JPH0957329A - ディーゼルエンジン燃料噴射管用鋼管の製造方法 - Google Patents

ディーゼルエンジン燃料噴射管用鋼管の製造方法

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JPH0957329A
JPH0957329A JP7219096A JP21909695A JPH0957329A JP H0957329 A JPH0957329 A JP H0957329A JP 7219096 A JP7219096 A JP 7219096A JP 21909695 A JP21909695 A JP 21909695A JP H0957329 A JPH0957329 A JP H0957329A
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pipe
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fuel injection
engine fuel
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Motoaki Oyama
元昭 尾山
Yoshiki Kamemura
佳樹 亀村
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内面性状の優れたディーゼルエンジン燃料噴
射管用鋼管を、高能率、且つ、低コストで製造する技術
を得る。 【解決手段】 マンネスマンミル穿孔、マンドレルミル
圧延した継目無素管の内表面に、ショットブラスト処理
により、片肉0.10〜0.50mm研削・研磨を行い
傷を除去し、さらに、冷間引き抜き加工を施し、深さが
0.10mm以上の内面傷のないディーゼルエンジン燃
料噴射管用鋼管の製造する。 【効果】 従来の機械切削法と同等の、優れた特性の鋼
管を高能率、且つ、低コストで製造すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼管内面の疵(本
発明においては、凹凸、ヘゲ、微細クラック、シワ疵、
シワ、スケール等、すべての好ましくない部分の総称と
して用いる。)の深さが0.10mm以下の高品質のデ
ィーゼルエンジン燃料噴射管用鋼管を経済的に、かつ高
能率に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジン燃料噴射管は、燃料
油の圧力変動による繰り返し疲労に耐える必要があり、
また、管が閉塞しないこと、管内を流れる燃料油に対し
て抵抗が少ないこと等が要求される。
【0003】そのため、ディーゼルエンジン燃料噴射管
に使用する鋼管の内面の性状については、高い平滑度
と、内周面に疵がないことが要求され、たとえば、シワ
疵はその深さが、0.10mmを越えないこととされて
いる。
【0004】ディーゼルエンジン燃料噴射管用鋼管は、
比較的小径厚肉の炭素鋼や合金鋼のシームレス鋼管(以
後、単に鋼管と記す。)である。通常はこの用途の鋼管
は、熱間圧延(この場合の熱間圧延には、マンネスマン
ミル穿孔、マンドレルミル圧延、ストッレチレデューサ
ーによる高温伸管等のすべての高温における加工を含む
ものとする。)、および冷間引き抜き加工(以後伸管と
略す。)により製造する。しかし、小径厚肉の継目無鋼
管において、内面性状を上記の目的に合致する様に作り
込むことは必ずしも容易ではない。
【0005】ディーゼルエンジン燃料噴射管用鋼管を対
象としたものではないが、高品質の内面性状の鋼管の製
造を目指した技術として、たとえば特公平5−1864
4号公報に開示された技術がある。この技術は、マンド
レルミルによる熱間圧延に使用するマンドレルバーの表
面粗度を低くし、かつストレッチレデューサーによる高
温伸管時に鋼管素材(以後素管と略す。)に与えるスト
レッチ係数を大きくして、シワ疵の発生を軽減すると言
うものである。
【0006】これに対して、熱間圧延時に発生する疵は
やむをえないものと考え、それを除去して、高品質の内
面性状の鋼管を得ようとする技術も開示されている。た
とえば、特公昭51−21391号公報や、特開平5−
154536号公報に記載の技術は、熱間圧延後の素管
の内面に顕在する疵を機械切削により、片面(内表面か
ら外表面に向かって深さ方向に)0.10〜0.50m
