JPH0959783A - 燃料タンク用表面処理鋼板 - Google Patents
燃料タンク用表面処理鋼板Info
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- JPH0959783A JPH0959783A JP32071495A JP32071495A JPH0959783A JP H0959783 A JPH0959783 A JP H0959783A JP 32071495 A JP32071495 A JP 32071495A JP 32071495 A JP32071495 A JP 32071495A JP H0959783 A JPH0959783 A JP H0959783A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 Zn−X合金めっき+クロメートからなる燃料
タンク用表面処理鋼板を提供する。 【解決手段】 めっき皮膜全体のX含有量Ni:9〜18wt
%、Co:0.02〜3wt%、Mn:25〜45wt%、またはCr:8
〜20wt%、めっき付着量5〜40 g/m2 、金属Cr換算付着
量10〜200 mg/m2 のクロメート皮膜を備え、少なくとも
タンク内面側に相当する前記Zn−Niめっき皮膜が、表
面のクラックの密度1mm×1mmの視野中で1000〜150,00
0 個、かつクラック最大幅0.5 μm以下、或いはES
CA表面分析によるX/ (X+Zn) 原子百分比(X2)がX1
≠X2 (ただしX1:めっき全体の平均値) 、かつNi:5〜
25at%、Co:0.009 〜10at%、Mn:15〜65at%、または
Cr:5〜25at%。
タンク用表面処理鋼板を提供する。 【解決手段】 めっき皮膜全体のX含有量Ni:9〜18wt
%、Co:0.02〜3wt%、Mn:25〜45wt%、またはCr:8
〜20wt%、めっき付着量5〜40 g/m2 、金属Cr換算付着
量10〜200 mg/m2 のクロメート皮膜を備え、少なくとも
タンク内面側に相当する前記Zn−Niめっき皮膜が、表
面のクラックの密度1mm×1mmの視野中で1000〜150,00
0 個、かつクラック最大幅0.5 μm以下、或いはES
CA表面分析によるX/ (X+Zn) 原子百分比(X2)がX1
≠X2 (ただしX1:めっき全体の平均値) 、かつNi:5〜
25at%、Co:0.009 〜10at%、Mn:15〜65at%、または
Cr:5〜25at%。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料タンク用材
料、特にガソリン、ガソホールなどの燃料に対して高い
耐食性を示す、自動車や二輪車の燃料タンクの製造に適
した表面処理鋼板に関する。
料、特にガソリン、ガソホールなどの燃料に対して高い
耐食性を示す、自動車や二輪車の燃料タンクの製造に適
した表面処理鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車や二輪車などの燃料タンク用材料
には、溶接性ばかりでなく、外面側は一般の耐食性 (以
下、外面耐食性という) が、内面側はガソリンなどの燃
料に対する耐燃料腐食性が要求される。燃料タンク用材
料として、従来はターンシート(10〜25%Sn-Pb合金めっ
き鋼板) が広く使用されてきた。しかし、めっき皮膜
中のPbが人体に有害である、アルコール含有燃料を使
用した場合にアルコール酸化物にめっき皮膜が溶解され
易い、めっき皮膜のピンホールが不可避であって、め
っき皮膜より電気的に卑なFeがこのピンホールから優先
的に腐食される結果、耐孔あき腐食性が不十分になる、
といった問題点があり、代替材料が求められてきた。
には、溶接性ばかりでなく、外面側は一般の耐食性 (以
下、外面耐食性という) が、内面側はガソリンなどの燃
料に対する耐燃料腐食性が要求される。燃料タンク用材
料として、従来はターンシート(10〜25%Sn-Pb合金めっ
き鋼板) が広く使用されてきた。しかし、めっき皮膜
中のPbが人体に有害である、アルコール含有燃料を使
用した場合にアルコール酸化物にめっき皮膜が溶解され
易い、めっき皮膜のピンホールが不可避であって、め
っき皮膜より電気的に卑なFeがこのピンホールから優先
的に腐食される結果、耐孔あき腐食性が不十分になる、
といった問題点があり、代替材料が求められてきた。
【0003】特に、近年は環境問題を配慮した排ガス規
制により、ガソホールと呼ばれるガソリン/アルコール
混合燃料 (約15%のメタノールを含有するM15、約85重
量%のメタノールを含有するM85などがある) を代表例
とするアルコール含有燃料の使用が一部の国々で推進さ
れている。しかし、従来のターンシートは上述のように
アルコール含有燃料により腐食され易いため、アルコー
ル含有燃料に対する耐燃料腐食性に優れた燃料タンク用
材料の開発が急務となっている。
制により、ガソホールと呼ばれるガソリン/アルコール
混合燃料 (約15%のメタノールを含有するM15、約85重
量%のメタノールを含有するM85などがある) を代表例
とするアルコール含有燃料の使用が一部の国々で推進さ
れている。しかし、従来のターンシートは上述のように
アルコール含有燃料により腐食され易いため、アルコー
ル含有燃料に対する耐燃料腐食性に優れた燃料タンク用
材料の開発が急務となっている。
【0004】この観点から、耐食性とコストを考慮し
て、Zn−Ni合金電気めっき鋼板を燃料タンクに適用する
ことが従来より検討されてきた。従来技術としては次の
公報を挙げることができる。
て、Zn−Ni合金電気めっき鋼板を燃料タンクに適用する
ことが従来より検討されてきた。従来技術としては次の
公報を挙げることができる。
【0005】特開昭58−45396 号公報には、Ni含有量5
〜50wt%、厚さ 0.5〜20μmのZn−Ni合金めっきの上に
クロメート処理を施した燃料タンク用の表面処理鋼板が
示されている。
〜50wt%、厚さ 0.5〜20μmのZn−Ni合金めっきの上に
クロメート処理を施した燃料タンク用の表面処理鋼板が
示されている。
【0006】特開平5−106058号公報には、Ni含有量8
〜20wt%のZn−Ni合金めっきを10〜60 g/m2 の付着量で
設けた上にクロメート処理を施した燃料タンク用の表面
処理鋼板が示されている。
〜20wt%のZn−Ni合金めっきを10〜60 g/m2 の付着量で
設けた上にクロメート処理を施した燃料タンク用の表面
処理鋼板が示されている。
【0007】これらの表面処理鋼板は、外面耐食性は非
常に良好であるが、耐燃料腐食性はまだ十分とは言え
ず、特にアルコール含有燃料に塩水が混入した場合など
の非常に厳しい環境下では腐食が起こり易かった。ま
た、これを改善するため、クロメート皮膜またはめっき
皮膜を厚くすると、燃料タンク用材料として重要な性能
である溶接性が劣化するという問題があった。
常に良好であるが、耐燃料腐食性はまだ十分とは言え
ず、特にアルコール含有燃料に塩水が混入した場合など
の非常に厳しい環境下では腐食が起こり易かった。ま
た、これを改善するため、クロメート皮膜またはめっき
皮膜を厚くすると、燃料タンク用材料として重要な性能
である溶接性が劣化するという問題があった。
【0008】この他、特開昭62−27587 号公報に開示さ
れているように、Zn−Ni合金めっきの上にNiめっきを重
ねた二層めっき鋼板などについても検討が行われてきた
が、製造工程が増え、コスト高になるという問題があっ
た。
れているように、Zn−Ni合金めっきの上にNiめっきを重
ねた二層めっき鋼板などについても検討が行われてきた
が、製造工程が増え、コスト高になるという問題があっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ここに、本発明の目的
は、このようなZn−Ni合金めっき+クロメートの表面処
理鋼板の従来技術の問題点を解消すべく、アルコール含
有燃料を含む燃料に対する耐燃料腐食性を、溶接性を損
なわず、かつコストを実質的に増大させずに改善できる
技術を開発することである。
は、このようなZn−Ni合金めっき+クロメートの表面処
理鋼板の従来技術の問題点を解消すべく、アルコール含
有燃料を含む燃料に対する耐燃料腐食性を、溶接性を損
なわず、かつコストを実質的に増大させずに改善できる
技術を開発することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決すべく種々検討を重ねた結果、酸性浴を用いた
連続Zn−X (X=Ni、Co、Mn、Cr等、以下Xと省略))合
金電気めっき工程の最終段階で通電を停止し、めっき液
中に短時間の浸漬を行うと、耐燃料腐食性が著しく改善
されることに気付いた。その原因を究明した結果、この
酸性めっき液中での浸漬により、Zn−X合金めっき層に
クラックが発生し、こうして発生しためっき表面のクラ
ック密度およびクラックの最大幅が特定の範囲である時
に、耐燃料腐食性が向上することを見出した。
題を解決すべく種々検討を重ねた結果、酸性浴を用いた
連続Zn−X (X=Ni、Co、Mn、Cr等、以下Xと省略))合
金電気めっき工程の最終段階で通電を停止し、めっき液
中に短時間の浸漬を行うと、耐燃料腐食性が著しく改善
されることに気付いた。その原因を究明した結果、この
酸性めっき液中での浸漬により、Zn−X合金めっき層に
クラックが発生し、こうして発生しためっき表面のクラ
ック密度およびクラックの最大幅が特定の範囲である時
