JPH0956133A - 方向性磁石モータ - Google Patents

方向性磁石モータ

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JPH0956133A
JPH0956133A JP22738095A JP22738095A JPH0956133A JP H0956133 A JPH0956133 A JP H0956133A JP 22738095 A JP22738095 A JP 22738095A JP 22738095 A JP22738095 A JP 22738095A JP H0956133 A JPH0956133 A JP H0956133A
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Yoshiyuki Ishihara
好之 石原
Isao Kaneda
勲 金田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ティップと磁極が同数のいわゆる同期タイプ
の磁石モータを含み、各種磁石モータのコギングトルク
を解消する方法を提供する。 【解決手段】 ローターマグネットの磁極数とステータ
ラミネーションのティップ数がそれぞれ2の磁石モータ
において、ステータの軟磁性体に方向性が付与され、隣
接するステータティップが増磁性減磁性交互に巻線され
る。無通電時にマグネット磁極を吸引する要素として二
つのティップと一つの磁化容易軸の二要素が用いられ、
後者の磁化容易軸の角度を前者のティップ形状による吸
引磁力軸の角度に対して選択的に傾斜させ、前者が描く
リラクタンストルクの曲線を後者の描く無通電トルク曲
線によってほぼ等大逆向に打ち消すことにより、コギン
グトルクを解消する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な電磁技術を
応用して直流小型ブラシレス磁石モータの特性改善を図
るとともに、モータ構造ならびに励磁方式を簡略化する
方法に係わる。より具体的には、直流小型モータの分野
で多用されてきた二相ユニポーラなどの同期モータのコ
ギングトルクを解消して三相バイポーラモータに匹敵す
るトルクリップルを達成するための磁気回路に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来のブラシレス磁石モータの技術は二
系統に分類できる。第一の系統、軸流ファンなど回転ム
ラが余り問題にならない分野に用いられるブラシレス磁
石モータの系統では、ステータティップ(あるいはスロ
ット)とポールを4程度の同数にして同期回転させ、磁
石強度の割に高いトルクを発生させて、モータを小型低
価格にする方法が採用される。この方式の課題は、ステ
ータティップと着磁極数が同数のため無通電コギングト
ルクが著大となり、その上起動死点を回避するため不均
等なエアギャップを用いるため、回転トルクが同期的に
脈動してトルクリップルや振動が高まることにある。ま
た、ギャップの平均長が増加するため磁気回路の効率が
低下することである。第二の系統、HDDのスピンドル
モータなど回転ムラが問題になる分野に用いられる磁石
モータでは、マグネットポールとステータティップの数
を偶数と奇数に設定した非同期磁気回路を用いることに
よって無通電コギングトルクを解消しているため、精密
な回転制御が可能になる。この方式の課題は、三相中二
相のコイルに順次通電して回転力を発生させるため、一
相が常に休止状態となり、その割合でトルクが弱まり効
率が低下することと、三個のホールセンサを要するなど
比較的多くの構成部品を要して複雑高価なことである。
【0003】第一の系統の磁石モータに関し、代表的一
例として、軸流ファンの磁気回路とドライブ回路の要部
を示すと図2の通りである。図で、1は異方性のフェラ
イトゴム磁石を正弦波着磁した円環状マグネット、11
は着磁のゼロクロス、12はローターヨークである。2
は無方向性の珪素鋼帯(以下は板と記載)を打ち抜いて
積層したラミネーションステータであって、四個の突起
状ティース2A、2B、2C、2Dおよび軸受孔21を
有する。各ティースには励磁コイル3a、3b、3c、
3dが巻線され、3a−3c、3b−3dがそれぞれ直
列に接続される。各ティースの外周端部にはティップ2
a、2b、2c、2dが設けられ、エアーギャップ4を
介してローターマグネット1の内周着磁面と対向するこ
とによってアウターロータータイプの磁気回路が形成さ
れる。ティップ2dと2aの間には、非表示のベースプ
レート上にホールセンサ5が配置される。
【0004】このようなティップとマグネットの磁極数
が同数のモータでは、回転方向に対して対称な形状を有
するティップを用いるときは、両者間に作用する吸引磁
力の変化により、一般に、ローターの一回転中に対して
ティップ数と磁極数の最小公倍数に等しい安定な起動死
点と不安定な起動死点を発生する。これらの起動死点を
避けるため、図2においては、各ティップを回転方向に
対して非対称な形状とし、ローターマグネット1の内周
側に張り出した部分と後退した部分を設ける。その結
果、各ティップに対向する磁極は張り出し部分により強
く吸引され、従って11などの着磁のゼロクロスが図示
のように死点から移動してセンサ5に磁束が鎖交する。
センサ5の出力電圧は、制御回路51に与えられて信号
処理され、制御回路51が二相ユニポーラドライブ回路
6Aのパワースイッチ6a、6bに交互に導通信号を与
え、ティースコイル3a−3c、3b−3dが交互に通
電されることによりローターが回転する。
【0005】図2の構成は、軸流ファンなどに多用され
ているが、次の問題を有する。第一に、ティップがロー
ターマグネットの磁極を吸引する力が、ある一定の角度
で強くなりある角度で弱くなり脈動するため、コギング
トルクが非常に強い。第二に、ティップに切り欠きがあ
るため、ある角度のギャップ4の長さが回転に伴って増
減してトルクリップルを生じる。第三に、ティップと磁
極数が等しい同期モータでは本来高い効率が得られる筈
であるが、ティップの切り欠きによりギャップの平均長
が増加するため、磁気抵抗が増加してモータ効率が低下
する。第四に、ギャップ長の変動により、回転中に通電
電流の周波数の倍調波のトルクリップルが強く発生し、
その結果振動・騒音レベルが高まる。このような特性
は、一定不変のトルクを必要とする精密モータには適さ
ず、単に高効率、簡易、低価格が求められる用途に用い
られる。
【0006】第二の系統の磁石モータについて、代表的
例として、ハードディスク用スピンドルモータの磁気回
路とドライブ回路の要部を示すと図3の通りである。図
で、1は等方性Ndプラスティツクスマグネツトを正弦
波様の波形で十二極着磁した円環状マグネット、11な
どは着磁のゼロクロス、12はローターヨークである。
2は、九個の突起状ティース2Aないし2Iおよび中央
部に軸受を装着するための貫通孔21を有する無方向性
珪素鋼板を打ち抜き積層して形成したステータであっ
て、マグネット1とステータ2からアウターロータータ
イプの磁気回路が構成される。各ティース2Aないし2
Iは、それぞれの外周端部にマグネット1の内周面と対
向するティップを有し、その鉄心部に励磁コイル3aな
いし3iが巻線される。各ティップの外周とマグネット
