JP2008061485A - 交流電源で自起動可能な永久磁石型モータ - Google Patents

交流電源で自起動可能な永久磁石型モータ Download PDF

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Abstract

【課題】専用のドライバー(駆動装置)等を必要としないで、交流電源に接続するだけで自起動可能な高効率でローコストな永久磁石型の同期モータを得ることを目的とする。
【解決手段】インナーロータ形においては、周方向に等間隔で軸方向に同一極性となるようにN・S極を交互に備えた永久磁石型回転子の外側にエヤーギャップを介して固定子を配置し、この固定子に永久磁石型回転子と同一極数の磁界が発生するように固定子コイルを巻装し、永久磁石型回転子の各磁極は、周方向の幅の中心と固定子に作用する磁束が最大となる部分が一致せずに周方向の同一方向にずれるように構成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、交流電源に直接接続して使用できる永久磁石型モータに関し、特に永久磁石型回転子構造に関する。
従来、交流電源に直接接続するだけで回転可能なモータとしては、誘導電動機が一般に用いられている。例えば、単相交流電源に接続するだけで外付け部品を必要とせずに回転可能なモータとしては、図12に示すようなくま取りコイル形単相誘導電動機が採用されている。図12(a)は、4極のくま取りコイル形単相誘導電動機の主要部分の構成図であり、固定子鉄心21の歯先にはくま取りコイル130を備え、4個の磁極歯部30に固定子コイル10を巻回しリード線接続等の端末処理が行われている。図12(b)は、2極のくま取りコイル形単相誘導電動機の構成図を示し、2個の磁極歯部30を連結する固定子鉄心21に固定子コイル10が巻回されており、いずれも、カゴ形回転子180との間のエヤーギャップ88の径方向長さが周方向に均等になるように構成されている。
上述の図12(a)、図12(b)に示すような従来のくま取りコイル形単相誘導電動機においては、起動トルクが小さく、くま取りコイル130には起動時以外の運転中にも電流が流れるため効率が悪いという問題がある。また、コンデンサ付き単相誘導電動機や三相誘導電動機も二次電流による損失が発生するため同様に効率が悪いという問題がある。このため、高効率が求められる製品においては、専用のドライバー(駆動装置)で運転される永久磁石型モータが通常採用されるが、ドライバーの価格に加えエンコーダーや磁極センサー等をモータに組み込む必要があるため更に高価になるという問題がある。
この発明は、上述のような問題点を解消するためになされたものであり、専用のドライバーや磁極センサー等が不要で、交流電源に直接接続して使用できるローコストで高効率な永久磁石型モータを得ることを目的としている。
上述の目的を達成するために、この発明によるインナーロータ形の永久磁石型モータは、周方向に等間隔で軸方向に同一極性となるようにN・S極を交互に備えた永久磁石型回転子の外側にエヤーギャップを介して固定子を配置し、この固定子に永久磁石型回転子と同一極数の磁界が発生するように固定子コイルを巻装し、永久磁石型回転子の各磁極は、周方向の幅の中心と固定子に作用する磁束が最大となる部分が一致せずに周方向の同一方向にずれるように形成されているものである。
つぎの発明によるアウターロータ形の永久磁石型モータは、周方向に等間隔で軸方向に同一極性となるようにN・S極を交互に備えた永久磁石型回転子の内側にエヤーギャップを介して固定子を配置し、この固定子に永久磁石型回転子と同一極数の磁界が発生するように固定子コイルを巻装し、永久磁石型回転子の各磁極は、周方向の幅の中心と固定子に作用する磁束が最大となる部分が一致せずに周方向の同一方向にずれるように形成されているものである。
つぎの発明による永久磁石型モータは、固定子あるいは永久磁石型回転子にスキューを施したものである。
つぎの発明による永久磁石型モータは、永久磁石型回転子とエヤーギャップを介して対向する固定子の対向面に、複数の溝を軸方向に設けたものである。
つぎの発明による永久磁石型モータは、起動時に電源周波数を漸増またはステップ状に増加させた後、所定の定格周波数で運転、あるいは可変速運転するものである。
