JPH0954115A - 垂直型プローブカード及びそれに用いられるプローブ - Google Patents

垂直型プローブカード及びそれに用いられるプローブ

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JPH0954115A
JPH0954115A JP22737295A JP22737295A JPH0954115A JP H0954115 A JPH0954115 A JP H0954115A JP 22737295 A JP22737295 A JP 22737295A JP 22737295 A JP22737295 A JP 22737295A JP H0954115 A JPH0954115 A JP H0954115A
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昌男 大久保
Kazumasa Okubo
和正 大久保
Hiromasa Okubo
浩正 大久保
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 従来の有利な点を保有しつつ、プローブの長
さを短くでき、隣接するプローブ同士が接触しないよう
にする。 【解決手段】 本プローブカードは、電極パッドに接触
するプローブ100と、プローブを垂直方向にのみ移動
可能に支持する支持部200と、弾性体410によって
プローブ100の後端接続部120と電気的に接続する
導電パターン310を有する基板300を備え、プロー
ブ100は支持部200の貫通孔210A、221A、
222Aに挿入され、プローブ100の接続部120は
貫通孔210Aより大きくし、弾性体410は、プロー
ブ100の配置に対応して基板300の下面側に取り付
けられ、弾性体410とプローブ100の接続部120
は、プローブ100に力が加えられていない状態では電
気的に接続されておらず、垂直上向きの力が加えられる
と電気的に接続され、弾性体がプローブ100に対して
垂直下向きの力を加えるように構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、測定対象物である
LSIチップ等の電気的諸特性の測定に用いられる垂直
型プローブカードとそれに用いられるプローブとに関す
る。
【0002】
【従来の技術】LSIチップ等の電気的諸特性の測定に
用いられる従来のプローブカードについて図8を参照し
つつ説明する。LSIチップ710の電気的諸特性の測
定は、ウエハ載置台800の上に複数個のLSIチップ
710が形成されたウエハ700を載置して行う。この
ウエハ載置台800は、載置したウエハ700がずれな
いように、ウエハ700を真空吸着するような構成にな
っている。
【0003】従来のプローブカードは、所定の導電パタ
ーン310が形成された基板300と、この基板300
に取り付けられるプローブ100とを有している。ま
た、この基板300には、プローブ100の後端の接続
部120と導電パターン310とを接続するためのスル
ーホール320が開設されている。
【0004】プローブ100は、セラミックスからなる
リング状の保持部材250を用いて基板300に取り付
けられている。保持部材250は、基板300の裏面
側、すなわちLSIチップ710が形成されたウエハ7
00に対向する面に取り付けられている。かかる保持部
材250には、傾斜面が形成されており、当該傾斜面に
エポキシ系樹脂251等を用いてプローブ100の中腹
部が取り付けられるようになっている。なお、上述した
ようにプローブ100の接続部120は、スルーホール
320を用いて導電パターン310と接続されている。
【0005】プローブ100の先端の接触部110は、
下向きに折曲形成されており、LSIチップ710の電
極パッド711の位置に対応するように精密に位置決め
がなされている。
【0006】電気的諸特性の測定の際には、プローブ1
00の接触部110と電極パッド711との間で所定の
接触圧を確保することが重要である。上述したプローブ
カードでは、プローブ100の保持部材250に固定さ
れた部分から接触部110までの間の撓みで所定の接触
圧を確保している。
【0007】また、図9に示すようにプローブ100が
LSIチップ710に対して垂直に配置された垂直型プ
ローブカードもある。かかる垂直型プローブカードは、