1の内周の間にはエアーギャップ4が形成される。ティ
ップ2i−2a、2c−2d、2f−2gの間隙には
(簡単のため一部の記号は図示していない)、それぞれ
ホールセンサ5u、5v、5wが非表示のベースプレー
ト上に配置され、その信号出力が制御回路51に与えら
れる。コイル3a−3d−3g、3b−3e−3h、お
よび3c−3f−3iはそれぞれ直列接続されてY結線
されるとともに、Y結線の中性点にはタップctが設け
られる。コイルの引き出し端子u、v、wは、三相バイ
ポーラ6石ブリッジを構成するパワースイッチ6Aの出
力端子に接続される。中点タップctは、制御回路51
が要請するときは、信号電圧を安定にする目的で制御回
路51に接続される。
【0007】図3の磁気回路は9スロット12ポールで
あるが、その基本的性質はこれを3で割った基本的な組
み合わせ3スロット4ポールと同様である。この3対4
の組み合わせでは、個別のティップに発生する無通電部
分トルクが丁度打ち消し合うため、無通電軸コギングト
ルクを微弱にすることができる。
【0008】図3の従来三相モータの起動に際しては、
センサ5u、5v、5wの信号出力が制御回路51にお
いて整形されて比較され、マグネット1の極性とゼロク
ロス11の位置が検知される。そこで、制御回路51か
ら所望の回転方向に対して最大の軸トルクを発生するよ
うな三相中の二相を選択する信号を発生させ、ドライブ
回路6Aのパワースイッチ6aないし6f中の二つを選
択的に導通させると、該当位相のコイルがバイポーラ通
電され9個中6個のティップが活性化される結果、6個
のティップに同一回転方向の通電軸トルクが常に一定以
上の振幅で発生し、起動死点が回避される。以後三相中
一相の通電を保持して他の一相を切り換える方法で二相
の通電相をu−v、v−w、・・・のように順次転流す
ると、各相トルク波形の大振幅の部分を渡る形でモータ
の回転が継続する。通電周期は、切り換えの反復ととも
に次第に短縮され、回転数が高められ所望の回転数に到
達する。なおこの通電方式で、残る一相にも給電すると
回転方向に対して逆向のトルクが発生するため、全ての
相に通電することはできない。
【0009】図3の従来の三相モータはコギングトルク
がないため、コギングトルクに通電トルクを加算した回
転中の軸トルクは一定の値になる。その結果、通電中の
トルクリップル、従って機械振動が小さいという応用上
の利点が得られ、ハードディスクやCD−ROMスピン
ドルなど精密回転を要するモータに賞用される。
【0010】ハードディスク用スピンドルモータでは、
小型化などの目的でセンサレスタイプとすることも多い
ので、これについて簡単に触れると次の通りである。図
3においてホールセンサ5を省略し、制御回路51の入
力信号としてセンサの出力電圧に代えてu、v、w各相
中の休止相の端子電圧を用いるとセンサレスモータを構
成できる。しかしながらコイルセンサでは、コイルに磁
束が鎖交しないことには信号出力が得られない。そこで
制御回路51に歩進回路51aを設け、起動に際して予
め定められた周期の歩進信号を発生することにより通電
相をu−v、v−w、・・・のように順次転流して各相
に120゜位相ズレしたトルクを発生することにより、
とにかくローターマグネットを動かす。するとw、u、
・・・のような非通電相の励磁コイルがコイルセンサと
なりその端子間に誘起電圧を発生するので、制御回路5
1においてこれらの誘起電圧を保持してディジタル処理
したうえ比較すると、マグネットのゼロクロス11が到
来するタイミングが分かる。従って回転方向に対して最
大の軸トルクを発生する通電相が分かるから、その相に
通電して起動死点を回避する。このときもし逆回転であ
れば、マグネットのゼロクロス11が回転して次の判定
ポイントに至ったときにそれと分かるから、論理を反転
した通電とする。
【0011】図3の構成は、精密モータに適した特性を
有する反面、以下の問題を有する。第一に、通電中の逆
トルクを解消するため一相を捨てているので、三相と言
っても三相中の二相が順次に給電されるのであり、常に
一相が休止状態になる。従ってこのモータは、マグネッ
トの保有する全磁気エネルギーの2/3を利用している
に過ぎず、図2の同期モータに比較してトルク出力が小
さく効率に改良の余地がある。第二に、モータ構造が比
較的複雑で価格が高い。第三に、部材の特性バラツキに
対して敏感である。例えば3個のセンサには特性のバラ
ンスが求められるが、均一な特性を常時大量に得ること
には困難があるため、通常回路側に補償機能を付加する
が、それでも使用できるセンサは限られる。第四に、ド
ライブ回路も比較的複雑で素子数が多く価格が高い。第
五に、半導体パワースイッチは、6個中2個が活性化さ
れるに過ぎず残りは休止状態になるので、その利用率は
1/3と低い。第六に、モータとドライブ回路を接続す
るための端子数あるいはリード線の本数が多く、接続手
段の構造が複雑になる。このため、例えばモータのベー
スプレート上にICを装着してリード線の本数を減らす
などの対策を余儀なくされる。第七にセンサレスの場
合、ある程度逆転して始めてそれと気付くため、磁気ヘ
ッドのタイプによっては損傷の恐れがあり、またホール
センサタイプに比較するとドライブ回路が複雑高価にな
るという問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の課題
は、上記の従来二種の磁石モータの問題点、すなわち図
2のような同期モータは、構成簡易低価格の反面トルク
リップルが大きく精密用途に適さず、他方図3の非同期
三相モータはコギングが微弱で回転ムラが小さい反面、
比較的低効率で複雑高価になるというそれぞれの長所と
短所のうち、両者の長所を併せ持ち短所を廃した新規な
磁石モータを提供することである。
【0013】本発明の、第二の課題は、前記の従来技術
における諸問題を解消するだけでなく、新規な磁気回路
と新規な起動方式を組み合わせることにより、これまで
困難とされた単相バイポーラまたは二相ユニポーラ励磁
における無死点起動を特別の補助手段を設けることなく
達成することである。
【0014】本発明の、第三の課題は、前記従来の同期
モータにおける諸問題の解消に関し、新規な磁気回路と
新規な起動方式を組み合わせることにより、これまで不
可能とされた無通電コギングトルクの発生を解消し、ト
ルクリップルおよび振動が低い円滑回転を達成して精密
モータとしての使用を可能にすることである。
【0015】本発明の、第四の課題は、前記従来の非同
期モータにおける諸問題の解消に関し、新規な磁気回路
と新規な起動方式を組み合わせることにより、これまで
不可能とされた三相バイポーラ方式以上のトルク出力と
モータ効率を達成し、簡易化と低価格化を達成すること
である。
【0016】本発明の、第五の課題は、新規な磁気回路
と新規なドライブ回路を組み合わせることにより、単相
バイポーラまたは二相ユニポーラのような簡単なドライ
ブ回路において起動死点を解消することである。
【0017】本発明の、第六の課題は、新規な磁気回路
と新規なドライブ回路を組み合わせることにより、単相
バイポーラまたは二相ユニポーラ励磁において高いトル
クとモータ効率を得ることにある。
【0018】本発明の、第七の課題は、新規な磁気回路
と新規なドライブ回路を組み合わせることにより、単相