に、耐燃料腐食性が向上することを見出した。
【0011】また、その後の研究において、Zn−X合金
電気めっき鋼板を酸性めっき液中に浸漬すると、めっき
皮膜の最表面においてX含有量がめっき皮膜全体の平均
値より高くなりあるいは低くなり、この表層のX濃化
(またはZn濃化) も耐燃料腐食性、特にアルコール含有
燃料に対する耐燃料腐食性の向上に寄与していることが
判明し、表層におけるかかるZn−X合金めっき層の存在
によっても耐燃料腐食性を改善できることを見出した。
以上の知見に基づき本発明者らは次の第1および第2の
発明を完成した。
電気めっき鋼板を酸性めっき液中に浸漬すると、めっき
皮膜の最表面においてX含有量がめっき皮膜全体の平均
値より高くなりあるいは低くなり、この表層のX濃化
(またはZn濃化) も耐燃料腐食性、特にアルコール含有
燃料に対する耐燃料腐食性の向上に寄与していることが
判明し、表層におけるかかるZn−X合金めっき層の存在
によっても耐燃料腐食性を改善できることを見出した。
以上の知見に基づき本発明者らは次の第1および第2の
発明を完成した。
【0012】第1発明 めっき皮膜全体のX含有量Ni:9〜18wt%、Co:0.02〜3
wt%、Mn:25〜45%wt%、またはCr:8〜20%wt%、片
面当たりのめっき付着量5〜40g/m2の両面Zn−X (X=
Ni、Co、Mn、またはCr) 合金電気めっき鋼板の少なくと
もタンク内面側に相当するめっき皮膜面上に、金属Cr換
算付着量で10〜200 mg/m2 のクロメート皮膜を形成した
表面処理鋼板からなり、少なくともタンク内面側に相当
する該めっき皮膜が表面にクラックを有し、このクラッ
クの密度がめっき皮膜表面の1mm×1mmの視野中でのク
ラックに囲まれた領域の個数で表して1000〜150,000 個
の範囲であり、かつこのクラックの最大幅が0.5 μm以
下であることを特徴とする、燃料タンク用表面処理鋼
板。
wt%、Mn:25〜45%wt%、またはCr:8〜20%wt%、片
面当たりのめっき付着量5〜40g/m2の両面Zn−X (X=
Ni、Co、Mn、またはCr) 合金電気めっき鋼板の少なくと
もタンク内面側に相当するめっき皮膜面上に、金属Cr換
算付着量で10〜200 mg/m2 のクロメート皮膜を形成した
表面処理鋼板からなり、少なくともタンク内面側に相当
する該めっき皮膜が表面にクラックを有し、このクラッ
クの密度がめっき皮膜表面の1mm×1mmの視野中でのク
ラックに囲まれた領域の個数で表して1000〜150,000 個
の範囲であり、かつこのクラックの最大幅が0.5 μm以
下であることを特徴とする、燃料タンク用表面処理鋼
板。
【0013】第2発明 めっき皮膜全体のX含有量Ni:9〜18wt%、Co:0.02〜3
wt%、Mn:25〜45wt%、またはCr:8〜20wt%、片面当
たりのめっき付着量5〜40g/m2の両面Zn−X (X=Ni、
Co、Mn、またはCr) 合金電気めっき鋼板の少なくともタ
ンク内面側に相当するめっき皮膜面上に、金属Cr換算付
着量で10〜200 mg/m2 のクロメート皮膜を形成した表面
処理鋼板からなり、少なくともタンク内面側に相当する
前記Zn−Xめっき皮膜のESCAによる表面分析で求め
たX/(X+Zn) 原子百分比X2がX1≠X2 (ただし、X1:め
っき皮膜全体の平均値) であって、Ni:5〜25at%、Co:
0.009 〜10at%、Mn:15〜65at%、またはCr:5〜25at
%であることを特徴とする、燃料タンク用表面処理鋼
板。
wt%、Mn:25〜45wt%、またはCr:8〜20wt%、片面当
たりのめっき付着量5〜40g/m2の両面Zn−X (X=Ni、
Co、Mn、またはCr) 合金電気めっき鋼板の少なくともタ
ンク内面側に相当するめっき皮膜面上に、金属Cr換算付
着量で10〜200 mg/m2 のクロメート皮膜を形成した表面
処理鋼板からなり、少なくともタンク内面側に相当する
前記Zn−Xめっき皮膜のESCAによる表面分析で求め
たX/(X+Zn) 原子百分比X2がX1≠X2 (ただし、X1:め
っき皮膜全体の平均値) であって、Ni:5〜25at%、Co:
0.009 〜10at%、Mn:15〜65at%、またはCr:5〜25at
%であることを特徴とする、燃料タンク用表面処理鋼
板。
【0014】
【発明の実施の形態】上記の第1および第2のいずれの
発明においても、使用するめっき鋼板は、めっき皮膜全
体のX含有量がNi:9〜18wt%、Co:0.02〜3wt%、Mn:
25〜45wt%、またはCr:8〜20wt%、片面当たりのめっ
き付着量が5〜40 g/m2 の両面Zn−X(X=Ni、Co、M
n、またはCr) 合金電気めっき鋼板である。
発明においても、使用するめっき鋼板は、めっき皮膜全
体のX含有量がNi:9〜18wt%、Co:0.02〜3wt%、Mn:
25〜45wt%、またはCr:8〜20wt%、片面当たりのめっ
き付着量が5〜40 g/m2 の両面Zn−X(X=Ni、Co、M
n、またはCr) 合金電気めっき鋼板である。
【0015】めっき皮膜全体のX含有量とは、Zn−X合
金電気めっき直後のX含有量ではなく、第1発明ではめ
っき表面のクラック発生後の、第2発明ではめっき表層
のX濃化処理後のめっき皮膜全体のX含有量の平均値を
意味する。このX含有量は、例えば塩酸によるめっき皮
膜溶解液の分析によるZnおよびXの定量で求めることが
できる。
金電気めっき直後のX含有量ではなく、第1発明ではめ
っき表面のクラック発生後の、第2発明ではめっき表層
のX濃化処理後のめっき皮膜全体のX含有量の平均値を
意味する。このX含有量は、例えば塩酸によるめっき皮
膜溶解液の分析によるZnおよびXの定量で求めることが
できる。
【0016】このめっき全体のX含有量がそれぞれにつ
いて上述の範囲より低すぎる場合、外面耐食性および内
面の耐燃料腐食性とも十分でなく、一方X含有量がそれ
それの上述の範囲より高すぎると加工性および外面耐食
性が不十分となる。Niの場合、その含有量は、好ましく
は10〜14wt%、より好ましくは11〜13wt%である。
いて上述の範囲より低すぎる場合、外面耐食性および内
面の耐燃料腐食性とも十分でなく、一方X含有量がそれ
それの上述の範囲より高すぎると加工性および外面耐食
性が不十分となる。Niの場合、その含有量は、好ましく
は10〜14wt%、より好ましくは11〜13wt%である。
【0017】また、めっき付着量 (片面当たりの量、以
下同じ) が5g/m2より少ないと、内面と外面のいずれも
耐食性が不十分であり、一方40 g/m2 より多いと、実現
される性能が飽和して不経済である上、溶接性が劣化す
る。めっき付着量は好ましくは7〜30g/m2、より好まし
くは10〜25g/m2である。
下同じ) が5g/m2より少ないと、内面と外面のいずれも
耐食性が不十分であり、一方40 g/m2 より多いと、実現
される性能が飽和して不経済である上、溶接性が劣化す
る。めっき付着量は好ましくは7〜30g/m2、より好まし
くは10〜25g/m2である。
【0018】上記の第1発明によれば、少なくともタン
ク内面側に相当するZn−X合金めっき皮膜表面に前述の
ように1000〜150,000 個/mm2の範囲の密度でクラックを
発生させ、その上にクロメート処理を施すと、耐燃料腐
食性が飛躍的に向上する。その理由は必ずしも明らかで
はないが、このようなクラック中にクロメートが入り込
むことにより、クロメート皮膜が強固に固定されるアン
カー効果と、クラックにより耐食性に優れたクロメート
皮膜が覆う表面積が大きくなること、また非クラック型
のZn−X合金めっき鋼板ではプレス加工時にめっき皮膜
にクラックが発生し、下地の鋼板が露出することにより
耐食性が劣化するのに対し、めっき皮膜に予めクラック
を発生させ、そのクラックをクロメート皮膜で覆うこと
により、プレス加工時に新たに発生するクラックが少な
く、全体として耐食性が向上すること、などが考えられ
る。
ク内面側に相当するZn−X合金めっき皮膜表面に前述の
ように1000〜150,000 個/mm2の範囲の密度でクラックを
発生させ、その上にクロメート処理を施すと、耐燃料腐
食性が飛躍的に向上する。その理由は必ずしも明らかで
はないが、このようなクラック中にクロメートが入り込
むことにより、クロメート皮膜が強固に固定されるアン
カー効果と、クラックにより耐食性に優れたクロメート
皮膜が覆う表面積が大きくなること、また非クラック型
のZn−X合金めっき鋼板ではプレス加工時にめっき皮膜
にクラックが発生し、下地の鋼板が露出することにより
耐食性が劣化するのに対し、めっき皮膜に予めクラック
を発生させ、そのクラックをクロメート皮膜で覆うこと
により、プレス加工時に新たに発生するクラックが少な
く、全体として耐食性が向上すること、などが考えられ
る。
【0019】本発明では、クラックの密度は、めっき表
面の1mm×1mmの視野中でのクラックに囲まれた領域の
個数で表す。このクラック密度の測定は、サンプルのめ
っき表面の倍率1000倍のSEM (走査式電子顕微鏡) 写
真をランダムに30枚撮影し、各写真についてランダムに
設定した0.1 mm×0.1 mmの視野中にあるクラックに囲ま
れた領域の個数 (クラック個数) を画像解析により計数
することにより行う。30枚の写真で求めたこのクラック
個数の平均値を算出し、100 倍した値をクラック密度と
する。「クラックに囲まれた領域」とは、図1に模式的
に示すように、SEM写真において見られる、クラック