真っ直ぐに形成されたプローブ100と、このプローブ
100の後端である接続部120が半田付け等で直接接
続される導電パターン310が形成された基板300
と、前記プローブ100を垂直に支持する支持部200
とを有している。
【0008】かかる垂直型プローブカードでは、プロー
ブ100の接触部110が電極パッド711に対して垂
直方向から接触するので、接触した後にオーバードライ
ブ(プローブ100の接触部110が電極パッド711
に接触した後もウエハ載置台800を上昇させること)
を加えても接触部110の位置がずれにくく、プローブ
100が確実に電極パッド711に接触するという利点
がある。その結果、接触部110の摩耗が少なくなり、
横型のプローブカードのプローブ100より長寿命にな
るという効果もある。
【0009】この垂直型プローブカードでは、測定の際
の接触圧は、図10(A)に示すように電極パッド71
1に接触していない状態では垂直であるが、図10
(B)に示すように電極パッド711に接触するとプロ
ーブ100が撓むことを利用する。
【0010】また、図11(A)に示すように、プロー
ブ100に予め湾曲部130を形成しておき、プローブ
100が電極パッド711に接触すると、図11(B)
に示すようにこの湾曲部130が撓むことによって所定
の接触圧を確保するようにしたものもある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、プロ
ーブの電極パッドに対する確実な接触と、プローブの長
寿命という優れた効果を有する垂直型プローブカードで
あるが、以下のような問題点もある。すなわち、LSI
チップの高速化に伴い、プローブカードにおいても伝達
経路の引き回しを極力短くする必要性が高まった。高速
化されたLSIチップでは、伝達経路が長くなると減衰
が大きくなるという問題が生じるのである。また、他の
伝達経路との間でクロストークが生じやすくなる。
【0012】垂直型プローブカードでは、プローブに上
述した湾曲部を形成するにもしないにしても、プローブ
の垂直方向の撓みによって接触圧を確保する構造になっ
ているため、どうしてもプローブは長めになってしま
う。このため、高速化したLSIチップの電気的諸特性
の測定には向かないことがあった。
【0013】また、最近のLSIチップの高集積化に伴
って、電極パッドも数が増えたため、プローブの間の寸
法も狭まっている。このため、プローブを基板に取り付
ける半田付け作業がより困難になっている。さらに、オ
ーバードライブを加えた際のプローブの撓みによって隣
接するプローブ同士が接触するおそれも高くなってい
る。特に、図11に示したようにプローブの撓む部分を
特定するための湾曲部を形成したプローブでは、隣接す
るプローブ同士の接触のおそれがより高くなっている。
【0014】本発明は上記事情に鑑みて創案されたもの
で、従来の垂直型プローブカードの有利な点を保有しつ
つ、プローブの長さを短くすることができ、隣接するプ
ローブ同士が接触するおそれのない垂直型プローブカー
ド及びそれに用いるプローブを提供することを目的とし
ている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係る垂直型プロ
ーブカードは、測定対象物の電気的諸特性を測定するプ
ローブカードであって、先端の接触部が測定対象物の電
極パッドに接触するプローブと、このプローブを垂直方
向にのみ移動可能に支持する支持部と、導電性を有する
弾性体によって前記プローブの後端の接続部と電気的に
接続される導電パターンを有する基板とを備えており、
前記プローブは支持部に開設された貫通孔に挿入されて
おり、プローブの接続部は前記貫通孔より大きく設定さ
れており、前記弾性体は、プローブの配置に対応して前
記基板の下面側に取り付けられており、弾性体とプロー
ブの接続部とは、プローブに力が加えられていない状態
では電気的に接続されておらず、プローブに垂直上向き
の力が加えられると電気的に接続され、かつ前記弾性体
がプローブに対して垂直下向きの力を加えるように構成
されている。
【0016】また、本発明に係る垂直型プローブカード
は、測定対象物の電気的諸特性を測定するプローブカー
ドであって、先端の接触部が測定対象物の電極パッドに
接触するプローブと、このプローブを垂直方向にのみ移
動可能に支持する支持部と、導電性を有する弾性体によ
って前記プローブの後端の接続部と電気的に接続される