バイポーラまたは二相ユニポーラ励磁において回転起動
の立ち上がり速度を速めることにある。
【0019】本発明の、第八の課題は、新規な磁気回路
と新規なドライブ回路を組み合わせることにより、従来
のセンサレス回路に比較して簡単なセンサレス方式を提
供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明による磁石モータ
は、円周端面に複数の磁極を備えた硬磁性体、複数のテ
ィースおよび円周端面において前記磁極と対向するティ
ップを有する方向性軟磁性体、前記軟磁性体もしくは前
記硬磁性体の一方を備えたステータおよび他方を備えた
ローターを有し、前記ティースに巻線された励磁コイ
ル、前記磁極の位置を検知するための手段、前記コイル
に通電するためのドライブ回路を有する磁石モータにお
いて、前記ティップの形状に基づく磁気吸引軸に対して
前記軟磁性体の方向性磁化容易軸に基づく磁気吸引軸が
設定され、前記二種類の磁気吸引軸がなす角度をそれぞ
れの磁気吸引軸が発生する無通電トルクが互いに打ち消
す極性となる位相角に設定することにより、コギングト
ルクを極小にする手段を用いる。前記ティップと前記磁
極は、例えば2の倍数に設定され、前記磁化容易軸によ
る磁気吸引軸は前記ティップ形状による磁気吸引軸の同
数以下に設定され、前記二種類の磁気吸引軸がなす角度
は、前記磁化容易軸が発生する磁気吸引力によって前記
無通電トルクの総和としての軸トルクが極小になるよう
に設定する手段を用いる。
【0021】本発明をブラシレスモータに適用した例に
おいては、円周端面に複数の磁極を備えたリング状マグ
ネット、複数のステータティースを備え円周端面におい
て前記磁極に対向するティップを有する方向性ステー
タ、前記ティースに巻線された励磁コイル、前記磁極の
位置を検知する手段、前記コイルに通電するためのドラ
イブ回路を用いる。
【0022】前記ティップと前記極数が同数の場合、隣
接するティースは増磁性減磁性交互に巻線され、ステー
タの素材としては、一つの方向性を有する電磁鋼板が用
いられ、これを例えば複数のティップを有する複数枚の
積層コアとしてステータを構成して前記ティップ形状に
よる磁気吸引軸を形成するとともに、前記少数の方向性
を有する複数枚の電磁鋼板を分割し、異なる方向に周回
して積層することによってスロット毎に磁化容易軸によ
る吸引軸を構成する。このように複数の磁化容易軸を設
定すると、前記形状による磁気吸引軸と同数の方向軸が
得られ、スロット毎の無通電トルクを解消できる。ティ
ップに対して極数が倍数の場合は、隣接の励磁コイルは
全て同極性に巻線される。ティップに対して極数が半数
のときは励磁コイルは二つづつ異極性に巻線される。
【0023】本発明の磁石モータは、磁気回路の一部に
方向性を有するため、マグネットからティップに供給さ
れる磁束を偏在させることができ、その結果、磁極検知
手段に鎖交磁界を供給して起動死点を解消できる。本発
明のドライブ回路は、起動に際して励磁電流の通電方向
を一定期間反転させる手段を用いることができる。その
場合、ティースを短時間逆方向に励磁することによっ
て、磁化容易軸の方向性に基づいて正方向通電の場合と
逆方向通電の場合では位相が異なる軸トルクを発生さ
せ、一方の通電による軸トルクがゼロクロスもしくは低
い値に相当する期間においては、他方の位相の異なる通
電による軸トルクを用いることができる。
【0024】前記磁極検知手段はホール素子であって、
前記コイルの無通電時において、前記方向性に基づくロ
ーターの偏角を得て前記素子に鎖交磁界を供給し、その
検知出力をもって前記コイルへの通電を開始し回転を起
動させるとともに、前記コイルの通電時においては、前
記二種類の磁気吸引力の相殺に基づいて前記磁極と前記
ティップとの間に所望の回転方向にリップルのない一定
した電磁力を発生させローターの回転を付勢する。
【0025】あるいは、前記磁極検知手段は前記ティー
スの何れかに巻線されたコイルの誘起電圧であって、コ
イルセンサの鎖交磁束が前記磁化容易軸に誘導されてラ
ジアル方向から傾斜するためその誘起電圧が回転方向も
しくは通電励磁の方向に対して異なることに基づいて前
記磁極の極性を識別し、回転を起動せしめるとともに、
前記二種類の磁気吸引力の相殺に基づいて磁極とティッ
プとの間に所望の回転方向にリップルのない一定した電
磁力を発生させローターの回転を付勢する。
【0026】本発明の諸手段の第一の特徴は、ステータ
ティップに切り欠きを設けることなく対称形状のままと
し、素材に方向性を与えることによって円周角に従って
変化する磁気特性を従来の無方向性磁性部材を用いた磁
石モータと相違させることを基盤とする。そしてこの状
態で、方向性の角度と磁化容易軸の数を対向磁極数に合
わせて特定の関係に設定することにより、ティップ形状
によって発生するリラクタンストルクを打ち消すととも
に、回転トルク中の逆方向トルクを全てのティップにつ
いて解消して一定した軸トルクを発生し、トルクリップ
ルが微弱で円滑な回転状態を得ることができる。コギン
グトルクの解消は、ティップと磁極を同数1対1に設定
した場合が分かりやすいが、その他の比率においても、
二つの無通電トルクを打ち消すことによって有効とな
る。ティースの形状としては、全て同一形状のほか、い
ろいろな変形が可能であり、例えば大小二種類のティー
スを用いることもできる。
【0027】本発明の諸手段の第二の特徴は、磁気回路
に方向性を導入することによって無通電時にローターマ
グネットを偏角できるだけでなく、その偏角を通電励磁
によって助長できることにある。すなわち方向性ステー
タでは、各ティースの中心角に対して磁化容易軸が傾斜
した部分を設けることができるため、ティップ毎に磁束
の方向を制御できる。この状態でティースの励磁レベル
を変化すると、ティースの部分によって飽和束密度が相
違するため、磁化の程度と極性に基づいてティースの各
部分が異なるレベルで飽和する。従って部分によって少
しく飽和から開放され、あるいはより飽和が進む結果、
各ティップのトルクの差分によって偏角が動的に助長さ
れローターにスピンが掛かる。それゆえこの発明では、
ステータの磁化容易軸とティース中心角に角度差がない
場合においても、励磁レベルの変化によってローターに
スピンを掛けることができる。
【0028】本発明の諸手段の第三の特徴は、ある円周
角に磁気検出手段を配置して励磁電流の方向を切り換え
るとき、各ティップの磁気特性が異なるため、CW回転
とCCW回転では異なるトルク曲線が得られることに基
づく。すなわち起動時何らかの方法で通電方向を切り換
えると、少なくとも一方の通電方向で起動死点を外すこ
とができる。磁気検知手段としては、ホール素子、コイ
ル検出とも可能であり、特に後者では、傾斜磁界のため
回転方向によって異なる誘起電圧が得られることにより
回転方向の検知が可能になる。
【0029】本発明の諸手段の第四の特徴は、同数のテ
ィップと磁極の組み合わせにおいてもコギングトルクを
解消できるため、各ティップに逆トルクの発生がない状
態で全ティースを同時に励磁することができることにあ
る。従って、磁石の全エネルギーを利用することが可能
になるため、常に一相が休止する従来の三相バイポーラ
モータ以上のトルク(1.5倍)を発生できる。なお本
発明においては、ティップの倍数または半数の磁極、あ
るいはその他の比率を用いることもできる。
