JPH0959749A - 耐孔あき性およびさびの密着性に優れた煙突・煙道用鋼 - Google Patents
耐孔あき性およびさびの密着性に優れた煙突・煙道用鋼Info
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Abstract
焼排気ガスによる腐食環境下で耐孔あき性およびさびの
密着性に優れた煙突・煙道用鋼を提供する。 【解決手段】5%Cr鋼をベースとして、0.010w
t%以下に不純物であるSを低減し、0.005〜0.
05wt%の範囲でTiを添加し、さらに1.0〜2.
5wt%の範囲でのNi単独添加、または0.10〜
1.0wt%の範囲でのMoの単独添加、または0.1
0〜1.0wt%の範囲での微量のCuあるいはMoの
複合添加により、耐孔あき性とさびの密着性を飛躍的に
向上させる。
Description
ラントにおいて、耐食性、特に耐孔あき性およびさびの
密着性が要求される溶接構造部材に使用される煙突・煙
道用鋼に関するものである。
ボイラーで生じた燃焼排気ガスは、脱硫装置、脱硝装
置、電気集塵機、空気予熱器、煙道等の設備を通って煙
突に至り、大気中へ放出される。
スに起因した腐食から普通鋼製の筒身などの構造部材を
保護するために、キャスタブル等の無機系材料を主体と
したライニングを施す方法、例えば三菱重工技報、Vo
l.27、No.5、1990−9に記載されている方
法が主流であった。
わりに、新日本製鐡株式会社カタログ「耐硫酸露点腐食
鋼S−TEN」Cat.No.AC107、’92.7
版に記載されているような耐硫酸露点腐食低合金鋼を、
煙突内筒や煙道用鋼材として適用する例も増えてきてい
る。
て、特開平2−170946号公報や新日本製鐡株式会
社カタログ「耐硫酸露点腐食ステンレス鋼YUS26
0」Cat.No.SS 109、’91.1版に記載
されているような、煙突用ライニング材として優れた耐
食性を示すオーステナイト系ステンレス鋼が開発され、
実用化されている。
きる耐食低合金鋼(特願平6−226768号)、天然
ガス焚き煙突・煙道用鋼(特願平6−226769号)
を開発した。何れも、耐全面腐食性および耐孔あき性に
優れるとともに、溶接可能な天然ガス焚き煙突・煙道用
鋼である。
普通鋼に無機系ライニングを施した場合や耐硫酸露点腐
食低合金系鋼を使用した場合や、高耐食性ステンレスク
ラッド鋼材を使用した場合は、建設施工費を大幅に削減
できないという問題があった。
工した場合、使用中に無機ライニングが剥離・脱落して
下地の鋼が露出すると、急激に腐食が進行するため、定
期的な無機系ライニングの補修が必要となっていた。こ
の補修作業のコスト(=維持費)や、補修作業のための
プラントの一時稼働中断に伴う発電量の減産による固定
費負担増などといったコストが、建設時の施工コストに
加えて必要になるという問題があった。
場合でも、腐食環境の厳しさから発生するさびや、酸性
硫安や水蒸気などといったさび生成の原因ともなる付着
物が剥離、脱落し、燃焼排気ガスとともに煙突から放出
される可能性が残り、煙突にフィルターや集塵装置など
の対策を施さなければならず、そのためのコストが余分
にかかっていた。特に、天然ガス焚きのプラントに用い
る場合、耐硫酸露点腐食低合金鋼の耐食性は普通鋼の2
倍程度にとどまるため、剥離性のさびの生成量が多く、
環境対策費が高くなっていた。
を使用して維持費の削減を図っても、鋼材自体の価格が
高いため、初期建設コストが増えてしまったり、クラッ
ド鋼の場合には溶接施工作業が普通の鋼より複雑で、特
殊かつ高価な溶接施工作業費が必要になるといった問題
があった。
の場合も、耐食性や耐孔あき性の特性では十分であった
ものの、耐硫酸露点腐食低合金鋼を使用した場合と同様
に、腐食環境の厳しさから発生するさびや、酸性硫安や
水蒸気などといったさび生成の原因ともなる付着物が剥
離、脱落し、燃焼排気ガスとともに煙突から放出される
