JP2012050297A - 電動モータ,モータ駆動システム、及びそれを搭載した車両 - Google Patents

電動モータ,モータ駆動システム、及びそれを搭載した車両 Download PDF

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Abstract

【課題】システム信頼性の向上した電動モータを提供することにある。
【解決手段】固定子鉄心3は、4個のティースTh1,Th2,Th3,Th4を有する4相永久磁石式同期モータまたは4相スイッチトリラクタンスモータである。固定子巻線は、1個の前記固定子ティース辺り、4並列の集中巻のコイルL1,L2,L3,L4であり、全ての固定子ティースでは計16個のコイルで構成される。各々の固定子ティースの4並列のコイルのうち任意の1つのコイルを、固定子ティース毎に選択し、それらを直列に接続して1相分を形成する。インバータ制御部INV−CUは、回転子磁極位置検出部MPDの磁極位置検出信号に基づいて、モータインバータ部INVのスイッチング素子をオンオフ制御し、各相コイルに順次通電する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電動モータ,モータ駆動システム、及びそれを搭載した車両に係り、特に、自動車などの車両に搭載される補機に用いるに好適な電動モータ,モータ駆動システム、及びそれを搭載した車両に関する。
自動車などの車両に搭載される補機としては、例えば、電動化されたオイル循環用ポンプ、機器冷却用電動ブロアファンなどがある。これらの補機は、エンジンルームなどの限られた小さなスペースにシステムの信頼性を確保させつつ搭載する必要がある。
エンジンの潤滑オイルの補給、循環およびエンジン冷却の役割を担うオイルポンプを例にとると、アイドリングストップ動作時など、エンジン停止中も次のエンジンスタートに備え常に動作させておかなければならない。万一、オイルポンプが動作不良に陥ると、エンジンの焼き付けを生じ、車両自体の操作が不可となる可能性がある。このため、車両用の補機には壊れない、決して止まってはならないフェールセーフに対する要求が高いものである。
この要求に対し、例えば、モータは3相巻線で構成され、電源装置を1つの巻線(例えばU相巻線)に対して2並列に接続するとともに、第1の電源と第2の電源を備え、モータの2並列の巻線に選択的に供給可能なものが知られている(例えば、特許文献1参照)。2並列の電源装置のうち、いずれか一方の電源装置が故障したときには、故障していない、もう一方の電源装置に切り替えてモータ巻線に電圧を供給してモータ駆動できるため、電源装置の故障に対してフェールセーフが成り立つ。
特開2006−230072号公報
しかしながら、特許文献1記載のものでは、3相巻線のうち、2相が欠相した場合においては、たとえ電源装置が正常であっても、外力で加勢しないと起動できない、または、モータ駆動状況を維持することが困難となる。このように、モータ巻線の故障、欠相のときにはフェールセーフが困難である。欠相故障を予め想定し、補助システムを取り入れることも考えられるが、それらを搭載するためのスペースが大きくなるとともに、高コストとなる。
本発明の第1の目的は、システム信頼性の向上した電動モータを提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、システム信頼性の向上した電動モータを、低速大トルクの運転領域から高速回転の運転領域まで、運転領域を広げることができるモータ駆動システム、及びそれを搭載した車両を提供することにある。
(1)上記第1の目的を達成するために、本発明は、4個のティースを有する固定子鉄心と、該固定子鉄心に集中巻で巻回された固定子コイルからなる固定子巻線と、前記固定子鉄心の内周に回転可能に保持された回転子とを有する4相永久磁石式同期モータまたは4相スイッチトリラクタンスモータからなる電動モータであって、前記固定子巻線は、1個の前記固定子ティース辺り、4並列の集中巻のコイルであり、全ての固定子ティースでは計16個のコイルで構成され、各々の固定子ティースの4並列のコイルのうち任意の1つのコイルを、固定子ティース毎に選択し、それらを直列に接続して1相分を形成するようにしたものである。
かかる構成により、システム信頼性を向上し得るものとなる。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記4並列のコイルの内、第1のコイルを構成する4個のコイルは、4個のティースに対して、第2のティース,第3のティース,第4のティース,第1のティースの順で、通電時に、前記第2及び第3のティースに生じる磁極と、前記第1及び第4のティースに生じる磁極が反対の極性となるように巻回され、第2のコイルを構成する4個のコイルは、4個のティースに対して、第3のティース,第4のティース,第1のティース,第2のティースの順で、通電時に、前記第3及び第4のティースに生じる磁極と、前記第1及び第2のティースに生じる磁極が反対の極性となるように巻回され、第3のコイルを構成する4個のコイルは、4個のティースに対して、第4のティース,第1のティース,第2のティース,第3のティースの順で、通電時に、前記第1及び第4のティースに生じる磁極と、前記第2及び第3のティースに生じる磁極が反対の極性となるように巻回され、第4のコイルを構成する4個のコイルは、4個のティースに対して、第1のティース,第2のティース,第3のティース,第4のティースの順で、通電時に、前記第1及び第2のティースに生じる磁極と、前記第3及び第4のティースに生じる磁極が反対の極性となるように巻回されるようにしたものである。
(3)上記(2)において、好ましくは、4相永久磁石式同期モータの相あたりの無負荷誘導起電力波形を台形形状とし、第1相と第3相、および、第2相と第4相の各々の無負荷誘導起電力が逆位相の関係としたものである。
(4)上記第1の目的を達成するために、本発明は、4個のティースを有する固定子鉄心と、該固定子鉄心に集中巻で巻回された固定子コイルからなる固定子巻線と、前記固定子鉄心の内周に回転可能に保持された回転子とを有する4相永久磁石式同期モータまたは4相スイッチトリラクタンスモータからなる電動モータであって、前記固定子巻線は、1個の前記固定子ティース辺り、2並列の集中巻のコイルであり、全ての固定子ティースでは計8個のコイルで構成され、前記2並列のコイルに対して、正逆両方向に通電され、各々の固定子ティースの2並列のコイルのうち任意の1つのコイルを、固定子ティース毎に選択し、それらを直列に接続して1相分を形成するするようにしたものである。
かかる構成により、システム信頼性を向上し得るものとなる。
(5)上記(4)において、好ましくは、前記2並列のコイルの内、第1のコイルを構成する4個のコイルは、4個のティースに対して、第2のティース,第3のティース,第4のティース,第1のティースの順で、通電時に、前記第2及び第3のティースに生じる磁極と、前記第1及び第4のティースに生じる磁極が反対の極性となるように巻回され、第2のコイルを構成する4個のコイルは、4個のティースに対して、第3のティース,第4のティース,第1のティース,第2のティースの順で、通電時に、前記第3及び第4のティースに生じる磁極と、前記第1及び第2のティースに生じる磁極が反対の極性となるように巻回されるようにしたものである。