【0030】本発明の諸手段の第五の特徴は、磁束検知
手段に係わる。検知手段がホール素子の場合は、コギン
グトルクがないモータにおいてセンサをただ一個にする
ことができ、センサの感度を選ばないという利点があ
る。ただセンサが一個のときは、一つのセンサで広い回
転角度を担当することになるのでスイッチング周期のが
長くなり、回転の立ち上げが遅くなる傾向がある。立ち
上げ速度は、トルクアップによって補償できるほか、磁
極数を増加したり、二重着磁を行うと改良できる。検知
手段がピックアップコイルの場合は、一方向回転によっ
て誘起電圧を得るか、あるいは傾斜磁界によって回転方
向を知ることにより、起動時ローターが一瞬逆転する現
象を防止できる。なお従来のセンサレス方式では、まず
歩進通電によりローターマグネットに揺動を掛け、複数
のセンサの信号出力を比較して回転方向を判定したた
め、起動時数十度の逆転を避けられなかった。
【0031】本発明の諸手段の第六の特徴は、単相バイ
ポーラや二相ユニポーラのような簡単なドライブ回路を
用い得ることにある。励磁コイルとしては、ティップと
磁極数が等しい場合は、隣接のティースに異極性に巻線
して単相バイポーラ励磁することが好ましい。ティップ
と磁極数が異なり、例えば2対1としたときは二つのテ
ィース毎に増磁性減磁性に巻線し、1対2としたときは
全ティースに同一極性に巻線することが好ましい。ティ
ースコイルは全て直列接続するか、あるいは分岐回路を
含んで構成してもよい。別の簡単なドライブ回路は、二
相ユニポーラである。この場合、ふつう隣接したティー
スを一つおきに励磁するが、そのほか各ティースコイル
を平行二線で巻線し、各線を同一あるいは異なるティー
スに巻線し、二つの通電経路を交互に導通させるバイフ
ァイラ巻としてもよい。全てのティースにコイルを設け
るときは、その磁気特性は単相バイポーラと同様にな
る。
【0032】本発明による磁場偏向を得る別の手段とし
て、方向性ステータに代えて、回転角度に対して偏向さ
れた磁束分布を有するマグネットを用いる方法がある。
例えばマグネットの着磁を、鋸歯状波など回転角度に対
して非対称な磁束分布を呈する着磁とするか、異方マグ
ネットを用いて配向方向を非ラジアル方向に設定し、そ
の配向方向に平行な着磁を含ませることによって、磁束
の方向もしくは各ティースを流過する磁束を少しく指向
させて回転方向に対する磁束分布を非対称とし、ステー
タの方向性と類似の特性を得ることができる。さらには
ステータの方向性とマグネットの異方性を併用すること
もできる。
【0033】本発明の方向磁界による磁石モータは、先
行の出願に述べた幾つかの作用効果を選択的に用いると
ともに、新たな発展を加えたものであるから、先行出願
の作用効果を要約した上、本出願独自の作用を述べるこ
とにする。
【0034】本発明の磁石モータは、磁気回路に方向性
を導入したため、従来の無方向性磁気回路を用いた同期
モータとは異なり、ティップに切り欠きを設けずにロー
ターマグネットを偏角できる。その結果、起動死点を解
消できるだけでなく無通電コギングトルクも減少できる
という効果を奏する。また各ステータテイップ毎に磁気
特性が異なり、その特性が通電時の電流変化に伴って変
化することに基づいて各磁極に発生する電磁力を変化さ
せて起動死点を動的に解消することもできる。このよう
な性質は、方向性の磁気回路では電磁力に指向性がある
だけでなく励磁レベルによって特性が大幅に変化するこ
とに起因するが、その作用効果の先行的な説明および詳
細については、例えば本出願人の一方が平成6年2月7
日付けで提出した特許願(特願平6−35325)など
の明細書および図面を参照されたい。
【0035】本発明の磁石モータでは、従来の同期モー
タと同ようセンサを唯一個にすることができる。すなわ
ち本発明の磁気回路は、励磁コイルの通電方向を反転し
たとき、従来の無方向性磁気回路では正方向と逆方向で
対称なトルク波形を呈するのに対し、磁気回路の方向性
に基づいて回転方向に対して正方向と逆方向で非対称な
トルクを発生する。正逆両方向の発生トルクは、磁束の
指向性に基づいてその位相がズレることに基づく。この
性質を用いると、単相励磁にも拘らず従来の三相モータ
と同様にどのようなローター位置からも起動トルクを得
ることとができる。これの作用効果の先行的な説明およ
び詳細については、例えば本出願人が平成7年6月30
日付けで提出した特許願(特願平7−188088「磁
石モータとその起動方式」)などの明細書および図面を
参照されたい。
【0036】前項の逆励磁を実行するには、例えばセン
サ電圧の認識を反転させたり、あるいは充放電回路など
を用い、起動時に一定の短時間だけ正規の回転方向とは
逆方向の通電を行えばよい。この実行期間の長さは、実
際にローターが逆方向に回転するような長時間ではな
く、電気または電磁的な尺度の短時間である。なおこの
逆励磁期間を、モータおよび負荷の機械共振周波数にほ
ぼ合致させると、磁気エネルギーを効率よく機械エネル
ギーに変換できる。このような逆励磁回路の構成および
作用効果の詳細については、本出願人の一方が例えば平
成3年3月29日に提出した特許明細書(特開平4−3
04192)の明細書および図面を参照されたい。ま
た、逆励磁動作を実行するドライブ回路の実例として
は、本出願人が関与して平成6年7月25日に出願され
た特許(特願平6−172677)の明細書および図面
を参照されたい。
【0037】本発明の磁石モータでは、ステータティッ
プとマグネットポールの同期非同期に拘らず、磁化容易
軸の方向と数を特定関係に選ぶことにより、無通電コギ
ングを解消できる。加えて本発明の磁石モータでは、全
ティースに励磁コイルを設けることもできるため、単相
バイポーラ、二相ユニポーラなど簡単なドライブ回路を
用いて高いトルクを発生することができるだけでなく、
回転中において各マグネットポールに発生し得る逆方向
のトルクを解消できる。この結果、無通電トルクに通電
トルクが加わった回転軸トルクは一定値となり、また方
向性に基づいて電磁鋼板の磁歪が減少するため円滑静粛
な回転が得られる。
【0038】本発明の磁石モータは、全ティースを活性
状態にできるため、ティースの1/3が休止する従来の
三相モータに比較して1.5倍の高トルク、および高効
率を得ることができる。また、休止ティースが存在しな
いにも拘らず無通電トルクならびに通電逆トルクの発生
を解消できる。従って、従来の三相モータを上回る回転
トルクと低いトルクリップルを両立させることができ、
その結果、簡易小型で低価格なOA用モータを実現でき
る。
【0039】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第一実施例の2
スロット2ポールのブラシレス磁石モータを説明するた
めの図面であり、磁気回路の断面図と駆動の説明に必要
なブロック線図が、本発明の基本原理を説明するために
必要なレベルで示される。図で、各部の記号は図2と同
様な記号が用いられる。ローターマグネット1は、異方
性ゴム素材を2ポール正弦波着磁したもの、ステータ2
は、2個のティース2A、2Bと軸受孔21を有する厚
さ0.35mmの一方向性珪素鋼板を積層して形成さ
れ、各ティースには励磁コイル3a、3bが巻線され
る。ステータ2の圧延方向すなわち磁化容易軸は矢印2
pの方向に設定される(磁束は双方向に流れるので双方