この発明による永久磁石型モータによれば、インナーロータ形構造の永久磁石型回転子の各磁極は、周方向の幅の中心と固定子に作用する磁束が最大となる部分(磁極中心)が一致せずに周方向の同一方向にずれるように形成することにより、停止時は固定子と永久磁石型回転子が整合(固定子の各磁極の周方向の歯幅の中心と永久磁石型回転子の各磁極の周方向の幅の中心が一致)しないため自起動(交流電源で直接起動)することができ、回転中に整合した場合も、固定子の各磁極の周方向の歯幅の中心と回転子の各磁極中心(磁束が最大となる部分)は一致しないため、トルクがゼロとなる死点を回避することができ、連続して所定の方向に回転可能なインナーロータ形の永久磁石型の同期モータを得ることができる。そして、この発明による永久磁石型モータは、専用のドライバー及び磁極センサー等が不要のためローコストで生産でき、二次電流による損失もないため高効率な特性を得ることができる。また、電子部品を使用しないため信頼性が高く長寿命であり、固定子鉄心製造及びコイルの巻線作業には従来の設備を流用することができる。
つぎの発明による永久磁石型モータによれば、アウターロータ形構造の永久磁石型回転子の各磁極は、周方向の幅の中心と固定子に作用する磁束が最大となる部分(磁極中心)が一致せずに周方向の同一方向にずれるように形成することにより、インナーロータ形の場合と同様に自起動可能なアウターロータ形の永久磁石型の同期モータを得ることができる。そしてまた、この発明による永久磁石型モータも、専用のドライバー及び磁極センサー等が不要のため安価・堅牢で信頼性が高く、二次電流による損失もないため高効率な特性を得ることができる。
つぎの発明による永久磁石型モータによれば、固定子あるいは永久磁石型回転子にスキューを施したことにより、コギングトルクを抑制し、振動・騒音を低減することができる。
つぎの発明による永久磁石型モータによれば、永久磁石型回転子とエヤーギャップを介して対向する固定子の対向面に、複数の溝を軸方向に設けたことにより、コギングトルクを更に抑制し、振動・騒音を更に低減することができる。
つぎの発明による永久磁石型モータによれば、起動時に電源の周波数を漸増またはステップ状に増加させることにより、負荷トルクの大きい用途に対しても容易に起動が可能となり、また、電源の周波数を変えることにより可変速運転を行うことができる。
以下に添付の図を参照にして、この発明にかかる永久磁石型モータの実施例を詳細に説明する。
図1は、この発明による永久磁石型モータの実施例1として、インナーロータ形の4極の集中巻方式の単相交流モータに適用した例を示す軸直角方向の主要部分の構成図であり、固定子20、永久磁石型回転子80、及び回転軸90等で構成されている。
固定子20は、固定子コイル10と内側が円筒状の固定子鉄心21で構成されており、永久磁石型回転子80とエヤーギャップ88を介して対向するように磁極歯部30が形成されており、周方向の歯幅の中心35は磁極歯部30の磁極中心となる。
固定子コイル10は、マグネットワイヤーを用いて互いに隣接する磁極の極性が交互に異なるように4個の磁極に直接巻き付けるように巻回され、適切な絶縁処理が施されて、リード線(図中省略)により単相交流電源に接続されている。
永久磁石型回転子80は、所定の形状に加工された回転軸90と一体の回転子鉄心81の外周の周方向に等間隔で軸方向に同一極性となるようにN・S極を交互に備えた4極の永久磁石の磁極82が配置され、固定子20の磁極歯部30とエヤーギャップ88を介して軸受部材(図中省略)により回転可能に支持されている。なお、回転子鉄心81を回転軸90と一体とせず別の磁性部材を用いて構成することもできる。
磁極82の形状は、図1に示すように回転軸90の中心より磁極82の外周面までの径方向長さが、磁極82の周方向の幅の中心83と一致しない位置70で最大となり、大略において各磁極ごとに周方向の同一方向に漸減するように形成されている。この結果、エヤーギャップ88の径方向長さは位置70の外周側部分で最小となり、周方向の同一方向に漸増することとなるため、位置70は固定子20に作用する磁束が最大となる部分、すなわち磁極中心として作用することができる。
