JP3466706B2 - ブラシレスモータ及びその回転制御方法 - Google Patents

ブラシレスモータ及びその回転制御方法

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JP3466706B2
JP3466706B2 JP13131694A JP13131694A JP3466706B2 JP 3466706 B2 JP3466706 B2 JP 3466706B2 JP 13131694 A JP13131694 A JP 13131694A JP 13131694 A JP13131694 A JP 13131694A JP 3466706 B2 JP3466706 B2 JP 3466706B2
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昌信 忠田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マグネット式小型モー
タ全般、スピンドルモータおよび各種マイクロモータ等
に好適なブラシレスモータ及びその回転制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、マグネット式小型モータやス
ピンドルモータ等のブラシレスモータにあっては、各種
形状のものが採用されているが、そのほとんどは、複数
のスロットを有するステータコアの各ティースにコイル
を巻装してステータを構成し、このステータに対向し
て、周方向に異極を交互に配列した円環状のロータマグ
ネットを回転自在に設け、コイル電流とロータマグネッ
トの磁界との電磁相互作用によりロータマグネットを備
えたロータを回転するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
構成のブラシレスモータでは、その起動において、単相
インダクタモータの場合、例えば隈取板を必要とし、単
相インダクションモータの場合、起動回転磁界の発生が
必要であり、回転方向の切り換えには、スイッチの切り
換えを要するといった難点がある。また、ホールモータ
の場合も、回転方向の切り換えに出力極性の切り換えが
必要であり、さらに、2相インダクタモータ、3相スピ
ンドルモータの場合も、回転方向の切り換えにそれぞれ
端子の切り換えを必要としている。
【0004】他方、ブラシ付きモータでは、電機子のコ
イルに接続された整流子に、電源に接続されたブラシを
摺接させることによりコイル電流を供給し、電機子の回
転に伴ってコイル電流の切り換えを行う構成になってい
るが、回転方向の切り換えには、前述したような切り換
えが不要で、電源出力の極性に応じて回転出力を変化さ
せることができる。このため、後述の欠点を問題としな
い用途に対しては、簡易、安価であり、広く用いられて
いる。
【0005】反面、このブラシ付きモータの場合、電機
子を回転させるために整流子及びブラシによる機械的接
点を必要とするため短寿命、ノイズの発生等の問題があ
り、また、モータの軸方向長さが大きくなり、部品点数
が多いという難点を有している。
【0006】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に留意してなされたものであり、その目的とする
ところは、ブラシ付きモータとブラシレスモータ双方の
長所を保有すると同時に諸問題を解決した上で起動信頼
性等の諸特性に関し所定の性能が得られるブラシレスモ
ータ及びその回転制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】 前記目的を達成するた
めに、本発明のブラシレスモータにおいては、複数のス
ロットを有するステータコアの各ティースにそれぞれコ
イルを巻装して構成されたステータと、このステータに
対向して回転自在に設けられ周方向に異極を交互に配列
してなる円環状のロータマグネットと、このロータマグ
ネットの磁束を検出するセンサとを備え、各ティースに
巻装されたコイルで1つの回路網を形成し、この回路網
を単相電源による双方向通電により同時に駆動し、ま
た、ロータマグネットの磁極数とステータのスロット数
とを異なる数に設定し、さらに各ティースに巻装された
各コイルの極性を増磁性と減磁性との数が異なるように
設定し、かつ、センサを、ステータコアにおける増磁性
の極性のコイルが巻装されたティースとこれに隣り合う
と共に減磁性の極性のコイルが巻装されたティースとの
の径方向外側におけるロータマグネットとの対向位置
