JPH0952945A - 改質ポリカーボネート樹脂 - Google Patents

改質ポリカーボネート樹脂

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JPH0952945A
JPH0952945A JP8141296A JP8141296A JPH0952945A JP H0952945 A JPH0952945 A JP H0952945A JP 8141296 A JP8141296 A JP 8141296A JP 8141296 A JP8141296 A JP 8141296A JP H0952945 A JPH0952945 A JP H0952945A
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JP
Japan
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parts
carbon atoms
polycarbonate resin
hydroxybenzoic acid
dihydric phenol
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Application number
JP8141296A
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English (en)
Inventor
Osamu Nakamoto
税 中本
Toshimasa Tokuda
俊正 徳田
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 その優れた透明性や機械物性を保持したまま
で溶融流動性が改善され、転写性に優れ且つ低温ハイサ
イクル成形が可能で記録媒体用基板等に有用なポリカー
ボネート樹脂を提供する。 【解決手段】 特定のポリカーボネート樹脂の溶融流動
性の改質剤として下記一般式[1] [但し、R1 〜R4 は夫々独立して水素原子又は炭素数
1〜4の脂肪族基、Xは炭素原子数9〜30の分岐して
もよい脂肪族炭化水素である。]で表わされる二価フェ
ノールを用いた改質ポリカーボネート樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は改質ポリカーボネー
ト樹脂に関する。更に詳しくは溶融流動性を改善した改
質ポリカーボネート樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、代表的なポリカーボネート樹脂と
して2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(以下ビスフェノールAという)にホスゲンやジフェニ
ルカーボネート等のカーボネート前駆物質を反応させて
得られるものが知られている。かかるポリカーボネート
樹脂は透明性、耐熱性、寸法精度がよい等の優れた性質
を有することから多くの分野に用いられている。また、
近年光ディスク等の分野で情報記録媒体用基板としても
広く用いられている。しかしながら、基板の記録密度が
増大するに従って、光弾性定数のより低いポリカーボネ
ート樹脂が要求されている。
【0003】ビスフェノールAからのポリカーボネート
樹脂よりも低い光弾性定数を有する9,9−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)フルオレンや1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサンや1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
5,7−ジメチルアダマンタンからのポリカーボネート
樹脂を用いて記録媒体用基板を製造することを試みた
が、これらのポリカーボネート樹脂は溶融流動性に劣
り、良好な基板を得ることは困難であった。
【0004】ポリカーボネート樹脂の溶融流動性を改善
する方法として、平均分子量を可能な限り下げる方法
(例えば特開昭58−126119号公報、特開昭60
−113201号公報)、可塑剤を添加する方法(例え
ば特開昭54−16564号公報、特開昭55−184
07号公報)、長鎖脂肪族炭化水素置換基をポリマー末
端に付与する方法(例えば特開昭57−133149号
公報、特開昭60−203632号公報)、ポリマーブ
レンドによる方法(例えば特開昭54−100453号
公報、特開昭58−83044号公報)等が提案されて
