JPH0957847A - エンボス加工フィルムの製造方法およびこれに使用するための装置 - Google Patents
エンボス加工フィルムの製造方法およびこれに使用するための装置Info
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- JPH0957847A JPH0957847A JP21206195A JP21206195A JPH0957847A JP H0957847 A JPH0957847 A JP H0957847A JP 21206195 A JP21206195 A JP 21206195A JP 21206195 A JP21206195 A JP 21206195A JP H0957847 A JPH0957847 A JP H0957847A
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Abstract
じることなく、十分に深いエンボスを形成することので
きるエンボス加工フィルムの製造方法およびこれに用い
るための装置の提供。 【解決手段】 熱可塑性樹脂のフィルムをエンボスロー
ル3に圧着させてエンボスし、続いてエンボス加工され
たフィルムを該エンボスロール3から剥離させる際に、
該フィルムと該エンボスロール3との剥離部付近に温風
を吹き付けることを特徴とするエンボス加工フィルムの
製造方法および装置。
Description
ルムの製造方法およびこれに用いるための装置に関する
ものであり、さらに詳しくは本発明は、十分な全光線透
過率を有し、たわみや皺が生じることなく、十分に深い
エンボスを形成することのできるエンボス加工フィルム
の製造方法およびこれに用いるための装置に関するもの
である。
ィルムにエンボス加工を施すことは公知である。熱可塑
性樹脂からなるフィルムの一般的なエンボス加工工程を
図2に示す。図2は、従来のエンボス加工装置の概略図
である。
は、ダイ1から押し出されフィルム状となり、圧着ロー
ル2によりエンボスロール3に圧着され、ここでエンボ
スロール3に形成された所望の形状がフィルムに転写さ
れ、続いてフィルムは引き取りロール5、6、7を経
て、巻取りロール8により巻き取られる。
ィルムの一つの用途としては、転写フィルム、窓ガラ
ス、液晶ディスプレイのバックライト等の光拡散板に使
用される光拡散フィルムが挙げられる。
うな光拡散フィルムを製造する場合には、十分な光拡散
性を得るためにフィルムに深いエンボス加工を形成する
必要があるが、下記に示される相反する要因から、実質
上満足のできる光拡散フィルムを得ることはできなかっ
た。
とすると、流動性の低い熱可塑性樹脂を用いた場合、エ
ンボスの形状が十分に転写されない。例えば、凹部を有
するエンボスロールを用いた場合、樹脂の流動性が低い
ために、凹部の深部まで樹脂が行き渡らない。一方凸部
を有するエンボスロールを用いた場合も、この凸部形状
が十分にフィルムに転写できない。したがって両者とも
に十分な光拡散性が得られない。 上記事実を勘案して流動性の高い熱可塑性樹脂を用
いると、深いエンボスの転写性は良好となるが、通常は
加熱されたエンボスロールにフィルムが融着する傾向が
あり、これによってたわみや皺のあるフィルムとなって
しまう。
法としては、熱可塑性樹脂に炭酸カルシウム、二酸化チ
タン、アルミナ、シリカ等の光拡散剤を添加して押出成
形する方法が挙げられるが、この方法ではこれら光拡散
剤を多量に使用する必要があり、その結果、得られるフ
ィルムの全光線透過率が低下し、輝度も低下するという
問題がある。
光線透過率を有し、たわみや皺が生じることなく、十分
に深いエンボスを形成することのできるエンボス加工フ
ィルムの製造方法およびこれに使用するための装置を提
供することにあり、とくに例えば光拡散フィルム等に好
適に利用することのできるエンボス加工フィルムを提供
することにある。
果、上記のような従来の課題を解決することができた。
すなわち本発明は、熱可塑性樹脂のフィルムをエンボス
ロールに圧着させてエンボスし、続いてエンボス加工さ
れたフィルムを該エンボスロールから剥離させる際に、
該フィルムと該エンボスロールとの剥離部付近に温風を
吹き付けることを特徴とするエンボス加工フィルムの製
造方法を提供するものである。
STM D−1238、300℃、荷重1.2kg)が、
