JPH09512249A - 腎臓疾患を治療するためのインスリンセンシタイザーの使用 - Google Patents

腎臓疾患を治療するためのインスリンセンシタイザーの使用

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JPH09512249A JP7520956A JP52095695A JPH09512249A JP H09512249 A JPH09512249 A JP H09512249A JP 7520956 A JP7520956 A JP 7520956A JP 52095695 A JP52095695 A JP 52095695A JP H09512249 A JPH09512249 A JP H09512249A
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Abstract

(57)【要約】 糖尿病性ネフロパシー、糸球体腎炎、糸球体硬化症、ネフローゼ症候群、高血圧性腎硬化症および末期腎臓疾患を包含する腎臓疾患およびミクロアルブミン尿症の治療および/または予防方法であって、有効な非毒性量のインスリンセンシタイザーをその治療などを必要とするヒトまたはヒト以外の哺乳動物に投与することからなる方法。

Description

【発明の詳細な説明】 腎臓疾患を治療するためのインスリンセンシタイザーの使用 本発明は腎臓疾患についての新規な治療法に関する。 欧州特許出願公開番号:0306228、0008203、0139421、 0032128、0428312、0155845、0257781、0208 420、0177353、0319189、0332331、0332332、 0528734、0508740;国際特許出願公開番号92/18501、9 3/02079、93/22445および米国特許第5104888号は、低血 糖症および低脂肪血症活性を有すると開示されているある種のチアゾリジンジオ ン誘導体を開示している。これらの特許出願に開示されているチアゾリジンジオ ン誘導体は、一般に「インスリンセンシタイザー(insulin sensitiser)」と称 される一連の血糖降下剤であり、かくしてこれらの化合物を、以下、「チアゾリ ジンジオン・インスリンセンシタイザー」と称する。 インスリンセンシタイザー活性を有すると一般に考えられている別の一連の化 合物は、典型的には、国際特許出願公開番号WO93/21166およびWO9 4/01420に開示されている化合物である。これらの化合物を、以下、「非 環式インスリンセンシタイザー」と称する。他の非環式インスリンセンシタイザ ーは、例えば、米国特許第5232945号および国際特許出願公開番号WO9 2/03425およびWO91/19702に開示されているものである。 他のインスリンセンシタイザーは、例えば、欧州特許出願公開番号05339 33、日本国特許出願公開番号05271204および米国特許第526445 1号に開示されているものである。 今回、本発明者らは、インスリンセンシタイザー活性を有する化合物が、水腎 症および蛋白尿症、例えば、アルブミン尿症を防止することができ、したがって 腎臓疾患、特に、タイプII糖尿病の発病に伴う腎臓疾患、例えば、糖尿病性ネフ ロパシー、糸球体腎炎、糸球体硬化症、ネフローゼ症候群、高血圧性腎硬化症お よび末期腎臓疾患の治療および/または予防にて有用であることを見いだした。 さらに、インスリンセンシタイザーのネフロパシーに関する予防作用は、インス リン感作剤がミクロアルブミン尿症のアルブミン尿症への進行を防止し、反転さ せ、安定化し、または阻止すると予想しうることを示唆する。これは、ミクロア ルブミン尿症が、特に、またシンドロームXと称される、前糖尿病性インスリン 耐性症候群の臨床的徴候のある患者にて、将来的にネフロパシーに至る疾患であ ると考えられるからである。 したがって、本発明は、糖尿病性ネフロパシー、糸球体腎炎、糸球体硬化症、 ネフローゼ症候群、高血圧性腎硬化症および末期腎臓疾患を包含する腎臓疾患、 ならびにミクロアルブミン尿症の治療および/または予防法であって、有効な非 毒性量のインスリンセンシタイザーをその治療および/または予防を必要とする ヒトまたはヒト以外の哺乳動物に投与することからなる方法を提供する。 個々のインスリンセンシタイザーは、チアゾリジンジオン・インスリンセンシ タイサーを包含する。 個々のインスリンセンシタイザーは、非環式インスリンセンシタイザーを包含 する。 一の好ましい群のインスリンセンシタイザーは、EP0306228およびW O94/05659に開示されているチアゾリジンジオン・インスリンセンシタ イザーである。