導電パターンを有する基板とを備えており、前記プロー
ブは支持部に開設された貫通孔と基板に開設されたスル
ーホールとに挿入されており、プローブの接続部は基板
のスルーホールより大きく設定されており、前記弾性体
は、導電性を有するキャップの内側に設けられており、
当該キャップはプローブの配置に対応するとともに、前
記基板の上面側で導電パターンに接続して設けられてお
り、弾性体とプローブの接続部とはプローブに力が加え
られていない状態では電気的に接続されておらず、プロ
ーブに垂直上向きの力が加えられると電気的に接続さ
れ、かつ前記弾性体がプローブに対して垂直下向きの力
を加えるように構成されている。
【0017】さらに、本発明に係るプローブは、測定対
象物の電気的諸特性を測定するプローブカードに用いら
れるプローブであって、一方が測定対象物の電極パッド
に接触する接触部として、他方が導電パターンに接続さ
れる接続部として形成されており、前記接続部は他の部
分より大きく設定されている。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施の形態
に係る垂直型プローブカードの概略的一部破断斜視図、
図2は本発明の第1の実施の形態に係る垂直型プローブ
カードの概略的側面図、図3は本発明の第1の実施の形
態に係る垂直型プローブカードの要部の概略的拡大斜視
図、図4は本発明の第1の実施の形態に係る垂直型プロ
ーブカードの要部の概略的拡大断面図である。
【0019】また、図5は本発明の第2の実施の形態に
係る垂直型プローブカードの要部の概略的拡大断面図、
図6は本発明の第3の実施の形態に係る垂直型プローブ
カードの要部の概略的拡大断面図、図7は本発明の第4
の実施の形態に係る垂直型プローブカードの要部の概略
的拡大断面図である。なお、従来のものと略同一の部品
等には同一の符号を付して説明を行う。
【0020】本発明の第1の実施の形態に係る垂直型プ
ローブカードは、測定対象物であるLSIチップ710
の電気的諸特性を測定するプローブカードであって、先
端の接触部110が測定対象物の電極パッド711に接
触するプローブ100と、このプローブ100を垂直方
向にのみ移動可能に支持する支持部200と、導電性を
有する弾性体410によって前記プローブ100の後端
の接続部120と電気的に接続される導電パターン31
0を有する基板300とを備えている。
【0021】前記プローブ100は、先端の接触部11
0が直径15〜50μm の球体になっている。また、当
該プローブ100の後端の接続部120は直径60〜1
00μm の球体となっている。なお、接触部110と接
続部120とを球状とするためには、レーザビームを照
射して瞬時に加熱溶融させた後、冷却することで可能で
ある。
【0022】一方、支持部200は、上側支持板210
と、下側支持板220と、両支持板210、220を連
結するとともに、自身を後述する基板300に取り付け
る取付部230とから構成される。
【0023】下側支持板220は、所定の間隔を有して
対向した2枚の板材221、222からなり、LSIチ
ップ710の電極パッド711の配置に対応した複数個
の貫通孔221A、222Aが開設されている。なお、
この下側支持板220を構成する2枚の板材221、2
22は絶縁性を有しており、取付部230によって連結
されている。
【0024】また、上側支持板210は、後述する基板
300の下面に対して所定の間隔を有して平行に設置さ
れている。また、この上側支持板210には、前記電極
パッド711の配置に対応した複数個の貫通孔210A
が開設されている。この貫通孔210Aは、プローブ1
00の接続部120より小径に設定されている。
【0025】上側支持板210と下側支持板220と
は、取付部230によって基板300の下面側に取り付
けられている。両支持板210、220の貫通孔210
A、221A、222Aは、取付部230によって基板
300に取り付けられると、基板300のスルーホール
320の位置と一致するような位置に設けられている。
【0026】前記基板300は、複数の薄い基板を積層
した積層基板である。導電パターン310は、積層され
る各基板に形成されており、各基板に形成された導電パ
ターン310は各基板を貫通するスルーホール320の
内面に形成された導電性メッキ層330等によって相互
に接続されている。導電パターン310は、図3や図4