m程度、切削除去すると言うものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の技術の内、特公
平5−18644号公報に開示された技術は、工程数を
増加させるものではなく、能率的にも機械切削を行なう
方法に比較して、はるかに優れていることは言うまでも
ない。また、伸管後の疵(この場合はシワ疵)の深さも
0.01mm程度とされており十分に浅い。
【0008】しかしながら、スケールの生成した高温の
素管に触れるマンドレルバーの表面粗さを、Rmaxで
数10μm以下に保つことは必ずしも容易ではない。ま
た、ストレッチレデューサーにおけるストレッチ係数
を、0.58以上と大きくとることも、厚肉のディーゼ
ルエンジン燃料噴射管用鋼管の製造条件に、必ずしも合
致するものではない。
【0009】その結果、現在採用されている一般的な方
法は、機械切削により内表面の疵を含む不健全な部分を
除去すると言うものである。しかし、この方法を実際の
製造に適用する場合には、たとえば、以下に示した様に
複雑な製造工程を必要とする。
【0010】(熱間圧延:素管の製造)−(伸管のため
の前処理1:口絞り、潤滑剤処理)−(中間伸管1)−
(軟化熱処理1)−(矯正・切断1)−(機械研削)−
(超音波探傷検査)−(伸管のための前処理2:口絞
り、潤滑剤処理)−(中間伸管2)−(軟化熱処理2)
−(伸管のための前処理3:口絞り、潤滑剤処理)−
(中間伸管3)−(軟化熱処理3)−(伸管のための前
処理4:口絞り、潤滑剤処理)−(仕上伸管)−(仕上
熱処理)−(矯正・切断2)−(非破壊検査)−(梱
包)
【0011】中間伸管1は外径の縮小のみならず、機械
切削を行なうための真直度、真円度の向上と、機械切削
前の凹凸の低減といった内面の性状の改善のためにも必
要である。軟化熱処理1は先の伸管により上昇した硬度
を、切削が容易な値にまで下げるために必要である。矯
正・切断1は熱処理により曲がった素管を直すこと、お
よび機械切削が可能な長さにすることであり、ともに機
械切削のための工程である。
【0012】機械切削は、たとえば旋盤を用いて行な
う。そして、機械切削後に超音波探傷検査を行い、基準
値以上の深さの疵のある素管を不良品として取り除き、
再度中間伸管−軟化熱処理を複数回繰り返し、仕上伸
管、仕上熱処理を行なう。
【0013】以上の工程の問題点は極めて多い。まず、
機械切削は非能率かつ、高コストの作業である。また、
機械切削を行なうために素管は短尺にせねばならず、そ
の後は伸管は本数が増加し、口絞り等の前処理の必要回
数も増え、頭部や尾部のクロップも増加し、歩留りも著
しく低下する。
【0014】以上のような状況であり、高能率かつ経済
的なディーゼルエンジン燃料噴射管用鋼管の製造方法の
開発が待たれていた。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、内面の性
状の優れたディーゼルエンジン燃料噴射管用鋼管を能率
的、経済的に製造する方法を総合的に検討して本発明を
完成させたものであり、その基本は、熱間圧延と伸管に
より製造する鋼管の、熱間圧延後の素管にショットブラ
スト処理(以後ショットブラスト処理とは、単に表面硬
化を目的としたショットブラスト処理ではなく、表面を
研削・研磨することを主目的とした処理をさすものとす
る。)により、内面を研削(以後ショットブラスト処理
による研削には表面を平滑のする研磨も含まれるものと
する。)して大部分の疵を除去し、疵が一定のレベル以
下の素管を得てそれを伸管し、有害な疵のない鋼管を得
ると言うものである。また、ショットブラスト処理によ
る研削量の最適値を鋼管の製造のトータルコストを最小
にする様に定めるものであり、第1発明は熱間圧延した
シームレス素管の内面を、粒径0.1〜0.5mm、粒
の吹き出しの空気圧は5kg/cm2以上でショットブラスト
処理により、片肉0.10〜0.50mmの研削を行っ
た後に、伸管を行うディーゼルエンジン燃料噴射管用鋼
管の製造方法である。
【0016】また、第2発明は熱間圧延したシームレス
素管の内面を、粒径0.1〜0.5mm、粒の吹き出し
の空気圧は5kg/cm2以上でショットブラスト処理によ
り、片肉0.10〜0.50mmの研削した後に検査を
行い、疵の深さが0.10mm未満の素管を選別し、選
別した素管に伸管を行うディーゼルエンジン用燃料噴射
管用鋼管の製造方法である。
【0017】また、第3発明は熱間圧延したシームレス
