10を超える場
合、導電性が低下して好ましくない。
【0033】上記の分子内に少なくとも1つのスルホン
酸基および少なくとも1つのスルホン酸塩部分を有する
プロトン酸に加えて、必要に応じて、酸解離定数pKa
値が4.0以下のプロトン酸をドーパントとして添加し
てもよい。このようなドーパントとして、例えば、塩
酸、硫酸、硝酸、過塩素酸などの無機酸、ベンゼンスル
ホン酸、p−トルエンスルホン酸、m−ニトロ安息香
酸、トリクロロ酢酸などの有機酸、ポリスチレンスルホ
ン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニル硫酸などのポ
リマー酸を挙げることができるが、これに限定されるも
のではない。
【0034】ドーパントとして使用する全プロトン酸中
に存在するプロトン酸基の1〜100モル%が、上記の
分子内に少なくとも1つのスルホン酸基および少なくと
も1つのスルホン酸塩部分を有するプロトン酸に由来し
ているのが好ましい。この割合が1モル%未満の場合、
導電性が変化しやすく好ましくない。この割合は25〜
100モル%が更に好ましく、最も好ましくは50〜1
00モル%である。
【0035】導電性組成物中に含有されるプロトン酸
(B)の量は、ポリアニリンおよび/またはその誘導体
(A)に対して当量でもよいし、過剰に加えてもさしつ
かえない。好ましくは1〜3当量である。
【0036】導電性組成物の調製する方法としては特に
限定はない。例えばアニリン及び/またはその誘導体
(A)とプロトン酸(B)の溶液または懸濁液との混合
物に、酸化剤及びプロトン酸(B)を含む溶液または酸
化剤を含む溶液を添加、重合反応を行う方法、プロトン
酸(B)をアニリン及び/またはその誘導体(A)の酸
化重合時に添加する方法、上記の方法で得られたドープ
されたポリアニリン及び/またはその誘導体をアンモニ
ア水などの塩基で処理することにより脱ドープし、この
脱ドープされたポリアニリン及び/またはその誘導体に
再び所望のプロトン酸(B)を加える方法が挙げられ、
導電性組成物は、溶液状態として得られる。この時の溶
剤は、環境・安全・衛生面、廃液処理等の点から水性溶
剤が好ましい。
【0037】導電性組成物が溶解する水性溶剤は、水、
あるいは水と水と混和する有機溶剤の混合溶剤であり、
水と有機溶剤の比率は特に限定されない。上記有機溶剤
としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサンな
どのエーテル額、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、エチレングリコール、グリセリン、2−ブトキシエ
タノールなどのアルコール類、アセトニトリルなどのニ
トリル類、アセトンなどのケトン類、ギ酸、酢酸、プロ
ピオン酸などのカルボン酸類、N−メチルピロリドン、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなとの極
性溶剤類を用いることができる。腐食性、毒性の低いも
のが好ましい。
【0038】導電性組成物は上記の成分のみでも、塗布
性、延展性、表面強度の良い導電層を形成できるが、水
性溶剤に可溶な高分子化合物及び/または界面活性剤を
さらに併用混合して用いると、濡れ性の悪い支持体への
コートも可能となる。この目的に適した高分子化合物と
しては、例えばポリアクリルアミド、ポリビニルピロリ
ドンなどの水溶性樹脂;水酸基またはカルボン酸基を含
んだ水溶性または水分散性重合ポリエステル;ポリアク
リル酸、ポリメタクリル酸などのアクリル酸樹脂;ポリ
アクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルなどの
アクリル酸エステル樹脂;ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレートなどのエステル樹脂;
ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリクロロ
メチルスチレン、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニル
フェノールなどのビニルエーテル樹脂;ポリビニルアル
コール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール
などのポリビニルアルコール類;ノボラック、レゾール
などのフェノール樹脂などの高分子化合物が用いられ
る。なかでもポリエステル支持体との接着性の点から水
酸基またはカルボン酸基を含んだ水溶性または水分散性
共重合ポリエステルが好ましい。
【0039】界面活性剤としては、例えば、アルキルス
ルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルカル
