JPH0952773A - 複合酸化物セラミックスの製造方法 - Google Patents

複合酸化物セラミックスの製造方法

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JPH0952773A
JPH0952773A JP7203322A JP20332295A JPH0952773A JP H0952773 A JPH0952773 A JP H0952773A JP 7203322 A JP7203322 A JP 7203322A JP 20332295 A JP20332295 A JP 20332295A JP H0952773 A JPH0952773 A JP H0952773A
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相煕 趙
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Abstract

(57)【要約】 【課題】不純物相の形成が少なく、誘電特性が優れた単
相の多成分金属酸化物セラミックスを、簡素な処理工程
と低い焼結温度によって効率的に製造することが可能な
複合酸化物セラミックスの製造方法を提供する。 【解決手段】複数の金属酸化物粉末に金属水酸化物また
は含水ゲルを配合して原料混合粉を調製する工程と、1
5以上の遠心効果を与える衝撃度で上記原料混合粉を摩
砕するメカノケミカル処理を実施して上記原料混合粉を
活性化して前駆体を形成する工程と、活性化した原料混
合粉(前駆体)を熱処理して複合酸化物セラミックスを
合成する工程とから成ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複合酸化物セラミッ
クスの製造方法に係り、特に不純物相の形成が少なく誘
電特性が優れた単相の多成分金属複合酸化物セラミック
スを、簡素な処理工程と低い焼結温度によって効率的に
製造することが可能な複合酸化物セラミックスの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子回路のIC化および電子機器の小型
化が急速に進行する状況において、単位体積当りの電気
容量が大きく電圧安定性が高い複合酸化物セラミックス
を積層したセラミックスコンデンサが、各種通信機器や
TVなどの電子回路素子として広く使用されている。
【0003】上記コンデンサを構成する複合酸化物セラ
ミックスの中でも、特に誘電性を低下させるパイロクロ
ア相などの不純物相を含有せず、Pb(Mg1/3 Nb
2/3 )O3 −PbTiO3 なる組成を有し、ペロブスカ
イト構造を有する単相の複合酸化物セラミックス(以
下、「PMN−PT」と略記する。)が注目されてい
る。
【0004】この複合酸化物セラミックス(PMN−P
T)は、従来、以下に説明するコロンバイト法または、
例えばKClを用いた溶融塩法によって一般に製造され
ていた。
【0005】コロンバイト法 (1) まず下記(1) 式のようにMgO粉末とNb2
5 粉末との混合体を1000℃以上の温度で4時間程度
仮焼してコロンバイトと称する前駆体MgNb2
6 (ニオブ酸マグネシウム)を調製する。
【数1】 (2) 次に得られたMgNb2 6 とPbOとTiO
2 とを所定比率に配合するとともに、MgOを5重量%
余分に添加して混合体とした。このMgOは、パイロク
ロア相を含まない単相のペロブスカイト相の形成を促進
する成分である。そして上記混合体をアルミナ製るつぼ
中で800℃で4時間仮焼して、下記(2)(3)式に示すよ
うにPMN−PTを調製する。
【数2】
【数3】 (3) 上記のようにして得られたPMN−PTの仮焼
体を乳鉢中で粉砕し、さらに10重量%濃度のPVA水
溶液と均一に混合し、得られた混合体を金型成形して所
定形状のペレット状成形体とし、この成形体を脱脂(bi
nder burn-out )した後、温度1200℃で約1時間焼
結して、コンデンサ用PMN−PTセラミックスが製造
される。
【0006】KClを用いた溶融塩法 (1) 所定量のPbO,MgO,Nb2 5 ,TiO
2 粉末を、アルミナ製乳鉢中で、分散媒としてのエタノ
ールとともに数10時間均一に混合した後に乾燥して混
合粉とし、この混合粉30gに対して20gのKClを
添加して均一に混合し原料混合体とする。次に原料混合
体を蓋付きアルミナ製るつぼ中で900℃で1時間加熱
し、仮焼体を調製する。 (2) 次に得られた仮焼体を沸騰した希硝酸(濃度5
0重量%)に浸漬し、添加していたKClおよび未反応
のPbOを除去した粉体とする。さらに得られた粉体に
ついて、高温の脱イオン水を使用して少くとも5回の洗
浄と濾過とを繰返して精製する。さらに精製した粉体に
PbOを添加して通常の乾式法によってPMN−PT粉
末を調製する。 (3) 得られたPMN−PT粉体に1重量%のステア
リン酸を添加して混合体とし、この混合体をステンレス
製成形型(ダイ)中に充填し、100MPaの加圧力で
1軸加圧することにより、直径10mm×厚さ1〜5m
mのペレット状成形体とする。このペレット状成形体
を、ジルコニウム酸鉛もしくは酸化鉛を含むジルコニウ
ム酸鉛とともに密閉したアルミナ製るつぼ中に配置し、
温度1000〜1300℃で15分間〜10時間程度焼
成してコンデンサ用PMN−PTセラミックスが製造さ
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記コロ
ンバイト法およびKClを用いた溶融塩法のいずれの製
法においても、原料配合工程,均一分散混合工程,反応
合成工程,精製工程,後処理工程が複雑であり、また各
工程における処理時間が長くなり、複合酸化物セラミッ
クスの製造効率が低くなる問題点があった。例えば均一
に分散した原料混合体を調製するために、アルコールを
分散媒として使用し、各原料粉をボールミル中で20〜
70時間と長時間にわたり粉砕混合処理を実施してい
た。
【0008】上記のような長時間の粉砕混合処理は、必
然的に混合容器やボールなどの粉砕媒体の摩耗粉が原料
中に混入する事態を招くこととなり、セラミックス材中
にペロブスカイト相以外の不純物相が形成される原因と
なり、最終的に誘電性などの電気的特性が大幅に低下さ