10g/10分以下である前記のエンボス加工フィルム
の製造方法を提供するものである。
ーボネート樹脂である前記のエンボス加工フィルムの製
造方法を提供するものである。
面温度が、使用する熱可塑性樹脂のガラス転移温度より
も2〜10℃高い温度である前記のエンボス加工フィル
ムの製造方法を提供するものである。
ールの表面温度±10℃である前記のエンボス加工フィ
ルムの製造方法を提供するものである。
00kgf/m2である前記のエンボス加工フィルムの製造
方法を提供するものである。
って得られた光拡散フィルムに用いられるエンボス加工
フィルムを提供するものである。
エンボスロールに圧着させるための圧着手段と;該フィ
ルムをエンボス加工することのできるエンボスロール
と;エンボス加工されたフィルムを、該エンボスロール
から剥離する際に、両者の剥離部付近に温風を吹き付け
ることのできる温風吹付手段と;を備えたことを特徴と
するエンボス加工フィルム製造装置を提供するものであ
る。
ス加工フィルム製造装置を図1に示す。図1は、本発明
の装置の一例の概略図である。
樹脂は、ダイ1から押し出されフィルム状となり、圧着
手段としての圧着ロール2によりフィルムがエンボスロ
ール3に圧着され、ここでエンボスロール3に形成され
た所望の形状がフィルムに転写される。続いてエンボス
加工されたフィルムはエンボスロール3から剥離される
が、このとき、エンボスロール3とフィルムとの剥離部
付近に、温風吹付手段4からフィルムがエンボスロール
3から剥離されるような方向の温風が吹き付けられ、次
にエンボスロール3から剥離したフィルムは、引き取り
ロール5、6、7を経て、巻取りロール8により巻き取
られる。
脂は、押出加工することを考慮すると、その流動性、す
なわちMFR(ASTM D−1238、300℃、荷
重1.2kg)は、10g/10分以下が好ましい。さらに
好ましくは8g/10分以下がよい。MFRが10g/1
0分を超えると、深いエンボス加工をするという目的に
はエンボスの深部まで樹脂が到達するので好ましいが、
押出加工するという目的にはやや流動性が高すぎるきら
いがある。なお、MFRが1g/10分未満であると、
深いエンボス加工をするという目的には、エンボスの深
部まで樹脂が到達しないので好ましくない。
ではないが、得られるエンボス加工フィルムを光拡散フ
ィルムとして用いる場合は、ポリカーボネート樹脂がそ
の透明性等の点から好ましい。
〜0.50mm、好ましくは0.10〜0.20mm程度であ
ることができる。
ラス転移温度よりも2〜10℃高い温度が望ましい。さ
らに好ましくは3〜8℃高い温度がよい。このようにエ
ンボスロールの表面温度を規定することにより、深いエ
ンボスの転写をさらに良好に行うことができる。
ールから剥離されるが、このとき、エンボスロールとフ
ィルムとの剥離部付近に、フィルムがエンボスロールか
ら剥離されるような方向の温風が吹き付けられる。この
温風の吹き付けにより、フィルムとエンボスロールとの
熱融着が防止され、しかもフィルムのたわみや皺も防止
することができる。
とほぼ同じ温度が好ましい。具体的には、エンボスロー
ルの表面温度±10℃、好ましくは±5℃、さらに好ま
しくは±3℃がよい。エンボスロールの表面温度から1
0℃を減じた温度未満の温風を吹き付けると、フィルム
が急激に冷却され、波模様が生じるために好ましくな
い。逆にエンボスロールの表面温度よりも10℃を超え
る温度の温風では、フィルムにたわみや皺が形成される
恐れがある。
ることができ、例えばエアナイフ装置に温風が吹き出す
ようにした等の装置を挙げることができる。
件によって種々選択すればよいが、例えば50〜200
kgf/m2、好ましくは80〜120kgf/m2がよい。また
温風は、フィルムの剥離部付近に吹き付けるが、このと
きスリットを通して均一な薄い流れ(例えば幅0.5〜
1.5mm程度)として吹き付けるのが好ましい。
0m/分程度の範囲で適宜決定できる。
しても、実質上満足のいく製品を得ることはできなかっ
た。その理由としては、上記のように樹脂の流動性が低
いとエンボスの形状が十分に転写されず、逆に流動性の
高い樹脂ではたわみや皺のあるフィルムとなってしま
う。本発明者は、熱可塑性樹脂の流動性を適宜選択し、
またエンボスロールとフィルムとの剥離を促進するため
に温風をフィルムに吹き付けることによって、深いエン