ボン酸等の陰イオン界面活性剤;アルキルアミン、アル
キル4級アミンなどの陽イオン界面活性剤;カルボキシ
ベンダイン、アミノカルボン酸などの両性界面活性剤;
ポリ−キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステルなどの非イオン系界面活
性剤;およびフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオ
ロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルベンゼン
スルホン酸、パーフルオロアルキル4級アンモニウム、
パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノールな
どのフッ素系界面活性剤が用いられる。ポリエステル支
持体への濡れ性の向上の点からはフッ素系界面活性剤が
好ましい。
【0040】導電性組成物の塗布方法としては、グラビ
アロールコーティング法、リバースロールコーティング
法、ナイフコータ法、ディップコート法、スピンコート
法などが挙げられるが、特に制限されない。支持体への
塗布を製膜工程内で同時に行うインラインコート法と製
膜ロール製造後独立して行うオフラインコート法がある
が、用途に応じて好ましい方法を選ぶことが可能で、特
に制限はない。本発明のポリアニリン及び/またはその
誘導体は250℃以上の高温では不安定であるが、20
0℃で約3分間も熱安定性良好であるので、共存する高
分子化合物及び添加剤の種類にもよるが、通常短時間の
200℃の加熱ならば導電性に悪影響を与えない。むし
ろ、導電層の導電性の向上の点では、200℃付近で3
0秒以内加熱することが好ましい。
【0041】このような導電層上に、画像受理層が形成
されている。画像受理層は、バインダーと無機粒子およ
び/または有機粒子とを含有する組成物からなる。この
よううな粒子を含有することにより、画像受理層が親水
化される。バインダーとしては、例えばポリエチレン樹
脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、
メラミン樹脂等が挙げられ、中でもアクリル樹脂が好ま
しい。
【0042】無機粒子としては、例えば酸化亜鉛、シリ
カ、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられ、有機粒子と
しては、例えばポリスチレン粒子、ポリエステル粒子等
が挙げられる。画像受理層表面に突起を形成させるため
には、これらの粒子の平均粒径は、好ましくは2〜10
μm、より好ましくは3〜5μmである。平均粒径が上
記範囲外の場合、定着工程でトナーが潰れやすく、地汚
れが発生しやすく好ましくない。本発明では、画像受理
層の突起を形成するのに、粒径、硬さ等の点から平均粒
径2〜10μmのシリカ粒子が好ましい。また本発明の
電子写真式直描型記録媒体を電子写真式直描型平版印刷
版として使用する場合には、トナーのついた部分が親油
性になって油性インキがのってそれ以外の部分にはイン
クがのらないことが必要であるため、画像受理層は親水
性であることが好ましく、親水性層を形成する粒子とし
て平均粒径0.2〜0.9μmの酸化亜鉛が好ましい。
【0043】これらの粒子の含有量は、バインダー10
0重量部に対して好ましくは30〜90重量部、より好
ましくは40〜80重量部である。含有量が30重量部
未満の場合、画像受理層の親水性が不十分であり、逆に
90重量部を超えると画像受理層がもろくなって好まし
くない。
【0044】画像受理層は、その表面に突起を有してい
ることが好ましく、表面から2μmおよび6μmの高さ
の水平面で切断したときの単位面積当たりの突起の個数
を規定することによりその突起の大きさ、個数が表され
る。即ち、画像受理層表面からの高さが2μmの位置に
ある突起の個数が、好ましくは200〜1000個/m
2 、より好ましくは350〜850個/mm2 であ
り、かつ表面からの高さが6μmの位置にある突起の個
数が好ましくは40〜400個/mm2 、より好ましく
は70〜250個/mm2 である。突起が上記条件を満
たすと、トナーが突起と突起との間に入って定着工程で
つぶれにくくなり、地汚れが生じにくくなる。突起の個
数が上記範囲より少ないと、トナーが潰れ易く、突起個
数がこの範囲より多いと、トナーが突起の隙間にはいら
ずトナーが潰れ易くなり地汚れが目立ち好ましくない。
【0045】本発明においては、搬送性、制電性等の付
与のため、支持体の導電層形成面と反対面にマットコー
ト、帯電防止剤等を塗布することも可能である。
【0046】このようにして得られた電子写真式直描型