では、基板300の上面と内側とに記載されているが、
実際には基板300の内側に複数形成されているととも
に、基板300の下面及び内側にも複数層にわたって形
成されていてもよい。
【0027】最も下層の基板の下面、すなわち基板30
0の下面には、測定すべきLSIチップ710の電極パ
ッド711の配置に対応した導電性を有する弾性体41
0が設けられている。この弾性体410には、後述する
ように各種のものが考えられるが、例えば、図3或いは
図4に示すように、導電性を有する略コイン状の金属薄
板を周囲にフランジ部411が形成された略時計皿状に
成形し、中央に放射状の切れ目412を形成したものが
ある。
【0028】かかる弾性体410は、下向きに凸になる
ように、フランジ部411をスルーホール320の導電
性メッキ層330のフランジ部331に接続する。な
お、当該弾性体410の厚さ寸法は、上側支持板210
と基板300との間の距離から接続部120の直径を差
し引いたものより小さく設定されている。
【0029】すなわち、プローブ100の接触部120
は、なんら外力が加えられない状態では、弾性体410
との間に隙間が存在するようになっている。このように
両者の間に隙間があると、プローブ100の接触部11
0が電極パッド711に接触した後に、さらに垂直型プ
ローブカードとLSIチップ710との間の距離を縮め
なくては両者は接触しない。このため、プローブ100
の接触部110が電極パッド711に接触した瞬間から
接触圧が加えられるのではなく、接触部110が電極パ
ッド711に接触した後に接触圧が加えられることにな
るので、接触部110の位置ずれがまったくないように
なる。
【0030】このように構成された垂直型プローブカー
ドでは、ウエハ700を載置したウエハ載置台800を
垂直型プローブカードに向かって上昇させるか、垂直型
プローブカードをウエハ700を載置したウエハ載置台
800に向かって下降させることで、プローブ100の
接触部110を電極パッド711に接触させる。
【0031】プローブ100の接触部110が電極パッ
ド711に接触するまで、すなわちプローブ100に対
して外力が加えられていない場合には、プローブ100
の接続部120は、上側支持板210の貫通孔210A
に引っ掛かって下に落ちることがない。
【0032】接触部110が電極パッド711に接触し
た後にも、ウエハ載置台800の上昇又は垂直型プロー
ブカードの下降を継続すると、プローブ100の接続部
120が弾性体410に接触する。これによって、プロ
ーブ100と導電パターン310とは弾性体410を介
して電気的に接続されたことになる。しかも、接触した
後も、オーバードライブを加えることによって、弾性体
410の弾性力により電極パッド711と接触部110
との間の接触圧を確保することができる。
【0033】次に、第2の実施の形態に係る垂直型プロ
ーブカードについて図5を参照しつつ説明する。この第
2の実施の形態に係る垂直型プローブカードが、第1の
実施の形態に係る垂直型プローブカードと異なる点は、
弾性体420にある。第1の実施の形態に係る垂直型プ
ローブカードにおける弾性体410は、図3等に示すよ
うに、導電性を有する丸状の金属薄板を周囲にフランジ
部411が形成された略時計皿状に成形し、中央に放射
状の切れ目412を形成したものである。
【0034】これに対して、第2の実施の形態に係る垂
直型プローブカードにおける弾性体420は、図5に示
すように導電性を有する金属線をつまるき状に巻回した
つるまきスプリングである。このつるまきスプリング
は、その一端を基板300の下面に露出したスルーホー
ル320の導電性メッキ層330のフランジ部331に
接続するのである。なお、この弾性体420であるつる
まきスプリングの長さは、外力が加えられていない通常
の場合、前記上側支持板210と基板300との間の距
離から接続部120の直径を差し引いたものより小さく
なるように設定されている。すなわち、図5に示すよう
に、プローブ100に対して外力がなんら加えられてい
ないと、プローブ100の接触部120はつるまきスプ
リングである弾性体420に接触しないようになってい
る。
【0035】このつるまきスプリングである弾性体42
0が、第1の実施の形態における弾性体410より優れ
ている点は、使用する線材や巻回回数等によってばね定
数を設定しやすい点にある。このばね定数は、プローブ