せる原因となっていた。
【0009】また長時間の粉砕混合処理を実施した場合
においても、原料粉自体の活性が低いため、焼結温度を
高く設定して合成反応度を高めたり、複合酸化物セラミ
ックスの緻密度を高める工夫がなされていた。しかしな
がら焼結温度が高いため、セラミックスの結晶粒が大き
く成長し易くなり粗大化が進むとともに結晶粒の大きさ
のばらつきが拡大し易くなり、いずれにしても、複合酸
化物セラミックスの強度特性や耐久性が低下するという
問題点があった。
【0010】さらに従来法においては仮焼・焼結温度を
高く設定する必要があったため、使用する焼結炉の耐熱
仕様を高度化する必要があった。そのため焼成設備の建
設費が増大化するとともに、設備のランニングコストが
上昇し、複合酸化物セラミックスの製造原価が高騰する
問題点もあった。
【0011】さらにKClを用いた溶融塩法において
は、複合酸化物の単相化を図るために添加したKCl塩
を処理後において完全に除去することが困難であり、こ
のKCl塩が複合酸化物中に不純物として残留するた
め、誘電特性が大幅に低下してしまう問題点があった。
【0012】またKClを用いた溶融塩法においては、
揮散性が高いPbOを原料中に含んでおり、このPbO
は高い仮焼焼結温度で蒸発するため、この揮散分を見込
んだ過剰量のPbOが予め原料混合粉中に配合されてい
る。しかしながら操作条件によって揮散量が変化するた
め、最終的に製造される複合酸化物セラミックスの化学
量論的組成を厳格に調整することが困難であった。その
結果、誘電特性が低い複合酸化物セラミックスしか得ら
れないという問題点もあった。
【0013】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたものであり、不純物相の形成が少なく、誘電特性
が優れた単相の多成分複合酸化物セラミックスを、簡素
な処理工程と低い焼結温度によって効率的に製造するこ
とが可能な複合酸化物セラミックスの製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは上記目的
を達成するために、原料混合粉自体の反応活性を高める
種々の前処理法や金属酸化物を単相化できる種々の化合
物を使用してセラミックスを実験的に合成し、その電気
的特性の良否、純度等について比較検討した。
【0015】その結果、複数の金属酸化物に金属水酸化
物または含水ゲルを配合した原料混合粉に対して、所定
の遠心効果を与える衝撃度で摩砕するメカノケミカル処
理を実施することにより短時間で原料混合粉を均一分散
できるとともに活性化した前駆体を形成することができ
た。ここで原料混合粉に機械的エネルギーを与え活性化
するための装置としては、ビーズ,ボール,リング状部
材等の衝撃媒体を使用した各種の粉砕混合装置が利用で
きる。これらの粉砕混合装置において、粉体に与える粉
砕力(衝撃力)の大きさを示す定量的な指標として衝撃
媒体の遠心効果Zを用いることが有効である。遠心効果
Zは、衝撃媒体の遠心力Fcを重力Fgで除した値であ
り、下記(4)式で現わされる。
【0016】
【数4】
【0017】上記遠心効果Zを所定値以上に設定したメ
カノケミカル処理を実施することにより、短時間で原料
混合粉を均一分散でき、活性化した前駆体を形成するこ
とが可能になった。そのため活性化して得られた原料混
合粉(「前駆体」と称する。)を低い温度で熱処理した
場合においても、均一で誘電性などの電気特性が優れた
複合酸化物セラミックスが容易に得られるという知見が
得られた。またメカノケミカル処理を実施した後におい
て、従来法と比較してはるかに低い温度での焼成操作に
よって、ほぼ原子レベルもしくは数ナノメートルの微細
な組織領域においても均一な複合酸化物セラミックスが
容易に得られることが判明した。さらに従来のように単
なる機械的混合粉砕処理した原料混合粉の場合では、不
純物相が形成され易い傾向があったが、上記方法によれ
ば単相の複合酸化物セラミックスを容易に製造できると
いう知見が得られた。本発明は上記知見に基づいて完成
されたものである。
【0018】すなわち本発明に係る複合酸化物セラミッ
クスの製造方法は、複数の金属酸化物粉末に金属水酸化
物または含水ゲルを配合して原料混合粉を調製する工程
と、15以上の遠心効果を与える衝撃度で上記原料混合
粉を摩砕するメカノケミカル処理を実施して上記原料混
合粉を活性化して前駆体を形成する工程と、活性化して
得られた前駆体を熱処理して複合酸化物セラミックスを
合成する工程とから成ることを特徴とする。また、複合
酸化物セラミックスの合成工程は、活性化して得られた
前駆体を温度400〜900℃で仮焼して仮焼体を形成
する工程と、得られた仮焼体の粉砕粉を成形後、温度1
000〜1250℃で焼結する工程とから成る。
【0019】ここで仮焼温度が400℃未満の場合にお
いては、目的とするペロブスカイト相が生成しない一
方、仮焼温度が900℃を超える場合には、複合酸化物
の結晶粒径が粗大化するとともに、大きな気孔が形成さ
れ易く、緻密な焼結体が得られにくくなる。そのため仮
焼温度は400〜900℃の範囲に設定されるが、90
%以上の割合でペロブスカイト相を得るためには、仮焼
温度は750〜900℃に設定することがより好まし
い。
【0020】また焼結温度が1000℃未満の場合にお
いては、複合酸化物の密度が低くなる一方、1250℃
を超えると成形体が溶融して所定形状の保持が困難にな
るとともに、変色などの欠陥を生じ易い。またPbOを
含む複合酸化物セラミックスでは、成分揮発が顕著にな
るため、1250℃を超える焼結温度は採用できない。
したがって、焼結温度は1000〜1250℃の範囲が
好適である。
【0021】さらにメカノケミカル処理における遠心効
果が70以上であることがさらに望ましい。またメカノ
ケミカル処理時間は1〜2時間の範囲とする。
【0022】さらに出発材料である原料混合粉の粒径を
1nm〜1000μmの範囲に設定するとよい。
【0023】ここで原料となる金属酸化物および金属水
酸化物または含水ゲルを構成する金属としては、Si,
Ti,Zr等の4価の金属元素の少くとも1種と、M
g,Ca,Sr,Pb等の2価の金属元素、Al,L
a,Y等の3価の金属元素およびNbなどの5価の金属
