JPH0958878A - シート給送装置及び画像形成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】サイズの異なるシートが混在しているシート束
がシート積載トレイに積載された場合でも、これらのシ
ートを確実に給送できるようにする。 【解決手段】シート分離装置７のノズル７ａからシート
積載トレイ３の前トレイ部３ａに積載されている最下部
とその上にあるスモールサイズシート２ａ間に空気を噴
射してこれらのシート２ａを分離し、前トレイ部３ａの
最下部に積載されたスモールサイズシート２ａをブロア
６の運転によって搬送ベルト４ａ、４ｂに真空吸着して
給送する時に、前トレイ部３ａの後端３ｃ近傍で、最上
部にあるスモールサイズシート２ａ上にローラ保持部材
１４ａ，１４ｂの一端側に取り付けたローラ１３ａ，１
３ｂを自重によって押し付けて加圧し、且つ後トレイ部
３ｂ側に積載されているラージサイズシート２ｂの後端
を後端規制ガイド板９で規制することにより、前トレイ
部３ａに積載されているスモールサイズシート２ａが後
方の後トレイ部３ｂ側にずれるのを防止して、スモール
サイズシート２ａと、ラージサイズシート２ｂのサイズ
の異なるシート２を分離して確実に給送する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、空気の吸引力を利
用してシートを給送するシート給送装置及び画像形成装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、シート積載トレイ上に積載さ
れたシ−トを複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像
形成装置の内部に順次給送するシート給送装置は、種々
提案されている。

【０００３】一般的な給送方式としては、表面がゴム等
の弾性体で形成された給紙ローラの回転摩擦によって、
シート積載トレイ上に積載されたシ−トを給送する方式
がある。

【０００４】しかしながら、この給送方式では、摩擦に
よる給紙ローラの外形変形、給紙ローラの材質の経時変
化、紙粉の付着等による給紙ローラの摩擦係数の変化等
によってシートの給紙性能が安定しなかったり、表面状
態の異なるシートに対応しきれないという欠点があっ
た。

【０００５】そこで、近年では、空気の吹き付け力及び
吸引力を利用してシート積載トレイ上に積載されたシ−
トを１枚づつ分離して給送する方式のシート給送装置が
提案されている。

【０００６】図７は、従来の空気の吹き付け力及び吸引
力を利用してシートを給送するシート給送装置の一例を
示す概略断面図、図８は、このシート給送装置のシート
積載トレイを示す斜視図である。

【０００７】このシート給送装置１００は、束になって
いる複数枚のシート（用紙）１０１を積載するシート積
載トレイ１０２と、シート積載トレイ１０２の給送方向
下流側（図の左側）の下方に配置されたシート１０１を
給送する搬送ベルト１０３と、搬送ベルト１０３内に設
けたシート１０１を吸引する吸引チャンバ１０４と、搬
送ベルト１０３の給送方向下流側の上部に配置されたシ
ート１０１の先端側に向けて空気を吹き付けるシート分
離装置１０５を備えている。

【０００８】シート１００の後端側は、シート積載トレ
イ１０２の後端に配置されている後端規制板１０６に当
接されてシート積載トレイ１０２上に積載されている。

【０００９】シート積載トレイ１０２の中央部の先端
（シート分離装置１０５が配置されている側）から中央
付近にかけて切欠き部１０２ａが形成されており、この
切欠き部１０２ａには、多数の孔１０７が形成されてい
る搬送ベルト１０３が設置されている。

【００１０】搬送ベルト１０３は、ローラ１０８ａ，１
０８ｂに所定の張力で巻き掛けられており、駆動モータ
（図示省略）の駆動によって給送方向Ａに回転駆動され
る。吸引チャンバ１０４には、空気を吸引するためのブ
ロア（図示省略）が接続されており、シート分離装置１
０５には、搬送ベルト１０３の先端側に対して斜め上方
から空気を吹き付けるための吹出し口１０９が多数並設
されている。

【００１１】従来のシート給送装置１００は上記したよ
うに構成されており、シート積載トレイ１０２上のシー
ト１０１を給送する場合、ブロア（図示省略）の駆動に
よって、空気が搬送ベルト１０３の多数の孔１０７から
吸引チャンバ１０４内に吸引されることによって、シー
ト積載トレイ１０２の最下部のシート１０１ａが搬送ベ
ルト１０３上に吸引され、このシート１０１ａは、駆動
モータ（図示省略）の駆動によって回転駆動される搬送
ベルト１０３によって給送方向（矢印Ａ方向）に給送さ
れる。