いる。しかしながら、これらの方法では物性の低下を招
いたり、透明性が損なわれる等好ましくない問題が生じ
易い。
【0005】また特開昭61−16923号公報には、
ジオールのヒドロキシベンゼンカルボン酸ジエステルを
用いたポリカーボネート樹脂の製法が開示されている。
その技術内容はビスフェノールA、ビスフェノールS、
ビスフェノールZからのある程度流動性を有する従来の
ポリカーボネート樹脂を対象とし、炭素原子数2〜8の
ジオール成分からのジエステルでポリカーボネート樹脂
の流動性、耐溶剤性の改善することにある。しかし、本
発明の如くの低光弾性定数を有するが、溶融流動性の著
しく低い二価フェノールからのポリカーボネート樹脂の
場合は、上記の炭素原子数2〜8のジオール成分からの
ジエステルでは改善効果が不十分であり実用的ではな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、その
優れた透明性や機械物性を保持したままで溶融流動性が
改善され、転写性に優れ且つ低温ハイサイクル成形が可
能で記録媒体用基板は勿論のこと電気電子用部品、光学
ディスク、光学レンズ、液晶パネル、光カード、シー
ト、フィルム、光ファイバー、コネクター、蒸着プラス
チック反射鏡、ディスプレー、OPCバインダー等の光
学部品の構造材料や機能材料用途に適したポリカーボネ
ート樹脂を提供することにある。
【0007】本発明者は、上記目的を達成せんとして、
前記ポリカーボネート樹脂の改質について鋭意研究を重
ねた結果、ジオール類とヒドロキシ安息香酸を縮合させ
て得られる特定構造の構造単位を、前記ポリカーボネー
ト樹脂の主鎖中に導入すると、ポリカーボネート樹脂の
優れた透明性や機械物性を保持しつつ溶融流動性が改善
され、転写性や成形性が向上し得ることを見出した。本
発明はこの知見に基づき更に研究を重ねて完成したもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、二価フェノー
ルにカーボネート前駆物質を反応させて得られるポリカ
ーボネート樹脂において、下記一般式[1]
【0009】
【化4】
【0010】[但し、R1 〜R4 は夫々独立して水素原
子又は炭素数1〜4の脂肪族基、Xは炭素原子数9〜3
0の分岐してもよい脂肪族炭化水素である。]で表わさ
れる二価フェノールと下記一般式[2]
【0011】
【化5】
【0012】[但し、R5 〜R8 は夫々独立して水素原
子、ハロゲン原子、フェニル基又は炭素数1〜6のアル
キル基若しくはシクロアルキル基、Wは
【0013】
【化6】
【0014】(ここでR9 及びR10は夫々独立して水素
原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基、R
11及びR12は夫々独立して水素原子又は炭素数1〜3の
アルキル基でその少なくとも1つはアルキル基、nは4
〜7の整数、R13及びR14は炭素数1〜3のアルキル
基)である。]で表わされる二価フェノールからなり、
且つ上記一般式[1]の二価フェノールが全二価フェノ
ール成分の1〜50モル%であることを特徴とする改質
ポリカーボネート樹脂に係るものである。
【0015】改質すべきポリカーボネート樹脂を構成す
る二価フェノールの1つは、下記一般式[2]
【0016】
【化7】
【0017】[但し、R5 〜R8 は夫々独立して水素原
子、ハロゲン原子、フェニル基又は炭素数1〜6のアル
キル基若しくはシクロアルキル基、Wは
【0018】
【化8】
【0019】(ここでR9 及びR10は夫々独立して水素
原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基、R
11及びR12は夫々独立して水素原子又は炭素数1〜3の
アルキル基でその少なくとも1つはアルキル基、nは4
〜7の整数、R13及びR14は炭素数1〜3のアルキル
基)である。]で表わされる二価フェノールである。か
かる二価フェノールの具体例としては9,9−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−5,7−ジメチルアダマンタン及びこれらの誘導体で
ある。これらの二価フェノールは単独で又は二種以上を
組合わせて用いてもよい。
【0020】改質すべきポリカーボネート樹脂には上記
一般式[1]または上記一般式[2]以外の二価フェノ
ールを少量含有することができる。かかる二価フェノー
ルとしては、例えばハイドロキノン、レゾルシン、4,