100の接触部110と電極パッド711との間の接触
圧を規定するのに大きな役割を果たしているものである
ので、ばね常数が設定しやすいということは多くの種類
の垂直型プローブカードに適用することが可能となると
いう効果をもたらす。
【0036】この第2の実施の形態に係る垂直型プロー
ブカードも、第1の実施の形態に係る垂直型プローブカ
ードと同様に、接触部110が電極パッド711に接触
した後にも、ウエハ載置台800の上昇又は垂直型プロ
ーブカードの下降を継続することで、プローブ100の
接続部120が弾性体420に接触する。しかも、接触
した後も、オーバードライブを加えることによって、弾
性体420の弾性力により電極パッド711と接触部1
10との間の接触圧を確保することができる。
【0037】次に、第3の実施の形態に係る垂直型プロ
ーブカードについて図6を参照しつつ説明する。この第
3の実施の形態に係る垂直型プローブカードが、第1或
いは第2の実施の形態に係る垂直型プローブカードと異
なる点は、弾性体430にある。この第3の実施の形態
に係る垂直型プローブカードでは、弾性体430として
いわゆる異方性導電シートが用いられているのである。
この異方性導電シートは、図6に示すように、例えばシ
リコンゴム等の絶縁性と弾力性とを有する素材431
(図面では点々で示している)の中に導電性を有する素
材432(図面では斜線で示している)を所定の間隔で
上下方向に貫通させたものである。
【0038】例えば、この異方性導電シートとしては、
日東電工株式会社のザクシスーコネクター(商標)と呼
ばれるものがある。これは、約1mmの厚さのゴム状の板
(絶縁性と弾力性とを有する素材431に相当する)の
中に直径25μm の金メッキされたニッケルの細線(導
電性を有する素材432に相当する)が平行に無数に差
し込まれたものである。従って、これによると、上下方
向にのみ導電性があるので、上面に接触したものと下面
に接触したものとの間で導通を確保することができる。
【0039】第3の実施の形態に係る垂直型プローブカ
ードでは、弾性体430としての異方性導電シートの導
電性を有する素材432が、基板300の下面に露出し
たスルーホール320の導電性メッキ層330のフラン
ジ部331に接触するようにして基板300の下面に接
着等で取り付けられる。すると、異方性導電シートは、
導電性を有する素材432が下側になる。なお、この弾
性体430である異方性導電シートの厚さは、外力が加
えられていない通常の場合、前記上側支持板210と基
板300との間の距離から接続部120の直径を差し引
いたものより小さくなるように設定されている。
【0040】この異方性導電シートである弾性体430
が、第1及び第2の実施の形態における弾性体410、
420より優れている点は、基板300に対する取付に
それほど精度を要求されない点である。すなわち、つま
るきスプリング等であると、その一端を導電性メッキ層
330のフランジ部331に正確に取り付けなければな
らないが、この異方性導電シートを弾性体430として
使用すると、単に異方性導電シートを基板300の下面
において貼着すればよいのである。
【0041】この第3の実施の形態に係る垂直型プロー
ブカードも、第1及び第2の実施の形態に係る垂直型プ
ローブカードと同様に、接触部110が電極パッド71
1に接触した後にも、ウエハ載置台800の上昇又は垂
直型プローブカードの下降を継続することで、プローブ
100の接続部120が弾性体430に接触する。しか
も、接触した後も、オーバードライブを加えることによ
って、弾性体430の弾性力により電極パッド711と
接触部110との間の接触圧を確保することができる。
【0042】次に、第4の実施の形態を図7を参照しつ
つ説明する。この第4の実施の形態に係る垂直型プロー
ブカードは、測定対象物であるLSIチップ710の電
気的諸特性を測定するプローブカードであって、先端の
接触部110がLSIチップの電極パッド711に接触
するプローブ100と、このプローブ100を垂直方向
にのみ移動可能に支持する支持部200と、導電性を有
する弾性体440によって前記プローブ100の後端の
接続部120と電気的に接続される導電パターン310
を有する基板300とを備えており、前記プローブ10
0は支持部200に開設された貫通孔210A、221
A、222Aと基板300に開設されたスルーホール3
20とに挿入されており、プローブ100の接続部12