【００１２】この時、シート分離装置１０５の吹出し口
１０９から斜め下方に向けて空気を吹き出すことによ
り、この吹き出された空気は、給送される最下部のシー
ト１０１ａとその次にあるシート１０１ｂ間に吹き付け
られてシート１０１ａとシート１０１ｂとを分離し、最
下部のシート１０１ａだけを給送する。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のシート給送装置１００では、一般に２枚目以降のシ
ートが重なって搬送されるのを防止する目的で、図７に
示したように、シート積載トレイ１０２は、シート１０
１の給送方向下流側（図の左側）を給送方向上流側（図
の右側）よりも上方に位置するように所定の角度θで傾
斜させて設置されている。

【００１４】そして、シート１０１は、その後端側を後
端規制板１０６に当接してシート積載トレイ１０３上に
積載されている。

【００１５】しかしながら、このような構成の従来のシ
ート給送装置１００では、例えば、図９に示すように、
シート積載トレイ１０２にＡ４サイズとＡ３サイズのシ
ート、或はＢ５サイズとＢ４サイズのシートのような同
系列でサイズの異なるシート１０１ｃ，１０１ｄが混在
している場合に、これらの混在している同系列でサイズ
の異なるシート１０１ｃ，１０１ｄを、同図に示すよう
な給送方向Ａで積載して給送すると、以下のよな不具合
があった。

【００１６】即ち、上述したような同系列でサイズの異
なるシート１０１ｃ，１０１ｄをシート積載トレイ１０
２上に積載する場合、シート積載トレイ１０２の後端規
制板１０６は、ラージサイズ（図９においては、Ａ４サ
イズに対するＡ３サイズ、或はＢ５サイズに対するＢ４
サイズ）のシート１０１ｄに合わせてその位置が設定さ
れ、一方、スモールサイズ（図９においては、Ａ３サイ
ズに対するＡ４サイズ、或はＢ４サイズに対するＢ５サ
イズ）のシート１０１ｃも、上述したように搬送ベルト
１０３に吸着させて搬送するためには、前記ラージサイ
ズのシート１０１ｄとスモールサイズのシート１０１ｃ
の給送方向下流側の各先端を、それぞれ同じ位置に合わ
せてシート積載トレイ１０２に積載する必要がある。

【００１７】このため、図９に示したように、同系列で
サイズの異なるシート１０１ｃ，１０１ｄをシート積載
トレイ１０２に積載する場合には、スモールサイズのシ
ート１０１ｃとラージサイズのシート１０１ｄとの間に
は、隙間Ｌが生じる。

【００１８】そして、このような同系列でサイズの異な
るシート１０１ｃ，１０１ｄを給送する場合、上述した
ように、シート分離装置１０５の吹出し口１０９から斜
め下方に向けて空気を搬送ベルト１０３方向に吹き付け
ると、スモールサイズのシート１０１ｃは、吹き付けら
れる空気によって隙間Ｌの範囲で後端規制板１０６側に
徐々にずれていく。

【００１９】この結果、スモールサイズのシート１０１
ｃは、ラージサイズのシート１０１ｄに対して給送が遅
れることによる遅延ジャム、あるいは搬送ベルト１０３
から外れて給送ができなくなるといった状況が発生す
る。

【００２０】このように、従来のシート給送装置、例え
ば自動原稿送り装置などでは、サイズの異なるシートが
混在しているシート束に対しては、サイズの異なる各シ
ートを確実に分離して給送ができないという問題があっ
た。

【００２１】そこで、本発明は、サイズの異なるシート
が混在しているシート束を給送する場合でも、確実に分
離して給送を行うことができるシート給送装置及び画像
形成装置を提供することを目的とする。

【００２２】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みなされたもであって、第１の発明は、複数枚のシート
を積載可能なシート積載手段と、前記シート積載手段に
積載されている最下位のシートを空気の吸引によって吸
着して給送する給送手段と、前方から空気を吹き付けて
前記シート積載手段に積載されている前記最下位のシー
トとその上にある他のシートとを分離するシート分離手
段とを有し、前記シート積載手段に積載されているシー
ト束の前記最下位のシートとその上にある他のシートと
を前記シート分離手段で分離して、前記給送手段で前記
最下位のシートを順次給送するシート給送装置におい
て、前記シート積載手段に積載されるシート束の最上位
のシート上の所定位置に所定の加圧力を加える加圧手段
と、前記シート積載手段に積載されるシート束に対して
シート後端を規制するシート後端規制手段とを備えたこ
とを特徴としている。