かくして、好ましい態様において、本発明は、糖尿病性ネフロパ シー、糸球体腎炎、糸球体硬化症、ネフローゼ症候群、高血圧性腎硬化症および 末期腎臓疾患を包含する腎臓疾患、ならびにミクロアルブミン尿症の治療および /または予防法であって、有効な非毒性量の式(I): [式中、 A1は置換または非置換の芳香族複素環基を表し; R1は水素原子、アルキル基、アシル基、アラルキル基(ここに、アリール基 は置換されていても、または置換されていなくてもよく)または置換もしくは非 置換のアリール基を表し; R2およびR3は、各々、水素を表すか、またはR2およびR3は一緒になって結 合を表し; A2は、合計5個までの置換基を有するベンゼン環を表し;および nは2ないし6の範囲の整数を意味する] で示される化合物またはその互変異性体および/またはその医薬上許容される塩 、および/またはその医薬上許容される溶媒和物を、その治療および/または予 防を必要とするヒトまたはヒト以外の哺乳動物に投与することからなる方法を提 供する。 式(I)の化合物の適当な芳香族複素環基は、各環にて、酸素、硫黄または窒 素から選択される4個までのヘテロ原子からなる、置換または非置換の、単環ま たは縮合環式芳香族複素環基を包含する。 式(I)の化合物の好ましい芳香族複素環基は、5〜7個の環原子、好ましく は5または6個の環原子を有する、置換または非置換の単環式芳香族複素環基を 包含する。 特に、式(I)の化合物の芳香族複素環基は、酸素、硫黄または窒素から選択 される1、2または3個のヘテロ原子、特に1または2個のヘテロ原子からなる 。 A1が5員の芳香族複素環基である場合、その適当なものは、チアゾリルおよ びオキサゾリル、特にオキサゾリルを包含する。 A1が6員の芳香族複素環基である場合、その適当なものは、ピリジルまたは ピリミジニル、特にピリジルを包含する。 好ましくは、A1は、式(a)、(b)または(c): [式中、R6およびR7は、独立して、水素またはハロゲン原子、アルキルまたは アルコキシ基または置換もしくは非置換のアリール基を表すか、またはR6およ びR7が、各々、隣接する炭素原子に結合する場合、R6およびR7はその結合す る炭素原子と一緒になってベンゼン環を形成し、ここにR6およびR7を一緒にす ることによって表される各炭素原子は置換されているか、または置換されておら ず;式(a)の基において、X1は酸素または硫黄を意味する] で示される基を意味する。 適切には、A1は前記した式(a)の基である。 適切には、A1は前記した式(b)の基である。 適切には、A1は前記した式(c)の基である。 特定の形態の基(c)は、式(c'): [式中、R6およびR7は式(c)に関する記載と同意義である] で示される基である。 一の有利な態様において、R6およびR7は一緒になって、式(d): [式中、R8aおよびR8bは、各々、独立して水素、ハロゲン、置換または非置換 のアルキルまたはアルコキシを意味する] で示される基である。 適当には、R8aおよびR8bは、各々、独立して水素、ハロゲン、アルキルまた はアルコキシである。有利には、R8aは水素である。有利には、R8bは水素であ る。好ましくは、R8aおよびR8bは、共に水素である。 さらに有利な態様において、R6およびR7は、各々、独立して水素、アルキル または置換もしくは非置換のフェニル基であり、さらに有利には、R6およびR7 は、各々、独立して水素、アルキルまたはフェニルである。 好ましくは、式(a)で示される基について、R6およびR7は一緒になって式 (d)で示される基を表す。 好ましくは、式(b)、(c)または(c')で示される基について、R6およ びR7は共に水素である。 A2の5個の置換基は3種の任意の置換基を包含することがわかるであろう。 A2基についての適当な任意の置換基はハロゲン、置換または非置換のアルキル またはアルコキシを包含する。 可変基A2、R1、R2、R3およびnについて、さらに適当な、有利な、かつ好 ましいものは、EP0306228およびWO94/05659に定義されてい るものである。 式(I)の好ましい化合物は、5−[4−[2−(N−メチル−N−(2−ピ リジル)アミノ)エトキシ]ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオンまたはそ の互変異性体および/またはその医薬上許容される塩、特にそのマレイン酸塩、 および/またはその医薬上許容される溶媒和物である。 前記したように、式(I)の化合物は数種の互変異性体のうちの1の形態にて 存在してもよく、そのすべてが本発明の方法にて包含される。本発明が式(I) の化合物のすべての異性体およびその医薬上許容される塩、例えば、個々の異性 体としてまたは異性体の混合物として、その立体異性体形を投与することを包含 することは明らかである。 