元素から選択される少くとも1種とから成ることを特徴
とする。また上記のような2価〜4価の金属元素の3種
類以上を組み合せて複合金属酸化物セラミックスの構成
材料としてもよい。上記金属の酸化物および水酸化物は
ペロブスカイト構造(A2+4+3 )の複合酸化物セラ
ミックス(固溶体)の構成材料となる。
【0024】OH基を有する金属水酸化物および水和物
を有する含水ゲルは、原料混合粉の活性(反応性)を高
めると同時に純粋なペロブスカイト相を形成する成分と
して有効である。上記金属水酸化物としては、特にMg
(OH)2 が有効である。また含水ゲルとしては、特に
非結晶質TiO2 ・H2 Oが有効である。なお従来製法
においては、各種金属酸化物のみから成る原料混合粉を
出発材料として使用していたが、パイロクロア相などの
不純物相が形成され易く、複合酸化物セラミックスの誘
電性が低下し易くなる欠点があった。しかるに本願発明
方法のように、金属水酸化物または含水ゲルを原料混合
粉中に含有させることにより、原料混合粉の活性が高ま
り、単相のペロブスカイト相のみから成る複合酸化物セ
ラミックスが効率的に得られる。
【0025】上記原料混合粉を構成する金属酸化物,金
属水酸化物および含水ゲルとしては、結晶性のものや非
晶質のもののいずれを使用してもよい。また原料混合粉
の反応性を高め、かつ微細組織を有する複合酸化物セラ
ミックスを得るために、原料混合粉の粒径は1nm〜1
000μmの範囲のものを使用するとよい。粒径が1n
m未満の原料粉末では取扱い性に難点がある一方、粒径
が1000μmを超える粗大な原料粉末では、後述する
メカノケミカル処理を実施しても、原料混合粉の活性を
高めることが困難であるとともに、複合酸化物セラミッ
クスの組織が粗大化し、十分な強度および誘電特性が得
られない。
【0026】原料混合粉を調製する工程において、上記
金属酸化物および金属水酸化物または含水ゲルは、最終
的に目標とする複合酸化物セラミックスの化学量論的組
成となるように秤量後、均一に配合される。なお、3種
以上の金属元素を含む複合酸化物セラミックスの場合で
も、化学量論的組成の維持が可能で、揮発分を見込んで
過剰量のPbO等を予め原料混合粉中に配合しておく必
要はない。
【0027】次に上記のように各種酸化物等を配合して
調製した原料混合粉を均一に分散させるとともにその反
応活性を高める目的でメカノケミカル処理を実施する。
このメカノケミカル処理は、原料混合粉に対して所定値
以上の遠心効果を与える衝撃力で原料混合粉を混合摩砕
して活性な前駆体を形成する処理であり、上記衝撃力に
よって各原料混合粉の表面部の結晶構造や結晶配置に歪
みや傷を与えることにより、原料混合粉表面部の反応活
性を高める効果がある。
【0028】上記メカノケミカル処理を実施するための
摩砕装置としては、振動ボールミル,遊星ボールミルな
どを採用することが考えられる。これらの摩砕装置で
は、遠心効果が比較的に小さいために、例えば1時間程
度の短時間の処理によって原料混合粉に十分な反応活性
を付与することが困難であるが、2時間〜数時間処理す
ることによって原料混合粉に反応活性を付与することが
できる。また原料混合粉に短時間で繰り返して衝撃力を
付与することができる各種衝撃粉砕機や粉体の表面改質
装置も採用することができる。。
【0029】上記メカノケミカル処理において原料混合
粉に付与する遠心効果は少くとも15であることが必要
である。遠心効果が15未満の場合においては、原料混
合粉に与える衝撃力が不十分であり、短時間で粒子表面
の結晶構造に歪みを生成させて反応活性を高めることが
困難となる。従って原料混合粉の反応活性を短時間で高
めるとともに均一な原料混合粉を調製するためには遠心
効果が15以上、好ましくは70以上、さらに好ましく
は150以上となるような衝撃力を与えうる摩砕装置を
使用することが必要である。
【0030】そこで本願発明方法においては、メカノケ
ミカル処理を行う摩砕装置として、図1および図2に示
すような超微粉砕機(マルチリング型ミル)を使用して
いる。この超微粉砕機は、反応活性を高められる衝撃力
および摩擦を粉体粒子に与え、短時間で効率良く混合粉
砕・摩砕を行うことが可能な装置であり、円筒状の容器
(ケーシング)1と、その容器内で回転する主軸(メイ
ンシャフト)4と、主軸4の回転と連動して公転する複
数本の副軸(サブシャフト)6とから構成され、各副軸
6にはそれぞれ多数のリング状部材9が粉砕媒体として
装着されている。この粉砕媒体としてのリング状部材9
の大きさは、処理装置の型式(大きさ)によって異なる
が、外径が25〜45mmで厚さが数mm程度であり、
また、その材質は処理対象物の物性により異なるが、ス
テンレス鋼,アルミナやジルコニアなどのセラミックス
材,WCなどの超硬材などから形成されている。
【0031】上記容器1は縦方向に中心軸を有する内周
面2を有し、処理室となる容器1内には回転機構3が装
備されている。この回転機構3は、容器1と中心軸を同
一にする主軸4と、この主軸4の長手方向に一定の間隔
をおいて固定された一対の押え板5,5′と、主軸4と
平行かつ等距離に位置するように各押え板5,5′に固
定された副軸6とから成る。
【0032】上記押え板5,5′は、副軸6の本数と同
数の腕を放射状に突出させた形状としている。この押え
板5,5′の形状を単なる円盤状ではなく、各腕と腕と
の間に隙間を有する形状とすることにより、容器1内に
投入された被処理物の対流(混合)度合が向上するとと
もに、上部の押え板5上にデッドストックとして堆積す
る被処理物量を極力低減することが可能となる。
【0033】上記副軸6は、長尺ボルト状の部材であ
り、両押え板5,5′の腕状部先端に設けられた貫通孔
に各端部が挿通され、ナット7によって締着固定されて
いる。また主軸4の上端部は、図示しないモーター等の
駆動源に直接連結されたり、またはプーリーを付設しV
ベルトを介して駆動源の回転力を主軸4に伝達するよう
に構成される。
【0034】図2に示すように、各副軸6には、わずか
の間隙をおいて円筒状のカラー8が嵌合されており、さ
らに各カラー8に複数個のリング状部材9が回転自在に
装着されている。図2に示すように各リング状部材9の
内径はカラー8の外径よりも充分に大きく、リング状部