可能性が残り、煙突にフィルターや集塵装置などの対策
を施さなければならず、そのためのコストが余分にかか
っていた。
なされたもので、特に天然ガス焚きのプラントの燃焼排
気ガスによる腐食環境下において、無機系材料による内
筒の被覆を不要にできる鋼材であって、かつ前記の耐硫
酸露点腐食低合金鋼に比べて耐食性、特に耐孔あき性お
よびさびの密着性の両方について4倍以上優れ、かつス
テンレスクラッド鋼よりも遙かに安価な煙突・煙道向け
溶接構造用鋼を提供することを目的とするものである。
を解決するために種々の実験を行った結果、5%Cr鋼
をベースとして、0.010wt%以下に不純物である
Sを低減し、0.005〜0.05wt%の範囲でTi
を添加し、さらに1.0〜2.5wt%の範囲でのNi
単独添加、または0.10〜1.0wt%の範囲でのM
oの単独添加、または0.10〜1.0wt%の範囲で
の微量のCuあるいはMoの複合添加が、耐孔あき性と
さびの密着性を飛躍的に向上させる効果があることを知
見した。
り、構造部材としての適度な機械的特性を持たせると同
時に、2.5〜7.5wt%の範囲のCr含有量とする
ことによって鋼材表面へ保護皮膜を形成させて耐食性を
向上させ、さらにさびの結晶成長を促進するために密着
性に有害なPの含有量を0.025wt%以下に抑え、
同様にさび粒子の凝集力を著しく弱めるために密着性に
有害なSの含有量を0.010wt%以下に抑え、これ
をベースとして、その上で1.0〜2.5wt%の範囲
でのNi単独添加、または0.10〜1.0wt%の範
囲でのMoの単独添加、または0.10〜1.0wt%
の範囲での微量のCuあるいはMoの複合添加により、
さびの密着性を飛躍的に向上できるのである。
である。 (1)重量(%)で、C:0.01〜0.15%、S
i:0.01〜0.5%、Mn:0.1〜1.5%、
P:0.025%以下、S:0.010%以下、Cr:
2.5〜7.5%、Ni:1.0〜2.5%、Ti:
0.005〜0.05%、Al:0.005〜0.1%
を含み、残部がFeおよびその他の不純物からなること
を特徴とする耐孔あき性およびさびの密着性に優れた煙
突・煙道用鋼。
1.0%、Mo:0.10〜1.0%のうち1種または
2種を含有することを特徴とする前記(1)記載の耐孔
あき性およびさびの密着性に優れた煙突・煙道用鋼。
15%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.1〜
1.5%、P:0.025%以下、S:0.010%以
下、Cr:2.5〜7.5%、Ni:1.0%未満、T
i:0.005〜0.05%、Al:0.005〜0.
1%を含み、かつCu:0.10〜1.0%、Mo:
0.10〜1.0%のうち1種または2種を含有し、残
部がFeおよびその他の不純物からなることを特徴とす
る耐孔あき性およびさびの密着性に優れた煙突・煙道用
鋼。
15%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.1〜
1.5%、P:0.025%以下、S:0.010%以
下、Cr:2.5〜7.5%、Mo:0.1〜1.0
%、Ti:0.005〜0.05%、Al:0.005
〜0.1%を含み、残部がFeおよびその他の不純物か
らなることを特徴とする耐孔あき性およびさびの密着性
に優れた煙突・煙道用鋼。
1.0%を含有することを特徴とする前記(4)記載の
耐孔あき性およびさびの密着性に優れた煙突・煙道用
鋼。
0.1%、V:0.005〜0.1%、Ta:0.00
1〜0.1%のうち1種または2種以上を含み、および
/またはB:0.0003〜0.0050%を含有する
ことを特徴とする前記(1)〜(5)の何れかに記載の
耐孔あき性およびさびの密着性に優れた煙突・煙道用
鋼。
3〜0.0050%、Ca:0.0003〜0.06
%、Zr:0.0002〜0.10%のうち1種または