【００２３】また、前記シート積載手段にサイズの異な
るシートを積載する時は、サイズの異なる各シートの給
送方向の先端を合わせて前記シート積載手段に積載し、
前記加圧手段を、サイズの小さい側のシートの給送方向
上流側に加圧力を加える位置に配置する。

【００２４】また、前記シート積載手段の給送方向下流
側を略水平に形成し、給送方向上流側を所定の角度で重
力方向に傾斜して形成する。

【００２５】また、前記シート積載トレイの両サイド
を、その中央の基底部に対して上方に傾斜させるように
する。

【００２６】また、前記給送手段は、多数の孔を有する
搬送ベルトと、前記搬送ベルトを駆動する駆動手段と、
前記搬送ベルト内に配置され、連結されている空気吸引
手段により前記孔を通して空気を吸引する吸引チャンバ
とを有し、前記最下位のシートを前記搬送ベルトに吸着
させて給送するようにする。

【００２７】また、前記加圧手段を、前記シートに加圧
力を加えるための加圧位置と退避位置との間で移動自在
に設けるようにする。

【００２８】また、前記加圧手段は、一端側に高摩擦係
数部材を取付けた軸を保持する保持部材と、前記保持部
材を回転自在に支持する軸と、該軸に対して前記前記保
持部材の高摩擦係数部材と反対側の上方に配置され、そ
の回転により前記保持部材を前記軸を回転支点にして回
転させて一端側の前記高摩擦係数部材を上下動させるカ
ムと、前記カムを回転駆動するモータとを有し、前記シ
ートの給送時に、前記高摩擦係数部材を前記最上位のシ
ート上の給送方向上流側に押し付けて加圧するようにす
る。

【００２９】また、前記高摩擦係数部材を、前記最上位
のシートの両サイド側近傍を押し付けるように並設す
る。

【００３０】また、前記高摩擦係数部材に、回転自在に
支持されたゴム部材からなるローラを用いる。

【００３１】また、第２の発明は、画像形成装置に関す
るものであり、シートを給送する上述したいずれかのシ
ート給送装置と、前記シート給送装置から給送されたシ
ートに画像を形成する画像形成部とを備えたことを特徴
としている。

【００３２】

【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態について説明する。

【００３３】図１は、本発明の第１の実施の形態に係る
シート給送装置を示す側断面図、図２は、その平面図、
図３は、図２のその縦断面図である。

【００３４】このシート給送装置１は、原稿を自動的に
送り出す自動原稿送り装置であり、原稿であるシート２
の束が積載されるシート積載トレイ３と、シート積載ト
レイ３の給送方向下流側（図１ではシート積載トレイ３
の右側）の下方に配置されたシート２を給送する搬送ベ
ルト４ａ，４ｂと、シート２を搬送ベルト４ａ，４ｂに
吸着させる吸引チャンバ５及びブロア６と、搬送ベルト
４ａ，４ｂの先端側に向けて空気Ｂ₁ を吹き付ける複数
のノズル７ａを有するシート分離装置７と、シート２が
シート積載トレイ３の給送方向上流側（図１では給送装
置１の左側）に後退するのを防止する加圧装置８を備え
ている。このように、搬送ベルト４ａ，４ｂ、吸引チャ
ンバ５及びブロア６で給送手段が構成されている。

【００３５】シート２は、例えば同系列でサイズの異な
る原稿からなり、小さいサイズ（例えばＡ４サイズ）の
原稿（以下、スモールサイズシートと略称する）２ａ
と、大きいサイズ（例えばＡ３サイズ）の原稿（以下、
ラージサイズシート略称する）２ｂが混在している。

【００３６】シート積載トレイ３は、搬送ベルト４ａ，
４ｂ上に位置している前トレイ部３ａと、前トレイ部３
ａと一体に形成されてその後端側（図１ではシート積載
トレイ３の給送方向上流側）に位置している後トレイ部
３ｂとで構成されている。

【００３７】前トレイ部３ａは、搬送ベルト４ａ，４ｂ
によるシート２の給送方向Ａと略平行に配置されてお
り、前トレイ部３ａには、中央部の先端（シート分離装
置７のノズル７ａが配置されている側）から給送方向上
流側の後端部３ｃ近傍より前方側にかけて切欠き部３ｄ
が形成されている。この切欠き部３ｄの内側には、多数
の孔４ｃが形成されている搬送ベルト４ａ，４ｂと、吸
引チャンバ５が配置されている。