材9は、その外周面が容器1の内周面2に当接したとき
に、リング状部材9の内周面とカラー8の外周面との間
に充分な間隙を有する構造である。
【0035】またリング状部材9は両押え板5,5′間
に隙間なく密に積層するのではなく、リング状部材9の
積層上端面と押え板5の下面との間に、リング状部材9
の2〜3枚相当の厚さの間隙を形成するように積層され
る。この積層構造により、各リング状部材9は、それぞ
れカラー8の周りを自在に回動することができる。
【0036】上記リング状部材9は、平行な上下面を有
する円筒状に形成され、上下面および外周面が平滑な、
いわゆるワッシャー形状に形成される。また必要に応じ
て粉体材料への食い込み現象を促進するために、外周面
を曲面状に形成してもよい。
【0037】また下側の押え板5′の下部および上側の
押え板5の上部に位置する主軸4には、容器1内に投入
された被処理物を撹拌するための撹拌羽根10,10′
がそれぞれ放射状に配設される。
【0038】容器1上端のフランジ部13には、貫通孔
を有する上蓋11がパッキン12を介装した状態でボル
トナット等の締着部材によって固定されている。上蓋1
1の貫通孔には主軸4が挿通されており、主軸4の軸封
を行うためのオイルシール14と、このオイルシール1
4を内設するためのオイルシールホルダー15とが貫通
孔に付設されている。また摩砕粉砕処理を実施した場合
における被処理物の温度上昇を防止するために、容器1
の側面をジャケット構造16とし、このジャケット16
に冷媒の供給口17および排出口18を設け、このジャ
ケット16内に各種冷媒を連続的に供給することによ
り、容器1内に投入された被処理物を冷却できるように
構成されている。
【0039】上記構成の摩砕装置(超微粉砕機)におい
ては、副軸6の外径とリング状部材9の内径との間に数
mmのギャップが形成されており、リング状部材9は個
々に独立して自由に回動できるように構成されている。
この粉砕媒体としての働きを有するリング状部材9は、
主軸4の回転に伴って発生する遠心力によって上記ギャ
ップ相当分だけ半径方向に移動し、容器内周面2に押圧
されながら容器1内を周回する。このとき図2に示すよ
うに、内周面2との摩擦等により、リング状部材9自身
も副軸6を中心にして回転する。すなわちリング状部材
9は公転と自転とを繰り返しながら容器1内を運動す
る。
【0040】そして容器1内に、粉砕部有効容積の10
〜80%に相当する原料混合粉を充填し、主軸4を回転
させてメカノケミカル処理を実施すると、原料混合粉
は、回転するリング状部材9と内周面2との間に挾ま
れ、リング状部材9によってもたらされる遠心効果に相
当する衝撃力(圧縮力)とリング状部材9自身の回転に
よる摩砕作用を受け、粉砕および分散が実行されると同
時に、混合粉の粒子表面部の結晶構造に歪みが付与さ
れ、原料混合粉表面部の反応活性が高められ、前駆体が
形成される。なお原料混合粉に作用させる遠心効果は、
主軸4の回転数を増減して調整される。
【0041】上記のようにメカノケミカル処理によって
活性化して得られた原料混合粉(前駆体)を、以下に示
す手順で熱処理して複合酸化物セラミックスを合成す
る。まず活性化した原料混合粉(前駆体)を温度400
〜900℃で2〜8時間仮焼して仮焼体を形成する。こ
の仮焼工程において固相反応が進行し、出発原料が相互
に固溶してペロブスカイト型酸化物が生成する。
【0042】しかしながら仮焼して生成したペロブスカ
イト型酸化物は、多くの粒子が粗大に凝固した状態にな
っており、空孔や仮焼ムラも生じているため、このまま
の状態では強度および誘電特性も不十分である。そこで
仮焼体を粉砕し、仮焼ムラと粒度のばらつきとを解消し
ておくことが必要である。
【0043】次に粉砕機にバインダとしてのポリビニル
アルコール(PVA)水溶液を添加して造粒粉を形成
し、得られた造粒粉を成形型に充填して加圧し、所定形
状の成形体とする。次に得られた成形体を空気中で40
0〜500℃に加熱してバインダ成分を除去して脱脂体
とした後に、この脱脂体と、雰囲気調整用の PbZrO3
体とともに加熱炉に収容し、昇温速度3〜6℃/min
で加熱し、温度1000〜1250℃で0.5〜2時間
保持して焼成する。
【0044】この焼成工程により、緻密で組成のばらつ
きや空孔が少なく、微細な結晶組織を有する複合酸化物
セラミックスが調製される。また雰囲気調整用の PbZrO
3 とともに焼成し、焼成時の雰囲気をPbOとしている
ため、複合酸化物セラミックスの構成原料であるPbO
の焼成時における揮散蒸発が効果的に抑制される。従っ
て目標とする化学量論的組成からのずれが少ない複合酸
化物セラミックスが得られる。このように、3種以上の
金属元素を含む複合酸化物セラミックスの場合でも、化
学量論的組成の維持が可能で、揮発分を見込んで過剰量
のPbO等を予め原料混合粉中に配合しておく必要はな
い。
【0045】本発明に係る複合酸化物セラミックスの製
造方法によれば、出発材料である原料混合粉に対して、
少くとも15の遠心効果を与える衝撃度で摩砕するメカ
ノケミカル処理を実施しているため、短時間で原料混合
粉を均一分散できるとともに反応活性を大幅に高めるこ
とができる。そして原料混合粉が活性化されているた
め、低い温度で熱処理した場合においても、反応速度が
高まり、単相化が促進される結果、不純物相の形成が少
ない単相のペロブスカイト構造の複合酸化物セラミック
スを効率的に製造することが可能になる。
【0046】また従来の単なる機械的混合粉砕処理で
は、均一分散した原料混合粉を得るためには数10時間
の混合粉砕処理が必要であったが、特に70以上の遠心
効果を与えるメカノケミカル処理を実施することによ
り、1〜2時間の短い時間で原料混合粉の均一分散と活
性化による前駆体の生成とが可能になった。
【0047】さらに、上記のように処理時間が短いた
め、原料混合粉中に混入する不純物量が少なく高純度の
複合酸化物セラミックスが得られる。また空孔が少なく
均質で微細組織を有し、この微細組織が高純度の単相の
ペロブスカイト相から形成されているため、誘電率など
の電気特性が大幅に向上する。
【0048】また活性化して得られた前駆体を使用する
ことにより、従来法と比較して焼結操作を低温度で実施
できるため、焼結時における結晶粒成長が効果的に抑制