に配置することを特徴としている。
【0008】 この場合、コイルへの通電方向は、実質
的に休止期間を含まないで通電方向が逆転する逆励時に
より行われるのがよい。そして、ステータコアを方向性
鋼板により構成するのがより望ましい。
【0009】 また、前記目的を達成するために、本発
明のブラシレスモータの回転制御方法においては、1つ
の回路網を形成するコイルが複数のスロットを有するス
テータコアの各ティースに巻装され各ティースに巻装さ
れた各コイルの極性は、増磁性と減磁性との数が異なる
ように設定されてなるステータと、このステータに対向
して回転自在に設けられステータのスロット数と異なる
磁極数を有すると共に周方向に異極を交互に配列してな
る円環状のロータマグネットと、ステータコアにおける
増磁性の極性のコイルが巻装されたティースとこれに隣
り合うと共に減磁性の極性のコイルが巻装されたティー
スとの間の径方向外側におけるロータマグネットとの対
向位置に配置されこのロータマグネットの磁束を検出す
る少なくとも1個のセンサとを備え、前記回路網を単相
電源による双方向通電により同時に駆動するようにし、
かつ、センサからの検出信号が一定値の範囲を超えるこ
とにより回路網への通電を開始すると共に、検出信号が
一定値の範囲を交差する方向に応じて通電方向を切り換
えることを特徴としている。
【0010】この場合、起動時においてセンサの検出信
号が一定値以下であるか、あるいは他の理由により起動
トルクが不十分の時に、センサの極性の認識を反転して
再起動するシーケンスを実行することが望ましく、ま
た、この再起動のシーケンスにおける励磁極性の反転時
に、休止期間を少なくとも1回挿入することが望まし
い。さらに、起動後もしくは再起動後に、ロータマグネ
ットの回転方向を判別する工程を実施し、逆回転時にセ
ンサの極性の認識を反転して前記再起動のシーケンスを
実行するのがよい。
【0011】
【作用】前述した本発明のブラシレスモータによれば、
一つの回路網を構成した各ティースのコイルは、単相電
源により、通電方向が逆転する双方向通電により同時に
励磁されるため、ステータコイルが磁化されこの残留磁
気が消滅する以前に今度は逆方向に励磁され、いわゆる
逆励磁動作が得られ、ステータコアにおける磁気変化の
幅が大きくなり、大きなトルクを発生させることが可能
となる。
【0012】回転時、ステータコアにおける任意の隣合
う2つのティース間の径方向外側に配置されたセンサ
は、ロータマグネットにおける磁極と隣合う磁極間の境
目の回転位置をそれぞれ検出し、このセンサからの検出
信号によりロータマグネットの回転方向が判断されると
共に、通電切り換えのタイミングが設定される。ここ
で、ステータのスロット数つまりポール数とロータマグ
ネットの磁極数とが異なる数に設定されているため、起
動時に死点を形成することがあまりなく、起動が速やか
に行われる。また、ステータコアを方向性コアにより構
成すれば、死点をさらに解消することができる。
【0013】 加えて、各ティースに巻装された各コイ
ルの極性を増磁性と減磁性との数が異なるように設定
れているため、起動時に死点を形成することがあって
も、ロータマグネットは増磁極と減磁極との磁界の差に
基づいて起動を開始し、円滑な起動が実現する。各コイ
ルは、単相電源により、通電方向が逆転する双方向通電
により同時に励磁されるため、増磁極と減磁極との数が
異なっていても、増磁性と減磁性とのコイルの極性は交
互に変化し、回転むらを生じることが少ない。
【0014】また、前述した本発明のブラシレスモータ
の回転制御方法によれば、各コイルにより構成された1
つの回路網を単相電源による双方向通電により同時に駆
動すると共に、センサからの検出信号が一定値の範囲を
超える時に回路網への通電を開始し、検出信号が一定値
の範囲を交差する方向に応じて通電方向を切り換えるよ
うにすることにより、確実かつ円滑なロータマグネット
の回転が得られる。
【0015】そして、起動時においてセンサの検出信号
が一定値の範囲の時、回路網への通電が行われなくなる
が、このような時には、センサの極性を反転して再起動
するシーケンスが実行され、回路網への通電が開始され
てロータマグネットの回転が得られる。この再起動のシ
ーケンスにおいて、励磁極性の反転時に休止期間を少な
くとも1回挿入すれば、一方及び他方の回転ベクトルに
片寄りが生じ、ロータマグネットはその偏在方向に回り
だし、確実な起動が可能となる。
【0016】さらに、起動後もしくは再起動後に、ロー