記録媒体の各層の厚みは、特に限定されるものではない
が、支持体の厚みは75〜200μm、導電層の厚みは
0.1〜10μm、画像受理層の厚みは3〜20μmが
好ましい。
【0047】このようにして得られた電子写真式直描型
記録媒体は、その画像受理層上にインダイレクト電子写
真法を利用するレーザープリンターにより画像形成され
る。また、この画像形成後の電子写真式直描型記録媒体
を用い、エッチ液により画像受理層表面を処理して非画
像部を不感脂化させることにより、電子写真式直描型平
版印刷版を作成することもできる。エッチ液としては、
フェロシアン塩、リン酸塩等の水溶液等が挙げられる。
【0048】
【作用】導電層が、ポリアニリンおよびその誘導体から
なる群より選択される少なくとも1種(A)と、プロト
ン酸(B)とを含有する導電性組成物からなることによ
り電子伝導となるので、低湿度下においても導電性の湿
度依存性がなく安定であり、またさらに上記組成物は水
溶性であるため、分散条件により表面抵抗値が左右され
ることがないので、ポリアニリンおよびその誘導体
(A)の含有量と導電層の厚みを適宜選択することによ
り制御が可能となる。従って、印刷時にトナー飛びがな
く、鮮明な画像を提供できる。また画像受理層上の突起
の大きさ、個数を特定の範囲に限定することにより、印
刷時の定着工程でトナーが突起に入り込むので、潰され
ることがなく、地汚れが発生しない。
【0049】
【実施例】次に本発明の実施例及び比較例を示すが本発
明はこれに限定されない。また本発明に用いる評価法を
以下に示す。 1)表面抵抗値 25℃で、15、50、95%RHの3条件下で印加電
圧500Vで二端子法により測定を行った。
【0050】2)トナー飛び 25℃で、15、50、95%RHの3条件下に24時
間放置したものをそれぞれ「(株)東芝」製レーザープ
リンターTN−7270・PS1を用いて出力した記録
媒体の画像部(画線部)の周囲を10倍に拡大して観察
し、トナーの付着の有無を評価した。 ○:トナー飛びがほとんど観察されない。 △:トナー飛びが一部観察される。 ×:トナー飛びがはっきりと観察される。
【0051】3)画像濃度 25℃で、15、50、95%RHの3条件下に24時
間放置したものをそれぞれ「(株)東芝」製レーザープ
リンターTN−7270・PS1を用いて出力した記録
媒体の画像部を10倍に拡大して、かすれ、色の濃さ等
を評価した。 ○:かすれもなく、はっきりと画像が観察される。 △:かすれはないが、画像濃度がやや薄い。 ×:かすれが観察され、画像濃度も薄い。
【0052】4)印刷物の画像の鮮明性 平版印刷版として使用する場合、25℃で、15、5
0、95%RHの3条件下に24時間放置したものをそ
れぞれ「(株)東芝」製レーザープリンターTN−72
70・PS1を用いて出力した。「リコー」のオフセッ
ト印刷機を用いて、出力した記録媒体の画像を紙に印刷
し、1000枚目の印刷物の汚れを評価し、これを平版
印刷版の印刷物の画像の鮮明性の評価とした。 ○:印刷物の画像部(画線部)の周囲に汚れがほとんど
観察されない。 △:印刷物の画像部(画線部)の周囲の一部に汚れが観
察される。 ×:印刷物の画像部(画線部)の周囲全体に汚れが観察
される。
【0053】合成例1 2,2’−ジナフチルメタン−6,6’−ジスルホン酸
ナトリウム塩1gを蒸留水30mlに溶かし、イオン交
換樹脂(アンバーライトIR−120B)30gを加え
て、室温で15分間攪拌した。ガラスフィルターで濾別
後、イオン交換樹脂を蒸留水30mlで2回洗浄し、濾
液とあわせた。0.02規定の水酸化ナトリウム水溶液
で滴定し、定量的にスルホナトリウム基がスルホン酸基
に変換されていることを確かめた。その水溶液に2,
2’−ジナフチルメタン−6,6’−ジスルホン酸ナト
リウム塩3gを加えて溶かし、30分間室温で攪拌し、
ドーパント溶液とした。
【0054】合成例2 攪拌器及び温度計を備えた3つ口フラスコ300mlに
合成例1のドーパント溶液70mlとアニリン0.3g
を入れ、0℃に冷却した。重合酸化剤であるペルオキソ
二硫酸アンモニウム0.6gの水溶液10mlをあらか
じめ0℃に冷却しておき、上記混合物に10分間で滴下
した。反応混合物は、0℃に保ち20時間攪拌した。生
成したドープポリアニリンは溶解していた。この溶液を
アセトン/メチルエチルケトン(1:1,v/v)の混
合溶剤に入れてポリアニリンを析出させ、遠心分離で上
澄み液と分離した。室温で1日減圧乾燥して、0.48
gを得た。得られたポリアニリンをペレットに圧縮成形
し、四端子法で測定すると、導電率σ=2.2×10-5
(S/cm)であった。水6mlと2−ブトキシエタノ
ール3mlの混合液にポリアニリン0.2gを加え、超
音波照射すると、均一な濃緑色の溶液が得られた。この
溶液をG4ガラスフィルターで濾過すると、フィルター