0は前記スルーホール320より大きく設定されてい
る。
【0043】しかも、前記弾性体440は、導電性を有
するキャップ450の内側に設けられており、当該キャ
ップ450はプローブ100の配置に対応するととも
に、前記基板300の上面側で導電パターン310に接
続して設けられており、弾性体440とプローブ100
の接続部120とはプローブ100に力が加えられてい
ない状態では電気的に接続されておらず、プローブ10
0に垂直上向きの力が加えられると電気的に接続され、
かつ前記弾性体がプローブ100に対して垂直下向きの
力を加えるようになっている。
【0044】この第4の実施の形態に係る垂直型プロー
ブカードにおける弾性体440は、上述した第1の実施
の形態におけるものと同様のものであって、導電性を有
する丸状の金属薄板を周囲にフランジ部411が形成さ
れた略時計皿状に成形し、中央に放射状の切れ目412
を形成したものである。
【0045】また、前記キャップ450は、フランジ部
451を有した有底筒体であり、底部452の内面に前
記弾性体440が下向きに凸になるように取り付けられ
る。かかるキャップ450は、底部452の内面を下向
き、すなわち下向き開放の状態で基板300の上面に取
り付けられる。この際、基板300のスルーホール32
0の真上に弾性体440が位置するようにする。また、
キャップ450のフランジ部451は、基板300の上
面に形成された導電パターン310の上に位置してい
る。すなわち、弾性体440は、キャップ450を介し
て導電パターン310と電気的に接続されているのであ
る。
【0046】また、前記弾性体440の厚さ寸法は、キ
ャップ450の深さ寸法から接続部120の直径を差し
引いたものより小さく設定されている。すなわち、プロ
ーブ100になんら外力が加わっていない場合には、プ
ローブ100の接続部120は弾性体440に接触しな
いようになっている。
【0047】なお、上述した第4の実施の形態に係る垂
直型プローブカードでは、弾性体440として導電性を
有する丸状の金属薄板を周囲にフランジ部411が形成
された略時計皿状に成形し、中央に放射状の切れ目41
2を形成したものを用いたが、本発明がこれに限定され
るわけではない。例えば、第2の実施の形態に係る垂直
型プローブカードに用いたつまるきスプリングや、第3
の実施の形態に係る異方性導電シートを弾性体として用
いてもよい。
【0048】また、この第4の実施の形態に係る垂直型
プローブカードにおける他の部分、例えばプローブ10
0や支持部200は上述した第1〜第3の実施の形態に
係る垂直型プローブカードと同様であるのでその詳細な
説明は省略する。
【0049】
【発明の効果】本発明に係る垂直型プローブカードは、
測定対象物の電気的諸特性を測定するプローブカードで
あって、先端の接触部が測定対象物の電極パッドに接触
するプローブと、このプローブを垂直方向にのみ移動可
能に支持する支持部と、導電性を有する弾性体によって
前記プローブの後端の接続部と電気的に接続される導電
パターンを有する基板とを備えており、前記プローブは
支持部に開設された貫通孔に挿入されており、プローブ
の接続部は前記貫通孔より大きく設定されており、前記
弾性体は、プローブの配置に対応して前記基板の下面側
に取り付けられており、弾性体とプローブの接続部と
は、プローブに力が加えられていない状態では電気的に
接続されておらず、プローブに垂直上向きの力が加えら
れると電気的に接続され、かつ前記弾性体がプローブに
対して垂直下向きの力を加えるように構成されている。
【0050】このため、プローブの接触部が測定対象物
の電極パッドに接触した際の接触圧は、従来のようにプ
ローブが撓むことで確保することなく、弾性体の弾性力
によって接触圧を確保することができる。従って、プロ
ーブの長さを従来のものより短くすることが可能とな
り、最近の高速化したLSIチップであっても減衰を小
さくすることができ、さらにはクロストークも少なくな
っという効果がある。
【0051】また、接触圧を確保するためにプローブを
撓ませる必要がないので、隣接するプローブとの間の間
隔が狭くても、隣接するプローブ同士が接触するおそれ
が従来のものより大幅に少なくなるという効果も奏す
る。
【0052】勿論、従来の垂直型プローブカードと同様
に、プローブの電極パッドに対する確実な接触と、プロ
ーブの長寿命という優れた効果はそのままである。
