JPH0952262A - 型内被覆成形法用の金型 - Google Patents

型内被覆成形法用の金型

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JPH0952262A
JPH0952262A JP22751395A JP22751395A JPH0952262A JP H0952262 A JPH0952262 A JP H0952262A JP 22751395 A JP22751395 A JP 22751395A JP 22751395 A JP22751395 A JP 22751395A JP H0952262 A JPH0952262 A JP H0952262A
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cavity
resin
injection
coating material
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Takeshi Fujishiro
武志 藤代
Toshiaki Izumida
敏明 泉田
Kenji Ota
賢治 大田
Kenji Yonemochi
建司 米持
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Dai Nippon Toryo KK
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/16Making multilayered or multicoloured articles
    • B29C45/1679Making multilayered or multicoloured articles applying surface layers onto injection-moulded substrates inside the mould cavity, e.g. in-mould coating [IMC]
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】溶融樹脂射出部を介して金型のキャビティ内に
射出された溶融樹脂とキャビティの金型面との間に皮膜
原料を注入したとき、皮膜の厚さを正確に制御でき、し
かも、溶融樹脂射出部に皮膜原料が流入することを効果
的に防止し得る金型を提供する。 【解決手段】型内被覆成形法に用いられる金型は、固定
金型部10と可動金型部12から成り、(イ)固定金型
部10と可動金型部12によって形成されたキャビティ
30、(ロ)溶融樹脂をキャビティ30内に射出するた
めに、キャビティ30に開口した開口部20を有する溶
融樹脂射出部16,18、及び、(ハ)皮膜原料をキャ
ビティ内に注入するために、キャビティに開口した皮膜
原料注入部24備えており、該溶融樹脂射出部の開口部
20から離れた溶融樹脂射出部の部分16,18に、皮
膜原料流入防止のための凹部22が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂から
成る射出成形品の表面に各種の機能を有する皮膜を容易
に形成し得る金型に関し、更に詳しくは、溶融樹脂射出
部を介して金型のキャビティ内に射出された溶融樹脂と
キャビティの金型面との間に皮膜原料を注入したとき、
溶融樹脂射出部へ皮膜原料が流入することを効果的に防
止し得る型内被覆成形法用の金型に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂から成る射出成形品の表面
特性の向上を目的として、射出成形品の表面に各種皮膜
を形成する場合がある。このような皮膜として、例え
ば、塗料皮膜、ハードコート皮膜、紫外線防止皮膜、防
曇皮膜等を挙げることができる。通常、射出成形法にて
射出成形品を製造した後、別工程にて射出成形品の表面
に各種の機能を有する皮膜を形成する。皮膜の形成方法
としては、例えば、皮膜原料のスプレー、射出成形品の
液状皮膜原料への浸漬を挙げることができる。このよう
な工程を経るために、表面に皮膜が形成された最終製品
が得られるまでの工程が多岐に亙る。それ故、このよう
な射出成形品においては、最終製品に至るまでの製造工
程の削減、製造設備の縮小、加工・処理時間の短縮、製
造コストの低減等が大きな課題である。
【0003】熱可塑性樹脂の射出成形法において、成形
工程中に射出成形品の表面に皮膜を形成する方法が提案
されている。例えば特開平5−301251号公報に
は、熱可塑性樹脂を金型内に設けられたキャビティ内に
射出した後、金型の型締力を軽減し又は同一型締力の状
態で、樹脂成形品の塗装面と金型との間に形成された空
間内に熱硬化性の塗料を注入する技術が開示されてい
る。あるいは又、特開平5−318527号公報には、
熱可塑性樹脂を射出成形し、引き続き未硬化の熱硬化性
樹脂を注入した後、熱硬化性樹脂を硬化させ、一部の表
面が熱硬化性樹脂で被覆された熱可塑性樹脂より成る成
形体の製造方法が開示されている。尚、これらの技術
は、通常、型内被覆成形法(インモールドコーティング
成形法)と呼ばれている。
【0004】従来の型内被覆成形法においては、例えば
図17の模式的な断面図を示す金型を使用する。この金
型は、固定金型部10及び可動金型部12から構成され
ており、キャビティ30が、固定金型部10と可動金型
部12によって形成されている。固定金型部10には、
溶融樹脂50をキャビティ30内に射出するために、キ
ャビティに開口した開口部20を有する溶融樹脂射出部
が設けられている。溶融樹脂射出部は、具体的には、ラ
ンナー部16、ゲート部18及び開口部20から成る。
そして、ゲート部18の一端は開口部20を介してキャ
ビティ30に連通し、ゲート部18の他端はランナー部
16の一端に連通している。尚、ランナー部16の他端
はスプルー部14に連通している。固定金型部10に
は、更に、皮膜原料をキャビティ内に注入するために、
キャビティに開口した皮膜原料注入部24が備えられて
おり、かかる皮膜原料注入部24内に皮膜原料注入装置
40の一部が装着されている。
【0005】射出成形装置の加熱シリンダー(図示せ
ず)内で溶融、可塑化及び計量された熱可塑性樹脂から
成る溶融樹脂が、スプルー部14、ランナー部16及び
ゲート部18を介して、開口部20からキャビティ30
内に射出される。所定量の溶融樹脂の射出が完了した
後、所定の時間、保圧操作を行う。次いで、皮膜原料注
入装置40を作動させて、キャビティ内の樹脂50Aと
キャビティの金型面との間に皮膜原料52を注入する。
この状態を、模式的な断面図である図17に示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの公知の技術を
用いて射出成形品の表面に皮膜を形成する場合、キャビ
ティ内の樹脂50Aとキャビティの金型面との間に注入
された皮膜原料52が、ゲート部18へ流入し、更にラ
ンナー部16やスプルー部14へも流入する場合があ
る。このような現象が発生すると、射出成形品の表面に
形成される皮膜の厚さを正確に制御することができなく
なるといった重大な問題が発生する。更には、皮膜原料
がランナー部やスプルー部へ流入すると、ランナー部内
やスプルー部内で冷却、固化した樹脂をランナー部やス
プルー部から脱離させることが困難となる。その結果、
図18に模式的な断面図を示すように、金型の離型後、
射出成形品60を固定金型部10から取り出すことがで
きなくなるといった問題が生じる。尚、参照番号52’
は射出成形品60の表面に形成された皮膜である。
【0007】従って、本発明の目的は、溶融樹脂射出部
を介して金型のキャビティ内に射出された溶融樹脂とキ
ャビティの金型面との間に皮膜原料を注入したとき、皮
膜の厚さを正確に制御でき、しかも、溶融樹脂射出部に
皮膜原料が流入することを効果的に防止し得る金型を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の型内被覆成形法用の金型は、固定金型部と
可動金型部から成り、固定金型部と可動金型部によって
形成されたキャビティ、溶融樹脂をキャビティ内に射出
するために、キャビティに開口した開口部を有する溶融
樹脂射出部、及び、皮膜原料をキャビティ内に注入する
ために、キャビティに開口した皮膜原料注入部、を備え
ており、該溶融樹脂射出部の開口部から離れた溶融樹脂
射出部の部分に、皮膜原料流入防止のための凹部が形成
されていることを特徴とする。
【0009】本発明の型内被覆成形法用の金型における
凹部は、皮膜原料の流入を防止できる形態であれば如何
なる形態であってもよいが、溶融樹脂射出部を流れる溶
融樹脂の流れの方向と略直角の方向に設けられた溝部か
ら構成することが好ましい。この場合、溝部の深さは
0.2乃至10mmであり、溝部の幅は0.2乃至10
mm、より好ましくは、溝部の深さは0.5乃至5mm
であり、溝部の幅は0.5乃至3mmであることが、皮
膜原料の流入を効果的に防止するために、望ましい。
【0010】本発明の型内被覆成形法用の金型において
は、皮膜原料注入部が固定金型部に設けられ、そして皮
膜原料流入防止のための凹部が固定金型部に形成されて
いる態様、皮膜原料注入部が可動金型部に設けられ、そ
して皮膜原料流入防止のための凹部が可動金型部に形成
されている態様、皮膜原料注入部が、固定金型部に設け
られた第1の皮膜原料注入部と、可動金型部に設けられ
た第2の皮膜原料注入部とから成り、そして皮膜原料流
入防止のための凹部が固定金型部及び可動金型部に形成
されている態様を挙げることができる。
【0011】本発明の金型の溶融樹脂射出部における凹
部の位置及び数は任意であり、型内被覆成形法にて射出
成形品の表面に皮膜を形成し、かかる皮膜の形成される
部位を調べることによって凹部の位置及び数を決定すれ
ばよい。
【0012】溶融樹脂射出部の形態としては、ランナー
部と、このランナー部に連通しそしてキャビティに開口
したゲート部の組み合わせ、あるいは、ゲート部単独を
挙げることができる。ゲート部の形態としては、サイド
ゲート、オーバーラップゲート(ジャンプゲート)、タ
ブゲート、フィルムゲート、ファンゲート、ディスクゲ
ート、スパイダーゲート、リングゲート等を挙げること
ができる他、これらのゲートとピンポイントゲートやサ
ブマリンゲート(トンネルゲート)の組み合わせを挙げ
ることができる。また、ランナー部の形態としては、コ
ールドランナー、あるいはホットランナーを挙げること
ができる。尚、ホットランナーの場合には、スプルー部
は不要である。
【0013】射出成形品の離型性の向上のために、固定
金型部のキャビティを構成する面、溶融樹脂射出部の内
面にメッキを施すことが好ましい。メッキとしては、ク
ロムメッキ、ニッケルメッキ、銅メッキ、亜鉛メッキ、
錫メッキ、鉛メッキ、アルミニウムメッキ、カドミウム
メッキ等を挙げることができるが、耐磨耗性、金型から
の射出成形品の離型性、コストの面からクロムメッキが
好ましい。
【0014】溶融樹脂を構成する熱可塑性樹脂として
は、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン(P
P)樹脂、ポリメチルペンテン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、アイオノマー等の結晶性ポリオレフィン樹
脂;ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポ
リビニルホルマール等の結晶性汎用樹脂;ポリアミド
(PA)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)
樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、液
晶ポリエステル樹脂、ポリアセタール(POM)樹脂、
ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリエー
テルエーテルケトン(PEEK)樹脂等の結晶性エンジ
ニアリングプラスチックス;その他フッ素樹脂、アセチ
ルセルロース等の結晶性樹脂;ポリ塩化ビニル(PV
C)、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、アクリル
ニトリル−スチレン共重合体(AS)樹脂、アクリルニ
トリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹
脂、AES樹脂、ASA樹脂、ACS樹脂、ポリメチル
メタクリレート(PMMA)樹脂等の非晶性汎用樹脂;
ポリカーボネート(PC)樹脂、変性ポリフェニレンエ
ーテル(PPE)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリ
アミドイミド(PAI)樹脂、ポリアリレート樹脂、ポ
リサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエー
テルイミド樹脂等の非晶性エンジニアリングプラスチッ
クス;その他ポリスチレン(PS)樹脂、耐衝撃性ポリ
スチレン(HIPS)樹脂、アイオノマー、熱可塑性エ
ラストマー樹脂等の非晶性樹脂;又は、これらの組み合
わせ;あるいは主成分としてこれら一種以上の熱可塑性
樹脂と、副成分としてポリウレタン樹脂、不飽和ポリエ
ステエル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミ
ン樹脂等の熱硬化性樹脂とから構成されたポリマーアロ
イ;更には、ポリマーアロイを含むこれらの材料を繊維
系フィラー、鱗片状フィラー等で補強した複合材料を挙
げることができる。尚、使用する熱可塑性樹脂は、特に
限定されないが、使用する皮膜原料との相性によって制
限を受ける場合がある。
【0015】また皮膜原料としては、アルキド樹脂系、
エポキシ樹脂エステル系、脂肪酸変性ウレタン樹脂系等
の酸化重合型塗料、エポキシ樹脂系、ポリウレタン系、
不飽和ポリエステル系等の多液反応型塗料、アルキド樹
脂系、エポキシ樹脂系、ポリウレタン系、ビニル樹脂系
等の加熱硬化型塗料、エポキシアクリレートオリゴマ
ー、ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルア
クリレートオリゴマー、若しくはこれらのオリゴマーと
エチレン性不飽和モノマーから成るラジカル重合型塗
料、あるいはこれらの塗料に金属粉、特殊顔料、紫外線
吸収剤等の特殊添加剤等を混合させた各種機能性塗料、
フッ素樹脂系ラッカー、シリコン樹脂系ラッカー、シラ
ン系ハードコート剤等のハードコート剤等を例示するこ
とができる。
【0016】本発明の型内被覆成形法用の金型において
は、溶融樹脂射出部の一部に凹部が形成されているの
で、皮膜原料の流入を効果的に防止でき、射出成形品の
表面に形成される皮膜の厚さを正確に制御することがで
きる。しかも、金型作製時、かかる凹部の形成は左程の
工数を必要としない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、単に実施の形態と呼ぶ)及び実施例に
基づき本発明を説明する。
【0018】(実施の形態1)実施の形態1に係る型内
被覆成形法用の金型の模式的な断面図を、図1に示す。
型締め後の状態を示すこの金型は、固定金型部10及び
可動金型部12から構成されており、キャビティ30
が、固定金型部10と可動金型部12によって形成され
ている。固定金型部10には、溶融樹脂50をキャビテ
ィ30内に射出するために、キャビティに開口した開口
部20を有する溶融樹脂射出部が設けられている。溶融
樹脂射出部は、具体的には、ランナー部16、ゲート部
18及び開口部20から成る。そして、ゲート部18の
一端は開口部20を介してキャビティ30に連通し、ゲ
ート部18の他端はランナー部16の一端に連通してい
る。尚、ランナー部16の他端はスプルー部14に連通
している。固定金型部10には、更に、皮膜原料をキャ
ビティ30内に注入するために、キャビティ30に開口
した皮膜原料注入部24が備えられている。そして、か
かる皮膜原料注入部24内に皮膜原料注入装置40の一
部が装着されている。皮膜原料注入部24は、キャビテ
ィ30と連通する副キャビティ32内に設けられてい
る。最終的に得られる射出成形品からは、この副キャビ
ティに相当する部分は除去されるので、射出成形品の表
面に形成された皮膜に皮膜原料注入部の跡が残らなくな
る。尚、射出成形品の形状等によっては、皮膜原料注入
部をキャビティ30内に設け、副キャビティの設置を省
略してもよい。金型をこのような構造にすることで、例
えば箱状の射出成形品の外側の表面に皮膜を形成するこ
とができる。
【0019】そして、溶融樹脂射出部の開口部20から
離れた溶融樹脂射出部の部分(具体的には、ランナー部
16)に、皮膜原料流入防止のための凹部22が形成さ
れている。凹部は、溶融樹脂射出部を流れる溶融樹脂の
流れの方向と略直角の方向に設けられた溝部から成り、
固定金型部10に形成されている。尚、溶融樹脂射出部
の開口部20から離れた溶融樹脂射出部の部分に凹部2
2が形成されているとは、具体的には、開口部20と凹
部22とが隣接しているが、一体化していないことを意
味する。尚、図4に示すように、開口部20から離れた
ゲート部18に部分に凹部22を設けてもよい。
【0020】図2に、スプルー部14、ランナー部1
6、ゲート部18、凹部22、キャビティ30を透視し
た模式的な斜視図を示す。尚、副キャビティ32の部分
の図示は省略した。また、図1の模式的な断面図は、図
2の線I−Iに沿った断面図に相当する。
【0021】図3に実施の形態1の金型を組み込んだ射
出成形装置の模式的な部分的な断面図を示す。尚、金型
は型開きされた状態にある。熱可塑性樹脂供給用スクリ
ュー102を内部に有する射出シリンダー100の先端
部は、スプルー部14と接する。固定金型部10は固定
プラテン104に取り付けられ、可動金型部12は可動
プラテン106に取り付けられ、可動プラテン106
は、型締め用油圧シリンダー110内の油圧ピストン1
12の作動によってタイバー108上を平行移動できる
構造となっている。図3の右手方向への可動プラテン1
06の移動によって可動金型部12が固定金型部10と
係合し、金型が型締めされ、キャビティ30が形成され
る。型締め力は型締め用油圧シリンダー110によって
制御される。また、図3の左手方向への可動プラテン1
06の移動によって可動金型部12が固定金型部10と
の係合を解かれ、金型は離型される。尚、可動金型部1
2には、金型の離型後に可動金型部に密着した射出成形
品を取り出すためのイジェクターピンが配設されている
が、図示は省略した。
【0022】皮膜原料注入装置40は、皮膜原料供給部
42、ピストン44、ピストン44に取り付けられたシ
ャットオフピン46から構成されている。シャットオフ
ピン46の位置によって、皮膜原料注入部24を開閉す
る。図1及び図3においては、シャットオフピン46に
よって皮膜原料注入部24は閉じられている。ポンプ1
20によって皮膜原料タンク122から皮膜原料52が
耐圧配管124を経由して皮膜原料供給部42に送られ
る。更に、皮膜原料52は、ピストン44によってシャ
ットオフピン46が後退した際、皮膜原料注入部24に
流れ込み、シャットオフピン46の前進運動によって、
皮膜原料注入部24を通って、キャビティ内の樹脂とキ
ャビティの金型面の間に注入される。これによって、高
精度で計量された所定量の皮膜原料を注入することがで
きる。
【0023】このような皮膜原料注入システムにおいて
は、皮膜原料供給部42、ピストン44、シャットオフ
ピン46等から構成されている皮膜原料注入機構が、皮
膜原料の計量・注入機構を兼ねている。しかしながら、
皮膜原料注入システムはこのような機構に限定されるも
のではない。例えば耐圧配管の途中に計量・注入シリン
ダーを設け、計量・注入機構とシャットオフピン開閉機
構とを分けることもできる。
【0024】(実施の形態2)図11に、実施の形態2
に係る型内被覆成形法用の金型の模式的な断面図を示
す。この金型においては、実施の形態1と異なり、皮膜
原料注入部24が可動金型部12に設けられ、皮膜原料
流入防止のための凹部22が可動金型部12に形成され
ている。また、ゲート部18をサイドゲート構造とした
が、このようなゲート構造には限定されない。尚、図4
に示したと同様に、開口部20から離れたゲート部18
に部分に凹部22を設けてもよい。金型のその他の構造
は、実質的に、実施の形態1と同様とすることができる
ので、詳細な説明は省略する。金型をこのような構造に
することで、例えば箱状の射出成形品の外側の表面に皮
膜を形成することができる。尚、射出成形品の形状等に
よっては、皮膜原料注入部24をキャビティ30内に設
け、副キャビティの設置を省略してもよい。
【0025】(実施の形態3)図14に、実施の形態3
に係る型内被覆成形法用の金型の模式的な断面図を示
す。この金型においては、実施の形態1と異なり、皮膜
原料注入部は、固定金型部10に設けられた第1の皮膜
原料注入部24Aと、可動金型部12に設けられた第2
の皮膜原料注入部24Bとから成り、皮膜原料流入防止
のための環状の凹部22Aが固定金型部10に形成され
ており、一方、環状の凹部22Bが可動金型部12に形
成されている。即ち、ランナー部16は凹部22A,2
2Bによって囲まれている。また、ゲート部18をサイ
ドゲート構造としたが、このようなゲート構造には限定
されない。尚、開口部20から離れたゲート部18に部
分に凹部22A,22Bを設けてもよい。場合によって
は、凹部22A,22Bのそれぞれを、ランナー部16
とゲート部18のそれぞれ、若しくはゲート部18とラ
ンナー部16のそれぞれに設けてもよい。即ち、凹部2
2Aと凹部22Bを対向して設けることは必須ではな
い。金型のその他の構造は、実質的に、実施の形態1と
同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
金型をこのような構造にすることで、例えば箱状の射出
成形品の外側及び内側の表面に皮膜を形成することがで
きる。実施の形態3の金型においては、皮膜原料供給部
42A、ピストン44A、ピストン44Aに取り付けら
れたシャットオフピン46Aから構成された第1の皮膜
原料注入装置40Aが、第1の皮膜原料注入部24Aに
配設されており、皮膜原料供給部42B、ピストン44
B、ピストン44Bに取り付けられたシャットオフピン
46Bから構成された第2の皮膜原料注入装置40B
が、第2の皮膜原料注入部24Bに配設されている。射
出成形品の形状等によっては、皮膜原料注入部24Aを
キャビティ30内に設け、副キャビティの設置を省略し
てもよい。
【0026】本発明の型内被覆成形法用の金型を使用し
た、熱可塑性樹脂に基づく型内被覆成形法(以下、単に
射出成形法と呼ぶ)は、特に限定されるものではない
が、(イ)固定金型部及び可動金型部から成る金型に設
けられたキャビティ内に熱可塑性樹脂から成る溶融樹脂
を射出する工程と、(ロ)溶融樹脂の射出完了後、注入
された皮膜原料によってキャビティ内の樹脂が圧縮され
及び/又は可動金型部が型開き方向に移動するように、
キャビティ内の樹脂とキャビティの金型面の間に所定量
の皮膜原料を注入する工程と、(ハ)離型前における型
内圧が0kgf/cm2よりも高い状態となるように型
内圧を保持する工程、から成ることが好ましい。ここ
で、型内圧とは、キャビティ内に射出された樹脂及び/
又は注入された皮膜原料によって生成された、キャビテ
ィの金型面が受ける圧力を指す。型内圧は、例えば、キ
ャビティの金型面に圧力センサーを取り付けることによ
って測定することができる。尚、型内圧はキャビティに
おける測定位置によって若干異なることがあるので、成
形品の中心部に対応するキャビティの金型面における型
内圧をもって型内圧の値を代表させる。
【0027】溶融樹脂射出部の開口部20から離れた溶
融樹脂射出部の部分に、皮膜原料流入防止のための凹部
22が形成されている本発明の金型を用い、しかも、所