上に残存した不溶物は極めて少量であった。このポリア
ニリン0.1gを3%アンモニア水10mlで室温で2
時間処理し、濾別、水洗、乾燥して、脱ドープポリアニ
リンを得た。脱ドープポリアニリンをNMPに溶解さ
せ、GPCを行うとポリスチレン換算で数平均分子量は
12000、重量平均分子量は23000であった。
【0055】実施例1 ポリエステル樹脂と、ポリエステル樹脂に非相溶な樹脂
としてポリスチレン樹脂を用い、これらを混合、溶融、
押出し、冷却固化して未遠心フィルムを得た。次いでこ
れを縦および横方向に延伸することにより空洞を含有し
た100μm厚の白色ポリエステルフィルムを得た。こ
のフイルム上に、合成例2で調整した液と水分散性の東
洋紡績(株)製バイロナールMD−1200とを固形分
で3/7の割合に混合した溶液を塗布し、固形分厚み
0.05μmの導電層を形成した。さらにこの上にCa
CO3 (粒子径0.8μm)53部、ポリスチレン粒子
(粒子径6μm)12部、水溶性共重合ポリエステル3
5部をボールミルで2時間分散した分散液と水溶性共重
合ポリエステル、ウレタン樹脂(エラストロンH−
3)、帯電防止剤(ゴーセファイマ−)、および水を、
30/10.5/25/7.5/27の割合で混合した
塗布液をワイヤーバ一(#10)でコートし、160℃
で1分乾燥し、固形分厚み10μmの画像受理層を設け
て積層フィルムを得た。
【0056】実施例2 実施例1の画像受理層のかわりに、酸化亜鉛(境化学社
製:SAZEX#2000、粒子径0.02μm)6
2.5部、アクリル樹脂(大日本インキ社製:アクリデ
ィック44−179)5部、トルエン32.5部をボー
ルミルで2時間分散した分散液と、アクリル樹脂(大日
本インキ社製:アクリディック44−179)、アクリ
ル樹脂(三菱レーヨン社製:ダイヤナールLR−33
3)、シリカ(デグサ社製:HK125、2次粒子径4
μm)、トルエン及びシクロヘキサノンを34/0.3
/5.85/1.07/30.0/14.30の割合で
混合した塗布液をワイヤーバー(#10)でコートし、
160℃で1分乾燥し、固形分厚み7μmの画像受理層
を設けて積層フィルムを得た。
【0057】実施例3 実施例2において、合成例2で調整した液をさらにボー
ルミルで1時間分散してから塗布し導電層を形成した以
外は、実施例2と同様にして積層フィルムを得た。
【0058】実施例4 実施例2において、東洋紡績(株)製バイロナールMD
−1200の代わりにポリビニルアルコール(ポバー
ル)の水溶液を用いた以外は、実施例2と同様にして積
層フィルムを得た。
【0059】比較例1 実施例2において、合成例2で調整した液の代わりに、
チタン酸カリウムのウィスカー(大塚化学(株)、TI
STAT−PHS)、共重合ポリエステル樹脂(東洋紡
績(株)製:MD16)、水、インプロピルアルコール
を30/30/33/8の割合で混合し、さらにボール
ミルで1時間分散したものをワイヤーバー(#10)で
塗布し、160℃で1分乾燥し、固形分厚み2μmの導
電層を形成した以外は実施例2と同様にして積層フィル
ムを得た。
【0060】比較例2 実施例2において、合成例2で調整した液の代わりに、
アニオン系高分子溶液を塗布して導電層を形成した以外
は実施例2と同様にして積層フィルムを得た。
【0061】実施例1〜4および比較例1〜2で得られ
た積層フィルムについて、画像受理層の表面抵抗値を測
定した。また、この積層フィルムの画像受理層上に任意
の画像を「(株)東芝」製レーザープリンターTN−7
270・PS1を用いて出力し、トナー飛びおよび画像
濃度について評価した。さらに実施例2〜4および比較
例1〜3の積層フィルムについて、画像形成後の画像受
理層の表面をエッチ液(日研化学社製:PPクリーン
H)で処理した後、シナノケンシ社製TEXELAR0
1型オフセット印刷機にかけて、コート紙1万枚を実印
刷し、印刷物の画像の鮮明性を評価した。それらの結果
を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】表1により、実施例1〜3の電子写真式直
描型記録媒体は、導電層の表面抵抗値がいかなる湿度に
も変わらず、従ってトナー飛びがなく、画像濃度も高か
った。またこの電子写真式直描型記録媒体を用いた電子
写真式直描型平版印刷版は、1000枚目の印刷物も汚
れがなく、良好なものであった。一方、実施例2に比べ
て比較例1は導電性中間層塗布液の分散により、表面抵
抗が大きくなり、トナー飛びが生じ、鮮明な画像を得る
ことができなかった。また、比較例2は、低湿度では表
面抵抗が大きくなり、トナー飛びが発生し、高湿度では
逆に表面抵抗が小さくなり、画像濃度が薄くなり、いず
れも鮮明な画像及び印刷物を得ることができなかった。
【0064】