式(I)の化合物の複素環基についての適当な置換基は、アルキル、アルコキ シ、アリールおよびハロゲンからなる群より選択される4個までの置換基を包含 するか、または隣接する炭素原子上のいずれか2個の置換基がそれらが結合する 炭素原子と一緒になってアリール基、好ましくはベンゼン環を形成してもよく、 ここに該2個の置換基により表されるアリール基の炭素原子はそれ自身置換され ていてもまたは置換されていなくてもよい。 欧州特許出願公開番号:0306228、0008203、0139421、 0032128、0428312、0489663、0155845、0257 781、0208420、0177353、0319189、0332331、 0332332、0528734、0508740;国際特許出願公開番号92 /18501、93/02079、93/22445および米国特許第5104 888号に開示されている適当な、有利なかつ好ましいチアゾリジンジオンイン スリンセンシタイザーは、その各々の特許公報にて適当な、有利なかつ好ましい と特定されている化合物である。 国際特許出願公開番号WO91/19702、WO92/03425、WO9 3/21166およびWO94/01420および米国特許第5232945号 に開示されている適当な、有利なかつ好ましい非環式インスリンセンシタイザー は、その各々の特許公報にて適当な、有利なかつ好ましいと特定されている化合 物である。 欧州特許出願公開番号0533933、国際特許出願公開番号WO93/02 079、日本国特許出願公開番号05271204およひ米国特許第52644 51号に開示されている適当な、有利なかつ好ましい化合物である。 前記した特許出願に開示されている特定例もまた、詳細には、本発明の方法に 包含される。 本明細書にて用いる場合、「インスリンセンシタイザー」なる語は、インスリ ンに対する生物学的応答を穴進する化合物をいう。 本明細書にて用いる場合、「アリール」なる語は、所望により、5個までの、 好ましくは3個までの、ハロゲン、アルキル、フェニル、アルコキシ、ハロアル キル、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アル コキシカルボニルアルキル、アルキルカルボニルオキシまたはアルキルカルボニ ル基から選択される基によって置換されていてもよいフェニルおよびナフチルを 包含する。 本明細書にて用いる場合、「ハロゲン」なる語は、フッ素、塩素、臭素および ヨウ素、好ましくは塩素をいう。 本明細書にて用いる場合、「アルキル」および「アルコキシ」なる語は、12 個までの炭素原子を含有する直鎖または分枝状炭素鎖を有する基をいう。 本明細書にて用いる場合、「アシル」なる語は、アルキルカルボニル基を包含 する。 適当なアルキル基はC1-12アルキル基、特にC1-6アルキル基、例えば、メチ ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチルまたはtert −ブチル基を包含する。 アルキル基についての適当な置換基は「アリール」なる語に関して前記した基 を包含する。 適当な医薬上許容される塩はカルボキシ基の塩および酸付加塩を包含する。 カルボキシ基の適当な医薬上許容される塩は、例えば、アルミニウムのような 金属塩、リチウム、ナトリウムおよびカリウムのようなアルカリ金属塩、カルシ ウムまたはマグネシウムのようなアルカリ土類金属塩およびアンモニウムまたは 置換アンモニウム塩、例えば、トリエチルアミンのような低級アルキルアミン、 2−ヒドロキシエチルアミン、ビス−(2−ヒドロキシエチル)アミンまたはト リ−(2−ヒドロキシエチル)アミンのようなヒドロキシアルキルアミン、ビシ クロヘキシルアミンのようなシクロアルキルアミンとの塩、またはプロカイン、 ジベンジルピペリジン、N−ベンジル−b−フェネチルアミン、デヒドロアビエ チルアミン、N,N'−ビスデヒドロアビエチルアミン、グルカミン、N−メチル グルカミンまたはピリジン、コリジン、キニンまたはキノリンのようなピリジン 型の塩基との塩を包含する。 適当な酸付加塩は硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、塩酸塩および臭化水 素酸塩のような医薬上許容される無機酸塩および酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸 塩、クエン酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、α−ケトグル タル酸塩およびα−グリセロリン酸塩、特にマレイン酸塩のような医薬上許容さ れる有機酸付加塩を包含する。 適当な医薬上許容される溶媒和物は水和物を包含する。 