により島状に区画された領域のことである。
面の1mm×1mmの視野中でのクラックに囲まれた領域の
個数で表す。このクラック密度の測定は、サンプルのめ
っき表面の倍率1000倍のSEM (走査式電子顕微鏡) 写
真をランダムに30枚撮影し、各写真についてランダムに
設定した0.1 mm×0.1 mmの視野中にあるクラックに囲ま
れた領域の個数 (クラック個数) を画像解析により計数
することにより行う。30枚の写真で求めたこのクラック
個数の平均値を算出し、100 倍した値をクラック密度と
する。「クラックに囲まれた領域」とは、図1に模式的
に示すように、SEM写真において見られる、クラック
により島状に区画された領域のことである。
【0020】第1発明によれば、このようにして求めた
クラック密度が1000個以上、150000個以下となるように
Zn−X合金めっき皮膜表面にクラックを発生させること
により、ガソリンやガソホールによる腐食に対する耐食
性、つまり耐燃料腐食性が飛躍的に改善される。このク
ラック密度が150000個より大きくなると、クラックが多
すぎ、めっきの被覆率が小さくなりすぎて耐燃料腐食性
が劣化する。また、このクラック密度が1000個より少な
いと、耐燃料腐食性の改善効果がほとんど得られなくな
る。
クラック密度が1000個以上、150000個以下となるように
Zn−X合金めっき皮膜表面にクラックを発生させること
により、ガソリンやガソホールによる腐食に対する耐食
性、つまり耐燃料腐食性が飛躍的に改善される。このク
ラック密度が150000個より大きくなると、クラックが多
すぎ、めっきの被覆率が小さくなりすぎて耐燃料腐食性
が劣化する。また、このクラック密度が1000個より少な
いと、耐燃料腐食性の改善効果がほとんど得られなくな
る。
【0021】また、クラックの最大幅は0.5 μm以下と
する。クラックの最大幅は、上記の30枚のSEM写真の
0.1 mm×0.1 mmの視野中に存在するクラックの中で最大
のクラック幅を測定することにより求めた値である。こ
のクラック最大幅が0.5 μmを超えると、めっき皮膜の
環境遮断効果が阻害され、外面耐食性および耐燃料腐食
性がともに劣化する。好ましくは、クラック密度が1000
〜50000 個であり、クラックの最大幅は0.4μm 以下で
ある。
する。クラックの最大幅は、上記の30枚のSEM写真の
0.1 mm×0.1 mmの視野中に存在するクラックの中で最大
のクラック幅を測定することにより求めた値である。こ
のクラック最大幅が0.5 μmを超えると、めっき皮膜の
環境遮断効果が阻害され、外面耐食性および耐燃料腐食
性がともに劣化する。好ましくは、クラック密度が1000
〜50000 個であり、クラックの最大幅は0.4μm 以下で
ある。
【0022】Zn−X合金めっき皮膜の表面に上記のクラ
ックを発生させる方法は特に制限されず、めっき処理後
に曲げ戻しや引張などの塑性加工を行うことによる機械
的な方法も可能であるが、酸またはアルカリ水溶液によ
りエッチングすることによる化学的処理の方がクラック
密度の制御やクラックの均一性の面で優れているので好
ましい。
ックを発生させる方法は特に制限されず、めっき処理後
に曲げ戻しや引張などの塑性加工を行うことによる機械
的な方法も可能であるが、酸またはアルカリ水溶液によ
りエッチングすることによる化学的処理の方がクラック
密度の制御やクラックの均一性の面で優れているので好
ましい。
【0023】Zn−X合金電気めっきを酸性浴(例、硫酸
塩浴)で行う場合には、この酸性のめっき液をエッチン
グにも使用することができる。即ち、酸性浴中で鋼板に
通電してZn−X合金めっきを施す電気めっき処理におい
て、先に説明したように、めっきの最終段階で通電を停
止し、鋼板を無通電状態でめっき液に浸漬することによ
りめっき表面をエッチングし、クラックを発生させるこ
とができる。これにより、エッチング用に用意した別の
タンクや酸またはアルカリ水溶液を使用せず、従来のめ
っき装置とめっき液をそのまま使用して、めっき後のエ
ッチングを行い、必要なクラックをめっき表面に発生さ
せることができ、コストを抑え、工程数を増大させずに
効率よく、第1発明の表面処理鋼板が製造される。もち
ろん、めっき液の浸漬処理は、めっき浴の後に付設した
別の槽で実施することもできる。
塩浴)で行う場合には、この酸性のめっき液をエッチン
グにも使用することができる。即ち、酸性浴中で鋼板に
通電してZn−X合金めっきを施す電気めっき処理におい
て、先に説明したように、めっきの最終段階で通電を停
止し、鋼板を無通電状態でめっき液に浸漬することによ
りめっき表面をエッチングし、クラックを発生させるこ
とができる。これにより、エッチング用に用意した別の
タンクや酸またはアルカリ水溶液を使用せず、従来のめ
っき装置とめっき液をそのまま使用して、めっき後のエ
ッチングを行い、必要なクラックをめっき表面に発生さ
せることができ、コストを抑え、工程数を増大させずに
効率よく、第1発明の表面処理鋼板が製造される。もち
ろん、めっき液の浸漬処理は、めっき浴の後に付設した
別の槽で実施することもできる。
【0024】上記の第2発明によれば、少なくともタン
ク内面側に相当するZn−Xめっき皮膜のESCAによる
表面分析で求めたX/(X+Zn) 原子百分比X2がX1≠X2
(ただしX1:めっき皮膜全体のXの平均値) であり、Ni:
5〜25at%、Co:0.009 〜10at%、Mn:15〜65at%、ま
たはCr:5〜25at%となるようにめっき表層のX含有量
を、めっき全体のX含有量に比べて高めた後、あるいは
少なくした後、その上にクロメート処理を施すことによ
り、第1の発明と同様に、耐燃料腐食性が飛躍的に向上
する。その理由は必ずしも明らかではないが、めっき皮
膜の最表層に腐食されにくいXが濃化することで、ある
いはZnが濃化することで、耐食性が向上するのではない
かと考えられる。
ク内面側に相当するZn−Xめっき皮膜のESCAによる
表面分析で求めたX/(X+Zn) 原子百分比X2がX1≠X2
(ただしX1:めっき皮膜全体のXの平均値) であり、Ni:
5〜25at%、Co:0.009 〜10at%、Mn:15〜65at%、ま
たはCr:5〜25at%となるようにめっき表層のX含有量
を、めっき全体のX含有量に比べて高めた後、あるいは
少なくした後、その上にクロメート処理を施すことによ
り、第1の発明と同様に、耐燃料腐食性が飛躍的に向上
する。その理由は必ずしも明らかではないが、めっき皮
膜の最表層に腐食されにくいXが濃化することで、ある
いはZnが濃化することで、耐食性が向上するのではない
かと考えられる。
【0025】ESCAでは表面から光電子の脱出深度ま
での厚み(通常は表面から数nmまでの厚み)の表層部
が分析される。この方法で求めたX/ (X+Zn) 原子百
分比X2 が、それぞれのXについて上述の範囲より低い
場合、耐燃料腐食性の改善効果が十分ではなく、一方そ
れより高すぎる場合、めっき皮膜中の脱Znが進み過ぎ、
めっき皮膜に発生したクラックが大きくなりすぎるた
め、耐燃料腐食性がかえって劣化する。好ましくは、X
2 の百分比は、Ni: 5 〜21at%、Co:0.01〜4at%、M
n:15〜55at%、Cr:5〜24at%である。
での厚み(通常は表面から数nmまでの厚み)の表層部
が分析される。この方法で求めたX/ (X+Zn) 原子百
分比X2 が、それぞれのXについて上述の範囲より低い
場合、耐燃料腐食性の改善効果が十分ではなく、一方そ
れより高すぎる場合、めっき皮膜中の脱Znが進み過ぎ、
めっき皮膜に発生したクラックが大きくなりすぎるた
め、耐燃料腐食性がかえって劣化する。好ましくは、X
2 の百分比は、Ni: 5 〜21at%、Co:0.01〜4at%、M
n:15〜55at%、Cr:5〜24at%である。
【0026】Zn−X合金めっき皮膜の表層部のX含有量
を上記のように高めるあるいは減少させる方法として
は、Znを優先的に溶出できる酸またはアルカリ水溶液に
よりめっき皮膜をエッチングする方法が可能である。こ
の場合も、第1発明に関して説明したように、酸性めっ
き液をエッチングに利用し、電気めっき処理の最終段階
で通電を停止して、生成しためっき鋼板をめっき液中に
浸漬することによりエッチングを行うことが有利であ
る。
を上記のように高めるあるいは減少させる方法として
は、Znを優先的に溶出できる酸またはアルカリ水溶液に
よりめっき皮膜をエッチングする方法が可能である。こ
の場合も、第1発明に関して説明したように、酸性めっ
き液をエッチングに利用し、電気めっき処理の最終段階
で通電を停止して、生成しためっき鋼板をめっき液中に
浸漬することによりエッチングを行うことが有利であ
る。
【0027】以上の説明からわかるように、第1発明と
第2発明の表面処理鋼板は、その好適態様によれば、い
ずれもZn−X合金めっき後にエッチング処理を行う (好
ましくは酸性めっき液中で) ことにより製造でき、その
際のめっき付着量やめっき皮膜全体のX含有量は共通で
ある。そして、第1発明ではめっき表面のクラック密度
とクラック最大幅という因子 (因子とする) を規定す
ることにより、第2発明ではめっき最表面のX含有量
(X濃化あるいはZn濃化の程度) という因子 (因子と
する) を規定することにより、めっき内面側の耐燃料腐
食性を確保する。本発明においては、これらとの因
子の一方が上記規定を満たせばよく、両方の因子を同時
に満足する必要はない。
第2発明の表面処理鋼板は、その好適態様によれば、い