【００３８】後トレイ部３ｂは、前トレイ部３ａの後端
部３ｃから下方（重力方向）に向けて所定の角度θ（例
えば、約２０°）で折れ曲がっており、その後端３ｅ側
の基底部３ｆには後端規制ガイド板９が、給送方向Ａに
対して後トレイ部３ｂと垂直に配置されている。

【００３９】また、シート積載トレイ３は、シート積載
トレイ３の基底部３ｆに対してその両側部３ｇ，３ｈ
が、上方に向けて所定の角度で少し傾斜している。

【００４０】後端規制ガイド板９は、給送方向Ａに対し
て前トレイ部３ａの後端部３ｃから後トレイ部３ｂの後
端３ｅの間で、基底部３ｆの任意の位置に係止して配置
することができる。

【００４１】また、前トレイ部３ａは、積載されるスモ
ールサイズシート２ａに略対応した大きさで形成され、
後トレイ部３ｂは、積載されるラージサイズシート２ｂ
に略対応した大きさで形成されており、シート積載トレ
イ３の給送方向下流側でシート２ａ，２ｂの先端を合わ
せてシート積載トレイ３に積載した時に、後端規制ガイ
ド板９にラージサイズシート２ｂの後端を当てるように
する。

【００４２】搬送ベルト４ａ，４ｂは、ローラ１０ａ，
１０ｂ間に所定の張力で巻き掛けられており、ローラ１
０ａ，１０ｂに接続されている駆動モータ（図示省略）
の駆動によって回転駆動される。

【００４３】吸引チャンバ５は、搬送ベルト４ａ，４ｂ
内に配置され、配管１１を介してブロア６に連結されて
おり、ブロア６の運転によって搬送ベルト４ａ，４ｂの
各孔４ｃを通して吸引チャンバ５内に空気Ｂ₂ が強制的
に吸引され、シート積載トレイ３に積載された最下部の
シート、図ではスモールサイズシート２ａを搬送ベルト
４ａ，４ｂ上に吸着させる。

【００４４】シート分離装置７は、搬送ベルト４ａ，４
ｂの給送方向下流側の先端の上方に配置されており、先
端の各ノズル７ａから搬送ベルト４ａ，４ｂの先端側に
対して斜め上方から空気Ｂ₁ を、搬送ベルト４ａ，４ｂ
上に噴射する。

【００４５】加圧装置８は、前トレイ３ａの上方に配置
されており、ローラ軸１２にそれぞれ回転自在に支持さ
れたローラ１３ａ，１３ｂと、一端側（前トレイ３ａに
近い側）にローラ軸１２の両端部をそれぞれ保持したロ
ーラ保持部材１４ａ，１４ｂと、ローラ保持部材１４
ａ，１４ｂの他端側（前トレイ３ａと離れている側）近
くでローラ保持部材１４ａ，１４ｂを回転自在に支持し
た軸１５と、ローラ保持部材１４ａ，１４ｂの他端側の
上部に近接して回転自在にそれぞれ支持された半円状の
カム１６と、カム１６を回転駆動するモータ１７で構成
されている。

【００４６】高摩擦係数を有するゴム部材で形成された
ローラ１３ａ，１３ｂは、それぞれ前トレイ部３ａの後
端部３ｃ近傍の両サイド側に位置するように配置されて
いる。

【００４７】ローラ保持部材１４ａ，１４ｂは、軸１５
からローラ１３ａ，１３ｂ間で伸縮自在であり、ローラ
保持部材１４ａ，１４ｂを伸縮させる伸縮装置（図示省
略）を制御部（図示省略）からの制御信号によって駆動
することにより、ローラ保持部材１４ａ，１４ｂの一端
側に取付けたローラ１３ａ，１３ｂを、シート積載トレ
イ３の前トレイ部３ａに積載されるスモールサイズシー
ト２ａの後端部３ｃ近傍に位置させるようにしている。

【００４８】カム１６は、平面部１６ａと半円部１６ｂ
とからなり、カム１６の回転軸１８は平面部１６ａ側の
中央に取付けられており、この回転軸１８はモータ１７
に連結されている。

【００４９】また、カム１６の平面部１６ａがローラ保
持部材１４ａ，１４ｂ側に位置して両方が接していない
時には、ローラ保持部材１４ａ，１４ｂが自重による下
降によって、ローラ１３ａ，１３ｂが前トレイ部３ａに
積載される最上部のシート、図ではスモールサイズシー
ト２ａ上に接し、カム１６の半円部１６ｂがローラ保持
部材１４ａ，１４ｂに接している時には、ローラ保持部
材１４ａ，１４ｂは軸１５を回転支点にして略水平面に
位置している。