定量の皮膜原料を注入することによって、キャビティ内
の樹脂表面に形成される皮膜の膜厚を正確に制御するこ
とができる。加えて、かかる皮膜原料の所定量は、キャ
ビティ内の樹脂が圧縮され及び/又は可動金型部が型開
き方向に移動するような量である。言い換えれば、かか
る皮膜原料の所定量は、もしも、皮膜原料の注入前に、
キャビティ内の樹脂とキャビティの金型面との間に空間
が形成されていた場合にあっても、かかる空間の体積よ
りも大きな体積である。即ち、皮膜原料は、かかる空間
内に過充填される。尚、皮膜原料が、キャビティ内の樹
脂を圧縮しつつ注入されるか、あるいは可動金型部を固
定金型部から若干離間させつつ注入されるか、あるいは
その双方の作用を生じさせつつ注入されるかといった、
どのような状態で皮膜原料がキャビティ内の樹脂とキャ
ビティの金型面との間に注入されるかは、皮膜原料の注
入圧力、型締め力、樹脂の柔軟度に依存する。
【0028】通常、注入された皮膜原料には体積収縮が
生じる。しかしながら、上記の射出成形法においては、
場合によっては皮膜原料が過充填されており、しかも、
離型前における型内圧が0kgf/cm2よりも高い状
態となるように型内圧は保持される。従って、注入後の
皮膜原料に常にキャビティの金型面から圧力が加わって
いる。その結果、皮膜表面の光沢性が低下したり、熱可
塑性樹脂に対する皮膜の密着性が低下したり、皮膜が不
均一になるという問題を確実に回避することができる。
尚、後述するように、皮膜原料の注入前に、キャビティ
内の樹脂とキャビティの金型面との間に空間が形成され
ている場合には、かかる空間内への皮膜原料の過充填に
よって、離型前における型内圧が0kgf/cm2より
も高い状態となるように保持される。一方、キャビティ
内に射出された樹脂によって生成された型内圧Pが0k
gf/cm2よりも高い状態で皮膜原料を注入する場合
には、皮膜原料及びキャビティ内の樹脂に起因して、あ
るいは又、注入された皮膜原料に起因して、あるいは
又、キャビティ内の樹脂に起因して、離型前における型
内圧が0kgf/cm2よりも高い状態となるように保
持される。
【0029】かかる射出成形法においては、キャビティ
内に射出された樹脂によって生成された型内圧が0kg
f/cm2と等しい状態で皮膜原料を注入することがで
きる。尚、このような態様を、以下、射出成形法の第1
の態様と呼ぶ。ここで、型内圧Pが0kgf/cm2
等しい状態とは、キャビティの金型面が受ける圧力、あ
るいは又、キャビティ内の樹脂に加わっている圧力が大
気圧であることを意味する。具体的には、キャビティ内
の樹脂とキャビティの金型面との間に空間が形成されて
いる状態、若しくは、空間は形成されていないが、キャ
ビティ内に射出された樹脂によってキャビティの金型面
に、大気圧の他、何ら圧力が加わっていない状態を指
す。
【0030】射出成形法の第1の態様においては、前記
工程(イ)と工程(ロ)の間で、保圧を行う工程を更に
含み、皮膜原料の注入を、保圧期間の終了と同時に、若
しくは保圧期間の終了以降に行うことが好ましい。この
場合、保圧期間の終了後、皮膜原料を注入するまでの時
間は、10乃至120秒であることが好ましい。尚、保
圧期間の終了前に皮膜原料の注入を開始した場合、キャ
ビティ内の溶融樹脂が皮膜原料注入装置内に流入する危
険がある。皮膜原料の注入開始を、保圧期間の終了と同
時若しくはそれ以降にすることによって、このような危
険性を回避することができる。
【0031】保圧とは、溶融樹脂の射出後、射出成形装
置の射出シリンダー側から金型の溶融樹脂射出部を通じ
てキャビティ内の溶融樹脂に圧力を加え続ける作業を指
す。冷却に伴いキャビティ内の樹脂は体積収縮するが、
保圧を行うことによって、キャビティ内に溶融樹脂を補
充し、キャビティ内の樹脂全体の過剰な体積収縮を抑制
しつつキャビティ内の樹脂の重量を増加させることがで
きる。このような操作を保圧操作と呼び、このときの溶
融樹脂に加えられる圧力が保圧圧力である。保圧期間
(保圧時間)とは、溶融樹脂を規定量射出した後、溶融
樹脂に保圧を加え続けている期間(時間)を意味する。
尚、保圧期間中にゲート部内の樹脂の冷却固化が進行
し、保圧を加え続けてもキャビティ内の樹脂の重量増加
には何ら寄与しなくなることがある。このような現象を
ゲートシールと呼ぶ。一般に、保圧圧力が小さい場合、
保圧時間が長い場合、あるいは又、成形すべき射出成形
品の厚さが比較的薄い場合、ゲートシールが観察される
ことが多い。一方、保圧期間中にゲート部内の樹脂の冷
却固化が十分に進行せず、ゲートシールが観察されない
場合もある。即ち、保圧圧力が大きい場合、保圧時間が
短い場合、成形すべき射出成形品の厚さが比較的厚い場
合、ゲートシールは観察されないことが多い。
【0032】射出成形法の第1の態様においては、溶融
樹脂の射出開始から金型の離型までの間、金型の型締め
力を一定に保持することができる。尚、以下、便宜上、
このような操作を高圧型締め操作と呼ぶ。この場合、保
圧操作によるキャビティ内の樹脂の重量増加が完了した
時点における型内圧をP10、かかる時点におけるキャビ
ティ内の樹脂の温度をT10とし、皮膜原料の注入直前の
キャビティ内の樹脂の温度をT12、大気圧をP0とし、
(圧力P10,温度T10)における熱可塑性樹脂の比容積
をV10、(圧力P0,温度T12)における熱可塑性樹脂
の比容積をV12としたとき、V12≦V10である熱可塑性
樹脂を用いることが好ましい。
【0033】あるいは又、射出成形法の第1の態様にお
いては、保圧工程の完了後、金型の型締め力を工程
(イ)における型締め力よりも減少させることができ
る。尚、以下、便宜上、このような操作を低圧型締め操
作と呼ぶ。この場合、使用する熱可塑性樹脂の種類や成
形条件等に依存して、低圧型締め操作の完了時、型内圧
が0kgf/cm2となる場合もあるが、型内圧が0k
gf/cm2ではない場合もある。後者の場合、金型の
型締め力を減少させた直後の型内圧をP11、かかる時点
におけるキャビティ内の樹脂の温度をT11とし、皮膜原
料の注入直前のキャビティ内の樹脂の温度をT12、大気
圧をP0とし、(圧力P11,温度T11)における熱可塑
性樹脂の比容積をV11、(圧力P0,温度T12)におけ
る熱可塑性樹脂の比容積をV12としたとき、V12≦V11
である熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
【0034】低圧型締め操作においては、前記工程
(イ)における型締め力をF10、低減された型締め力を
11としたとき、0≦F11/F10≦0.3、更に好まし
くは0≦F11/F10≦0.1を満足することが望まし
い。F11/F10の値が0.3を越える場合、使用する熱
可塑性樹脂や成形条件に依っては、皮膜原料注入時に生
じるキャビティ内の樹脂の圧縮状態が不均一となり、皮
膜の厚さが不均一となったり、射出成形品の一部分にし
か皮膜が形成されない場合がある。更には、皮膜原料注
入前10秒以内に、金型の型締め力を低減させることが
望ましい。
【0035】あるいは又、射出成形法の第1の態様にお
いては、保圧工程の完了後、金型の型締め力を0とし、
次いで、固定金型部と可動金型部とでキャビティを形成
した状態で可動金型部を固定金型部から離間する工程を
更に含むことができる。尚、以下、便宜上、このような
操作を可動金型部離間操作と呼ぶ。この場合、使用する
熱可塑性樹脂の種類や成形条件等に依存して、可動金型
部離間操作の完了時、型内圧が0kgf/cm2となる
場合もあるが、型内圧が0kgf/cm2ではない場合
もある。後者の場合、可動金型部を固定金型部から離間
させた直後の型内圧をP’11、かかる時点におけるキャ
ビティ内の樹脂の温度をT’11とし、皮膜原料の注入直
前のキャビティ内の樹脂の温度をT12、大気圧をP0
し、(圧力P’11,温度T’11)における熱可塑性樹脂
の比容積をV’11、(圧力P0,温度T12)における熱
可塑性樹脂の比容積をV12としたとき、V12≦V’11
ある熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
【0036】高圧型締め操作、低圧型締め操作、あるい
は可動金型部離間操作においては、皮膜原料の注入によ
って生成した型内圧のピーク圧をppeakとした場合、0
<ppeak≦500kgf/cm2、好ましくは50kg
f/cm2≦ppeak≦300kgf/cm2を満足するこ
とが望ましい。キャビティ内に射出された樹脂によって
生成された型内圧Pは、皮膜原料の注入時、0kgf/
cm2と等しい状態になっている。従ってppeakの値が
0kgf/cm2では、注入された皮膜原料によってキ
ャビティ内の樹脂が圧縮され及び/又は可動金型部が型
開き方向に移動されることがない。このことは、形成さ
れた空間の体積と等しい体積の皮膜原料が注入された
か、又は、形成された空間の体積よりも少ない体積の皮
膜原料が注入されたことを意味する。このような場合、
皮膜表面へのキャビティの金型面の転写性が不十分とな
り、あるいは又、熱可塑性樹脂に対する皮膜の密着性が
低下する。一方、ppeakの値が500kgf/cm2
越えると、皮膜原料注入時に皮膜原料によって生じるキ
ャビティ内の樹脂の圧縮状態が不均一となる結果、皮膜
の厚さが不均一となったり、射出成形品の一部分にしか
皮膜が形成されない場合がある。ppeakの値がこれらの
範囲にあるとき、言い換えれば、ppeakの値がこれらの
範囲になるように、形成された空間の体積よりも大きな
体積の皮膜原料を注入することにより、射出成形品の表
面に均一な厚さの皮膜を形成することができ、しかも、
熱可塑性樹脂に対する優れた皮膜の密着性を得ることが
できる。
【0037】更には、離型直前の型内圧をp’としたと
き、0<p’/ppeak≦1.0、より好ましくは0.5
≦p’/ppeak≦1.0を満足することが望ましい。
p’/ppeakの値が0では、離型前における型内圧が0
kgf/cm2よりも高い状態となるように型内圧が保
持されていないことになる。その結果、皮膜表面へのキ
ャビティの金型面の転写性が不十分となり、あるいは
又、熱可塑性樹脂に対する皮膜の密着性が低下する。
p’/ppeakの値がこれらの範囲にあるとき、注入され
た皮膜原料、更には収縮しつつある皮膜原料に対して一
層確実にキャビティの金型面から圧力が加わり続ける。
その結果、皮膜表面へのキャビティの金型面の転写性に
優れ、皮膜表面の光沢性が向上する。また、熱可塑性樹
脂に対する皮膜の密着性も向上する。
【0038】射出成形法の第1の態様においては、キャ
ビティ内の樹脂とキャビティの金型面との間の空間を一
層形成し易くするために、キャビティへの溶融樹脂の射
出後、金型を閉じ且つ金型の型締め力を保持した状態
で、通常必要とされる保圧圧力よりも低い保圧圧力で保
圧してもよい。この場合、通常必要とされる保圧圧力よ
りも低い保圧圧力は、通常必要とされる保圧圧力の30
乃至90%、より好ましくは40乃至60%であること
が望ましい。保圧期間中の金型の型締め力は、一定であ
っても、逐次変化させてもよい。例えば、溶融樹脂の冷
却・固化の間に金型の型締め力を段階的に減少させても
よい。あるいは又、キャビティへの溶融樹脂の射出後、
金型を閉じ且つ金型の型締め力を保持した状態で、通常
必要とされる保圧圧力で、しかも通常必要とされる保圧
時間(保圧期間)よりも短い時間、保圧してもよい。こ
の場合、通常必要とされる保圧時間よりも短い保圧時間
は、通常必要とされる保圧時間の20乃至80%、より
好ましくは30乃至50%であることが望ましい。
【0039】射出成形法の第1の態様においては、主に
射出成形品の肉厚、射出成形品の表面に形成する皮膜の
厚さに依存して、高圧型締め操作、低圧型締め操作ある
いは可動金型部離間操作のいずれかを選択すればよい。
射出成形品の肉厚が薄い場合には、可動金型部離間操作
を選択することが好ましく、射出成形品の肉厚が厚い場
合、高圧型締め操作あるいは低圧型締め操作を採用する
ことが望ましい。射出成形品の表面に形成する皮膜の厚
