JP2011130605A - ブラシレスモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】ステータコアの各ティースを分割して、ロータマグネットの磁極数に対するステータのスロット数を2倍にし、モータの全高の薄型化を実現したブラシレスモータを提供する。
【解決手段】ステータコア5bの各ティースにコイルを巻回したステータと、ステータに対向して回転自在に設けられ周方向に異極を交互に配置した円環状のロータマグネットとを備えるブラシレスモータにおいて、各ティースを周方向に2分割し、一対のティース1a1,1a2〜1f1,1f2に巻回されるコイルの巻数を等分に形成し、ロータマグネットの各極を、一対のティースの磁極2a1,2a2〜2f1,2f2に対応させ、ロータマグネットの極数に対するスロット数を2倍にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、マグネット式小型モータ、スピンドルモータ及び各種マイクロモータ等、一般的にOA機器等に用いられるブラシレスモータに関する。
ブラシレスモータは、各種形状のものが採用されているが、そのほとんどは、複数のスロットを有するステータコアの各ティースに多相のコイルを巻回してステータを構成し、このステータに対向して周方向に異極を交互に配列した円環状のロータマグネットを備えるロータを回転自在に設け、多相のコイルへの通電を選択的に切り換えることによって、コイル電流とロータマグネットの磁界との電磁相互作用により、ロータを回転させている。
また、この場合、ロータマグネットの極性と回転位置とをホール素子等のセンサ又はコイルの誘起電圧で検出することにより、通電タイミングの切り換えを制御する構成になっている。
このようなブラシレスモータは、形式として、外側にロータのあるアウターロータ型と、ロータがステータの内側にあるインナーロータ型とがある。
例えば、特許文献1の図1には、アウターロータ型のブラシレスモータが開示されている。このモータは、ステータコアのスロット数を2の倍数かつ4より大きく設定しており、ロータマグネットの磁極数をスロット数(または同数のティース)に等しく設定している。
さらに、1つのセンサが、ステータコアにおける任意の隣り合う2つのティース間の径方向外側に、ロータマグネットとの対向した位置に配置されている。
そして、各ティースに巻装されたコイルは1つの回路網を形成し、該回路網が単相電源により実質的に休止期間を含まないで、通電方向が逆転する双方向通電により同時に駆動され、かつ、各ティースのコイルは通電によって形成される電磁極が、ロータマグネットの対向磁極と逆極性になるように励磁される構造となっている。
このようなブラシレスモータは、ロータマグネットの磁極数とステータのスロット数は同数であり、ステータコアのティースに巻回されるコイルにより、軸方向のモータの寸法、即ち全高が薄型化を妨げていた。
また、図7に示すインナーロータ型のブラシレスモータ13は、ケーシング11,12内に、ステータコア5のティース1に半径方向に巻回されたコイル3を有し、ティース1の先端内周部に極歯2を備え、その内周部にステータ7の径方向に対向した隙間tをおいて、マグネット4、マグネット支持部材10、軸8からなるロータ6が軸受9により回転自在に構成されている。
この単相ブラシレスモータでは、ステータ7のスロット数とロータマグネット4の磁極数は同数である。この従来例に用いるステータコア5aの形状が図5(a)に示され、図中A部の拡大図が図5(b)に示されている。
ここで、ステータコア5aは6個のティース1a〜1fを有しており、図6(a)及び図6(b)には、これらのティース1a〜1fに巻回されたコイル3a〜3fとこれに対向するロータマグネット4の配置関係が示されている。
各ティース1a〜1fに巻回されたコイル3a〜3fは、半径方向に右巻き、左巻き交互に円周方向に配置されている。ティース1aにはコイル3a,同様に、他のティースにもそれぞれコイルが巻回されている。コイル3a〜3fは単相である。ロータ6のマグネット4は、N極、S極が交互に円周方向に着磁され、ステータ7の各ティース1a〜1fの極歯2a〜2fに対向し、軸8を有して回転自在となっている。コイル部のX印はコイルの線が後方から手前に出ることを示し、・印は前方から後方へ行くことを示す。
また、図8に示すステータコアのティース1に所定のコイル3を巻回した断面図において、ティース高さをYとし、巻回されたコイル厚さをCとすると、コイル軸方向外径高さ(外径寸法)Hは、H=Y+2×Cで表される。
上記式から、ティース1の高さを一定とすると、このティース1に巻回されるコイル3の厚さCによってコイルの高さHが定まることから、コイル高さが軸方向の薄型化の制約となることがある。この結果、モータ外径を小さくすることができず、上記特許文献1のものと同様に、ティースに巻回されるコイルの軸方向の寸法(コイルの高さ)Hが、モータの軸方向の薄型化を妨げていた。
特許第3524138号