【００５０】尚、ローラ１３ａ，１３ｂがスモールサイ
ズシート２ａ上に接している時に、その加圧力は、搬送
ベルト４ａ，４ｂの真空吸着による最下部のシート、図
ではスモールサイズシート２ａの給送を妨げない大きさ
で、且つ、シート分離装置７の各ノズル７ａから噴射さ
れる空気Ｂ₁ によってスモールサイズシート２ａが後ト
レイ部３ｂ側に後退しないような摩擦力をシート２の束
に与えるように調整される。

【００５１】この最上部のシート、図ではスモールサイ
ズシート２ａへの加圧力の調整は、例えばローラ１３
ａ，１３ｂやローラ保持部材１４ａ，１４ｂの重量を変
えることによって行うことができる次に、上述した給紙
装置１によるシートの給送動作を説明する。

【００５２】同系列でサイズの異なる２種類のシート、
例えば、Ａ４のスモールサイズシート２ａとＡ３のラー
ジサイズシート２ｂが混在しているシート２の束をシー
ト積載トレイ３上に積載する。

【００５３】この際、シート積載トレイ３の前トレイ部
３ａの給送方向下流側に、スモールサイズシート２ａと
ラージサイズシート２ｂの先端を合わせて積載する。ま
た、ラージサイズシート２ｂの後端は、後退しないよう
に後端規制ガイド板９で規制されている。

【００５４】そして、制御部（図示省略）から出力され
るシート給送信号に基づいてモータ１７を回転駆動して
カム１６を回転させることにより、ローラ保持部材１４
ａ，１４ｂの他端側にカム１６の半円部１６ｂが接して
いるローラ保持部材１４ａ，１４ｂが略水平状態（点線
部分）の位置から、カム１６の平面部１６ａをローラ保
持部材１４ａ，１４ｂ側に位置させて両方が接しないよ
うにする。

【００５５】この状態では、ローラ保持部材１４ａ，１
４ｂは、軸１５を回転支点にしてローラ１３ａ，１３ｂ
側が自重による下降によって、前トレイ部３ａに積載さ
れた最上部のシート、図ではスモールサイズシート２ａ
の後端近傍に接する。この時の加圧力は、搬送ベルト４
ａ，４ｂによる最下部のシート、図ではスモールサイズ
シート２ａの搬送を妨げないような大きさで、且つシー
ト分離装置７の各ノズル７ａから噴射される空気Ｂ₁ に
よってスモールサイズシート２ａが後トレイ部３ｂ側に
後退しないような摩擦力をシート２の束に与えるように
調整されれている。

【００５６】また、ローラ保持部材１４ａ，１４ｂは、
最上部のシート、図ではスモールサイズシート２ａの後
端近傍に接するように、伸縮装置（図示省略）によって
その全長が調整されている。

【００５７】そして、制御部（図示省略）から出力され
るシート給送信号に基づいてブロア６とシート分離装置
７を駆動することにより、ブロア６の運転によって、搬
送ベルト４ａ，４ｂの各孔４ｃを通して吸引チャンバ５
内に空気Ｂ₂ が強制的に吸引され、シート積載トレイ３
の前トレイ部３ａに積載されている最下部のシート、図
ではスモールサイズシート２ａが搬送ベルト４ａ，４ｂ
上に吸着される。

【００５８】一方、シート分離装置７の運転によって、
先端の各ノズル７ａから搬送ベルト４ａ，４ｂの先端側
に対して斜め上方から空気Ｂ₁ を、搬送ベルト４ａ，４
ｂ上に噴射する。

【００５９】そして、制御部（図示省略）から出力され
るシート給送信号に基づいて搬送ベルト４ａ，４ｂの駆
動モータ（図示省略）を駆動し、搬送ベルト４ａ，４ｂ
を右回転駆動することによって、吸着される最下部のス
モールサイズシート２ａを給送方向Ａに搬送する。

【００６０】この際、シート分離装置７の各ノズル７ａ
から噴射される空気Ｂ₁ が、搬送ベルト４ａ，４ｂ上に
吸着されて搬送される最下部のスモールサイズシート２
ａと、その上のシート、図ではスモールサイズシート２
ａ間に吹き付けられてこの２枚のスモールサイズシート
２ａを分離し、搬送ベルト４ａ，４ｂ上に吸着される最
下部のスモールサイズシート２ａだけを搬送する。