(6)上記第2の目的を達成するために、本発明は、電動モータと、該モータのコイルに通電するインバータを制御するインバータ制御部とを有するモータ駆動システムであって、前記電動モータは、4個のティースを有する固定子鉄心と、該固定子鉄心に集中巻で巻回された固定子コイルからなる固定子巻線と、前記固定子鉄心の内周に回転可能に保持された回転子とを有する4相永久磁石式同期モータまたは4相スイッチトリラクタンスモータからなり、前記固定子巻線は、1個の前記固定子ティース辺り、4並列の集中巻のコイルであり、全ての固定子ティースでは計16個のコイルで構成され、各々の固定子ティースの4並列のコイルのうち任意の1つのコイルを、固定子ティース毎に選択し、それらを直列に接続して1相分を形成し、前記4相を第1の2相と第2の2相に分離し、前記第1の2相の巻回数は、前記第2の2相の巻回数よりも多くするとともに、前記第1の2相に接続された第1の電源の電圧は、前記第2の2相に接続された第2の電源の電圧よりも低くしたものである。
かかる構成により、システム信頼性の向上した電動モータを、低速大トルクの運転領域から高速回転の運転領域まで、運転領域を広げることができるものとなる。
(7)上記(6)において、好ましくは、前記インバータ制御部は、前記電動モータの低速時には、前記第1の2相に通電する通電量を前記第2の2相に通電する通電量より多くし、前記電動モータの高速時には、前記第2の2相に通電する通電量を前記第1の2相に通電する通電量より多くするようにしたものである。
(8)上記第2の目的を達成するために、本発明は、電動モータと、該モータのコイルに通電するインバータを制御するインバータ制御部とを有するモータ駆動システムであって、前記電動モータは、4個のティースを有する固定子鉄心と、該固定子鉄心に集中巻で巻回された固定子コイルからなる固定子巻線と、前記固定子鉄心の内周に回転可能に保持された回転子とを有する4相永久磁石式同期モータまたは4相スイッチトリラクタンスモータからなり、前記固定子巻線は、1個の前記固定子ティース辺り、2並列の集中巻のコイルであり、全ての固定子ティースでは計8個のコイルで構成され、前記2並列のコイルに対して、正逆両方向に通電され、各々の固定子ティースの2並列のコイルのうち任意の1つのコイルを、固定子ティース毎に選択し、それらを直列に接続して1相分を形成し、前記4相を第1の相と第2の相に分離し、前記第1の相の巻回数は、前記第2の相の巻回数よりも多くするとともに、前記第1の相に接続された第1の電源の電圧は、前記第2の相に接続された第2の電源の電圧よりも低くしたものである。
かかる構成により、システム信頼性の向上した電動モータを、低速大トルクの運転領域から高速回転の運転領域まで、運転領域を広げることができるものとなる。
(9)上記(8)において、好ましくは、前記インバータ制御部は、前記電動モータの低速時には、前記第1の相に通電する通電量を前記第2の相に通電する通電量より多くし、前記電動モータの高速時には、前記第2の相に通電する通電量を前記第1の相に通電する通電量より多くするようにしたものである。
(10)上記第2の目的を達成するために、本発明は、電動モータにより駆動される車両用補機を備える車両であって、前記電動モータは、4個のティースを有する固定子鉄心と、該固定子鉄心に集中巻で巻回された固定子コイルからなる固定子巻線と、前記固定子鉄心の内周に回転可能に保持された回転子とを有する4相永久磁石式同期モータまたは4相スイッチトリラクタンスモータからなるものである。
かかる構成により、システム信頼性の向上した電動モータを、低速大トルクの運転領域から高速回転の運転領域まで、運転領域を広げることができるものとなる。
本発明によれば、電動モータのシステム信頼性を向上することができる。
また、本発明によれば、システム信頼性の向上した電動モータを、低速大トルクの運転領域から高速回転の運転領域まで、運転領域を広げることができる。
本発明の一実施形態による電動モータの固定子巻線の構成図である。 本発明の一実施形態による電動モータの固定子の構成図である。 本発明の一実施形態による電動モータの固定子巻線への通電時に発生する起電力の説明図である。 本発明の一実施形態による電動モータの個々の固定子巻線への通電時の動作説明図である。 本発明の一実施形態による他の構成の電動モータにおける、個々の固定子巻線への通電時の動作説明図である。 本発明の一実施形態による電動モータを駆動するモータ駆動システムの構成図である。 本発明の一実施形態によるモータ駆動システムにおけるゲート信号生成部の構成を示す回路図である。 本発明の一実施形態によるモータ駆動システムにおけるゲート信号生成部の動作を示すタイミングチャートである。 本発明の一実施形態によるモータ駆動システムにおいて生成されるゲート信号と、トランジスタのスイッチング動作の関係を示すタイミングチャートである。 本発明の一実施形態によるモータ駆動システムにおけるL1コイル間電圧波形とモータ電流波形の説明図である。 本発明の一実施形態によるモータ駆動システムを用いて、モータの運転領域を広げる制御方法の説明図である。 本発明の他の実施形態による電動モータの固定子巻線の構成図である。 本発明の他の実施形態による電動モータの固定子の構成図である。 本発明の他の実施形態による電動モータの固定子巻線への通電時に発生する起電力の説明図である。 本発明の他の実施形態によるモータ駆動システムにおいて生成されるゲート信号と、トランジスタのスイッチング動作の関係を示すタイミングチャートである。 本発明の各実施形態による電動モータ,モータ駆動システムを車両用補機として搭載した車両の構成図である。
以下、図1〜図11を用いて、本発明の一実施形態による電動モータ,モータ駆動システム、及びそれを搭載した車両の構成について説明する。
最初に、図1〜図4を用いて、本実施形態による電動モータの構成及び動作について説明する。ここでは、電動モータとして、4相モータ,特に4相同期モータを例にして説明する。
図1は、本発明の一実施形態による電動モータの固定子巻線の構成図である。図2は、本発明の一実施形態による電動モータの固定子の構成図である。図3は、本発明の一実施形態による電動モータの固定子巻線への通電時に発生する起電力の説明図である。図4は、本発明の一実施形態による電動モータの個々の固定子巻線への通電時の動作説明図である。
図1(A),(B)に示すように、本実施形態の電動モータは4相モータであるので、固定子巻線は、4つのコイルL1,L2,L3,L4から構成される。コイルL1は、図示のように、4つの直列接続されたコイルから構成される。コイルL2,L3,L4も、コイルL1と同様に、4つの直列接続されたコイルから構成される。なお、図1に付したTh2,Th3,Th4,Th1は、これらのコイルが巻回される固定子ティースを示すものであるが、この点については、図2を用いて後述する。
図1(A)に示すように、コイルL1とコイルL3は並列接続され、その両端には正電圧P1及び負電圧N1が供給される。なお、負電圧は接地電位である。コイルL1と負電圧N1との間には、スイッチング素子であるトランジスタTr1が接続されている。トランジスタTr1が導通すると、コイルL1には、電流i1が流れる。また、コイルL3と負電圧N1との間には、スイッチング素子であるトランジスタTr3が接続されている。トランジスタTr3が導通すると、コイルL3には、電流i3が流れる。