上記のように、特許文献1及び図5〜図8に示す従来例のブラシレスモータでは、ステータコアのティースに巻回されるコイルにより、軸方向のモータ寸法(全高)を短くすることができず、モータの薄型化を図ることが困難であった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ステータコアの各ティースを分割して、ロータマグネットの磁極数に対するステータのスロット(ティース)数を2倍にすることによって、モータの全高の薄型化を実現したブラシレスモータを提供することにある。
上記目的を解決するために、本発明は、複数のスロットを有するステータコアの各ティースにコイルを巻回したステータと、該ステータに対向して回転自在に設けられ周方向に異極を交互に配置した円環状のロータマグネットとを備えるブラシレスモータにおいて、
前記各ティースを周方向に2分割し、該一対のティースに巻回されるコイルの巻数を等分に形成し、前記ロータマグネットの各極を、前記一対のティースの磁極に対応させ、前記ロータマグネットの極数に対する前記スロット数を2倍にしたことを特徴としている。
また、本発明の実施形態によれば、前記一対のティースにおける各先端部の極歯は、一方の形状が他方の形状と異なっている。
さらに、好ましい構成によれば、前記ロータマグネットの周面に対面する前記一対の一方の極歯は、他方の極歯より前記ロータマグネットとの隙間が大きくなっていることを特徴とする。
本発明のブラシレスモータによれば、ロータマグネットの磁極に対するティース数を2倍にしたことにより、各ティースに巻回されるコイルの巻数を一対のティースにそれぞれ等分することができ、1つのティースに巻回されるコイルの巻数を1/2に減少させることによって、コイル高さを減少し、モータの薄型化を達成することができる。
また、隣り合う一対のティースの各極歯は、形状を異にし、また、一対のティースの各極歯とロータマグネットの磁極との間の隙間を変えることによって、この隙間における磁極間の吸引と反発とに差が生じ、ロータを回転させることができる。
(a)は、本発明に係るブラシレスモータのステータコアの形状を示す構成図であり、(b)は、図中に円で囲んだA部の拡大図である。 (a)は、本発明に係る図1のブラシレスモータにおいて、コイルとロータマグネットの配置関係を示す詳細図であり、(b)は、図中に円で囲んだA部の拡大図である。 本発明におけるコイル寸法を示す断面形状図である。- (a)は、本発明に係る別形態のアウターロータ型ブラシレスモータの詳細な形状を示す構成図であり、(b)は、従来例の同形式に係るブラシレスモータの詳細構成図である。 (a)は、従来例のブラシレスモータにおけるステータコアの形状を示す構成図であり、(b)は、図中に円で囲んだA部の拡大図である。 (a)は、従来例の図4のブラシレスモータにおいて、コイルとロータマグネットの配置関係を示す詳細図であり、(b)は、図中に円で囲んだA部の拡大図である。 従来例のインナーロータ型ブラシレスモータにおける縦断面図である。 図3と同様の配置構成を示す従来例のコイル寸法を示す断面形状図である。
本発明の好ましい実施形態を図1、図2に基づいて説明する。
図1(a)は、本発明のステータコアの構成図、図1(b)は、図中に円で囲んだA部の拡大図、図2(a)は、本発明のステータコアに巻回されたコイルと、これに対向配置されるロータのロータマグネットとを示す詳細構成図、図2(b)は、図中に円で囲んだA部の拡大図である。
上記実施形態は、インナーロータ型のブラシレスモータの構造を示すが、本発明は、後述するように、アウターロータ型のブラシレスモータ(図4(a)参照)にも利用することができる。
図1(a)において、ステータコア5bは、(珪素鋼板等の)薄板をモータの軸方向に積層して形成した円筒リング形状のもので、半径方向内側に複数のティース(突極)(1a1,1a2)〜(1f1,1f2)が放射状に配設され、隣り合うティース間にそれぞれスロットが配置されている。
本発明のティースは、図5に示す6個のティース1a〜1f及びその先端部にある極歯2a〜2fをそれぞれ2分割したもので、図1(a)に示すように、ティース(1a1,1a2)〜(1f1,1f2)と極歯(2a1,2a2)〜(2f1,2f2)の各組が形成されている。
したがって、図2(a)に示すように、1つのロータ磁極4(NまたはS)に対して2つのティースを有するもので、通常のステータ6スロット−ロータ6極着磁品(6S6Pと略す)に対して、ステータ12スロット−ロータ6極着磁品(12S6Pと略す)で構成され、ティースは、合計12個となる。
即ち、図1(a)に示すように、一方側のティース(1a1,1b1,1c1,1d1,1e1,1f1)と、これらのティースに隣り合う他方側のティース(1a2,1b2,1c2,1d2,1e2,1f2)とが、ステータコア5bの周回りにスロットを挟んでほぼ等間隔に配置されている。
隣り合う左右のティースの先端部(ティップ)に設けられた極歯(2a1,2a2)は、図1(b)のA部拡大図に示すように、その外形状の大きさが異なり、図面では、右側の極歯2a2よりも左側の極歯2a1の方がその径方向の幅が大きな形状である。