【００６１】この時、シート積載トレイ３は、その基底
部３ｆに対してその両側部３ｇ，３ｈが、上方に向けて
所定の角度で少し傾斜して中央に空間Ｃ（図３参照）が
形成されているので、シート分離装置７の各ノズル７ａ
から噴射される空気Ｂ₁ は、後トレイ部３ｂ側まで吹き
抜けることにより、最下部のスモールサイズシート２ａ
と、その上にあるスモールサイズシート２ａは良好に分
離される。

【００６２】一方、前トレイ部３ａに積載された最上部
のシート、図ではスモールサイズシート２ａの後端側
は、ローラ保持部材１４ａ，１４ｂの一端側に取り付け
たローラ１３ａ，１３ｂによる自重でその両端が押さえ
付けられており、更に、シート２内のラージサイズシー
ト２ｂは、その自重によって前トレイ部３ａの後端部３
ｃから後トレイ部３ｂに沿って下方に曲げられている。

【００６３】よって、前トレイ部３ａに積載された最上
部のシート、図ではスモールサイズシート２ａの後端側
は、ローラ１３ａ，１３ｂによる自重で押さえ付けら
れ、且つシート２内のスモールサイズシート２ａは、そ
の後端がラージサイズシート２ｂで押えられることによ
り、シート分離装置７の各ノズル７ａから噴射される空
気Ａによる後トレイ部３ｂ側への後退が防止されて確実
に給送される。

【００６４】そして、この最下部のスモールサイズシー
ト２ａが搬送されると、その次のシート、図ではスモー
ルサイズシート２ａが搬送ベルト４ａ，４ｂ上に吸着さ
れ、順次同様の給送動作を行ってシート積載トレイ３に
積載されているシート２を給送方向Ａに搬送する。

【００６５】このように本実施の形態では、同系列でサ
イズの異なるシート、例えばＡ４サイズのスモールサイ
ズシート２ａと、Ａ３サイズのラージサイズシート２ｂ
が混在しているシートの束がシート積載トレイ３に積載
される場合にも、シート分離装置７の各ノズル７ａから
噴射される空気Ｂ₁ によって、スモールサイズシート２
ａが後方側に徐々にずれていくことを防止して、スモー
ルサイズシート２ａとラージサイズシート２ｂの両方を
確実に分離して給送することができる。

【００６６】また、図４は、シート積載トレイ３の前ト
レイ部３ａにスモールサイズシート２ａのみを積載した
場合を示したものであり、後端規制ガイド板９をスモー
ルサイズシート２ａの後端に移動させ、更に、シート２
の送り出しの抵抗とならないように加圧装置８のローラ
１３ａ，１３ｂを上方に退避させている。

【００６７】このように、同一サイズのシートのみを積
載した場合には、ローラ１３ａ，１３ｂをシート２上の
加圧装置８から退避位置に移動させて、シート２の搬送
抵抗とならないように、また、シート分離装置７からの
空気Ｂ₁ の入り込みが悪くならないようにするとよい。

【００６８】尚、コスト低減のための構成の簡略化をす
るために、適正な加圧力を設定することによって、ロー
ラ１３ａ，１３ｂを常時シート２上で加圧状態にしてお
くことも可能である。

【００６９】図５は、本発明の第２の実施の形態に係る
シート給送装置を示す側断面図である。

【００７０】このシート給送装置２０では、ローラ１３
ａ，１３ｂが一端側に取り付けられているローラ保持部
材１４ａ，１４ｂの中央部付近とその上方の本体２１間
にばね２２を取り付け、このばね２２のばね力によっ
て、ローラ１３ａ，１３ｂによる前トレイ部３ａに積載
される最上部のシート、図ではスモールサイズシート２
ａへの加圧力を調整するようにした構成である。他の構
成は、上述した第１の実施の形態と同様である。

【００７１】このように本実施の形態では、シート２
（図ではスモールサイズシート２ａ）の束の量に応じて
ばね２２のばね力を変えることにより、前トレイ部３ａ
に積載される最上部のシート、図ではスモールサイズシ
ート２ａへの最適な加圧力を容易に調整して、スモール
サイズシート２ａがシート分離装置７の各ノズル７ａか
ら噴射される空気Ｂ₁ によって、後トレイ部３ｂ側へ後
退するのを防止して確実に分離して給送することができ
る。

【００７２】また、このローラ１３ａ，１３ｂにワンウ
ェイクラッチを入れてもよい。この場合、ローラ１３
ａ，１３ｂの回転方向は給送方向Ａとなるようにする。
これにより、最上部のシート、図ではスモールサイズシ
ート２ａとローラ１３ａ，１３ｂ間の転がり摩擦による
スモールサイズシート２ａの後退を防止することができ
る。