前記した特許公報に開示されており、本明細書に開示の特定例を含む、インス リンセンシタイザーと称される活性化合物は、通常、該特許公報に開示されてい る方法に従って調製される。かくして、式(I)の化合物またはその互変異性体 、および/またはその医薬上許容される塩、および/またはその医薬上許容され る溶媒和物は、EP0306228およびWO94/05659に記載の方法を 用いて調製することができる。 式(I)の化合物の塩および/または溶媒和物は、慣用的操作により製造し、 単離してもよく、例えば、ナトリウム塩は、ナトリウムメトキシド/メタノール を用いて調製される。 本発明はまた、糖尿病性ネフロパシー、糸球体腎炎、糸球体硬化症、ネフロー ゼ症候群、高血圧性腎硬化症および末期腎臓疾患を包含する腎臓疾患ならびにミ クロアルブミン尿症の治療および/または予防に用いるための、式(I)の化合 物またはその互変異性体および/またはその医薬上許容される塩および/または その医薬上許容される溶媒和物のようなインスリンセンシタイザーを提供する。 本発明はまた、糖尿病性ネフロパシー、糸球体腎炎、糸球体硬化症、ネフロー ゼ症候群、高血圧性腎硬化症および末期腎臓疾患を包含する腎臓疾患ならびにミ クロアルブミン尿症の治療および/または予防用の医薬の製造にて用いるための 、式(I)の化合物またはその互変異性体および/またはその医薬上許容される 塩および/またはその医薬上許容される溶媒和物のようなインスリンセンシタイ ザーを提供する。 前記した治療および/または予防において、式(I)の化合物またはその互変 異性体および/またはその医薬上許容される塩および/またはその医薬上許容さ れる溶媒和物のようなインスリンセンシタイザーを、それ自体で、または好まし くはさらに医薬上許容される担体からなる医薬組成物として投与してもよい。 したがって、本発明はまた、糖尿病性ネフロパシー、糸球体腎炎、糸球体硬化 症、ネフローゼ症候群、高血圧性腎硬化症および末期腎臓疾患を包含する腎臓疾 患ならびにミクロアルブミン尿症の治療および/または予防用の医薬組成物であ って、式(I)の化合物またはその互変異性体、またはその医薬上許容される塩 、またはその医薬上許容される溶媒和物のようなインスリンセンシタイザーと、 そのための医薬上許容される担体とからなる医薬組成物を提供する。 本明細書にて用いる場合、「医薬上許容される」なる語は、ヒトおよび動物の 両方に用いるための化合物、組成物および成分を包含し、例えば、「医薬上許容 される塩」なる語は獣医学上許容される塩を包含する。 組成物は、所望により、使用上の説明書を添付したパックの形態であってもよ い。 通常、本発明の医薬組成物は経口投与に適しているが、注射および経皮吸収に よるような他の経路による投与についての組成物もまた考えられる。 特に適当な経口投与用組成物は、錠剤およびカプセルのような単位投与形であ る。他の固定させた単位投与形、例えばサッシェに配合した粉末をまた用いても よい。 慣用的な製薬慣習に従って、担体は希釈剤、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、滑沢剤 、着色剤、フレーバーまたは他の従来のアジュバントからなっていてもよい。 典型的な担体は、例えば、微結晶セルロース、澱粉、澱粉グリコール酸ナトリ ウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルポリピロリドン、ステアリン酸マグネ シウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびシュークロースを包含する。 最適には、該組成物は、単位投与形にて処方される。このような単位用量は、 通常、0.1〜1000mg、より一般的には0.1〜500mg、とりわけ、0 .1〜250mgの範囲にある量の活性成分を含有する。 都合よくは、活性成分は前記した医薬組成物として投与され、これは本発明の 個々の態様を形成する。 前記した治療において、一般式(I)の化合物またはその互変異性体および/ またはその医薬上許容される塩および/またはその医薬上許容される溶媒和物は 、一日の総用量が、70kgの成人につき、0.1〜6000mg、より一般的 には約1〜1500mg、通常、約0.5〜10mgの範囲にあるように、一日 に1ないし6回、前記した用量にて服用される。これは、1.429x10-3〜 85.714mg/kg/日、より一般的には約1.429x10-2〜21.42 9mg/kg/日、通常、約7.143x10-3〜0.1429mg/kg/日の 範囲にある。 次に実施例を用いて本発明を説明するが、何ら本発明を限定するものではない 。 実施例1:試験化合物の腎臓病理学に関する効果の実験 肥満のツーカー(Zucker)ラットは、高脂肪血症、高インスリン血症および末 梢インスリン耐性に加えて慢性ネフロパシーを発病することが知られている(カ シスケ(Kasiske)ら、1985年)。 