図1は、電源がOFFされた停止時の磁極歯部30の歯先と、永久磁石型回転子80の外周に配置された磁極82の位置関係を示している。停止時は磁気回路のパーミアンスが最大となり磁気的に最も安定するように、各磁極82の磁極中心となる位置70と固定子の磁極中心35が概ね一致する位置で回転軸90が停止する。このため、停止時は固定子と永久磁石型回転子が整合(固定子の各磁極中心35と永久磁石型回転子の各磁極の周方向の幅の中心83が一致)しないため、起動時には固定子コイル10の主磁束により大きなトルクを発生して自起動(交流電源で直接起動)することができ、永久磁石型回転子80を交番磁界に同期した速度に引き込むことができる。また、回転中に整合した場合も固定子の各磁極中心35と回転子の各磁極中心となる位置70は一致しないため、トルクがゼロとなる死点を回避することができ、エヤーギャップ88の漸増形状によるパーミアンスの変化により所定の方向に連続して回転することができる。
上述のような構成によれば、この発明によるインナーロータ形の永久磁石型モータは、専用のドライバー及び磁極センサー等が不要のためローコストで生産でき、二次電流による損失がないため高効率な特性を得ることができる。また、電子部品を使用しないため信頼性が高く長寿命であり、固定子鉄心製造及びコイルの巻線作業には従来の設備を流用することができる。なお、巻線方式としては毎極の磁極歯部を複数個とした所謂分布巻方式を用いることもできる。
図2は、この発明による永久磁石型モータの実施例2として、2極の単相交流モータに適用した例を示す軸直角方向の主要部分の構成図であり、固定子20、永久磁石型回転子80、及び回転軸90等で構成されている。
図2(a)に示すように永久磁石で構成される回転子の磁極82の形状は、回転軸90の中心より磁極82の外周面までの径方向長さが、磁極82の周方向の幅の中心83と一致しない位置70で最大となり、大略において各磁極ごとに周方向の同一方向に漸減するように形成されている。この結果、エヤーギャップ88の径方向長さは位置70の外周側部分で最小となり、周方向の同一方向に漸増することとなるため、位置70は固定子20に作用する磁束が最大となる部分、すなわち磁極中心として作用することができる。
図2(b)は、磁極歯部30の周方向の歯幅の中心となる磁極中心35を顕在化させるために、狭小部分36を設けた他の実施例を示す。
上述のような構成によっても実施例1と同様に作用させることができるため、高速回転が可能で安価・堅牢・高効率な2極の永久磁石型モータを得ることができる。
図3〜図5は、この発明による永久磁石型モータの実施例3として、リング状の固定子コイルを有する4極の単相交流モータに適用した例を示す。図3は主要部分を示す軸直角方向の構成図、図4は軸方向半断面側面図であり、固定子コイル10とリード線13、及び固定子20、永久磁石型回転子80、回転軸90、軸受部材95、ブラケット96等で構成されている。
固定子コイル10は、回転軸90を周回するように、そのリングの中心と回転軸90の中心が概ね一致するようにマグネットワイヤーを用いてリング状に巻装され、適切な絶縁処理が施されて、リード線13により単相交流電源に接続されている。
固定子20は、固定子コイル10とこれの外周側の背面固定子鉄心22及び、固定子コイル10の軸方向両端側の側面固定子鉄心24・25で構成されており、背面固定子鉄心22と側面固定子鉄心24・25は夫々磁気的につながっており、更に側面固定子鉄心24・25の内周側には、内側が円筒状の磁極歯部30・31が夫々形成されている。
永久磁石で構成される回転子の磁極82の形状は、実施例1と同様に形成されており、エヤーギャップ88の径方向長さは位置70の外周側部分で最小となり、位置70は固定子20に作用する磁束が最大となる部分、すなわち磁極中心として作用することができる。
図5(a)、図5(b)は、側面固定子鉄心24・25と、これの内周側に形成された凸形の磁極歯部30・31の構成を、図4の反負荷側から負荷側(軸端側)へ透かして見た図であり、他の構成部品は図中省略している。図5(a)は、固定子コイル10の反負荷側の側面固定子鉄心24であり、磁極歯部30は、その周方向の歯幅の中心35が、時計の12時と6時の位置となるように2箇所に形成されている。図5(b)は、固定子コイル10の負荷側の側面固定子鉄心25であり、磁極歯部31は、その周方向の歯幅の中心35が、反負荷側の側面固定子鉄心24に形成された磁極歯部30の歯幅の中心35に対し、電気角でπ(rad)ずれた位置に形成されている。この結果、背面固定子鉄心22(図中省略)を通して4極の磁極が、固定子コイル10を挟んで側面固定子鉄心24・25の磁極歯部30・31により、内周側の周方向に交互に形成される。