【発明の効果】以上の説明から明かなように、本発明の
電子写真式直描型記録媒体及び電子写真式直描型平版印
刷版は、導電性の湿度依存性がほとんどなく安定であ
り、分散条件等による表面抵抗値の変化がほとんどない
ため、導電性の制御が容易である。この様にトナー飛び
がなく、画像濃度も高く、鮮明な画像、印刷物が得られ
るため、電子写真式直描型記録媒体及び電子写真式直描
型平版印刷版として極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 由谷 雄司 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 谷 文都 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、支持体の片面上に形成された
    導電層と、導電層上に形成された画像受理層とを含む電
    子写真式直描型記録媒体であって、 導電層が、ポリアニリンおよびその誘導体からなる群よ
    り選択される少なくとも1種(A)と、プロトン酸
    (B)とを含有する導電性組成物からなることを特徴と
    する電子写真式直描型記録媒体。
  2. 【請求項2】 導電層が、ポリアニリンおよびその誘導
    体からなる群より選択される少なくとも1種(A)と、
    プロトン酸(B)と、水溶性樹脂および水分散性樹脂か
    らなる群より選択される少なくとも1種(C) とを含有
    する導電性組成物からなることを特徴とする請求項1に
    記載の電子写真式直描型記録媒体。
  3. 【請求項3】 プロトン酸(B)が、分子内に少なくと
    も1つのスルホン酸基および少なくとも1つのスルホン
    酸塩部分を有することを特徴とする請求項1または2に
    記載の電子写真式直描型記録媒体。
  4. 【請求項4】 導電層の表面抵抗値が、109 〜1014
    Ω/□であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の電子写真式直描型記録媒体。
  5. 【請求項5】 支持体が、ポリエステルおよび当該ポリ
    エステルに非相溶な熱可塑性樹脂を含有するフィルムで
    あって、少なくとも一軸に延伸された空洞含有ポリエス
    テルフィルムであることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載の電子写真式直描型記録媒体。
  6. 【請求項6】 画像受理層が、ZnO粒子を含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子写
    真式直描型記録媒体。
  7. 【請求項7】 画像受理層がその表面に突起を有し、表
    面からの高さが2μmの位置にある突起の個数が200
    〜1000個/mm2 であり、かつ表面からの高さが6
    μmの位置にある突起の個数が40〜400個/mm2
    であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載
    の電子写真式直描型記録媒体。
  8. 【請求項8】 画像受理層上への画像形成方法が、イン
    ダイレクト電子写真法を利用するレーザープリンターで
    行われてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    に記載の電子写真式直描型記録媒体。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれかに記載の電子写
    真式直描型記録媒体を用いて作成された電子写真式直描
    型平版印刷版。
JP7234136A 1995-09-12 1995-09-12 電子写真式直描型記録媒体およびそれを用いた電子写真式直描型平版印刷版 Pending JPH0980824A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1421635A2 (de) * 2001-08-24 2004-05-26 Covion Organic Semiconductors GmbH Lösungen polymerer halbleiter

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1421635A2 (de) * 2001-08-24 2004-05-26 Covion Organic Semiconductors GmbH Lösungen polymerer halbleiter

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