図1(B)に示すように、コイルL2とコイルL4は並列接続され、その両端には正電圧P2及び負電圧N2が供給される。なお、負電圧は接地電位である。コイルL2と負電圧N2との間には、スイッチング素子であるトランジスタTr2が接続されている。トランジスタTr2が導通すると、コイルL2には、電流i2が流れる。また、コイルL4と負電圧N2との間には、スイッチング素子であるトランジスタTr4が接続されている。トランジスタTr4が導通すると、コイルL4には、電流i4が流れる。
本実施形態では、コイル(相巻線)に一方向通電するユニポーラ駆動としている。
また、信頼性の向上した電動モータという観点では、正電圧P1と正電圧P2は同じ電位であり、負電圧N1と負電圧N2は同じ電位である。但し、図6以降の電動モータの運転領域を広げる観点では、これらは別の電位としている。
次に、図2を用いて、固定子の構成について説明する。
固定子鉄心3は、4個の固定子ティースTh1,Th2,Th3,Th4を備えている。固定子ティースTh1,Th2,Th3,Th4は、固定子鉄心3のリング状のヨークの内周側に突出して、周方向に等間隔で、ヨークと一体的に形成されている。
ここで、図1と併せて、固定子ティースに対する4つのコイルの巻回方法について説明する。
コイルL4は、4つのコイルの内、第1のコイルを固定子ティースTh1に集中巻で巻回し、第2のコイルを固定子ティースTh2に集中巻で巻回し、第3のコイルを固定子ティースTh3に集中巻で巻回し、第4のコイルを固定子ティースTh4に集中巻で巻回する。このとき、図1に示すように、電流i4が流れたとき、固定子ティースTh1と固定子ティースTh2がN極となり、固定子ティースTh3と固定子ティースTh4がS極となるように、コイルL4の4個のコイルの巻回方向が決められている。
コイルL3は、4つのコイルの内、第1のコイルを固定子ティースTh4に集中巻で巻回し、第2のコイルを固定子ティースTh1に集中巻で巻回し、第3のコイルを固定子ティースTh2に集中巻で巻回し、第4のコイルを固定子ティースTh3に集中巻で巻回する。このとき、図1に示すように、電流i3が流れたとき、固定子ティースTh4と固定子ティースTh1がN極となり、固定子ティースTh2と固定子ティースTh3がS極となるように、コイルL3の4個のコイルの巻回方向が決められている。以上のコイルL4とコイルL3の巻回の相違により、両者の間は、90度位相がずれている。
コイルL2は、4つのコイルの内、第1のコイルを固定子ティースTh3に集中巻で巻回し、第2のコイルを固定子ティースTh4に集中巻で巻回し、第3のコイルを固定子ティースTh1に集中巻で巻回し、第4のコイルを固定子ティースTh2に集中巻で巻回する。このとき、図1に示すように、電流i2が流れたとき、固定子ティースTh3と固定子ティースTh4がN極となり、固定子ティースTh1と固定子ティースTh2がS極となるように、コイルL2の4個のコイルの巻回方向が決められている。以上のコイルL4,コイルL3,コイルL2の巻回の相違により、コイルL2は、コイルL3,L4に対して90度位相がずれている。
コイルL1は、4つのコイルの内、第1のコイルを固定子ティースTh2に集中巻で巻回し、第2のコイルを固定子ティースTh3に集中巻で巻回し、第3のコイルを固定子ティースTh4に集中巻で巻回し、第4のコイルを固定子ティースTh1に集中巻で巻回する。このとき、図1に示すように、電流i1が流れたとき、固定子ティースTh2と固定子ティースTh3がN極となり、固定子ティースTh4と固定子ティースTh1がS極となるように、コイルL1の4個のコイルの巻回方向が決められている。以上のコイルL4,コイルL3,コイルL2,コイルl1の巻回の相違により、コイルL1は、コイルL2,L3,L4に対して90度位相がずれている。
以上説明したように、本実施形態では、固定子巻線は、1スロット辺り(1つの固定子ティース辺り)4並列の集中巻のコイルであり、全ての固定子ティースでは計16個のコイルで構成する。また、固定子は4個の固定子ティースを有するので、スロット数は4個である。各々の固定子ティースの4並列のコイルのうち任意の1つのコイルを、固定子ティース毎に選択し、それらを直列に接続して1相分を形成する。ここで、例えば、コイルL1は、固定子ティースTh2,Th3,Th4,Th1にそれぞれ巻装した4並列の集中巻コイルのうち、図に示すように1つのコイルを選択して、固定子ティースにまたがる、計4つのコイルを直列に接続して構成する。このとき、固定子ティースTh2でN極、Th3でN極、Th4でS極、Th1でS極が形成されるように接続する点に特徴がある。
ここで、コイルL1に通電すると、固定子ティースTh2,Th3がN極となり、固定子ティースTh1,Th4がS極となるので、固定子ティースTh2から固定子ティースTh1に向かう磁束MF11と、固定子ティースTh3から固定子ティースTh4に向かう磁束MF12が発生する。
また、コイルL2に通電すると、固定子ティースTh3,Th4がN極となり、固定子ティースTh1,Th2がS極となるので、固定子ティースTh4から固定子ティースTh1に向かう磁束MF21と、固定子ティースTh3から固定子ティースTh2に向かう磁束MF22が発生する。
また、コイルL3に通電すると、固定子ティースTh1,Th4がN極となり、固定子ティースTh2,Th3がS極となるので、固定子ティースTh1から固定子ティースTh2に向かう磁束MF31と、固定子ティースTh4から固定子ティースTh3に向かう磁束MF32が発生する。
また、コイルL4に通電すると、固定子ティースTh1,Th2がN極となり、固定子ティースTh3,Th4がS極となるので、固定子ティースTh1から固定子ティースTh4に向かう磁束MF41と、固定子ティースTh2から固定子ティースTh3に向かう磁束MF42が発生する。
このように、固定子ティースに対応した磁極が、ひとつ前に励磁される相に対して電気角において90度、回転子回転方向に移動させて4相巻線を構成することで、回転磁界を得ることができる。
ここで、図2では図示を省略しているが、図4を用いて後述するように、4つの固定子ティースTh1,Th2,Th3,Th4の内周には、永久磁石回転子が配置される。従って、図2に示した磁束MFは、回転子を囲うように(磁束MFが回転子と交差する量が多くなるように)発生させている。
次に、図3を用いて、本実施形態による4相永久磁石式同期モータの無負荷誘導起電力と各相巻線の通電範囲について説明する。なお、図3の横軸は時間である。
図3の実線L1は、コイルL1に連続的に通電した場合に発生する無負荷誘電起電力を示している。点線L2は、コイルL2に通電した場合に発生する無負荷誘電起電力を示している。破線L3は、コイルL3に通電した場合に発生する無負荷誘電起電力を示している。一点鎖線L4は、コイルL4に通電した場合に発生する無負荷誘電起電力を示している。
無負荷誘導起電力の波形は、L1相とL3相とが逆位相の関係となり、そして、L2相とL4相とが逆位相の関係となる。
なお、各コイルに対する通電は、電気角で90度の範囲としている。従って、例えば、コイルL1には、「L1コイル通電」と図示した範囲の起電力が発生する。各相コイルの通電開始位置は、電流進み角が20度としている。相コイルの通電区間は電気角で90度の範囲で、コイルL1,L2,L3,L4の通電の順にコイルに通電する。