素管の内面を、粒径0.1〜0.5mm、粒の吹き出し
の空気圧は5kg/cm2以上でショットブラスト処理によ
り、片肉0.10〜0.50mmの研削した後に斜角超
音波探傷法により検査を行い、疵の深さが0.10mm
未満の素管を選別し、選別した素管に伸管を行うディー
ゼルエンジン用燃料噴射管用鋼管の製造方法である。
【0018】ディーゼルエンジン燃料噴射管用鋼管は、
上記した様に有害な疵が内面に残存しないことが要求さ
れる。熱間圧延されたシームレス素管の内面は、溶接鋼
管に比較して、凹凸が多く、微細なシワもあり、また真
円度も低くなる。高温で加工されているためスケールも
生成している。
【0019】したがって、そのまま伸管(中間伸管、仕
上げ伸管)を行った場合は、内面に疵が多い鋼管とな
り、その疵を起点としてクラックが進展するため、内圧
疲労強度の確保が困難になる。また、表面の粗度が大き
い場合は、燃料油の流動抵抗が増大し、また管が閉塞す
る可能性も高くなる。
【0020】この伸管前の内面の疵を除去するための従
来の方法は、旋盤等による機械切削に限られており、著
しく非能率、高コスト、低歩留りであった。ショットブ
ラスト処理は、これに対して高能率、低コスト、高歩留
りである。
【0021】ここで、機械切削にたいするショットブラ
スト処理のメリットを改めて列記する。
【0022】ショットブラスト処理の基本的なメリット
として、まず、 1)作業の能率や施工性が、鋼種、鋼の状態(熱間圧延
の仕上げ状態、表面状態、ミクロ組織等の内質等)に対
して鈍感である。
【0023】ことが上げられる。すなわち、機械切削に
比較して条件の設定が容易であり、また最適の設定でな
い場合も、作業が可能なことが多い。
【0024】研削、または切削前については、機械切削
に比較して、 2)真直度確保のための伸管が不要 3)伸管による加工硬化を取り除く軟化焼鈍が不要 4)軟化焼鈍による曲がりの矯正が不要 5)一定の長さ以下にするための切断が不要の4点のメ
リットがある。
【0025】機械切削の可能な長さは、内径25mm程
度の素管の場合で、4〜8m(鋼種、曲がり等で変化す
る。)である。これに対して、ショットブラスト処理
は、十数mの素管に対しても実施可能である。
【0026】また、ショットブラスト処理は、処理を行
うことが可能な素管の内径を比較的自由に選ぶことがで
きるため、 6)研削、または切削後の伸管工程を少なくできる。と
言うメリットもある。
【0027】ショットブラスト処理は内径15mm〜8
0mm程度の素管に対して、均一かつ高能率に行うこと
が可能である。すなわち、高能率の熱間圧延で製品に近
い寸法に加工し、ショットブラスト処理を行い、少ない
伸管回数で製品にすることができる。
【0028】これに対して、従来法の機械切削法による
場合は、内径が小さくなると、急激に切削が困難になる
ため(22mm以下の鋼管素材の加工は、工具の寿命が
著しく短くなるため、経済性を考慮すると事実上不可能
である。)、比較的大きな内径の状態で切削加工を行う
必要があり、製品の内径が小さい場合は、ショットブラ
スト処理後と、機械切削後の伸管の回数の差が大きくな
る。このショットブラスト処理のメリットは同一寸法の
製品の本数が多い場合に大きい。
【0029】また、ショットブラスト処理は内表面あた
りの能率が管の内径にあまり影響を受けない。そのた
め、 7)異なった寸法の製品を製造する場合の素管の種類が
少なくできる。
【0030】同一寸法の製品の本数が少ない場合のショ
ットブラスト処理のメリットである。すなわち、異なっ
た寸法の製品を、同一素管を用いてショットブラスト処
理を行い、伸管により作り分けることが可能であり、ま
たコスト的にも有利なことが多い。これに対して、機械
切削では、なるべく内径が大きい状態で切削を行うこと
が原則であり、製品の寸法毎に切削を行う最適寸法が存
在する。
【0031】この様に、ショットブラスト処理はメリッ
トの多い内面研削法であるが、以下に示す様な条件を満
足する必要がある。
【0032】ショットブラスト処理は熱間圧延後の素管
に対して行う。また、ショットブラスト処理後は、熱間
圧延は行ってはならない。ここで、熱間圧延後とはショ
ットブラスト処理工程が、熱間圧延工程の後に位置する
ことであり、熱間圧延工程とショットブラスト処理工程
の間に、他の工程が入った場合も当然、本発明の範囲に
含まれる。他の工程には、熱処理や、素管に変形を加え
る伸管等の工程も含む。素管の内表面は、熱間圧延のま