さを厚くしたい場合、低圧型締め操作を採用することが
望ましく、更に皮膜の厚さを厚くしたい場合、可動金型
部離間操作を採用することが望ましい。
【0040】一般に、使用する熱可塑性樹脂が非強化の
非晶性樹脂若しくは非晶性樹脂アロイ材から成る場合、
キャビティの金型面近傍の樹脂が固化し始めても、金型
面から離れた所に位置する樹脂は溶融状態にあり、しか
も、固化した樹脂の部分と溶融状態の樹脂の境界は明確
ではない。従って、樹脂がこのような状態にあるとき、
キャビティ内の樹脂とキャビティの金型面との間に空間
(隙間)を形成しないで皮膜原料を注入すると、場合に
よっては、皮膜原料によってキャビティ内の樹脂は圧縮
されるが、圧縮状態が不均一になる。その結果、注入さ
れた皮膜原料の厚さが不均一になり易い。
【0041】然るに、射出成形法の第1の態様において
は、キャビティ内の樹脂とキャビティの金型面との間に
空間(隙間)を形成し、かかる空間に皮膜原料を注入す
る。従って、熱可塑性樹脂として非強化の非晶性樹脂若
しくは非晶性樹脂アロイ材を使用した場合であっても、
均一な皮膜が射出成形品の表面に形成される。また、所
定の期間の間保圧を行うことによって、射出成形品にひ
けやボイドが発生することを防止することができ、しか
もキャビティによって形成される形状の射出成形品への
転写性を良くすることができる。尚、熱可塑性樹脂が非
晶性熱可塑性樹脂であるか否かは、一般に示差走査熱量
測定(DSC)法により明確な融点(急激な吸熱を示す
温度)が確認されるか否かによって判断される。明確な
融点が確認されない樹脂が非晶性熱可塑性樹脂である。
一方、明確な融点が確認される樹脂が結晶性熱可塑性樹
脂である。
【0042】また、V12≦V10(高圧型締め操作時)、
12≦V11(低圧型締め操作時)、若しくはV12≦V’
11(可動金型部離間操作時)といった、熱可塑性樹脂の
比容積を規定することで、キャビティ内での溶融樹脂の
過剰充填分が型締め力によって受ける圧縮圧を確実に0
kgf/cm2にすることができ、射出成形品表面とキ
ャビティの金型面との間に空間(隙間)が確実に生じ
る。更には、キャビティ内の樹脂に加わる圧力が大気圧
まで低下した後(即ち、型内圧が0kgf/cm2とな
った後)、皮膜原料を注入することによって、かかる空
間に皮膜原料を確実に且つ均一に注入することができ
る。あるいは又、ppeakの値を規定することによって、
注入された皮膜原料、更には収縮しつつある皮膜原料に
確実に圧力が加わり続ける。その結果、皮膜表面へのキ
ャビティの金型面の転写性に優れ、皮膜表面の光沢性が
向上する。また、熱可塑性樹脂に対する皮膜の密着性も
向上する。
【0043】射出成形法の第1の態様においては、成形
すべき射出成形品の形状に特に制限はない。
【0044】あるいは又、上述の射出成形法において
は、キャビティ内に射出された樹脂によって生成された
型内圧Pが0kgf/cm2よりも高い状態で皮膜原料
を注入することができる。尚、このような態様を、以
下、射出成形法の第2の態様と呼ぶ。具体的には、キャ
ビティ内の樹脂とキャビティの金型面との間に空間が形
成されていない状態で、皮膜原料を注入する。
【0045】射出成形法の第2の態様においては、前記
工程(イ)と工程(ロ)の間で、保圧を行う工程を含
み、皮膜原料の注入を、保圧期間の終了と同時に、若し
くは保圧期間の終了以降に行うことが好ましい。
【0046】この場合、金型に設けられたキャビティ内
に溶融樹脂を射出した後の保圧期間を3秒以上とし、保
圧圧力を300kgf/cm2以上とすることが望まし
い。保圧圧力が300kgf/cm2未満で且つ保圧期
間が3秒未満では、皮膜原料を注入する直前の型内圧P
が0kgf/cm2にまで低下し易くなる場合がある。
型内圧がこのように低下すると、使用する熱可塑性樹脂
や皮膜原料、成形条件によっては、キャビティ内の樹脂
あるいは注入された皮膜原料を加圧し続けることができ
なくなり、皮膜表面へのキャビティの金型面の転写性が
不十分になったり、熱可塑性樹脂に対する皮膜の密着性
が低下する場合がある。然るに、保圧圧力及び保圧期間
の値を上記のとおりとすれば、キャビティ内に樹脂が過
剰充填された状態となり、型内圧Pが0kgf/cm2
より高い状態で皮膜原料を注入することができ、しか
も、キャビティ内の樹脂とキャビティの金型面の間に注
入された皮膜原料を加圧し続けることができる。
【0047】尚、保圧期間の終了前に皮膜原料の注入を
開始した場合、キャビティ内の溶融樹脂が皮膜原料注入
装置内に流入する危険がある。皮膜原料の注入開始を、
保圧期間の終了と同時若しくはそれ以降にすることによ
って、このような危険性を回避することができる。更に
は、皮膜原料の注入開始を保圧期間の終了後5秒以内に
行うことが好ましく、これによって、熱可塑性樹脂に対
する皮膜の密着性を一層向上させることが可能になる。
【0048】射出成形法の第2の態様においては、溶融
樹脂の射出開始から離型までの間、金型の型締め力を一
定に保持することができる。即ち、高圧型締め操作を採
用することができる。
【0049】あるいは又、射出成形法の第2の態様にお
いては、保圧工程の完了後、金型の型締め力を溶融樹脂
の射出時における型締め力よりも減少させることができ
る。即ち、低圧型締め操作を採用することができる。こ
の場合には、前記工程(イ)における型締め力をF20
低減された型締め力をF21としたとき、0≦F21/F20
≦0.3、更に好ましくは0≦F21/F20≦0.1を満
足することが望ましい。これによって、皮膜原料を注入
する直前の、樹脂に起因した型内圧を低下させること
で、均一な皮膜を確実に樹脂表面に形成することが可能
となる。
【0050】あるいは又、射出成形法の第2の態様にお
いては、保圧工程の完了後、金型の型締め力を0とし、
次いで、固定金型部と可動金型部とでキャビティを形成
した状態で可動金型部を固定金型部から離間する工程を
更に含むことができる。即ち、可動金型部離間操作を採
用することができる。これによっても、皮膜原料を注入
する直前の、樹脂に起因した型内圧を低下させること
で、均一な皮膜を確実に樹脂表面に形成することが可能
となる。
【0051】これらの高圧型締め操作、低圧型締め操作
若しくは可動金型部離間操作においては、皮膜原料の注
入直前の樹脂に起因した型内圧をP22、かかる時点にお
けるキャビティ内の樹脂の温度をT22、大気圧をP0
し、(圧力P22,温度T22)における熱可塑性樹脂の比
容積をV22、(圧力P0、温度T22)における熱可塑性
樹脂の比容積をV2としたとき、V2>V22である熱可塑
性樹脂を用いることが好ましい。
【0052】尚、射出成形法の第2の態様においては、
これらの高圧型締め操作、低圧型締め操作、可動金型部
離間操作の全ての場合、型内圧Pが0kgf/cm2
り高い状態で、キャビティ内の樹脂とキャビティの金型
面の間に皮膜原料を注入する。尚、使用する熱可塑性樹
脂等に依存するが、キャビティ内の皮膜原料及び樹脂に
起因して、離型前における型内圧が0kgf/cm2
りも高い状態となる場合、キャビティ内の樹脂のみに起
因して、離型前における型内圧が0kgf/cm2より
も高い状態となる場合、あるいは又、キャビティ内の皮
膜原料のみに起因して、離型前における型内圧が0kg
f/cm2よりも高い状態となる場合がある。
【0053】高圧型締め操作、低圧型締め操作、あるい
は可動金型部離間操作においては、皮膜原料の注入直前
の型内圧Pの値は、0<P≦500kgf/cm2、よ
り好ましくは、0<P≦300kgf/cm2を満足す
ることが望ましい。Pの値が500kgf/cm2を越
える場合、溶融樹脂の収縮し易い部分に皮膜原料が流れ
易くなり、その結果、皮膜の膜厚の減少や膜厚のむら、
あるいは又、皮膜が射出成形品の一部分にしか形成され
ないという問題が生じる。然るに、Pの値を上記の範囲
とすることによって、キャビティ内の樹脂とキャビティ
の金型面の間に皮膜原料を確実に注入することができ
る。
【0054】更には、皮膜原料の注入直後の型内圧P
peakの値は、0<Ppeak≦500kgf/cm2、より
好ましくは、0<Ppeak≦300kgf/cm2を満足
することが望ましい。尚、Ppeakは、キャビティ内の樹
脂及び/又は皮膜原料の注入に起因した型内圧であり、
ピーク値である。Ppeakの値は、皮膜原料注入直前の型
内圧、キャビティ内の樹脂の柔軟度、可動金型部の移動
のし易さによって決定される。Ppeakの値が500kg
f/cm2を越えると、皮膜の厚さが不均一となった
り、射出成形品の一部分にしか皮膜が形成されない場合
がある。一方、Ppeakの値が0kgf/cm2では、皮
膜表面へのキャビティの金型面の転写性が不十分とな
り、あるいは又、熱可塑性樹脂に対する皮膜の密着性が
低下する。
【0055】射出成形法の第2の態様においては、主に
熱可塑性樹脂の種類、強化樹脂であるか非強化樹脂であ
るかに基づき、実際に射出成形試験を行って、高圧型締
め操作、低圧型締め操作あるいは可動金型部離間操作の
いずれかを選択すればよい。射出成形法の第2の態様に
おいては、結晶性熱可塑性樹脂あるいは結晶性樹脂がリ
ッチなポリマーアロイから成る熱可塑性樹脂の使用が特
に好ましい。
【0056】尚、成形すべき射出成形品の形状に特に制
限はないが、結晶性熱可塑性樹脂あるいは結晶性樹脂が
リッチなポリマーアロイから成り、厚さが3mm以上の
射出成形品を成形する場合、射出成形法の第2の態様を
適用することが好ましい。射出成形品の厚さが3mm以
上にもなると、キャビティ内に射出された溶融樹脂の、
射出成形品の厚さ方向の収縮が大きくなる。従って、キ
ャビティ内の樹脂とキャビティの金型面との間に空間が
形成され易くなる。かかる空間が形成された後に皮膜原
料を注入すると、樹脂の表面の固化が相当進行した状態
で皮膜原料が注入されるため、場合によっては、皮膜と
射出成形品との間の密着不良が生じ易くなる。
【0057】射出成形法の第2の態様においては、キャ
ビティ内に射出された樹脂によって生成された型内圧が
完全に低下しないうちに(言い換えれば、キャビティ内
の樹脂とキャビティの金型面との間に隙間を設けること
なく)、キャビティ内の樹脂とキャビティの金型面の間
に皮膜原料を注入する。その結果、注入された皮膜原料
には確実に圧力が加わり続けるので、皮膜原料が収縮し
ても、皮膜表面へのキャビティの金型面の転写性に優
れ、皮膜表面の光沢性が向上するし、熱可塑性樹脂に対
する皮膜の密着性も向上する。また、熱可塑性樹脂の比
容積を規定することで、キャビティ内に射出された樹脂
によって生成された型内圧が完全に低下しないうちに、
即ち、P>0の状態において、確実にキャビティ内の樹
脂とキャビティの金型面の間に皮膜原料を注入すること
ができる。更には、皮膜原料注入の際の型内圧Pの値を
規定することによって、キャビティ内の樹脂とキャビテ
ィの金型面の間に皮膜原料を確実に注入することがで
き、しかも、キャビティ内の樹脂とキャビティの金型面
の間に注入された皮膜原料を加圧し続けることができ
る。また、皮膜原料の注入開始を、保圧期間の終了と同
時若しくはそれ以降とすることによって、皮膜原料を注
入する装置への溶融樹脂の流入を防止することができ、
しかも熱可塑性樹脂に対する皮膜の密着性を一層向上さ
せることができる。
【0058】皮膜原料を注入した直後の型内圧ppeak
peakは、先に説明したように0kgf/cm2を超
え、500kgf/cm2以下であることが好ましい。
これらの型内圧は、皮膜原料注入直前の型内圧、キャビ
ティ内の樹脂の柔軟度、可動金型部の移動のし易さに依
存する。そして、皮膜原料を注入した直後の型内圧p
peak,Ppeakがこのような範囲内に収まるように、適
宜、射出成形方法の第1の態様若しくは第2の態様を選
択し、併せて、型締め操作の形態(高圧型締め操作、低
圧型締め操作、可動金型部離間操作)を選択すればよ
い。どの組み合わせが最適かは、熱可塑性樹脂の種類、
皮膜原料注入直前のキャビティ内の樹脂の柔軟度、皮膜
原料の注入量(即ち、射出成形品の表面に形成すべき皮
膜の厚さ)、射出成形品の肉厚や形状等に基づき、決定