また、無負荷誘導起電力波形は台形形状として、無負荷誘導起電力の立ち上がり時間を短くすることが好ましい。その点、図2に示した固定子巻線の形態を採れば、このような急峻な立ち上がりを有する無負荷誘導起電力を得ることができるので、トルク応答が必要な場合などに有効に作用する。
以上のような通電を行うため、図1に示したスイッチング素子であるトランジスタTr1,Tr2,Tr3,Tr4は、各相コイルの通電の切り替えや通電量の調整などを行うとともに、相巻線に対して一方向通電(ユニポーラ駆動)が行えるよう構成している。具体的には、スイッチング素子により相巻線を切り替えることにより、L4相→L1相→L2相→L3相→L4相→L1相の順に通電する。電流はこれに対応してi4→i1→i2→i3→i4→i1の順に流れ、一方向の連続したトルクが発生する。
次に、図4を用いて、本実施形態による4相永久磁石式同期モータにおける、回転子磁極位置と固定子巻線の励磁状況について説明する。
固定子鉄心3の内周には、シャフト5に固定された永久磁石回転子1が回転可能に配置されている。永久磁石回転子1は、1個のN極の永久磁石と、1個のS極の永久磁石とから構成され、磁極対数が「1」である。
図4(A),(B),(C),(D)は、電流進み20度の条件における各相コイル(L1相巻線,L2相巻線,L3相巻線およびL4相巻線)の通電開始時の永久磁石回転子1の位置を示している。
図4(A)に示すように、L1相巻線への通電により、図2で説明したように、固定子ティースTh2と固定子ティースTh3にN極が、固定子ティースTh4と固定子ティースTh1にS極が形成する。これより、シャフト5の端部であるモータ軸出力には、矢印に示すような反時計回り方向のトルクが発生する。
そして、固定子ティースに形成される磁極を、L2相,L3相,L4相の順で、回転方向に電気角90度に切り替えれば、図4(B),(C),(D)に示すように、連続する反時計回りの一方向トルクが得られる。
以上説明したように、本実施形態の電動モータでは、固定子巻線は、1スロット辺り(1つの固定子ティース辺り)4並列の集中巻のコイルであり、全ての固定子ティースでは計16個のコイルで構成する。また、各々の固定子ティースの4並列のコイルのうち任意の1つのコイルを、固定子ティース毎に選択し、それらを直列に接続して1相分を形成する。ここで、例えば、コイルL1は、固定子ティースTh2,Th3,Th4,Th1にそれぞれ巻装した4並列の集中巻コイルのうち、図に示すように1つのコイルを選択して、固定子ティースにまたがる、計4つのコイルを直列に接続して構成する。このとき、固定子ティースTh2でN極、Th3でN極、Th4でS極、Th1でS極が形成されるように接続する。
以上の構成とすることで、各固定子ティースにより発生する磁束MFは、回転子を囲うようにすることができる。従来の4相同期モータでは、第1の固定子ティースに第1のコイルを集中巻で巻回し、第2の固定子ティースに第2のコイルを集中巻で巻回するというように、各固定子ティースに、4個のコイルの内の1個を巻回する構成であるので、各固定子ティースにより発生する磁束MFは、回転子を囲うようにすることができなかった。
それに対して、各固定子ティースにより発生する磁束MFは、回転子を囲うようにすることができることで、4相の内2相が欠相した場合でも、外力で加勢することなく起動でき、または、モータ駆動状況を維持することができる。すなわち、図4に示す状態において、L3コイルとL4コイルが欠相した場合について説明する。ここで、欠相とは、例えば、L3コイルやL4コイル自体の断線,L3コイルやL4コイルに通電するためのスイッチング素子の故障,L3コイルやL4コイルに通電する配線の断線などのより、L3コイル及びL4コイルに電流が流れなくなった場合である。
L1コイル及びL2コイルが正常に通電できる場合、図4(A)のL1コイル通電により、回転子5は、反時計回りのトルクを得て回転を始める。そして、図4(B)のL2コイル通電により、回転子5の回転が継続する。このとき、本実施形態では、各固定子ティースにより発生する磁束MFは、回転子を囲うようにすることができるので、磁束MFが回転子と交差する量が増え、回転子の回転力を大きくできる。その結果、L3,L4コイルが欠相していても、図4(B)の状態から、電気角で180度進んだ図4(A)の状態に再びなったとき、L1コイル通電により回転子5は回転を継続できるので、モータを起動できるとともに、モータ駆動状況を維持することができる。
したがって、電動モータの信頼性を向上することができる。
次に、図5を用いて、本実施形態による電動モータの他の構成について説明する。ここでは、電動モータとして、4相モータ,特に4相スイッチトリラクタンスモータを例にして説明する。
図5は、本発明の一実施形態による他の構成の電動モータにおける、個々の固定子巻線への通電時の動作説明図である。なお、図4と同一符号は同一部分を示している。
4相スイッチトリラクタンスモータは、図4に示した永久磁石回転子1に変えて、4つの突極を有するリラクタンス回転子1Aを備えている。その他の基本的な構成は、図1に示した4相永久磁石式同期モータと同様である。
図5は、本実施形態による4相スイッチトリラクタンスモータにおける、回転子磁極位置と固定子巻線の励磁状況を示している。スイッチトリラクタンスモータの回転子には、4つの突極部をもち、軟磁性材料(例えば電磁鋼板)で構成した回転子を用いる。スイッチトリラクタンスモータの場合も、図1及び図2にて説明した永久磁石式同期モータと同様の固定子巻線の構成を用いることにより、一方向トルクを連続的に得ることができる。
次に、図6〜図10を用いて、本一実施形態による電動モータを駆動するモータ駆動システムの構成について説明する。
最初に、図6を用いて、本実施形態による電動モータを駆動するモータ駆動システムの構成について説明する。
図6は、本発明の一実施形態による電動モータを駆動するモータ駆動システムの構成図である。
モータMは、図4に示した4相永久磁石式同期モータ、若しくは、図5に示した4相スイッチトリラクタンスモータであり、4相巻線である固定子コイルL1,L2,L3,L4及び回転子1(1A)を有している。
モータMに電力を供給する電源としては、正電圧P1と負電圧N1の直流電圧を供給する第1電源DC1と、正電圧P2と負電圧N2の直流電圧を供給する第2電源DC2とを備えた2並列の電源装置の構成としている。
第1電源DC1はコイルL1(L1相巻線)とコイルL3(L3相巻線)に接続され、第2電源DC2はコイルL2(L2相巻線)とコイルL4(L4相巻線)に接続される。ここで、L1相巻線はスイッチング素子Tr1に、L2相巻線はスイッチング素子Tr2に、L3相巻線はスイッチング素子Tr3に、L4相巻線はスイッチング素子Tr4に接続されている。スイッチング素子Tr1,Tr2,Tr3,Tr4により、インバータ部INVが構成される。各相巻線にはインバータ部INVを介して電圧が供給される。
回転子磁極位置検出部MPDは、ホール素子やホールICから構成され、回転子1の磁極位置を検出する。インバータ制御部INV−CUは、回転子磁極位置検出部MPDからの磁極位置検出信号に基づいて、ゲート信号Y1,Y2,Y3,Y4を生成し、スイッチング素子Tr1,Tr2,Tr3,Tr4のゲートに入力して、これを制御することにより、L4相→L1相→L2相→L3相→L4相→L1相の順に通電する。