ずれもZn−X合金めっき後にエッチング処理を行う (好
ましくは酸性めっき液中で) ことにより製造でき、その
際のめっき付着量やめっき皮膜全体のX含有量は共通で
ある。そして、第1発明ではめっき表面のクラック密度
とクラック最大幅という因子 (因子とする) を規定す
ることにより、第2発明ではめっき最表面のX含有量
(X濃化あるいはZn濃化の程度) という因子 (因子と
する) を規定することにより、めっき内面側の耐燃料腐
食性を確保する。本発明においては、これらとの因
子の一方が上記規定を満たせばよく、両方の因子を同時
に満足する必要はない。
【0028】両面Zn−X合金電気めっき鋼板のタンク内
面側に相当するめっき皮膜は、好ましくは上記のように
酸性めっき液中に浸漬することにより、第1発明に規定
するようにクラックを発生させるか、または第2発明に
規定するようにめっき最表面のX含有量を高める。タン
ク外面側のめっき皮膜も同様に処理して、内面側と同様
にクラックを発生させるか、またはめっき最表面のX含
有量を濃化させることが好ましい。それにより、タンク
内面の耐燃料腐食性の向上に加えて、タンク外面の耐食
性も著しく向上する。また、実際問題として、酸性めっ
き液などへの浸漬によるエッチング処理をめっき鋼板の
片面のみに行うには、シールなどの工程が必要となり操
作が煩雑となるので、両面に等しくエッチングを行う方
が製造工程上からも有利である。
面側に相当するめっき皮膜は、好ましくは上記のように
酸性めっき液中に浸漬することにより、第1発明に規定
するようにクラックを発生させるか、または第2発明に
規定するようにめっき最表面のX含有量を高める。タン
ク外面側のめっき皮膜も同様に処理して、内面側と同様
にクラックを発生させるか、またはめっき最表面のX含
有量を濃化させることが好ましい。それにより、タンク
内面の耐燃料腐食性の向上に加えて、タンク外面の耐食
性も著しく向上する。また、実際問題として、酸性めっ
き液などへの浸漬によるエッチング処理をめっき鋼板の
片面のみに行うには、シールなどの工程が必要となり操
作が煩雑となるので、両面に等しくエッチングを行う方
が製造工程上からも有利である。
【0029】上記第1発明または第2発明に規定するZn
−X合金めっき皮膜を形成した後、少なくとも未塗装で
使用されるタンク内面側にはクロメート処理を施して、
めっき皮膜の上にクロメート皮膜を形成する。ほとんど
の燃料タンクでは、外面側は塗装されるため、高耐食性
のZn−X合金めっき皮膜があるだけで十分な場合が多
い。しかし、その上をクロメート皮膜で被覆すれば、外
面耐食性も飛躍的に向上するので、外面側にもクロメー
ト処理を施してもよい。
−X合金めっき皮膜を形成した後、少なくとも未塗装で
使用されるタンク内面側にはクロメート処理を施して、
めっき皮膜の上にクロメート皮膜を形成する。ほとんど
の燃料タンクでは、外面側は塗装されるため、高耐食性
のZn−X合金めっき皮膜があるだけで十分な場合が多
い。しかし、その上をクロメート皮膜で被覆すれば、外
面耐食性も飛躍的に向上するので、外面側にもクロメー
ト処理を施してもよい。
【0030】本発明において少なくともタンク内面側の
めっき面上に形成するクロメート皮膜は、金属Cr換算の
付着量が10〜200 mg/m2 となるように形成する。この付
着量が10 mg/m2未満では、タンク内面に必要な耐食性が
十分に発揮されず、一方200mg/m2 を越えるとシーム溶
接性などの溶接性が劣化する。タンク内面側のクロメー
ト皮膜の好ましい付着量は金属Cr換算で50〜180 mg/m2
である。
めっき面上に形成するクロメート皮膜は、金属Cr換算の
付着量が10〜200 mg/m2 となるように形成する。この付
着量が10 mg/m2未満では、タンク内面に必要な耐食性が
十分に発揮されず、一方200mg/m2 を越えるとシーム溶
接性などの溶接性が劣化する。タンク内面側のクロメー
ト皮膜の好ましい付着量は金属Cr換算で50〜180 mg/m2
である。
【0031】このクロメート皮膜は塗布型、電解型、反
応型の何れでもよい。吸湿性のあるCr6+がクロメート皮
膜中に多く含まれると、燃料中の水分がクロメート皮膜
の表面に吸着して固定されるため、その箇所が部分的に
腐食されることがある。従って、クロメート皮膜中のCr
6+の割合はできるだけ少ない方が好ましく、その意味で
はCr6+量を全Cr量の5%以下とすることが望ましい。
応型の何れでもよい。吸湿性のあるCr6+がクロメート皮
膜中に多く含まれると、燃料中の水分がクロメート皮膜
の表面に吸着して固定されるため、その箇所が部分的に
腐食されることがある。従って、クロメート皮膜中のCr
6+の割合はできるだけ少ない方が好ましく、その意味で
はCr6+量を全Cr量の5%以下とすることが望ましい。
【0032】本発明の別の好適態様にあっては、クロメ
ート皮膜の耐食性をさらに高めるため、皮膜中にシリカ
をSiO2/Cr重量比が 1.0〜10.0となる量だけ含有させ
る。この重量比が1.0 より小さいと、クロメート皮膜の
耐食性の向上効果が不十分であり、10.0を超えると、ク
ロメート液の安定性が劣化して操業に悪影響を及ぼすこ
とがあり、皮膜の加工性も劣化することがある。好まし
くは、このSiO2/Cr重量比は 1.5〜9.5 である。
ート皮膜の耐食性をさらに高めるため、皮膜中にシリカ
をSiO2/Cr重量比が 1.0〜10.0となる量だけ含有させ
る。この重量比が1.0 より小さいと、クロメート皮膜の
耐食性の向上効果が不十分であり、10.0を超えると、ク
ロメート液の安定性が劣化して操業に悪影響を及ぼすこ
とがあり、皮膜の加工性も劣化することがある。好まし
くは、このSiO2/Cr重量比は 1.5〜9.5 である。
【0033】本発明において使用するシリカ種に関して
は、吸水性の少ない乾式法シリカ (気相シリカまたはヒ
ュームドシリカ) の方が、湿式法シリカ (コロイダルシ
リカまたはシリカゾル) よりも良好である。クロメート
皮膜がシリカを含有する場合も、その金属Cr換算の付着
量は上記と同様でよい。
は、吸水性の少ない乾式法シリカ (気相シリカまたはヒ
ュームドシリカ) の方が、湿式法シリカ (コロイダルシ
リカまたはシリカゾル) よりも良好である。クロメート
皮膜がシリカを含有する場合も、その金属Cr換算の付着
量は上記と同様でよい。
【0034】前述したように、未塗装のままのタンク内
面側に比べて、塗装が施される外面側はクロメート皮膜
による耐食性向上の重要度が低いので、クロメート皮膜
の付着量を内面側より少なくしても、十分な耐食性を確
保できる。このようなクロメート皮膜の差厚化は、クロ
メート処理が煩雑になる場合があるものの、シーム溶接
性は著しく向上する。これは、シーム溶接では溶着面が
タンク内面−内面、電極側がタンク外面−外面となって
いるため、電極側が薄クロメート皮膜であると電極のク
ロメート付着による汚れが少なくなり、溶着面が厚クロ
メート皮膜であると電気抵抗が大きくなり、接合性が増
すためである。溶接性の向上にとって望ましいタンク外
面側のクロメート皮膜の付着量は、金属Cr換算で10〜10
0 mg/m2、特に10〜50 mg/m2の範囲である。
面側に比べて、塗装が施される外面側はクロメート皮膜
による耐食性向上の重要度が低いので、クロメート皮膜
の付着量を内面側より少なくしても、十分な耐食性を確
保できる。このようなクロメート皮膜の差厚化は、クロ
メート処理が煩雑になる場合があるものの、シーム溶接
性は著しく向上する。これは、シーム溶接では溶着面が
タンク内面−内面、電極側がタンク外面−外面となって
いるため、電極側が薄クロメート皮膜であると電極のク
ロメート付着による汚れが少なくなり、溶着面が厚クロ
メート皮膜であると電気抵抗が大きくなり、接合性が増
すためである。溶接性の向上にとって望ましいタンク外
面側のクロメート皮膜の付着量は、金属Cr換算で10〜10
0 mg/m2、特に10〜50 mg/m2の範囲である。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。実施例中の%は、特に指定のない限りwt%である。
る。実施例中の%は、特に指定のない限りwt%である。
【0036】実施例1 表面処理鋼板サンプルの作成 板厚0.8 mmのJIS SPCE相当の冷延鋼板に、下記条件にて
硫酸塩浴によるZn−X合金電気めっきを両面に施し、こ
のめっき浴をそのまま利用して、生成しためっき鋼板を
無通電で酸性のめっき液中に浸漬することにより両面の
めっき皮膜のエッチングを行い、Zn−X合金めっき皮膜
表面にクラックを導入した。クラック密度とクラック最
大幅は、めっき液への浸漬時間を変化させることにより
調整した。また、低クラック密度でクラック最大幅の大
きなZn−X合金めっき皮膜が必要な場合には、エッチン
グ後にめっき鋼板の二軸引張りを実施した。エッチング
処理しためっき皮膜表面のクラック密度とクラック最大
幅は、上述したようにSEM写真から求め、まためっき
皮膜全体のX含有量 (めっき層X含有量) もすでに述べ
た方法により測定した。
硫酸塩浴によるZn−X合金電気めっきを両面に施し、こ
のめっき浴をそのまま利用して、生成しためっき鋼板を
無通電で酸性のめっき液中に浸漬することにより両面の
めっき皮膜のエッチングを行い、Zn−X合金めっき皮膜
表面にクラックを導入した。クラック密度とクラック最
大幅は、めっき液への浸漬時間を変化させることにより
調整した。また、低クラック密度でクラック最大幅の大
きなZn−X合金めっき皮膜が必要な場合には、エッチン