され、微細な結晶粒子のみから成る微細組織が得られ
る。従って複合酸化物セラミックスの材料強度が高ま
り、耐久性および構造強度が優れたセラミックス材料が
得られる。
【0049】さらに仮焼・焼結温度を低く設定できるた
め、焼成炉等の設備の耐熱仕様を高度化する必要がな
く、建設費が安価な焼成設備を使用することができると
ともに、設備のランニングコストも低減することがで
き、複合酸化物セラミックスの製造コストを抑制するこ
とができる。
【0050】また均一分散化処理,メカノケミカル処
理,仮焼・焼成処理など各工程が簡素化され、かつ処理
時間が短縮されるため、複合酸化物セラミックスの製造
効率を大幅に高めることができる。
【0051】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について、
以下の実施例および図面を参照して、より具体的に説明
する。
【0052】実施例1〜6 0.9Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −0.1PbTi
3 なる化学量論組成を有する複合酸化物セラミックス
の原料粉末として、下記表1に示す分析試薬級の純度を
有する金属酸化物粉末および金属水酸化物粉末を用意し
た。
【0053】
【表1】
【0054】次に上記各原料粉末を、前記化学量論組成
を形成するように、下記表2に示すモル比および重量比
で秤量し、めのう乳鉢中でシクロヘキサンを分散溶媒と
して5分間物理混合した。しかる後に混合物を温度50
℃で乾燥することにより、溶媒を除去し、実施例用の原
料混合粉を調製した。
【0055】
【表2】
【0056】次に上記のように調製した原料混合粉に対
して、図1および図2に示す超微粉砕機(マルチリング
型ミル)を摩砕装置として使用し、メカノケミカル処理
を実施し前駆体を調製した。使用した超微粉砕機の仕様
および運転条件は下記の通りである。
【0057】・超微粉砕機((株)奈良機械製作所製,
MICROS−O型) ・容器全容積:0.74リットル ・粉砕部有効容積:0.45リットル ・容器内径:87mm ・粉砕量:100g ・主軸回転数:1850rpm ・リング状部材周速度:8.4m/sec ・粉砕時間:60min ・遠心効果:180 上記メカノケミカル処理により、原料混合粉の反応活性
を高めるとともに均一に分散混合した原料混合粉(前駆
体)とした。
【0058】次に上記活性化して得られた前駆体を30
gずつ蓋付きアルミナ製るつぼに分取し、電気炉(山田
電機(株)製高温高速焼成炉:MSF.1530.R.
P)を使用して、昇温速度10℃/minで850℃ま
で昇温して4時間保持して仮焼体を調製した。
【0059】次に各仮焼体を、めのう乳鉢中で軽く粉砕
処理して仮焼むらおよび粒度のばらつきを解消した後
に、粉砕粉に5重量%のポリビニルアルコール(PV
A)水溶液をバインダとして添加して造粒粉とした。こ
の造粒粉を、直径12mmの成形型(ダイス)を有する
成形装置(森試験機製作所(株)製MAC−50型圧縮
試験機)に充填し、250MPaの単軸方向圧力で2分
間加圧成形を行って、直径12mm,重さ1.24gの
ペレット状の成形体を多数調製した。
【0060】次に得られたペレット状の各成形体を空気
中で500℃に加熱して4時間保持する脱脂処理を行っ
てバインダー成分を除去した脱脂体とした。
【0061】次に、図3に示すように、得られた脱脂体
20と雰囲気調整用のPbZrO3粉末21と交互に積
層し、2枚のマグネシア板22とマグネシア製るつぼ2
3とアルミナ製るつぼ24とから形成した二重構造の焼
成用容器中にPt板25を介して上記積層体を配置し
た。そしてPbZrO3 粉末21を挾み込んだ積層体を
配置した焼成用容器を前記電気炉中に収容した状態で、
下記温度条件で焼成を実施した。すなわち昇温速度は5
℃/minに設定し、焼成温度をそれぞれ1000℃
(実施例1),1050℃(実施例2),1100℃
(実施例3),1150℃(実施例4),1200℃
(実施例5),および1250℃(実施例6)に設定
し、焼成温度における保持時間を2時間とする条件で焼
結することにより、それぞれ実施例1〜6に係る複合酸
化物セラミックスを製造した。
【0062】上記のようにPbZrO3 粉末21を挾み
込んだ状態で密閉された焼成用容器内で焼結しているた
め、高温焼成時におけるPbOの揮散蒸発が効果的に抑
制され、ほぼ目標とする化学量論組成通りの複合酸化物
セラミックス焼結体が得られた。
【0063】比較例1〜6 一方、メカノケミカル処理を実施しない原料混合粉を使
用した点以外は、実施例1〜6と同一条件で原料混合,
仮焼,成形,脱脂,焼結処理を行って、それぞれ比較例
1〜6に係る複合酸化物セラミックス焼結体を調製し
た。
【0064】実施例7および比較例7 またペロブスカイト相生成量の仮焼温度依存性および仮
焼時間依存性を調査するために、実施例1でメカノケミ
カル処理を行って調製した原料混合粉と、比較例1でメ
カノケミカル処理を実施しない原料混合粉とを使用し、
表3に示すように仮焼温度および時間をそれぞれ750
〜900℃,2〜8時間の範囲で変えて仮焼することに
より、それぞれ実施例7および比較例7に係る仮焼体を
調製した。
【0065】評 価 上記のように調製した実施例7および比較例7に係る各
仮焼体について、Cu−Kα線を用いた粉末X線回析法
(XRD)を使用して相分析(相の同定)を行った。使
用したX線回析装置((株)理学電機製RAD−C型)
の測定条件は下記の通りである。
【0066】ターゲット:Cu フィルター:モノクロメータ 電圧:40kV 電流:60mA 走査速度:5度/min 散乱スリット:1度 発散スリット:0.3度 受信スリット:1度 上記XRDによる相分析は、パイロクロア相からの回析
X線強度の最大値I(2 22)pyrochlore と、ペロブスカイ
ト相からの回析X線強度の最大値I(110)perov skite
を測定し、下記(5)式に従ってペロブスカイト相の相
対的な割合を算出する方式で実施した。
【0067】
【数5】
【0068】上記相分析の結果を下記表3に示す。
【0069】
【表3】
【0070】上記表3に示す結果から明らかなように、
メカノケミカル処理を実施した原料混合粉(前駆体)を