向の矢印を用いる)。矢印2pの角度はティース2Aの
中心角2qに対して時計方向に非表示のα2゜(約23
゜)傾斜している。このため各ティツプの磁気中心軸
は、ティップ形状に基づくものと磁化容易軸に基づくも
のとの二軸になる。2つのティップは左右の回転方向に
対して対称な円周角を有し、隣接のティップ間の間隙は
均等であり、左方の間隙中非表示のベースプレート上に
センサ5が配置される。ティップの外周端面は、非表示
のマグネットの内周と対抗し、その間に介在するエアギ
ャップ4の間隔は一定である。
【0040】図1の磁気回路は2スロット2ポールであ
るから、ティップ2a、2bは、ローターマグネット1
の異極の二磁極とそれぞれ対向する。従って両ティース
を経由して、磁化容易軸2pに沿って強い磁束流が流れ
る。磁束流を妨げる磁気抵抗要素としては、電磁鋼板の
素材特性、ローターヨーク12の特性、エアーギャップ
4、ティース2A、2Bの幅または断面積のほか軸受孔
21があり、磁気抵抗の値は、これらの要素に影響され
る。
【0041】図1の曲線22は、ローターマグネツトが
一回転する間に磁極の移動に伴い、各ティップに発生す
るリラクタンストルクの大きさの変化を描いたものであ
る。この曲線は、ティップ2a、2bが二つの磁極を形
状的に吸引するため生じるもので、中心軸2qに対して
回転方向の上流下流に拘らず吸引力となるため、極数の
二倍の周波数を有する。また曲線23は、同じく磁化容
易軸2pに対して発生する吸引トルクの変化を描いたも
のである。曲線22、23は、正弦波を回転角度の放射
軸上に描いたものであり、両者の角度差はα2゜の設定
により双方の無通電トルクが互いに打ち消し合うように
選ばれる。図の構成では、両トルク波形は90゜の角度
差をなし、マグネット1から比較的高い磁束が供給され
るため磁気抵抗に配慮すると磁化容易軸による強勢な誘
引力が得られ、二つの誘引トルクの振幅を同程度に設定
できる。従って両トルクを丁度相殺でき、その結果、同
期磁気回路にも拘らずコギングトルクが零になり、ロー
ターマグネットは特定位置に停止することはなく自由に
回転する。
【0042】ローターマグネットの位置がフリーになる
と、図1の磁気回路にドライブ回路を接続してティース
と磁極間に吸引反発磁力を発生させた場合、弱い起動ト
ルクでモータを起動できる。起動後回転中については、
ティップ2a、2bは電磁石と化し二種類の磁軸がそれ
ぞれのトルクを発生する。この場合各ティップは、通電
方向の切り換えに従って対向磁極の吸引反発を繰り返す
から、通電トルクの周波数は極数の一倍つまり無通電ト
ルクの周波数の1/2になる。ここで従来の同期モータ
では、強いコギングトルクがあって通電トルクに特定の
位相差で加算されるため、回転中の軸トルクが零近くか
ら両者の和による大振幅の間を往復し、また回転方向を
逆にすると通電トルクだけが逆転するため、零トルクと
最大振幅が出現する時間関係が逆順になる。これに対し
て図1の構成ではコギングトルクがないため回転中のト
ルクは通電トルクと等しく、その周波数はティップによ
る吸引反発のため極数に等しくコギングトルクの周波数
の半分になり、二種類の磁軸がほぼ90゜位相差のトル
クを発生するから回転方向によらず平準なトルクを発生
する。この結果ローターは、低いトルクリップルで同一
回転方向に付勢され、回転を継続する。
【0043】以上図1の第一実施例を参照して述べたよ
うに、本発明によれば磁束の方向性を特定方向に制御す
ることにより、一種類の均等形状のティップを用いた場
合においてもコギングトルクを解消でき、回転中は平準
な軸トルクを得ることができる。
【0044】図4は、本発明の第二実施例の12VCD
−ROM用ブラシレス磁石モータの磁気回路とドライブ
回路の要部を示す。各部の記号はこれまでと同様な記号
を用いる。図でマグネット1は、異方性フェライトゴム
磁石であって、均等な正弦波で4ポールに着磁されてい
る。ステータ2は、4個のティース2A、2B、2C、
2Dと軸受孔21を有する一方向性の厚さ0.5mmの
グラスレス珪素鋼板を積層して形成され、各ティースに
はコイル3a、3b、3c、3dが巻線される。ステー
タ2は18枚の鋼板から成り、18枚中9枚の板が図の
矢印2paの磁化容易軸を有して上積みされ、残る9枚
の板が図の矢印2pbの容易軸を有して下積みされる。
2paの角度はティース2Aの中心角2qaに対して時
計方向にα4゜(約11゜)傾斜し、2paと2pbは
角度90゜をなす。このため各ティップの磁気中心軸
は、ティップ形状に基づくもの二軸と磁化容易軸に基づ
くもの二軸になる。4個のティップは左右の回転方向に
対して対称な円周角を有し、隣接するティップ間の間隙
は均等であり、ティップ2dと2aの間隙中非表示のベ
ースプレート上にセンサ5が配置される。ティップの外
周端面は、非表示のマグネットの内周と対抗し、その間
のエアーギャップ4の間隔は一定である。
【0045】図4は4スロット4ポールであるから、テ
ィース2A、2Cは、非表示のローターマグネットの同
極性の磁極にそれぞれ対向する。従ってティースに流れ
る磁束の主流は、隣接のティース例えば2Aから2Dに
向かうことになるが、個別の電磁鋼板の磁化容易軸が一
方向性であるため、上積みの6枚の方向2paと下積み
の2pdを経由したものとなる。磁束流を妨げる磁気抵
抗要素としては、電磁鋼板の素材特性、ローターヨーク
12の特性、エアーギャップ4、ティース2A、2Bの
幅または断面積、軸受孔21のほか鋼板の積層方法があ
り、磁気抵抗の値は、これら諸要素に影響される。図4
のステータにおいては、方向軸を周回した個別の板を一
枚づつあるいは数枚づつ重ね合わせると、より良好な特
性が得られる。
【0046】図4の曲線22は、ローターマグネツトが
一回転する間に磁極の移動に伴い各ティップに発生する
リラクタンストルクの大きさの変化を描いたものであ
る。また曲線23は、それぞれの磁化容易軸に対して発
生する吸引トルクの変化を描いたものである。ここで曲
線22と23は位相差は45゜の角度差を有し、α4゜
の設定により双方の吸引磁力による無通電トルクが互い
に打ち消し合うように選ばれる。両トルクの振幅はほぼ
同じ値にすることができ、従って各ティップ毎にコギン
グトルクを打ち消すことができる。その結果、同期磁気
回路にも拘らずコギングトルクが零になり、ローターマ
グネットが特定位置に停止することはなく自由に回転す
る。
【0047】ローターの回転がフリーになると、起動に
要するトルクが低下する点、および回転中においてはコ
ギングトルクがないため、回転方向によらず通電トルク
が一定になる点は、図1の第一実施例と同様である。ま
た、二種類の磁軸が異なる位相差で存在し、それぞれが
発生するトルクが打ち消し合うためコギングトルクが解
消されるとともに、回転中は通電軸トルクの周波数がコ
ギングトルクの1/2であるためリップルを生じないと
いう点も、図1の第一実施例と同様である。しかし図4
の第二実施例では、図1に比較してスロットとポール数
が二倍であるので変化成分の周波数が二倍になる。それ
ゆえ、二磁軸による通電トルクが90゜位相で加算され
るとき、あるいは二磁軸のトルクによる相殺の差分が若
干残留するときは、その変化が高速になることによって
特性が改善される。
【0048】図4のモータは、ティースコイル3a−3