タマグネットの回転方向を判別する工程を実施し、逆回
転時にセンサの極性を反転して前記再起動のシーケンス
を実行すれば、所望の回転方向が常に得られる。
【0017】
【実施例】本発明の実施例につき、図面を参照して説明
する。まず、第1の実施例につき、図1〜図5を用いて
説明する。
【0018】図2は、CD−ROM等の記録媒体を回転
駆動するマイクロモータに適用した場合を示し、同図に
おいて、駆動装置に固定される等方性もしくは方向性珪
素鋼板等よりなる基板10の取付孔12に円筒状のスリ
ーブ14が、その軸心を基板10に対し直交させてかつ
下方に突出した状態で固定され、スリーブ14の内側に
一対の含油軸受16,18を介してシャフト20が回転
自在に支持されている。シャフト20の上下端部はそれ
ぞれスリーブ14より上下に導出している。
【0019】スリーブ14の下半部の外周には、ステー
タコア22にコイル24を巻回して構成されたステータ
26が固定され、シャフト20の下端部に、ステータ2
6の外周を囲繞して配設されたカップ状のロータホルダ
28がかしめ等により固定され、このロータホルダ28
の円筒壁の内周面に円環状のロータマグネット30が固
定されている。ロータマグネット30はステータ26の
外周面に対し若干の隙間を介して対向している。このロ
ータホルダ28とロータマグネット30とによりロータ
32が構成されている。
【0020】シャフト20の上端部には、基板10の上
側に位置するターンテーブル34が圧入固定され、これ
に図外のCD(記録媒体)が載置される。基板10の下
面のロータマグネット30に対応する位置には、1個の
ホール素子よりなるセンサ36が配設され、ロータマグ
ネット30の磁極の境目を検出する。
【0021】図1は、前記マイクロモータにおけるステ
ータ26とロータ32との関係を示したものである。な
お、コイル24は省略してある。
【0022】ステータ26のステータコア22は6スロ
ット構成であり、6個のティース38が円周方向に等間
隔に配列されている。この各ティース38にはそれぞれ
コイル24が巻回されているが、これらコイル24は、
一定の回転方向順の〜の各ティース38において、
、、、の各ティース38のコイル24が増磁性
(または減磁性)、、の各ティース38のコイル2
4が減磁性(または増磁性)になるように巻回されると
共に、これらが直列接続されて1つの回路網を構成して
いる。
【0023】従って、コイル24への通電により、、
、、の各ティース38と、の各ティース38
とのそれぞれの先端部つまりティップ40が互いに逆磁
極になるように磁化される。
【0024】一方、ロータマグネット30は、ステータ
コア22のスロット数と異なり、4ポール構成であり、
周方向にN極とS極とが交互に配列されて4個の磁極を
形成している。前記センサ36は、基板10の下面にお
いて、ステータコア22の増磁極と減磁極との間、つま
り、の両ティース38間中央の径方向外側にロータ
マグネット30に向かい合って配置されている。
【0025】図3は、モータ制御回路42の概略構成を
示したものである。このモータ制御回路42は、直流電
源44に接続されコイル24に直流電流を供給する電源
制御部46と、コイル24に接続されたスイッチング素
子、例えばトランジスタT1〜T4をスイッチング制御
する励磁電流制御部48とを有している。センサ36か
らの検出信号はヒステリシスアンプ50を通して励磁電
流制御部48に入力される。
【0026】電源制御部46は、CDの再生時に得られ
るCLV信号によりコイル24に供給する電流を制御
し、ロータ32の回転速度を制御する。また、励磁電流
制御部48は、コイル24を実質的に休止期間を含まず
ステータコア22の磁化が残留する間に通電方向が逆転
する双方向通電により同時に駆動し、かつ、センサ36
からの検出信号が一定値の範囲を超えることにより回路
網への通電を開始すると共に、この検出信号が一定値の
範囲を交差する方向に応じて通電方向を切り換える。
【0027】このように構成されたマイクロモータにあ
っては、モータ制御回路42の励磁電流制御部48によ
り図5にフローチャートで示す回転制御が実施される。
【0028】すなわち、回転制御が実施されると、まず
センサ電圧を与えてどちらかの極性の通電状態に設定す
る。これを初期設定と称することにする(ステップS
1)。この時、ロータマグネット30の位置によって
は、センサ36の検出信号が一定値以上にならず、コイ
ル24への通電が行われないことがあり、このときは、
どちらかの極性に強制的に落とす(S2)。そして、次