5−[4−[2−(N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ)エトキシ]ベ ンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン(以下、「試験化合物」という)を2〜 3月齢の肥満のツーカ−fa/faラットに食餌投与により投与し、3カ月にわ たって、2.0〜7.0μmole/kg(体重)の範囲にある日用量を付与した。一群 の月齢−適合の肥満のツーカーfa/faラットに、一群の痩せたfa/?ラッ トのように、試験化合物を与えることなく、同じ食餌を付与した。実験の終わり には、対照のツーカーfa/faラットはすべて、細管の拡張、細管上皮細胞の 萎縮または過形成、細管基底膜の肥厚、糸球体の分割または全般的糸球体硬化症 に関連する慢性ネフロパシーを示した。 対応する痩せた動物では、3/15の動物において、最小の慢性ネフロパシー が観察された。 試験化合物での処理は、対照群のツーカーfa/faラットとの比較にて、慢 性ネフロパシーの発病率および程度の減少をもたらした。 対照のツーカーfa/faラットの腎臓にて、穏やかな中程度の水腎症が4/ 9の動物にて観察された。特徴的には、これは腎盤の拡張を伴った。試験化合物 で処理したラットにて水腎症は観察されなかった。 実施例2:試験化合物の収縮期血圧、尿中全蛋白質および尿中N−アセチルβ− D−グルコサミニダーゼ(NAG)活性測定に関する効果の実験 第2の実験を9カ月間にわたってツーカーラットにて行い、収縮期血圧および 腎機能の種々の指標に対する薬の長期的な効果を調べ、その2つの実験の効果を 該実施例にて示す。第1の群の実験にて、6〜7週齢のツーカー脂肪性(fa/ fa)ラットの食餌に薬(50μmole/kg(食餌))を入れ、一方、第2の群の 実験にて、構造的損傷が既に腎臓にあることを示す、4カ月後、蛋白尿症が確立 されるようになるまで、前記の薬処理を遅らせた。第3の群のツーカー脂肪性ラ ットおよび別群の痩せたラットには実験期間を通して食餌だけを与えた。 試験化合物を投与した後、1カ月の間隔で、収縮期血圧、尿中全蛋白質および 尿中β−D−グルコサミニダーゼ(NAG)活性の測定を行った。 収縮期血圧の測定 ラットを特注の抑制手段で囲み、加温キャビネットの棚に置き、その温度を約 30℃に調節した。パルスセンサーと一体となった膨張性加圧帯を各ラットのし っぽに取り付けた。20〜30分間加温した後、しっぽの加圧帯を自動的に膨張 および収縮させ、IITC非侵襲性血圧モニターを用いて収縮期血圧の測定を行 った。このサイクルを、安定した血圧値が得られるまで、各ラットについて数回 繰り返した。 尿中変数の測定 24時間の尿採集を代謝ケージにて行い、アリコートし、検定に必要となるま で−70℃で凍結させた。 (i)尿中蛋白質 96−ウェルマイクロタイタープレートにて用いるように修飾したBio-Rad蛋 白質アッセイを用いて、尿中蛋白質濃度を測定した。該アッセイは、蛋白質の種 々の濃度に応答する色素の特異的色相変化に基づく色素結合アッセイである(ブ ラッドフォード(Bradford)、アナリティカル・バイオケミストリー(Anal.Bio chem.)、72、248、1976)。色素試薬と一緒に一定期間インキュベー トした後、モレキュラー・デバイス・マルチプレート・リーダーを用い、希釈し た尿試料の595nmでの光学密度を読み取る。 (ii)尿中NAG活性 日立717アナライザーで試薬キット(共に、ベーリンガー・マンハイム、英 国、ルイスより市販されている)を用い、NAG活性を検定した。基質のクロロ フェノールレッド−β−D−グルコサミニドより放出されたクロロフェノールの 割合を測定すること(570nm)により酵素活性を測定した。 結果および統計値 以下の表にて、結果を、一群の平均値±標準偏差で表す。結果を一方向性AN OVAにより解析し、ツーカー脂肪性ラットの対照群との有意な違いを星印で示 す。 結論 実施例2の結果は、6〜7週齢のツーカー脂肪性(fa/fa)ラットの食餌 を介するBRL49653での9カ月間の処理が、高血圧の発病を防止し、尿中 NAG活性の上昇および蛋白尿症の発病率を著しく減少させることを示す。蛋白 尿症が確立された後に薬処理を開始すると、収縮期血圧および尿中NAG活性の 両方はさらなる上昇が妨げられ、また尿中蛋白質濃度の上昇速度の著しい減少が 観察された。 腎合併症の発病前に試験化合物での処理を開始する効果 腎合併症の発病前に試験化合物での処理を開始する効果 腎合併症の発病前に試験化合物での処理を開始する効果 腎合併症が確立された後に試験化合物で処理を開始する効果 腎合併症の発病前に試験化合物で処理を開始する効果 腎合併症の発病前に試験化合物で処理を開始する効果