まの酸化スケールの付着した状態でも、酸洗等で酸化ス
ケールが除かれている状態でもよい。
【0033】ショットブラスト処理は鋼管の内面を均一
に、かつ十分に研削できるものでなければならない。シ
ョットブラスト粒は、十分に硬度の高いものが必要であ
る。金属粒の場合も十分硬度の高い粒を使用する。セラ
ミックス(酸化物、砂も含む)粒子は最適であり、角張
っており、かつ耐久性が高いものが好ましい。
【0034】粒径は0.1〜0.5mm程度のものを用
いる。粒径が0.1mm未満の場合は能率が低い。ま
た、0.5mmを越えると、ショットブラスト処理後の
内面の粗度が過大になり、好ましくない。ショットブラ
スト粒の吹き出しの空気圧は5kg/cm2以上でよいが、5
〜10kg/cm2が適当である。
【0035】ショットブラストによる研削深さは、片肉
0.10〜0.50mmとする。0.10mm未満の場
合は、酸化スケールが残存することがあり、また疵はほ
とんど除去できない。上限値は、ほとんどの疵は0.5
0mm以下のショットブラスト研削により除去されるこ
と、0.50mmを越える研削は経済性、能率、歩留り
が低下することを考慮して定めた。
【0036】なお、実操業上の研削の深さは、0.10
〜0.50mmの範囲で、従来のデータ、鋼種、寸法、
本数等を考慮して最適量を定める。ショットブラスト処
理は、従来の方法に比較すると上記のようなメリットを
有してはいるが、そのコストは研削量が多くなると上昇
し、素管の疵は減少するものの、製造の全体のコストは
上昇する。
【0037】したがって、ショットブラスト処理によ
り、ある一定量の研削を行った後に検査を行い、一定値
以上の深さの疵が残存した素管を取り除く(以後、リジ
ェクトすると記す。)ことが、全体のコストを下げる上
での現実的な解決策である。もちろん、一定値以上の深
さの疵が残存した素管が多い場合はこの限りではない。
【0038】許容できる疵の深さの限界値は、種々の要
因により変動する。たとえば、深さが0.10mm以上
の傷が残存する場合は、次工程の伸管を行った場合に、
0.05mm以上の疵が認められる確率が増大するが、
この、0.05mmが製品の一般的な管理目標とされる
ことが多い。したがって、通常は0.10mm以上の傷
が残存する素管にたいしては、次工程の伸管を行わな
ず、リジェクトするが、このリジェクトする素管の割合
を、一定値以下に管理することが最適の解決策である。
【0039】リジェクトの率をいくらに設定すると最も
経済性が高いかは、鋼種、本数等の影響も若干は受ける
が、数%が目安である。もちろん、価格の高い鋼種、本
数の少ないロットの場合は、リジェクトする素管の割合
を小さく、したがって、研削量を高めに設定する。
【0040】実際の作業は、先ずショットブラスト研削
量(0.10mm〜0.50mmの範囲内)を諸元を基
に決定し、研削を行い、検査をし、0.10mm以上の
疵を持つ素管をリジェクトし、残部について次工程の伸
管を行う。なお、リジェクト率が目標値を越えた場合、
また目標値を著しく下回った場合は、先に求めたショッ
トブラスト処理の研削量が不適切であると判断されるた
め、そのデータを取込み、補正し、次回の研削量を決定
する。
【0041】なお、目標値を大きく越えた場合に、リジ
ェクトした素管に再度のショットブラスト処理を行い、
再検査を行うことも発明の範囲に含まれる。上記したよ
うに、ショットブラスト処理は前履歴に鈍感な研削方法
であり、また、研削作業を行うための素管の固定といっ
た作業も容易なため、複数回繰り返すことのデメリット
は、機械切削法に比較して著しく小さい。
【0042】ショットブラスト処理後の残存疵の調査
は、非破壊検査による場合は斜角超音波探傷法が最も有
効である。もちろん、素管の端部をミクロ観察する方法
も有効であるが、この場合は全長検査でないため、素管
の両端付近の研削条件が安定した部分を観察すると言っ
た、十分な配慮が必要である。
【0043】なお、このショットブラスト処理後の検査
を省略し、すべての素管を伸管して、最終の検査で判定
をする方法を選択してよいことはもちろんである。
【0044】
【実施例】本発明の実施例を説明する。表1に本発明の
方法により、ディーゼルエンジン燃料噴射管用鋼管を製
造する場合と、比較例である従来の方法による場合との
各工程における素管の寸法を示した。また、表2、表3
に各工程における素管の寸法および作業内容を示した。