使用して形成した実施例7の仮焼体においては、仮焼温
度の増加に伴ってペロブスカイト相の割合が増加し、特
に850℃で4時間以上加熱することにより、単相の複
合酸化物セラミックスが得られることが判明した。
【0071】一方、メカノケミカル処理を実施しない原
料混合粉(前駆体)を使用した比較例7の場合では、9
00℃の高温度で2時間加熱した場合においても、生成
したペロブスカイト相はわずかに38%であり、残る6
0%以上がパイロクロア相であり、不純物相が多い状態
であった。従ってメカノケミカル処理は仮焼体の単相化
に極めて有効であることが確認できた。
【0072】また前記のように調製した実施例1〜6お
よび比較例1〜6に係る複合酸化物セラミックスについ
ても同様にX線回析法を使用して相分析を実施した。図
5および図6は、それぞれ上記実施例1〜6および比較
例1〜6のセラミックス焼結体をX線回析した場合にお
ける回析X線強度(CPS)のピーク値を示すグラフで
ある。
【0073】図5に示す結果から明らかなように、メカ
ノケミカル処理を実施して活性化して得られた前駆体を
850℃で4時間仮焼し、さらに成形・焼結して形成し
た実施例1〜6に係るセラミックスは、低温度域を含
む、1000〜1250℃という焼結温度範囲において
全て単相のペロブスカイト構造体から成ることが判明し
た。
【0074】これに対して図6に示す結果から明らかな
ように、メカノケミカル処理を実施しない原料混合粉を
使用して形成した比較例1〜6に係るセラミックスは、
仮焼条件を同一に設定した場合においても、不純物相で
あるパイロクロア相が形成され易い。すなわち、焼結温
度の上昇に伴ってペロブスカイト相の割合が増加する傾
向があるが、1250℃という高温度で焼結した場合に
初めて、ペロブスカイト相のみから成る単相のセラミッ
クスが得られている。これらの事実からメカノケミカル
処理は、焼結時において単相のペロブスカイト構造体を
形成する反応を促進する効果を有することが実証され
た。またメカノケミカル処理を実施することにより、単
相のペロブスカイト構造体を形成するために必要な焼結
温度を従来より少くとも250℃程度引き下げることが
可能となる。
【0075】図7は、実施例1〜6および比較例1〜6
に係るセラミックスの理論密度に対する測定密度の百分
率(相対密度,密度比)と焼結温度との関係を示すグラ
フである。メカノケミカル処理を実施した原料混合粉を
使用して形成された実施例1〜6のセラミックスにおい
ては、焼結温度が1000℃から1050℃に上昇する
と、相対密度が91%から95%まで上昇するが、以降
の1250℃までの焼結温度範囲において全て95%程
度の高い値を有する。一方、メカノケミカル処理を実施
しない比較例1〜6のセラミックスにおいては、焼結温
度の上昇とともに密度比が上昇する傾向は観察される
が、反応活性が乏しいため緻密化の進行が不十分であ
り、全般的に83%以下の低い密度比しか得られていな
い。
【0076】従ってメカノケミカル処理を実施すること
により、気孔の発生が少なく高密度で、かつ均質で微細
なセラミックス結晶組織が得られるため、従来品と比較
して強度および誘電性を大幅に改善できる。
【0077】次に各実施例および比較例において、調製
したセラミックスの誘電特性を測定評価するために、上
記セラミックスを誘電体として使用した図4に示すよう
なコンデンサ試料を調製した。すなわち実施例1〜6お
よび比較例1〜6において調製したペレット状の複合酸
化物セラミックス焼結体を、厚さ1mmまで研磨して誘
電体30とし、この誘電体30の両面に銀ペースト(A
−2735,エヌ・イーケムキャット(株)製)31を
塗布するとともに、線径0.1mm,長さ2cmの銀線
(401385,ニラコ(株)製)32を銀ペースト上
に圧着し、温度550℃で20分間加熱処理することに
より、銀ペースト31を硬化せしめ、リードワイヤと銀
電極と誘電体30とを一体化したコンデンサ試料をそれ
ぞれ調製した。
【0078】各コンデンサ試料について、誘電特性は、
4端子対ACインピーダンス測定法によって測定した。
各誘電体の誘電率および誘電損失はベクトルインピーダ
ンスアナライザー(YHP社製,4192A型)を用い
て、−35℃から+120℃の温度範囲において、1,
10,100,500KHzおよび1MHzの5点の周
波数域で測定した。
【0079】図8は実施例1〜6および比較例1〜6に
係る複合酸化物セラミックスの1KHzにおける最大誘
電率(Kmax )と焼結温度との関係を示すグラフであ
る。図8から明らかなように、実施例および比較例とも
に焼結温度の上昇に伴って最大誘電率(Kmax )が増加
する傾向がある。しかしながらメカノケミカル処理を実
施していない原料混合粉を使用して形成した比較例1〜
5のセラミックスでは、1000〜1200℃の焼結温
度範囲では、Kmax 値がほとんど増加せず、1250℃
と高温度で焼結した比較例6の場合に急激にKmax の上
昇が観察された。このKmax が急上昇する原因として
は、図5および図6に示すXRDピークの比較から、セ
ラミックス中の不純物相であるパイロクロア相が完全に
除去され、単相のペロブスカイト相が形成されたことに
起因すると考えられる。
【0080】これに対してメカノケミカル処理を実施し
た前駆体を使用して形成された実施例1〜6に係るセラ
ミックスにおいては、低い焼結温度においても高い誘電
率が得られ、特に1000℃程度の低い焼結温度から、
さらに温度が増加するに伴って、Kmax の値がほぼ1次
的に増加し、1250℃の焼結温度においてKmax 値は
27200という高い値を示した。このようなKmax
増大化する主要因としては、焼結温度の上昇に伴って結
晶粒子が粗大化するためと推測される。なお、焼結温度
と焼結時間とを比較した場合、焼結温度の方が、結晶粒
子の粒成長により大きな影響を及ぼすことが確認されて
いる。
【0081】いずれにしてもメカノケミカル処理を実施
しない比較例の場合には1000〜1250℃の焼結温
度範囲においてKmax が数百から10000程度である
反面、メカノケミカル処理を実施した実施例の場合に
は、低い焼結温度領域から数万程度の高いKmax 値が得
られ、メカノケミカル処理が誘電特性を改善する上で極
めて有効であることが判明した。