すればよい。例えば、非強化の非晶性樹脂若しくは非晶
性樹脂アロイ材を使用する場合には、射出成形方法の第
1の態様を採用することが好ましく、結晶性熱可塑性樹
脂あるいは結晶性樹脂がリッチなポリマーアロイから成
り、厚さが3mm以上の射出成形品を成形する場合に
は、射出成形方法の第2の態様を採用することが好まし
い。この際、皮膜原料の注入量の多少に依存して、p
peak,Ppeakが所定の範囲内に収まるように、適宜、型
締め操作の形態を選択、決定すればよい。
【0059】
【実施例】
(実施例1)実施例1においては、図1に示した型内被
覆成形法用の金型を用いて、射出成形品の成形を行っ
た。実施例1における射出成形法は、キャビティ30内
に射出された樹脂によって生成された型内圧が0kgf
/cm2と等しい状態で皮膜原料52を注入する。言い
換えれば、皮膜原料52の注入前に、キャビティ30内
の樹脂とキャビティの金型面との間に空間54が形成さ
れており、この空間54内に皮膜原料を注入する。更
に、実施例1においては、前記工程(イ)と工程(ロ)
の間で、保圧を行う工程を更に含む。また、低圧型締め
操作を採用した。具体的には、実施例1においては、溶
融樹脂の射出時における型締め力F10を約100トン
f、低減された型締め力F11を約5トンfとした。即
ち、F11/F10≒0.05である。このような型締め力
の低減によって、高圧型締め操作の場合よりも、空間5
4の体積を増加させることができる。そして、かかる空
間54に、空間の体積よりも若干多量に計量された皮膜
原料52を確実に且つ均一に注入することができる。
【0060】また、金型の型締め力を低減させた直後の
型内圧をP11、かかる時点におけるキャビティ内の樹脂
の温度をT11とし、皮膜原料の注入直前のキャビティ内
の樹脂の温度をT12、大気圧をP0とし、(圧力P11
温度T11)における熱可塑性樹脂の比容積をV11、(圧
力P0,温度T12)における熱可塑性樹脂の比容積をV
12としたとき、V12≦V11である熱可塑性樹脂を用い
た。
【0061】以下、図1〜図9を参照して、実施例1を
詳しく説明する。尚、図1、図4〜図16においては、
射出シリンダー100、固定プラテン104、可動プラ
テン106、タイバー108、型締め用油圧シリンダー
110、油圧ピストン112の図示は省略した。
【0062】以下の実施例においては、東芝機械株式会
社製IS100射出成形装置を用いて、金型の型締め力
を約100トンfとして金型の型締めを行い、溶融樹脂
の射出成形を行った。キャビティ形状は、縦約100m
m×横約30mm×深さ約10mm、肉厚2mmの略箱
型である。尚、キャビティ形状はこのような形状に限定
されず、所望に応じて任意の形状とすることができる。
一方、ランナー部16の断面形状は矩形であり、断面の
寸法を、幅6mm、高さ(深さ)5mmとした。更に、
ゲート部の断面形状も矩形であり、断面の寸法を、幅4
mm、高さ(深さ)2mmとした。固定金型部10に形
成された凹部22は、溶融樹脂射出部を流れる溶融樹脂
の流れの方向と略直角の方向に設けられた溝部から成
り、幅を2mm、深さを3mm、長さを6mmとした。
ここで、凹部22の幅は、凹部を溶融樹脂の流れの方向
に沿って測定した値であり、凹部22の長さは、凹部を
溶融樹脂の流れの方向と略直角の方向に沿って測定した
値である。尚、凹部がランナー部を囲むように、環状の
凹部を設けてもよい。
【0063】実施例1において使用した原料は、以下の
とおりである。 成形用の熱可塑性樹脂:ポリカーボネート/ポリエチレ
ンテレフタレートアロイ樹脂(三菱エンジニアリングプ
ラスチックス株式会社製:ユーピロンMB2112) 形成すべき皮膜:塗料皮膜 皮膜原料 ウレタンアクリレートオリゴマー :12重量部 エポキシアクリレートオリゴマー :20重量部 トリプロピレングリコールジアクリレート:20重量部 ステアリン酸亜鉛 :0.5重量部 8%オクチル酸コバルト :0.5重量部 酸化チタン :10重量部 タルク :15重量部 炭酸カルシウム :20重量部 t−ブチルパーオキシベンゾエート:2重量部
【0064】また、射出成形条件を、以下のとおりとし
た。 金型温度 : 130゜C 溶融樹脂の温度: 290゜C 射出圧力 : 800kgf/cm2−G
【0065】尚、金型温度はキャビティ30の金型面に
おける温度であり、溶融樹脂の温度は射出シリンダー1
00内における溶融樹脂の温度であり、射出圧力の値は
熱可塑性樹脂供給用スクリュー102に加える圧力の値
とした。以下の実施例においても同様である。
【0066】先ず、図1に模式的な断面図を示すよう
に、金型を型締めした後、図5の模式的な断面図に示す
ように、熱可塑性樹脂から成る溶融樹脂50を、射出シ
リンダー100からスプルー部14、ランナー部16、
ゲート部18を経由して、開口部20からキャビティ3
0に射出し、キャビティ30内を溶融樹脂50で充填す
る。尚、キャビティ30は、固定金型部10と可動金型
部12とが高圧にて型締めされる(実施例1ではF10
約100トンf)ことによって形成されている。この場
合、皮膜原料注入装置40のピストン44を前進させて
おき、シャットオフピン46の先端で皮膜原料注入部2
4を閉じておく。これによって、皮膜原料供給部42と
キャビティ30とは連通せず、皮膜原料52がキャビテ
ィ30内に流入することはないし、溶融樹脂50が皮膜
原料供給部42に流入することもない。
【0067】溶融樹脂の射出完了直後から、熱可塑性樹
脂供給用スクリュー102を用いて、キャビティ30内
の樹脂に圧力を加えた。尚、キャビティ30内の樹脂に
圧力を加えるこの操作を、以下、保圧操作と呼び、この
圧力を保圧圧力と呼ぶ。保圧操作の条件を、以下のとお
りとした。 保圧圧力 : 500kgf/cm2−G 保圧時間(期間): 10秒
【0068】保圧圧力の値は熱可塑性樹脂供給用スクリ
ュー102に加えられた圧力の値であり、保圧時間はほ
ぼゲートシール時間と同一であった。尚、射出成形品に
ひけやボイドが発生することを防止し、しかも形成され
る形状の射出成形品へのキャビティ30による転写性を
良くするために、保圧操作を実行する。
【0069】保圧操作を終了した後、型締め用油圧シリ
ンダー110を操作して金型の型締め力を低減させた。
型締め力の低減条件を以下のとおりとした。尚、型締め
力の低減によって、キャビティ30の金型開閉方向の厚
さは、溶融樹脂の射出時に比べて、約0.1mm程度増
加する。 低減後の型締め力(F11):約5トンf 低減開始時間 :保圧終了より50秒後
【0070】実施例1で使用した成形用の熱可塑性樹脂
の体積収縮率は大きい。その結果、樹脂に起因した型内
圧を0kgf/cm2まで低減させることができ、キャ
ビティ30内の樹脂50Aとキャビティ30の金型面と
の間に塗膜を形成するに十分なる大きな空間54が形成
された。この状態を、図6に模式的な断面図で示す。樹
脂50Aは、通常、可動金型部12側に収縮するため、
型締め力の低減と相まって、固定金型部10のキャビテ
ィ部分と樹脂50Aとの間に空間54が形成される。
【0071】その後、皮膜原料注入装置40のピストン
44を後退させることによって、シャットオフピン46
の先端を後退させて、皮膜原料注入部24を開く。これ
によって、皮膜原料供給部42と空間54とは連通す
る。併せて、ポンプ120を介して皮膜原料52を皮膜
原料供給部42に供給する。これによって、皮膜原料注
入部24まで皮膜原料は充填されるが、連通している空
間54の厚さは皮膜原料注入部24の流路幅と比較して
非常に小さく、皮膜原料の粘度が十分には低くないこと
もあって、この時点では皮膜原料52が連通している空
間54を満たすまでには至らない(図7参照)。
【0072】その後、皮膜原料注入装置40のピストン
44を前進させることによって、シャットオフピン46
の先端を前進させる。シャットオフピン46の先端が前
進することによって、キャビティ30内の樹脂50Aと
キャビティ30の金型面との間に皮膜原料52が注入さ
れる。皮膜原料の注入開始を保圧期間の終了後54秒と
した。このとき皮膜原料52は、キャビティ30内の樹
脂50Aを圧縮しつつ注入されるか、あるいは可動金型
部12を固定金型部10から若干離間させつつ注入され
るか、あるいはその双方の作用を生じさせつつ注入され
る。尚、どのような状態で皮膜原料52がキャビティ3
0内の樹脂50Aとキャビティ30の金型面との間の空
間(隙間)54に注入されるかは、皮膜原料の注入圧
力、型締め力、樹脂50Aの柔軟度に依存する。また、
低圧型締め操作を行っているが故に、空間(隙間)54
の体積を大きくすることが可能になり、厚い皮膜を射出
成形品の表面に均一に形成することが可能になる。
【0073】皮膜原料の注入条件を以下のとおりとし
た。 皮膜原料の注入圧力(pinj) :約15kgf/cm
2−G 皮膜原料の注入前の型内圧(P):0kgf/cm2 皮膜原料の注入完了直後の型内圧のピーク圧
(ppeak):15kgf/cm2 皮膜原料注入量:0.47cm3
【0074】キャビティ30内の樹脂50Aとキャビテ
ィ30の金型面との間に注入された皮膜原料52は、ゲ
ート部18からランナー部16へ侵入する。図7におい
ては、空間54は均一な厚さ(距離)をもって図示して
いる。しかしながら、実際には、凹部22の幅が小さい
ので、凹部22内の樹脂の凹部幅方向の体積収縮は小さ
い。その結果、凹部22の幅方向における空間の厚さ
(距離)は小さい。即ち、凹部22の型開き方向と平行
な面(凹部22の側面)と凹部22内の樹脂によって形
成される空間の厚さ(距離)は小さい。それ故、皮膜原
料52の流れは、凹部22の側面と凹部22内の樹脂に
よって形成される空間までしか到達せず、皮膜原料52
は、凹部22を越えて更にランナー部16を流れること
はない。この状態を、図8に模式的な断面図で示す。そ
の結果、射出成形品の表面に形成される皮膜の厚さを正
確に制御することができるばかりか、皮膜原料がランナ
ー部16からスプルー部14にまで侵入し、ランナー部
内やスプルー部内で冷却、固化した樹脂をランナー部や
スプルー部から取り外すことが困難になるといった問題
の発生を確実に回避することができる。
【0075】尚、皮膜原料の注入完了後、金型の型締め
力は低下させたまま保持してもよいし、皮膜を破損しな
い程度にまで再加圧してもよい。
【0076】次いで、完全にあるいは離型作業に支障が
ない程度に皮膜原料52を固化させて、キャビティ30
内の樹脂50Aの表面に皮膜52’を形成する。固化の
時間を120秒間とした。尚、この時間は射出成形され
た樹脂の冷却時間でもある。次いで、型締め用油圧シリ
ンダー110を後退させて、これまで加えていた型締め
力を解除して、離型操作を行う。この状態を、図9の
(A)の模式的な断面図に示す。最後に、表面に皮膜5
2’が形成された射出成形品60を可動金型部12から
取り外す。尚、不要な部分を除去した後の射出成形品6
0の模式的な断面図を図9の(B)に示す。
【0077】こうして、塗料皮膜から成る皮膜が射出成
形品の表側の表面の略全面に亙って形成された射出成形
品を得た。皮膜の厚さは、底部に開口部を有する箱型の
射出成形品の底部で平均80μmであった。
【0078】実施例1においては、皮膜原料に起因した
型内圧のピーク圧ppeakは15kgf/cm2であり、
離型直前の皮膜原料に起因した型内圧p’は5kgf/
cm2であった。尚、このように、離型直前の型内圧
p’が0kgf/cm2ではない高い値に保持される理
由は、体積収縮した皮膜の体積(但し、大気圧下に放置
したと仮定したときの体積である)が、未だ、空間54
の体積より大きいことにある。
【0079】このように、皮膜原料に起因した離型直前
の型内圧p’を0kgf/cm2ではない高い値に保持
することによって、皮膜は常にキャビティ30の金型面
にて加圧される。その結果、射出成形品の表面に形成さ
れる皮膜に、高い均一性、光沢性、密着性を付与するこ
とができた。
【0080】実施例1にて使用したポリカーボネート/
ポリエチレンテレフタレートアロイ樹脂(ユーピロンM