また、分割された各一対のティースの隣り合う各極歯(2a1,2a2),(2b1,2b2),(2c1,2c2),(2d1,2d2),(2e1,2e2),(2f1,2f2)は、各ティースの先端部から周方向両側に湾曲して伸びる形状であるが、それぞれの極歯は、径方向の幅寸法が異なり、円周方向に非対称の形状となっている。図面では、時計回りの方向に徐々にその幅が小さくなっている。
なお、これらの極歯とこれに対向するロータマグネットとの隙間tは、図2(b)において、円周方向右側に進むに従って大きくなっている。
図2(a)は、本発明のステータ7とロータ6のマグネット4の配置関係を示す図である。
本発明の実施形態である図2(a)において、一対のティース、例えば、ティース1a1,1a2には、従来例のコイル3aの略半分の巻数のコイルが同方向巻きに巻回され、コイル3a1,3a2を形成している。他の一対のティースは、交互に巻方向は異なるが、同様にコイルを備えている。コイル(3a1,3a2),(3b1,3b2)〜(3f1,3f2)は単相である。ロータ6のマグネット4は半径方向に、N極、S極が交互に円周方向に着磁され、ステータ7bと対向し、軸8を有して回転自在である。
図2(b)はA部の拡大図を示し、ティース1a1に巻回されたコイル3a1とティース1a2に巻回されたコイル3a2は、略同巻数、同方向巻である。モータ起動のため、起磁力を非対称とするため、分割されたティース1a1,1a2の極歯2a1,2a2の形状は異なり、円周方向に非対称の形状となっている。また、マグネット4との隙間tもこの例では極歯2a1の左端が最も狭く、右端に行くに従い広く、さらに極歯2a2では左端が最も狭く、右端に行くに従い広くなっている。すなわち、マグネット4と極歯(2a1,2a2)の隙間tは、2a1の左端、2a1の右端、2a2の左端、2a2の右端と広くなる。その他の一対の極歯も同様である。
このように構成されたブラシレスモータは、図示を略したモータ制御回路によりステータのコイルを通電すると、ステータコアの各ティースは、対応するロータマグネットの磁極(NまたはS)に対して各極歯が異極になるように磁化される。ここで、ロータマグネットの各磁極がステータコアの極歯に対向しおり、その隙間も異なることから、起動時にステータとロータとがいわゆる死点を形成して起動できない状態を回避でき、ティースの各極歯とロータマグネットの各磁極との間の吸引と反発とに差が生じ、ロータは起動し始める。
ロータが起動すると、センサ(図示略)によりロータマグネットの回転位置つまり磁極の境目が検出され、この検出信号によりコイルへの通電方向を切り換えることにより、各極歯にロータマグネットの対向磁極と逆極性になる電磁極が形成され、ロータに連続して回転力を与えることができる。
図4(a)は、本発明の別の実施形態として、アウターロータ型のステータコア5cとロータマグネット4cを示す。図4(a)において、ロータマグネットの極数は6極、ティースは12である。比較としての従来例の図4(b)では、ロータマグネットの極数は6極、ティースは6である。
本発明では、上記のように従来のティース1aを2分割(1a1、1a2)し、コイルの巻数を等分したので、図3に示すように、コイル厚さCがほぼ半分になる。
即ち、ステータコア5a,5bが同じ高さ(ティース高さY)の場合、本発明は、ティースを2分割して一対となし、コイルの巻数を等分する結果、2分割されたコイル厚さは略1/2Cとなり、分割することによって、コイル厚さCに相当するコイル外径高さH’は、H’=Y+Cとなり、C寸法だけ半減される。
また、コイル巻きの全長が低減されるため、抵抗値が下がり、銅損の低減にもつながる。
このように、本発明は、従来のステータの各ティースを2分割することにより、ティースに巻回されるコイルの巻数が等分され、コイルの外径寸法(コイル高さ)を低減するこができる。
(1a1,1a2)〜(1f1,1f2):ティース
(2a1,2a2)〜(2f1,2f2):極歯
(3a1,3a2)〜(3f1,3f2):コイル
4:ロータマグネット
5b:ステータコア
6:ロータ
7:ステータ
8:軸
Y:ティース高さ
C:コイル厚さ
H,H’コイル外形高さ

Claims (3)

  1. 複数のスロットを有するステータコアの各ティースにコイルを巻回したステータと、該ステータに対向して回転自在に設けられ周方向に異極を交互に配置した円環状のロータマグネットとを備えるブラシレスモータにおいて、
    前記各ティースを周方向に2分割し、該一対のティースに巻回されるコイルの巻数を等分に形成し、前記ロータマグネットの各極を、前記一対のティースの磁極に対応させ、前記ロータマグネットの極数に対する前記スロット数を2倍にしたことを特徴とするブラシレスモータ。
  2. 前記一対のティースの各先端部の極歯は、一方の形状が他方の形状と異なっていることを特徴とする請求項1のブラシレスモータ。
  3. 前記ロータマグネットの周面と対面する前記一対の一方の極歯は、他方の極歯より前記ロータマグネットとの隙間が大きいことを特徴とする請求項2のブラシレスモータ。
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