ここで、コイル通電の切り替えなど、コイル電流を急速に遮断すると、急激な高電圧パルスが発生し、この電圧がスイッチング素子(例えば、IGBTなどのトランジスタ素子)の耐電圧を超えるとスイッチング素子が破壊、劣化させることがあるため、各コイルに並列に、ダイオードDとツェナダイオードZDが直列接続された逆起電圧防止素子を接続している。逆起電圧防止素子としては、ダイオードとツェナダイオードの他に、ダイオードやバリスタなどを用いることもできる。
次に、図7及び図8を用いて、本実施形態によるモータ駆動システムにおけるゲート信号生成部の構成及び動作について説明する。
図7は、本発明の一実施形態によるモータ駆動システムにおけるゲート信号生成部の構成を示す回路図である。図8は、本発明の一実施形態によるモータ駆動システムにおけるゲート信号生成部の動作を示すタイミングチャートである。
ここでは、ゲート信号生成部として、インバータ制御部INV−CUの中に備えられるゲート信号Y1の生成部INV−CU(Y1)の構成について説明するが、他のゲート信号Y2,Y3,Y4の生成部の構成も同様である。
ゲート信号Y1の生成部INV−CU(Y1)は、モータの可変速およびトルク制御のために、PWM(パルス幅変調)による電圧制御により、相巻線に印加される実効電圧を調整する。
図7に示すように、ゲート信号Y1の生成部INV−CU(Y1)は、PWMコンパレータPWMCと、アンド回路ANDを備えている。PWMコンパレータPWMCは、スイッチング周波数8kHzの三角波電圧とDCレベル信号の比較を行い、入力したDCレベル信号(DUTY調整信号)に応じたデューティのPWM信号を出力する。DCレベル信号は、インバータ制御部INV−CUに対して外部から入力するトルク指令や速度指令に応じて、インバータ制御部INV−CUが出力し、ゲート信号Y1の生成部INV−CU(Y1)に入力するものである。図8(A)は、デューティが50%の場合のPWM信号を示している。
相巻線の通電量の調整は、DCレベル信号のDCレベルを操作することにより、PWMの変調幅(DUTY比率)を調整することで行う。これより、相巻線に印加される実効電圧を操作することができるので、モータ可変速とトルク制御を行うことができる。
アンド回路ANDは、PWMコンパレータPWMCが出力するPWM信号と、回転子磁極位置検出部MPDによって検出された回転子の磁極位置信号(例えば、図8(B))の論理積を取り、図8(C)に示すように、ゲート信号Y1として出力する。
ゲート信号Y1は、トランジスタTr1のゲート端子に供給され、スイッチング素子のON状態とOFF状態を制御する。なお、図示は省略しているが、一般にゲート信号Y1の生成部INV−CU(Y1)とトランジスタTr1の間には、プリドライバが備えられている。
次に、図9を用いて、本実施形態によるモータ駆動システムにおいて生成されるゲート信号と、トランジスタのスイッチング動作の関係について説明する。
図9は、本発明の一実施形態によるモータ駆動システムにおいて生成されるゲート信号と、トランジスタのスイッチング動作の関係を示すタイミングチャートである。
図9(A)に示すように、ゲート信号Y1,Y2,Y3,Y4は、回転子磁極位置検出部MPDによって検出された回転子の磁極位置信号に応じて、モータの1回転の間に、ゲート信号Y1,Y2,Y3,Y4の順で所定のタイミングで発生する。
図9(B)に示すように、スイッチング素子Tr1,Tr2,Tr3,Tr4は、ゲート信号Y1,Y2,Y3,Y4に対応して動作し、ゲート信号がHighレベルの状況でスイッチング素子がON状態となり、対応する相巻線に通電される。
なお、4系列ゲート信号Y1,Y2,Y3,Y4を各々、独立して制御してもよい。つまり、ゲート信号Y1,Y2,Y3,Y4間において、各ゲート信号のDUTY比率を可変とすることで、より細やかなモータトルクならびに速度制御を達成することができるようになる。
次に、図10を用いて、本実施形態によるモータ駆動システムにおけるL1コイル間電圧波形とモータ電流波形について説明する。
図10は、本発明の一実施形態によるモータ駆動システムにおけるL1コイル間電圧波形とモータ電流波形の説明図である。
図10において、図10(A)は、DUTY比率100%時のL1コイル間電圧を示している。また、図10(B)は、図10(A)に対応するモータ電流波形を示している。
コイル電圧位相と同期した電流I1,I2,I3,I4が通電され、相電流の通電区間は電気角90度の範囲で、相電流が順次切り替わっていくことで、モータトルクを得ることができる。
次に、電動モータを、低速大トルクの運転領域から高速回転の運転領域まで、運転領域を広げるための特徴について説明する。
第1に、図1に示した構成において、コイルL1とコイルL3の巻回数を、コイルL2とコイルL4の巻回数よりも大きくする。具体例を挙げると、コイルL1とコイルL3の全体の巻回数(ターン数)を100ターンとする。この場合、コイルL1とコイルL3を構成する4分割のコイルの巻回数を25ターンとする。一方、コイルL2とコイルL4の全体の巻回数(ターン数)を48ターンとして、コイルL1,L3の巻回数よりも小さくする。この場合、コイルL2とコイルL4を構成する4分割のコイルの巻回数を12ターンとする。
このように、コイルL1とコイルL3の巻回数を、コイルL2とコイルL4の巻回数よりも大きくすることで、各コイルL1,L2,L3,L4に同じ電流を流した場合、巻回数の多いコイルL1,L3に大トルクを発生することができる。特にモータ起動〜低速運転の領域で大トルクを必要とする場合に効果的である。
第2に、図6に示した第2電源DC2の電圧を、第1電源DC1の電圧よりも高くする。具体例を挙げると、第1電源DC1の電圧をバッテリ電圧の12Vとしたとき、第2電源DC2の電圧を24V若しくは36Vとする。第2の電源DC2としては、バッテリ電圧を昇圧するDC/DCコンバータを用いることができる。
第2電源DC2の電圧を、第1電源DC1の電圧よりも高くすることで、モータの高速回転時にコイルに発生する逆起電力が電源電圧(波高電圧)(この場合、第2電源DC2の電圧)を超えることを防止することができ、コイルに電流を流し込むことができるるので、高速回転が可能となる。
以上により、低速大トルクの運転領域から高速回転の運転領域まで、運転領域を広げることができる。
次に、図11を用いて、本実施形態によるモータ駆動システムを用いて、モータの運転領域を広げる制御方法について説明する。
図11は、本発明の一実施形態によるモータ駆動システムを用いて、モータの運転領域を広げる制御方法の説明図である。
前述の方法では、コイルL1とコイルL3の巻回数を、コイルL2とコイルL4の巻回数よりも大きくし、第2電源DC2の電圧を、第1電源DC1の電圧よりも高くするというように、ハード構成において、運転領域を広げている。
それに加えて、インバータ制御部INV−CUの中に備えられるゲート信号Y1の生成部INV−CU(Y1)は、図7及び図8にて説明したように、DCレベル信号を変更することで、PWM信号のデューティを変えることができ、コイルに流す電流を変えることができる。すなわち、各コイルの通電量を変更することができる。