b−3c−3dを交互に異極性に巻線して全部直列に接
続し、図1と同様な相バイポーラ回路でドライブされ
る。なお電源6の電圧が、もし12Vに比較して極めて
低電圧のときは、励磁コイルの結線に並列回路を用いる
こともできる。あるいはティースコイル3a−3c、3
b−3cをそれぞれ異極性に巻線して直列接続し、図2
の二相ユニポーラ回路で交互にドライブすることもでき
る。
【0049】図4のモータが単相励磁されるとき、その
起動は次のように行われる。図4で、制御回路51は発
振回路51bと逆励磁回路51cを含む。発振回路51
bは例えばCR充放電回路であって、その充電電圧の上
昇に応じて逆転指令信号を発生し、放電電圧の降下に応
じて正転指令信号を発生する。従って、特定期間のみ逆
方向通電の指令を与えると、逆励磁回路51cが分配器
を経由してプリドライバの出力を例えば25msだけ反
転し、逆回転方向の励磁を行う。なおこの期間は、ロー
ターと回転負荷のイナーシャに比較して十分短いため、
ローターの逆回転は起こらない。このような逆励路回路
を用いて起動時に通電方向の切り換えを行うと、励磁電
流が、従来の起動回路では0[A]から例えばX[A]
までの変化するのに対して、−X[A]から+X[A]
まで変化するため、同一の実効電流で従来に倍する磁束
変化が得られる。その結果、単なる通電の開始に比較し
て二倍の起動トルクを発生できる。
【0050】モータコイル3を双方向に通電するとき、
センサ5と磁化容易軸2pa、2pbがなす角度が適切
なときは、通電方向の切り換えに応じて回転角度に対し
て異なる波形の起動トルクが得られる。すなわちコイル
3が回転開始の時刻に正回転を与える方向に通電された
とすると、得られる起動トルクは、正弦波状の軌跡を描
く。コイル3が逆方向に通電されると、起動トルクは前
記正弦波と極性が異なるだけでなくゼロクロス位相が異
なる軌跡を描く。あるいは通電方向を一定に保ち、ロー
ターを正回転および逆回転させるか、あるいはセンサ5
による着磁極性の認識を反転させても同様な結果が得ら
れる。両軌跡を比較すると、横軸の回転角度に対してゼ
ロクロス位相がずれ角度差をなす。そこで磁化容易軸の
方向を移動させると、180゜の位相差を網羅できる。
従って逆励磁回路51cにより電流方向の反転を実行す
れば、各トルク曲線の振幅の高い部分を渡ることがで
き、その結果、起動死点は消失する。なお、このような
通電方向による起動トルク曲線の位相ズレは、無方向性
ステータでは発生せず、無方向性では何らかの起動手段
を必要とする。
【0051】かくして図1のローターが回転を開始する
と、逆励磁回路51cはその機能を停止し、センサ5が
鎖交磁束の変化に応じて正弦波様の電圧を出力する。こ
の電圧波形がセンサアンプに供給され、矩形波様の交番
電圧に整形され、この電圧のゼロクロスから着磁のゼロ
クロス11を検知することによって図4のパワースイッ
チ6AのHブリッジ6a−6d、6b−6cを交互に導
通させる。その結果ローターが回転し、マグネットの磁
極が各ティップの逆トルクが優勢になる位置に接近する
と、通電方向が反転してステータの電磁石の極性が反転
し、以下これを反復してローターの回転が加速され、定
速回転数に達する。
【0052】本発明の第三実施例は、6スロット6ポー
ルの方向性磁石モータである。図5は、このようなステ
ータを用いた実施例と、比較対照のため無方向性ステー
タを用いて得た磁場解析の結果を示す。すなわち図5
(A)は、6個のティースを有するステータを構成する
一方向性のラミネーションについて6ポールのマグネッ
トおよびその周辺に流れる無通電時の磁束を回転角18
0゜における磁束線として可視化したものである。他方
図5(B)は、同様に無方向性ステータについて可視化
したものである。図5(A)と図5(B)の磁束線を比
較すると、上記の二磁軸に関し、方向性ステータの場合
は磁化容易軸がハツキリと存在して、その周辺に磁束線
が集中するのに対し、無方向性の場合は磁源に最短距離
となるパスを選択することが分かる。なお方向性と無方
向性ステータでは、明かな物性上の相違がある。例え
ば、励磁コイルの逆起電圧を測定すると、方向性ステー
タでは高い逆起電圧が得られる。また方向性では、磁歪
が零になることから騒音レベルが低下する。
【0053】図6は、本発明の第四実施例のセンサレス
タイプのHDD用スピンドルモータの磁気回路と磁気検
知手段について、説明に必要な部分を示す。なお記号
は、これまで用いたものと同様である。図6で、ステー
タ2は8個のティース2Aないし2Hと軸受孔21を有
する一方向性の珪素鋼板を積層して形成され、各ティー
スにはコイル3aないし3hが巻線される。ステータ2
は12枚の方向性電磁鋼板から成り、12枚中3枚の板
が図の矢印2paの磁化容易軸を有して第一層として上
積みされ、3枚の板が矢印2pbの容易軸を有して第二
層として積まれ、3枚の板が矢印2pcを有して第三層
として積まれ、残る3枚の板が図の矢印2pdの容易軸
を有して第四層として下積みされる。2paは、ティー
ス2Aの中心角2qに対して時計方向にα8゜だけ傾斜
し、2paと2pb、2pbと2pc、2pcと2pd
はそれぞれ角度22.5゜をなす。このため各ティップ
の磁気中心軸は、ティップ形状に基づく四軸と磁化容易
軸に基づく四軸になる。8個のティップは左右の回転方
向に対して対称な円周角を有し、隣接するティップ間の
間隙は均等であり、ティップの外周端面は非表示のマグ
ネットの内周と対抗し、その間のエアーギャップ4の間
隔は一定である。
【0054】一方向性電磁鋼板で多くの方向性を得るた
め何枚かを周回する場合、前述のように12枚のラミネ
ーションを3枚づつ重ねて22.5゜周回させ四つの方
向性を得てもいいが、これを一枚ずつ重ねた2pa、2
pb、2pc、2pdを三層重ねるか、二枚ずつ重ねた
ものを二層重ねると、より好ましい特性が得られる。ま
た、四つの方向性の代わりに45゜周回させた二つの方
向性2pa、2pcを用いてもよい。この場合、単に2
pb、2pdを省くと用途により実用上支障の無い特性
が得られる。他にα8゜を拡大したり磁気抵抗を低下させ
て2pa、2pcによるリラクタンストルクの打ち消し
効果を強調するならば、四つの方向性を用いた場合に遜
色ない性能が得られる。そして、例えばティップ2a、
2bの間隙に磁極検知手段を設ければ、より偏った鎖交
磁界を利用できる。
【0055】図6の磁石モータのドライブではコイルセ
ンサ50が用いられる。すなわち、ティース2A、2B
には励磁コイル3a、3bのほかセンサコイル50a、
50bが巻線される。センサコイル50a、50bは、
励磁コイル3a、3bの極性が異極であるのに対して同
極性に接続され、誘起電圧を消去したうえティップ2
a、2bの間隙を走る着磁のゼロクロスを検出する。セ
ンサコイル50の信号出力は、抵抗50a、キャパシタ
50bから成るフィルタを経てセンサアンプ50cに与
えられ、その出力50dが波形処理され例えば図1の単
相ドライブ回路に供給され、半導体ブリッジ6Aを交互
に開閉させる。
【0056】図6の磁石モータを起動する場合、傾斜角
α8゜によって無通電状態でローターを偏角させるか、
あるいはこの偏角を、通電によって助長するか、あるい
は図4で述べた逆励磁により、少なくとも一方の極性で
死点を外すことにより、ローターを付勢する。このと