2種以上を含有することを特徴とする前記(1)〜
(6)の何れかに記載の耐孔あき性およびさびの密着性
に優れた煙突・煙道用鋼。
は、平均腐食量(単位面積当りの腐食による減少重量)
で評価される耐全面腐食性を、「耐孔あき性」とは、局
部的な腐食に対する抵抗特性であって、最大侵食深さで
評価される構造部材必須の特性を意味する。また、本明
細書中において、「さび」とは、鋼材表面が腐食されて
生成するさび、いわゆるスケールのみならず、酸性硫安
や水蒸気などといったさび生成の原因となる付着物をも
包含する。
いて説明する。
について説明する。Cは強度確保のために0.01wt
%以上添加する必須元素であるが、0.15wt%を超
えると溶接性および耐食性が劣化するので、0.15w
t%を上限とした。
添加が必須であるが、0.5wt%を超えると靱性およ
び溶接性が劣化するので0.5wt%を上限とした。
めに0.1wt%以上の添加が必須であるが、1.5w
t%を超えて添加すると、強度は向上できるものの靱性
が低下してしまうので、1.5wt%を上限とした。
025wt%を超えて含まれると、さびの結晶成長を促
進させることで、さびの粒子を粗大化してさびの密着性
を阻害するとともに溶接性が低下するので、0.025
wt%以下とした。
010wt%を超えて含まれると、さびの粒子間の凝集
力を著しく弱めるとともに、TiSの形成によりさびの
密着性向上に有効な固溶TiおよびTiOを低減するこ
とによりさびの密着性を阻害し、さらに耐食性および靱
性が劣化するので、その範囲を0.010wt%以下と
した。
度)を低減させる効果の高い必須元素であるが、2.5
wt%未満の添加量では却って腐食を促進するため、
2.5wt%以上の添加が必要である。一方、7.5w
t%を超えると、効果が飽和するとともに大幅な製造コ
ストアップになるので、7.5wt%を上限とする。従
って、Crの範囲は2.5〜7.5wt%とした。特
に、4.5wt%以上添加すると効果が顕著で好ましい
が、5.5wt%を超えるとガス切断性が悪くなるた
め、4.5〜5.5wt%の範囲が最も好ましい。
の密着性向上に必要な元素である。
あき性が向上し、0.10wt%以上のNiとともに添
加すると、下記に示す複合添加効果により、さびの密着
性までも飛躍的に向上する。その効果は、0.10wt
%以上の添加で顕著であり、1.0wt%を超えると効
果が飽和する。従って、耐孔あき性とさびの密着性の両
方を向上させるために、0.10〜1.0wt%の範囲
とした。
添加の何れの場合においても、0.05wt%以上添加
すると耐孔あき性のみが向上する。さらに、さびの密着
性に及ぼす効果については、(1)CuあるいはMoと
の複合添加、(2)Ni単独添加、で各々作用が異なる
ため、以下のように限定範囲が各々異なる。
i:0.10wt%以上、かつCu:0.10wt%以
上の複合添加により、さびの非晶質化を促進すること
で、さびと地鉄界面との密着性が飛躍的に向上する。ま
た、さび表層に付着した付着物(多くは硫酸アンモニア
鉄塩)が燃焼排気ガス中の水分が結露した時に、付着物
とさびが凝結水中に再溶解し、乾燥する過程で硫酸アン
モニア鉄および鉄酸化物を再析出する段階で、密着性の
高い再析出物を生成することにより、さびおよび付着物
の密着性を向上させる。この場合、1.0wt%を超え
てCuをNiと複合添加してもその効果は飽和するの
で、耐孔あき性とさびの密着性の両方を向上させるため
の含有量の範囲として、Cu:0.10〜1.0%かつ
Ni:0.10〜1.0%とした。
以上添加すると、腐食性のアニオン(塩素イオンや硫酸
イオン)の地鉄界面への侵入を抑制する機構により、地
鉄界面のさびの密着性を向上させ、さび表層に付着した
付着物とさびとの密着性を向上させる。一方、2.5w
t%を超えると大幅なコストアップの原因となる上、効
果も飽和するので、含有量の範囲を1.0〜2.5wt
%とした。