そこで、インバータ制御部INV−CUは、モータ低速領域では、第2の2相の通電量より第1の2相への通電量を、高速領域では第1の2相の通電量より第2の2相への通電量を多くする。具体的には、図10に示すように、低速時には、コイルL1,L3に流す電流I1,I3を大きくすることで、さらに、モータ起動から低速時のトルク不足を解消できる。電流I1,I3は、モータ回転数が高くなるほど減少するように制御する。
一方、高速時には、コイルL2,L4に流す電流I2,I4を大きくすることで、さらに、巻線の逆起電力が電源電圧(波高電圧)を超えることを防止することができる電流I2,I4は、モータ回転数が低くなるほど減少するように制御する。
これにより、低速大トルクの運転領域から高速回転の運転領域まで、運転領域をさらに広げることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、4相の内2相が欠相した場合でも、モータを起動できるとともに、モータ駆動状況を維持することができ、電動モータの信頼性を向上することができる。
また、コイルL1とコイルL3の巻回数を、コイルL2とコイルL4の巻回数よりも大きくし、第2電源DC2の電圧を、第1電源DC1の電圧よりも高くするというように、ハード構成において、モータの運転領域を広げることができる。
さらに、インバータ制御部INV−CUは、モータ低速領域では、第2の2相の通電量より第1の2相への通電量を、高速領域では第1の2相の通電量より第2の2相への通電量を多くすることで、制御的に、モータの運転領域を広げることができる。
また、2系統の電源装置に対し、独立した相巻線を有するモータ1つでシステムを構築できるので、システム機器としてコンパクトな構成とすることができる。
次に、図12及び図13を用いて、本発明の他の実施形態による電動モータの構成及び動作について説明する。ここでは、電動モータとして、4相モータ,特に4相同期モータを例にして説明する。なお、4相スイッチトリトラクタモータの場合も同様である。
図12は、本発明の他の実施形態による電動モータの固定子巻線の構成図である。図13は、本発明の他の実施形態による電動モータの固定子の構成図である。
本実施形態では、コイル(相巻線)に双方向通電するバイポーラ駆動としている。
図12(A),(B)に示すように、本実施形態の電動モータは4相モータであるので、固定子巻線は、2つのコイルL13,L24から構成される。コイルL13は、図示のように、4つの直列接続されたコイルから構成される。コイルL24も、コイルL13と同様に、4つの直列接続されたコイルから構成される。なお、図12に付したTh2,Th3,Th4,Th1は、これらのコイルが巻回される固定子ティースを示すものであるが、この点については、図13を用いて後述する。
図12(A)に示すように、コイルL13の一方の端部は、トランジスタTr1を介して正電圧P1に接続され、また、トランジスタTr3を介して負電圧N1に接続される。なお、負電圧は接地電位である。また、コイルL13の他方の端部は、トランジスタTr2を介して正電圧P1に接続され、また、トランジスタTr4を介して負電圧N1に接続される。
トランジスタTr1及びトランジスタTr4が導通すると、コイルL13には、電流i1が流れる。また、トランジスタTr2及びトランジスタTr3が導通すると、コイルL13には、電流i1と逆方向の電流i3が流れる。
これにより、1相分巻線を(+)(−)双方向通電に利用することにより1相巻線で2相分に利用できる。
図12(B)に示すように、コイルL24の一方の端部は、トランジスタTr5を介して第2の正電圧P2に接続され、また、トランジスタTr8を介して第1の負電圧N2に接続される。なお、負電圧は接地電位である。また、コイルL24の他方の端部は、トランジスタTr6を介して正電圧P2に接続され、また、トランジスタTr6を介して負電圧N2に接続される。
トランジスタTr5及びトランジスタTr8が導通すると、コイルL24には、電流i2が流れる。また、トランジスタTr6及びトランジスタTr7が導通すると、コイルL24には、電流i2と逆方向の電流i4が流れる。
また、信頼性の向上した電動モータという観点では、正電圧P1と正電圧P2は同じ電位であり、負電圧N1と負電圧N2は同じ電位である。但し、図6以降で説明した電動モータの運転領域を広げる観点では、これらは別の電位としている。
次に、図13を用いて、固定子の構成について説明する。
固定子鉄心3は、4個の固定子ティースTh1,Th2,Th3,Th4を備えている。固定子ティースTh1,Th2,Th3,Th4は、固定子鉄心3のリング状のヨークの内周側に突出して、周方向に等間隔で、ヨークと一体的に形成されている。
ここで、図12と併せて、固定子ティースに対する4つのコイルの巻回方法について説明する。
コイルL24は、4つのコイルの内、第1のコイルを固定子ティースTh3に集中巻で巻回し、第2のコイルを固定子ティースTh4に集中巻で巻回し、第3のコイルを固定子ティースTh1に集中巻で巻回し、第4のコイルを固定子ティースTh2に集中巻で巻回する。このとき、図12に示すように、電流i4が流れたとき、固定子ティースTh1と固定子ティースTh2がN極となり、固定子ティースTh3と固定子ティースTh4がS極となるように、コイル24の4個のコイルの巻回方向が決められている。但し、電流i2が流れたときは、固定子ティースTh1と固定子ティースTh2がS極となり、固定子ティースTh3と固定子ティースTh4がN極となる。
コイルL13は、4つのコイルの内、第1のコイルを固定子ティースTh2に集中巻で巻回し、第2のコイルを固定子ティースTh3に集中巻で巻回し、第3のコイルを固定子ティースTh4に集中巻で巻回し、第4のコイルを固定子ティースTh1に集中巻で巻回する。このとき、図1に示すように、電流i3が流れたとき、固定子ティースTh4と固定子ティースTh1がN極となり、固定子ティースTh2と固定子ティースTh3がS極となるように、コイルL3の4個のコイルの巻回方向が決められている。但し、電流i1が流れたとき、固定子ティースTh4と固定子ティースTh1がS極となり、固定子ティースTh2と固定子ティースTh3がN極となる。以上のコイルL24とコイルL13の巻回の相違により、両者の間は、90度位相がずれている。
以上説明したように、本実施形態では、固定子巻線は、1スロット辺り(1つの固定子ティース辺り)2並列の集中巻のコイルであり、全ての固定子ティースでは計8個のコイルで構成する。また、固定子は4個の固定子ティースを有するので、スロット数は4個である。各々の固定子ティースの2並列のコイルのうち任意の1つのコイルを、固定子ティース毎に選択し、それらを直列に接続して1相分を形成する。ここで、例えば、コイルL13は、固定子ティースTh2,Th3,Th4,Th1にそれぞれ巻装した2並列の集中巻コイルのうち、図に示すように1つのコイルを選択して、固定子ティースにまたがる、計4つのコイルを直列に接続して構成する。このとき、固定子ティースTh2でN極、Th3でN極、Th4でS極、Th1でS極が形成されるように接続する点に特徴がある。
ここで、コイルL13に電流i1が流れるように通電すると、固定子ティースTh2,Th3がN極となり、固定子ティースTh1,Th4がS極となるので、固定子ティースTh2から固定子ティースTh1に向かう磁束MF11と、固定子ティースTh3から固定子ティースTh4に向かう磁束MF12が発生する。