4′−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−フェニルエタン、ビスフェノールA、2,2
−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホ
キシド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ド、3,3′−ジメチル−4,4′−ジヒドロキシジフ
ェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシジフェニル
オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェ
ニルメタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3
−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニル
エタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
ジフェニルメタン、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキ
シフェニル)ジフェニルメタン等が挙げらる。更に少量
の三官能化合物を分岐剤として用いても、ジカルボン酸
を共重合しても、脂肪族二官能性化合物を少量併用して
もよい。上記一般式[1]または上記一般式[2]以外
の二価フェノールの含有量としては全二価フェノール成
分の15モル%以下であり、好ましくは10モル%以
下、最も好ましくは0モル%である。
【0021】また、カーボネート前駆物質としては例え
ばホスゲン、上記二価フェノール類のビスクロロホーメ
ート、ジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボ
ネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−
クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート
等のジアリールカーボネート等が挙げられ、なかでもホ
スゲンとジフェニルカーボネートが好ましい。
【0022】溶融流動性を改善する二価フェノールとし
て、下記一般式[1]
【0023】
【化9】
【0024】[但し、R1 〜R4 は夫々独立して水素原
子又は炭素数1〜4の脂肪族基、Xは炭素原子数9〜3
0の分岐してもよい脂肪族炭化水素である。]で表わさ
れる二価フェノールを本発明では用いる。式中R1 〜R
4 で示される脂肪族基としては炭素数1〜4のアルキル
基が好ましく、Xの炭素原子数が8以下のものを用いた
のでは十分に溶融流動性を改善し難く、Xの炭素原子数
が30より大きいものを用いたのでは、この二価フェノ
ールの溶解性が低下して反応性が悪くなる。その上得ら
れるポリカーボネート樹脂の透明性が損なわれる。Xの
炭素原子数が10〜20の整数のものが特に好ましい。
かかる二価フェノールは、ジオール類とヒドロキシ安息
香酸を縮合させて得られる化合物及びその芳香族基に炭
素数1〜4のアルキル基を置換した誘導体である。
【0025】上記一般式[1]で表される二価フェノー
ルの具体例としては例えば、1,9−ジ(o−ヒドロキ
シ安息香酸)ノナン、1,9−ジ(m−ヒドロキシ安息
香酸)ノナン、1,9−ジ(p−ヒドロキシ安息香酸)
ノナン、2,8−ジ(o−ヒドロキシ安息香酸)ノナ
ン、2,8−ジ(m−ヒドロキシ安息香酸)ノナン、
2,8−ジ(p−ヒドロキシ安息香酸)ノナン、1,1
0−ジ(p−ヒドロキシ安息香酸)デカン、1,10−
ジ(m−ヒドロキシ安息香酸)デカン、1,10−ジ
(o−ヒドロキシ安息香酸)デカン、2,9−ジ(o−
ヒドロキシ安息香酸)デカン、2,9−ジ(m−ヒドロ
キシ安息香酸)デカン、2,9−ジ(p−ヒドロキシ安
息香酸)デカン、1,11−ジ(o−ヒドロキシ安息香
酸)ウンデカン、1,11−ジ(m−ヒドロキシ安息香
酸)ウンデカン、1,11−ジ(p−ヒドロキシ安息香
酸)ウンデカン、2,10−ジ(o−ヒドロキシ安息香
酸)ウンデカン、2,10−ジ(m−ヒドロキシ安息香
酸)ウンデカン、2,10−ジ(p−ヒドロキシ安息香
酸)ウンデカン、1,12−ジ(o−ヒドロキシ安息香
酸)ドデカン、1,12−ジ(m−ヒドロキシ安息香
酸)ドデカン、1,12−ジ(p−ヒドロキシ安息香
酸)ドデカン、2,11−ジ(o−ヒドロキシ安息香
酸)ドデカン、2,11−ジ(m−ヒドロキシ安息香