き、傾斜角α8゜を8スロットとしては比較的大きく選
ぶと一方向回転が得られる。理由に関し、CW回転では
先に形状による磁軸が到来し後に磁化容易軸による磁軸
が到来するのに対し、CCW回転では先に後者が後に前
者が到来する。ここで、形状軸による電磁力は励磁電流
の大きさに余り影響されないが、磁化容易軸による電磁
力は、角度方向に対する磁束が電流の関数であるので大
きく影響される。従って図でCW方向にα8゜を傾斜さ
せ、ティース2Aのコイル3aを増磁性とし、通電レベ
ルを変化させることによってCW方向の回転が得られ
る。
【0057】起動に際し、励磁電流により偏角を助長し
てローターマグネット1を所望の方向に回転させると、
コイルセンサ50は、その誘起電圧によって11などの
着磁のゼロクロスの位置を検知でき、従ってローターは
回転を継続する。別法として、コイル50の出力で回転
方向を弁別することもできる。すなわちステータ2に方
向性があるときは、CWとCCW方向ではその誘起電圧
の波形が異なることに基づき、例えばセンサ出力を基準
波形と比較することによって回転方向を識別できる。な
おコイルセンサを、一回転当たり複数用いると、スイッ
チ時間を早めることができる。なお図6の実施例におい
ては、先行の実施例と同様にティップ2hと2aの間隙
中に配置されたホールセンサ5を用いることもできる。
【0058】図6の第四実施例では、磁極数がさらに増
加したためセンサが一個であっても半導体スイッチの転
流が頻繁に行われ、従って平準なトルク出力が得られる
とともに、ローターの回転が高速で立ち上がる。この実
施例は、第一ないし第三実施例の延長線上にあって多極
化による精密回転を実現したものであるから、その特性
は上記の説明から容易に類推できるので、その他細部の
説明を省略する。
【0059】以上本発明の作用を端的に表す四つのブラ
シレスモータについて述べた。これらの実施例は、方向
性ステータとアウターロータータイプのマグネットを用
い、ステータティースとポールの数を2、4、6、8の
同数とし、ティップ形状による吸引磁力と磁化容易軸に
よる吸引磁力を打ち消すとともに、全ティースを活性化
することによって出力トルクまたはモータ効率を高める
ことを特徴とする。これら実施例の作用は、ティースと
ポールの数を10、12、14、・・・に増加した場合
も同様に得られることは勿論であるが、本発明は、ティ
ースとポール数を同数とした場合に止まらず、各種の磁
気回路とドライブ回路に対してその技術基盤を逸脱しな
い範囲において広く適用できる。
【0060】例えば、ティースの半数のポール数を用
い、各ティースの励磁コイルを二つづつ増磁性減磁性に
巻線した場合は、 ティースとポールを同数とした場合
と類似の特性が得られる。この構成によれば、ティップ
間の間隙の一部が着磁のゼロクロスと不一致になるた
め、特に多スロット数の実施例においてコギングトルク
をさらに低減できる。この他、ティップに対して倍数の
磁極数を用い全ティースを同極性に励磁する場合、ティ
ースとポールの数が異なる非同期モータに対して応用し
た場合(軸に対して非対称な形状となるので磁軸数が増
加する)、複数の方向性を有する電磁鋼板あるいは方向
性と無方向性が混在した積層ステータを用いる場合、テ
ィップ数に比比較して少ない本数の磁化容易軸を用いる
場合などに対して適用できる。
【0061】本発明の効果は、実施例のようなブラシレ
スモータとは異なるタイプの磁石モータに対しても適用
できる。例えば、インナーロータータイプの磁気回路、
硬磁性体が静止して軟磁性体が回転するブラシタイプの
モータなどに対して適用できる。さらにはラミネーショ
ンコアの代わりに一枚板を成形したステータティップを
用いるか、あるいはステータの一部分を貼付などにより
方向性を付与したインダクタモータに対しても適用でき
る。
【0062】本発明の実施例では、一種類のティース形
状を用いたが、複数のティース形状を用いた場合や不均
整なティップを用いる場合も、同様な効果を利用でき
る。具体例として、大小二種類のティップ形状を用いる
場合は、その大小二種のペアの領域毎に、前述の二磁軸
の作用を最適化できる。また不均整なティップを用いる
場合は、各ティップのリラクタンストルクの総和におい
てコギングトルクの低減が見られる限りは本発明の範囲
内に属する。
【0063】本発明の実施例では、各ティースの中心軸
と磁化容易軸がなす角度を同一にしているが、ティース
によって異なる角度や本数にすることもできる。例えば
角度を2種類にすると、ティース周辺の磁束分布を変え
ることができ、起動に関する磁化容易軸の効果を最適化
できる。
【0064】本発明の実施例では、いずれもステータコ
アの方向性を用いたが、ステータの代わりにマグネット
に異方性を与えた場合も類似の特性が得られる。例えば
等方性マグネットの着磁波形を鋸歯状など回転方向に対
して非対称とした場合、異方性素材を配向方向が異なる
複数の磁石片として貼付した場合、配向方向もラジアル
方向から傾斜させた場合、複数の配向方向が混在したマ
グネットなどである。さらには、軟磁性体の方向性と硬
磁性体の異方性を相乗した場合などである。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、磁石モータの磁気回路
に方向性を導入し、磁化容易軸に対して作用する吸引磁
力をもって無方向性磁気回路では必ず発生した同期モー
タの著大なコギングトルクを打ち消すことにより、コギ
ングトルクに通電トルクが加わった回転軸トルクを平準
化するとともに磁歪を低減し、トルクリップルと振動・
騒音を低減して精密回転を可能にするという効果を奏す
る。
【0066】本発明によれば、従来の同期モータでは避
けられなかったコギングトルクを解消できるので、全テ
ィップを逆方向トルクが発生せず正回転方向のトルクの
みが発生する状態で励磁することができ、その結果、従
来の三相バイポーラモータを上回るトルク出力従って高
効率を得ることができ、あるいは最大磁束密度の低い磁
石素材を用いることが可能になる。
【0067】本発明によれば、磁石モータの磁気回路に
方向性を導入し、この方向性を利用してトルク曲線を複
数化する逆励磁起動回路を含んでドライブ回路を構成す
ることにより、磁気回路の形状を機械的変形を加えず純
電磁的な方法により、従来の無方向性磁気回路では必然
的に発生した起動死点を解消できる。
【0068】本発明によれば、単相、二相など簡単なド
ライブ回路を用いて精密な回転制御に耐える磁石モータ
を構成できるため、モータ構造を単純にできるだけでな
く、半導体の素子数を減少し、リード線の本数を減少
し、小型低価格の磁石モータを提供することができる。
【0069】本発明によれば、磁束分布に方向性を導入
したことにより、ホールセンサをただ1個とすることが
でき、複数センサの特性バラツキに伴う問題を一掃でき
る。また、ティースの一部にセンサコイルを設け、回転
方向によって異なるステータの特性を用いることにより
簡易なセンサレスモータを構成できる。
【0070】本発明によれば、磁化容易軸に対して作用
する吸引磁力が新たに得られたため、この手段によって
同期モータのティップ形状のため発生する吸引磁力を打
ち消し得るただけでなく、ティップとポールの数が異な
るタイプのモータにおいてもこの力を及ぼすことによ