の第1シーケンスが実行される(S4)。
【0029】第1シーケンスでは、コイル24に対する
通電において、例えば図4に示すように、単相電源によ
り実質的に休止期間を含まないで通電方向が逆転する双
方向通電を基本とする。この場合、励磁極性の反転時
に、休止期間tを少なくとも1回(実施例では2回)挿
入する制御を行うことがより好ましい。この休止期間t
を含むことにより、単相励磁による磁束密度の変化幅も
しくは加振周期を変調し、これによって生じる振動によ
り再起動させてロータ32の起動をより確実に行わせる
ことができる。なお、極性反転時のゼロクロスに休止期
間tを設けても有効であるが、休止期間tの長さにより
加振力は低下する。
【0030】モータの起動トルクが弱く、一定の時限内
にセンサ36の検出信号が一定値以上にならない場合つ
まり所定の回転が得られない場合は、センサ電圧の極性
が反転され(S5、S6)、その後第2シーケンスが実
行され(S7)、コイル24への通電が行われる。第2
シーケンスでは、例えば第1シーケンスと全く同様の通
電制御が行われる。
【0031】その後、センサ36の検出信号を基に、ロ
ータマグネット30の強力な回転方向が判別され(S
8)、所望の回転方向の場合は、次の加速工程が実行さ
れ(S10)、所望の回転方向とは逆の場合は、ポーズ
動作を挿入して回転を停止もしくは減速した後(S
9)、ステップ2に戻って前述した動作が行われる。こ
こで、回転方向に対し、回転トルクが異なることがある
が、この状態で回転方向を変更する用途の場合は、制御
系のゲインを非対称としてもよい。
【0032】このモータは1センサでは、回転方向(C
W,CCW)によって通電タイミングが異なることによ
りトルクが相異するが、加減速工程を含む応用におい
て、この点はサーボゲインを非対称にして補うことがで
きる。しかし、双方向への最大トルクを均等にしたい場
合は、2センサを用い、回転方向に応じて最適となるタ
イミングを選択するか、1センサの出力を遅延させても
よい。一般に前者が用いられ、その場合2センサの出力
を夫々オペアンプを介して選択処理するか、あるいは2
センサの端子のインピーダンス・電位をほぼ等しくして
一方または双方のセンサ出力を用いてもよい。
【0033】加速工程においては、図4に見られるよう
に、単相電源により実質的に休止期間を含まないで通電
方向が逆転する双方向通電を行うと共に、通電方向の切
り換え周期を変えつまり徐々に高速化し、ロータ32の
回転速度を上昇させていく。子のロータ32の加速制御
は、ロータ32が定速になるまで行われ(S11)、定
速になれば、この定速状態を維持する制御が行われる。
用途が一方向への回転であれば、図5においてステータ
とセンサの位置及びセンサ電圧の関係を一義的に定め、
図5の当該ステップ(S8、S9)を省略できる。
【0034】そして、ロータ32の回転中に停止指令が
出されると(S12)、コイル24への通電を停止する
か、減速制御を実行してロータ32の回転を停止する制
御が行われる(S13)。
【0035】ところで、前述した起動時、ステータ26
とロータ32とがいわゆる死点を形成して起動できない
ことが考えられるが、ステータ26のポール数とロータ
マグネット30の磁極数とを異ならせているため、死点
を形成することなく起動させることが可能である。さら
に、起動信頼性に万全を期すために、図4に示すよう
に、1サイクルの励磁電流を供給した後休止期間を設け
て再起動させる制御が実行されるため、実質的に起動失
敗は皆無とみなし得る。
【0036】図6は、6ポール9スロット構成の場合を
示した第2の実施例である。ステータ52のステータコ
ア54は9スロット構成であり、9個のティース56が
円周方向に等間隔に配列されている。この各ティース5
6にはそれぞれ図外のコイルが巻回されているが、これ
らコイルは、一定の回転方向順の〜の各ティース5
6において、例えば、、、、、の各ティー
ス56のコイルが増磁性(または減磁性)、、、
の各ティース56のコイルが減磁性(または増磁性)に
なるように巻回されると共に、これらが直列接続されて
1つの回路網を構成している。
【0037】従って、コイルへの通電により、、、
、、、の各ティース56と、、の各ティ
ース56とのそれぞれの先端部つまりティップ58が互
いに逆磁極になるように磁化される。
【0038】一方、ロータマグネット60は、ステータ
コア54のスロット数と異なり、6ポール構成であり、
周方向にN極とS極とが交互に配列されて6個の磁極を
形成している。ロータマグネット30の磁極の境目を検