酸)ドデカン、2,11−ジ(p−ヒドロキシ安息香
酸)ドデカン、1,20−ジ(o−ヒドロキシ安息香
酸)エイコサン、1,20−ジ(m−ヒドロキシ安息香
酸)エイコサン、1,20−ジ(p−ヒドロキシ安息香
酸)エイコサン、2,19−ジ(o−ヒドロキシ安息香
酸)エイコサン、2,19−ジ(m−ヒドロキシ安息香
酸)エイコサン、2,19−ジ(p−ヒドロキシ安息香
酸)エイコサンなどが挙げられる。
【0026】上記一般式[1]で表される二価フェノー
ルの使用量は、改質すべきポリカーボネート樹脂の製造
に用いる全二価フェノール成分の1〜50モル%になる
範囲から選択される。1モル%に達しない量では充分な
改質効果が得られず、50モル%を越えると得られる改
質ポリカーボネート樹脂のガラス転移点が低くなりすぎ
て実用性がなくなる。5〜30モル%なる範囲が特に好
ましい。
【0027】本発明の改質されたポリカーボネート樹脂
は通常のポリカーボネート樹脂を製造する際に用いる方
法、例えば二価フェノールとホスゲンとの反応、又は二
価フェノールとビスアリールカーボネートとのエステル
交換反応等において、所定量の前記一般式[1]の二価
フェノールを用いることにより製造するか、又は所定量
より多量の前記一般式[1]の二価フェノールを用いて
得たポリカーボネート樹脂を、前記一般式[1]の化合
物を所定量以下用いるか又は用いないで得たポリカーボ
ネート樹脂に混合することにより製造される。
【0028】カーボネート前駆物質としてホスゲンを用
いる反応では、通常酸結合剤及び溶媒の存在下に反応を
行う。酸結合剤としては例えば水酸化ナトリウムや水酸
化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、ピリジン等が用
いられる。溶媒としては例えば塩化メチレン、クロロベ
ンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反
応促進のために例えば第三級アミンや第四級アンモニウ
ム塩等の触媒を用いてもよく、分子量調節剤として例え
ばフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミ
ルフェノール、イソオクチルフェノール等の末端停止剤
を用いることが望ましい。反応温度は通常0〜40℃、
反応時間は数分〜5時間、反応中のpHは通常10以上
に保つのが好ましい。
【0029】カーボネート前駆物質としてビスアリール
カーボネートを用いるエステル交換反応では、不活性ガ
スの存在下に二価フェノールとビスアリールカーボネー
トを混合し、減圧下通常120〜350℃で反応させ
る。減圧度は段階的に変化させて最終的には1mmHg以下
にして生成したフェノール類を系外に留去させる。反応
時間は通常1〜4時間程度である。また、必要に応じて
分子量調節剤や酸化防止剤を加えてもよい。
【0030】かくして得られる改質されたポリカーボネ
ート樹脂の分子量は、特に制限する必要はないが、あま
りに低いと脆くて実用性がなくなるので、ポリマー0.
7gを塩化メチレン100mlに溶解して20℃で測定し
た比粘度が0.165以上のものが好ましい。比粘度が
0.165未満のものは単独では脆くて実用性がない
が、未変性のポリカーボネート樹脂や他の熱可塑性樹脂
にブレンドして改質剤として用いることができる。
【0031】本発明の改質されたポリカーボネート樹脂
は例えば射出成形法、圧縮成形法、押出成形法、溶液キ
ャスティング法等任意の方法で成形することができる。
なお本発明の改質ポリカーボネート樹脂には、必要に応
じて例えば熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、着色剤、
帯電防止剤、滑剤、離型剤等の添加剤、ガラス繊維、ガ
ラスビーズ、カーボン繊維、金属繊維、タルク、シリカ
等の無機充填剤を加えることができる。また、他のポリ
カーボネート樹脂又は熱可塑性樹脂をブレンドすること
もできる。
【0032】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に説明す
る。なお、実施例中の部及び%は重量部及び重量%であ
り、評価は下記の方法によった。 (1)比粘度:ポリマー0.7g を塩化メチレン100
mlに溶解し、20℃で測定した。 (2)ガラス転移温度:デュポン社製DSC 910を
用いて測定した。 (3)全光線透過率:日本電色(株)製シグマ80を用
いて測定した。 (4)アイゾット衝撃強度:JIS K−7210に準