グ後にめっき鋼板の二軸引張りを実施した。エッチング
処理しためっき皮膜表面のクラック密度とクラック最大
幅は、上述したようにSEM写真から求め、まためっき
皮膜全体のX含有量 (めっき層X含有量) もすでに述べ
た方法により測定した。
【0037】 〔Zn−X合金電気めっき条件〕 めっき浴組成: X (硫酸塩) 0.07 〜1.1 mol/L Zn (ZnSO4) 0.4 〜0.8 mol/L Na (Na2SO4) 1 mol/L pH 1.5〜2.0 (硫酸にて調整) めっき条件: 浴温 45 〜50℃ 電流密度 50 〜100 A/dm2 液流速 0.06 〜1.40 m/s 両面ともエッチング処理してめっき皮膜表面にクラック
を発生させたZn−X合金めっき鋼板の両面に、下記組成
の塗布型クロメート液をロールコーターで塗布し、150
〜300 ℃で焼付けてクロメート皮膜を形成し、第1発明
にかかる表面処理鋼板を作製した。なお、ロール塗布の
場合には、片面づつクロメート皮膜の付着量を制御でき
るので、シーム溶接性試験のサンプル作製においては、
内面側と外面側とでクロメート皮膜の付着量が異なるサ
ンプルも作製した。シリカとしては、平均一次粒子径が
7nmの乾式法シリカ (商品名アエロジル200)を用いた。
一部の試験では平均一次粒子径が10nmの湿式法シリカ
(商品名スノーテックスO)も使用した。
を発生させたZn−X合金めっき鋼板の両面に、下記組成
の塗布型クロメート液をロールコーターで塗布し、150
〜300 ℃で焼付けてクロメート皮膜を形成し、第1発明
にかかる表面処理鋼板を作製した。なお、ロール塗布の
場合には、片面づつクロメート皮膜の付着量を制御でき
るので、シーム溶接性試験のサンプル作製においては、
内面側と外面側とでクロメート皮膜の付着量が異なるサ
ンプルも作製した。シリカとしては、平均一次粒子径が
7nmの乾式法シリカ (商品名アエロジル200)を用いた。
一部の試験では平均一次粒子径が10nmの湿式法シリカ
(商品名スノーテックスO)も使用した。
【0038】〔クロメート処理液の組成〕 Cr3+ 10〜50 g/L Cr6+ 10〜50 g/L SiO2 0〜170 g/L こうして作製した表面処理鋼板のガソリンおよびアルコ
ール含有燃料に対する耐燃料腐食性、外面耐食性、およ
び溶接性を下記の方法で試験した。試験結果は図2〜図
9にグラフとしてまとめて示す。
ール含有燃料に対する耐燃料腐食性、外面耐食性、およ
び溶接性を下記の方法で試験した。試験結果は図2〜図
9にグラフとしてまとめて示す。
【0039】試験法 〔耐燃料腐食性〕表面処理鋼板のブランクを下記条件で
円筒絞り成形してカップを作製し、このカップの中に下
記組成のガソリンまたはガソホールの各試験液を30mlづ
つ注入し、容器を密閉して180 日目の内面の最大侵食深
さ(mm)により耐燃料腐食性を評価した。
円筒絞り成形してカップを作製し、このカップの中に下
記組成のガソリンまたはガソホールの各試験液を30mlづ
つ注入し、容器を密閉して180 日目の内面の最大侵食深
さ(mm)により耐燃料腐食性を評価した。
【0040】円筒絞り成形条件 ブランク径: 100 mm ポンチ径 : 50 mm ポンチ肩 : 5R ダイス径 : 51 mm ダイス肩 : 5R BH圧 : 10 KN 張出し高さ: 30 mm 面粗さ :#1200研磨 (注) アグレッシブメタノール<aggressive methanol>
は、無水メタノール95%と、0.1%NaCl + 0.08%Na2SO4 +
10%蟻酸を含む水溶液5%との混合液。
は、無水メタノール95%と、0.1%NaCl + 0.08%Na2SO4 +
10%蟻酸を含む水溶液5%との混合液。
【0041】〔外面耐食性〕表面処理鋼板のブランク
を、張出し高さを25 mm に変更した以外は上記の耐燃料
腐食性試験と同じ条件下で円筒絞り成形した後、エッジ
部をシールして、外面に対してJIS Z2371 に従ったSS
T (塩水噴霧試験) を1000時間行った。外面耐食性はS
ST1000時間後の最大侵食深さにより評価した。
を、張出し高さを25 mm に変更した以外は上記の耐燃料
腐食性試験と同じ条件下で円筒絞り成形した後、エッジ
部をシールして、外面に対してJIS Z2371 に従ったSS
T (塩水噴霧試験) を1000時間行った。外面耐食性はS
ST1000時間後の最大侵食深さにより評価した。
【0042】〔溶接性〕下記条件で連続シーム溶接試験
を100 m行った後、溶接部の断面ミクロ観察を行い、下
記基準で評価した。 シーム溶接条件 加圧力 : 300 kgf 通電時間: 3 cycles 休止時間: 2 cycles 電流 : 13000 A (本発明のZn−X合金電気めっき鋼板の場合) 14500 A (比較例のターンシートの場合) 速度 : 2.5 m/min溶接性評価基準 ○:溶着良好 △:ブローホール存在 ×:未溶着部あり 第2図〜第9図に示した試験の内容と条件は次の通りで
ある。
を100 m行った後、溶接部の断面ミクロ観察を行い、下
記基準で評価した。 シーム溶接条件 加圧力 : 300 kgf 通電時間: 3 cycles 休止時間: 2 cycles 電流 : 13000 A (本発明のZn−X合金電気めっき鋼板の場合) 14500 A (比較例のターンシートの場合) 速度 : 2.5 m/min溶接性評価基準 ○:溶着良好 △:ブローホール存在 ×:未溶着部あり 第2図〜第9図に示した試験の内容と条件は次の通りで
ある。
【0043】第2図 耐燃料腐食性に及ぼすめっき付着量の影響を示すグラフ
である。試験条件 めっき層X含有量:Ni:13 %、Co:0.3 %、Mn:34%、
Cr:13% 表面クラック密度:4300±500(個/1mm平方)、ただ
し、Niの場合は、3500個/1mm平方 最大クラック幅:0.1 μm クロメート付着量:65±5 mg/m2 クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
である。試験条件 めっき層X含有量:Ni:13 %、Co:0.3 %、Mn:34%、
Cr:13% 表面クラック密度:4300±500(個/1mm平方)、ただ
し、Niの場合は、3500個/1mm平方 最大クラック幅:0.1 μm クロメート付着量:65±5 mg/m2 クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
【0044】第3図(a) 〜(d) 耐燃料腐食性に及ぼすめっき皮膜全体のX含有量 (めっ
き層X含有量) の影響を示すグラフである。試験条件 めっき付着量:20±2g/m2 表面クラック密度:4300±500(個/1mm平方)、ただ
し、Niの場合は、3500個/1mm平方 最大クラック幅:0.1 μm クロメート付着量:65±5 mg/m2 クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(式法SiO2) 。
き層X含有量) の影響を示すグラフである。試験条件 めっき付着量:20±2g/m2 表面クラック密度:4300±500(個/1mm平方)、ただ
し、Niの場合は、3500個/1mm平方 最大クラック幅:0.1 μm クロメート付着量:65±5 mg/m2 クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(式法SiO2) 。
【0045】第4図 耐燃料腐食性に及ぼすめっき皮膜表面のクラック密度の
影響を示すグラフである。試験条件 めっき付着量:20±2 g/m2 めっき層X含有量:Ni:13 %、Co:0.3 %、Mn:34%、
Cr:13% 最大クラック幅:0.1 μm クロメート付着量:60±5 mg/m2 クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
影響を示すグラフである。試験条件 めっき付着量:20±2 g/m2 めっき層X含有量:Ni:13 %、Co:0.3 %、Mn:34%、
Cr:13% 最大クラック幅:0.1 μm クロメート付着量:60±5 mg/m2 クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
【0046】第5図 耐燃料腐食性に及ぼすクロメート皮膜付着量の影響を示
すグラフである。試験条件 めっき付着量:20±2 g/m2 めっき層X含有量:Ni:13 %、Co:0.3 %、Mn:34%、
Cr:13% クラック密度:4300±500(個/1mm平方)、ただし、Ni
の場合は、3500個/1mm平方 最大クラック幅:0.1 μm (×以外) クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
すグラフである。試験条件 めっき付着量:20±2 g/m2 めっき層X含有量:Ni:13 %、Co:0.3 %、Mn:34%、
Cr:13% クラック密度:4300±500(個/1mm平方)、ただし、Ni
の場合は、3500個/1mm平方 最大クラック幅:0.1 μm (×以外) クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
【0047】第6図 耐燃料腐食性に及ぼすクロメート皮膜中のシリカ含有量
(SiO2/Cr重量比) の影響を示すグラフである。試験条件 めっき付着量:20±2 g/m2 めっき層Ni含有量:Ni:13 %、Co:0.3 %、Mn:34%、