B2112)のPVT図を図19に示す。尚、図19
中、(A)は圧力1kgf/cm2(大気圧)のときの
樹脂温度と比容積の関係を示し、(B)は同じく300
kgf/cm2、(C)は500kgf/cm2、(D)
は700kgf/cm2、(E)は1000kgf/c
2のときの樹脂温度と比容積の関係を示す。
【0081】溶融樹脂のキャビティ内への保圧圧力P10
は約500kgf/cm2−Gであり、かかる樹脂の温
度T10は290゜Cである。従って、(圧力P10=50
0kgf/cm2,温度T10=290゜C)における熱
可塑性樹脂の比容積V10は約0.9cm3/gである。
一方、金型の型締め力を減少させる直前の型内圧は既に
大気圧と等しかったので、金型の型締め力を減少させた
直後の型内圧P11も0kgf/cm2、かかる時点にお
けるキャビティ内の樹脂の温度T11は140゜Cであっ
た。それ故、(圧力P11,温度T11)における熱可塑性
樹脂の比容積V11は約0.86cm3/gであった。更
には、皮膜原料の注入直前のキャビティ内の樹脂の温度
12は140゜Cであり、(大気圧P0,温度T12)に
おける熱可塑性樹脂の比容積V12は約0.86cm3
gであった。従って、V12≦V11を満足していた。
【0082】即ち、温度T10(290゜C)から或る温
度(図19では約220゜C)までは等比容積V10のま
まキャビティ内の樹脂は冷却される。次いで、図19に
おいては、約220゜Cから約140゜Cまで、線Aに
沿って、今度は比容積が小さくなるように、キャビティ
内の樹脂は変化する。温度が約140゜C(T11)の時
点で低圧型締め操作が行われ、キャビティの体積は若干
増加するが、キャビティ内の樹脂に起因する型内圧は既
に大気圧P0と等しくなっているので、PVT図上には
変化が現れない。また、低圧型締め操作から皮膜原料の
注入までに短時間(4秒)しか経過していないため、皮
膜原料注入直前の樹脂の温度T12はT11とほぼ等しい。
この結果、k2(V11−V12)、及び低圧型締め操作に
起因するキャビティの体積増加分の和に相当する体積変
化が、キャビティの金型面とキャビティ内の樹脂との間
に形成される空間54に相当する。このように、V12
11なる熱可塑性樹脂を使用し、低圧型締め操作を行う
ことによって、キャビティの金型面とキャビティ内の樹
脂との間に空間を確実に形成することができる。
【0083】(実施例2)実施例2も、図1に示した型
内被覆成形法用の金型を用い、射出成形法の第1の態様
にて射出成形品の成形を行った。実施例2においては、
溶融樹脂の射出開始から金型の離型までの間、金型の型
締め力を一定に保持する。即ち、実施例2においては、
高圧型締め操作を採用した。より具体的には、溶融樹脂
の射出開始から金型の離型までの間、金型の型締め力を
約100トンfに保持した。尚、ランナー部16、ゲー
ト部18及び凹部22の寸法は、実施例1と同様とし
た。
【0084】実施例2においては、皮膜原料注入直前の
キャビティ内の樹脂が冷却することによって生じる樹脂
の体積収縮作用に起因して、キャビティ内に射出された
樹脂によって生成された型内圧Pが0kgf/cm2
低下する。実施例2においては、保圧操作によるキャビ
ティ内の樹脂の重量増加が完了した時点における型内圧
をP10、かかる時点におけるキャビティ内の樹脂の温度
をT10とし、皮膜原料の注入直前のキャビティ内の樹脂
の温度をT12、大気圧をP0とし、(圧力P10,温度T
10)における熱可塑性樹脂の比容積をV10、(圧力
0,温度T12)における熱可塑性樹脂の比容積をV12
としたとき、V12≦V10である熱可塑性樹脂を用いた。
これによって、キャビティ内の樹脂によって生成した型
内圧Pが0kgf/cm2まで低下する。
【0085】実施例2においては成形用の熱可塑性樹脂
原料として、以下の原料を使用した。また、射出成形条
件、保圧操作条件を、以下のとおりとした。尚、使用し
た皮膜原料を、実施例1と同様とした。 成形用の熱可塑性樹脂:ポリアミドMXD6(三菱エン
ジニアリングプラスチックス株式会社製:レニー102
2) 射出成形条件 金型温度 : 130゜C 溶融樹脂の温度: 270゜C 射出圧力 : 700kgf/cm2−G 保圧操作条件 保圧圧力 : 500kgf/cm2−G 保圧時間 : 2.5秒
【0086】実施例2における保圧圧力の値は通常の値
であるが、保圧時間は、通常の保圧時間と比較して短
い。尚、通常の保圧時間は9秒程度で、この時間はほぼ
ゲートシール時間に等しい。従って、保圧操作による溶
融樹脂の重量増加は、通常の保圧操作による溶融樹脂の
重量増加よりも少ない。その結果、キャビティ30内の
樹脂50Aとキャビティ30の金型面との間に空間54
が形成され易くなる。
【0087】実施例2では保圧操作終了後、50秒間冷
却時間をおいた後、型締め力を100トンfに保持した
まま、皮膜原料を注入した。皮膜形成条件、皮膜原料注
入後の冷却条件、皮膜固化条件は以下のとおりである。 皮膜形成条件 皮膜原料の注入開始:保圧期間の終了後50秒 皮膜原料の注入圧力(pinj):約150kgf/cm2
−G 皮膜原料の注入完了直後の型内圧のピーク圧
(ppeak):150kgf/cm2 皮膜原料の注入前の型内圧(P):0kgf/cm2 皮膜原料注入量:0.55cm3 皮膜固化条件 固化時間 : 120秒 尚、この固化時間は射出成形された樹脂の冷却時間でも
ある。
【0088】離型直前における型内圧p’は40kgf
/cm2であった。実施例2にて用いた熱可塑性樹脂の
PVT図を図20に示す。尚、図20中、(A)は圧力
1kgf/cm2(大気圧)のときの樹脂温度と比容積
の関係を示し、(B)は同じく510kgf/cm2
(C)は700kgf/cm2、(D)は1020kg
f/cm2、(E)は1530kgf/cm2のときの樹
脂温度と比容積の関係を示す。保圧圧力P10は500k
gf/cm2−Gであり、保圧工程におけるキャビティ
内の樹脂の温度T10は270゜Cである。従って、図2
0からも明らかなように、(圧力P10=500kgf/
cm2,温度T10=270゜C)における熱可塑性樹脂
の比容積V10は、約0.65cm3/gである。温度T
10(270゜C)から或る温度(図20では約235゜
C)までは等比容積V10のままキャビティ内の樹脂は冷
却される。次いで、図20においては、約235゜Cか
ら約140゜Cまで、線Aに沿って、今度は比容積が小
さくなるように、キャビティ内の樹脂は変化する。温度
が約140゜C(T11)の時点で皮膜原料の注入が行わ
れる。皮膜原料の注入直前の樹脂に起因した型内圧は0
kgf/cm2であり、皮膜原料の注入直前のキャビテ
ィ内の樹脂の温度T12は約140゜Cである。従って、
(型内力P0=0kgf/cm2,温度T12=140゜
C)における熱可塑性樹脂の比容積V12は0.623c
3/gである。即ち、V12≦V10を満足している。
【0089】実施例2においても、キャビティ30内の
樹脂50Aとキャビティ30の金型面との間に注入され
た皮膜原料52は、ゲート部18からランナー部16へ
侵入する。しかしながら、ランナー部16には凹部22
が形成されているので、皮膜原料52が凹部22を越え
て更にランナー部16を流れることはなかった。また、
高圧型締め操作において、V12≦V10の関係を満足する
熱可塑性樹脂を使用し、更には、好ましくは保圧時間を
短くすることによって、キャビティ30内の樹脂50A
とキャビティ30の金型面との間に空間54を形成する
ことができ、塗料皮膜から成る平均厚さ100μmの皮
膜が射出成形品の表側の表面の略全面に亙って形成され
た射出成形品を得ることができた。
【0090】(実施例3)実施例3においては、図10
の型内被覆成形法用の金型を使用し、射出成形法の第1
の態様に基づき射出成形品の成形を行った。実施例3に
おいては、キャビティ30内への溶融樹脂の射出完了
後、皮膜原料の注入前に、金型の型締め力を0とし、次
いで、固定金型部10と可動金型部12とでキャビティ
30を形成した状態で可動金型部12を固定金型部10
から離間する工程を含む。実施例3の熱可塑性樹脂の射
出成形法の実施に適した金型の概要を、図10の模式的
な断面図を参照して説明する。尚、ランナー部16、ゲ
ート部18及び凹部22の寸法は、実施例1と同様とし
た。
【0091】実施例3の実施に適した型内被覆成形法用
の金型も、固定金型部10と可動金型部12から構成さ
れている。そして、固定金型部10と可動金型部12
は、固定金型部10と可動金型部12とでキャビティ3
0を形成した状態で可動金型部12を固定金型部10か
ら離間し得る構造を有している。即ち、可動金型部12
を固定金型部10から離間することによってキャビティ
30の体積を増加させ得る構造となっている。
【0092】より具体的には、図10に示すように、可
動金型部12を固定金型部10に対して若干移動させて
も閉じたキャビティ30が形成されるように、可動金型
部12と固定金型部10のパーティング面12A,10
Aが印篭構造となっている。尚、図10には、型締めさ
れた状態の金型を示す。金型のその他の構造は、実施例
1にて説明した金型と同様とすることができるので、説
明は省略する。また、実施例3の実施に適した射出成形
装置は、図3にて説明した射出成形装置と同様とするこ
とができるので、その説明は省略する。
【0093】実施例3においては、溶融樹脂の射出時の
型締め力を約100トンfとし、皮膜原料の注入前に、
型締め用油圧シリンダー110を動作させて、型締め力
を開放(0トンf)とし、更に、可動金型部12を固定
金型部10から離間し、キャビティ30の金型開閉方向
の厚さを広げた。固定金型部10からの可動金型部12
の離間量を0.1mmとした。尚、キャビティ30の金
型開閉方向の厚さは、溶融樹脂の射出時に比べて、約
0.3mm程度増加する。
【0094】実施例3においては、可動金型部を固定金
型部から離間させた直後の型内圧をP’11、かかる時点
におけるキャビティ内の樹脂の温度をT’11とし、皮膜
原料の注入直前のキャビティ内の樹脂の温度をT12、大
気圧をP0とし、(圧力P’1 1,温度T’11)における
熱可塑性樹脂の比容積をV’11、(圧力P0,温度
12)における熱可塑性樹脂の比容積をV12としたと
き、V12≦V’11である熱可塑性樹脂を用いた。
【0095】実施例3においては、使用した成形用の熱
可塑性樹脂及び皮膜原料を、実施例1と同様とした。ま
た、射出成形条件、保圧操作条件を、以下のとおりとし
た。尚、 射出成形条件 金型温度 : 130゜C 溶融樹脂の温度: 290゜C 射出圧力 : 800kgf/cm2−G 保圧操作条件 保圧圧力 : 500kgf/cm2−G 保圧時間 : 10秒
【0096】実施例3では保圧操作終了後、50秒経過
後、型締め用油圧シリンダー110を作動させて、金型
の型締め力を0トンfとし、更に、固定金型部10と可
動金型部12とでキャビティ30を形成した状態で可動
金型部12を固定金型部10から0.1mm離間した。
固定金型部10に対する可動金型部12の位置は、溶融
樹脂の射出直前を基準とした場合、離間後では0.3m
m移動していた。そして、保圧期間の終了後54秒経過
した後、形成された空間54内に皮膜原料52を注入し
た。皮膜形成条件、皮膜原料注入後の冷却条件、皮膜固
化条件は以下のとおりである。 皮膜形成条件 皮膜原料の注入開始:保圧期間の終了後54秒 皮膜原料の注入完了直後の型内圧のピーク圧
(ppeak):20kgf/cm2 皮膜原料の注入前の型内圧(P):0kgf/cm2 皮膜原料注入量:1.7cm3 皮膜固化条件 固化時間 : 120秒 尚、この固化時間は射出成形された樹脂の冷却時間でも
ある。
【0097】離型直前における型内圧p’は5kgf/
cm2であった。保圧圧力P10は500kgf/cm2
Gであり、保圧工程におけるキャビティ内の樹脂の温度
1 0は290゜Cである。従って、図19のPVT図か
ら、(圧力P10=500kgf/cm2,温度T10=2
90゜C)における熱可塑性樹脂の比容積V10は約0.