り、コギングトルクやトルクリップルを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本原理を説明するための2スロット
2ポール方向性磁石モータの第一実施例であり、磁気回
路と単相バイポーラドライブ回路の要部が示される。
【図2】従来の4スロット4ポール無方向性磁石モータ
の磁気回路の断面図と二相ユニポーラドライブ回路の要
部を示す。
【図3】従来の9スロット12ポール無方向性磁石モー
タの磁気回路の断面図と三相バイポーラドライブ回路の
要部を示す。
【図4】本発明の第二実施例の4スロット4ポール方向
性磁石モータの磁気回路と逆励磁回路を含む単相バイポ
ーラドライブ回路の要部を示す。
【図5】本発明の第三実施例の6スロット6ポールの方
向性磁石モータの磁気回路における磁場解析の事例を無
方向性の場合と比較して示す。
【図6】本発明の第四実施例の8スロット8ポール方向
性磁石モータの磁気回路とセンサコイル周辺回路を示
す。
【符号の説明】
1 ローターマグネット 2 ラミネーションステータ 2A ステータティース 2a ステータティップ 2p 方向性ステータの磁化容易軸 3a ティースコイル 5 ホールセンサ 6A 半導体パワースイッチ 11 着磁のゼロクロス 21 ステータの軸孔 50 センサコイル 51 制御回路

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円周端面に複数の磁極を備えた硬磁性
    体、複数のティースおよび円周端面において前記磁極と
    対向するティップを有する方向性軟磁性体、前記軟磁性
    体もしくは前記硬磁性体の一方を備えたステータおよび
    他方を備えたローターを有し、前記ティースに巻線され
    た励磁コイル、前記磁極の位置を検知するための手段、
    前記コイルに通電するためのドライブ回路を有する磁石
    モータにおいて、前記ティップの形状に基づく磁気吸引
    軸に対して前記軟磁性体の方向性磁化容易軸に基づく磁
    気吸引軸が設定され、前記二種類の磁気吸引軸がなす角
    度をそれぞれの磁気誘引軸が発生する無通電トルクが互
    い打ち消す極性となる位相角に設定することにより、コ
    ギングトルクを極小にすることを特徴とする方向性磁石
    モータ。
  2. 【請求項2】 前記ティップと前記磁極は2の倍数に設
    定され、前記磁化容易軸による磁気吸引軸は前記ティッ
    プ形状による磁気吸引軸の同数以下に設定され、前記二
    種類の磁気吸引軸がなす角度は、前記磁気吸引軸が発生
    する磁気吸引力によって前記無通電トルクの総和として
    の軸トルクが極小化されるように設定されることを特徴
    とする特許請求範囲第1項の方向性磁石モータ。
  3. 【請求項3】 前記軟磁性体は、1または2方向の素材
    方向性および複数のティップを有する複数枚の電磁鋼帯
    を積層して構成され、前記形状による磁気吸引軸を形成
    するとともに、前記の方向性を有する複数枚の電磁鋼帯
    を分割し、異なる方向に周回して積層し、複数の磁化容
    易軸による吸引軸を構成することにより、前記素材方向
    性の数以上の方向軸を具備することを特徴とする特許請
    求範囲第1項および第2項の方向性磁石モータ。
  4. 【請求項4】 円周端面に複数の磁極を備えたリング状
    マグネット、複数のティースを備え円周端面において前
    記磁極に対向するティップを有する方向性ステータ、前
    記ティースに巻線された励磁コイル、前記磁極位置を検
    知する手段、前記コイルに通電するためのドライブ回路
    を有する磁石モータにおいて、前記ティップと前記極数
    が同数に設定され、隣接する前記励磁コイルが増磁性減
    磁性交互に巻線されることを特徴とする特許請求範囲第
    1項ないし第3項の方向性磁石モータ。
  5. 【請求項5】 円周端面に複数の磁極を備えたリング状
    マグネット、複数のティースを備え円周端面において前
    記磁極に対向するティップを有する方向性ステータ、前
    記ティースに巻線された励磁コイル、前記磁極の位置を
    検知する手段、前記コイルに通電するためのドライブ回
    路を有する磁石モータにおいて、前記ティップの数は前
    記磁極数の半数であって前記励磁コイルが全て同一極性
    に巻線されることを特徴とする特許請求範囲第1項ない
    し第3項の方向性磁石モータ。
  6. 【請求項6】 円周端面に複数の磁極を備えたリング状
    マグネット、複数のティースを備え円周端面において前
    記磁極に対向するティップを有する方向性ステータ、前
    記ティースに巻線された励磁コイル、前記磁極の位置を
    検知する手段、前記コイルに通電するためのドライブ回
    路を有する磁石モータにおいて、前記ティップの数は前
    記磁極数の倍数であって前記励磁コイルが二つづつ増磁
    性減磁性に巻線されることを特徴とする特許請求範囲第
    1項ないし第3項の方向性磁石モータ。
  7. 【請求項7】 前記ドライブ回路は、前記ローターの回
    転起動に際して前記励磁電流の通電方向を一定期間反転
    させる手段を含み、前記ティースを短時間逆方向に励磁
    することにより、前記磁化容易軸の方向性に基づいて正
    方向通電の場合と逆方向通電の場合では位相が異なる軸
    トルクを発生させ、一方向の通電による軸トルクがゼロ
    もしくは低い値に相当する期間においては、他方の位相
    の異なる通電による高い軸トルクを用いる起動回路を含
    むことを特徴とする特許請求範囲第1項ないし第6項の
    方向性磁石モータ。
  8. 【請求項8】 前記磁極検知手段はホール素子であっ
    て、前記励磁コイルの無通電時において、前記方向性に
    基づくローターの偏角を得て前記素子に鎖交磁界を供給
    し、その検知出力をもって前記コイルへの通電を開始し
    回転を起動せしめるとともに、前記励磁コイルの通電時
    においては、前記二種類の磁気吸引力の相殺に基づいて
    前記磁極と前記ティップとの間に所望の回転方向にリッ
    プルのない一定した電磁力を発生させ前記ローターの回
    転を継続することを特徴とする特許請求範囲第1項ない
    し第7項の方向性磁石モータ。
  9. 【請求項9】 前記磁束検知手段は前記ティースの何れ
    かに巻線されたセンサコイルの誘起電圧であって、前記
    センサコイルに鎖交する磁束が前記磁化容易軸に誘導さ
    れてラジアル方向から傾斜することに基づいてその誘起
    電圧が回転方向もしくは通電方向によつて相違すること
    により、前記励磁コイルの通電時において特定方向の回
    転を起動せしめるとともに前記センサコイルの検知出力
    をもって前記ローターの回転を付勢し、前記二種類の磁
    気誘引力の相殺に基づいて前記磁極と前記ティップとの
    間に所望の回転方向にリップルのない一定した電磁力を
    発生させ前記ローターの回転を継続することを特徴とす
    る特許請求範囲第1項ないし第7項の方向性磁石モー
    タ。
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