き性が向上する元素である。(1)Mo単独添加の場合
と、(2)Cu−Niとの複合添加系または、Ni単独
添加系の場合について、どちらもさびの密着性に及ぼす
作用および添加量の範囲は同じであるが、Cuあるいは
Niとの複合添加の方が効果が高く好ましい。
以上添加すると、さび粒子の針状化を抑制することで、
さびの密着性を飛躍的に向上させるとともに、表層のさ
びが再溶解して、付着物とさびとの間への密着性の高い
さびの再析出を促進させることにより、さびと付着物と
の密着性を飛躍的に向上させるが、その効果は1.0w
t%を超えると飽和するので、0.1〜1.0wt%の
範囲とした。
単独添加系:CuあるいはNiとの複合添加により、さ
らにさびの密着性は向上するが、その効果は1.0wt
%で飽和するので、前記の場合はMo:1.0wt%以
下とした。
鋼中のC、Nを固定し、カソードサイトとして作用する
ため、合金の均一溶解を促進して、アノードとカソード
の分布の遍在を抑制することで耐孔あき性が向上する。
さらに、0.005wt%以上添加すると、微量の固溶
TiおよびTiOが溶出したさび中に含まれることによ
り、さびの核生成を均一・微細化することでさびの密着
性を向上させるので、さびの密着性確保のためには0.
005wt%以上の添加が必須である。また、TiOや
TiNを鋼中に形成して溶接時熱影響部の粒径を微細化
することによって、靱性を向上させる効果もある。一
方、0.05wt%を超えて添加しても耐孔あき性およ
びさびの密着性に対する効果は飽和し、靱性を低下させ
る悪影響が出るので、その範囲を0.005〜0.05
wt%とした。
して添加される元素であり、0.005wt%以上の添
加で効果が現れる。一方、0.1wt%を超えて添加す
ると溶接熱影響部の靱性を低下させるので、その含有範
囲を0.005〜0.1wt%とした。
添加で強度や靱性を確保すると同時に地鉄とさびとの密
着性を向上させる効果があるが、それぞれ0.1wt%
を超えて添加すると靱性を低下させてしまうので、これ
らの範囲をそれぞれ0.005〜0.1%とした。
b、Vと同様の作用を示す元素であり、強度や靱性を確
保すると同時に地鉄とさびとの密着性を向上させる効果
があるが、0.1wt%を超えて添加すると靱性を低下
させてしまうので、その範囲を0.001〜0.1wt
%とした。
の密着性を向上させると同時に焼入れ性を向上させ、さ
らに強度や靱性を改善するが、その効果は0.0050
wt%を超えると飽和するので、0.0003〜0.0
050wt%とした。
子の微細化を促進することで、さびの密着性を向上させ
る元素である。これらの効果は、0.0003wt%以
上の添加で現れるが、0.0050wt%を超えて添加
しても効果が飽和するので、0.0003〜0.005
0wt%の範囲とした。
Sを固定してSを無害化するのに有効な元素であるとと
もに、耐ラメラテア性を向上させるのに有効な元素であ
る。これらの効果は、0.0003wt%以上の添加で
現れるが、0.06wt%を超えて添加しても効果は飽
和するので、その範囲を0.0003〜0.06wt%
とした。
に微量に存在すると触媒的な作用でさびの非晶質化を促
進して地鉄とさびとの密着性を一層向上させる。これら
の効果は、0.0002wt%以上の添加で現れるが、
0.10wt%を超えて添加しても効果は飽和するた
め、0.0002〜0.10wt%の範囲とした。
元素であるが、0.070wt%以下に抑えると鋼中の
固溶Tiの量を確保できるため、さびの密着性がさらに
向上する。従って、N量は0.070wt%以下が好ま
しい。
は、何らかの改善効果を期待して添加する合金などの添
加量に比例してその効果も増大する現象に対して、添加
量を増加させてもその効果が増大しなくなる現象を意味
する。
説明する。表1、表2(表1のつづき−1)、表3(表
1のつづき−2)、表4(表1のつづき−3)、表5