Cr:13% クラック密度:4300±500(個/1mm平方)、ただし、Ni
の場合は、3500個/1mm平方 最大クラック幅:0.1 μm クロメート付着量:65±5 mg/m2 シリカ種:乾式法 (×は湿式法) 。
(SiO2/Cr重量比) の影響を示すグラフである。試験条件 めっき付着量:20±2 g/m2 めっき層Ni含有量:Ni:13 %、Co:0.3 %、Mn:34%、
Cr:13% クラック密度:4300±500(個/1mm平方)、ただし、Ni
の場合は、3500個/1mm平方 最大クラック幅:0.1 μm クロメート付着量:65±5 mg/m2 シリカ種:乾式法 (×は湿式法) 。
【0048】第7図 外面耐食性に及ぼすめっき付着量の影響を示すグラフで
ある。試験条件 めっき層X含有量:Ni:13 %、Co:0.3 %、Mn:34%、
Cr:13% クラック密度:4300±500(個/1mm平方)、ただし、Ni
の場合は、3500個/1mm平方 最大クラック幅:0.1 μm クロメート付着量:65±5 mg/m2 クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
ある。試験条件 めっき層X含有量:Ni:13 %、Co:0.3 %、Mn:34%、
Cr:13% クラック密度:4300±500(個/1mm平方)、ただし、Ni
の場合は、3500個/1mm平方 最大クラック幅:0.1 μm クロメート付着量:65±5 mg/m2 クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
【0049】第8図(a) 〜(d) 外面耐食性に及ぼすめっき層のX含有量の影響を示すグ
ラフである。試験条件 めっき付着量:19 g/m2 表面クラック密度:4300±500(個/1mm平方)、ただ
し、Niの場合は、3500個/1mm平方 最大クラック幅:0.1 μm クロメート付着量:65±5 mg/m2 クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
ラフである。試験条件 めっき付着量:19 g/m2 表面クラック密度:4300±500(個/1mm平方)、ただ
し、Niの場合は、3500個/1mm平方 最大クラック幅:0.1 μm クロメート付着量:65±5 mg/m2 クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
【0050】第9図(a) 、(b) シーム溶接性に及ぼす内面側と外面側のクロメート付着
量の影響を示すグラフである。試験条件 X=Ni、Co めっき付着量:19 g/m2 めっき層X含有量:Ni:13 %、Co:0.3 % 表面クラック密度:4300±500(個/1mm平方)、ただ
し、Niの場合は、3500個/1mm平方 最大クラック幅:0.1 μm クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
量の影響を示すグラフである。試験条件 X=Ni、Co めっき付着量:19 g/m2 めっき層X含有量:Ni:13 %、Co:0.3 % 表面クラック密度:4300±500(個/1mm平方)、ただ
し、Niの場合は、3500個/1mm平方 最大クラック幅:0.1 μm クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
【0051】図2〜図8から、Zn−X合金めっき皮膜の
付着量が5〜40 g/m2 、めっき全体のX含有量がそれぞ
れNi:9〜18%、Co:0.02〜3%、Mn:25〜45%、Cr:8
〜20%の範囲内であると、外面側の耐食性が良好となる
(最大腐食深さ<0.1 mm) こと、および内面側の耐燃料
腐食性は、上記のめっき付着量とめっき層X含有量に加
えて、めっき表面のクラック密度とクラック最大幅が本
発明の範囲内であり、めっき上にクロメート皮膜を金属
Cr換算で10 mg/m2以上有している場合に良好となること
がわかる。
付着量が5〜40 g/m2 、めっき全体のX含有量がそれぞ
れNi:9〜18%、Co:0.02〜3%、Mn:25〜45%、Cr:8
〜20%の範囲内であると、外面側の耐食性が良好となる
(最大腐食深さ<0.1 mm) こと、および内面側の耐燃料
腐食性は、上記のめっき付着量とめっき層X含有量に加
えて、めっき表面のクラック密度とクラック最大幅が本
発明の範囲内であり、めっき上にクロメート皮膜を金属
Cr換算で10 mg/m2以上有している場合に良好となること
がわかる。
【0052】また、図9からは、燃料タンク内面側のク
ロメート皮膜を厚膜にし、タンク外面側のクロメート皮
膜を100 mg/m2 以下、特に50 mg/m2以下にするとシーム
溶接性が良好となることがわかる。
ロメート皮膜を厚膜にし、タンク外面側のクロメート皮
膜を100 mg/m2 以下、特に50 mg/m2以下にするとシーム
溶接性が良好となることがわかる。
【0053】実施例2 表面処理鋼板サンプルの作成 板厚0.8 mmのJIS SPCE相当の冷延鋼板に、実施例1と同
じ条件にて硫酸塩浴によるZn−X合金電気めっきを両面
に施し、このめっき浴をそのまま利用して、生成しため
っき鋼板を無通電で酸性のめっき液中に浸漬することに
より両面のめっき皮膜のエッチングを行い、Zn−X合金
めっき皮膜の最表層のX含有量をめっき全体のX含有量
より増大させた。このめっき最表層のX含有量は、めっ
き液への浸漬時間を変化させることにより調整した。エ
ッチング後のめっき最表層のX含有量 [X/ (X+Zn)
原子百分比として表示] をESCAにより測定した。
じ条件にて硫酸塩浴によるZn−X合金電気めっきを両面
に施し、このめっき浴をそのまま利用して、生成しため
っき鋼板を無通電で酸性のめっき液中に浸漬することに
より両面のめっき皮膜のエッチングを行い、Zn−X合金
めっき皮膜の最表層のX含有量をめっき全体のX含有量
より増大させた。このめっき最表層のX含有量は、めっ
き液への浸漬時間を変化させることにより調整した。エ
ッチング後のめっき最表層のX含有量 [X/ (X+Zn)
原子百分比として表示] をESCAにより測定した。
【0054】両面ともエッチング処理したZn−X合金め
っき鋼板の各めっき面上に、実施例1と同様にして塗布
型クロメート液の塗布と焼付けによりクロメート皮膜を
形成し、第2発明にかかる表面処理鋼板を作製した。使
用したシリカは実施例1で使用したのと同じ乾式法シリ
カであり、クロメート皮膜の付着量の基本は、片面 (タ
ンク内面側に相当) を120 mg/m2 、他面 (タンク外面側
に相当) を50 mg/m2と差厚化した。
っき鋼板の各めっき面上に、実施例1と同様にして塗布
型クロメート液の塗布と焼付けによりクロメート皮膜を
形成し、第2発明にかかる表面処理鋼板を作製した。使
用したシリカは実施例1で使用したのと同じ乾式法シリ
カであり、クロメート皮膜の付着量の基本は、片面 (タ
ンク内面側に相当) を120 mg/m2 、他面 (タンク外面側
に相当) を50 mg/m2と差厚化した。
【0055】こうして作製した表面処理鋼板のガソリン
およびアルコール含有燃料に対する耐燃料腐食性と外面
耐食性を、実施例1と同様の試験法により評価した。但
し、耐燃料腐食性の試験に用いた燃料の試験液は下記組
成のガソリン (図中▲) 、ガソホールM15 (図中●) お
よびガソホールM85 (図中○) の3種類であり、各試験
液を30mlづつ試験に使用した。
およびアルコール含有燃料に対する耐燃料腐食性と外面
耐食性を、実施例1と同様の試験法により評価した。但
し、耐燃料腐食性の試験に用いた燃料の試験液は下記組
成のガソリン (図中▲) 、ガソホールM15 (図中●) お
よびガソホールM85 (図中○) の3種類であり、各試験
液を30mlづつ試験に使用した。
【0056】 試験結果を図10〜図19にグラフとしてまとめて示す。各
図に示した試験の内容は次の通りである。耐燃料腐食性
に及ぼすめっき付着量の影響を示すグラフである。
図に示した試験の内容は次の通りである。耐燃料腐食性
に及ぼすめっき付着量の影響を示すグラフである。
【0057】第10図(a) 〜(d) 試験条件 めっき層X含有量:Ni:12 %、Co:0.3 %、Mn:34%、
Cr:13% めっき最表面X/(X+Zn) :Ni:6 at %、Co:0.4 at
%、Mn:50at%、Cr:17.5at% クロメート付着量:125 ±5 mg/m2 クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
Cr:13% めっき最表面X/(X+Zn) :Ni:6 at %、Co:0.4 at
%、Mn:50at%、Cr:17.5at% クロメート付着量:125 ±5 mg/m2 クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
【0058】第11図(a) 〜(d) 耐燃料腐食性に及ぼすめっき皮膜全体のX含有量 (めっ
き層X含有量) の影響を示すグラフである。試験条件 めっき付着量:20±2 g/m2 めっき最表面X/(X+Zn) :Ni:6 at %、Co:0.4 at
%、Mn:50at%、Cr:17.5at% クロメート付着量:125 ±5 mg/m2 クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