この実施例においては、固定子コイル10により発生した磁束は、外周側の背面固定子鉄心22→側面固定子鉄心24→磁極歯部30→エヤーギャップ88→永久磁石の磁極82→エヤーギャップ88→磁極歯部31→側面固定子鉄心25→背面固定子鉄心22と巡る磁路を構成し、リング状の固定子コイル10により軸方向に発生した磁束の変化を、回転方向の磁束の変化に変えることができる。
上述のような構成によっても実施例1と同様に作用させることができ、更にコイルエンドに相当する部分が存在しないため、コイルの銅線使用量が減少し銅損も低減することができる。この結果、小形・軽量・高効率化とコストダウンを実現することができ、コイルの巻線作業も簡略化できるため生産性の向上に寄与することができる。なお、固定子コイルとして所謂シートコイルやプリントコイル等の方式を採用することもできる。更に、固定子鉄心の磁極歯部の軸方向に磁極片を設けたり、鉄心材として圧粉磁心を用いることもできる。
図6は、この発明による永久磁石型モータの実施例4を示す。実施例1と同様にインナーロータ形の4極のモータに適用される永久磁石型回転子80であり、磁極82の外周面が段付き形状となるように形成されており他の部分は図中省略している。回転軸90の中心より磁極82の外周面までの径方向長さが、磁極82の周方向の幅の中心83と一致しない位置70で最大となり、各磁極ごとに周方向の同一方向に回転軸90の中心からの径方向長さが階段状に減少するように外周面が形成されている。
上述のような構成によっても実施例1と同様に作用させることができ、ローコストで高効率な永久磁石型モータを得ることができる。
図7は、この発明による永久磁石型モータの実施例5を示す。図7(a)は実施例1と同様にインナーロータ形の4極のモータに適用される永久磁石型回転子80であり、磁極82の外周面が円筒状となるように形成されており他の部分は図中省略している。回転軸90の中心より磁極82の外周面までの径方向長さは全て等しいが、磁極82の周方向の幅の中心83と一致しない位置70で表面磁束量が最大となり、周方向の幅の中心83の方向に磁束量が漸減するように着磁されており、各磁極ごとに周方向の同一方向に磁束量が漸減するように構成されている。図7(b)に磁極82の一極分の表面磁束量の分布例を示す。
上述のような構成によっても実施例1と同様に作用させることができ、永久磁石型回転子の構造を簡素化できるため、更にローコストで高効率な永久磁石型モータを得ることができる。
図8は、この発明による永久磁石型モータの実施例6として、アウターロータ形の4極の集中巻方式の単相交流モータに適用した例を示す軸直角方向の主要部分の構成図であり、固定子20、永久磁石型回転子80等で構成されている。
固定子20は、固定子コイル10と外側が円筒状の固定子鉄心21で構成されており、永久磁石型回転子80とエヤーギャップ88を介して対向するように磁極歯部30が形成されており、周方向の歯幅の中心35は磁極歯部30の磁極中心となる。
固定子コイル10は、マグネットワイヤーを用いて互いに隣接する磁極の極性が交互に異なるように4個の磁極に直接巻き付けるように巻回され、適切な絶縁処理が施されて、リード線(図中省略)により単相交流電源に接続されている。
永久磁石型回転子80は、回転子鉄心81の内側の周方向に等間隔で軸方向に同一極性となるようにN・S極を交互に備えた4極の永久磁石の磁極82が配置され、固定子20の磁極歯部30とエヤーギャップ88を介して軸受部材(図中省略)により回転可能に支持されている。
磁極82の形状は、図8に示すように回転軸の中心91より磁極82の内周面までの径方向長さが、磁極82の周方向の幅の中心83と一致しない位置70で最小となり、大略において各磁極ごとに周方向の同一方向に漸増するように形成されている。この結果、エヤーギャップ88の径方向長さは位置70の内周側部分で最小となり、周方向の同一方向に漸増することとなるため、位置70は固定子20に作用する磁束が最大となる部分、すなわち磁極中心として作用することができる。
図8は、電源がOFFされた停止時の磁極歯部30の歯先と、永久磁石型回転子80の内側に配置された磁極82の位置関係を示している。停止時は磁気回路のパーミアンスが最大となり磁気的に最も安定するように、各磁極82の磁極中心となる位置70と固定子の磁極中心35が概ね一致する位置で回転軸が停止する。このため、停止時は固定子と永久磁石型回転子が整合(固定子の各磁極中心35と永久磁石型回転子の各磁極の周方向の幅の中心83が一致)しないため、起動時には固定子コイル10の主磁束により大きなトルクを発生して自起動(交流電源で直接起動)することができ、永久磁石型回転子80を交番磁界に同期した速度に引き込むことができる。また、回転中に整合した場合も固定子の各磁極中心35と回転子の各磁極中心となる位置70は一致しないため、トルクがゼロとなる死点を回避することができ、エヤーギャップ88の漸増形状によるパーミアンスの変化により所定の方向に連続して回転することができる。