(表1のつづき−4)、表6(表1のつづき−5)、表
7(表1のつづき−6)、表8(表1のつづき−7)、
表9(表1のつづき−8)、表10(表1のつづき−
9)、表11(表1のつづき−10)、表12(表1の
つづき−11)、表13(表1のつづき−12)、表1
4(表1のつづき−13)、表15(表1のつづき−1
4)、表16(表1のつづき−15)、表17(表1の
つづき−16)、表18(表1のつづき−17)、表1
9(表1のつづき−18)、表20(表1のつづき−1
9)、表21(表1のつづき−20)、表22(表1の
つづき−21)、表23(表1のつづき−22)、表2
4(表1のつづき−23)は供試した鋼の組成を示す。
比較例C01は市販の耐硫酸露点腐食低合金鋼であり、
比較例C02は溶接構造用圧延鋼材(JIS G314
1SM400)である。これら以外の供試鋼は、真空溶
解した50kgインゴットを熱間圧延することで、板厚
15mmおよび6mmの鋼板を得た。
(100×100×3t)、Dip&Dry腐食試験片
(120×20×3t)を採取した。また、板厚15m
mの鋼板から、再現熱サイクル試験片(12×12×7
0)を採取した。
&Dと略記) 煙突・煙道の腐食環境を模擬した腐食試験として、表2
5の条件でDip&Dry腐食試験(=所定の溶液中へ
の浸漬・引き上げ乾燥の繰り返しによる腐食促進評価試
験)を行った。試験後、さび・付着物の密着性として、
テープ剥離試験により、剥離性のさび・付着物の重量を
求めた。また、除錆後の重量を測定し、腐食量を求め
た。また、耐孔あき性として、最大侵食深さを測定し
た。剥離性のさび・付着物の重量、腐食量、最大侵食深
さについては、比較例C01 (耐硫酸露点腐食低合金
鋼)の値を100とした相対値で表示して評価した。
24ケ月経過後に試験片を回収した。さび・付着物の密
着性、耐食性、耐孔あき性の評価方法は、前記と同様の
方法で行った。
験片を採取し、熱サイクル再現試験(SAW 45kJ
/cm相当、ピーク温度:1400℃、800〜500
℃間の冷却速度:25秒)を行い、試験後に2mmVノ
ッチシャルピー試験片を採取してシャルピー衝撃試験を
0℃にて実施した。
について同じく表1〜表24に示した。
ると吸収エネルギーが2.8kgf−m未満であること
がわかる。比較例C04から、Siが0.01%未満で
あると吸収エネルギーが2.8kgf−m未満であるこ
とがわかる。比較例C05から、Siが0.5%を超え
ると吸収エネルギーが2.8kgf−m未満であること
がわかる。
%未満であると吸収エネルギーが2.8kgf−m未満
であることがわかる。比較例C07、C19から、Mn
が1.5%を超えると吸収エネルギーが2.8kgf−
m未満であることがわかる。比較例C08、C20か
ら、Pが0.025%を超えるとさびの量の著しい減が
認められず、吸収エネルギーが2.8kgf−m未満で
あることがわかる。
0%を超えるとさびの量の著しい減少が認められず、吸
収エネルギーが2.8kgf−m未満であることがわか
る。比較例C10、C22から、Crが2.5%未満で
あると煙突内曝露試験での腐食量およびさびの量が比較
例C02 (JIS G3141 SM400)より大き
いことがわかる。
%を超えると吸収エネルギーが2.8kgf−m未満で
あることがわかる。比較例C12から、Niが0.05
wt%未満であると、さびの量の著しい減少が認められ
ないことがわかる。比較例C13、C25から、Tiが
0.005%未満であると、さびの量の著しい減少が認
められないことがわかる。
が0.05%を超えると吸収エネルギーが2.8kgf
−m未満であることがわかる。比較例C15、C27、
C29から、Alが0.005%未満であると吸収エネ
ルギーが2.8kgf−m未満であることがわかる。比
較例C16、C30から、Alが0.1%を超えると吸
収エネルギーが2.8kgf−m未満であることがわか
る。