き層X含有量) の影響を示すグラフである。試験条件 めっき付着量:20±2 g/m2 めっき最表面X/(X+Zn) :Ni:6 at %、Co:0.4 at
%、Mn:50at%、Cr:17.5at% クロメート付着量:125 ±5 mg/m2 クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
【0059】第12図(a) 〜(d) 耐燃料腐食性に及ぼすめっき最表面のX含有量 [X/(X
+Zn) 原子百分比] の影響を示すグラフである。試験条件 めっき付着量:20±2 g/m2 めっき層X含有量:Ni:12 %、Co:0.3 %、Mn:34%、
Cr:13% クロメート付着量:125 ±5 mg/m2 クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
+Zn) 原子百分比] の影響を示すグラフである。試験条件 めっき付着量:20±2 g/m2 めっき層X含有量:Ni:12 %、Co:0.3 %、Mn:34%、
Cr:13% クロメート付着量:125 ±5 mg/m2 クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
【0060】第13図(a) 〜(d) 耐燃料腐食性に及ぼすクロメート皮膜付着量の影響を示
すグラフである。試験条件 めっき付着量:20±2 g/m2 めっき層X含有量:Ni:12 %、Co:0.3 %、Mn:34%、
Cr:13% めっき最表面X/(X+Zn) :Ni:6 at %、Co:0.4 at
%、Mn:50at%、Cr:17.5at% クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
すグラフである。試験条件 めっき付着量:20±2 g/m2 めっき層X含有量:Ni:12 %、Co:0.3 %、Mn:34%、
Cr:13% めっき最表面X/(X+Zn) :Ni:6 at %、Co:0.4 at
%、Mn:50at%、Cr:17.5at% クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
【0061】第14図(a) 〜(d) 耐燃料腐食性に及ぼすクロメート皮膜のシリカ含有量
(SiO2/Cr重量比) の影響を示すグラフである。試験条件 めっき付着量:20±2 g/m2 めっき層X含有量:Ni:12 %、Co:0.3 %、Mn:34%、
Cr:13% めっき最表面X/(X+Zn) :Ni:6 at %、Co:0.4 at
%、Mn:50at%、Cr:17.5at% クロメート付着量:125 ±5 mg/m2。
(SiO2/Cr重量比) の影響を示すグラフである。試験条件 めっき付着量:20±2 g/m2 めっき層X含有量:Ni:12 %、Co:0.3 %、Mn:34%、
Cr:13% めっき最表面X/(X+Zn) :Ni:6 at %、Co:0.4 at
%、Mn:50at%、Cr:17.5at% クロメート付着量:125 ±5 mg/m2。
【0062】第15図 外面耐食性に及ぼすめっき付着量の影響を示すグラフで
ある。試験条件 めっき層X含有量:Ni:12 %、Co:0.3 %、Mn:34%、
Cr:13% めっき最表面X/(X+Zn) :Ni:6 at %、Co:0.4 at
%、Mn:50at%、Cr:17.5at% クロメート付着量:50±5mg/m2 クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
ある。試験条件 めっき層X含有量:Ni:12 %、Co:0.3 %、Mn:34%、
Cr:13% めっき最表面X/(X+Zn) :Ni:6 at %、Co:0.4 at
%、Mn:50at%、Cr:17.5at% クロメート付着量:50±5mg/m2 クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
【0063】第16図(a) 〜(d) 外面耐食性に及ぼすめっき皮膜全体のX含有量 (めっき
層X含有量) のグラフである。試験条件 めっき付着量:20±2 g/m2 めっき最表面X/(X+Zn) :Ni:6 at %、Co:0.4 at
%、Mn:50at%、Cr:17.5at% クロメート付着量:50±5mg/m2 クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
層X含有量) のグラフである。試験条件 めっき付着量:20±2 g/m2 めっき最表面X/(X+Zn) :Ni:6 at %、Co:0.4 at
%、Mn:50at%、Cr:17.5at% クロメート付着量:50±5mg/m2 クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
【0064】第17図(a) 〜(d) 外面耐食性に及ぼすめっき最表面のX含有量 [X/ (X
+Zn) 原子百分比] の影響を示すグラフである。試験条件 めっき付着量:20±2 g/m2 めっき層X含有量:Ni:12 %、Co:0.3 %、Mn:34%、
Cr:13% クロメート付着量:50±5 mg/m2 クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
+Zn) 原子百分比] の影響を示すグラフである。試験条件 めっき付着量:20±2 g/m2 めっき層X含有量:Ni:12 %、Co:0.3 %、Mn:34%、
Cr:13% クロメート付着量:50±5 mg/m2 クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
【0065】第18図 外面耐食性に及ぼすクロメート皮膜付着量の影響を示す
グラフである。試験条件 めっき付着量:20±2 g/m2 めっき層X含有量:Ni:12 %、0.3 %、Mn:34%、Cr:
13% めっき最表面X/(X+Zn) :Ni:6 at %、Co:0.4 at
%、Mn:50at%、Cr:17.5at% クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
グラフである。試験条件 めっき付着量:20±2 g/m2 めっき層X含有量:Ni:12 %、0.3 %、Mn:34%、Cr:
13% めっき最表面X/(X+Zn) :Ni:6 at %、Co:0.4 at
%、Mn:50at%、Cr:17.5at% クロメート中SiO2/Cr:2.0 ±0.1(乾式法SiO2) 。
【0066】第19図 外面耐食性に及ぼすクロメート皮膜のシリカ含有量 (Si
O2/Cr重量比) の影響を示すグラフである。試験条件 めっき付着量:20±2 g/m2 めっき層X含有量:12±0.3 % めっき最表面X/(X+Zn) :Ni:6 at %、Co:0.4 at
%、Mn:50at%、Cr:17.5at% クロメート付着量:50±5 mg/m2。
O2/Cr重量比) の影響を示すグラフである。試験条件 めっき付着量:20±2 g/m2 めっき層X含有量:12±0.3 % めっき最表面X/(X+Zn) :Ni:6 at %、Co:0.4 at
%、Mn:50at%、Cr:17.5at% クロメート付着量:50±5 mg/m2。
【0067】図10〜図19から、Zn−X合金めっき皮膜の
付着量が5〜40 g/m2 、めっき全体のX含有量がそれぞ
れNi:9〜18%、Co:0.02〜3%、Mn:25〜45%、Cr:8
〜20%の範囲内であると、外面側の耐食性が良好となる
(最大腐食深さ<0.4 mm、好ましくは<0.2 mm) こと、
および内面側の耐燃料腐食性は、上記のめっき付着量と
めっき層X含有量に加えて、めっき最表面のX含有量が
X/(X+Zn) 比でNi:5〜25at%、Co:0.009 〜10at%、
Mn:15〜65at%、Cr:5〜25at%の範囲であり、めっき
上にクロメート皮膜を金属Cr換算で10 g/m2 以上有して
いる場合に良好となることがわかる。また、このような
めっき最表面のX含有量およびクロメート皮膜付着量
は、外面耐食性の向上効果もあることがわかる。
付着量が5〜40 g/m2 、めっき全体のX含有量がそれぞ
れNi:9〜18%、Co:0.02〜3%、Mn:25〜45%、Cr:8
〜20%の範囲内であると、外面側の耐食性が良好となる
(最大腐食深さ<0.4 mm、好ましくは<0.2 mm) こと、
および内面側の耐燃料腐食性は、上記のめっき付着量と
めっき層X含有量に加えて、めっき最表面のX含有量が
X/(X+Zn) 比でNi:5〜25at%、Co:0.009 〜10at%、
Mn:15〜65at%、Cr:5〜25at%の範囲であり、めっき
上にクロメート皮膜を金属Cr換算で10 g/m2 以上有して
いる場合に良好となることがわかる。また、このような
めっき最表面のX含有量およびクロメート皮膜付着量
は、外面耐食性の向上効果もあることがわかる。
【0068】実施例3 本例では実施例2を繰り返したが、比較のためにめっき
終了後エッチングを行なわなかった場合をも示す。X1≠
X2の臨界性が明らかである。耐燃料腐食性が向上する理
由は必ずしも明らかではないが、めっき皮膜の最表面に
腐食されにくいNi (またはZn) が濃化することで、耐食
性が向上するのではないかと考える。
終了後エッチングを行なわなかった場合をも示す。X1≠
X2の臨界性が明らかである。耐燃料腐食性が向上する理
由は必ずしも明らかではないが、めっき皮膜の最表面に
腐食されにくいNi (またはZn) が濃化することで、耐食
性が向上するのではないかと考える。