拠して測定した(厚み1/8インチ、ノッチ付き)。 (5)溶融流動性(MFR):JIS K−7210に
準拠し、東洋精機(株)製セミオートメルトインデクサ
ーを用いて280℃、荷重2.16kgで10分間に流出
したポリマー量(g)で示した。
【0033】[実施例1]温度計、攪拌機及び滴下漏斗
付き反応器にイオン交換水458部及び48%水酸化ナ
トリウム水溶液76部を仕込み、これに9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン69.4部(反
応終了後のポリマー組成に換算し70モル%)及び1,
10−ジ(p−ヒドロキシ安息香酸)デカン35.1部
(反応終了後のポリマー組成に換算し30モル%)を溶
解した後塩化メチレン363部を加え、攪拌下18〜2
3℃でホスゲン39.2部を45分かけて吹込んだ。ホ
スゲン吹込み終了後p−tert−ブチルフェノール0.2
部を加え、乳化させた後トリエチルアミン0.03部を
加え、30℃で約30分間攪拌して反応を終了した。反
応終了後生成物を塩化メチレンで希釈して水洗した後、
塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と
殆ど同じになったところで塩化メチレンを蒸発して無色
のポリマー105.5部(収率95%)を得た。このポ
リマーの比粘度は0.346、ガラス転移温度は162
℃、全光線透過率は89%、MFRは6 g/10分であ
った。
【0034】[比較例1]実施例1の比較として、次の
ポリマーを合成した。実施例1で用いた反応器にイオン
交換水1193部及び48%水酸化ナトリウム水溶液7
4.8部を仕込み、これにハイドロサルファイト0.0
6部及び9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フル
オレン58.3部を溶解した後塩化メチレン183部を
加え、攪拌下20〜23℃でホスゲン26.1部を約6
0分かけて吹込んだ。ホスゲン吹込終了後p−tert−ブ
チルフェノール1.25部を加え、乳化させた後トリエ
チルアミン0.07部を加え、以下実施例1と同様にし
てポリマーを得た。この場合塩化メチレン不溶のポリマ
ーが生じ、塩化メチレン可溶部分の収量は36部(収率
57.5%)であった。このポリマーの比粘度は0.2
91、全光線透過率は89%、ガラス転移温度は287
℃と高く、メルトフローインデクサーでは流れずMFR
値の測定は不可能であった。
【0035】[実施例2]実施例1で用いた反応器にイ
オン交換水332部及び48%水酸化ナトリウム水溶液
69.6部を仕込み、これに1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン40.8部(反応終了後のポリマー組成に換算し70
モル%)及び1,10−ジ(p−ヒドロキシ安息香酸)
デカン23.6部(反応終了後のポリマー組成に換算し
30モル%)を溶解した後塩化メチレン156部を加
え、攪拌下18〜23℃でホスゲン22.4部を50分
かけて吹込んだ。ホスゲン吹込み終了後p−tert−ブチ
ルフェノール0.19部を加え、乳化させた後トリエチ
ルアミン0.06部を加え、以下実施例1と同様にして
ポリマー64部(収率93%)を得た。このポリマーの
比粘度は0.357、ガラス転移温度は128℃、全光
線透過率は89%、MFRは14 g/10分であった。
【0036】[比較例2]実施例2の比較として、次の
ポリマーを合成した。実施例1で用いた反応器にイオン
交換水221.3部及び48%水酸化ナトリウム水溶液
46.4部を仕込み、ハイドロサルファイト0.04部
及び1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン38.9部を溶解し
た後塩化メチレン138部を加え、攪拌下15〜20℃
でホスゲン14.9部を約45分かけて吹込んだ。ホス
ゲン吹込み終了後p−tert−ブチルフェノール0.57
部を加え、乳化させた後トリエチルアミン0.04部を
加え、以下実施例1と同様にしてポリマー37.8部
(収率90%)を得た。このポリマーの比粘度は0.3
36、全光線透過率は89%、ガラス転移温度は234
℃と高く、メルトフローインデクサーでは流れずMFR
値の測定は不可能であった。
【0037】[実施例3]実施例1で用いた反応器にイ
オン交換水554部及び48%水酸化ナトリウム水溶液
64.4部を仕込み、これに1,3−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン69.