【0053】また、他の本発明に係る垂直型プローブカ
ードは、測定対象物の電気的諸特性を測定するプローブ
カードであって、先端の接触部が測定対象物の電極パッ
ドに接触するプローブと、このプローブを垂直方向にの
み移動可能に支持する支持部と、導電性を有する弾性体
によって前記プローブの後端の接続部と電気的に接続さ
れる導電パターンを有する基板とを備えており、前記プ
ローブは支持部に開設された貫通孔と基板に開設された
スルーホールとに挿入されており、プローブの接続部は
基板のスルーホールより大きく設定されており、前記弾
性体は、導電性を有するキャップの内側に設けられてお
り、当該キャップはプローブの配置に対応するととも
に、前記基板の上面側で導電パターンに接続して設けら
れており、弾性体とプローブの接続部とはプローブに力
が加えられていない状態では電気的に接続されておら
ず、プローブに垂直上向きの力が加えられると電気的に
接続され、かつ前記弾性体がプローブに対して垂直下向
きの力を加えるように構成されている。
【0054】かかる垂直型プローブカードによると、上
述した垂直型プローブカードと同様の効果を得ることが
できる。また、別の効果としては、プローブが基板のス
ルーホールを貫通しているため、プローブをスルーホー
ルでも支持することになる。この結果、支持部だけで支
持しているもの、すなわち請求項1に係る垂直型プロー
ブカードよりプローブの支持が強固になる。このため、
プローブの電極パッドに対する位置ずれのおそれがより
少なくなるのである。
【0055】また、プローブの接続部が球状であると、
接続部と弾性体との接触が確実になる。すなわち、プロ
ーブに対して垂直上向きの力が加えられて、接続部と弾
性体とが接触する場合、接続部と弾性体と相互の位置関
係が多少ずれたとしても、確実な接続が確保される。さ
らに、接続部が多数回にわたって弾性体に接触したとし
ても、弾性体に接触する部分は球状なので、弾性体の摩
耗が少ないという効果も奏する。
【0056】また、弾性体がスプリングであると、プロ
ーブと電極パッドとの間の接触圧を適宜なものとするこ
とが容易である。
【0057】さらに、弾性体が異方性導電シートである
と、異方性導電シートを基板の所定の位置に貼着するだ
けというように、作業が非常に簡略化されるという効果
を奏する。
【0058】一方、本発明に係る垂直型プローブカード
に用いられるプローブは、一方が測定対象物の電極パッ
ドに接触する接触部として、他方が導電性を有する弾性
体を介して導電パターンに接続される接続部として形成
されており、接触部と接続部との間が垂直型プローブカ
ードの支持部に開設された貫通孔を貫通する垂直型プロ
ーブカードに用いられるプローブであって、前記接続部
は少なくとも最も上部の貫通孔より大きく設定されてい
る。
【0059】このため、プローブを支持する支持部の貫
通孔に貫通させた場合、接続部は最も上部の貫通孔より
下側には移動しない。
【0060】また、このプローブの接続部は球状に形成
されている。このため、接続部と弾性体との間の接続が
より確実になる。また、接続部が多数回にわたって弾性
体に接触したとしても、弾性体に接触する部分は球状な
ので、弾性体の摩耗が少ないという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る垂直型プロー
ブカードの概略的一部破断斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る垂直型プロー
ブカードの概略的側面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る垂直型プロー
ブカードの要部の概略的拡大斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る垂直型プロー
ブカードの要部の概略的拡大断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る垂直型プロー
ブカードの要部の概略的拡大断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る垂直型プロー
ブカードの要部の概略的拡大断面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係る垂直型プロー
ブカードの要部の概略的拡大断面図である。