【0069】
【表1】
【0070】
【発明の効果】本発明の燃料タンク用表面処理鋼板は、
ガソリンのみならず、ガソホールなどのアルコール含有
燃料に対しても高い耐燃料腐食性を示し、従来のZn−X
合金電気めっき装置をそのまま使用して効率よく安価に
製造でき、かつ人体に有害なPbを含有しないため安全性
にも優れている。
ガソリンのみならず、ガソホールなどのアルコール含有
燃料に対しても高い耐燃料腐食性を示し、従来のZn−X
合金電気めっき装置をそのまま使用して効率よく安価に
製造でき、かつ人体に有害なPbを含有しないため安全性
にも優れている。
【図1】SEM写真に現れるZn−X合金めっき皮膜表面
のクラックを示す模式図である。
のクラックを示す模式図である。
【図2】耐燃料腐食性に及ぼすめっき付着量の影響を示
すグラフである。
すグラフである。
【図3】図3(a) 〜(d) は、耐燃料腐食性に及ぼすめっ
き皮膜全体のX含有量 (めっき層X含有量) の影響を示
すグラフである。
き皮膜全体のX含有量 (めっき層X含有量) の影響を示
すグラフである。
【図4】耐燃料腐食性に及ぼすめっき皮膜表面のクラッ
ク密度の影響を示すグラフである。
ク密度の影響を示すグラフである。
【図5】耐燃料腐食性に及ぼすクロメート皮膜付着量の
影響を示すグラフである。
影響を示すグラフである。
【図6】耐燃料腐食性に及ぼすクロメート皮膜中のシリ
カ含有量 (SiO2/Cr重量比) の影響を示すグラフであ
る。
カ含有量 (SiO2/Cr重量比) の影響を示すグラフであ
る。
【図7】外面耐食性に及ぼすめっき付着量の影響を示す
グラフである。
グラフである。
【図8】図8(a) 〜(d) は、外面耐食性に及ぼすめっき
層のX含有量の影響を示すグラフである。
層のX含有量の影響を示すグラフである。
【図9】図9(a) 、(b) は、それぞれZn−X( X=Ni、
Co) の場合のシーム溶接性に及ぼす内面側と外面側のク
ロメート付着量の影響を示すグラフである。
Co) の場合のシーム溶接性に及ぼす内面側と外面側のク
ロメート付着量の影響を示すグラフである。
【図10】図10(a) 〜(d) は、耐燃料腐食性に及ぼすめ
っき付着量の影響を示すグラフである。
っき付着量の影響を示すグラフである。
【図11】図11(a) 〜(d) は、耐燃料腐食性に及ぼすめ
っき皮膜全体のX含有量 (めっき層X含有量) の影響を
示すグラフである。
っき皮膜全体のX含有量 (めっき層X含有量) の影響を
示すグラフである。
【図12】図12(a) 〜(d) は、耐燃料腐食性に及ぼすめ
っき最表層のX含有量 [X/(X+Zn) 原子百分比] の影
響を示すグラフである。
っき最表層のX含有量 [X/(X+Zn) 原子百分比] の影
響を示すグラフである。
【図13】図13(a) 〜(d) は、耐燃料腐食性に及ぼすク
ロメート皮膜付着量の影響を示すグラフである。
ロメート皮膜付着量の影響を示すグラフである。
【図14】図14(a) 〜(d) は、耐燃料腐食性に及ぼすク
ロメート皮膜のシリカ含有量 (SiO2/Cr重量比) の影響
を示すグラフである。
ロメート皮膜のシリカ含有量 (SiO2/Cr重量比) の影響
を示すグラフである。
【図15】外面耐食性に及ぼすめっき付着量の影響を示
すグラフである。
すグラフである。
【図16】図16(a) 〜(d) は、外面耐食性に及ぼすめっ
き皮膜全体のX含有量 (めっき層X含有量) の影響を示
すグラフである。
き皮膜全体のX含有量 (めっき層X含有量) の影響を示
すグラフである。
【図17】図17(a) 〜(d) は、外面耐食性に及ぼすめっ
き最表層のNi含有量 [X/(X+Zn) 原子百分比] の影響
を示すグラフである。
き最表層のNi含有量 [X/(X+Zn) 原子百分比] の影響
を示すグラフである。
【図18】外面耐食性に及ぼすクロメート皮膜付着量の
影響を示すグラフである。
影響を示すグラフである。
【図19】外面耐食性に及ぼすクロメート皮膜のシリカ
含有量 (SiO2/Cr重量比) の影響を示すグラフである。
含有量 (SiO2/Cr重量比) の影響を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柏木 宏之 茨城県鹿嶋市大字光3番地 住友金属工業 株式会社鹿島製鉄所内 (72)発明者 土屋 伸一 茨城県鹿嶋市大字光3番地 住友金属工業 株式会社鹿島製鉄所内
Claims (2)
- 【請求項1】 めっき皮膜全体の合金元素X (X=Ni、
Co、Mn、またはCr等) の含有量がそれぞれNi:9〜18wt
%、Co:0.02〜3wt%、Mn:25〜45wt%、またはCr:8
〜20wt%、片面当たりのめっき付着量が5〜40 g/m2 の
両面Zn−X (X=Ni、Co、Mn、またはCr) 合金電気めっ
き鋼板の少なくともタンク内面側に相当するめっき皮膜
面上に、金属Cr換算付着量で10〜200 mg/m2 のクロメー
ト皮膜を形成した表面処理鋼板からなり、少なくともタ
ンク内面側に相当する該めっき皮膜が表面にクラックを
有し、このクラックの密度がめっき皮膜表面の1mm×1
mmの視野中でのクラックに囲まれた領域の個数で表して
1000〜150,000 個の範囲であり、かつこのクラックの最
大幅が0.5 μm以下であることを特徴とする、燃料タン
ク用表面処理鋼板。 - 【請求項2】 めっき皮膜全体の合金元素X (X=Ni、
Co、Mn、またはCr等) の含有量がそれぞれNi:9〜18wt
%、Co:0.02〜3wt%、Mn:25〜45wt%、またはCr:8
〜20wt%、片面当たりのめっき付着量が5〜40 g/m2 の
両面Zn−X (X=Ni、Co、Mn、またはCr) 合金電気めっ
き鋼板の少なくともタンク内面側に相当するめっき皮膜
面上に、金属Cr換算付着量で10〜200 mg/m2 のクロメー
ト皮膜を形成した表面処理鋼板からなり、少なくともタ
ンク内面側に相当する該めっき皮膜のESCAによる表
面分析で求めたX/ (X+Zn) 原子百分比(X2)がX1≠X2
(ただしX1:めっき皮膜全体の平均値) であって、Ni:
5〜25at%、Co:0.009〜10at%、Mn:15〜65at%、ま
たはCr:5〜25at%であることを特徴とする、燃料タン
ク用表面処理鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32071495A JPH0959783A (ja) | 1994-12-08 | 1995-12-08 | 燃料タンク用表面処理鋼板 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30512594 | 1994-12-08 | ||
JP15039495 | 1995-06-16 | ||
JP7-150394 | 1995-06-16 | ||
JP6-305125 | 1995-06-16 | ||
JP32071495A JPH0959783A (ja) | 1994-12-08 | 1995-12-08 | 燃料タンク用表面処理鋼板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0959783A true JPH0959783A (ja) | 1997-03-04 |
Family
ID=27319912
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32071495A Pending JPH0959783A (ja) | 1994-12-08 | 1995-12-08 | 燃料タンク用表面処理鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0959783A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6387538B1 (en) | 1998-12-01 | 2002-05-14 | Pohang Iron & Steel Co., Ltd. | Surface-treated steel sheet for fuel tanks and method of fabricating same |
JP2011021279A (ja) * | 2004-03-10 | 2011-02-03 | Jfe Steel Corp | 燃料タンク用鋼板およびその製造方法 |
-
1995
- 1995-12-08 JP JP32071495A patent/JPH0959783A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6387538B1 (en) | 1998-12-01 | 2002-05-14 | Pohang Iron & Steel Co., Ltd. | Surface-treated steel sheet for fuel tanks and method of fabricating same |
JP2011021279A (ja) * | 2004-03-10 | 2011-02-03 | Jfe Steel Corp | 燃料タンク用鋼板およびその製造方法 |
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Date | Code | Title | Description |
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