【0082】図9は、各実施例および比較例に係るセラ
ミックスの焼結温度と転移温度(キュリー温度)Tcと
の関係を示すグラフである。図9から明らかなように、
メカノケミカル処理を実施した実施例1〜6において
は、焼結温度が増加しても転移温度Tcの減少はわずか
である。一方、メカノケミカル処理を実施しない比較例
1〜6においては、焼結温度の上昇によって転移温度T
cが急激に減少する。また焼結温度の上昇に伴って結晶
粒子の粒成長が顕著になり、Kmax 値が増大化する一方
で転移温度Tcは減少する。
【0083】転移温度Tcは、複合酸化物セラミックス
の組成によって変化する要素である。実施例に係るセラ
ミックスでは、仮焼体におけるペロブスカイト相の割合
が100%であるので、焼結温度が変化しても転移温度
はほとんど変化しない。一方、比較例に係るセラミック
スは、仮焼体におけるペロブスカイト相の割合が低いた
め、焼結温度が高くなるにつれてペロブスカイト相の割
合が増加し、それに伴って転移温度が下がる傾向があ
る。このように、メカノケミカル処理を実施することに
より、得られるセラミックスの転移温度を安定化させる
ことができる。また、上述したように、実施例に係るセ
ラミックスは、仮焼体においてもペロブスカイト相の割
合が十分に高いので、焼結時の結晶粒子の粒成長は均一
である。一方、比較例に係るセラミックスの場合では、
ペロブスカイト相の割合が低いので、焼結時にパイロク
ロア相の部分は、まずペロブスカイト相に変化してから
結晶粒子の粒成長が始まるので、結晶粒子の大きさは不
均一となる欠点がある。
【0084】図10は、メカノケミカル処理を実施した
原料混合粉(前駆体)を使用して形成した実施例5(焼
結条件:1200℃−2Hr)に係る複合酸化物セラミ
ックスの誘電率および誘電損失と温度との関係につい
て、周波数をパラメータとして示したグラフである。ま
た図11は、メカノケミカル処理を実施しない原料混合
粉を使用して形成した比較例5(焼結条件:1200℃
−2Hr)に係る複合酸化物セラミックスの誘電率およ
び誘電損失と温度との関係について、周波数をパラメー
タとして示したグラフである。
【0085】図10から明らかなように、メカノケミカ
ル処理を実施して形成した実施例5に係るセラミックス
においては、いずれも最大誘電率を与える転移温度が、
周波数の増加に伴って高温側にシフトするという典型的
な挙動、いわゆる強誘電性緩和剤の特性(リラクサー
(relaxor )強誘電体挙動)を呈する。
【0086】これに対して、図11から明らかなよう
に、メカノケミカル処理を実施しない比較例5に係るセ
ラミックスにおいては、上記のようなリラクサー強誘電
体挙動は全く観察されなかった。なお、他の実施例およ
び比較例についても同様な傾向が確認された。このよう
にメカノケミカル処理を施すことにより、誘電率の温度
変化は小さくなり安定化する効果が発揮される。
【0087】また表1に示すように、各実施例において
使用した水酸化マグネシウムは、純度が95.4%と低
いものであったが、最終製品としての複合酸化物セラミ
ックスの特性は前記の通り良好であった。
【0088】次に従来の技術の欄で説明した従来の製造
プロセスで代表的なコロンバイト法,KCl溶融塩法お
よび本願の実施例5に示す製造方法に基づいて製造され
た0.9Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 −0.1PbT
iO3 なる化学量論組成を有する複合酸化物セラミック
スの製造条件および誘電特性等について文献から引用し
てまとめた結果を下記表4に示す。
【0089】なおコロンバイト法による製造プロセス等
については、下記文献1から引用した。またKCl溶融
塩法による製造プロセス等については、下記文献2から
引用した。
【0090】文献1:S.L.Swartz et al, J.Am.Ceram.S
oc., 67[5] 311-315 (1984) 文献2:Katayama et al, J.European Ceramic Soc., 5
(1989) 183[9]
【0091】
【表4】
【0092】上記表4に示す結果から明らかなように、
各製造プロセスにおいて、仮焼条件および焼結条件はほ
ぼ同等となっているが、メカノケミカル処理を併用する
本願実施例5の製造方法によって作製されたセラミック
スにおいては、コロンバイト法に準拠して製造されたセ
ラミックスと比較して、最大誘電率が10%以上増加し
ており、誘電特性が優れたセラミックスを提供できる。
また仮焼条件および焼結条件を考慮しても、本実施例の
製法は製造工程の簡素な点は顕著であり、他の2つの製
造方法よりも優れている。
【0093】以上の実施例で説明したように、初期の原
料混合粉の段階でメカノケミカル処理を実施して前駆体
を得ておくことにより、原料混合粉の活性が高まる。そ
のため原料混合粉(前駆体)の熱処理段階においてペロ
ブスカイト固溶体を合成する反応速度が加速される。ま
た本実施例のように、メカノケミカル処理を付加した固
相反応法に従って調製されたセラミックスの誘電率は、
既存の他の製造プロセスによって調製されたセラミック
スと比較して大幅に改善される。
【0094】
【発明の効果】以上説明の通り本発明に係る複合酸化物
セラミックスの製造方法によれば、出発材料である原料
混合粉に対して、少くとも15の遠心効果を与える衝撃
度で摩砕するメカノケミカル処理を実施しているため、
短時間で原料混合粉を均一分散できるとともに反応活性
を大幅に高めることができる。そして原料混合粉が活性
化されているため、低い温度で熱処理した場合において
も、反応速度が高まり、単相化が促進される結果、不純
物相の形成が少ない単相のペロブスカイト構造の複合酸
化物セラミックスを効率的に製造することが可能にな
る。
【0095】また従来の単なる機械的混合粉砕処理で
は、均一分散した原料混合粉(前駆体)を得るためには
数10時間の混合粉砕処理が必要であったが、特に70
以上の遠心効果を与えるメカノケミカル処理を実施する
ことにより、1〜2時間の短い時間で原料混合粉の均一
分散と活性化とが可能になった。
【0096】また原料混合粉にOH基を有する金属水酸
化物、水和物を有する含水ゲルを少なくとも1種以上含