90cm3/gである。一方、可動金型部を固定金型部
から離間させた直後の型内圧P’11は離間前に0kgf
/cm3、かかる時点におけるキャビティ内の樹脂の温
度T’11は約140゜Cであった。また、皮膜原料の注
入直前のキャビティ内の樹脂の温度T12もほぼ140゜
Cであった。(圧力P’11=0kgf/cm2,温度
T’11=140゜C)における熱可塑性樹脂の比容積
V’11は約0.86cm3/gであり、(圧力P0=0k
gf/cm2,温度T12=140゜C)における熱可塑
性樹脂の比容積V12も約0.86cm3/gであり、V
12≦V’11を満足していた。
【0098】実施例3においても、キャビティ30内の
樹脂50Aとキャビティ30の金型面との間に注入され
た皮膜原料52は、ゲート部18からランナー部16へ
侵入する。しかしながら、ランナー部16には凹部22
が形成されているので、皮膜原料52が凹部22を越え
て更にランナー部16を流れることはなかった。また、
実施例3においては、V12≦V’11の関係を満足する熱
可塑性樹脂を使用し、更には、可動金型部離間操作を行
うことによって、キャビティ30内の樹脂50Aとキャ
ビティ30の金型面との間に一層確実に空間54を形成
することができ、塗料皮膜から成る皮膜が射出成形品の
表側の表面の略全面に亙って形成された射出成形品を得
ることができた。尚、皮膜の厚さは、箱型の射出成形品
の底部で平均260μmであった。
【0099】(実施例4)実施例4では、図11に示し
た型内被覆成形法用の金型を使用し、射出成形法の第2
の態様に基づき射出成形品の成形を行った。即ち、実施
例4においては、キャビティ30内に射出された樹脂5
0Aによって生成された型内圧Pが0kgf/cm2
りも高い状態で皮膜原料52を注入する。尚、実施例4
の熱可塑性樹脂の射出成形法においては、金型を閉じ型
締め力を保持した状態でキャビティ30内に溶融樹脂5
0を射出した後、キャビティ30内の樹脂50Aとキャ
ビティ30の金型面との間に空間(隙間)を形成するこ
となく、キャビティ30内の樹脂50Aとキャビティ3
0の金型面との間に皮膜原料52を注入する。即ち、実
施例4においては、溶融樹脂の射出開始から離型までの
間、金型の型締め力を一定に保持する、高圧型締め操作
を採用した。尚、実施例4の実施に適した射出成形装置
は、図3にて説明した射出成形装置と同様とすることが
できるので、その説明は省略する。キャビティ形状は、
縦約100mm×横約30mm×深さ約10mm、肉厚
4mmの略箱型としたが、キャビティ形状はこのような
形状に限定されず、所望に応じて任意の形状とすること
ができる。一方、ランナー部16の断面形状は矩形であ
り、断面の寸法を、幅6mm、高さ(深さ)5mmとし
た。更に、ゲート部の断面形状も矩形であり、断面の寸
法を、幅4mm、高さ(深さ)2mmとした。可動金型
部12に形成された凹部22は、溶融樹脂射出部を流れ
る溶融樹脂の流れの方向と略直角の方向に設けられた溝
部から成り、幅を2mm、深さを3mm、長さを6mm
とした。
【0100】実施例4においては、皮膜原料の注入直前
の樹脂に起因した型内圧をP22、かかる時点におけるキ
ャビティ内の樹脂の温度をT22、大気圧をP0とし、
(圧力P22,温度T22)における熱可塑性樹脂の比容積
をV22、(圧力P0、温度T22)における熱可塑性樹脂
の比容積をV2としたとき、V2>V22である熱可塑性樹
脂を用いた。
【0101】実施例4において使用した成形用の熱可塑
性樹脂原料は、実施例2と同様とした。また、使用した
皮膜原料は、実施例1と同様とした。
【0102】また、射出成形条件を、以下のとおりとし
た。 金型温度 : 130゜C 溶融樹脂の温度: 270゜C 射出圧力 : 700kgf/cm2−G
【0103】先ず、図11に模式的な断面図を示すよう
に、金型を型締めした後、図12に模式的な断面図を示
すように、熱可塑性樹脂から成る溶融樹脂50を、射出
シリンダーから、スプルー部14、ランナー部16、ゲ
ート部18を経由して、開口部20からキャビティ30
に射出し、キャビティ30内を溶融樹脂50で充填す
る。尚、キャビティ30は、固定金型部10と可動金型
部12とが高圧にて型締めされる(実施例4では約10
0トンf)ことによって形成されている。この場合、皮
膜原料注入装置40のピストン44を前進させておき、
シャットオフピン46の先端で皮膜原料注入部24を閉
じておく。これによって、皮膜原料供給部42とキャビ
ティ30とは連通せず、皮膜原料52がキャビティ30
内に流入することはない。
【0104】溶融樹脂の射出完了直後から、以下の条件
で保圧操作を行った。尚、この保圧操作の条件は、通常
の条件であり、保圧時間はゲートシール時間とほぼ同一
である。 保圧圧力 : 800kgf/cm2−G 保圧時間(期間): 9秒
【0105】保圧期間の終了後、皮膜原料注入装置40
のピストン44を後退させることによって、シャットオ
フピン46の先端を後退させて、皮膜原料注入部24を
開く。併せて、ポンプを介して皮膜原料52を皮膜原料
供給部42に供給する。これによって、皮膜原料注入部
24まで皮膜原料は充填される。尚、射出成形方法の第
2の態様においては、樹脂50Aに起因する型内圧Pが
0kgf/cm2よりも高いので、この時点で樹脂50
Aが皮膜原料注入部24に流入することを防止する必要
がある。そのためには、キャビティの金型面と接する樹
脂50Aの部分を或る程度硬化させておけばよい。具体
的には、保圧期間の経過後、シャットオフピン46の後
退までの時間を長くする方法、キャビティの金型面と接
触する樹脂の部分及びその近傍の樹脂は冷却され、硬化
するが、かかる硬化が早い結晶性樹脂を使用する方法が
挙げられる。
【0106】その後、皮膜原料注入装置40のピストン
44を前進させることによって、シャットオフピン46
の先端を前進させる。シャットオフピン46の先端が更
に前進することによって、キャビティ30内の樹脂50
Aとキャビティ30の金型面との間56に皮膜原料52
が注入される。この状態を、図13の(A)の模式的な
断面図に示す。皮膜原料の注入開始を保圧期間の終了後
4秒とした。
【0107】このとき皮膜原料52は、キャビティ30
内の樹脂50Aを圧縮しつつ注入されるか、あるいは可
動金型部12を固定金型部10から若干離間させつつ注
入されるか、あるいはその双方の作用を生じさせつつ注
入される。尚、どのような状態で皮膜原料52がキャビ
ティ30内の樹脂50Aとキャビティ30の金型面との
間56に注入されるかは、皮膜原料の注入圧力、型締め
力、樹脂50Aの柔軟度に依存する。図13の(A)に
おいては、樹脂50Aが皮膜原料52によって圧縮され
ている状態を拡大して模式的に示した。
【0108】皮膜原料の注入条件を以下のとおりとし
た。 皮膜原料の注入圧力(pinj) :500kgf/cm
2−G 皮膜原料の注入時の型内圧(P):300kgf/cm
2 皮膜原料の注入直後の型内圧(Ppeak):500kgf
/cm2 皮膜原料注入量:0.2cm3
【0109】実施例4においても、キャビティ30内の
樹脂50Aとキャビティ30の金型面との間56に注入
された皮膜原料52は、ゲート部18からランナー部1
6へ侵入する。射出成形方法の第2の態様においては、
注入された皮膜原料52は、キャビティ30内の樹脂5
0Aを圧縮しつつ注入されるか、あるいは可動金型部1
2を固定金型部10から若干離間させつつ注入される
か、あるいはその双方の作用を生じさせつつ注入され
る。樹脂の圧縮のし易さ(柔軟度)は、一般に温度に依
存する。即ち、ランナー部16に設けた凹部22を先の
寸法にすることによって、凹部22内の樹脂50Aの冷
却を他の部分における樹脂の冷却よりも早く進行させる
ことで、キャビティ30内、ゲート部18内やランナー
部16内の樹脂よりも凹部22内の樹脂50Aは早く固
化し、圧縮され難くくなる。また、凹部22の型開き方
向と平行な面(凹部22の側面)と樹脂との間に侵入し
た皮膜原料52は、その圧力をかかる凹部22の面に主
に伝えるだけであり、凹部22の型開き方向と直角の面
(凹部22の底面)方向の力の成分は極めて小さくな
る。その結果、皮膜原料52が凹部22を越えて更にラ
ンナー部16を流れることはなかった。
【0110】次いで、完全にあるいは離型作業に支障が
ない程度に皮膜原料52を固化させて、キャビティ30
内の樹脂50Aの表面に皮膜を形成する。固化の時間を
120秒間とした。尚、この期間に射出成形された樹脂
は冷却し続ける。次いで、型締め用油圧シリンダー11
0の油圧ピストン112を後退させて、これまで加えて
いた型締め力を解除して、離型操作を行う。最後に、金
型から射出成形品を取り出す。尚、離型直前における型
内圧P’の値は約320kgf/cm2であった。
【0111】こうして、塗料皮膜から成る皮膜が射出成
形品の表側の表面の略全面に亙って形成された射出成形
品を得た。皮膜の厚さは、箱型の射出成形品の底部で平
均30μmであった。尚、表面に皮膜52’が形成さ
れ、不要な部分が除去された後の射出成形品60の模式
的な断面図を図13の(B)に示す。
【0112】実施例4における皮膜原料注入直前におけ
る型内圧P22は300kgf/cm2、かかる時点にお
けるキャビティ内の樹脂の温度T22は235゜Cであっ
た。実施例4においては、(圧力P22=300kgf/
cm2,温度T22=235゜C)における熱可塑性樹脂
の比容積をV22、(圧力P0=1kgf/cm2,温度T
22=235゜C)における熱可塑性樹脂の比容積をV2
としたとき、V22=0.643cm3/g、V2=0.6
53cm3/gである。即ち、V2>V22を満足してい
る。それ故、皮膜原料注入直前の型内圧は0kgf/c
2まで低下しなかった。尚、実施例4にて使用した熱
可塑性樹脂のPVT図は、図20と同じである。
【0113】(実施例5)実施例5では、図14に示し
た型内被覆成形法用の金型を使用し、射出成形法の第2
の態様に基づき射出成形品の成形を行った。射出成形法
において実施例5が実施例4と相違する点は、金型の型
締め力を、皮膜原料52の注入前に、溶融樹脂の射出時
における型締め力よりも減少させる点にある。即ち、溶
融樹脂の射出時の型締め力を約100トンf(=F20
とし、皮膜原料52の注入前に、型締め力を約5トンf
(=F21)に下げた。即ち、F21/F20≒0.05であ
る。尚、ランナー部16及びゲート部18の寸法、並び
に凹部22A,22Bの幅及び深さは、実施例4と同様
とした。
【0114】図14に示した型内被覆成形法用の金型に
おいては、皮膜原料流入防止のための環状の凹部22A
が固定金型部10に形成されており、一方、環状の凹部
22Bが可動金型部12に形成されている。即ち、ラン
ナー部16は凹部22A,22Bによって囲まれてい
る。固定金型部10に形成された凹部22Aは、溶融樹
脂射出部を流れる溶融樹脂の流れの方向と略直角の方向
に設けられた溝部から成り、幅を2mm、深さを3mm
とした。また、可動金型部12に形成された凹部22B
は、溶融樹脂射出部を流れる溶融樹脂の流れの方向と略
直角の方向に設けられた溝部から成り、幅を2mm、深
さを3mmとした。尚、実施例5の実施に適した射出成
形装置は、図3にて説明した射出成形装置と同様とする
ことができるので、その説明は省略する。
【0115】実施例5において使用した成形用の熱可塑
性樹脂原料を実施例4と同様とし、射出成形条件、保圧
操作条件を実施例4と同様とした。また、第1の皮膜原
料注入部24Aから注入する皮膜原料52Aを、実施例
1と同様とした。第2の皮膜原料注入部24Bから注入
する皮膜原料52Bとして、三菱化学株式会社製銅系導
電性塗料(MCP−1000)を遅乾性シンナー(三菱
化学株式会社製:MCPシンナーBM)で希釈したもの
を使用した。尚、型締めした後の金型の模式的な断面図
を図14に示す。また、溶融樹脂50をキャビティ30
内に射出した状態を、図15の模式的な断面図に示す。
【0116】実施例5においては、保圧期間の終了直
後、型締め用油圧シリンダー110を操作して、型締め
力を約5トンfまで低下させる。これによって、キャビ
ティの体積は若干増加するが、V2>V22を満足する熱
可塑性樹脂を使用するので、未だ、キャビティ内の樹脂
とキャビティの金型面との間には空間は形成されない。
次いで、皮膜原料注入装置40A,40Bのピストン4
4A,44Bを後退させることによって、シャットオフ
ピン46A,46Bの先端を後退させて、皮膜原料注入
部24A,24Bを開く。これによって、皮膜原料注入
部24A,24Bまで皮膜原料は充填されるが、型内圧
Pが0kgf/cm2にまで低下していないので樹脂5
0Aとキャビティ30の金型面との間に空間(隙間)は
形成されず、皮膜原料供給部42A,42Bとキャビテ
ィ30とは連通していない。従って、皮膜原料52A,
52Bは、この段階ではキャビティ30側に流入しな
い。
【0117】型締め力を低下させ、次いで、シャットオ
フピン46A,46Bの前進によって、キャビティ30
内の樹脂50Aとキャビティ30の金型面との間に、皮
膜原料52A,52Bを注入する。この状態を、図16
の(A)に模式的な断面図で示す。実施例4と比較する
と、低圧型締め操作であるが故に、実施例4よりも厚い
皮膜を形成することが可能となる。尚、皮膜原料の注入
開始を保圧期間の終了後4秒とした。また、皮膜原料の
注入時の型内圧(P)は100kgf/cm2であっ
た。 皮膜形成条件 第1の皮膜原料注入部24Aからの皮膜原料の注入 皮膜原料の注入圧力(pinj) :240kgf/cm
2−G 注入量:0.3cm3 第2の皮膜原料注入部24Bからの皮膜原料の注入 皮膜原料の注入圧力(pinj) :240kgf/cm
2−G 注入量:0.1cm3 皮膜原料の注入直後の型内圧(Ppeak):240kgf
/cm2 皮膜固化条件 固化時間 : 120秒
【0118】尚、この皮膜の固化期間に、射出成形され
た樹脂は冷却され続ける。皮膜原料の注入完了後、金型
の型締め力を低下させたまま保持しておいてもよいし、
皮膜原料の注入によって樹脂表面に形成された皮膜を破
損しない程度まで型締め力を増加させてもよい。尚、離
型直前における型内圧P’の値は約190kgf/cm
2であった。
【0119】実施例5において、皮膜原料注入直前にお
ける型内圧P22は100kgf/cm2、かかる時点に
おけるキャビティ内の樹脂の温度T22は235゜Cであ
った。(圧力P22=100kgf/cm2,温度T22