また、コイルL13に電流Ii3が流れるように通電すると、固定子ティースTh1,Th4がN極となり、固定子ティースTh2,Th3がS極となるので、固定子ティースTh1から固定子ティースTh2に向かう磁束MF31と、固定子ティースTh4から固定子ティースTh3に向かう磁束MF32が発生する。
また、コイルL24に電流i2が流れるように通電すると、固定子ティースTh3,Th4がN極となり、固定子ティースTh1,Th2がS極となるので、固定子ティースTh4から固定子ティースTh1に向かう磁束MF21と、固定子ティースTh3から固定子ティースTh2に向かう磁束MF22が発生する。
また、コイルL24に電流i4が流れるように通電すると、固定子ティースTh1,Th2がN極となり、固定子ティースTh3,Th4がS極となるので、固定子ティースTh1から固定子ティースTh4に向かう磁束MF41と、固定子ティースTh2から固定子ティースTh3に向かう磁束MF42が発生する。
このように、固定子ティースに対応した磁極が、ひとつ前に励磁される相に対して電気角において90度、回転子回転方向に移動させてる。そして、2相巻線をバイポーラ駆動することで4相巻線を構成することで、回転磁界を得ることができる。
ここで、図13では図示を省略しているが、図4にて説明したように、4つの固定子ティースTh1,Th2,Th3,Th4の内周には、永久磁石回転子が配置される。従って、図2に示した磁束MFは、回転子を囲うように(磁束MFが回転子と交差する量が多くなるように)発生させている。
次に、図14を用いて、本実施形態による4相永久磁石式同期モータの無負荷誘導起電力と各相巻線の通電範囲について説明する。
図14は、本発明の他の実施形態による電動モータの固定子巻線への通電時に発生する起電力の説明図である。なお、図14の横軸は時間である。
図14の実線L13は、コイルL13通電した場合に発生する無負荷誘電起電力を示している。点線L24は、コイルL24に通電した場合に発生する無負荷誘電起電力を示している。なお、無負荷誘導起電力波形は、図3におけるL1相がL13相巻線の正方向通電、L3相がL13相巻線の負方向通電に対応する。L2相とL4相についても、これと同様にL24相巻線の正方向通電、L24相巻線の負方向通電に対応する。
なお、各コイルに対する通電は、電気角で90度の範囲としている。従って、例えば、コイルL13には、「L13コイル通電」と図示した範囲の起電力が発生する。但し、正の起電力が発生するのは電流i1を流した場合であり、負の起電力が発生するのは電流i3を流した場合である。各相コイルの通電開始位置は、電流進み角が20度としている。相コイルの通電区間は電気角で90度の範囲で、コイルL13(電流i1),L24(電流i2),L13(電流i3),L24(電流i4)の通電の順にコイルに通電する。
以上のような通電を行うため、図12に示したスイッチング素子であるトランジスタTr1,…Tr8は、各相コイルの通電の切り替えや通電量の調整などを行うとともに、相巻線に対して双方向通電(バイポーラ駆動)が行えるよう構成している。具体的には、スイッチング素子により相巻線を切り替えることにより、電流i4→i1→i2→i3→i4→i1の順に流れ、一方向の連続したトルクが発生する。
以上説明したように、本実施形態によれば、4相の内2相が欠相した場合でも、モータを起動できるとともに、モータ駆動状況を維持することができ、電動モータの信頼性を向上することができる。
また、巻線の利用率を向上することができ、さらに電流容量を大きくできるので、高出力特性を得ることができる。
本実施形態による電動モータを駆動するモータ駆動システムの構成は、図6に示したものと同様である。従って、図6に示したように、正電圧P1と負電圧N1の直流電圧を供給する第1電源DC1と、正電圧P2と負電圧N2の直流電圧を供給する第2電源DC2とを備えた2並列の電源装置を備えている。また、図6におけるインバータ部INVに対応して、8個のスイッチング素子からなるインバータ部が備えられる。また、ホール素子やホールICから構成され、回転子1の磁極位置を検出する回転子磁極位置検出部MPDが備えられる。インバータ制御部INV−CUは、回転子磁極位置検出部MPDからの磁極位置検出信号に基づいて、8個のスイッチング素子をオンオフ駆動するための、4個のゲート信号を生成する。インバータ制御部INV−CUは、スイッチング素子Tr1,…Tr8を制御することにより、L4相→L1相→L2相→L3相→L4相→L1相の順に通電する。
次に、図15を用いて、本実施形態によるモータ駆動システムにおいて生成されるゲート信号と、トランジスタのスイッチング動作の関係について説明する。
図15は、本発明の他の実施形態によるモータ駆動システムにおいて生成されるゲート信号と、トランジスタのスイッチング動作の関係を示すタイミングチャートである。
図15(A)に示すように、ゲート信号Y1,Y2,Y3,Y4は、回転子磁極位置検出部MPDによって検出された回転子の磁極位置信号に応じて、モータの1回転の間に、ゲート信号Y1,Y2,Y3,Y4の順で所定のタイミングで発生する。
図15(B)に示すように、スイッチング素子Tr1,Tr2,Tr3,Tr4,Tr5,Tr6,Tr7,Tr8は、ゲート信号Y1,Y2,Y3,Y4に対応して動作し、ゲート信号Y1によりスイッチング素子Tr1,Tr4が駆動され、ゲート信号Y2によりスイッチング素子Tr5,Tr8が駆動され、ゲート信号Y3によりスイッチング素子Tr2,Tr3が駆動され、ゲート信号Y4によりスイッチング素子Tr6,Tr7が駆動される。ゲート信号がHighレベルの状況でスイッチング素子がON状態となり、対応する相巻線に通電される。
なお、4系列ゲート信号Y1,Y2,Y3,Y4を各々、独立して制御してもよい。つまり、ゲート信号Y1,Y2,Y3,Y4間において、各ゲート信号のDUTY比率を可変とすることで、より細やかなモータトルクならびに速度制御を達成することができるようになる。
そして、コイルL13の巻回数を、コイルL24の巻回数よりも大きくし、第2電源DC2の電圧を、第1電源DC1の電圧よりも高くするというように、ハード構成において、モータの運転領域を広げることができる。
さらに、インバータ制御部INV−CUは、モータ低速領域では、第2の相の通電量より第1の相への通電量を、高速領域では第1の相の通電量より第2の相への通電量を多くすることで、制御的に、モータの運転領域を広げることができる。
次に、図16を用いて、本発明の各実施形態による電動モータ,モータ駆動システムを車両用補機として搭載した車両の構成について説明する。
図16は、本発明の各実施形態による電動モータ,モータ駆動システムを車両用補機として搭載した車両の構成図である。
本モータ駆動システムを、電動オイルポンプ用として、車両100のエンジンルームに搭載した例である。モータインバータ部10はエンジン近傍に設置され、モータMの出力軸にはオイル循環用の羽根車(図示せず)が締結され、オイル循環系統をつないだ。モータインバータ部10には第1電源DC1と第2電源DC2により電圧が供給され、オイル循環に必要な負荷に応じモータ回転数を操作しながら供給量を制御することができる。
1…永久磁石回転子
1A…リラクタンス回転子
3…固定子鉄心
5…シャフト
100…車両
DC1…第1電源
DC2…第2電源
INV…モータインバータ部
INV−CU…インバータ制御部
MPD…回転子磁極位置検出部