上述のような構成によれば、この発明によるアウターロータ形の永久磁石型モータも、専用のドライバー及び磁極センサー等が不要のため安価で信頼性が高く、二次電流による損失がないため高効率な特性を得ることができる。
また、この発明によるアウターロータ形の永久磁石型モータにおいても、インナーロータ形をベースとした実施例4及び実施例5をアウターロータ形に応用して、永久磁石型回転子80の内側に配置された磁極82の内周面を段付き形状としたり、円筒状に形成された磁極82の内周面の表面磁束分布が周方向に漸減するように構成することもできる。更に、実施例3をアウターロータ形に応用して、リング状の固定子コイルを有する構造とすることもできる。
図9は、この発明による永久磁石型モータの実施例7として、上述のような実施例の構成に加え、固定子にスキューを施すものである。
図9は、実施例1の図1に示すインナーロータ形の永久磁石型モータの回転軸を水平方向として固定子鉄心を切り開いて、永久磁石型回転子と対向する内周面を見た部分展開図である。磁極歯部30の歯先は、周方向に隣接する磁極歯部の歯先と互いにスキュー角だけ傾いて構成されており、他の歯先も同様に構成されている。
上述の構成においては、固定子に容易にスキューを施し、スキュー角を最適化することによりギャップ磁束の高調波成分の影響を低減させることができるため、コギングトルクや回転ムラひいては振動・騒音を小さくすることができ、永久磁石型モータの特性を向上させることができる。なお、固定子をスキューする代わりに、永久磁石型回転子の各磁極をスキュー配置したり、あるいは、リング状の永久磁石にスキュー着磁等を施しても同様の効果を得ることができる。また実施例1以外の他の実施例にも適用することができる。
図10は、この発明による永久磁石型モータの実施例8として、上述のような実施例の構成に加え、更に永久磁石型回転子とエヤーギャップを介して対向する固定子の対向面に複数の溝を軸方向に設けるものである。
図10は、実施例1の図1に示すインナーロータ形の永久磁石型モータの固定子鉄心21の一極分の磁極歯部30の歯先を軸方向から見た部分図であり、他の部分は省略している。磁極歯部30の歯先には永久磁石型回転子とエヤーギャップを介して対向する面に複数の溝40が軸方向に設けられている。
上述の構成においては、溝の形状及び間隔を最適化することによりコギングトルクのエネルギーを分散・低減させることができるため振動・騒音を抑制し、永久磁石型モータの特性を更に向上させることができる。なお、図10においては、実施例1の図1に示す固定子鉄心の形状を例に示したが、これ以外の実施例に示す固定子鉄心及びアウターロータ形の固定子鉄心にも適用することができる。
図11は、この発明による永久磁石型モータの実施例9として、起動時に電源周波数を漸増またはステップ状に増加させた後、所定の定格周波数で運転する例を示す。図11(a)は、電源をONして低速度で同期引き込みを行い、所定の時間t(sec)後に定格周波数f(Hz)まで漸増させるものである。図11(b)は、電源をONして低速度で同期引き込みを行い、所定の時間t(sec)後に定格周波数f(Hz)となるようにステップ状に増加させるものである。
上述のような起動方法により、負荷トルクの大きい用途に対して容易に同期引き込みが可能となり、永久磁石型モータの起動特性を向上させることができる。また、電源の周波数を変えることにより永久磁石型モータを可変速運転することができる。なお、周波数を変える方法としては安価な矩形波制御方式等を採用することができ、磁極センサーと組み合わせることにより起動、運転特性を更に向上させることもできる。
上述の実施例は、永久磁石型モータの極数が4極と2極の場合を主としてこの発明に適用したが、この発明による永久磁石型モータは、これ以外の極数を有する場合に対しても有効である。なお、この発明による永久磁石型回転子の各磁極の形状は、プラスチックマグネットやボンドマグネット等を用いることにより容易に形成することができ、これ以外にも、セグメント状の永久磁石を回転子鉄心表面に接着等により固定した構造、あるいは、回転子鉄心内部に埋め込んだ構造を採用することもできる。更にまた、固定子コイルを多相構造とし出力を高めるこをもできる。