場合に、Cuが0.1%未満であるとさびの量の著しい
減少が見られないことがわかる。比較例C24から、M
oが0.1wt%未満であると、さびの量が90〜91
と大幅な向上が認められないことがわかる。
〜C30に比べて剥離性さび重量、腐食量、および最大
侵食深さが何れも1/4未満であり、吸収エネルギーが
7.0kgf−m以上であることがわかる。
耐硫酸露点腐食低合金鋼に比べて、少なくとも、さびの
密着性、耐食性、耐孔あき性で4倍以上優れ、かつ溶接
構造用鋼として十分な継手靱性を有する煙突・煙道用鋼
板であることがわかる。
明鋼は天然ガス焚き用煙突・煙道用部材として、従来の
耐硫酸露点腐食低合金鋼や一般溶接構造用鋼に比べて、
さびの密着性、耐孔あき性および耐食性が4倍以上優
れ、耐硫酸露点腐食ステンレス鋼に比べて遙かに安価
で、溶接構造用鋼として十分な継手靱性を有し、他の防
食処理を施すことなしに煙突筒身や煙道等の構造部材と
して使用できるためライニングを省略できるものであ
り、プラントの建設時のコストの大幅な低減、排気ガス
中の粉塵の大幅な低減、メンテナンスコストの低減が可
能であり、産業上その効果は極めて顕著である。
Claims (7)
- 【請求項1】 重量(%)で、 C:0.01〜0.15%、 Si:0.01〜0.5%、 Mn:0.1〜1.5%、 P:0.025%以下、 S:0.010%以下、 Cr:2.5〜7.5%、 Ni:1.0〜2.5%、 Ti:0.005〜0.05%、 Al:0.005〜0.1%を含み、残部がFeおよび
その他の不純物からなることを特徴とする耐孔あき性お
よびさびの密着性に優れた煙突・煙道用鋼。 - 【請求項2】 重量(%)で、 Cu:0.10〜1.0%、 Mo:0.10〜1.0%のうち1種または2種を含有
することを特徴とする請求項1記載の耐孔あき性および
さびの密着性に優れた煙突・煙道用鋼。 - 【請求項3】 重量(%)で、 C:0.01〜0.15%、 Si:0.01〜0.5%、 Mn:0.1〜1.5%、 P:0.025%以下、 S:0.010%以下、 Cr:2.5〜7.5%、 Ni:1.0%未満、 Ti:0.005〜0.05%、 Al:0.005〜0.1%を含み、かつ Cu:0.10〜1.0%、 Mo:0.10〜1.0%のうち1種または2種を含有
し、残部がFeおよびその他の不純物からなることを特
徴とする耐孔あき性およびさびの密着性に優れた煙突・
煙道用鋼。 - 【請求項4】 重量(%)で、 C:0.01〜0.15%、 Si:0.01〜0.5%、 Mn:0.1〜1.5%、 P:0.025%以下、 S:0.010%以下、 Cr:2.5〜7.5%、 Mo:0.1〜1.0%、 Ti:0.005〜0.05%、 Al:0.005〜0.1%を含み、残部がFeおよび
その他の不純物からなることを特徴とする耐孔あき性お
よびさびの密着性に優れた煙突・煙道用鋼。 - 【請求項5】 重量(%)で、 Cu:0.10〜1.0%を含有することを特徴とする
請求項4記載の耐孔あき性およびさびの密着性に優れた
煙突・煙道用鋼。 - 【請求項6】 重量(%)で、 Nb:0.005〜0.1%、 V:0.005〜0.1%、 Ta:0.001〜0.1%のうち1種または2種以上
を含み、および/または B:0.0003〜0.0050%を含有することを特
徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の耐孔あき性
およびさびの密着性に優れた煙突・煙道用鋼。 - 【請求項7】 重量(%)で、 REM:0.0003〜0.0050%、 Ca:0.0003〜0.06%、 Zr:0.0002〜0.10%のうち1種または2種
以上を含有することを特徴とする請求項1〜6の何れか
1項に記載の耐孔あき性およびさびの密着性に優れた煙
突・煙道用鋼。
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