【図8】従来の横型のプローブカードの概略的断面図で
ある。
【図9】従来の垂直型プローブカードの概略的断面図で
ある。
【図10】従来の垂直型プローブカードにおいて所定の
接触圧を確保するための構造を示す図面である。
【図11】従来の垂直型プローブカードにおいて所定の
接触圧を確保するための構造を示す図面である。
【符号の説明】
100 プローブ 110 接触部 120 接続部 200 支持部 300 基板 310 導電パターン 410 弾性体 210A、221A、222A 貫通孔 710 LSIチップ(測定対象物) 711 電極パッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 浩 兵庫県尼崎市西長洲町2丁目5番13号 日 本電子材料株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象物の電気的諸特性を測定するプ
    ローブカードにおいて、先端の接触部が測定対象物の電
    極パッドに接触するプローブと、このプローブを垂直方
    向にのみ移動可能に支持する支持部と、導電性を有する
    弾性体によって前記プローブの後端の接続部と電気的に
    接続される導電パターンを有する基板とを具備してお
    り、前記プローブは支持部に開設された貫通孔に挿入さ
    れており、プローブの接続部は前記貫通孔より大きく設
    定されており、前記弾性体は、プローブの配置に対応し
    て前記基板の下面側に取り付けられており、弾性体とプ
    ローブの接続部とは、プローブに力が加えられていない
    状態では電気的に接続されておらず、プローブに垂直上
    向きの力が加えられると電気的に接続され、かつ前記弾
    性体がプローブに対して垂直下向きの力を加えることを
    特徴とする垂直型プローブカード。
  2. 【請求項2】 測定対象物の電気的諸特性を測定するプ
    ローブカードにおいて、先端の接触部が測定対象物の電
    極パッドに接触するプローブと、このプローブを垂直方
    向にのみ移動可能に支持する支持部と、導電性を有する
    弾性体によって前記プローブの後端の接続部と電気的に
    接続される導電パターンを有する基板とを具備してお
    り、前記プローブは支持部に開設された貫通孔と基板に
    開設されたスルーホールとに挿入されており、プローブ
    の接続部は基板のスルーホールより大きく設定されてお
    り、前記弾性体は、導電性を有するキャップの内側に設
    けられており、当該キャップはプローブの配置に対応す
    るとともに、前記基板の上面側で導電パターンに接続し
    て設けられており、弾性体とプローブの接続部とはプロ
    ーブに力が加えられていない状態では電気的に接続され
    ておらず、プローブに垂直上向きの力が加えられると電
    気的に接続され、かつ前記弾性体がプローブに対して垂
    直下向きの力を加えることを特徴とする垂直型プローブ
    カード。
  3. 【請求項3】 前記プローブの接続部は球状であること
    を特徴とする請求項1又は2記載の垂直型プローブカー
    ド。
  4. 【請求項4】 前記弾性体は、スプリングであることを
    特徴とする請求項1、2又は3記載の垂直型プローブカ
    ード。
  5. 【請求項5】 前記弾性体は、異方性導電シートである
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の垂直型プロ
    ーブカード。
  6. 【請求項6】 一方が測定対象物の電極パッドに接触す
    る接触部として、他方が導電性を有する弾性体を介して
    導電パターンに接続される接続部として形成されてお
    り、接触部と接続部との間が垂直型プローブカードの支
    持部に開設された貫通孔を貫通する垂直型プローブカー
    ドに用いられるプローブにおいて、前記接続部は少なく
    とも最も上部の貫通孔より大きく設定されていることを
    特徴とする垂直型プローブカードに用いられるプロー
    ブ。
  7. 【請求項7】 前記接続部は球状であることを特徴とす
    る請求項6記載の垂直型プローブカードに用いられるプ
    ローブ。
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