有させることによりソフトメカノケミカル効果によって
反応速度が高められ、かつ低い温度で反応させることが
できた。
【0097】さらに3種以上の金属元素を含む複合酸化
物セラミックスの場合でも、化学量論的組成の維持が可
能であり、揮発分を見込んで過剰量のPbO等を予め原
料混合粉中に配合しておく必要はなく、組成変動が少な
い複合酸化物セラミックスが得られた。
【0098】さらに、上記のように処理時間が短いた
め、原料混合粉中に混入する不純物量が少なく高純度の
複合酸化物セラミックスが得られる。また空孔が少なく
均質で微細組織を有し、この微細組織が高純度の単相の
ペロブスカイト相から形成されているため、誘電率など
の電気特性が大幅に向上するとともに、温度変化に伴う
それらの特性の安定性が改善される。
【0099】また活性化した前駆体を使用することによ
り、従来法と比較して焼結操作を低温度で実施できるた
め、焼結時における結晶粒成長が効果的に抑制され、微
細な結晶粒子のみから成る微細組織が得られる。従って
複合酸化物セラミックスの材料強度が高まり、耐久性お
よび構造強度が優れたセラミックス材料が得られる。
【0100】さらに仮焼・焼結温度を低く設定できるた
め、焼成炉等の設備の耐熱仕様を高度化する必要がな
く、建設費が安価な焼成設備を使用することができると
ともに、設備のランニングコストも低減することがで
き、複合酸化物セラミックスの製造コストを抑制するこ
とができる。
【0101】また均一分散化処理,メカノケミカル処
理,仮焼・焼成処理など各工程が簡素化され、かつ処理
時間が短縮されるため、複合酸化物セラミックスの製造
効率を大幅に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法で使用する摩砕装置の構成を示す断
面図。
【図2】図1におけるII−II矢視断面図。
【図3】脱脂体の焼成方法を示す断面図。
【図4】複合酸化物セラミックスを誘電体として用いた
コンデンサ試料の断面図。
【図5】実施例1〜6に係るセラミックスをX線回析し
た場合の回析X線強度を示すグラフ。
【図6】比較例1〜6に係るセラミックスをX線回析し
た場合の回析X線強度を示すグラフ。
【図7】各実施例および比較例に係るセラミックスの密
度比と焼結温度との関係を示すグラフ。
【図8】各実施例および比較例に係るセラミックスの最
大誘電率と焼結温度との関係を示すグラフ。
【図9】各実施例および比較例に係るセラミックスの焼
結温度と転移温度との関係を示すグラフ。
【図10】実施例5のセラミックスの誘電率および誘電
損失と温度との関係を示すグラフ。
【図11】比較例5のセラミックスの誘電率および誘電
損失と温度との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 容器(ケーシング) 2 内周面 3 回転機構 4 主軸(メインシャフト) 5,5′ 押え板 6 副軸(サブシャフト) 7 ナット 8 カラー 9 リング状部材 10,10′ 撹拌羽根 11 上蓋 12 パッキン 13 フランジ部 14 オイルシール 15 オイルシールホルダ 16 ジャケット 17 冷媒の供給口 18 冷媒の排出口 20 脱脂体 21 PbZrO3 粉末 22 マグネシア板 23 マグネシア製るつぼ 24 アルミナ製るつぼ 25 Pt板 30 誘電体(複合酸化物セラミックス) 31 銀ペースト(電極) 32 銀線

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の金属酸化物粉末に金属水酸化物ま
    たは含水ゲルを配合して原料混合粉を調製する工程と、
    15以上の遠心効果を与える衝撃度で上記原料混合粉を
    摩砕するメカノケミカル処理を実施して上記原料混合粉
    を活性化して前駆体を形成する工程と、活性化して得ら
    れた前駆体を熱処理して複合酸化物セラミックスを合成
    する工程とから成ることを特徴とする複合酸化物セラミ
    ックスの製造方法。
  2. 【請求項2】 複合酸化物セラミックスの合成工程は、
    活性化して得られた前駆体を温度400〜900℃で仮
    焼して仮焼体を形成する工程と、得られた仮焼体の粉砕
    粉を成形後、温度1000〜1250℃で焼結する工程
    とから成ることを特徴とする請求項1記載の複合酸化物
    セラミックスの製造方法。
  3. 【請求項3】 メカノケミカル処理における遠心効果が
    70以上であることを特徴とする請求項1記載の複合酸
    化物セラミックスの製造方法。
  4. 【請求項4】 メカノケミカル処理時間が1〜2時間で
    あることを特徴とする請求項1記載の複合酸化物セラミ
    ックスの製造方法。
  5. 【請求項5】 金属酸化物および金属水酸化物を構成す
    る金属が、シリコン,チタンおよびジルコニウム等の4
    価の金属元素から選択された少なくとも1種の元素と、
    マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,鉛等の2
    価の金属元素、アルミニウム,ランタン,イットリウム
    等の3価の金属元素およびニオブ等の5価の金属元素か
    ら選択された少くとも1種の元素とから成ることを特徴
    とする請求項1記載の複合酸化物セラミックスの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 金属酸化物および金属水酸化物を構成す
    る金属が、シリコン,チタン,ジルコニウム等の4価の
    金属元素、マグネシウム,カルシウム,ストロンチウ
    ム,鉛等の2価の金属元素、アルミニウム,ランタン,
    イットリウム等の3価の金属元素およびニオブ等の5価
    の金属元素から選択された3種類以上の金属元素から成
    ることを特徴とする請求項1記載の複合酸化物セラミッ
    クスの製造方法。
  7. 【請求項7】 出発材料である原料混合粉の粒径を1n
    m〜1000μmの範囲に設定することを特徴とする請
    求項1記載の複合酸化物セラミックスの製造方法。
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