ここでは、相当量の本数を製造する場合に、最も低コス
トになる工程を示している。製品はSTS410鋼管で
ある。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】本発明の実施例は、何れも内径が20mm
程度の状態でショットブラスト処理を行っているが、機
械切削による従来の方法の場合は、内径が25.0〜2
7.0mmの状態で加工を行っている。機械切削は、上
述した様に内径が25mm以下になると、コストが急上
昇する。なお、機械切削前に素管は4〜5mに切断して
いる。
【0049】何れの素管においても、本発明の方法であ
るショットブラスト処理を行った場合は、研削前の伸管
が不要であり、伸管回数が少なくなる。また、外径2
0.0mmφ×肉厚5.5mmtの鋼管の製造において
は、機械切削による従来の方法に比較して、研削後の伸
管回数も少ない。
【0050】なお、本発明の方法による場合は、外径2
0.0mmφ×5.5tmmの鋼管と外径18.0mm
φ×6.0tmmの鋼管は、同一の熱間圧延素管から製
造可能であるが、従来の機械切削法の場合は、別個のサ
イズの熱間圧延素管を準備する必要である。
【0051】この表に示した例では、ショットブラスト
処理による研削量、機械切削による切削量共に、片肉
0.25mmである。研削後の非破壊検査(斜角超音波
探傷)により、0.10mm以上の欠陥の存在が認めら
れ、リジェクトした素管の比率は、いずれも0.4〜
0.5%であった。
【0052】表4に本発明の方法により製造したディー
ゼルエンジン燃料噴射管用鋼管、比較例である従来の方
法により製造した鋼管、および同一寸法の、内面切削を
行っていない鋼管(ディーゼルエンジン用燃料噴射管で
はない。)の品質の調査結果を示す。
【0053】
【表4】
【0054】本発明の方法により製造した鋼管の噴破ト
ラブル発生率は、3例とも従来の方法により製造した場
合と同様に、0.01%以下の低い値であった。これに
対して、まったく内面切削を行っていない鋼管の特性
は、著しく劣っている。
【0055】内面の疵の個数は、深さ別に測定したが、
何れの寸法の鋼管においても、本発明の実施例には、深
さが0.05mm以上の疵は存在せず、0.05mm未
満の疵の個数も従来の方法と同等、または、それ以下で
あることがわかる。
【0056】
【発明の効果】本発明の方法により、内面に疵のないデ
ィーゼルエンジン用燃料噴射管を従来の方法に比較し
て、著しく高能率、かつ低コストで製造可能となったこ
との工業的意味は大きい。
【0057】なお、本発明の製造方法は、ディーゼルエ
ンジン燃料噴射管用鋼管以外の用途に使用する鋼管に対
しても適用が可能なことはもちろんであり、熱間圧延工
程を経て製造する、内面性状に対する要求が厳しいすべ
ての鋼管が対象となる。また、炭素鋼、合金鋼、ステン
レス鋼等のあらゆる鋼種の鋼管に適用できることは言う
までもない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 29/04 502 G01N 29/04 502

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディーゼルエンジン燃料噴射管用鋼管の製
    造にあたり、熱間圧延したシームレス鋼管素材の内面
    を、粒径0.1〜0.5mm、粒の吹き出しの空気圧5
    kg/cm2以上でショットブラスト処理により、片肉0.1
    0〜0.50mmの研削・研磨を行った後に、冷間引抜
    き加工を行うことを特徴とするディーゼルエンジン燃料
    噴射管用鋼管の製造方法。
  2. 【請求項2】ディーゼルエンジン燃料噴射管用鋼管の製
    造にあたり、熱間圧延したシームレス鋼管素材の内面
    を、粒径0.1〜0.5mm、粒の吹き出しの空気圧5
    kg/cm2以上でショットブラスト処理により、片肉0.1
    0〜0.50mmの研削・研磨した後に検査を行い、疵
    の深さが0.10mm未満の鋼管素材を選別し、選別し
    た鋼管素材に冷間引抜き加工を行うことを特徴とするデ
    ィーゼルエンジン燃料噴射管用鋼管の製造方法。
  3. 【請求項3】検査が斜角超音波探傷法である請求項2に
    記載のディーゼルエンジン燃料噴射管用鋼管の製造方
    法。
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