この発明による永久磁石型モータは、交流電源に接続するだけで高効率な運転が可能なため、特に省エネが要求される家電・民生用のファンモータ、あるいは、小形ファン・ポンプ用モータとして利用することができる。また、単一の交流電源による揃速運転が可能なため繊維機械等にも利用することもできる。更に、永久磁石型回転子の磁気突極性に起因する加振力を積極的に活用した特性とすることにより携帯機器等の振動モータとして利用することもできる。
実施例1におけるインナーロータ形永久磁石型モータの軸直角方向の構成図である。(発明に直接関係する部分を誇張して描いており、以下同様。) 実施例2におけるインナーロータ形永久磁石型モータの軸直角方向の構成図である。 実施例3におけるリング状の固定子コイルを有するインナーロータ形永久磁石型モータの軸直角方向の構成図である。 実施例3におけるリング状の固定子コイルを有するインナーロータ形永久磁石型モータの軸方向半断面側面図である。 実施例3における側面固定子鉄心の磁極歯部の構成を、反負荷側から負荷側へ透かして見た図である。 実施例4におけるインナーロータ形永久磁石型回転子の軸直角方向の構成図である。 (a)は実施例5におけるインナーロータ形永久磁石型回転子の軸直角方向の構成図、(b)は永久磁石型回転子の一極分の表面磁束量の分布である。 実施例6におけるアウターロータ形永久磁石型モータの軸直角方向の構成図である。 実施例7における固定子鉄心のスキューを示す部分展開図である。 実施例8における固定子鉄心の一極分の磁極歯部の歯先を軸方向から見た部分図である。 実施例9における起動時の電源周波数と時間の関係である。 従来例のくま取りコイル形単相誘導電動機を示し、(a)は4極機の構成図であり、(b)は2極機の構成図である。
符号の説明
10 固定子コイル、 13 リード線、 20 固定子、 21 固定子鉄心、 22 背面固定子鉄心、 24・25 側面固定子鉄心、 30・31 磁極歯部、 35 磁極歯部の周方向の歯幅の中心、 36 磁極歯部の狭小部分、 40 軸方向の溝、 70 固定子に作用する磁束が最大となる部分、 80 永久磁石型回転子、 81 回転子鉄心、 82 永久磁石の磁極、 83 磁極の周方向の幅の中心、 88 エヤーギャップ、 90 回転軸、 91 回転軸の中心、 95 軸受部材、 96 ブラケット、 130 くま取りコイル、 180 カゴ形回転子

Claims (5)

  1. 周方向に等間隔で軸方向に同一極性となるようにN・S極を交互に備えた永久磁石型回転子の外側にエヤーギャップを介して固定子を配置し、この固定子に前記永久磁石型回転子と同一極数の磁界が発生するように固定子コイルを巻装したインナーロータ形構造の永久磁石型モータにおいて、前記永久磁石型回転子の各磁極は、周方向の幅の中心と前記固定子に作用する磁束が最大となる部分が一致せずに周方向の同一方向にずれるように構成されていることを特徴とするインナーロータ形の永久磁石型モータ。
  2. 周方向に等間隔で軸方向に同一極性となるようにN・S極を交互に備えた永久磁石型回転子の内側にエヤーギャップを介して固定子を配置し、この固定子に前記永久磁石型回転子と同一極数の磁界が発生するように固定子コイルを巻装したアウターロータ形構造の永久磁石型モータにおいて、前記永久磁石型回転子の各磁極は、周方向の幅の中心と前記固定子に作用する磁束が最大となる部分が一致せずに周方向の同一方向にずれるように構成されていることを特徴とするアウターロータ形の永久磁石型モータ。
  3. 前記固定子あるいは前記永久磁石型回転子にスキューを施したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の永久磁石型モータ。
  4. 前記永久磁石型回転子とエヤーギャップを介して対向する前記固定子の対向面に、複数の溝を軸方向に設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の永久磁石型モータ。
  5. 起動時に電源周波数を漸増またはステップ状に増加させた後、所定の定格周波数で運転、あるいは、可変速運転することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載の永久磁石型モータ。
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