出するホール素子等のセンサ62は、ステータコア54
の増磁極と減磁極との間つまり、の両ティース56
間中央の径方向外側にロータマグネット60に向かい合
って配置されている。
【0039】このような構成のブラシレスモータにあっ
ては、前述した実施例と同様に、ステータ52のスロッ
ト数とロータマグネット60のポール数とが異なってい
るため、起動時、コイルへの通電を開始すると、ロータ
マグネット60は回転を開始する。
【0040】また、前述と同様の励磁電流制御部により
コイルへの電流を制御すれば、起動が確実となるばかり
ではなく、ロータマグネット60を所望の回転方向に回
転制御できるものである。
【0041】なお、前記実施例では、等方性珪素鋼板を
用いたステータコア22、54の場合を想定したが、1
方向性珪素鋼板あるいは2方向性珪素鋼板のステータコ
アを用いることもできる。これによれば、磁化容易軸の
傾斜により起動トルクを高め得るだけでなく、高飽和磁
束密度による回転トルクの増大、低騒音、低振動といっ
た効果が得られる。
【0042】以上、本発明のブラシレスモータの実施例
について説明したが、本発明はこれら実施例に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱することのない範
囲で種々の変更ないし修正が可能であることは言うまで
もない。
【0043】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているため、次に記載する効果を奏する。
【0044】本発明のブラシレスモータによれば、ステ
ータコアのスロット数とロータマグネットのポール数
(磁極数)とを異なる数に設定する一方、ステータコア
の各ティースに巻回されたコイルで1つの回路網を形成
してこれを単相駆動し、ロータマグネットの磁束を検出
するセンサを1個のみとしてこの検出信号により回路網
への通電を制御する構成としたので、ブラシレスモータ
でありながら、回転方向の切り換えが簡易な2端子回路
で容易に実現し、しかも、高い起動信頼性と制御性、低
騒音、低振動、長寿命が得られ、発明の目的を達成する
ものである。
【0045】ここで、各ティースに巻装された各コイル
の極性を増磁性と減磁性との数が異なるように設定すれ
ば、起動時に死点を形成することがあっても、ロータマ
グネットは増磁極と減磁極との磁界の差に基づいて起動
を開始し、円滑な起動が実現するものであり、しかも、
各コイルが単相電源により通電方向が逆転する双方向通
電により同時に励磁されるため、増磁極と減磁極との数
が異なっていても、増磁性と減磁性とのコイルの極性は
交互に変化し、回転むらの発生を防止できる。
【0046】また、本発明のブラシレスモータの回転制
御方法によれば、各コイルにより構成された1つの回路
網を単相電源による双方向通電により同時に駆動し、セ
ンサからの検出信号が一定値の範囲を超える時に回路網
への通電を開始し、検出信号が一定値の範囲を交差する
方向に応じて通電方向を切り換え、必要により制御ゲイ
ンを切り換えるようにするので、確実かつ円滑なロータ
マグネットの回転が得られる。
【0047】そして、起動時においてセンサの検出信号
が一定値の範囲の時においても、センサの極性を反転し
て再起動するシーケンスが実行されるため、回路網への
通電を開始してロータマグネットを確実に回転させるこ
とができ、この再起動のシーケンスにおいて、励磁極性
の反転時に休止期間を少なくとも1回挿入することによ
り、一方及び他方の回転ベクトルに片寄りが生じ、ロー
タマグネットはその偏在方向に回りだし、確実な起動が
可能となるものである。
【0048】さらに、双方向回転の用途では、起動後も
しくは再起動後に、ロータマグネットの回転方向を判別
する工程を実施し、逆回転時にセンサの極性を反転して
前記再起動のシーケンスを実行すれば、常に所望の回転
方向が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のブラシレスモータ及びその回転
制御方法の第1の実施例の要部を示すステータとロータ
との平面図である。
【図2】図1のブラシレスモータの全体構成を示す切断
正面図である。
【図3】図2のコイル駆動回路を示す回路図である。
【図4】図3の駆動回路におけるCWとCCWとのコイ
ル電流の波形図である。
【図5】図3の駆動回路における起動時のシーケンスを
示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施例の要部を示すステータと