ボス加工が可能となることを見いだし、本発明を完成す
ることができた。
る。なお、流動性(MFR)とは、ASTM D−12
38に準拠して、温度300℃、荷重1.2kgの条件で
測定した値である。実施例 1 図1に示されるような装置を用いて、エンボス加工フィ
ルムを製造した。ポリカーボネート樹脂(出光石油化学
社製、タフロン♯E3000、MFR=3g/10分、
ガラス転移温度130℃)を、300℃に温度調節した
ダイ1から押し出し、得られたフィルムを圧着ロール2
によりエンボスロール3(表面温度136℃)に圧着し
た後、温風吹付手段4から出ている温風(温度130
℃、空気風量100kgf/m2、スリット幅1mm)を、フ
ィルムとエンボスロール3との剥離点に当てながら剥離
し、続いて引き取りロール5(表面温度130℃)、引
き取りロール6(表面温度125℃)および引き取りロ
ール7(表面温度120℃)を経て、巻取りロール8で
フィルムを巻き取った。このとき、巻取り速度は30m
/分であり、フィルムの厚さは0.15mmであった。得
られたエンボス加工フィルムを観察したところ、エンボ
スが十分に転写されており、しかもたわみや皺のない良
好なものであった。また、得られたエンボス加工フィル
ムの表面粗度、エンボス転写率、全光線透過率、ヘイズ
を測定した。その結果を表1に示す。
り返した。得られたエンボス加工フィルムを観察したと
ころ、エンボスが十分に転写されておらず、たわみや皺
が認められた。また、得られたエンボス加工フィルムの
表面粗度、エンボス転写率、全光線透過率、ヘイズを測
定した。その結果を表1に示す。
に温風吹付手段4を使用しなかったこと以外は、実施例
1を繰り返した。得られたエンボス加工フィルムを観察
したところ、エンボスが十分に転写されていなかった。
また、得られたエンボス加工フィルムの表面粗度、エン
ボス転写率、全光線透過率、ヘイズを測定した。その結
果を表1に示す。
ス加工フィルムの表面粗度、エンボス転写率、全光線透
過率、ヘイズの測定方法を以下に記す。
十点平均粗さ(Rz)をJIS B0601に準拠して
測定した。
類の転写率を測定した。 転写率a=(フィルム面のRa/エンボスロール面のRa)×100 転写率b=(フィルム面のRz/エンボスロール面のRz)×100 但しエンボスロール面のRa=7.6μm、エンボスロー
ル面のRz=50.7μm。
0.15μmのフィルムをJIS K7105に準拠して
全光線透過率およびヘイズを測定した。 測定器:東洋精機製作所社製、直読ヘイズメーター
ムの状況を目視した。 たわみ: ○=なし,×=あり 皺 : ○=なし,×=あり
ンボス加工フィルムは、全光線透過率が高く、エンボス
の転写率に優れ、しかもたわみや皺がなく、良好なもの
であることが分かる。
率を有し、たわみや皺が生じることなく、十分に深いエ
ンボスを形成することのできるエンボス加工フィルムの
製造方法およびこれに用いる装置が提供される。本発明
により得られるエンボス加工フィルムは、とくに例えば
光拡散フィルム等に好適に利用することができる。
Claims (8)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂のフィルムをエンボスロー
ルに圧着させてエンボスし、続いてエンボス加工された
フィルムを該エンボスロールから剥離させる際に、該フ
ィルムと該エンボスロールとの剥離部付近に温風を吹き
付けることを特徴とするエンボス加工フィルムの製造方
法。 - 【請求項2】 熱可塑性樹脂のMFR(ASTM D−
1238、300℃、荷重1.2kg)が、10g/10分
以下である請求項1に記載のエンボス加工フィルムの製
造方法。 - 【請求項3】 熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート樹脂
である請求項1または2に記載のエンボス加工フィルム
の製造方法。 - 【請求項4】 エンボスロールの表面温度が、使用する
熱可塑性樹脂のガラス転移温度よりも2〜10℃高い温
度である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のエン
ボス加工フィルムの製造方法。 - 【請求項5】 温風の温度が、エンボスロールの表面温
度±10℃である請求項4に記載のエンボス加工フィル
ムの製造方法。 - 【請求項6】 温風の風量が、50〜200kgf/m2で