235゜C)における熱可塑性樹脂の比容積をV22
(圧力P0=1kgf/cm2,温度T22=235゜C)
における熱可塑性樹脂の比容積をV2としたとき、V22
=0.648cm3/g、V2=0.653cm3/gで
あった。即ち、V2>V22を満足している。尚、実施例
5にて使用した熱可塑性樹脂のPVT図は、図20と同
じである。
【0120】こうして、皮膜52A’,52B’が射出
成形品60の表側及び裏面の表面の略全面に亙って形成
された射出成形品60を得ることができた。実施例5に
おいても、キャビティ30内の樹脂50Aとキャビティ
30の金型面との間に注入された皮膜原料52A,52
Bは、ゲート部18からランナー部16へ侵入する。し
かしながら、ランナー部16には凹部22A,22Bが
形成されているので、皮膜原料52A,52Bが凹部2
2A,22Bを越えて更にランナー部16を流れること
はなかった。尚、表面に皮膜52A’(厚さ約50μ
m),52B’(厚さ約30μm)が形成され、不要な
部分が除去された後の射出成形品60の模式的な断面図
を、図16の(B)に示す。
【0121】(実施例6)実施例6では、図10に示し
た型内被覆成形法用の金型を使用し、射出成形法の第2
の態様に基づき射出成形品の成形を行った。実施例6が
実施例4と相違する点は、金型の型締め力を、皮膜原料
52の注入前に、溶融樹脂の射出時における型締め力よ
りも減少させ、その後、固定金型部10と可動金型部1
2とでキャビティ30を形成した状態で可動金型部12
を固定金型部10から離間した後、キャビティ30内の
樹脂50Aとキャビティ30の金型面の間に皮膜原料5
2を注入する点にある。実施例6においては、金型の型
締め力を、溶融樹脂の射出時の型締め力を約100トン
fとし、皮膜原料52の注入前に、型締め力を開放(0
トンf)とし、更には、可動金型部12を固定金型部1
0から離間させた。尚、離間量を0.1mmとした。固
定金型部10に対する可動金型部12の位置は、溶融樹
脂の射出直前を基準とした場合、離間後では0.3mm
移動していた。実施例6の実施に適した射出成形装置
は、図3にて説明した射出成形装置と同様とすることが
できるので、その説明は省略する。尚、キャビティ形状
は、縦約100mm×横約30mm×深さ約10mm、
肉厚4mmの略箱型である。また、尚、ランナー部1
6、ゲート部18及び凹部22の寸法を、実施例1と同
様とした。
【0122】実施例6において使用した成形用の熱可塑
性樹脂原料及び皮膜原料を、実施例4と同様とした。ま
た、射出成形条件、保圧操作条件も実施例4と同様とし
た。
【0123】実施例6では保圧期間の終了直後、型締め
用油圧シリンダー110を作動させて型締め力を解放
し、可動金型部12を固定金型部10から約0.1mm
離間させた後、皮膜原料注入装置40のピストン44を
後退させることによって、シャットオフピン46の先端
を後退させて、皮膜原料注入部24を開く。これによっ
て、皮膜原料注入部24まで皮膜原料は充填されるが、
キャビティは樹脂で完全に満たされており、型内圧0k
gf/cm2にまで低下していないので、樹脂50Aと
キャビティ30の金型面の間に空間が形成されず、皮膜
原料供給部42とキャビティ30とは連通していない。
従って皮膜原料52は、この段階ではキャビティ30側
に流入しない。
【0124】可動金型部12を固定金型部10から離間
させ、次いで、シャットオフピン46の前進によって、
皮膜原料52はキャビティ30内の樹脂50Aとキャビ
ティ30の金型面との間に注入される。皮膜原料の注入
開始を保圧期間の終了後4秒とした。尚、実施例5と比
較すると、可動金型離間操作であるが故に、厚い皮膜を
形成することが可能となる。 皮膜形成条件 皮膜原料の注入圧力(pinj) :200kgf/cm
2−G 皮膜原料の注入時の型内圧(P):50kgf/cm2 皮膜原料の注入直後の型内圧(Ppeak):200kgf
/cm2 注入量:0.6cm3 皮膜固化条件 固化時間 : 120秒
【0125】尚、この皮膜の固化期間に、射出成形され
た樹脂は冷却され続ける。皮膜原料の注入完了後、金型
の型締め力を開放したまま保持しておいてもよいし、皮
膜原料の注入によって樹脂表面に形成された皮膜を破損
しない程度まで型締め力を増加させてもよい。尚、離型
直前における型内圧P’の値は約100kgf/cm2
であった。
【0126】実施例6においては、皮膜原料注入直前に
おける型内圧P22は50kgf/cm2、かかる時点に
おけるキャビティ内の樹脂の温度T22は235゜Cであ
った。(圧力P22=50kgf/cm2,温度T22=2
35゜C)における熱可塑性樹脂の比容積をV22、(圧
力P0=1kgf/cm2,温度T22=235゜C)にお
ける熱可塑性樹脂の比容積をV2としたとき、V22
0.650cm3/g、V2=0.653cm3/gであ
る。即ち、V2>V22を満足している。それ故、皮膜原
料注入直前の型内圧は0kgf/cm2まで低下せず、
キャビティ50内の樹脂40Aとキャビティ50の金型
面との間に空間(隙間)が発生することはない。尚、実
施例6にて使用した熱可塑性樹脂のPVT図は、図20
と同じである。
【0127】こうして、塗料皮膜から成る皮膜が射出成
形品の表側の表面の略全面に亙って形成された射出成形
品を得た。皮膜の厚さは、箱型の射出成形品の底部で平
均100μmであった。実施例6においても、キャビテ
ィ30内の樹脂50Aとキャビティ30の金型面との間
に注入された皮膜原料52は、ゲート部18からランナ
ー部16へ侵入する。しかしながら、ランナー部16に
は凹部22が形成されているので、皮膜原料52が凹部
22を越えて更にランナー部16を流れることはなかっ
た。
【0128】以上、本発明を実施の形態及び好ましい実
施例に基づき説明したが、本発明はこれらに限定される
ものではない。実施の形態にて説明した型内被覆成形法
用の金型の構造は例示であり、適宜設計変更することが
可能である。また、実施例にて説明した型内被覆成形法
における各種の条件や使用した材料も例示であり、適宜
変更することができる。実施例1及び実施例2で説明し
た射出成形法においては、実施の形態1にて説明した金
型を使用したが、実施の形態2若しくは実施の形態3に
て説明した金型を使用することもできる。一方、実施例
4で説明した射出成形法においても、実施の形態1若し
くは実施の形態3にて説明した金型を使用することもで
きる。図10に示した印篭構造を有する金型において、
皮膜原料注入装置を可動金型部に配設してもよいし、固
定金型部と可動金型部の両方に配設してもよい。
【0129】熱可塑性樹脂の射出成形方法においては、
皮膜原料を注入した直後の型内圧ppeak,Ppeakが先に
説明した範囲内に収まるように、適宜、第1の態様若し
くは第2の態様を選択し、併せて、型締め操作の形態
(高圧型締め操作、低圧型締め操作、可動金型部離間操
作)を選択すればよい。どの組み合わせが最適かは、熱
可塑性樹脂の種類、皮膜原料注入直前のキャビティ内の
樹脂の柔軟度、皮膜原料の注入量(即ち、射出成形品の
表面に形成すべき皮膜の厚さ)、射出成形品の肉厚や形
状等に基づき、決定すればよい。
【0130】
【発明の効果】本発明の型内被覆成形法用の金型におい
ては、溶融樹脂射出部の一部に凹部が形成されているの
で、皮膜原料の溶融樹脂射出部への流入を効果的に防止
できる。それ故、正確に制御された所望の厚さの皮膜を
射出成形品の表面に形成することができるし、金型の離
型後、射出成形品が固定金型部から離れなくなることを
効果的に防止し得る。その結果、安定した成形サイクル
にて、各種の機能を有する皮膜を樹脂の表面上に形成す
ることができ、最終製品に至る製造工程の削減、製造設
備の縮小、加工・処理時間の短縮、製造コストの低減を
図ることが可能となる。しかも、金型作製時、かかる凹
部の形成は左程の工数を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る型内被覆成形法用の金型の
模式的な断面図である。
【図2】スプルー部、ランナー部、ゲート部、凹部及び
キャビティの部分を透視した模式的な斜視図である。
【図3】実施の形態1に係る型内被覆成形法用の金型を
配設した射出成形装置の概要を示す模式的な断面図であ
る。
【図4】実施の形態1の変形に係る型内被覆成形法用の
金型の模式的な断面図である。
【図5】実施の形態1における型内被覆成形法用の金型
に溶融樹脂を射出した状態を示す模式的な断面図であ
る。
【図6】実施の形態1における型内被覆成形法用の金型
において、キャビティ内の樹脂とキャビティの金型面と
の間に空間が形成された状態を示す模式的な断面図であ
る。
【図7】実施の形態1における型内被覆成形法用の金型
において、キャビティ内の樹脂とキャビティの金型面と
の間に形成された空間に皮膜原料を注入する直前の状態
を示す模式的な断面図である。
【図8】実施の形態1における型内被覆成形法用の金型
において、キャビティ内の樹脂とキャビティの金型面と
の間に形成された空間に皮膜原料を注入した後の状態を
示す模式的な断面図である。
【図9】実施の形態1における型内被覆成形法用の金型
において、離型を行った後の状態を示す模式的な断面
図、及び射出成形品の模式的な断面図である。
【図10】可動金型部と固定金型部のパーティング面が
印篭構造となっている型内被覆成形法用の金型の模式的
な断面図である。
【図11】実施の形態2に係る型内被覆成形法用の金型
の模式的な断面図である。
【図12】実施の形態2における型内被覆成形法用の金
型に溶融樹脂を射出した状態を示す模式的な断面図であ
る。
【図13】実施の形態2における型内被覆成形法用の金
型において、キャビティ内の樹脂とキャビティの金型面
との間に皮膜原料を注入した後の状態を示す模式的な断
面図、及び射出成形品の模式的な断面図である。
【図14】実施の形態3に係る型内被覆成形法用の金型
の模式的な断面図である。
【図15】実施の形態3における型内被覆成形法用の金
型に溶融樹脂を射出した状態を示す模式的な断面図であ
る。
【図16】実施の形態3における型内被覆成形法用の金
型において、キャビティ内の樹脂とキャビティの金型面
との間に皮膜原料を注入した後の状態を示す模式的な断
面図、及び射出成形品の模式的な断面図である。
【図17】従来のインモールドコーティング法において
使用される金型の模式的な断面図である。
【図18】従来のインモールドコーティング法において
使用される金型における問題を説明するための金型等の
模式的な断面図である。
【図19】実施例1にて使用した熱可塑性樹脂のPVT
図である。
【図20】実施例2にて使用した熱可塑性樹脂のPVT
図である。
【符号の説明】 10 固定金型部 12 可動金型部 14 スプルー部 16 ランナー部 18 ゲート部 20 開口部 22,22A,22B 凹部 24 皮膜原料注入部 30 キャビティ 32 副キャビティ 40,40A,40B 皮膜原料注入装置 42,42A,42B 皮膜原料供給部 44,44A,44B ピストン 46,46A,46B シャットオフピン 50 溶融樹脂 50A 樹脂 52,52A,52B 皮膜原料 52’,52A’,52B’ 皮膜 60 射出成形品 100 射出シリンダー 102 熱可塑性樹脂供給用スクリュー 104 固定プラテン 106 可動プラテン 108 タイバー 110 型締め用油圧シリンダー 112 油圧ピストン 120 ポンプ 122 皮膜原料タンク 124 耐圧配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 泉田 敏明 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 (72)発明者 大田 賢治 愛知県小牧市三ツ淵字西ノ門878 大日本 塗料株式会社内 (72)発明者 米持 建司 愛知県小牧市三ツ淵字西ノ門878 大日本 塗料株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定金型部と可動金型部から成り、 固定金型部と可動金型部によって形成されたキャビテ
    ィ、 溶融樹脂をキャビティ内に射出するために、キャビティ
    に開口した開口部を有する溶融樹脂射出部、及び、 皮膜原料をキャビティ内に注入するために、キャビティ
    に開口した皮膜原料注入部、を備えた、型内被覆成形法
    用の金型であって、 該溶融樹脂射出部の開口部から離れた溶融樹脂射出部の
    部分に、皮膜原料流入防止のための凹部が形成されてい
    ることを特徴とする金型。
  2. 【請求項2】凹部は、溶融樹脂射出部を流れる溶融樹脂
    の流れの方向と略直角の方向に設けられた溝部から成る
    ことを特徴とする請求項1に記載の型内被覆成形法用の
    金型。
  3. 【請求項3】溝部の深さは、0.2乃至10mmであ
    り、溝部の幅は、0.2乃至10mmであることを特徴
    とする請求項2に記載の型内被覆成形法用の金型。
  4. 【請求項4】溝部の深さは、0.5乃至5mmであり、
    溝部の幅は、0.5乃至3mmであることを特徴とする
    請求項3に記載の型内被覆成形法用の金型。
  5. 【請求項5】皮膜原料注入部は固定金型部に設けられ、 皮膜原料流入防止のための凹部が固定金型部に形成され
    ていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれ
    か1項に記載の型内被覆成形法用の金型。
  6. 【請求項6】皮膜原料注入部は可動金型部に設けられ、 皮膜原料流入防止のための凹部が可動金型部に形成され
    ていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれ
    か1項に記載の型内被覆成形法用の金型。
  7. 【請求項7】皮膜原料注入部は、固定金型部に設けられ
    た第1の皮膜原料注入部と、可動金型部に設けられた第
    2の皮膜原料注入部とから成り、 皮膜原料流入防止のための凹部が固定金型部及び可動金
    型部に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請
    求項4のいずれか1項に記載の型内被覆成形法用の金
    型。
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