ロータとの平面図である。
【符号の説明】
22、54 ステータコア 24 コイル 26、52 ステータ 30、60 ロータマグネット 36、62 センサ 38、56 ティース 44 単相電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−198595(JP,A) 特開 昭59−139852(JP,A) 特開 昭54−106807(JP,A) 特開 平6−237595(JP,A) 特開 平6−45131(JP,A) 特開 平2−214455(JP,A) 特開 平1−318578(JP,A) 実開 昭62−149271(JP,U) 実開 昭62−19094(JP,U) 実開 平2−7777(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 29/00 H02P 6/08 H02P 6/20 H02K 21/00 H02K 1/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のスロットを有するステータコアの
    各ティースにそれぞれコイルを巻装して構成されたステ
    ータと、該ステータに対向して回転自在に設けられ周方
    向に異極を交互に配列してなる円環状のロータマグネッ
    トと、該ロータマグネットの磁束を検出するセンサと、
    を備えたブラシレスモータにおいて、 前記各ティースに巻装されたコイルは1つの回路網を形
    成し、該回路網が単相電源による双方向通電により同時
    に駆動され、 前記ロータマグネットの磁極数と前記ス
    ロット数とは、異なる数に設定され、前記各ティースに巻装された前記各コイルの極性は、増
    磁性と減磁性との数が異なるように設定され、 かつ、前記センサは、前記ステータコアにおける増磁性
    の極性のコイルが巻装されたティースとこれに隣り合う
    と共に減磁性の極性のコイルが巻装されたティースとの
    の径方向外側における前記ロータマグネットとの対向
    位置に配置されていることを特徴とするブラシレスモー
    タ。
  2. 【請求項2】 前記コイルへの通電方向は、実質的に休
    止期間を含まないで通電方向が逆転する逆励時により行
    われる請求項1記載のブラシレスモータ。
  3. 【請求項3】 1つの回路網を形成するコイルが複数の
    スロットを有するステータコアの各ティースに巻装され
    前記各ティースに巻装された前記各コイルの極性は、増
    磁性と減磁性との数が異なるように設定されてなるステ
    ータと、該ステータに対向して回転自在に設けられ前記
    ステータのスロット数と異なる磁極数を有すると共に周
    方向に異極を交互に配列してなる円環状のロータマグネ
    ットと、前記ステータコアにおける増磁性の極性のコイ
    ルが巻装されたティースとこれに隣り合うと共に減磁性
    の極性のコイルが巻装されたティースとの間の径方向外
    側における前記ロータマグネットとの対向位置に配置さ
    該ロータマグネットの磁束を検出する少なくとも1個
    のセンサと、を備えたブラシレスモータの回転制御方法
    であって、 前記回路網は、単相電源による双方向通電により同時に
    駆動され、かつ、前記センサからの検出信号が一定値の
    範囲を超えることにより前記回路網への通電が開始され
    ると共に、前記検出信号が前記一定値の範囲を交差する
    方向に応じて通電方向が切り換えられることを特徴とす
    るブラシレスモータの回転制御方法。
  4. 【請求項4】 起動時において、前記センサの検出信号
    が前記一定値の範囲の時に、前記センサの極性の認識を
    反転して再起動するシーケンスが実行される請求項
    載のブラシレスモータの回転制御方法。
  5. 【請求項5】 前記再起動のシーケンスにおける励磁極
    性の反転時には、休止期間が少なくとも1回挿入されて
    いる請求項記載のブラシレスモータの回転制御方法。
  6. 【請求項6】 起動後もしくは再起動後に、前記ロータ
    マグネットの回転方向を判別する工程が実施され、逆回
    転時には前記センサの極性が反転されて前記再起動のシ
    ーケンスが実行される請求項または記載のブラシレ
    スモータの回転制御方法。
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