7部(反応終了後のポリマー組成に換算し70モル%)
及び1,10−ジ(p−ヒドロキシ安息香酸)デカン3
5.5部(反応終了後のポリマー組成に換算し30モル
%)を溶解した後塩化メチレン391部を加え、攪拌下
18〜23℃でホスゲン34.1部を50分かけて吹込
んだ。ホスゲン吹込み終了後p−tert−ブチルフェノー
ル0.14部を加え、乳化させた後トリエチルアミン
0.15部を加え、以下実施例1と同様にしてポリマー
108部(収率96%)を得た。このポリマーの比粘度
は0.354、ガラス転移温度は131℃、全光線透過
率は89%、MFRは5 g/10分であった。
【0038】[比較例3]実施例3の比較として、次の
ポリマーを合成した。実施例1で用いた反応器にイオン
交換水230部及び48%水酸化ナトリウム水溶液2
6.4部を仕込み、これに1,3−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン38部及
びハイドロサルファイト0.08部を溶解した後塩化メ
チレン162部を加え、攪拌下15〜25℃でホスゲン
14.1部を約30分かけて吹込んだ。ホスゲン吹込み
終了後p−tert−ブチルフェノール0.71部及び48
%水酸化ナトリウム水溶液2.9部を加え、乳化させた
後トリエチルアミン0.08部を加え、以下実施例1と
同様にしてポリマー40部(収率98%)を得た。この
ポリマーの比粘度は0.236、ガラス転移温度は24
3℃と高く、メルトフローインデクサーでは流れずMF
R値の測定は不可能であった。
【0039】[実施例4]実施例1の1,10−ジ(p
−ヒドロキシ安息香酸)デカンの代りに1,10−ジ
(m−ヒドロキシ安息香酸)デカンを用いた以外は、実
施例1と同様にして無色のポリマー101部(収率91
%)を得た。このポリマーの比粘度は0.339、ガラ
ス転移温度は155℃、全光線透過率は89%、MFR
は8g/10分であった。
【0040】
【発明の効果】本発明の方法によって改質されたポリカ
ーボネート樹脂は、その優れた透明性や機械物性を保持
したままで溶融流動性が改善され、転写性が向上し、低
温ハイサイクル成形にも好適である。また記録媒体用基
板、電気電子用部品、光学ディスク、光学レンズ、液晶
パネル、光カード、シート、フィルム、光ファイバー、
コネクター、蒸着プラスチック反射鏡、ディスプレー、
OPCバインダー等の光学部品の構造材料や機能材料用
途に極めて好適であり、その奏する効果は格別なもので
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二価フェノールにカーボネート前駆物質
    を反応させて得られるポリカーボネート樹脂において、
    下記一般式[1] 【化1】 [但し、R1 〜R4 は夫々独立して水素原子又は炭素数
    1〜4の脂肪族基、Xは炭素原子数9〜30の分岐して
    もよい脂肪族炭化水素である。]で表わされる二価フェ
    ノールと下記一般式[2] 【化2】 [但し、R5 〜R8 は夫々独立して水素原子、ハロゲン
    原子、フェニル基又は炭素数1〜6のアルキル基若しく
    はシクロアルキル基、Wは 【化3】 (ここでR9 及びR10は夫々独立して水素原子、ハロゲ
    ン原子又は炭素数1〜3のアルキル基、R11及びR12は
    夫々独立して水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基で
    その少なくとも1つはアルキル基、nは4〜7の整数、
    R13及びR14は炭素数1〜3のアルキル基)である。]
    で表わされる二価フェノールからなり、且つ上記一般式
    [1]の二価フェノールが全二価フェノール成分の1〜
    50モル%であることを特徴とする改質ポリカーボネー
    ト樹脂。
JP8141296A 1995-06-07 1996-04-03 改質ポリカーボネート樹脂 Pending JPH0952945A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015515507A (ja) * 2012-02-28 2015-05-28 バイエル・インテレクチュアル・プロパティ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツングBayer Intellectual Property GmbH 光電子デバイスにおける使用のための低応力の光学性フィルムの製造方法
KR20210021823A (ko) * 2019-08-19 2021-03-02 주식회사 엘지화학 디올 화합물, 폴리카보네이트 및 이의 제조방법

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