L1,L2,L3,L4…固定子コイル
Th1,Th2,Th3,Th4…固定子ティース

Claims (10)

  1. 4個のティースを有する固定子鉄心と、該固定子鉄心に集中巻で巻回された固定子コイルからなる固定子巻線と、前記固定子鉄心の内周に回転可能に保持された回転子とを有する4相永久磁石式同期モータまたは4相スイッチトリラクタンスモータからなる電動モータであって、
    前記固定子巻線は、1個の前記固定子ティース辺り、4並列の集中巻のコイルであり、全ての固定子ティースでは計16個のコイルで構成され、各々の固定子ティースの4並列のコイルのうち任意の1つのコイルを、固定子ティース毎に選択し、それらを直列に接続して1相分を形成することを特徴とする電動モータ。
  2. 請求項1記載の電動モータにおいて、
    前記4並列のコイルの内、
    第1のコイルを構成する4個のコイルは、4個のティースに対して、第2のティース,第3のティース,第4のティース,第1のティースの順で、通電時に、前記第2及び第3のティースに生じる磁極と、前記第1及び第4のティースに生じる磁極が反対の極性となるように巻回され、
    第2のコイルを構成する4個のコイルは、4個のティースに対して、第3のティース,第4のティース,第1のティース,第2のティースの順で、通電時に、前記第3及び第4のティースに生じる磁極と、前記第1及び第2のティースに生じる磁極が反対の極性となるように巻回され、
    第3のコイルを構成する4個のコイルは、4個のティースに対して、第4のティース,第1のティース,第2のティース,第3のティースの順で、通電時に、前記第1及び第4のティースに生じる磁極と、前記第2及び第3のティースに生じる磁極が反対の極性となるように巻回され、
    第4のコイルを構成する4個のコイルは、4個のティースに対して、第1のティース,第2のティース,第3のティース,第4のティースの順で、通電時に、前記第1及び第2のティースに生じる磁極と、前記第3及び第4のティースに生じる磁極が反対の極性となるように巻回される、
    ことを特徴とする電動モータ。
  3. 請求項2記載の電動モータにおいて、
    4相永久磁石式同期モータの相あたりの無負荷誘導起電力波形を台形形状とし、
    第1相と第3相、および、第2相と第4相の各々の無負荷誘導起電力が逆位相の関係であることを特徴とする電動モータ。
  4. 4個のティースを有する固定子鉄心と、該固定子鉄心に集中巻で巻回された固定子コイルからなる固定子巻線と、前記固定子鉄心の内周に回転可能に保持された回転子とを有する4相永久磁石式同期モータまたは4相スイッチトリラクタンスモータからなる電動モータであって、
    前記固定子巻線は、1個の前記固定子ティース辺り、2並列の集中巻のコイルであり、全ての固定子ティースでは計8個のコイルで構成され、
    前記2並列のコイルに対して、正逆両方向に通電され、
    各々の固定子ティースの2並列のコイルのうち任意の1つのコイルを、固定子ティース毎に選択し、それらを直列に接続して1相分を形成することを特徴とする電動モータ。
  5. 請求項4記載の電動モータにおいて、
    前記2並列のコイルの内、
    第1のコイルを構成する4個のコイルは、4個のティースに対して、第2のティース,第3のティース,第4のティース,第1のティースの順で、通電時に、前記第2及び第3のティースに生じる磁極と、前記第1及び第4のティースに生じる磁極が反対の極性となるように巻回され、
    第2のコイルを構成する4個のコイルは、4個のティースに対して、第3のティース,第4のティース,第1のティース,第2のティースの順で、通電時に、前記第3及び第4のティースに生じる磁極と、前記第1及び第2のティースに生じる磁極が反対の極性となるように巻回される、
    ことを特徴とする電動モータ。
  6. 電動モータと、該モータのコイルに通電するインバータを制御するインバータ制御部とを有するモータ駆動システムであって、
    前記電動モータは、4個のティースを有する固定子鉄心と、該固定子鉄心に集中巻で巻回された固定子コイルからなる固定子巻線と、前記固定子鉄心の内周に回転可能に保持された回転子とを有する4相永久磁石式同期モータまたは4相スイッチトリラクタンスモータからなり、
    前記固定子巻線は、1個の前記固定子ティース辺り、4並列の集中巻のコイルであり、全ての固定子ティースでは計16個のコイルで構成され、各々の固定子ティースの4並列のコイルのうち任意の1つのコイルを、固定子ティース毎に選択し、それらを直列に接続して1相分を形成し、
    前記4相を第1の2相と第2の2相に分離し、
    前記第1の2相の巻回数は、前記第2の2相の巻回数よりも多くするとともに、
    前記第1の2相に接続された第1の電源の電圧は、前記第2の2相に接続された第2の電源の電圧よりも低くしたことを特徴とするモータ駆動システム。
  7. 請求項6記載のモータ駆動システムにおいて、
    前記インバータ制御部は、
    前記電動モータの低速時には、前記第1の2相に通電する通電量を前記第2の2相に通電する通電量より多くし、
    前記電動モータの高速時には、前記第2の2相に通電する通電量を前記第1の2相に通電する通電量より多くすることを特徴とするモータ駆動システム。
  8. 電動モータと、該モータのコイルに通電するインバータを制御するインバータ制御部とを有するモータ駆動システムであって、
    前記電動モータは、4個のティースを有する固定子鉄心と、該固定子鉄心に集中巻で巻回された固定子コイルからなる固定子巻線と、前記固定子鉄心の内周に回転可能に保持された回転子とを有する4相永久磁石式同期モータまたは4相スイッチトリラクタンスモータからなり、
    前記固定子巻線は、1個の前記固定子ティース辺り、2並列の集中巻のコイルであり、全ての固定子ティースでは計8個のコイルで構成され、
    前記2並列のコイルに対して、正逆両方向に通電され、
    各々の固定子ティースの2並列のコイルのうち任意の1つのコイルを、固定子ティース毎に選択し、それらを直列に接続して1相分を形成し、
    前記4相を第1の相と第2の相に分離し、
    前記第1の相の巻回数は、前記第2の相の巻回数よりも多くするとともに、
    前記第1の相に接続された第1の電源の電圧は、前記第2の相に接続された第2の電源の電圧よりも低くしたことを特徴とするモータ駆動システム。
  9. 請求項8記載のモータ駆動システムにおいて、
    前記インバータ制御部は、
    前記電動モータの低速時には、前記第1の相に通電する通電量を前記第2の相に通電する通電量より多くし、
    前記電動モータの高速時には、前記第2の相に通電する通電量を前記第1の相に通電する通電量より多くすることを特徴とするモータ駆動システム。
  10. 電動モータにより駆動される車両用補機を備える車両であって、
    前記電動モータは、4個のティースを有する固定子鉄心と、該固定子鉄心に集中巻で巻回された固定子コイルからなる固定子巻線と、前記固定子鉄心の内周に回転可能に保持された回転子とを有する4相永久磁石式同期モータまたは4相スイッチトリラクタンスモータからなることを特徴とする車両。
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