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07D 417/12 239 9053−4C C07D 417/12 239 263 9053−4C 263 (31)優先権主張番号 9426019.7 (32)優先日 1994年12月22日 (33)優先権主張国 イギリス(GB) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE ,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK, LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,M X,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,US,UZ, VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 糖尿病性ネフロパシー、糸球体腎炎、糸球体硬化症、ネフローゼ症候群 、高血圧性腎硬化症および末期腎臓疾患を包含する腎臓疾患およびミクロアルブ ミン尿症の治療および/または予防方法であって、有効な非毒性量のインスリン センシタイザーを、その治療および/または予防を必要とするヒトまたはヒト以 外の哺乳動物に投与することからなる方法。 2. インスリンセンシタイザーがチアゾリジンジオン・インスリンセンシタ イザーである請求項1記載の方法。 3. インスリンセンシタイザーが非環式インスリンセンシタイザーである請 求項1記載の方法。 4. インスリンセンシタイザーが、式(I): [式中、 A1は置換または非置換の芳香族複素環基を表し; R1は水素原子、アルキル基、アシル基、アラルキル基(ここに、アリール基 は置換されていても、または置換されていなくてもよく)、または置換もしくは 非置換のアリール基を表し; R2およびR3は、各々、水素を表すか、またはR2およびR3は一緒になって結 合を表し; A2は、合計5個までの置換基を有するベンゼン環を表し;および nは2ないし6の範囲の整数を意味する] で示される化合物またはその互変異性体および/またはその医薬上許容される塩 および/またはその医薬上許容される溶媒和物であり、治療および/または予防 を必要とするヒトまたはヒト以外の哺乳動物に投与する請求項1記載の方法。 5. 式(I)の化合物において、A1が、式(a)、(b)または(c): [式中、 R6およびR7は、独立して、水素またはハロゲン原子、アルキルまたはアルコ キシ基または置換もしくは非置換のアリール基を表すか、またはR6およびR7の 各々が隣接する炭素原子に結合する場合、R6およびR7はその結合する炭素原子 と一緒になってベンゼン環を形成し、ここにR6およびR7を一緒にすることで表 される各炭素原子は置換されていても、または置換されていなくてもよい; 式(a)の基において、Xは酸素または硫黄を意味する] で示される基である請求項4記載の方法。 6. 式(I)の化合物において、A1が前記した式(c): [式中、R6およびR7は請求項5の記載と同意義である] で示される基である請求項5記載の方法。 7. インスリンセンシタイザーが5−[4−[2−(N−メチル−N−(2 −ピリジル)アミノ)エトキシ]ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオンまた はその互変異性体および/またはその医薬上許容される塩および/またはその医 薬上許容される溶媒和物である請求項1記載の方法。 8. インスリンセンシタイザーが5−[4−[2−(N−メチル−N−(2 −ピリジル)アミノ)エトキシ]ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオンまた はその互変異性体および/またはその医薬上許容される溶媒和物のマレイン酸塩 である請求項7記載の方法。 9. 糖尿病性ネフロパシー、糸球体腎炎、糸球体硬化症、ネフローゼ症候群 、高血圧性腎硬化症および末期腎臓疾患を包含する腎臓疾患およびミクロアルブ ミン尿症の治療および/または予防用の医薬の製造におけるインスリンセンシタ イザーの使用。 10. 糖尿病性ネフロパシー、糸球体腎炎、糸球体硬化症、ネフローゼ症候群 、高血圧性腎硬化症および末期腎臓疾患を包含する腎臓疾患およびミクロアルブ ミン尿症の治療および/または予防用の医薬組成物であって、インスリンセンシ タイザーと、そのための医薬上許容される担体とからなる組成物。
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