【００７３】尚、上述した各実施の形態では、ローラ保
持部材１４ａ，１４ｂの一端側に取り付けたローラ１３
ａ，１３ｂはゴム部材で形成したが、摩擦係数の大きい
部材であれば他の部材でもよい。

【００７４】図６は、上述し第１の実施の形態で述べた
シート給送装置１を画像形成装置（複写機）３０の自動
原稿送り装置（ＡＤＦ）５０に適用した例を示す側断面
図である。

【００７５】この画像形成装置３０の本体４０内には、
原稿載置台（プラテン）３２、光源３３、レンズ系３
４、給紙部３５、画像形成部３６等を備えている。

【００７６】給紙部３５には、サイズの異なるシート２
がそれぞれ収納された着脱自在なカセット３７ａ，３７
ｂと、カセット３７ａ，３７ｂの各シート２を給送する
給送機構３８，３９とが配置されている。

【００７７】画像形成部３６には、円筒状の感光体４
１、トナーを収容した現像器４２、転写用帯電器４３、
分離帯電器４４、クリーナ４５、一次帯電器４６等が配
置されている。また、画像形成部３６のシート排出側に
は、搬送装置４７、定着装置４８、排出ローラ４９等が
配置されている。

【００７８】シート給送装置１を備えた自動原稿送り装
置５０は、画像形成装置３０の上部に設けられ、原稿を
一枚ずつ原稿載置台３２に連続して送るものである。

【００７９】次に、上述した画像形成装置３０による画
像形成動作を説明する。

【００８０】本体３１に設けられている制御部（図示省
略）から給送信号が出力されると、この信号に基づいて
カセット３７ａ，３７ｂからシート２が選択的に画像形
成部３６側に給送される。カセット３７ａ，３７ｂから
のシート給送はそれぞれ給送機構３８，３９で行われ
る。

【００８１】一方、光源３３から光を原稿載置台３２上
に自動原稿送り装置５０から連続して送られてくる原稿
に照射してその反射光を、レンズ系３４を介して感光体
４１に照射する。感光体４１は、予め一次帯電器４６に
よって帯電されているため、前記反射光が入射されるこ
とにより静電潜像が形成され、次いで現像器４２によっ
てトナー像が形成される。

【００８２】そして、カセット３７ａ，３７ｂから選択
的に給送されたシート２は、レジストローラ５１で斜行
が補正され、且つタイミングが合わされて画像形成部３
６に給送される。

【００８３】画像形成部３６では、給送されたシート２
に転写用帯電器４３によって感光体４１のトナー現像が
転写され、転写されたシート２は、分離帯電器４４によ
って転写用帯電器４３と逆極性に帯電されて感光体４１
から分離される。

【００８４】そして、分離されたシート２は、搬送装置
４７により搬送されて定着装置４８によりシート２上の
未定着転写画像が定着され、排出ローラ４９によって排
出される。

【００８５】このように、上述したシート給送装置１を
備えた自動原稿送り装置５０では、異なるサイズの原稿
が混在している原稿束が積載される場合でも、この原稿
が確実に原稿載置台３２に給送されて、原稿の読み取り
を行うことができる。

【００８６】尚、本実施の形態では、自動原稿送り装置
に本発明を適用した例を示したが、これに限定されるも
のではなく、他のシート給送装置に適用してもよい。

【００８７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るシー
ト給送装置では、異なるサイズのシートが混在している
シートの束がシート積載トレイに積載される場合でも、
シート分離手段から噴射される空気によって、異なるサ
イズのシートのうち、小さいサイズ側のシートが後方に
ずれるのを防止することができるので、ジャムや重送が
発生することなくシートを確実に給送することができ
る。

【００８８】また、本発明に係る上述したシート給送装
置を備えた画像形成装置では、異なるサイズの原稿が混
在している原稿束が積載される場合でも確実に分離して
給送されて、原稿の読み取りを行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施の形態に係るシート給送装置を示す
側断面図。