ある請求項1ないし5のいずれか1項に記載のエンボス
加工フィルムの製造方法。 - 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載
の製造方法によって得られた光拡散フィルムに用いられ
るエンボス加工フィルム。 - 【請求項8】 熱可塑性樹脂のフィルムをエンボスロー
ルに圧着させるための圧着手段と;該フィルムをエンボ
ス加工することのできるエンボスロールと;エンボス加
工されたフィルムを、該エンボスロールから剥離する際
に、両者の剥離部付近に温風を吹き付けることのできる
温風吹付手段と;を備えたことを特徴とするエンボス加
工フィルム製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21206195A JP3921249B2 (ja) | 1995-08-21 | 1995-08-21 | エンボス加工フィルムの製造方法、およびこれにより得られる、光拡散フィルムに用いられるエンボス加工フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21206195A JP3921249B2 (ja) | 1995-08-21 | 1995-08-21 | エンボス加工フィルムの製造方法、およびこれにより得られる、光拡散フィルムに用いられるエンボス加工フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0957847A true JPH0957847A (ja) | 1997-03-04 |
JP3921249B2 JP3921249B2 (ja) | 2007-05-30 |
Family
ID=16616225
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21206195A Expired - Lifetime JP3921249B2 (ja) | 1995-08-21 | 1995-08-21 | エンボス加工フィルムの製造方法、およびこれにより得られる、光拡散フィルムに用いられるエンボス加工フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3921249B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012102274A1 (ja) * | 2011-01-28 | 2012-08-02 | 住友化学株式会社 | 樹脂シートの製造方法 |
CN115230244A (zh) * | 2022-05-11 | 2022-10-25 | 株洲时代华先材料科技有限公司 | 一种辊筒式热压装置及其热压工艺 |
WO2023032896A1 (ja) * | 2021-08-31 | 2023-03-09 | 住友ベークライト株式会社 | マイクロ流路チップ |
-
1995
- 1995-08-21 JP JP21206195A patent/JP3921249B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2012102274A1 (ja) * | 2011-01-28 | 2012-08-02 | 住友化学株式会社 | 樹脂シートの製造方法 |
WO2023032896A1 (ja) * | 2021-08-31 | 2023-03-09 | 住友ベークライト株式会社 | マイクロ流路チップ |
JPWO2023032896A1 (ja) * | 2021-08-31 | 2023-03-09 | ||
CN115230244A (zh) * | 2022-05-11 | 2022-10-25 | 株洲时代华先材料科技有限公司 | 一种辊筒式热压装置及其热压工艺 |
CN115230244B (zh) * | 2022-05-11 | 2023-10-13 | 株洲时代华先材料科技有限公司 | 一种辊筒式热压装置及其热压工艺 |
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---|---|
JP3921249B2 (ja) | 2007-05-30 |
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