【図２】図１に示したシート給送装置の平面図。

【図３】図２に示したシート給送装置の縦断面図。

【図４】第１の実施の形態に係るシート給送装置に同一
サイズのシートを積載した状態を示す側断面図。

【図５】第２の実施の形態に係るシート給送装置を示す
側断面図。

【図６】第１の実施の形態に係るシート給送装置を備え
た画像形成装置の概略構成を示す縦断面図。

【図７】従来のシート給送装置の一例を示す概略断面
図。

【図８】従来のシート給送装置のシート積載トレイを示
す斜視図。

【図９】シート積載トレイに積載されるサイズの異なる
シートを示す図。

【符号の説明】

１，２０ シート給送装置 ２ シート ２ａ スモールサイズシート ２ｂ ラージサイズシート ３ シート積載トレイ ３ａ 前トレイ部 ３ｂ 後トレイ部 ４ａ，４ｂ 搬送ベルト（給送手段） ４ｃ 孔 ５ 吸引チャンバ（給送手段） ６ ブロア（給送手段） ７ シート分離装置（シート分離手段） ７ａ ノズル７ａ ８ 加圧装置（加圧手段） ９ 後端規制ガイド板（後端規制手段） １３ａ，１３ｂ ローラ １４ａ，１４ｂ ローラ保持部材 １６ カム ２２ ばね ３０ 画像形成装置 ３５ 給紙部 ３６ 画像形成部 ５０ 自動原稿送り装置

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数枚のシートを積載可能なシート積載
   手段と、前記シート積載手段に積載されている最下位の
   シートを空気の吸引によって吸着して給送する給送手段
   と、前方から空気を吹き付けて前記シート積載手段に積
   載されている前記最下位のシートとその上にある他のシ
   ートとを分離するシート分離手段とを有し、前記シート
   積載手段に積載されているシート束の前記最下位のシー
   トとその上にある他のシートとを前記シート分離手段で
   分離して、前記給送手段で前記最下位のシートを順次給
   送するシート給送装置において、 前記シート積載手段に積載されるシート束の最上位のシ
   ート上の所定位置に所定の加圧力を加える加圧手段と、 前記シート積載手段に積載されるシート束に対してシー
   ト後端を規制するシート後端規制手段と、 を備えたことを特徴とするシート給送装置。
2. 【請求項２】 前記シート積載手段にサイズの異なるシ
   ートを積載する時は、サイズの異なる各シートの給送方
   向の先端を合わせて前記シート積載手段に積載し、前記
   加圧手段は、サイズの小さい側のシートの給送方向上流
   側に加圧力を加える位置に配置されている、 請求項１記載のシート給送装置。
3. 【請求項３】 前記シート積載手段の給送方向下流側は
   略水平に形成され、給送方向上流側は所定の角度で重力
   方向に傾斜して形成されている、 請求項１又は２記載のシート給送装置。
4. 【請求項４】 前記シート積載手段の両サイドは、その
   中央の基底部に対して上方に傾斜している、 請求項１乃至３のいずれか１項記載のシート給送装置。
5. 【請求項５】 前記給送手段は、多数の孔を有する搬送
   ベルトと、前記搬送ベルトを駆動する駆動手段と、前記
   搬送ベルト内に配置され、連結されている空気吸引手段
   により前記孔を通して空気を吸引する吸引チャンバとを
   有し、前記最下位のシートを前記搬送ベルトに吸着させ
   て給送する、 請求項１記載のシート給送装置。
6. 【請求項６】 前記加圧手段は、前記シートに加圧力を
   加えるための加圧位置と退避位置との間で移動自在に設
   けられている、 請求項１記載のシート給送装置。
7. 【請求項７】 前記加圧手段は、一端側に高摩擦係数部
   材を取付けた軸を保持する保持部材と、前記保持部材を
   回転自在に支持する軸と、該軸に対して前記前記保持部
   材の高摩擦係数部材と反対側の上方に配置され、その回
   転により前記保持部材を前記軸を回転支点にして回転さ
   せて一端側の前記高摩擦係数部材を上下動させるカム
   と、前記カムを回転駆動するモータとを有し、前記シー
   トの給送時に、前記高摩擦係数部材を前記最上位のシー
   ト上の給送方向上流側に押し付けて加圧する、 請求項６項記載のシート給送装置。
8. 【請求項８】 前記高摩擦係数部材は、前記最上位のシ
   ートの両サイド側近傍を押し付けるように並設される、 請求項７記載のシート給送装置。
9. 【請求項９】 前記高摩擦係数部材は、回転自在に支持
   されたゴム部材からなるローラである、 請求項７又は８記載のシート給送装置。
10. 【請求項１０】 シートを給送する請求項１乃至９のい
    ずれか１項記載のシート給送装置と、前記シート給送装
    置から給送されたシートに画像を形成する画像形成部
    と、 を有することを特徴とする画像形成装置。